JP6270769B2 - 土壌の含水比、含水率の測定方法 - Google Patents
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これに対し、土壌水分の測定方法として、テンシオメータ法(特許文献1参照)、誘電法(特許文献2参照)、電気抵抗法(特許文献3参照)、熱伝導法(特許文献4参照)、電磁波法(特許文献5参照)等の多くの手法が知られている。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
Y={X/(A−X)}×100 ・・・(2)
請求項2の発明は、土壌の含水比の測定方法であって、採取した重量Aグラムの土壌を、ショ糖濃度(重量%濃度)B%、重量Cグラムのショ糖水溶液に入れ、撹拌して得た溶液の糖度を糖度計または屈折率計により測定し、該測定した糖度D%に基づき、下記式(1)を用いて前記採取した重量Aグラムの土壌中の水の重量Xグラムを演算し、さらに下記式(2)を用いて土壌の含水比Y%を演算するようにしたことを特徴とする土壌の含水比の測定方法である。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
Y={X/(A−X)}×100 ・・・(2)
請求項3の発明は、請求項1または2において、糖度計または屈折率計により測定した溶液の糖度を、ショ糖水溶液の作製に使用した水と土壌とを用いたブランクテストにより補正することを特徴とする土壌の含水比の測定方法である。
請求項4の発明は、土壌の含水率の測定方法であって、採取した重量Aグラムの土壌を、ショ糖濃度(重量%濃度)B%、重量Cグラムのショ糖水溶液に入れ、撹拌後、濾過して得た溶液の糖度を糖度計または屈折率計により測定し、該測定した糖度D%に基づき、下記式(1)を用いて前記採取した重量Aグラムの土壌中の水の重量Xグラムを演算し、さらに下記式(3)を用いて土壌の含水率Z%を演算するようにしたことを特徴とする土壌の含水率の測定方法である。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
Z=(X/A)×100 ・・・(3)
請求項5の発明は、土壌の含水率の測定方法であって、採取した重量Aグラムの土壌を、ショ糖濃度(重量%濃度)B%、重量Cグラムのショ糖水溶液に入れ、撹拌して得た溶液の糖度を糖度計または屈折率計により測定し、該測定した糖度D%に基づき、下記式(1)を用いて前記採取した重量Aグラムの土壌中の水の重量Xグラムを演算し、さらに下記式(3)を用いて土壌の含水率Z%を演算するようにしたことを特徴とする土壌の含水率の測定方法である。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
Z=(X/A)×100 ・・・(3)
請求項6の発明は、請求項4または5において、糖度計または屈折率計により測定した溶液の糖度を、ショ糖水溶液の作製に使用した水と土壌とを用いたブランクテストにより補正することを特徴とする土壌の含水率の測定方法である。
請求項3の発明とすることにより、より正確な含水比を求めることができる。
請求項4、5の発明とすることにより、土壌の含水率を、土壌採取現場においても簡単に求めることができる。
請求項6の発明とすることにより、より正確な含水比を求めることができる。
本実施の形態では、糖度の測定に糖度計を用いているが、ショ糖水溶液の糖度(Brix)と屈折率とは換算表等を用いて簡単に換算することができるため、屈折率計によって屈折率を測定し、該測定した屈折率を糖度に換算することで糖度を測定するようにしても良い。つまり、本発明における糖度の測定は、糖度計により直接糖度を測定した場合だけでなく、屈折率計により屈折率を測定し、該測定した屈折率を糖度に換算した場合も含める。
本発明は、ショ糖水溶液の屈折率を基準値として水溶液の糖度(Brix)を測定する糖度計(屈折糖度計)、或いは水溶液の屈折率を測定する屈折率計が広く知られているが、このような糖度計により測定されるショ糖水溶液の糖度、或いは屈折率計により測定される屈折率を糖度に換算して求めたショ糖水溶液の糖度は、該ショ糖水溶液のショ糖濃度(重量%濃度)を示す値であるから、糖度計あるいは屈折率計を用いてショ糖水溶液のショ糖濃度を簡単且つ正確に測定できることを利用して、土壌の含水比、含水率を測定しようとするものである。
