JP6274511B2 - リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトル - Google Patents

リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトル Download PDF

Info

Publication number
JP6274511B2
JP6274511B2 JP2014000116A JP2014000116A JP6274511B2 JP 6274511 B2 JP6274511 B2 JP 6274511B2 JP 2014000116 A JP2014000116 A JP 2014000116A JP 2014000116 A JP2014000116 A JP 2014000116A JP 6274511 B2 JP6274511 B2 JP 6274511B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron core
gap
wound
coil
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014000116A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015130372A (ja
Inventor
四郎 小倉
四郎 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nishimoto Gosei Hanbai Co Ltd
Original Assignee
Nishimoto Gosei Hanbai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nishimoto Gosei Hanbai Co Ltd filed Critical Nishimoto Gosei Hanbai Co Ltd
Priority to JP2014000116A priority Critical patent/JP6274511B2/ja
Publication of JP2015130372A publication Critical patent/JP2015130372A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6274511B2 publication Critical patent/JP6274511B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulating Of Coils (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Description

本発明は、リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトルに係わり、更に詳しくはコイルとギャップ付巻鉄心を保持してリアクトルを製造するためのコイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びそれを用いたリアクトルに関するものである。
従来から、強電から弱電の各種電気機器における電力変換、電圧変換等には種々の変成器(トランス)が使用されている。このような変成器は、一次コイルと二次コイルを鉄心で磁気的に結合し、一次コイルに交流電流を入力して変動磁場を発生させ、それを相互インダクタンスで結合された二次コイルに伝え、電磁誘導によって再び電流に変換し、二次コイルに出力するものである。変成器の鉄心には鉄損が少なく、飽和磁束密度・透磁率の大きい材料が適しており、特定の方向に磁化し易い方向性電磁鋼板を用いることが多く、また特に損失の低減を図る目的でアモルファス磁性材料が用いられることもある。鉄心の形態としては、渦電流損を低減させるため、表面を絶縁処理した薄い鋼板を積層したものや、帯状に圧延した鋼板を巻いた巻鉄心などがある。また、変成器の磁気抵抗を増大させ、機器の保護、異常電圧抑制等のためのリアクトル(ギャップ付鉄心リアクトル)として使用することが知られている。
特許文献1には、断面外周の少なくとも一部が円弧状である一対の鉄心組付部と、これらの鉄心組付部を連結する一対の連結部とを備え、外周全体に凹状溝が設けられているコイルボビンと、上記コイルボビンの凹状溝に導体を複数回巻回してなる巻線と、電磁鋼板を複数回巻回して内周の曲率が上記鉄心組付部の断面外周の曲率と一致する円筒としてなり、かつ軸線方向及び半径方向に貫通するギャップが少なくとも1個形成されている、上記鉄心組付部にそれぞれ組み付けられた一対の巻鉄心とを備えることを特徴とする、巻鉄心型リアクトルが開示されている。
