以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明にかかるヘアードライヤの一例の側面図であり、図2は図1に示すヘアードライヤの断面図であり、図3は図1に示すヘアードライヤの分解斜視図であり、図4は図2に示すヘアードライヤをIV−IV線で切断した断面図である。図1に示すように本発明にかかるヘアードライヤAは、横長筒形状の本体ケース1と、本体ケース1の下部に形成されたハンドル取付部111にヒンジ部3を介して取り付けられたハンドル2(把持部)とを有している。そして、本体ケース1の後端部は空気を吸い込む吸込口101を構成しており、吸込口101には吸込みグリル12が設けられている。また、本体ケース1の前端部は空気を吐出する吐出口102を構成しており、吐出口102には吐出グリル13が設けられている。
図3に示すように、吸込みグリル12は、吸込みメッシュ121と、吸込みメッシュ121を押えるための吸込みリング122とを有している。吸込みメッシュ121は、吸込口101から空気が吸い込まれるとき、本体ケース1の内部空間100に異物が吸い込まれるのを抑制するために設けられている。吐出グリル13は、吐出メッシュ131と、吐出メッシュ131を押えるための吐出リング132とを有している。吐出メッシュ131は、本体ケース1の内部の部材(例えば外れたねじ等)が空気の流れとともに吐出されるのをよくせいする。また、また、使用者が誤って手指等を挿入し、内部の機器に触れるのを抑制する役割も果たしている。
図3に示すように、本体ケース1は、左ハウジング11Lと右ハウジング11Rとを有しており、左ハウジング11Lと右ハウジング11Rとを組み合わせる構成を有している。また、ハンドル2も本体ケース1と同様、左ハンドルカバー21Lと右ハンドルカバー21Rとを有している。左ハウジング11Lと右ハウジング11Rとを組み合わせたのち、ハンドル取付部111の左右両サイドから、それぞれ左ハンドルカバー21L及び右ハンドルカバー21Rを組み合わせる。そして、ねじ20を左右ハウジング11L及び11R、左右ハンドルカバー21L及び21Rを貫通させ、先端部を螺合することで、本体ケース1とハンドル2とが回動可能に連結される。これにより、ハンドル2はねじ20を中心に回動する。
左右ハウジング11L及び11R、左右ハンドルカバー21L及び21Rは、ABS等の樹脂で形成されている。これにより、本体ケース1やハンドル2に熱が伝わりにくく、本体ケース1やハンドル2にふれても痛みを感じたり、火傷をしたりするのを抑制することができる。
また、ハンドル2の先端部には、電源供給のための電源ケーブルPcが設けられている。電源ケーブルPcは、左ハンドルカバー21Lと右ハンドルカバー21Rに挟まれることで保持される保持部Ctの内部を通過するように配置されている。
左ハウジング11Lと右ハウジング11Rを組み合わせることで、本体ケース1の上部に円柱状の内部空間100が形成される。そして、図2、図3に示すように、本体ケース1の内部の内部空間100には、ファン14(送風部)、モータ15、ヒータ5(加熱部)、ヒータ基板6(基板)、断熱スリーブ7(断熱筒部)及びイオン発生ユニット8(イオン発生部)が設けられている。ファン14は複数枚(ここでは、3枚)のプロペラを有する軸流送風機であり、内部空間100の最も吸込口101に近い部分に配置されている。ファン14は円筒状のファンケース141の内部に回転可能に配置されておりモータ15からの回転力によって回転する。ファン14が回転することで、本体ケース1の内部空間100に軸方向正面側に向かう空気の流れ(以下、気流と称する場合がある)が発生する。
ファンケース141には、径方向に延びるとともに周方向に等間隔に並べられた複数個のフィンが設けられている。このフィンは、モータ15を支持するとともに、ファン14で発生した空気の流れ(旋回流)をファン14の回転方向に揃える役割を果たしている。
図3に示すように、モータ15は、ファンケース141にモータ用緩衝部材151を介して配置されている。モータ用緩衝部材151は、モータ15の駆動時の振動等を抑制するものである。
本体ケース1の内部の内部空間100のモータ15の正面側には、ヒータ5が取り付けられるヒータ基板6が配置されている。図2、図3に示すように、ヒータ5が配置されたヒータ基板6が本体ケース1の内部の内部空間100に配置された筒状の断熱スリーブ7の内部に取り付け固定される。これにより、ヒータ5は断熱スリーブ7の内部に、断熱スリーブ7に接触しないように取り付けられる。
ヒータ5は内部空間100の軸方向に厚みを有する金属線(ニクロム線等)をヒータ基板6にらせん状に巻回した形状を有している。このような金属線に電流を流すことで、ジュール熱により発熱させ、近接している空気を加熱する。そして、図4に示すように、ヒータ5は周方向に周期的に配置された波型に形成されている。このように、波型に形成されていることで、通過する空気との接触面積を増やし、空気を効率よく加熱している。
断熱スリーブ7には、内面に密着するように取り付けられた断熱コーン71が取り付けられている。断熱スリーブ7は例えば樹脂で形成されており、断熱コーン71はマイカで形成されている。このような、断熱スリーブ7及び断熱コーン71が取り付けられていることで、ヒータ5の熱が外部に到達するのを抑制している。これにより、空気の加熱効率を高めるとともに、本体ケース1の外面が高温になるのを抑制し、使用者が触れても痛みを感じたり、火傷してしまったりするのを抑制している。なお、断熱スリーブ7のみで十分な断熱効果を得ることができる場合、断熱コーン71を省略することが可能である。また、断熱スリーブ7と断熱コーン71の間に隙間を形成するようにしてもよい。断熱スリーブ7と断熱コーン71の間の隙間が空気の層を形成し、断熱性をより高めることが可能となる。
