JP6269408B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、温度調節装置を備えた乗物用シートに関する。
下記特許文献1には、ペルチェ素子を用いたペルチェモジュールにより、冷却または加熱された空気をシート表面に送風する温度調節装置を備えた乗物用シートが記載されている。
特開2003−169727号公報
上記特許文献1に記載の技術は、ペルチェモジュールによって冷却または加熱された空気を介してシート表面の温度を調節するものであるため熱効率が低い。また、空気を送るための構造(ダクト、ファン等)が必要となるため、部品点数が多い、装置が大きい、コストが嵩む、といった種々の問題が生ずる。
本発明が解決しようとする課題は、シートに適した温度調節装置を備えた乗物用シートを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明にかかる乗物用シートは、温度調節装置を備えた乗物用シートであって、前記温度調節装置は、非導電性材料で形成されたフィルム状の基材と、前記基材上に形成された一組の電極、p型半導体、およびn型半導体の膜から構成される複数のペルチェ素子が直列に接続されたペルチェ素子部と、を有することを特徴とする。
前記温度調節装置は、ある基材上に前記ペルチェ素子部が形成された第一フィルム体と、前記ある基材とは異なる基材上に前記ペルチェ素子部が形成された第二フィルム体が織り込まれることで、一方の極性の電流を通電したときに半導体との接合部分が発熱する電極に近い第一領域の少なくとも一部と、一方の極性の電流を通電したときに半導体との接合部分が吸熱する電極に近い第二領域の少なくとも一部が重なり、一方の面側に前記第二領域よりも前記第一領域の方が広く存在するフィルム体組を備えるとよい。
前記温度調節装置は、あるフィルム体組の前記一方側の面と、当該あるフィルム体組に隣接する別のフィルム体組の前記一方側の面の反対側の面が向かい合うように重なる複数の前記フィルム体組を備えるとよい。
本発明にかかる乗物用シートが備える温度調節装置は、フィルム状の基材にペルチェ素子膜が形成された部材を有する。このようにフィルム状の部材が発熱または吸熱するものであるため、シートの座り心地が悪化しない、シートにおける温度調節装置を設置するためのスペースが小さい等の効果が発現される。
第一フィルム体と第二フィルム体が織り込まれ、発熱側と吸熱側が重なるようにすることにより、一方の面が発熱し、他方の面が吸熱する(電流の極性によって発熱する面と吸熱する面が入れ替わる)フィルム体組が得られる。つまり、温度調節装置は、冷暖房両方に対応するフィルム体組を有する。また、フィルム体組は、上記第一フィルム体と第二フィルム体が織り込まれたもの(織物)であるため、人がシートに着座したときの撓みが吸収される。
フィルム体組の第一領域が位置する面と、当該あるフィルム体組に隣接する別のフィルム体組の第二領域が位置する面が向かい合うように重なる複数のフィルム体組を備える温度調節装置とすることで、発熱、吸熱性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかる乗物用シートの外観図である。 温度調節装置が備えるフィルム体組の外観図である。 第一フィルム体(a)、第二フィルム体(b)、第一フィルム体と第二フィルム体を織り込んだフィルム体組(c)の平面図である。 フィルム体組の断面(図3(c)のA−A線断面)を模式的に示した図である。 第一フィルム体の温度分布(a)、第二フィルム体の温度分布(b)、フィルム体組の温度分布(c)を模式的に示した図であって、フィルム体組の一方の面側に発熱する領域が広く存在する状態を示した図である。 第一フィルム体の温度分布(a)、第二フィルム体の温度分布(b)、フィルム体組の温度分布(c)を模式的に示した図であって、フィルム体組の一方の面側に吸熱する領域が広く存在する状態を示した図である。 第一フィルム体(a)と第二フィルム体(b)が行または列単位で織り込まれてなるフィルム体組(c)を示した図である。 重ねられた複数のフィルム体組を有する温度調節装置を説明するための模式図である。 送風装置を備える温度調節装置を説明するための模式図である。 一のフィルム体のみを有する温度調節装置を説明するための模式図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、特に明示した場合を除き、前後方向とはフィルム体組5の平面方向に直交する方向をいい、幅方向とはシートの幅方向をいい、上下方向とは前後方向および幅方向に直交する方向をいうものとする。なお、かかる方向は、各部材の取り付け方向を限定するものではない。
