JP6274448B2 - 焼成炉及びコーティング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼成炉及びコーティング方法に係り、特に、真空二重管構造を備える容器の内側にコーティングする焼成炉及びコーティング方法に関する。
一般に、容器の内容物の外気温による温度変化を防止するために、外気から断熱することが可能な構造として、内層と外層とから成る真空二重管構造を有する容器が知られている。
真空二重管構造は、内層と外層から成る二重管の間を、外層に設けられた孔から真空引きして、外層の孔を封止部にて封止して真空に近い状態に保つことで、高い断熱効果が得られるというものである。
また、容器の内面への汚れの付着防止、保温性の向上、及び外観を良好にすることを目的として、容器の内面をフッ素樹脂等の樹脂材料でコーティングすることが一般的に知られている。
このコーティング作業の工程は、大別すると、ブラスト工程、塗装工程、乾燥工程、焼付け工程によって構成される。
特に、内部に熱が伝わりにくい断熱容器の内面に対する樹脂材料の焼付けに好適な技術として、熱源であるノズルによって断熱容器を内面側から強制的に加熱することにより、乾燥及び焼付けを行う技術が知られている(特許文献1)。
特許第3195209号公報
しかし、特許文献1に開示された技術によって、断熱容器内面に好適に熱を加えることが可能であるが、容器内面に均一な熱を加えることが難しく、高い熱が加わる部位において、煤(炭化水素等)が生じてしまうことがあった。
また、熱源であるノズルにも付着したフッ素樹脂等による煤が生じてしまうことがあり、この場合には、煤を除去しなくては、均一に熱を加えることが更に困難となり、悪循環を招いていた。
そして、容器に均一に熱を付加するために、容器の内側からではなく、容器の外側から熱を加えるようにすることも考えられる。
しかし、この場合には、真空引き部分に設けられて相対的に熱に弱い封止部にまで熱が加わってしまうことがあった。
このため、封止部の変形を防止して真空状態を確保するために、封止部の変形温度よりも低い温度に、焼付けを行なう焼成室内の温度を下げざるを得ず、焼付け温度が制限されることとなった。この場合には、樹脂材料の結晶粒内の偏析を十分に無くすことができずに、容器内面の塗装面が粗くなることがあった。
更に、焼成する際には、容器の塗布面を高温にするために熱風を容器に吹き付ける必要があり、その生成にコストがかかり、また、熱風生成のために消費されるエネルギーによる環境負荷が問題となっていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、耐熱性の低い封止部に高い熱が加わることを抑制しつつ、容器内面の塗装面の表面性状を良好にすることを目的とする。
本発明の他の目的は、容器に付加する熱風を生成するのに要するコストを低減し、環境負荷を軽減することにある。
前記課題は、本発明に係る焼成炉によれば、内層と外層との間に真空を有する二重構造を有して、真空引きするための孔を封止する封止部を前記外層に有する容器の内面を、樹脂塗料でコーティングする際に用いられる焼成炉であって、前記容器に樹脂材料を焼き付けるための焼成室を備える本体と、前記焼成室内にある前記容器に熱風を供給する熱風供給部と、前記焼成室内にある載置板に載置されて前記容器を支持する支持治具と、を備え、該支持治具は、前記容器の前記封止部と前記熱風供給部との間に少なくとも一つの隔壁を有し、前記本体は、前記隔壁よりも前記封止部側に、前記焼成室内から前記焼成室外に繋がる開口を有することにより解決される。
上記構成によれば、焼成室内から焼成室外に繋がる開口が本体の隔壁よりも封止部側に設けられており、容器の封止部と熱風供給部との間に設けられた隔壁を有する支持治具を焼成炉が備えることによって、樹脂塗料の焼成の際に、熱風供給部から容器の封止部に熱が伝わることを抑制しつつ、焼成室外の空気に触れることで封止部の温度上昇が抑制されて封止部の熱変形を防止できるとともに、隔壁よりも上方の焼成室内の温度を高温にでき、容器内面における樹脂材料の原料粒子同士の結合度合いを高めて、樹脂塗料の表面性状を良好にすることができる。