断熱スリーブ7は正面側に行くにしたがって小径になるようなテーパー形状を有しており、本体ケース1の正面端部に到達している。断熱スリーブ7は、テーパー状に形成されており、内部を流れる気流の流速を高めている。断熱スリーブ7の背面側の端部はファンケース141が連結している。そして、ファンケース141の背面側には吸込みグリル12が取り付けられており、断熱スリーブ7の正面側の端部には吐出グリル13が取り付けられている。すなわち、吸込みグリル12、ファンケース141、断熱スリーブ7及び正面グリル13は、本体ケース1の軸方向に気密に連結されており、通風路16を形成している。
本体ケース1の正面側の端部近傍の上部には、イオン発生ユニット8が設けられている。イオン発生ユニット8は、本体80と、イオンを発生するプラス電極81と、マイナス電極82とを備えている。イオン発生ユニット8の本体80は、断熱スリーブ7の上部に配置されており、プラス電極81及びマイナス電極82が、断熱スリーブ7の内部に向かって突出している。イオン発生ユニット8を吐出口102の近くに配置することで、発生したイオンが本体ケース1の内部の部材に付着し、消滅してしまうのを抑制できる。これにより、ヘアードライヤAは、一定量のイオンを含む気流を安定して吐出することができる。
また、図2に示しているように、ハンドル2自体及び本体ケース1のハンドル2の近傍には、第1スイッチSw1、第2スイッチSw2及び第3スイッチSw3が備えられている。第1スイッチSw1は、スライドスイッチであり、ヘアードライヤAの入/切の切替えやモータ15の回転数を調整し、空気の流量を調整するスイッチである。第2スイッチSw2は押しボタンスイッチであり、スイッチを押したときに吐出口102から冷風が吐出されるようにするスイッチである。つまり、第2スイッチSw2はヒータ5の入/切を切り替えるスイッチである。第3スイッチSw3はイオンの発生を切り替えるスイッチである。第1スイッチSw1、第2スイッチSw2及び第3スイッチSw3をハンドル2又はハンドル2の近くに配置することで、使用者の利便性を高めることが可能である。なお、各スイッチによる動作は一例であり、これに限定されるものではない。
(第1実施形態)
次に、本発明にかかるヘアードライヤの要部であるヒンジ部3の詳細について図面を参照して説明する。図5は本発明にかかるヘアードライヤの右ハンドルカバーを取り外した状態を示す図であり、図6は本発明にかかるヘアードライヤの右ハンドルカバーを示す図であり、図7は本発明にかかるヘアードライヤの節度部の分解斜視図である。また、図8は本発明にかかるヘアードライヤのハンドルが使用位置にあるときの節度部を示す部分断面図であり、図9は本発明にかかるヘアードライヤのハンドルが収納位置にあるときの節度部を示す部分断面図である。また、図10は本発明にかかるヘアードライヤの左ハンドルカバーを取り外した状態を示す図であり、図11は本発明にかかるヘアードライヤの左ハンドルカバーを示す図である。
ヘアードライヤAにおいて、ハンドル2はヒンジ部3を介して、本体ケース1に取り付けられている。ハンドル2は、使用者の操作によって、本体ケース1の気流の流れ方向と交差するように持ち上げた使用位置P1(図8参照)と、本体ケース1に沿う位置に収納した収納位置P2(図9参照)との間を回動する。ヒンジ部3は、ハンドル2の位置を使用者に節度感で知らせる節度部301(図5〜図9参照)と、ハンドル2が可動範囲を超えて回動されるのを抑制するための回動規制部302(図10、図11参照)とを備えている。
まず節度部301について説明する。図5、図6に示すように節度部301は、ハンドル2を把持している使用者に対して、節度感、すなわち折り曲げ動作時にクリック感をか感じさせる構成であり、本体ケース1の右ハウジング11Rと右ハンドルカバー21Rとに設けられている。節度部301は、右ハンドルカバー21Rに一体的に形成された節度リブ31(節度係合部)、節度リブ31の内部に設けられる節度ピン32、本体ケース1の右ハウジング11Rに取り付けられるハンドルリング4(係合体)とを有している。
節度リブ31は、中央部分をねじ20が貫通するとともにハンドルリング4が回動可能に挿入される円筒状のリブである。節度リブ31は、円柱状の節度ピン32を保持するピン保持部310を備えている。図6に示すように、ピン保持部310は、内周部の一部に不連続部分を有するとともに外部に向かって張り出した形状を有している。ピン保持部310は不連続部分で節度リブ31と連結されている。ピン保持部310は節度ピン32の外周面の一部が、節度リブ31の内側に突出するように節度ピン32を保持している。
そして、節度部301では、節度ピン32の節度リブ31の内周面から内側に突出する部分を第1係合部311としている。なお、節度ピン32として、ここでは金属(ステンレス、アルミ合金、、真鍮等)で形成されているものとしているが、これに限定されない。例えば、セラミック等の耐摩耗性の高い材料を広く採用することができる。また、節度リブ31は、中心を挟んで対称となる位置にピン保持部310が設けられている。ピン保持部310は、ハンドル2が使用位置P1(図8参照)にあるとき、ハンドルリング4の後述する凸部41が係合し、ハンドル2の回動を制限する位置に形成されている。
