以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
以下、図1〜図42を参照して、本発明に係る遊技機の第1の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
[遊技機の構成]
まず、図1〜図6を用いて、遊技機としてのパチンコ遊技機1の概観について説明する。
図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1は、ガラスドア10と、皿ユニット11と発射装置12と、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、「LCD」ともいう)13と、遊技盤14と、ベースドア15と、排出ユニット16と、基板ユニット17と、木枠18とを備えている。
ベースドア15は、前面側にガラスドア10と、皿ユニット11と、発射装置12と、液晶表示装置13と、遊技盤14とを支持し、裏面側に排出ユニット16と、基板ユニット17とを支持しており、木枠18の開口181に嵌め込まれている。
ガラスドア10は、スピーカ21と、ランプ・LED(Light Emitting Diode)22と、開口101と、電波センサ500とを備えており、ベースドア15に対して開閉自在に軸着されている。なお、電波センサ500については、後述する。
開口101は、ガラスドア10の中央部に形成されており、ガラスドア10が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように透過性を有する保護ガラス19が配設されている。
スピーカ21は、ガラスドア10の上部に配設されており、例えば音声での告知や演出、エラー報知を行うためのものである。ランプ・LED22は、ガラスドア10の左右に配設されており、演出や告知等、各種の報知を行うものである。
皿ユニット11は、上皿111と下皿112とを一体化したユニットによって構成されており、ガラスドア10の下部においてベースドア15に配設され、遊技媒体である遊技球を貯留する。
上皿111は、払出口113と、演出ボタン20とを有し、後述する遊技領域140に発射させる遊技球を貯留するためのものである。払出口113は、遊技球の貸し出し及び遊技球の賞球を行うためのものであり、所定の条件が成立した場合には、遊技球が排出される。ここで、遊技球の賞球とは、遊技球が払出されることをいう。
演出ボタン20は、いわゆる「CHANCEボタン」あるいは「プッシュボタン」等と呼ばれるものであり、例えば液晶表示装置13において表示されるCHANCE演出(いわゆるカットイン演出や可動体の可動の有無等)を行うか否かを選択するために、あるいは大当りの期待度を報知する演出(例えば会話演出の会話内容や文字色)において期待度を報知させるときに遊技者によって押下操作されるものである。
下皿112は、上皿111の下部に設けられており、払出口114を有している。払出口114は、払出口113と同様に、遊技球の貸し出し、遊技球の賞球を行い、所定の賞球条件が成立した場合に遊技球が排出されるものである。
発射装置12は、パネル体121と発射ハンドル122とによって構成されている。発射装置12は、ベースドア15の右下部に設けられており、上皿111に貯留された遊技球を後述する遊技領域140に発射する。
パネル体121は、皿ユニット11及び発射装置12をベースドア15に配設するとき、皿ユニット11の右下部と一体化されるもので、裏側に遊技球を発射するための不図示の駆動装置が設けられている。駆動装置としては、例えば発射ソレノイドが使用される。
図1、図3に示すように、液晶表示装置13は、遊技盤14の略中央に配設されており、第1始動口34及び第2始動口35への遊技球の入賞に基づく大当り抽籤の結果のほか、遊技に関する各種の画像、例えば演出用の識別図柄(装飾図柄/識別情報)、通常状態での演出画像、大当り中の演出画像、デモ演出及び保留球数を表示するものである。
すなわち、液晶表示装置13は、遊技球が第1始動口34及び第2始動口35を通過、つまり入賞したことを条件に識別情報(例えば、装飾図柄)の変動表示を行うようになっている。
図2に示すように、遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア15の前方に配設され、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域140を有している。遊技領域140は、外レール31に囲まれ、複数の不図示の遊技釘が打ち込まれたものである。
図3、図4に示すように、遊技盤14には、ガイドレール30と、ステージ33と、第1始動口34と、第2始動口35と、通過ゲート36と、第1保留表示部37と、第2保留表示部38と、第1大入賞口39と、第2大入賞口40と、第1シャッタ41と、第2シャッタ42と、第1一般入賞口43と、第2一般入賞口44と、アウト口47と、LEDユニット5とが設けられている。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、第1始動口34と、第2始動口35と、通過ゲート36と、第1大入賞口39と、第2大入賞口40と、第1一般入賞口43と、第2一般入賞口44とは、遊技球が入賞可能な入賞領域に該当する。特に、第2始動口35と、第1大入賞口39と、第2大入賞口40とは、本発明の実施の形態に係る入賞領域に該当する。
ガイドレール30は、外レール31と内レール32とによって構成されている。外レール31は、遊技領域140を区画するために遊技領域140を囲むように配置されている。内レール32は、外レール31とともに遊技球を遊技盤14の上部に案内するためのものであり、遊技盤14の左側において外レール31の内側に配設されている。
ステージ33は、遊技領域140における遊技球の流化領域を振り分けるものであり、液晶表示装置13の上縁部に沿って配置されている。
発射装置12によって発射された遊技球は、遊技盤14に打ち込まれた遊技釘、ステージ33等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
この過程において、第1始動口34、第2始動口35、通過ゲート36、第1大入賞口39、第2大入賞口40、第1一般入賞口43、及び第2一般入賞口44のいずれかに、遊技球が入賞し、入賞しなかった遊技球がアウト口47から排出され、回収される。
発射ハンドル122の回動角度が小さい場合、遊技球に与えられる打ち出し力が小さいため、遊技球は、主としてステージ33の左側を流下する。また、発射ハンドル122の回転角度が大きい場合、遊技球に与えられる打ち出し力が大きいため、遊技球は、主としてステージ33の右側を流下する。なお、一般に、ステージ33の左側に遊技球を流下させる打ち方は左打ち、ステージ33の右側に遊技球を流下させる打ち方は右打ちと呼ばれている。
第1始動口34及び第2始動口35は、遊技球が通過、つまり入賞することを条件に大当り抽籤の契機を与えるとともに、大当り抽籤の結果を後述する第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53や液晶表示装置13において表示させる契機を与えるものである。
第1始動口34は、遊技盤14の中央やや下方位置に設けられている。第1始動口34の後方には、第1始動口スイッチ340が配置されている。第1始動口スイッチ340によって遊技球が検出された場合、基板ユニット17において大当り抽籤が行われるとともに、予め設定されている数の遊技球が払出口113又は払出口114を介して上皿111又は下皿112に払い出される。
第2始動口35は、第1始動口34の直下に設けられており、その後方に第2始動口スイッチ350が配置されている。第2始動口スイッチ350によって遊技球が検出された場合、基板ユニット17において大当り抽籤が行われるとともに、予め設定されている数の遊技球が払出口113又は払出口114を介して上皿111又は下皿112に払い出される。第2始動口35は、普通電動役物としての羽根部材48によって入賞困難性が決定される。
羽根部材48は、左右方向に回動するものであり、第2始動口35への遊技球の入賞を可能とする開放状態と、第2始動口35への遊技球の入賞を不可能又は困難とする閉鎖状態とを選択可能とするものである。
羽根部材48は、後述する普通図柄表示部50において所定の図柄で停止表示(点灯・消灯の組み合わせ)されたときに、所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、第2始動口35に遊技球が入りやすくなる。
例えば、普通図柄ゲームにおいて、低確率状態(通常状態)における当り確率は、1/256であり、これに当籤した場合、羽根部材48が0.3秒間、1回開放される。高確率状態(時短状態)における当り確率は、例えば255/256であり、これに当籤した場合に、羽根部材48が1.3秒間、3回開放される。また、普通図柄ゲームの1回の当り遊技に対する第2始動口35への最大入賞カウント数は8カウントである。
なお、普通電動役物としては、羽根部材48を左右に回動させるものに限らず、例えば、舌状部材が遊技盤14の前後に移動するもの、あるいは遊技盤14の前後に回動して第2始動口35を開閉する開閉扉であってもよい。
通過ゲート36は、第2始動口35を開放するための普通図柄抽籤を行う契機を与えるものであり、遊技盤14の左右の中央位置に設けられている。この普通図柄抽籤の結果は、後述する普通図柄表示部50において表示される。
後述の普通図柄表示部50において特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽籤の結果が当籤であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置13の表示領域131に表示されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1では、大当り遊技終了後に、通常状態、又は大当り確率が通常状態よりも高くなる確率変動状態に移行する。ここで、終了時に通常状態に移行する大当り遊技を「通常大当り」といい、終了時に確率変動状態に移行する大当り遊技を「確変大当り」という。確変大当り終了後には、普通図柄抽籤の当籤確率が高確率状態となるため、普通電動役物としての羽根部材48のサポートによって第2始動口35への入賞が容易となる。
この状態は、「電サポ」と呼ばれる状態であり、特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなるとともに、第2始動口35への入賞により遊技球の目減りを抑制することができる。「電サポ」状態は、次に大当りに当籤するまで継続するため、遊技者は短時間で、しかも遊技球の減少が抑制された状態で大当りに当籤することが可能となる。
一方、大当り遊技終了後に大当り確率が通常状態とされる場合にも、「電サポ」状態に移行する。この場合の「電サポ」状態は、所定回数分(例えば100回分)の大当り抽籤の結果を、第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53において表示するまで継続する。このような有限回数の「電サポ」状態は、「時短状態」と呼ばれている。
第1保留表示部37及び第2保留表示部38は、後述する第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53が変動表示しているときに、第1始動口スイッチ340又は第2始動口スイッチ350によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53において変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口34又は第2始動口35への遊技球の入球に基づく第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始される。
ここで、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の優先順位は、本実施の形態では、第2特別図柄のほうが第1特別図柄よりも高くされているが、第1始動口34及び第2始動口35への入賞順にしたがって、対応する第1特別図柄及び第2特別図柄を順次変動表示させるようにしてもよい。
また、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施の形態において、第1始動口34及び第2始動口35への入球による第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ最大で4個と規定されている。
第1特別図柄に対する第1特別図柄ゲームが4回分保留されている場合には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、後述するメインRAM62(図6参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶される。
保留されている4回分の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として記憶される。
第2特別図柄ゲームについても同様に、4回分保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する第2特別図柄ゲームの情報が、後述するメインRAM62(図6参照)の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回分の第2特別図柄ゲームの情報が、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として記憶される。
したがって、第1始動口34及び第2始動口35への入賞保留数は、合計で最大8個となる。
第1大入賞口39及び第2大入賞口40は、遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態(大当り遊技状態又は小当り遊技状態)のときに開放される部分である。第1大入賞口39は、第1始動口34の右側(又は右側上部若しくは右側下部)に設けられており、第2大入賞口40は、第1始動口34の下側に設けられている。なお、以下の説明において、第1大入賞口39及び第2大入賞口40を総称して「大入賞口」ともいう。
第1大入賞口39には、第1カウントスイッチ391が設けられている。第1カウントスイッチ391は、第1大入賞口39への遊技球の入賞数をカウントするためのものであり、遊技球の入賞が確認されると、予め設定されている数の遊技球が払出口113又は払出口114を介して上皿111又は下皿112に払い出される。
第2大入賞口40には、第2カウントスイッチ392が設けられている。第2カウントスイッチ392は、第2大入賞口40への遊技球の入賞数をカウントするためのものであり、遊技球の入賞が確認されると、予め設定されている数の遊技球が払出口113又は払出口114を介して上皿111又は下皿112に払い出される。
第1シャッタ41は、第1大入賞口39を開放状態あるいは閉鎖状態に制御するものであり、第1大入賞口39を覆うように配置されている。第1シャッタ41は、第1大入賞口39に対する遊技球の入賞を容易とする第1状態と、第1状態よりも第1大入賞口39に対する遊技球の入賞を困難とする第2状態との間で変位可能な開閉部材を構成する。
すなわち、第1シャッタ41は、第1大入賞口39に遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに第1大入賞口39の状態が変化するように駆動される。
第1シャッタ41による第1大入賞口39の開放駆動は、後述する第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53において特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が大当り遊技状態又は小当り遊技状態に移行された場合に行われる。
第2シャッタ42は、第2大入賞口40を開放状態あるいは閉鎖状態に制御するものであり、第2大入賞口40を覆うように配置されている。第2シャッタ42は、第2大入賞口40に対する遊技球の入賞を容易とする第1状態と、第1状態よりも第2大入賞口40に対する遊技球の入賞を困難とする第2状態との間で変位可能な開閉部材を構成する。
すなわち、第2シャッタ42は、第2大入賞口40に遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに第2大入賞口40の状態が変化するように駆動される。
第2シャッタ42による第2大入賞口40の開放駆動は、後述する第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53において特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が大当り遊技状態又は小当り遊技状態に移行された場合に行われる。
ここで、大当り遊技状態は、通常状態よりも遊技球を獲得できる状態(出玉あり大当り遊技状態)と、実質的に遊技球を獲得できない状態(出玉なし大当り遊技状態)とが含まれる。本実施の形態では、出玉なし大当り遊技状態の終了後は、大当り当籤確率が通常状態よりも高い確率変動状態に遊技状態が移行する。
このような大当り遊技状態の終了後に確率変動遊技状態に移行する出玉なし大当り遊技状態を突然確率変動という。この突然確率変動は、「突然確変」あるいは「突確」とも呼ばれる。
一方、小当り遊技状態は、第1シャッタ41又は第2シャッタ42のいずれか一方を開放するものの、開放された第1シャッタ41又は第2シャッタ42の開閉速度が速く、実質的に遊技球を獲得できない状態である。
この小当り遊技状態における第1シャッタ41及び第2シャッタ42の開閉態様は、出玉なし大当り遊技状態における第1シャッタ41及び第2シャッタ42の開閉態様と同一又は類似しており、第1シャッタ41及び第2シャッタ42の開閉態様を確認しただけでは、どちらの当り(遊技状態)が成立したか区別するのは困難である。
第1シャッタ41による第1大入賞口39の開放状態は、第1カウントスイッチ391によるカウント値(遊技球の通過数)が所定個数(例えば7個)となるか、あるいは開放時間が所定時間(例えば約25秒又は0.1秒)となるまで維持される。
一方、遊技球の通過数が所定個数となった場合、又は第1シャッタ41の開放時間が所定時間となった場合には、第1シャッタ41は第1大入賞口39を閉鎖するように駆動される。
第2シャッタ42による第2大入賞口40の開放状態は、第2カウントスイッチ392によるカウント値(遊技球の通過数)が所定個数(例えば7個)となるか、あるいは開放時間が所定時間(例えば約25秒又は0.1秒)となるまで維持される。
一方、遊技球の通過数が所定個数となった場合、又は第2シャッタ42の開放時間が所定時間となった場合には、第2シャッタ42は第2大入賞口40を閉鎖するように駆動される。
大当り遊技状態では、第1シャッタ41又は第2シャッタ42を第2状態から第1状態に変位させて、所定の条件が成立したことに応じて第1状態から第2状態に変位させる一連の動作が少なくとも1回実行される有利遊技が複数回実行される。
具体的には、大当り遊技状態では、第1大入賞口39又は第2大入賞口40のいずれか一方において開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。本実施の形態における有利遊技では、第1大入賞口39又は第2大入賞口40のいずれか一方において開放状態と閉鎖状態とが、1回だけ実行される。また、本実施の形態において、大当り遊技状態における有利遊技の実行回数は、16回又は2回に設定されている。
以下の説明において、有利遊技を「ラウンドゲーム」ともいう。また、ラウンドゲームが終了してから次のラウンドゲームが開始するまでの期間を「ラウンド間インターバル」といい、遊技状態が大当り遊技状態に移行してから最初のラウンドゲームが開始されるまでの期間を「当り開始インターバル」といい、最後のラウンドゲームが終了してから大当り遊技状態が終了するまでの期間を「当り終了インターバル」という。
ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数で計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド(1R)、2回目を第2ラウンド(2R)と呼称する場合がある。また、最後のラウンドゲームを「最終ラウンド」ともいう。
本実施の形態では、大当り遊技状態でのラウンドゲームの実行回数は16回又は2回であるが、ラウンドゲームの実行回数が16回の大当りを「16R大当り」、ラウンドゲームの実行回数が2回の大当りを「2R大当り」と呼ぶこともできる。
「16R大当り」は、各ラウンドにおける第1大入賞口39又は第2大入賞口40のいずれか一方の最大開放時間が比較的長い時間、例えば約25秒に設定されている。そのため、「16R大当り」となった場合には、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。
一方、「2R大当り」は、各ラウンドにおける第1大入賞口39又は第2大入賞口40のいずれか一方の開放時間が16R大当りよりも短い時間、例えば0.1秒程度に設定され、実質的に遊技球の獲得が困難とされている。
すなわち、「2R大当り」は、「16R大当り」に比べて、第1大入賞口39又は第2大入賞口40の最大合計開放時間が短く設定されている。この場合、第1シャッタ41による第1大入賞口39の開閉制御又は第2シャッタ42による第2大入賞口40の開閉制御を小当り状態と同一又は類似とし、遊技者に「2R大当り」と「小当り」の区別が困難となるようにしてもよい。
また、「2R大当り」は、各ラウンドにおける第1大入賞口39又は第2大入賞口40の開放時間を「16R大当り」と同程度の時間に設定し、第1大入賞口39又は第2大入賞口40の開放状態での遊技球の入賞を容易として一定数の遊技球を獲得可能なように構成してもよい。また、「2R大当り」として、一定数の遊技球が獲得できる「第1の2R大当り」と遊技球を実質的に獲得できない「第2の2R大当り」とを併用してもよい。
なお、第1大入賞口39又は第2大入賞口40の開放回数は「16R大当り(第1の16R大当り)」と同じであるが、第1大入賞口39又は第2大入賞口40の開放時間が短くて実質的に遊技球を獲得できない「16R大当り(第2の16R大当り)」を設けるとともに、「第2の16R大当り」における第1大入賞口39又は第2大入賞口40の開放制御と同一又は類似する「小当り」を設け、「第2の16R大当り」及び「小当り」のいずれが成立したかが第1大入賞口39又は第2大入賞口40の開放態様からでは判別困難又は判別不可能としてもよい。また、「第2の16R大当り」後は、「第2の16R大当り」前の遊技状態に関わらず、確変状態に移行してもよいし、通常状態に移行してもよい。
第1一般入賞口43及び第2一般入賞口44は、遊技球の入賞を条件に規定個数の遊技球を払い出させる役物である。これらの第1一般入賞口43及び第2一般入賞口44は、装飾部材を配置することにより遊技盤14の左下部及び右下部にそれぞれ1個ずつ形成されている。
第1一般入賞口43及び第2一般入賞口44に遊技球が入賞したときには、予め設定されている数の遊技球が払出口113又は払出口114を介して上皿111又は下皿112に払い出される。
また、図4に示すように、上述した第1始動口34、第2始動口35、第1大入賞口39、第2大入賞口40、第1一般入賞口43及び第2一般入賞口44の後方には、それぞれ、第1始動口スイッチ340、第2始動口スイッチ350、第1カウントスイッチ391、第2カウントスイッチ392、第1一般入賞口スイッチ430及び第2一般入賞口スイッチ440が配設され、通過ゲート36の内部には通過ゲートスイッチ360が配設され、それぞれの入球又は通過が検出される。
また、第1シャッタ41、第2シャッタ42及び羽根部材48の後方には、それぞれ、第1大入賞口ソレノイド410、第2大入賞口ソレノイド420及び電動役物ソレノイド460が配設され、それぞれの可動部材の駆動が行われる。
図5に示したように、LEDユニット5は、普通図柄表示部50、普通図柄用保留表示部51、第1特別図柄表示部52、第2特別図柄表示部53、第1特別図柄用保留表示部54、及び第2特別図柄用保留表示部55を有している。
普通図柄表示部50は、普通電動役物(羽根部材48(図3及び図4参照))を駆動して第2始動口35を開放するか否かを決定する「普通図柄ゲーム」に対する抽籤結果を表示するものであり、2つのLEDランプ501、502を含んでいる。
LEDランプ501、502は、交互に点灯・消灯を繰り返すことによって普通図柄として変動表示された後、停止表示される。羽根部材48(図3及び図4参照)は、普通図柄表示部50におけるLEDランプ501、502の点灯・消灯の組み合わせが所定の態様となったときに、羽根部材48(図3及び図4参照)を所定のパターンで開閉駆動して、第2始動口35の入球困難性の選択を行う。
普通図柄用保留表示部51は、2つのLEDランプ511、512の点灯・消灯又は点滅によって保留されている普通図柄の変動表示の実行可能回数を表示するものである。LEDランプ511、512による保留表示は、例えば保留数が「1」の場合にはLEDランプ511が点灯し、LEDランプ512が消灯する。
保留数が「2」の場合にはLEDランプ511及びLEDランプ512がともに点灯し、保留数が「3」の場合にはLEDランプ511が点滅、LEDランプ512が点灯し、保留数が「4」の場合にはLEDランプ511及びLEDランプ512がともに点滅する。
第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53は、「特別図柄ゲーム」に対する大当り抽籤の結果を示すものであり、それぞれ8個のLEDランプ520、530を含んでいる。第1特別図柄表示部52は、第1始動口34への始動入賞を契機として変動表示を行うとともに、第1始動口34への入賞に基づく大当り抽籤結果を表示するものである。
第2特別図柄表示部53は、第2始動口35への始動入賞を契機として変動表示を行うとともに、第2始動口35への入賞に基づく大当り抽籤結果を表示するものである。第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53の変動表示は、各LEDランプ520、530が個別に点灯・消灯を繰り返すことにより行われる。
大当り抽籤の結果は、第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53の8つのLEDランプ520、530の点灯・消灯によって形成される表示パターン(特別図柄)によって表示される。
例えば、第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53のいずれか一方において、8つのLEDランプ520、530のすべてが点灯した場合に「16R確変大当り」、8つのLEDランプ520、530のうちの上部3つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「16R通常大当り」、8つのLEDランプ520、530のうちの下部3つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「突然確変大当り」、8つのLEDランプ520、530のうちの中部2つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「小当り」、8つのLEDランプ520、530のうちの最上部1つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「ハズレ」の表示パターンとすることができる。
第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53は、大当り抽籤結果を表示するものであるため、遊技者は8つのLEDランプ520、530の表示パターンによって突然確変(例えば下部3つのランプが点灯)と小当り(中部2つのランプが点灯)とを判別することができる。
なお、当籤した大当りのラウンド数が分かるラウンドランプを設け、「16R大当り」が発生した場合には、16Rランプが点灯し、「2R大当り」が発生した場合には、2Rランプが点灯することで、どのラウンドの大当り抽籤に当籤したか分かるようにしてもよい。
大当り抽籤に当籤した場合には、特別図柄が特定の停止表示態様に停止表示された後、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行させられる。
当り遊技状態となった場合には、上述のように第1シャッタ41及び第2シャッタ42(図3参照)が駆動制御され、第1大入賞口39及び第2大入賞口40(図3参照)が開放状態とされて遊技球の受け入れが可能な状態となる。
一方、大当り抽籤又は小当り抽籤に当籤しなかった場合には、特別図柄として、ハズレ図柄が停止表示されて遊技状態が維持される。また、小当りに当籤した場合には、小当りに対応する表示パターンに特別図柄が停止表示され、所定のパターンで第1シャッタ41及び第2シャッタ42が駆動される。
液晶表示装置13の表示領域131では、第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53で表示される特別図柄の変動表示中において、特定の場合を除いて、液晶表示装置13の表示領域131において、数字からなる識別図柄(装飾図柄)、例えば、「0」、「1」、「2」・・・「9」のような数字が3列変動表示される。
一方、第1特別図柄表示部52(図5参照)及び第2特別図柄表示部53(図5参照)において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置13の表示領域131でも装飾図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53において、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、「当り」であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置13の表示領域131において表示される。
具体的には、第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53のいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な「大当り」に対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置13の表示領域131において表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄がすべて揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置13の表示領域131において表示される。
なお、出球を得ることが困難な「当り(小当り)」の場合は、「当り」であることを遊技者に把握させる演出画像を、液晶表示装置13の表示領域131において表示しなくてもよい。
第1特別図柄用保留表示部54のLEDランプ541、542及び第2特別図柄用保留表示部55のLEDランプ551、552は、点灯・消灯又は点滅によって保留されている特別図柄の変動表示の実行可能回数(保留個数)を表示するものである。
第1特別図柄用保留表示部54のLEDランプ541、542及び第2特別図柄用保留表示部55のLEDランプ551、552は、それぞれ第1保留表示部37及び第2保留表示部38に対応しており、第1特別図柄用保留表示部54のLEDランプ541、542及び第2特別図柄用保留表示部55のLEDランプ551、552での保留個数の表示態様は、普通図柄用保留表示部51のLEDランプ511、512による保留個数の表示態様と同一である。
木枠18は、ベースドア15がはめ込まれる開口181を有している。
[遊技機の電気的構成]
次に、図6を用いて、このパチンコ遊技機1の制御回路について説明する。
図6に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技の制御を行う主制御回路6と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路7とを備えている。
主制御回路6は、メインCPU(Central Processing Unit)60と、読出し専用メモリであるメインROM(Read Only Memory)61と、読書き可能メモリであるメインRAM(Random Access Memory)62と、初期リセット回路63と、I/Oポート64と、コマンド出力ポート65と、バックアップコンデンサ66とを備えているとともに、各種のデバイス(機器やスイッチ等)と接続されている。
メインCPU60は、メインROM61及びメインRAM62と接続されており、メインROM61に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。
メインCPU60は、遊技状態を上述したように移行させる機能を有する。具体的には、メインCPU60は、所定の有利条件が成立したことに応じて、遊技者に有利な特別遊技状態になるように遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段を構成する。例えば、メインCPU60は、大当り抽籤を実行し、大当り抽籤の結果が当籤であったことに応じて、遊技状態が大当り遊技となるように遊技状態を制御するようになっている。
また、メインCPU60は、特別遊技状態において、第1又は第2シャッタ41、42を第2状態から第1状態に変位させて、所定の条件が成立したことに応じて第1状態から第2状態に変位させる一連の動作を少なくとも1回実行する有利遊技を複数回実行する有利遊技実行手段を構成する。すなわち、メインCPU60は、特別遊技状態において、ラウンドゲームを複数回実行するようになっている。
また、メインCPU60は、ウォッチドッグタイマ、システムタイマ監視タイマ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、セキュリティ信号出力タイマ、残留球監視タイマ及び全入賞無効期間タイマなどの各種タイマを構成する。なお、各種タイマの値は、メインCPU60を構成するレジスタに格納されてもよく、メインRAM62の所定領域に格納されてもよい。
また、メインCPU60は、入球検知カウンタ、入賞検知カウンタ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタ、第1又は第2不正入賞カウンタ(以下、総称して「不正入賞カウンタ」ともいう)、電波検知カウンタ、第1又は第2大入賞口入賞カウンタ(以下、総称して「大入賞口入賞カウンタ」ともいう)、大入賞口開放回数カウンタなどの各種カウンタを構成する。なお、各種カウンタの値は、メインCPU60を構成するレジスタに格納されてもよく、メインRAM62の所定領域に格納されてもよい。
メインROM61は、図11〜図31に示す処理をメインCPU60に実行させるためのプログラムのようなメインCPU60によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラムや、各種テーブルを記憶している。
メインRAM62は、メインCPU60の一時記憶領域として、種々のデータ(フラグ及び変数の値等)を記憶する機能を有する。メインCPU60の一時記憶領域としては、メインRAM62に代えて、他の読み書き可能な記憶媒体を用いることもできる。
初期リセット回路63は、電源投入時においてリセット信号を生成するものであり、メインCPU60に接続されている。
I/Oポート64は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU60に、メインCPU60からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出力ポート65は、メインCPU60からの各種コマンドを副制御回路7に送信するものである。
バックアップコンデンサ66は、電断時において、メインRAM62に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM62に記憶されている種々のデータを保持するためのものである。
主制御回路6に接続される各種のデバイスとしては、LEDユニット5と、第1大入賞口ソレノイド410と、第2大入賞口ソレノイド420と、電動役物ソレノイド460と、外部端子板80とが含まれる。
図5に示したように、LEDユニット5は、上述のように普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示部50、普通図柄用保留表示部51、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示部52及び第2特別図柄表示部53、第1特別図柄用保留表示部54及び第2特別図柄用保留表示部55を含んでいる。
