JP6273385B2 - 外部要素を備える腕時計ケース - Google Patents

Description

本発明は、腕時計に特定の美的外観を与える外部要素を備える、腕時計ケースに関する。

特許文献１から、リングの形態の装飾部品を備えるミドルケースを備える腕時計ケースが公知であり、上記リングは、上記ミドルケースの視認面に設けられた溝内に係合され、上記ミドルケース上に設置されたベゼルと一体のブリッジによって部分的に被覆されている。

特許文献２から、回転式金属ベゼルを備える腕時計ケースが公知であり、上記回転式金属ベゼルは、その表面の全体又は一部にわたって、合成材料製の突出インサートを有する。

上述の腕時計ケースは、複数の欠点を有する。まず、機械加工及び／又は製造作業が複雑であるため、製造コストの増大につながることが挙げられる。更に、組み立てプロセスに複数のステップが必要となるため、製造時間の増大につながる。最後に、上記装飾部品は、所望の美的効果に応じて特定の機械加工が必要になることが分かっており、これは複数の参考資料を保管しなければならないことを意味する。

スイス特許第６４０６９０号 欧州特許第１０９８２３３号

本発明の目的は、これら公知の技術の様々な欠点を克服することである。

より具体的には、本発明の目的は、異なるサイズ及び異なる形状の１つ又は複数の窪みを有するベゼルと組み合わせて、複数の美的設計を得ることができる、単一の外部要素を提供することである。

また本発明の目的は、少なくともある特定の実施形態において、実装が簡単であり、組み立てが容易であり、かつ安価な、外部要素を提供することである。

これらの目的、及び以下で更に明らかになるその他の目的は、本発明により、角状部を備え、かつブレスレットストランドをミドルケースに取り付けるための２つの領域を有する、ミドルケースと、ベゼルと、上記ミドルケースと上記ベゼルとの間に少なくとも部分的に配置された外部要素とを備える腕時計ケースを用いて達成され、上記ベゼルは、上記外部要素を露出させるよう構成された少なくとも１つの窪みを備える。

本発明によると、上記外部要素は、それぞれが各取り付け領域を被覆する２つの被覆要素を備え、上記ミドルケースに対する上記ベゼルの取り付けとは独立して上記ミドルケースに直接取り付けられ、また上記ミドルケースは各取り付け領域において、角状部の間に２つの垂直リブを備え、上記２つの垂直リブは、上記被覆要素の内面上に形成された２つの案内溝と協働して、上記外部要素を上記ミドルケース上の所定の位置に正確に保持するよう構成される。

本発明の他の有利な変形例によると：
−上記外部要素は、上記ミドルケースを少なくとも部分的に被覆するリングを備え、上記リングは、上記ミドルケースと上記ベゼルとの間に格納されて、上記少なくとも１つの窪みの底部に装飾表面を形成し；
−上記リングと、上記外部要素の上記２つの被覆要素とは、一体の構成部品を形成し；
−上記外部要素は、上記取り付け領域の上記被覆要素によって上記ミドルケースにスナップ嵌合され；
−上記外部要素の上記リングは、略セミトロイダル型の断面を有し；
−上記リングは、上記ミドルケースの周縁表面の全体又は一部にわたって略平面状に延在し；
−上記外部要素は、ポリカーボネート、ＰＭＭＡ又はＭＡＢＳ等のプラスチック材料製であり；
−上記ベゼルは、上記ベゼルの周りに対称に配設された少なくとも２つの窪みを備え；
−上記外部要素は、つや消しの又は磨かれた表面を有する透明又は不透明材料から形成される。

従って本発明の目的は、上述の異なる複数の機能的及び構造的態様を用いて、異なる複数の美的外観を容易に有することができる腕時計ケースを得ることである。

本発明の他の特徴及び利点は、単に例示的かつ非限定的な例として与えられている本発明の具体的実施形態の以下の説明、及び添付の図面を読むと、更に明らかになるだろう。

図１は、本発明による腕時計ケースの分解立体図である。 図２は、本発明による腕時計ケースの斜視図である。 図３は、本発明による腕時計ケースの、図２の線III−IIIに沿った断面図である。

これより、例示的実施形態による腕時計ケース１００を、図１、２、３を合わせて参照して以下に説明する。

上述のように、本発明の全体的な原理は、ミドルケース１と、ベゼル６と、ミドルケース１とベゼル６との間に少なくとも部分的に配置された外部要素５とを備える腕時計ケース１００の使用に基づくものであり、ベゼル６は、上記外部要素５を露出させるよう構成された少なくとも１つの窪み６０を備える。

