(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施の形態にかかるコネクタを図1〜図9を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコネクタの斜視図であり、図2〜図4は、平面図、正面図及び底面図である。図5は、図1のコネクタが備えるワイヤハーネス保持部の溝部の拡大斜視図である。図6は、図1のコネクタが備えるワイヤハーネス保持部のコネクタ掛止部の拡大斜視図である。図7は、図1のコネクタと電子機器との分解立体図であって、図1のコネクタの電子機器への取り付けを説明する斜視図である。図8は、図1のコネクタを電子機器に取り付けた構成体の平面図である。図9は、図1のコネクタの変形例の構成を示す斜視図である。各図において、便宜上、互いに直交する矢印X、Y、Z方向を用いて位置関係を説明する。
本実施形態のコネクタは、例えば、三相交流電源用コネクタとしてハイブリッド車等に搭戴されたモータやインバータ等の電子機器に取り付けられる。このコネクタは、図示しない電源ケーブルの先端に設けられた相手方コネクタと嵌合され、電源回路から電源ケーブルを通じて送られる電力を電子機器に供給するものである。
図1〜図4に示すように、本実施形態のコネクタ101は、ハウジング110と、複数の端子130と、嵌合検知部140と、ワイヤハーネスの一例である嵌合検知ハーネス150と、ワイヤハーネス保持部160と、を備えている。
ハウジング110は、合成樹脂製であって、ハウジング本体111と、一対の固定片119と、を一体に有している。
ハウジング本体111は、一端が開口されかつ他端が塞がれた有底の略四角筒状に形成されている。各図において、ハウジング本体111はその軸方向が矢印X方向となるように配置されている。また、ハウジング本体111において他端から一端に向かう方向(図1において、矢印Xと平行で上方に向かう方向)が相手方コネクタとの嵌合方向となる。ハウジング本体111は、長方形板状の底壁112と、底壁112の周縁から立設された外壁の一例としての周壁113と、を一体に有している。周壁113は、平板状の4つの側壁を有している。これら4つの側壁のうちの図中矢印Z方向に対向する一対の側壁114、115について、これらのうちの電子機器300(図5)寄りに配置されて当該電子機器300と対向するものを「第1側壁114」とし、第1側壁114に対向して配置されたものを「第2側壁115」として、以下説明する。
第1側壁114は、側壁本体114aと、台状部114bと、を一体に有している。側壁本体114aは、長方形板状に形成され、その長手方向が矢印Y方向に沿うとともに、その幅方向が矢印X方向に沿って配置されている。台状部114bは、側壁本体114aの外面における底壁112寄りでかつ矢印Y方向中央の箇所に設けられており、矢印Z方向にむけて台状に突出して形成されている。換言すると、第1側壁114は、底壁112寄りでかつ矢印Y方向中央の箇所が、それ以外の箇所より平面視矩形状に肉厚に形成されている。
第1側壁114の側壁本体114aには、後述する嵌合検知ハーネス150を、周壁113の内側から外側に引き出すための導出部114cが設けられている。この導出部114cによって、嵌合検知ハーネス150の他端側が第1側壁114を貫通して外側に導出される。本実施形態において、導出部114cは、側壁本体114aにおける底壁112と反対側の縁部(即ち、嵌合側端部)でかつ後述する端子130Aと端子130Bとの間の箇所に切欠形状に形成されている。換言すると、導出部114cは、一壁部114における相手方コネクタとの嵌合側端部近傍でかつ端子130の他端の延出箇所から矢印Y方向にずれた位置に設けられている。この導出部114cは、後述するワイヤハーネス保持部160の一対のリブ161の間に配置されている。これ以外にも、導出部114cとして第1側壁114を貫通する貫通孔を採用するなど、嵌合検知ハーネス150の他端側を、第1側壁114を貫通して外側に導出させるものであれば、その構成は任意である。第1側壁114は、ハウジング110の一壁部の一例である。
第2側壁115は、上記第1側壁114の側壁本体114aと同様に、長方形板状に形成され、その長手方向が矢印Y方向に沿うとともに、その幅方向が矢印X方向に沿って配置されている。第2側壁115の内面には、ハウジング本体111の開口から内側に挿入された相手ハウジングを案内する複数の案内リブ116が形成されている。複数の案内リブ116は矢印X方向に延在し、矢印Y方向に互いに間隔をあけて配置されている。
一対の固定片119は、周壁113の有する4つの側壁のうちの図中矢印Y方向に対向する一対の側壁117、118に一体に形成されている。一対の固定片119は、先端が半円状の帯板形状であり、一対の側壁117、118における底壁112寄りの箇所から矢印Y方向に向けて互いに離れるように突出して形成されている。各固定片119の1つの平面は、上記第1側壁114の外面と面一にされている。各固定片119は、先端部にねじ穴119aが貫通して設けられており、このねじ穴119aに図示しないボルトが挿通されて、電子機器300にボルト固定(即ち締結)される。