第1大入賞口ソレノイド410は、シャッタ41を駆動させて第1大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とするものである。第2大入賞口ソレノイド420は、シャッタ42を駆動させて第2大入賞口40を開放状態又は閉鎖状態とするものである。
電動役物ソレノイド460は、普通電動役物としての羽根部材48を駆動させて第2始動口35を開放状態又は閉鎖状態とするものである。
外部端子板80は、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置、あるいはホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ90等の外部機器との間でデータ通信するためのものである。
主制御回路6に接続される各種のスイッチとしては、第1始動口スイッチ340と、第2始動口スイッチ350と、通過ゲートスイッチ360と、第1カウントスイッチ391と、第2カウントスイッチ392と、第1一般入賞口スイッチ430と、第2一般入賞口スイッチ440と、バックアップクリアスイッチ81とが含まれる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、第1始動口スイッチ340と、第2始動口スイッチ350と、通過ゲートスイッチ360と、第1カウントスイッチ391と、第2カウントスイッチ392と、第1一般入賞口スイッチ430と、第2一般入賞口スイッチ440とが入賞検知手段を構成する。
第1始動口スイッチ340及び第2始動口スイッチ350は、第1始動口34及び第2始動口35に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
通過ゲートスイッチ360は、通過ゲート36を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
第1カウントスイッチ391は、第1大入賞口39の所定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
第2カウントスイッチ392は、第2大入賞口40の所定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
第1一般入賞口スイッチ430及び第2一般入賞口スイッチ440は、それぞれ第1一般入賞口43及び第2一般入賞口44を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
主制御回路6は、主制御回路6から払出・発射制御回路82に賞球コマンドを送信する。払出・発射制御回路82は、払出装置83及び発射装置12を制御するものであり、払出装置83、発射装置12及びカードユニット84が接続されている。
カードユニット84は、遊技者の操作によって、カードユニット84に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル85との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路82は、主制御回路6から供給される賞球コマンドと、カードユニット84から供給される貸し球制御信号とを受け取り、払出装置83に対して所定の信号を送信することにより、払出装置83に遊技球を払い出させる。
払出・発射制御回路82は、発射装置12の発射ハンドル122が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作された場合に、その回動角度に応じて発射ソレノイド(不図示)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
バックアップクリアスイッチ81は、電断時等における主制御回路6及び払出・発射制御回路82のバックアップデータを、遊技場の管理者の操作に応じてクリアするものである。
メインCPU60は、後述するメイン処理の実行中であっても、メイン処理を中断し割込処理としてのタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理は、所定時間(例えば、2ms)毎に発生する割込条件を契機として実行され、入賞検知手段を構成する各要素に対する入賞を検知したか否かを判定する入賞判定処理と、電波センサ500が電波を検知したか否かを判定する電波検知処理が行われる処理である。
副制御回路7は、コマンド出力ポート65及びコマンド入力ポート70を介して主制御回路6に接続されており、主制御回路6から各種のコマンドが供給されるように構成されている。
副制御回路7は、主制御回路6から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御を行うものであり、サブCPU71と、プログラムROM72と、ワークRAM73と、表示制御回路74と、音声制御回路75と、ランプ制御回路76と、バックアップコンデンサ77とを備えている。
サブCPU71は、図32〜図37及び図40に示すような、プログラムROM72に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU71は主制御回路6から供給される各種のコマンドにしたがって、副制御回路7の制御を行う。
プログラムROM72は、サブCPU71によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルを記憶している。
ワークRAM73は、サブCPU71の一時記憶領域として種々のデータ(フラグや変数の値等)を記憶するものである。
表示制御回路74は、サブCPU71から供給されるデータに応じて、液晶表示装置(LCD)13における表示制御を行うためのものであり、例えば画像データプロセッサ(VDP)と、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROMと、画像データをバッファするフレームバッファと、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータとから構成されている。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。
表示制御回路74は、サブCPU71から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置13に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データ、各種不正報知画像データ等が含まれる。
また、表示制御回路74は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングで、この画像信号を液晶表示装置13に供給する。液晶表示装置13では、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて画像が表示される。
音声制御回路75は、スピーカ21から発生させる音声に関する制御を行うためのものであり、例えば音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。
音源ICは、スピーカ21から発生させる音声の制御を行うものであり、サブCPU71から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択することができる。
また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給することもできる。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ21から音声を発生させる。
ランプ制御回路76は、装飾ランプ等を含むランプ・LED22の制御を行うためのものであり、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
バックアップコンデンサ77は、電断時において、ワークRAM73に対して速やかに電源を供給することにより、ワークRAM73に記憶されている種々のデータを保持するためのものである。
副制御回路7は、さらに、遊技者が押下操作可能な演出ボタン20の押下操作を検出する押下操作ボタンスイッチ20aを備える。
副制御回路7は、押下操作ボタンスイッチ20aからの出力に基づいて、例えば表示制御回路74、音声制御回路75、及びランプ制御回路76を制御してチャンス演出を行う。
[入球・入賞検知カウンタ]
図7(a)〜(c)は、入賞検知手段を構成する各要素の入球検知カウンタの未使用領域と、使用領域と、入賞検知カウンタの入賞記憶領域とを示している。
入球検知カウンタは、それぞれ4bitの未使用領域と使用領域とを有しており、タイマ割込処理が行われる毎に古い入球検知情報が左にシフトされる。また、入球検知カウンタは、タイマ割込処理によって入賞検知手段を構成する各要素が入球を検知した場合に、カウンタの値を「1」にすることで検知状態を表す「HIGH」を記憶し、タイマ割込処理によって入賞検知手段を構成する各要素が入球を検知しない場合に、カウンタの値を「0」にすることで非検知状態を表す「LOW」を記憶する。
図7(b)は、入賞検知手段を構成する各要素のうち、第1一般入賞口43に対応した入球検知カウンタを示している。図7(b)に示すように、メインCPU60は、第1一般入賞口43に対応した入球検知カウンタの使用領域が「0011」(LOW、LOW、HIGH、HIGH)となった場合に、対応する第1一般入賞口スイッチ430において入賞があったと検知し、入賞検知カウンタの対応するbitを1(ON)にする。
これにより、メインCPU60は、チャタリング等により1回だけ入球が検知された場合に入賞と判定してしまう誤作動を防止することができる。
図7(c)に示すように、入賞検知カウンタは、入賞記憶領域に入賞検知手段を構成する各要素の入賞情報をそれぞれ記憶している。入賞検知カウンタは、入賞と判定された場合に対応するbitを1と記憶し、入賞と判定されない場合に対応するbitを0と記憶している。
また、入賞検知カウンタは、電波ゴト等の不正があった場合において、入賞検知手段を構成する各要素に対応するbitをすべて0にする入賞情報消去処理としての0クリアを実行する。
[電波ゴト発生時のタイムチャート]
図8〜図10は、電波センサ500によって電波ゴトが検知された場合の処理を説明するものである。なお、以下の記載において、タイマ割込処理は、2ms(ミリ秒)毎に実行される。
図8に示すように、電波センサ500は、タイマ割込処理において電波を検知したと判定された場合にON状態になり、電波を検知していないと判定された場合にOFF状態になる。
そして、メインCPU60は、電波センサ500のON状態が、所定期間Wが経過するまで続くと、次のタイマ割込処理において電波センサ500が電波を検知したと判定された場合に、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定し、入賞無効処理を実行する。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、所定期間Wを4msとしている。これは、タイマ割込処理において最初に電波を検知した時点を0msとし、その後2回のタイマ割込処理において電波が検知された場合に電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定するためである。また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60が電波センサ500によって電波を検知したと判定することを、電波検知判定処理としている。
つまり、メインCPU60は、タイマ割込処理において2回連続で電波センサ500が電波を検知したと判定され、3回目のタイマ割込処理において電波センサ500が電波を検知したと判定されると、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定し、入賞無効処理を実行するようにしている。なお、所定期間Wが4msであるということは例示であり、本発明は、これに限定されるものではない。
したがって、メインCPU60は、電波センサ500が1回又は2回連続で電波を検知したものの3回目に電波を検知しなければ、電波ゴトは行われていないと判定する。これにより、メインCPU60は、チャタリング等により単発的に電波が発生した場合に、電波ゴトが発生したと誤作動することを防止することができる。
ここで、メインCPU60は、後述するタイマ割込処理における電波検知処理(図18参照)において、3回目のタイマ割込処理において電波センサ500が電波を検知したと判定した場合に、電波検知コマンドをオンにする。
入賞無効処理において、メインCPU60は、電波センサ500による電波ゴトの検知がOFF状態になったと判定された時点を起点とする所定期間Xを設定する。そして、メインCPU60は、電波ゴトの検知(3回目の電波検知)から電波ゴトの検知がOFF(電波センサ500がOFF)となるまでの期間に、前述の所定期間Xを加えた期間が経過するまですべての入賞検知手段による入賞を無効とする全入賞無効期間を設定する。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、所定期間Xを10s(秒)としている。また、所定期間Xが10sであることは例示であり、本発明は、これに限定されるものではない。
ここで、メインCPU60は、後述するタイマ割込処理における入賞検知処理(図18参照)において、入賞を検知した入球検知カウンタがあると判定した場合に、図8における第1一般入賞口43に示すようなON状態になる。
したがって、メインCPU60は、図8において枠で囲まれているON状態が、全入賞無効期間中に発生していることからすべて無効とする。
ここで、一般に、不正判定処理の判定に関わらず、検知センサによる入賞検知は有効にし、不正判定処理において不正行為が行われたと判定された場合に、検知センサの入賞検知に基づいた賞球の払出処理を行わないようにするパチンコ遊技機の場合、当該パチンコ遊技機は、不正行為を検知した際に有効とされた入賞検知に基づいて、特別図柄表示装置が作動してしまう構成となっている。
特別図柄表示装置が作動するということは、遊技者に有利な大当り遊技状態への移行抽籤を行っているということと同義であるため、不正行為者に対して、賞球という形では利益を与えていないものの、大当り遊技状態への移行抽籤を行うという形で利益を与えてしまうという問題があった。
そこで、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、不正行為者に対していかなる利益も与えないパチンコ遊技機となるよう、メインCPU60が、全入賞無効期間である場合に、入賞無効処理によって入賞検知カウンタの入賞記憶領域に保存されている入賞情報をすべて0クリアするよう構成されている。
これにより、メインCPU60は、電波ゴトを検知したことを条件に入賞情報を消去するため、電波ゴトによって記憶された入賞情報に基づいた所定の利益も無効にし、不正行為者に所定の利益を与えないようにできる。
また、メインCPU60は、全入賞無効期間中に入賞検知手段を構成する各要素が入賞を検知し、入球検知カウンタの使用領域が「0011」になった場合に、対応する入賞検知カウンタの値が1に更新されると速やかに入賞検知カウンタの値を0クリアするだけで電波ゴトによって記憶された入賞情報に基づいた利益を無効にするため、極めて少ないプログラムの容量で不正行為者への不正対策処理を実行することができるとともに、遊技を進行する他の処理に一切の負担をかけずに電波ゴトについての不正対策処理を実行することができる。
メインCPU60は、入賞無効期間中に行われるタイマ割込処理によって、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定された場合には、新たに検知された電波ゴトが終了した時点を起点として、再度全入賞無効期間を設定する。
メインCPU60は、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定すると、電波検知コマンドをコマンド出力ポート65を介してコマンド入力ポート70に送信する。また、メインCPU60は、電波検知コマンドを送信したことを契機として、I/Oポート64を介してセキュリティ信号を出力し、出力されたセキュリティ信号は外部端子板80を介してホールコンピュータ90に出力される。
メインCPU60は、最低出力期間Yが経過するまでセキュリティ信号をホールコンピュータ90に出力する。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、最低出力期間Yを60sとしている。また、最低出力期間Yが60sであることは例示であり、本発明は、これに限定されるものではない。
また、メインCPU60がホールコンピュータ90にセキュリティ信号を出力している状態で再度電波検知コマンドを送信した場合、メインCPU60は、再度電波検知コマンドを送信した時点を起点として60s経過するまでホールコンピュータ90にセキュリティ信号を出力するよう最低出力期間を更新する。
サブCPU71は、コマンド入力ポート70が電波検知コマンドを受信すると、不正報知手段を構成する各要素による不正の報知を開始する。これにより、パチンコ遊技機1は、不正行為が行われたことをパチンコ遊技機1の外部に報知することができる。なお、本実施の形態において、不正報知手段は、液晶表示装置13、スピーカ21及びランプ・LED22等によって構成される。
[電断発生時のタイムチャート]
図9は、全入賞無効期間中に、パチンコ遊技機1の電源がOFFになる電断が発生した場合のメインCPU60、サブCPU71及び外部端子板80の動作を説明する図である。
図9に示すように、全入賞無効期間が10s経過していないZms経過時点で電断が発生した場合、メインCPU60は、全入賞無効期間を解除した状態で電断から復帰する。また、サブCPU71は、電断が発生することにより不正報知手段を構成する各要素による不正報知を終了する。
パチンコ遊技機1の電源をOFFにするだけで不正報知をOFFすることができるため、パチンコ遊技機1は、電波の誤検知により不正報知が実行された場合に、データを初期化し遊技者に有利な状態(例えば、大当り遊技状態や確変遊技状態)をクリアすることなく、不正報知を解除することができる。
メインCPU60は、最低出力期間がYms(60s)経過していないZms経過時点で電断が発生した場合、電断から復帰した後にYms(60s)からZmsを引いた時間セキュリティ信号をホールコンピュータ90に送信する。
これにより、遊技場側は、不正が行われた直後にパチンコ遊技機1に電断が発生した場合であっても、電断から復帰した後に不正が行われたことを容易に把握することができる。
[副制御回路のリセット時におけるタイムチャート]
図10は、副制御回路7のみリセットされ、副制御回路7の電源のみがOFFになった場合、リセットから復帰後に再度不正報知を行わないようになっていることを説明する図である。なお、メインCPU60及び外部端子板80の動作は、図8に示した動作と同一のため、説明を割愛する。
最近のパチンコ遊技機は、副制御回路において多種多様な演出を行うため、演出データの容量や演出を行うための処理が増大しており、暴走や静電気等により、副制御回路のみがリセットされることがある。
図10に示すように、本実施の形態のサブCPU71は、副制御回路7のみリセットされると、副制御回路7のみ瞬間的に電源OFF状態となる。瞬間的な電源OFFが発生した際には、バックアップコンデンサ77から供給される電源によりワークRAM73に記憶されたデータが電源ON状態となるまで保持されることとなる。
副制御回路7は、リセット発生後、電源OFF状態から電源ON状態に復帰した時に、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常でないと判定した場合(バックアップが取れていない場合)には、リセット発生前に不正報知を実行したとしても再度不正報知を行わないようになっている。
なお、本タイムチャートでは示していないが、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であると判定した場合(バックアップが取れている場合)でも再度不正報知を行わないようになっている。
ここで、主制御回路において不正と判定して副制御回路に電波検知コマンドを送信した後、所定期間が経過するまで不正報知を行わないことで、不正報知を行いつつも、主制御回路の制御負担を軽減するパチンコ遊技機において、電源がOFFされることを契機として不正報知を終了させるよう構成すると、静電気によって瞬間的に電源OFFになってしまう現象である、いわゆる「瞬断」が主制御回路側では発生せずに、副制御回路側のみ発生した場合、主制御回路では不正判定処理を行わない状況、かつ、副制御回路では不正報知の制御を行わない状況が発生してしまう。
この間に不正行為が実行されると、このようなパチンコ遊技機では、主制御回路で不正判定処理が行われず、電波検知コマンドが副制御回路に送信されないことになる。
そのため、このようなパチンコ遊技機では、電波検知コマンドが副制御回路に送信されないことにより、不正報知が行われないため、途中で終了してしまった不正報知を前記所定の期間の間は復帰できないという問題があった。
そこで、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、電源がOFFになることで不正報知が終了しても、その後不正を検知した場合には速やかに不正報知を復帰することを可能にすべく、図8、図10に示すように、副制御回路7の電源がOFFになりサブCPU71による不正報知が終了した場合であっても、メインCPU60が電波ゴトを検知するとコマンド出力ポート65からコマンド入力ポート70に向けて電波検知コマンドを送信し、コマンド入力ポート70によって電波検知コマンドを受信したサブCPU71が、再度不正報知を開始するよう構成されている。
これにより、パチンコ遊技機1は、不正遊技者が電波ゴトを行った後に瞬断ゴトを行い、パチンコ遊技機1の不正報知が終了した場合であっても、再度、電波ゴトが行われた場合には、サブCPU71による不正報知を復帰させることが可能になるため、速やかに不正報知を復帰することができる。なお、上記不正報知は、「所定の不正報知」や「所定の報知」に該当する。
[メイン処理]
次に、図11、図12を用いて、メインCPU60において実行されるメイン処理について以下に説明をする。
ステップS10において、メインCPU60は、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS11に処理を移す。
ステップS11において、メインCPU60は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS12に処理を移す。
ステップS12において、メインCPU60は、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電断検知信号がHIGH(高レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がHIGHでない場合には電断検知状態であると判定して、電断検知状態が解消されるまでステップS12の処理を行い、電断検知信号がHIGHである場合には電断検知状態でないと判定してステップS13に処理を移す。
ステップS13において、メインCPU60は、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU60は、副制御回路7が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS14に処理を移す。
ステップS14において、メインCPU60は、メインRAM62への書き込みを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、メインCPU60は、バックアップクリアスイッチ81(図6参照)がONであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、バックアップクリアスイッチ81(図6参照)がONであると判定した場合には、ステップS30(図12参照)に処理を移し、バックアップクリアスイッチ81がONでないと判定した場合には、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、メインCPU60は、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電断検知フラグがあると判定した場合には、ステップS17に処理を移し、電断検知フラグがないと判定した場合には、ステップS30(図12参照)に処理を移す。
ステップS17において、メインCPU60は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS18に処理を移す。
ステップS18において、メインCPU60は、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、ステップS19に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値であると判定しない場合には、ステップS30(図12参照)に処理を移す。
ステップS19において、メインCPU60は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS20に処理を移す。
ステップS20において、メインCPU60は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS21に処理を移す。
ステップS21において、メインCPU60は、復電時の高確率遊技状態表示報知設定処理を行う。具体的に、メインCPU60は、特別図柄ゲームの大当り確率が高確率の遊であることを報知する表示が行われるようにする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS22に処理を移す。なお、報知する表示は、電源投入後の最初の変動開始又は変動終了時に終了する構成としてもよい。
ステップS22において、メインCPU60は、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、副制御回路7に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS23に処理を移す。
ステップS23において、メインCPU60は、メインCPU60周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合には、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する(ステップS24)。
図12に示すように、ステップS30において、メインCPU60は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS31に処理を移す。
ステップS31において、メインCPU60は、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS32に処理を移す。
ステップS32において、メインCPU60は、全作業領域クリア処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS33に処理を移す。
ステップS33において、メインCPU60は、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS34に処理を移す。
ステップS34において、メインCPU60は、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS35に処理を移す。
ステップS35において、メインCPU60は、メインCPU60は、メインRAM62の初期化時のコマンドを副制御回路7に送信する処理を行う。また、副制御回路7において、メインCPU60は、受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS36に処理を移す。
ステップS36において、メインCPU60は、メインCPU60周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS40に処理を移す。
ステップS40において、メインCPU60は、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU60は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS41に処理を移す。
ステップS41において、メインCPU60は、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS42に処理を移す。
ステップS42において、メインCPU60は、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU60は、割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS43に処理を移す。
ステップS43において、メインCPU60は、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS44に処理を移す。
ステップS44において、メインCPU60は、システムタイマ監視タイマの値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を参照し、システムタイマ監視タイマの値が3以上であると判定した場合には、ステップS45に処理を移し、システムタイマ監視タイマの値が3以上でないと判定した場合には、ステップS40に処理を移す。
ステップS45において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS46に処理を移す。
ステップS46において、メインCPU60は、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、主制御回路6と副制御回路7との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する第1大入賞口39及び第2大入賞口40の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ、不正行為があったと検知された場合にメインCPU60から外部端子板80を介してホールコンピュータ90に出力されるセキュリティ信号の最低出力期間を計測するためのセキュリティ信号出力タイマ等、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47において、メインCPU60は、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU60は、特別図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1始動入賞口スイッチ340、第2始動口スイッチ350からの検知信号に応じて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインROM61に記憶される当り判定テーブルを参照し、特別図柄抽籤(大当り)に当籤したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM62に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS48に処理を移す。
ステップS48において、メインCPU60は、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU60は、通過ゲートスイッチ360からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM61に記憶される普通図柄当籤テーブルを参照し、普通図柄抽籤に当籤したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM62に記憶する処理を行う。
なお、普通図柄抽籤に当籤した場合、羽根部材48が閉鎖状態から開放状態となって、第2始動口35に遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS49に処理を移す。
ステップS49において、メインCPU60は、図柄表示装置制御処理を行う。この処において、メインCPU60は、ステップS47、ステップS48でメインRAM62に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、液晶表示装置13を駆動するための制御信号をメインRAM62に記憶する処理を行う。
メインCPU60は、制御信号を第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53に制御信号を送信する。第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53は、受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。
また、普通図柄表示部50は、受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS50に処理を移す。
ステップS50において、メインCPU60は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU60は、台コンピュータ又はホールコンピュータ90に送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM62に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS51に処理を移す。
ステップS51においては図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU60は、後述するタイマ割込処理における特別図柄関連スイッチチェック処理及び普通図柄関連スイッチチェック処理(図16、ステップS109、ステップS110)にて検出される第1始動入賞口スイッチ340、第2始動口スイッチ350及び通過ゲートスイッチ360からの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM62に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、第1特別図柄保留表示部54、第2特別図柄用保留表示部55及び普通図柄用保留表示部51を駆動するための制御信号をメインRAM62に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS52に処理を移す。
ステップS52において、メインCPU60は、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU60は、上記のステップなどでメインRAM62に記憶される制御信号を各ポートより出力する処理を行う。
具体的には、メインCPU60は、外部端子板80を介したホールコンピュータ90へのセキュリティ信号の出力及びLED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1シャッタ41又は第2シャッタ42の開閉や羽根部材48の開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源の供給を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS53に処理を移す。
ステップS53において、メインCPU60は、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
[電断時割込処理]
図13は、電断検知信号がH(高)からL(低)へ信号の立下ったことをメインCPU60が検知した際に実行される電断時割込処理について以下に説明する図である。
ステップS61において、メインCPU60は、レジスタ(AF)退避処理を行う。この処理において、メインCPU60は、レジスタを退避する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS62に処理を移す。
ステップS62において、メインCPU60は、電断検知信号がLであるか否かを判定する。電断検知信号がLである場合には、ステップS64に処理を移し、電断検知信号がLでない場合には、ステップS63に処理を移す。なお、この処理において、メインCPU60は、電断検知信号の状態を検知することによって、電断検知信号の立下りがチャタリングによるものか否か判定することが可能である。