また、前記載置板は、前記開口に繋がる貫通孔を有すると好ましい。
上記構成によれば、貫通孔を有する載置板上に容器を載置することによって、封止部近傍の熱を外気側にスムーズに流出させることができ、封止部近傍の温度の上昇を抑制することが可能となる。
また、前記本体は、内部にある前記焼成室の近傍に内部ダクトを備え、前記焼成炉は、前記熱風供給部と前記内部ダクトとを接続する戻りダクトと、前記内部ダクトから前記熱風供給部に前記熱風を循環させる循環ダクトと、を備え、前記熱風供給部は、前記内部ダクトと前記焼成室内とを連通して、開状態にあるときに前記内部ダクトから前記焼成室に前記熱風を供給する供給端を有すると好ましい。
上記構成によれば、生成した熱風を、内部ダクト、戻りダクト及び循環ダクトを通して循環させることで、熱風生成のための電力を節約することができ、環境負荷を低減することができる。
また、前記課題は、本発明に係るコーティング方法によれば、内層と外層との間に真空を有する二重構造を有し、真空引きするための孔を封止する封止部を前記外層に有する容器の内面を樹脂塗料でコーティングするコーティング方法であって、樹脂材料を前記容器に塗布する塗装工程と、該塗装工程後に、前記容器の前記樹脂材料の塗布面を乾燥する乾燥工程と、前記塗装工程及び前記乾燥工程を少なくとも一回行った後に、焼成炉の焼成室内において、熱風供給部から供給される熱風によって前記樹脂材料を前記容器に焼き付ける焼成工程と、を備え、前記焼成工程において、前記焼成室内から前記焼成室外に繋がる開口によって前記容器の前記封止部が外気に触れるようにしつつ、前記封止部と前記熱風供給部との間を隔てて、前記熱風供給部から前記熱風を前記容器に供給すること、により解決される。
上記構成によれば、容器の封止部と熱風供給部との間を隔てることで、焼成工程の際に、熱風供給部から容器の封止部に熱が伝わることを抑制しつつ、焼成室外の空気に封止部を触れさせることで、封止部の温度上昇が抑制されて封止部の熱変形を防止できるとともに、支持治具よって隔てられた位置よりも上方の焼成室内の温度を高温にでき、容器内面における樹脂材料の原料粒子同士の結合度合いを高めて、樹脂塗料の表面性状を良好にすることができる。
また、前記焼成工程において、前記容器に前記熱風を吹き出さない場合に、前記熱風供給部から前記焼成炉の本体内との間で前記熱風を循環させるようにしてもよい。
上記構成によれば、生成した熱風を循環させることで、熱風生成のための電力を節約することができ、環境負荷を低減することができる。
本発明によれば、焼成工程の際に、容器の封止部に熱風供給部から熱が伝わることを抑制して、封止部が変形することを防止しつつ、樹脂塗料の表面性状を良好にすることができる。
また、封止部近傍の熱を外気側にスムーズに流出させることができ、封止部近傍の温度の上昇を抑制することが可能となる。
また、生成した熱風を循環させることで、熱風生成のための電力を節約することができ、環境負荷を低減することができる。
本実施形態に係るコーティング容器の製造方法のフローを示す図である。 本実施形態に係る焼成炉の模式的な正面図である。 焼成炉の模式的な平面図である。 焼成炉の模式的な右側面図である。 焼成炉の模式的な左側面図である。 断熱容器の下側斜視図である。 支持治具によって断熱容器を支持させた状態を示す図である。 支持治具を用いなかった場合の焼成室内の温度変化を示す図である。 支持治具を用いた場合の焼成室内の温度変化を示す図である。 支持治具を用いた場合の断熱容器の温度変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る焼成炉及びコーティング方法について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
