JP6269322B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐久性能を損なうことなく、転がり抵抗に関する性能を改善した、空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
近年、環境への配慮の観点から、タイヤの低燃費化、具体的には転がり抵抗に関する性能の改善を図った技術が知られている(特許文献1、2参照)。特許文献1に開示された技術は、転がり抵抗に影響を及ぼす指標tanδの値を著しく改善した技術であって、特許文献2に開示された技術は、カーカスプライのタイヤ幅方向中央部においてコードを配設せずにタイヤを軽量化した技術である。
特開平7−133377号公報 特開平11−11108号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術のように、ゴム組成物にシリカ等の添加剤を含ませた場合には、トレッドゴムが摩耗し易くなることから、優れた耐久性能を発揮できないおそれがある。
また、特許文献2に開示された技術のように、カーカスコードを両クラウン部間において存在させない場合には、接地領域の面外曲げ剛性が低下する。このため、タイヤ転動時に接地領域が過度に変形することとなり、優れた耐久性能を発揮できないおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、耐久性能を損なうことなく、転がり抵抗に関する性能を改善した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、一対のビード部の間に形成されたカーカス層と、トレッド部における上記カーカス層のタイヤ径方向外側に形成された少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層と、上記ベルト層のタイヤ径方向外側に形成されたトレッドゴムとを備える。平面透視で、上記ベルトプライの少なくとも1枚が、同方向に等間隔で延在する複数の第1コードと、上記第1コードに対して傾斜するとともに同方向に等間隔で延在する複数の第2コードと、上記第1コード及び上記第2コードを被覆するゴムとを含む。タイヤ子午断面視で、上記第1コードと上記第2コードとが、タイヤ径方向位置が入れ替わるように1回交差してタイヤ幅方向に連続的に点在している。
また、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程、加硫工程及び加硫後の検査工程を含む。上記タイヤ材料の加工工程において、少なくとも1本のコードをゴムで被覆して、複数のストリップを形成するとともに、異なる方向に延在する2種類のストリップを、それらの積層方向において位置が入れ替わるように1回交差させて、ベルト層用の材料としてストリップ複合体を形成する。
本発明に係る空気入りタイヤは、上記製造方法を用いることで、ベルト層の構成要素である2種類のコードの配置態様に改良を加えている。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、耐久性能を損なうことなく、転がり抵抗に関する性能を改善することができる。
図1は、本実施の形態の空気入りタイヤに含まれる、ベルト層を構成するベルトプライを示し、(a)はその平面透視図であり、(b)は(a)のA−A´線に沿うタイヤ子午断面図である。 図2は、本実施の形態の空気入りタイヤに含まれるベルト層の例を示すタイヤ子午断面図であり、(a)は図1(b)に示すベルトプライ10、10をタイヤ径方向に積層した例であり、(b)、(c)は、それぞれ、図1(b)に示すベルトプライ10と公知のベルトプライ20とをタイヤ径方向に積層した例である。 図3は、本実施の形態のベルト層の変形例を示すタイヤ子午断面図であり、(a)は図2で使用したベルトプライ10の変形例であるベルトプライ30、30をタイヤ径方向に積層した例であり、(b)、(c)は、それぞれ、ベルトプライ30と公知のベルトプライ40、50とをタイヤ径方向に積層したベルト層の例である。 図4は、本実施の形態の空気入りタイヤの製造方法を示すフローチャートである。 図5は、図4に示すタイヤ材料の加工工程における、ベルト層用の材料の加工手順を示すフローチャートである。 図6は、図5に示すストリップ複合体の形成段階において使用可能なストリップを示し、(a)はその長手方向の断面概略図であり、(b)から(d)は、それぞれ、その幅方向断面図((a)の線D−D´に沿う断面図)の異なる例を示す。 図7は、図5に示すストリップ複合体の形成段階における、形成手法を具体的に示す斜視図であり、(a)は第1ストリップ60に対して、第2ストリップ62を、これらの積層方向位置が入れ替わるように1回交差させた状態を示し、(b)、(c)は、それぞれ、(a)に示す状態後にとり取り得る状態の例を示す。 図8は、本実施の形態に係るストリップ複合体における、ストリップの積層態様を示す平面図である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態(以下に示す、基本形態1及び付加的形態1−1から1−4)、並びに、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法の実施の形態(以下に示す、基本形態2及び付加的形態2−1から2−5)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態は、本発明を限定するものではない。また、上記実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