複数の端子130は、それぞれ所定の帯板形状に打ち抜かれた板金を折り曲げ加工して形成されている。本実施形態では、3つの端子130を有している。これ以外にも、1つ、2つまたは4つ以上の端子を有した構成としてもよい。
複数の端子130は、インサート成形によりハウジング110と一体とされており、それぞれの一端側がハウジング110内部に収容され、他端側がハウジング110の第1側壁114を貫通して電子機器300側に延出されている。
これら複数の端子130のそれぞれは、順次連接された平板状の部位である第1接続部131、貫通部132、立ち上げ部133及び第2接続部134を有している。
第1接続部131は、ハウジング110内に周壁113と間隔をあけて矢印X方向に平行に配置されている。貫通部132は、第1接続部131における底壁112寄りの端部に直角に連接され、ハウジング110の第1側壁114を貫通するよう配置されている。立ち上げ部133は、貫通部132におけるハウジング110外側の端部に直角に連接され、第1接続部131との間に第1側壁114を挟んで対向するように配置されている。第2接続部134は、立ち上げ部133における底壁112から離れた端部に直角に連接され、ハウジング110から離れるように延在して配置されている。
第1接続部131は、底壁112から離れた先端に先細となるテーパ面が形成されるとともに当該端部がハウジング110の開口近傍に配置されている。第1接続部131は、嵌合時に相手方コネクタのメス端子と接触されるオス端子として機能する。複数の端子130の第1接続部131は、ハウジング110内で矢印Y方向に間隔をあけて一列に並べて配置されている。
第2接続部134は、先端部に貫通孔134aが形成され、この貫通孔134aにボルトが挿通されて電子機器300の図示しない接続端子と締結される。
複数の端子130のうちの図1の左寄りで第1側壁114の側壁本体114aを貫通するものを、「第1端子130A」とし、図1の右寄りで側壁本体114aを貫通するものを、「第3端子130C」とし、第1端子130Aと第3端子130Cとの間で側壁本体114a及び台状部114bを貫通するものを「第2端子130B」として以下説明する。
嵌合検知部140は、ハウジング110内に設けられ、相手方コネクタと正常に嵌合したことを検知する。具体的には、嵌合検知部140は、嵌合の際に、複数の端子130の第1接続部131の全てが相手方コネクタのメス端子と接触したあとに、所定の電位(例えば、高電位)となる信号を出力し、嵌合解除の際に、複数の端子130の第1接続部131のいずれかが相手方コネクタのメス端子と離間する前に上記電位とは異なる他の電位(低電位)となる信号を出力するように構成されている。一例として、嵌合検知部140は、ハウジング110の底壁112内面に矢印X方向に立設された図示しない一対の端子金具を有し、これら一対の端子金具の先端が上記第1接続部131の先端より底壁112寄りに配置されている。これにより、これら一対の端子金具は、嵌合の際に複数の端子130の第1接続部131の全てが相手方コネクタのメス端子に接触したあとに、相手方コネクタに設けられた当該端子金具に対応する相手端子金具と接触して短絡状態となり、嵌合解除の際に、当該一対の端子金具が最初に相手端子金具と離間して絶縁状態となったあとに、第1接続部131がメス端子と離間する。または、嵌合検知部140は、上記端子金具に代えて、相手方コネクタの嵌合・嵌合解除によりオンオフされる機械式マイクロスイッチなどを有していてもよい。
嵌合検知ハーネス150は、電線部151と、電線部151の一端に設けられた一端側コネクタ部152と、他端に設けられた他端側コネクタ部153と、を備えている。この嵌合検知ハーネス150は、一端側コネクタ部152が、嵌合検知部140に接続され、電線部151の他端側が、ハウジング110の第1側壁114の導出部114cから外側に導出されている。嵌合検知ハーネス150は、他端側コネクタ部153が図示しない電源回路に電気的に接続されることにより、嵌合検知部140から出力される嵌合状態を示す上記信号が電源回路に伝えられる。電源回路は、この信号を受けてコネクタ101と相手方コネクタとの嵌合を検知すると、図示しないリレースイッチを作動させ、電源回路から相手方コネクタ及びコネクタ1を通じて電子機器300に電力を供給する。この嵌合検知ハーネス150におけるハウジング110外側に導出された部分は、次に説明するワイヤハーネス保持部160によって保持される。
ワイヤハーネス保持部160は、ハウジング110の第1側壁114に一体に設けられており、嵌合検知ハーネス150におけるハウジング110外側に導出された部分の全体を保持する。ワイヤハーネス保持部160は、一対のリブ161と、溝部162と、コネクタ掛止部163と、を有している。
