JP6272869B2 - 植物性脂肪組成物の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は請求項1に記載される処理法に関する。
本発明は植物性脂肪組成物を処理するための方法に関する。費用がかかり、且つ、困難であるそのような処理に関して幾つかの問題が存在し得る。したがって、費用効果があり、且つ、効率的な方法で植物性脂肪を処理するための方法を提供することが本発明の目的である。
本発明は、植物性脂肪組成物を処理するための方法であって、
植物性脂肪組成物を提供するステップ、
第1中和ステップにおいて植物性脂肪組成物から遊離脂肪酸を分離することによって中和済み植物性脂肪組成物を得るステップ、
分離ステップにおいて中和済み植物性脂肪組成物をStOOおよび/またはOOOに富む第1画分とStOStに富む第2画分(式中、Stはステアリン酸であり、Oはオレイン酸である)に分離するステップ、
第2中和ステップにおいて第1画分に第2塩基を添加することによって中和済み第1画分を得るステップ、
1,3−特異的エステル交換活性を有する酵素によって中和済み第1画分をエステル交換する酵素性エステル交換ステップに中和済み第1画分とステアリン酸供給源を供給することによってエステル交換済み第1画分を得るステップ
を含んでなる前記方法に関する。
前記のStOOおよび/またはOOOに富む第1画分は、StOOおよび/OOOが第1画分のかなりの部分を含んでなることを意味する。例として、そのような第1画分は他のあらゆる構成成分または他のあらゆる種類のトリグリセリドの含量を超える量でStOOおよび/またはOOOを含んでなり得る。また、そのような第1画分は40重量%を超えるStOOおよび/またはOOO、例えば50重量%を超えるStOOおよび/またはOOO、例えば60重量%を超えるStOOおよび/またはOOOを含んでなり得る。特にシア脂肪が植物性脂肪組成物として使用される実施形態について、StOOが通常は最も高い濃度を有する低融点トリグリセリドであるという事実のため、StOOが主要成分であり得ることが典型的である。同様に、StOStに富む第2画分は、例えば、他のあらゆる構成成分または他のあらゆる種類のトリグリセリドの含量を超える量でStOStを含んでなり得る。また、そのような第2画分は40重量%を超えるStOSt、例えば50重量%を超えるStOSt、例えば60重量%を超えるStOSt、例えば70重量%を超えるStOStを含んでなり得る。
分離ステップは中和済み植物性脂肪組成物を第1画分と第2画分に分離するための処理を意味する。この分離ステップは好ましくは分画であり得る。好ましくは、そのような分画は分別晶出作用であり、分別晶出作用は晶出化によって1つの画分が別の画分から分離される分離処理として理解されるものとする。そのような分別晶出作用は、好ましくは中和済み植物性脂肪組成物が完全に融かされるまでその中和済み植物性脂肪組成物を加熱し、次に第2画分が晶出化し、且つ、第2画分から除去され得るまでその中和済み植物性脂肪組成物を冷却することによって実施されることが好ましく、その第2画分が液体残留画分または液体残余画分である。中和済み植物性脂肪組成物の冷却は、中和済み植物性脂肪組成物が冷却前と比べて冷却後に低い温度を有する過程と理解されるものとし、したがってその冷却は一時的に温度を一定に保つこと、または温度を上昇させることさえも伴うことがあり得る。分別晶出作用は好ましくは溶媒を含み、例えば、中和済み植物性脂肪組成物の冷却の前に、および好ましくは中和済み植物性脂肪組成物の加熱ステップの前に溶媒を添加することを含む。また、この溶媒は好ましくは第1画分および/または第2画分からそれらの2つの画分の分離の後に除去される。溶媒は好ましくはヘキサンまたはアセトンであり得る。あるいは、分離ステップは蒸留ステップであり得、または他の分離ステップを伴うことができ、または幾つかの分離ステップの組合せであり得る。
特にこの分離ステップが分画ステップを伴う場合に前記第1中和ステップを実施することでその分離ステップがより効率的になり得るという利点が達成される。前記第1中和ステップを実施することができる場合には、分画に必須である晶出化過程を妨害する遊離脂肪酸が全く無い、または少なくとも非常に少ないので分画ステップがより効果的である。分画ステップは晶出化に大いに依存するので、大量の遊離脂肪酸が晶出化特性を変え、且つ、分画を妨げることがあり得る幾つかの脂肪と対照的に、分画される脂肪の晶出化特性が分画に適切であることが必須である。しかしながら、前記第1中和の実施後にそのような遊離脂肪酸は中和済み植物性脂肪組成物の中には存在せず、少なくとも有意なレベルでは存在しない。
さらに、第2塩基を添加することによって酸の残留物を除去することができ、または酸の残留物と反応させることができ、それによって酵素の寿命を著しく増加させることができる。酸のこれらの残留物は保存されていた酸、分画処理の副産物、および/または第1中和ステップにおいて添加された酸を含み得る。特に第1中和ステップが塩基添加ステップまたは蒸留ステップを含んでなる実施形態では、塩基添加ステップまたは蒸留ステップの前および/または後に酸を添加することが有利であり得る。したがって、そのような実施形態ではこれらの酸の残留物が後で中和され得るので第2塩基を添加することに特に利点が有る。また、第2塩基を分画前に中和済み植物性脂肪組成物全体に添加するのではなく、分画後に第1画分に添加することによって、第2塩基の添加により中和されるべき中和済み植物性脂肪組成物が少量になる。例えば、中和済み植物性脂肪組成物は第1画分と第2画分に約1:1に分画され得る。そのような例となる実施形態では、第2中和ステップにおいて中和されるべき脂肪は約半分だけである。このことは、添加されるべき第2塩基がより少量であること、および処理器材が約半量の脂肪の量を扱うだけでよいことの両方の点で有利であり得る。
さらに、分画ステップの後であってエステル交換ステップの前に第2塩基を用いる第2中和ステップを実施することによって第2中和ステップとエステル交換ステップとの間の時間を減少させることができ、それによって前記酵素に有害であり得る物質の蓄積を減らすことができる。そうでない場合にはそのような蓄積は時間の経過と共に起こる。最後には分画由来の副産物を第2中和ステップによって、または第2中和ステップに関連して扱うことができ、それによってより好適な産物を提供することができる。
したがって、本発明は分画に適した植物性脂肪組成物を調製し、一方で後に酵素性エステル交換の対象となる低融点第1画分を分画により調製するための方法を提供する。その結果、植物性脂肪組成物の低価値部分または低価値画分である低融点第1画分の品質を酵素的に改良することができ、そうしてこの部分または画分の価値を大いに上昇させることができる。
本発明の実施形態によれば、前記第1中和ステップは
塩基添加ステップにおいて第1塩基を植物性脂肪組成物に添加することによって塩基添加植物性脂肪組成物を得るステップ、
石鹸分離ステップにおいて塩基添加植物性脂肪組成物から鹸化遊離脂肪酸の形態の遊離脂肪酸を分離することによって遊離脂肪酸の含量が低減した低減化植物性脂肪組成物を得るステップ、および
石鹸残留物除去ステップにおいて第1酸を低減化植物性脂肪組成物に添加することによって中和済み植物性脂肪組成物を得るステップ
を含んでなる。
第1塩基を植物性脂肪組成物に添加することによってその植物性脂肪組成物中の脂肪酸が鹸化される、すなわち脂肪酸が鹸化脂肪酸、すなわち石鹸に変換または転換される。脂肪酸は遊離脂肪酸を指し、したがって、例えばトリグリセリドの部分を形成している脂肪酸を指さないことが理解されるものとする。
第1酸を低減化植物性脂肪組成物に添加することによって、鹸化遊離脂肪酸の残留物が遊離脂肪酸に変換される。
前記塩基添加ステップを実施することによって分離ステップに関する利点が達成される。植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸は植物性脂肪組成物の主要物質、すなわちトリグリセリドの特徴とは実質的に異なる特徴を有することがあり得るので、植物性脂肪組成物からこれらの遊離脂肪酸を除去することに利点が有る。その塩基添加ステップは遊離脂肪酸を除去せずに、むしろ石鹸に変換するが、そのことが石鹸分離ステップにおいて石鹸の形態の遊離脂肪酸を除去する後続のステップを容易にする。