この測定に用いるショ糖(シュークロース:sucrose)は、水に対する溶解度が211.5g/100mL(20℃)もあって溶解しやすいものであり、土壌中の水分にも容易に溶解する。そのうえショ糖は、人体や自然環境に対して無害であるため、測定後、ショ糖水溶液を測定現場に廃棄しても環境上問題になることがない。
さらに、本実施の形態では、土壌の含水比、含水率を測定するにあたり、糖度計または糖度計により測定された糖度を、ショ糖水溶液の作製に使用した水と土壌とを用いたブランクテストにより補正する。これにより、ショ糖水溶液の作製に使用した水や土壌に糖度の測定値に影響を与える物質が含まれていても、該物質の有無や多少に関わらず、土壌の含水比、含水率を正確に測定することができる。尚、以下の説明において、ショ糖濃度は全て重量%濃度である。
次いで、前記撹拌後に濾過して得られた溶液(該溶液を、以降、試料溶液と称する)の糖度D%を糖度計により測定する。糖度の測定は、市販されている汎用の糖度計(屈折糖度計)を用いて行うことができる。この場合に、携帯型であれば現場に簡単に持参でき、都合がよい。また、前述したように、糖度計に代えて屈折計により屈折率を測定し、該屈折率から糖度を求めても良い。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
尚、ショ糖水溶液の作製に用いた水や土壌中に、糖度の測定値に影響を与える物質が含まれていると考えられる場合(例えば、ショ糖水溶液の作製に現地調達した成分未調整の水を用いた場合)には、後述するように、前記糖度計により測定した糖度D%に代えて補正糖度Dhを用いる。
さらに、前記式(1)で演算された土壌中の水の重量Xグラムに基づき、下記式(2)を用いて、採取した土壌の含水比Y%((土壌中の水の重量/土壌中の乾燥土壌の重量)×100%)を演算する。或いは、下記の式(3)を用いて、採取した土壌の含水率Z%((土壌中の水の重量/土壌の重量)×100%)を演算する。
Y={X/(A−X)}×100 ・・・(2)
Z=(X/A)×100 ・・・(3)
A:採取した土壌の重量(グラム)
B:ショ糖水溶液のショ糖濃度(%)
C:ショ糖水溶液の重量(グラム)
D:試料溶液の糖度(%)
E:ショ糖水溶液中のショ糖の重量(グラム)
F:試料溶液のショ糖濃度(%)
X:土壌中の水の重量(グラム)
Y:土壌の含水比(%)
Z:土壌の含水率(%)
である。
尚、土壌試料に含まれる粘土分が少ない場合など、ショ糖水溶液と振盪後に得られた溶液の濁度が低い場合には濾過を省略することができ、たいていの土壌試料においては濾過を省略して差し支えない。
まず、ショ糖濃度B%、重量Cグラムのショ糖水溶液中のショ糖の重量Eグラムは、以下の式(4)で表される。
E=B×C/100 ・・・(4)
一方、土壌とショ糖水溶液とを撹拌濾過して得られた試料溶液は、ショ糖水溶液のショ糖濃度が土壌中に含まれていた水分によって希釈された状態であって、そのショ糖濃度F%は、下記の式(5)によって表される。
F={E/(C+X)}×100 ・・・(5)
ここで、糖度計により測定される糖度はショ糖濃度を示す値であるから、試料溶液の糖度D%は試料溶液のショ糖濃度F%と等しく(F=D)、前記式(5)のFをDに置き換えると以下の式(6)が成立する。
D={E/(C+X)}×100 ・・・(6)
そして、前記式(6)中のEに式(4)の右辺を代入して整理することにより、前記式(1)が導かれる。
さらに、式(1)により演算されるXは土壌中の水の重量であり、土壌の重量Aグラムは測定により判明しているから、前記式(2)、(3)を用いて土壌の含水比Y%、含水率Z%を演算することができる。
Dh=D−E ・・・(7)
そして、以下の式(8)に示すように、前記式(1)における試料溶液の糖度D%に替えて補正糖度Dh%を用いて、土壌中の水の重量Xグラムを演算する。
X={(B×C)/Dh}−C ・・・(8)
さらに、上記式(8)で演算されたXの値を用いて、前記式(2)、(3)により土壌中の含水比Y%、含水率Z%を演算する。