また、以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいう。なお、タイヤ赤道面とは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面である。
<空気入りタイヤ>
[基本形態1]
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについての、基本形態1を説明する。本実施の形態に係る空気入りタイヤは、一般的な空気入りタイヤと同様に、一対のビード部の間に形成されたカーカス層を有する。また、上記空気入りタイヤは、トレッド部における上記カーカス層のタイヤ径方向外側に形成された少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層を有する。さらに、上記空気入りタイヤは、上記ベルト層のタイヤ径方向外側に形成されたトレッドゴムを備える。
図1は、本実施の形態の空気入りタイヤに含まれる、ベルト層を構成するベルトプライを示す。同図中、(a)はその平面透視図であり、(b)は(a)のA−A´線に沿うタイヤ子午断面図である。なお、図1(a)中、実線は、タイヤ周方向に対して一方向に傾斜して等間隔で形成された第1コードを示し、点線は、タイヤ周方向に対して他方向に傾斜して等間隔で形成された第2コードを示す。また、図1(b)中、丸印は、図1(a)に示す第1コードを、その寸法及び形状を誇張して示し、三角印は、図1(a)に示す第2コードを、その寸法及び形状を誇張して示す。
図1(a)に示すように、ベルトプライ10は、同方向に等間隔で延在する複数の第1コード12と、第1コード12に対して傾斜するとともに同方向に等間隔で延在する複数の第2コード14と、第1コード12及び第2コード14を被覆するゴム16とを含む。
そして、図1(b)に示すように、ベルトプライ10は、第1コード12と第2コード14とが、タイヤ径方向位置が入れ替わるように1回交差してタイヤ幅方向に連続的に点在している。
ここで、第1コード12及び第2コード14としては、単線コードを用いてもよいし、複数のコードを撚ったいわゆるストランドを用いてもよい。また、これらのコード12、14は、いずれも、スチールコード、有機繊維コード(例えば、ポリエステル、ナイロン、アラミド、ポリケトン、又はレーヨンを含むコード)、及びこれらの組み合わせたコードとすることができる。なお、ゴム16については、公知のいかなるゴムを使用することもでき、ベルト層以外の層(例えば、トレッド)に使用されるゴムと異なるゴムを使用することもできる。
また、図1(a)に示す第1コード12及び第2コード14のタイヤ周方向に対する延在角度は15°以上35°以下とすることができる。さらに、タイヤ子午断面視での、ベルトプライコードのエンド数(タイヤ幅方向に略平行な高さで、かつ、50mm幅あたりのコード本数で定義され、例えば、図1(b)に示す例であれば、タイヤ幅方向に略平行な高さにおける第1コード12及び第2コードの数、即ち図1(b)に示す丸印と三角印との合計数)は、15以上50以下、好ましくは20以上40以下とすることができる。加えて、第1コード12及び第2コード14のいずれについても、その径は、0.2mm以上4.0mm以下(単線の場合はその径、ストランドの場合はその最大径)、好ましくは0.4mm以上3.0mm以下とすることができる。
図2は、本実施の形態の空気入りタイヤに含まれるベルト層の例を示すタイヤ子午断面図である。同図中、(a)は図1(b)に示すベルトプライ10、10をタイヤ径方向に積層した例(ベルト層B1)である。また、図2(b)は図1(b)に示すベルトプライ10のタイヤ径方向外側に公知のベルトプライ20を積層した例(ベルト層B2)である。さらに、図2(c)は公知のベルトプライ20のタイヤ径方向外側に図1(b)に示すベルトプライ10を積層した例(ベルト層B3)である。
なお、本実施の形態の空気入りタイヤに含まれるベルト層は、図2に示す3つの例に限られない。即ち、当該ベルト層は、図1(b)に示すベルトプライ10の少なくとも1枚を必須構成要素とするとともに、公知のベルトプライ20等の少なくとも1枚を任意選択的な構成要素として、組み合わせて形成されるものである。このため、例えば、当該ベルト層としては、単に、図1(b)に示すベルトプライ10の1枚のみからなるものも含まれる。
(作用等)