鹸化遊離脂肪酸の濃度の低下によって分離ステップの分離処理において使用されるフィルターの目詰まりまたは閉塞の程度が低下し、それによってその分離処理の効率が上昇するので、石鹸分離ステップに従って鹸化遊離脂肪酸を分離することによって分離ステップに関する利点が達成される。分離ステップが分画ステップを伴うときにこの利点が特に顕著である。特に、大量の遊離脂肪酸を有し、したがって塩基添加ステップの後に結果として大量の鹸化遊離脂肪酸を有する植物性脂肪、例えば、シア脂肪について、分離において固液分離、例えば、濾過が可能であるためにはそのような大量の石鹸が除去されなければならない。したがって、鹸化遊離脂肪酸を分離する石鹸分離ステップにより分画ステップにおける固液分離が可能になる。
さらに、第1酸を植物性脂肪組成物に添加し、その結果として鹸化遊離脂肪酸のあらゆる残留物を遊離脂肪酸に変換または転換することによって、分画処理における石鹸によるフィルターのあらゆる目詰まりまたは閉塞が防止され、したがって分画処理がより効果的である。そのような鹸化遊離脂肪酸の残留物は例えば分画フィルターまたは他の器材の部分的目詰まりによる分画能力の低下を引き起こし得る。したがって、第1酸を添加することによってそのような分画能力の低下の可能性が除外される。
したがって、第1塩基を添加するステップ、次に鹸化遊離脂肪酸を分離するステップ、次に第1酸を添加するステップを実施することによって、非常に低濃度の遊離脂肪酸しか中和済み植物性脂肪組成物中に存在せず、したがってそのことが分画の晶出化過程を妨げず、一方で鹸化遊離脂肪酸による分画フィルターの目詰まりまたは閉塞を同時に避けるので、効果的な分画処理を実施することが可能になる。このことは上記の実施形態の具体的な利点である。
上記の実施形態によれば、植物性脂肪組成物中の鹸化遊離脂肪酸の溶解性は鹸化によって低下するので、第1塩基を植物性脂肪組成物に添加することによって鹸化遊離脂肪酸の大部分を分離することが可能になり得る。しかしながら、植物性脂肪組成物における溶解性を低下させると後に鹸化遊離脂肪酸は例えば分画処理におけるフィルターのような器材の上に凝集し、狭い流路を閉塞させることがあり得、そのことは非常に不利である。このことは、分離処理によって植物性脂肪組成物中に残る比較的に少量の鹸化遊離脂肪酸の問題でもあり得る。しかしながら、この問題は第1酸を添加することによって鹸化遊離脂肪酸を遊離脂肪酸に変換し直すことにより解決される。その結果、凝集した鹸化遊離脂肪酸による流路の閉塞が避けられ、一方、比較的に少量の遊離脂肪酸は分画処理を妨げるには不充分であり得る。
本発明の実施形態によれば、前記第1中和ステップは植物性脂肪組成物から遊離脂肪酸を蒸留することによって中和済み植物性脂肪組成物を得る蒸留ステップを含んでなる。
上記の実施形態の利点は、特に分離ステップにおいて分画を用いるときに遊離脂肪酸または少なくともそれらの大部分を植物性脂肪組成物から除去することによって後続の分離の分離効率を著しく上昇させることができることである。
本発明の実施形態によれば、前記第1中和ステップは蒸留ステップの前に第1酸を植物性脂肪組成物に添加することをさらに含んでなる。
蒸留ステップの前に第1酸が添加されることによって植物性脂肪組成物は蒸留ステップの間に脱色する傾向を低下させる。この効果は、植物性脂肪組成物を漂白するステップが第1塩基の添加の後であって蒸留ステップの前に実施されるときに特に顕著である。
本発明の実施形態によれば、前記第1中和ステップは第1酸を植物性脂肪組成物または製品に添加することをさらに含んでなる。様々な例となる実施形態では、これは例えば前処理ステップ、例えば蒸留ステップの直前のような前処理ステップ、または後処理ステップ、例えば第1塩基添加ステップの追加後の後処理ステップであり得る。第1酸の添加は中和済み植物性脂肪の収量および/または品質を増すことができる。
本発明の実施形態によれば、前記第1酸はリン酸である。
代替的実施形態によれば、第1酸は例えばクエン酸であり得る。
本発明の実施形態によれば、前記第1中和ステップは前記蒸留ステップの前に前記植物性脂肪組成物を漂白することをさらに含んでなる。
蒸留ステップの前に植物性脂肪組成物を漂白することによって、その植物性脂肪組成物は蒸留ステップの間に脱色する傾向を低下させる。この漂白は好ましくは第1塩基を植物性脂肪組成物に添加するステップの後に実施される。
本発明の実施形態によれば、植物性脂肪組成物はシア脂肪を含んでなる。
上記の実施形態の利点は、本発明に従う植物性脂肪組成物の処理過程が高含量の遊離脂肪酸を有する脂肪の処理に特に適切であり、この条件では特にシアナッツから抽出され、シアオイルまたはシアバターとしても知られているシア脂肪の処理に特に適切であることである。シア脂肪のほんの一部が高融点画分である第1画分であり、例えばその高融点画分は例えばシア脂肪の約半分を構成することができ、そのシア脂肪のほんの一部が例えばココアバター代用脂(CBE)中の構成成分として使用され得る。さらに、シア脂肪中の大量の遊離脂肪酸のために分画によるシア脂肪の分離に関する多くの問題が存在する。また、酵素性エステル交換処理において使用される酵素は壊れやすいことがあり得、且つ、変性または不活化することがあり得、さらに高価であり得るので、エステル交換されるシア脂肪の部分は酵素適合性であるように、すなわち酵素の満足のゆく寿命を促進し、したがってシア脂肪の費用効果がある処理過程を可能にするように処理されなければならない。しかしながら、上記の問題のうちの一つを解決することでさらなる問題が容易に引き起こされ得る。しかしながら、本実施形態の処理はこれらの問題および他の問題を解決し、例えばCBE中に使用されるシア脂肪の高StOSt部分を増加させる。特に、遊離脂肪酸および/またはそれらの石鹸残留物を含んでなる植物性脂肪組成物を分画することについての問題、および酵素の短い寿命の問題は本発明によって解決される。シア脂肪は非常に高含量の遊離脂肪酸を有し、一方、他の脂肪はより少ない含量の遊離脂肪酸を有することがあり得るので、遊離脂肪酸に関連する上述の問題および/または他の問題はシア脂肪について特に顕著であり得、したがってこれらの問題の解決法は本発明に従う処理過程のシア脂肪への適用にとって特に利点が有る。
本発明の実施形態によれば、植物性脂肪組成物は精製済みシア脂肪を含んでなる。
本発明の実施形態によれば、中和済み第1画分が漂白される。
漂白は中和済み第1画分に漂白土を添加することによって実施され得る。好ましくは、漂白ステップは第2中和ステップの後であって酵素性エステル交換ステップの前に実施される。漂白ステップは好ましくは中和済み第1画分からの漂白土の濾過を含んでなる。上記の実施形態の利点は、第1画分中の鹸化遊離脂肪酸のあらゆる残留物が漂白ステップにおいて除去され得ることである。そうでない場合にはそのような鹸化遊離脂肪酸は第1画分の晶出化特性に対して負の効果を有することがあり得、そのために後続の分画、例えばエステル交換の後の分画の効率を減少させる可能性があり、さらに、そのような鹸化遊離脂肪酸が第1画分または第1画分の一部を含んでなる製品、例えば、第1画分とパーム油中融点画分を基礎とするココアバター代用脂を含んでなるチョコレート製品に非常に悪い味を生み出すことがあり得る。特にエステル交換済み第1画分またはその一部が脱臭される場合、鹸化遊離脂肪酸はその脂肪および/またはその製品にそのような悪い味を生み出すことがあり得る。漂白ステップのさらなる利点は、第1画分中の金属残留物、例えば分画器材に由来する金属残留物が漂白ステップにおいて除去され得ることである。
パーム油中融点画分(PMF)は様々なパーム油製品として理解され得ることに留意されたい。好ましくは、PMFは30から35の、例えば32、33、または34のヨウ素価を有する硬質PMFとして理解されるべきである。しかしながら、幾つかの実施形態では、最大で例えば50までのより高いヨウ素価を有する軟質PMFも使用可能であり得る。