ステップS63において、メインCPU60は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU60は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本処理の割込前の処理に復帰する。
ステップS64において、メインCPU60は、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU60は、レジスタを退避する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS65に処理を移す。
ステップS65において、メインCPU60は、割込状態を割込フラグに反映させる処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS66に処理を移す。
ステップS66において、メインCPU60は、スタックポインタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS67に処理を移す。
ステップS67において、メインCPU60は、作業領域損傷チェック用データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU60は、作業領域損傷チェック用データの生成理を行い、電断復帰時において、生成された作業領域損傷チェック用データと電断復帰のデータとが一致しているか否かを判定し、一致している場合にバックアップコンデンサ66から供給される電源により保持されたメインRAM62のデータが正常である(バックアップが取れている)と判定する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS68に処理を移す。
ステップS68において、メインCPU60は、電断検知フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS69に処理を移す。
ステップS69において、メインCPU60は、RAM書込み禁止処理を行う。この処理において、メインCPU60は、RAM書込みを禁止する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、図示はしないが、電断時割込処理において、バックアップコンデンサ66からの電源は、メインRAM62に供給されており、電源を供給されることによりメインRAM62に記憶されたデータが保持されることとなる。
[遊技情報データ生成処理]
図14は、メイン処理で行われる遊技情報データ生成処理(図12、ステップS50)の詳細について説明する図である。
ステップS71において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65から電波検知コマンドを送信した際にセットされる電波検知コマンド送信フラグがONであるか否かを判定し、電波検知コマンド送信フラグがONであると判定した場合には、ステップS72に処理を移し、電波検知コマンド送信フラグがONでないと判定した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS72において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信フラグOFF処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ONになっている電波検知コマンド送信フラグをOFFにする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS73に処理を移す。
ステップS73において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマの値をクリアする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS74に処理を移す。
ステップS74において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマに最低出力期間Ymsをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号の出力時間である最低出力期間である60sをセキュリティ信号出力タイマにセットする。なお、セキュリティ信号出力タイマにセットされる値は、60sに限られない。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS75に処理を移す。
ステップS75において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力データセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号を生成するとともに、セットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS76に処理を移す。
ステップS76において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンド送信フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65から大入賞口不正入賞コマンドを送信した際にセットされる大入賞口不正入賞コマンド送信フラグがONであるか否かを判定し、大入賞口不正入賞コマンド送信フラグがONであると判定した場合には、ステップS77に処理を移し、大入賞口不正入賞コマンド送信フラグがONでないと判定した場合には、ステップS81に処理を移す。
ステップS77において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンド送信フラグOFF処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ONになっている大入賞口不正入賞コマンド送信フラグをOFFにする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS78に処理を移す。
ステップS78において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマの値をクリアする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS79に処理を移す。
ステップS79において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマに最低出力期間Ymsをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号の出力時間である最低出力期間である60sをセキュリティ信号出力タイマにセットする。なお、セキュリティ信号出力タイマにセットされる値は、60sに限られない。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS80に処理を移す。
ステップS80において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力データセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号を生成するとともに、セットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS83に処理を移す。
ステップS81において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマの値が0であるか否かを判定し、セキュリティ信号出力タイマの値が0であると判定した場合には、ステップS83に処理を移し、セキュリティ信号出力タイマの値が0でないと判定した場合には、ステップS82に処理を移す。
ステップS82において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力データセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号を生成するとともに、セットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS83に処理を移す。
ステップS83において、メインCPU60は、その他の遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU60は、遊技状態に応じて、大当り遊技状態である旨を示す大当り信号や、確変遊技状態であることを示す確変信号等の信号を生成し、セットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS75、ステップS80及びステップS82より、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマの値が0でない限り、セキュリティ信号出力データをセットするよう構成されている。これにより、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマの値が0より大きい期間が経過するまで、継続してセキュリティ信号を出力する。
[ポート出力処理]
図15は、メイン処理で行われるポート出力処理(図12、ステップS52)の詳細について説明する図である。
ステップS91において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力データがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、後述するコマンド送信制御処理において電波検知コマンドが送信されることによりONになる電波検知コマンド送信フラグ(図24、ステップS213参照)がONである場合に、遊技情報データ生成処理においてセットされるセキュリティ信号出力データ(図14、ステップS75、ステップS80及びステップS82参照)がセットされているか否かを判定し、セキュリティ信号出力データがセットされていると判定した場合には、ステップS92に処理を移し、セキュリティ信号出力データがセットされていないと判定した場合には、ステップS93に処理に移す。
ステップS92において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セットされたセキュリティ信号出力データを出力する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS93に処理に移す。
ステップS93において、メインCPU60は、その他のポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU60は、遊技状態に応じて、大当り遊技状態である旨を示す大当り信号や、確変遊技状態であることを示す確変信号等の信号を出力する処理として、例えば、LED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1シャッタ41又は第2シャッタ42の開閉や羽根部材48の開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源の供給を行う。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[タイマ割込処理]
メインCPU60は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。このタイマ割込処理は、図示しないクロックパルス発生回路から所定の周期(例えば、2ms)毎に発生されるクロックパルスに応じて行う処理である。図16を用いて、タイマ割込処理について以下に説明する。
ステップS101において、メインCPU60は、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU60は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS102に処理を移す。
ステップS102において、メインCPU60は、システムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理等)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS103に処理を移す。
ステップS103において、メインCPU60は、残留球監視タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶される残留球監視タイマ及び第1又は第2不正入賞カウンタの値を更新する処理を行う。なお、ステップS103の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS104に処理を移す。
残留球監視タイマは、第1シャッタ41が第1大入賞口39を閉鎖状態にした後から所定期間が経過するまでの残留球監視期間、又は、第2シャッタ42が第2大入賞口40を閉鎖状態にした後から所定期間が経過するまでの残留球監視期間の残り時間を計測する。
なお、残留球監視タイマは、第1シャッタ41が第1大入賞口39を閉鎖状態にするようにメインCPU60が制御した後から所定期間が経過するまでの残留球監視期間、又は、第2シャッタ42が第2大入賞口40を閉鎖状態にするようにメインCPU60が制御した後から所定期間が経過するまでの残留球監視期間の残り時間を計測するようにしてもよい。
また、残留球監視タイマは、第1シャッタ41が第1大入賞口39を閉鎖状態にした後の一定時間経過後から所定期間が経過するまでの残留球監視期間、又は、第2シャッタ42が第2大入賞口40を閉鎖状態にしてから所定期間が経過するまでの残留球監視期間の残り時間を計測するようにしてもよい。
残留球監視期間において、メインCPU60は、第1又は第2大入賞口39、40を閉鎖状態にした後に、第1又は第2カウントスイッチ391、392によって、それぞれ検出された遊技球を正規の入賞検知期間に入賞した遊技球であると判定する。すなわち、メインCPU60は、第1又は第2大入賞口39、40を開放状態にしてから残留球監視期間が終了するまでの期間を正規の入賞検知期間とする。
第1不正入賞カウンタは、第1大入賞口39内に不正に入賞したと判定されるまでの遊技球の数をカウントし、第2不正入賞カウンタは、第2大入賞口39内に不正に入賞したと判定されまでの遊技球の数をカウントする。
例えば、メインCPU60によって構成される第1及び第2不正入賞カウンタは、有利遊技が実行されてから当該有利遊技が終了した後に所定期間である残留球監視期間が経過するまでの間、すなわち、正規の入賞検知期間に、第1又は第2カウントスイッチ391、392によって、それぞれ検知された遊技媒体の数を計数する計数手段を構成する。
ステップS104において、メインCPU60は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットするとともに、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路63に送信する。
初期リセット回路63は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を解放する。なお、初期リセット回路63に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路63に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100ms)が経過すると、初期リセット回路63からメインCPU60へシステムリセット信号が出力される。
メインCPU60は、この初期リセット回路63からシステムリセット信号が入力されるとシステムリセット状態となる。ステップS104の処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS105に処理を移す。
ステップS105において、メインCPU60は、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU60は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ及び演出条件判定用乱数カウンタなどの値(乱数)を更新する。
なお、大当り判定用乱数カウンタ及び大当り図柄決定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2ms毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。ステップS105の処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS106に処理を移す。
ステップS106において、メインCPU60は、入賞検知処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する全要素に対し、それぞれが入賞を検知したか否かを判定する。なお、ステップS106の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS107に処理を移す。
ステップS107において、メインCPU60は、電波検知処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波を検知したか否かを判定する処理を行う。なお、ステップS107の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS108に処理を移す。
ステップS108において、メインCPU60は、入賞検知消去処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞情報消去処理を行う必要があると判定した場合に、入賞情報を消去する。なお、ステップS108の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS109に処理を移す。
ステップS109において、メインCPU60は、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1始動口34、第1大入賞口39及び第2大入賞口40に係る処理を行う。なお、ステップS109の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS110に処理を移す。
ステップS110において、メインCPU60は、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2始動口35及び通過ゲート36に係る処理を行う。なお、ステップS110の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS111に処理を移す。
ステップS111において、メインCPU60は、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39、第2大入賞口40、第1始動口34、第2始動口35、第1一般入賞口43及び第2一般入賞口44に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する賞球コマンドを払出・発射制御回路82に送信する。なお、ステップS111の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS112に処理を移す。
ステップS112において、メインCPU60は、コマンド送信制御処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セットした各コマンドをコマンド出力ポート65により副制御回路7のコマンド入力ポート70に送信する。なお、ステップS112の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS113に処理を移す。
ステップS113において、メインCPU60は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU60は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[残留球監視タイマ更新処理]
図17は、タイマ割込処理で行われる残留球監視タイマ更新処理(図16、ステップS103)の詳細について説明する図である。
ステップS121において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、残留球監視タイマの値が0でないと判定した場合には、ステップS122に処理を移す。
ステップS122において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値から1を減算する。すなわち、この処理において、メインCPU60は、残留球監視期間を時刻の経過に応じて短くする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS123に処理を移す。
ステップS123において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、残留球監視タイマの値が0であると判定されたということは、残留球監視期間が終了したことを表す。
したがって、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0でないと判定した場合には、残留球監視期間中であると判定し、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であると判定した場合には、残留球監視期間が終了したと判定し、ステップS124に処理を移す。
ステップS124において、メインCPU60は、第1又は第2不正入賞カウンタの値を1にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ステップS123において、第1大入賞口39に対する残留球監視期間が終了したと判定している場合には、第1不正入賞カウンタの値を1にセットし、第2大入賞口40に対する残留球監視期間が終了したと判定している場合には、第2不正入賞カウンタの値を1にセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[入賞検知処理]
図18は、タイマ割込処理で行われる入賞検知処理(図16、ステップS106)の詳細について説明する図である。
ステップS131において、メインCPU60は、各入賞領域に対する入球検知カウンタ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素の入賞スイッチの検知状況に応じて、入球検知カウンタの値を更新する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS132に処理を移す。
ステップS132において、メインCPU60は、入賞を検知した入球検知カウンタがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素に対応した入球検知カウンタにおいて、入賞を検知、つまり入球検知カウンタの使用領域が「0011」(「LLHH」)となっているか否かを判定し、入球検知カウンタが入賞を検知したと判定した場合には、ステップS133に処理を移し、入球検知カウンタが入賞を検知していないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS133において、メインCPU60は、対応する入賞検知カウンタに入賞データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入球検知カウンタの値が「0011」となった入賞検知手段を構成する要素に対応する入賞検知カウンタのbitを1(ON)にする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[電波検知処理]
図19は、タイマ割込処理で行われる電波検知処理(図16、ステップS107)の詳細について説明する図である。
ステップS141において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素のいずれにおいて入賞が検知された場合であっても無効となる全入賞無効状態であることを示す全入賞無効フラグがONであるか否かの判定を行い、全入賞無効フラグがONであると判定した場合には、ステップS142に処理を移し、全入賞無効フラグがONでないと判定した場合には、ステップS146に処理を移す。
ステップS142において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマの値が0であるか否かを判定し、0であると判定した場合には、不正電波の検知が継続していることから、ステップS146に処理を移し、0でないと判定した場合には、全入賞無効期間中であることから、ステップS143に処理を移す。
ステップS143において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマの値を前回セットされた時点から経過した時間分減算するよう更新する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS144に処理を移す。
ステップS144において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマの値が0であるか否かを判定し、0であると判定した場合には、全入賞無効期間が経過したことから、ステップS145に処理を移し、0でないと判定した場合には、全入賞無効期間中であることから、ステップS146に処理を移す。
ステップS145において、メインCPU60は、全入賞無効フラグOFF処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ステップS143で全入賞無効期間タイマ更新処理を行った結果、全入賞無効期間タイマの値が0になったことより、全入賞無効期間を終了させる。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS146に処理を移す。
ステップS146において、メインCPU60は、電波センサ500がONであるか否かを判定する。すなわち、電波センサ500が電波を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500がONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合には、ステップS147に処理を移し、ONでないと判定した場合には、ステップS132に処理を移す。
ステップS147において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値に1を追加する。この処理において、メインCPU60は、電波を検知した回数を保存する電波検知カウンタに検知した回数を1回追加する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS148に処理を移す。
ステップS148において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が3であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波を3回連続で検知したか否かを判定し、電波センサ500が電波を3回連続で検知したと判定した場合には、ステップS149に処理を移し、電波センサ500が電波を3回連続で検知していないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS149において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波検知を継続している状態において全入賞無効期間タイマをセットしないようにすべく、全入賞無効期間タイマにセットされている値をクリアする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS150に処理を移す。
ステップS150において、メインCPU60は、全入賞無効フラグON処理を行う。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグをONにし、入賞検知手段を構成する要素が入賞を検知した場合に、入賞を無効にするよう設定する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS151に処理を移す。
ステップS151において、メインCPU60は、電波検知コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65からコマンド入力ポート70に向けて電波検知コマンドを送信し、副制御回路7による不正報知を行うために、電波検知コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
ステップS152において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が3以上であるか否かを判定し、電波検知カウンタにセットされた値が3以上であると判定した場合には、電波ゴトが終了したことから、ステップS153に処理を移し、3以上ではないと判定した場合には、電波ゴトではなくチャタリング等により1回又は2回連続で電波が検知されたか、もしくは電波が検知されていないことから、ステップS154に処理を移す。
ステップS153において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマに所定期間Xmsをセットする。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波を3回以上検知したことを受けて、電波ゴトが行われたと判定し、また電波センサ500がOFFになったことより(電波センサ500が電波を検知しなくなったことにより)、電波ゴトが終了したと判定し、全入賞無効期間として所定期間Xを全入賞無効期間タイマにセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS154に処理を移す。
ステップS154において、メインCPU60は、電波検知カウンタクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値をクリアし、次回の電波検知処理に備える。この処理が終了した場合にはメインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[入賞検知消去処理]
図20は、タイマ割込処理で行われる入賞検知消去処理(図16、ステップS108)の詳細について説明する図である。
ステップS161において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定し、全入賞無効フラグがONであると判定した場合には、ステップS162に処理を移し、全入賞無効フラグがONでないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS162において、メインCPU60は、入賞検知カウンタクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、すべての入賞検知カウンタにセットされた値を0クリアすることで、全入賞無効状態である場合、入賞検知手段を構成する各要素が検知した入賞を無効にする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図21は、タイマ割込処理で行われる特別図柄関連スイッチチェック処理(図16、ステップS109)の詳細について説明する図である。
ステップS171において、メインCPU60は、第1始動口34への始動入賞が検知されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS172に処理を移し、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS178に処理を移す。
ステップS172において、メインCPU60は、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、ステップS178に処理を移し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS173に処理を移す。
ステップS173において、メインCPU60は、第1特別図柄の始動記憶に1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されている第1特別図柄の保留個数の値に1を加算する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS174に処理を移す。
ステップS174において、メインCPU60は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU60は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、特別図柄抽籤)し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM62の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS175に処理を移す。
なお、本実施形態において、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果は、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。
ステップS175において、メインCPU60は、第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62の所定領域に第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS176に処理を移す。
ステップS176において、メインCPU60は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU60は、乱数抽籤に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS177に処理を移す。
ステップS177において、メインCPU60は、始動入賞コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。始動入賞コマンドは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路7が、始動入賞があったことや当り抽籤結果の当否を認識するようになる。
始動入賞コマンドのデータには、ステップS176の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。
これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。ステップS177の処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS178に処理を移す。
ステップS178において、メインCPU60は、第1大入賞口39への入賞が検知されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS179に処理を移し、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS187に処理を移す。
ステップS179において、メインCPU60は、第1大入賞口入賞カウンタの値に1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39を開放させるラウンドゲームを実行する場合に、1回のラウンドゲームにおける上限数の遊技球が第1大入賞口39に入賞したか否かを判定する際に基準となる第1大入賞口入賞カウンタの値に1を加算する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS180に処理を移す。
ステップS180において、メインCPU60は、第1不正入賞カウンタの値から1を減算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39に不正な入賞があったか否かを判定する際に基準となる第1不正入賞カウンタの値から1を減算する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS181に処理を移す。
ステップS181において、メインCPU60は、第1不正入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1不正入賞カウンタの値が0であると判定した場合には、第1大入賞口39に不正な入賞があったと判定し、ステップS182に処理を移し、第1不正入賞カウンタの値が0でないと判定した場合には、第1大入賞口39に不正な入賞がなかったと判定し、ステップS187に処理を移す。