ここで、ギャップ付巻鉄心は、先ず帯状の電磁鋼板を円筒状に巻回した後、焼鈍し、この焼鈍済みの円筒状に巻回した電磁鋼板に軸線方向(母線方向)及び半径方向に貫通するギャップを形成して作製する。それから、コイルボビンの凹状溝に導体を複数回巻回した巻線の脚部(鉄心組付部)に、前記ギャップ付巻鉄心のギャップを押し広げることにより組み付ける。そして、ギャップの幅やギャップの巻鉄心の半径方向に対する角度を維持するために、非磁性材料からなるスペーサをギャップに配置することもある。
特開2003−257745号公報
しかしながら、特許文献1のリアクトルでは、ギャップ付巻鉄心をコイルボビンの鉄心組付部に組み付ける際に、一括してギャップを押し広げることにより組み付ける場合は、ギャップを広げる専用に治具が必要で、また多大な労力を要し、一方、ギャップ付巻鉄心から1ターンずつ内側から抜き取って鉄心組付部に組み付ける場合は、ギャップを押し広げる作業は楽になるが、多数の1ターン巻鉄心を転送する必要があり非常に手間がかかる。この際、電磁鋼板の特性を損なわないためには、巻鉄心の各層を構成する電磁鋼板が弾性的限度内で変形するようにギャップを押し広げる寸法を制限する必要があり、作業に細心の注意を要する。
また、アモルファス巻鉄心の場合にはアモルファス磁性鋼帯が非常に薄く、しかも焼鈍すると脆くなるので、ギャップを押し広げることは難しくなる。更に、巻鉄心を焼鈍後、ギャップを押し広げてコイルボビンの鉄心組付部に組み付けると、巻鉄心の層間で微妙なズレが生じることで焼鈍時の状態には完全に戻らず、磁気的特性が低下することもある。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、巻鉄心を焼鈍後、ギャップを形成したままの状態で使用することを前提に、ギャップ付巻鉄心を保持するとともに、一次コイルと二次コイルを巻回することが可能なリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーを提供し、併せてそれを用いたリアクトルを提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、所定回数筒状に巻回された磁性鋼帯が焼鈍された後、軸方向に延び内周側から外周側へ直線状に連続した一つのギャップを形成してなるギャップ付巻鉄心を装着後にコイル素線を巻き付けるためのリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーであって、前記ギャップ付巻鉄心を保持する一対の中空筒状の鉄心保持部と、該鉄心保持部を所定間隔を隔てて連結する一対の連結部と、前記鉄心保持部の外周面の適所に一体形成してなるスペーサ片とを備えた合成樹脂製の枠体からなり、該枠体は両鉄心保持部及びスペーサ片を前記ギャップ付巻鉄心の軸方向の中間部で分割し、対向する二対の分割鉄心保持部は、前記ギャップ付巻鉄心を軸方向から外挿し、前記スペーサ片を軸方向からギャップに嵌入した状態で、互いに連結可能な雄型係合部と雌型係合部を端部に備えるとともに、両連結部の外側と両鉄心保持部の内部に、コイル素線を巻き付けるためのコイル保持部を連続して形成していることを特徴とするリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーを構成した(請求項1)。
ここで、前記枠体は、両鉄心保持部とスペーサ片の中央で分割するとともに、一対の分割鉄心保持部の一方に雄型係合部を形成し、他方に該雄型係合部を係合する雌型係合部を形成し、両分割枠体は同一形状で互いに180度回転対称形となっていることが好ましい(請求項2)。
更に、前記鉄心保持部の両端部には、前記連結部と連続し、前記ギャップ付巻鉄心の端部を保護するフランジ部を一体形成するとともに、該フランジ部の中心部に前記コイル素線を引き出す開口部を形成してなることも好ましい(請求項3)。
そして、前記スペーサ片を前記鉄心保持部の外側又は内側に一体形成してなるのである(請求項4)。
具体的には、前記スペーサ片は、前記フランジ部又は連結部に連続して形成し、中央で前記鉄心保持部とともに分割して分割スペーサ片とし、前記分割鉄心保持部の連結時に分割スペーサ片同士を突き合わせ接合するものである(請求項5)。
