JP6269262B2 - 虚像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ユーザが視認する虚像を表示する虚像表示装置に関する。
従来より、車両等の移動体の乗員に対して経路案内や障害物の警告等の運転情報を提供する情報提供手段として、様々な手段が用いられている。例えば、移動体に設置された液晶ディスプレイによる表示や、スピーカから出力する音声等である。そして、近年、このような情報提供手段の一つとして、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)のような人間の目の錯覚を利用して実際に映像が表示された位置と異なる空間上に映像を視認させる虚像表示装置がある。
例えば特開2008−76541号公報では、車両のインストルメントパネルに設置された表示装置において上記虚像表示装置を適用し、運転情報(例えば、速度表示、経路案内表示等)を虚像として生成し、運転者に視認させることについて記載されている。
特開2008−76541号公報(第5−6頁、図1)
ここで、虚像表示装置によってより効果的な情報の提供を行う為には、虚像を生成する位置(より具体的には乗員から虚像までの距離)を適切に設定することが重要である。例えば、上記特許文献1の技術では、映像が投射されるスクリーンであるマイクロレンズアレイを傾斜して配置することによって、道路の右左折を案内する矢印の虚像を手前側から奥側に傾斜した立体的な映像として生成することが記載されている。
また、上記特許文献1ではスクリーンとして多数のレンズを格子状に並べたマイクロレンズアレイを用いている。ここで、マイクロレンズアレイは他の一般的な透過型のスクリーンに比べて、スペックルノイズの軽減等に効果があるが、歪み等のない適切な虚像を生成する為には光源であるプロジェクタとの位置関係を適切に保つ必要がある。具体的には、図19に示すようにマイクロレンズアレイを構成する各レンズ101の中央付近にレーザ光102が照射すれば、歪みの無い高画質の虚像を生成できるが、各レンズ101の境界にレーザ光が照射されれば、生成される虚像に歪み等が生じることとなる。しかしながら、上記特許文献1では、マイクロレンズアレイを傾斜して配置するので、プロジェクタとの位置関係を適切に保つことが困難となる問題がある。その結果、生成される虚像に歪み等が生じることとなっていた。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、マイクロレンズアレイのスクリーンを用い、且つスクリーンの映像投射面をプロジェクタの光路に対して傾斜させて配置した場合であっても、生成される虚像に歪み等が生じることなく、高画質の虚像を生成することを可能にした虚像表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る虚像表示装置(1)は、マイクロレンズアレイからなる透過型のスクリーン(5)と、レーザ光に基づいて生成される映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタ(4)と、前記スクリーンに投射された前記映像から前記映像の虚像を生成する虚像生成手段(6、10、11)と、前記スクリーンを可動させることによって、前記プロジェクタの光路に対する前記映像が投射される前記スクリーンの面である映像投射面(22)の角度を変更するスクリーン可動手段(24)と、前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づいて、前記プロジェクタから前記スクリーンへと前記レーザ光を照射する照射方向を制御する照射制御手段(31)と、を有し、前記照射制御手段は、前記1レーザ光当たりに照射される前記スクリーンのレンズの数が固定されるように前記照射方向を制御することを特徴とする。
前記構成を有する本発明に係る虚像表示装置によれば、マイクロレンズアレイのスクリーンを用い、且つスクリーンの映像投射面をプロジェクタの光路に対して傾斜させて配置した場合であっても、生成される虚像に歪み等が生じることなく、高画質の虚像を生成することが可能となる。また、プロジェクタの光路に対してスクリーンの映像投射面を傾斜させた状態では、スクリーンに対して映像を投射する位置によってユーザから生成される虚像までの距離について変位させることが可能となる。その結果、ユーザからの距離が変位する障害物や交差点等の対象物に関する映像を虚像として該対象物に重畳して表示させる場合に、ユーザから対象物までの距離に応じた適切な位置に虚像を生成することが可能となる。
また、スクリーンの映像投射面の角度を変更することによって、スクリーンに投射された映像に基づいて生成できる虚像のユーザからの距離を任意に設定することが可能となる。例えば、プロジェクタの光路に対するスクリーンの傾斜角度を大きくすれば、ユーザからの距離が離れたより広い範囲まで虚像を生成することが可能となる。その結果、ユーザの状況に応じて必要な位置に虚像を生成することが可能となる。
また、マイクロレンズアレイを構成する各レンズの中央付近にレーザ光が照射することが可能であり、歪みの無い高画質の虚像を生成することが可能となる。
本実施形態に係るHUDの車両への設置態様を示した図である。 本実施形態に係るHUDの内部構成を示した図である。 プロジェクタの構成を示した図である。 スクリーンを示した図である。 スクリーンの回動態様を示した図である。 プロジェクタから出力される光とスクリーンとの関係を示した図である。 スクリーンが傾斜して配置された状態での虚像の生成距離を説明した図である。 車両の乗員から視認される虚像を示した図である。 本実施形態に係るHUDの構成を示したブロック図である。 本実施形態に係る虚像生成処理プログラムのフローチャートである。 角度設定テーブルの一例を示した図である。 スクリーンの角度毎にレーザ光が照射される対象となるレンズの数を示した図である。 マイクロレンズアレイとレーザ光の関係を示した図である。 スクリーンの角度毎にレーザ光の照射方向の補正態様を示した図である。 スクリーンの傾斜と映像の歪みの関係を説明した図である。 プロジェクタの出力補正について説明した図である。 車両の停車時に車両の乗員から視認できる虚像の一例を示した図である。 車両の走行時に車両の乗員から視認できる虚像の一例を示した図である。 従来技術の問題点について説明した図である。