ステップS182において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65からコマンド入力ポート70に向けて大入賞口不正入賞コマンドを送信し、副制御回路7による不正報知を行うために、大入賞口不正入賞コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS183に処理を移す。
ステップS183において、メインCPU60は、第1不正入賞カウンタの値を1にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、新たにラウンドゲームを実行することに伴い、第1不正入賞カウンタに新たな値をセットするまでは、第1大入賞口39に対する入賞を全て不正であると判定するようになる。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS184に処理を移す。
ステップS184において、メインCPU60は、メイン処理で行われる特別図柄制御処理(図12、ステップS47)における各ステップに対応する制御状態フラグが04Hであるか否かを判定する。
制御状態フラグについては、後述するが、制御状態フラグが04Hであるということは、大入賞口開放中、すなわち、第1又は第2大入賞口39、40が開放状態にあることを表す。ステップS184において、メインCPU60は、制御状態フラグが04Hであると判定した場合には、第1又は第2大入賞口39、40が開放状態にあるときに不正な入賞があったと判定し、ステップS187に処理を移し、制御状態フラグが04Hでないと判定した場合には、第1又は第2大入賞口39、40のいずれも開放状態にないときに不正な入賞があったと判定し、ステップS185に処理を移す。
ステップS185において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1又は第2大入賞口39、40に対して、残留球監視期間に不正な入賞があったか否かを判定し、残留球監視タイマの値が0であると判定した場合には、残留球監視期間に不正な入賞がなかったと判定し、ステップS187に処理を移し、残留球監視タイマの値が0でないと判定した場合には、残留球監視期間に不正な入賞があったと判定し、ステップS186に処理を移す。
ステップS186において、メインCPU60は、第1大入賞口入賞検知情報をクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitを0(OFF)にリセットし、ステップS187に処理を移す。
ステップS187において、メインCPU60は、第2大入賞口40への始動入賞が検知されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS188に処理を移し、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS188において、メインCPU60は、第2大入賞口入賞カウンタの値に1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2大入賞口40を開放させるラウンドゲームを実行する場合に、1回のラウンドゲームにおける上限数の遊技球が第2大入賞口40に入賞したか否かを判定する際に基準となる第2大入賞口入賞カウンタの値に1を加算する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS189に処理を移す。
ステップS189において、メインCPU60は、第2不正入賞カウンタから1を減算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2大入賞口40に不正な入賞があったか否かを判定する際に基準となる第2不正入賞カウンタの値から1を減算する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS190に処理を移す。
ステップS190において、メインCPU60は、第2不正入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2不正入賞カウンタの値が0であると判定した場合には、第2大入賞口40に不正な入賞があったと判定し、ステップS191に処理を移し、第2不正入賞カウンタの値が0でないと判定した場合には、第2大入賞口40に不正な入賞がなかったと判定し、本サブルーチンを終了する。
ステップS191において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65からコマンド入力ポート70に向けて大入賞口不正入賞コマンドを送信し、副制御回路7による不正報知を行うために、大入賞口不正入賞コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS192に処理を移す。
ステップS192において、メインCPU60は、第2不正入賞カウンタの値を1にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、新たにラウンドゲームを実行することに伴い、第2不正入賞カウンタに新たな値をセットするまでは、第2大入賞口40に対する入賞を全て不正であると判定するようになる。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS193に処理を移す。
ステップS193において、メインCPU60は、メイン処理で行われる特別図柄制御処理における各ステップに対応する制御状態フラグが04Hであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが04Hであると判定した場合には、第1又は第2大入賞口39、40が開放状態にあるときに不正な入賞があったと判定し、本サブルーチンを終了し、制御状態フラグが04Hでないと判定した場合には、第1又は第2大入賞口39、40のいずれも開放状態にないときに不正な入賞があったと判定し、ステップS194に処理を移す。
ステップS194において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1又は第2大入賞口39、40に対して、残留球監視期間に不正な入賞があったか否かを判定し、残留球監視タイマの値が0であると判定した場合には、残留球監視期間に不正な入賞がなかったと判定し、本サブルーチンを終了し、残留球監視タイマの値が0でないと判定した場合には、残留球監視期間に不正な入賞があったと判定し、ステップS195に処理を移す。
ステップS195において、メインCPU60は、第2大入賞口入賞検知情報をクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitを0(OFF)にリセットし、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄関連スイッチチェック処理]
図22は、タイマ割込処理で行われる普通図柄関連スイッチチェック処理(図16、ステップS110)の詳細について説明する図である。
ステップS201において、メインCPU60は、第2始動口35への始動入賞が検知されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS202に処理を移し、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS208に処理を移す。
ステップS202において、メインCPU60は、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。
メインCPU60は、保留個数が4以上であると判定した場合には、ステップS208に処理を移し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、メインCPU60は、第2特別図柄の始動記憶に1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されている第2特別図柄の保留個数の値に1を加算する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、メインCPU60は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU60は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、特別図柄抽籤)し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM62の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS205に処理を移す。
なお、本実施形態において、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。
ステップS205において、メインCPU60は、第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62の所定領域に第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS206に処理を移す。
ステップS206において、メインCPU60は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU60は、乱数抽籤に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS207に処理を移す。
ステップS207において、メインCPU60は、始動入賞コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。始動入賞コマンドは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路7が、始動入賞があったことや当り抽籤結果の当否を認識するようになる。
始動入賞コマンドのデータには、ステップS206の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。
これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、所謂「先読演出」が可能となる。ステップS207の処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS208に処理を移す。
ステップS208において、メインCPU60は、通過ゲート36への始動入賞が検知されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの通過ゲート36に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの通過ゲート36に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS209に処理を移し、入賞検知カウンタの通過ゲート36に対応するbitが1でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS209において、メインCPU60は、普通図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、普通図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。メインCPU60は、保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS210に処理を移す。
ステップS210において、メインCPU60は、普通図柄の始動記憶に1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されている普通図柄の保留個数の値に1を加算する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS211に処理を移す。
ステップS211において、メインCPU60は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU60は、普通図柄判定用乱数カウンタから普通図柄ゲームの当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、普通図柄抽籤)する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[払出制御処理]
図23は、タイマ割込処理で行われる払出制御処理(図16、ステップS111)の詳細について説明する図である。
ステップS221において、メインCPU60は、第1始動口34が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS222に処理を移し、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS223に処理を移す。
ステップS222において、メインCPU60は、第1始動口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1始動口34に対応する賞球コマンド(例えば、3球払出しを示すコマンド)をセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS223に処理を移す。
ステップS223において、メインCPU60は、第2始動口35が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS224に処理を移し、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS225に処理を移す。
ステップS224において、メインCPU60は、第2始動口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2始動口35に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS225に処理を移す。
ステップS225において、メインCPU60は、第1一般入賞口43が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1一般入賞口43に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1一般入賞口43に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS226に処理を移し、入賞検知カウンタの第1一般入賞口43に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS227に処理を移す。
ステップS226において、メインCPU60は、第1一般入賞口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1一般入賞口43に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS227に処理を移す。
ステップS227において、メインCPU60は、第2一般入賞口44が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2一般入賞口44に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2一般入賞口44に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS228に処理を移し、入賞検知カウンタの第2一般入賞口44に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS229に処理を移す。
ステップS228において、メインCPU60は、第2一般入賞口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2一般入賞口44に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS229に処理を移す。
ステップS229において、メインCPU60は、第1大入賞口39が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS230に処理を移し、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS231に処理を移す。
ステップS230において、メインCPU60は、第1大入賞口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS231に処理を移す。
ステップS231において、メインCPU60は、第2大入賞口40が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1であると判定した場合には、ステップS232に処理を移し、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1でないと判定した場合には、ステップS233に処理を移す。
ステップS232において、メインCPU60は、第2大入賞口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2大入賞口40に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS233に処理を移す。
ステップS233において、メインCPU60は、セットした賞球コマンドを出力する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セットされた賞球コマンドを払出・発射制御回路82に出力する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS234に処理を移す。
ステップS234において、メインCPU60は、各入賞口及び通過ゲート36の入賞検知情報をクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタにセットされた入賞検知手段を構成する各要素に対応するbitを0(OFF)にする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[コマンド送信制御処理]
図24は、タイマ割込処理で行われるコマンド送信制御処理(図16、ステップS112)の詳細について説明する図である。
ステップS241において、メインCPU60は、電波検知コマンドがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンドがセットされているか否かを判定し、電波検知コマンドがセットされていると判定した場合には、ステップS242に処理を移し、電波検知コマンドがセットされていないと判定した場合には、ステップS244に処理を移す。
ステップS242において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンドをコマンド出力ポート65から副制御回路7のコマンド入力ポート70に向けて送信する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS243に処理を移す。
ステップS243において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信フラグをONにする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65が電波検知コマンドを送信することを契機として、電波検知コマンド送信フラグをセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS244に処理を移す。
ステップS244において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンドがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンドがセットされているか否かを判定し、大入賞口不正入賞コマンドがセットされていると判定した場合には、ステップS245に処理を移し、大入賞口不正入賞コマンドがセットされていないと判定した場合には、ステップS247に処理を移す。
ステップS245において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンド送信処理を行う。この処理において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンドをコマンド出力ポート65から副制御回路7のコマンド入力ポート70に向けて送信する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS246に処理を移す。
ステップS246において、メインCPU60は、大入賞口不正入賞コマンド送信フラグをONにする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65が大入賞口不正入賞コマンドを送信することを契機として、大入賞口不正入賞コマンド送信フラグをセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS247に処理を移す。
ステップS247において、メインCPU60は、その他のコマンドがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、始動入賞コマンドや各賞球コマンド等の電波検知コマンド及び大入賞口不正入賞コマンド以外のコマンドがセットされているか否かを判定し、電波検知コマンド及び大入賞口不正入賞コマンド以外のコマンドがセットされていると判定した場合には、ステップS248に処理を移し、電波検知コマンド及び大入賞口不正入賞コマンド以外のコマンドがセットされていないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS248において、メインCPU60は、セットされたコマンドの送信処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンド及び大入賞口不正入賞コマンド以外のセットされたコマンドをコマンド出力ポート65から副制御回路7のコマンド入力ポート70に向けて送信する。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄制御処理]
図25は、メイン処理で行われる特別図柄制御処理(図12、ステップS47)の詳細について説明する図である。なお、図25において、ステップS252からステップS259の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM62における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。
メインCPU60は、メインRAM62に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、ステップS251において、メインCPU60は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS252に処理を移す。
なお、後述するステップS252からステップS259において、メインCPU60は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。
この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS252からステップS259における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU60は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
なお、この所定のタイミングに至る前において、メインCPU60は、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。また、メインCPU60は、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS252において、メインCPU60は、特別図柄記憶チェック処理を実行する。なお、ステップS252の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS253に処理を移す。
ステップS253において、メインCPU60は、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。
つまり、メインCPU60は、確定後待ち時間が経過した後、ステップS254の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS254に処理を移す。
ステップS254において、メインCPU60は、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当り又は小当り)か否かを判定する。
メインCPU60は、当りであると判定した場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルの長さとして、例えば、5000msを待ち時間タイマにセットする。つまり、メインCPU60は、当り開始インターバルの時間が経過した後、ステップS255の処理を実行するように設定する。
一方、メインCPU60は、当りではないと判定した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。つまり、メインCPU60は、ステップS259の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS255に処理を移す。
ステップS255において、メインCPU60は、当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM61から読み出された第1大入賞口39又は第2大入賞口40を開放させるためのデータをメインRAM62に記憶する。
そして、メインCPU60は、図15のステップS93の処理において、メインRAM62に記憶された第1大入賞口39又は第2大入賞口40を開放させるためのデータを読み出し、第1大入賞口39又は第2大入賞口40を開放させる旨の信号を、第1大入賞口ソレノイド410又は第2大入賞口ソレノイド420に供給する。このように、メインCPU60などは、第1大入賞口39又は第2大入賞口40の開閉制御を行う。
つまり、所定の有利な遊技状態(第1大入賞口39又は第2大入賞口40が遊技球を受け入れやすい開放状態から第1大入賞口39又は第2大入賞口40が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを16ラウンド繰り返し行う大当り遊技、又は第1大入賞口39又は第2大入賞口40を16回あるいは2回開放させる小当り遊技が実行されることになる。
さらに、メインCPU60は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば、約0.1秒又は約25秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、メインCPU60は、ステップS257の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS256に処理を移す。
ステップS256において、メインCPU60は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が1増加するように記憶更新する。
メインCPU60は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする。メインCPU60は、開放上限時間(例えば、約0.1秒又は約25秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS257の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS257に処理を移す。
ステップS257において、メインCPU60は、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04H)である場合に、第1又は第2大入賞口入賞カウンタの値が上限入賞数(本実施の形態においては、7)以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマの値が0である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。
メインCPU60は、いずれかの条件を満たすと判定した場合に、第1大入賞口39又は第2大入賞口40を閉鎖させるために、メインRAM62に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。
メインCPU60は、最終ラウンドである場合に、当り終了インターバルを示す値(06H)を制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS258に処理を移す。
ステップS258において、メインCPU60は、当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。つまり、メインCPU60は、ステップS259の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS259に処理を移す。
ステップS259において、メインCPU60は、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、メインCPU60は、ステップS252の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU60は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを"00H"、"01H"、"02H"、"07H"の順にセットすることにより、図25に示すステップS252、ステップS253、ステップS254、ステップS259の処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPU60は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU60は、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを"00H"、"01H"、"02H"と順にセットすることにより、図25に示すステップS252、ステップS253、ステップS254の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行することになる。
さらには、メインCPU60は、大当り又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを"03H"、"04H"、"05H"の順にセットすることにより、図25に示すステップS255、ステップS257、ステップS256の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を実行することとなる。
また、メインCPU60は、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、"04H"、"06H"、"07H"の順にセットすることにより、図25に示すステップS256、ステップS258からステップS259の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を終了することになる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図26は、特別図柄制御処理で行われる特別図柄記憶チェック処理(図25、ステップS252)の詳細について説明する図である。
ステップS261において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判定した場合、ステップS262に処理を移す。一方、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS262において、メインCPU60は、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていない場合、ステップS263に処理を移す。一方、メインCPU60は、始動記憶があると判定した場合、ステップS264に処理を移す。
ステップS263において、メインCPU60は、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに、メインCPU60は、特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をメインRAM62にセットする。
そして、メインCPU60は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドデータをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドデータは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71にデモ表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路7において、デモ表示が液晶表示装置13により実行されることとなる。この処理が終了した場合、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
ステップS264において、メインCPU60は、第2特別図柄に対応する始動記憶が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合、ステップS265に処理を移す。
一方、メインCPU60は、第2特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のいずれかにデータが記憶されていると判定した場合、ステップS266に処理を移す。
ステップS265において、メインCPU60は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM62の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS267に処理を移す。
ステップS266において、メインCPU60は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM62の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS267に処理を移す。
ステップS267において、メインCPU60は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS268に処理を移す。
ステップS268において、メインCPU60は、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS269に処理を移す。
ステップS269において、メインCPU60は、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の当り判定テーブルから1つの当り判定テーブルを選択する。
すなわち、高確率フラグが所定の値である場合、大当り判定値の数が多い高確率用の当り判定テーブルが参照され、高確率フラグが所定の値でない場合、大当り判定値が少ない通常用の当り判定テーブルが参照される。このように、遊技状態フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも高い。
そして、メインCPU60は、始動入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された当り判定テーブルとを参照する。
そして、メインCPU60は、当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合、大当りであると判定する。つまり、メインCPU60は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定する処理を行うこととなる。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS270に処理を移す。