節度リブ31の内周面には、第1係合部311から周方向に一定間隔離れた位置に、内側に向かって突出した(傾斜した)第2係合部312が設けられている。第2係合部312も中心を挟んで対向する部分に2個設けられている。なお、第2係合部312は、節度リブ31と一体で形成されており、節度リブ31、すなわち、右ハンドルカバー21Rと同じ樹脂で形成されている。
第2係合部312は、ハンドル2が収納位置P2(図9参照)にあるとき、ハンドルリング凸部41が係合し、ハンドル2の回動を制限する位置に形成されている。なお、第2係合部312の節度リブ31の内側に突出する突出量は、第1係合部311の突出量よりも少なく形成している。第1係合部311及び第2係合部312の詳細については、後述する。
図5、図8、図9に示すように、右ハウジング11Rのヒンジ部3を構成する部分にはハンドルリング4が取り付けられるリング取付部30が形成されている。リング取付部30は長円(楕円)形状を有しており、長手方向の両端部にハンドルリング4と係合するようになっている。
ハンドルリング4は、円環形状を有する部材であり、ここでは、POM(ポリアセタール樹脂)で形成されている。なお、ハンドルリング4の構成材料としては、POMに限定されるものではなく節度ピン32との間で摺動性が高く弾性変形可能な材料(各種エンジニアリングプラスティック等)を広く採用することができる。ハンドルリング4は、2個の半円状の弾性変形部42をリング状に組み合わせた形状を有しており、弾性変形部42の境界部分の内周面には内側に突出する係合部43が設けられている。そして、弾性変形部42の中間部分には、外周面から外側に突出する凸部41が設けられている。
図6に示すように、ハンドルリング4は係合部43をリング取付部30の長手方向の端部に係合することで、右ハウジング11Rに取り付けられる。ハンドルリング4をリング取付部30に取り付けたとき、弾性変形部42とリング取付部30との間には隙間が形成される。この隙間は、凸部41が押されたとき、弾性変形部42が変形しつつ退避する部分となる。
図7に示すように、右ハンドルカバー21Rの節度リブ31のピン保持部310に節度ピン32を取り付ける。また、右ハウジング11Rのリング取付部30にハンドルリング4を取り付ける。そして、ハンドルリング4の少なくとも一部が節度リブ31の内部に配置されるように、右ハウジング11Rに右ハンドルカバー21Rを取り付ける。このとき、節度リブ31とハンドルリング4とは中心軸が重なるように配置されており、右ハンドルカバー21R(ハンドル2)をヒンジ部3(ねじ20)周りに回動させると、節度リブ31がハンドルリング4の回りを回動する。
ハンドル2が使用位置P1にあるときについて説明する。ハンドル2が本体ケース1の下部から下方に向かって延びる位置にあるとき、使用者がヘアードライヤAの操作が容易になる。そのため、ハンドル2を本体ケース1かに対して交差するように回動した位置を使用位置P1としている。また、ヘアードライヤAをコンパクトに収納するため、ハンドル2を本体ケース1に沿うように回動させた位置を収納位置P2としている。以下の説明では、使用位置P1及び収納位置P2と表示する場合、この位置と同じものとする。
図8に示すように、ハンドル2が使用位置P1にあるとき、右ハンドルカバー21Rに設けられている節度リブ31の第1係合部311は、ハンドルリング4の凸部41と係合している。図8において、ハンドル2は、左回り(反時計回り)に回転することで使用位置P1から収納位置P2に回動する。節度リブ31は右ハンドルカバー21Rと同期して回転するため、節度リブ31も反時計回りに回転する。このとき、節度リブ31の第1係合部311は回動が規制されるように、ハンドルリング4の凸部41と係合される。これにより、ハンドル2は収納位置P2への回動が規制される。
ハンドル2を一定以上の力で回動させると、凸部41は曲面状に形成されているため、同じく曲面状に突出している第1係合部311に周方向に押されることで、その力は径方向内側に作用する。第1係合部311が凸部41を周方向に押す。凸部41は弾性変形部42の中央に設けられているため、凸部41が径方向に押されと、弾性変形部42が変形し、凸部41が径方向内側に移動する。これにより、第1係合部311が凸部41を通過することができるようになる。このことからも、ハンドル2は弾性変形部42の弾性力によって使用位置P1に保持されていることがわかる。
第1係合部311が凸部41を周方向に乗り越えると、凸部41が第1係合部311から押されなくなるので、弾性変形部42が弾性力によりもとの形状に戻る。このとき、凸部41が節度リブ31に衝突し、ハンドル2を把持している使用者は節度感(クリック感)を感じる。この節度感によって、使用者はハンドル2が使用位置P1から収納位置P2側に回動している(使用位置P1からずれた)ことを認識できる。
ハンドル2が収納位置P2側に回動されると、節度リブ31がハンドルリング4に対して回転する。これにより、第2係合部312がハンドルリング4の凸部41に接近する。図9に示すように、第2係合部312は、周方向に傾斜した形状を有しているため、凸部41が徐々に径方向に押される。これにより、弾性変形部42も徐々に変形し、第2係合部312の端部が凸部41を超えたとき、凸部41が第2係合部312から押されなくなるので、弾性変形部42が弾性力によりもと形状に戻る。このとき、凸部41が節度リブ31に衝突し、ハンドル2を把持している使用者に節度感を発し、使用者は節度感によってハンドル2の収納位置P2への回動が完了したことを認識する。第2係合部312が凸部41と係合することで、ハンドル2の収納位置P2から使用位置P1への回動が規制される。
