以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図33は本発明に係る遊技機の第1の実施の形態を示す図であり、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
[遊技機の構成]
まず、図1〜図6を用いて、遊技機としてのパチンコ遊技機1の概観について説明する。
図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1は、ガラスドア10と、皿ユニット11と、発射装置12と、液晶表示装置13と、遊技盤14と、ベースドア15と、排出ユニット16と、基盤ユニット17と、木枠18とを備えている。
ベースドア15は、前面側にガラスドア10と、皿ユニット11と、発射装置12と、液晶表示装置13と、遊技盤14とを支持し、裏面側に排出ユニット16と、基板ユニット17とを支持しており、木枠18の開口181に嵌め込まれている。
ガラスドア10は、スピーカ21と、ランプ・LED22と、開口101と、図示しない電波検知手段としての電波センサ500とを備えており、ベースドア15に対して開閉自在に軸着されている。なお、電波センサ500の機能については、後述する。
開口101は、ガラスドア10の中央部に形成されており、ガラスドア10が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように透過性を有する保護ガラス19が配設されている。
スピーカ21は、ガラスドア10の上部に配設されており、例えば音声での告知や演出、エラー報知を行うためのものである。
ランプ・LED22は、ガラスドア10の左右に配設されており、演出や告知等、各種の報知を行うものである。
皿ユニット11は、上皿111と下皿112とを一体化したユニットによって構成されており、ガラスドア10の下部においてベースドア15に配設され、遊技球を貯留する。
上皿111は、払出口113と、演出ボタン20とを有し、後述する遊技領域140に発射させる遊技球を貯留するためのものである。
払出口113は、遊技球の貸し出しおよび遊技球の賞球を行うためのものであり、所定の条件が成立した場合には、遊技球が排出される。ここで、遊技球の賞球とは、遊技球が払出されることをいう。
演出ボタン20は、いわゆる「CHANCEボタン」あるいは「プッシュボタン」等と呼ばれるものであり、例えば液晶表示装置13において表示されるCHANCE演出(いわゆるカットイン演出や可動体の可動の有無等)を行うか否かを選択するために、あるいは大当りの期待度を報知する演出(例えば会話演出の会話内容や文字色)において期待度を報知させるときに遊技者によって押下操作されるものである。
下皿112は、上皿111の下部に設けられており、払出口114を有している。
払出口114は、払出口113と同様に、遊技球の貸し出し、遊技球の賞球を行い、所定の賞球条件が成立した場合に遊技球が排出されるものである。
発射装置12は、パネル体121と発射ハンドル122とによって構成されている。発射装置12は、ベースドア15の右下部に設けられており、上皿111に貯留された遊技球を後述する遊技領域140に発射する。
パネル体121は、皿ユニット11および発射装置12をベースドア15に配設するとき、皿ユニット11の右下部と一体化されるもので、裏側に遊技球を発射するための不図示の駆動装置が設けられている。駆動装置としては、例えば発射ソレノイドが使用される。
図1、図3に示すように、液晶表示装置13は、遊技盤14の略中央に配設されており、第1始動口34および第2始動口35への遊技球の入賞に基づく大当り抽籤の結果のほか、遊技に関する各種の画像、例えば演出用の識別図柄(装飾図柄/識別情報)、通常状態での演出画像、大当り中の演出画像、デモ演出、および保留球数を表示するものである。すなわち、液晶表示装置13は、遊技球が第1始動口34および第2始動口35を通過、つまり入賞したことを条件に識別情報(例えば、装飾図柄)の変動表示を行うようになっている。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、液晶表示装置13と、スピーカ21と、ランプ・LED22とが演出手段を構成する。
図2に示すように、遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア15の前方に配設され、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域140を有している。遊技領域140は、外レール31に囲まれ、複数の不図示の遊技釘が打ち込まれたものである。
図3、図4に示すように、遊技盤14には、ガイドレール30と、ステージ33と、第1始動口34と、第2始動口35と、通過ゲート36と、第1保留表示部37と、第2保留表示部38と、第1大入賞口39と、第2大入賞口40と、第1シャッタ41と、第2シャッタ42と、第1一般入賞口43と、第2一般入賞口44と、アウト口47と、LEDユニット5とが設けられている。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、第1始動口34と、第2始動口35と、通過ゲート36と、第1大入賞口39と、第2大入賞口40と、第1一般入賞口43と、第2一般入賞口44とが入賞領域を構成する。
ガイドレール30は、外レール31と内レール32とによって構成されている。
外レール31は、遊技領域140を区画するために遊技領域140を囲むように配置されている。内レール32は、外レール31とともに遊技球を遊技盤14の上部に案内するためのものであり、遊技盤14の左側において外レール31の内側に配設されている。
ステージ33は、遊技領域140における遊技球の流化領域を振り分けるものであり、液晶表示装置13の上縁部に沿って配置されている。
発射装置12によって発射された遊技球は、遊技盤14に打ち込まれた遊技釘、ステージ33等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。この過程において、第1始動口34、第2始動口35、通過ゲート36、第1大入賞口39、第2大入賞口40、第1一般入賞口43、および第2一般入賞口44のいずれかに、遊技球が入賞し、入賞しなかった遊技球がアウト口47から排出され、回収される。
発射ハンドル122の回動角度が小さい場合、遊技球に与えられる打ち出し力が小さいため、遊技球は、主としてステージ33の左側を流下する。また、発射ハンドル122の回転角度が大きい場合、遊技球に与えられる打ち出し力が大きいため、遊技球は、主としてステージ33の右側を流下する。なお、一般に、ステージ33の左側に遊技球を流下させる打ち方は左打ち、ステージ33の右側に遊技球を流下させる打ち方は右打ちと呼ばれている。
第1始動口34および第2始動口35は、遊技球が通過、つまり入賞することを条件に大当り抽籤の契機を与えるとともに、大当り抽籤の結果を後述する第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53や液晶表示装置13において表示させる契機を与えるものである。
第1始動口34は、遊技盤14の中央やや下方位置に設けられている。第1始動口34の後方には、第1始動口スイッチ340が配置されている。第1始動口スイッチ340によって遊技球が検出された場合、基板ユニット17において大当り抽籤が行われるとともに、予め設定されている数の遊技球が払出口113または払出口114を介して上皿111または下皿112に払い出される。
第2始動口35は、第1始動口34の直下に設けられており、その後方に第2始動口スイッチ350が配置されている。第2始動口スイッチ350によって遊技球が検出された場合、基板ユニット17において大当り抽籤が行われるとともに、予め設定されている数の遊技球が払出口113または払出口114を介して上皿111または下皿112に払い
出される。第2始動口35は、普通電動役物としての羽根部材48によって入賞困難性が決定される。
羽根部材48は、左右方向に回動するものであり、第2始動口35への遊技球の入賞を可能とする開放状態と、第2始動口35への遊技球の入賞を不可能または困難とする閉鎖状態とを選択可能とするものである。羽根部材48は、後述する普通図柄表示部50において所定の図柄で停止表示(点灯・消灯の組み合わせ)されたときに、所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、第2始動口35に遊技球が入りやすくなる。
例えば、普通図柄ゲームにおいて、低確率状態(通常状態)における当り確率は、1/256であり、これに当籤した場合、羽根部材48が0.3秒間、1回開放される。高確率状態(時短状態)における当り確率は、例えば255/256であり、これに当籤した場合に、羽根部材48が1.3秒間、3回開放される。また、普通図柄ゲームの1回の当り遊技に対する第2始動口35への最大入賞カウント数は8カウントである。
なお、普通電動役物としては、羽根部材48を左右に回動させるものに限らず、例えば、舌状部材が遊技盤14の前後に移動するもの、あるいは遊技盤14の前後に回動して第2始動口35を開閉する開閉扉であってもよい。
通過ゲート36は、第2始動口35を開放するための普通図柄抽籤を行う契機を与えるものであり、遊技盤14の左右の中央位置に設けられている。この普通図柄抽籤の結果は、後述する普通図柄表示部50において表示される。後述の普通図柄表示部50において特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽籤の結果が当籤であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置13の表示領域131に表示されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1では、大当り遊技終了後に、通常状態、あるいは大当り確率が通常状態よりも高くなる確率変動状態に移行する。確率変動状態では、普通図柄抽籤の当籤確率が高確率状態となるため、普通電動役物としての羽根部材48のサポートによって第2始動口35への入賞が容易となる。この状態は、「電サポ」と呼ばれる状態であり、特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなるとともに、第2始動口35への入賞により遊技球の目減りを抑制することができる。「電サポ」状態は、次に大当りに当籤するまで継続するため、遊技者は短時間で、しかも遊技球の減少が抑制された状態で大当りに当籤することが可能となる。
一方、大当り遊技終了後に大当り確率が通常状態とされる場合にも、「電サポ」状態に移行する。この場合の「電サポ」状態は、所定回数分(例えば100回分)の大当り抽籤の結果を、第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53において表示するまで継続する。このような有限回数の「電サポ」状態は、「時短状態」と呼ばれている。
第1保留表示部37および第2保留表示部38は、後述する第1特別図柄表示部52または第2特別図柄表示部53が変動表示しているときに、第1始動口スイッチ340または第2始動口スイッチ350によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部52または第2特別図柄表示部53において変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口34または第2始動口35への遊技球の入球に基づく第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。変動表示していた第1特別図柄または第2特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始される。
ここで、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の優先順位は、本実施の形態では
、第2特別図柄のほうが第1特別図柄よりも高くされているが、第1始動口34および第2始動口35への入賞順にしたがって、対応する第1特別図柄および第2特別図柄を順次変動表示させるようにしてもよい。
また、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施の形態において、メインCPU60は、第1始動口34および第2始動口35への入球による第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ最大で4個としている。
第1特別図柄に対する第1特別図柄ゲームが4回分保留されている場合には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、後述するメインRAM62(図6参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶される。
保留されている4回分の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として記憶される。
第2特別図柄ゲームについても同様に、4回分保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する第2特別図柄ゲームの情報が、後述するメインRAM62(図6参照)の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回分の第2特別図柄ゲームの情報が、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として記憶される。
したがって、第1始動口34および第2始動口35への入賞保留数は、合計で最大8個となる。
第1大入賞口39および第2大入賞口40は、遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態(大当り遊技状態または小当り遊技状態)のときに開放される部分である。第1大入賞口39は、第1始動口34の右側(もしくは、右側上部または右側下部)に設けられており、第2大入賞口40は、第1始動口34の下側に設けられている。
第1大入賞口39には、第1カウントスイッチ391が設けられている。第1カウントスイッチ391は、第1大入賞口39への遊技球の入賞数をカウントするためのものであり、遊技球の入賞が確認されると、予め設定されている数の遊技球が払出口113または払出口114を介して上皿111または下皿112に払い出される。
第2大入賞口40には、第2カウントスイッチ392が設けられている。第2カウントスイッチ392は、第2大入賞口40への遊技球の入賞数をカウントするためのものであり、遊技球の入賞が確認されると、予め設定されている数の遊技球が払出口113または払出口114を介して上皿111または下皿112に払い出される。
第1シャッタ41は、第1大入賞口39を開放状態あるいは閉鎖状態に制御するものであり、第1大入賞口39を覆うように配置されている。すなわち、第1シャッタ41は、第1大入賞口39に遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態とに変化するように駆動される。第1シャッタ41による第1大入賞口39の開放駆動は、後述する第1特別図柄表示部52または第2特別図柄表示部53において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行された場合に行われる。
第2シャッタ42は、第2大入賞口40を開放状態あるいは閉鎖状態に制御するものであり、第2大入賞口40を覆うように配置されている。すなわち、第2シャッタ42は、
第2大入賞口40に遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態とに変化するように駆動される。第2シャッタ42による第2大入賞口40の開放駆動は、後述する第1特別図柄表示部52または第2特別図柄表示部53において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行された場合に行われる。
ここで、大当り遊技状態は、通常状態よりも遊技球を獲得できる状態(出玉あり大当り遊技状態)と、実質的に遊技球を獲得できない状態(出玉なし大当り遊技状態)とも含まれる。本実施の形態では、出玉なし大当り遊技状態の終了後は、大当り当籤確率が通常状態よりも高い確率変動状態に移行する。このような出玉なし大当り遊技状態の終了後に移行する確率変動遊技状態を、突然確率変動という。この突然確率変動は、「突然確変」あるいは「突確」とも呼ばれる。
一方、小当り遊技状態は、第1シャッタ41または第2シャッタ42のいずれか一方を開放するものの、開放された第1シャッタ41または第2シャッタ42の開閉速度が速く、実質的に遊技球を獲得できない状態である。この小当り遊技状態における第1シャッタ41および第2シャッタ42の開閉態様は、出玉なし大当り遊技状態における第1シャッタ41および第2シャッタ42の開放状態と同一または類似しており、第1シャッタ41および第2シャッタ42の開放態様を確認しただけでは、どちらの当り(遊技状態)が成立したか区別するのは困難である。
第1シャッタ41による第1大入賞口39の開放状態は、第1カウントスイッチ391によるカウント値(遊技球の通過数)が所定個数(例えば7個)となるか、あるいは開放時間が所定時間(例えば約25秒または0.1秒)を経過するまで維持される。一方、遊技球の通過数が所定個数となった場合、または第1シャッタ41の開放時間が所定時間となった場合には、第1シャッタ41は第1大入賞口39を閉鎖するように駆動される。
第2シャッタ42による第2大入賞口40の開放状態は、第2カウントスイッチ392によるカウント値(遊技球の通過数)が所定個数(例えば7個)となるか、あるいは開放時間が所定時間(例えば約25秒または0.1秒)を経過するまで維持される。一方、遊技球の通過数が所定個数となった場合、または第2シャッタ42の開放時間が所定時間となった場合には、第2シャッタ42は第2大入賞口40を閉鎖するように駆動される。
大当り遊技状態では、第1大入賞口39または第2大入賞口40のいずれか一方において開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。本実施の形態での大当り遊技状態は、第1大入賞口39および第2大入賞口40の開放状態が15回または2回に設定されている。大当り遊技状態において、第1大入賞口39または第2大入賞口40の何れか一方が開放状態とされている遊技状態は「ラウンドゲーム」といい、第1大入賞口39または第2大入賞口40が開放状態から閉鎖状態にされてから次に第1大入賞口39または第2大入賞口40が開放状態とされるまでの第1大入賞口39および第2大入賞口40の閉鎖状態を「ラウンド間ゲーム」あるいは「インターバル」という。
ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド(1R)、2回目を第2ラウンド(2R)と呼称する場合がある。本実施の形態では、大当り遊技状態での第1大入賞口39の開放回数は15回または2回であるが、開放回数が15回の大当りを「15R大当り」、開放回数が2回の大当りを「2R大当り」と呼ぶこともできる。
「15R大当り」は、各ラウンドにおける第1大入賞口39または第2大入賞口40のいずれか一方の最大開放時間が比較的長い時間、例えば約25秒に設定されている。その
ため、「15R大当り」となった場合には、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。
