JP5675696B2 - 鋳造における溶融金属の冷却方法及び金属組織の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融金属を鋳型に鋳入した後に溶融金属を内部から急激に冷却することによって比重差のある複数の金属からなる溶融金属であっても、重力の影響による偏析を防止することのできる鋳造方法に関する。さらには、溶融金属を急激に冷却し、凝固させることにより金属組織を微細化させて鋳物内部に鋳物欠陥が発生しないような合金の製造方法、及び、溶融金属の冷却速度をコントロールすることにより金属組織を制御する方法に関する。
従来の鋳造方法は、溶湯を鋳型に鋳入した後、そのまま鋳型を放置することにより鋳入した溶湯を自然冷却させる方式であるため、比重差のある複数の金属からなる合金を鋳造すると、合金間の析出温度の差等の凝固特性の違いにより、偏析と呼ばれる金属成分の偏りが発生する。比重差のある複数の金属を含む合金からなる溶湯は、最初に晶出する固相の比重が溶湯の比重よりも軽い場合には、凝固時に重力の影響により晶出した固相が溶湯内を浮上することになる。
簡単に言えば、各合金の比重差により各合金が合金内で分離して凝固することになる。重力の影響以外の偏析や内部欠陥の発生原因は、鋳型の主成分である砂のような材料は熱伝導率が低く保温性が高いため、なかなか鋳型内部に鋳入された溶湯の温度が下がらず、その結果として偏析や内部欠陥が発生しやすくなることが考えられる。
鋳型の溶湯と接触する部分に熱伝導率の高い金属を設置することにより、急冷させようとする、いわゆる冷やし金と呼ばれる金属を鋳型と溶湯との間に介在させることにより、溶湯を通常よりも早く冷やす方法が知られている。しかしながら冷やし金の外側の部分から凝固収縮により、凝固した金属が離れてしまい、冷却効果が部分的にしか無くなってしまうことになる。また冷やし金の大きさによりクラックや染み出し等の現象が起こることもある。
以上のことを纏めると、地球上には重力があるため、比重差のある合金は凝固時に均一な金属組織にならないし、さらに地球上には空気があるため、空気が凝固中に合金の中に混入することにより金属組織に対し、強度劣化等の悪影響を与える。すなわち宇宙空間のような重力の支配を受けることが無く、かつ、空気の無い場所でなければ、比重差のある複数の金属からなる合金を自由に製造することができなかった。
本発明のように鋳型に鋳入した溶湯そのものを直接急冷する技術においては、従来、以下に記載するような特許文献1及び特許文献2に見られるような先行技術があった。
特許文献1に係る発明は、鋳枠内に鋳物砂を固めて形成した鋳型において、鋳型内部の鋳造品とつながる押湯部を設け、この押湯部に溜まった押湯に対し冷却媒体を用いて冷却して鋳造品を強制冷却するものである。この押湯部を貫通するように冷却配管を設け、押湯部を直接冷却することにより、金属の熱伝導を利用して効率よく鋳造品を冷却することができるというものである(特許文献1要約)。
特許文献1に係る方法によれば、押湯部分を強制冷却することにより、金属の高い熱伝導性を利用して鋳型内部の鋳造品を直接的に冷却するため、鋳入後に鋳型を放置した場合よりも多少は冷却速度を大きくすることは可能であり、また、鋳造品を直接的に冷却するため、鋳物砂などに品質上の悪影響を及ぼすことがなく、鋳物砂の再生に要する労力を削減することができるという程度の効果は見られる。
しかしながら、特許文献1に係る発明では、冷却速度は十分ではなく、製品温度が1100℃から900℃に下がるのに約60分をも要している(引用文献1 図2参照)。この程度の冷却速度では、比重差のある複数の金属からなる溶融金属を鋳入した場合、重力の影響による偏析を防止することは出来ない。さらには、金属組織を微細化させて鋳物内部に鋳物欠陥が発生しないような合金を製造することも出来ない。
