JP6268924B2 - ロボット、およびロボットの作業方法 - Google Patents
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Description
また、撮像装置の焦点とエンドエフェクターの作業中心の位置とのオフセット量を補正してエンドエフェクターを作業位置に移動させる際に、多軸のロボットアームのn軸すべてを動作させることになるため、各回転軸を回転させるモーターの減速機などのバックラッシが累積され、エンドエフェクターの作業位置への位置決め精度を低下させる虞があるという問題があった。
<ロボットシステム>
図1は、本発明のロボット10を含むロボットシステム5の一実施形態を模式的に示す説明図である。
ロボットシステム5は、ロボット10と、このロボット10を制御するロボット制御装置50とを備える。
特に、特徴的な電源部を備えたことにより、複数の駆動軸が同時に駆動されるような高負荷時においても、必要な駆動電力を確保することが可能となり、期待通りの動作を行うことができる。
基底部70は、ロボット10の台座であり、工場内の作業スペースの床や、作業台などの平面に複数本のボルト(ネジ)によって強固に固定される。なお、固定場所は、水平面(X軸及びY軸を含む面)に限定するものではなく、ロボット10の重量、及び振動に耐え得る強度があれば、移動可能な台車上や、壁面、天井、あるいは後述するようなロボットユニットに設けられたアーム連結部などであっても良い。
制御部72は、本体部71の背面に配置されており、その内部には、ロボット10を駆動制御するための制御回路や、電力を供給する電源回路などが格納されている。制御部72には、電源ケーブルを含むケーブル185が接続されており、その末端は、ロボット制御装置50に接続されている。
また、制御部72には、図示はしないが、ロボット10を操作するための操作パネルに加えて、動作プログラムを入力するためのRS232Cや、USB(Universal Serial Bus)などのインターフェイス端子が設けられている。または、無線LAN(Local Area Network)端末や、赤外線送受信器などのインターフェイス装置を備えた構成であっても良い。
なお、制御部72は、ロボット本体とは別体に設けられていても良い。
まず、ロボット10のジョイント73からリンク80までのアーム部材が組み合わされてなるロボットアーム構造(腕から手まで)は、本体部71をZ軸方向に貫く第1番目の回転軸91を中心にして水平方向に旋回する。
また、ロボットハンド82が取り付けられたリンク80がロボットアーム構造における一端(末端)であり、本体部71(基底部70側)に取り付けられたジョイント73がロボットアーム構造における他端(根元)に相当する。なお、以降の説明において、ロボットアーム構造におけるロボットハンド82に近い側を「末端側」、基底部70に近い側を「根元側」という表現も用いる。
また、本体部71には、ロボットアーム構造を回転駆動するためのモーター、および複数のギヤを含む減速機構などが組み込まれている。また、以降説明する各回転軸の近傍にも、該当するリンクやハンドを駆動するためのモーター、および減速機構などが組み込まれている。
リンク76の末端側には、ジョイント77が組み合わされており、このジョイント77は、リンク76の末端側をX軸方向に貫く第3番目の回転軸93を中心にして駆動される。そして、ジョイント77の末端側には、リンク78が組み合わされている。
リンク78は、ジョイント77の末端側に延在するように配置されており、ジョイント77の末端側をジョイント77からリンク78の延在方向に沿うY軸方向に貫く第4番目の回転軸94を中心にして駆動される。
また、ジョイント79の末端側には、このジョイント79に延在するようにリンク80が配置されている。リンク80は、ジョイント79の末端側をジョイント79からリンク80の延在方向に沿うY軸方向、即ち、円柱状をなしたリンク80の略中心を貫く第6番目の回転軸96を中心にして駆動される。
そして、リンク80の末端側には、ロボットハンド82が組み合わされている。ロボットハンド82は、本実施形態では3本の指から構成されており、3本の指先を開閉することにより各種部品などの被作業物を把持することができる。
なお、ロボット10の用途は、ロボットハンド82による部品の把持に限定されない。エンドエフェクターとして、ハンダ付けや溶接のような加工を行うためのツールをリンク80の末端側に取り付けることにより、そのエンドエフェクターによる種々の作業を実施するロボット10とすることができる。更に、ロボット10は産業用ロボットには限定されず、医療用ロボットや家庭用ロボットであっても良い。
ここで、本実施形態では、第5番目の回転軸95を有するジョイント79の回転中心から、エンドエフェクターとしてのロボットハンド82の作業の基点となる作業中心82Cまでの距離L1と、ジョイント79の回転中心からカメラ20の焦点までの距離L2とが同じになるようにカメラ20が設置されている。この構成により、カメラ20による被作業物の撮像データから得た被作業物の位置情報を用いて算出された作業位置データに基づいて、第5番目の回転軸95のみを回転させることによってロボットハンド82を作業開始位置に移動させることができる。図中、符号が括弧付きで記されている想像線(二点鎖線)で描かれたジョイント(79)、リンク(80)、ロボットハンド(82)、およびカメラ(20)は、ジョイント79より末端側(リンク80およびロボットハンド82の側)を第5番目の回転軸95回りに90°回動させ作業開始位置にロボットハンド(82)を移動させた状態を図示している。
したがって、オフセット補正により多数の回転軸を動作させてロボットハンド82などのエンドエフェクターを作業開始位置に移動させる従来のロボットに比べて、ロボットハンド82の初期状態から作業開始位置までの移動時間を短縮できるとともに、回転軸を駆動するモーターや減速機などのバックラッシの影響が軽減されて作業開始位置への位置決め精度を向上させることができる。
