JP6271658B1 - フランシス水車 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率向上を図ることができるフランシス水車を提供する。【解決手段】クラウンと、バンドと、それらの間に配置されて回転軸の周りに回転可能な複数のランナベーン3とを備えたフランシス水車を提供する。ランナベーン3は、外縁11から内縁12に至る流れ方向断面13が、上縁14から下縁15までのいずれかの位置において、ランナベーン3の回転方向R1とは反対の方向に凸状となる外側湾曲部17と、外側湾曲部17よりも内縁12側にあって回転方向R1に凸状となる内側湾曲部18とを有するS字形である。【選択図】図5

Description

本発明は、フランシス水車に関する。
フランシス水車は、クラウンと、バンドと、それらの間に配置されたランナベーンとを備えている(例えば、特許文献1を参照)。フランシス水車では、例えばランナベーンの角度(翼角度)、厚み、長さ等は水車効率に影響する。
特許第4094495号公報
しかしながら、フランシス水車は、一般に、水車効率については規定値を満たすことを指標として設計されているため、水車効率が最大化されているとはいえない場合がある。そのため、従来のフランシス水車では、水車効率の向上の余地があった。
本発明の一態様は、上記課題に鑑みなされたものであって、効率向上を図ることができるフランシス水車を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、クラウンと、バンドと、それらの間に配置されて回転軸の周りに回転可能な複数のランナベーンとを備え、前記ランナベーンの前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁までのいずれかの位置において、外縁から内縁に至る第1断面は、前記ランナベーンの回転方向とは反対の方向に凸状となる外側湾曲部と、前記外側湾曲部よりも前記内縁側にあって前記回転方向に凸状となる内側湾曲部とを有するS字形である、フランシス水車を提供する。
前記外縁から前記内縁までのいずれかの位置において、前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁に至る第2断面は、前記ランナベーンの回転方向とは反対の方向に凸状となるクラウン側湾曲部と、前記クラウン側湾曲部よりも前記バンド側にあって前記回転方向に凸状となるバンド側湾曲部とを有するS字形であることが好ましい。
前記第1断面は、少なくとも前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁までの距離に対する、前記クラウン側の縁からの距離の比率が0.5以上となる範囲において、前記外側湾曲部と前記内側湾曲部とを有するS字形であることが好ましい。
前記第1断面は、少なくとも前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁までの全範囲で、前記外側湾曲部と前記内側湾曲部とを有するS字形であることが好ましい。
本発明の一態様は、クラウンと、バンドと、それらの間に配置されて回転軸の周りに回転可能な複数のランナベーンとを備え、前記ランナベーンの外縁から内縁までの距離に対する、前記外縁からの距離の比率が0.1以上となるいずれかの位置において、前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁に至る第2断面は、前記ランナベーンの回転方向とは反対の方向に凸状となるクラウン側湾曲部と、前記クラウン側湾曲部よりも前記バンド側にあって前記回転方向に凸状となるバンド側湾曲部とを有するS字形である、フランシス水車を提供する。
前記外縁の形状は、直線状、または一方向に湾曲した形状とされていることが好ましい。
本発明の一態様によれば、ランナベーンの第1断面がS字形とされているため、水流の乱れ、局所的な高圧領域などを原因とする損失を抑制し、水車効率を高めることができる。