また、ハンドル2が収納位置P2から使用位置P1に移動するときは、上述の逆である。すなわち、第2係合部312が凸部41を乗り越える。そして、ハンドル2が使用位置P1に近づくと、凸部41が第1係合部311に押され、弾性変形部42がハンドルリング4の内側に向かって変形する。そして、第1係合部311が凸部41を乗り越えると、弾性変形部42が元の位置に戻るときに、凸部41が節度リブ31に接触し、節度感を出力する。
ハンドル2が使用位置P1にあるとき、使用者はハンドル2を把持して、ヘアードライヤAを使用するため、ヒンジ部3にかかる力が大きくなる。ハンドル2がぐらついたり、ずれたりするのを抑制するため、ハンドル2が使用位置P1にあるときハンドル2がしっかり回動規制されていることが好ましい。そのため、ハンドル2が使用位置P1にあるとき、凸部41と第1係合部311とがしっかり係合するようになっている。
また、ハンドル2が収納位置P2にあるとき、使用者がハンドル2を把持してヘアードライヤAを使用することはほとんどない。そして、使用者はヘアードライヤAを使用する場合、必ずハンドル2を使用位置P1に移動させるものであるため、軽い力で回動できることが好ましい。そのため、ハンドル2は自重等で勝手に回動しない程度に回動規制がなされている。
これらのことより、ヘアードライヤAでは、凸部41としっかり係合する必要がある第1係合部311の突出量を、緩い係合でよい第2係合部312の突出量に比べて大きくなるように構成されている。また、突出量が異なることで、第1係合部311又は第2係合部312が凸部41を乗り越えるのに必要な力も異なる。そして、突出量が多い第1係合部311と凸部41とが係合しているときの方が、第2係合部312と係合しているときに比べて移動に要する力が大きくなる。このことから、ヘアードライヤAでは、ハンドル2が使用位置P1にあるとき、収納位置P2にあるときよりも強い力で回動規制している。ヘアードライヤAでは、使用時にハンドル2を持って操作するとき、ヒンジ部3に大きな力が作用するため、使用時にハンドル2が使用者の意に反して収納位置P2に回動するのを抑制できる。一方、第2係合部312の突出量を第1係合部311に比べて小さくすることで、収納位置P2にあるハンドル2を簡単に使用位置P1方向に回動させることが可能となる。
さらに、第1係合部311又は第2係合部312が凸部41を乗り越えるとき、第1係合部311又は第2係合部312は凸部41に押し付けられている状態となっている。そして、この状態で、第1係合部311又は第2係合部312は凸部41に対して摺動するため、摩擦力が大きくなり、それぞれの部材の摩耗が大きくなる。
ハンドルリング4は、上述のとおり金属製の節度ピン32に対して摺動性が高いPOM等の樹脂で形成されている。そのため、節度ピン32と凸部41との摺動性が高く、凸部41は摩耗しにくい。一方、右ハンドルカバー21Rと同じ材料で形成されている第2係合部312はABS樹脂等の樹脂材料で形成されている。そして、ABS樹脂とPOMとの接触は金属ピンとの接触に比べて摩擦が大きい。そのため、第2係合部312の突出量を第1係合部311よりも小さくし、第2係合部312と凸部41との摩擦を低減することで、摩耗を抑制している。
また、ハンドルリング4が取付部43を結ぶ線で線対称となるように弾性変形部42及び凸部41を設けていることで、弾性変形部42が変形するときにハンドルリング4に作用する力が相殺される。これにより、ハンドル2の回動時にハンドルリング4に作用する力が偏るのを抑制することが可能である。
なお、上述しているような利点があるため、第1係合部311と第2係合部312では、突出量が異なるように形成しているが、同じ突出量であってもよい。
ハンドル2が可動域(使用位置P1から収納位置P2の間の領域)の外側に向かって移動するように操作される可能性がある。ヘアードライヤAでは、ハンドル2のこのような動作による不具合を抑制するため、ヒンジ部3が回動規制部302を備えている。図10に示すように、本体ケース1の左ハウジング11Lのハンドル取付部111には凸形状の第1ストッパ331、第2ストッパ332を備えている。また、ヒンジ部3の回転中心を中心とし、周方向に延びる円弧上のガイド溝34が設けられている。
第1ストッパ331及び第2ストッパ332は、ヒンジ部3の回転中心から径方向に延びる当接面を有している。第1ストッパ331及び第2ストッパ332の当接面がヒンジ部3の回転中心を中心としてなす角度は、ハンドル2が使用位置P1と収納位置P2との間で回動するときの回動角度と同じである。
図11に示すように、左ハンドルカバー21Lは、内側に向かって突出した規制リブ35と、円柱形状の係合凸部36とを備えている。規制リブ35は、ハンドル2が使用位置P1にあるとき、第1ストッパ331の当接面と当接するようになっている。これにより、ハンドル2に使用位置P1よりもさらに開く方向(収納位置P2と反対方向)に回動させる力が作用しても、第1ストッパ331と規制リブ35との接触によってハンドル2の移動が規制される。
また、規制リブ35は、ハンドル2が収納位置P2にあるとき、第2ストッパ332の当接面と当接するようになっている。これにより、ハンドル2に収納位置P2よりもさらに閉じる方向(使用位置P1と反対方向)に回動させる力が作用しても、第2ストッパ332と規制リブ35との接触によってハンドル2の移動が規制される。
また、ハンドル2が使用位置P1と収納位置P2の間で回動するとき、係合凸部36はガイド溝34の内部に収納されている。このように係合凸部36がガイド溝34内を摺動する構成とすることで、ハンドル2の回動操作時に回動方向以外の移動(ぶれ等)が発生しにくくなり、ハンドル2の回動動作の精度が高くなる。