そして、前記枠体は、電気絶縁性且つ熱伝導性樹脂組成物で成形してなることも好ましい(請求項6)。
また本発明は、前述のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーを用い、前記枠体の両鉄心保持部に、前記ギャップ付巻鉄心を外挿して保持するとともに、前記スペーサ片をギャップに嵌入し、前記枠体の両連結部の外側と両鉄心保持部の内部に連続して形成されたコイル保持部に、それぞれ一次コイルと二次コイルになる少なくとも二組のコイル素線を絶縁状態で巻き付けてなることを特徴とするリアクトルを提供する(請求項7)。
ここで、本発明のリアクトルにおいて、前記枠体は、金属製の支持枠体により両分割枠体が係合する方向に締め付けて保持し、該支持枠体には設置面への取付部を備えてなることがより好ましい(請求項8)。
以上にしてなる請求項1に係る発明のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーは、所定回数筒状に巻回された磁性鋼帯が焼鈍された後、軸方向に延び内周側から外周側へ直線状に連続した一つのギャップを形成してなるギャップ付巻鉄心を装着後にコイル素線を巻き付けるためのリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーであって、前記ギャップ付巻鉄心を保持する一対の中空筒状の鉄心保持部と、該鉄心保持部を所定間隔を隔てて連結する一対の連結部と、前記鉄心保持部の外周面の適所に一体形成してなるスペーサ片とを備えた合成樹脂製の枠体からなり、該枠体は両鉄心保持部及びスペーサ片を前記ギャップ付巻鉄心の軸方向の中間部で分割し、対向する二対の分割鉄心保持部は、前記ギャップ付巻鉄心を軸方向から外挿し、前記スペーサ片を軸方向からギャップに嵌入した状態で、互いに連結可能な雄型係合部と雌型係合部を端部に備えるとともに、両連結部の外側と両鉄心保持部の内部に、コイル素線を巻き付けるためのコイル保持部を連続して形成しているので、分割した一方の枠体の分割鉄心保持部にギャップ付巻鉄心を軸方向から外挿すると同時に、分割スペーサ片に軸方向からギャップを嵌入した後、分割した他方の枠体の分割鉄心保持部をギャップ付巻鉄心に軸方向から内挿すると同時に分割スペーサ片を軸方向からギャップに嵌入して、雄型係合部と雌型係合部同士で連結するだけで、ギャップ付巻鉄心を枠体に保持することができ、しかも鉄心保持部に一体形成してなるスペーサ片がギャップに嵌合していることにより、ギャップ付巻鉄心をガタつきなく定位置で保持することができ、更にギャップ付巻鉄心を焼鈍時の状態のままで使用することができるので、磁気的特性の低下の心配はなく、コイル素線をコイル保持部に巻き付けてギャップ付巻鉄心に接触しない絶縁状態を維持することができる。
請求項2によれば、前記枠体は、両鉄心保持部とスペーサ片の中央で分割するとともに、一対の分割鉄心保持部の一方に雄型係合部を形成し、他方に該雄型係合部を係合する雌型係合部を形成し、両分割枠体は同一形状で互いに180度回転対称形となっているので、少ない部品点数、種類で構成することができ、安価に提供できる。
請求項3によれば、前記鉄心保持部の両端部には、前記連結部と連続し、前記ギャップ付巻鉄心の端部を保護するフランジ部を一体形成するとともに、該フランジ部の中心部に前記コイル素線を引き出す開口部を形成してなるので、両鉄心保持部がフランジ部で補強された連結部で連結されるので強度が高くなり、またフランジ部により鉄心保持部の両端部を保護することができ、そしてコイル素線はフランジ部の開口部から鉄心保持部の内部を通して巻くことができる。
請求項4によれば、前記スペーサ片を前記鉄心保持部の外側に一体形成した場合には、前記ギャップ付巻鉄心のギャップにスペーサ片を嵌入する作業が容易になり、また前記スペーサ片を前記鉄心保持部の内側に一体形成した場合には、両側のスペーサ片を連続させて一枚の薄板部とすることで両鉄心保持部を連結部とともに連結することができ、枠体の構造的な強度が大幅に向上する。
請求項5によれば、前記スペーサ片は、前記フランジ部又は連結部に連続して形成し、中央で前記鉄心保持部とともに分割して分割スペーサ片とし、前記分割鉄心保持部の連結時に分割スペーサ片同士を突き合わせ接合するので、枠体の製造が容易であり、またギャップ付巻鉄心の組み付け作業も容易になる。
請求項6によれば、前記枠体は、電気絶縁性且つ熱伝導性樹脂組成物で成形してなるので、コイルから発生するジュール熱を、枠体を通して素早く伝達し、放熱することができる。
