以下、本発明に係る好適な実施の形態を添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのもので、本発明の唯一の実施の形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、このような具体的な細部事項なしにも本発明が実施され得るということが当業者には理解される。
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示されることもある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、並びに3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において、本発明の技術的思想を明確にするために説明を省いた段階又は部分は、上記の文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAはUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は3GPP LTEの進展である。
説明を明確にするために、IEEE 802.11システムを中心に記述するが、本発明の技術的特徴がこれに制限されるわけではない。
(システム一般)
図1は、本発明を適用し得るIEEE 802.11システムの例示的な構造を示す図である。
IEEE 802.11構造は複数個の構成要素を含むことができ、それら構成要素の相互作用によって上位層に対してトランスペアレントなSTA移動性を支援するWLANを提供することができる。基本サービスセット(Basic Service Set;BSS)はIEEE 802.11 LANにおける基本的な構成ブロックに該当し得る。図1では、2個のBSS(BSS1及びBSS2)が存在し、それぞれのBSSのメンバーとして2個のSTAが含まれること(STA1及びSTA2はBSS1に含まれ、STA3及びSTA4はBSS2に含まれる)を例示的に示している。図1で、BSSを示す楕円は、当該BSSに含まれたSTAが通信を維持するカバレッジ領域を示すものと理解してもよい。この領域をBSA(Basic Service Area)と称することができる。STAがBSAの外へ移動すると、当該BSA内の他のSTAと直接通信できなくなる。
IEEE 802.11 LANにおいて最も基本的なタイプのBSSは、独立したBSS(Independent BSS;IBSS)である。例えば、IBSSは、2個のSTAだけで構成された最小の形態を有することができる。また、最も単純な形態であるとともに他の構成要素が省略されている図1のBSS(BSS1又はBSS2)がIBSSの代表的な例示に該当する。このような構成は、STA同士が直接通信できる場合に可能である。また、このような形態のLANは、あらかじめ計画して構成されるものではなく、LANが必要な場合に構成され、これをアド−ホック(ad−hoc)ネットワークと呼ぶこともできる。
STAの電源オン/オフ、STAのBSS領域への入/出などによって、BSSにおいてSTAのメンバーシップが動的に変更することがある。BSSのメンバーになるためには、STAは同期化過程を用いてBSSにジョインすればよい。BSS基盤構造の全てのサービスにアクセスするためには、STAはBSSに連携されなければならない。このような連携(association)は動的に設定され、分配システムサービス(Distribution System Service;DSS)の利用を含んでもよい。
図2は、本発明を適用し得るIEEE 802.11システムの他の例示的な構造を示す図である。図2は、図1の構造において、分配システム(Distribution System;DS)、分配システム媒体(Distribution System Medium;DSM)、アクセスポイント(Access Point;AP)などの構成要素が追加された形態である。
LANにおいて直接的なステーション−対−ステーションの距離はPHY性能によって制限されることがある。このような距離の限界が充分な場合もあれば、より遠い距離のステーション間の通信が必要な場合もある。拡張されたカバレッジを支援するために分配システム(DS)を構成することができる。
DSは、BSS同士が相互接続される構造を意味する。具体的に、図1のようにBSSが独立して存在する代わりに、複数個のBSSで構成されたネットワークの拡張された形態の構成要素としてBSSが存在してもよい。
DSは論理的な概念であり、分配システム媒体(DSM)の特性によって特定することができる。これと関連して、IEEE 802.11標準では無線媒体(Wireless Medium;WM)と分配システム媒体(DSM)とを論理的に区別している。それぞれの論理的媒体は互いに異なる目的のために使用され、互いに異なる構成要素によって使用される。IEEE 802.11標準の定義では、このような媒体を互いに同一なものとも、互いに異なるものとも制限しない。このように複数個の媒体が論理的に互いに異なるという点で、IEEE 802.11 LAN構造(DS構造又は他のネットワーク構造)の柔軟性を説明することができる。すなわち、IEEE 802.11 LAN構造は様々に具現することができ、それぞれの具現例の物理的な特性によって独立的に当該LAN構造を特定することができる。
DSは複数個のBSSのシームレス(seamless)な統合を提供し、あて先へのアドレスを扱うために必要な論理的サービスを提供することによって移動装置を支援することができる。
APとは、関連付いているSTAに対してWMを通じてDSへのアクセスを可能にし、且つSTA機能性を有する個体を意味する。APを通じてBSS及びDS間のデータ移動が行われてもよい。例えば、図2に示すSTA2及びSTA3は、STAの機能性を有するとともに、関連付いているSTA(STA1及びSTA4)をDSにアクセスさせる機能を持つ。また、いかなるAPも基本的にSTAに該当するため、APはいずれもアドレス可能な個体である。WM上での通信のためにAPによって用いられるアドレスとDSM上での通信のためにAPによって用いられるアドレスは必ずしも同一である必要はない。
APに関連付いているSTAのいずれか一つから当該APのSTAアドレスに送信されるデータは、常に非制御ポート(uncontrolled port)で受信され、IEEE 802.1Xポートアクセス個体によって処理されてもよい。また、制御ポート(controlled port)が認証されると、送信データ(又は、フレーム)はDSに伝達されてもよい。
図3は、本発明を適用し得るIEEE 802.11システムのさらに他の例示的な構造を示す図である。図3では、図2の構造にさらに広いカバレッジを提供するための拡張されたサービスセット(Extended Service Set;ESS)を概念的に示す。
任意の(arbitrary)サイズ及び複雑度を有する無線ネットワークがDS及びBSSで構成されてもよい。IEEE 802.11システムではこのような方式のネットワークをESSネットワークと称する。ESSは、一つのDSに接続されたBSSの集合に該当し得る。しかし、ESSはDSを含まない。ESSネットワークはLLC(Logical Link Control)層でIBSSネットワークとして見える点が特徴である。ESSに含まれるSTAは互いに通信することができ、移動STAはLLCにトランスペアレントに一つのBSSから他のBSSに(同一ESS内で)移動することができる。
IEEE 802.11では、図3におけるBSSの相対的な物理的位置について何ら仮定しておらず、次のようないずれの形態も可能である。BSSは部分的に重なってもよく、これは、連続したカバレッジを提供するために一般に利用される形態である。また、BSSは物理的に接続していなくてもよく、論理的にはBSS同士間の距離に制限はない。また、BSS同士は物理的に同一位置に位置してもよく、これはリダンダンシーを提供するために用いることができる。また、一つ(又は、一つ以上の)IBSS又はESSネットワークが一つ(又は一つ以上の)ESSネットワークとして同一空間に物理的に存在してもよい。これは、ESSネットワークが存在する位置にアド−ホックネットワークが動作する場合、互いに異なる機関(organizations)によって物理的に重なるIEEE 802.11ネットワークが構成される場合、又は、同一位置で2つ以上の互いに異なるアクセス及び保安政策が必要な場合などにおける、ESSネットワーク形態に該当し得る。
図4は、WLANシステムの例示的な構造を示す図である。図4では、DSを含む基盤構造BSSの一例が示されている。
図4の例示で、BSS1及びBSS2がESSを構成する。WLANシステムにおいてSTAはIEEE 802.11のMAC/PHY規定に従って動作する装置である。STAはAP STA及び非−AP(non−AP)STAを含む。Non−AP STAは、ラップトップコンピュータ、移動電話機のように、一般にユーザが直接扱う装置に該当する。図4の例示で、STA1、STA3、STA4はnon−AP STAに該当し、STA2及びSTA5はAP STAに該当する。
以下の説明で、non−AP STAは、端末(terminal)、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit;WTRU)、ユーザ装置(User Equipment;UE)、移動局(Mobile Station;MS)、移動端末(Mobile Terminal)、移動加入者局(Mobile Subscriber Station;MSS)などと呼ぶことができる。また、APは、他の無線通信分野における基地局(Base Station;BS)、ノード−B(Node−B)、発展したノード−B(evolved Node−B;eNB)、基底送受信システム(Base Transceiver System;BTS)、フェムト基地局(Femto BS)などに対応する概念である。
図5は、本発明を適用し得るIEEE 802.11システムのデータリンク層(Data Link Layer)と物理層(Physical Layer)の構造を例示する図である。
図5を参照すると、物理層520は、PLCP個体(Physical Layer Convergence Procedure Entity)521とPMD個体(Physical Medium Dependent Entity)522を含むことができる。PLCP個体521は、MAC副層510とデータフレームを連結する役割を担う。PMD個体522は、OFDM方式によって2個又はそれ以上のSTAとデータを無線で送受信する役割を担う。
MAC副層510と物理層520はいずれも概念上の管理個体を含むことができ、それぞれ、MLME(MAC Sublayer Management Entity)511とPLME(Physical Layer Management Entity)523と呼ぶことができる。これらの個体511,521は、階層管理関数の動作によって階層管理サービスインターフェースを提供する。
正確なMAC動作を提供するために、SME(Station Management Entity)530が各STA内に存在することができる。SME 530は各階層と独立した管理個体で、複数の階層管理個体から階層ベースの状態情報を収集したり、各階層の特定パラメータの値を設定する。SME 530は、このような機能を一般システム管理個体に代えて行うことができ、標準管理プロトコルを具現することができる。
上記のような様々な個体は様々な方法で相互作用(interact)することができ、図5では、GET/SETプリミティブ(primitive)を交換する例を示す。XX−GET.requestプリミティブは、管理情報ベース属性(MIB attribute:Management Information Base attribute)の値を要請するために用いられ、XX−GET.confirmプリミティブは、状態が「SUCCESS」であれば、該当のMIB属性値をリターン(return)し、その他の場合は、状態フィールドに誤り表示をしてリターンする。XX−SET.requestプリミティブは、指定されたMIB属性を、与えられた値に設定するように要請するために用いられる。MIB属性が特定動作を意味していると、この要請はその特定動作の実行を要請する。そして、XX−SET.confirmプリミティブは、状態が「SUCCESS」であれば、指定されたMIB属性が要請された値に設定されたことを意味する。その他の場合には、状態フィールドは誤り状況を示す。このMIB属性が特定動作を意味すると、このプリミティブは、当該動作が行われたことを意味することができる。
図5に示すように、MLME 511とSME 530間、PLME 523とSME 530間には、様々なプリミティブをそれぞれ、MLME_SAP(MLME_Service Access Point)550、PLME_SAP(PLME_Service Access Point)560を介して交換することができる。そして、MLME 511とPLME 523間にはMLME−PLME_SAP(MLME−PLME_Service Access Point)570を介してプリミティブを交換することができる。
(リンクセットアップ過程)
図6は、本発明を適用し得るWLANシステムにおいて一般のリンクセットアップ(link setup)過程を説明するための図である。
STAがネットワークに対してリンクをセットアップし、データを送受信するためには、まず、ネットワークを発見(discovery)し、認証(authentication)を行い、連携(association)を確立(establish)し、保安(security)のための認証手順などを行わなければならない。リンクセットアップ過程をセッション開始過程、セッションセットアップ過程と呼ぶこともできる。また、リンクセットアップ過程における発見、認証、連携、保安設定の過程を総称して連携過程と呼ぶこともできる。
図6を参照して例示的なリンクセットアップ過程について説明する。
段階S610で、STAはネットワーク発見動作を行うことができる。ネットワーク発見動作はSTAのスキャニング(scanning)動作を含むことができる。すなわち、STAがネットワークにアクセスするためには、参加可能なネットワークを探さなければならない。STAは無線ネットワークに参加する前に互換可能なネットワークを識別しなければならないが、特定領域に存在するネットワーク識別過程をスキャニングという。
スキャニング方式には、能動的スキャニング(active scanning)と受動的スキャニング(passive scanning)がある。
図6では例示として能動的スキャニング過程を含むネットワーク発見動作を示す。能動的スキャニングにおいて、スキャニングを行うSTAはチャネルを移りながら周辺にどのAPが存在するかを探索するためにプローブ要請フレーム(probe request frame)を送信して、それに対する応答を待つ。応答者(responder)は、プローブ要請フレームを送信したSTAに、プローブ要請フレームに対する応答としてプローブ応答フレーム(probe response frame)を送信する。ここで、応答者は、スキャニングされているチャネルのBSSで最後にビーコンフレーム(beacon frame)を送信したSTAであってもよい。BSSでは、APがビーコンフレームを送信するため、APが応答者となり、IBSSでは、IBSS内のSTAが交互にビーコンフレームを送信するため、応答者が一定でない。例えば、1番チャネルでプローブ要請フレームを送信し、1番チャネルでプローブ応答フレームを受信したSTAは、受信したプローブ応答フレームに含まれたBSS関連情報を保存し、次のチャネル(例えば、2番チャネル)に移動して同一の方法でスキャニング(すなわち、2番チャネル上でプローブ要請/応答の送受信)を行うことができる。
図6には示していないが、スキャニング動作は受動的スキャニング方式で行われてもよい。受動的スキャニングにおいて、スキャニングを行うSTAはチャネルを移りながらビーコンフレームを待つ。ビーコンフレームは、IEEE 802.11において管理フレーム(management frame)の一つであり、無線ネットワークの存在を知らせ、スキャニングを行うSTAが無線ネットワークを探して無線ネットワークに参加できるように、周期的に送信される。BSSでAPがビーコンフレームを周期的に送信する役割を担い、IBSSではIBSS内のSTAが交互にビーコンフレームを送信する。スキャニングを行うSTAはビーコンフレームを受信すると、ビーコンフレームに含まれたBSSに関する情報を保存し、他のチャネルに移動しながら各チャネルでビーコンフレーム情報を記録する。ビーコンフレームを受信したSTAは、受信したビーコンフレームに含まれたBSS関連情報を保存し、次のチャネルに移動して同一の方法で次のチャネルでスキャニングを行うことができる。
能動的スキャニングと受動的スキャニングとを比較すれば、能動的スキャニングが受動的スキャニングに比べてディレー(delay)及び電力消耗が小さいという利点がある。
STAがネットワークを発見した後に、段階S620で認証過程を行うことができる。このような認証過程は、後述する段階S640の保安セットアップ動作と明確に区別するために、第1の認証(first authentication)過程と呼ぶことができる。
認証過程は、STAが認証要請フレーム(authentication request frame)をAPに送信し、これに応答してAPが認証応答フレーム(authentication response frame)をSTAに送信する過程を含む。認証要請/応答に用いられる認証フレーム(authentication frame)は管理フレームに該当する。
認証フレームは、認証アルゴリズム番号(authentication algorithm number)、認証トランザクションシーケンス番号(authentication transaction sequence number)、状態コード(status code)、検問テキスト(challenge text)、RSN(Robust Security Network)、有限循環グループ(Finite Cyclic Group)などに関する情報を含むことができる。これは、認証要請/応答フレームに含まれ得る情報の一例示に過ぎず、他の情報に置き換わったり、追加の情報がさらに含まれたりしてもよい。
STAは認証要請フレームをAPに送信することができる。APは、受信された認証要請フレームに含まれた情報に基づいて、当該STAに対する認証を許容するか否かを決定することができる。APは認証処理の結果を認証応答フレームを通じてSTAに提供することができる。