一方、「2R大当り」は、各ラウンドにおける第1大入賞口39または第2大入賞口40のいずれか一方の開放時間が15R大当りよりも短い時間、例えば0.1秒程度に設定され、実質的に遊技球の獲得が困難とされている。すなわち、「2R大当り」は、「15R大当り」に比べて、第1大入賞口39または第2大入賞口40の最大合計開放時間が短く設定されている。この場合、第1シャッタ41による第1大入賞口39の開閉制御または第2シャッタ42による第2大入賞口40の開閉制御を小当り状態と同一または類似とし、遊技者に「2R大当り」と「小当り」の区別が困難となるようにしてもよい。
また、「2R大当り」は、各ラウンドにおける第1大入賞口39または第2大入賞口40の開放時間を「15R大当り」と同程度の時間に設定し、第1大入賞口39または第2大入賞口40の開放状態での遊技球の入賞を容易として一定数の遊技球を獲得可能なように構成してもよい。また、「2R大当り」として、一定数の遊技球が獲得できる「第1の2R大当り」と遊技球を実質的に獲得できない「第2の2R大当り」とを併用してもよい。
なお、第1大入賞口39または第2大入賞口40の開放回数は「15R大当り(第1の15R大当り)」と同じであるが、第1大入賞口39または第2大入賞口40の開放時間が短くて実質的に遊技球を獲得できない「15R大当り(第2の15R大当り)」を設けるとともに、「第2の15R大当り」における第1大入賞口39または第2大入賞口40の開放制御と同一または類似する「小当り」を設け、「第2の15R大当り」および「小当り」のいずれが成立したかが第1大入賞口39または第2大入賞口40の開放態様からでは判別困難または判別不可能としてもよい。また、「第2の15R大当り」後は、「第2の15R大当り」前の遊技状態に関わらず、確変状態に移行してもよいし、通常状態に移行してもよい。
第1一般入賞口43および第2一般入賞口44は、遊技球の入賞を条件に規定個数の遊技球を払い出させる役物である。これらの第1一般入賞口43および第2一般入賞口44は、装飾部材を配置することにより遊技盤14の左下部および右下部にそれぞれ1個ずつ形成されている。第1一般入賞口43および第2一般入賞口44に遊技球が入賞したときには、予め設定されている数の遊技球が払出口113または払出口114を介して上皿111または下皿112に払い出される。
また、図4に示すように、上述した第1始動口34、第2始動口35、第1大入賞口39、第2大入賞口40、第1一般入賞口43および第2一般入賞口44の後方には、それぞれ、第1始動口スイッチ340、第2始動口スイッチ350、第1カウントスイッチ391、第2カウンタスイッチ392、第1一般入賞口スイッチ430および第2一般入賞口スイッチ440が配設され、通過ゲート36の内部には通過ゲートスイッチ360が配設され、それぞれの入球または通過が検出される。また、第1シャッタ41、第2シャッタ42および羽根部材48の後方には、それぞれ、第1大入賞口ソレノイド410、第2大入賞口ソレノイド420および普通電動役物ソレノイド460が配設され、それぞれの可動部材の駆動が行われる。
図5に示したように、LEDユニット5は、普通図柄表示部50、普通図柄用保留表示部51、第1特別図柄表示部52、第2特別図柄表示部53、第1特別図柄用保留表示部54、および第2特別図柄用保留表示部55を有している。
普通図柄表示部50は、普通電動役物(羽根部材48(図3および図4参照))を駆動
して第2始動口35を開放するか否かを決定する「普通図柄ゲーム」に対する抽籤結果を表示するものであり、2つのLEDランプ501、502を含んでいる。LEDランプ501、502は、交互に点灯・消灯を繰り返すことによって普通図柄として変動表示された後、停止表示される。羽根部材48(図3および図4参照)は、普通図柄表示部50におけるLEDランプ501、502の点灯・消灯の組み合わせが所定の態様となったときに、羽根部材48(図3および図4参照)を所定のパターンで開閉駆動して、第2始動口35の入球困難性の選択を行う。
普通図柄用保留表示部51は、2つのLEDランプ511、512の点灯・消灯または点滅によって保留されている普通図柄の変動表示の実行可能回数を表示するものである。LEDランプ511、512による保留表示は、例えば保留数が「1」の場合にはLEDランプ511が点灯し、LEDランプ512が消灯する。保留数が「2」の場合にはLEDランプ511およびLEDランプ512がともに点灯し、保留数が「3」の場合にはLEDランプ511が点滅、LEDランプ512が点灯し、保留数が「4」の場合にはLEDランプ511およびLEDランプ512がともに点滅する。
第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53は、「特別図柄ゲーム」に対する大当り抽籤の結果を示すものであり、それぞれ8個のLEDランプ520、530を含んでいる。第1特別図柄表示部52は、第1始動口34への始動入賞を契機として変動表示を行うとともに、第1始動口34への入賞に基づく大当り抽籤結果を表示するものである。
第2特別図柄表示部53は、第2始動口35への始動入賞を契機として変動表示を行うとともに、第2始動口35への入賞に基づく大当り抽籤結果を表示するものである。第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53の変動表示は、各LEDランプ520、530が個別に点灯・消灯を繰り返すことにより行われる。
大当り抽籤の結果は、第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53の8つのLEDランプ520、530の点灯・消灯によって形成される表示パターン(特別図柄)によって表示される。
例えば、第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53のいずれか一方において、8つのLEDランプ520、530のすべてが点灯した場合に「15R確変大当り」、8つのLEDランプ520、530のうちの上部3つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「15R通常大当り」、8つのLEDランプ520、530のうちの下部3つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「突然確変大当り」、8つのLEDランプ520、530のうちの中部2つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「小当り」、8つのLEDランプ520、530のうちの最上部1つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「ハズレ」の表示パターンとすることができる。
第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53は、大当り抽籤結果を表示するものであるため、遊技者は8つのLEDランプ520、530の表示パターンによって突然確変(例えば下部3つのランプが点灯)と小当り(中部2つのランプが点灯)とを判別することができる。
なお、当籤した大当りのラウンド数が分かるラウンドランプを設け、「15R大当り」が発生した場合には、15Rランプが点灯し、「2R大当り」が発生した場合には、2Rランプが点灯することで、どのラウンドの大当り抽籤に当籤したか分かるようにしてもよい。
大当り抽籤に当籤した場合には、特別図柄が特定の停止表示態様に停止表示された後、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行させられる。
当り遊技状態となった場合には、上述のように第1シャッタ41および第2シャッタ42(図3参照)が駆動制御され、第1大入賞口39および第2大入賞口40(図3参照)が開放状態とされて遊技球の受け入れが可能な状態となる。一方、大当り抽籤または小当り抽籤に当籤しなかった場合には、特別図柄として、ハズレ図柄が停止表示されて遊技状態が維持される。また、小当りに当籤した場合には、小当りに対応する表示パターンに特別図柄が停止表示され、所定のパターンで第1シャッタ41および第2シャッタ42が駆動される。
液晶表示装置13の表示領域131では、第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53で表示される特別図柄の変動表示中において、メインCPU60は、特定の場合を除いて、液晶表示装置13の表示領域131において、数字からなる識別図柄(装飾図柄)、例えば、「0」、「1」、「2」・・・「9」のような数字が3列変動表示される。
一方、第1特別図柄表示部52(図5参照)および第2特別図柄表示部53(図5参照)において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置13の表示領域131でも装飾図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53において、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、「当り」であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置13の表示領域131において表示される。
具体的には、第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53のいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な「大当り」に対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置13の表示領域131において表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄がすべて揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置13の表示領域131において表示される。
なお、出球を得ることが困難な「当り(小当り)」の場合は、「当り」であることを遊技者に把握させる演出画像を、液晶表示装置13の表示領域131において表示しなくてもよい。
第1特別図柄用保留表示部54のLEDランプ541、542および第2特別図柄用保留表示部55のLEDランプ551、552は、点灯・消灯または点滅によって保留されている特別図柄の変動表示の実行可能回数(保留個数)を表示するものである。
第1特別図柄用保留表示部54のLEDランプ541、542および第2特別図柄用保留表示部55のLEDランプ551、552は、それぞれ第1保留表示部37および第2保留表示部38に対応しており、第1特別図柄用保留表示部54のLEDランプ541、542および第2特別図柄用保留表示部55のLEDランプ551、552での保留個数の表示態様は、普通図柄用保留表示部51のLEDランプ511、512による保留個数の表示態様と同一である。
木枠18は、ベースドア15がはめ込まれる開口181を有している。
[遊技機の電気的構成]
次に、図6を用いて、このパチンコ遊技機1の制御回路について説明する。
図6に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技の制御を行う主制御手段としての主制御回路6と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御手段としての副制御回路7とを備えている。
主制御回路6は、メインCPU60と、読出し専用メモリであるメインROM61と、読書き可能メモリであるメインRAM62と、初期リセット回路63と、I/Oポート64と、コマンド送信手段としてのコマンド出カポート65と、バックアップコンデンサ66とを備えているとともに、各種のデバイス(機器やスイッチ等)と接続されている。
メインCPU60は、メインROM61およびメインRAM62と接続されており、メインROM61に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1において、メインCPU60は、入賞判定手段と、入賞無効状態制御手段と、入賞情報消去手段と、遊技制御手段とを構成する。
メインROM61は、図12〜図25に示す処理をメインCPU60に実行させるためのプログラムのようなメインCPU60によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラムや、各種テーブルを記憶している。
メインRAM62は、メインCPU60の一時記憶領域として、種々のデータ(フラグおよび変数の値等)を記憶する機能を有する。メインCPU60の一時記憶領域としては、メインRAM62に代えて、他の読み書き可能な記憶媒体を用いることもできる。
初期リセット回路63は、電源投入時においてリセット信号を生成するものであり、メインCPU60に接続されている。
I/Oポート64は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU60に、メインCPU60からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出カポート65は、メインCPU60からの各種コマンドを副制御回路7に送信するものである。
バックアップコンデンサ66は、電断時において、メインRAM62に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM62に記憶されている種々のデータを保持するためのものである。
主制御回路6に接続される各種のデバイスとしては、LEDユニット5と、第1大入賞口ソレノイド410と、第2大入賞口ソレノイド420と、電動役物ソレノイド460と、外部端子板80とが含まれる。
図5に示したように、LEDユニット5は、上述のように普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示部50、普通図柄用保留表示部51、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示部52および第2特別図柄表示部53、第1特別図柄用保留表示部54、および第2特別図柄用保留表示部55を含んでいる。
第1大入賞口ソレノイド410は、シャッタ41を駆動させて第1大入賞口39を開放
状態または閉鎖状態とするものである。
第2大入賞口ソレノイド420は、シャッタ42を駆動させて第2大入賞口40を開放状態または閉鎖状態とするものである。
電動役物ソレノイド460は、普通電動役物としての羽根部材48を駆動させて第2始動口35を開放状態または閉鎖状態とするものである。
外部端子板80は、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置、あるいはホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ90等の外部機器との間でデータ通信するためのものである。
主制御回路6に接続される各種のスイッチとしては、第1始動口スイッチ340と、第2始動口スイッチ350と、通過ゲートスイッチ360と、第1カウントスイッチ391と、第2カウンタスイッチ392と、第1一般入賞口スイッチ430と、第2一般入賞口スイッチ440と、バックアップクリアスイッチ81とが含まれる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、第1始動口スイッチ340と、第2始動口スイッチ350と、通過ゲートスイッチ360と、第1カウントスイッチ391と、第2カウンタスイッチ392と、第1一般入賞口スイッチ430と、第2一般入賞口スイッチ440とが入賞検知手段を構成する。
第1始動口スイッチ340および第2始動口スイッチ350は、第1始動口34および第2始動口35に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
通過ゲートスイッチ360は、通過ゲート36を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
第1カウントスイッチ391は、第1大入賞口39の所定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
第2カウントスイッチ392は、第2大入賞口40の所定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
第1一般入賞口スイッチ430および第2一般入賞口スイッチ440は、それぞれ第1一般入賞口43および第2一般入賞口44を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。
主制御回路6は、主制御回路6から払出・発射制御回路82に賞球制御コマンドを送信する。払出・発射制御回路82は、払出装置83および発射装置12を制御するものであり、払出装置83、発射装置12およびカードユニット84が接続されている。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、払出・発射制御回路82と、払出装置83とが利益付与手段を構成する。
カードユニット84は、遊技者の操作によって、カードユニット84に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル85との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路82は、主制御回路6から供給される賞球制御コマンドと、カードユニット84から供給される貸し球制御信号とを受け取り、払出装置83に対して所定の
信号を送信することにより、払出装置83に遊技球を払い出させる。
払出・発射制御回路82は、発射装置12の発射ハンドル122が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作された場合に、その回動角度に応じて発射ソレノイド(不図示)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
バックアップクリアスイッチ81は、電断時等における主制御回路6および払出・発射制御回路82のバックアップデータを、遊技場の管理者の操作に応じてクリアするものである。
メインCPU60は、後述するメイン処理の実行中であっても、メイン処理を中断し割込処理としてのタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理は、所定時間(例えば、2ms)毎に発生する割込条件を契機として実行され、入賞検知手段を構成する各要素および入賞を検知したか否かを判定する入賞判定処理と、電波センサ500が電波を検知したか否かを判定する電波検知処理が行われる処理である。
副制御回路7は、コマンド出力ポート65およびコマンド受信手段としてのコマンド入力ポート70を介して主制御回路6に接続されており、主制御回路6からコマンドが供給されるように構成されている。
副制御回路7は、主制御回路6から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御を行うものであり、サブCPU71と、プログラムROM72と、ワークRAM73と、表示制御回路74と、音声制御回路75と、ランプ制御回路76と、バックアップコンデンサ77とを備えている。
サブCPU71は、図26〜図31に示すような、プログラムROM72に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU71は、主制御回路6から供給される各種のコマンドにしたがって、副制御回路7の制御を行う。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1において、サブCPU71は、演出制御手段と、報知制御手段と、不正報知制御手段とを構成する。