本発明の実施形態によれば、分離ステップは分画ステップを伴う。
好ましくは、分画ステップは晶出化、すなわち分別晶出作用によって1つの画分が別の画分から分離される分離処理である。そのような分別晶出作用は、好ましくは中和済み植物性脂肪組成物が完全に融かされるまで中和済み植物性脂肪組成物を加熱し、次に第2画分が晶出化し、且つ、第1画分から除去され得るまで中和済み植物性脂肪組成物を冷却することによって実施されることが好ましく、その第1画分が液体残留画分または液体残余画分である。中和済み植物性脂肪組成物の冷却は、中和済み植物性脂肪組成物が冷却前と比べて冷却後に低い温度を有する過程と理解されるものとし、したがってその冷却は温度を一定に維持すること、または温度を上昇させることさえも伴うことがあり得る。実際には冷却ステップは複数の冷却加熱ステップと温度を一定に保つステップを伴い得る。分別晶出作用は好ましくは溶媒を含み、例えば、中和済み植物性脂肪組成物の冷却の前に、および好ましくは中和済み植物性脂肪組成物の加熱ステップの前に溶媒を添加することを含む。また、この溶媒は好ましくは第1画分および/または第2画分からそれらの2つの画分の分離の後に除去される。溶媒は好ましくはヘキサンまたはアセトンであり得る。
本発明の実施形態によれば、第1塩基はNaOHの水溶液を含んでなる。
あるいは、第1塩基は別の形態、例えば、結晶形態のNaOH(水酸化ナトリウム)を含んでなり得、または第2塩基は適切な形態、例えば、水溶液の他の適切な塩基を含んでなり得る。そのような他の適切な塩基は好ましくは食品適合性強塩基であり得、KOH(水酸化カリウム)、または水酸化リチウム(LiOH)、または炭酸リチウム(Li2CO3)、または水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、または水酸化バリウム(Ba(OH)2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、または他の適切な塩基を含み得る。
本発明の実施形態によれば、第1塩基は50(重量/重量)%のNaOHの水溶液を含んでなる。
あるいは、第1塩基の濃度は5(重量/重量)%と90(重量/重量)%の間、例えば10(重量/重量)%と70(重量/重量)%の間、例えば15(重量/重量)%と65(重量/重量)%の間、例えば15(重量/重量)%と60(重量/重量)%の間、例えば15(重量/重量)%と55(重量/重量)%の間であり得、例えば、第1塩基の濃度は好ましくは20(重量/重量)%であり得る。
本発明の実施形態によれば、塩基添加ステップにおいて植物性脂肪組成物に添加される第1塩基の量はその植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸の量に基づく。
上記の実施形態によれば、植物性脂肪組成物に添加される第1塩基の量はその植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸の量に対して適合させられる。例えば、前記の遊離脂肪酸の量に基づく前記の第1塩基の量は、第1塩基の量が遊離脂肪酸の量から計算されることを意味し得る。遊離脂肪酸の量はこの文脈では例えば推定値、すなわち処理の初期に処理パラメーターによって推定される値、植物性脂肪組成物がナッツなどのその供給源から得られる場合のその植物性脂肪組成物の種類および起源によって推定され得る値、以前に計算または最適化された値、教科書上の値として、または測定値、無作為試料、定期的に実施された試料から得られたそのような値、年毎に、月毎に、週毎に、日毎に、時間毎に、分毎に、秒毎などに一度得られる不連続的な測定値、連続的な測定値、または他の測定値として、または測定値と推定値の組合せとして理解され得るように理解されるものとする。これは例えば、植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸の量を測定し、そのような測定に基づいて第1塩基の量を適合させることによって実行され得る。遊離脂肪酸の量の測定は、例えば植物性脂肪組成物および/または塩基添加植物性脂肪組成物のpH値の測定であり得る。
本発明の実施形態によれば、塩基添加ステップにおいて植物性脂肪組成物に添加される第1塩基の量はその植物性脂肪組成物の酸性度に基づく。
上記の実施形態によれば、植物性脂肪組成物に添加される第1塩基の量はその植物性脂肪組成物の酸性度の量に適合させられる。例えば、前記の遊離脂肪酸の量に基づく前記の第1塩基の量は、第1塩基の量が遊離脂肪酸の量から計算されることを意味し得る。遊離脂肪酸の量はこの文脈では例えば推定値、すなわち処理の初期に処理パラメーターによって推定される値、植物性脂肪組成物がナッツなどのその供給源から得られる場合のその植物性脂肪組成物の種類および起源によって推定され得る値、以前に計算または最適化された値、教科書上の値として、または測定値、無作為試料、定期的に実施された試料から得られたそのような値、年毎に、月毎に、週毎に、日毎に、時間毎に、分毎に、秒毎などに一度得られる不連続的な測定値、連続的な測定値、または他の測定値として、または測定値と推定値の組合せとして理解され得るように理解されるものとする。これは例えば、植物性脂肪組成物から抽出された水相および/または塩基添加植物性脂肪組成物のpH値を測定し、そのような測定に基づいて第1塩基の量を適合させることによって実行され得る。
本発明の実施形態によれば、塩基添加ステップにおいて植物性脂肪組成物に添加される第1塩基のモル量は植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸のモル量の0.5倍と3倍の間、例えば植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸のモル量の0.8倍と2倍の間、例えば植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸のモル量の1倍と2倍の間、例えば植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸のモル量の1.2倍と1.4倍の間、例えば植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸のモル量の1.3倍である。
上記の実施形態との関連で、塩基添加ステップにおいて添加される第1塩基の量が植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸のパーセンテージから計算され得ることに留意すべきである。遊離脂肪酸のこのパーセンテージを推定または計算することができ、またはそのパーセンテージは測定データと推定の組合せであり得る。さらに、測定には、例えば、植物性脂肪組成物から抽出された水相におけるpH値を測定することによるその植物性脂肪組成物のpH値の測定も、例えば、含まれ得る。
一実施形態によれば、第1中和ステップにおいて植物性脂肪組成物に添加される第1塩基の量は、その植物性脂肪組成物中の遊離脂肪酸の重量パーセント単位の濃度を第1遊離脂肪酸濃度として測定および/または推定し、次に第1遊離脂肪酸濃度の数値に対して0.3と0.9の間、例えば0.6を加えることによって第2遊離脂肪酸濃度を計算し、次に計算された第2遊離脂肪酸濃度に相当する第1塩基の量を計算することによって分かる。あるいは、酸の濃度が遊離脂肪酸の濃度を置換するように他の酸の濃度を援用することができる。例として、第1遊離脂肪酸濃度は、例えば、9.5重量パーセントであると測定および/または推定され得る。次に、例えば、上記に従って0.6を第1遊離脂肪酸濃度の数値に加えることによって、すなわち0.6を9.5に加えることによって第2遊離脂肪酸濃度を計算することができ、それによって10.1パーセントの第2遊離脂肪酸濃度を得ることができる。これから相当する第1塩基の量を計算することができる。