一対のリブ161は、第1側壁114の側壁本体114aにおける第1端子130Aと第2端子130Bとの間に互いに間隔をあけて矢印X方向に延在して配設されている。一対のリブ161のそれぞれは、第1側壁114における矢印X方向に対向する縁部間にわたって立設されたリブ本体161aと、リブ本体161aの先端に連接され、他方のリブ本体161aに向かって延びる庇部161bと、を有している。一対のリブ161の間には上述した導出部114cが配置されている。一対のリブ161のうちの第2端子130B寄りに配置されたリブ161のリブ本体161aは、底壁112寄りの端部が、第1側壁114の台状部114bと一体にされている。一対のリブ161は、リブ本体161aの間に、嵌合検知ハーネス150の電線部151におけるハウジング110外側に導出された部分の一部が配置され、庇部161bによって当該電線部151の一部がリブ本体161aの間から外に出てしまうことを規制する。即ち、一対のリブ161は電線部151の一部を導出部114cから一壁部114における底壁112側縁部近傍まで相手方コネクタとの嵌合方向と平行に保持している。また、一対のリブ161は、電線部151の上記一部を第1側壁114の面延在方向に導いている。
溝部162は、第1側壁114の台状部114bにおける底壁112側(図1下方)を向く面に矢印Y方向に延在して配設されている。図5に示すように、溝部162の互いに対向する一対の側面162aにおける溝開口近傍には、それぞれの他方の側面に向けて突出する複数のくさび形状のロック爪162bが溝延在方向に間隔をあけて配設されている。溝部162内の溝空間は、第1端子130A寄りの端において、一対のリブ161間の空間と連通している。溝部162は、溝空間内に電線部151における上記一部に連なる他の一部が配置され、ロック爪162bによって当該電線部151の他の一部が溝空間内から外に出てしまうことを規制する。即ち、溝部162は電線部151の他の一部を保持している。また、溝部162は、電線部151の上記他の一部を第1側壁114の面延在方向に導いている。
コネクタ掛止部163は、図6に示すように、略樋形状に形成されており、床部163aとこの床部163aの両縁部から立設された一対の側板部163bとを有している。コネクタ掛止部163は、第2端子130Bと第3端子130Cとの間に、床部163aを側壁本体114aに重ねて矢印X方向に延在して配設されている。換言すると、コネクタ係止部163は、ハウジング110の一壁部114の導出部114cに対して相手方コネクタの嵌合方向と直交する方向(矢印Y方向)に端子130Bの延出箇所を間に挟んでずれた箇所に配置されている。
コネクタ掛止部163の一対の側板部163bは、それらの間に嵌合検知ハーネス150の他端側コネクタ部153を保持可能なように、当該他端側コネクタ部153の形状に合わせた間隔をあけて配置されている。また、一対の側板部163bは、それぞれの長さが側壁本体114aの幅方向長さ(即ち、矢印X方向長さ)より短く、それぞれの一端が側壁本体114aの底壁112側の縁部に合わせて配置されている。一対の側板部163bのうちの第2端子130B寄りに配置された一方の側板部163bは、底壁112寄りの端部が、第1側壁114の台状部114bと一体にされている。コネクタ掛止部163内の空間は、底壁112側寄りの端において、溝部162内の溝空間と連通している。
コネクタ掛止部163の床部163aにおけるハウジング110開口寄り(図1上方寄り)の端部には、嵌合検知ハーネス150の他端側コネクタ部153を引っ掛ける掛止突起163cが設けられている。掛止突起163cは、矢印X方向に沿ってハウジング110開口側に向けて突出するように形成されている。
コネクタ掛止部163は、ハウジング110開口寄りの端部から他端側コネクタ部153が挿入されると、他端側コネクタ部153に設けられた掛止受部153aが掛止突起163cに引っ掛かることにより、他端側コネクタ部153がコネクタ掛止部163内に掛止して保持される。このとき、他端側コネクタ部153は、先端面153bがハウジング110開口と同方向を向き、先端面153bとハウジング110の開口側端部とが同一平面上に位置する(即ち、矢印X方向について同一位置)状態で保持される。つまり、コネクタ掛止部163は、他端側コネクタ部153を、その嵌合方向(先端面153bが向く方向)をハウジング110の相手方コネクタとの嵌合方向に向けて当該ハウジング110の嵌合側端部近傍で掛止している。
コネクタ掛止部163は、掛止突起163cに他端側コネクタ部153が引っ掛けられることで、他端側コネクタ部153を保持するとともに、コネクタ掛止部163内側の空間内に、電線部151における上記他の一部に連なる残部が配置される。コネクタ掛止部163は、電線部151の上記残部を第1側壁114の面延在方向に導いている。
次に、上述したコネクタ101において、嵌合検知ハーネス150をワイヤハーネス保持部160に配策する手順の一例について説明する。
まず、嵌合検知ハーネス150の一端側コネクタ部152を、ハウジング110内の嵌合検知部140に接続する。次に、ハウジング110の導出部114cを通じて、電線部151をハウジング110内側から外側に導出する。それから、電線部151におけるハウジング110外側に導出された部分を、順に一対のリブ161の間、溝部162内及びコネクタ掛止部163内に引き回して配索する。そして、他端側コネクタ部153を、コネクタ掛止部163のハウジング110開口側の端部から挿入して、掛止突起163cに他端側コネクタ部153を引っ掛ける。これにより、嵌合検知ハーネス150におけるハウジング110外側に導出された部分の全体が、ワイヤハーネス保持部160によって端子130Bを略U字状に回り込むように配索されて保持される。このとき、嵌合検知ハーネス150の他端側コネクタ部153が、先端面153bをハウジング110開口と同方向に向けて、先端面153bとハウジング110の開口側端部とが同一平面上に位置する(即ち、矢印X方向について同一位置)状態で保持される。