プログラムROM72は、サブCPU71によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルを記憶している。
ワークRAM73は、サブCPU71の一時記憶領域として種々のデータ(フラグや変数の値等)を記憶するものである。
表示制御回路74は、サブCPU71から供給されるデータに応じて、液晶表示装置(LCD)13における表示制御を行うためのものであり、例えば画像データプロセッサ(VDP)と、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROMと、画像データをバッファするフレームバッファと、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータとから構成されている。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。
表示制御回路74は、サブCPU71から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置13に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データ、各種不正報知画像データ等が含まれる。
また、表示制御回路74は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像
データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングで、この画像信号を液晶表示装置13に供給する。液晶表示装置13では、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて画像が表示される。
音声制御回路75は、スピーカ21から発生させる音声に関する制御を行うためのものであり、例えば音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。
音源ICは、スピーカ21から発生させる音声の制御を行うものであり、サブCPU71から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択することができる。
また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給することもできる。
AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ21から音声を発生させる。
ランプ制御回路76は、装飾ランプ等を含むランプ・LED22の制御を行うためのものであり、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
バックアップコンデンサ77は、電断時において、ワークRAM73に対して速やかに電源を供給することにより、ワークRAM73に記憶されている種々のデータを保持するためのものである。
副制御回路7は、さらに、遊技者が押下操作可能な演出ボタン20の押下操作を検出する押下操作ボタンスイッチ20aを備える。
副制御回路7は、押下操作ボタンスイッチ20aからの出力に基づいて、例えば表示制御回路74、音声制御回路75、およびランプ制御回路76を制御してチャンス演出を行う。
[入球・入賞検知カウンタ]
図7(a)〜(c)は、入賞検知手段を構成する各要素の入球検知カウンタの未使用領域と、使用領域と、入賞情報記憶手段としての入賞検知カウンタの入賞記憶領域とを示している。
入球検知カウンタは、それぞれ4bitの未使用領域と使用領域とを有しており、タイマ割込処理が行われる毎に古い入球検知情報が左にシフトされる。また、入球検知カウンタは、タイマ割込処理によって入賞検知手段を構成する各要素が入球を検知した場合に、カウンタの値を「1」にすることで「HIGH」を記憶し、タイマ割込処理によって入賞検知手段を構成する各要素が入球を検知しない場合に、カウンタの値を「0」にすることで「LOW」を記憶する。
図7(b)は、入賞検知手段を構成する各要素のうち、第1一般入賞口43に対応した入球検知カウンタを示している。図7(b)に示すように、メインCPU60は、第1一般入賞口43に対応した入球検知カウンタの使用領域が「0011」(LOW、LOW、HIGH、HIGH)となった場合に、対応する第1一般入賞口スイッチ430において入賞があったと検知し、入賞検知カウンタの対応するbitを1(ON)にする。
これにより、メインCPU60は、チャタリング等により1回だけ入球が検知された場
合に入賞と判定してしまう誤作動を防止することができる。
図7(c)に示すように、入賞検知カウンタは、入賞記憶領域に入賞検知手段を構成する各要素の入賞情報をそれぞれ記憶している。入賞検知カウンタは、入賞と判定された場合に対応するbitを1と記憶し、入賞と判定されない場合に対応するbitを0と記憶している。
また、入賞検知カウンタは、電波ゴト等の不正があった場合において、入賞検知手段を構成する各要素に対応するbitをすべて0にする入賞情報消去処理としての0クリアを実行する。
[電波ゴト発生時のタイムチャート]
図8〜図10は、電波センサ500によって電波ゴトが検知された場合の処理を説明するものである。なお、以下の記載において、タイマ割込処理は、2ms(ミリ秒)毎に実行される。
図8に示すように、電波センサ500は、タイマ割込処理において電波を検知したと判定された場合にON状態になり、電波を検知していないと判定された場合にOFF状態になる。
そして、メインCPU60は、電波センサ500のON状態が、所定期間Wが経過するまで続くと、次のタイマ割込処理において電波センサ500が電波を検知したと判定された場合に、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定し、入賞無効処理を実行する。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、所定期間Wを4msとしている。これは、タイマ割込処理において最初に電波を検知した時点を0msとし、その後2回のタイマ割込処理において電波が検知された場合に電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定するためである。また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60が電波センサ500によって電波を検知したと判定することを、電波検知判定処理としている。
つまり、メインCPU60は、タイマ割込処理において2回連続で電波センサ500が電波を検知したと判定され、3回目のタイマ割込処理において電波センサ500が電波を検知したと判定されると、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定し、入賞無効処理を実行するようにしている。なお、所定期間Wが4msであるということは例示であり、本発明は、これに限定されるものではない。
したがって、メインCPU60は、電波センサ500が1回または2回連続で電波を検知したものの3回目に電波を検知しなければ、電波ゴトは行われていないと判定する。これにより、メインCPU60は、チャタリング等により単発的に電波が発生した場合に、電波ゴトが発生したと誤作動することを防止することができる。
ここで、メインCPU60は、後述するタイマ割込処理における電波検知処理(図18参照)において、3回目のタイマ割込処理において電波センサ500が電波を検知したと判定した場合に、電波検知コマンドをオンにする。
入賞無効処理において、メインCPU60は、電波センサ500による電波ゴトの検知がOFF状態になったと判定された時点を起点とする所定期間Xを設定する。そして、メインCPU60は、電波ゴトの検知(3回目の電波検知)から電波ゴトの検知がOFF(電波センサ500がOFF)となるまでの期間に、前述の所定期間Xを加えた期間が経過するまですべての入賞検知手段による入賞を無効とする全入賞無効期間を設定する。なお
、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、所定期間Xを10s(秒)としている。また、所定期間Xが10sであることは例示であり、本発明は、これに限定されるものではない。
ここで、メインCPU60は、後述するタイマ割込処理における入賞検知処理(図17参照)において、入賞を検知した入球検知カウンタがあると判定した場合に、図8における第1一般入賞口に示すようなON状態になる。
したがって、メインCPU60は、図8において枠で囲まれているON状態が、全入賞無効期間中に発生していることからすべて無効とする。
ここで、一般に、不正判定処理の判定に関わらず、検知センサによる入賞検知は有効にし、不正判定処理において不正行為が行われたと判定された場合に、検知センサの入賞検知に基づいた賞球の払出処理を行わないようにするパチンコ遊技機の場合、当該パチンコ遊技機は、不正行為を検知した際に有効とされた入賞検知に基づいて、特別図柄表示装置が作動してしまう構成となっている。
特別図柄表示装置が作動するということは、遊技者に有利な大当り遊技状態への移行抽籤を行っているということと同義であるため、不正行為者に対して、賞球という形では利益を与えていないものの、大当り遊技状態への移行抽籤を行うという形で利益を与えてしまうという問題があった。
そこで、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、不正行為者に対していかなる利益も与えないパチンコ遊技機となるよう、メインCPU60が、全入賞無効期間である場合に、入賞無効処理によって入賞検知カウンタの入賞記憶領域に保存されている入賞情報をすべて0クリアするよう構成されている。
これにより、メインCPU60は、電波ゴトを検知したことを条件に入賞情報を消去するため、電波ゴトによって記憶された入賞情報に基づいた所定の利益も無効にし、不正行為者に所定の利益を与えないようにできる。
また、メインCPU60は、全入賞無効期間中に入賞検知手段を構成する各要素が入賞を検知し、入球検知カウンタの使用領域が「0011」になった場合に、対応する入賞検知カウンタの値が1に更新されると速やかに入賞検知カウンタの値を0クリアするだけで電波ゴトによって記憶された入賞情報に基づいた利益を無効にするため、極めて少ないプログラムの容量で不正行為者への不正対策処理を実行することができるとともに、遊技を進行する他の処理に一切の負担をかけずに電波ゴトについての不正対策処理を実行することができる。
メインCPU60は、入賞無効期間中に行われるタイマ割込処理によって、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定された場合には、新たに検知された電波ゴトが終了した時点を起点として、再度全入賞無効期間を設定する。
メインCPU60は、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定すると、電波検知コマンドをコマンド出力ポート65を介してコマンド入力ポート70に送信する。また、メインCPU60は、電波検知コマンドを送信したことを契機として、I/Oポート64を介してセキュリティ信号を出力し、出力されたセキュリティ信号は外部端子板80を介してホールコンピュータ90に出力される。
メインCPU60は、最低出力期間Yが経過するまでセキュリティ信号をホールコンピュータ90に出力する。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、最低出力期間Yを6
0sとしている。また、最低出力期間Yが60sであることは例示であり、本発明は、これに限定されるものではない。
また、メインCPU60がホールコンピュータ90にセキュリティ信号を出力している状態で再度電波検知コマンドを送信した場合、メインCPU60は、再度電波検知コマンドを送信した時点を起点として60s経過するまでホールコンピュータ90にセキュリティ信号を出力するよう最低出力期間を更新する。
サブCPU71は、コマンド入力ポート70が電波検知コマンドを受信すると、不正報知制御手段を構成する各要素による不正の報知を開始する。これにより、パチンコ遊技機1は、不正行為が行われたことをパチンコ遊技機1の外部に報知することができる。
[電断発生時のタイムチャート]
図9は、全入賞無効期間中に、パチンコ遊技機1の電源がOFFになる電断が発生した場合のメインCPU60、サブCPU71および外部端子板80の動作を説明する図である。
図9に示すように、全入賞無効期間が10s経過していないZms経過時点で電断が発生した場合、メインCPU60は、全入賞無効期間を解除した状態で電断から復帰する。
サブCPU71は、電断が発生することにより不正報知制御手段を構成する各要素による不正報知を終了する。パチンコ遊技機1の電源をOFFにするだけで不正報知をOFFすることができるため、パチンコ遊技機1は、電波の誤検知により不正報知が実行された場合に、データを初期化し遊技者に有利な状態(例えば、大当り遊技状態や確変遊技状態)をクリアすることなく、不正報知を解除することができる。
メインCPU60は、最低出力期間がYms(60s)経過していないZms経過時点で電断が発生した場合、電断から復帰した後にYms(60s)からZmsを引いた時間セキュリティ信号をホールコンピュータ90に送信する。これにより、遊技場側は、不正が行われた直後にパチンコ遊技機1に電断が発生した場合であっても、電断から復帰した後に不正が行われたことを容易に把握することができる。
[副制御回路のリセット時におけるタイムチャート]
図10は、副制御回路7のみリセットされ、副制御回路7の電源のみがOFFになった場合、リセットから復帰後に再度不正報知を行わないようになっていることを説明する図である。なお、メインCPU60および外部端子板80の動作は、図8に示した動作と同一のため、説明を割愛する。
最近のパチンコ遊技機は、副制御回路において多種多様な演出を行うため、演出データの容量や演出を行うための処理が増大しており、暴走や静電気等により、副制御回路のみがリセットされることがある。
図10に示すように、本実施の形態のサブCPU71は、副制御回路7のみリセットされると、副制御回路7のみ瞬間的に電源OFF状態となる。瞬間的な電源OFFが発生した際には、バックアップコンデンサ77から供給される電源によりワークRAM73に記憶されたデータが電源ON状態となるまで保持されることとなる。副制御回路7は、リセット発生後、電源OFF状態から電源ON状態に復帰した時に、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常でないと判定した場合(バックアップが取れていない場合)には、リセット発生前に不正報知を実行したとしても再度不正報知を行わないようになっている。なお、本タイムチャートでは示し
ていないが、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であると判定した場合(バックアップが取れている場合)でも再度不正報知を行わないようになっている。
ここで、主制御回路において不正と判定して副制御回路に電波検知コマンドを送信した後、所定期間が経過するまで不正報知を行わないことで、不正報知を行いつつも、主制御回路の制御負担を軽減するパチンコ遊技機において、電源がOFFされることを契機として不正報知を終了させるよう構成すると、静電気によって瞬間的に電源OFFになってしまう現象である、いわゆる「瞬断」が主制御回路側では発生せずに、副制御回路側のみ発生した場合、主制御回路では不正判定処理を行わない状況、かつ、副制御回路では不正報知の制御を行わない状況が発生してしまう。この間に不正行為が実行されると、このようなパチンコ遊技機では、主制御回路で不正判定処理が行われず、電波検知コマンドが副制御回路に送信されないことになる。
そのため、このようなパチンコ遊技機では、電波検知コマンドが副制御回路に送信されないことにより、不正報知が行われないため、途中で終了してしまった不正報知を前記所定の期間の間は復帰できないという問題があった。
そこで、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、電源がOFFになることで不正報知が終了しても、その後不正を検知した場合には速やかに不正報知を復帰することを可能にすべく、図8、図10に示すように、副制御回路7の電源がOFFになりサブCPU71による不正報知が終了した場合であっても、メインCPU60が電波ゴトを検知するとコマンド出力ポート65からコマンド入力ポート70に向けて電波検知コマンドを送信し、コマンド入力ポート70によって電波検知コマンドを受信したサブCPU71が、再度不正報知を開始するよう構成されている。
これにより、パチンコ遊技機1は、不正遊技者が電波ゴトを行った後に瞬断ゴトを行い、パチンコ遊技機1の不正報知が終了した場合であっても、再度、電波ゴトが行われた場合には、サブCPU71による不正報知を復帰させることが可能になるため、速やかに不正報知を復帰することができる。なお、上記不正報知は、「所定の不正報知」や「所定の報知」に該当する。
[メイン処理]
次に、図11、図12を用いて、メインCPU60において実行されるメイン処理について以下に説明をする。
ステップS10において、メインCPU60は、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移す。
ステップS11において、メインCPU60は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS12に処理を移す。
ステップS12において、メインCPU60は、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電断検知信号がHIGH(高レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がLOWでない場合には電断検知状態であると判定してステップS12に処理を移し、電断検知信号がLOWである場合には電断検知状態でないと判定してステップS13に処理を移す。
ステップS13において、メインCPU60は、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU60は、副制御回路7が信号を受け付けるようになる
まで待機する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS14に処理を移す。
ステップS14において、メインCPU60は、メインRAM62への書き込みを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、メインCPU60は、バックアップクリアスイッチ81(図6参照)がONであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、バックアップクリアスイッチ81(図6参照)がONであると判定した場合には、ステップS30(図12参照)に処理を移し、バックアップクリアスイッチ81がONでないと判定した場合には、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、メインCPU60は、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電断検知フラグがあると判定した場合には、ステップS17に処理を移し、電断検知フラグがあると判定しない場合には、ステップS30(図12参照)に処理を移す。
ステップS17において、メインCPU60は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS18に処理を移す。