以下、本発明に係る虚像生成装置について、車両に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置に具体化した一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)1の構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るHUD1の車両2への設置態様を示した図である。
図1に示すようにHUD1は、車両2のダッシュボード3内部に設置されており、内部にプロジェクタ4やプロジェクタ4からの映像が投射されるスクリーン5を有する。そして、スクリーン5に投射された映像を、後述のようにHUD1が備えるミラーやフレネルレンズを介し、更に運転席の前方のフロントウィンドウ6に反射させて車両2の乗員7に視認させるように構成されている。尚、スクリーン5に投射される映像としては、車両2に関する情報や乗員7の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば障害物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ番組等がある。
また、本実施形態のHUD1では、フロントウィンドウ6を反射して乗員7がスクリーン5に投射された映像を視認した場合に、乗員7にはフロントウィンドウ6の位置ではなく、フロントウィンドウ6の先の遠方の位置にスクリーン5に投射された映像が虚像8として視認されるように構成される。尚、乗員7が視認できる虚像8はスクリーン5に投射された映像であるが、ミラーを介するので上下方向は反転する。また、フレネルレンズを介することによってサイズも変更する。
ここで、虚像8を生成する位置、より具体的には乗員7から虚像8までの距離(以下、生成距離という)Lについては、HUD1が備えるミラーやフレネルレンズの形状や位置、光路に対するスクリーン5の位置等によって適宜設定することが可能である。特に、本実施形態では後述のようにプロジェクタ4の光路に対するスクリーン5の映像投射面の角度を変更可能に構成する。そして、プロジェクタ4の光路に対してスクリーン5の映像投射面を傾斜させた状態では、その傾斜角度と映像投射面内において映像を投射する位置とによって生成距離Lを適宜変更することが可能となる。例えば生成距離Lを2.5m〜20mの間で変更することが可能である。
次に、図2を用いてHUD1のより具体的な構成について説明する。図2は、本実施形態に係るHUD1の内部構成を示した図である。
図2に示すようにHUD1は、プロジェクタ4と、スクリーン5と、反射ミラー10と、ミラー11と、フレネルレンズ12と、制御回路部13と、CANインターフェース14とから基本的に構成されている。
ここで、プロジェクタ4は光源としてLED光源を用いた映像投射装置であり、例えばレーザ走査式プロジェクタとする。
図3はプロジェクタ4の構成を示した図である。図3に示すようにプロジェクタ4は、内部にレーザ光の光源15を備えており、例えばレーザ走査式プロジェクタでは光源15から出力されるレーザ光をMEMSミラー16で反射させ、スクリーン5上に走査させることによってスクリーン5に所望の映像を投射する。
一方、スクリーン5は、プロジェクタ4から投射された映像が投射される被投射媒体であり、多数のレンズを格子状に並べたマイクロレンズアレイからなる透過型スクリーンが用いられる。ここで、図4はスクリーン5を示した図である。
図4に示すようにスクリーン5は、映像が投射される映像投射面として被投射エリア22を有しており、プロジェクタ4から投射されたレーザ光に基づいて映像が生成される。また、スクリーン5は、一辺を回転軸として回動させることによってプロジェクタ4の光路に対する被投射エリア22の角度を変更可能に構成されている。具体的には、スクリーン5の側面にあるスクリーン回動駆動モータ24を駆動させることによって、図5に示すようにスクリーン5を、回転軸Pを中心に回動させる。また、回転軸Pの位置はスクリーン5の上端であって、スクリーン5を回動可能な範囲は、被投射エリア22が光路に対して垂直方向となる位置Aから、垂直方向に対してプロジェクタ4側に角度θmaxをなす位置Bまでの範囲となる。即ち、スクリーン5は光路に沿ったミラー11からの距離が、回転軸Pにおいて最も短くなるように回動される。
尚、角度θmaxやスクリーン5のサイズは適宜設定可能であるが、図6に示すようにスクリーン5が位置A〜Bの間のどの位置にあってもプロジェクタ4から出力される全ての光を被投射エリア22で受けることができ、且つ最も傾斜角度の大きい位置Bにある場合に被投射エリア22の全領域でプロジェクタ4から出力される光を受けるように設定する。
そして、図7に示すようにプロジェクタ4の光路に対して傾斜するようにスクリーン5を配置した状態では、スクリーン5に対して投射される映像25の被投射エリア22内の位置を変更することによって、図8に示すようにスクリーン5に投射された映像25の虚像8が生成される位置(具体的には乗員7から虚像8までの距離である生成距離L)を変更することが可能である。ここで、生成距離Lは、光路に沿ったミラー11からスクリーン5までの距離に依存する。即ち、生成距離Lは、ミラー11からスクリーン5までの距離に応じて長短を変更される。例えば、ミラー11からスクリーン5までの距離が長くなる(即ちプロジェクタ4からの距離が短くなる)と生成距離Lが長くなり、ミラー11からスクリーン5までの距離が短くなる(即ちプロジェクタ4からの距離が長くなる)と生成距離Lが短くなる。従って、図7に示すようにスクリーン5が傾斜された状態では、ミラー11からの距離が短くなる回転軸P付近に投射された映像25の虚像8は生成距離Lが短くなる(即ち、乗員7からはより近くに虚像8が視認されるようになる)。一方、ミラー11からの距離が長くなる回転軸Pから離れた位置に投射された映像25の虚像8は生成距離Lが長くなる(即ち、乗員7からはより遠くに虚像8が視認されるようになる)。