そして、コネクタ101は、図7に示すように、電子機器300のケース301の矩形状の開口301aに複数の端子130の他端が挿入され、一対の固定片119がケース301の開口301aの図中下縁及び両側縁に突出した枠部301bに重ねられるとともにボルト310によってケース301に固定される。このとき、図8に示すように、開口301aとコネクタ101のハウジング110の第1側壁114とが間隔をあけて対向し、ワイヤハーネス保持部160がケース301と第1側壁114との間に配置される。
以上より、本実施形態によれば、電子機器300に接続される端子130の他端が、筒状に形成されたハウジング110の第1側壁114を貫通して延出されるとともに、嵌合検知ハーネス150の他端が、当該第1側壁114から導出される。そして、ハウジング110の第1側壁114には、嵌合検知ハーネス150における第1側壁114から導出された部分の全部を、端子130と間隔をあけて保持するワイヤハーネス保持部160が設けられている。このようにしたことから、嵌合検知ハーネス150は、その第1側壁114から導出された部分の全部が、ワイヤハーネス保持部160によって端子130における第1側壁114から延出された部分と間隔をあけて当該第1側壁114に保持されるので、配索方向以外の方向への移動を規制された状態で配索されることとなる。そのため、端子130を電子機器300に取り付ける際に、嵌合検知ハーネス150が自由に移動することによる電子機器300や端子130の他端への干渉を抑制できるとともに、相手方コネクタと嵌合する際に、嵌合検知ハーネス150がハウジング110開口を跨いでしまうことを抑制できる。このように、ワイヤハーネス保持部160により、嵌合検知ハーネス150を、電子機器300や端子130に干渉しない位置に配索させることで、コネクタ101を電子機器300に取り付ける際の作業性の向上を図ることができる。また、ワイヤハーネス保持部160が、端子130の他端が延出される第1側壁114に設けられている。そのため、例えば、コネクタ101を電子機器300に取り付ける際に、端子130の他端を電子機器300に接続するために当該端子130の他端の一部が電子機器300のケース301に設けられた開口301aに挿入される構成の場合、第1側壁114が開口に間隔をあけて重ねて配置されることによりワイヤハーネス保持部160がケース301と第1側壁114との間に配置される。これにより、ハウジング110における端子130の他端の延出箇所付近の空間を有効に利用でき、このコネクタ101を備えた装置等の小型化に寄与できる。
また、ワイヤハーネス保持部160が、第1側壁114に一体に形成され、嵌合検知ハーネス150の電線部151が互いの間に配置される一対のリブ161を有している。このようにしたことから、ハウジング110に一体に形成された簡易な形状の一対のリブ161により、嵌合検知ハーネス150を保持することができるので、製造コストを抑制できる。また、一対のリブ161を設けることでハウジング110を補強することができる。
また、ワイヤハーネス保持部160が、第1側壁114に一体に形成され、嵌合検知ハーネス150の電線部151が内部に配置される溝部162を有している。このようにしたことから、ハウジング110に一体に形成された簡易な形状の溝部162により、嵌合検知ハーネス150を保持することができるので、製造コストを抑制できる。
また、嵌合検知ハーネス150における第1側壁114から導出された部分の先端には他端側コネクタ部153が設けられ、ワイヤハーネス保持部160が、他端側コネクタ部153を、その嵌合方向をハウジング110の嵌合方向に向けて当該ハウジング110の一壁部114の嵌合側端部近傍で掛止するコネクタ掛止部163を有している。このようにしたことから、嵌合検知ハーネス150の他端側コネクタ部153とハウジング110の嵌合方向とが同一方向を向くので、ハウジング110をその相手方コネクタとの嵌合に合わせてワイヤハーネスのコネクタ部をその相手方コネクタと嵌合させることができる。そのため、嵌合検知ハーネス150の接続の作業性の向上を図ることができる。