ステップS18において、メインCPU60は、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、ステップS19に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値であると判定しない場合には、ステップS30(図12参照)に処理を移す。
ステップS19において、メインCPU60は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS20に処理を移す。
ステップS20において、メインCPU60は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS21に処理を移す。
ステップS21において、メインCPU60は、復電時の高確率遊技状態表示報知設定処理を行う。具体的に、メインCPU60は、特別図柄ゲームの大当り確率が高確率の遊技状態(いわゆる、確率変動状態)の場合に、次回の大当りが発生するまで、高確率状態であることを報知する表示が行われるようにする。この処理が終了した場合、ステップS22に処理を移す。なお、報知する表示は、電源投入後の最初の変動開始又は変動終了時に終了する構成としてもよい。
ステップS22において、メインCPU60は、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、副制御回路7に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS23に処理を移す。
ステップS23において、メインCPU60は、メインCPU60周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合には、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する(ステップS24)。
図12に示すように、ステップS30において、メインCPU60は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS31に処理
を移す。
ステップS31において、メインCPU60は、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS32に処理を移す。
ステップS32において、メインCPU60は、全作業領域クリア処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS33に処理を移す。
ステップS33において、メインCPU60は、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS34に処理を移す。
ステップS34において、メインCPU60は、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS35に処理を移す。
ステップS35において、メインCPU60は、メインCPU60は、メインRAM62の初期化時のコマンドを副制御回路7に送信する処理を行う。また、副制御回路7において、メインCPU60は、受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理が終了した場合、ステップS36に処理を移す。
ステップS36において、メインCPU60は、メインCPU60周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合、ステップS40に処理を移す。
ステップS40において、メインCPU60は、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU60は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS41に処理を移す。
ステップS41において、メインCPU60は、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS42に処理を移す。
ステップS42において、メインCPU60は、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU60は、割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS43に処理を移す。
ステップS43において、メインCPU60は、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS44に処理を移す。
ステップS44において、メインCPU60は、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上である場合には、ステップS45に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3以上でない場合には、ステップS40に処理を移す。
ステップS45において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS46に処理を移す。
ステップS46において、メインCPU60は、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、主制御回路6と副制御回路7との同期をとるための待ち時間
タイマ、大当りが発生した際に開放する第1大入賞口39および第2大入賞口40の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ、不正行為があったと検知された場合にメインCPU60から外部端子板80を介してホールコンピュータ90に出力されるセキュリティ信号の最低出力期間を計測するためのセキュリティ信号出力タイマ等、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47において、メインCPU60は、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU60は、特別図柄制御処理を行う。メインCPU60は、第1始動入賞口スイッチ340、第2始動入賞口スイッチ350からの検知信号に応じて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインROM61に記憶される当り判定テーブルを参照し、特別図柄抽籤(大当り又は小当り)に当籤したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM62に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS48に処理を移す。
ステップS48において、メインCPU60は、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU60は、通過ゲートスイッチ360からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM61に記憶される普通図柄当籤テーブルを参照し、普通図柄抽籤に当籤したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM62に記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽籤に当籤した場合、羽根部材48が突出状態となって、第2始動口35に遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、ステップS49に処理を移す。
ステップS49において、メインCPU60は、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ステップS47、ステップS48でメインRAM62に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、液晶表示装置を駆動するための制御信号をメインRAM62に記憶する処理を行う。メインCPU60は、制御信号を第1特別図柄表示装置52または第2特別図柄表示装置53に制御信号を送信する。第1特別図柄表示装置52または第2特別図柄表示装置53は、受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示および停止表示する。また、普通図柄表示部50は、受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示および停止表示する。この処理が終了した場合、ステップS50に処理を移す。
ステップS50において、メインCPU60は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU60は、台コンピュータまたはホールコンピュータに送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM62に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS51に処理を移す。
ステップS51においては図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU60は、後述するタイマ割込処理における特別図柄関連スイッチチェック処理および普通図柄関連スイッチチェック処理(図16、ステップS98、ステップS99)にて検出される第1始動入賞口スイッチ340、第2始動入賞口スイッチ350および通過ゲートスイッチ360からの検知信号や、特別図柄および普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM62に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、第1特別図柄保留表示部54、第2特別図柄保留表示部55および普通図柄保留表示部51を駆動するための制御信号をメインRAM62に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS52に処理を移す。
ステップS52において、メインCPU60は、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU60は、上記のステップなどでメインRAM62に記憶される制御信
号を各ポートより出力する処理を行う。具体的には、メインCPU60は、外部端子板80を介したホールコンピュータ90へのセキュリティ信号の出力およびLED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1シャッタ41または第2シャッタ42の開閉や羽根部材48の開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源の供給を行う。この処理が終了した場合、ステップS53に処理を移す。
ステップS53において、メインCPU60は、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60によるメイン処理のステップS41〜ステップS53における処理が遊技処理を構成する。
[電断時割込処理]
図13は、電断検知信号がH(高)からL(低)へ信号の立下ったことをメインCPU60が検知した際に実行される電断時割込処理について以下に説明する図である。
ステップS61において、メインCPU60は、レジスタ(AF)退避処理を行う。この処理において、メインCPU60は、レジスタを退避する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS62に処理を移す。
ステップS62において、メインCPU60は、電断検知信号がLであるか否かを判定する。電断検知信号がLである場合には、ステップS64に処理を移し、電断検知信号がLでない場合には、ステップS63に処理を移す。なお、この処理において、メインCPU60は、電断検知信号の状態を検知することによって、電断検知信号の立下りがチャタリングによるものか否か判定することが可能である。
ステップS63において、メインCPU60は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU60は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本処理の割込前の処理に復帰する。
ステップS64において、メインCPU60は、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU60は、レジスタを退避する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS65に処理を移す。
ステップS65において、メインCPU60は、割込状態を割込フラグに反映させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS66に処理を移す。
ステップS66において、メインCPU60は、スタックポインタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS67に処理を移す。
ステップS67において、メインCPU60は、作業領域損傷チェック用データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU60は、作業領域損傷チェック用データの生成処理を行い、電断復帰時において、生成された作業領域損傷チェック用データと電断復帰時のデータとが一致しているか否かを判定し、一致している場合にバックアップコンデンサ66から供給される電源により保持されたメインRAM62のデータが正常である(バックアップが取れている)と判定する。この処理が終了した場合、ステップS68に処理を移す。
ステップS68において、メインCPU60は、電断検知フラグをセットする処理を行
う。この処理が終了した場合、ステップS69に処理を移す。
ステップS69において、メインCPU60は、RAM書込み禁止処理を行う。この処理において、メインCPU60は、RAM書込みを禁止する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、図示はしないが、電断時割込処理において、バックアップコンデンサ66からの電源は、メインRAM62に供給されており、電源を供給されることによりメインRAM62に記憶されたデータが保持されることとなる。
[遊技情報データ生成処理]
図14は、メイン処理で行われる遊技情報データ生成処理(図12、ステップS50)の詳細について説明する図である。
ステップS71において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65から電波検知コマンドを送信した際にセットされる電波検知コマンド送信フラグがONであるか否かを判定し、電波検知コマンド送信フラグがONである場合には、ステップS72に処理を移し、電波検知コマンド送信フラグがONでない場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS72において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信フラグOFF処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ONになっている電波検知コマンド送信フラグをOFFにする。この処理が終了した場合、ステップS73に処理を移す。
ステップS73において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマに設定されているタイマの値をクリアする。この処理が終了した場合、ステップS74に処理を移す。
ステップS74において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマに最低出力期間Ymsをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号の出力時間である最低出力期間である60sをセキュリティ信号出力タイマにセットする。この処理が終了した場合、ステップS75に処理を移す。
ステップS75において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力データセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号を生成するとともに、セットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS78に処理を移す。
ステップS76において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマに記憶された値が0であるか否かを判定し、セキュリティ信号出力タイマに記憶された値が0である場合には、ステップS78に処理を移し、セキュリティ信号出力タイマに記憶された値が0でない場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力データセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セキュリティ信号を生成するとともに、セットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU60は、ステップS78に処理を移す。
ステップS78において、メインCPU60は、その他の遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU60は、遊技状態に応じて、大当り遊技状態である旨を示す大当り信号や、確変遊技状態であることを示す確変信号等の信号を生成し、セットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS75およびステップS77より、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマに記憶された値が0でない限り、セキュリティ信号出力データをセットするよう構成されている。これにより、メインCPU60は、セキュリティ信号出力タイマに値がセットされている期間が経過するまで、継続してセキュリティ信号を出力するようになる。
[ポート出力処理]
図15は、メイン処理で行われるポート出力処理(図12、ステップS52)の詳細について説明する図である。
ステップS81において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力データがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、後述するコマンド送信制御処理において電波検知コマンドが送信されることによりONになる電波検知コマンド送信フラグ(図23、ステップS213参照)がONである場合に、遊技情報データ生成処理においてセットされるセキュリティ信号出力データ(図14、ステップS75、ステップS77参照)がセットされているか否かを判定し、セキュリティ信号出力データがセットされている場合には、ステップS82に処理を移し、セキュリティ信号出力データがセットされていない場合には、ステップS83に処理に移す。
ステップS82において、メインCPU60は、セキュリティ信号出力処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セットされたセキュリティ信号出力データを出力する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS83に処理に移す。