特許文献1に係る発明は、鋳造品の冷却方法で生じていた鋳物砂の性質悪化や、製造設備の複雑化を防止しつつ、鋳造品を強制冷却することが可能な、鋳造品の冷却制御方法を提供することを目的としているのに対し、本願発明の目的は溶融金属を内部から急激に冷却することによって比重差のある複数の金属からなる溶融金属であっても、重力の影響による偏析を防止することのできる鋳造方法を提供することであり、さらに言うならば、鋳入後の溶融金属の冷却速度を制御する方法を提供するものであり、技術的な思想が全く異なるものである。
特許文献2に係る発明は、消失模型鋳造方法であって、パイプが埋め込まれた消失模型を成形し、その消失模型を鋳砂に埋設する際に、パイプに冷却配管を接続し、注湯後、その冷却配管からパイプに冷却材を流すことを特徴としている。かかる構成によりキャビティ内の溶湯の凝固が早まり、鋳巣の発生を抑制することができる。また、パイプ周辺の溶湯が急冷されるため、その部分の金属組織が微細化し、疲労強度や引張り強度、伸び等の機械的特性が向上するというものである(特許文献2要約)。
特許文献2に係る方法によれば、確かに鋳物の鋳巣を抑制するとともに、疲労強度や引張り強度、伸び等の機械的特性を向上させることは可能といえる。しかしながら、消失模型鋳造方法は、鋳物の内部に中空部を形成するための技術である。具体的には、中央軸方向に貫通孔を備えるような鋳物を鋳造する方法であり、貫通孔の無い形状には適用できないという形状的な限界がある。
さらに特許文献2に係る方法によれば、形状に制限があるのみならず、パイプ周辺の鋳物しか微細化できない(特許文献2要約の解決手段及び段落0004記載)ため金属組織の微細化という観点からしても、金属組織を制御することなど到底出来ないものであり、本願発明のような鋳入後の溶融金属の冷却速度を制御する方法を提供するものとは、技術的な思想が全く異なるものである。
すなわち、特許文献1及び特許文献2に係る方法においては、単に、冷却速度を速めることにより、金属組織の微細化を促すことしか考えておらず、金属組織を制御するという思想は無く金属組織を所望の粒径及び形状を有する微細組織にすることはできなかった。
特開2005−144461 特開2000−263216
製品の開発現場では、言うまでもなく、製品の軽量化、高耐久性、薄肉化等を実現できる金属材料が望まれており、かかる問題解決のためには、従来の技術では地球上で製造することのできなかった高強度の合金、高靱性のある合金、耐摩耗性のある合金等を開発する必要がある。これらの課題を解決できる金属の組成は比重差が少ない場合もあり、重力の影響を受けない組成もあり得るのであるが、実際の問題として比重差のある複数の合金について開発をしようとすれば、地球上に存在する重力の影響から逃れることは出来ない。
宇宙空間のような重力の支配を受けることの無い場所であれば比重差のある金属からなる合金を製造することもできるのであるが、現状では宇宙空間での製造となると莫大なコストが必要であり現実的ではない。以上のことより地球上に存在する重力の影響から逃れることは出来ないのが現状である。このため新しい合金の開発自体が座礁した状況になっており、地球上であっても比重差のある金属からなる合金を製造する方法が望まれていた。
現在、地球上で製造不可能な金属組成を有する合金の中には、製品の軽量化、高耐久性、薄肉化等を実現できる金属組成が含まれており超高強度の合金、超高靱性のある合金、超耐摩耗性のある合金が存在する可能性が高く、これらを利用できないのは産業の発展という観点から見ても、もったいないことである。例えば、レアメタルと同等の優れた特性を有する合金がある可能性もあり、将来的にレアメタルが入手できなくなったとしても、これらを利用できれば、レアメタルの代替材料としての価値もある。
さらに言えば、形状的に大きな大物部材であっても、偏析による材料成分のバラつきを押さえ、かつ、内部に発生する欠陥を抑制・防止し、材料品質を確保できる技術の開発が望まれていた。
本発明に係る鋳造方法によれば、製品部にならない端部の一部を貫通する冷却配管に冷却水等を流すことにより、たとえ宇宙空間でなくても、比重差のある複数の材料成分のバラつきを押さえ、かつ、内部に発生する欠陥を抑制・防止し、材料品質を確保できるようになった。