本発明の実施形態によれば、塩基添加ステップにおいて植物性脂肪組成物に添加される第1塩基の量は1キログラムの植物性脂肪組成物に対して1gと500gの間、例えば5gと50gの間、例えば11gと22gの間、例えば14.7gと18.4gの間である。
例えば、第1塩基の上述の量は例えばNaOHの50(重量/重量)%水溶液として添加され得る。次に、上記の量は1キログラムの植物性脂肪組成物に対して2gと1000gの間、例えば10gと100gの間、例えば22gと44gの間に相当し、1キログラムの植物性脂肪組成物に対して例えば27gと39gの間、例えば29.4gと36.8gの間に相当する。しかしながら、遊離脂肪酸の量は異なるバッチの植物性脂肪組成物で異なり得ることに留意すべきである。したがって、植物性脂肪組成物に添加される第1塩基の量はそれに応じて変わることがあり得、第1塩基の上述の量は上記の実施形態に従う様々な濃度の遊離脂肪酸を範囲とし得る。
本発明の実施形態によれば、第2塩基はNaOHの水溶液を含んでなる。
あるいは、第2塩基は別の形態、例えば、結晶形態のNaOH(水酸化ナトリウム)を含んでなり得、または第2塩基は適切な形態、例えば、水溶液の他の適切な塩基を含んでなり得る。そのような他の適切な塩基は好ましくは食品適合性強塩基であり得、KOH(水酸化カリウム)、または水酸化リチウム(LiOH)、または炭酸リチウム(Li2CO3)、または水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、または水酸化バリウム(Ba(OH)2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、または他の適切な塩基を含み得る。
本発明の実施形態によれば、第2塩基は50(重量/重量)%のNaOHの水溶液を含んでなる。
あるいは、第2塩基の濃度は5(重量/重量)%と90(重量/重量)%の間、例えば10(重量/重量)%と70(重量/重量)%の間、例えば15(重量/重量)%と65(重量/重量)%の間、例えば15(重量/重量)%と60(重量/重量)%の間、例えば15(重量/重量)%と55(重量/重量)%の間、好ましくは20(重量/重量)%と50(重量/重量)%の間であり得る。
本発明の実施形態によれば、第2中和ステップにおいて第1画分に添加される第2塩基のモル量は第1画分中の遊離脂肪酸のモル量の0.5倍と3倍の間、例えば第1画分中の遊離脂肪酸のモル量の0.8倍と2倍の間、例えば第1画分中の遊離脂肪酸のモル量の1倍と2倍の間、例えば第1画分中の遊離脂肪酸のモル量の1.2倍と1.4倍の間、例えば第1画分中の遊離脂肪酸のモル量の1.3倍である。
一実施形態によれば、第2中和ステップにおいて第1画分に添加される第2塩基の量は、第1画分中の遊離脂肪酸の重量パーセント単位の濃度を第1遊離脂肪酸濃度として測定および/または推定し、次に第1遊離脂肪酸濃度の数値に対して0.3と0.9の間、例えば0.6を加えることによって第2遊離脂肪酸濃度を計算し、次に計算された第2遊離脂肪酸濃度に相当する第2塩基の量を計算することによって分かる。あるいは、酸の濃度が遊離脂肪酸の濃度を置換するように他の酸の濃度を援用することができる。例として、第1遊離脂肪酸濃度は、例えば、9.5重量パーセントであると測定および/または推定され得る。次に、例えば、上記に従って0.6を第1遊離脂肪酸濃度の数値に加えることによって、すなわち0.6を9.5に加えることによって第2遊離脂肪酸濃度を計算することができ、それによって10.1パーセントの第2遊離脂肪酸濃度を得ることができる。これから相当する第2塩基の量を計算することができる。
例えば、第1画分に添加される第2塩基の量は第1画分中の遊離脂肪酸のパーセンテージから計算され得る。
本発明の実施形態によれば、第2中和ステップにおいて第1画分に添加される第2塩基の量は1キログラムの提供された植物性脂肪組成物に対して0.1と2の間、例えば0.45gと0.9gの間、例えば0.6gと0.75gの間である。
例えば、第2塩基の上述の量は例えばNaOHの50(重量/重量)%水溶液として添加され得る。次に、上記の量は1キログラムの提供された植物性脂肪組成物に対して0.2と4の間、例えば0.9gと1.8gの間、例えば1.2gと1.5gの間に相当する。
本発明の実施形態によれば、石鹸分離ステップは、塩基添加植物性脂肪組成物から鹸化遊離脂肪酸を分離するために鹸化遊離脂肪酸を有する塩基添加植物性脂肪組成物を遠心分離することを含んでなる。
鹸化遊離脂肪酸が遊離脂肪酸と比べて塩基添加植物性脂肪組成物中で溶けにくく、且つ、遊離脂肪酸と比べて水中で溶けやすく、さらに、例えば水中に溶かされた鹸化遊離脂肪酸は塩基添加植物性脂肪組成物と異なる比質量を有するという事実が、塩基添加植物性脂肪組成物から鹸化遊離脂肪酸を遠心分離することによって利用される。
本発明の実施形態によれば、石鹸分離ステップは塩基添加植物性脂肪組成物の洗浄を含んでなる。
これは好ましくは水を用いる洗浄であり得る。さらに、1つの実施形態では、塩基添加植物性脂肪組成物は2回または数回洗浄される。また、鹸化遊離脂肪酸は遊離脂肪酸と比べて水中で上昇した溶解性を有し、塩基添加植物性脂肪組成物中で低下した溶解性を有するという事実が利用される。
好ましくは、洗浄は好ましくは塩基添加植物性脂肪組成物の遠心分離の後に1回または数回実施される。すなわち、洗浄は遠心分離の後である。
本発明の実施形態によれば、石鹸分離ステップは塩基添加植物性脂肪組成物の乾燥を含んでなる。
塩基添加植物性脂肪組成物の乾燥は、1つの実施形態によれば、水分含量を低下させることを意味する。1つの実施形態によれば、塩基添加植物性脂肪組成物の乾燥は塩基添加植物性脂肪組成物の洗浄の後に実施される。エステル交換酵素の満足な、経済的に費用効果がある寿命を維持し、一方でジグリセリドの生産を同時に最小限にすることによって高価なエステル交換された植物性脂肪組成物の価値低下を避けながら、それらのエステル交換酵素によりエステル交換されるように処理ステップによって塩基添加植物性脂肪組成物を改変することが、塩基添加植物性脂肪組成物の水分含量を正しいレベルまで調整することにより保証され得る。さらに、塩基添加植物性脂肪組成物の乾燥によってこの塩基添加植物性脂肪組成物、第2画分、エステル交換済み第1画分、および/または他のあらゆる画分またはそれらの製品の有効期間を延長することができる。これは、例えば、低水分含量に起因する加水分解の防止または阻害によるものであり得る。一層さらに、そのような脂肪の漂白ステップの効率は、例えば、水分含量に起因する漂白土の凝集の防止によって著しく上昇する。
好ましくは、塩基添加植物性脂肪組成物の洗浄の後に乾燥が実施され、その洗浄は好ましくは塩基添加植物性脂肪組成物の遠心分離の後に実施される。
本発明の実施形態によれば、第1酸はクエン酸を含んでなる。
好ましくは、第1酸は例えば水溶液または固形物または結晶形態の形態であるクエン酸である。あるいは、第1酸は他の酸、例えばイソクエン酸、アコニット酸、およびプロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸、カルバリル酸)、または別の弱有機酸、例えばシュウ酸または酢酸、または他の弱酸を含み得る。
本発明の実施形態によれば、第1酸は1(重量/重量)%と90(重量/重量)%の間の濃度、例えば5(重量/重量)%と80(重量/重量)%の間の濃度、例えば10(重量/重量)%と60(重量/重量)%の間の濃度、例えば15(重量/重量)%と40(重量/重量)%の間の濃度、例えば15(重量/重量)%と30(重量/重量)%の間の濃度、例えば18(重量/重量)%と25(重量/重量)%の間の濃度、例えば20(重量/重量)%のクエン酸の水溶液を含んでなる。
本発明の実施形態によれば、第1画分に添加される第1酸の量は1000キログラムの第1画分毎に10gと200gの間、例えば20gと100gの間、例えば67gと60gの間、例えば65gである。