また、端子130を複数備えるとともに、これら複数の端子130の他端が相手方コネクタとの嵌合方向と直交する方向(矢印Y方向)に並んでハウジング110の一壁部114を貫通して延出されている。嵌合検知ハーネス150の他端が、一壁部114における嵌合側端部近傍でかつ端子130の延出箇所に対して嵌合方向と直交する方向にずれた箇所から導出されている。そして、ワイヤハーネス保持部160が、嵌合検知ハーネス150における一壁部114から導出された部分の一部をその導出箇所である導出部114cから一壁部114における嵌合側端部と反対側の端部近傍まで嵌合方向(矢印X方向)と平行に保持するとともに、導出部114cに対して嵌合方向と直交する方向に1つの端子130Bの延出箇所を間に挟んでずれた箇所にコネクタ掛止部163が配置されている。このようにしたことから、嵌合検知ハーネス150における一壁部114から導出された部分が、ワイヤハーネス保持部160により、当該部分の導出部114cから一壁部114における嵌合側端部と反対側の端部に向けて嵌合方向と平行に延びて保持され、当該嵌合側端部と反対側の端部側において1つの端子130Bを回り込んで、コネクタ掛止部160において当該部分の先端の他端側コネクタ部153がハウジング110の嵌合方向と同一方向に向けられて一壁部114の嵌合方向端部近傍で掛止される。そのため、嵌合検知ハーネス150における一壁部114から導出された部分について、少なくともその基端部分と先端部分とが一壁部114に保持されるので、より確実に配索方向以外の方向への移動を規制された状態で配索されることとなる。したがって、端子130を電子機器300に嵌合するなどの取り付けの際に、嵌合検知ハーネス150が自由に移動することによる電子機器300や端子130の他端への干渉をより抑制できるとともに、相手方コネクタと嵌合する際に、嵌合検知ハーネス150がハウジング110の嵌合側端部を跨いでしまうことをより抑制できる。
上述した実施形態では、ワイヤハーネス保持部160が、嵌合検知ハーネス150における第1側壁114から導出された部分の全部を保持するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、上記ワイヤハーネス保持部160において、一対のリブ161、溝部162及びコネクタ掛止部163のうちの1つ又は2つのみを備えて、嵌合検知ハーネス150における第1側壁114から導出された部分の一部を保持する構成としてもよい。または、図9に示すように、上述したコネクタ101において、ワイヤハーネス保持部160に代えて、第1側壁114の外面に矢印Y方向に延在して配設された一対のリブ161Aを有するワイヤハーネス保持部160Aを備えたコネクタ101Aとしてもよい。コネクタ101Aは、一対のリブ161Aによって嵌合検知ハーネス150における第1側壁114から導出された部分の一部を互いの間に挟んで保持し、嵌合検知ハーネス150の当該部分を第1側壁114の面延在方向に導いている。
また、上述した実施形態では、第1側壁114における端子130Aと端子130Bとの間に一対のリブ161が設けられ、端子130Bと端子130Cとの間にコネクタ掛止部163が設けられ、嵌合検知ハーネス150の第1側壁114から導出された部分が、ワイヤハーネス保持部160によって端子130BをU字状に回り込むように保持される構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、ワイヤハーネス保持部160の配置を変更して、嵌合検知ハーネス150の第1側壁114から導出された部分が端子130A又は端子130CをU字状に回り込むように保持される構成としてもよい。または、例えば、上述した実施形態において、二系統の三相交流に対応するために6つの端子を備え、そして、一対のリブ161とコネクタ掛止部163とをそれらの間に2つ以上の端子130の延出箇所を挟むように配置して、嵌合検知ハーネス150の第1側壁114から導出された部分が複数の端子130をU字状に回り込むように保持される構成としてもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施の形態にかかるコネクタを図10〜図13を参照して説明する。
コネクタ1は、電源回路に組み込まれ、相手方コネクタに嵌合及び、ハイブリッド車等に搭戴されたモータやインバータ等の電子機器に直に固定及び電気接続されて、電子機器に電力供給するものである。
コネクタ1は、図10に示すように、一端が図示しない相手方コネクタに接続され、他端が電子機器に接続される3つの端子2と、3つの端子2の一端側を収容するハウジング3と、一端がハウジング3の内部において接続され、他端側がハウジング3の第1側壁3A(「外壁」の一例)を貫通してハウジング3の外部に導出される嵌合検知ハーネス4(「ワイヤーハーネス」の一例)と、嵌合検知ハーネス4を配索方向にガイドするガイド部5と、を備えて構成されている。
3つの端子2は、図10に示すように、それぞれ、板金に打ち抜き加工及び曲げ加工が施されて形成されたものであり、ハウジング3に一体成形されて該ハウジング3に固定されている。これらの3つの端子2はハウジング3に固定された状態で、一端側がハウジング3の内部に収容され、他端側がハウジング3の第1側壁3Aを貫通して電子機器側に導出されている。3つの端子2は、互いに間隔をあけて設けられている。各端子2は、ハウジング3の第1側壁3Aを貫通した平板状の貫通部21と、貫通部21の一端に連続されて相手方コネクタに接続される第1接続部22と、貫通部21の他端に連続されるとともに折り曲げられて立ち上がる立ち上げ部23と、立ち上げ部23に連続されて電子機器に接続される第2接続部24と、を備えている。貫通部21は、その他端側の一部が、ハウジング3の外部に露出していて、ハウジング3の第1側壁3Aと立ち上げ部23との間の空間に、嵌合検知ハーネス4及びガイド部5が位置される。第1接続部22は、ハウジング3の内部において、先端が上方(図10中の上方)に向かって延在している。第2接続部24は、ハウジング3の外部において、先端が電子機器側に向かって延在している。以下では、3つの端子2のうち、図11中の左上側の端子を、「第1端子2A」と記し、図11中の右下側の端子を、「第3端子2C」と記し、第1端子2Aと第2端子2との間の端子2を「第2端子2B」と記す。