さらに、本発明に係る鋳造方法によれば、材質に合わせて極めて正確に冷却速度を制御することが出来るので金属組織を制御することが出来る。鋳入直後の溶湯は、鋳型の内壁に沿った対流を生じ鋳型内部を動くことになる。温度が高く溶湯が鋳型内を動き得るときは、溶湯に含まれる複数の合金に密度差がある場合は良いが、この対流が弱まってくると、いわゆる偏析を生じるため、出来るだけ早く凝固開始温度である初晶析出温度まで温度を下げる必要がある。
それに加えて、初晶析出温度から凝固完了温度までの冷却速度を制御することにより、所望の金属組織を得る事が出来るわけである。しかしながら、ただ単に結晶を微細化すれば良いというものではなく、一定の材料強度特性を得ようとすれば、デンドライトといわれる柱状晶をある程度成長させる必要もある。
金属結晶の微細化は初晶デンドライトだけでなく、その後に生成する共晶や金属間化合物も同様に微細化することが重要である。冷却速度を速くすると金属組織が微細化することにより、鋳物のじん性を低下させる影響を軽減することができる。初晶デンドライトを微細化することは、デンドライト組織そのものを小さくするとともに、デンドライトからの2次アームの発生も抑えて、その2次アーム(デンドライトの主軸から直角に生成した枝を2次アームという。)の間隔を狭くすることも含まれる。
一般にデンドライト2次アーム間隔を狭くすると、その間隙に分布する共晶や化合物も小さくなり、全体に細かく分布することになる。デンドライト2次アーム間隔はとくに冷却速度に依存し、冷却速度が速いほどデンドライト2次アーム間隔は狭くなる傾向があることが知られている。
冷却速度に支配されるデンドライト2次アーム間隔は、鋳物の機械的性質に大きな影響を与える。すなわち冷却速度が速くなりデンドライト2次アーム間隔が小さいほど、強さも伸びも大きく上昇する。デンドライト2次アーム間隔はとくに鋳物のじん性を表わす伸び、衝撃値ならびに疲れ強さに大きな影響を及ぼす。
本発明は、特に初晶析出温度から凝固完了温度における冷却速度を制御することにより、ただ単にデンドライト組織を微細化するだけではなく、デンドライト2次アーム間隔を制御することにより金属組織を制御し、鋳物のじん性を表わす伸び、衝撃値ならびに疲れ強さ等の材料特性を制御しようとするものである。
上記課題を解決するために本発明は、鋳型の内部空間を通過して前記鋳型を貫通する複数の冷却水供給用配管を設置した鋳型を用いて行う鋳造における冷却方法であって、鋳型に溶融した金属を鋳入するステップと、前記溶融した金属を冷却するために前記複数の冷却水供給用配管に冷却水を流すステップからなり、前記複数の冷却水供給用配管に冷却媒体を流すステップは、湯口から遠い冷却水供給用配管から冷却水を流し始め、前記湯口から遠い冷却水供給用配管付近の凝固の進行状況を確認しつつ、湯口に近い冷却水供給用配管に冷却水を流すことを特徴とする鋳造における冷却方法とした。
上記課題を解決するために本発明は、請求項1において、前記冷却水供給用配管に流す冷却水の流量は、10L/分以上であることを特徴とする鋳造における冷却方法とした。
本発明により、溶湯内部から急速に冷却することで凝固速度を極めて速くすることにより、偏析を抑制し、現状では、利用ができなかった組成を有する金属材料が開発できるようになった。さらに、溶湯内部を急速に冷却することにより、溶湯を急速に凝固させることによりヒケ巣やピンホールを極小化させることにより、材料強度が十分であり、過酷な条件下であっても問題無く使用可能な材料が開発できるようになった。さらに配管に流す水量を調整するという極めて簡単な操作により、溶湯の冷却速度(凝固速度)を制御することにより、所望の材料特性を有する鋳物を得ることが出来るようになった。
さらに言えば本発明により、従来の製造方法では、比重差等のため重力の影響を受ける地球上では製造不可能な金属組成を有する合金であっても、超高強度の合金、超高靱性のある合金、超耐摩耗性のある合金を製造することが出来るようになった。
