本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係るブレード装着工具により環状ブレードが装着される切削手段の概略構成例を示す分解斜視図である。図2は、実施形態に係るブレード装着工具により環状ブレードが装着される工具マウントの概略構成例を示す断面図である。図3は、実施形態に係るブレード装着工具の概略構成例を示す断面図である。図4は、実施形態に係るブレード装着工具が離反位置に位置付けられた状態を示す断面図である。図5は、実施形態に係るブレード装着工具に環状ブレードを保持させる状態を示す断面図である。なお、図4及び図5は、締結部材を省略して描いた断面図である。
図3に示す実施形態に係るブレード装着工具1は、回転スピンドル120の先端120a(図1参照)に装着された工具マウント140(図1参照)に、磁性を有する環状ブレード110(図1参照)を装着するための工具である。ここで、ブレード装着工具1により環状ブレード110が装着される工具マウント140は、半導体ウェーハ、光デバイスウェーハやパッケージ基板等の被加工物に対して切削加工を施す図示しない切削装置の切削手段100(図1参照)を構成するものである。切削手段100は、図1に示すように、環状ブレード110と、回転スピンドル120と、スピンドルハウジング130と、工具マウント140と、固定プレート150と、マウントナット160と、固定ピン170と、を含んで構成されている。
環状ブレード110は、磁性を有する環状のブレードであり、全体が切削砥石で構成された、いわゆるワッシャータイプのブレードである。環状ブレード110は、径方向において、工具マウント140の後述する環状受面142aより大きい円板状に形成されている。環状ブレード110の径方向の大きさ(直径)は、例えば2インチ又は3インチである。本実施形態では、環状ブレード110の直径は、2インチ(約50mm)である。環状ブレード110の回転軸線方向の厚さ(刃厚)は、例えば数十から数百μmである。環状ブレード110は、工具マウント140の後述する装着面143aに対応する円形状の装着孔110aを径方向の中央に有しており、一方の側面110bが環状受面142aと当接し、他方の側面110cが固定プレート150と当接する。環状ブレード110を構成する切削砥石は、例えば、ダイヤモンド等の砥粒と磁性を有する金属粉末のボンド剤とを焼結して形成されている。
回転スピンドル120は、図1及び図2に示すように、先端120aに対して工具マウント140を着脱可能に装着するものである。回転スピンドル120は、先端120aが先細りとなる円錐台形状(いわゆるテーパ状)に形成されている。回転スピンドル120は、その回転軸線方向が水平方向に対して平行である。回転スピンドル120は、回転軸心周りに回転可能にスピンドルハウジング130に内挿されており、先端120aがスピンドルハウジング130から外部へ突出している。回転スピンドル120の先端120aには、固定ピン170と螺合するねじ穴120bが形成されている。
スピンドルハウジング130は、図示しないモータ等の駆動源を備えており、回転スピンドル120を回転軸心周りに回転駆動する。
工具マウント140は、回転スピンドル120に対して環状ブレード110を装着するためのものである。工具マウント140は、本体部141と、環状受部142と、ボス部143と、取付部144と、を一体に有している。
本体部141は、回転スピンドル120の回転軸線方向に延びる円筒状に形成され、回転軸線方向において先端120aと同等の長さに形成されている。本体部141の内周面は、先端120aの円錐台形状に対応するテーパ状に形成されている。
環状受部142は、本体部141から径方向に延在され、円板状に形成されている。環状受部142の直径は、環状ブレード110の直径より小さく、被加工物を切削するのに適した刃先出し量となる直径に設定されている。環状受部142は、環状ブレード110の一方の側面110bに当接して、環状ブレード110と重なる環状受面142aを有している。環状受面142aは、回転スピンドル120の回転軸線方向に直交する平面となっている。