本実施形態に係るコーティング方法は、真空断熱二重構造である断熱容器の内面にフッ素樹脂等の合成樹脂塗料をコーティングする方法である。
特に、本実施形態に係るコーティング方法においては、後述する焼成工程において、保持治具を用いることにより、真空部を封止する封止部であるろう材が熱風に曝されることを防止し、その温度変形を防止することを特徴とする。
まず、一連の製造工程について図1を参照して説明する。
ここで、図1は、本実施形態に係るコーティング容器の製造方法のフローを示す図である。
本製造工程は、図1に示すように、大まかに分けて塗装工程S1と焼付工程S3とから構成される。
塗装工程S1は、断熱容器内面にブラスト材を打ち付けるブラスト工程S10と、ブラスト材を除去するエアブロー工程S11と、内面塗装工程S12と予備乾燥工程S13と、本乾燥工程S14と、から構成される。
ブラスト工程S10は、詳細については後述する内層と外層とから成る二重管構造を有する断熱容器5に樹脂塗料が密着しやすくするため、また、熱処理により炭化したゴミ等の除去するために、サンドブラストを噴射して断熱容器5の表面を荒くする工程である。
エアブロー工程S11は、ブラスト工程S10により断熱容器5に付着したサンドブラストを風圧によって除去する工程である。
内面塗装工程S12は、本実施形態においてはフッ素樹脂を断熱容器5の内面に向けて噴射してコーティングする工程である。このように、フッ素樹脂でコーティングすることにより、断熱容器5の内面に汚れが付着しづらくなり、保温性を向上させ、更に外観を良くすることが可能となる。
予備乾燥工程S13は、図示せぬ昇温炉を用いて温度を上昇させて、断熱容器5内のフッ素樹脂の塗料を乾燥させる工程である。
本乾燥工程S14は、図示せぬ乾燥炉を用いて温度を上昇させて、断熱容器5内のフッ素樹脂の塗料を完全に乾燥させる工程である。
上記工程の後、塗膜が所定膜厚よりも薄ければ(S2:No)、再度、エアブロー工程S11〜本乾燥工程S14を繰り返し、所定膜厚の塗膜が形成されれば(S2:Yes)、焼付工程S3に移る。
焼付工程S3は、事前昇温工程S30と、本焼成工程S31とから構成される。
事前昇温工程S30は、昇温炉を用いて、断熱容器5の温度を上昇させる工程である。
本焼成工程S31は、焼成炉1を用いて、フッ素樹脂材料を断熱容器5に焼き付ける工程である。
本焼成工程S31の後、コーティング工程が終了する。
次に、焼付工程S3において用いられる焼成炉1について、図2〜図5を参照して詳細に説明する。
ここで、図2は、本実施形態に係る焼成炉1の模式的な正面図、図3は、焼成炉1の模式的な平面図、図4は、焼成炉1の模式的な右側面図、図5は、焼成炉1の模式的な左側面図である。
焼成炉1は、焼成室10を有する筐体状の本体1aと、断熱容器5を搬送するスラットコンベア2と、熱風を生成して焼成室10側に供給するヒーター機器11a及びバーナー機器11cと、生成された熱風を焼成室10内で断熱容器5に吹き出す吹出ノズル11b及び吹出バルブ11dと、断熱容器5を支持する支持治具13と、から主に構成される。
スラットコンベア2は、断熱容器5を焼成室10の内外に搬送するための装置であり、ギヤードモーター20によって回転駆動される無端チェーンである一対のコンベアチェーン12と、一対のコンベアチェーン12の回転にともなって、回転移動する複数の板材である載置板12aと、から構成されている。特に本実施形態においては、スラットコンベア2は、約300mm/minで回動するように構成されている。
載置板12aは、コンベアチェーン12に両端側を取り付けられており、コンベアチェーン12の回動により、載置された断熱容器5を後述する焼成室10に通すように、焼成室10を横断する水平方向の軌道を含んで回転移動する。