請求項7にかかる発明のリアクトルは、リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーを用い、前記枠体の両鉄心保持部に、前記ギャップ付巻鉄心を外挿して保持するとともに、前記スペーサ片をギャップに嵌入し、前記枠体の両連結部の外側と両鉄心保持部の内部に連続して形成されたコイル保持部に、それぞれ一次コイルと二次コイルになる少なくとも二組のコイル素線を絶縁状態で巻き付けてなるので、ギャップ付巻鉄心を鉄心保持部に簡単且つ確実に保持することができ、同時にギャップ付巻鉄心のギャップにスペーサ片を装着することができ、またコイル素線をコイル保持部に巻き付けてギャップ付巻鉄心に接触しない絶縁状態を維持することができ、そしてギャップ付巻鉄心を焼鈍後、ギャップを形成したままの状態で使用することができるので、高周波磁気特性に優れたアモルファス巻鉄心も採用することができる。
請求項8によれば、前記枠体は、金属製の支持枠体により両分割枠体が係合する方向に締め付けて保持し、該支持枠体には設置面への取付部を備えてなるので、支持枠体によって枠体を補強して強度と耐久性を向上させ、また設置面に支持枠体の取付部を利用して取付けることができ、設置作業が簡単である。
本実施形態のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーを示す全体斜視図である。 同じく側面図である。 同じく分解斜視図である。 同じく横断面図である。 同じく縦断面図である。 同じく本発明品にギャップ付巻鉄心を装着する手順を示す分解斜視図である。 同じく実施形態のリアクトルを示す平面図である。 図7のX1−X1線断面図である。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1〜図6は本発明のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーを示し、図7及び図8は本発明のリアクトルAを示している。そして、図中符号1は枠体、2はギャップ付巻鉄心、3はコイル素線、4は支持枠体をそれぞれ示している。
本発明のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーは、
所定回数筒状に巻回されたアモルファス磁性鋼帯又は方向性電磁鋼帯が焼鈍された後、適宜な方法で巻鉄心の軸方向に延び内周側から外周側へ直線状に連続した一つのギャップ5を形成してなるギャップ付巻鉄心2を装着後にコイル素線を巻き付けるためのリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーであって、前記ギャップ付巻鉄心2を保持する一対の中空筒状の鉄心保持部6,6と、該鉄心保持部6,6を所定間隔を隔てて連結する一対の連結部7,7と、前記鉄心保持部6の外周面の適所に一体形成してなるスペーサ片8とを備えた合成樹脂製の枠体1からなり、該枠体1は両鉄心保持部6及びスペーサ片8を前記ギャップ付巻鉄心2の軸方向の中間部で分割し、対向する二対の分割鉄心保持部6A,6Bは、前記ギャップ付巻鉄心2を軸方向から外挿し、前記スペーサ片8を軸方向からギャップに嵌入した状態で、互いに連結可能な雄型係合部9と雌型係合部10を端部に備えるとともに、両連結部7,7の外側と両鉄心保持部6,6の内部に、コイル素線3を巻き付けるためのコイル保持部11を連続して形成した基本構造を有している。
更に詳しくは、前記枠体1は、図3に示すように、両鉄心保持部6,6とスペーサ片8の中央で分割するとともに、一対の分割鉄心保持部6A,6Bの一方に雄型係合部9を形成し、他方に該雄型係合部9を係合する雌型係合部10を形成し、両分割枠体1A,1Bは同一形状で互いに180度回転対称形となっている。ここでは、分割鉄心保持部6Aの端部に雄型係合部9を形成し、分割鉄心保持部6Bの端部に雌型係合部10を形成している。つまり、分割枠体1A,1Bは、前記連結部7の両側部にそれぞれ分割鉄心保持部6Aと分割鉄心保持部6Bとを並べて配置した形状であり、180度水平面内で回転させれば同一となる。従って、分割枠体1A,1Bは、1種類を合成樹脂で多数成形し、その中からどれか二つを取り出してペアとすれば良いので部品管理が容易である。
更に、両連結部7,7の外側で、前記鉄心保持部6,6の両端部には、前記連結部7と連続し、前記ギャップ付巻鉄心2の端部を保護するフランジ部12,12を一体形成するとともに、該フランジ部12の中心部に前記コイル素線3を引き出す開口部13を形成している。前記開口部13は、前記鉄心保持部6の中心孔14と連通し、内側部分は前記コイル素線3を案内するために円弧面15を形成している。本実施形態では、隣接して配置した両側のフランジ部12,12は中央部で連続し、前記連結部7と一体となって、両鉄心保持部6,6の端部同士を強固に連結する。