STAが成功的に認証された後に、段階S630で連携過程を行うことができる。連携過程は、STAが連携要請フレーム(association request frame)をAPに送信し、それに応答してAPが連携応答フレーム(association response frame)をSTAに送信する過程を含む。
例えば、連携要請フレームは、様々な能力(capability)に関する情報、ビーコン聴取間隔(listen interval)、SSID(service set identifier)、支援レート(supported rates)、支援チャネル(supported channels)、RSN、移動性ドメイン、支援オペレーティングクラス(supported operating classes)、TIM放送要請(Traffic Indication Map Broadcast request)、相互動作(interworking)サービス能力などに関する情報を含むことができる。
例えば、連携応答フレームは、様々な能力に関する情報、状態コード、AID(Association ID)、支援レート、EDCA(Enhanced Distributed Channel Access)パラメータセット、RCPI(Received Channel Power Indicator)、RSNI(Received Signal to Noise Indicator)、移動性ドメイン、タイムアウト間隔(連携カムバック時間(association comeback time))、重畳(overlapping)BSSスキャンパラメータ、TIM放送応答、QoSマップなどの情報を含むことができる。
これは連携要請/応答フレームに含まれ得る情報の一例に過ぎず、他の情報に置き換わったり、追加の情報がさらに含まれたりしてもよい。
STAがネットワークに成功的に連携された後に、段階S640で保安セットアップ過程を行うことができる。段階S640の保安セットアップ過程は、RSNA(Robust Security Network Association)要請/応答を通じた認証過程ということもでき、上記の段階S620の認証過程を第1の認証(first authentication)過程とし、段階S640の保安セットアップ過程を単純に認証過程と呼ぶこともできる。
段階S640の保安セットアップ過程は、例えば、EAPOL(Extensible Authentication Protocol over LAN)フレームを通じた4−ウェイ(way)ハンドシェーキングを通じて、プライベートキーセットアップ(private key setup)をする過程を含むことができる。また、保安セットアップ過程は、IEEE 802.11標準で定義しない保安方式によって行われてもよい。
(WLANの進化)
無線LANで通信速度の限界を克服するために比較的最近に制定された技術標準としてIEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nは、ネットワークの速度と信頼性を増大させ、且つ無線ネットワークの運営距離を拡張することに目的がある。より具体的に、IEEE 802.11nは、データ処理速度が最大540Mbps以上である高処理率(High Throughput;HT)を支援するとともに、送信エラーを最小化し、データ速度を最適化するために送信端と受信端の両方とも多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基づいている。
無線LANの普及が活性化され、さらにそれを用いたアプリケーションが多様化するに伴って、最近ではIEEE 802.11nが支援するデータ処理速度よりも高い処理率を支援するための新しい無線LANシステムの必要性が台頭している。超高処理率(Very High Throughput;VHT)を支援する次世代無線LANシステムは、IEEE 802.11n無線LANシステムの次のバージョン(例えば、IEEE 802.11ac)であり、MACサービスアクセスポイント(Service Access Point;SAP)で1Gbps以上のデータ処理速度を支援するために最近に新しく提案されているIEEE 802.11無線LANシステムの一つである。
次世代無線LANシステムは、無線チャネルを效率的に利用するために複数のSTAが同時にチャネルにアクセスするMU−MIMO(Multi User Multiple Input Multiple Output)方式の送信を支援する。MU−MIMO送信方式によれば、APが、MIMOペアリング(pairing)された一つ以上のSTAに同時にパケットを送信することができる。また、ホワイトスペース(white space)で無線LANシステム動作を支援することが議論されている。例えば、アナログTVのデジタル化による遊休状態の周波数帯域(例えば、54〜698MHz帯域)のようなTVホワイトスペース(TVWS)での無線LANシステムの導入は、IEEE 802.11af標準として議論されている。しかし、これは例示に過ぎず、ホワイトスペースは、許可されたユーザ(licensed user)が優先して使用できる許可された帯域といえる。許可されたユーザは、許可された帯域の使用が許可されたユーザのことを意味し、許可された装置(licensed device)、プライマリユーザ(primary user)、優先的ユーザ(incumbent user)などと呼ぶこともできる。
例えば、WSで動作するAP及び/又はSTAは、許可されたユーザに対する保護(protection)機能を提供しなければならない。例えば、WS帯域で特定帯域幅を有するように規約(regulation)上分割されている周波数帯域である特定WSチャネルを、マイクロホン(microphone)のような許可されたユーザが既に使用している場合、許可されたユーザを保護するために、AP及び/又はSTAは当該WSチャネルに該当する周波数帯域は使用することができない。また、AP及び/又はSTAは、現在フレーム送信及び/又は受信のために使用している周波数帯域を許可されたユーザが使用するようになると、当該周波数帯域の使用を中止しなければならない。
そのため、AP及び/又はSTAは、WS帯域中の特定周波数帯域の使用が可能か否か、すなわち、当該周波数帯域に許可されたユーザが存在するか否かを把握する手順を先行しなければならない。許可されたユーザが特定周波数帯域に存在するか否かを把握することをスペクトルセンシング(spectrum sensing)という。スペクトルセンシングメカニズムとして、エネルギー探知(energy detection)方式、信号探知(signature detection)方式などが活用される。受信信号の強度が一定値以上であれば、許可されたユーザが使用中であると判断したり、DTVプリアンブル(preamble)が検出されると、許可されたユーザが使用中であると判断すればよい。
また、次世代通信技術としてM2M(Machine−to−Machine)通信技術が議論されている。IEEE 802.11無線LANシステムでもM2M通信を支援するための技術標準がIEEE 802.11ahとして開発されている。M2M通信は、一つ以上のマシン(Machine)が含まれる通信方式を意味し、MTC(Machine Type Communication)又は事物通信と呼ばれることもある。ここで、マシンとは、人間の直接的な操作や介入を必要としない個体(entity)を意味する。例えば、無線通信モジュールが搭載された検針機(meter)や自動販売機のような装置を含めて、ユーザの操作/介入無しで自動でネットワークに接続して通信を行うことができるスマートフォンのようなユーザ機器もマシンの例示に該当し得る。M2M通信は、デバイス間の通信(例えば、D2D(Device−to−Device)通信)、デバイスとサーバー(application server)間の通信などを含むことができる。デバイスとサーバー間の通信の例示としては、自動販売機とサーバー、POS(Point of Sale)装置とサーバー、電気、ガス又は水道検針機とサーバー間の通信が挙げられる。その他にも、M2M通信ベースのアプリケーション(application)には、保安(security)、運送(transportation)、ヘルスケア(health care)などが含まれてもよい。このような適用例の特性を考慮すると、一般に、M2M通信は、数多くの機器が存在する環境でたまに少量のデータを低速で送受信することを支援できるものでなければならない。
具体的に、M2M通信は多数のSTAを支援できるものでなければならない。現在定義されている無線LANシステムでは、一つのAPに最大2007個のSTAが連携される場合を仮定するが、M2M通信ではそれよりも多い個数(約6000個)のSTAが一つのAPに連携される場合を支援する方案が議論されている。また、M2M通信では低い送信速度を支援/要求するアプリケーションが多いと予想される。これを円滑に支援するために、例えば、無線LANシステムでは、TIM(Traffic Indication Map)要素に基づいてSTAが自身に送信されるデータの有無を認知できるが、TIMのビットマップサイズを減らす方案が議論されている。また、M2M通信では送信/受信間隔が非常に長いトラフィックが多いと予想される。例えば、電気/ガス/水道の使用量のように長い周期(例えば、1ケ月)ごとに大変少ない量のデータをやり取りすることが要求される。そのため、無線LANシステムでは、一つのAPに連携され得るSTAの個数が非常に多くなっても、一つのビーコン周期の間にAPから受信するデータフレームが存在するSTAの個数が大変少ない場合を效率的に支援する方案が議論されている。
このように無線LAN技術は急速に進化しつつあり、前述の例示に加えて、直接リンクセットアップ、メディアストリーミング性能の改善、高速及び/又は大規模の初期セッションセットアップの支援、拡張された帯域幅及び動作周波数の支援などのための技術が開発されている。
(フレーム構造)
図7は、本発明を適用し得るIEEE 802.11システムのMACフレームフォーマットを例示する。
図7を参照すると、MACフレームフォーマットは、MACヘッダー(MHR:MAC Header)、MACペイロード(MAC Payload)及びMACフッター(MFR:MAC Footer)で構成される。MHRは、フレーム制御(Frame Control)フィールド、持続期間/識別子(Duration/ID)フィールド、アドレス1(Address 1)フィールド、アドレス2(Address 2)フィールド、アドレス3(Address 3)フィールド、シーケンス制御(Sequence Control)フィールド、アドレス4(Address 4)フィールド、QoS制御(QoS Control)フィールド及びHT制御(HT Control)フィールドを含む領域と定義される。フレームボディー(Frame Body)フィールドはMACペイロード(payload)と定義されるもので、上位層で送信しようとするデータが位置し、可変的なサイズを有する。フレームチェックシーケンス(FCS:frame check sequence)フィールドはMACフッター(footer)と定義され、MACフレームのエラー探索のために用いられる。
先頭3つのフィールド(フレーム制御フィールド、持続期間/識別子フィールド、アドレス1フィールド)と末尾のフィールド(FCSフィールド)は最小フレームフォーマットを構成し、全てのフレームに存在する。その他のフィールドは特定フレームタイプでのみ存在してもよい。
上述した各フィールドに含まれる情報はIEEE 802.11システムの定義に従えばよい。また、上述した各フィールドはMACフレームに含まれ得るフィールドの例示に該当し、他のフィールドに置き換わったり、追加のフィールドがさらに含まれてもよい。
図8は、図7によるMACフレームにおいてHT ControlフィールドのHTフォーマットを例示する。
図8を参照すると、HT制御フィールドは、VHTサブフィールド、リンク適応(Link Adaptation)サブフィールド、キャリブレーションポジション(Calibration Position)サブフィールド、キャリブレーションシーケンス(Calibration Sequence)サブフィールド、チャネル状態情報/調整(CSI/Steering:Channel State Information/Steering)サブフィールド、NDP通知(NDP Announcement:Null Data Packet Announcement)サブフィールド、アクセスカテゴリー制限(AC Constraint:Access Category Constraint)サブフィールド、逆方向承認/追加PPDU(RDG:Reverse Direction Grant/More PPDU)サブフィールド、予約(Reserved)サブフィールドを含むことができる。
リンク適応サブフィールドは、トレーニング要請(TRQ:Training request)サブフィールド、MCS要請又はアンテナ選択指示(MAI:MCS(Modulation and Coding Scheme)Request or ASEL(Antenna Selection)Indication)サブフィールド、MCSフィードバックシーケンス識別子(MFSI:MCS Feedback Sequence Identifier)サブフィールド、MCSフィードバック及びアンテナ選択命令/データ(MFB/ASELC:MCS Feedback and Antenna Selection Command/data)サブフィールドを含むことができる。
TRQサブフィールドは、応答者(responder)にサウンディングPPDU(sounding PPDU)送信を要請する場合は1に設定され、応答者にサウンディングPPDU送信を要請しない場合は0に設定される。そして、MAIサブフィールドが14に設定されると、アンテナ選択指示(ASEL indication)を示し、MFB/ASELCサブフィールドはアンテナ選択命令/データと解釈される。そうでない場合、MAIサブフィールドはMCS要請を示し、MFB/ASELCサブフィールドはMCSフィードバックと解釈される。MAIサブフィールドがMCS要請(MRQ:MCS Request)を示す場合、あるMCSフィードバックを要請しない場合は0に設定され、MCSフィードバックを要請する場合は1に設定される。サウンディングPPDUは、チャネル推定のために利用可能なトレーニング(training)シンボルを伝達するPPDUを意味する。
上述した各サブフィールドはHT制御フィールドに含み得るサブフィールドの例示に該当し、他のサブフィールドに取り替わったり、追加のサブフィールドがさらに含まてもよい。
図9は、図7によるMACフレームにおいてHT ControlフィールドのVHTフォーマットを例示する。
図9を参照すると、HT制御フィールドは、VHTサブフィールド、MRQサブフィールド、MSIサブフィールド、MCSフィードバックシーケンス指示/グループID最下位ビット(MFSI/GID−L:LSB of Group ID)サブフィールド、MFBサブフィールド、グループID最上位ビット(GID−H:MSB of Group ID)サブフィールド、コーディングタイプ(Coding Type)サブフィールド、MFC応答送信タイプ(FB Tx Type:Transmission type of MFB response)サブフィールド、自発的MFB(Unsolicited MFB)サブフィールド、AC校正(AC Constraint)サブフィールド、RDG/More PPDUサブフィールドを含むことができる。そして、MFBサブフィールドは、VHT空間−時間ストリーム個数(N_STS:Number of space time streams)サブフィールド、MCSサブフィールド、帯域幅(BW:Bandwidth)サブフィールド、信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)サブフィールドを含むことができる。
表1には、HT制御フィールドのVHTフォーマットにおける各サブフィールドの説明を示す。
上述した各サブフィールドはHT制御フィールドに含み得るサブフィールドの例示に該当し、他のサブフィールドに取り替わったり、追加のサブフィールドがさらに含まれてもよい。
一方、MAC副層は、MACプロトコルデータユニット(MPDU:MAC protocol data unit)を物理サービスデータユニット(PSDU:PHY Service Data Unit)として物理層に伝達する。PLCP個体は、受信したPSDUに物理ヘッダー(PHY header)とプリアンブルを付加してPLCPプロトコルデータユニット(PPDU:PLC Pprotocol data unit)を生成する。
図10は、本発明を適用し得るIEEE 802.11nシステムのPPDUフレームフォーマットを例示する。
図10の(a)は、ノン−HT(Non−HT)フォーマット、HT混合(HT Mixed)フォーマット、HT−グリーンフィールド(HT−Green field)フォーマットによるPPDUフレームを例示している。
ノン−HTフォーマットは、既存のレガシーシステム(IEEE 802.11a/g)STAのためのフレームフォーマットを示す。ノン−HTフォーマットPPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L−STF:Legacy−Short Training field)、レガシーロングトレーニングフィールド(L−LTF:Legacy−Long Training field)、レガシーシグナル(L−SIG:Legacy−Signal)フィールドで構成されるレガシーフォーマットプリアンブルを含む。
HT混合フォーマットは、既存のレガシーシステムSTAの通信を許容すると同時にIEEE 802.11n STAのためのフレームフォーマットを示す。HT混合フォーマットPPDUは、L−STF、L−LTF、L−SIGで構成されるレガシーフォーマットプリアンブルと、HT−ショートトレーニングフィールド(HT−STF:HT−Short Training field)、HT−ロングトレーニングフィールド(HT−LTF:HT−Long Training field)及びHTシグナル(HT−SIG:HT−Signal)フィールドで構成されるHTフォーマットプリアンブルを含む。L−STF、L−LTF及びL−SIGは、下位互換性(backward compatibility)のためのレガシーフィールドを意味するので、L−STFからL−SIGまではノン−HTフォーマットと同一であり、それに続くHT−SIGフィールドから、STAは、混合フォーマットPPDUであることが把握できる。