以上示したように、金属製の節度ピン32の一部をハンドルリング4の凸部41と係合する第1係合部311とすることで、凸部41と節度ピン32との摩擦による摩耗を低減することが可能である。そして、この節度ピン32をハンドル2が使用位置P1にあるとき、凸部41と接触するように配置していることで、使用位置P1にあるときのハンドル2のがたつきやぶれを抑制し、安全かつ快適な使用が可能、すなわち、使用者の利便性が高くなる。
(第2実施形態)
本発明にかかるヘアードライヤの他の例について図面を参照して説明する。図12は本発明にかかるヘアードライヤの右ハンドルカバーを取り外した状態を示す図であり、図13は本発明にかかるヘアードライヤの右ハンドルカバーを示す図であり、図14は本発明にかかるヘアードライヤの節度部の分解斜視図である。
図12、図13及び図14に示すようにヘアードライヤBの節度部301は、本体ケース1の右ハウジング11Rと右ハンドルカバー21Rとに設けられている。節度部301は、右ハウジング11Rに一体的に形成された節度凹部31b、節度凹部31bの内部に設けられる節度ピン32及び右ハンドルカバー21Rに取り付けられるハンドルリング4を有している。
節度凹部31bは、中央部分をねじ20が貫通するとともにハンドルリング4が回動可能に挿入される円柱状の凹部である。節度凹部31bは、円柱状の節度ピン32を保持するピン保持部310を備えている。図12に示すように、ピン保持部310は、節度凹部31bの内周部の一部に不連続部分を有するとともに節度凹部31bの外側に張り出した形状を有している。ピン保持部310は不連続部分で節度リブ31と連結されている。ピン保持部310は節度ピン32の外周面の一部が、節度リブ31の内側に突出するように節度ピン32を保持している。
このような構成を有するヘアードライヤBは、ハンドル2を回動するとき、ハンドル2と同期して、ハンドルリング4が回動する。そして、ハンドルリング4の凸部41は、節度凹部31bの内周面に沿って摺動する。凸部41が動作することで、凸部41は第1係合部311又は第2係合部312を乗り越える。この動作は、第1係合部311が凸部41を乗り越えたのち、第2係合部312が凸部41を乗り越えるヘアードライヤAの節度部301と実質同じであるため詳細な説明は省略する。また、本実施形態に示すヘアードライヤBの効果は、ヘアードライヤAと同じである。
なお、左右ハウジング11L及び11R、左右ハンドルカバー21L及び21Rの形状に応じて、節度ピン32及びハンドルリング4を取り付ける作業性が向上するように、節度ピン32及びハンドルリング4を取り付ける側の部材を選択するようにすればよい。
(第3実施形態)
本発明にかかるヘアードライヤの他の例について説明する。本発明にかかるヘアードライヤでは、ハンドル2が使用位置P1にあるとき凸部41が係合する第1係合部311、及び、ハンドル2が収納位置P2にあるとき、凸部41が係合する第2係合部312に節度ピン32を利用してもよい。
このとき、第1係合部311と第2係合部312の節度リブ31の内周面からの突出量は上述のように、第1係合部311が第2係合部312よりも大きくてもよいし、同じであってもよい。また、第1係合部311に利用する節度ピンと第2係合部312に利用する節度ピンは、同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。
このように形成することで、第1係合部311、第2係合部312及び凸部41、各部材の摩耗を抑制することが可能である。これにより、長期間にわたって、安全かつ快適に使用することができるヘアードライヤを提供することが可能である。
(第4実施形態)
本発明にかかるヘアードライヤについて図面を参照して説明する。本発明にかかるヘアードライヤは、イオン発生装置で発生したイオンを気流とともに吐出し、頭髪等の乾燥対象物に吹付けるものである。本発明にかかるヘアードライヤはイオンを含む気流をより確実に対象物に吹付けることができる構成を有している。
図15は本発明にかかるヘアードライヤのさらに他の例の断面図であり、図16は図15に示すヘアードライヤの上側から見た断面図である。図15、図16に示すヘアードライヤCは、ヒータ基板6c及び断熱スリーブ7cが異なる以外、図1等に示すヘアードライヤAと同じ構成を有している。そのため、ヘアードライヤAと実質同じ部分には、同じ符号を付してあるとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。また、図16において、本実施形態の構成では、イオン発生ユニット8の状態を示すため、整流部74に形成されているヒータ基板6cは省略している。
図15に示すように、断熱スリーブ7cは、内部にヒータ5を配置するためのヒータ配置部72と、ヒータ配置部73の下流側に設けられ内部を流れる空気の流速を増加させる流速増速部73と、内部の気流の整流を行う整流部74とを備えている。ヒータ配置部72は下流側に行くにしたがって緩やかに小さくなるテーパー形状を有している。そして、流速増速部73は上部が急激に狭くなるような傾斜を有している。そのため、流速増速部73を通過する気流は増速(加速)される。ヒータ配置部72も内径が緩やかに小さくなっているため、気流は流速増速部73よりも緩やかに増速される。
流速増速部73の傾斜部分は平面形状を有しており、流速増速部73の下流側に整流部74が連結している。整流部74は、上部に流速増速部73から連続して形成される平面部741を備えており、平面部741の上部にイオン発生ユニット8が配置されている。整流部74は平面部741を有しているため、断熱スリーブ7cの他の部分に比べて気流の流れ方向の断面積の減少が小さくなっている。