ステップS270において、メインCPU60は、小当り判定処理を実行する。この小当り判定処理は、ステップS269における大当り判定処理において、メインCPU60が大当りでないと判定した場合に実行される。
この処理において、メインCPU60は、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、予め設定されている小当りの判定値が一致しているか否かを判定し、当り判定用乱数値と小当り判定値が一致している場合、小当りであると判定し、一致していない場合、ハズレであると判定する。
なお、通常遊技の第1始動口34への入賞による小当り確率は、第2始動口35への入賞による小当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。同様に、通常遊技の第1始動口34への入賞による大当り確率は、第2始動口35への入賞による大当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。
このように、ステップS269、S270の処理によって、特別図柄ゲームの結果として大当り、小当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS271に処理を移す。
ステップS271において、メインCPU60は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、当り判定の結果が大当りの場合、大当り図柄を決定し、当り判定の結果が小当りの場合、小当り図柄を決定し、大当りでも小当りでもない場合、すなわちハズレの場合、ハズレ図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS272に処理を移す。
ステップS272において、メインCPU60は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、ステップS271の処理において決定された特別図柄と、ステップS269の処理において決定された当り判定の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択する。そして、メインCPU60は、演出条件判定用乱数カウンタから抽出した演出条件判定用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM62の所定領域に記憶する。メインCPU60は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53における特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53に供給される。これによって、メインCPU60は、第1特別図柄表示部52又は第2特別図柄表示部53に、決定した変動パターンに基づいた変動表示態様で特別図柄を変動表示させる。
また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に特図変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路7のサブCPU71は、受信した特図変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行する。ステップS272の処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS273に処理を移す。
ステップS273において、メインCPU60は、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU60は、決定した特別図柄変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS274に処理を移す。
そして、ステップS274において、メインCPU60は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[当り開始インターバル管理処理]
図27は、特別図柄制御処理で行われる当り開始インターバル管理処理(図25、ステップS255)の詳細について説明する図である。
ステップS281において、メインCPU60は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値であると判定した場合には、ステップS282に処理を移す。一方、メインCPU60は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS282において、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0であると判定した場合、ステップS283に処理を移す。一方、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS283において、メインCPU60は、大入賞口開放回数最大値をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合には、大入賞口開放回数最大値を15にセットし、16R大当りでないと判定した場合、すなわち、2R大当りであると判定した場合には、大入賞口開放回数最大値を2にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS284に処理を移す。
ステップS284において、メインCPU60は、大入賞口開放回数カウンタの値に1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、大入賞口開放回数カウンタの値を1にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS285に処理を移す。
ステップS285において、メインCPU60は、大当り図柄の種類に応じたラウンド毎又は小当りの開閉パターンデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、当り図柄の種類に応じたラウンド毎又は小当りにおける第1シャッタ41及び第2シャッタ42の開閉態様を表す開閉パターンデータをメインRAM62にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS286に処理を移す。
ステップS286において、メインCPU60は、大入賞口開放中表示コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、1ラウンド目を示す大入賞口開放中表示コマンドをメインRAM62にセットする。大入賞口開放中表示コマンドは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に供給される。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS287に処理を移す。
ステップS287において、メインCPU60は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS288に処理を移す。
ステップS288において、メインCPU60は、大入賞口入賞カウンタをクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1及び第2大入賞口入賞カウンタの値を0にリセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS289に処理を移す。
ステップS289において、メインCPU60は、大入賞口開放時間タイマの値を開放上限時間にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39及び第2大入賞口40を開放する開放上限時間(例えば、約0.1秒又は約25秒)に大入賞口開放時間タイマの値をセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS290に処理を移す。
ステップS290において、メインCPU60は、大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、メインCPU60は、ステップS291に処理を移す。
ステップS291において、メインCPU60は、第1又は第2不正入賞カウンタに特定数をセットする。本実施の形態において、第1又は第2大入賞口39、40に対する上限入賞数である7球の入賞に対して、2球の余裕を持たせた9球までの入賞は、不正な入賞と判定されない。したがって、本実施の形態における特定数は、10とするが、上限入賞数より1以上大きい値であればよい。
すなわち、メインCPU60は、1ラウンド目に開放状態となる第1又は第2大入賞口39、40に対して、1ラウンドで正規に入賞されたと判定する遊技球の上限数を9とする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口再開放前待ち時間管理処理]
図28は、特別図柄制御処理で行われる大入賞口再開放前待ち時間管理処理(図25、ステップS356)の詳細について説明する図である。
ステップS301において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値であると判定した場合には、ステップS302に処理を移す。一方、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS302において、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0であると判定した場合、ステップS303に処理を移す。一方、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS303において、メインCPU60は、大入賞口開放回数最大値をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合には、大入賞口開放回数最大値を15にセットし、16R大当りでないと判定した場合、すなわち、2R大当りであると判定した場合には、大入賞口開放回数最大値を2にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS304に処理を移す。
ステップS304において、メインCPU60は、大入賞口開放回数カウンタの値に1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、大入賞口開放回数カウンタの値を1にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS305に処理を移す。
ステップS305において、メインCPU60は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS306に処理を移す。
ステップS306において、メインCPU60は、大入賞口入賞カウンタをクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1及び第2大入賞口入賞カウンタの値を0にリセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS307に処理を移す。
ステップS307において、メインCPU60は、大入賞口開放時間タイマの値を開放上限時間にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39及び第2大入賞口40を開放する開放上限時間(例えば、約0.1秒又は約25秒)に大入賞口開放時間タイマの値をセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS308に処理を移す。
ステップS308において、メインCPU60は、大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、メインCPU60は、ステップS309に処理を移す。
ステップS309において、メインCPU60は、第1又は第2不正入賞カウンタに特定数をセットする。前述したように、本実施の形態における特定数は10とするが、上限入賞数より1以上大きい値であればよい。すなわち、メインCPU60は、2ラウンド目以降に開放状態となる第1又は第2大入賞口39、40に対して、1ラウンドで正規に入賞させることができる遊技球の上限数を9とする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口開放中処理]
図29は、特別図柄制御処理で行われる大入賞口開放中処理(図25、ステップS357)の詳細について説明する図である。
ステップS311において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値であると判定した場合には、ステップS312に処理を移す。一方、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS312において、メインCPU60は、大入賞口入賞カウンタの値が本実施の形態における上限入賞数である7以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1又は第2大入賞口入賞カウンタの値が7以上であると判定した場合には、ステップS315に処理を移し、第1又は第2大入賞口入賞カウンタの値が7以上でないと判定した場合には、ステップS313に処理を移す。
ステップS313において、メインCPU60は、セットしたラウンド毎又は小当りの開閉パターンに応じた大入賞口開閉処理を行う。この処理において、メインCPU60は、図27に示した当り開始インターバル管理処理におけるステップS385でメインRAM62にセットした開閉パターンデータに応じて第1シャッタ41及び第2シャッタ42を開閉させる。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS314に処理を移す。
ステップS314において、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0であると判定した場合、ステップS315に処理を移す。一方、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS315において、メインCPU60は、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39又は第2大入賞口40を閉鎖させるためのデータをメインRAM62にセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS316に処理を移す。
ステップS316において、メインCPU60は、遊技状態が小当り遊技状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、遊技状態が小当り遊技状態であると判定した場合には、ステップS322に処理を移し、遊技状態が小当り遊技状態でないと判定した場合には、ステップS317に処理を移す。
ステップS317において、メインCPU60は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数最大値以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数最大値以上であると判定した場合には、ステップS322に処理を移し、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数最大値以上でないと判定した場合には、ステップS318に処理を移す。
ステップS318において、メインCPU60は、ラウンド間インターバルの長さを待ち時間タイマにセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ラウンド間インターバルの長さとして、例えば、3500msを待ち時間タイマにセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS319に処理を移す。
ステップS319において、メインCPU60は、残留球監視期間の長さを残留球監視タイマにセットする。ここで、本実施の形態における残留球監視期間は、1500msとする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS320に処理を移す。
ステップS320において、メインCPU60は、制御状態フラグに05Hをセットする。この処理において、メインCPU60は、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS321に処理を移す。
ステップS321において、メインCPU60は、ラウンド間表示コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ラウンド間表示コマンドをメインRAM62にセットする。ラウンド間表示コマンドは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に供給される。この処理が終了した場合、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
ステップS322において、メインCPU60は、当り終了インターバルの長さを待ち時間タイマにセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、当り終了インターバルの長さとして、例えば、7000msを待ち時間タイマにセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS323に処理を移す。
ステップS323において、メインCPU60は、残留球監視期間の長さを残留球監視タイマにセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS324に処理を移す。
ステップS324において、メインCPU60は、制御状態フラグに06Hをセットする。この処理において、メインCPU60は、当り終了インターバルを示す値(06H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS325に処理を移す。
ステップS325において、メインCPU60は、当り終了コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、最終ラウンド及び大当り又は小当りに係るデータを含む当り終了コマンドをメインRAM62にセットする。当り終了コマンドは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に供給される。
この処理が終了した場合、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[当り終了インターバル処理]
図30は、特別図柄制御処理で行われる当り終了インターバル処理(図25、ステップS358)の詳細について説明する図である。
ステップS331において、メインCPU60は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値であると判定した場合、ステップS332に処理を移す。一方、メインCPU60は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS332において、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0であると判定した場合、ステップS333に処理を移す。一方、メインCPU60は、待ち時間タイマの値が0でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS333において、メインCPU60は、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS334に処理を移す。
ステップS334において、メインCPU60は、当り図柄及び遊技状態に応じた制御データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、当り図柄及び遊技状態に応じた制御データをメインRAM62にセットする。この制御データは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に供給される。この処理が終了した場合、メインCPU60は、メインCPU60は、ステップS335に処理を移す。
ステップS335において、メインCPU60は、第1及び第2不正入賞カウンタに1をセットする。この処理において、メインCPU60は、第1及び第2不正入賞カウンタの新たにラウンドゲームを実行することに伴い、新たな値をセットするまでは、第1及び第2大入賞口39、40に対する入賞を全て不正であると判定するようになる。この処理が終了した場合、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄ゲーム終了処理]
図31は、特別図柄制御処理で行われる特別図柄ゲーム終了処理(図25、ステップS359)の詳細について説明する図である。
ステップS341において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値であると判定した場合、ステップS342に処理を移す。一方、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS342において、メインCPU60は、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口不正判定処理]
以上に説明したように、メインCPU60は、大当り遊技状態(特別遊技状態)におけるラウンドゲーム(有利遊技)が実行されてから、このラウンドゲームが終了した後に残留球監視期間(所定期間)が経過するまでの正規入賞検知期間に、第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知された遊技球の数を計数する。このように、メインCPU60は、計数手段を構成する。
また、メインCPU60は、正規入賞検知期間に計数した遊技球の数が特定数(本実施の形態においては、10)以上であるか否かに基づいて、不正が行われたか否かを判定する。このように、メインCPU60は、不正判定手段を構成する。
また、メインCPU60は、最終ラウンド(最後に実行される有利遊技)が終了した後、残留球監視期間(所定期間)が経過してから、大当り遊技状態が終了するまでの最終経過期間、すなわち、当り終了インターバルにおける残留球監視期間経過後から当り終了インターバルが終了するまでに、予め定められた第1上限数(以下、「第1規定数」ともいう。本実施の形態においては、1)以上の遊技球が第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知されたか否かを判定する。このように、メインCPU60は、最終経過期間判定手段を構成する。
また、メインCPU60は、最終ラウンド以外のラウンド(最後に実行される有利遊技を除く有利遊技)が終了した後、残留球監視期間(所定期間)が経過してから、次のラウンド(次の有利遊技)が実行されるまでの継続経過期間、すなわち、ラウンド間インターバルにおける残留球監視期間経過後からラウンド間インターバルが終了するまでに、1以上の遊技球が第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知されたか否かを判定する。
また、メインCPU60は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態以外の状態である非特別遊技期間に、1以上の遊技球が第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知されたか否かを判定する。
すなわち、本実施の形態において、メインCPU60は、正規入賞検知期間に計数した遊技球の数が10以上である場合、最終経過期間に第1若しくは第2カウントスイッチ391、392によって検知された遊技球の数が1以上である場合、継続経過期間に第1若しくは第2カウントスイッチ391、392によって検知された遊技球の数が1以上である場合、又は、非特別遊技期間に第1若しくは第2カウントスイッチ391、392によって検知された遊技球の数が1以上である場合には、不正が行われたと判定する。
なお、上述した大入賞口不正判定処理は、大当り遊技状態における不正を判定する処理として説明したが、小当り遊技状態においても同様の大入賞口不正判定処理を用いることができる。
[サブ制御メイン処理]
図32、図33は、サブCPU71で実行されるメイン処理について説明する図である。
ステップS351において、サブCPU71は、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、電断検知信号がHIGH(高レベル)であるか否かを判定する。サブCPU71は、電断検知信号がHIGHでないと判定した場合には電断検知状態であると判定して、電断検知状態が解消されるまでステップS351の処理を行い、電断検知信号がHIGHであると判定した場合には電断検知状態でないと判定してステップS352に処理を移す。
ステップS352において、サブCPU71は、ワークRAM73への書き込みを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS353に処理を移す。
ステップS353において、サブCPU71は、電断復帰中報知処理を行う。この処理において、サブCPU71は、電断復帰中である旨を液晶表示装置13と、スピーカ21と、ランプ・LED22とによって報知する。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS354に処理を移す。
ステップS354において、サブCPU71は、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、電断検知フラグがあると判定した場合には、ステップS355に処理を移し、電断検知フラグがあると判定しない場合には、ステップS360に処理を移す。
ステップS355において、サブCPU71は、作業領域損傷チェック値算出処理を行う。この処理において、サブCPU71は、作業領域損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS356に処理を移す。
ステップS356において、サブCPU71は、ワークRAM73の作業領域損傷チェックを実行し、ワークRAM73の作業領域が損傷しているか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、副制御回路7に供給される電力が所定の閾値よりも小さくなった際に実行される電断時割込処理において算出された作業領域損傷チェック値と、ステップS355において算出された作業領域損傷チェック値とが同一か否かを判定する。
ここで、サブCPU71は、電断時割込処理において算出された作業領域損傷チェック値と、ステップS355において算出された作業領域損傷チェック値とが同一であると判定した場合には、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であるため、ステップS357に処理を移し、同一でないと判定した場合には、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常でないため、ステップS360に処理を移す。
ステップS357において、サブCPU71は、コマンド入力ポート70がコマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、主制御回路6のコマンド出力ポート65から送信された各コマンドをコマンド入力ポート70が受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合には、ステップS358に処理を移し、受信していないと判定した場合には、ステップS357の処理を繰り返す。
ステップS358において、サブCPU71は、コマンド入力ポート70が受信したコマンドが復電時コマンドか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、コマンド入力ポート70が受信したコマンドが、主制御回路6がメイン処理において送信する復電時コマンド(図11、ステップS22参照)であるか否かを判定し、復電時コマンドを受信したと判定した場合には、主制御回路6及び副制御回路7の双方が電断状態であったことから、ステップS359に処理を移し、復電時コマンド以外を受信したと判定した場合には、副制御回路7のみが電断状態になった可能性があることから、ステップS360に処理を移す。
ステップS359において、サブCPU71は、復帰処理を行う。この処理において、サブCPU71は、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であり、また主制御回路6から送信されたコマンドが復電時コマンドであることから、ワークRAM73のデータに基づいて、復帰処理を行う。
また、サブCPU71は、復帰処理において、電源OFF前の状態に復帰する処理を行うが、不正報知については復帰しないようにする。この処理が終了した場合、サブCPU71は、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタが示すプログラムアドレスに、処理を復帰させる。
ステップS360において、サブCPU71は、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU71は、副制御回路7を初期化する処理を行うため、初期化前に不正報知がなされていた場合、不正報知がされなくなる。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS361に処理を移す。
図33に示すように、ステップS361において、サブCPU71は、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU71は、演出決定用乱数カウンタや、停止図柄決定用乱数カウンタ等の更新処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS362に処理を移す。
ステップS362において、サブCPU71は、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU71は、主制御回路6から受信したコマンドを解析する処理を行う。なお、ステップS362の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS363に処理を移す。
ステップS363において、サブCPU71は、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、液晶表示装置13が表示する表示画像を制御する処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS364に処理を移す。
ステップS364において、サブCPU71は、音声制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、スピーカ21によって再生される音声を制御する処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS365に処理を移す。
ステップS365において、サブCPU71は、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ランプ・LED22のON及びOFFを制御する処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS361に処理を移す。
[コマンド受信割込処理]
図32、図33に示すサブ制御メイン処理を実行している状態であっても、サブ制御メイン処理を中断させ、コマンド受信割込処理を実行する場合がある。図34を用いて、コマンド受信割込処理について以下に説明する。
ステップS371において、サブCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS372に処理を移す。
ステップS372において、サブCPU71は、受信コマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、主制御回路6から受信したコマンドを受信バッファに格納する処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS373に処理を移す。
ステップS373において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ステップS371で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
[タイマ割込処理]
図32、図33に示すサブ制御メイン処理を実行している状態であっても、サブ制御メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。このタイマ割込処理は、図示しないクロックパルス発生回路から所定の周期(例えば、2ms)毎に発生されるクロックパルスに応じて行う処理である。図35を用いて、タイマ割込処理について以下に説明する。
ステップS381において、サブCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、ステップS382に処理を移す。
ステップS382において、サブCPU71は、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ワークRAM73に記憶されるラウンド演出等のタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、ステップS383に処理を移す。
ステップS383において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ステップS381で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図36は、サブ制御メイン処理で行われるコマンド解析処理(図33、ステップS362)の詳細について説明する図である。
ステップS391において、サブCPU71は、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合、ステップS392に処理を移し、受信コマンドなしと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS392において、サブCPU71は、コマンドデータ読み出し処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信したコマンドを特定するためにコマンドデータの読み出しを行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS393に処理を移す。
ステップS393において、サブCPU71は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS392で特定した受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定し、変動パターン指定コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS394に処理を移し、変動パターン指定コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS395に処理を移す。
ステップS394において、サブCPU71は、演出パターン決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、副制御回路7のプログラムROM72に記憶された演出決定テーブルにしたがって、予め定められた複数の演出パターンの中から、変動パターン指定コマンド及び演出決定用乱数値に基づいて、演出パターン(演出データ)の決定を行う。ここで、演出決定用乱数値は、副制御回路7において0〜9の乱数値から決定される。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
ステップS395において、サブCPU71は、図柄指定コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS392で特定した受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定し、図柄指定コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS396に処理を移し、図柄指定コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS397に処理を移す。