第1実施形態のフランシス水車のランナベーンの平面図である。 図1のランナベーンの斜視図である。 図1のランナベーンの側面図である。 図1のランナベーンを用いたフランシス水車の側面図である。 図1のランナベーンを示す斜視図である。 図1のランナベーンを子午面に投影した図である。 図1のランナベーンを示す斜視図である。 (A)図1のランナベーンの作用面における水流を示す図である。(B)図1のランナベーンの反作用面における水流を示す図である。 (A)従来のランナベーンの一例の作用面における水流を示す図である。(B)従来のランナベーンの一例の反作用面における水流を示す図である。 図1のランナベーンの表面の水流を示す図である。 従来のランナベーンの一例の表面の水流を示す図である。 図1のランナベーンの周囲を流れる水の圧力分布を示す図である。 従来のランナベーンの一例の周囲を流れる水の圧力分布を示す図である。 (A)図1のランナベーンの作用面における水の圧力分布を示す図である。(B)図1のランナベーンの反作用面における水の圧力分布を示す図である。 (A)従来のランナベーンの一例の作用面における水の圧力分布を示す図である。(B)従来のランナベーンの一例の反作用面における水の圧力分布を示す図である。 計算結果を示す図である。 第2実施形態のフランシス水車のランナベーンの側面図である。 図17のランナベーンを用いたフランシス水車の側面図である。 図17のランナベーンを示す斜視図である。 従来のフランシス水車のランナベーンの一例の斜視図である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際のフランシス水車における寸法関係とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のフランシス水車10のランナベーン3の平面図である。図2は、ランナベーン3の斜視図である。図3は、ランナベーン3の側面図である。図4は、ランナベーン3を用いたフランシス水車10の側面図である。図5は、ランナベーン3を示す斜視図である。図6は、ランナベーン3を子午面に投影した図である。なお、子午面は回転軸Axを含む面である。
図3および図4に示すように、フランシス水車10は、クラウン1と、バンド2と、それらの間に配置されて回転軸Axの周りに回転可能な複数のランナベーン3とを備えている。
フランシス水車10は、渦巻き状のケーシング(図示略)から供給された動力水が導入されることによって、ランナベーン3が回転軸Axの周りに回転し、連結された主軸5を通して駆動機(図示略)を駆動させることができる。
図1および図2に示すように、複数のランナベーン3は、回転軸Ax周りに間隔をおいて配置されている。
ランナベーン3の回転方向をR1という。回転軸Axに沿う方向を軸方向A1という。ランナベーン3の回転方向R1と反対側の面は、動力水が直接、作用する面であるため作用面3aという。ランナベーン3の回転方向R1側の面は、作用面3aとは反対の面であるため反作用面3bという。以下、回転軸Ax方向を上下方向とし、ランナベーン3に対してクラウン1側を上側とし、ランナベーン3に対してバンド2側を下側として各部の形状または位置関係を説明する場合がある。
ランナベーン3の形状について、図5および図6を参照して詳しく説明する。
図5に、ランナベーン3の外縁11から内縁12に至る流れ方向の断面(流れ方向断面13)(第1断面)を破線で示す。以下、流れ方向断面13について説明する。
図6に示すように、点P1,P2は、それぞれランナベーン3の外縁11および内縁12において、上縁14からの距離が同じ比率となる位置にある。すなわち、外縁11の全長L1に対する、点P1の上縁14からの距離L2の比率(L2/L1)と、内縁12の全長L3に対する、点P2の上縁14からの距離L4の比率(L4/L3)とは等しい。例えば、図6に示す点P1,P2は、比率(L2/L1)および比率(L4/L3)が0.5である点であり、それぞれ外縁11および内縁12の長さ方向の中央に位置する。比率(L2/L1),(L4/L3)は、0から1の任意の値をとることができる。
線B1は、点P1と点P2とを結ぶ線である。
点P3,P4は、それぞれ上縁14および下縁15において、外縁11からの距離が同じ比率となる位置にある。すなわち、上縁14の全長L5に対する、点P3の外縁11からの距離L6の比率(L6/L5)と、下縁15の全長L7に対する、点P4の外縁11からの距離L8の比率(L8/L7)とは等しい。例えば、図6に示す点P3,P4は、比率(L6/L5)および比率(L8/L7)が0.5である点であり、それぞれ上縁14および下縁15の長さ方向の中央に位置する。比率(L6/L5),(L8/L7)は、0から1の任意の値をとることができる。