また、スクリーン5に投射された映像25の虚像8が生成される位置(具体的には乗員7から虚像8までの距離である生成距離L)を変更することが可能な範囲は、プロジェクタ4の光路に対するスクリーン5の傾斜角度によって変わる。具体的には、プロジェクタ4の光路に対してスクリーン5が垂直方向にある場合には、生成距離Lは一のみ選択可能であり、プロジェクタ4の光路に対するスクリーン5の傾斜角度が大きくなるほど、生成距離Lを変更可能な範囲も大きくなる。
ここで、スクリーン5に対して投射された映像25は、反射ミラー10やミラー11によって反射されるので、生成される虚像8はスクリーン5に対して投射された映像と上下左右がそれぞれ反転した像となる。即ち、回転軸Pに近いスクリーン5の上方に投射された映像25ほど、その映像25に基づいて生成される虚像8は乗員7から鉛直方向上側に視認され、回転軸Pから離れたスクリーン5の下方に投射された映像25ほど、その映像25に基づいて生成される虚像8は乗員7から鉛直方向下側に視認される。従って、乗員7から遠くの位置に生成される虚像8ほど乗員7からは上方に視認できる。ここで、車両の乗員7がフロントウィンドウ6越しに前方環境を視認する場合には、基本的に遠くに位置するものほど上方に見える。従って、スクリーン5を傾斜させることによって視認できる前方環境と虚像8とを対応させ、虚像8と前方環境との重畳表示を見やすくすることが可能となる。
また、プロジェクタ4の光路に対して傾斜するようにスクリーン5を配置した状態では、図8に示すように生成される虚像8についても鉛直方向に対して傾斜することとなる。特に生成距離Lが長い虚像8ほど傾斜角度は大きくなる。その結果、例えば右左折方向を示す矢印等の虚像8を生成する場合には、路面に沿って虚像8を配置することが可能となる。
また、特に本実施形態では、プロジェクタ4の光路に対してスクリーン5を最も傾斜させた位置Bにある状態において、図8に示すように回転軸Pに最も近い位置に投射された映像25の虚像8の生成距離Lが2.5mであり、回転軸Pから最も遠い位置に投射された映像25の虚像8の生成距離Lが20mとなるように設計する。また、プロジェクタ4の光路に対してスクリーン5を垂直方向に配置した位置Aにある状態においては、被投射エリア22内のどの位置に投射された映像25の虚像8でも生成距離Lが2.5mとなるように設計する。
即ち、本実施形態に係るHUD1では、虚像8の生成距離Lを最大で2.5mから20mの間で変更することが可能となる。また、回転軸Pの位置は固定であるので、スクリーン5が位置A〜位置Bのどの位置にあったとしても生成距離Lの変位する範囲の下限は2.5mとなる。即ち、生成距離Lが2.5mとなる虚像8についてはスクリーン5の角度に関わらず常に生成することが可能となる。ここで、乗員7から2.5m先は、前方車両と重複する虞の無い距離であり、特に生成距離を変位させる必要がない車速等の情報やユーザに確実に視認させる必要のある警告情報等については生成距離Lが2.5mとなる位置に生成する。
また、スクリーン回動駆動モータ24はステッピングモータからなる。そして、HUD1は、制御回路部13から送信されるパルス信号に基づいてスクリーン回動駆動モータ24を制御し、スクリーン5の角度を設定角度に対して適切に位置決めすることが可能となる。
一方、反射ミラー10は、図2に示すようにプロジェクタ4から投射された映像を反射して光路を変更し、スクリーン5へと投射する反射板である。
また、ミラー11は、図2に示すようにスクリーン5からの映像光を反射させ、フロントウィンドウ6を介してスクリーン5の映像を乗員7に視認させることにより、乗員7の前方に虚像8(図1参照)を生成する手段であり、反射ミラー10やフロントウィンドウ6とともに虚像生成手段を構成する。ミラー11としては、球面凹面鏡や、非球面凹面鏡、若しくは投影映像の歪みを補正するための自由曲面鏡が用いられる。尚、スクリーン5に対して投射された映像は、反射ミラー10やミラー11によって反射されるので、生成される虚像はスクリーン5に対して投射された映像と上下左右がそれぞれ反転した像となる。
また、フレネルレンズ12は、図2に示すようにスクリーン5に投射された映像を拡大して虚像8を生成する為の拡大鏡である。そして、本実施形態に係るHUD1では、スクリーン5に投射された映像を、ミラー11やフレネルレンズ12を介し、更にフロントウィンドウ6に反射させて乗員7に視認させることによって、フロントウィンドウ6の先の遠方の位置にスクリーン5に投射された映像が拡大され、虚像8として乗員に視認される(図1参照)。
また、制御回路部13は、HUD1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。ここで、図9は本実施形態に係るHUD1の構成を示したブロック図である。
図9に示すように制御回路部13は、演算装置及び制御装置としてのCPU31、並びにCPU31が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、後述の虚像生成処理プログラム(図10参照)等が記録されたROM33、ROM33から読み出したプログラムや後述の角度設定テーブルを記憶するフラッシュメモリ34等の内部記憶装置を備えている。また、制御回路部13は、プロジェクタ4、スクリーン回動駆動モータ24とそれぞれ接続され、プロジェクタ4や各種モータの駆動制御を行う。
また、CAN(コントローラエリアネットワーク)インターフェース14は、車両内に設置された各種車載器や車両機器の制御装置間で多重通信を行う車載ネットワーク規格であるCANに対して、データの入出力を行うインターフェースである。そして、HUD1は、CANを介して、各種車載器や車両機器の制御装置(例えば、ナビゲーション装置48、AV装置49等)と相互通信可能に接続される。それによって、HUD1は、ナビゲーション装置48やAV装置49等の出力画面を投影可能に構成する。