ステップS83において、メインCPU60は、その他のポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU60は、遊技状態に応じて、大当り遊技状態である旨を示す大当り信号や、確変遊技状態であることを示す確変信号等の信号を出力する処理として、例えば、LED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1シャッタ41または第2シャッタ42の開閉や羽根部材48の開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源の供給を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[タイマ割込処理]
メインCPU60は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。このタイマ割込処理は、図示しないクロックパルス発生回路から所定の周期(例えば、2ms)毎に発生されるクロックパルスに応じて行う処理である。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60によるタイマ割込処理が割込処理を構成する。
図16を用いて、タイマ割込処理について以下に説明する。
ステップS91において、メインCPU60は、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU60は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS92に処理を移す。
ステップS92において、メインCPU60は、システムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイ
マは、所定の処理(特別図柄制御処理等)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理が終了した場合、ステップS93に処理を移す。
ステップS93において、メインCPU60は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットするとともに、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路63に送信する。初期リセット回路63は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を解放する。なお、初期リセット回路63に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路63に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100ms)が経過すると、初期リセット回路63からメインCPU60へシステムリセット信号が出力される。メインCPU60はこの初期リセット回路63からシステムリセット信号が入力されるとシステムリセット状態となる。この処理が終了した場合、ステップS94に処理を移す。
ステップS94において、メインCPU60は、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU60は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2ms毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、ステップS95に処理を移す。
ステップS95において、メインCPU60は、入賞検知処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する全要素に対し、それぞれが入賞を検知したか否かを判定する。なお、ステップS95の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS96に処理を移す。
ステップS96において、メインCPU60は、電波検知処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波を検知したか否かを判定する処理を行う。なお、ステップS96の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS97に処理を移す。
ステップS97において、メインCPU60は、入賞検知消去処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞情報消去処理を行う必要があると判定した場合に、入賞情報を消去する。なお、ステップS97の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS98に処理を移す。
ステップS98において、メインCPU60は、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1始動口34、第1大入賞口39および第2大入賞口40に係る処理を行う。なお、ステップS98の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS99に処理を移す。
ステップS99において、メインCPU60は、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2始動口35および通過ゲート36に係る処理を行う。なお、ステップS99の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS100に処理を移す。
ステップS100において、メインCPU60は、払出制御処理を行う。この処理にお
いて、メインCPU60は、第1大入賞口39、第2大入賞口40、第1始動口34、第2始動口35、第1一般入賞口43および第2一般入賞口44に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路82に送信する。なお、ステップS100の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS101に処理を移す。
ステップS101において、メインCPU60は、コマンド送信制御処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セットした各コマンドをコマンド出力ポート65により副制御回路7のコマンド入力ポート70に送信する。なお、ステップS101の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS102に処理を移す。
ステップS102において、メインCPU60は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU60は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[入賞検知処理]
図17は、タイマ割込処理で行われる入賞検知処理(図16、ステップS95)の詳細について説明する図である。
ステップS111において、メインCPU60は、各入賞領域に対する入球検知カウンタ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素の入賞スイッチの検知状況に応じて、入球検知カウンタの値を更新する。この処理が終了した場合、ステップS112に処理を移す。
ステップS112において、メインCPU60は、入賞を検知した入球検知カウンタがあるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素に対応した入球検知カウンタにおいて、入賞を検知、つまり入球検知カウンタの使用領域が「0011」(「LLHH」)となっているか否かを判定し、入球検知カウンタが入賞を検知した場合には、ステップS113に処理を移し、入球検知カウンタが入賞を検知していない場合には、本サブルーチンを終了する。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による入賞を検知した入球検知カウンタがあるか否かの判定処理(ステップS112)が入賞判定処理を構成する。
ステップS113において、メインCPU60は、対応する入賞検知カウンタに入賞データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入球検知カウンタの値が「0011」となった入賞検知手段を構成する要素に対応する入賞検知カウンタのbitを1(ON)にする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による対応する入賞検知カウンタに入賞データをセットする処理(ステップS113)が入賞情報記憶処理を構成する。
[電波検知処理]
図18は、タイマ割込処理で行われる電波検知処理(図16、ステップS96)の詳細について説明する図である。
ステップS121において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素のいずれにおいて入賞が検知された場合であっても無効となる全入賞無効状態であることを示す全入賞無効フラグがONであるか否かの判定を行い、全入賞無効フラグがONである場合には、ステップS122に処理を移し、全入賞無効フラグがONでない場合には、
ステップS126に処理を移す。
ステップS122において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値が0であるか否かを判定し、0である場合には、不正電波の検知が継続していることから、ステップS126に処理を移し、0でない場合には、全入賞無効期間中であることから、ステップS123に処理を移す。
ステップS123において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値を前回セットされた時点から経過した時間分減算するよう更新する。この処理が終了した場合、ステップS124に処理を移す。
ステップS124において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値が0であるか否かを判定し、0である場合には、全入賞無効期間が経過したことから、ステップS125に処理を移し、0でない場合には、全入賞無効期間中であることから、ステップS126に処理を移す。
ステップS125において、メインCPU60は、全入賞無効フラグOFF処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ステップS123で全入賞無効期間タイマ更新処理を行った結果、全入賞無効期間タイマにセットされた値が0になったことより、全入賞無効期間を終了させる。この処理が終了した場合、ステップS126に処理を移す。
ステップS126において、メインCPU60は、電波センサ500がONであるか否かを判定する。すなわち、電波センサ500が電波を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500がONであるか否かを判定し、ONである場合には、ステップS127に処理を移し、ONでない場合には、ステップS132に処理を移す。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による電波センサ500がONであるか否かの判定処理(ステップS126)が電波検知処理を構成する。
ステップS127において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値に1を追加する。この処理において、メインCPU60は、電波を検知した回数を保存する電波検知カウンタに検知した回数を1回追加する。この処理が終了した場合、ステップS128に処理を移す。
ステップS128において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が3であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波を3回連続で検知したか否かを判定し、電波センサ500が電波を3回連続で検知した場合には、ステップS129に処理を移し、電波センサ500が電波を3回連続で検知していない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS129において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波検知を継続している状態において全入賞無効期間タイマをセットしないようにすべく、全入賞無効期間タイマにセットされている値をクリアする。この処理が終了した場合、ステップS130に処理を移す。
ステップS130において、メインCPU60は、全入賞無効フラグON処理を行う。
この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグをONにし、入賞検知手段を構成する要素が入賞を検知した場合に、入賞を無効にするよう設定する。この処理が終了した場合、ステップS131に処理を移す。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による全入賞無効フラグON処理(ステップS130)が入賞無効処理を構成する。
ステップS131において、メインCPU60は、電波検知コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65からコマンド入力ポート70に向けて電波検知コマンド送信し、副制御回路7による不正報知を行うために、電波検知コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS132において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が3以上であるか否かを判定し、電波検知カウンタにセットされた値が3以上であると判定された場合には、電波ゴトが終了したことから、ステップS133に処理を移し、3以上ではないと判定された場合には、電波ゴトではなくチャタリング等により1回または2回連続で電波が検知されたか、もしくは電波が検知されていないことから、ステップS134に処理を移す。
ステップS133において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマに所定期間Xmsをセットする。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波を3回以上検知したことを受けて、電波ゴトが行われたと判定し、また電波センサ500がOFFになったことより(電波センサ500が電波を検知しなくなったことにより)、電波ゴトが終了したと判定し、全入賞無効期間として所定期間Xを全入賞無効期間タイマにセットする。この処理が終了した場合、ステップS134に処理を移す。
ステップS134において、メインCPU60は、電波検知カウンタクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値をクリアし、次回の電波検知処理に備える。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[入賞検知処理]
図19は、タイマ割込処理で行われる入賞検知処理(図16、ステップS97)の詳細について説明する図である。
ステップS141において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定し、全入賞無効フラグがONであると判定された場合には、ステップS142に処理を移し、全入賞無効フラグがONでないと判定された場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS142において、メインCPU60は、入賞検知カウンタクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、すべての入賞検知カウンタにセットされた値を0クリアすることで、全入賞無効状態である場合、入賞検知手段を構成する各要素が検知した入賞を無効にする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による入賞カウンタクリア処理(ステップS142)が入賞情報消去処理を構成する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図20は、タイマ割込処理で行われる特別図柄関連スイッチチェック処理(図16、ステップS98)の詳細について説明する図である。
ステップS151において、メインCPU60は、第1始動口34への始動入賞が検知されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1である場合には、ステップS152に処理を移し、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1でない場合には、ステップS158に処理を移す。
ステップS152において、メインCPU60は、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、ステップS158に処理を移し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS153に処理を移す。
ステップS153において、メインCPU60は、第1特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されている第1特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS154に処理を移す。
ステップS154において、メインCPU60は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU60は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、特別図柄抽籤)し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM62の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。
本実施形態において、メインCPU60は、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS155に処理を移す。このように、メインCPU60は、遊技球が始動領域を通過したことを条件に通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な第1の当り遊技状態、第1の当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な第2の当り遊技状態、第2の当り遊技状態と同等の遊技球を獲得可能な第3の当り遊技状態、に移行させるか否かの抽籤を行う当り抽籤手段の一例である。
ステップS155において、メインCPU60は、第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62の所定領域に第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS156に処理を移す。
ステップS156において、メインCPU60は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU60は、乱数抽籤に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、ステップS157に処理を移す。