前記枠体1は、合成樹脂であれば汎用的なポリプロプレン(PP)やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)等各種のものを採用でき、更にベース樹脂に電気絶縁性の熱伝導性フィラーを充填した電気絶縁性且つ熱伝導性樹脂組成物で成形することも好ましい。前記枠体1の素材自体に熱伝導率の高いものを用いれば、コイル素線3を巻回して作成したコイルから発生するジュール熱を速やかに伝達し、該枠体1の全体から、また該枠体1に接触しているギャップ付巻鉄心2から放熱させて、温度上昇を抑え、電気抵抗の更なる上昇を抑制することができるのである。
本発明で用いる前記ギャップ付巻鉄心2は特に限定されるものではないが、例えば、アモルファス巻鉄心の材料としては、Metglas,Inc.製で厚さ0.025mmのリボン状の非結晶合金(METGLAS 2605TCA=2605SA1)、あるいは日立金属株式会社製で厚さ約0.02mmの微細結晶粒からなるリボン状合金(ファインメット FT−3)が挙げられる。ここで、「METGLAS」はMetglas,Inc.の登録商標、「ファインメット」は日立金属株式会社の登録商標である。
また、前記ギャップ付巻鉄心2は、トロイダルコアと呼ばれる角型あるいは丸型製品である巻鉄心を作製し、焼鈍した後、適宜な方法でギャップ5を形成して作製する。角型トロイダルコアは、素材リボンを丸型に巻き取り、それを角型に成形した後焼鈍して作製し、あるいは素材リボンを角型に巻き取り焼鈍して作製する。丸型トロイダルコアは、素材リボンを丸型に巻き取り焼鈍して作製する。本実施形態では、角型のギャップ付巻鉄心2を用いている。
前記ギャップ付巻鉄心2のギャップ5は、アモルファス磁性鋼帯又は方向性電磁鋼帯にいわゆる「かえり」や、「ばり」が形成されない切断方法により形成する必要がある。このような切断方法としては、例えば、ワイヤ放電加工機を使用するワイヤカット法がある。ただし、「かえり」等が形成されなければ、他の方法によりギャップ5を形成してもよい。
ギャップ5の幅は、特に限定されないが、通常は0.1〜3mm程度が好ましい。ギャップ5の幅、つまりスペーサ片8の厚さが薄すぎると、前記スペーサ片8を射出成形で成形することが困難になるので、射出成形できる程度の厚さにする。また、前記鉄心保持部6に一体形成するスペーサ片8は、本実施形態では巻鉄心保持部6の外側に設けているが、内側でも構わない。両側の巻鉄心保持部6,6の内側にそれぞれスペーサ片8,8を設けることも、両スペーサ片8,8を一枚の連続した薄板で構成しても良く、その場合にはコイルボビン兼巻鉄心ホルダーとなる枠体1の強度が高くなる。
また、本発明で用いるコイル素線3は特に限定されるものではないが、高周波用のリアクトルの場合には、高周波電流が主に導体の表皮を流れることから、表面積の大きな形態のものを用いる。例えば、リッツ線を絶縁層で被覆したもの、あるいは平角線を絶縁層で被覆したの等を用いるが、何れも可撓性は十分に備えているので、ギャップ付巻鉄心2を外挿した鉄心保持部6の内部を通して巻き付けることは可能である。
更に詳しくは、前記鉄心保持部6は四角筒状であり、前記連結部7との境界部に前記ギャップ付巻鉄心2の端部を保護するフランジ部12,12を一体形成するとともに、該フランジ部12の中心部に前記コイル素線3を引き出す開口部13を形成し、該鉄心保持部6の筒底部を前記コイル保持部11とする。つまり、前記コイル保持部11は、一方の鉄心保持部6の中心孔14の底部を通り、開口部13から前記連結部7の外面に沿い、再び開口部13から他方の鉄心保持部6の中心孔14の底部を通る経路である。反対側の連結部7においても同様である。
そして、前記スペーサ片8は、前記フランジ部12又は連結部7に連続して形成し、中央で前記鉄心保持部6,6とともに分割して分割スペーサ片8A,8Aとし、前記分割鉄心保持部6A,6Bの連結時に分割スペーサ片8A,8A同士を突き合わせ接合するものである。
また、四角筒状の前記分割鉄心保持部6Aの端部の外面を段落ちさせて雄型係合部9を形成し、一方、四角筒状の前記分割鉄心保持部6Bの端部の内面を段落ちさせて雌型係合部10を形成し、図4に示すように、前記雄型係合部9と雌型係合部10が内外に係合するようになっている。