載置板12aには、複数の貫通孔12bが形成されている。詳細については後述するが、貫通孔12bによって、載置板12a上に載置された断熱容器5が、焼成炉1の開口10aを介して焼成炉1外の空気に触れるためその温度上昇が抑制される。
更に、焼成炉1内の空気が貫通孔12b及び焼成炉1の開口10aを介して焼成炉1外に排出されることとなる。
ヒーター機器11aは、本発明に係る熱風供給部に相当し、外気を取り込んで熱して、焼成炉1の本体1aの両側壁に1個ずつ形成された導入口10e、及び導入口10eに取り付けられた戻りダクト10dを介して、焼成炉1内にある内部ダクト10cに熱風を送り込む機器である。ヒーター機器11aは、本実施形態において約15KWのヒーター容量を有するヒーターと、定格出力約400Wのファンから構成されている。
バーナー機器11cは、ヒーター機器11aとは別の本発明に係る熱風供給部に相当し、外気を取り込んで熱して、本体1aの両側壁に複数形成された導入口19e、及び導入口19eに取り付けられた戻りダクト19dを介して、本体1a内にある内部ダクト19cに熱風を送り込む機器である。バーナー機器11cは、本実施形態において、天然ガスを用いたガス焚きによって熱風を生成する定格出力約233KWのバーナー、定格出力約0.75Wのファン、定格出力約0.4KWのブロアから主に構成されている。
特に、バーナー機器11cは、本実施形態において、後述する吹出ノズル11bよりも多く設けられた吹出バルブ11dから、吹出ノズル11bと同じ最高温度400度で吹き出し可能に構成されている。
吹出ノズル11bは、本発明に係る供給端に相当し、開閉式であり、上方にある内部ダクト10cと下方にある焼成室10とに連通し、焼成室10の上部から下方に突出して取り付けられている。吹出ノズル11bは、本体1aの入口側に設けられており、スラットコンベア2による搬送方向である本体1aの長手方向に4列、搬送方向に垂直な方向である本体1aの短手方向に4列、計16個設けられている。
そして、吹出ノズル11bの下端は、焼成室10内に搬送された断熱容器5の上部の開口に近接する位置に配置されている。
ヒーター機器11aから供給される熱風は、吹出ノズル11bが開状態にあるときに、焼成室10内にある断熱容器5の開口に向けて上方から吹き出されることとなる。
吹出バルブ11dは、吹出ノズル11bとは別の本発明に係る供給端に相当し、開閉式であり、上方にある内部ダクト19cと下方にある焼成室10とに連通し、焼成室10の天井面に吐出口が面するように取り付けられている。吹出バルブ11dは、本体1aの出口側に設けられており、スラットコンベア2による搬送方向である本体1aの長手方向に16列、搬送方向に垂直な方向である本体1aの短手方向に2列、計32個設けられている。
吹出バルブ11dから供給される熱風は、吹出バルブ11dが開状態にあるときに、焼成室10内にある断熱容器5全体に向けて上方から吹き出されることとなる。
そして、焼成室10内に吹き出された熱風は、本体1aの両側壁に複数形成された開口10aを通じて本体1a外に排出される。
また、焼成炉1には、内部ダクト10cとヒーター機器11aとに繋がるパイプ状の循環ダクト10bが配設されている。
つまり、吹出バルブ11dが閉状態にあるときは、ヒーター機器11aから供給される熱風は、内部ダクト10cから焼成室10に流出せず、戻りダクト10d、内部ダクト10c及び循環ダクト10bを通って、ヒーター機器11aに循環することとなる。
同様に、焼成炉1には、内部ダクト19cとバーナー機器11cとに繋がるパイプ状の循環ダクト19bが配設されている。
つまり、吹出バルブ11dが閉状態にあるときは、ヒーター機器11aから供給される熱風は、内部ダクト19cから焼成室10に流出せず、戻りダクト19d、内部ダクト19c及び循環ダクト19bを通って、バーナー機器11cに循環することとなる。
つまり、生成された熱風は、大気に流出することなく、温度低下が抑制されて、新たな熱風の生成に再利用されることとなる。このため、熱風生成のためのエネルギー消費を抑制でき、生成コストを低減することが可能となる。