ここで、3つの端子2A、2B、2Cが並ぶ方向及び、嵌合検知ハーネス4の配索方向を矢印Yで示し、各端子2の第1接続部22が延在する方向を矢印Xで示し、矢印Yと矢印Xとに直交する方向であり、コネクタ1の電子機器側に向かう方向を矢印Z方向で示す。また、本明細書では、矢印Xで示す方向を「上下方向」と記す場合があり、第1接続部22が延在する方向を「上方」と記し、第1接続部22の延在反対方向を「下方」と記す場合がある。また、本明細書では、3つの端子2が並ぶ方向(矢印X方向)のうち、第1端子2A側を「一端部」又は「一端側」と記し、第3端子2C側を「他端部」又は「他端側」と記す場合がある。
ハウジング3は、図11に示すように、相手方コネクタの相手ハウジングに嵌合される有底筒状のハウジング本体31と、ハウジング本体31から矢印Y方向に突出して形成されて電子機器にボルト固定(即ち締結)される一対の固定片32と、を一体に備えている。ハウジング本体31は、長方形板状の底壁33と、底壁33の周縁から立設して3つの端子2を収容する周壁34と、を備えている。周壁34には、その内周面から間隔をあけた位置に互いに間隔をあけて3つの端子2の一端側が収容されている。周壁34は、平板状の4つの側壁から構成されている。4つの側壁のうち、矢印Z方向に対向する一対の側壁3A、3Bには、それぞれの内面に、相手ハウジングを案内する案内リブ35が形成されている。案内リブ35は、3つの端子2A、2B、2Cと、矢印Z方向に対向する位置に設けられている。各案内リブ35は、突条に形成され、上端が側壁の上端縁に連続され、下端が矢印X方向の下方に延在して形成されている。以下では、一対の側壁3A、3Bのうち、電子機器の近傍に設けられているとともにこの電子機器と対向する側壁を「第1側壁3A」と記し、第1側壁3Aに対向して設けられた側壁を「第2側壁4B」と記す。
第1側壁3Aは、長方形板状に形成され、その長手方向が矢印Y方向に沿うとともに、その幅方向が矢印X方向に沿って設けられている。第1側壁3Aには、一端がハウジング本体31の内部において嵌合された嵌合検知ハーネス4の他端側をハウジング本体31の外部に導出させる導出部36と、ハウジング本体31の外部に導出された嵌合検知ハーネス4の他端側を配索方向Yにガイドするガイド部5を取り付けるためのガイド取付部37(「取付部」の一例)と、このガイド取付部37に隣接して設けられガイド部5が回転することを規制する回転規制部38(「突部」の一例)と、が設けられている。
導出部36は、第1側壁3Aにおける第1端子2Aと第2端子2Bとの間に設けられ、第1側壁3Aの上端を切り欠いて形成された切欠形状に形成されている。切欠形状の導出部36は、第1側壁3Aの上端から矢印X方向の下端に延在して形成されている。導出部36は、嵌合検知ハーネス4の電線40を圧入可能な大きさに形成されていて、嵌合検知ハーネス4の電線40が導出部36内に圧入されて、他端側がハウジング本体31の外部に導出されている。ここで、本実施形態では、導出部36は切欠形状に形成されていたが、本発明はこれに限ったものではなく、導出部36は、嵌合検知ハーネス4の他端側をハウジング本体31の第1側壁3Aを貫通して外側に導出させればよく、第1側壁3Aを貫通した貫通孔であってもよい。
ガイド取付部37は、第1側壁3Aにおける第2端子2Bと第3端子2Cとの間に設けられている。ガイド取付部37は、第1側壁3Aを貫通した平面視円形の貫通孔から構成されていて、導出部36の下端よりも僅かに下方に設けられている。また、ガイド取付部37は、ガイド部5の圧入部53を圧入可能な大きさに形成されていて、圧入部53がガイド取付部37に圧入されることにより、ガイド部5がガイド取付部37に取り付けられている。本実施形態では、ガイド取付部37は貫通孔から構成されていたが、本発明はこれに限ったものではなく、ガイド取付部37は、圧入部53を圧入可能な凹部から構成されていてもよい。
回転規制部38は、第1側壁3Aにおけるガイド取付部37と第3端子2Cとの間に設けられている。この回転規制部38は、ガイド取付部37の矢印Y方向の他端側において、そのガイド取付部37を構成する貫通孔の一部を僅かに塞ぐ位置、又は、ガイド取付部37に近接した位置に設けられている。回転規制部38は、第1側壁3Aの外面において、上端が第1側壁3Aの上端から間隔をあけた位置に設けられ、下端が第3端子2Cの第2接続部24よりも下方まで延在した突条に形成されている。回転規制部38は、その長手方向が、上下方向(矢印X方向)に沿うとともに、その幅方向が矢印Y方向に沿って設けられた直方体状に形成されている。この回転規制部38は、その出寸法が、長手方向及び幅方向の全長に亘って一定となるように形成されている。回転規制部38は、ガイド部5がガイド取付部37に取り付けられた状態で、ガイド部5の基板51及びリング部52の基板51側の一部(図12に示し、当接部50と記す)が、回転規制部38のガイド取付部37側の端面に接触又は近接して設けられている。即ち、ガイド部5の当接部50が回転規制部38に当接可能に設けられている。本実施形態では、回転規制部38(「突部」の一例)は上下方向に連続された突条に形成されていたが、本発明はこれに限ったものではなく、突部は、上下方向に間隔をあけた2つ以上の凸部(図示しない)から形成されていてもよい。