図6に示すように、前記ギャップ付巻鉄心2は、中心に角孔16が形成されており、両側から分割枠体1A,1Bの各分割鉄心保持部6A,6Bを、それぞれギャップ付巻鉄心2,2の角孔16,16に嵌挿すると同時に、両分割スペーサ片8A,8Aをギャップ付巻鉄心2のギャップ5に嵌入し、内部で雄型係合部9と雌型係合部10を係合させて連結する。この場合、前記ギャップ付巻鉄心2は、前記鉄心保持部6にガタつきなく外嵌して保持される。ここで、前記雄型係合部9と雌型係合部10に接着剤を塗布しておき、両分割枠体1A,1Bを係合させるのと同時に接合部を接着して一体化し、前記枠体1とする。尚、丸型のギャップ付巻鉄心2を用いる時には、前記鉄心保持部6を円筒状とするが、前記スペーサ片8がギャップ5に嵌入するので、丸型のギャップ付巻鉄心2が円筒状の鉄心保持部6の周りで回転することがない。
そして、図7に示すように、前記ギャップ付巻鉄心2の内部に位置する鉄心保持部6の中心孔14の底部から連結部7の外面に沿って形成したコイル保持部11にコイル素線3を所定回数巻き付けて一次コイル3Aとし、その外側に絶縁シート又は断面コ字形の絶縁部材を介在させて、更に他のコイル素線3を所定回数巻き付けて二次コイル3Bとする。図中符号17は一次コイル3Aのリード線、18は二次コイル3Bのリード線を示している。しかし、本発明では、二次コイル3Bが一つだけに限定されず、複数の二次コイルを備えたもの、あるいは一つの二次コイルから複数のタップを引き出したもの等任意である。
このように枠体1にギャップ付巻鉄心2,2を保持し、コイル素線3をコイル保持部11に巻き付けて構成したリアクトルAは、更に金属製の支持枠体4を取付けて完成する。前記支持枠体4は、下部の断面略L字形のベース金具19と上部のアングル状の連結金具20とで一対の四角形の側枠体4A,4Bを構成し、それを枠体1の両側に配置して複数の締結ボルト21,…で互いに引き付けて、前記分割枠体1A,1Bを係合する方向に締め付ける構造である。つまり、前記ベース金具19は、垂直板と水平板からなり、垂直板に下部と両側部を除き前記コイルを受け入れる切欠部22を形成し、垂直板の両側枠23,23の上端間に前記連結金具20を渡設して四角形の枠を形成する。また、前記ベース金具19の下端の水平板は、設置面への取付部24となっている。そして、前記枠体1の一側に配置した前記ベース金具19の側枠23,23及び下部枠25を前記連結金具20とともに、他側に対向配置した対応する部位に前記締結ボルト21,…で引き付ける。最終的に、リアクトルAはニカワに浸漬し、乾燥させて絶縁性能を高めるとともに、各部の隙間を埋めてガタつきを完全に無くする。
A リアクトル
1A,1B 分割枠体
2 ギャップ付巻鉄心
3 コイル素線
3A 一次コイル
3B 二次コイル
4 支持枠体
4A,4B 側枠体
5 ギャップ
6 鉄心保持部
6A,6B 分割鉄心保持部
7 連結部
8A 分割スペーサ片
9 雄型係合部
10 雌型係合部
11 コイル保持部
12 フランジ部
13 開口部
14 中心孔
15 円弧面
16 角孔
17 一次コイルのリード線、
18 二次コイルのリード線、
19 ベース金具、
20 連結金具、
21 締結ボルト、
22 切欠部、
23 側枠、
24 取付部、
25 下部枠。

Claims (8)

  1. 所定回数筒状に巻回された磁性鋼帯が焼鈍された後、軸方向に延び内周側から外周側へ直線状に連続した一つのギャップを形成してなるギャップ付巻鉄心を装着後にコイル素線を巻き付けるためのリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーであって、前記ギャップ付巻鉄心を保持する一対の中空筒状の鉄心保持部と、該鉄心保持部を所定間隔を隔てて連結する一対の連結部と、前記鉄心保持部の外周面の適所に一体形成してなるスペーサ片とを備えた合成樹脂製の枠体からなり、該枠体は両鉄心保持部及びスペーサ片を前記ギャップ付巻鉄心の軸方向の中間部で分割し、対向する二対の分割鉄心保持部は、前記ギャップ付巻鉄心を軸方向から外挿し、前記スペーサ片を軸方向からギャップに嵌入した状態で、互いに連結可能な雄型係合部と雌型係合部を端部に備えるとともに、両連結部の外側と両鉄心保持部の内部に、コイル素線を巻き付けるためのコイル保持部を連続して形成していることを特徴とするリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー。