ステップS157において、メインCPU60は、始動入賞コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。始動入賞コマンドは、主制御回路6のメインCPU60から
副制御回路7のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路7が、始動入賞があったことや当り抽籤結果の当否を認識するようになる。始動入賞コマンドのデータには、ステップS156の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、ステップS158に処理を移す。
ステップS158において、メインCPU60は、第1大入賞口39への始動入賞が検知されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1である場合には、ステップS159に処理を移し、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1でない場合には、ステップS160に処理を移す。
ステップS159において、メインCPU60は、第1大入賞口入賞カウンタに1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39を開放する場合に、上限入賞したか否かを判定する際に基準となる第1大入賞口カウンタの値に1を加算する。この処理が終了した場合、ステップS160に処理を移す。
ステップS160において、メインCPU60は、第2大入賞口40への始動入賞が検知されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1である場合には、ステップS161に処理を移し、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1でない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS161において、メインCPU60は、第2大入賞口入賞カウンタに1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2大入賞口40を開放する場合に、上限入賞したか否かを判定する際に基準となる第2大入賞口カウンタの値に1を加算する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄関連スイッチチェック処理]
図21は、タイマ割込処理で行われる普通図柄関連スイッチチェック処理(図16、ステップS99)の詳細について説明する図である。
ステップS171において、メインCPU60は、第2始動口35への始動入賞が検知されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1である場合には、ステップS172に処理を移し、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1でない場合には、ステップS178に処理を移す。
ステップS172において、メインCPU60は、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、ステップS178に処理を移し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS173に処理を移す。
ステップS173において、メインCPU60は、第2特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されて
いる第2特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS174に処理を移す。
ステップS174において、メインCPU60は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU60は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、特別図柄抽籤)し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM62の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。
本実施形態において、メインCPU60は、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS175に処理を移す。このように、メインCPU60は、遊技球が始動領域を通過したことを条件に通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な第2の当り遊技状態、第2の当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な第2の当り遊技状態、第2の当り遊技状態と同等の遊技球を獲得可能な第3の当り遊技状態、に移行させるか否かの抽籤を行う当り抽籤手段の一例である。
ステップS175において、メインCPU60は、第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62の所定領域に第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS176に処理を移す。
ステップS176において、メインCPU60は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU60は、乱数抽籤に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、ステップS177に処理を移す。
ステップS177において、メインCPU60は、始動入賞コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。始動入賞コマンドは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路7が、始動入賞があったことや当り抽籤結果の当否を認識するようになる。始動入賞コマンドのデータには、ステップS176の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、所謂「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、ステップS178に処理を移す。
ステップS178において、メインCPU60は、通過ゲート36への始動入賞が検知されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの通過ゲート36に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの通過ゲート36に対応するbitが1である場合には、ステップS179に処理を移し、入賞検知カウンタの通過ゲート36に対応するbitが1でない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS179において、メインCPU60は、普通図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、普通図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には
、ステップS180に処理を移す。
ステップS180において、メインCPU60は、普通図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶されている普通図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS181に処理を移す。
ステップS181において、メインCPU60は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU60は、当り判定用乱数カウンタから普通図柄ゲームの当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、普通図柄抽籤)する。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
[払出制御処理]
図22は、タイマ割込処理で行われる払出制御処理(図16、ステップS100)の詳細について説明する図である。
ステップS191において、メインCPU60は、第1始動口34が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1である場合には、ステップS192に処理を移し、入賞検知カウンタの第1始動口34に対応するbitが1でない場合には、ステップS193に処理を移す。
ステップS192において、メインCPU60は、第1始動口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1始動口34に対応する賞球コマンド(例えば、3球払出しを示すコマンド)をセットする。この処理が終了した場合、ステップS193に処理を移す。
ステップS193において、メインCPU60は、第2始動口35が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1である場合には、ステップS194に処理を移し、入賞検知カウンタの第2始動口35に対応するbitが1でない場合には、ステップS195に処理を移す。
ステップS194において、メインCPU60は、第2始動口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2始動口35に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS195に処理を移す。
ステップS195において、メインCPU60は、第1一般入賞口43が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1一般入賞口43に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1一般入賞口43に対応するbitが1である場合には、ステップS196に処理を移し、入賞検知カウンタの第1一般入賞口43に対応するbitが1でない場合には、ステップS197に処理を移す。
ステップS196において、メインCPU60は、第1一般入賞口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1一般入賞口43に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステ
ップS197に処理を移す。
ステップS197において、メインCPU60は、第2一般入賞口44が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2一般入賞口44に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2一般入賞口44に対応するbitが1である場合には、ステップS198に処理を移し、入賞検知カウンタの第2一般入賞口44に対応するbitが1でない場合には、ステップS199に処理を移す。
ステップS198において、メインCPU60は、第2一般入賞口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2一般入賞口44に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS199に処理を移す。
ステップS199において、メインCPU60は、第1大入賞口39が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1である場合には、ステップS200に処理を移し、入賞検知カウンタの第1大入賞口39に対応するbitが1でない場合には、ステップS201に処理を移す。
ステップS200において、メインCPU60は、第1大入賞口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第1大入賞口39に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS201に処理を移す。
ステップS201において、メインCPU60は、第2大入賞口40が入賞を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1(ON)であるか否かを判定し、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1である場合には、ステップS202に処理を移し、入賞検知カウンタの第2大入賞口40に対応するbitが1でない場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS202において、メインCPU60は、第2大入賞口賞球コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2大入賞口40に対応する賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、メインCPU60は、セットした賞球コマンドを出力する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、セットされた賞球コマンドを払出・発射制御回路82に出力する。この処理が終了した場合、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、メインCPU60は、各入賞口および通過ゲート36の入賞検知情報をクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知カウンタにセットされた入賞検知手段を構成する各要素に対応するbitを0(OFF)にする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド送信制御処理]
図23は、タイマ割込処理で行われるコマンド送信制御処理(図16、ステップS10
1)の詳細について説明する図である。
ステップS211において、メインCPU60は、電波検知コマンドがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンドがされているか否かを判定し、電波検知コマンドがセットされている場合には、ステップS212に処理を移し、電波検知コマンドがセットされていない場合には、ステップS214に処理を移す。
ステップS212において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンドをコマンド出力ポート65から副制御回路7のコマンド入力ポート70に向けて送信する。この処理が終了した場合、ステップS213に処理を移す。
ステップS213において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信フラグをONにする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65が電波検知コマンドを送信することを契機として、電波検知コマンド送信フラグをセットする。この処理が終了した場合、ステップS214に処理を移す。
ステップS214において、メインCPU60は、その他のコマンドがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、始動入賞コマンドや各賞球コマンド等の電波検知コマンド以外のコマンドがセットされているか否かを判定し、電波検知コマンド以外のコマンドがセットされている場合には、ステップS215に処理を移し、電波検知コマンド以外のコマンドがセットされていない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS215において、メインCPU60は、セットされたコマンドの送信処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンド以外のセットされたコマンドをコマンド出力ポート65から副制御回路7のコマンド入力ポート70に向けて送信する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄制御処理]
図24は、メイン処理で行われる特別図柄制御処理(図12、ステップS47)の詳細について説明する図である。なお、図24において、ステップS222からステップS229の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM62における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU60は、メインRAM62に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、ステップS221において、メインCPU60は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合、ステップS222に処理を移す。
なお、後述するステップS222からステップS229において、メインCPU60は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS222からステップS229における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU60は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前において、メインCPU60は、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。ま
た、メインCPU60は、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS222において、メインCPU60は、特別図柄記憶チェック処理を実行する。なお、ステップS222の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS223に処理を移す。
ステップS223において、メインCPU60は、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS224の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合、ステップS224に処理を移す。
ステップS224において、メインCPU60は、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当り又は小当り)か否かを判定する。メインCPU60は、当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS225の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU60は、当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。つまり、ステップS229の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合、ステップS225に処理を移す。