ステップS396において、サブCPU71は、停止図柄決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、図柄指定コマンドに基づいて、停止図柄の決定を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
ステップS397において、サブCPU71は、電波検知コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS392で特定した受信コマンドが電波検知コマンドであるか否かを判定し、電波検知コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS398に処理を移し、電波検知コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS399に処理を移す。
ステップS398において、サブCPU71は、不正報知処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正報知手段を構成する各要素を用いて不正報知を行う。なお、ステップS398の詳細については、後述する。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
ステップS399において、サブCPU71は、大入賞口不正入賞コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS392で特定した受信コマンドが大入賞口不正入賞コマンドであるか否かを判定し、大入賞口不正入賞コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS400に処理を移し、大入賞口不正入賞コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS401に処理を移す。
ステップS400において、サブCPU71は、不正報知処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正報知手段を構成する各要素を用いて不正報知を行う。また、サブCPU71は、大入賞口不正報知フラグをONにする。なお、ステップS400の詳細については、後述する。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
ステップS401において、サブCPU71は、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンド及び電波検知コマンド及び以外の受信したコマンドに対応した処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
[不正報知処理]
図37は、コマンド解析処理で行われる不正報知処理(図36、ステップS398及びステップS400)の詳細について説明する図である。
ステップS411において、サブCPU71は、大入賞口不正入賞コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、図36におけるステップS392で特定した受信コマンドが大入賞口不正入賞コマンドであるか否かを判定し、大入賞口不正入賞コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS414に処理を移し、大入賞口不正入賞コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS412に処理を移す。
ステップS412において、サブCPU71は、不正電波の報知が実行中であるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、不正電波の報知が実行中であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、不正電波の報知が実行されていないと判定した場合には、ステップS413に処理を移す。
ステップS413において、サブCPU71は、不正電波の報知用データをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正報知手段を構成する各要素に副制御回路7の電源がOFFされるまで不正報知を行わせるためのデータをセットする。これにより、液晶表示装置13には、後述する不正報知画面(図38(b)参照)が表示される。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
ステップS414において、サブCPU71は、大入賞口不正報知フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、大入賞口不正報知フラグがONであると判定した場合には、ステップS415に処理を移し、大入賞口不正報知フラグがONでないと判定した場合には、ステップS417に処理を移す。
ステップS415において、サブCPU71は、大入賞口不正報知フラグをONにする処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、ステップS416に処理を移す。なお、図示は省略するが、サブCPU71は、図35のステップS382のタイマ更新処理において、大入賞口不正報知用タイマの値を減算し、大入賞口不正報知用タイマの値が0になったら報知を終了させるためのデータをセットするとともに、大入賞口不正報知フラグをOFFにすることで、報知を終了させる。
ステップS416において、サブCPU71は、大入賞口不正報知用データをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正報知手段を構成する各要素に不正報知を行わせるためのデータをセットする。これにより、液晶表示装置13には、後述する不正報知画面(図39(a)参照)が表示される。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、ステップS417に処理を移す。
ステップS417において、サブCPU71は、所定期間A(例えば、30秒)を大入賞口不正報知用タイマにセットする。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本サブルーチンを終了する。
[不正報知画面]
図38(a)、(b)及び図39(a)、(b)は、液晶表示装置13に表示される画面を示す図である。
図38(a)は、通常の遊技状態における液晶表示装置13の表示領域131に表示される画面について示す図である。図38(a)に示すように、サブCPU71は、表示領域131に各遊技情報を表示する。
サブCPU71は、表示領域131の左上部に現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態の場合に「確変中」と表示する)を表示し、中央部に装飾図柄を表示し、右下部に第1特別図柄始動記憶領域に保存されている保留球の数を表示し、左下部に第2特別図柄始動記憶領域に保存されている保留球の数を表示する。
図38(b)は、不正電波が検知された場合における液晶表示装置13の表示領域131に表示される第1不正報知画面について示す図である。図38(b)に示すように、サブCPU71は、第1不正報知画面において、表示領域131の中央部に表示されている装飾図柄の上に「不正検知」と表示し、また、中央下部に「不正電波を検知しました!不正検知状態を解除したいのであれば、電源をOFFにして下さい!」と表示する。
なお、不正報知中も遊技は継続しているため、サブCPU71は、表示領域131の中央部において装飾図柄を変動表示する。また、サブCPU71は、液晶表示装置13によって不正報知をするとともに、スピーカ21及びランプ・LED22による不正報知を行う。
図39(a)は、第1大入賞口39又は第2大入賞口40に対する不正入賞が検知された場合において表示領域131に表示される第2不正報知画面について示す図である。図39(a)に示すように、サブCPU71は、第2不正報知画面において、表示領域131の中央部に表示されている装飾図柄の上に「不正検知」と表示し、また、中央下部に「大入賞口への不正入賞を検知しました!」と表示する。
なお、不正報知中も遊技は継続しているため、サブCPU71は、表示領域131の中央部において装飾図柄を変動表示する。また、サブCPU71は、液晶表示装置13によって不正報知をするとともに、スピーカ21及びランプ・LED22による不正報知を行う。
図39(b)は、不正電波と、第1大入賞口39又は第2大入賞口40に対する不正入賞とが検知された場合において表示領域131に表示される第3不正報知画面について示す図である。図39(b)に示すように、サブCPU71は、第3不正報知画面において、表示領域131の中央部に表示されている装飾図柄の上に「不正検知」と表示し、中央下部に「大入賞口への不正入賞を検知しました!」と表示し、また、中央下部に「不正電波を検知しました!不正検知状態を解除したいのであれば、電源をOFFにして下さい!」と表示する。
なお、不正報知中も遊技は継続しているため、サブCPU71は、表示領域131の中央部において装飾図柄を変動表示する。また、サブCPU71は、液晶表示装置13によって不正報知をするとともに、スピーカ21及びランプ・LED22による不正報知を行う。
このように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、不正行為が行われた場合に、不正行為を検知したことを報知することができ、不正遊技者が不正行為を行うことを抑止することができる。また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、検知した不正行為を具体的に報知することができる。
[電断時割込処理]
図40は、電断検知信号がH(高)からL(低)へ信号の立下ったことをサブCPU71が検知した際に実行される電断時割込処理について説明する図である。
ステップS421において、サブCPU71は、レジスタ(AF)退避処理を行う。この処理において、サブCPU71は、レジスタの値を退避する処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS422に処理を移す。
ステップS422において、サブCPU71は、電断検知信号がLであるか否かを判定する。電断検知信号がLであると判定した場合には、ステップS424に処理を移し、電断検知信号がLでないと判定した場合には、ステップS423に処理を移す。なお、この処理において、サブCPU71は、電断検知信号の状態を検知することによって、電断検知信号の立下りがチャタリングによるものか否かを判定することが可能である。
ステップS423において、サブCPU71は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、サブCPU71は、レジスタの値を復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU71は、本処理の割込前の処理に復帰する。
ステップS424において、サブCPU71は、レジスタ退避処理を行う。この処理において、サブCPU71は、レジスタの値を退避する処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS425に処理を移す。
ステップS425において、サブCPU71は、割込状態を割込フラグに反映させる処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS426に処理を移す。
ステップS426において、サブCPU71は、スタックポインタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS427に処理を移す。
ステップS427において、サブCPU71は、作業領域損傷チェック値算出処理を行う。この処理において、サブCPU71は、電断復帰後において、ワークRAM73の作業領域が損傷しているか否かのチェックを行うための作業領域損傷チェック値を算出する。
電断復帰時において、サブCPU71は、算出された作業領域損傷チェック値と電断復帰時の作業領域のチェック値とが一致しているか否かを判定し、一致していると判定した場合にバックアップコンデンサ77から供給される電電により保持されたワークRAM73のデータが正常である(バックアップが取れている)と判定する。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS428に処理を移す。
ステップS428において、サブCPU71は、電断検知フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、サブCPU71は、ステップS429に処理を移す。
ステップS429において、サブCPU71は、RAM書込み禁止処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ワークRAM73に対する書込みを禁止する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、図示はしないが、電断時割込処理において、バックアップコンデンサ77からの電源は、ワークRAM73に供給されており、電源を供給されることによりワークRAM73に記憶されたデータが保持されることとなる。
[本実施の形態の作用]
以上のような本実施の形態に係るパチンコ遊技機1の作用について図41及び図42を参照して説明する。図41及び図42は、第1大入賞口39のみが最大25秒間開放するラウンド遊技が16回行われる例を示している。なお、第1大入賞口39に代えて、第2大入賞口40を適用しても同様である。
図41は、遊技状態、第1大入賞口39の状態、第1カウントスイッチ391の状態、セキュリティ信号、大入賞口不正入賞コマンド及びサブCPU71による報知の状態と、時刻との関係を示している。
第1又は第2特別図柄の表示が変動している期間(図中、「特図変動中」と記す)及び第1又は第2特別図柄が停止表示されている期間(図中、「確定」と記す)を経た後の当り開始インターバル(図中、「FAN」と記す)において、不正に入賞したと判定される遊技球の数は1であるため、時刻t1及び時刻t2で第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定され、大入賞口不正入賞コマンドがメインRAM62にセットされることによりサブCPU11に供給され(図中、「オン」と記す)、大入賞口不正入賞コマンドを受信したサブCPU71によって不正の報知が開始又は継続される。
また、1回のラウンド(図中、「RND1」、「RND2」、「RND16」等と示す)及びラウンド間インターバル(図中、「INV」と記す)における残留球監視期間(図中、「監視」と記す)において、不正に入賞したと判定される遊技球の数は10であるため、時刻t3で第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定され、大入賞口不正入賞コマンドがメインRAM62にセットされることによりサブCPU11に供給され、大入賞口不正入賞コマンドを受信したサブCPU71によって不正の報知が開始又は継続される。
また、当り終了インターバル(図中、「ENDING」と記す)において、不正に入賞したと判定される遊技球の数は1であるため、時刻t4で第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定され、大入賞口不正入賞コマンドがメインRAM62にセットされることによりサブCPU11に供給され、大入賞口不正入賞コマンドを受信したサブCPU71によって不正の報知が開始又は継続される。
なお、図41においては、ラウンド間インターバルにおいて、残留球監視期間の方が残留球監視期間以外の非監視期間よりも長く見えるが、残留球監視期間よりも非監視期間の方が長い。例えば、残留球監視期間は、1500msに設定され、非監視期間が2000msに設定される。なお、非監視期間よりも残留球監視期間の方が長くてもよい。
セキュリティ信号は、不正が検知されたことによりONとなっているときに、更に不正が検知されると、検知された時点から、YmsにわたってONになる。また、セキュリティ信号は、ONとなっているときに、更に不正が検知されると、検知された時点から、セキュリティ信号がONとなる残りの時間に加えてYms(60s)にわたってONになってもよい。
サブCPU71による報知は、不正が検知されたことによりONとなっているときに、更に不正が検知されると、検知された時点から、Ams(例えば30s)にわたって行われる。サブCPU71による報知は、ONとなっているときに、更に不正が検知されると、検知された時点から、サブCPU71による不正の報知がONとなる残りの時間に加えてAmsにわたって行われてもよい。
図42は、不正が行われた直後に電断が発生した場合における、遊技状態、第1大入賞口39の状態、第1カウントスイッチ391の状態、セキュリティ信号、大入賞口不正入賞コマンド及びサブCPU71による報知の状態と、時刻との関係を示している。
図42において、時刻t11ないし時刻t13及び時刻t17で第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された各遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定され、大入賞口不正入賞コマンドがメインRAM62にセットされることによりサブCPU11に供給され、大入賞口不正入賞コマンドを受信したサブCPU71によって不正の報知が開始又は継続される。
特に、時刻t11で第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された遊技球のように、大当り中、すなわち、当り開始インターバル開始時から当り終了インターバル時までの間以外の期間では、第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された全ての遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定される。
セキュリティ信号の最低出力期間がYms(60s)経過していないZms経過時点の時刻t15でパチンコ遊技機1の電断が発生したとき、セキュリティ信号がOFFとなるとともに、サブCPU71による報知が終了する。時刻t16で、パチンコ遊技機1が電断から復帰すると、サブCPU71による報知が終了したままで、Yms(60s)からZmsを引いた時間(Yms−Zms)分、セキュリティ信号がONとなる。なお、時刻t16で、パチンコ遊技機1が電断から復帰すると、サブCPU71による報知もAms(30s)からZmsを引いた時間分(Ams−Zms)、ONとなるようにしてもよい。
これにより、パチンコ遊技機1は、不正が行われた直後に電断が発生した場合であっても、電断から復帰した後にも不正が行われたことを報知し続けることができる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技媒体の入賞が検知される正規の入賞検知期間において、過剰な遊技媒体の入賞を検知した場合に、不正と判定するため、適切に不正を検出しつつ、不正の誤判定を防止することができる。
(第2の実施の形態)
以下、図43〜図46を参照して、本発明に係る遊技機の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態と相違する点について説明し、同一な点についての説明を省略する。
なお、本発明の第1の実施の形態において、残留球監視タイマ更新処理(図17参照)では、メインCPU60は、残留球監視期間が終了したときに、第1又は第2不正入賞カウンタの値を1にセットすることにより、大当り遊技状態における最終ラウンドの残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定されるまでの遊技球の数と、ラウンド間インターバルにおける残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定されるまでの遊技球の数とをともに1とするものとして説明した。
これに対し、本実施の形態においては、当り終了インターバルにおける所定期間としての残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定されるまでの遊技球の数である第1規定数と、ラウンド間インターバルにおける所定期間としての残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定されるまでの遊技球の数である第2規定数とを互いに異ならせる。特に、第2規定数は、第1規定数未満に定められている。本実施の形態において、第1規定数は2とし、第2規定数は1とする。
[残留球監視タイマ更新処理]
図43は、本実施の形態における残留球監視タイマ更新処理の詳細について説明する図である。
ステップS501において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、残留球監視タイマの値が0でないと判定した場合には、ステップS502に処理を移す。
ステップS502において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値から1を減算する。すなわち、この処理において、メインCPU60は、第1又は第2大入賞口39、40を閉鎖状態にした後に第1又は第2カウントスイッチ391、392によってそれぞれ検出された遊技球が正規に入賞したと判定される残留球監視期間を時刻の経過に応じて短くする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、ステップS503に処理を移す。
ステップS503において、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、残留球監視タイマの値が0であると判定されたということは、残留球監視期間が終了したことを表す。
したがって、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0でないと判定した場合には、残留球監視期間中であると判定し、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU60は、残留球監視タイマの値が0であると判定した場合には、残留球監視期間が終了したと判定し、ステップS504に処理を移す。
ステップS504において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す05Hであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが05Hであると判定した場合には、処理をステップS505に処理を移し、制御状態フラグが05Hでないと判定した場合には、処理をステップS506に処理を移す。
ステップS505において、メインCPU60は、第1又は第2不正入賞カウンタの値を1にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ステップS504において、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す05Hである、すなわち、ラウンド間インターバルであると判定した場合には、第1又は第2不正入賞カウンタの値を1にセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
ステップS506において、メインCPU60は、第1又は第2不正入賞カウンタの値を2にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ステップステップS504において、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す05Hでない、すなわち、当り終了インターバルであると判定した場合には、第1又は第2不正入賞カウンタの値を2にセットする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口不正判定処理]
以上に説明したように、本実施の形態におけるメインCPU60は、大当り遊技状態において、最終ラウンド(最後に実行される有利遊技)が終了した後、残留球監視期間(所定期間)が経過してから、大当り遊技状態が終了するまでの最終経過期間に、予め定められた第1規定数(例えば、2)以上の遊技球が第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知されたか否かを判定する最終経過期間判定手段を構成する。
また、メインCPU60は、最終ラウンド以外のラウンド(最後に実行される有利遊技を除く有利遊技)が終了した後、残留球監視期間(所定期間)が経過してから、次のラウンド(次の有利遊技)が実行されるまでの継続経過期間、すなわち、ラウンド間インターバルにおける残留球監視期間経過後からラウンド間インターバルが終了するまでに、第1規定数未満に定められた第2規定数(本実施の形態においては、1)以上の遊技球が第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知されたか否かを判定する。このように、メインCPU60は、継続経過期間判定手段を構成する。
また、メインCPU60は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態以外の状態である非特別遊技期間に、第1上限数(本実施の形態においては、2)未満に定められた第2上限数(本実施の形態においては、1)以上の遊技球が第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知されたか否かを判定する。このように、メインCPU60は、非特別遊技期間判定手段を構成する。
すなわち、本実施の形態において、メインCPU60は、正規入賞検知期間に計数した遊技球の数が10以上である場合、最終経過期間に第1若しくは第2カウントスイッチ391、392によって検知された遊技球の数が2以上である場合、継続経過期間に第1若しくは第2カウントスイッチ391、392によって検知された遊技球の数が1以上である場合、又は、非特別遊技期間に第1若しくは第2カウントスイッチ391、392によって検知された遊技球の数が1以上である場合には、不正が行われたと判定する。
[本実施の形態の作用]
以上のような本実施の形態に係るパチンコ遊技機1の作用について図44ないし図46を参照して説明する。
図44は、遊技状態、第1大入賞口39の状態、第1カウントスイッチ391の状態、セキュリティ信号、大入賞口不正入賞コマンド及びサブCPU71による報知の状態と、時刻との関係を示している。
本実施の形態において、ラウンド間インターバルにおける残留球監視期間経過後には、不正に入賞したと判定される遊技球の数は1であるのに対し、大当り遊技状態における最終ラウンドの残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定される遊技球の数は、2である。
したがって、図44において、時刻t21ないし時刻t23及び時刻t25で第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された各遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定され、大入賞口不正入賞コマンドがメインRAM62にセットされることによりサブCPU11に供給され、大入賞口不正入賞コマンドを受信したサブCPU71によって不正の報知が開始又は継続される。
特に、時刻t24で第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された遊技球は、大当り遊技状態における最終ラウンドの残留球監視期間経過後に1球目に検出されたものであるため、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定されない。
これに対し、時刻t25で第1カウントスイッチ391によって入賞が検知された遊技球は、大当り遊技状態における最終ラウンドの残留球監視期間経過後に2球目に検出されたものであるため、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定される。
なお、一例として、図44に示すタイミングチャートは、第1大入賞口39の開放パターンがラウンド毎に異なっている。具体的には、第1大入賞口39は、奇数ラウンドにおいて、25sにわたって1回開放され、偶数ラウンドにおいて、2回開放される。
詳細には、第1大入賞口39は、偶数ラウンドにおいて、例えば、15sにわたって開放され、ラウンド間インターバルと同じ時間である閉鎖期間3500msが経過した後、5sにわたって開放される。なお、第1及び第2大入賞口39、40は、1ラウンドで3回以上開放されてもよく、一部のラウンドで複数回開放されてもよく、全てのラウンドで複数回開放されてもよい。
図45は、遊技状態、第1及び第2大入賞口39、40の状態、第1及び第2カウントスイッチ391、392の状態、セキュリティ信号、大入賞口不正入賞コマンド及びサブCPU71による報知の状態と、時刻との関係を示している。
この例では、第1大入賞口39は、奇数ラウンドで開放され、開放された状態が25秒経過したとき又は第1大入賞口39に8球の遊技球が入賞したときに閉鎖される。また、第1カウントスイッチ391によって1球の遊技球が検知されると15球の遊技球が払出される。第1大入賞口39では、1ラウンド及び残留球監視期間までの間に10球(上限数+2球)の遊技球が第1カウントスイッチ391によって検知されると、不正と判定される。
第2大入賞口40は、偶数ラウンドで開放され、開放された状態が25秒経過したとき又は第2大入賞口40に7球の遊技球が入賞したときに閉鎖される。また、第2カウントスイッチ392によって1球の遊技球が検知されると10球の遊技球が払出される。第2大入賞口40では、1ラウンド及び残留球監視期間までの間に10球(上限数+3球)の遊技球が第2カウントスイッチ392によって検知されると、不正と判定される。
したがって、図45において、時刻t31ないし時刻t35で第1又は第2カウントスイッチ391、392によって入賞が検知された各遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定され、大入賞口不正入賞コマンドがメインRAM62にセットされることによりサブCPU11に供給され、大入賞口不正入賞コマンドを受信したサブCPU71によって不正の報知が開始又は継続される。
本例において、第1大入賞口39に対する入賞は、第2大入賞口40に対する入賞に対して、1球の遊技球の入賞あたりの賞球数及び1ラウンドあたりの上限数が有利になっている。このため、不正判定の基準は、第1大入賞口39に対する入賞の方が第2大入賞口40に対する入賞よりも厳しくなっている。なお、第2大入賞口40に対する入賞の方が第1大入賞口39に対する入賞よりも厳しくしてもよい。
また、第1及び第2大入賞口39、40のうち、一方の残留球監視処理は、ラウンド間インターバルに行われるが、他方の開放中にも行われるようになっている。また、大当り遊技状態における最終ラウンドで開放される第2大入賞口40に対して、最終ラウンドの残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定される遊技球の数は、2である。
一方、大当り遊技状態における最終ラウンドに開放されない第1大入賞口39に対して、最後に開放されるラウンドの残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定される遊技球の数は、1である。
すなわち、大当り遊技状態における最終ラウンドに開放されない第1又は第2大入賞口39、40に対して、最後に開放されるラウンドの残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定される遊技球の数は、ラウンド間インターバルにおける残留球監視期間経過後からラウンド間インターバルが終了するまでに不正に入賞したと判定される遊技球の数と等しい1とする。
なお、大当り遊技状態における最終ラウンドに開放されない第1又は第2大入賞口39、40に対して、最後に開放されるラウンドの残留球監視期間経過後に不正に入賞したと判定される遊技球の数は、当り終了インターバルにおける残留球監視期間経過後から当り終了インターバルが終了するまでに不正に入賞したと判定される遊技球の数と等しい2としてもよい。
本例においては、第1大入賞口39と第2大入賞口40が交互に開放し、両方が閉鎖している期間をラウンド間インターバルとするが、ラウンド間インターバルの長さは、0でもよい。すなわち、本例は、図44及び図45に示した他の例と異なり、残留球監視期間は、ラウンド間インターバルより長いが、第1大入賞口39及び第2大入賞口40のそれぞれのラウンド間インターバル、すなわち、第1大入賞口39及び第2大入賞口40のそれぞれの閉鎖期間よりは短い。
また、セキュリティ信号の送信時間及びサブCPU71の報知時間は、第1及び第2大入賞口39、40のうち、どちらの大入賞口で不正を検知しても、同じ時間とするが、不正を検知した大入賞口に応じて異ならせてもよい。
この場合には、遊技者にとって有利な大入賞口に対するセキュリティ信号の送信時間及びサブCPU71の報知時間が相対的に長いほうが好ましいが、遊技者にとって有利な大入賞口に対するセキュリティ信号の送信時間及びサブCPU71の報知時間が相対的に短くしてもよい。
このように、セキュリティ信号の送信時間及びサブCPU71の報知時間を大入賞口に応じて異ならせる場合には、セキュリティ信号の送信時間及びサブCPU71の報知時間のうち、いずれか一方を異ならせるようにしてもよい。
以上に説明した本実施の形態のパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、最終ラウンドを除くラウンドが終了した後、残留球監視期間が経過してから、次のラウンドが実行されるまでの間に、第1の数以上の遊技球が第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知されたことを条件に、不正が行われたと判定する。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、最終ラウンドが終了した後、残留球監視期間が経過してから、遊技状態が大当り遊技状態である間に、第1の数よりも多く定められた第2の数以上の遊技球が第1又は第2カウントスイッチ391、392によって検知されたことを条件に、不正が行われたと判定する。
すなわち、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、ラウンド間インターバルの不正を検出する期間に不正と判定される遊技球の数より、最終ラウンド後の不正を検出する期間に不正と判定される遊技球の数が多く定められている。
したがって、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、第1又は第2シャッタ41、42と遊技盤14との間に挟まっている遊技球が最終ラウンド後の不正を検出する期間に入賞したとしても、誤って不正と判定されることを防止することができる。
このように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、適切に不正を検出しつつ、不正を誤判定してしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、最終ラウンドが終了した後、残留球監視期間が経過してから、遊技状態が大当り遊技状態である間に検出された遊技球よりも、遊技状態が大当り遊技状態以外の状態である間に検出された遊技球の方の不正の判定を厳しく行うため、遊技状態に応じて、適切に不正を検出することができる。
なお、本発明の第1及び第2の実施の形態は、第1及び第2大入賞口39、40に対する不正入賞に限らず、普通電動役物(羽根部材)が設けられた始動口などの他の入賞口及び始動口に対する不正入賞を検出することができる。
例えば、図46は、第2始動口35に対する不正入賞を検出する例を示している。図46は、普通図柄に係る遊技状態、第2始動口35の状態、第2始動口スイッチ350の状態、セキュリティ信号、第2入賞口不正入賞コマンド及びサブCPU71による報知の状態と、時刻との関係を示している。
本例において、第2始動口35は、普通図柄ゲームの1回の当り遊技において、8球の遊技球の入賞を上限入賞数とし、開閉期間(図中、「OPEN」と記す)には、0.2秒の間隔を空けて1.3秒の開放が3回行われる。第2始動口35の開閉期間及び開閉終了インターバル(例えば、2秒、図中、「ENDING」と記す)においては、上限入賞数+3球の11球までの遊技球の入賞は、不正入賞として検出されず、上限入賞数+3球の11球以上の遊技球の入賞は、不正入賞として検出される。