これは例えば酸、例えば、クエン酸などの20(重量/重量)%水溶液として添加され得る。次に、上記の量は1000キログラムの第1画分に対して50gと1000gの間、例えば100gと500gの間、例えば200gと300gの間、例えば250gに対応する。しかしながら、第1酸の量はそれより多くても少なくてもよい。過剰量の第1塩基は第1塩基の材料浪費を引き起こすだけであり得ること、すなわち幾つかの実施形態では第1塩基の量が鹸化遊離脂肪酸の遊離脂肪酸への満足のゆく変換に対応する閾値を超えたときにその量が特別な調整を必要としなくてよいことに留意すべきである。
本発明の実施形態によれば、第1酸は低減化植物性脂肪組成物中のあらゆる残留鹸化遊離脂肪酸を遊離脂肪酸に転換する。
上記の実施形態の利点は、分画能力を低下させて、または分画を完全に停止させてそのような石鹸残留物で目詰まりしたフィルターを交換または掃除することになり得る分画フィルターの目詰まりを起こさない最適化された方法で分画ステップを実施することができることである。したがって、残留鹸化遊離脂肪酸、すなわち少量の鹸化遊離脂肪酸を遊離脂肪酸に転換または変換することが利点である。残留鹸化遊離脂肪酸または少量の鹸化遊離脂肪酸は、例えば総体積に対する、または遊離脂肪酸の初期量に対する、すなわち例えば塩基添加植物性脂肪組成物中の石鹸分離ステップ前の遊離脂肪酸の量に対する低い濃度を意味する。
本発明の実施形態によれば、クエン酸の残留物は第2塩基を添加することにより除去される。
上記の実施形態の利点は、前記酵素の寿命が鹸化遊離脂肪酸の残留物の遊離脂肪酸への変換または転換の後に残っているクエン酸を除去することによって増加することである。その結果、前記酵素の充分に長い寿命を同時に有しながらフィルターの目詰まりを起こさずに効果的に分画が実施され得ることが容易になる。一実施形態では、酸の除去は酸の非酸、例えば塩への転換または変換を意味し得る。
本発明の実施形態によれば、中和済み第1画分中のクエン酸の濃度は第2塩基の添加後に10重量ppmよりも低い、例えば5重量ppmよりも低い、例えば2重量ppmよりも低い、例えば1重量ppmよりも低い、例えば0.75重量ppmよりも低い、例えば0.5重量ppmよりも低い、例えば0.3重量ppmよりも低い、例えば0.2重量ppmよりも低い、例えば0.1重量ppmよりも低い、例えば0.05重量ppmよりも低い、例えば0.3重量ppmよりも低い、例えば0.2重量ppmよりも低い、例えば0.01重量ppmよりも低い。
クエン酸の上述の濃度によってクエン酸の濃度または溶解したクエン酸、すなわち塩の形態のクエン酸と対照的なクエン酸の濃度が理解されるものとする。
本発明の実施形態によれば、中和済み第1画分中の酸の濃度は2回目の中和後に100gの第1画分当たり10mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり5mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり2mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり1mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.75mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.5mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.3mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.2mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.1mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.05mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.3mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.2mmolよりも低く、例えば100gの第1画分当たり0.01mmolよりも低い。
酸の上述の濃度によって酸の濃度または溶解した酸、すなわち塩の形態の酸と対照的な酸の濃度が理解されるものとする。したがって、上述の濃度は中和済み第1画分または中和済み第1画分から抽出された水相のpH値に関してよく理解され得る。
本発明の実施形態によれば、中和済み第1画分は完全に中和されている。
1つの実施形態では中和済み第1画分は、水相が中和済み第1画分の植物性脂肪から抽出される場合に前記水相が例えばpH値に関して、または遊離脂肪酸の濃度に関して中和されることを意味し得る。しかしながら、完全に中和したという用語が抽出された水相が中性または塩基性のpH値を有することとして理解されるように、または遊離脂肪酸の鹸化が完全である、または少なくとも実質的に完全である、例えば少なくとも80(重量/重量)%、例えば少なくとも90(重量/重量)%、例えば少なくとも95(重量/重量)%、例えば少なくとも98(重量/重量)%、例えば少なくとも99(重量/重量)%であるように過剰量の第1塩基が添加され得ることが理解されるべきである。しかしながら、そのような過剰量の第1塩基は中和済み第1画分からの脂肪の喪失を引き起こすことがあり得、したがってそのような過剰量の第1塩基は可能であれば最小限にされるべきである。
本発明の実施形態によれば、エステル交換活性を有する前記酵素は1,3−特異的酵素である。
さらなる実施形態によれば、前記酵素はリパーゼ、例えば、1,3−特異的リパーゼである。そのような1,3−特異的リパーゼの例は例えばリゾプス・デレマ(Rhizopus delemar)、ムコール・ミヘイ(Mucor miehei)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、リゾプス・アリズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、ムコール・ジャバニクス(Mucor javanicus)、リゾプス・ジャバニクス(Rhizopus javanicus)、リコムコール・ミゼイ(Rhicomucor miezei)、およびリゾプス・オキシゼ(Rhizopus oxyzae)のリパーゼであり得る。他の1,3−特異的リパーゼを使用してもよい。
本発明の実施形態によれば、中和済み植物性脂肪を乾燥する追加ステップは第2中和ステップ後で酵素性エステル交換ステップの前に実施される。
一実施形態によれば、乾燥は水分含量を低下させることを意味する。
本発明の実施形態によれば、前記処理はカリテンを除去する追加ステップを含んでなる。
カリテンを除去する追加的ステップは本発明に従う方法で植物性脂肪またはその画分からカリテンを除去することとして理解されるものとする。カリテンを除去するこのステップは有利なことに石鹸残留物除去ステップの後であって分画ステップの前に、または分画ステップの後であって第2中和ステップの前に実施され得る。すなわち、カリテンは好ましくは中和済み植物性脂肪組成物から、または第1画分から除去される。カリテンは様々な適切な方法により除去され得る。
本発明は、上記の実施形態のうちのいずれかに従って植物性脂肪組成物を処理するための系であって、
遊離脂肪酸除去装置と前記分離ステップの分離を実施するための分離機ユニットを含んでなる共通処理ライン、
前記第1画分の供給に適合しており、且つ、前記分離ユニットに接続されている第1流出口、
前記第2画分の供給に適合しており、且つ、前記分離ユニットに接続されている第1処理ラインであって、
前記第2中和ステップにおいて前記第2塩基を添加するための第2塩基注入口、および
前記酵素性エステル交換ステップにおいてエステル交換を実施するための反応システム
を含んでなる前記第1処理ライン
を含んでなる前記系にさらに関する。