断熱スリーブ7cの内部には、ヒータ5が取り付けられたヒータ基板6cが配置されている。ヒータ基板6cは、断熱スリーブ7cを上下に分割する水平板部61(第1板部)と、断熱スリーブ7cを左右に分割する垂直板部62(第2板部)とを十字状に組み合わせた形状を有している。そして、水平板部61及び垂直板部62は、断熱スリーブ7c(の内周面に配置された断熱コーン71)の内周面に接触して配置されており、断熱スリーブ7cは、ヒータ基板6cによって、分割されている。
ヒータ基板6cの水平板部61は、断熱スリーブ7cの下流側の先端まで到達している。すなわち、断熱スリーブ7cはヒータ基板6cの水平板部61によって、上下に分割されている。図14に示すように、流速増速部73の水平板部61の上部は下部に比べて急激に断面積が小さくなっており、流速増速部73の水平板部61の上部では気流の流速が急激に増速する。そのため、流速増速部73の下流側に配置された整流部74において、水平板部61の上側の気流の流速は下側よりも速くなっている。
上述のとおり、イオン発生ユニット8は、整流部74の平面部741の上に配置されており、プラス電極81及びマイナス電極82は、断熱スリーブ7の整流部74の内部に向かって突出している。すなわち、イオン発生ユニット8は、断熱スリーブ7の整流部74の内部でイオンを発生するように配置されている。これにより、ヘアードライヤCは、流速が速い気流とともにイオンを遠くまで到達させることができる。
ヘアードライヤCにおいて、断熱スリーブ7c内部の気流はヒータ5を横切り、気流はヒータ5の電線によってせん断される。これにより、ヒータ5の下流では渦が発生しやすくなっており、気流が乱流になりやすい。そこで、ヘアードライヤCでは、断熱スリーブ7cのヒータ配置部72の下流側の整流部74で、気流を整流している。
そして、断熱スリーブ7cにおいて、気流は流速増速部73で増速される。乱流を整流するため、断熱スリーブ7cはヒータ配置部72の下流側に十分な長さを有する整流部74を配置している。なお、整流部74の長さとしては、例えば、断熱スリーブ7cのヒータ配置部72の約1/3以上、断熱スリーブ7cの吐出口の外径以上等とすることが好ましい。
また、整流部74では、水平板部61の上部が下部に比べ気流の流速が速くなっており、乱流を層流に遷移させる(整流する)ために必要な長さが異なる。そのため、垂直板部62は上下で異なる形状を有している。図14に示すように、水平板部61の上側に設けられた垂直板部62aは、水平板部61と同様に断熱スリーブ7cの下流側の先端まで到達している。一方、水平板部61の下側に設けられた垂直板部62bは、整流部74の途中までの形状となっている。
つまり、整流部74の水平板部61の上部では気流の流れが速いため、垂直板部62aを先端部まで伸ばし、整流部74の実質的な長さを確保している。そして、垂直板部62aを先端部まで伸ばすことで、イオン発生ユニット8のプラス電極81とマイナス電極82とが突出している空間を分離することが可能となっている。これにより、発生したイオンが結びついてすぐに中和されるのを抑制することが可能となっている。
また、整流部74の水平板部61の下部では気流の流れが遅いため、垂直板部62bを整流部74の途中までとし、十分に整流するとともに、垂直板部62bで左右に分割された領域を流れた空気を混合することで、ヘアードライヤCの吐出口102から吐出される空気の温度むらを抑制している。
本発明のヘアードライヤCにおいて整流部74は、水平板部61と垂直板部62(62a、62b)とで流路を4分割して整流を行っているが、これに限定されず、さらに多数に分割してもよい。一般的に気流を乱流から層流に遷移させる場合、流路を細かく分割したほうが短い流路で整流できることが知られている。一方で、分割数を増やすと、流路に対する仕切部材が占める割合が増え、圧力損失の原因となる場合もある。また、ヘアードライヤCでは、整流部74でイオン発生ユニット8によるイオンを注入する構成となっている。そのため、整流部74の分割数として、4分割〜8分割程度の分割数であることが好ましい。
本発明にかかるヘアードライヤCでは、整流部74を設けて気流の整流を確実に行うことができるため、乱流では到達しなかった頭髪の内部(地肌の近く)に気流を到達させることができ、乾燥の効率を高めることができる。これにより、乾燥の効率が高くなることで乾燥に要する時間が短くなり、エネルギ(電力)の消費量を減らすことができる(省エネルギ化が可能である)。また、頭髪が高温の気流と接する時間を短くすることができ、頭髪の乾燥時のダメージを減らすことができる。
また、断熱スリーブ7cの内部でイオンを発生させているので、別途イオンを発生させる流路を有する構成に比べて、無駄な流路を減らし、吐出口102から吐出られる気流の流量の減少を抑制することができる。また、無駄な流路を減らすことで、ヘアードライヤC自体を小型軽量化することが可能である。
(第5実施形態)
本発明にかかるヘアードライヤについて図面を参照して説明する。本発明にかかるヘアードライヤは、イオン発生装置で発生したイオンを気流とともに吐出し、頭髪等の乾燥対象物に吹付けるものである。本発明にかかるヘアードライヤはイオンを含む気流をより確実に対象物に吹付けることができる構成を有している。
図17は本発明にかかるヘアードライヤを軸に沿って切断した断面図であり。図18は図17に示すヘアードライヤをXVIII−XVIII線で切断した断面図である。図17、図18に示すヘアードライヤDはヒータ5dの形状が異なる以外、図1、図4等に示すヘアードライヤAと同じ構成を有している。そのため、ヘアードライヤAと実質同じ部分には、同じ符号を付してあるとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