また、焼成炉1には、コンベアチェーン12の回転移動方向において焼成室10を出た先に、熱風を浴びて焼付塗装された断熱容器5を冷却する冷却ファン14が設けられている。
支持治具13は、詳細については後述するが、焼成工程の際に用いられ、断熱容器5を支持する治具である。支持治具13は、図2〜図5において簡略化して示されている。
そして、本体1aの出口側の外方に搬送された支持治具13は、図示せぬ回収用コンベアにて、本体1aの出口側から入口側に搬送されて再利用されることとなる。
また、冷却ファン14によって冷却された断熱容器5は収納場所に搬送されることとなり、複数の断熱容器5に連続的に効率良く焼成が施されることとなる。
なお、このように連続的に焼成するものに限られず、バッチ処理によって、まとまった個数ごとに焼成を施すようにしてもよい。
次に、断熱容器5及び断熱容器5を支持する支持治具13について、図6〜図10を参照して説明する。
ここで、図6は、断熱容器5の下側斜視図、図7は、支持治具13によって断熱容器5を支持させた状態を示す図、図8は、支持治具13を用いなかった場合の焼成室10の温度変化を示す図、図9は、支持治具13を用いた場合の焼成室10の温度変化を示す図、図10は、支持治具13を用いた場合の断熱容器5の温度変化を示す図である。
特に、図8及び図9に示す下側温度T1,T1aは、焼成室10内の下側に設けられた2つの温度センサの温度を示し、上側温度T2,T2aは、焼成室10内の上側に設けられた2つの温度センサの温度を示すものである。
また、図10に示す、外底温度T3は、焼成工程において、焼成室10内に設けられた断熱容器5の外底に取り付けられた温度センサの温度、内側温度T4は、断熱容器5の内側側面に取り付けられた温度センサの温度、内底温度T5は、断熱容器5の内底に取り付けられた温度センサの温度、上縁温度T6は、断熱容器5の上縁に取り付けられた温度センサの温度を示すものである。
断熱容器5は、内部に液体等を収容可能なように上側が開放されている。断熱容器5は、断熱構造を備えるように真空二重構造からなり、図6に示すように、容器本体51の外層側の下面である外底に取り付けられたろう材52によって、内部の真空部が封止されている。
このろう材52は、加熱されることにより約380度以上になると変形してしまう。
この変形を防止するために、焼成室10の温度をその温度よりも低く設定した場合には、樹脂材料の結晶粒内の偏析を十分に無くすことができずに、容器内面の塗装面が粗くなることがあった。
そこで、次に詳細に説明する支持治具13によって断熱容器5を支持させ、棚板13cによってろう材52近傍の温度上昇を制限する。
支持治具13は、棚状に形成されており、図7に示すように、幅方向両側において上下に立設する一対の側板13aと、一対の側板13aに両端を固定されて、下段に設けられた棚板13cと、棚板13cの上方に設けられた棚板13iと、から主に構成される。
棚板13cは、本発明に係る隔壁に相当し、側板13aに両端を固定されて水平向きに取り付けられている。棚板13cには、断熱容器5を支持する支持孔13fが、厚さ方向である上下方向に貫通して、長手方向に沿って4つ形成されている。
棚板13iは、棚板13cとは別の本発明に係る隔壁に相当し、側板13aに両端を固定されて水平向きに取り付けられている。棚板13iにも同様に、断熱容器5を支持する支持孔13fが、厚さ方向である上下方向に貫通して、長手方向に沿って4つ形成されている。
このように支持治具13は、棚板13c,13iを上下に複数備えることで、大きさの異なる断熱容器5を好適に支持できるように構成されている。
更に、棚板13c及び棚板13iのそれぞれにおける一部の支持孔13fの上には、支持板13gが載せられている。支持板13gには、厚さ方向である上下方向に貫通する支持孔13hが形成されており、支持孔13hは、支持孔13fよりも小径に形成されている。