線C1は、点P3と点P4とを結ぶ線である。線C1は、比率(L6/L5)(=比率(L8/L7))に応じて、外縁11および内縁12の形状に基づいて作成された線である。
例えば、比率(L6/L5)(=比率(L8/L7))が0のとき、線C1は外縁11に一致する。比率(L6/L5)が1のとき、線C1は内縁12に一致する。比率(L6/L5)が0を越え、1未満であるときには、線C1は、外縁11および内縁12に対して、比率(L6/L5)に応じた類似度を有する線となる。すなわち、線C1は、比率(L6/L5)が0.5未満なら外縁11に対する類似度が高い線となり、比率(L6/L5)が0.5なら外縁11と内縁12との中間の形状をもつ線となり、比率(L6/L5)が0.5を越えれば内縁12に対する類似度が高い線となる。
点P5は線C1上の点である。線C1の全長L9に対する、上縁14の点P3から点P5までの距離L10の比率(L10/L9)は、比率(L2/L1)が0から1のいずれの値をとる場合も比率(L2/L1)に等しくなる。
外縁11の点P1と内縁12の点P2とを結ぶ線B1は、比率(L6/L5)を0から1まで変化させたときに、点P5がたどる軌跡に沿う線である。例えば、図6に示す線B1は、比率(L10/L9)を一定値0.5として、比率(L6/L5)を0から1まで変化させたときの点P5の軌跡に沿う線である。
流れ方向断面13は、線B1に沿う断面である。比率(L10/L9)が0である場合、線B1は上縁14と一致する。比率(L10/L9)が1である場合、線B1は下縁15と一致する。
図5および図10に示すように、流れ方向断面13は、外縁11と内縁12とを結ぶ線(基準線19)に対して、回転方向R1とは反対の方向に凸状となる外側湾曲部17と、回転方向R1に凸状となる内側湾曲部18とを有するS字形とされている。
流れ方向断面13は、少なくとも上縁14から下縁15までのいずれかの位置において(すなわち、比率(L2/L1)(=比率(L4/L3))が0から1のいずれかの値をとるときに)前記S字形であればよい。
流れ方向断面13における外側湾曲部17の作用面3aの形状は湾曲凸状が好ましく、例えば円弧状、楕円弧状、放物線などであってよい。
内側湾曲部18は、外側湾曲部17よりも内縁12側に位置する。流れ方向断面13における内側湾曲部18の反作用面3bの形状は湾曲凸状が好ましく、例えば円弧状、楕円弧状、放物線などであってよい。
基準線19は、例えば、流れ方向断面13の展開図において、比率(L6/L5)(=比率(L8/L7))(図6参照)を0.5として、図6の点P5に相当する点P6(図10参照)と外縁11とを結ぶ直線19aと、点P6と内縁12とを結ぶ直線19bとからなる屈曲線である。
ランナベーン3は、少なくとも比率(L2/L1)が0.5以上となる範囲において、流れ方向断面13が外側湾曲部17と内側湾曲部18とを有するS字形であることが好ましい。
この構成によれば、ランナベーン3のバンド2側の部分(図5の下半分)は流れ方向断面13がS字形となる。動力水の量が少ない場合には、動力水は、主にランナベーン3のバンド2側の部分を流れるため、ランナベーン3のバンド2側の部分(図5の下半分)がS字形であると、動力水をS字形のランナベーン3に確実に作用させることができる。
ランナベーン3は、上縁14から下縁15にかけての全範囲で(すなわち、比率(L2/L1)が0から1のすべての値をとるときに)、流れ方向断面13がS字形であることが好ましい。この構成によれば、すべての動力水をS字形のランナベーン3に確実に作用させることができる。
図7に、図6の線C1に沿う断面を破線で示す。この断面は、流れ方向断面13に交差する方向の断面であるため、交差方向断面21(第2断面)という。
交差方向断面21は、上縁14から下縁15にかけて、上縁14と下縁15とを結ぶ線(基準線24)に対して、回転方向R1とは反対の方向に凸状となるクラウン側湾曲部22と、回転方向R1に凸状となるバンド側湾曲部23とを有するS字形とすることができる。
交差方向断面21は、少なくとも外縁11から内縁12までのいずれかの位置において(すなわち、比率(L6/L5)(図6参照)が0から1のいずれかの値をとるときに)前記S字形とすることができる。