図1に全体を示す本発明の一実施形態にかかる乗物用シート(seat)1は、シートバック2およびシートクッション3を備える。シートバック2およびシートクッション3は、クッション性を発現させるためのパッドおよびパッドを覆うシートカバーを有する。シートバック2およびシートクッション3の表面(シートに着座する人側の面)側であって、パッドとシートカバーの間には、温度調節装置4が有するフィルム体組5が設けられている。
温度調節装置4は、フィルム体組5および制御手段(図示せず)を備える。以下、フィルム体組5の構成について詳細に説明する。図2〜図4に示すフィルム体組5は、第一フィルム体50aおよび第二フィルム体50bが織り込まれてなるものである。第一フィルム体50aと第二フィルム体50bは、以下で特に説明する部分を除き構成は同一である。
フィルム体50は、基材51およびペルチェ素子部52を有する。基材51は、非導電性材料で形成されたフィルム状(シート(sheet)状)の部材である。基材51を構成する材料は、容易に撓むことができるものであればどのような材料であってもよい。
ペルチェ素子部52は、基材51上に形成された膜状の部分である。いわゆるフォトリソグラフィ等によって形成することができる。ペルチェ素子部52は、電極521、p型半導体522、およびn型半導体523から構成される一のペルチェ素子が直列に接続されたものである。具体的には、電極521(導体)、p型半導体522、n型半導体523、電極521、p型半導体522・・・というように各材料が直線状に並ぶように基材51上に形成されることにより、ペルチェ素子部52が構成される。電極521、p型半導体522、n型半導体523は、それぞれが略方形状に形成される。本実施形態におけるペルチェ素子部52は、基材51の側縁で折り返されており、全体として略方形状を呈する。直列に接続されたペルチェ素子部52の両端には、末端の電極521が位置する。具体的には、略方形状であるペルチェ素子部52の一の角と他の角に詳細を後述する入力電極521aおよび接続電極521bが位置する。
第一フィルム体50aと第二フィルム体50bは、ペルチェ素子部52が延びる方向が異なる。図3(a)等に示すように、第一フィルム体50aのペルチェ素子部52は、幅方向に直線状に延びる部分が折り返されることにより、当該幅方向に直線状に延びる部分が上下方向に並ぶように形成されている(以下、直線状に延びる部分を入力電極521a側から順に一行目の部分、二行目の部分、三行目の部分・・・と称することもある)。第一フィルム体50aのペルチェ素子部52の電極521は、少なくとも入力電極521aおよび接続電極521bを除き、幅方向における位置が略同じであり、上下方向に並ぶ。
図3(b)等に示すように、第二フィルム体50bのペルチェ素子部52は、上下方向に直線状に延びる部分が折り返されることにより、当該上下方向に直線状に延びる部分が幅方向に並ぶように形成されている(以下、直線状に延びる部分を入力電極521a側から順に一列目の部分、二列目の部分、三列目の部分・・・と称することもある)。第二フィルム体50bのペルチェ素子部52の電極521は、少なくとも入力電極521aおよび接続電極521bを除き、上下方向における位置が略同じであり、幅方向に並ぶ。
第一フィルム体50aと第二フィルム体50bの折り返しの数(直線状の部分の数)は適宜変更可能である。ただし、第一フィルム体50aと第二フィルム体50bの直線状の部分の長さと折り返しの数は同じに設定される。
また、第一フィルム体50aのペルチェ素子部52の半導体は、幅方向における位置が略同じであり、上下方向に並ぶ。同様に、第二フィルム体50bのペルチェ素子部52の半導体は、上下方向における位置が略同じであり、幅方向に並ぶ。ここで、第一フィルム体50aのペルチェ素子部52は、上下方向において、同種の半導体が二回続くように形成される。つまり、上下方向でみると、・・・p型半導体522、p型半導体522、n型半導体523、n型半導体523・・・というように並ぶ。同様に、第二フィルム体50bのペルチェ素子部52は、幅方向において、同種の半導体が二回続くように形成される。つまり、横方向で見ると、・・・p型半導体522、p型半導体522、n型半導体523、n型半導体523・・・というように並ぶ。