このような構成により、支持治具13は、断熱容器5の外径が大きい場合には、支持孔13fによって直接支持し、断熱容器5の外径が小さい場合には、その外径に適した径の支持孔13hを有する支持板13gを用いて好適に支持することができる。
一対の側板13aのそれぞれには、一対のスリット13eが、側板13aの長手方向である上下方向に連続して形成されており、スリット13eを通る締結具13kによって位置決め板13jが固定されている。
位置決め板13jは、棚板13iの上下位置を決める板であり、側板13aの短手方向と位置決め板13jの長手方向とが一致するように、一対の側板13aの対向する側面側にそれぞれ取り付けられている。
上下に連続するスリット13eの任意の位置に、位置決め板13jを固定するようにすることで、棚板13iの位置を任意に設定することが可能となり、高さの異なる断熱容器5を好適に支持することが可能となる。
特に、支持治具13の棚板13c及び棚板13iによって、ろう材52の周囲が、上方から吹き出される熱風に直接的に曝されることを回避することができる。
このため、ろう材52周囲の温度上昇を抑制することが可能となる。
更に、棚板13c及び棚板13iが貫通孔12bと断熱容器5の上部とを隔てていることで、断熱容器5の内部の熱が貫通孔12bを介して外気に流出することを抑制することができる。
このため、断熱容器5の内部の樹脂材料の焼付けを安定した高い温度で好適に行なうことが可能となる。
このように、支持治具13を用いることによって、図10に示すように、内側温度T4、内底温度T5及び上縁温度T6が約360度〜約380度となっているのに対して、焼成室10内の下側であって棚板13cよりも下方にある外底温度T3の温度の上昇を、本実施形態においては約180度までに抑制することができる。この温度は、ろう材52が変形しない十分な温度である。
また、支持治具13を用いた場合には、熱風が供給される吹出ノズル11b又は吹出バルブ11dと、相対的に低温である焼成炉1外に繋がる貫通孔12bとの間に棚板13cが位置することとなる。
このため、図9に示すように、支持治具13を用いた場合には、図8に示す支持治具13を用いない場合と比較して、焼成室10内における下側温度T1a及び上側温度T2aのそれぞれの温度の変動を小さくして安定させることができる。
本実施形態においては、支持治具13を用いない場合には、下側温度T1及び上側温度T2が、図8に示すように約30秒で約50度程度変動するのに対し、支持治具13を用いた場合には、下側温度T1a及び上側温度T2aの変動を、図9に示すように約30秒で約30度程度の変動に抑えることが可能となった。
そして、上側温度T2aの温度変動が小さいために、内側温度T4、内底温度T5及び上縁温度T6の温度変動を当然小さくすることができる。
このように、内側温度T4、内底温度T5及び上縁温度T6を高く維持しつつ、温度変動を小さくできるため、焼付けによる樹脂材料の結晶粒内の偏析を十分に無くすことが可能となり、容器内面の塗装面を滑らかにすることが可能となった。
なお、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本実施形態に係る部材の形状、大きさ、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
例えば、上記工程によって、断熱容器に塗料を焼付けできればよく、支持治具自体や、支持治具の棚板、貫通孔等の位置、数や大きさ等は、製造能力、製造条件等に応じて任意に設定することが可能である。
また、上記実施形態においては、断熱容器の上方から熱風を吹き出すものとして吹出ノズル又は吹出バルブを設け、その下方に外気に繋がる貫通孔を有する載置板を設けて、吹出ノズル又は吹出バルブと貫通孔との間に支持治具を設けるものとして説明した。
本発明はこのような形態に限定されず、支持治具によってろう材が熱風に直接的に曝されることを回避できればよい。