本実施の形態の空気入りタイヤにおいては、図1(b)に示すように、ベルトプライ10に関し、第1コード12と第2コード14とを、タイヤ径方向位置が入れ替わるように1回交差させてタイヤ幅方向に連続的に点在させている。このような構造の下では、タイヤが転動する際に、ベルトプライ10のタイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向各側は、タイヤ赤道面CLと垂直な平面内で、逆向き(図1(a)、(b)に示す矢印X1、X2)にせん断変形を繰り返す(但し、矢印X1、X2は、タイヤがある方向に転動する場合の、ベルトプライ10の上記各側に加えわる応力方向である)。ここで、従来のベルトプライ構造は、ベルトプライのタイヤ幅方向全体が同じ方向にせん断変形するため、タイヤ接地踏面は捩れ変形をしながら、転動することになる。一方、本実施の形態においては、ベルトプライのせん断変形は、ベルトプライ10全体としては相殺されることから、タイヤ接地踏面の捩れ変形が抑制され、転動時におけるタイヤ自体の余分な変形が発生しない状態となる。従って、本実施の形態によれば、タイヤ転動時、特に車両直進時に、タイヤ自体の捩れ変形を抑制することで、タイヤを直進方向だけに効率的に付勢することができることから、エネルギーロスを抑制し、転がり抵抗に関する優れた性能を実現することができる。
また、本実施の形態では、特許文献2の技術のように、両クラウン部間においてカーカスコードを存在させずに軽量化を図って転がり抵抗に関する性能を改善しているのではなく、ベルト層のコードの配置態様に改良を加えて転がり抵抗に関する性能を高めている。このため、本実施の形態におけるトレッド部(インナーライナからタイヤ径方向最外部のトレッドゴムに至る要素を含む)は、特許文献2に開示されたトレッド部に比べて、優れた剛性を実現することができ、耐久性能を損なうことを防止することができる。
なお、上記効果(転がり抵抗に関する効果及び耐久性能に関する効果)は、図1(b)に示すように、第1コード12と第2コード14との、タイヤ径方向位置の入れ替え回数が1回であることに拠るところが大きい。即ち、入れ替え回数が偶数回の場合には、タイヤ転動時に、図1(b)に示す回転方向X1に変形する領域と、回転方向X2に変形する領域とがタイヤ幅方向で混在することとなり、タイヤ接地面の捩れ変形を効果的に抑制することができない。よって、入れ替え回数が偶数回の場合には、タイヤ転動時にタイヤ自体が余分は変形をしていることとなり、特に車両直進時に、タイヤ自体の捩れ変形を抑制することができない。その結果、タイヤを直進方向だけに高いレベルで付勢することができないことから、エネルギーロスを十分に抑制することができず、転がり抵抗に関する優れた性能を実現することができない。
また、入れ替え回数が奇数回の場合であっても、3回以上の場合には、図1(b)に示す回転方向X1に変形する領域と、回転方向X2に変形する領域との合計数が4以上となり、特定の方向に変形する領域がタイヤ幅方向において多数箇所存在することとなる。よって、入れ替え回数が3回以上の場合には、ベルトプライ中に、逆向きに変形する隣り合う領域間の境界が多く含まれることとなり、当該境界では、他の領域に対して応力が過度に加わるため、優れた耐久性能を実現することができない。
以上に示すように、本実施の形態の空気入りタイヤは、ベルト層の構成要素である2種類のコードの配置態様に改良を加えることで、タイヤ転動時のエネルギーロスの抑制と、トレッド部の剛性低下の防止と、を両立することができる。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、耐久性能を損なうことなく、転がり抵抗に関する性能を改善することができる。
なお、以上に示す、本実施の形態に係る空気入りタイヤは、図示しないが、従来の空気入りタイヤと同様の子午断面形状を有する。ここで、空気入りタイヤの子午断面形状とは、タイヤ赤道面と垂直な平面上に現れる空気入りタイヤの断面形状をいう。本実施の形態の空気入りタイヤは、タイヤ子午断面視で、タイヤ径方向内側から外側に向かって、ビード部、サイドウォール部、ショルダー部及びトレッド部を有する。そして、上記空気入りタイヤは、例えば、タイヤ子午断面視で、トレッド部から両側のビード部まで延在して一対のビードコアの周りで巻回されたカーカス層と、上記カーカス層のタイヤ径方向外側に順次形成された、ベルト層及びベルト補強層とを備える。
[付加的形態1−1から1−4]
次に、本発明に係る空気入りタイヤの基本形態1に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1−1から1−4を説明する。
(付加的形態1−1)
基本形態1においては、図1(a)に示すように、平面透視で、第1コード12と第2コード14との重複部分のうち、タイヤ周方向に隣り合う重複部分同士(例えば、点P1と点P2同士、或いは、点P3と点P4同士)、を結んだ線分がタイヤ周方向と平行であること(付加的形態1−1)が好ましい。
平面透視で、第1コードと第2コードとの重複部分のうち、タイヤ周方向に隣り合う重複部分同士、を結んだ線分を、タイヤ周方向と平行とすることで、タイヤ周方向におけるユニフォミティを高めることができる。その結果、本実施の形態では、特にタイヤ転動時の横力の変動(Lateral Force Variation(LFV))を抑制することができ、ひいては転がり抵抗に関する性能をさらに改善することができる。
(付加的形態1−2)
基本形態1及び基本形態1に付加的形態1−1を加えた形態においては、タイヤ子午断面で、第1コード12と第2コード14とのコード間距離が最も小さいタイヤ幅方向領域Cのタイヤ径方向外側には、トレッド表面に至るまで陸部が形成されていること(付加的形態1−2)が好ましい。ここで、上記タイヤ幅方向領域Cとは、図1(b)に示すように、コード間のタイヤ径方向距離が最小であるコード12a、14aのタイヤ幅方向領域を少なくとも包含する、タイヤ幅方向領域をいう。