ステップS225において、メインCPU60は、当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM61から読み出された第1大入賞口39または第2大入賞口40を開放させるためのデータをメインRAM62に記憶する。そして、メインCPU60は、図8のステップS52の処理において、メインCPU60は、メインRAM62に記憶された第1大入賞口39または第2大入賞口40を開放させるためのデータを読み出し、第1大入賞口39または第2大入賞口40を開放させる旨の信号を、第1大入賞口ソレノイド410または第2大入賞口ソレノイド420に供給する。このように、メインCPU60などは、第1大入賞口39または第2大入賞口40の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(第1大入賞口39または第2大入賞口40が遊技球を受け入れやすい開放状態から第1大入賞口39または第2大入賞口40が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを15ラウンド繰り返し行う大当り遊技、または第1大入賞口39または第2大入賞口40を15回あるいは2回開放させる小当り遊技が実行されることになる。
さらに、メインCPU60は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS227の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合、ステップS226に処理を移す。
ステップS226において、メインCPU60は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを"1"増加するように記憶更新する。メインCPU60は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする。メイン
CPU60は、開放上限時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS227の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合、ステップS227に処理を移す。
ステップS227において、メインCPU60は、大入賞口開放処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04H)である場合に、大入賞口入賞カウンタが"7"以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが"0"である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。メインCPU60は、いずれかの条件を満たした場合に、第1大入賞口39または第2大入賞口40を閉鎖させるために、メインRAM62に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。メインCPU60は、最終ラウンドである場合に、当り終了インターバルを示す値(06H)を制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合、ステップS228に処理を移す。
ステップS228において、メインCPU60は、当り終了インターバル処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS229の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS229に処理を移す。
ステップS229において、メインCPU60は、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、ステップS222の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU60は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU60は、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを"00H"、"01H"、"02H"、"07H"と順にセットすることにより、図24に示すステップS222、ステップS223、ステップS224、ステップS229の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU60は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU60は、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを"00H"、"01H"、"02H"、"03H"と順にセットすることにより、図24に示すステップS222、ステップS223、ステップS224、ステップS225の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU60は、大当り又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを"04H"、"05H"と順にセットすることにより、図24に示すステップS227、ステップS226の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を実行することとなる。なお、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、"04H"、"06H"、"07H"と順にセットすることにより、図24に示すステップS226、ステップS228からステップS229の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を終了することになる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図25は、特別図柄制御処理で行われる特別図柄記憶チェック処理(図24、ステップ
S222)の詳細について説明する図である。
ステップS231において、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合、ステップS232に処理を移す。一方、メインCPU60は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS232において、メインCPU60は、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていない場合、ステップS233に処理を移す。一方、メインCPU60は、始動記憶があると判定した場合、ステップS233に処理を移す。
ステップS233において、メインCPU60は、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU60は、メインRAM62にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU60は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドデータをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドデータは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71にデモ表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路7において、メインCPU60は、デモ表示が液晶表示装置13おいて実行されることとなる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
ステップS234において、メインCPU60は、第2特別図柄に対応する始動記憶が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU60は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合、ステップS235に処理を移す。第2特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されている判定した場合、ステップS236に処理を移す。
ステップS235において、メインCPU60は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM62の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合、ステップS237に処理を移す。
ステップS236において、メインCPU60は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM62の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合、ステップS237に処理を移す。
ステップS237において、メインCPU60は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合、ステップS238に処理を移す。
ステップS238において、メインCPU60は、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合
、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理が終了した場合、ステップS239に処理を移す。
ステップS239において、メインCPU60は、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の当り判定テーブルから1つの当り判定テーブルを選択する。すなわち、高確率フラグが所定の値である場合、大当り判定値の数が多い高確率用の当り判定テーブルが参照され、高確率フラグが所定の値でない場合、大当り判定値が少ない通常用の当り判定テーブルが参照される。このように、遊技状態フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。
そして、メインCPU60は、始動入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU60は、当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合、大当りであると判定する。つまり、メインCPU60は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合、ステップS240に処理を移す。
ステップS240において、メインCPU60は、小当り判定処理を実行する。この小当り判定処理は、ステップS239における大当り判定処理において、メインCPU60は、大当り判定ではなかった場合に実行される。この処理において、メインCPU60は、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、予め設定されている小当りの判定値が一致しているか否かを判定し、当り判定用乱数値と小当り判定値が一致している場合、小当りであると判定する。一致していない場合ハズレであると判定する。
本実施形態において、メインCPU60は、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する当り判定テーブルとして、通常用と高確率用(確変用)の2種類が用意されており、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する当り判定テーブルとして、通常用と高確率用(確変用)の2種類が用意されており、合計4種類の当り判定テーブルが用意されている。なお、通常用の2種類の当り判定テーブルはそれぞれ大当り確率が同じであり、また高確率用の2種類の当り判定テーブルはそれぞれ大当り確率が同じである。その一方で、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する、通常用の当り判定テーブルと高確率用(確変用)の当り判定テーブルにおける小当り判定値の数は同じである。また、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する、通常用の当り判定テーブルと高確率用(確変用)の当り判定テーブルにおける小当り判定値の数は同じである。このように、メインCPU60は、遊技球が始動領域(第1始動口34、第2始動口35)を通過したことを条件に通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な第1の当り遊技状態、第1の当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な第2の当り遊技状態、第2の当り遊技状態と同等の遊技球を獲得可能な第3の当り遊技状態、に移行させるか否かの抽選を行う当り抽選手段の一例である。
なお、通常遊技の第1始動口34への入賞による小当り確率は、第2始動口35への入賞による小当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。通常遊技の第1始動
口34への入賞による大当り確率は、第2始動口35への入賞による大当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。
このように、ステップS239、S240の処理によって、特別図柄ゲームの結果として大当り、小当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理が終了した場合、ステップS241に処理を移す。
ステップS241において、メインCPU60は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、当り判定の結果が大当りの場合、大当り図柄を決定し、当り判定の結果が小当りの場合、小当り図柄を決定し、大当りでも小当りでもない場合、すなわちハズレの場合、ハズレ図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS242に処理を移す。
ステップS242において、メインCPU60は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU60は、ステップS241の処理において決定された特別図柄と、ステップS239の処理において決定された当り判定の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択する。そして、メインCPU60は、演出条件判定用乱数カウンタから抽出した演出条件判定用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM62の所定領域に記憶する。メインCPU60は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、第1特別図柄表示装置52または第2特別図柄表示装置53における特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、第1特別図柄表示装置52または第2特別図柄表示装置53に供給される。これによって、第1特別図柄表示装置52または第2特別図柄表示装置53に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路6のメインCPU60から副制御回路7のサブCPU71に特図変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路7のサブCPU71は、受信した特図変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合、ステップS243に処理を移す。
ステップS243において、メインCPU60は、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU60は、決定した特別図柄変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合、ステップS244に処理を移す。
そして、ステップS244において、メインCPU60は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[サブ制御メイン処理]
図26、図27は、サブCPU71で実行されるメイン処理について説明する図である。
ステップS251において、サブCPU71は、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、電断検知信号がLOW(低レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がLOWでない場合には電断検知状態であると判定して、電断検知状態が解消されるまでステップS251の処理を行い、電断検知信号がLOWである場合には電断検知状態でないと判定してステップS252に処理を移す。
ステップS252において、サブCPU71は、ワークRAM73への書き込みを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS253に処理を移す。
ステップS253において、サブCPU71は、電断復帰中報知処理を行う。この処理において、サブCPU71は、電断復帰中である旨を液晶表示装置13と、スピーカ21と、ランプ・LED22とによって報知する。この処理が終了した場合、ステップS254に処理を移す。
ステップS254において、サブCPU71は、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、電断検知フラグがあると判定した場合には、ステップS255に処理を移し、電断検知フラグがあると判定しない場合には、ステップS260に処理を移す。
ステップS255において、サブCPU71は、作業領域損傷チェック値算出処理を行う。この処理において、サブCPU71は、作業領域損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS256に処理を移す。
ステップS256において、サブCPU71は、ワークRAM73の作業領域損傷チェックを実行し、ワークRAM73の作業領域が損傷しているか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、副制御回路7に供給される電力が所定の閾値よりも小さくなった際に実行される電断時割込処理において算出された作業領域損傷チェック値と、ステップS255において算出された作業領域損傷チェック値とが同一か否かを判定し、同一であると判定された場合には、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であるため、ステップS257に処理を移し、同一でないと判定された場合には、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常でないため、ステップS260に処理を移す。
ステップS257において、サブCPU71は、コマンド入力ポート70がコマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、主制御回路6のコマンド出力ポート65から送信された各コマンドをコマンド入力ポート70が受信したか否かを判定し、受信したと判定された場合には、ステップS258に処理を移し、受信していないと判定された場合には、ステップS257の処理を繰り返す。