処理ラインという用語はシステム、サブシステム、および/または処理装置もしくは処理ユニットのラインを指すことに留意すべきである。処理装置または処理ユニットは共に処理ラインを形成する。これらは好ましくは、所与の処理装置または処理ユニットにその出力物を次の装置またはユニットへ送達させる連続的または非断続的処理ライン、例えば、ポンプ輸送による液体または部分的に液体の植物性脂肪または油の移動を可能にする配管による接続として直接的に接続され得る。しかしながら、処理ラインは分離させられた装置、ユニット、または処理サブラインとして理解されてもよく、その場合は所与の装置またはユニットの出力物は次の装置、ユニット、またはサブラインに手作業で移動される。さらに、上記の装置またはユニットは連続的に、またはバッチ法で、またはそれらの組合せで動作することができる。そのような処理ラインは好ましくは同じ施設に位置することができるが、そのような処理ラインは幾つかの施設にわたって拡大してよく、中間製品がそのような施設の間で輸送されることが理解されるものとする。また、処理ラインは中間製品の貯蔵のための1つ以上の貯蔵タンクを含むことができる。言い換えると、処理ラインは本発明の実施形態に従う植物性脂肪組成物の処理を実行するために構成された一連の処理器材として理解され得る。
分離機ユニットは好ましくは本発明のどの実施形態にも従って分画を実施するための分画ユニットであり、すなわち好ましくは分別晶出作用を実施するように改変されている。
本発明の実施形態によれば、前記遊離脂肪酸除去装置は
前記塩基添加ステップにおいて前記第1塩基を添加するための第1塩基注入口、
前記石鹸分離ステップにおいて鹸化遊離脂肪酸を分離するための石鹸分離機、および
前記石鹸残留物除去ステップにおいて前記第1塩基を添加するための第1酸注入口
を含んでなる。
本発明の実施形態によれば、遊離脂肪酸除去装置は前記第1中和ステップにおいて遊離脂肪酸を分離するための蒸留ユニットを含んでなる。
本発明の実施形態によれば、前記第1流出口が第2処理ラインの一部分を形成し、前記第2処理ラインが第2ココアバター代用脂を得るために前記第2画分をパーム油中融点画分と混合するための混合ユニットを含んでなる。
前記第2画分をパーム油中融点画分と混合することによって高価な第2ココアバター代用脂を得ることができる。
本発明の実施形態によれば、前記第1処理ラインは第1ココアバター代用脂を得るために前記エステル交換済み第1画分をパーム油中融点画分と混合するための混合ユニットをさらに含んでなる。
前記エステル交換済み第1画分をパーム油中融点画分と混合することによって高価な第1ココアバター代用脂を得ることができる。
また、本発明はシア脂肪を処理する方法に関し、前記処理はエステル交換ステップの前に加工済み脂肪を中和するステップを含んでなる。
その結果、エステル交換処理全体の費用効率を上昇させることが可能である。
本発明の実施形態によれば、シア脂肪の中和は石鹸残留物除去ステップの後に実施される。
シア脂肪プロセス流中の石鹸残留物を除去するために酸を添加した後に中和することに特に利点が有る。
本発明の実施形態によれば、前記中和済み第1画分は上記の実施形態のうちのいずれかの方法に従って前記酵素性エステル交換ステップの前に中和される。
次に本発明は図面を参照して説明される。
本発明の実施形態に従う方法を示す図である。 本発明の実施形態に従う方法を示す図である。 本発明の実施形態に従う方法を示す図である。 本発明の実施形態に従う方法を示す図である。 本発明の実施形態に従う方法を示す図である。 実施形態に従う酵素の半値質量を示す図である。 本発明の実施形態に従うシステムを示す図である。 本発明の実施形態に従うシステムを示す図である。
図1を参照して本発明の実施形態を例示する。その実施形態によって多数のステップを含んでなる植物性脂肪組成物VCFの処理過程が提供される。まず、植物性脂肪組成物VCFを処理に供給する。次に、第1中和ステップFNSにおいて遊離脂肪酸FFAを除去し、それによって中和済み植物性脂肪NVFを得る。前述のステップが実施された場合、中和済み植物性脂肪組成物NVFは分離ステップFRA、好ましくは分画においてStOOおよび/またはOOOに富む第1画分FFとStOStに富む第2画分SFに分離される。第2塩基SBを第1画分FFに添加することによって中和済み第1画分NFFを得る。酵素性エステル交換ETEを実施するエステル交換活性を有する酵素を含んでなる反応システムにこの中和済み第1画分NFFを供給し、その後に最終的にその反応システムからエステル交換済み第1画分TFFを得る。
上記の実施形態の第1中和ステップFNSは別の実施形態によれば多数の二次ステップを含んでなり得、それらの二次ステップが図2に例示されている。塩基添加ステップBASにおいて遊離脂肪酸を鹸化するために第1塩基FBを植物性脂肪組成物VCFに添加し、塩基添加植物性脂肪組成物BAFを得る。塩基添加植物性脂肪組成物BAFから鹸化遊離脂肪酸SFAを例えば遠心分離および/または洗浄によって分離することで遊離脂肪酸FFAを除去し、続いて任意により塩基添加植物性脂肪組成物BAFを乾燥する。最終的に、鹸化遊離脂肪酸の残留物を遊離脂肪酸に変換または転換するために第1酸FACを遊離脂肪酸低減化植物性脂肪FARに添加する。
次に図3を参照して第1中和ステップFNSとして蒸留ステップDISが用いられる実施形態を例示する。ここでは、遊離脂肪酸FFAを除去するために蒸留ステップDISにおいて植物性脂肪組成物VFCを蒸留し、それによって中和済み植物性脂肪組成物NVFを得る。次にこの中和済み植物性脂肪組成物NVFを前述の実施形態に従って処理する。
次に図4を参照して本発明の実施形態を例示する。最初にシア脂肪1である植物性脂肪組成物を供給する。この実施形態の処理に供給される前にシア脂肪1を精製および/または純化してよい。最初にある量の第1水酸化ナトリウム水溶液2である第1塩基をシア脂肪1に添加する。あるいは、別の塩基を例えば水溶液として添加してよい。第1水酸化ナトリウム水溶液2はシア脂肪1中の遊離脂肪酸と反応してこれらの遊離脂肪酸を鹸化する。すなわち、これらの遊離脂肪酸を石鹸に転換する。この反応を塩基添加ステップ3と呼ぶことができる。この塩基添加ステップ3は水中の遊離脂肪酸の水溶性を上昇させる。次に鹸化遊離脂肪酸または石鹸5を石鹸分離ステップ4によって除去する。このステップ4は石鹸5を分離するためのシア脂肪1の遠心分離と後続の水による1回または数回のシア脂肪1の洗浄を含んでなる。最終的にシア脂肪1を乾燥する、すなわちシア脂肪1の水分含量を低下させる。次に、遠心分離および洗浄4によって除去されなかったシアオイル1中の残留鹸化遊離脂肪酸の遊離脂肪酸への変換または転換を実施するためにある量のクエン酸の水溶液6である第1酸をシア脂肪1に添加する。次にシア脂肪1をカリテン除去ステップ8の対象とし、そのステップでカリテン10を除去することができる。次にカリテン10が分離されたシア脂肪1を分画11の対象としてStOOおよび/またはOOOに富むオレイン画分14である第1画分とStOStに富むステアリン画分13である第2画分にする。この分画は溶媒12、例えば、ヘキサンを添加し、融点よりもずっと上までシア脂肪1を加熱し、晶出化によりオレイン画分14からステアリン画分13を分離することによってなされ得る。分画11の後に溶媒12が画分13、14から除去されることが理解されるものとする。分画される11シア脂肪1中の低濃度の遊離脂肪酸のために、この分画11を効果的に実施することができる。遊離脂肪酸の含量が多すぎる場合、カリテンが分離されたシア脂肪1の晶出化特性を著しく変えることがあり得、分画11が効果的でなくなる。したがって、塩基添加ステップ3により遊離脂肪酸を除去することによって晶出化特性に関連してその分画が可能になる。さらに、石鹸分離ステップ4とその後のクエン酸6を添加する石鹸残留物除去ステップ7によりシア脂肪1が石鹸を含まないものになるため、分画処理11において使用されるフィルターまたは他の器材の目詰まりを起こすことなく分画11を効果的に実施することができる。次にオレイン画分14を第2中和ステップ15の対象とし、そのステップで第2水酸化ナトリウム水溶液16である第2塩基を添加する。この第2中和15はオレイン画分14中の酸、例えばクエン酸6または他の酸の濃度を低下させる。最終的にオレイン画分14は、オレイン画分14にある量の漂白土17を添加する漂白ステップ18の対象とされる。その後、不純物19、例えば、鹸化遊離脂肪酸および他の不純物を有する漂白土を濾過20により除去する。次に中和済みオレイン画分14を酵素性エステル交換処理21に投入し、その処理においてその画分が酵素性エステル交換ステップ21に添加されたエステル交換活性を有する酵素およびステアリン酸メチル22と接触する。その結果、分画11から得られるシアオレイン画分14と比べて著しく増加したStOStの含量を有するエステル交換されたシアオレイン23を得る。