本発明によると、外部要素５及びベゼル６は、互いに独立してミドルケース１に直接取り付けられ、ベゼル６の形状は外部要素５の形状に対して相補的である。従って外部要素５は、ミドルケース１とベゼル６との間に挟み込まれた状態で、ミドルケース１に強固に取り付けられる。

図２に示す非限定的な実施形態によると、ベゼル６は、ベゼル６の周りに対称に配設された少なくとも２つの窪み６０を備える。窪み６０の形状は所望の美的外観に左右されるため、１つ又は複数の窪み６０は、半円状、半楕円状又は多角形状であってよい。

外部要素５は、腕時計のモデルに応じて異なる複数の色を呈してよいことにも留意されたい。

本発明のある変形例によると、ベゼル６及びミドルケース１は、鋼鉄又はアルミニウム等の金属材料製である。当然のことながら、当業者に公知の他のいずれの材料を使用してよい。

図において確認できるように、外部要素５は、ミドルケース１の外部表面の全体又は一部を被覆するよう構成されたリング５０を備え、これによりリング５０は、ミドルケース１の周縁表面の全体又は一部にわたって略平面状に延在し、リング５０はミドルケース１の周縁部１８上及びミドルケース１のカラー１６上に静置される。有利には、外部要素５は、周縁部１８によってミドルケース１のカラー１６上へと案内される。

リング５０は、周縁部１８上においてミドルケース１を少なくとも部分的に被覆し、リング５０は、ミドルケース１とベゼル６との間に格納されて、窪み６０の底部に装飾表面を形成する。

腕時計ケース１００はまた、ミドルケース１にブレスレットストランドを取り付けるための２つの領域１２、１３も含む。ミドルケース１は、ミドルケース１と一体の裏蓋１９によって下方向の範囲を定められ、図示されている例のように、６時位置に、ブレスレットストランド（図示せず）の取り付けのための１対の外側角状部１０及び１対の内側角状部１１を備える。当然のことながら、ミドルケース１は、１２時位置に、第２のブレスレットストランドの取り付けのための同数の角状部（図では確認できない）を備える。

図１、２において確認できるように、リング５０は、ミドルケース１上の６時及び１２時位置に配置された２つの取り付け領域１２、１３それぞれを被覆する２つの被覆要素５１、５２を備える。これらの被覆要素５１、５２は、取り付け領域１２、１３を被覆するよう配設され、ミドルケース１に取り付けられたブレスレットストランドの形状は、外部要素５を押して外してしまわないように考案される。これらの被覆要素５１、５２はまた、ミドルケース１とブレスレットストランドとの間に取り付け領域１２、１３を隠すことによって、腕時計の美的外観を改善する機能を有する。

本発明のある好ましい実施形態によると、リング５０と、外部要素５の２つの被覆要素５１、５２とは、一体の構成部品を形成する。この実施形態によると、外部要素５は、例えば射出成形を用いて、ポリカーボネート、ＰＭＭＡ又はＭＡＢＳ等のプラスチック材料で作製される。ここで、本発明の範囲内において、当業者は他の材料も想定してよいことが理解されるだろう。

腕時計に関して望まれる最終的な結果に応じて、外部要素５は、つや消しの若しくは磨かれた外観を有してよく、又は透明若しくは不透明であってよい。これらの異なる複数の外観の組み合わせも可能である。

図１において確認できるように、ミドルケース１は、外部要素５を被覆要素５１、５２において所定の位置に正確に保持するよう構成された２つの垂直リブ１４、１５を、各取り付け領域１２、１３において角状部１０の間に備え、被覆要素５１、５２はその内面に、垂直リブ１４、１５と協働するよう構成された２つの案内溝５３、５４を有する。当然のことながら、外部要素５を保持するために、単一のリブ及び単一の溝で十分である場合もある。

外部要素５は、各被覆要素５１、５２に、被覆要素５１、５２の下側に形成された、内側角状部１１と協働するよう構成された２つのスナップ嵌合スロット５５、５６を備える。従って外部要素５は、取り付け領域１２、１３において、上記被覆要素５１、５２によって上記ミドルケース上にスナップ嵌合される。

図示されているように、リング５０は平坦な外側表面を有し、即ちリング５０は、ベゼル６の上記少なくとも１つの窪み６０の内側に格納された突出部分を有しない。従って外部要素５は簡単な幾何学的形状を有し、これにより迅速、容易かつ安価な製造が可能となる。