ボス部143は、環状受面142aの本体部141側から回転軸線方向に向けて環状に突出して形成されている。ボス部143の外周面は、環状ブレード110の装着孔110a内に挿入され、環状ブレード110が装着される装着面143aである。装着面143aの幅(環状受面142aから回転軸線方向に向けて突出する幅)は、環状ブレード110の刃厚より大きい幅であり、例えば数mm程度の幅である。
取付部144は、固定プレート150が取り付けられるものである。取付部144は、本体部141と同様に、円筒状に形成されている。取付部144の外周には、マウントナット160の後述する雌ねじ160bと螺合する雄ねじ144aが形成されている。取付部144の内周には、固定ピン170の後述する軸部170aを挿通させ、固定ピン170の後述するフランジ部170bと係合する段部144bが形成されている。
固定プレート150は、工具マウント140との間で環状ブレード110を挟持し、工具マウント140に対して環状ブレード110を固定するものである。固定プレート150は、取付部144が挿通する挿通穴150aを径方向の中央に有しており、環状に形成されている。固定プレート150の直径は、環状受部142と同じ直径であり、環状ブレード110の直径より小さい。固定プレート150は、環状ブレード110の他方の側面110cに当接して、環状ブレード110と重なる環状押面150bを有している。環状押面150bは、環状受面142aと対向し、回転スピンドル120の回転軸線方向に直交する平面となっている。環状押面150bは、環状受面142aとの間で環状ブレード110を挟持する。
マウントナット160は、工具マウント140に対して固定プレート150を着脱可能に締め付けるものである。マウントナット160は、取付部144に装着される装着孔160aを径方向の中央に有しており、環状に形成されている。装着孔160aには、取付部144の雄ねじ144aと螺合する雌ねじ160bが形成されている。このため、工具マウント140の環状受面142aと固定プレート150の環状押面150bとの間で環状ブレード110を挟持した状態で、取付部144に対してマウントナット160を締め付けると、固定プレート150が工具マウント140に固定される。
固定ピン170は、回転スピンドル120に対して工具マウント140を固定するものである。固定ピン170は、回転スピンドル120のねじ穴120bと螺合する軸部170aと、工具マウント140の段部144bと係合するフランジ部170bと、を備えている。
ブレード装着工具1は、図3に示すように、ブレード保持部材10と、磁石支持部材20と、を含んで構成されている。
ブレード保持部材10は、環状ブレード110を着脱可能に保持するものである。ブレード保持部材10は、円柱状に形成されている。ブレード保持部材10は、保持部11及び突起部12から構成されている。ブレード保持部材10を構成する保持部11と突起部12とは、例えば締結ねじ等の締結部材S1により締結されている。
保持部11は、扁平な円環状で、薄板形状に形成されている。保持部11は、他方の側面110cに当接して環状ブレード110を保持する環状の保持面11aと、環状ブレード110が収容されるパッケージ200との位置を合わせる位置合わせ部11bと、環状ブレード110を工具マウント140に装着する際に取付部144が挿入されるマウント受部11cと、締結部材S1が装着される装着部11dと、を一体に有している。なお、保持部11には、径方向の外周側から内周側に向かって、保持面11a、位置合わせ部11b、マウント受部11c、装着部11dの順で同心円状に配置されている。
ここで、パッケージ200は、環状ブレード110を収容する容器である。パッケージ200は、環状ブレード110より大きい直径の円板状に形成されている。パッケージ200の径方向の中央には、装着孔110aに対応する円形状の突起部201が設けられている。突起部201が軸方向に突出する幅は、環状ブレード110の刃厚より大きい幅である。また、突起部201は、工具マウント140のボス部143と同様の厚さ(軸方向の厚さ)と直径で形成されている。