HT−グリーンフィールド(Green field)フォーマットは、既存のレガシーシステムと互換性を持たないフォーマットで、IEEE 802.11n STAのためのフレームフォーマットを示す。HT−グリーンフィールドフォーマットPPDUは、HT−グリーンフィールド−STF(HT−GF−STF:HT−Greefield−STF)、HT−LTF1、HT−SIG及び一つ以上のHT−LTFで構成されるグリーンフィールドプリアンブルを含む。
データ(Data)フィールドは、サービス(SERVICE)フィールド、PSDU、テール(tail)ビット、埋め草(padding)ビットを含む。データフィールドの全ビットはスクランブルされる。
図10の(b)は、データフィールドに含まれるサービスフィールドを示す。サービスフィールドは16ビットを有する。各ビットは0番から15番まで与えられ、0番ビットから順次に送信される。0番から6番ビットは0に設定され、受信端内のデスクランブラ(descrambler)を同期化するために用いられる。
図11は、本発明を適用し得るIEEE 802.11acシステムのVHT PPDUフレームフォーマットを例示する。
図11を参照すると、VHTフォーマットPPDUは、データフィールドの前に、L−STF、L−LTF、L−SIGで構成されるレガシーフォーマットプリアンブルと、VHT−SIG−A、HT−STF及びHT−LTFで構成されるVHTフォーマットプリアンブルを含む。L−STF、L−LTF及びL−SIGは下位互換性(backward compatibility)のためのレガシーフィールドを意味するので、L−STFからL−SIGまではノン−HTフォーマットと同一であり、それに続くVHT−SIGフィールドから、STAは、VHTフォーマットPPDUであることが把握できる。
L−STFは、フレーム検出、自動利得制御(AGC:Auto Gain Control)、ダイバーシティ検出、粗い周波数/時間同期化(coarse frequency/time synchronization)などのためのフィールドである。L−LTFは、精密な周波数/時間同期化(fine frequency/time synchronization)、チャネル推定などのためのフィールドである。L−SIGは、レガシー制御情報送信のためのフィールドである。VHT−SIG−Aは、VHT STAに共通する制御情報送信のためのVHTフィールドである。VHT−STFは、MIMOのためのAGC、ビームフォーミングされたストリームのためのフィールドである。VHT−LTFsは、MIMOのためのチャネル推定、ビームフォーミングされたストリームのためのフィールドである。VHT−SIG−Bは、各STAに特定した制御情報を送信するためのフィールドである。
(媒体アクセスメカニズム)
IEEE 802.11に基づく無線LANシステムにおいて、MAC(Medium Access Control)の基本アクセスメカニズムは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)メカニズムである。CSMA/CAメカニズムは、IEEE 802.11 MACの分配調整機能(Distributed Coordination Function、DCF)とも呼ばれるが、基本的に「listen before talk」アクセスメカニズムを採用している。このような類型のアクセスメカニズムによれば、AP及び/又はSTAは送信を開始するに先立ち、所定の時間区間(例えば、DIFS(DCF Inter−Frame Space)の間に無線チャネル又は媒体(medium)をセンシング(sensing)するCCA(Clear Channel Assessment)を行うことができる。センシングの結果、媒体が遊休状態(idle status)と判断されると、当該媒体を通じてフレーム送信を始める。一方、媒体が占有状態(occupied status)と感知されると、当該AP及び/又はSTAは自分の送信を開始せず、媒体アクセスのための遅延期間(例えば、任意バックオフ周期(random backoff period))を設定して待った後、フレーム送信を試みることができる。任意バックオフ周期の適用から、複数のSTAはそれぞれ異なった時間待った後にフレーム送信を試みることが期待されるため、衝突(collision)を最小化することができる。
また、IEEE 802.11 MACプロトコルはHCF(Hybrid Coordination Function)を提供する。HCFはDCFとPCF(Point Coordination Function)に基づく。PCFは、ポーリング(polling)ベースの同期式アクセス方式で、全ての受信AP及び/又はSTAがデータフレームを受信できるように周期的にポーリングする方式のことをいう。また、HCFは、EDCA(Enhanced Distributed Channel Access)とHCCA(HCF Controlled Channel Access)を有する。EDCAは、提供者が複数のユーザにデータフレームを提供するためのアクセス方式を競合ベースとするものであり、HCCAは、ポーリングメカニズムを用いた非競合ベースのチャネルアクセス方式を用いるものである。また、HCFは、WLANのQoS(Quality of Service)を向上させるための媒体アクセスメカニズムを含み、競合周期(Contention Period;CP)、非競合周期(Contention Free Period;CFP)のいずれにおいてもQoSデータを送信することができる。
図12は、本発明を適用し得るWLANシステムにおいてバックオフ過程を説明するための図である。
図12を参照して任意バックオフ周期に基づく動作について説明する。
占有(occupy又はbusy)状態だった媒体が遊休(idle)状態に変更されると、複数のSTAはデータ(又はフレーム)送信を試みることができる。この時、衝突を最小化するための方案として、STAはそれぞれ任意バックオフカウントを選択し、それに該当するスロット時間だけ待機した後、送信を試みることができる。任意バックオフカウントは、擬似−任意整数(pseudo−random integer)値を有し、0乃至CW範囲の値のいずれか一つに決定され得る。ここで、CWは、競合ウィンドウ(Contention Window)パラメータ値である。CWパラメータは初期値としてCWminが与えられるが、送信失敗の場合(例えば、送信されたフレームに対するACKを受信できなかった場合)に2倍の値を取ることができる。CWパラメータ値がCWmaxになると、データ送信に成功するまでCWmax値を維持しながらデータ送信を試みることができ、データ送信に成功する場合にはCWmin値にリセットされる。CW、CWmin及びCWmax値は2n−1(n=0,1,2,…)に設定されることが好ましい。
任意バックオフ過程が始まると、STAは、決定されたバックオフカウント値によってバックオフスロットをカウントダウンする間に続けて媒体をモニタする。媒体が占有状態とモニタされるとカウントダウンを止めて待機し、媒体が遊休状態になると残りのカウントダウンを再開する。
図12の例示で、STA3のMACに送信するパケットが到達した場合に、STA3はDIFSだけ媒体が遊休状態であることを確認し、直ちにフレームを送信することができる。一方、残りのSTAは、媒体が占有(busy)状態であることをモニタして待機する。その間にSTA1、STA2及びSTA5のそれぞれでも送信するデータが発生することがあり、それぞれのSTAは、媒体が遊休状態とモニタされると、DIFSだけ待機した後に、それぞれ選択した任意バックオフカウント値によってバックオフスロットのカウントダウンを行うことができる。図12の例示では、STA2が最も小さいバックオフカウント値を選択し、STA1が最も大きいバックオフカウント値を選択した場合を示す。すなわち、STA2がバックオフカウントを終えてフレーム送信を始める時点でSTA5の残余バックオフ時間はSTA1の残余バックオフ時間よりも短い場合を例示する。STA1及びSTA5は、STA2が媒体を占有する間に暫くカウントダウンを止めて待機する。STA2の占有が終了して媒体が再び遊休状態になると、STA1及びSTA5はDIFSだけ待機した後に、止めていたバックオフカウントを再開する。すなわち、残余バックオフ時間だけの余りのバックオフスロットをカウントダウンした後にフレーム送信を始めることができる。STA5の残余バックオフ時間がSTA1よりも短かったため、STA5がフレーム送信を始めるようになる。一方、STA2が媒体を占有する間にSTA4でも送信するデータが発生することがある。このとき、STA4の立場では、媒体が遊休状態になるとDIFSだけ待機した後、自身が選択した任意バックオフカウント値によるカウントダウンを行ってフレーム送信を始めることができる。図12の例示では、STA5の残余バックオフ時間がSTA4の任意バックオフカウント値と偶然に一致する場合を示し、この場合、STA4とSTA5間に衝突が発生することがある。衝突が発生する場合はSTA4、STA5両方ともACKを受けることができず、データ送信に失敗することになる。この場合、STA4とSTA5はCW値を2倍に増やした後に任意バックオフカウント値を選択してカウントダウンを行うことができる。一方、STA1は、STA4とSTA5の送信によって媒体が占有状態である間に待機しているが、媒体が遊休状態になると、DIFSだけ待機した後、残余バックオフ時間が経過するとフレーム送信を開始することができる。
(STAのセンシング動作)
前述したように、CSMA/CAメカニズムは、AP及び/又はSTAが媒体を直接センシングする物理的キャリアセンシング(physical carrier sensing)の他、仮想キャリアセンシング(virtual carrier sensing)も含む。仮想キャリアセンシングは、隠れたノード問題(hidden node problem)などのように媒体アクセスで発生し得る問題を補完するために用いられる。仮想キャリアセンシングのために、無線LANシステムのMACはネットワーク割当ベクトル(Network Allocation Vector;NAV)を用いることができる。NAVは、現在媒体を利用していたり又は利用する権限のあるAP及び/又はSTAが、媒体を使用可能な状態になるまで残っている時間を、他のAP及び/又はSTAに指示(indicate)する値である。したがって、NAVに設定された値は、当該フレームを送信するAP及び/又はSTAによって媒体の利用が予定されている期間に該当し、NAV値を受信するSTAは、当該期間において媒体アクセスが禁止される。NAVは、例えば、フレームのMACヘッダ(header)の持続期間(duration)フィールドの値によって設定されてもよい。
また、衝突可能性を低減するために堅牢な衝突検出(robust collision detect)メカニズムが導入された。これについて図13及び図14を参照して説明する。実際にキャリアセンシング範囲と送信範囲は同一でないこともあるが、説明の便宜のために両者は同一であると仮定する。
図13は、隠れたノード及び露出されたノードを説明するための図である。
図13(a)は、隠れたノードに対する例示であり、STA AとSTA Bとが通信中にあり、STA Cが送信する情報を持っている場合である。具体的に、STA AがSTA Bに情報を送信している状況であるにもかかわらず、STA CがSTA Bにデータを送る前にキャリアセンシングを行う際、媒体が遊休状態にあると判断することがある。これは、STA Aの送信(すなわち、媒体占有)をSTA Cの位置ではセンシングできないこともあるためである。このような場合、STA BはSTA AとSTA Cの情報を同時に受け、衝突が発生することになる。このとき、STA AをSTA Cの隠れたノードということができる。
図13(b)は、露出されたノード(exposed node)に対する例示であり、STA BがSTA Aにデータを送信している状況で、STA CがSTA Dに送信する情報を持っている場合である。この場合、STA Cがキャリアセンシングを行うと、STA Bの送信によって媒体が占有された状態であると判断することができる。そのため、STA CがSTA Dに送信する情報を持っていても、媒体占有状態とセンシングされたため、媒体が遊休状態になるまで待たなければならない。しかし、実際にはSTA AはSTA Cの送信範囲外にあるため、STA Cからの送信とSTA Bからの送信とがSTA Aの立場では衝突しないこともあるため、STA Cは、STA Bが送信を止めるまで余計に待機することになる。このとき、STA CをSTA Bの露出されたノードということができる。
図14は、RTSとCTSを説明するための図である。
図13のような例示的な状況で衝突回避(collision voidance)メカニズムを效率的に利用するために、RTS(request to send)とCTS(clear to send)などの短いシグナリングパケット(short signaling packet)を利用することができる。両STA間のRTS/CTSは周囲のSTAがオーバーヒヤリング(overhearing)できるようにし、この周囲のSTAが上記両STA間の情報送信の有無を考慮するようにすることができる。例えば、データを送信しようとするSTAがデータを受けるSTAにRTSフレームを送信すると、データを受けるSTAはCTSフレームを周囲の端末に送信することによって、自身がデータを受けることを知らせることができる。
図14(a)は、隠れたノード問題を解決する方法に関する例示であり、STA AとSTA CがいずれもSTA Bにデータを送信しようとする場合を仮定する。STA AがRTSをSTA Bに送ると、STA BはCTSを自身の周囲にあるSTA A及びSTA Cの両方に送信する。その結果、STA CはSTA AとSTA Bのデータ送信が終わるまで待機し、衝突を避けることとなる。
図14(b)は、露出されたノード問題を解決する方法に対する例示であり、STA AとSTA B間のRTS/CTS送信をSTA Cがオーバーヒヤリングすることによって、STA Cは自身が他のSTA(例えば、STA D)にデータを送信しても衝突が発生しないことと判断することができる。すなわち、STA Bは周囲の全ての端末機にRTSを送信し、実際に送るデータを持っているSTA AのみがCTSを送信するようになる。STA CはRTSを受信できるだけで、STA AのCTSは受信できないため、STA AはSTA Cのキャリアセンシング外にあるということがわかる。
(フレーム間の時間間隔(IFS:Inter−Frame Space))
2つのフレーム間の時間間隔をIFS(Inter−Frame Space)と定義する。STAは、キャリアセンシング(carrier sensing)を通じてIFSの間にチャネルが用いられるか否かを判断する。DCF MAC層は、4通りのIFSを定義しており、これによって無線媒体を占有する優先権が決定される。
IFSは、STAのビットとは関係なく物理層によって特定の値が設定される。IFSの種類には、SIFS(Short IFS)、PIFS(PCF IFS)、DIFS(DCF IFS)、EIFS(Extended IFS)がある。SIFS(Short IFS)は、RTS/CTS、ACKフレーム送信時に用いられ、最高優先順位を有する。PIFS(PCF IFS)は、PCFフレーム送信時に用いられ、DIFS(DCF IFS)はDCFフレーム送信時に用いられる。EIFS(Extended IFS)は、フレーム送信誤り発生時に限って用いられ、固定した間隔を有しない。
各IFS間の関係は、媒体上で時間間隔(time gap)で定義され、関連した属性は、図15のように物理層によって提供される。
図15は、IFSの関係を例示する図である。
全ての媒体タイミングでPPDUの最後のシンボルの終了時点が送信終了を示し、次のPPDUのプリアンブルの最初のシンボルが送信開始を示す。全てのMACタイミングは、PHY−TXEND.confirmプリミティブ、PHYTXSTART.confirmプリミティブ、PHY−RXSTART.indicationプリミティブ及びPHY−RXEND.indicationプリミティブを参照して定めることができる。
図15を参照すると、SIFS時間(aSIFSTime)とスロット時間(aSlotTime)は物理層別に決定することができる。SIFS時間は固定した値を有し、スロット時間は、無線遅延時間(aAirPropagationTime)変化によって動的に変化してもよい。SIFS時間及びスロット時間はそれぞれ、下記式1及び式2のように定義される。
PIFSとSIFSはそれぞれ、下記式3及び式4のように定義される。
EIFSは、SIFS、DIFS及びACK送信時間(ACKTxTime)から下記式5のように算出される。ACK送信時間(ACKTxTime)は、最低物理層義務的レート(mandatory rate)でプリアンブル、PLCPヘッダー及び追加の物理層依存的情報を含むACKフレーム送信に必要なマイクロ秒で表現される。
図15で例示するSIFS、PIFS及びDIFSは媒体と互いに異なるMACスロット境界(TxSIFS、TxPIFS、TxDIFS)上で測定される。このようなスロット境界は、以前のスロット時間のCCA結果の検出以降に媒体上に互いに異なるIFSタイミングを合わせるためにMAC層によって送信器がターンオン(turn−on)する時間と定義される。SIFS、PIFS及びDIFSに対する各MACスロット境界は、それぞれ、下記式6乃至式8のように定義される。
(電力管理(power management))
前述したように、無線LANシステムではSTAが送受信を行う前にチャネルセンシングを行わなければならないが、チャネルを常にセンシングすることはSTAの持続的な電力消耗を引き起こす。受信状態での電力消耗は送信状態での電力消耗と大差がないため、受信状態を持続することも、電力の制限された(すなわち、バッテリーによって動作する)STAには大きな負担となる。したがって、STAが持続的にチャネルをセンシングするために受信待機状態を維持すると、無線LAN処理率の側面で特別な利点もなく電力を非効率的に消耗することになる。このような問題点を解決するために、無線LANシステムではSTAの電力管理(power management;PM)モードを支援する。
STAの電力管理モードはアクティブ(active)モード及び電力節約(power save;PS)モードに区別される。STAは基本的にアクティブモードで動作する。アクティブモードで動作するSTAは、アウェイク状態(awake state)を維持する。アウェイク状態は、フレーム送受信やチャネルスキャニングなどの正常動作が可能な状態である。一方、PSモードで動作するSTAはスリープ状態(sleep state)とアウェイク状態(awake state)を切り替えながら動作する。スリープ状態で動作するSTAは、最小限の電力で動作し、フレーム送受信もチャネルスキャニングも行わない。