図17に示すように、ヒータ5dは、ヒータ基板6に断熱スリーブ7内の気流の流れ方向に延びるらせん状に巻き回されている。ヘアードライヤDでは、ヘアードライヤAと同様、断熱スリーブ7の内部がヒータ基板6の水平板部61及び垂直板部62によって上下左右に分割(4分割)されている。このヒータ基板6によって分割された空間はそれぞれ気流が独立して流れ、各空間を流れた気流は断熱スリーブ7の下流側で混合される。
ヒータ5dは、モータ15に近い部分では、ヒータ基板6の水平板部61の上下で同じ或いはほぼ同じ形状を有しており、図4に示すヒータ5と同様の形状を有している(すなわち、水平板部61を挟んで対称な形状を有している)。一方、イオン発生ユニット8に近い部分では、水平板部61の上側は下側に比べて低くなっている。
つまり、ヒータ5dのイオン発生ユニット8に近い部分では、図18示すように、ヒータ5dの水平板部61の上側は横方向に長い楕円形又は楕円に近い形状を有している。ヒータ5dの水平板部61の下側は円形又は円形に近い形状を有している。すなわち、ヒータ5dのイオン発生ユニット8に近い部分では、水平板部61を挟んで非対称な形状を有している。
そして、ヒータ5dは波型に折り曲げられた板状の電線であり、各波型の幅(ここでは、ピッチPt1とする)は同じ(略同じ)となっている。そのため、イオン発生ユニット8の近傍においてヒータ5dは、水平板部61の上側が下側に比べて波形状が少なくなっている(図18では上側12個、下側18個)。すなわち、ヒータ5dは、水平板部61の上側に配置される長さが、下側に配置される長さに比べて短くなる。そのため、ヒータ5dの水平板部61の上側に配置されている部分で発生する熱は、下側に配置されている部分に比べて少なくなる。これにより、ヒータ5dからイオン発生ユニット8に伝わる熱量を減らすことができる。
また、ヒータ5dの水平板部61の上側に配置されている部分を横方向に長い形状とすることで縦方向の長さが小さく形成されている。そのため、断熱スリーブ7とヒータ5dとの隙間を小さくすることができ、空間を有効利用することが可能である。これにより、ヘアードライヤD(の本体ケース1)を小型化することが可能である。
以上のような構成のヒータ5dを備えることで、吐出口102の近傍にイオン発生ユニット8を配置した場合でも、ヒータ5dからイオン発生ユニット8に伝達される熱を減らすことが可能である。これにより、イオン発生ユニット8が加熱されるのを抑制することができ、ヘアードライヤDの吐出口102から吐出される気流の熱量を減らすことなく、一定量のイオンを含む気流を吐出することが可能である。これにより使用者の利便性が高くなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
本発明にかかるヘアードライヤは、内部に送風部と加熱部とを備えた本体ケースと、前記本体ケースに回動可能に取り付けられる把持部と、前記把持部の先端が前記本体ケースから最も離れた使用位置又は最も接近した収納位置にあるとき、前記把持部の回動を規制する節度部とを備え、前記節度部は前記本体ケース又は前記把持部の一方に設けられるとともに内側に向かって突出する第1係合部及び第2係合部を含む環状の内周面が形成された節度係合部と、前記本体ケース又は前記把持部の他方に固定される円環形状の係合体とを有しており、前記係合体は円環形状部と、前記円環形状部の径方向外側に突出するとともに径方向に弾性的に移動可能な凸部とを有しており、前記節度部は、前記把持部が前記使用位置にあるとき前記凸部が前記第1係合部と係合し、前記把持部が前記収納位置にあるとき前記凸部が前記第2係合部と係合することで把持部の回動を規制しており、前記第1係合部が、金属又はセラミックで形成されているとともに前記凸部と係合するように配置された節度ピンを有していることを特徴とする。
この構成によると、前記把持部が使用位置にあるとき、前記凸部と係合する前記第1係合部が金属又はセラミックで形成された節度ピンを用いており、前記凸部と前記節度ピンとが係合されるようになっている。このように構成されることで、前記第1係合部は前記把持部が回動するとき、前記凸部との摩擦による摩耗が発生しにくく、繰り返し使用した場合でも、前記凸部と前記第1係合部とがしっかり係合する。これにより、前記把持部が使用位置にあるとき、前記把持部のがたつきが抑制されるため、使用者が把持部を持ちながら振った場合でも、前記本体ケースがぶれにくい。このことから、使用者の利便性を高めることが可能である。
本発明にかかるヘアードライヤは、第2係合部の前記内周面から突出する突出量が、前記第1係合部の突出量よりも小さく形成されていてもよい。これにより、前記凸部と前記第2係合部との摩擦を低減することができ、前記凸部及び(又は)前記第2係合部の摩耗を低減することができる。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記第2係合部は前記節度係合部と一体的に形成されていてもよい。これにより、節度ピンを取り付ける作業を、第1係合部のみでよく、作業性を高めることができる。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記第2係合部は前記第1係合部と同様の金属又はセラミックで形成された節度ピンを有していてもよい。