保持面11aは、保持部11の軸方向の一端から径方向に延在されたフランジ部11eの突起部12とは反対側の面である。保持面11aは、環状ブレード110の他方の側面110cの径方向の幅に対応する円環状に形成されている。保持面11aの外周側には、環状ブレード110の刃先110d(図4参照)と対向する円環状の突起11fが形成されている。なお、フランジ部11eの厚さ(保持面11aと直交する方向の厚さ)は、磁石支持部材20の後述する磁石Mにより環状ブレード110を吸着して保持することができる厚さに設定されている。
位置合わせ部11bは、保持面11aの内周側から突起部12側に向けて、パッケージ200の突起部201に対応する円環状に窪んで形成されている。位置合わせ部11bの保持面11aからの窪み量は、位置合わせ部11bを突起部201に当接させると、図5に示すように、保持面11aが環状ブレード110の他方の側面110cに対向し、突起11fが環状ブレード110の刃先110dと対向する窪み量に設定されている。
マウント受部11cは、位置合わせ部11bの内周側から突起部12側に向けて、工具マウント140の取付部144に対応する円環状に窪んで形成されている。マウント受部11cの位置合わせ部11bからの窪み量は、保持面11aに保持された環状ブレード110の一方の側面110bが環状受面142aに当接されるまで取付部144をマウント受部11c内に挿入させることができる窪み量に設定されている。また、マウント受部11cは、環状ブレード110を工具マウント140に装着する際、保持面11aに保持された環状ブレード110の一方の側面110bが環状受面142aに当接する前に、取付部144をマウント受部11c内に挿入される。
装着部11dは、マウント受部11cの内周側から突起部12側に向けて、締結部材S1に対応する円環状に窪んで形成されている。装着部11dの径方向の中央には、締結部材S1が挿通される挿通穴11gが形成されている。装着部11dのマウント受部11cからの窪み量は、締結部材S1を突起部12の後述するねじ穴12eに対して締め付けた際、締結部材S1の頭部がマウント受部11c側に突出しない窪み量に設定されている。
突起部12は、オペレータにより保持部11側へ押下操作されるものである。突起部12は、保持部11の保持面11aとは反対側に延在され、円柱状に形成されている。つまり、突起部12は、保持部11の内周側で、且つ保持面11aと反対の方向に、保持面11aと垂直に延伸して形成されている。突起部12は、円柱状に形成された突起本体部12aと、保持部11とは反対側の先端12bから径方向に延在されて円環状に形成されたフランジ部12cと、突起本体部12aに対して間隔をおいてフランジ部12cから平行に保持部11側に円筒状に延在される摺動部12dと、を一体に有している。
突起本体部12aの直径は、マウント受部11cより小さく、装着部11dより大きい直径である。突起本体部12aは、保持部11の挿通穴11gと連通して、締結部材S1と螺合するねじ穴12eを有している。突起本体部12aには、圧縮バネEが伸縮可能に設けられている。圧縮バネEは、いわゆる圧縮コイルバネである。
フランジ部12cは、突起部12がオペレータにより押下操作された際、磁石支持部材20の後述する他端20bと当接することで、突起部12が保持部11側へ移動することを規制する。
摺動部12dは、オペレータにより押下操作される突起部12の大径部22c内での移動を案内するものである。摺動部12dの長さ(軸方向の長さ)は、フランジ部12cが磁石支持部材20の他端20bと当接することができる長さに設定されている。摺動部12dは、磁石支持部材20の大径部22cと摺動されることで、突起部12の大径部22c内での移動を案内する。
磁石支持部材20は、ブレード保持部材10に対して外装されて突起部12の軸方向に沿って移動可能なものであり、一端20aに磁石Mを備えるものである。磁石支持部材20は、突起部12の軸方向に貫通する円筒形状に形成されている。磁石支持部材20は、保持部側受部21と、挿入孔22と、把持部23と、磁石取付部24と、を一体に有している。磁石支持部材20の一端20aは、フランジ部11eの環状面11hと対向する円環状に形成されている。