本実施の形態では、タイヤ幅方向領域Cのタイヤ径方向外側に、トレッド表面に至るまで陸部を形成すること(即ち、溝を形成しないこと)としている。これにより、タイヤ径方向距離が最小であるコード12a、14aのうち、タイヤ径方向外側に位置するコード14aからトレッド表面までのタイヤ径方向寸法を十分に確保することができる。上記タイヤ幅方向領域Cは、他のタイヤ幅方向領域と比べて、第1コード12aと第2コード14aとのコード間距離が小さいため、これらのコード12a、14aの周辺領域は、他の領域に比べると、故障の基点となり易い。しかしながら、本実施の形態では、トレッド表面からタイヤ径方向外側の第2コード14aまでの間に十分なゴム層が存在することから、タイヤ表面が変形しても、当該変形において加えられた応力がコード12a、14aの周辺領域まで相当に減衰された状態で到達することとなる。このため、上記周辺領域に応力が過度に加わることが抑制され、当該周辺領域における故障が抑制されることから、耐久性能をさらに高めることができる。
なお、トレッド表面に配設する溝のタイヤ幅方向両端位置を、タイヤ幅方向領域Cのタイヤ幅方向各側から5mm以上離間させることで、タイヤ幅方向領域Cに存在する2本のコード12a、14aのそれぞれから上記溝の溝底までの寸法も十分に確保することができる。これにより、タイヤ表面(溝の溝底及び溝壁も含む)が変形しても、当該変形において加えられた応力がコード12a、14aの周辺領域まで極めて減衰された状態で到達することとなる。このため、上記周辺領域に応力が過度に加わることがさらに抑制され、当該周辺領域における故障の発生がより一層抑制されることから、耐久性能をさらに一層高めることができる。
(付加的形態1−3)
基本形態1及び基本形態1に付加的形態1−1、1−2の少なくともいずれかを加えた形態においては、図1(b)に示すように、タイヤ子午断面視で、タイヤ幅方向同一位置における、第1コード12と第2コード14との間の最大ゴムゲージGは、0.2mm以上2.5mm以下であること(付加的形態1−3)が好ましい。
タイヤ子午断面視で、タイヤ幅方向同一位置における、第1コード12と第2コード14との間の最大ゴムゲージGを0.2mm以上とすることで、第1コード12と第2コード14との間のタイヤ径方向寸法をさらに大きく確保することができる。これにより、タイヤ表面が変形した場合に、当該変形において加えられた応力がコード12、14の周辺領域まで到達しても、これらのコード12、14間に介在するゴムが緩衝材としての役割を十分に果たすこととなる。その結果、上記周辺領域における故障の発生がさらに抑制されることから、耐久性能をさらに高めることができる。なお、図1(b)に示すコード12、14間に介在させるゴムのタイヤ径方向寸法を大きくすることの他、図1(a)、(b)に示すように、ベルトプライ10のタイヤ幅方向両外端部に、コード12、14を延在させずにゴムのみからなる領域を形成することによっても、ベルトプライ10の耐久性能を高めることができる。
また、タイヤ子午断面視で、タイヤ幅方向同一位置における、第1コード12と第2コード14との間の最大ゴムゲージGを2.5mm以下とすることで、図1(b)に示すベルトプライ10中のゴム量を過度に増大させることを防止することができる。その結果、軽量化を図ることができることから、転がり抵抗に関する性能をさらに高めることができる。
なお、上記最大ゴムゲージGを0.3mm以上2.0mm以下とすることで、上記効果をそれぞれより高いレベルで奏することができる。
(付加的形態1−4)
基本形態1及び基本形態1に付加的形態1−1から1−3の少なくともいずれかを加えた形態においては、タイヤ子午断面視で、タイヤ幅方向の少なくとも一方側において、上記第1コードのタイヤ幅方向最外位置と、上記第2コードのタイヤ幅方向最外位置とが異なること(付加的形態1−4)が好ましい。
図3は、本実施の形態のベルト層の変形例を示すタイヤ子午断面図である。同図中、(a)は、タイヤ幅方向の両側において、第1コード(丸印)のタイヤ幅方向最外位置と、第2コード(三角印)のタイヤ幅方向最外位置とを異ならせたベルトプライ30、30をタイヤ径方向に積層した例(ベルト層B4)である。
図3(a)に示すベルトプライ30の、タイヤ幅方向最外側に位置するコード間距離(例えば、コード12b2とコード14b2との距離、或いは、コード12c2とコード14c2との距離)は、図2(a)に示すベルトプライ10の、タイヤ幅方向最外側に位置するコード間距離(例えば、コード12b1とコード14b1との距離、或いは、コード12c1とコード14c1との距離)よりも大きい。このため、図3(a)に示す例では、タイヤ表面が変形した場合に、当該変形において加えられた応力がタイヤ幅方向最外側のコードの近傍まで到達しても、タイヤ幅方向最外側に位置するコード間には緩衝材として作用するゴム層が十分に存在する。その結果、タイヤ幅方向最外側のコードの近傍における故障の発生が抑制されることから、耐久性能をさらに高めることができる。
なお、図3(a)に示す例では、1つのベルトプライ30中の2つのコード(丸印のコードと三角印のコード)間のみならず、タイヤ径方向に積層された隣り合うベルトプライ30、30間の、タイヤ径方向に隣り合うコード(丸印のコードと丸印のコード)間についても、同様に、タイヤ幅方向最外位置を異ならせている。これにより、タイヤ幅方向最外側のコードの近傍における故障の発生を、同一ベルトプライ間のみならず、隣接するベルトプライ間においても抑制できることから、耐久性能をさらに一層高めることができる。