STAがスリープ状態でできるだけ長く動作するほど電力消耗が減るため、STAの動作期間が増加する。しかし、スリープ状態ではフレーム送受信が不可能なため、無条件に長く動作するわけにはいかない。スリープ状態で動作するSTAがAPに送信するフレームを有すると、アウェイク状態に切り替えてフレームを送信すればよい。一方、APがSTAに送信するフレームがある場合、スリープ状態のSTAはそれを受信できないことはもとより、受信するフレームが存在するということも把握できない。したがって、STAは自身に送信されるフレームの存在有無を確認するために(また、存在するならそれを受信するために)特定周期に従ってアウェイク状態に切り替える動作が必要なことがある。
図16は、電力管理動作を説明するための図である。
図16を参照すると、AP 210は、一定の周期でビーコンフレーム(beacon frame)をBSS内のSTAに送信する(S211、S212、S213、S214、S215、S216)。ビーコンフレームには、TIM(Traffic Indication Map)情報要素(Information Element)が含まれる。TIM情報要素は、AP 210が自身と連携されているSTAに対するバッファされたトラフィックが存在し、フレームを送信する旨を知らせる情報を含む。TIM要素には、ユニキャスト(unicast)フレームを知らせるために用いられるTIMと、マルチキャスト(multicast)又はブロードキャスト(broadcast)フレームを知らせるために用いられるDTIM(delivery traffic indication map)がある。
AP 210は、3回のビーコンフレームを送信する度に1回ずつDTIMを送信することができる。
STA1 220及びSTA2 230はPSモードで動作するSTAである。STA1 220及びSTA2 230は、所定の周期のウェイクアップインターバル(wakeup interval)ごとにスリープ状態からアウェイク状態に切り替えて、AP 210によって送信されたTIM要素を受信できるように設定されてもよい。それぞれのSTAは、自身のローカルクロック(local clock)に基づいてアウェイク状態に切り替える時点を計算することができ、図15の例示ではSTAのクロックがAPのクロックと一致すると仮定する。
例えば、所定のウェイクアップインターバルは、STA1 220がビーコンインターバルごとにアウェイク状態に切り替わってTIM要素を受信できるように設定されてもよい。そのため、STA1 220は、AP 210が最初にビーコンフレームを送信する時(S211)にアウェイク状態に切り替わり得る(S221)。STA1 220は、ビーコンフレームを受信してTIM要素を獲得することができる。獲得されたTIM要素が、STA1 220に送信されるフレームがある旨を指示すると、STA1 220は、AP 210にフレーム送信を要請するPS−Poll(Power Save−Poll)フレームをAP 210に送信することができる(S221a)。AP 210は、PS−Pollフレームに対応してフレームをSTA1 220に送信することができる(S231)。フレーム受信を完了したSTA1 220は再びスリープ状態に切り替わって動作する。
AP 210が二番目にビーコンフレームを送信するにあたり、他の装置が媒体にアクセスするなどして媒体が占有された(busy medium)状態であるから、AP 210は正確なビーコンインターバルに合わせてビーコンフレームを送信できず、遅延された時点に送信することがある(S212)。この場合、STA1 220はビーコンインターバルに合わせて動作モードをアウェイク状態に切り替えるが、遅延送信されるビーコンフレームを受信できず、再びスリープ状態に切り替わる(S222)。
AP 210が三番目にビーコンフレームを送信する時、当該ビーコンフレームはDTIMと設定されたTIM要素を含むことができる。ただし、媒体が占有された(busy medium)状態であるから、AP 210はビーコンフレームを遅延して送信する(S213)。STA1 220は、ビーコンインターバルに合わせてアウェイク状態に切り替わって動作し、AP 210によって送信されるビーコンフレームからDTIMを獲得することができる。STA1 220が獲得したDTIMは、STA1 220に送信されるフレームはなく、他のSTAのためのフレームが存在する旨を指示する場合を仮定する。この場合、STA1 220は、自身が受信するフレームがないことを確認し、再びスリープ状態に切り替わって動作することができる。AP 210はビーコンフレーム送信後にフレームを該当のSTAに送信する(S232)。
AP 210は、四番目にビーコンフレームを送信する(S214)。ただし、STA1 220は、その以前の2回にわたるTIM要素受信から、自身に対するバッファされたトラフィックが存在するという情報が獲得できなかったため、TIM要素受信のためのウェイクアップインターバルを調整してもよい。又は、AP 210によって送信されるビーコンフレームにSTA1 220のウェイクアップインターバル値を調整するためのシグナリング情報が含まれた場合、STA1 220のウェイクアップインターバル値が調整されてもよい。本例示で、STA1 220はビーコンインターバルごとにTIM要素受信のために運営状態を切り替えたが、3回のビーコンインターバルごとに1回起床するように運営状態を切り替えるように設定してもよい。したがって、STA1 220は、AP 210が四番目のビーコンフレームを送信し(S214)、五番目のビーコンフレームを送信する時点に(S215)スリープ状態を維持するため、TIM要素を獲得することができない。
AP 210が六番目にビーコンフレームを送信する時(S216)、STA1 220はアウェイク状態に切り替わって動作し、ビーコンフレームに含まれたTIM要素を獲得することができる(S224)。TIM要素は、ブロードキャストフレームが存在する旨を指示するDTIMであるから、STA1 220はPS−PollフレームをAP 210に送信することなく、AP 210によって送信されるブロードキャストフレームを受信すればよい(S234)。一方、STA2 230に設定されたウェイクアップインターバルはSTA1 220に比べて長い周期に設定されてもよい。そのため、STA2 230は、AP 210が五番目にビーコンフレームを送信する時点(S215)にアウェイク状態に切り替わってTIM要素を受信することができる(S241)。STA2 230は、TIM要素から、自身に送信されるフレームが存在することがわかり、フレーム送信を要請するためにAP 210にPS−Pollフレームを送信することができる(S241a)。AP 210はPS−Pollフレームに対応してSTA2 230にフレームを送信することができる(S233)。
図16のような電力節約モードの運営のためにTIM要素には、STAに送信されるフレームが存在するか否かを指示するTIM、又はブロードキャスト/マルチキャストフレームが存在するか否かを指示するDTIMが含まれる。DTIMはTIM要素のフィールド設定によって具現することができる。
図17乃至図19は、TIMを受信したSTAの動作を詳しく説明するための図である。
図17を参照すると、STAは、APからTIMを含むビーコンフレームを受信するためにスリープ状態からアウェイク状態に切り替わり、受信したTIM要素を解釈して、自身に送信されるバッファされたトラフィックがあることを確認できる。STAは、PS−Pollフレームの送信のための媒体アクセスのために他のSTAと競合(contending)を行った後に、APにデータフレーム送信を要請するためにPS−Pollフレームを送信することができる。STAによって送信されたPS−Pollフレームを受信したAPは、STAにフレームを送信することができる。STAはデータフレームを受信し、それに対する確認応答(ACK)フレームをAPに送信することができる。以降、STAは再びスリープ状態に切り替わればよい。
図17のように、APは、STAからPS−Pollフレームを受信した後、所定の時間(例えば、SIFS(Short Inter−Frame Space))後にデータフレームを送信する即時応答(immediate response)方式によって動作することができる。一方、APがPS−Pollフレームを受信した後に、STAに送信するデータフレームをSIFS時間の間に用意できなかった場合は、遅れた応答(deferred response)方式によって動作してもよく、それについて図18を参照して説明する。
図18の例示で、STAがスリープ状態からアウェイク状態に切り替わってAPからTIMを受信し、競合を経てPS−PollフレームをAPに送信する動作は、図16の例示と同一である。APがPS−Pollフレームを受信したが、SIFSの間にデータフレームを用意できなかった場合、データフレームを送信する代わりにACKフレームをSTAに送信してもよい。APは、ACKフレーム送信後にデータフレームが用意されると、競合を行った後、データフレームをSTAに送信することができる。STAはデータフレームを成功的に受信したことを示すACKフレームをAPに送信し、スリープ状態に切り替わればよい。
図19は、APがDTIMを送信する例示に関するものである。STAはAPからDTIM要素を含むビーコンフレームを受信するためにスリープ状態からアウェイク状態に切り替わってもよい。これらのSTAは、受信したDTIMから、マルチキャスト/ブロードキャストフレームが送信されることがわかる。APは、DTIMを含むビーコンフレームを送信後に、PS−Pollフレームの送受信動作無しで直ちにデータ(すなわち、マルチキャスト/ブロードキャストフレーム)を送信することができる。これらのSTAは、DTIMを含むビーコンフレームを受信してから引き続きアウェイク状態を維持しながらデータを受信し、データ受信が完了した後再びスリープ状態に切り替わればよい。
図17乃至図19を参照して上述したTIM(又は、DTIM)プロトコルに基づく電力節約モード運営方法において、STAは、TIM要素に含まれたSTA識別情報から、自身のために送信されるデータフレームが存在するか否かを確認することができる。STA識別情報は、STAとAPとの連携(association)時にSTAに割り当てられた識別子であるAID(Association Identifier)に関する情報であってよい。
AIDは一つのBSS内ではそれぞれのSTAに対する固有の(unique)識別子として使われる。一例として、現在無線LANシステムにおいてAIDとしては1から2007までのいずれか一つの値を割り当てることができる。現在定義されている無線LANシステムでは、AP及び/又はSTAが送信するフレームにはAIDのために14ビットを割り当てることができ、AID値は16383まで割り当てることができるが、2008〜16383は予備(reserved)値として設定されている。
図20は、TIM要素(TIM element)フォーマットを例示する図である。
図20を参照すると、TIM要素は、要素識別子(Element ID)フィールド、長さ(Length)フィールド、DTIMカウント(DTIM Count)フィールド、DTIM周期(DTIM period)フィールド、ビットマップ制御(Bitmap Control)フィールド、部分仮想ビットマップ(Partial Virtual Bitmap)フィールドを含んで構成される。長さフィールドは、情報フィールドの長さを示す。DTIMカウントフィールドは、次のDTIMが送信される前にどれだけ多くのビーコンフレームが存在するかを示す。DTIM周期フィールドは、連続したDTIM間のビーコン間隔数を示す。仮に、全てのTIMがDTIMなら、DTIM周期フィールドは1の値を有する。DTIM周期値は0に予約されており、1オクテットで構成される。ビットマップ制御フィールドは1オクテットで構成される。ビットマップ制御フィールドのビット0は、AID 0に対するトラフィック指示子(Traffic Indicator)ビットであり、一つ或いはそれ以上のグループ指定された(group addressed)MSDUs(MAC service data unit)/MMPDUs(MAC management protocol data unit)がAP或いはメッシュSTA(mesh STA)で送るデータがあるとすれば、DTIMカウントフィールドは0に設定され、ビットマップ制御フィールドのビット0は1に設定される。最初のオクテットにおいて残り7ビットはビットマップオフセットを示す。TIMを生成するAP或いはメッシュSTAによるトラフィック指示仮想ビットマップ(traffic−indication virtual bitmap)は2008ビット(=251オクテット)で構成される。ビットマップでビット番号N(0<=N<=2007)は、オクテット番号N/8とビット番号(N mod 8)で示すことができる。トラフィック指示仮想ビットマップにあるそれぞれのビットは、APが送るデータの有無を示す。仮に、個別的指定された(addressed)MSDU/MMPDU(AID=N)のためにAPが送るデータがある場合にビット番号Nは1に設定され、送るデータがない場合は0に設定される。
上述した各フィールドはTIM要素に含み得るフィールドの例示に該当し、他のフィールドに取り替わったり、追加のフィールドが更に含まれてもよい。
(自動電力節約伝達(Automatic Power Saving Delivery)を用いた電力管理)
上述したPS−Pollに基づく電力節約方法の他にも、IEEE 802.11eシステムでは自動電力節約伝達(APSD:Automatic Power Saving Delivery)方法を提供する。APSDは、大きく、スケジュールされたAPSD(s−APSD:scheduled−APSD)方法と、スケジュールされていないAPSD(u−APSD:unscheduled−APSD)方法とに分類される。特に、u−APSDは、APSDを支援するAP(QoS AP)が活性(awake)状態と睡眠(doze)状態を行き来する節電モードで動作すると同時に、APSDを支援するSTA(QoS STA)に下りリンクフレームを伝達するメカニズムを意味する。
APSDを支援できるQoS(Quality of Service)APは、ビーコン、プローブ応答、(再)連携応答管理フレーム内の能力情報フィールド(Capability Information field)のAPSDサブフィールドの使用を通じてこのような能力をSTAにシグナルすることができる。
STAは、スケジューリングされていないサービス期間(unscheduled−service period、以下、「u−SP」という。)の間にAPから伝達されるこれらSTAのバッファー可能なユニット(BU:bufferable unit)の一部或いは全体を受信するためにU−APSDを用いることができる。u−SPが進行中でない場合、STAがトリガー可能(trigger−enalbled)に設定されたアクセスカテゴリー(AC)に属するQoSデータ又はQoSヌル(QoS Null)フレームをAPに送信することによってu−SPが開始され、このとき、送信される上りリンクフレームをトリガーフレーム(trigger frame)という。集合したMPDU(A−MPDU:Aggregate MPDU)は、一つ又はそれ以上のトリガーフレームを含む。スケジューリングされていないSPは、APが伝達可能なACと当該STAに予定された少なくとも一つのBUの送信を試みた後に終了する。ただし、当該STAの(再)連携要請フレームのQoS能力要素(QoS Capability element)の最大サービス期間長フィールド(Max SP Length field)が0以外の値を有すると、当該フィールド内で示された値以内に制限する。
u−SPの間にAPからBUを受信するためにSTAは当該STAの伝達可能(delivery−enabled)及びトリガー可能(trigger−enabled)ACの一つ又はそれ以上を指定する。IEEE 802.11eシステムでは、QoSを提供するために互いに異なる8個の優先順位とこれに基づいて4個のACを定義する。STAは2つの方法を用いてAPがU−APSDを用いるように設定することができる。まず、STAは、(再)連携要請フレームで伝達されるQoS能力要素(QoS Capability element)のQoS情報サブフィールド(QoS Info subfield)内で個別のU−APSDフラグビットを設定することができる。U−APSDフラグビットが1であれば、当該ACが伝達可能であると共にトリガー可能であるということを示す。(再)連携要請フレーム内の全ての4個のU−APSDフラグサブフィールドが1と同一であるとき、STAに関連した全てのACは(再)連携の間に伝達可能であるとともにトリガー可能である。(再)連携要請フレーム内の全ての4個のU−APSDフラグサブフィールドが0と同一であるとき、STAに関連したACにおいて、(再)連携の間に伝達可能であるとともにトリガー可能なACは存在しない。又は、STAはAPに、AC別に1に設定されたAPSDサブフィールドを持つADDTS(add traffic stream)要請フレーム(ADDTS Request frame)とTSPEC(traffic specification)要素(TSPEC element)内トラフィックストリーム(TS:traffic stream)情報フィールド(TS Infofield)内で0に設定されたスケジュールサブフィールド(Schedule subfield)を送信して、トリガー可能であるとともに伝達可能な一つ又はそれ以上のACを指定することができる。TSPEC要請(TSPEC request)内APSD設定は、QoS能力要素(QoS Capability element)内で伝達される静的な(static)U−APSD設定に優先することができる。言い換えると、TSPEC要請は、ある以前のACのU−APSD設定にオーバーライト(overwrite)することができる。当該要請は、ACMサブフィールドが0であるACのために送信することができる。
STAは、上りリンク又は下りリンク送信方向でそれぞれ1に設定されたAPSDサブフィールドと0に設定されたスケジュールサブフィールドを持つTSPECを設定することによって、トリガー可能又は伝達可能なようにACを設定することができる。1に設定されたAPSDサブフィールドと0に設定されたスケジュールサブフィールドを持つ上りリンクTSPEC、下りリンクTSPEC又は両方向(bidirectional)TSPECは、ACがトリガー可能であるとともに伝達可能なように設定することができる。APSDサブフィールドとスケジュールサブフィールドが両方とも0に設定された上りリンクTSPEC、下りリンクTSPEC又は両方向(bidirectional)TSPECは、ACがトリガー不可能であるとともに伝達不可能なように設定することができる。