したがって、図46において、普通図柄の表示が変動している期間(図中、「普図変動中」と記す)及び普通図柄が停止表示されている期間(図中、「確定」と記す)を経た後の開閉開始インターバル(例えば、1秒、図中、「FAN」と記す)における時刻t41で第2始動口スイッチ350によって入賞が検知された遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定される。
また、開閉期間における時刻t42で第2始動口スイッチ350によって入賞が検知された遊技球は、開閉期間において、第2始動口スイッチ350によって12個目に入賞が検知された遊技球であるため、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定される。
また、開閉期間における時刻t43で第2始動口スイッチ350によって入賞が検知された遊技球は、開閉終了インターバルにおける残留球監視期間後に、第2始動口スイッチ350によって2個目に入賞が検知された遊技球であるため、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定される。
また、普通図柄ゲームの当り遊技以外の期間における時刻t44で第2始動口スイッチ350によって入賞が検知された遊技球は、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球と判定される。
このように、メインCPU60によって、不正に入賞した遊技球を検出した場合には、大入賞口不正入賞コマンドと同様な始動口不正入賞コマンドをメインRAM62にセットすることによりサブCPU11に供給され、大入賞口不正入賞コマンドを受信したサブCPU71によって不正の報知が開始又は継続される。
なお、第2始動口35の開閉終了インターバルにおいては、第2始動口スイッチ350によって2個の遊技球が検知されると不正入賞として検出されるが、1個の遊技球が検知されると不正入賞として検出されるようにしてもよく、3個以上の特定数の遊技球が検知されると不正入賞として検出されるようにしてもよい。
第2始動口35に対する不正入賞の検出処理は、第1及び第2大入賞口39、40に対する不正入賞の検出処理と変わらないが、第2始動口35に対する不正入賞の検出処理は、電源がOFFされるまでサブCPU71による報知が継続する点が異なる。
(第3の実施の形態)
以下、図47、図48を参照して、本発明に係る遊技機の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態においては、本発明の第1及び第2の実施の形態と相違する点について説明し、同一な点についての説明を省略する。
[不正入賞コマンド送信時タイムチャート]
図47は、全入賞無効期間中に副制御回路7のみリセットされた場合に、入賞検知手段を構成する各要素のいずれかが入賞を検知した状態を示す図である。
図47に示すように、サブCPU71は、副制御回路7がリセットされることにより、瞬間的な電源OFF状態となり、その後電源ON状態になっても復帰させないように制御する。
ここで、全入賞無効期間中に入賞検知手段を構成する各要素のいずれかが入賞を検知した場合、メインCPU60は、コマンド出力ポート65が副制御回路7のコマンド入力ポート70に対して不正入賞コマンドを送信する。
コマンド入力ポート70が不正入賞コマンドを受信することにより、サブCPU71は、再度不正報知を開始する。これより、サブCPU71は、不正報知後に副制御回路7がリセットされることで不正報知を終了した場合であっても、メインCPU60によって入賞が検知されることで不正報知を復帰することができるようになる。また、サブCPU71は、予期せぬことで副制御回路7においてリセットがかかり不正報知が終了してしまった場合であっても、入賞すると不正報知が復帰するため、簡単に不正報知を復帰させることができる。
[入賞検知処理]
図48は、本実施の形態における入賞検知処理の詳細について説明する図である。
ステップS601において、メインCPU60は、各入賞領域に対する入球検知カウンタ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素の入賞スイッチの検知状況に応じて、入球検知カウンタの値を更新する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS602に処理を移す。
ステップS602において、メインCPU60は、入賞を検知した入球検知カウンタがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素に対応した入球検知カウンタにおいて、入賞を検知、つまりいずれかの入球検知カウンタの使用領域が「0011」(「LLHH」)となっているか否かを判定し、入球検知カウンタが入賞を検知した場合には、ステップS603に処理を移し、いずれの入球検知カウンタが入賞を検知していない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS603において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定し、全入賞無効フラグがONであると判定した場合には、入球検知カウンタにおいて検知された入賞を不正入賞と判定し、ステップS604に処理を移し、全入賞無効フラグがONでないと判定した場合には、メインCPU60は、ステップS605に処理を移す。
ステップS604において、メインCPU60は、不正入賞検知コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、副制御回路7に向けてコマンド出力ポート65が送信する不正入賞検知コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS605に処理を移す。
ステップS605において、メインCPU60は、対応する入賞検知カウンタに入賞データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入球検知カウンタの値が「0011」となった入賞検知手段を構成する要素に対応する入賞検知カウンタのbitを1(ON)にする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[コマンド送信制御処理]
本実施の形態におけるコマンド送信制御処理は、図24を参照して説明したコマンド送信制御処理に対し、大入賞口不正入賞コマンドと同様に、不正入賞検知コマンドを処理する。
すなわち、本実施の形態におけるメインCPU60は、例えば、ステップS247の前処理として、不正入賞検知コマンドがセットされているか否かを判定し、不正入賞コマンドがセットされていると判定した場合には、不正入賞コマンド送信処理を行う。
[コマンド解析処理]
本実施の形態におけるコマンド解析処理は、図36を参照して説明したコマンド解析処理に対し、大入賞口不正入賞コマンドと同様に、不正入賞検知コマンドを処理する。
すなわち、本実施の形態におけるサブCPU71は、例えば、ステップS401の前処理として、不正入賞コマンドを受信したか否かを判定し、不正入賞コマンドを受信したと判定した場合には、不正報知処理を行う。
このように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、どのような不正行為が行われた場合であっても、不正行為を検知したことを具体的に報知することができ、不正遊技者が不正行為を行うことを抑止することができる。
(第4の実施の形態)
以下、図49を参照して、本発明に係る遊技機の第4の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態においては、本発明の第1ないし第3の実施の形態と相違する点について説明し、同一な点についての説明を省略する。
[不正電波検知時タイムチャート]
図49は、本実施の形態において不正電波を検知した場合の処理を示す図である。
図49に示すように、メインCPU60は、電波センサ500が電波を1回検知したと判定した場合に、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定し、入賞無効処理を実行する。
この構成において、パチンコ遊技機1は、電波センサ500による電波ゴトの検知及び入賞検知手段を構成する各要素に対する入賞の検知を実行した後に、入賞検知カウンタの入賞記憶領域に保存されている入賞情報をすべて0クリアするよう構成されている。
ここで、0クリアがタイマ割込処理による電波センサ500による電波ゴトの検知及び入賞検知手段を構成する各要素に対する入賞の検知よりも先に行われた場合、メインCPU60には、電波ゴトと同時に入賞検知手段を構成する各要素に対する入賞を表す入賞情報を消去することができない、という問題がある。
このような場合、メインCPU60は、不正行為を検知した旨の報知を行うものの、当該入賞を検知した情報を消去する処理を行わないため、当該入賞を検知した情報に基づいて所定の利益が付与してしまい、遊技場側に多大な損害を与えてしまう。
そこで、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、不正行為によって遊技場側が多大な損害を受けてしまうことを防止するべく、電波センサ500による電波ゴトの検知及び入賞検知手段を構成する各要素に対する入賞の検知を実行した後に、入賞検知カウンタの入賞記憶領域に保存されている入賞情報をすべて0クリアするよう構成することで、電波ゴトによって記憶された入賞情報に基づいた利益を不正行為者に与えないようにし、遊技場側が多大な損害を受けてしまうことを防止することができる。
また、この構成により、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、同一の割込処理内において、入賞判定処理及び電波検知判定処理が実行された後に入賞情報消去処理を行うため、電波ゴトによる入賞情報の記憶と電波検知とが同時に発生した場合でも、電波ゴトによる入賞情報を消去することができる。
このように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、同一の割込処理内において、入賞判定処理及び電波検知判定処理が実行された後に入賞情報消去処理を行うため、電波ゴトによる入賞情報の記憶と電波検知とが同時に発生した場合でも、電波ゴトによる入賞情報を消去することができる。
なお、本実施の形態において、メインCPU60は、電波を1回検知した時点で電波ゴトがあったと判定しているが、チャタリング等のノイズを電波と検知する誤作動を防止すべく2回検知した時点で電波ゴトがあったと判定してもよい。
(第5の実施の形態)
以下、図50〜図52を参照して、本発明に係る遊技機の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、本発明の第1ないし第4の実施の形態と相違する点について説明し、同一な点についての説明を省略する。
[入球・入賞検知カウンタ]
本実施の形態において、入賞検知手段を構成する各要素の入球検知カウンタは、第1入球検知カウンタと、第2入球検知カウンタとによって構成される。第1入球検知カウンタは、本発明の第1ないし第4の実施の形態の入球検知カウンタと同様に構成されている。
本発明の第1ないし第4の実施の形態の入球検知カウンタと同様に、メインRAM62には、第1入球検知カウンタと、第2入球検知カウンタとに対する未使用領域と、使用領域とが割り当てられている(図7(a)、(b)参照)。
図50に示すように、第2入球検知カウンタは、第1入球検知カウンタの前回の値と今回の値とに基づいて、今回の検知結果を決定するようになっている。具体的には、第2入球検知カウンタは、第1入球検知カウンタの前回の値と今回の値とが同一であれば、第1入球検知カウンタの今回の値を今回の値とし、第1入球検知カウンタの前回の値と今回の値とが同一でなければ、第2入球検知カウンタの前回の値を今回の値とするようになっている。
例えば、図50(a)に示す状態においては、第1入球検知カウンタの前回の値「0」と今回の値「0」とが同一であるため、第2入球検知カウンタは、第1入球検知カウンタの今回の値「0」を今回の値とする。この場合には、第2入球検知カウンタの値に変化がないため、遊技球の状態は、非検知状態のまま変化していないと判断される。
また、図50(b)に示す状態においては、第1入球検知カウンタの前回の値「0」と今回の値「1」とが同一でないため、第2入球検知カウンタは、第2入球検知カウンタの前回の値「0」を今回の値とする。この場合には、第2入球検知カウンタの値に変化がないため、遊技球の状態は、非検知状態のまま変化していないと判断される。
また、図50(c)に示す状態においては、第1入球検知カウンタの前回の値「1」と今回の値「0」とが同一でないため、第2入球検知カウンタは、第2入球検知カウンタの前回の値「0」を今回の値とする。この場合には、第2入球検知カウンタの値に変化がないため、遊技球の状態は、非検知状態のまま変化していないと判断される。
また、図50(d)に示す状態においては、第1入球検知カウンタの前回の値「1」と今回の値「1」とが同一であるため、第2入球検知カウンタは、第1入球検知カウンタの今回の値「1」を今回の値とする。この場合には、第2入球検知カウンタの値が「0」から「1」に変化したため、遊技球の状態は、非検知状態から検知状態に変化したと判断される。
また、図50(e)に示す状態においては、第1入球検知カウンタの前回の値「0」と今回の値「0」とが同一であるため、第2入球検知カウンタは、第1入球検知カウンタの今回の値「0」を今回の値とする。この場合には、第2入球検知カウンタの値が「1」から「0」に変化したため、遊技球の状態は、検知状態から非検知状態に変化したと判断される。
また、図50(f)に示す状態においては、第1入球検知カウンタの前回の値「0」と今回の値「1」とが同一でないため、第2入球検知カウンタは、第2入球検知カウンタの前回の値「1」を今回の値とする。この場合には、第2入球検知カウンタの値に変化がないため、遊技球の状態は、検知状態のまま変化していないと判断される。
また、図50(g)に示す状態においては、第1入球検知カウンタの前回の値「1」と今回の値「0」とが同一でないため、第2入球検知カウンタは、第2入球検知カウンタの前回の値「1」を今回の値とする。この場合には、第2入球検知カウンタの値に変化がないため、遊技球の状態は、検知状態のまま変化していないと判断される。
また、図50(h)に示す状態においては、第1入球検知カウンタの前回の値「1」と今回の値「1」とが同一であるため、第2入球検知カウンタは、第1入球検知カウンタの今回の検出結果「1」を今回の検出結果とする。この場合には、第2入球検知カウンタの値に変化がないため、遊技球の状態は、検知状態のまま変化していないと判断される。
このように、本実施の形態において、入賞検知手段を構成する各要素は、遊技をするための遊技部品として遊技球の状態を検知する状態検知手段を構成する。特に、本実施の形態においては、第1カウントスイッチ391と、第2カウントスイッチ392とが状態検知手段を構成する。第1入球検知カウンタは、状態検知手段の検知結果が記憶される第1記憶手段を構成する。
メインCPU60は、状態検知手段の検知結果と第1記憶手段に記憶されている前回の検知結果とに基づいて、今回の検知結果を決定する検知結果決定手段を構成する。第2入球検知カウンタは、検知結果決定手段によって決定された検知結果が記憶される第2記憶手段を構成する。
また、メインCPU60は、検知結果決定手段によって決定された検知結果と第2記憶手段に記憶されている前回の検知結果とに基づいて、遊技球の状態が変化したか否かを判定する部品状態判定手段と、状態検知手段によって検知された検知結果と第1記憶手段に記憶されている前回の検知結果とが同一であるか否かを判定する検知結果判定手段と、部品状態判定手段の判定結果に基づいた制御を実行する制御手段とを構成する。
[入賞検知処理]
図51は、本実施の形態における入賞検知処理の詳細について説明する図である。
ステップS611において、メインCPU60は、各入賞領域に対する第1入球検知カウンタ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素の入賞スイッチの検知状況に応じて、第1入球検知カウンタの値を更新する。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS612に処理を移す。
ステップS612において、メインCPU60は、第1入球検知カウンタの値が今回と前回で同じであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1入球検知カウンタの値が今回と前回で同じであると判定した場合には、ステップS613に処理を移し、第1入球検知カウンタの値が今回と前回で同じでないと判定した場合には、ステップS614に処理を移す。
ステップS613において、メインCPU60は、第2入球検知カウンタに第1入球検知カウンタの今回の値をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS615に処理を移す。
ステップS614において、メインCPU60は、第2入球検知カウンタに第2入球検知カウンタの前回の値をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS615に処理を移す。
ステップS615において、メインCPU60は、入賞を検知した第2入球検知カウンタがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素に対応した第2入球検知カウンタにおいて、入賞を検知、つまり第2入球検知カウンタの使用領域が「01」(「LH」)となっているか否かを判定し、第2入球検知カウンタが入賞を検知したと判定した場合には、ステップS616に処理を移し、第2入球検知カウンタが入賞を検知していないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS616において、メインCPU60は、対応する入賞検知カウンタに入賞データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2入球検知カウンタの値が「01」となった入賞検知手段を構成する要素に対応する入賞検知カウンタのbitを1(ON)にする。この処理が終了した場合には、メインCPU60は、本サブルーチンを終了する。
[本実施の形態の作用]
以上のような本実施の形態に係るパチンコ遊技機1の作用について図52を参照して説明する。
図52(a)は、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果がチャタリングの影響を受けていない状態の第1入球検知カウンタ、第2入球検知カウンタ及び入賞検知カウンタの値を時系列で示している。
この場合には、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果がチャタリングの影響を受けていないため、入賞検知カウンタに対する入賞記憶領域に保存される入賞情報は、第1入球検知カウンタの「0011」といった検知結果に基づいた入賞情報と同一になる。
図52(b)は、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果がチャタリングの影響を受けた状態の第1入球検知カウンタ、第2入球検知カウンタ及び入賞検知カウンタの値を時系列で示している。
この例においては、第1入球検知カウンタの図中左から8番目の値がチャタリングの影響により「1」となっている。しかしながら、第1入球検知カウンタの図中左から7番目の値が「0」であるため、第2入球検知カウンタの図中左から8番目の値は、図中左から7番目と同じ値「0」となり、チャタリングの影響が除去されている。
このため、第1入球検知カウンタの「1011」といった図中左から8番目から検知結果により、第2入球検知カウンタの「01」といった検知結果が得られ、入賞検知カウンタにおいて、入賞が検知される。
図52(c)は、図52(b)と同様に、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果がチャタリングの影響を受けた状態の第1入球検知カウンタ、第2入球検知カウンタ及び入賞検知カウンタの値を時系列で示している。
図52(c)に示した状態は、図52(b)に示した状態と比較すると、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果がチャタリングの影響を多く受け、第1入球検知カウンタの図中左から2番目、4番目及び9番目の値がチャタリングの影響により「1」となっている。この例においても、第2入球検知カウンタの値からチャタリングの影響が除去され、入賞検知カウンタの図中左から7番目の値が「1」となり、入賞検知カウンタによって遊技球の入賞が検知される。
以上に説明したように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、入賞検知手段を構成する各要素の今回の検知結果と第1入球検知カウンタに記憶されている前回の検知結果とが同一である場合には、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果を今回の検知結果として決定し、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果と第1入球検知カウンタに記憶されている前回の検知結果とが同一でない場合には、第2入球検知カウンタに記憶されている前回の検知結果を今回の検知結果として決定するため、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果がチャタリングの影響を受けたとしても、遊技球の状態を正確に検知することができる。
例えば、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果が、「0011」(「LLHH」)を順次示すことを条件に遊技球が検知状態となったと判定するパチンコ遊技機において、チャタリングの影響で、入賞検知手段を構成する各要素の検知結果が、「1011」(「HLHH」)を順次示す場合でも、入賞検知手段を構成する各要素が最後の「1」(「H」)を検知したときに、第2入球検知カウンタに記憶されている前回の検知結果と、メインCPU60により決定される検知結果とが異なることにより、遊技球を検知したと判定できるため、遊技球の入賞を正確に検知することができる。
なお、上述した各実施の形態において、不正報知手段として液晶表示装置13を用いているが、これに限らず、例えばプラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRTディスプレイ、ランプ、スピーカあるいは可動役物を単独又は組み合わせて使用してもよい。
また、上述した各実施の形態において、電波センサ500は、パチンコ遊技機1のガラスドア10に設けられているが、これに限らず、その他の部分(遊技盤14、木枠18及びベースドア15等)に設けるように構成してもよい。また、電波センサ500は、ガラスドア10及び遊技盤14の双方に設けられていてもよい。
電波センサ500がガラスドア10及び遊技盤14の双方に設けられている場合、図53に示すように、メインCPU60は、ガラスドア10に取付けられた電波センサ500の検知結果及び遊技盤14に取付けられた電波センサ500の検知結果の双方の電気的論理和をとって不正電波が検出されたか否かを判定するよう構成されている。
また、上述した各実施の形態において、第1保留表示部37及び第2保留表示部38が第1始動口34への入賞の保留及び第2始動口35への入賞の保留を表示するようにしているが、これに限らず、例えば第1保留表示部37及び第2保留表示部38に加えて、液晶表示装置13において、第1始動口34への入賞の保留及び第2始動口35への入賞の保留を表示するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、副制御回路7は、プログラムや各種のテーブルをプログラムROM72に保存しているが、これに限らず、コンピュータにおいて読み取り可能な他の記憶媒体に記憶されたものを使用することができる。
この場合の記憶媒体としては、例えばハードディスク装置、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジを使用することができる。また、プログラムや各種のテーブルは、プログラムROM72と、これらのコンピュータにおいて読み取り可能な他の記憶媒体との両方に保存されていてもよい。また、プログラムや各種のテーブルは、電源投入後にパチンコ遊技機1の外部のサーバからダウンロードし、ワークRAM73に記憶するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、副制御回路7は、サブCPU71の一時記憶領域としてワークRAM73を使用しているが、これに限らず、他の読書き可能な記憶媒体を使用したり、ワークRAM73及び他の読書き可能な記憶媒体を同時に使用したりしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、パチンコ遊技機1は、主制御回路6から副制御回路7に信号を供給し、副制御回路7から主制御回路6に対しては信号を供給できないように構成されているが、これに限らず、例えば副制御回路7から主制御回路6に対して信号を送信できるように構成してもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、全入賞無効期間を所定期間Xとしているが、これに限らず、パチンコ遊技機1の電源がOFFされるまで全入賞無効期間が継続するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、全入賞無効期間時において入賞検知手段を構成するすべての要素で検知された入賞を無効とするよう構成されているが、これに限らず、入賞検知手段を構成する一部の要素のみ検知された入賞を無効とするよう構成してもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、副制御回路7に対して電波検知コマンドを送信することにより、外部端子板80を介してホールコンピュータ90に対してセキュリティ信号を出力するよう構成されているが、これに限らず、例えばメインCPU60が全入賞無効期間を設定したことを契機としてホールコンピュータ90にセキュリティ信号を出力してもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、電断によって全入賞無効状態を終了するよう構成されているが、これに限らず、電断から復帰後、所定期間Xから電断前に経過したZmsを引いた時間全入賞無効を継続してもよいし、電断から復帰後、再度、所定期間Xの間、全入賞無効状態にしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、パチンコ遊技機1の電源OFFを契機に不正報知を終了するよう構成されているが、これに限らず、電断から復帰した際にバックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であれば、不正報知を復帰するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、パチンコ遊技機1の電源をOFFにするまで不正報知を終了しないよう構成されているが、これに限らず、所定時間不正報知を実行した場合や、所定の操作(例えば、遊技者が触れられないところ又は触れられるところに操作ボタンを設け、当該操作ボタンの操作)を行った場合には終了するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、最低出力期間Yが経過していないZms経過時点で電断が発生した場合、電断から復帰した後に最低出力期間YからZmsを引いた時間セキュリティ信号をホールコンピュータ90に送信するよう構成されているが、これに限らず、再度最低出力期間Yが経過するまでホールコンピュータ90にセキュリティ信号を出力するようにしたり、電断復帰後にセキュリティ信号の出力を行わないようにしたり、電断から復帰後、再度、最低出力期間Yの間、セキュリティ信号を出力したりしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であるか否かに関わらず、不正報知の再開をさせないようにしているが、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常である場合には不正報知を再開してもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、副制御回路7に対して電波検知コマンドを送信することにより、外部端子板80を介してホールコンピュータ90に対してセキュリティ信号を出力するよう構成されているが、これに限らず、メインCPU60が副制御回路7に対して不正入賞コマンドを送信したことにより、外部端子板80を介してホールコンピュータ90に対してセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。また、既にセキュリティ信号を出力中の状態で不正入賞コマンドを受信した場合、外部端子板80は、不正入賞コマンドを受信した時点を起点として最低出力期間Yを再度設定してもよい。
また、主制御回路6及び副制御回路7の電断時割込処理において、RAM書込み禁止処理を行う前に、電断復帰処理を行うためのバックアップデータを新たに作成してRAMの作業領域に記憶する処理を行い、電断復帰時に、電断時割込処理において算出された作業領域損傷チェック値と、電断復帰処理時において算出された作業領域損傷チェック値とが同一であれば、バックアップデータに基づいて、復帰処理を行うようにしてもよく、RAM書込み禁止処理を行う前に、RAMの作業領域ではない別の記憶媒体に新たに作成したバックアップデータを保存して、当該バックアップデータに基づいて、復帰処理を行うようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、電波センサ500が3回連続で電波を検知した場合に全入賞無効状態にするように構成されているが、これに限らず、連続する回数は何回でもよい。また、メインCPU60は、最初の電波検知において、所定のタイマをセットし、当該タイマが0になるまで電波検知をし続けた場合に、不正行為があったと判断し、全入賞無効状態になるよう構成されていてもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、払出制御処理において、各入賞口の賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットした後に各入賞口及び通過ゲート36の入賞検知情報をクリア(図23、ステップS234参照)するよう構成されているが、これに限らず、例えば、通過ゲート36の入賞検知情報を普通図柄関連スイッチチェック処理における各種乱数値取得処理(図22、ステップS211参照)実行後にクリアし、また各入賞口の入賞検知情報を、各賞球コマンドがセットされた後にそれぞれ別個にクリアするようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、メイン処理において復電時コマンド以外のコマンドを受信した場合に初期化処理を行う(図32、ステップS358参照)よう構成されているが、これに限らず、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であれば、復電時コマンド以外のコマンドを受信した場合であっても、復帰処理を実行してよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、復帰処理において不正報知を復帰しない(図32、ステップS358参照)よう構成されているが、これに限らず、不正報知を復帰してもよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、副制御回路7の電源がOFFされるまで各不正報知を行うよう構成されているが、これに限らず、例えば所定期間が経過したことを条件に不正報知を終了するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、パチンコ遊技機1は、不正行為として電波ゴトを検知するよう構成されているが、磁石ゴトを検知するよう磁気検知手段としての磁気センサを備えるよう構成されていてもよい。なお、この構成において、メインCPU60は、磁気検知判定手段を構成する。
また、磁気センサを備えたパチンコ遊技機1においては、磁気センサを電波センサ500と同様の位置に備えており、磁気を検知した場合、電波検知判定処理と同様の磁気検知判定処理を行うよう構成されていてもよい。
この場合、メインCPU60は、磁気ゴトを検知することで磁気検知コマンドを副制御回路7に送信し、磁気検知コマンドを受信したことを契機に、磁気を検知したことを報知するように構成されている。また、メインCPU60は、磁気を検知したことを報知する場合に、不正電波及び不正入賞を検知した時とは異なる態様で報知することで、磁気を検知したことがわかるように報知することが望ましい。
また、パチンコ遊技機1は、電波センサ500及び磁気センサの両方を備えていてもよく、その場合、無効期間やセキュリティ信号の出力時間を、不正電波検知時と、不正磁気検知時で同じにしてもよいし、異ならせるようにしてもよい。
この場合、メインCPU60は、入賞判定処理と、入賞情報記憶処理と、電波検知判定処理又は磁気検知判定処理と、入賞無効処理との処理順序は、電波ゴト又は磁気ゴトによる入賞情報と電波検知又は磁気検知とが同時に発生した場合に当該入賞情報を消去できればどのような順序であってもよい。
(第6の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態における第1入球検知カウンタ及び第2入球検知カウンタを用いた入賞検知処理によるチャタリングの除去技術は、パチスロ遊技機にも適用することができる。
以下、図54〜図63を参照して、本発明に係る遊技機の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発明の第5の実施の形態におけるチャタリングの除去技術をパチスロ遊技機に適用した例を示している。
はじめに、図54を参照して、パチスロ遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロ遊技機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー(以下、単に「レバー」ともいう)が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。
なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロ遊技機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。
また、リール停止制御手段は、上記規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ遊技機における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ遊技機では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。この演出実行手段は、後述する副制御回路が担う。
このように、パチスロ遊技機では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
<パチスロ遊技機の構造>
次に、図55〜図58を参照して、本実施の形態におけるパチスロ遊技機701の構造について説明する。
[外観構造]
図55は、パチスロ遊技機701の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ遊技機701の外装体702は、リールや回路基板等を収容するキャビネット702aと、キャビネット702aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア702bとを有している。キャビネット702aの両側面には、把手707が設けられている。この把手707は、パチスロ遊技機701を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット702aの内部には、3つのリール703L,703C,703Rが横並びに設けられている。以下、各リール703L,703C,703Rを、それぞれ左リール703L、中リール703C、右リール703Rという。