次に、図3(b)、(c)は、それぞれ、図3(a)に示すベルトプライ30と公知のベルトプライ40、50とをタイヤ径方向に積層したベルト層B5、B6の例である。図3(b)、(c)に示す例によっても、上述した図3(a)に示す例と同様に、耐久性能を高めることができる。なお、以上に示すタイヤ幅方向最外側に位置するコード間距離は、5mm以上15mm以下とすることが好ましい。上記コード間距離を5mm以上とすることで、これらのコード間に存在するゴム層の緩衝機能がさらに高まり、耐久性能をさらに高めることができる。また、上記コード間距離を15mm以下とすることで、これらのコード間にゴム層を過度に存在させることなく、タイヤの重量増を抑制して、転がり抵抗に関する性能をさらに改善することができる。
<空気入りタイヤの製造方法>
[基本形態2]
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法についての、基本形態2を説明する。図4は、本実施の形態の空気入りタイヤの製造方法を示すフローチャートである。同図に示すように、本実施の形態の空気入りタイヤの製造方法は、一般的な製造方法に準じ、タイヤ材料の混合工程と、タイヤ材料の加工工程と、グリーンタイヤの成形工程と、加硫工程と、検査工程とを含む。特に、本実施の形態では、タイヤ材料の加工工程に特徴があるため、以下に、タイヤ材料の加工工程について詳述する。
図5は、図4に示すタイヤ材料の加工工程における、ベルト層用の材料の加工手順を示すフローチャートである。同図に示すように、本実施の形態における、ベルト層用の材料の加工手順は、ストリップの形成段階と、ストリップ複合体の形成段階とを含む。特に、本実施の形態では、ストリップ複合体の形成段階に特徴がある。
図5に示す、ストリップの形成段階では、スチールコードと有機繊維コードとの少なくとも一方を選択するとともに、これらコードを単線として用意した後、或いは、これらコードを撚ってストランドとした後に、所定のゴム材でコード又はストランドを被覆する。ストリップの形成段階については、公知の手法のいずれを用いることもできる。ストリップの幅(延在方向に垂直な方向におけるゴムゲージ寸法)は、0.3mm以上1.0mm以下とすることができる。
図6は、図5に示すストリップ複合体の形成段階において使用することが可能なストリップを示す。図6中、符号S(S1、S2、S3)はストリップを、符号SC(SC1、SC2、SC3)はコードを、符号SGはゴム材をそれぞれ示す。同図中、(a)はストリップSの長手方向の断面概略図である。また、図6(b)から(d)は、それぞれ、ストリップの幅方向断面図((a)の線D−D´に沿う断面図)の異なる例である。なお、(b)は単線を単独で用いた場合、(c)は単線を複数用いた場合、そして(d)は単線を撚ったストランドを用いた例である。
以下に、ストリップ複合体の形成段階を詳述する。図7は、図5に示すストリップ複合体の形成段階における、当該形成手法を具体的に示す斜視図である。図7中、(a)は第1ストリップ60に対して、第2ストリップ62を、これらの積層方向において位置が入れ替わるように1回交差させた状態を示す。この状態は、紙面の左側半分では、第2ストリップ62が第1ストリップ60よりも紙面の裏側に位置し、紙面の右側半分では、第2ストリップ62が第1ストリップ60よりも紙面の表側に位置することを表している。
次に、図7(b)は(a)に示す状態後にとり取り得る状態の一例を示す。即ち、図7(b)は、(a)に示す状態から、第1ストリップ60に対して第3ストリップ64を、これらの積層方向において位置が入れ替わるように1回交差させた状態を示す。
同様に、図7(c)は(a)に示す状態後にとり取り得る状態の他の例を示す。即ち、図7(c)は、(a)に示す状態から、第2ストリップ62に対して第3ストリップ66を、これらの積層方向において位置が入れ替わるように1回交差させた状態を示す。
そして、既存のストリップに対して新たなストリップを、積層方向が入れ替わるように1回交差させて順次配設していく。即ち、図7(a)の状態から図7(b)の状態又は図7(c)の状態を介して、図7(b)又は図7(c)の点線で囲まれた領域をストリップで全て埋めつくすように、複数の他のストリップを順次配設していく。これにより、上記両図の点線で囲まれた領域は、第1ストリップ60又は第2ストリップ62のいずれかと平行な複数のストリップにより満たされ、ストリップ複合体が得られる。
このようにして得られたストリップ複合体は、グリーンタイヤの成形工程においてベルト層用の材料として用いられる。そして、通常の、加硫工程及び検査工程を経ることで、所定の空気入りタイヤが得られる。
(作用)
本実施の形態の空気入りタイヤの製造方法では、異なる方向に延在する2種類のストリップを用い、これらを積層方向における位置が入れ替わるように1回交差させて、ストリップ複合体を形成し、当該複合体をベルト層の材料として使用する。これにより、製品タイヤ(空気入りタイヤ)は、図1(a)、(b)に示す構造のベルトプライを含むこととなり、上述したとおり、ベルト層の構成要素である2種類のコードの配置態様に関して改良がなされたものとなる。その結果、タイヤ転動時のエネルギーロスの抑制と、トレッド部の剛性低下の防止と、を両立することができ、ひいては、耐久性能を損なうことなく、転がり抵抗に関する性能を改善することができる。