続いて、前記構成を有するHUD1においてCPU31が実行する虚像生成処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は本実施形態に係る虚像生成処理プログラムのフローチャートである。ここで、虚像生成処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、車両の状態に合わせてスクリーン5の角度を変位させるとともに車両の乗員であるユーザに視認可能な虚像を生成するプログラムである。尚、以下の図10にフローチャートで示されるプログラムは、HUD1が備えているRAM32やROM33に記憶されており、CPU31により実行される。また、本実施形態では車両のACCがONされた時点では、スクリーン5はプロジェクタ4の光路に対して垂直方向(図6の位置A)となるように、スクリーン5の角度が設定されているとして説明する。
先ず、虚像生成処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU31は、車両が走行状態にあるか否かを判定する。尚、車両が走行状態にあるか否かの判定には、例えば車速センサを用いる。
そして、車両が走行状態にあると判定された場合(S1:YES)には、S4へと移行する。それに対して、車両が走行状態にない、即ち停車した状態にあると判定された場合(S1:NO)には、S2へと移行する。
S2においてCPU31は、車両が停車状態にあることから特に遠方に虚像を生成する必要が無いので、虚像8を生成する必要のある位置へと虚像8を生成する為のスクリーン5の位置(以下、目標スクリーン位置という)を、最大生成距離Xが最も短い“2.5m”となる位置に設定する。ここで、最大生成距離Xは、スクリーン5によって生成できる虚像8の最大の生成距離である。前述したように本実施形態に係るHUD1では、スクリーン5をプロジェクタ4の光路に対して傾斜して配置でき、その場合にはスクリーン5に対して投射される映像の被投射エリア22内の位置を変更することによって、図7及び図8に示すように生成距離Lを変更することが可能である。そして、本実施形態では回転軸Pから最も遠い位置に投射された映像の虚像8の生成距離Lが最大生成距離Xとなる。尚、最大生成距離Xが“2.5m”となる位置は、プロジェクタ4の光路に対してスクリーン5が垂直方向となる位置(図6の位置A)である。
次に、S3においてCPU31は、前記S2で設定された目標スクリーン位置(最大生成距離X=2.5mとなる位置)に対応して、プロジェクタ4によるレーザ光の出力設定を行う。尚、プロジェクタ4は設定されたレーザ光の出力設定に基づいて、後述のように出力するレーザ光の照射方向やレーザ光によって生成される映像の補正を行う。その後、S9へと移行する。
一方、S4においてCPU31は、虚像8の目標生成距離Tが、本実施形態に係るHUD1において設定可能な最大生成距離Xの上限である20mより長いか否かを判定する。ここで、目標生成距離Tは、車両の乗員7から現在の車両に対して虚像8を生成すべき位置までの距離とする。また、虚像8を生成すべき位置は、走行中の車両の状況によって決定され、例えば案内交差点等の走行案内を行う必要がある地点が接近した場合には該地点の位置となり、前方車両や歩行者等の障害物に対する警告を行う場合には該障害物の位置となる。
そして、目標生成距離Tが20mより長いと判定された場合(S4:YES)には、S7へと移行する。それに対して、目標生成距離Tが20m以下であると判定された場合(S4:NO)には、S5へと移行する。
S5においてCPU31は、目標スクリーン位置を最大生成距離Xが“目標生成距離T”となる位置に設定する。
次に、S6においてCPU31は、前記S5で設定された目標スクリーン位置(最大生成距離X=Tmとなる位置)に対応して、プロジェクタ4によるレーザ光の出力設定を行う。尚、プロジェクタ4は設定されたレーザ光の出力設定に基づいて、後述のように出力するレーザ光の照射方向やレーザ光によって生成される映像の補正を行う。その後、S9へと移行する。
一方、S7においてCPU31は、目標スクリーン位置を最大生成距離Xが“20m”となる位置に設定する。尚、最大生成距離Xが“20m”となる位置は、スクリーン5の可動範囲内でプロジェクタ4の光路に対して最大の傾斜角θmaxとなる位置(図6の位置B)である。
次に、S8においてCPU31は、前記S7で設定されたスクリーンの位置(最大生成距離X=20mとなる位置)に対応して、プロジェクタ4によるレーザ光の出力設定を行う。尚、プロジェクタ4は設定されたレーザ光の出力設定に基づいて、後述のように出力するレーザ光の照射方向やレーザ光によって生成される映像の補正を行う。その後、S9へと移行する。
S9においてCPU31は、前記S2、S5、S7で設定された最大生成距離Xを実現する目標スクリーン位置の角度を決定する。尚、スクリーン5の角度の決定にはフラッシュメモリ34に記憶された角度設定テーブルが用いられる。角度設定テーブルは、図11に示すように最大生成距離X毎に、該最大生成距離Xを実現する為のスクリーン5の角度(具体的にはプロジェクタ4の光路の垂直方向に対する角度)が規定されている。具体的には、最大生成距離Xが“2.5m”となる位置は、プロジェクタ4の光路に対してスクリーン5が垂直方向となる位置(図6の位置A)であり、最大生成距離Xが長くなるに応じて、プロジェクタ4の光路の垂直方向に対するスクリーン5の被投射エリア22の角度が徐々に大きくなるように規定される。
次に、S10においてCPU31は、スクリーン5を現在位置から前記S9で特定された目標スクリーン位置の角度まで回動させるのに必要なスクリーン回動駆動モータ24の駆動量(パルス数)を決定する。
その後、S11においてCPU31は、前記S10で決定された駆動量だけスクリーン回動駆動モータ24を駆動させる為のパルス信号をスクリーン回動駆動モータ24へと送信する。そして、パルス信号を受信したスクリーン回動駆動モータ24は、受信したパルス信号に基づいて駆動を行う。その結果、スクリーン5は目標スクリーン位置まで回転軸Pを中心に回動する。