交差方向断面21におけるクラウン側湾曲部22の作用面3aの形状は湾曲凸状が好ましく、例えば円弧状、楕円弧状、放物線などであってよい。
バンド側湾曲部23は、クラウン側湾曲部22よりもバンド2側に位置する。交差方向断面21におけるバンド側湾曲部23の反作用面3bの形状は湾曲凸状が好ましく、例えば円弧状、楕円弧状、放物線などであってよい。基準線24は、例えば、交差方向断面21の展開図において、上縁14と下縁15とを結ぶ直線である。
ランナベーン3は、外縁11から内縁12までの全範囲で(すなわち、比率(L6/L5)(図6参照)が0から1のすべての値をとるときに)、交差方向断面21が前記S字形であることが好ましい。この構成によれば、動力水をS字形のランナベーン3に確実に作用させることができる。
図8(A)は、ランナベーン3の作用面3aにおける水流を示す図である。図8(B)は、ランナベーン3の反作用面3bにおける水流を示す図である。
図8(A)および図8(B)に示すように、動力水W1は、作用面3aおよび反作用面3bのいずれにおいても、外縁11から内縁12に向けて、水流が過度に集合したり離散することなく、スムーズに流れていることがわかる。
図20は、従来のフランシス水車のランナベーン33の一例を示す斜視図である。ランナベーン33の流れ方向断面は、S字形ではなく、一方向に湾曲した形状となっている。ランナベーン33は、交差方向断面もS字形ではなく、一方向(回転方向R1)に湾曲した形状となっている。図20の符号34はランナベーン33の上縁であり、符号35はランナベーン33の下縁である。
図9(A)は、従来のランナベーン33の作用面33aにおける水流を示す図である。図9(B)は、ランナベーン33の反作用面33bにおける水流を示す図である。
図9(A)に示すように、動力水W1は、作用面33aにおいて、外縁31から内縁32に向けて、例えば集中点36で集中し、次いで広がる流れとなることがわかる。集中点36においては、損失が大きくなる可能性がある。
このように、図8(A)および図8(B)に示すように、S字形の流れ方向断面13を有するランナベーン3では、動力水W1の流れが乱れることがないため、損失を抑制し、水車効率を高めることができると考えられる。
図10は、ランナベーン3の表面の水流を示す図である。図10には、比率(L10/L9)(図6参照)が0.5であるときのランナベーン3の流れ方向断面13を示す。図11は、比較のため、従来のランナベーン33の表面の水流を示す図である。図11にはランナベーン33の流れ方向断面を示す。
図11に示すように、従来のランナベーン33では、作用面33aにおいて、特に外縁31に近い領域で動力水W1の流れに剥離が生じている。これに対し、図10に示すランナベーン3では、作用面3aにこのような剥離は生じていない。
これらの結果より、図10に示すランナベーン3では、水流の剥離を原因とする損失を抑制し、水車効率を高めることができると考えられる。
図12は、ランナベーン3の周囲を流れる水の圧力分布を示す図である。図13は、比較のため、従来のランナベーン33の周囲を流れる水の圧力分布を示す図である。ここでいう圧力とは静圧と動圧を含む全圧である。図12および図13では、圧力は濃淡で表されており、高い圧力は濃い色で表されている。
図13に示すように、従来のランナベーン33では、作用面33aにおいて、特に外縁31に近い領域で動力水W1の圧力が局所的に高い領域がある。これに対し、図12に示すランナベーン3では、作用面3aにこのような高圧領域は生じていない。
これらの結果より、図12に示すランナベーン3では、局所的な高圧領域を原因とする損失を抑制し、水車効率を高めることができると考えられる。
図14(A)は、ランナベーン3の作用面3aにおける水の圧力分布を示す図である。図14(B)は、ランナベーン3の反作用面3bにおける水の圧力分布を示す図である。図15(A)は、比較のため、従来のランナベーン33の作用面33aにおける水の圧力分布を示す図である。図15(B)は、ランナベーン33の反作用面33bにおける水の圧力分布を示す図である。これらの図において、高い圧力は濃い色で表されている。
図15(A)および図15(B)に示すように、従来のランナベーン33では、外縁31に近い高圧領域38は下部に偏っている。