保持部側受部21は、磁石支持部材20内に保持部11を収容するものである。保持部側受部21は、磁石支持部材20の一端20aの内周側から他端20b側に向けて、保持部11に対応する円環状に窪んで形成されている。保持部側受部21の一端20aの内周側からの窪み量は、保持部11を収容する際に、一端20aがフランジ部11eの保持面11aとは反対側の環状面11h(図4に示す)と当接することができる窪み量に設定されている。
挿入孔22は、ブレード保持部材10の突起部12が挿入される孔であり、突起部12の径方向の中央で、保持部側受部21側から他端20b側まで貫通する孔である。つまり、磁石支持部材20は、中央にブレード保持部材10の突起部12を挿入する挿入孔22を有する円筒形状に形成されている。挿入孔22の軸方向の長さは、保持部側受部21内に保持部11を収容し、一端20aをフランジ部11eの環状面11hに当接させた状態で、突起部12の先端12bが他端20bから突出し、オペレータが突起部12の先端12bを押下操作することができる長さに設定されている。つまり、挿入孔22には、ブレード保持部材10を、一端20a側に保持部11を当接させて、且つ一端20aと反対の他端20bに突起部12の先端12bが突出して挿入される。また、挿入孔22は、係合部22aと、小径部22bと、大径部22cと、を一体に有している。
係合部22aは、挿入孔22の保持部側受部21側に形成されており、挿入孔22の保持部側受部21側から内周側に向けて軸方向視で円環状に突出して形成されている。係合部22aの挿入孔22の保持部側受部21側からの突出量は、圧縮バネEの内径より小さくなり、突起本体部12aの外径より大きくなる突出量に設定されている。係合部22aには、突起本体部12aに外装される圧縮バネEの軸方向の端部が当接している。このため、圧縮バネEは、後述する磁石Mが保持部11に当接し、磁石支持部材20の一端20a及びブレード保持部材10の保持部11が相互に押しつけ合うように付勢する。
小径部22bは、挿入孔22の係合部22a側に形成されている。小径部22bの直径は、圧縮バネEの外径より大きく、摺動部12dの外径より小さい直径である。
大径部22cは、挿入孔22の他端20b側に形成されている。大径部22cの直径は、小径部22bの直径より大きい直径であり、摺動部12dより大きい直径である。大径部22cの軸方向の長さは、突起部12の押下操作によりフランジ部12cが他端20bと当接するまで、摺動部12dが小径部22bに当接しない長さに設定されている。
把持部23は、オペレータにより把持されるものである。把持部23は、他端20b側の磁石支持部材20の外周が縮小して形成されている。把持部23の直径は、オペレータにより把持しやすい直径に設定されている。把持部23の他端20b側には、把持部23を把持するオペレータの手指と当接するフランジ部23aが形成されている。フランジ部23aは、磁石支持部材20の他端20b側が径方向に延在されて円環状に形成されている。
磁石取付部24は、保持面11aに環状ブレード110を磁力で保持させる磁石Mが取り付けられるものである。磁石取付部24は、磁石支持部材20の一端20a側に形成されている。磁石取付部24は、磁石Mが装着される装着部24aと、磁石Mを装着部24aに固定する皿ねじ等の締結部材S2と螺合するねじ穴24bと、を一体に有している。磁石取付部24には、締結部材S2により、装着部24aに磁石Mが固定されている。磁石Mは、磁石支持部材20の一端20aと面一である。つまり、磁石Mは、一端20aと同様に、フランジ部11eの環状面11hと当接する。本実施形態では、磁石Mは、一端20aの周方向に等間隔をおいて二つ配設されている。また、磁石Mは、当接位置では環状ブレード110を保持面11aに保持することができ、且つ離反位置では環状ブレード110を保持面11aに保持することができない磁力を有している。
ここで、当接位置は、図3、図6及び図7に示すように、保持部11が保持部側受部21に収容され、磁石支持部材20の一端20aがフランジ部11eの環状面11hに当接する位置であり、磁石Mがフランジ部11eの環状面11hに当接され、保持面11aに環状ブレード110を磁石Mの磁力で保持させる位置である。つまり、当接位置は、磁石Mを保持部11に当接させ保持部11の保持面11aに環状ブレード110を磁力で保持する位置である。本実施形態では、圧縮バネEにより磁石支持部材20がフランジ部11e側へ付勢され、磁石支持部材20の一端20aがフランジ部11eの環状面11hに当接することで、ブレード保持部材10と磁石支持部材20との相対位置が当接位置に位置付けられる。