本実施形態では、第一フィルム体50aにおいて、一行目の部分と二行目の部分の間、三行目の部分と四行目の部分の間、五行目の部分と六行目の部分・・・の間は基材51が存在しない(基材51が切り取られている)。つまり、入力電極521a側が開口した隙間511が存在する。一方、二行目の部分と三行目の部分の間、四行目の部分と五行目の部分の間、六行目の部分と七行目の部分・・・の間は基材51が存在する。つまり、基材51を介して物理的につながっている。そして、当該基材51を介して繋がっている部分は、p型半導体522とn型半導体523が基材51を間に挟んで位置している。
また、第二フィルム体50bにおいて、一列目の部分と二列目の部分の間、三列目の部分と四列目の部分の間、五列目の部分と六列目の部分・・・の間は基材51が存在しない(基材51が切り取られている)。つまり、入力電極521a側が開口した隙間511が存在する。一方、二列目の部分と三列目の部分の間、四列目の部分と五列目の部分の間、六列目の部分と七列目の部分・・・の間は基材51が存在する。つまり、基材51を介して物理的につながっている。そして、当該基材51を介して繋がっている部分は、p型半導体522とn型半導体523が基材51を間に挟んで位置している(以下、基材51における当該p型半導体522とn型半導体523の間に位置する部分を接続部512と称することもある)。
このように構成される第一フィルム体50aと第二フィルム体50bが織り込まれることによりフィルム体組5が構成される。具体的には、第一フィルム体50aに形成された幅方向に延びる隙間511に第二フィルム体50bが通され、第二フィルム体50bに形成された上下方向に延びる隙間511に第一フィルム体50aが通されることにより、上下方向および幅方向の両方において、第一フィルム体と第二フィルム体50bが交互に現れるようなフィルム体組5が得られる。つまり、フィルム体組5の一方面から見て、第一フィルム体50aが手前に位置し、第二フィルム体50bが後方に位置する領域と、第二フィルム体50bが手前に位置し、第一フィルム体50aが後方に位置する領域が、上下方向および幅方向において交互に存在するような構成となる。
第一フィルム体50aと第二フィルム体50bの一方端に位置する接続電極521b同士は加締め等により接続される。これにより、第一フィルム体50aに形成されたペルチェ素子部52と第二フィルム体50bに形成されたペルチェ素子部52が電気的に接続された状態となる。一方、第一フィルム体50aと第二フィルム体50bの他方端に位置する入力電極521aは、図示されない電源に対しスイッチ等を介して電気的に接続される。制御手段の制御によって電源から電力が供給されると、第一フィルム体50aと第二フィルム体50bに形成されたペルチェ素子部52における電極521とp型半導体522またはn型半導体523の接合部分で発熱または吸熱現象が発生する。つまり、ある電極521に近い部分では発熱が、半導体を挟んでそれに隣接する電極521に近い部分では吸熱が生ずる。入力電極521aを通じて給電される電流の極性(向き)を反対にすると、ある電極521に近い部分では吸熱が、半導体を挟んでそれに隣接する電極521に近い部分では発熱が生ずる(図5および図6参照)。以下、一方の極性の電流を通電したとき(他方の極性の電流を通電したとき)に半導体との接合部分が発熱する(吸熱する)電極521に近い部分を第一領域61と、一方の極性の電流を通電したとき(他方の極性の電流を通電したとき)に半導体との接合部分が吸熱する(発熱する)電極521、すなわち第一領域61とは逆の現象が生ずる領域を第二領域62と称する。