次に、S12においてCPU31は、スクリーン5の回動が完了したか否かを判定する。具体的には、前記S11でパルス信号を送信したスクリーン回動駆動モータ24から駆動を完了したことを示す信号を受信した場合に、スクリーン5の回動が完了したと判定する。
そして、スクリーン5の回動が完了したと判定された場合(S12:YES)には、S13へと移行する。それに対して、スクリーン5の回動が完了していないと判定された場合(S12:NO)には、回動が完了するまで待機する。
S13においてCPU31は、プロジェクタ4によるスクリーン5への投射対象となる映像を入力する。尚、プロジェクタ4により投射される映像としては、車両2に関する情報や乗員7の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば障害物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ画面等がある。特に本実施形態では車両が停車した状態では、上記映像の内、車両の現在車速の映像及びテレビ画面を投射し、車両が走行する状態では障害物に対する警告及びナビゲーション装置で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報を出力する構成とする。
次に、S14においてCPU31は、プロジェクタ4に制御信号を送信し、前記S3、S6、S8において設定されたプロジェクタ4のレーザ光の出力設定に基づいて、プロジェクタ4によるレーザ光の照射方向を補正する。具体的には、プロジェクタ4の光路に対するスクリーン5の角度に基づいて、スクリーン5に対してレーザ光が照射される範囲とレーザ光によって生成される映像の画素数(解像度)を補正する。
ここで、図12に示すようにスクリーン5のプロジェクタ4の光路に対する傾斜角度によって、スクリーン5へのレーザ光の投射範囲50は変化する。具体的には、プロジェクタ4に近い位置が遠い位置よりも縮小された範囲に投射されることとなる。従って、スクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して垂直方向にある場合には、投射範囲50は長方形形状となるが、スクリーン5が傾斜した状態では投射範囲50は上辺が下辺より長い台形形状となる。また、スクリーン5の傾斜角度が小さくなるほど、回転軸Pの垂直方向における投射範囲50が狭くなる。
従って、投射範囲50に含まれるレンズの数(即ち、レーザ光が照射される対象となるレンズの数)も投射範囲50に応じて変化する。例えば、スクリーン5を構成するレンズの数が、回転軸Pの平行方向(横方向)に1280個、垂直方向(縦方向)に800個である場合を例に挙げて説明すると、図12に示すようにスクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して垂直方向にある場合には、レーザ光が照射される対象となるレンズは1280個×700個の長方形の範囲となる。一方、スクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して最大角度(θmax)まで傾斜した場合には、レーザ光が照射される対象となるレンズは上辺1280個、下辺1000個、高さ800個の台形の範囲となる。
ここで、スクリーン5としてマイクロレンズアレイを用いた場合には、図13に示すようにマイクロレンズアレイを構成する各レンズ51の境界上にレーザ光52が照射されず、レンズ51の中央付近にレーザ光52が照射すれば、歪みの無い高画質の虚像を生成できる。その為には、1レーザ光当たりに照射されるスクリーン5のレンズの数が固定されるように照射方向を制御する必要がある。例えば、レーザ光と照射されるレンズの数の関係が、1:1、1:2又は1:3となるようにレーザ光を照射する照射方向を制御する。
以下では、レーザ光と照射されるレンズの数の関係が1:1となるようにレーザ光を照射する照射方向を制御する例について説明する。例えば、図14に示すようにスクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して垂直方向にある場合には、レーザ光の照射範囲53を長方形とし、レーザ光によって生成される映像の画素数は回転軸Pの平行方向の画素数が1280dotとなるように照射方向を制御する。即ち、全領域において解像度が一定の映像とする。また、垂直方向は同じ垂直方向においてレーザ光が照射されるスクリーン5のレンズの数に対応した700dotとなるように照射方向を制御する。その結果、レーザ光と照射されるレンズの数の関係を1:1とすることが可能となる。
一方、スクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して最大角度まで傾斜した場合には、垂直方向にある場合と比べてレーザ光の照射範囲53を下辺側に広げた台形とする。それによって、回転軸Pの平行方向においてレーザ光が照射されるスクリーン5のレンズの数を1280個に固定することが可能である。また、レーザ光によって生成される映像の画素数は回転軸Pの平行方向の画素数を照射範囲に関わらず1280dotとなるように照射方向を制御する。即ち、台形の下辺側程、解像度を低下した映像とする。また、垂直方向は同じ垂直方向においてレーザ光が照射されるスクリーン5のレンズの数に対応した800dotとなるように照射方向を制御する。その結果、レーザ光と照射されるレンズの数の関係を1:1とすることが可能となる。
次に、S15においてCPU31は、プロジェクタ4に制御信号を送信し、前記S3、S6、S8において設定されたプロジェクタ4のレーザ光の出力設定に基づいて、前記S13で入力された映像を補正する。