本発明に係る凝固開始時における鋳型の断面図である。 本発明に係る凝固進行中における鋳型の断面図である。 温度降下曲線(本発明と従来冷却との比較)である。 本発明に係る複数配管を設置した鋳型の断面図である。
本願発明に係る鋳造品の冷却方法の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。この発明の実施形態を図1に示す。図1は、鋳型10の内部構成を示す断面図である。図1に示すように、鋳型10の製品部20となる部分に、予め冷却水供給用配管30を貫通するように設けていることが本願発明の特徴である。この実施形態の特徴は、鋳型10内に溶湯を注湯した後、鋳型に鋳入された溶湯の凝固開始温度である初晶析出温度と凝固完了温度との間の温度範囲で、冷却水供給用配管30に冷却水を流し、冷却水のほとんど全てを気化させて鋳造品を強制冷却することである。
まず湯口40から溶湯を鋳入し、製品部20が溶湯で満たされた後、すなわち押湯部50の湯位が金型鋳型10表面まで達した時点で溶湯鋳入を完了する。溶湯鋳入が完了したら、湯口40の上から蓋をし、さらに、冷却水供給用配管30に冷却水を流すことにより強制冷却を行う。図1では冷却水供給用配管30の周り(斜線部)から凝固が始まっていることを示している。図2では時間とともに冷却水供給用配管30の周りから湯口40に向かって凝固が進んでいる状態を示している。
図3は冷却水通水時間と温度降下曲線との関係を表した図である。イは本発明に係る冷却方法により、冷却したときの温度降下曲線であり、ロは従来のように強制冷却せずに鋳型をただ単に放置したときの温度降下曲線である。図3に示すように、鋳型内部の溶湯温度が鋳入開始の400℃から凝固開始温度である377℃まで下がるのに1〜2分程度となっている。一方、従来のように強制冷却せずに鋳入後、鋳型をただ単に放置する方法では、溶湯鋳入から凝固温度である337℃まで下がるのに、30分以上かかっている。本発明により、溶湯鋳入から凝固開始までの時間を大幅に短縮することができた。これは、製品部20を強制冷却したため、気化熱の利用による効率のよい冷却が行われたことを示している。
このように、本願発明の実施形態における鋳造品の強制冷却では、冷却工程に要する時間を大幅に短縮できると共に、生産効率の向上が可能となる。しかも冷却水を供給する冷却水供給用配管30を製品部20に1本配設するだけでよく、製造設備が極めて簡易な構成となり、製造コストを抑えることができる。
図4に示すように複数(A、B、C)の冷却水供給用配管30を設置して体積の大きな製品の形状に合わせて製品部20の冷却速度を向上させることにより冷却効率を向上させることもできる。かかる場合はまず、湯口40から遠い冷却水供給用配管30(図4のA)から冷却を開始し、冷却水供給用配管Aの付近の凝固の進行状況を確認しつつ、冷却水供給用配管B及び冷却水供給用配管Cに冷却水を流す。冷却水供給用配管30の数は金型形状や必要となる金属組織により異なるため、個々の金属に対し個々の製造技術(冷却のタイミングや冷却水供給用配管30に流す水量等)が必要となってくる。
この実施形態では、鋳造品の冷却媒体である冷却水がすべて蒸発すると考えられるため、冷却水の有する大きな気化熱を冷却に利用できる。水の気化熱は2250KJ/kgもあるため、溶湯を凝固させるのに多大の気化熱が使われることとなる。また、本願発明の実施形態は製品部20となる鋳型内部に配管し、直接的に冷却水を流して直接的な冷却を行う。従って、冷却水の量の調整も容易なため、効率のよい冷却を行うことができると共に、冷却速度の制御も容易になる。
このように、実施形態における鋳造品の強制冷却では、冷却工程に要する時間を大幅に短縮できると共に、生産効率の向上が可能となる。
以上、本発明に係る鋳造品の冷却方法の具体的な実施の形態について説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本願発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、本願発明の実施形態では冷却媒体として水を用いているが、水以外にも氷やドライアイスを投入しても良い。