[付加的形態2−1から2−5]
次に、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法についての、基本形態2に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態2−1から2−5を説明する。
(付加的形態2−1)
図8は、本実施の形態に係るストリップ複合体における、ストリップの積層態様を示す平面図である。なお、図8における太線は、ストリップ72aとストリップ72bとを強調するために示した、それらの輪郭線である。
基本形態2においては、図8に示すように、平面視で、異なる方向に延在する2種類のストリップ72a(同図では左下から右上に延在するストリップ)とストリップ72b(同図では右下から左上に延在するストリップ)の積層領域ORの、ストリップ複合体70の延在方向両端部E1、E2を結んだ線分が、ストリップ複合体70の延在方向と平行になるように、ストリップ複合体70を形成すること(付加的形態2−1)が好ましい。なお、ストリップ複合体70の延在方向とは、図8に示すように、ストリップ複合体70の長手方向をいい、ストリップ複合体70を用いて製造した製品タイヤにおいてはタイヤ周方向に相当する。
このようにストリップ複合体を形成した場合には、通常、ベルトコードがストリップの幅方向中心部に位置することから、製品タイヤ(空気入りタイヤ)においては、図1(a)に示すように、平面透視で、第1コー12と第2コード14との重複部分のうち、タイヤ周方向に隣り合う重複部分同士(例えば、点P1と点P2、或いは点P3と点P4)を結んだ線分が、タイヤ周方向と平行となる。その結果、タイヤ周方向におけるユニフォミティを高めることができ、ひいては、特にタイヤ転動時の横力の変動(Lateral Force Variation)を抑制して、転がり抵抗に関する性能をさらに改善することができる。
(付加的形態2−2)
基本形態2及び基本形態2に付加的形態2−1を加えた形態においては、上記2種類のストリップの積層領域のうち、上記ストリップ同士の積層方向位置が入れ替わる領域についての、ストリップ複合体の幅方向寸法を、上記ストリップ複合体の幅の1/3以下とすること(付加的形態2−2)が好ましい。なお、ストリップ複合体70の幅方向とは、図8に示すように、ストリップ複合体70の短手方向をいい、ストリップ複合体70を用いて製造した製品タイヤにおいては略タイヤ幅方向に相当する。
図8に示す略ひし形の領域は、全て、2種類のストリップが積層されている領域である。これらのうち、同図に示す斜線領域が、上記ストリップ同士の積層方向位置が入れ替わる領域(積層方向入れ替え領域)である。
この積層方向入れ替え領域の、ストリップ複合体の幅方向両側においては、製品タイヤが転動する際に、互いに逆向きの捩れ変形が生じるが、これらの変形は結果的に相殺される。しかしながら、積層方向入れ替え領域においては、その積層態様に起因して、その幅方向のいずれかの領域と同じ側の捩じれ変形が生ずる。このため、積層方向入れ替え領域の幅方向寸法が比較的大きい場合には、ストリップ複合体全体として見た場合、製品タイヤの転動時に、いずれかの方向の捩れ変形が残存してしまい、横力の変動(LFV)を十分に抑制することが困難である。
しかしながら、本実施の形態においては、積層方向入れ替え領域のストリップ複合体の幅方向寸法を、ストリップ複合体の幅の1/3以下としている。これにより、積層方向入れ替え領域の幅方向寸法を比較的小さくし、ストリップ複合体全体として見た場合、製品タイヤの転動時に、いずれかの方向における捩れ変形の残存を抑制できる。その結果、横力の変動(LFV)を十分に抑制し、ひいては転がり抵抗に関する性能をさらに高めることができる。
なお、積層方向入れ替え領域のストリップ複合体の幅方向寸法を、ストリップ複合体の幅の1/4以下とすることで、上記効果をより高いレベルで奏することができ、1/5以下とすることで、上記効果を極めて高いレベルで奏することができる。
(付加的形態2−3)
基本形態2及び基本形態2に付加的形態2−1、2−2の少なくともいずれかを加えた形態においては、上記加硫工程において、平面視で、2種類の上記ストリップの積層領域のうち、上記ストリップ同士の積層方向位置が入れ替わる領域(積層方向入れ替え領域)、に対応する表面には凸部が形成されていない金型を使用すること(付加的形態2−3)が好ましい。
積層方向入れ替え領域に対応する表面には凸部が形成されていない金型を使用することで、製品タイヤにおいては、積層方向入れ替え領域に存在するタイヤ径方向外側のコードからトレッド表面までの領域にゴム層を十分に存在させることができる。積層方向入れ替え領域においては、タイヤ径方向に並ぶコード間距離が、他の領域のコート間距離に比べて小さい。しかしながら、上記のような製造方法を採用することで、タイヤ表面が変形しても、当該変形において加えられた応力が積層方向入れ替え領域のコードの周辺領域まで相当に減衰された状態で到達することとなる。このため、上記周辺領域に応力が過度に加わることが抑制され、当該周辺領域における故障の発生が抑制されることから、耐久性能をさらに高めることができる。
(付加的形態2−4)