ここで、図15に示すようにスクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して傾斜した状態では、スクリーン5に投射された映像25が歪むこととなる。具体的には、プロジェクタ4に近い位置が遠い位置よりも縮小されて投射されることとなる。例えば長方形の映像をプロジェクタ4から出力した場合には、スクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して垂直方向にある場合には、同じ長方形の映像55がスクリーン上に描かれることとなるが、スクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して傾斜している場合には、上辺が下辺より長い台形の映像56がスクリーン上に描かれることとなる。また、映像56の歪みはスクリーン5の傾斜角度が大きいほど大きくなる。
従って、スクリーン5がプロジェクタ4の光路に対して傾斜した状態では、図16に示すようにスクリーン5に投射された際に映像が本来の形状となるように逆算して補正した映像56を投射する必要がある。例えば、長方形の映像の虚像8を生成させる為には、上辺が下辺より短い台形の映像57となるように映像57に係るレーザ光の投射範囲を補正して出力する。また、補正量はスクリーン5の傾斜角度が大きいほど大きくなる。
次に、S16においてCPU31は、前記S14で補正されたレーザ光の照射方向に基づいて前記S15で補正された映像をプロジェクタ4からスクリーン5へと投射する。
その結果、例えば車両が停車した状態では図17に示すように、フロントウィンドウ6の下縁付近で且つフロントウィンドウ6の前方2.5m先に、虚像8として現在車速を示す数値とテレビ画面が生成され、乗員から視認可能となる。
一方、車両が走行状態にあって、図18に示すように右左折対象となる交差点60と障害物である歩行者61が接近した状態では、交差点60の位置に交差点の右左折を示す矢印の虚像8を生成し、歩行者61の位置に警告の虚像8を生成する。また、スクリーン5を傾斜させることによって、乗員7が視認する前方環境と虚像8の位置を対応させることが可能となる。例えば、図18に示す例では交差点60の右左折を示す矢印の虚像8よりも歩行者61の警告の虚像8の方が遠方に生成される。従って、虚像8と前方環境との重畳表示を見やすくすることが可能となる。尚、その後に車両が移動することによって乗員7から右左折対象となる交差点60や歩行者61までの距離が変化すれば、それに伴ってスクリーン5の傾斜角度(即ち最大生成距離X)も変わり、虚像8の生成される位置も適切な位置へと変わるように構成する。
また、スクリーン5が傾斜されていたとしても回転軸Pに最も近い位置に投射された映像の虚像8の生成距離Lは2.5mとなるので、交差点60や歩行者61のある遠方に虚像8を生成しつつユーザに確実に視認させる必要のある警告情報がある場合には、図18に示すように生成距離Lが2.5mとなる位置に該警告情報の虚像8を同時に生成することが可能となる。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るHUD1によれば、プロジェクタ4から出力した映像をスクリーン5に投射し、スクリーン5に投射された映像を車両2のフロントウィンドウ6に反射させて車両の乗員7に視認させることによって、車両の乗員7が視認する映像の虚像8を生成する。また、スクリーン5を可動させることによって、プロジェクタ4の光路に対するスクリーン5の角度を変更可能に構成し、プロジェクタ4の光路に対するスクリーン5の角度に基づいて、プロジェクタ4からスクリーン5へとレーザ光を照射する照射方向を制御する(S14、S15)ので、スクリーン5に投射された映像に基づいて生成できる虚像8のユーザからの距離を任意に設定することが可能となる。例えば、プロジェクタ4の光路に対するスクリーン5の傾斜角度を大きくすれば、ユーザからの距離が離れたより広い範囲まで虚像を生成することが可能となる。その結果、ユーザの状況に応じて必要な位置に虚像を生成することが可能となる。
また、マイクロレンズアレイのスクリーン5を用い、且つスクリーン5の被投射エリア22をプロジェクタ4の光路に対して傾斜させて配置した場合であっても、生成される虚像8に歪み等が生じることなく、高画質の虚像8を生成することが可能となる。また、プロジェクタ4の光路に対してスクリーン5の被投射エリア22を傾斜させた状態では、スクリーン5に対して映像を投射する位置によってユーザから生成される虚像8までの距離について変位させることが可能となる。その結果、ユーザからの距離が変位する障害物や交差点等の対象物に関する映像を虚像として該対象物に重畳して表示させる場合に、ユーザから対象物までの距離に応じた適切な位置に虚像を生成することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではHUD1によって車両2のフロントウィンドウ6の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントウィンドウ6以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、HUD1により映像を反射させる対象はフロントウィンドウ6自身ではなくフロントウィンドウ6の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
また、本実施形態では車両2に対してHUD1を設置する構成としているが、車両2以外の移動体に設置する構成としても良い。例えば、船舶や航空機等に対して設置することも可能である。また、アミューズメント施設に設置されるライド型アトラクションに設置しても良い。その場合には、ライドの周囲に虚像を生成し、ライドの乗員に対して虚像を視認させることが可能となる。
また、本実施形態では虚像生成装置をHUD1に適用した例について説明したが、虚像を生成し、ユーザに視認させる構成を有する装置であればHUD以外にも適用可能である。例えば、インストルメントパネルに設置された表示装置に適用しても良い。
また、本実施形態ではスクリーン5の回動範囲を、プロジェクタ4の光路に対してスクリーン5が垂直方向となる位置Aから垂直方向に対して角度θmaxをなす位置Bまでの範囲に設定し、且つ位置Bは生成距離Lが2.5m〜20mの間で変更可能となる位置に設定しているが、スクリーン5の回動範囲は適宜変更することが可能である。