例えば、熱風の供給方向を下から上方向として、焼成室の上部に支持治具としてのネットを設け、このネットに逆さ吊りした断熱容器を取り付けるようにし、断熱容器の上方に外気に繋がる貫通孔を形成するようにしてもよい。
このように、断熱容器を吊り下げる構成によれば、塗料が自重により容器から落ちるため、断熱容器の下方に塗料が偏ることを防止しつつ、支持治具によって、ろう材の温度が高まることを抑制し、ろう材が変形することを防止することができる。
1 焼成炉
1a 本体
2 スラットコンベア
5 断熱容器
10 焼成室
10a 開口
10b,19b 循環ダクト
10c,19c 内部ダクト
10d,19d 戻りダクト
10e,19e 導入口
11a ヒーター機器(熱風供給部)
11b 吹出ノズル(供給端)
11c バーナー機器(熱風供給部)
11d 吹出バルブ(供給端)
12 コンベアチェーン
12a 載置板
12b 貫通孔
13 支持治具
13a 側板
13c,13i 棚板(隔壁)
13d 梁材
13e スリット
13f 支持孔
13g 支持板
13h 支持孔
13j 位置決め板
13k 締結具
14 冷却ファン
20 ギヤードモーター
51 容器本体
52 ろう材(封止部)
T1,T1a 下側温度
T2,T2a 上側温度
T3 外底温度
T4 内側温度
T5 内底温度
T6 上縁温度

Claims (5)

  1. 内層と外層との間に真空を有する二重構造を有して、真空引きするための孔を封止する封止部を前記外層に有する容器の内面を、樹脂塗料でコーティングする際に用いられる焼成炉であって、
    前記容器に樹脂材料を焼き付けるための焼成室を備える本体と、
    前記焼成室内にある前記容器に熱風を供給する熱風供給部と、
    前記焼成室内にある載置板に載置されて前記容器を支持する支持治具と、を備え、
    該支持治具は、前記容器の前記封止部と前記熱風供給部との間に少なくとも一つの隔壁を有し、
    前記本体は、前記隔壁よりも前記封止部側に、前記焼成室内から前記焼成室外に繋がる開口を有することを特徴とする焼成炉。
  2. 前記載置板は、前記開口に繋がる貫通孔を有すること特徴とする請求項1に記載の焼成炉。
  3. 前記本体は、内部にある前記焼成室の近傍に内部ダクトを備え、
    前記焼成炉は、
    前記熱風供給部と前記内部ダクトとを接続する戻りダクトと、
    前記内部ダクトから前記熱風供給部に前記熱風を循環させる循環ダクトと、を備え、
    前記熱風供給部は、前記内部ダクトと前記焼成室内とを連通して、開状態にあるときに前記内部ダクトから前記焼成室に前記熱風を供給する供給端を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の焼成炉。
  4. 内層と外層との間に真空を有する二重構造を有し、真空引きするための孔を封止する封止部を前記外層に有する容器の内面を樹脂塗料でコーティングするコーティング方法であって、
    樹脂材料を前記容器に塗布する塗装工程と、
    該塗装工程後に、前記容器の前記樹脂材料の塗布面を乾燥する乾燥工程と、
    前記塗装工程及び前記乾燥工程を少なくとも一回行った後に、焼成炉の焼成室内において、熱風供給部から供給される熱風によって前記樹脂材料を前記容器に焼き付ける焼成工程と、を備え、
    前記焼成工程において、前記焼成室内から前記焼成室外に繋がる開口によって前記容器の前記封止部が外気に触れるようにしつつ、前記封止部と前記熱風供給部との間を隔てて、前記熱風供給部から前記熱風を前記容器に供給することを特徴とするコーティング方法。
  5. 前記焼成工程において、前記容器に前記熱風を吹き出さない場合に、前記熱風供給部から前記焼成炉の本体内との間で前記熱風を循環させることを特徴とする請求項4に記載のコーティング方法。
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