基本形態2及び基本形態2に付加的形態2−1から2−3の少なくともいずれかを加えた形態においては、2種類の上記ストリップを、交互に積層すること(付加的形態2−4)が好ましい。
本実施の形態は、ストリップ複合体の具体的形成手法のうち、例えば、図7(c)の状態を介して形成する例を好適例と位置付ける形態である。即ち、本実施の形態は、例えば、まず、図7(a)に示すように、第1の方向に延在する第1ストリップ60に対して、第2の方向に延在する第2ストリップ62を、これらの積層方向において位置が入れ替わるように1回交差させる。次いで、図7(c)に示すように、第2の方向に延在する第2ストリップ62に対して第1の方向に延在する第3ストリップ66を、これらの積層方向において位置が入れ替わるように1回交差させる。そして、第1の方向に延在するストリップと第2の方向に延在するストリップとの間で、以上の操作を繰り返し、図7(c)に示す点線で囲まれた領域をストリップで全て満たすように、複数の他のストリップを順次配設していく。
これにより、上記のストリップの交差態様に準じて、製品タイヤにおけるコードの交差態様が適切に実現される。このため、製品タイヤにおいては、タイヤ幅方向におけるユニフォミティを高めることができ、ひいては、転がり抵抗に関する性能をさらに改善することができる。
なお、ストリップ複合体の形成に際し、同方向に延在するストリップ同士(例えば、図7(c)におけるストリップ60、66)の間隔は、0mm以上10mm以下とすることができる。上記間隔を0mm以上とすることで、同方向に延在するストリップ同士間に積層部分を生じさせることなく、ゴム材料を過度に使用することを避け、軽量化を図って、転がり抵抗に関する性能をさらに高めることができる。また、上記間隔を10mm以下とすることで、ストリップ同士間に閉じ込められたエアーに起因する加硫故障を発生させることなく、空気入りタイヤを製造することができる。
なお、上記間隔を3mm以下とすることで、上記効果をより高いレベルで奏することができる。
(付加的形態2−5)
基本形態2及び基本形態2に付加的形態2−1から2−4の少なくともいずれかを加えた形態においては、平面視で、タイヤ幅方向の少なくとも一方側において、延在方向の異なる2種類の上記ストリップのタイヤ幅方向最外位置を異ならせて上記ストリップ複合体を形成すること(付加的形態2−5)が好ましい。
本実施の形態の製造方法を採用した場合には、製品タイヤにおいて、 図3(a)に示すように、ベルトプライ30の、タイヤ幅方向最外側に位置するコード間距離が、図2(a)に示すベルトプライ10の、タイヤ幅方向最外側に位置するコード間距離よりも大きくなる。このため、タイヤ表面に加えられた応力がタイヤ幅方向最外側のコードの近傍まで到達しても、タイヤ幅方向最外側に位置するコード間には緩衝材としてのゴム層が十分に存在するため、当該コードの近傍における故障の発生が抑制され、耐久性能をさらに高めることができる。
タイヤサイズを195/65R15とし、タイヤ子午断面視で、第1コードと第2コードとが、タイヤ径方向位置が入れ替わるように1回交差してタイヤ幅方向に連続的に点在しているベルトプライ(例えば、図1(b)に示すベルトプライ)を含む実施例1から5の空気入りタイヤを製造した。なお、実施例1から5の空気入りタイヤの細部構造に関する諸条件については、以下の表1に示すとおりである。
これに対し、タイヤサイズを195/65R15とし、タイヤ子午断面視で、第1コードと第2コードとが、タイヤ径方向位置が入れ替わらずに、タイヤ幅方向に連続的に点在しているベルトプライのみからなる従来例の空気入りタイヤを製造した。
このように作製した、実施例1から実施例5及び従来例の各試験タイヤをサイズ6Jのリムに装着して、以下の要領に従い、転がり抵抗に関する性能及び耐久性能についての評価を行った。
(転がり抵抗に関する性能)
ISO 28580に準拠したフォース法により、各試験タイヤについて転がり抵抗を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、転がり抵抗に関する性能が高いことを示す。
(耐久性能)
各リム組タイヤに正規内圧を付与するとともに正規荷重を加え、直径1700mmのドラムを用いて、スリップアングルを±5°の範囲で変化させたスラローム走行テストを実施した。そして、タイヤが破壊した時の走行距離を測定した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、耐久性能が高いことを示す。
これらの結果を表1に併記する。
なお、正規内圧とは、JATMAで規定される「最高空気圧」、TRAで規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、又はETRTOで規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。さらに、正規荷重とは、JATMAで規定される「最大負荷能力」、TRAで規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、又はETRTOで規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
Figure 0006269322