また、本実施形態では、プロジェクタ4の光路に対するスクリーン5の角度に基づいて、スクリーン5に対してレーザ光が照射される範囲とレーザ光によって生成される映像の画素数(解像度)とをそれぞれ補正する(S14)こととしているが、一方のみを補正対象としても良い。
また、本実施形態では、スクリーンを1枚のスクリーンから構成しているが、スクリーンの数は2枚以上としても良い。また、スクリーンを2枚以上とした場合には、全てのスクリーンを光路に対して傾斜して配置するように構成しても良いし、一部のスクリーンのみを光路に対して傾斜して配置するように構成しても良い。
また、本発明に係る虚像生成装置を具体化した実施例について上記に説明したが、虚像生成装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
マイクロレンズアレイからなる透過型のスクリーンと、レーザ光に基づいて生成される映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタと、前記スクリーンに投射された前記映像から前記映像の虚像を生成する虚像生成手段と、前記スクリーンを可動させることによって、前記プロジェクタの光路に対する前記映像が投射される前記スクリーンの面である映像投射面の角度を変更するスクリーン可動手段と、前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づいて、前記プロジェクタから前記スクリーンへと前記レーザ光を照射する照射方向を制御する照射制御手段と、を有することを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、マイクロレンズアレイのスクリーンを用い、且つスクリーンの映像投射面をプロジェクタの光路に対して傾斜させて配置した場合であっても、生成される虚像に歪み等が生じることなく、高画質の虚像を生成することが可能となる。また、プロジェクタの光路に対してスクリーンの映像投射面を傾斜させた状態では、スクリーンに対して映像を投射する位置によってユーザから生成される虚像までの距離について変位させることが可能となる。その結果、ユーザからの距離が変位する障害物や交差点等の対象物に関する映像を虚像として該対象物に重畳して表示させる場合に、ユーザから対象物までの距離に応じた適切な位置に虚像を生成することが可能となる。
また、スクリーンの映像投射面の角度を変更することによって、スクリーンに投射された映像に基づいて生成できる虚像のユーザからの距離を任意に設定することが可能となる。例えば、プロジェクタの光路に対するスクリーンの傾斜角度を大きくすれば、ユーザからの距離が離れたより広い範囲まで虚像を生成することが可能となる。その結果、ユーザの状況に応じて必要な位置に虚像を生成することが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記照射制御手段は、前記1レーザ光当たりに照射される前記スクリーンのレンズの数が固定されるように前記照射方向を制御することを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、マイクロレンズアレイを構成する各レンズの中央付近にレーザ光が照射することが可能であり、歪みの無い高画質の虚像を生成することが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記照射制御手段は、前記レーザ光が前記スクリーンを構成する各レンズの境界上に照射されないように前記照射方向を制御することを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、マイクロレンズアレイからなるスクリーンを用いた場合であっても、歪みの無い高画質の虚像を生成することが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記照射制御手段は、前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づいて、前記スクリーンに対して前記レーザ光が照射される範囲を補正することを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、レーザ光が照射される範囲を補正することによって、レーザ光によって照射対象となるスクリーンのレンズの数を調整することができ、映像投射面の角度に関わらず1レーザ光当たりに照射されるスクリーンのレンズの数を固定することが可能となる。その結果、歪みの無い高画質の虚像を生成することが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記スクリーン可動手段は、前記スクリーンの一辺を回転軸として前記スクリーンを回動させることによって前記光路に対する前記映像投射面の角度を変更し、前記照射制御手段は、前記回転軸の平行方向において前記レーザ光が照射される前記スクリーンのレンズの数が一定となるように前記レーザ光が照射される範囲を補正することを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、容易な構成と制御によってスクリーンの映像投射面の角度を変更することが可能となる。従って、装置の小型化とコストダウンを実現することが可能となる。また、スクリーンがプロジェクタの光路に対してどのような角度にあっても、回転軸の平行方向においてレーザ光が照射されるスクリーンのレンズの数を一定とすることができるので、1レーザ光当たりに照射されるスクリーンのレンズの数を固定することが可能となる。その結果、歪みの無い高画質の虚像を生成することが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記照射制御手段は、前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づいて、前記レーザ光によって生成される前記映像の画素数を補正することを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、レーザ光によって生成される映像の画素数を補正することによって、映像投射面の角度に関わらず1レーザ光当たりに照射されるスクリーンのレンズの数を固定することが可能となる。その結果、歪みの無い高画質の虚像を生成することが可能となる。