スケジューリングされたサービス期間(scheduled−service period、以下、「s−SP」という。)は、サービス間隔フィールド(Service Interval field)で特定した、固定した時間間隔をもって開始する。アクセス政策がチャネルアクセスを制御すると、TSに対するs−SPを用いるために、STAはTSPEC要素(TSPEC element)内TS情報フィールド(TS Infofield)の1に設定されたAPSDサブフィールドを有するADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)をAPに送信することができる。一方、アクセス政策が競合ベースの(contention−based)チャネルアクセスを支援すると、TSに対するs−SPを用いるために、STAは、TSPEC要素(TSPEC element)内TS情報フィールド(TS Infofield)で1に設定されたAPSDサブフィールド及びスケジュールサブフィールドを有するADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)をAPに送信することができる。APSDメカニズムがAPによって支援され、APがSTAからの当該ADDTS要請フレーム(ADDTS Requestframe)を受諾すると、APは、要請されたサービスがAPによって提供され得ることを示すスケジュール要素(Schedule element)を含むADDTS応答フレーム(ADDTS Response frame)で応答することができる。タイミング同期機能(TSF:timing synchronization function)タイマーの最下位(lower order)4オクテット(octet)が、サービス開始タイプフィールド(Service Start Time field)で特定した値と同一であるとき、最初s−SPが始まる。s−SPを用いるSTAは、AP又はハイブリッドコーディネイター(HC:hybrid coordinator)から自身に個別に指定された(addressded)バッファーされた及び/又はポール(poll)されたBUを受信するために、最初にウェイクアップ(wakeup)することができる。STAは、以降、サービス間隔(SI:service interval)と同じ一定時間間隔でウェイクアップすることができる。APは、成功的なADDTS応答フレーム(ADDTS Response frame)(ADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)に対する応答である)とスケジュールフレーム(他の時点に送信される)内スケジュール要素(Schedule element)を通じてサービス開始時間を調整することができる。
s−SPは、TSPECに対する応答として送信されたスケジュール要素(Schedule element)内に示されたサービス開始時間及びSIに対応するスケジュールされたウェイクアップ時間で開始される。STAは、以降、下記式9による時点でウェイクアップする。
BSS内でs−SP周期が支援されると、STAは、同一時間に互いに異なるACに対してU−APSD、S−APSD両方を用いることができる。STAがACのためのスケジューリングされた伝達が設定されるとき、APは、トリガーフレームによって開始されたSPの間に当該ACを用いるBUを送信せず、トリガーフレームでSTAから受信したACを用いるBUを処理しない。APは、同一の時間に同一のACに対して用いるためのS−APSDとU−APSDを全て用いるように指示するあるADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)を拒否しない。APSDは、個別に指定された(addressed)BUの伝達のみのために用いることができる。グループで指定された(addressed)BU伝達は、グループ指定BUのためのフレーム伝達規則に従うことができる。
U−APSDを用いる非−APSTAは、当該非−APSTAから観察される干渉によって、サービス期間の間にAPから送信される全てのフレームを受信できないことがある。この場合、APが同一の干渉が観察されなくても、フレームが非−APSTAによって正確に受信されないことを判断することができる。U−APSD共存(coexistence)能力は、非−AP STAがu−SPの間に使用のために要請された送信持続期間(transmission duration)をAPに指示できるようにする。送信持続期間を用いることによって、APはSPの間にフレームを送信でき、非−AP STAは干渉を受ける状況でもフレーム受信可能性を向上させることができる。U−APSD共存能力は、APがサービス期間の間にフレームが成功的に受信されない可能性を低減させる。
図21は、U−APSD共存要素フォーマットを例示する。
図21を参照すると、要素ID(Element ID)フィールドは、U−APSD共存値と同一である。長さ(Length)フィールドの値は12に存在する追加サブ要素(subelements)の長さが付加される。TSF 0オフセット(TSF 0 Offset)フィールドにおいて0以外の値は、非−AP STAが干渉が始まったことを知った時の時間(TSF時間0)以後マイクロ初(micro second)の数を意味する。APは、非−AP STAへの送信のために間隔/持続時間(interval/Duration)フィールドと共にTSF 0オフセットフィールドを用いる。
「dot11MgmtOptionUAPSDCoexistenceActivated」が「true」値を有するSTAは、U−APSD共存を支援するSTAとして定義される。ここで、「dot11MgmtOptionUAPSDCoexistenceActivated」が「true」値を有するSTAは、拡張能力要素(Extended Capabilities element)のU−APSD共存フィールド(APSD Coexistence field)を1に設定し、そうでない場合は0に設定する。APと連携された非−AP STAは(U−APSD共存能力を支援することを以前に両者とも公知した場合)、U−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)を含むADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)を当該APに送信することができる。
U−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)を含まないADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)の内容を以下では基本ADDTS要請(Base ADDTS Request)と呼ぶ。成功的にADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)を受信すると、APは、基本ADDTS要請フレーム(Base ADDTS Request frame)の内容を処理する。APが基本ADDTS要請(Base ADDTS Request)が承認されないと決定すると、U−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)を処理しない。一方、APが基本ADDTS要請(Base ADDTS Request)が承認されると決定すると、U−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)を処理する。APがU−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)の間隔/持続時間(Interval/Duration)フィールド内特定した持続期間値のためのU−APSDサービス期間の間にフレーム送信を支援すると、APはADDTS要請を承認することができる。そうでない場合、APはADDTS要請を拒否することができる。
APが以前にU−APSD共存を有するADDTS要請を承認した場合、U−APSD共存を含まないADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)によって提供されたQoSサービスを続けて用いる非−AP STAは、U−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)を含まないADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)を送信することによってU−APSD共存の使用を終了することができる。非−AP STAがU−APSD共存を含むADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)による全てのQoSサービスの使用を終了することを所望する場合、非−AP STAはAPにDELTS(delete traffic stream)要請フレーム(DELTS Request frame)を送信することができる。
最後の成功的に受信したADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)によって以前のADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)が無効となる場合、非−AP STAは多重のADDTS要請フレーム(ADDTS Request frame)をAPに送信することができる。U−APSD共存を支援し、ADDTS要請を受諾するAPは、ADDTSフレームのU−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)で特定したパラメータによってU−APSD共存サービス期間を制限することができる。また、APは次のような規則に従って非−AP STAに要請するためにフレームを送信する。
まず、非−AP STAがU−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)でTSF 0オフセット(TSF 0Offset)値を0以外の値に特定すれば、APはU−APSD共存サービス期間外で非−AP STAにフレームを送信しない。U−APSD共存サービス時間は、APがU−APSDトリガーフレーム(U−APSD trigger frame)を受信する時に開始され、下記式10によって特定した送信期間以降に終了する。
式10で、Tは、U−APSDトリガーフレーム(U−APSD trigger frame)がAPに受信された時間を示す。また、間隔(Interval)は、U−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)の持続期間/間隔(Duration/Interval)フィールド値と、1に設定されたサービス期間終了(EOSP:end of service period)ビットを有する送信に成功した時点のうち、早く渡来する値を示す。
一方、非−AP STAがU−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)でTSF 0オフセット(TSF 0 Offset)値を0に特定すると、APはU−APSD共存サービス期間外で非−AP STAにフレームを送信しない。U−APSD共存サービス時間は、APがU−APSDトリガーフレーム(U−APSD trigger frame)を受信する時に開始され、下記式11によって特定した送信期間以降に終了する。
式11で、Tは、U−APSDトリガーフレーム(U−APSD trigger frame)がAPに受信された時間を示す。また、持続期間は、U−APSD共存要素(U−APSD Coexistence element)の持続期間/間隔(Duration/Interval)フィールド値と、1に設定されたEOSPビットを有する送信に成功した時点のうち、早く渡来する値を示す。
U−APSD共存サービス時間の間にAPは、当該APが送信するフレームを更に有し、サービス期間が満了する前に当該フレームが成功的に送信されると判断する場合、追加(More)ビットを1に設定することができる。
APは、U−APSD共存サービス期間の間に非−AP STAに送信される最後のフレームだと予想する場合、当該フレーム内でEOSPビットを1に設定することができる。U−APSD共存サービス期間の終了前に最後のフレームが成功的に非−AP STAに送信されない場合、APは、EOSPビットを1に設定したQoSヌルフレーム(QoS null frame)を送信する。非−AP STAは、U−APSD共存サービス期間の終了時点でドーズ状態(Doze State)に進入することができる。
(PS−Pollにおける隠れたノード問題)
図22は、PS−PollメカニズムとU−APSDメカニズムによるSTAの動作を説明するための図である。
図22(a)はPS−Pollメカニズムを例示し、図22(b)はU−APSDメカニズムを例示する。
図22(a)を参照すると、STAは、APが該STAに送ろうとするバッファーされたトラフィックの存在有無をビーコンのTIM要素から把握できる。自身に送信されるトラフィックが存在すると、STAは、PS−Pollメカニズムによって他のSTAと競合(contending)を行った後に、PS−Pollフレームを送信してAPにデータフレーム送信を要請する。APが、PS−Pollフレームを受信した後に、STAに送信するデータフレームをSIFS時間の間に用意できなかった場合、データフレームを送信する代わりにACKフレームをSTAに送信することができる。以降、APはACKフレーム送信後にデータフレームが用意されると、他のSTAと競合(contending)を行った後に、STAとRTS/CTSフレームを交換し、STAにデータフレームを送信する。ここで、RTS/CTSフレームを交換する段階は省略してもよい。STAはデータフレームを成功的に受信した場合、ACKフレームをAPに送信し、スリープ状態に切り替わる。ただし、このようなPS−Pollメカニズムによってデータ送信を行う場合に、STAに1回に1個のPSDUしか送信できず、APがSTAに送信するデータの量が多い場合には送信が非効率となるという短所がある。
その解決方案として、STAは、上述したU−APSDメカニズムを用いて自身のサービス期間(SP)を用いてAPから1回に複数個のPSDUを受信することができる。
図22(b)を参照すると、まず、STAは、ビーコンのTIM要素から、APが該STAに送ろうとするデータがあることを認知する。以降、当該データを受信したいとき、他のSTAと競合(contending)を行った後に、トリガーフレーム(trigger frame)をAPに送信して自身のサービス期間(SP)が開始されたことを知らせ、APにデータを送信することを要請する。APは、トリガーフレームに対する応答としてACKフレームをSTAに送信する。以降、APは、他のSTAと競合(contending)を行った後に、STAとRTS/CTSフレームを交換し、STAにデータを送信する。この時、データは複数のデータフレームで構成されてもよい。ここで、RTS/CTSフレームを交換する段階は省略してもよい。APが最後のデータフレームを送信する時、該データフレームのEOSPフィールドを1に設定して送信すると、STAはこれを認知し、ACKフレームをAPに送信し、SPを終了してスリープ状態に切り替わり得る。このようにU−APSDメカニズムを用いると、STAは、自身が所望する時に自身のSPを開始してデータを受信することができ、一つのSP内で複数のデータフレームを受信できるため、より効率的なデータの受信が可能になる。
ただし、上述の例において、隠れたノード問題を予防するためにデータ送信時に要求されるRTS/CTSフレーム交換は、データ送信に多量のオーバーヘッドを与えることとなる。また、STAがトリガーフレームを送信してAPにデータの送信を要請した後、APがSTAに送るデータを用意し、更にAPがデータの送信のために競合を行うまで短くない時間がかかるため、STAは余計なエネルギーを消耗することとなる。
一方、隠れたノード環境では、他の端末が送信するPS−Pollフレームをオーバーヒヤリング(overhearing)できない端末があり、PS−Pollフレームが同時に送信されて衝突する可能性が高い。このような問題を解決するために、PSモード端末が隠れたノード環境でAPからデータを受信できるようにするためにNDP(Null Data Packet)PS−Pollフレームと、NDP PS−Pollフレームに基づく拡張されたスロット時間(Extended slottime)を用いることができる。
図23は、隠れたノード環境でPS−Pollフレームが衝突する場合を例示する図である。
図23では、STA1、STA2のためのデータフレームをAPが有しており、このような事実をビーコンフレームのTIM要素を用いてSTA1、STA2に知らせたと仮定する。そして、STA1とSTA2は互いに隠れたノードに該当すると仮定する。
STA1とSTA2はそれぞれ競合を経てチャネルアクセスを試みるようになり、図23のように、STA1のバックオフカウント値が4で、STA2のバックオフカウント値が6であれば、STA1が先にPS−PollフレームをAPに送信するようになる。STA1のPS−PollフレームがAPに成功的に伝達されると、APはSTA1のためのバッファーされたデータフレーム或いはACKフレームをSTA1に送信する。ただし、STA2はSTA1の隠れたノードであるから、STA1の送信するPS−Pollフレームをモニタリングできず、STA1のPS−Pollフレームが送信される時間にもチャネルが遊休(idle)だと判断して自身のバックオフスロットのカウントダウンを行うことがある。結局、STA2のバックオフスロットのカウントダウン値が満了すると、STA2もPS−PollフレームをAPに送信することがある。すなわち、STA1が先にチャネルアクセスに成功してPS−Pollフレームを送信したが、隠れたノード問題によって、STA2もPS−Pollフレームを送信し、結局はPS−Pollフレームが衝突する結果につながることがある。
このような問題を解決するために、競合過程で用いられるバックオフタイマーのスロット時間をPS−Pollフレーム送信時間よりも大きくする必要がある。ここで、スロット時間は、競合過程でバックオフタイマーを減少させるために必要なチャネル遊休時間単位に該当する。したがって、スロット時間をPS−Pollフレーム送信時間よりも大きくすると、APがPS−Pollフレームを成功的に受信してそれに対する応答フレームを送信することができる。隠れたノードに該当するSTAも、APが応答した応答フレームを受信できるため、チャネルが使用中である事実を認知し、バックオフタイマーを減少させることがない。これは、隠れたノード環境に位置しているSTAがPS−Pollフレームをオーバーヒヤリング(overhearing)できない問題点を考慮したもので、スロット時間、すなわち、チャネルセンシング時間をPS−Pollフレーム送信時間よりも大きくすることによって、隠れたノードの問題点を解決することができる。