また、離反位置は、図4、図5及び図8に示すように、保持部11が保持部側受部21から突出され、突起部12のフランジ部12cが磁石支持部材20の他端20bに当接する位置であり、磁石Mがフランジ部11eの環状面11hから離反し、保持面11a上の環状ブレード110への磁力が遮断され、保持面11aから環状ブレード110が取り外される位置である。つまり、離反位置は、ブレード保持部材10の突起部12を磁石支持部材20側に没入する方向に押圧すると、磁石支持部材20の磁石Mからブレード保持部材10の保持部11が離反し環状ブレード110への磁力が遮断され保持面11aから環状ブレード110が離反される位置である。本実施形態では、磁力が遮断されるとは、環状ブレード110を保持面11aに保持するための磁石Mの磁力が及ばなくなることであり、磁石Mの磁力により環状ブレード110を保持面11aに保持することができなくなるまで、磁石Mと環状ブレード110との間隔を広げることである。また、本実施形態では、オペレータにより突起部12の先端12bが保持部11側に向けて磁石支持部材20に対して没入する方向に押下操作され、突起部12のフランジ部12cが磁石支持部材20の他端20bに当接することで、ブレード保持部材10と磁石支持部材20との相対位置が離反位置に位置付けられる。つまり、ブレード装着工具1は、押下操作されると、当接位置から離反位置に位置付けられる。
次に、図4から図8を参照し、以上のように構成された実施形態に係るブレード装着工具1を用いて、工具マウント140に環状ブレード110を装着する操作について説明する。図6は、実施形態に係るブレード装着工具が当接位置に位置付けられた状態を示す断面図である。図7は、実施形態に係るブレード装着工具で環状ブレードを工具マウントに装着させる状態を示す図である。図8は、実施形態に係るブレード装着工具から環状ブレードを離反させる状態を示す断面図である。なお、図6及び図8は、締結部材を省略して描いた断面図である。
オペレータは、図4に示すように、ブレード装着工具1を当接位置から離反位置に位置付けた状態で、保持面11aを環状ブレード110へ接近させる(同図に示す矢印b)。ここで、ブレード装着工具1では、オペレータにより突起部12の先端12bが磁石支持部材20側に向かって没入する方向に押下操作されると、磁石支持部材20がブレード保持部材10に対して突起部12の先端12b側へ移動(同図に示す矢印a)し、フランジ部12cと磁石支持部材20の他端20bとが当接され、離反位置に位置付けられる。また、ブレード装着工具1では、オペレータの押下操作に伴って、ブレード保持部材10の保持部11が磁石支持部材20の保持部側受部21から突出される。また、ブレード装着工具1では、離反位置に位置付けられると、磁石支持部材20の磁石Mとブレード保持部材10のフランジ部11eとが離反される。また、ブレード装着工具1では、パッケージ200に収容される環状ブレード110の他方の側面110cと保持面11aとがほぼ平行に対向される。
保持面11aを環状ブレード110へ接近させた後、オペレータは、図5に示すように、パッケージ200の突起部201に位置合わせ部11bを当接させる。ここで、ブレード装着工具1では、突起部201と位置合わせ部11bとが重ね合わされると、パッケージ200の突起部201と位置合わせ部11bとが同軸上に位置合わせされ、保持面11aと環状ブレード110とが同軸上に位置合わせされる。また、ブレード装着工具1では、保持面11aに環状ブレード110の他方の側面110cが当接される。また、ブレード装着工具1では、磁石Mと保持面11aとが離反され、環状ブレード110への磁力が遮断されているので、パッケージ200に対してブレード保持部材10の位置が合わされていない状態で、保持面11aに環状ブレード110が保持されない。