図5を参照して本発明の実施形態を例示する。まず、植物性脂肪組成物1を処理に供給する。第1塩基2を植物性脂肪組成物1に添加し、それによって第1中和3を得て植物性脂肪組成物1中の遊離脂肪酸を石鹸5、すなわち鹸化遊離脂肪酸に転換する。これらの石鹸5を石鹸分離ステップ4によって植物性脂肪組成物1から分離する。その石鹸分離ステップは例えば遠心分離ステップ、水を用いて洗浄するステップ、および乾燥ステップを含んでなり得る。しかしながら、石鹸5の残留物は植物性脂肪1の中に残ることがあり得る。第1酸6を植物性脂肪1に添加することによって石鹸5のこれらの残留物を遊離脂肪酸に変換する。この石鹸残留物除去ステップ7の後に植物性脂肪1は石鹸を実質的に含まず、低濃度の遊離脂肪酸を有するだけである。そのような植物性脂肪1は分画11に適切であり、したがって植物性脂肪1が高融点を有するステアリン画分13と低融点を有するオレイン画分14に分画される11。すなわち、オレイン画分14はステアリン画分13と比べて比較的に低い融点を有する。オレイン画分14はStOOおよび/またはOOOに富むことがあり得るが、一方、ステアリン画分13はStOStに富むことがあり得る。次に第2塩基16をオレイン画分13に添加して第2中和15を促進し、その塩基がそのオレイン画分中の第1酸6および/または他の酸を中和する。最終的にエステル交換活性を有する酵素とオレイン画分13を接触させることによりオレイン画分13を酵素性エステル交換18の対象とする。酵素性エステル交換処理18はStOStの相対含量を増加させ、植物性油と前記酵素との間の接触時間が長くなるほど、StOStへの変換の程度がエステル交換された植物性油19において高くなり得る。
図7を参照して本発明の実施形態を例示する。この実施形態によって上記の実施形態のうちのいずれかに従う植物性脂肪組成物VFCを処理するための系が説明される。その系は共通処理ラインCPL、第1処理ラインFPL、および第2処理ラインSPLを含んでなる。共通処理ラインCPLは遊離脂肪酸除去装置FFRを含んでなる。この遊離脂肪酸除去装置は1つの実施形態では前記塩基添加ステップBASにおいて前記第1塩基FBを添加するための第1塩基注入口FBI、前記石鹸分離ステップにおいてSSS鹸化遊離脂肪酸SFAを分離するための石鹸分離機SS、および前記石鹸残留物除去ステップSRRにおいて前記第1酸FACを添加するための第1酸注入口FAIを含んでなり得る。共通処理ラインCPLは前記分画ステップFRAの分画を実施するための分画ユニットFUをさらに含んでなる。第1処理ラインFPLは前記第1画分FFの供給に適合しており、前記分画ユニットFUに接続される。第2処理ラインSPLは前記第2画分SFの供給に適合しており、前記分画ユニットFUに接続される。第2処理ラインSPLは前記第2中和ステップSNSにおいて前記第2塩基SBを添加するための第2塩基注入口SBIと前記酵素性エステル交換ステップETEにおいてエステル交換を実施するための反応システムRSを含んでなる。
図8を参照して本発明の別の実施形態を例示する。ここでは、植物性脂肪組成物VFCを共通処理ラインCPL中の遊離脂肪酸除去装置FFRにおいて処理し、その処理ラインでは遊離脂肪酸除去装置FFRは蒸留ステップDISにおいて植物性脂肪組成物VFCを蒸留して分離済み遊離脂肪酸FFAと中和済み植物性脂肪組成物NVFを得るための蒸留ユニットDIUを含んでなる。次に前述の実施形態に従う処理器材において中和済み植物性脂肪組成物NVFを処理することができる。
実施例1
20キログラム(kg)の精製シアオイル(シア脂肪)を供給する。そのシアオイルの半分(第1半量)を他方の半分(第2半量)から分離して2つの化学的に等価のシアオイル部を供給する。
実施例2
実施例1に由来する10キログラム(kg)のシアオイル(第1半量)を処理に供給する。294gの50(重量/重量)%のNaOHの水溶液をそのシアオイルに添加し(第1中和)、その後で1.73kgの石鹸をそのシアオイルから分離している。その後、2.50gの20(重量/重量)%のクエン酸の水溶液をそのシアオイルに添加している。後続の分画において4.37kgのシアオレインと4.19kgのシアステアリンを得ている。12gの50(重量/重量)%のNaOHの水溶液を4.37kgのシアオレインに添加する(第2中和)。最終的に中和済みシアオレインを漂白土により漂白して第1シアオレイン部を供給する。
実施例3
実施例1に由来するシアオイルの2つ目の半量を1つ目の半量と同様の、第2中和ステップを除いただけの実施例2に従う方法の対象とする。その結果、第2シアオレイン部を得る。
実施例4
実施例3に由来する第1シアオレイン部と実施例2に由来する第2シアオレイン部の変換効率はGC(ガスクロマトグラフィー)法によりそれらの産物中のメチルエステル組成物を測定することにより判定される。前記エステル交換酵素によって処理された、すなわち変換されたオレインの量が第1エステル交換構成FSUにおける第1シアオレイン部について、および第2エステル交換構成SSUにおける第2シアオレイン部について測定されており、そこでは第2エステル交換構成SSUは第1エステル交換構成FSUと同一である。それら2つの構成についての正規化された変換効率が図6に示されている。そのデータから半値質量、すなわち変換率が半分まで低下する前に処理され得るシアオレインの量が決定される。これらの半値質量は第1構成FSUと第2構成SSUについてそれぞれ5398と3787の酵素単位質量当たりのオレイン単位質量である。すなわち、この実験は、第2構成SSUと比べて第1構成FSUにおいて半値質量が43%増加することを示している。それら2つの構成FSU、SSUにおける酵素活性の絶対半減期は規模拡大に応じて変化し得るが、それら2つの半値質量間の比率は工業規模の生産に有効であると結論付けられる。
VFC.植物性脂肪組成物
FB.第1塩基
FNS.第1中和ステップ
NVF.中和済み植物性脂肪組成物
SSS.石鹸分離ステップ
SFA.鹸化遊離脂肪酸
FAR.低減化植物性脂肪組成物
FAC.第1酸
SRR.石鹸残留物除去ステップ
FRA.分画ステップ
FF.第1画分
SF.第2画分
SNS.第2中和ステップ
NFF.中和済み第1画分
ETE.酵素性エステル交換ステップ
SAS.ステアリン酸供給源
TFF.エステル交換済み第1画分
FFA.遊離脂肪酸
DIS.蒸留ステップ
BAS.塩基添加ステップ
BAF.塩基添加植物性脂肪組成物
FBI.第1塩基注入口
CPL.共通処理ライン
FPL.第1処理ライン
SPL.第2処理ライン
FAI.第1酸注入口
FU.分画ユニット
SBI.第2塩基注入口
RS.反応システム
FFR.遊離脂肪酸除去装置
1.シア脂肪
2.第1水酸化ナトリウム溶液
3.塩基添加ステップ
4.遠心分離および洗浄
5.鹸化遊離脂肪酸
6.クエン酸
7.鹸化遊離脂肪酸の遊離脂肪酸への変換
8.カリテン除去ステップ
10.カリテン
11.分画
12.溶媒
13.ステアリン画分
14.オレイン画分
15.第2中和ステップ
16.第2水酸化ナトリウム溶液
17.漂白土
18.漂白ステップ
19.漂白土および不純物
20.濾過
21.酵素性エステル交換
22.ステアリン酸メチル
23.酵素性エステル交換済みシアオレイン

Claims (24)

  1. 植物性脂肪組成物(VFC)を処理するための方法であって、
    前記植物性脂肪組成物(VFC)を提供するステップ、
    第1中和ステップ(FNS)において前記植物性脂肪組成物(VFC)から遊離脂肪酸を分離することによって、中和済み植物性脂肪組成物(NVF)を得るステップ、