図24は、隠れたノード環境でPS−Poll競合メカニズムを例示する図である。
図24では、STA1、STA2のためのデータフレームをAPが有しており、このような事実をビーコンフレームのTIM要素を用いてSTA1、STA2に知らせると仮定する。そして、STA1とSTA2は互いに隠れたノードに該当すると仮定する。
STA1とSTA2はそれぞれ競合を経てチャネルアクセスを試み、図23のように、STA1のバックオフカウント値が4で、STA2のバックオフカウント値が6であれば、STA1が先にPS−PollフレームをAPに送信する。STA1のバックオフカウント値が1で、STA2のバックオフカウント値が2であれば、STA1が先にPS−PollフレームをAPに送信するようになる。STA1のPS−PollフレームがAPに成功的に伝達されると、APはSTA1のためのバッファーされたデータフレーム或いはACKフレームをSTA1に送信する。ただし、STA2はSTA1の隠れたノードであるから、STA1の送信するPS−Pollフレームをモニタリングできず、STA1のPS−Pollフレームが送信される時間にチャネルが遊休(idle)だと判断するが、PS−Pollフレーム以降に送信されるバッファーされたデータフレーム或いはACKフレームに対してはチャネルが占有(busy)されたと判断する。したがって、STA1がチャネルを占有した時間にSTA2は自身のバックオフスロットのカウントダウンを行わず、結果としてPS−Pollフレームが衝突する状況を避けることができる。
このようなPS−Poll競合メカニズムのためにスロット時間を下記式12のように設定することができる。
PS−Poll送信時間(PS−Poll Transmission Time)は、PS−Pollフレームの送信時間を意味する。応答フレームCCA時間(CCA Time of Response frame)は、APがPS−Pollフレームに対する応答フレーム(データフレーム或いはACKフレーム)を送信する時、それに対してSTAのCCA検出時間を意味する。
このようなPS−Poll競合メカニズムに従えば、隠れたノード環境で、PS−Poll衝突問題を解決することができる。ただし、スロット時間(Slot Time)が増加し、競合過程で消耗される時間が増加するという問題がある。このような問題点を緩和するために、図25のように、NDP PS−Pollフレームを用いる方法を取ることができる。すなわち、既存のPS−PollフレームがPSDUで送信されるMAC制御フレーム(MAC Control frame)だったのと違い、PSDUを持たない形態のNDP(Null Data Packet)のみで構成される。
図25は、NDP PS−Pollフレームを例示する図である。
図25を参照すると、NDP PS−Pollフレームは、STF、LTF、SIGフィールドのみで構成される。STF、LTFフィールドは、SIGフィールドをデコードするために必要なチャネル測定シーケンス(channele stimation sequence)で構成される。SIGフィールドは、大きく4つのサブフィールド(sub−field)で構成されてもよい。図25で例示するフィールドはNDP PS−PollフォーマットのSIGフィールドに含まれるサブフィールドの例示に過ぎず、他のサブフィールドに取り替わったり、他のサブフィールドが追加されてもよく、また、各サブフィールドのサイズも他の値を有してもよい。
タイプサブフィールド(Type sub−field)は、NPDフレームのSIGの解釈のためのもので、当該NDPフレームがPS−Pollフレームのために設計(design)されたということを知らせる。AIDサブフィールド(AID sub−filed)は、NDP PS−Pollフレームを送信するSTAのAIDに該当する。NDP PS−Pollフレームを受信したAPにどのSTAがPS−Pollフレームを送信したかを知らせるためのものである。部分BSSIDサブフィールド(Partial BSSID sub−field)は、NDP PS−Pollフレームを送信するSTAが属したAPのBSSIDの一部に該当する。また、これと違い、当該APを識別するための用途のいずれかのID値が用いられてもよい。これは、APに特定IDを定義したり、BSSIDをハッシュ(hashing)して用いることも可能である。SIGフィールドに対するエラー検出(error detection)のためにCRCサブフィールド(CRC sub−field)が含まれる。
APがNDP PS−Pollフレームを受信した場合、まず、APは部分BSSIDサブフィールドから、自身がPS−Pollフレームに対して応答しなければならないAPであるか否かを決定する。NDP PS−Pollフレームに対する応答としてACKフレームを当該STAに送信したり、当該STAに向かうバッファーされたフレームを送信することができる。
ここで、ACKフレームを送信する場合、当該STAに向かうバッファーされたフレームが現在APにないか、又は、SIFS後に当該STAにバッファーされたフレームを直ちに送信することが難しい場合に該当する。当該STAに向かうバッファーされたフレームがAPにない場合、ACKフレームのフレーム制御(Frame Control)フィールド内追加データビットサブフィールド(More Data Bit sub−field)を0に設定する。そうでない場合、ACKフレームのフレーム制御(Frame Control)フィールド内追加データビットサブフィールド(More Data Bit sub−field)を1に設定する。
上述した通り、NDP PS−Pollフレーム及び新しい拡張されたスロット時間(New extended slot time)(式12参照)を用いて、既存の隠れたノードによるPS−Poll衝突を解決することはできるが、既存の競合ベースのPS−Poll方式を用いているため、PS−Pollを行う端末はビーコンを受信後、自身のPS−Pollが正しく送信されるまで、CCAを行い続けて他の端末のチャネル使用を把握しなければならない。これは、端末がPS−Pollを行う時に余計な電力消耗を招き、特に、最後にPS−Pollを行う端末の電力消耗は他の端末に比べて大きくなるはずである。
図26は、拡張されたスロット時間を用いたSTAのチャネルアクセス動作の一例を示す図である。
図26では、STA1、STA2、STA3のためのデータフレームをAPが有しており、このような事実をビーコンフレームのTIM要素を用いてSTA1、STA2、STA3に知らせたと仮定する。
図26を参照すると、STA1、STA2、STA3はそれぞれ競合を経てチャネルアクセスを試みるようになり、新しい拡張されたスロット時間を用いて任意バックオフを行う。図26では、PS−Pollを送信するSTAがいずれも異なるバックオフカウント値(例えば、STA1=1、STA2=2、STA3=3)を選択した場合を例示している。
以下、STAはPS−Pollフレーム送信前にAIFS(Arbitration InterFrame Space)の間に媒体の占有状態をセンシングすると仮定する。
STA1は、AIFSの間に媒体が遊休状態であることを確認し、バックオフスロット(一つのスロット)をカウントダウンした後、PS−PollフレームをAPに送信する。この時、STA2及びSTA3は、媒体が占有状態であることをモニタリングし待機する。APは、STA1からPS−Pollフレームを受信した後、SIFS後に直ちにデータフレームを送信し、STA1がこれに対するACKフレームを送信する。このように、STA1が媒体を占有する間にSTA2及びSTA3はバックオフスロットのカウントダウンを止めて待機する。
STA1の媒体占有が終了すると、STA2及びSTA3は、AIFSの間に媒体が遊休状態であることを確認し、残余バックオフスロットのカウントダウンを行う。STA2がSTA3よりもバックオフカウント値が小さいので、STA2は残余バックオフスロット(一つのスロット)をカウントダウンした後、PS−PollフレームをAPに送信する。この時、STA3は、媒体が占有状態であることをモニタリングし待機する。APは、STA2からPS−Pollフレームを受信した後、SIFS後に直ちにデータフレームを送信できない場合、SIFS後にACKフレームを送信する。このように、STA2が媒体を占有する間にSTA3はバックオフスロットのカウントダウンを止めて待機する。
STA2の媒体占有が終了すると、STA3は、AIFSの間に媒体が遊休状態であることを確認し、残余バックオフスロット(一つのスロット)のカウントダウンを行った後、PS−PollフレームをAPに送信する。APはSTA3からPS−Pollフレームを受信した後、SIFS後に直ちにデータフレームを送信できない場合にACKフレームを送信する。
一方、APは、STAと競合を行って(AIFSの間に媒体の遊休状態確認及び任意バックオフを行って)、データをSTA2に送信し、STA2はそれに対するACKフレームを送信する。
上述した例でSTA1、STA2、STA3がそれぞれ異なったバックオフカウント値を選択したため衝突は発生しなかったが、STA1以外のSTAは、他のSTAのチャネル接近期間の間にPS−Pollを遅延させ、自身に向かうデータを受信するまでアウェイク状態を維持し続けているため、その分、余計な電力消費が発生する。例えば、STA2の場合、PS−Pollを送信し、自身に向かうデータを受信するために、STA1が媒体を占有する期間とSTA3が媒体を占有する期間の間に余計にアウェイク状態を維持することがわかる。また、これはスロット時間をPS−Poll送信時間よりも大きく拡張した場合であるため、余計な電力消費が既存に比べてより増加することがある。
図27は、拡張されたスロット時間を用いたSTAのチャネルアクセス動作の他の例を示す図である。
図27では、STA1、STA2、STA3のためのデータフレームをAPが有しており、このような事実をビーコンフレームのTIM要素からSTA1、STA2、STA3に知らせたと仮定する。
図27を参照すると、STA1、STA2、STA3はそれぞれ競合を経てチャネルアクセスを試みるようになり、新しい拡張されたスロット時間を用いて任意バックオフを行う。図27では、STA2とSTA3が同一のバックオフカウント値(例えば、STA1=1、STA2=2、STA3=2)を選択した場合を例示している。
図26と同様に、STA1の媒体占有が終了すると、STA2及びSTA3はAIFSの間に媒体が遊休状態であることを確認し、残余バックオフスロットのカウントダウンを行う。ただし、STA2とSTA3のバックオフカウント値が同一であるため、衝突が発生する。このように衝突が発生すると、STA2、STA3両方ともAPからACKフレーム或いはデータフレームを受信できず、データ送信に失敗することになる。この場合、STA2とSTA3は指数バックオフ(exponential backoff)を行う。すなわち、CW値を2倍に増やした後、バックオフカウント値を再選択する。図27では、バックオフカウント値としてSTA2が5、STA3が7を選択した場合を例示し、STA2がSTA3よりもバックオフカウント値が小さいので、バックオフスロット(5個のスロット)のカウントダウンを行った後、PS−PollをAPに送信する。
このように、2つのSTAのバックオフカウント値が一致して衝突が発生すると、両STAの電力消費が増加するだけでなく、送信遅延が増加することになる。また、これはスロット時間をPS−Poll送信時間よりも大きく拡張した場合であるため、余計な電力消費が既存に比べて増加することがある。
(改善されたチャネルアクセス方案)
上述した問題を解決するために、本発明では、STAがTIMを含むビーコンを受信して自身に伝達されるデータがあることを認知した後、PS−Pollを行う時に生じうる余計な電力消耗を低減させるための方法を提案する。そのために、すなわち、改善されたチャネルアクセス方案では、特定STA別に設定されたチャネルアクセス区間でチャネルアクセス動作を行うことができる。以下の本発明の説明では、チャネルアクセスのためにPS−Poll動作(改善されたスケジュールされたPS−ポーリング(scheduled PS−Polling)方案)を仮定して説明するが、これに限定されるものではなく、新しいチャネルアクセスのためのフレームが適用されてもよい。
本発明では、STAの任意バックオフを行うとき、上述した新しい拡張されたスロット時間(extended slot time)を用いることができるが、これに限定されず、既存のスロット時間を用いてもよい。拡張されたスロット時間を用いる場合は、上記の式12のように決定することができる。また、PS−Pollは、上述したSTF+LTF+SIGフィールドを有するNDP PS−Pollフレームを用いることができるが、これに限定されず、既存のMAC制御フレーム(MAC Control frame)を用いてもよい。
また、ACKフレームとしては、既存のACKフレームを用いてもよいが、上述したNDP PS−Pollフレームと同様に、STF+LTF+SIGフィールドのみを有するNDP ACKフレーム形態を用いてもよい。この場合、NDP PS−PollフレームとNDP ACKフレームのサイズは同一であってもよい。
以下、STAは、PS−Pollフレーム送信前に、SIFS、PIFS、PIFS+追加時間、又はEDCA時間(AIFS+任意バックオフ)のうちいずれか一つの時間において媒体の占有状態をセンシングすることができる。すなわち、STAは、SIFS、PIFS、PIFS+追加時間、EDCA時間の中で一つを選択してチャネルをセンシングした後、チャネルが遊休(idle)であればPS−Pollを送信する。ここで、EDCA時間は、既存STAがEDCAベースでチャネルをアクセスする時に用いたチャネルセンシング時間のことを指す。以下、説明の便宜のために、STAがPIFSを用いるとして説明する。
図28は、本発明の一実施例に係るSTA別に設定されたPS−Poll区間(interval)を例示する図である。
図28では、STA1、STA2、STA3のためのデータフレームをAPが有しており、このような事実をビーコンフレームのTIM要素を用いてSTA1、STA2、STA3に知らせたと仮定する。
図28を参照すると、各STAのPS−Poll区間(interval)は、ビーコンに含まれたTIM情報要素に基づいて各STA別に指定されており、PS−Pollを行うSTA間にPS−Poll区間の位置が互いに異なるように設定される。すなわち、APは、STAに送信するデータフレームを保存している場合、それらSTA(STA1、STA2、STA3)に対してそれぞれのPS−Poll区間を設定することができる。更に、APは、TIM要素によって指示していない他のSTA(STA1、STA2、STA3以外のSTA)が総PS−Poll区間内でチャネルアクセスを試みることを防止するために、ビーコンのMACヘッダー内の持続時間(duration)フィールドの値は、当該ビーコンの長さに総PS−Poll区間を追加して設定することができる。STAはSIGフィールド内の長さ(Length)フィールド及びMCSフィールドからビーコンの長さを確認できるため、持続時間(duration)フィールドを通じてTIM要素によって指示されたSTA(STA1、STA2、STA3)に指定された総PS−Poll区間を確認でき、TIM要素によって指示されていないSTA(STA1、STA2、STA3以外のSTA)は、当該総PS−Poll区間ではチャネルアクセスを試みなくなる。
APはビーコンフレームの情報要素(例えば、TIM情報要素又はポーリング(Polling)割当情報要素)を通じて明示的に(explicitly)STAにPS−Poll区間の位置情報を知らせることができる。すなわち、APはビーコンフレーム内の情報要素を通じてTIM要素によって指示された各STA別にPS−Poll区間の位置情報を更に知らせることができる。例えば、APは、各STAにPS−Poll区間の開始時点に関するオフセット情報と当該STAのPS−Poll区間の長さ情報を知らせることができる。このとき、STAのPS−Poll区間の長さ情報はSTA別に異ならせることができる。仮に、STAがいずれも同一のPS−Poll区間長を用いると、ビーコンフレーム内の情報要素で一つのPS−Poll区間長情報のみが含まれ、それらSTAは該当PS−Poll区間長を用いて自身のPS−Poll区間情報を取得する。万一、各STAのPS−Poll区間の長さが固定しているか、或いはSTAが暗黙的に知る場合(例えば、システムでPS−Poll区間長を定めておいた場合、PIFS+PS−Poll frame transmission time+SIFS+CCA Time of Response frame(例えば、ACK frame transmission time)+2*Air Propagation Delay)、APは総PS−Poll区間の開始時点に関する情報とTIM要素を通じてTIMによって指示された各STAのPS−Pollの順序情報をSTAに知らせることができる。この場合、各STAは、PS−Poll順序情報を用いて、総PS−Poll区間の開始時点から自身のPS−Poll区間が何番目かを確認することによって自身のPS−Poll区間の位置を把握できる。万一、各STAのPS−Poll区間の長さが固定しているか或いはSTAが暗黙的に把握でき、また、総PS−Poll区間の開始時点が固定している場合(例えば、ビーコン受信後に指定された時点で総PS−Poll区間が直ちに開始される場合)、APは、TIM要素を通じてTIMによって指示された各STAのPS−Pollの順序情報のみを知らせてもよい。
又は、STAがTIM要素を通じて暗黙的に(implicitly)自身のPS−Poll区間の位置情報を知ることもできる。例えば、TIM要素の部分仮想ビットマップ(Partial Virtual Bitmap)フィールドでSTA1、STA2、STA3が順次に指示され、PS−Poll順序がビットマップの昇順の順序を有するとすれば、各STA1、STA2、STA3の順に自身のPS−Poll区間を有することができる。このように、各STAのPS−Poll順序は、上述したように、ビットマップの順序によって昇順或いは降順の順序を有するようにシステムであらかじめ定められていてもよく、あらかじめ定められた特定順列(permutation)に基づいてビットマップ順序を用いてSTAが計算されてもよい。