これにより、前記凸部と前記第1係合部及び前記第2係合部との摩擦を低減し、前記凸部、前記第1係合部及び前記第2係合部の摩耗を低減することができる。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記第2係合部は前記第1係合部と同様の金属又はセラミックで形成された節度ピンを有しており、前記第2係合部の節度ピンは、前記第1係合部の節度ピンよりも小型に形成されていてもよい。これにより、第1係合部と第2係合部の突出量を正確に調整することができる。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記節度部は、前記把持部の回動の中心に対して点対称形状を有していてもよい。これにより、前記係合体に作用する力が相殺されるため、前記係合体が取り付けられる部材に作用する力を低減することができる。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記係合体は前記節度ピンに対し摺動性が高い材料で形成されている。これにより、前記凸部の摩耗を低減することが可能である。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記本体ケースが、内部に前記加熱部を配置するとともに内部を前記送風部からの気流が通過する先細りテーパー形状の断熱筒部と、前記断熱筒部の内部に配置され前記加熱部を保持するとともに、前記断熱筒部を周方向に分割する基板とを備えており、前記断熱筒部の気流の流れ方向下流側の端部は、一方向に前記テーパー形状の勾配よりも急な勾配の傾斜部を有する流速増速部と、前記傾斜部と連続するとともに、気流の流れ方向に沿って延びる平面部を有する整流部とを備えており、前記前記平面部の外面側にはイオン発生部が設けられており、前記イオン発生部のイオンを発生する電極が、前記断熱筒部の整流部に突出している。
この構成によると、断熱筒部にイオン発生部を取り付けた構成となっているため、小型化、軽量化することが可能である。また、整流部で確実に整流した気流を吹き付けるため、気流が頭髪の内部に到達しやすく、それだけ、乾燥の効率を高めることができる。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記基板は十字状に組み立てられた第1板部と第2板部とを備えており、前記第1板部は前記平面部に沿うとともに、前記整流部全体を分割するように配置されており、前記第2板部は前記第1板部と交差するように設けられており、前記イオン発生部はプラス電極とマイナス電極とが前記第2板部を挟んで前記整流部に突出している。これにより、プラスに帯電したイオンとマイナスに帯電したイオンとが発生直後に結びつくのを抑制することができる。また、前記整流部が前記第1板部で前記平板部が形成されている側と反対側に分割されており、イオン発生部が配置されている側の流速が反対側に比べて速くなっている。イオン発生部で発生したイオンは流速が速い気流に乗ってヘアードライヤの外部に排出されるため、遠くまで(すなわち、毛髪の奥まで)届きやすい。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記第2板部の前記整流部内に配置されている部分は、前記第1板部を挟んで平面部側の部分が、反対側の部分よりも前記気流の流れ方向の下流側に長く形成されている。これにより、整流部の整流を行う実質的な長さを、流速が速い部分を長く、流速が遅い部分を短くしている。また、流速が遅い部分では、整流が行われた気流を早めに混合することで、気流の温度むらを抑制している。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記整流部の内部には、前記断熱筒部の他の部分よりも多くの領域に分割されるように基板が配置されている。これにより、より確実に整流を行うことが可能となる。なお、分割数としては4〜8程度が好ましく、基板の配置としては、放射状に配置するものを挙げることができる。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記加熱部は等間隔に並んで形成された波形状を有する電線を、前記断熱筒部に沿うようにらせん状に巻き回した発熱部を備えており、前記発熱部は、前記らせん状の軸方向に見て、前記軸周りに対称形状となる対称部と、前記平面部と平行な面に対する鏡像と組み合わせたときの中心軸が前記らせん状の軸と重なる2つの異なる形状を前記らせん状の軸周りに対称とならないように組み合わせた非対称部とを備えており、前記非対称部は、前記らせん状の軸をとおり前記平面部と平行な面から突出する高さが、前記イオン発生部側に配置される部分が、反対側よりも低い。
この構成によると、加熱部の前記らせん状の軸方向に前記イオン発生部に近い部分を非対称部とすることで、加熱部とイオン発生部とを一定間隔あけて配置することができる。これにより、イオン発生部が前記加熱部の熱によって誤作動したり、破損したりするのを抑制することが可能である。また、前記加熱部の発熱部として、波形状を変更せずに巻き回す形状のみを変更しているため、波形状のピッチを変更する構成に比べて組み付けが容易である。また、対称形状を有したままで、軸をイオン発生部から離すようにずらす方法に比べて、断熱筒部が大型化するのを抑制することができ、ヘアードライヤ自体が大きくなるのを抑制することができる。これにより、大型化することなくイオンを安定的に放出することができるので、使用者の利便性を高めることが可能である。
本発明にかかるヘアードライヤは、前記非対称部が、前記整流部の一部に形成されていてもよい。