表1によれば、本発明の技術的範囲に属する(ベルト層の構成要素である2種類のコードの配置態様に改良を加えた)実施例1から実施例5の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属しない、従来例の空気入りタイヤに比べて、耐久性能を損なうことなく転がり抵抗に関する性能が向上していることが判る。
10、20、30、40、50 ベルトプライ
12、12a、12b1、12b2、12c1、12c2 第1コード
14、14a、14b1、14b2、14c1、14c2 第2コード
16 ゴム
60 第1ストリップ
62 第2ストリップ
64、66 第3ストリップ
70 ストリップ複合体
72a、72b ストリップ
B1、B2、B3、B4、B5、B6 ベルト層
C タイヤ幅方向領域
CL タイヤ赤道面
E1、E2 ストリップ複合体70の延在方向両端部
G 最大ゴムゲージ
OR 積層領域
P1、P2、P3、P4 点
S、S1、S2、S3 ストリップ
SC、SC1、SC2、SC3 コード
SG ゴム材
X1、X2 矢印(捩じれ方向)

Claims (10)

  1. 一対のビード部の間に形成されたカーカス層と、トレッド部における前記カーカス層のタイヤ径方向外側に形成された少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層と、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に形成されたトレッドゴムとを備え、
    平面透視で、前記ベルトプライの少なくとも1枚が、同方向に等間隔で延在する複数の第1コードと、前記第1コードに対して傾斜するとともに同方向に等間隔で延在する複数の第2コードと、前記第1コード及び前記第2コードを被覆するゴムとを含む、空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ子午断面視で、前記第1コードと前記第2コードとが、タイヤ径方向位置が入れ替わるように1回交差してタイヤ幅方向に点在し、
    タイヤ子午断面で、前記第1コードと前記第2コードとのコード間距離が最も小さいタイヤ幅方向領域のタイヤ径方向外側には、トレッド表面に至るまで陸部が形成されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 平面透視で、前記第1コードと前記第2コードとの重複部分のうち、タイヤ周方向に隣り合う重複部分同士、を結んだ線分がタイヤ周方向と平行である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ子午断面視で、タイヤ幅方向同一位置における、前記第1コードと前記第2コードとの間の最大ゴムゲージは、0.2mm以上2.5mm以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ子午断面視で、タイヤ幅方向の少なくとも一方側において、前記第1コードのタイヤ幅方向最外位置と、前記第2コードのタイヤ幅方向最外位置とが異なる、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成形工程、加硫工程及び加硫後の検査工程を含む空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記タイヤ材料の加工工程において、
    少なくとも1本のコードをゴムで被覆して、複数のストリップを形成するとともに、
    異なる方向に延在する2種類のストリップを、それらの積層方向において位置が入れ 替わるように1回交差させて、ベルト層用の材料としてストリップ複合体を形成する、
    ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  6. 平面視で、2種類の前記ストリップの積層領域の、ストリップ複合体の延在方向両端部を結んだ線分が、ストリップ複合体の延在方向と平行になるように、ストリップ複合体を形成する、請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 平面視で、2種類の前記ストリップの積層領域のうち、前記ストリップ同士の積層方向位置が入れ替わる領域についての、ストリップ複合体の幅方向寸法を、前記ストリップ複合体の幅の1/3以下とする、請求項5又は6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記加硫工程において、平面視で、2種類の前記ストリップの積層領域のうち、前記ストリップ同士の積層方向位置が入れ替わる領域、に対応する表面には凸部が形成されていない金型を使用する、請求項5から7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 2種類の前記ストリップを、交互に積層する、請求項5から8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 平面視で、タイヤ幅方向の少なくとも一方側において、延在方向の異なる2種類の前記ストリップのタイヤ幅方向最外位置を異ならせて前記ストリップ複合体を形成する、請求項5から9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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