このように、STAは自身のPS−Poll区間の位置及び他のSTAのPS−Poll区間の位置を、TIMに含まれた情報に基づいて確認することができる。自身のPS−Poll区間の位置を確認したSTAは、PS−Poll動作を行うことができる。また、STAは、自身のPS−Poll区間の開始時点でPIFSの間に媒体の占有(busy)有無を確認し、媒体が遊休(idle)状態であれば、APにPS−Pollを送信することができる。仮に、PS−Poll区間の開始時点でPIFSの間にチャネルが占有(busy)されていると、STAは自身のPS−Poll区間内でPS−Pollフレーム送信をずらすことができる。以後、PIFSの間に媒体が遊休状態であることを確認すると、STAは、ずらしたPS−PollフレームをAPに送信することができる。このとき、残りのSTAは自身のPS−Poll区間でないため、スリープ状態(sleep state)で動作することができる。
APは、STAのPS−Poll区間で当該STAからPS−Pollフレームを受信すると、SIFS以降にACKフレームをSTAに送信する。仮に、PS−Poll区間内で当該STAからPS−Pollフレームを正確に受信していない場合、NACKを含むフレーム或いはACKフレームを当該STAに送信することができる。ここで、NACK或いはACKフレームはNDPフレームで構成されてもよい。
以下、説明の便宜のために、STAがTIM要素から暗黙的に自身のPS−Poll区間の位置を確認できると仮定する。
仮に、該当ビーコン周期内で最初のPS−Poll区間がビーコン受信の直後に始まる場合、一つのSTAのPS−Poll区間を下記式13のように定めることができる。
これと違い、該当ビーコン周期内で最初のPS−Poll区間がビーコンを受信してSIFS又はPIFS以降に始まる場合、一つのSTAのPS−Poll区間は、下記式14のように定めることができる。
NDP PS−PollフレームとNDP ACKフレームが用いられるとすれば、一つのSTAのPS−Poll区間は下記式15のように定めることができる。
総PS−Poll区間は下記式16のように定めることができる。
式16で、NはTIMビットマップで1に設定された、すなわち、PS−Pollを行うSTAの総数を意味する。
以下、本明細書では、説明の便宜のために、一つのSTAのPS−Poll区間は上の式13のように定められると仮定する。
以降、自身のPS−Poll区間内でPS−Pollを行ったSTAは、総PS−Poll区間以降にAPからデータを受信するためにアウェイク状態に切り替わる。
図29は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図29では、STA1、STA2、STA3のためのデータフレームをAPが有しており、このような事実をビーコンフレームのTIM要素を通じてSTA1、STA2、STA3に知らせたと仮定する。
図29を参照すると、ビーコンのTIMで3個のSTA(STA1、STA2、STA3)が順次に指示されると、各STAは、STA1、STA2、STA3の順にPS−Poll区間が設定され、各STAは自身のPS−Poll区間の位置を、TIMに含まれた情報から確認できる。
まず、STA1のPS−Poll区間は、ビーコン受信後に始まり、最初のSTAであるSTA1は、ビーコン受信後、PIFSの間に媒体の遊休状態であることを確認すると、PS−PollフレームをAPに送信する。各STAは自身のPS−Poll区間を確認できるため、最初のPS−Pollを行うSTA以外の残りSTAはビーコン受信後、スリープ状態に切り替わって自身のPS−Poll区間までスリープ状態を維持することができる。図29で、STA2とSTA3は、ビーコン受信後にスリープ状態に切り替わって自身のPS−Poll区間までスリープ状態を維持する。APは、STA1からPS−Pollフレームを受信した後、SIFS後にACKフレームを送信し、STA1に対するPS−Poll区間は終了する。最後のPS−Pollを行うSTA(STA3)の他は、自身のPS−Poll区間終了時点にスリープ状態に切り替わり、総PS−Poll区間が終わる時点までスリープ状態を維持することができる。図29で、STA1は自身のPS−Poll区間終了時点でスリープ状態に切り替わり、総PS−Poll区間が終わる時点までスリープ状態を維持する。
STA2のPS−Poll区間は、STA1のPS−Poll区間以降(STA1に対するACKフレーム送信時間以降)に始まり、STA2はアウェイク状態に切り替わってPIFSの間に媒体の遊休状態であることを確認すると、PS−PollフレームをAPに送信する。APはSTA2からPS−Pollフレームを受信した後、SIFS後にACKフレームを送信し、STA1に対するPS−Poll区間は終了する。STA1と同様に、STA2は自身のPS−Poll区間終了時点でスリープ状態に切り替わり、総PS−Poll区間が終わる時点までスリープ状態を維持する。
STA3のPS−Poll区間は、STA2のPS−Poll区間以降(STA2に対するACKフレーム送信時間以降)に始まり、STA3はアウェイク状態に切り替わってPIFSの間に媒体の遊休状態であることを確認すると、PS−PollフレームをAPに送信する。APは、STA2からPS−Pollフレームを受信した後、SIFS後にACKフレームを送信する。STA3は最後のSTAであるため(自身のPS−Poll区間が終了する時点が総PS−Poll区間が終わる時点と同一である)、スリープモードに切り替わることなくアウェイク状態を維持する。
APは総PS−Poll区間が終わった後、各STAにデータを送信し、各STA(最後のSTAは除く)は、総PS−Poll区間が終わる時点でアウェイク状態に切り替わり、APからデータを受信するためにCCAを行う。最後のSTA(STA3)は自身のPS−Poll区間からアウェイク状態を維持してCCAを行うようになる。APは、任意バックオフ周期に基づいて競合(contention)を行って各STAにデータを送信することができる。言い換えると、APは、各STA別にバックオフカウント値を選択し、バックオフカウント値が最も小さいSTAからバックオフカウント値が最も大きいSTAの順にデータを送信することができる。図29では、STA1のバックオフカウント値が最も小さく、次にSTA2が小さく、STA3のバックオフカウント値が最も大きい場合を例示している。APは、AIFSの間に媒体が遊休状態であることを確認し、バックオフスロットをカウントダウンした後、データフレームをSTA1に送信する。STAは、APから送信されるデータフレームのプリアンブル(例えば、SIGフィールドの部分AID(Partial AID))に基づいて、自身に向かうデータフレームか否かを確認することができる。すなわち、STA1は自身に向かうデータフレームであることを確認し、当該データフレームをデコードし、残りのSTA(STA2、STA3)は自身に向かうデータフレームでないことを確認し、スリープモードに切り替わり得る。また、STAは、APから送信されるデータフレームのプリアンブル(例えば、SIGフィールドの長さ(Length))から、当該データフレームのMPDUの長さを確認できる。すなわち、自身に向かうデータフレームでないことを確認してスリープモードに切り替わったSTAは、他のSTAのMPDU長を考慮してアウェイク状態に再び切り替わり得る。
APからデータフレームを受信したSTA1は、SIFS以降にAPにACKフレームを送信する。STA1がAPにACKフレームを送信する時点、すなわち、APによるSTA1へのデータ送信が終了する時点でSTA2とSTA3はスリープ状態からアウェイク状態に切り替わり、以降、競合ベースでAPからデータフレームを受信する。
一方、APは非競合ベース(non−competition based)でSTAにデータフレームを送信してもよい。例えば、APは、各STAのPS−Poll区間内で当該STAにスケジューリング情報を送信することができる。この場合、STAは自身のPS−Poll区間内でAPからPS−Pollフレームに対するACKフレームを受信した後、総PS−Poll区間が終わり、APから下りリンクデータ送信に関するスケジューリング情報を待つことができ、取得したスケジューリング情報を用いて、データを受信することができる。このようにSTAがAPからスケジューリング情報を取得した時、STAは下りリンクデータ送信時点までスリープ状態に切り替わって電力消耗を最小化することができる。
また、APは、PS−Pollを行う最後のSTAにはPS−Pollに対するACKフレーム送信せずに直ちにデータを送信してもよく、これについて図30を参照して説明する。
図30は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図30の例示で、各STAが自身のPS−Poll区間でPS−PollフレームをAPに送信する動作は、図29の例示と同様である。
図30を参照すると、最後のSTAであるSTA3からPS−Pollフレームを受信したAPは、STA3が最後のSTAであることを確認すると、STA3にはPS−Pollフレームに対するACKフレームを送信せずに、SIFS以降にSTA3にデータフレームを送信する。
APは、総PS−Poll区間が終わった後、最後のSTA(STA3)を除く残りSTAにデータを送信することができ、最後のSTAを除く残りSTAは総PS−Poll区間が終わる時点でアウェイク状態に切り替わり得る。この場合、STA3にデータフレームを送信する中(総PS−Poll区間が終わった時点)にSTA1とSTA2がアウェイク状態に切り替わったため、STA3に送信されるデータフレームのプリアンブルを確認できないことがある。したがって、STA1とSTA2はアウェイク状態を維持し、以降APから送信されるデータフレームのプリアンブルから、当該データフレームがSTA1に向かうか否かを確認した後、STA1は当該データフレームをデコードし、STA2は再びスリープ状態に切り替わり得る。
図30では、総PS−Poll区間が終わる時点でSTA1とSTA2がアウェイク状態に切り替わり、APからデータフレームを受信するまでアウェイク状態を維持する例示のみを示しているが、最後のSTAを除く残りSTAは、総PS−Poll区間が終わる時点でアウェイク状態に切り替わった後、媒体が占有(busy)状態であることを確認するとスリープ状態に切り替わり、媒体の占有が終わる時点に再びアウェイク状態に切り替わって自身にデータフレームが送信されるか否かを確認してもよい。
APは、任意バックオフ周期に基づいて競合(contention)を行い、最後のSTAを除く残りSTAにデータを送信することができる。APが最後のSTAを除く残りSTAにデータを送信する動作は、上述した図29の例示と同様であり、以下では説明を省く。
また、APは、総PS−Poll区間が過ぎた後、緊急(delay sensitive)のパケットを有するSTAに最も優先してデータフレームを送信してもよく、それについて図31を参照して説明する。
図31は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図31の例示で、各STAが自身のPS−Poll区間でPS−PollフレームをAPに送信する動作は、図29の例示と同様である。
図31を参照すると、総PS−Poll区間後に、APは、ポーリング(Poll)されたSTAのうち、緊急(delay sensitive)のデータフレームが送信されるSTAには、PIFS(又は、SIFS)を待った後、任意バックオフ手順無しで直ちに当該STAにデータフレームを送信することができる。すなわち、競合(contention)無しでデータを送信することができる。これは、長いスロット時間(long slot time)を有し、任意バックオフベースのデータ送信動作によって生じうる緊急パケット送信遅延を防止することができる。この場合にも、緊急パケットを持たないSTAには、上述した図29或いは図30の例示と同様に、競合ベースでデータ送信を行うことができる。ここで、総PS−Poll区間の終了時点は、最後にPS−Pollを行ったSTAに対する応答を送信する時点に該当してもよい。例えば、図29の例示では最後のPS−Pollを行ったSTAに(NDP)ACKフレームが送信される時点を意味することができ、図30の例示では最後のPS−Pollを行ったSTAにデータフレームが送信される時点を意味することができる。図31では、総PS−Poll区間終了時点として、最後のPS−Pollを行ったSTA3に(NDP)ACKフレームが送信される時点を例示し、総PS−Poll区間後にAPがSTA1とSTA3に対する下りリンクデータフレームをPIFS以降に直ちに送信する場合を例示する。STA2は緊急パケットを持たないSTAであるため、STA2に対するデータ送信は、図29又は図30の例示と同様に競合ベースの(AIFS+任意バックオフ)方式で行われる。
一方、TIMに指定された全てのSTAがTIMを受信できない場合もある。例えば、OBSS(Overlappping BSS)送信による干渉や、STAがTIMを逃す場合もあり得る。このような場合、TIMを受信しなかったSTAは、自身のPS−Poll区間内でPS−Pollフレームを送信できなくなる。また、STAはPS−Pollフレームを正しく送信したが、APがPS−Pollフレームを受信できない場合もあり得る。このような場合、APとSTA間の動作について図32を参照して説明する。
図32は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図32の例示で、各STAが自身のPS−Poll区間でPS−PollフレームをAPに送信する動作は図29の例示と同様である。
図32を参照すると、APがSTA2からPS−Pollフレームを受信できない場合を例示している。APは、定められた各STAのPS−Poll区間で、当該STAからPS−PollをPS−Poll送信時間に受信できないと、SIFS以降に自発的(unsolicited)NDPフレームを当該STAに送信する。自発的NDPフレームを送信する時点は、当該STAがPS−Pollを正常に送信した場合を仮定して、(NDP)ACKフレームを送信する時点(PIFS+PS−Poll送信時間+SIFS)と同一であってよい。ここで、自発的NDPフレームは、図29乃至図31で用いられた(NDP)ACKフレームであってもよく、新しいNDPフレーム或いは新しいMACフレームの形態を有するものであってもよい。また、自発的NDPフレームは、ACK、NACK或いはノンーポーリング(no Polling)指示を含んでもよい。このように、APが定められたSTAから定められた時点にPS−Pollフレームを受信できなくても、NDPフレーム(又は、新しいフレーム)を送信することによって、他のSTA(例えば、隠れたノード)によるPS−Poll区間の介入(intervention)を防止することができる。
ACK、NACK或いはノンーポーリング(no Polling)指示が含まれたNDPフレームを受信したSTAは、競合ベースでPS−Pollを行うことができる。この場合、STAは、拡張されたスロット時間(extend slot−time)を用いることができる。図32には示していないが、各STA(例えば、STA1、STA3)に割り当てられたPS−Poll区間では当該STAによって媒体が占有されている状態であり、またTIMを受信できなかった更に他のSTAが存在しても、当該STAのPS−Poll区間でAPがNACK或いはノンーポーリング(no Polling)指示を含むNDPフレームを送信するため、結局、NACK或いはノンーポーリング(no Polling)指示が含まれたNDPフレームを受信したSTAは、総PS−Poll区間以降に競合ベースでPS−Pollを行うことができる。
このように、スロット時間を上記式12による拡張されたスロット時間と定める場合には、図32の例示のようにNDPフレームを送信することによって、当該PS−Poll区間で他のSTAが介入することを防止することができる。ただし、スロット時間が拡張されたスロット時間を持たないときは、図32の例示が適用されない場合もある。例えば、スロット時間とPS−Pollフレーム時間とが同一である場合、(PIFS+PS−Poll送信時間+SIFS)の時間の間に他のSTAの介入が発生すると、図32の例示を通じて他のSTAの介入を防止できないこともある。ただし、このような場合にも、APは、ビーコンフレームのTIM要素を通じて指示されたSTAは自身のPS−Poll区間を用いてPS−Pollを行うようになり、TIM要素を通じて指示されなかったSTAはTIM要素のビットマップ個数或いはビーコンのMACヘッダー(header)の持続期間(duration)フィールドの値から総PS−Poll区間が確認できるため、総PS−Poll区間ではチャネルアクセスを試みず、上述の問題は発生しなくなる。
一方、STAがTIMを受信し、指定されたPS−Poll区間でPS−Pollを行おうとするとき、チャネルが占有(busy)された状態が発生することもあり、それについて図33を参照して説明する。
図33は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図33の例示で、各STAが自身のPS−Poll区間でPS−PollフレームをAPに送信する動作は、図29の例示と同様である。
図33を参照すると、STAがTIMを受信し、自身に指定されたPS−Poll区間でPS−Pollを行おうとする時、チャネルが占有された状態である場合がある。図33の場合、STA2がPS−Pollを試みようとする時、OBSS(Overlapping BSS)の送信によってチャネルが占有された状態を例示する。この場合、STA2は自身のPS−Poll区間でPS−Pollを試みようとする時、(OBSS送信によって)チャネルが占有されていると判断すると、チャネルが遊休状態になるまでPS−Poll送信をずらし、AIFSの間にチャネルが遊休(idle)になると、再びPS−Poll送信を試みる。すなわち、当該STAは自身に指定されたPS−Poll区間でPS−Pollフレームを送信せず、拡張されたスロット時間(extended slot time)を用いて既存の競合ベースの(AIFS+任意バックオフ)方式によってPS−Poll送信を試みる。すなわち、この場合にも、図32と同様に、総PS−Poll区間内ではポーリングされた各STAにPS−Poll区間が指定された状態であるから、当該STAは総PS−Poll区間以降に競合ベースでPS−Pollを行うことができる。
一方、APは、図29乃至図33の例示で用いられた(NDP)ACKフレームに代えてSTFを送信してもよい。(NDP)ACKフレームに代えてSTFが用いられるため、(NDP)ACKフレームは総PS−Poll区間以降に送信されてもよい。
この場合、各STAのPS−Poll区間は下記式17のように定めることができる。