  2. 前記枠体は、両鉄心保持部とスペーサ片の中央で分割するとともに、一対の分割鉄心保持部の一方に雄型係合部を形成し、他方に該雄型係合部を係合する雌型係合部を形成し、両分割枠体は同一形状で互いに180度回転対称形となっている請求項1記載のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー。
  3. 前記鉄心保持部の両端部には、前記連結部と連続し、前記ギャップ付巻鉄心の端部を保護するフランジ部を一体形成するとともに、該フランジ部の中心部に前記コイル素線を引き出す開口部を形成してなる請求項1又は2記載のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー。
  4. 前記スペーサ片を前記鉄心保持部の外側又は内側に一体形成してなる請求項1〜3何れか1項に記載のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー。
  5. 前記スペーサ片は、前記フランジ部又は連結部に連続して形成し、中央で前記鉄心保持部とともに分割して分割スペーサ片とし、前記分割鉄心保持部の連結時に分割スペーサ片同士を突き合わせ接合するものである3又は4記載のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー。
  6. 前記枠体は、電気絶縁性且つ熱伝導性樹脂組成物で成形してなる請求項1〜5何れか1項に記載のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー。
  7. 請求項1〜6何れか1項に記載のリアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダーを用い、前記枠体の両鉄心保持部に、前記ギャップ付巻鉄心を外挿して保持するとともに、前記スペーサ片をギャップに嵌入し、前記枠体の両連結部の外側と両鉄心保持部の内部に連続して形成されたコイル保持部に、それぞれ一次コイルと二次コイルになる少なくとも二組のコイル素線を絶縁状態で巻き付けてなることを特徴とするリアクトル。
  8. 前記枠体は、金属製の支持枠体により両分割枠体が係合する方向に締め付けて保持し、該支持枠体には設置面への取付部を備えてなる請求項7記載のリアクトル。
JP2014000116A 2014-01-06 2014-01-06 リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトル Active JP6274511B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014000116A JP6274511B2 (ja) 2014-01-06 2014-01-06 リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014000116A JP6274511B2 (ja) 2014-01-06 2014-01-06 リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015130372A JP2015130372A (ja) 2015-07-16
JP6274511B2 true JP6274511B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=53760915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014000116A Active JP6274511B2 (ja) 2014-01-06 2014-01-06 リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6274511B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6668705B2 (ja) * 2015-11-25 2020-03-18 スミダコーポレーション株式会社 リアクトル
JP6119012B1 (ja) * 2016-09-26 2017-04-26 音羽電機工業株式会社 耐雷トランス
JP6479235B1 (ja) * 2018-03-30 2019-03-06 三菱電機株式会社 リアクトル用ボビン及びリアクトル、このリアクトルを備えたコンバータ、及び電力変換装置
US12009130B2 (en) * 2018-11-29 2024-06-11 Autonetworks Technologies, Ltd. Reactor