本実施形態では、第一フィルム体50aと第二フィルム体50bにおける幅方向および上下方向両方において、第一領域61と第二領域62が交互に位置する。そして、図5(c)および図6(c)に示すように、第一フィルム体50aと第二フィルム体50bが織り込まれたフィルム体組5においては、一方のフィルム体50における第一領域61の少なくとも一部と、他方のフィルム体50における第二領域62の少なくとも一部が重なるように構成されている。つまり、フィルム体組5は、一方の面側には、第二領域62よりも第一領域61が広く存在し(一方の面側で露出する領域が第二領域62よりも第一領域61の方が広い)、他方の面側には第一領域61よりも第二領域62が広く存在する(他方の面側で露出する領域が第一領域61よりも第二領域62の方が広い)。したがって、一方の極性の電流を通電したときには、フィルム体組5の一方の面が発熱面となり、他方の面が吸熱面となる(図5(c)参照)。他方の極性の電流を通電したときには、フィルム体組5の一方の面が吸熱面となり、他方の面が発熱面となる(図6(c)参照)。なお、図4〜図6では、図を分かりやすくするため隙間511を大きくしているが、隙間511を小さくして第一領域61の略全体と第二領域62の略全体が重なる構成とすること(一方の面に第一領域61のみが存在する構成とすること)が好ましい。
本実施形態では、このように構成される温度調節装置4のフィルム体組5が、シートカバーの背面に配置される。温度調節装置4の制御手段により、電流の極性(向き)が制御されることにより、フィルム体組5のシートカバー側が発熱する態様と、シートカバー側が吸熱する態様が切り替えられる。つまり、シート表面の冷暖房が可能となる。
また、本実施形態では、第一フィルム体50aおよび第二フィルム体50bは、ある電極521に近い第一領域61と、それとは別の電極521に近い第一領域61が隣接した部分を有する。同様に、ある電極521に近い第二領域62と、それとは別の電極521に近い第二領域62が隣接した部分を有する。具体的には、基材51の接続部512を間に挟んで第一領域61同士または第二領域62同士が隣接した部分を有する。本実施形態では、第一フィルム体50aにおける二行目の部分と三行目の部分、四行目の部分と五行目の部分、六行目の部分と七行目の部分・・・がこのように構成され、第二フィルム体50bにおける二列目の部分と三列目の部分、四列目の部分と五列目の部分、六列目の部分と七列目の部分・・・がこのように構成される。つまり、行または列単位で第一領域61と第二領域62が交互に位置するのではなく、領域がまとまって位置する部分を有する。
第一領域61と第二領域62が交互に位置する構造とする場合、一の発熱領域と吸熱領域が小さく、互いに干渉し合う(打消し合う)ことにより、フィルム体組5全体の発熱または吸熱性能が低下してしまうおそれがある。本実施形態では、同種の領域が隣接した部分を設け、一の発熱領域および吸熱領域を大きくする(同種の領域が接続部512を介して隣接した部分を有する構成とする)ことにより、発熱または吸熱性能が低下してしまうのを抑制している。ただし、各第一領域61および第二領域62を十分に大きくすることができるのであれば、以下で説明する第二実施形態のように構成してもよい。また、上記のように接続部512によって繋がった部分を含む構成とすることにより、第一フィルム体50aと第二フィルム体50bの編み込みが容易になる。
以下、本発明の別の実施形態(乗物用シート1が備える温度調節装置4の変形例)について、上記第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
図7に示す第二実施形態における温度調節装置のフィルム体組5は、第一フィルム体50aと第二フィルム体50bが行または列単位で織り込まれてなるものである。この場合、第一フィルム体50aのペルチェ素子部52は、上下方向において第一領域61と第二領域62が交互に並ぶように形成される。同様に、第二フィルム体50bのペルチェ素子部52は、幅方向において第一領域61と第二領域62が交互に並ぶように形成される。Uターンする部分に電極521を設けないようにすることにより、このような第一フィルム体50aおよび第二フィルム体50bを得ることができる。かかる第一フィルム体50aと第二フィルム体50bが行または列単位で織り込まれることで、一方の面側に第二領域62よりも第一領域61が広く存在するフィルム体組5が得られる。