一対の固定片32は、ハウジング本体31の下方側において、第1側壁3Aの上下方向(矢印X方向)の縁の一部から矢印Y方向に互いに離れる方向に突出して形成されているとともに、第1側壁3Aの面延在方向(矢印XY方向)に延在した板状に形成されている。各固定片32の上端は、上下方向(矢印X方向)のガイド取付部37と、端子2の第2接続部24との間に位置し、下端は、第1側壁3Aの下端縁に連続されている。
嵌合検知ハーネス4は、図10に示すように、電線40と、電線40の両端に取り付けられる一対の検知コネクタ41(他端側のコネクタのみを示す)と、を備えている。この嵌合検知ハーネス4は、両端がそれぞれ接続されることにより、コネクタ1と相手方コネクタ、及び、コネクタ1と電子機器のそれぞれの嵌合を検知して、図示しないリレースイッチを作動させ、駆動源からの電力を、相手方コネクタ及びコネクタ1を介して電子機器に供給する。この嵌合検知ハーネス4は、配索方向(矢印Y方向)とハウジング3の固定片32とが矢印X方向にずらされた位置になるように、ハウジング3の第1側壁3Aに取り付けられている。
ガイド部5は、図12、図13に示すように、弾性を有する合成樹脂から構成されている。ガイド部5は、長方形状の基板51と、基板51の一方の面に設けられて嵌合検知ハーネス4を内部に挿通するリング部52と、基板51の他方の面に設けられてガイド取付部37に圧入される圧入部53と、を一体に備えている。
基板51は、その長手寸法、及び幅寸法が、回転規制部38の長手寸法、及び幅寸法と略等しく形成されている。この基板51の他方の面(圧入部53側の面)には、その長手方向の両端部のそれぞれに、ガイド部5がガイド取付部37に取り付けられた状態で、第1側壁3Aに向かって突出して形成されて第1側壁3Aに当接する凸部54が形成されている。凸部54が形成されていることにより、圧入部53をガイド取付部37内に圧入する際に、凸部54が第1側壁3Aに当接し、この状態で基板51の中央部のみが弾性変形されるから、圧入部53をガイド取付部37の奥側に押し込むことができる。
リング部52は、内部に嵌合検知ハーネス4を挿入させる一対の円弧部55と、各円弧部55の基板51から離れた端部に連続して形成されて、嵌合検知ハーネス4を一対の円弧部55の内部に挿入案内する一対の案内部56と、一対の円弧部55内部への挿入口5a(「開口部」の一例)を覆う覆い部57と、を備えている。
一対の円弧部55は、それぞれが半円弧状に形成されて、基板51の長手方向に対向して設けられ、ガイド部5がガイド取付部37に取り付けられた状態で、矢印YZ方向の面に対して互いに向き合う位置に配置されている。また、一対の円弧部55は、その他端同士が離間して設けられている。即ち、一対の円弧部55(リング部52)は、内部への挿入口5aを有している。
一対の案内部56は、それぞれ、一対の円弧部55の他端に連続して設けられ、ガイド部5がガイド取付部37に取り付けられた状態で、基板51から矢印Z方向に離れる方向に進むに従って、互いに矢印X方向に離れる方向に傾斜して形成されている。
覆い部57は、棒状に形成され、一端が一対の円弧部55のうち一方の円弧部55の内面に連続されて、他端が他方の円弧部55に向かって延びて形成されている。このような覆い部57は、嵌合検知ハーネス4が、ガイド部5の挿入口5aから挿入され、嵌合検知ハーネス4によって、覆い部57の他端が一方の円弧部55に近付くように一旦弾性変形し、弾性復元して、嵌合検知ハーネス4を、覆い部57よりもガイド部5の奥側に位置付けた後、嵌合検知ハーネス4と挿入口5aとの間に設けられて、嵌合検知ハーネス4に対する挿入口5aを覆っている。
圧入部53は、棒状の部材がU字状に曲げられて形成された曲げ部58と、曲げ部58の両端のそれぞれに連続されて形成されてガイド取付部37内に位置付けられる連続部59と、を備えている。曲げ部58には、連続部59側の端部に、連続部59から離れた端部から連続部59に向かうに従って徐々に径寸法が大きくなるように形成されて、ガイド取付部37の周縁に係止する係止部58Aが設けられている。
このようなガイド部5をガイド取付部37に取り付ける際には、曲げ部58の平行な部分を互いに近付け弾性変形させた状態でガイド取付部37内に挿入する。凸部54が第1側壁3Aに当接し、基板51の中央部が弾性変形されてハウジング3の第1側壁3Aに接触するまで、圧入部53をガイド取付部37の奥側に押まれ、連続部59がガイド取付部37内に位置付けられる。曲げ部58が弾性復元して、係止部58Aが、第1側壁3Aの内面側で、ガイド取付部37の周縁に係止する。こうしてガイド部5がガイド取付部37に取り付けられる。基板51の中央部が弾性変形された状態で、ガイド5がガイド取付部37に取り付けられているから、ガイド部5は、ガイド取付部37にがたつくことなく取付けられる。