また、第7の構成は以下のとおりである。
前記スクリーン可動手段は、前記スクリーンの一辺を回転軸として前記スクリーンを回動させることによって前記光路に対する前記映像投射面の角度を変更し、前記照射制御手段は、前記映像投射面に生成される前記映像の前記回転軸の垂直方向の画素数を、前記回転軸の垂直方向において前記レーザ光が照射される前記スクリーンのレンズの数に対応させて補正することを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、容易な構成と制御によってスクリーンの映像投射面の角度を変更することが可能となる。従って、装置の小型化とコストダウンを実現することが可能となる。また、スクリーンがプロジェクタの光路に対してどのような角度にあっても、回転軸の垂直方向においてレーザ光が照射されるスクリーンのレンズの数と画素数(即ちレーザ光の数)を対応させることができるので、1レーザ光当たりに照射されるスクリーンのレンズの数を固定することが可能となる。その結果、歪みの無い高画質の虚像を生成することが可能となる。
また、第8の構成は以下のとおりである。
前記照射制御手段は、前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づく前記映像の歪みを修正するように前記映像に係るレーザ光の投射範囲を補正することを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、スクリーンの傾斜によって生じる映像の歪みを修正し、適切な形状の虚像を生成することが可能となる。
また、第9の構成は以下のとおりである。
前記スクリーン可動手段は、前記プロジェクタから出力される全ての光を前記映像投射面で受ける範囲で前記スクリーンを可動させることを特徴とする。
上記構成を有する虚像生成装置によれば、スクリーンを可動させた場合に、虚像の一部が途切れることを防止することが可能となる。
1 ヘッドアップディスプレイ装置
2 車両
3 ダッシュボード
4 プロジェクタ
5 スクリーン
6 フロントウィンドウ
7 乗員
8 虚像
24 スクリーン回動駆動モータ
25 映像
31 CPU
32 RAM
33 ROM
34 フラッシュメモリ
51 レンズ
52 レーザ光
53 照射範囲

Claims (8)

  1. マイクロレンズアレイからなる透過型のスクリーンと、
    レーザ光に基づいて生成される映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタと、
    前記スクリーンに投射された前記映像から前記映像の虚像を生成する虚像生成手段と、
    前記スクリーンを可動させることによって、前記プロジェクタの光路に対する前記映像が投射される前記スクリーンの面である映像投射面の角度を変更するスクリーン可動手段と、
    前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づいて、前記プロジェクタから前記スクリーンへと前記レーザ光を照射する照射方向を制御する照射制御手段と、を有し、
    前記照射制御手段は、前記1レーザ光当たりに照射される前記スクリーンのレンズの数が固定されるように前記照射方向を制御することを特徴とする虚像表示装置。
  2. 前記照射制御手段は、前記レーザ光が前記スクリーンを構成する各レンズの境界上に照射されないように前記照射方向を制御することを特徴とする請求項に記載の虚像表示装置。
  3. 前記照射制御手段は、前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づいて、前記スクリーンに対して前記レーザ光が照射される範囲を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の虚像表示装置。
  4. 前記スクリーン可動手段は、前記スクリーンの一辺を回転軸として前記スクリーンを回動させることによって前記光路に対する前記映像投射面の角度を変更し、
    前記照射制御手段は、前記回転軸の平行方向において前記レーザ光が照射される前記スクリーンのレンズの数が一定となるように前記レーザ光が照射される範囲を補正することを特徴とする請求項に記載の虚像表示装置。
  5. 前記照射制御手段は、前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づいて、前記レーザ光によって生成される前記映像の画素数を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の虚像表示装置。
  6. 前記スクリーン可動手段は、前記スクリーンの一辺を回転軸として前記スクリーンを回動させることによって前記光路に対する前記映像投射面の角度を変更し、
    前記照射制御手段は、前記映像投射面に生成される前記映像の前記回転軸の垂直方向の画素数を、前記回転軸の垂直方向において前記レーザ光が照射される前記スクリーンのレンズの数に対応させて補正することを特徴とする請求項に記載の虚像表示装置。
  7. 前記照射制御手段は、前記プロジェクタの光路に対する前記映像投射面の角度に基づく前記映像の歪みを修正するように前記映像に係るレーザ光の投射範囲を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の虚像表示装置。
  8. 前記スクリーン可動手段は、前記プロジェクタから出力される全ての光を前記映像投射面で受ける範囲で前記スクリーンを可動させることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の虚像表示装置。
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