各第一領域61および第二領域62を十分に大きくすることができるのであれば、発熱領域と吸熱領域が互いに干渉し合うことによってフィルム体組5全体の発熱または吸熱性能が低下するおそれが低いため、本実施形態のように第一フィルム体50aと第二フィルム体50bが行または列単位で織り込まれる構成としてもよい。本実施形態におけるフィルム体組5は、織物としての目が細かくなるという利点がある。
図8に示す第三実施形態における温度調節装置は、複数のフィルム体組5を備える。各フィルム体組5の構成は、上記第一実施形態のものであっても第二実施形態のものであってもよい。複数のフィルム体組5は、それぞれの周縁を一致させるようにして重ねられる。具体的には、全てのフィルム体組5が、第一領域61(第二領域62)側の面を前方に向け、第二領域62(第一領域61)側の面を後方に向けた状態で重ねられる。つまり、あるフィルム体組5の前記一方側の面と、当該あるフィルム体組5に隣接する別のフィルム体組5の前記一方側の面の反対側の面が向かい合うように重なる。図8に示した例は、三つのフィルム体組5(第一フィルム体組5a〜第三フィルム体組5c)を備えたものである。
各フィルム体組5のペルチェ素子部52に通電すると、一方の面が発熱し、他方の面が吸熱する。シートを温めるため、最も前方に位置する第一フィルム体組5aの前面を発熱状態とすると、その後面は吸熱状態となる。そして、その一つ後方に位置する第二フィルム体組5bの前面を発熱状態とする。このようにすると、最も前方に位置する第一フィルム体組5aの後面は吸熱現象が発生することとなるが、その一つ後方に位置する第二フィルム体組5bの前面から発せられる熱によって、第一フィルム体組5aの後面が温められる。したがって、最も前方に位置する第一フィルム体組5aの前面からの発熱効果が高まる。また、第二フィルム体組5bの発熱効果は、その後方に位置する第三フィルム体組5cによって高まる。
同様に、シートを冷却するため、最も前方に位置する第一フィルム体組5aの前面を吸熱状態とすると、その後面は発熱状態となる。そして、その一つ後方に位置する第二フィルム体組5bの前面を吸熱状態とする。このようにすると、最も前方に位置する第一フィルム体組5aの後面は発熱現象が発生することとなるが、その一つ後方に位置する第二フィルム体組5bの前面における吸熱によって、第一フィルム体組5aの後面が冷却される。したがって、最も前方に位置する第一フィルム体組5aの前面における吸熱(冷却)効果が高まる。また、第二フィルム体組5bの吸熱(冷却)効果は、その後方に位置する第三フィルム体組5cによって高まる。
このように、本実施形態における温度調節装置は、実際にシートを温めるまたは冷却するのは最も前方に位置する第一フィルム体組5aであるが、第一フィルム体組5aよりも後方に位置するフィルム体組5(本実施形態では第二フィルム体組5bおよび第三フィルム体組5c)が、第一フィルム体組5aの発熱または吸熱性能を高める。つまり、一のフィルム体組5を用いた温度調節装置4よりも、シートを温めるまたはシートを冷却する効果を高めることができる。フィルム体組5間の熱伝導を良好にするため、各フィルム体組5の間には熱伝導性に優れる熱伝導部材70(フィルム体組5とともに容易に変形するシート状のものが好ましい)が介在されているとよい。
図9に示す第四実施形態における温度調節装置4は、一または複数のフィルム体組5に加え、送風装置80を備えるものである。複数のフィルム体組5を有する構成とする場合、その構造(重ね方)は、上記第三実施形態のものと同じである。送風装置80は、最も後方に位置するフィルム体組5のさらに後方に設けられる。送風装置80は、最も後方に位置するフィルム体組5の後方の空間の空気を外部に逃がすことのできるものであればどのような構造であってもよい。本実施形態における送風装置80は、最も後方に位置するフィルム体組5の後方に形成された通風路81およびファン82を備える。ファン82を駆動させることにより、通風路81の空気が外部に逃がされる。