ここで、上記式(7)、(8)において、
B:ショ糖水溶液のショ糖濃度(%)
C:ショ糖水溶液の重量(グラム)
D:試料溶液の糖度(%)
Dh:試料溶液の補正糖度(%)
E:ブランク(%)
X:土壌中の水の重量(グラム)
である。
そして、このようにブランクテストにより糖度計で測定された試料溶液の糖度の値を補正することにより、ショ糖水溶液の作製に用いた水や土壌中に試料溶液の糖度の測定値に影響する物質が含まれていても、該物質の有無や多少を気にすることなく、土壌の含水比、含水率を正確に測定することができる。
尚、この場合に、濾過操作は場合によっては省略することができるのは前述のとおりである。
また、糖度の測定は、糖度計により直接糖度を測定する場合だけでなく、屈折率計により屈折率を測定し、該測定した屈折率を糖度に換算する場合も含めることも、前述のとおりである。
しかもショ糖は人体や自然環境に対して無害であるため、測定後、採取現場に廃棄しても公害等の問題が発生することがなく、グリセリンのように、消防法の適用を受けることもなく、調達や管理が容易である。
Claims (6)
- 土壌の含水比の測定方法であって、採取した重量Aグラムの土壌を、ショ糖濃度(重量%濃度)B%、重量Cグラムのショ糖水溶液に入れ、撹拌後、濾過して得た溶液の糖度を糖度計または屈折率計により測定し、該測定した糖度D%に基づき、下記式(1)を用いて前記採取した重量Aグラムの土壌中の水の重量Xグラムを演算し、さらに下記式(2)を用いて土壌の含水比Y%を演算するようにしたことを特徴とする土壌の含水比の測定方法。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
Y={X/(A−X)}×100 ・・・(2) - 土壌の含水比の測定方法であって、採取した重量Aグラムの土壌を、ショ糖濃度(重量%濃度)B%、重量Cグラムのショ糖水溶液に入れ、撹拌して得た溶液の糖度を糖度計または屈折率計により測定し、該測定した糖度D%に基づき、下記式(1)を用いて前記採取した重量Aグラムの土壌中の水の重量Xグラムを演算し、さらに下記式(2)を用いて土壌の含水比Y%を演算するようにしたことを特徴とする土壌の含水比の測定方法。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
Y={X/(A−X)}×100 ・・・(2) - 請求項1または2において、糖度計または屈折率計により測定した溶液の糖度を、ショ糖水溶液の作製に使用した水と土壌とを用いたブランクテストにより補正することを特徴とする土壌の含水比の測定方法。
- 土壌の含水率の測定方法であって、採取した重量Aグラムの土壌を、ショ糖濃度(重量%濃度)B%、重量Cグラムのショ糖水溶液に入れ、撹拌後、濾過して得た溶液の糖度を糖度計または屈折率計により測定し、該測定した糖度D%に基づき、下記式(1)を用いて前記採取した重量Aグラムの土壌中の水の重量Xグラムを演算し、さらに下記式(3)を用いて土壌の含水率Z%を演算するようにしたことを特徴とする土壌の含水率の測定方法。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
Z=(X/A)×100 ・・・(3) - 土壌の含水率の測定方法であって、採取した重量Aグラムの土壌を、ショ糖濃度(重量%濃度)B%、重量Cグラムのショ糖水溶液に入れ、撹拌して得た溶液の糖度を糖度計または屈折率計により測定し、該測定した糖度D%に基づき、下記式(1)を用いて前記採取した重量Aグラムの土壌中の水の重量Xグラムを演算し、さらに下記式(3)を用いて土壌の含水率Z%を演算するようにしたことを特徴とする土壌の含水率の測定方法。
X={(B×C)/D}−C ・・・(1)
Z=(X/A)×100 ・・・(3) - 請求項4または5において、糖度計または屈折率計により測定した溶液の糖度を、ショ糖水溶液の作製に使用した水と土壌とを用いたブランクテストにより補正することを特徴とする土壌の含水率の測定方法。
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