図示されていない本発明のある変形例によると、外部要素５は、ベゼル６の窪み６０に突出する部分を有する。

外部要素５／ベゼル６の組み合わせによって、外部要素５の色及び／又は外観に応じて、並びにベゼル６に設けられた窪み６０の数、サイズ及び形状に応じて、複数の美的効果を得ることができる。

腕時計の組み立ては以下のように達成される。

オペレータは、外部要素５を取り付け領域１２、１３においてミドルケース１にスナップ嵌合する。次にオペレータは、ムーブメント２／文字盤３組立体をミドルケース１の裏蓋１９上に配置した後、ミドルケース１及びムーブメント２にクラウンを有するステムを挿入する。最後に風防ガラス４をミドルケース１上に圧着してからベゼル６も取り付けることによって、窪み６０の所望の位置決めが得られる。

本発明のこれらの異なる複数の態様の結果として、外部要素５の色及びベゼル６の形状に応じて多様なモデルを可能とする、組み立てが容易な腕時計ケースが提供される。

当然のことながら、本発明は図示されている例に限定されず、当業者に明らかであろう様々な変形例及び修正例が可能である。

１００ 腕時計ケース
１ ミドルケース
１０ 外側角状部
１１ 内側角状部
１２、１３ 取り付け領域
１４、１５ 垂直リブ
１６ カラー
１８ 縁部
１９ 裏蓋
２ ムーブメント
３ 文字盤
４ ガラス
５ 外部要素
５０ リング
５１、５２ 被覆要素
５３、５４ 案内溝
５５、５６ スナップ嵌合スロット
６ ベゼル
６０ 窪み

Claims (9)

1. 角状部（１０）を備え、かつブレスレットストランドをミドルケース（１）に取り付けるための２つの領域（１２、１３）を有する、前記ミドルケース（１）と、ベゼル（６）と、前記ミドルケース（１）と前記ベゼル（６）との間に少なくとも部分的に挟み込まれる外部要素（５）とを備える、腕時計ケース（１００）であって、
   前記ベゼル（６）は、前記外部要素（５）を露出させるよう構成された少なくとも１つの窪み（６０）を備える、腕時計ケース（１００）において：
   前記外部要素（５）は、それぞれが各前記取り付け領域（１２、１３）を被覆する２つの被覆要素（５１、５２）を備え、前記ミドルケースに対する前記ベゼルの取り付けとは独立して前記ミドルケース（１）に直接取り付けられること；及び
   前記ミドルケース（１）は各前記取り付け領域（１２、１３）において、前記角状部（１０）の間に２つの垂直リブ（１４、１５）を備え、前記２つの垂直リブ（１４、１５）は、前記被覆要素（５１、５２）の内面上に形成された２つの案内溝（５２、５４）と協働して、前記外部要素（５）を前記ミドルケース（１）上の所定の位置に正確に保持するよう構成されること
   を特徴とする、腕時計ケース（１００）。
2. 前記外部要素（５）は、前記ミドルケース（１）を少なくとも部分的に被覆するリング（５０）を備え、
   前記リングは、前記ミドルケースと前記ベゼルとの間に格納されて、前記少なくとも１つの窪みの底部に装飾表面を形成する、請求項１に記載の腕時計ケース（１００）。
3. 前記リング（５０）と、前記外部要素（５）の前記２つの被覆要素（５１、５２）とは、一体の構成部品を形成する、請求項１又は２に記載の腕時計ケース（１００）。
4. 前記外部要素（５）は、前記取り付け領域（１２、１３）の前記被覆要素（５１、５２）によって前記ミドルケース（１）上にスナップ嵌合される、請求項１〜３のいずれか１項に記載の腕時計ケース（１００）。
5. 前記外部要素（５）の前記リング（５０）は、略セミトロイダル型の断面を有する、請求項２又は３に記載の腕時計ケース（１００）。
6. 前記リング（５０）は、前記ミドルケース（１）の周縁表面の全体又は一部にわたって略平面状に延在する、請求項２、３又は５に記載の腕時計ケース（１００）。
7. 前記外部要素（５）は、ポリカーボネート、ＰＭＭＡ又はＭＡＢＳ等のプラスチック材料製である、請求項１〜６のいずれか１項に記載の腕時計ケース（１００）。
8. 前記ベゼル（６）は、前記ベゼル（６）の周りに対称に配設された少なくとも２つの前記窪み（６０）を備える、請求項１〜７のいずれか１項に記載の腕時計ケース（１００）。
9. 前記外部要素（５）は、つや消しの又は磨かれた表面を有する透明又は不透明材料で作製される、請求項１〜８のいずれか１項に記載の腕時計ケース（１００）。

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