このような送風装置80を駆動することで、最も後方に位置するフィルム体組5の後面側の空気が逃がされる。最も後方に位置するフィルム体組5の後面が発熱状態にあればそれにより熱せられた熱気が逃がされ、吸熱状態にあればそれにより冷却された冷気が逃がされる。温度調節装置4が一のフィルム体組5のみを備えるものであれば、送風装置80の駆動によって当該フィルム体組5の前面における発熱または吸熱効果、すなわちシートを温めるまたは冷却する効果が高まる。温度調節装置4が複数のフィルム体組5を備えるものであれば、送風装置80の駆動によって最も後方に位置するフィルム体組5によってそれよりも前方に位置するフィルム体組5の後面を熱するまたは冷却する効果が高まるため、最も前方に位置するフィルム体組5によるシートを温めるまたは冷却する効果が高まる。なお、本実施形態における「送風」には、空気を送り出すような態様だけでなく、空気を吸引するような態様も含まれる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記各実施形態における温度調節装置4は、フィルム体組5がパッドとシートカバーの間に配置されるものであることを説明したが、その配置される位置は特定の位置に限定されるものではない。また、シートカバーの少なくとも一部自体を基材51として、上記フィルム体組5に相当するものを構築する構成としてもよい。
また、上記各実施形態におけるフィルム体組5は、上下方向および幅方向の両方において、第一フィルム体50aが前方に位置する部分と、第二フィルム体50bが前方に位置する部分が交互に存在する構成であることを説明したが、フィルム体組5の一方の面側に第二領域62よりも第一領域61が広く存在する構成であれば、上記のように交互に存在していなくてもよい。例えば、幅方向においては第一フィルム体50aが前方に位置する部分と、第二フィルム体50bが前方に位置する部分が交互に存在するものの、上下方向においては一定である構成とすることもできる。
また、上記各実施形態における温度調節装置4は、第一フィルム体50aと第二フィルム体50bが織り込まれたフィルム体組5を有するものであることを説明したが、一のフィルム体50のみを有するものであってもよい。例えば、図10に示すように、一方の極性の電流を通電したときに発熱する領域および吸熱する領域(第一領域61および第二領域62)のうちのいずれか一方を断熱材90で被覆したものを有するものであってもよい。かかる構成とすれば、断熱材90で覆われていない領域がシートを温めるまたは冷却する温度調節装置4とすることができる。その他の領域は断熱材90で覆われているため、温度調節にあまり寄与しない。断熱材90の熱伝導の遮断性能を向上させればさせるほど、断熱材90で覆われた領域の温度調節に対する寄与を小さくすることができる。
1 乗物用シート
4 温度調節装置
5 フィルム体組
50 フィルム体
50a 第一フィルム体
50b 第二フィルム体
51 基材
511 隙間
512 接続部
52 ペルチェ素子部
521 電極
521a 入力電極
521b 接続電極
522 p型半導体
523 n型半導体
61 第一領域
62 第二領域
5a 第一フィルム体組
5b 第二フィルム体組
5c 第三フィルム体組
70 熱伝導部材
80 送風装置
81 通風路
82 ファン
90 断熱材

Claims (2)

  1. 温度調節装置を備えた乗物用シートであって、
    前記温度調節装置は、
    非導電性材料で形成されたフィルム状の基材と、
    前記基材上に形成された一組の電極、p型半導体、およびn型半導体の膜から構成される複数のペルチェ素子が直列に接続されたペルチェ素子部と、
    を有し、
    前記温度調節装置は、
    ある基材上に前記ペルチェ素子部が形成された第一フィルム体と、前記ある基材とは異なる基材上に前記ペルチェ素子部が形成された第二フィルム体が織り込まれることで、
    一方の極性の電流を通電したときに半導体との接合部分が発熱する電極に近い第一領域の少なくとも一部と、一方の極性の電流を通電したときに半導体との接合部分が吸熱する電極に近い第二領域の少なくとも一部が重なり、一方の面側に前記第二領域よりも前記第一領域の方が広く存在するフィルム体組を備えることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記温度調節装置は、
    あるフィルム体組の前記一方側の面と、当該あるフィルム体組に隣接する別のフィルム体組の前記一方側の面の反対側の面が向かい合うように重なる複数の前記フィルム体組を備えることを特徴とする請求項に記載の乗物用シート。
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