    分離ステップ(FRA)において前記中和済み植物性脂肪組成物(NVF)をStOOおよび/またはOOOに富む第1画分(FF)とStOStに富む第2画分(SF)(式中、Stはステアリン酸であり、Oはオレイン酸である)に分離するステップ、
    第2中和ステップ(SNS)において前記第1画分(FF)に第2塩基(SB)を添加することによって中和済み第1画分(NFF)を得るステップ、
    1,3−特異的エステル交換活性を有する酵素によって前記中和済み第1画分(NFF)をエステル交換する酵素性エステル交換ステップ(ETE)に前記中和済み第1画分(NFF)とステアリン酸供給源(SAS)を供給することによって、エステル交換済み第1画分(TFF)を得るステップ、
    を含んでなる、方法。
  2. 前記第1中和ステップ(FNS)が、
    塩基添加ステップ(BAS)において第1塩基(FB)を前記植物性脂肪組成物(VFC)に添加することによって、塩基添加植物性脂肪組成物(BAF)を得るステップ、
    石鹸分離ステップ(SSS)において前記塩基添加植物性脂肪組成物(BAF)から鹸化遊離脂肪酸(SFA)の形態の遊離脂肪酸を分離することによって、遊離脂肪酸の含量が低減した低減化植物性脂肪組成物(FAR)を得るステップ、および
    石鹸残留物除去ステップ(SRR)において第1酸(FAC)を前記低減化植物性脂肪組成物(FAR)に添加することによって、前記中和済み植物性脂肪組成物(NVF)を得るステップ、
    を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1中和ステップ(FNS)が前記植物性脂肪組成物(VFC)から遊離脂肪酸(FFA)を蒸留することによって、中和済み植物性脂肪組成物(NVF)を得る蒸留ステップ(DIS)を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1中和ステップ(FNS)が前記蒸留ステップ(DIS)の前に第1酸(FAC)を前記植物性脂肪組成物(VFC)に添加することをさらに含んでなる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1中和ステップ(FNS)が前記蒸留ステップ(DIS)の前に前記植物性脂肪組成物(VFC)を漂白することをさらに含んでなる、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記植物性脂肪組成物(VFC)がシア脂肪を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記中和済み第1画分(NFF)が漂白される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記分離ステップ(FRA)が分画ステップ(FRA)を伴う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記石鹸分離ステップ(SSS)が、前記塩基添加植物性脂肪組成物(BAF)から前記鹸化遊離脂肪酸(SFA)を分離するために前記鹸化遊離脂肪酸(SFA)を有する前記塩基添加植物性脂肪組成物(BAF)を遠心分離することを含んでなる、請求項2および6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記石鹸分離ステップ(SSS)が、前記塩基添加植物性脂肪組成物(BAF)の洗浄を含んでなる、請求項2および6〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記石鹸分離ステップ(SSS)が、前記塩基添加植物性脂肪組成物(BAF)の乾燥を含んでなる、請求項2および6〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第1酸(FAC)が、クエン酸を含んでなる、請求項2および4〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記第1酸(FAC)が、前記低減化植物性脂肪組成物中のあらゆる残留鹸化遊離脂肪酸(FAR)を遊離脂肪酸に転換する、請求項2および4〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. クエン酸の残留物が、前記第2塩基(SB)を添加することにより除去される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 中和済み第1画分(NFF)が、完全に中和されている、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. エステル交換活性を有する前記酵素が、1,3特異的酵素である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記中和済み植物性脂肪(NFV)を乾燥する追加ステップが、前記第2中和ステップ(SNS)後で前記酵素性エステル交換ステップ(ETE)前に実施される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記処理がカリテンを除去する追加ステップを含んでなる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の植物性脂肪組成物(VFC)を処理するためのシステムであって、
    遊離脂肪酸除去装置(FFR)と前記分離ステップ(FRA)の分離を実施するための分離機ユニット(FU)を含んでなる共通処理ライン(CPL)、
    前記第1画分(FF)の供給に適合しており、且つ、前記分離ユニット(FU)に接続されている第1流出口(FOP)、
    前記第2画分(SF)の供給に適合しており、且つ、前記分離ユニット(FU)に接続されている第1処理ライン(FPL)であって、
    前記第2中和ステップ(SNS)において前記第2塩基(SB)を添加するための第2塩基注入口(SBI)、および
    前記酵素性エステル交換ステップ(ETE)においてエステル交換を実施するための反応システム(RS)
    を含んでなる前記第1処理ライン(FPL)
    を含んでなる、システム。
  20. 前記遊離脂肪酸除去装置(FFR)が
    前記塩基添加ステップ(BAS)において前記第1塩基(FB)を添加するための第1塩基注入口(FBI)、
    前記石鹸分離ステップ(SSS)において鹸化遊離脂肪酸(SFA)を分離するための石鹸分離機(SS)、および
    前記石鹸残留物除去ステップ(SRR)において前記第1酸(FAC)を添加するための第1酸注入口(FAI)
    を含んでなる、請求項19に記載の植物性脂肪組成物(VFC)を処理するためのシステム。
  21. 前記第1流出口(FOP)が第2処理ライン(SPL)の一部分を形成し、前記第2処理ライン(SPL)が、ココアバター代用脂を得るために前記第1画分(FF)をパーム油中融点画分と混合するための混合ユニットを含んでなる、請求項19または20に記載の植物性脂肪組成物(VFC)を処理するためのシステム。
  22. 前記第1処理ライン(FPL)が、ココアバター代用脂を得るために前記エステル交換済み第1画分(TFF)をパーム油中融点画分と混合するための混合ユニットをさらに含んでなる、請求項19〜21のいずれか一項に記載の植物性脂肪組成物(VFC)を処理するためのシステム。
  23. シア脂肪を処理する方法であって、処理が、シア脂肪を供給し、前記シア脂肪を請求項6に記載の方法により処理するステップ、その処理された脂肪をエステル交換ステップの前に第2中和ステップにおいて中和するステップを含んでなり、前記シア脂肪の中和が石鹸残留物除去ステップの後に実施されることを特徴とする方法。
  24. 前記中和済み第1画分(FF)が請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法に従って前記酵素性エステル交換ステップ(ETE)の前に中和される、請求項23に記載のシア脂肪を処理する方法。
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