画像入力部102は、カメラ20から出力された画像信号が入力される入力手段である。
基準パターン抽出部104は、カメラ20から出力された画像信号からワーク130の一部に設けられた基準パターン131の像を抽出する抽出手段であり、抽出された像に関する情報は、位置算出部110に送られる。
位置算出部110は、基準パターン抽出部104から送られた基準パターン131の像に基づいてワーク130の位置を算出する算出手段であり、算出した位置に関する情報をロボット動作制御部115に送る。ロボット動作制御部115とドライバー部120は、ロボット10のロボットアーム等の稼動部の動作を制御する制御手段である。
ロボット動作制御部115は、送られた位置に関する情報に基づき、ロボット10を移動させるための複数のアクチュエーター30の駆動量を算出し、算出した駆動量に関する駆動情報をドライバー部120に送る。ドライバー部120は、ロボット動作制御部115から送られる駆動情報に基づいて、それぞれのアクチュエーター30毎に駆動信号を生成し、それぞれのアクチュエーター30に送る。この結果、ロボットアームによりロボットハンド82が所定の位置まで移動したり、ワーク130を把持したりする。
図4は、ロボットシステム5によりロボット10を用いたワーク130を把持する把持作業方法の流れを示すフローチャートである。
この把持作業では、まず、ステップS1において、ロボット10のロボットアームの動きによりカメラ20がワーク130を撮像可能な位置まで移動して、カメラ20により撮像されたワーク130の画像が画像入力部102に入力される。コンピューター180のCPUは、基準パターン抽出部104において、画像入力部102に入力した画像の中から基準パターン131を抽出する。
次に、ステップS2において、抽出された基準パターン131の画像からワーク130の作業中心位置としてのワーク130把持位置を算出する。続いて、CPUは、ロボット10に対して、ワーク130を把持可能な作業中心位置(把持位置)までロボットハンド82を移動する(ステップS3)。
そして、CPUは、ロボットハンド82を動作させてワーク130を把持し、そのワーク130を所定の位置まで移動するなどの把持作業を指示してそれを実行し(ステップS4)、ロボットシステム5を用いた一連の把持作業を終了する。
したがって、設置されたカメラ20を用いることによりワーク130に対するロボットハンド82の位置決め精度を向上させることができるとともに、ロボットアームの可動領域が大きく確保されることにより、ワーク130に対して所望の作業を実施することができる。
次に、ロボットの実施形態2について、図面を参照して説明する。
図5は、実施形態2に係るロボットを模式的に示す説明図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図5において、本実施形態2のロボット200は、胴体部213に、実施形態1のロボットシステム5における6軸制御のロボット10と同じ構成の2つの第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bが設置されてなる双腕ロボットである。
同様に、第2アーム連結部215Bの胴体部213側とは反対側の第2ロボットアーム10B設置面側は、第2アーム連結部215Bの突設方向に貫く第0回転軸J0BL回りに回動可能な第2アーム固定部J0Bを有している。そして、第2アーム固定部J0Bには、カメラ20を備えた第2ロボットアーム10Bの本体部71が固定されている。
ジョイント79の回転中心からロボットハンド82の作業中心82Cまでの距離L1と、ジョイント79の回転中心からカメラ20の焦点までの距離L2とが異なっていても、カメラ20により得られた撮像データから抽出した被作業物の位置データを補正して、作業中心位置(ワーク把持位置)を算出して作業を実施することも可能である。
Claims (4)
- 基台と、
前記基台に配置されて複数のアーム部材が回動可能に連結されたロボットアームと、
前記ロボットアームの自由端にエンドエフェクターを取り付ける取り付け部と、を有し、
前記ロボットアームは前記基台側から前記取り付け部側へと順に第1番目の回転軸から第n番目の回転軸まで備え、(nは3以上の整数)
第n−1番目の回転軸を有するアーム部材の外周面に前記第n−1番目の回転軸の回転中心と交差する光軸を有する撮像装置を設置したことを特徴とするロボット。 - 請求項1に記載のロボットであって、
前記第n−1番目の回転軸を有する前記アーム部材の回転中心から前記エンドエフェクターの作業の基点となる作業中心までの距離と、前記第n−1番目の回転軸を有する前記アーム部材の回転中心から前記撮像装置の焦点までの距離とを同じにしたことを特徴とするロボット。 - 請求項1または2に記載のロボットであって、
前記基台に複数の前記ロボットアームを配置したことを特徴とするロボット。 - 基台と、所定の作業を実行するエンドエフェクターと、複数のアーム部材が回動可能に組み合わされてなり、一端が前記基台に回動可能に接続され、他端に前記エンドエフェクターが回動可能に取り付け可能なロボットアームと、を有し、前記基台から前記エンドエフェクターの取り付け部へと順に第1番目の回転軸から第n番目の回転軸までが配置され、第n−1番目の回転軸を有する前記アーム部材の外周面に前記第n−1番目の回転軸の回転中心と交差する光軸を有する撮像装置を設置したロボットの作業方法であって、
前記撮像装置により被作業物の撮像情報を得る撮像情報取得工程と、
前記撮像情報に基づいて前記被作業物に対する前記エンドエフェクターの作業の基点となる作業中心の位置を算出する作業中心位置データ算出工程と、
算出した前記作業中心位置データに基づいて前記ロボットアームを動作させ前記エンドエフェエクターを前記被作業物に対する作業中心位置に移動させる作業準備工程と、を含むことを特徴とするロボットの作業方法。
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