突起部201に位置合わせ部11bを当接させた後、オペレータは、図5に示すように、磁石支持部材20をブレード保持部材10のフランジ部11e側に移動させ(同図に示す矢印c)、磁石支持部材20の一端20aとフランジ部11eの環状面11hとを当接させる。ここで、ブレード装着工具1では、圧縮バネEの付勢により磁石Mが環状面11hに当接され、当接位置に位置付けられる。また、ブレード装着工具1では、フランジ部11eを挟んで磁石Mと環状ブレード110とが対向され、磁石Mの磁力により環状ブレード110が保持面11aに保持される。また、ブレード装着工具1では、離反位置に位置付けられた状態で位置合わせされており、当接位置に位置付けられた際に、保持面11aに対して位置合わせされた環状ブレード110が保持される。
一端20aと環状面11hとを当接させた後、オペレータは、図6に示すように、ブレード装着工具1を当接位置に位置付けた状態でパッケージ200から離反させる(同図に示す矢印d)。ここで、ブレード装着工具1では、保持面11aに環状ブレード110が磁石Mの磁力で保持され、パッケージ200から離反される(同図に示す矢印e)。
ブレード装着工具1をパッケージ200から離反させた後、オペレータは、図7に示すように、工具マウント140にブレード装着工具1を装着する。ここで、ブレード装着工具1では、環状ブレード110の一方の側面110bを工具マウント140の環状受面142aに対向させ、突起部12の回転軸線を回転スピンドル120の回転軸線上に重ね合わせつつ、環状ブレード110が工具マウント140に接近される(同図に示す矢印f)。また、ブレード装着工具1では、環状ブレード110の一方の側面110bが環状受面142aに対向されても、保持面11aに環状ブレード110が磁石Mの磁力で保持される。また、ブレード装着工具1では、マウント受部11c内に工具マウント140の取付部144が挿入され、工具マウント140に対して保持部11が同軸上に位置合わせされ、環状ブレード110が環状受面142aに対して同軸上に位置合わせされる。
工具マウント140にブレード装着工具1を装着した後、オペレータは、環状ブレード110の一方の側面110bを環状受面142aに当接させる。ここで、ブレード装着工具1では、位置合わせ部11bがボス部143と当接され、環状ブレード110の装着孔110aにボス部143が挿入される。また、ブレード装着工具1では、ボス部143の装着面143aに環状ブレード110の装着孔110aが嵌合される。また、ブレード装着工具1では、保持面11aに環状ブレード110が磁石Mの磁力で保持される。
環状ブレード110の一方の側面110bを環状受面142aに当接させた後、オペレータは、図8に示すように、ブレード装着工具1を離反位置に位置付けた状態で、ブレード装着工具1を工具マウント140から離反させ、環状ブレード110を保持面11aから環状受面142aに受け渡す。ここで、ブレード装着工具1では、オペレータの押下操作により磁石支持部材20が突起部12の先端12b側に移動される(同図に示す矢印g)と、突起部12のフランジ部12cと磁石支持部材20の他端20bとが当接され、離反位置に位置付けられる。また、ブレード装着工具1では、磁石支持部材20の一端20aが保持部11の環状面11hから離反され、磁石Mが環状面11hから離反される。また、ブレード装着工具1では、環状ブレード110への磁力が遮断される。このため、ブレード装着工具1では、離反位置に位置付けられた状態でブレード保持部材10が工具マウント140から離反される(同図に示す矢印h)と、保持面11aから環状ブレード110が離反される。
環状ブレード110を環状受面142aに受け渡した後、オペレータは、図1に示すように、固定プレート150及びマウントナット160により、環状ブレード110を工具マウント140に固定する。
次に、実施形態に係るブレード装着工具1を用いて、工具マウント140から環状ブレード110を取り外す操作について説明する。
オペレータは、マウントナット160及び固定プレート150を工具マウント140から取り外した後、ブレード装着工具1を離反位置に位置付けた状態で、保持面11aを工具マウント140上の環状ブレード110の他方の側面110cに当接させる。
保持面11aを環状ブレード110に当接させた後、オペレータは、ブレード装着工具1を当接位置に位置付けて、保持面11aに磁力で環状ブレード110を保持させ、ブレード装着工具1を当接位置に位置付けた状態で工具マウント140から離反させる。