APは、各STAのPS−Poll区間で指定された時点に(PIFS/SIFS+PS−Poll送信時間+SIFS後に)、(NDP)ACKフレームに代えてSTFを送信する。APが送信するSTFは、指定されたPS−Poll区間において指定されたSTAによってチャネルが占有されていることを他のSTAに知らせる機能を持ち、隠れたノードSTAが介入(intervention)することを禁止させることができる。また、STFは、既存のACKフレームやNDPフレームのサイズよりも小さいため、総PS−Poll区間のサイズが減り、STAのパワー消費を低減する効果を得ることができる。
総PS−Poll区間は下記式18のように定めることができる。
式18で、Nは、TIMビットマップで1に設定された、すなわち、PS−Pollを行うSTAの総数を意味する。
万一、PS−PollフレームがNDPフレームで構成されるとすれば、総PS−Poll区間は下記式19のように定めることができる。
図34は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図34の例示で、APがPS−Pollフレームに対する応答として(NDP)ACKフレームに代えてSTFを送信する他は、各STAが自身のPS−Poll区間でPS−PollフレームをAPに送信する動作は図29の例示と同様である。
図34を参照すると、APは、総PS−Poll区間が終わった後、全てのSTAにACKフレームを送信し、各STA(最後のSTAは除く)は、総PS−Poll区間が終わる時点でアウェイク状態に切り替わり、APからACKフレームを受信するためにCCAを行う。最後のSTA(STA3)は、自身のPS−Poll区間からアウェイク状態を維持してCCAを行うようになる。APは、TIMで指示した全てのSTAからPS−Pollフレームを受信した場合、一つのACKフレームをブロードキャスト送信することができる。このとき、ACKフレームは、既存のACKフレーム形態で送信されてもよく、NDP ACKフレーム形態で送信されてもよい。ただし、TIMで指示した全てのSTAからPS−Pollフレームを受信できなかった場合、各STA別にACKフレームを送信したり、又は各STA別にACKを指示するビットマップ情報を含むグループACKフレームをブロードキャスト送信してもよい。以下、このようなグループACKフレームをPS−PollグループACK(PPGA:PS−Poll Group ACK)フレームと呼ぶ。
図34には示していないが、APは、全てのSTAにACKフレームを送信した後、APはACKフレームを送信した後、各STAにデータを送信し、各STAはAPからデータを受信するためにCCAを行う。APは、任意バックオフ周期に基づいて競合(contention)を行って各STAにデータを送信することができる。APから各STAがデータを受信する過程は図29の例示と同様に行うことができる。
以下、NDP ACKフレームとPPGAフレームについて詳しく説明する。
図35は、本発明の一実施例に係るNDP ACKフレームを例示する図である。
図34及び図35を参照すると、NDP ACKフレームはSTF、LTF、SIGフィールドを含むことができる。SIGフィールドは、NDP ACK指示(NDP ACK indication)サブフィールド、AID又は部分AID(Partial AID)サブフィールド、追加データ(More Data)サブフィールド、CRCサブフィールドを含むことができる。ここで、各サブフィールドは、NDP ACKフレームに含み得るサブフィールドの例示に該当し、他のサブフィールドに取り替わったり、追加のサブフィールドが更に含まれてもよい。
NDP ACK指示サブフィールドは、当該フレームがNDP ACKフレームであることを示し、NDP ACK指示サブフィールドを通じてSTAにPS−Pollに対するACKであることを知らせることができる。AID(又は、部分AID)サブフィールドは、当該NDP ACKフレームを受信するSTAを示す。追加データ(More Data)サブフィールドは、当該NDP ACKフレームを受信するSTAに向かうバッファーされたフレームがAPに存在するか否かを示す。CRCサブフィールドは、SIGフィールドに対するエラー検出(error detection)の用途に用いられる。
図34のように、APがTIMで指示した全てのSTAからPS−Pollフレームを受信した場合、AID(又は、部分AID)サブフィールドは、PS−Pollを送信したSTAがNDP ACKフレームを受信できるように(すなわち、ACKがブロードキャスト送信されることを示すために)、マルチキャスト/ブロードキャストを示す特定値(例えば、全てのビットが1又は0)に設定されてもよい。特定値に設定されたAID(又は、部分AID)サブフィールドを含むNDP ACKフレームを受信したSTAは、自身がPS−Pollを行ったSTAであれば、PS−Pollに対するグループACKであることを確認することができる。すなわち、STAがNDP ACKフレームを受信したとき、AIDがPS−Pollを行った全てのSTAを示すと、PS−Pollを行ったSTAは自身に送信されるACKだと判断してSIGフィールドを読む。反面、PS−Pollを行っていないSTAは当該NDP ACKフレームを無視すればよい。
一方、図34の例示とは違い、APがTIMで指示した全ての端末からPS−Pollフレームを受信できなかった場合は、PS−Pollフレームを送信した各STA別にNDP ACKフレームを送信してもよい。この場合、AID(又は、部分AID)サブフィールドは、該当NDP ACKフレームを受信するSTAのAID(又は、部分ID)に設定することができる。また、次のようにPS−PollグループACK(PPGA)フレームを全てのSTAに送信してもよい。
図36は、本発明の一実施例に係るPS−PollグループACKフレームを例示する図である。
図34及び図36を参照すると、図36(a)のように、PPGAフレームは、フレーム制御(Frame Control)フィールド、AIDフィールド(又は、RA(receiver address)フィールド)、BSSIDフィールド、ビットマップサイズ(Bitmap size)フィールド、ACKビットマップ(ACK bitmap)フィールド、埋め草(Padding)フィールドを含むことができる。PPGAフレームがRAフィールドを含んで構成される場合、RAフィールドは6オクテットのサイズを有することができる。ここで、各フィールドは、PPGAフレームに含み得るフィールドの例示に該当し、他のフィールドに取り替わったり、追加のフィールドが更に含まれてもよい。
フレーム制御フィールド内のタイプ(Type)サブフィールドとサブタイプ(subtype)サブフィールドによって当該フレームがグループACKであることを示す。AIDフィールドは、当該PPGAフレームを受信するSTAを示す。PS−Pollを行ったSTAがいずれもPPGAフレームを受信できるようにするために、AIDフィールド(又は、RAフィールド)をブロードキャストアドレス(例えば、全てのビットを1又は0)に設定することができる。ビットマップサイズフィールドは、ACKビットマップフィールドのサイズを示し、TIMで1に設定された個数(すなわち、PS−Pollを行った端末の総数)に設定される。すなわち、TIMを正確に読んでPS−Poll動作を行ったSTAのみがACKビットマップフィールドを読むことができる。ACKビットマップフィールドは、APがPS−Pollフレームを受信したSTAの場合は1に設定され、APがPS−Pollフレームを受信していないSTAの場合は0に設定される。ここで、ACKビットマップフィールドはTIM要素のビットマップと同じ順序で構成されてもよい。
また、図36(b)のように、PPGAフレームは図36(a)においてビットマップサイズフィールドを含まず、ACKビットマップのみを含んでもよい。この場合、PS−Pollを行った端末は、PPGAフレームでACKビットマップのサイズをTIM情報から計算することができる。例えば、PPGAフレーム内のACKビットマップのサイズは、TIM要素内のビットマップのサイズと同一であってもよい。
また、図36(c)のように、PPGAフレームは、圧縮されたMACヘッダー(Compressed MAC header又はNew MAC header)で構成され、図36(b)においてAID(或いは、RAフィールド)無しで構成されてもよい。この場合、TIMを受信した後、PS−Pollを行ったSTAは、フレーム制御フィールド内のタイプ(Type)サブフィールドとサブタイプ(subtype)サブフィールドから当該フレームがグループACKであることを認知できる。
APは、最後のPS−Pollに対する応答としてSTFを送信せず、(NDP)ACKフレーム又はPPGAフレームを直ちに送信してもよく、それについて図37を参照して説明する。
図37は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図37の例示で、APがPS−Pollフレームに対する応答として(NDP)ACKフレームに代えてSTFを送信する他は、各STAが自身のPS−Poll区間でPS−PollフレームをAPに送信する動作は図29の例示と同様である。
図37を参照すると、APは、最後のSTAであるSTA3からPS−Pollフレームを受信した後、SIFS後に、STFに代えて(NDP)ACKフレーム又はPPGAフレームを直ちに送信する。この場合、PS−Pollを行ったSTA(最後のSTAを除く)は、(総PS−Poll区間−STF−SIFS)の時点でアウェイク状態に切り替わってAPからACKを受信するためにCCAを行う。最後のSTA(STA3)は、自身のPS−Poll区間からアウェイク状態を維持してCCAを行う。
一方、上述した通り、TIMに指定された全てのSTAがTIMを受信できず、自身のPS−Poll区間内でPS−Pollフレームを送信できなかったり、STAはPS−Pollフレームを正しく送信したが、APがPS−Pollフレームを受信できなかった場合があり得る。このような場合、上述の例示でAPが自発的NDPフレームを送信するのと同様に、APは自発的(unsolicited)STFを送信することができ、それについて図38を参照して説明する
図38は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図38の例示で、APがPS−Pollフレームに対する応答として(NDP)ACKフレームに代えてSTFを送信する他は、各STAが自身のPS−Poll区間でPS−PollフレームをAPに送信する動作は図29の例示と同様である。
図38を参照すると、APがSTA2からPS−Pollフレームを受信できない場合を例示している。APは、定められた各STAのPS−Poll区間で、当該STAからPS−PollをPS−Poll送信時間に受信できないと、SIFS以降に自発的(unsolicited)STFを当該STAに送信する。自発的STFを送信する時点は、当該STAがPS−Pollを正常に送信した場合を仮定して、STFを送信する時点(PIFS+PS−Poll送信時間+SIFS)と同一であってよい。このように、APが定められたSTAから定められた時点にPS−Pollフレームを受信できなくても、自発的STFを送信することによって、他のSTA(例えば、隠れたノード)によるPS−Poll区間の介入(intervention)を防止することができる。
一方、自発的NDPフレーム或いはSTFは、上述した例示以外の状況でも、APが他のSTAのチャネルアクセスを防止するために用いることができ、それについて図39を参照して説明する。
図39は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図39を参照すると、チャネルをアクセスのために任意バックオフ過程が開始されると、STA1は、定められたバックオフカウント値によってバックオフスロットをカウントダウンする中に続けて媒体をモニタリングする。APは、他のSTAのチャネルアクセスを防止するために特定スロット内で自発的NDPフレーム/STFを送信し、STAは、APから自発的NDPフレーム/STFが送信されるスロットでは媒体が占有状態としてモニタリングされるため、カウントダウンを止めて待機し、DIFSの間に媒体が遊休状態になると、残余カウントダウンを再開する。このように、APは特定スロットで自発的NDPフレーム/STFを送信することによって、任意のSTAのチャネルアクセスを防止することができる。
一方、TIM要素で指示された各STA別にPS−Poll区間が設定されず、総PS−Poll区間のみが設定され、競合ベースでPS−Poll動作が行われてもよく、それについて図40を参照して説明する。
図40は、本発明の一実施例に係るSTAのチャネルアクセス動作を説明するための図である。
図40を参照すると、TIM要素から、APに、自身に向かうデータが保存されていることを確認したSTA(STA1、STA2、STA3)のみが、総PS−Poll区間内で競合的にPS−Poll動作を行うことができる。このとき、APは、TIM情報を通じてSTAに総PS−Poll区間の長さと位置に関する情報を知らせることができるが、上述したように、STAがビーコンの持続期間(Duration)フィールドから、総PS−Poll区間の長さと位置を確認してもよい。
図40ではSTA1が最小のバックオフカウント値を選択し、STA2がその次のバックオフカウント値を選択し、STA3が最大のバックオフカウント値を選択した場合を示す。STA1はビーコン受信後、AIFSの間に媒体が遊休状態であることを確認すると、バックオフスロットをカウントダウンした後、PS−PollフレームをAPに送信する。APはPS−Pollフレームを受信すると、SIFS以降にSTA1にACKフレームを送信する。以降、STA2とSTA3はSTA1と同様の方式でAPにPS−Pollフレームを送信する。
図41は、本発明の一実施例に係るチャネルアクセス方法を例示するフローチャートである。
図41を参照すると、APは、下りリンクデータが指定されたSTA別に各STAのチャネルアクセス区間(例えば、PS−Poll区間)を設定する(S411)。
APは、ビーコン周期に従って、各STA別に送信される下りリンクデータの有無を示す情報を含むTIM要素を、ビーコンフレームを通じてSTAに送信する(S413)。TIM要素は、TIM要素によって下りリンクデータが指定された各STAに対するチャネルアクセス区間の位置情報、総チャネルアクセス区間の開始時点情報、チャネルアクセス区間の長さ情報、チャネルアクセス区間の順序情報などを更に含んでもよい。
STAは、ビーコン送信周期に従ってアウェイク状態に切り替わってAPからビーコンフレームを受信し、STAは、受信したビーコンフレーム内TIM要素から、自身に指定された下りリンクデータの有無と自身に指定(割当)されたチャネルアクセス区間を確認する(S415)。
次に、STAは、自身に指定されたチャネルアクセス区間内でAPにチャネルアクセスフレーム(例えば、PS−Pollフレーム)を送信する(S417)。STAは、総チャネルアクセス区間において自身に指定されたチャネルアクセス区間でのみアウェイク状態を維持してAPにチャネルアクセスフレームを送信する。ここで、チャネルアクセスフレームとしてNDP PS−Pollフレーム形態が用いられてもよい。
APは、STAから受信したチャネルアクセスフレームに対する応答としてSTAにACKフレームを送信する(S419)。ACKフレームは、各STA別に各STAのPS−Poll区間内で送信されてもよく、或いは総チャネルアクセス区間以降に全てのSTAに送信されてもよい。ここで、ACKフレームとしてはNDP ACKフレームの形態或いはグループACKフレーム(例えば、PPGAフレーム)の形態が用いられてもよい。以降、APは保存していたデータを各STAに送信する。
上述した本発明の様々な実施例で説明した事項は独立して適用されてもよく、2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現されてもよい。
図42は、本発明の一実施例に係る無線装置を例示するブロック構成図である。
図42を参照すると、AP 420は、プロセッサ(processor)421、メモリー(memory)422及び送受信器(tranceiver)423を備えている。プロセッサ421は、提案された機能、過程及び/又は方法を具現する。無線インターフェースプロトコルの階層(図5参照)は、プロセッサ421によって具現することができる。メモリー422はプロセッサ421に接続して、プロセッサ421を駆動するための様々な情報を記憶する。送受信器423はプロセッサ421に接続して、無線信号を送信及び/又は受信する。
STA 430は、プロセッサ431、メモリー432及び送受信器433を備えている。プロセッサ431は、提案された機能、過程及び/又は方法を具現する。無線インターフェースプロトコルの階層(図5参照)はプロセッサ431によって具現することができる。メモリー432はプロセッサ431に接続して、プロセッサ431を駆動するための様々な情報を記憶する。送受信器433はプロセッサ431に接続して、無線信号を送信及び/又は受信する。
メモリー422,432は、プロセッサ421,431の内部又は外部に設けることができ、周知の様々な手段でプロセッサ421,431に接続することができる。また、AP 420及び/又はSTA 430は、単一アンテナ(single antenna)又は多重アンテナ(multipleantenna)を有することができる。
以上説明した実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、特別の言及がない限り、選択的なものと考慮すればよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合していない形態で実施されもてよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えられてもよい。特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよいことは明らかである。
本発明に係る実施例は様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリーに格納されて、プロセッサによって駆動されてよい。メモリーは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
本発明は、本発明の必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化されてもよいことは当業者にとって明らかである。したがって、上述した詳細な説明はいずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。