CN112185669B (zh) * 2019-07-05 2024-05-03 胜美达集团株式会社 电抗器用骨架、电抗器以及电抗器的制造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5934095Y2 (ja) * 1979-04-18 1984-09-21 松下電器産業株式会社 トランス
JPS5615038U (ja) * 1979-07-13 1981-02-09
JPS62238612A (ja) * 1986-04-09 1987-10-19 Toshiba Corp 静止誘導電器
JPS6427214A (en) * 1988-06-28 1989-01-30 Toshiba Corp Transformer
JP2569556Y2 (ja) * 1993-06-30 1998-04-28 ティーディーケイ株式会社 大電流チョークコイル
JPH08186036A (ja) * 1994-12-27 1996-07-16 Toyo Electric Mfg Co Ltd リアクトル
JP2003257745A (ja) * 2001-12-28 2003-09-12 Wb Trans:Kk 巻鉄心型リアクトル、巻鉄心型変成器、及びそれらの製造方法
KR100920181B1 (ko) * 2008-11-28 2009-10-06 주식회사 상용조명 다등용 안정기 및 그의 제조 방법
JP3161494U (ja) * 2009-07-01 2010-08-05 實 村野 空隙付巻鉄心型非飽和リアクトル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015130372A (ja) 2015-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6274511B2 (ja) リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトル
KR101197234B1 (ko) 비정질 금속 코어와, 이를 이용한 유도장치 및 그 제조방법
JP6245649B2 (ja) 変成器用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びそれを用いた変成器
JP6048789B2 (ja) リアクトルおよび電源装置
KR102627781B1 (ko) 인덕티브 장치
EP3026683B1 (en) Transformer, power supply device, and method for manufacturing transformer
TWI557760B (zh) Static induction electrical appliances
JP6281971B2 (ja) 高周波変成器用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及び高周波変成器
JP6158579B2 (ja) 静止誘導電器
WO2012011389A1 (ja) リアクトル装置
US20170330681A1 (en) Stationary induction apparatus
JP2010245456A (ja) リアクトル集合体
CN215183435U (zh) 一种三相三柱平面铁芯及变压器
JP5189637B2 (ja) コイル部品及びそれを用いた電源回路
KR101175281B1 (ko) 인덕터 코어와 이를 이용한 인덕터 및 그의 제조방법
JP7365120B2 (ja) 静止誘導機器
CN115497717A (zh) 一种三相三柱平面铁芯及其制作方法、变压器
JP2016051721A (ja) 線輪部品およびその製造方法
JP2011135091A (ja) 磁芯およびコイル部品
MX2018015695A (es) Inductor.
JP2016157890A (ja) コイル部品
JP2017063567A (ja) 無接点給電装置
JP2016039322A (ja) コイル、及びコイル部品
WO2019044835A1 (ja) 放熱板付インダクタ
WO2017221800A1 (ja) インダクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6274511

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150