ブレード装着工具1を工具マウント140から離反させた後、オペレータは、位置合わせ部11bにパッケージ200の突起部201を当接させ、環状ブレード110とパッケージ200との位置を合わせる。
環状ブレード110とパッケージ200との位置を合わせた後、ブレード装着工具1を離反位置に位置付け、磁石Mの磁力を遮断し、ブレード装着工具1を離反位置に位置付けた状態でパッケージ200から離反させ、保持面11aから環状ブレード110を離反させる。
以上のように、実施形態に係るブレード装着工具1によれば、磁石Mの磁力により環状の保持面11aに環状ブレード110を保持するので、オペレータが手作業で環状ブレード110を取り扱っている場合と比べて、保持面11aに保持された環状ブレード110が図示しないホイールカバーや工具マウント140等に衝突しても、環状ブレード110が破損することを抑えることができる。したがって、実施形態に係るブレード装着工具1によれば、環状ブレード110を工具マウント140に装着する際に、環状ブレード110が破損することを抑制することができるという効果を奏する。
また、実施形態に係るブレード装着工具1によれば、環状ブレード110、工具マウント140及びパッケージ200のそれぞれに当接する際に、ブレード保持部材10がそれぞれに応じて位置合わせされ、且つオペレータの押下操作により、磁石Mの磁力で保持面11aに環状ブレード110を保持する当接位置から、磁石Mの磁力を遮断して保持面11aから環状ブレード110を離反する離反位置に位置付けられるので、簡単な操作により工具マウント140に環状ブレード110を装着することができる。したがって、実施形態に係るブレード装着工具1によれば、オペレータの熟練を要することなく、充分容易に工具マウント140に環状ブレード110を装着することができるという効果を奏する。
また、実施形態に係るブレード装着工具1によれば、工具マウント140から環状ブレード110を取り外す場合であっても、保持面11aに保持された環状ブレード110の破損を抑えることができ、簡単な操作で工具マウント140から環状ブレード110を取り外すことができる。したがって、実施形態に係るブレード装着工具1によれば、工具マウント140から取り外す際の環状ブレード110の破損を抑え、オペレータの熟練を要することなく、充分容易に工具マウント140から環状ブレード110を取り外すことができる。つまり、実施形態に係るブレード装着工具1によれば、工具マウント140に対して環状ブレード110を着脱する際の破損を抑制することができ、工具マウント140に対して環状ブレード110を充分容易に着脱することができる。
なお、上記の実施形態では、環状ブレード110は、直径が2インチであったが、直径が3インチであってもよいし、2インチ又は3インチとは異なる直径であってもよい。このような場合、各直径に対応するブレード装着工具1を用意することで、環状ブレード110を工具マウント140に着脱する際の破損を抑制し、オペレータの熟練を要することなく、充分容易に工具マウント140に環状ブレード110を着脱することができる。
また、上記の実施形態では、環状ブレード110は、一方の側面110bが工具マウント140の環状受面142aと当接し、他方の側面110cがブレード保持部材10の保持面11aと当接していたが、一方の側面110bと他方の側面110cとが反転していても、ブレード装着工具1により工具マウント140に対して環状ブレード110を着脱することができる。
また、上記の実施形態では、磁石Mは、磁石支持部材20の一端20aの周方向に等間隔をおいて二つ配設されていたが、当接位置に位置付けられた状態で、磁石Mの磁力により保持面11aに環状ブレード110を保持することができ、且つ離反位置に位置付けられた状態で、磁石Mの磁力が遮断されて保持面11aから環状ブレード110を離反することができればよいので、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。磁石Mが一つ又は三つ以上である場合も、保持面11aに保持された環状ブレード110の破損を抑えることができ、充分容易に工具マウント140に環状ブレード110を着脱することができる。