これに対し、図14(A)および図14(B)に示すように、ランナベーン3では、高圧領域37は上下に広い範囲にわたっている。
これらの結果より、図14(A)および図14(B)に示すランナベーン3では、局所的な高圧領域を原因とする損失を抑制し、水車効率を高めることができると考えられる。
図16は、ランナベーン3を用いたフランシス水車10(図4参照)の水車効率E1と、図20に示す従来のランナベーン33を用いたフランシス水車の水車効率E2との差(E1−E2)(効率変化)の計算結果を示すグラフである。
図16に示すように、高出力(55MW)および低出力(36MW)のいずれの場合でも、ランナベーン3を用いたフランシス水車10において効率が高くなるという結果が得られた。特に、高出力(55MW)の場合には、ランナベーン3を用いた場合の効率向上の効果が大きいという結果となった。
以上説明したように、フランシス水車10では、ランナベーン3の流れ方向断面13がS字形とされているため、水流の乱れ、局所的な高圧領域などを原因とする損失を抑制し、水車効率を高めることができる。
また、フランシス水車10では、ランナベーン3の交差方向断面21がS字形とされていることにより、損失をさらに抑制し、水車効率を高めることができる。
(第2実施形態)
図17は、第2実施形態のフランシス水車40のランナベーン43の側面図である。図18は、ランナベーン43を用いたフランシス水車40の側面図である。図19は、ランナベーン43を示す斜視図である。
なお、第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
ランナベーン43の形状について、図17〜図19を参照して詳しく説明する。
図19に示すように、ランナベーン43の外縁51は、図5に示すランナベーン3の外縁11とは異なり、S字形ではなく、上縁14から下縁15にかけて、直線状、または一方向に湾曲した形状とされている。外縁51が一方向に湾曲した形状である場合には、外縁51は、例えば回転方向R1に凸状となる湾曲形状(円弧状、楕円弧状、放物線など)であることが好ましい。
ランナベーン43は、比率(L6/L5)(=比率(L8/L7))(図6参照)が0.1以上となるいずれかの位置において、交差方向断面61が、上縁14から下縁15にかけて、クラウン側湾曲部62と、バンド側湾曲部63とを有するS字形となる。クラウン側湾曲部62は、上縁14と下縁15とを結ぶ線(基準線64)に対して、回転方向R1とは反対の方向に凸状となる。バンド側湾曲部63は、基準線64に対して、回転方向R1に凸状となる。バンド側湾曲部63は、クラウン側湾曲部62よりもバンド2側に位置する。
ランナベーン43は、比率(L6/L5)(=比率(L8/L7))(図6参照)が0.1以上となるすべての範囲で前記S字形となるのが好ましい。この構成によれば、動力水を広い範囲でS字形のランナベーン43に作用させることができる。
クラウン側湾曲部62は、第1実施形態におけるクラウン側湾曲部22と同様の湾曲形状とすることができる。バンド側湾曲部63は、第1実施形態におけるバンド側湾曲部23と同様の湾曲形状とすることができる。
符号43aはランナベーン43の作用面であり、符号43bはランナベーン43の反作用面である。
交差方向断面61は、比率(L6/L5)(=比率(L8/L7))(図6参照)が、少なくとも0.2以上(好ましくは0.3以上)においてS字形であることが好ましい。
ランナベーン43の流れ方向断面は、第1実施形態におけるランナベーン3と同様に、少なくとも上縁14から下縁15までのいずれかの位置において(すなわち、比率(L2/L1)(=比率(L4/L3))が0から1のいずれかの値をとるときに)前記S字形であることが好ましい(図5参照)。
図19に示すランナベーン43を用いたフランシス水車40によれば、ランナベーン43の交差方向断面61は、比率(L6/L5)が0.1以上となるいずれかの位置でS字形とされている。これにより、損失を抑制し、水車効率を高めることができる。
さらに、フランシス水車40では、外縁51が直線状または一方向に湾曲した形状であるため、外縁51がS字形である場合に比べて、ランナベーン43の寸法を精度よく測定できる。よって、寸法検査が正確かつ容易となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における構成は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