次に、嵌合検知ハーネス4のハウジング3への配索手順の一例について図10を参照して説明する。
図10に示すように、まず、嵌合検知ハーネス4の一端に設けられた一方の検知コネクタがハウジング3の内部において接続され、嵌合検知ハーネス4の他端側が導出部36内に圧入され、ハウジング3の外部に導出されている。この状態で、ガイド部5を、基板51の長手方向が上下方向を向く格好で、当接部50を回転規制部38に当接させるように圧入部53の先端をガイド取付部37に近付けて、ガイド取付部37内に圧入して、ガイド部5を第1側壁3Aに取り付ける。ガイド部5の当接部50が、回転規制部38に接触又は近接する。
ここで、ガイド部5が誤組付けされた場合について図13を参照して説明する。仮に、ガイド部5を、基板51の長手方向が上下方向に交差する格好で、圧入部53の先端をガイド取付部37に近付けて、ガイド取付部37内に圧入した場合には、回転規制部38が第1側壁3Aとガイド部5の基板51との間に挟まれ、係止部58Aを、ガイド取付部37に係止させることができないから、ガイド部5のガイド取付部37への誤組付けを防止できる。
ガイド部5がガイド取付部37に取り付けられた状態で、嵌合検知ハーネス4の電線40を、ガイド部5の挿入口5aから一対の円弧部55内に挿入し、覆い部57の奥側まで押し込む。覆い部57が一旦弾性変形した後、弾性復元して、覆い部57がガイド部5の挿入口5aを覆うとともに、嵌合検知ハーネス4がリング部52の内部に挿通される。こうして、リング部52の内部に挿通された嵌合検知ハーネス4がリング部52の外部に抜け出ることが防止される。こうして、嵌合検知ハーネス4は、その軸方向(矢印Y方向)に移動することが許容された状態で、かつ、その径方向(矢印Z方向、及び矢印X方向)に移動することが規制されている。そして、他方の検知コネクタを配索方向Y側で嵌合する。最後に、ハウジング3を第1側壁3A側から矢印Z方向に電子機器に近付け、端子2A、3B、2Cを電子機器に電気接続するとともに、固定片32を、電子機器の固定部(図示しない)に重ね、この状態でボルト締結して、ハウジング3を電子機器に固定する。
この際、嵌合検知ハーネス4は、ガイド部5により配索方向Yにガイドされて配索方向Yを規定された状態、即ち、配索方向以外の方向への移動を規制された状態で配索されることとなり、よって、端子2の他端を電子機器に嵌合する際に、嵌合検知ハーネス4が、電子機器と端子2とに干渉することを抑制できる。このように、ハウジング3の第1側壁3A(外壁)に取り付けられたガイド部5により、嵌合検知ハーネス4を、端子2と電子機器とに干渉しない位置に配索させることで、コネクタ1を電子機器に嵌合する際の作業性の向上を図ることができる。また、コネクタ1を電子機器に嵌合後も、嵌合検知ハーネス4は、ガイド部5により移動が規制されることから、使用時の嵌合検知ハーネス4の端子2又は電子機器との干渉による損傷を防止できる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではない。嵌合検知ハーネス4の配索方向は矢印Y方向であったが、第1側壁3Aの面延在方向(矢印XY方向)であれば何れの方向であってもよい。また、ガイド部5の形状、ガイド取付部37の形成位置、及び回転規制部38の形成位置は、ガイド部5が、嵌合検知ハーネス4を端子2と電子機器とに干渉しない位置に配索させることができれば適宜変更してもよい。また、ガイド部5は、一対の円弧部55が、基板51の長手方向に対向配置されていたが、これに限定されるものではない。一対の円弧部55が、基板51の幅方向に対向配置されていてもよく、その対向方向は任意である。
また、上述した実施形態では、ワイヤハーネスとしての嵌合検知ハーネス4は、コネクタ1と相手方コネクタ、及び、コネクタ1と電子機器のそれぞれの嵌合を検知して、駆動源からの電力を、相手方コネクタ及びコネクタ1を介して電子機器に供給するものであったが、これに限定されるものではない。ワイヤハーネスは、コネクタ1と相手方コネクタ、及び、コネクタ1と電子機器のそれぞれの嵌合を検知するものでなくともよい。即ち、ワイヤハーネスは、一端がハウジング3の内部において接続され、他端がハウジング3の第1側壁3Aを貫通してハウジング3の外部に導出されて接続されるものであればよく、電力を伝送するものであってもよく、制御信号を伝送するものであってもよい。
また、上述した実施形態では、嵌合検知ハーネス4のハウジング3への配索手順の一例について説明したが、本発明はこれに限ったものではなく、嵌合検知ハーネス4を、予めガイド部5のリング部52内に挿通させた状態で、ガイド取付部37に取り付けてもよい。また、嵌合検知ハーネス4の他方の検知コネクタを配索方向Y側で嵌合した状態で、嵌合検知ハーネス4を、ガイド部5を介してガイド取付部37に取り付けてもよい。
なお、前述した各実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は実施形態に実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のコネクタの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。