FCD450と呼ばれる材質によるブロック(大きさ:200mm×600mm×100mm)の作製を本発明に係る鋳造方法を用いて、金属組織の大きさを制御することにより行った。まず、フラン自硬性の鋳型10を作製し、鋳型10を貫通するように2本の冷却水供給用配管30を配置し、溶湯温度1370℃で溶湯を湯口40から鋳型10に鋳入した。2本の冷却水供給用配管30に冷却水を流しつつ金属組織を制御しながらブロックを作製した。上記方法により作製されたブロックの断面を切断し微細組織を観察するとともに、硬さを測定した。
組織観察においては、いわゆるヒケ巣やピンホールと呼ばれる鋳物欠陥が極端に減少し、一般的にブロック形状に見られるバクレツ状黒鉛形状が、切断面のいずれの箇所にも見られることは無く黒鉛形状が安定していることが解った。硬さにおいては、通常であれば150〜210HB程度の値となるところ、本発明に係る製造方法によれば、180〜230HB程度の値となり、硬度的にも10%程度の向上が見られることが解った。以上のことにより、本発明に係る鋳造方法により従来は不可能であったFCD450と呼ばれる材質にて従来よりも大きなブロック形状の製作が可能となることが解った。
一般的にアルミダイカストに使用されているADC12と呼ばれる材質による、試作検討用エンジンブロックとして切削で製作するためのブロック(大きさ:400mm×400mm×500mm)形状を鋳入温度680℃にて、実施例1と同様に本発明に係る鋳造方法により作製した。
上記方法により作製したブロックの材料評価をするために、断面を切断して組織観察を行った。上記方法にて作製したブロックは、冷却水供給用配管30に冷却水を噴流式で流すことにより、鋳型内部から製品部を強制的に冷却する。この方法にて金属組織を制御したことにより、切削後に製品部となる部分は、ダイカストで鋳造した製品と近似した金属結晶組織を得ることができた。ピンホールに関しても、極端に少なく実用的にもほぼ問題の無い程度であった。材料の物性値についてもブロック全体にわたって数カ所測定しても材料的に許容範囲内であった。結果的に実車輌に近い製品として作製することができた。
この大きさのブロックを通常の砂型(水ガラス)または、鉄枠+外部水冷で鋳造した場合、中央部に大きなヒケ巣が発生し、使用に耐えられるものではない。たとえヒケ巣が発生しなかったとしても、偏析の発生により材料を安定化させることができなかった。
本発明は、溶融金属を鋳型に鋳入した後に溶融金属を内部から急激に冷却することによって比重差のある複数の金属からなる溶融金属であっても、重力の影響による偏析を防止することのできる鋳造における溶融金属の製造方法に関する分野にて利用することが出来る。さらには、溶融金属を急激に冷却し、凝固させることにより金属組織を微細化させて鋳物内部に鋳物欠陥が発生しないような合金の製造方法に関する分野にて利用することが出来る。
10 鋳型
20 製品部
30 冷却水供給用配管
40 湯口
50 押湯部

Claims (2)

  1. 鋳型の内部空間を通過して前記鋳型を貫通する複数の冷却水供給用配管を設置した鋳型を用いて行う鋳造における冷却方法であって、
    鋳型に溶融した金属を鋳入するステップと、前記溶融した金属を冷却するために前記複数の冷却水供給用配管に冷却水を流すステップからなり、
    前記複数の冷却水供給用配管に冷却水を流すステップは、湯口から遠い冷却水供給用配管から冷却水を流し始め、前記湯口から遠い冷却水供給用配管付近の凝固の進行状況を確認しつつ、湯口に近い冷却水供給用配管に冷却水を流すことを特徴とする鋳造における冷却方法。
  2. 前記冷却水供給用配管に流す冷却水の流量は、10L/分以上であることを特徴とする請求項1に記載の鋳造における冷却方法。
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