例えば、図5に示すランナベーン3は、流れ方向断面13が外側湾曲部17と内側湾曲部18とを有するS字形とされ、かつ交差方向断面21がクラウン側湾曲部22とバンド側湾曲部23とを有するS字形とされているが、ランナベーンは、流れ方向断面が外側湾曲部と内側湾曲部とを有するS字形とされ、かつ交差方向断面がS字形ではない形状であってもよい。
また、図19に示すランナベーン43は、比率(L6/L5)が0.1以上となるいずれかの位置で交差方向断面61がS字形とされていれば、流れ方向断面の形状は特に限定されない。
ランナベーンの流れ方向断面(第1断面)は、ランナベーンの外縁から内縁に至る線であって、上縁からの距離が一定である線に沿う断面であってもよい。「上縁からの距離が一定である線」は、例えば、ランナベーンの上縁に沿う湾曲線である。流れ方向断面は、例えば、図6において、上縁14からの距離(例えばL2,L10、L4)が一定となる線に沿う断面であってよい。また、流れ方向断面は、図6において点P1と点P2を結ぶ直線に沿う断面であってもよい。
1…クラウン、2…バンド、3,43…ランナベーン、10,40…フランシス水車、11,51…外縁、12,52…内縁、13…流れ方向断面(第1断面)、14…上縁(クラウン側の縁)、15…下縁(バンド側の縁)、17…外側湾曲部、18…内側湾曲部、21,61…交差方向断面(第2断面)、22,62…クラウン側湾曲部、23,63…バンド側湾曲部、34…上縁、35…下縁、L5…上縁の全長、L7…下縁の全長、L6…(上縁における)外縁からの距離、L8…(下縁における)外縁からの距離、3a…作用面、3b…反作用面、R1…回転方向。

Claims (5)

  1. クラウンと、バンドと、それらの間に配置されて回転軸の周りに回転可能な複数のランナベーンとを備え、
    前記ランナベーンの前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁までのいずれかの位置において、外縁から内縁に至る第1断面は、前記ランナベーンの回転方向とは反対の方向に凸状となる外側湾曲部と、前記外側湾曲部よりも前記内縁側にあって前記回転方向に凸状となる内側湾曲部とを有するS字形である、フランシス水車。
  2. 前記外縁から前記内縁までのいずれかの位置において、前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁に至る第2断面は、前記ランナベーンの回転方向とは反対の方向に凸状となるクラウン側湾曲部と、前記クラウン側湾曲部よりも前記バンド側にあって前記回転方向に凸状となるバンド側湾曲部とを有するS字形である、請求項1に記載のフランシス水車。
  3. 前記第1断面は、少なくとも前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁までの距離に対する、前記クラウン側の縁からの距離の比率が0.5以上となる範囲において、前記外側湾曲部と前記内側湾曲部とを有するS字形である、請求項1または2に記載のフランシス水車。
  4. 前記第1断面は、少なくとも前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁までの全範囲で、前記外側湾曲部と前記内側湾曲部とを有するS字形である、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のフランシス水車。
  5. クラウンと、バンドと、それらの間に配置されて回転軸の周りに回転可能な複数のランナベーンとを備え、
    前記ランナベーンの外縁から内縁までの距離に対する、前記外縁からの距離の比率が0.1以上となるいずれかの位置において、前記クラウン側の縁から前記バンド側の縁に至る第2断面は、前記ランナベーンの回転方向とは反対の方向に凸状となるクラウン側湾曲部と、前記クラウン側湾曲部よりも前記バンド側にあって前記回転方向に凸状となるバンド側湾曲部とを有するS字形であり、
    前記外縁の形状は、直線状、または一方向に湾曲した形状とされている、フランシス水車。
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