各リール703L,703C,703Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア702bの中央よりも上側には、上パネルユニット710と、液晶表示装置711が設けられている。上パネルユニット710は、フロントドア702bの上部を形成している。
この上パネルユニット710は、光源を有しており、光源から出射される光による演出を実行する。液晶表示装置711は、上パネルユニット710の下側に配置されており、映像の表示による演出を実行する。
フロントドア702bの中央には、台座部712が形成されている。この台座部712には、図柄表示領域704と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域704は、正面から見て3つのリール703L,703C,703Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール703L,703C,703Rに対応して設けられている。
この図柄表示領域704は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール703L,703C,703Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域704を、リール表示窓704という。
リール表示窓704は、その背後に設けられたリール703L,703C,703Rの回転が停止されたとき、各リール703L,703C,703Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。
本実施の形態では、リール表示窓704の各リール703L,703C,703Rに対向する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓704は、台座部712に設けられた枠部材713により形成されている。この枠部材713は、リール表示窓704と、情報表示窓714と、ストップボタン取付部715を有している。
情報表示窓714は、リール表示窓704の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓704と情報表示窓714は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓714及びリール表示窓704は、透明の窓カバー716によって覆われている。
窓カバー716は、枠部材713の内面側に配置されており、フロントドア702bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材713は、窓カバー716を挟んで情報表示窓714の開口に対向するシート載置部717を有している。
そして、シート載置部717と窓カバー716との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー716により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー716は、フロントドア702bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ遊技機701の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。なお、情報シートの交換については、後で図57を参照して説明する。
本実施の形態では、リール表示窓704と情報表示窓714を、連続する1つの開口部として形成した。しかし、本発明の遊技機に係る情報表示窓は、リール表示窓の下方に設けられていればよく、リール表示窓に連続していなくてもよい。すなわち、本発明の遊技機に係るリール表示窓と情報表示窓は、上下方向に並ぶ2つの開口部として形成してもよい。
ストップボタン取付部715は、情報表示窓714の下方に設けられており、正面を向いた平面に形成されている。このストップボタン取付部715には、ストップボタン719L,719C,719Rが貫通する貫通孔が設けられている。
ストップボタン719L,719C,719Rは、3つのリール703L,703C,703Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン719L,719C,719Rを、それぞれ左ストップボタン719L、中ストップボタン719C、右ストップボタン719Rという。
ストップボタン719L,719C,719Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部712には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口721、BETボタン722、スタートレバー723が設けられている。
メダル投入口721は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口721に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分はパチスロ遊技機701の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
BETボタン722は、パチスロ遊技機701の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。スタートレバー723は、全てのリール(703L,703C,703R)の回転を開始するために設けられる。
また、正面から見てリール表示窓704の左側方には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器724が設けられている。この7セグ表示器724は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ遊技機701内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
台座部712の両側には、サイドパネルユニット726L,726Rが設けられている。このサイドパネルユニット726L,726Rは、それぞれ光源を有しており、光源から出射される光による演出を実行する。
また、サイドパネルユニット726Lの下方には、精算ボタン727が設けられている。この精算ボタン727は、パチスロ遊技機701の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
台座部712の下方には、腰部パネルユニット731が設けられている。腰部パネルユニット731は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット731の下方には、メダル払出口732と、スピーカ用孔733L,733Rと、メダルトレイユニット734が設けられている。メダル払出口732は、後述のメダル払出装置751の駆動により排出されるメダルを外部に導く。
メダル払出口732から排出されたメダルは、メダルトレイユニット734に貯められる。スピーカ用孔733L,733Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
[内部構造]
図56及び図57は、パチスロ遊技機701の内部構造を示す斜視図である。この図56では、フロントドア702bが開放され、フロントドア702bの裏面側に設けられたミドルドア741がフロントドア702bに対して閉じた状態を示している。
また、図57では、フロントドア702bが開放され、ミドルドア741がフロントドア702bに対して開いた状態を示している。また、図58は、キャビネット702aの内部を示す説明図である。図59は、フロントドア702bの裏面側を示す説明図である。
キャビネット702aは、上面板720aと、底面板720bと、左右の側面板720c,720dと、背面板720eを有している(図58参照)。キャビネット702a内部の上側には、キャビネット側スピーカ742が配設されている。
このキャビネット側スピーカ742は、取付ブラケット743L,743Rを介してキャビネット702aの背面板720eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ742は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット702a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ742の左側方には、キャビネット側中継基板744が配設されている。このキャビネット側中継基板744は、キャビネット702aの左側面板720cに取り付けられている。
キャビネット側中継基板744は、ミドルドア741(図56及び図57参照)に取り付けられた後述する主制御基板771(図60参照)と、ホッパー装置751、メダル補助収納庫スイッチ775、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット702a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ742による音の出力を制御するアンプ基板745が配設されている。このアンプ基板745は、左右の側面板720c,720dに固定された取付棚746に取り付けられている。
また、キャビネット702a内部を正面から見て、アンプ基板745の右側には、外部集中端子板747が配設されている。この外部集中端子板747は、キャビネット702aの右側面板720dに取り付けられている。外部集中端子板747は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティ信号などの信号をパチスロ遊技機701の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット702a内部を正面から見て、アンプ基板745の左側には、サブ電源装置748が配設されている。このサブ電源装置748は、キャビネット702aの左側面板720cに取り付けられている。
サブ電源装置748は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置753に供給する。また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板745に供給する。
キャビネット702aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置)751と、メダル補助収納庫752と、電源装置753が配設されている。
ホッパー装置751は、キャビネット702aにおける底面板720bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置751は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。
ホッパー装置751は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は精算ボタン727が押圧されてメダルの精算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置751によって払い出されたメダルは、メダル払出口732(図55参照)から排出される。
メダル補助収納庫752は、ホッパー装置751から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫752は、キャビネット702a内部を正面から見て、ホッパー装置751の右側に配置されている。メダル補助収納庫752は、キャビネット702aの底面板720bに係合されており、底面板720bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置753は、電源スイッチ753aと、電源基板753bを有している(図59参照)。この電源装置753は、キャビネット702a内部を正面から見て、ホッパー装置751の左側に配置されており、左側面板720cに取り付けられている。電源装置753は、サブ電源装置748から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図56,図57及び図59に示すように、ミドルドア741は、フロントドア702bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓704(図57参照)を裏側から開閉可能に構成されている。
ミドルドア741の上部と下部には、ドアストッパ741a,741b,741cが設けられている。このドアストッパ741a,741b,741cは、リール表示窓704を裏側から閉じた状態のミドルドア741の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア741を開くには、ドアストッパ741a,741b,741cを回転させてミドルドア741の固定を解除する必要がある。
ミドルドア741には、主制御基板771(図60参照)を収納した主制御基板ケース755と、3つのリール703L,703C,703Rが取り付けられている。3つのリール703L,703C,703Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図57に示すように、ミドルドア741を開くと、窓カバー716の裏面とシート載置部717が露出される。上述したように、窓カバー716の裏面とシート載置部717との間には、遊技に関する情報が記載された情報シートが配置されている。
この情報シートは、ミドルドア741を開いて窓カバー716の裏面とシート載置部717を露出させた状態で、窓カバー716の裏面とシート載置部717との間に形成された間隙に挿入される。また、情報シートを交換する場合も、ミドルドア741を開いてから情報シートの交換作業が行われる。
主制御基板ケース755には、設定用鍵型スイッチ756が設けられている。この設定用鍵型スイッチ756は、パチスロ遊技機701の設定を変更もしくはパチスロ遊技機701の設定の確認を行うときに使用する。本実施の形態では、主制御基板ケース755と、この主制御基板ケース755に収納された主制御基板771により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース755に収納された主制御基板771は、後述する主制御回路791(図61参照)を構成する。主制御回路791は、内部当籤役の決定、リール703L,703C,703Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ遊技機701における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路791の具体的な構成は後述する。
ミドルドア741の上方には、副制御基板772(図62参照)を収容する副制御基板ケース757が配設されている。副制御基板ケース757に収納された副制御基板772は、副制御回路801(図62参照)を構成する。この副制御回路801は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路801の具体的な構成は後述する。
副制御基板ケース757の上方には、センタースピーカ758が配設されている。そして、フロントドア702bを裏面側から見て、センタースピーカ758の左側方には、ファン759が配設されている。
つまり、ファン759は、フロントドア702bの裏面側における上部に配設されている。このファン759は、下向きに空気を送風し、パチスロ遊技機701の内部を空冷する。
フロントドア702bを裏面側から見て、副制御基板ケース757の右側方には、副中継基板761が配設されている。この副中継基板761は、副制御基板772と主制御基板771とを接続する配線を中継する。
また、副制御基板772と副制御基板772の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板772の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板762A,762Bが挙げられる。
LED基板762A,762Bは、フロントドア702bの裏面側から見て、副制御基板ケース757の上方に配設されている。これらLED基板762A,762Bは、副制御回路801(図62参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示すLED785(図60参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施の形態のパチスロ遊技機701には、LED基板762A,762B以外に複数のLED基板を備えている。
副中継基板761の下方には、24hドア開閉監視ユニット763が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット763は、ミドルドア741の開閉の履歴を保存する。また、ミドルドア741を開放したときに、液晶表示装置711にエラー表示を行うための信号を副制御基板772(副制御回路801)に出力する。
ミドルドア741の下方には、ボードスピーカ764と、下部スピーカ765L,765Rが配設されている。ボードスピーカ764は、腰部パネルユニット731(図55参照)に対向しており、下部スピーカ765L,765Rは、それぞれスピーカ用孔733L,733R(図55参照)に対向している。
下部スピーカ765Lの上方には、セレクタ766と、ドア開閉監視スイッチ767が配設されている。セレクタ766は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口721に投入された適正なメダルをホッパー装置751へ案内する。セレクタ766内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(不図示)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ767は、フロントドア702bを裏面側から見て、セレクタ766の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ767は、パチスロ遊技機701の外部へ、フロントドア702bの開閉を報知するためのセキュリティ信号を出力する。
また、リール表示窓704の下方であってミドルドア741により開閉される領域には、ドア中継端子板768が配設されている(図57参照)。このドア中継端子板768は、主制御基板ケース755内の主制御基板771(図60参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板772(図60参照)、セレクタ766及び遊技動作表示基板781(図60参照)との配線を中継する基板である。
なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン722、精算ボタン727、ドア開閉監視スイッチ767、後述するBETスイッチ777、スタートスイッチ779等を挙げることができる。
<パチスロ遊技機が備える制御系>
次に、パチスロ遊技機701が備える制御系について、図60を参照して説明する。図60は、パチスロ遊技機701の制御系を示すブロック図である。
パチスロ遊技機701は、ミドルドア741に配設された主制御基板771と、フロントドア702bに配設された副制御基板772を有している。主制御基板771には、リール中継端子板774と、設定用鍵型スイッチ756と、外部集中端子板747と、ホッパー装置751と、メダル補助収納庫スイッチ775と、電源装置753の電源基板753bが接続されている。
設定用鍵型スイッチ756、外部集中端子板747、ホッパー装置751及びメダル補助収納庫スイッチ775は、キャビネット側中継基板744を介して主制御基板771に接続されている。外部集中端子板747及びホッパー装置751については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板774は、各リール703L,703C,703Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板774は、各リール703L,703C,703Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板771からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ775は、メダル補助収納庫752の後述するスイッチ貫通孔を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ775は、メダル補助収納庫752がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置753の電源基板753bには、電源スイッチ753aが接続されている。この電源スイッチ753aは、パチスロ遊技機701に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板771には、ドア中継端子板768を介して、セレクタ766、ドア開閉監視スイッチ767、BETスイッチ777、精算スイッチ778、スタートスイッチ779、ストップスイッチ基板780、遊技動作表示基板781及び副中継基板761が接続されている。セレクタ766、ドア開閉監視スイッチ767及び副中継基板761については、上述したため、説明を省略する。
BETスイッチ777は、BETボタン722が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ778は、精算ボタン727が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ779は、スタートレバー723が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板780は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板780には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン719L,719C,719Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板781は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール703L,703C,703Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器724に表示させるための基板である。
この遊技動作表示基板781には、7セグ表示器724とLED782が接続されている。LED782は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板772は、ドア中継端子板768と副中継基板761を介して主制御基板771に接続されている。この副制御基板772には、副中継基板761を介して、サウンドI/O基板784、LED基板762A,762B、24hドア開閉監視ユニット763が接続されている。これらLED基板762A,762B及び24hドア開閉監視ユニット763については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板784は、センタースピーカ758、ボードスピーカ764、下部スピーカ765L,765R及びフロントドア702bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板772には、ロムカートリッジ基板786と、液晶中継基板787が接続されている。これらロムカートリッジ基板786及び液晶中継基板787は、副制御基板772と共に副制御基板ケース757に収納されている。
ロムカートリッジ基板786は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板762A,762B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板787は、副制御基板772と液晶表示装置711とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板771により構成される主制御回路791について、図61を参照して説明する。図61は、パチスロ遊技機701の主制御回路791の構成例を示すブロック図である。
主制御回路791は、主制御基板771上に設置されたマイクロコンピュータ792を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ792は、メインCPU793、メインROM794及びメインRAM795により構成される。
メインROM794には、メインCPU793により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路801に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM795には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU793には、クロックパルス発生回路796、分周器797、乱数発生器798及びサンプリング回路799が接続されている。クロックパルス発生回路796及び分周器797は、クロックパルスを発生する。実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU793は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器798は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路799は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU793は、リールインデックスを検出してから各リール703L,703C,703Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU793は、各リール703L,703C,703Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール703L,703C,703Rの所定の位置に設けられ、各リール703L,703C,703Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール703L,703C,703Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM795に設けられたパルスカウンタによって計数される。
そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM795に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。
図柄カウンタは、各リール703L,703C,703Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール703L,703C,703Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン719Lが押されたときにリール表示窓704の中段にある左リール703Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓704の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板772により構成される副制御回路801について、図62を参照して説明する。図62は、パチスロ遊技機701の副制御回路801の構成例を示すブロック図である。
副制御回路801は、主制御回路791と電気的に接続されており、主制御回路791から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路801は、基本的に、サブCPU802、サブRAM803、レンダリングプロセッサ804、描画用RAM805、ドライバ806を含んで構成されている。
サブCPU802は、主制御回路791から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板786に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板786は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU802が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路791との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。
また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置711(図59参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED785等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ758,764,765L,765R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM803は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路791から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU802、レンダリングプロセッサ804、描画用RAM(フレームバッファを含む)805及びドライバ806は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置711に表示させる。
また、サブCPU802は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ758,764,765L,765R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU802は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED785等の光源の点灯及び消灯を制御する。
本実施の形態において、メインCPU793は、第1レバー検知カウンタと、第2レバー検知カウンタとを構成する。第1レバー検知カウンタ及び第2レバー検知カウンタは、本発明の第5の実施の形態における第1入球検知カウンタ及び第2入球検知カウンタとそれぞれ同様に構成される。なお、第1レバー検知カウンタ及び第2レバー検知カウンタの値は、メインCPU793を構成するレジスタに格納されてもよく、メインRAM795の所定領域に格納されてもよい。
すなわち、本実施の形態において、スタートスイッチ779は、遊技をするための遊技部品としてスタートレバー723の状態を検知する状態検知手段を構成する。第1レバー検知カウンタは、状態検知手段の検知結果が記憶される第1記憶手段を構成する。
具体的には、スタートスイッチ779は、スタートレバー723が操作されていないOFF状態では、検知結果を「0」(「L」)とし、スタートレバー723が操作されているON状態では、検知結果を「1」(「H」)とするようになっている。第1レバー検知カウンタは、本発明の第5の実施の形態における第1入球検知カウンタと同様に、スタートスイッチ779の検知結果を記憶するようになっている。
また、メインCPU793は、状態検知手段の検知結果と第1記憶手段に記憶されている前回の検知結果とに基づいて、今回の検知結果を決定する検知結果決定手段を構成する。第2レバー検知カウンタは、検知結果決定手段によって決定された検知結果が記憶される第2記憶手段を構成する。
具体的には、第2レバー検知カウンタは、本発明の第5の実施の形態における第2入球検知カウンタと同様に、第1レバー検知カウンタの前回の値と今回の値とに基づいて、今回の検知結果を決定するようになっている。
詳細には、第2レバー検知カウンタは、第1レバー検知カウンタの前回の値と今回の値とが同一であれば、第1レバー検知カウンタの今回の値を今回の値とし、第1レバー検知カウンタの前回の値と今回の値とが同一でなければ、第2レバー検知カウンタの前回の値を今回の値とするようになっている。
また、メインCPU793は、検知結果決定手段によって決定された検知結果と第2記憶手段に記憶されている前回の検知結果とに基づいて、スタートレバー723の状態が変化したか否かを判定する部品状態判定手段と、状態検知手段によって検知された検知結果と第1記憶手段に記憶されている前回の検知結果とが同一であるか否かを判定する検知結果判定手段とを構成する。
具体的には、メインCPU793は、第2レバー検知カウンタの前回と今回の値が同じであれば、スタートレバー723の状態が変化していないと判定し、第2レバー検知カウンタの前回と今回の値が異なればスタートレバー723の状態が変化したと判定するようになっている。
[レバー検知処理]
図63は、本実施の形態におけるレバー検知処理の詳細について説明する図である。なお、以下に説明するレバー検知処理は、メインCPU793によって、スタートレバー723の操作が許可されている期間、繰り返し実行される。
ステップS621において、メインCPU793は、第1レバー検知カウンタ更新処理を行う。この処理において、メインCPU793は、スタートレバー723に対する操作に応じて、第1レバー検知カウンタの値を更新する。この処理が終了した場合、メインCPU793は、ステップS622に処理を移す。
ステップS622において、メインCPU793は、第1レバー検知カウンタの値が今回と前回で同じであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU793は、第1レバー検知カウンタの値が今回と前回で同じであると判定した場合には、ステップS623に処理を移し、第1レバー検知カウンタの値が今回と前回で同じでないと判定した場合には、ステップS624に処理を移す。
ステップS623において、メインCPU793は、第2レバー検知カウンタに第1レバー検知カウンタの今回の値をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU793は、ステップS625に処理を移す。
ステップS624において、メインCPU793は、第2レバー検知カウンタに第2レバー検知カウンタの前回の値をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU793は、ステップS625に処理を移す。
ステップS625において、メインCPU793は、第2レバー検知カウンタがレバー操作を検知したか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU793は、第2レバー検知カウンタにおいて、レバー操作を検知、つまり第2レバー検知カウンタの使用領域が「01」(「LH」)となっているか否かを判定し、第2レバー検知カウンタがレバー操作を検知したと判定した場合には、ステップS626に処理を移し、第2レバー検知カウンタがレバー操作を検知していないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS626において、メインCPU793は、スタートレバー723に対する操作に応じた処理を実行する。この処理では、メインCPU793は、諸条件が成立いれば、全てのリール703L,703C,703Rの回転を開始させる。この処理が終了した場合には、メインCPU793は、本サブルーチンを終了する。このように、メインCPU793は、部品状態判定手段の判定結果に基づいた制御を実行する制御手段を構成する。
以上に説明したように、本実施の形態に係るパチスロ遊技機701は、スタートスイッチ779の今回の検知結果と第1レバー検知カウンタに記憶されている前回の検知結果とが同一である場合には、スタートスイッチ779の検知結果を今回の検知結果として決定し、スタートスイッチ779の検知結果と第1レバー検知カウンタに記憶されている前回の検知結果とが同一でない場合には、第2レバー検知カウンタに記憶されている前回の検知結果を今回の検知結果として決定するため、スタートスイッチ779の検知結果がチャタリングの影響を受けたとしても、スタートレバー723の状態を正確に検知することができる。
なお、本実施の形態は、スタートレバー723の状態をレバー検知処理によって検知する例について説明したが、BETボタン722、精算ボタン727、ドア開閉監視スイッチ767、BETスイッチ777及びスタートスイッチ779等の各種のボタン及びスイッチの状態をレバー検知処理と同様な処理によって検知するようにしてもよい。また、セレクタ766内のメダルセンサ等の各種のセンサによって検出されるメダルの状態をレバー検知処理と同様な処理によって検知するようにしてもよい。