ステップS258において、サブCPU71は、コマンド入力ポート70が受信したコマンドが復電時コマンドか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、コマンド入力ポート70が受信したコマンドが、主制御回路6がメイン処理において送信する復電時コマンド(図11、ステップS22参照)であるか否かを判定し、復電時コマンドを受信した場合には、主制御回路6および副制御回路7の双方が電断状態であったことから、ステップS259に処理を移し、復電時コマンド以外を受信した場合には、副制御回路7のみが電断状態になった可能性があることから、ステップS260に処理を移す。
ステップS259において、サブCPU71は、復帰処理を行う。この処理において、サブCPU71は、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であり、また主制御回路6から送信されたコマンドが復電時コマンドであることから、ワークRAM73のデータに基づいて、復帰処理を行う。また、サブCPU71は、復帰処理において、電源OFF前の状態に復帰する処理を行うが、不正報知については復帰しないようにする。この処理が終了した場合、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレ
スへ復帰する。
ステップS260において、サブCPU71は、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU71は、副制御回路7を初期化する処理を行うため、初期化前に不正報知がなされていた場合、不正報知がされなくなる。この処理が終了した場合、ステップS261に処理を移す。
図27に示すように、ステップS261において、サブCPU71は、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU71は、演出決定用乱数カウンタや、停止図柄決定用乱数カウンタ等の更新処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS262に処理を移す。
ステップS262において、サブCPU71は、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU71は、主制御回路6から受信したコマンドを解析する処理を行う。なお、ステップS262の詳細については、後述する。この処理が終了した場合、ステップS263に処理を移す。
ステップS263において、サブCPU71は、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、液晶表示装置13が表示する表示画像を制御する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS264に処理を移す。
ステップS264において、サブCPU71は、音声制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、スピーカ21によって再生される音声を制御する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS265に処理を移す。
ステップS265において、サブCPU71は、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ランプ・LED22のONおよびOFFを制御する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS261に処理を移す。
[コマンド受信割込処理]
図26、図27に示すサブ制御メイン処理を実行している状態であっても、サブ制御メイン処理を中断させ、コマンド受信割込処理を実行する場合がある。図28を用いて、コマンド受信割込処理について以下に説明する。
ステップS271において、サブCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS272に処理を移す。
ステップS272において、サブCPU71は、受信コマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、主制御回路6から受信したコマンドを受信バッファに格納する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS273に処理を移す。
ステップS273において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ステップS271で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[タイマ割込処理]
図26、図27に示すサブ制御メイン処理を実行している状態であっても、サブ制御メ
イン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。このタイマ割込処理は、図示しないクロックパルス発生回路から所定の周期(例えば、2ms)毎に発生されるクロックパルスに応じて行う処理である。図29を用いて、タイマ割込処理について以下に説明する。
ステップS281において、サブCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS282に処理を移す。
ステップS282において、サブCPU71は、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ワークRAM73に記憶されるラウンド演出等のタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS283に処理を移す。
ステップS283において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ステップS281で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図30は、サブ制御メイン処理で行われるコマンド解析処理(図27、ステップS262)の詳細について説明する図である。
ステップS291において、サブCPU71は、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合、ステップS292に処理を移し、サブCPU71が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS292において、サブCPU71は、コマンドデータ読み出し処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信したコマンドを特定するためにコマンドデータの読み出しを行う。この処理が終了した場合、ステップS293に処理を移す。
ステップS293において、サブCPU71は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS292で特定した受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定し、変動パターン指定コマンドを受信したと判定された場合には、ステップS294に処理を移し、変動パターン指定コマンドを受信していないと判定された場合には、ステップS295に処理を移す。
ステップS294において、サブCPU71は、演出パターン決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、副制御回路7のプログラムROM72に記憶された演出決定テーブルにしたがって、予め定められた複数の演出パターンの中から、変動パターン指定コマンドおよび演出決定用乱数値に基づいて、演出パターン(演出データ)の決定を行う。ここで、演出決定用乱数値は、副制御回路7において0〜9の乱数値から決定される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS295において、サブCPU71は、図柄指定コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS292で特定した受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定し、図柄指定コマンドを受信したと判定された場合には、ステップS296に処理を移し、図柄指定コマンドを受信していないと判定
された場合には、ステップS297に処理を移す。
ステップS296において、サブCPU71は、停止図柄決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、図柄指定コマンドに基づいて、停止図柄の決定を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS297において、サブCPU71は、電波検知コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS292で特定した受信コマンドが電波検知コマンドであるか否かを判定し、電波検知コマンドを受信したと判定された場合には、ステップS298に処理を移し、電波検知コマンドを受信していないと判定された場合には、ステップS299に処理を移す。
ステップS298において、サブCPU71は、不正報知処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正報知制御手段を構成する各要素を用いて不正報知を行う。なお、ステップS298の詳細については、後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS299において、サブCPU71は、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドおよび電波検知コマンド以外の受信したコマンドに対応した処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[不正報知処理]
図31は、コマンド解析処理で行われる不正報知処理(図30、ステップS298)の詳細について説明する図である。
ステップS301において、サブCPU71は、不正報知が実行中であるか否かを判定する。この処理において、不正報知が実行中であると判定された場合には、本サブルーチンを終了し、不正報知が実行されていないと判定された場合には、ステップS302に処理を移す。
ステップS302において、サブCPU71は、不正報知用データをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正報知制御手段を構成する各要素が、副制御回路7の電源がOFFされるまで不正報知を行うためのデータをセットする。これにより、液晶表示装置13には、後述する不正報知画面(図32(b)参照)が表示される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[不正報知画面]
図32(a)、(b)は、液晶表示装置13に表示される画面を示す図である。
図32(a)は、通常の遊技状態における液晶表示装置13の表示領域131に表示される画面について示す図である。図32(a)に示すように、サブCPU71は、表示領域131に各遊技情報を表示する。サブCPU71は、表示領域131の左上部に現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態の場合に「確変中」と表示する)を表示し、中央部に装飾図柄を表示し、右下部に第1特別図柄始動記憶領域に保存されている保留球の数を表示し、左下部に第2特別図柄始動記憶領域に保存されている保留球の数を表示する。
図32(b)は、不正電波が検知された場合における液晶表示装置13の表示領域131に表示される第1不正報知画面について示す図である。図32(b)に示すように、サブCPU71は、第1不正報知画面において、表示領域131の中央部に表示されている装飾図柄の上に「不正検知」と表示し、また、中央下部に「不正電波を検知しました!不
正検知状態を解除したいのであれば、電源をOFFにして下さい!」と表示する。なお、不正報知中も遊技は継続しているため、サブCPU71は、表示領域の中央部において装飾図柄を変動、表示する。また、サブCPU71は、液晶表示装置13によって不正報知をするとともに、スピーカ21およびランプ・LED22による不正報知を行う。
これにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、不正行為が行われた場合に、不正行為を検知したことを報知することができ、不正遊技者が不正行為を行うことを抑止することができる。
[電断時割込処理]
図33は、電断検知信号がH(高)からL(低)へ信号の立下ったことをサブCPU71が検知した際に実行される電断時割込処理について以下に説明する図である。
ステップS311において、サブCPU71は、レジスタ(AF)退避処理を行う。この処理において、サブCPU71は、レジスタを退避する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS312に処理を移す。
ステップS312において、サブCPU71は、電断検知信号がLであるか否かを判定する。電断検知信号がLである場合には、ステップS314に処理を移し、電断検知信号がLでない場合には、ステップS313に処理を移す。なお、この処理において、サブCPU71は、電断検知信号の状態を検知することによって、電断検知信号の立下りがチャタリングによるものか否かを判定することが可能である。
ステップS313において、サブCPU71は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本処理の割込前の処理に復帰する。
ステップS314において、サブCPU71は、レジスタ退避処理を行う。この処理において、サブCPU71は、レジスタを退避する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS315に処理を移す。
ステップS315において、サブCPU71は、割込状態を割込フラグに反映させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS316に処理を移す。
ステップS316において、サブCPU71は、スタックポインタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS317に処理を移す。
ステップS317において、サブCPU71は、作業領域損傷チェック値算出処理を行う。この処理において、サブCPU71は、電断復帰後において、ワークRAM73の作業領域が損傷しているか否かのチェックを行うための作業領域損傷チェック値を算出する。電断復帰時において、算出された作業領域損傷チェック値と電断復帰時の作業領域のチェック値とが一致しているか否かを判定し、一致している場合にバックアップコンデンサ77から供給される電電により保持されたワークRAM73のデータが正常である(バックアップが取れている)と判定する。この処理が終了した場合、ステップS318に処理を移す。
ステップS318において、サブCPU71は、電断検知フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS319に処理を移す。
ステップS319において、サブCPU71は、RAM書込み禁止処理を行う。この処
理において、サブCPU71は、RAM書込みを禁止する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、図示はしないが、電断時割込処理において、バックアップコンデンサ77からの電源は、ワークRAM73に供給されており、電源を供給されることによりワークRAM73に記憶されたデータが保持されることとなる。
以上により、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、メインCPU60が電波ゴトを検知したことを条件に入賞情報を消去するため、電波ゴトによって記憶された入賞情報に基づいた所定の利益も無効にし、不正行為者に所定の利益を与えないようにできる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、メインCPU60が全入賞無効期間中に入賞検知手段を構成する各要素が入賞を検知し、入球検知カウンタの使用領域が「0011」になった場合に、対応する入賞検知カウンタの値が1に更新されると速やかに入賞検知カウンタの値を0クリアするだけで電波ゴトによって記憶された入賞情報に基づいた利益を無効にするため、極めて少ないプログラムの容量で不正行為者への不正対策処理を実行することができるとともに、遊技を進行する他の処理に一切の負担をかけずに電波ゴトについての不正対策処理を実行することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、不正遊技者が電波ゴトを行った後に瞬断ゴトを行い、パチンコ遊技機1の不正報知が終了した場合であっても、再度、電波ゴトが行われた場合には、サブCPU71による不正報知を復帰させることが可能になるため、速やかに不正報知を復帰することができる。
(第2の実施の形態)
図34〜図39は本発明に係る遊技機の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
[不正入賞コマンド送信時タイムチャート]
図34は、全入賞無効期間中に副制御回路7のみリセットされた場合に、入賞検知手段を構成する各要素のいずれかが入賞を検知した状態を示す図である。
図34に示すように、サブCPU71は、副制御回路7がリセットされることにより、瞬間的な電源OFF状態となり、その後電源ON状態になっても復帰させないように制御する。
ここで、全入賞無効期間中に入賞検知手段を構成する各要素のいずれかが入賞を検知した場合、メインCPU60は、コマンド出力ポート65が副制御回路7のコマンド入力ポート70に対して不正入賞コマンドを送信する。
コマンド入力ポート70が不正入賞コマンドを受信することにより、サブCPU71は、再度不正報知を開始する。これより、サブCPU71は、不正報知後に副制御回路7がリセットされることで不正報知を終了した場合であっても、メインCPU60によって入賞が検知されることで不正報知を復帰することができるようになる。また、サブCPU71は、予期せぬことで副制御回路7においてリセットがかかり不正報知が終了してしまった場合であっても、入賞すると不正報知が復帰するため、簡単に不正報知を復帰させることができる。
[入賞検知処理]
図35は、本実施の形態におけるタイマ割込処理において行われる入賞検知処理につい
て説明する図である。
ステップS321において、メインCPU60は、各入賞領域に対する入球検知カウンタ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素の入賞スイッチの検知状況に応じて、入球検知カウンタの値を更新する。この処理が終了した場合、ステップS322に処理を移す。
ステップS322において、メインCPU60は、入賞を検知した入球検知カウンタがあるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素に対応した入球検知カウンタにおいて、入賞を検知、つまりいずれかの入球検知カウンタの使用領域が「0011」(「LLHH」)となっているか否かを判定し、入球検知カウンタが入賞を検知した場合には、ステップS323に処理を移し、いずれの入球検知カウンタを入賞を検知していない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS323において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定し、全入賞無効フラグがONである場合には、入球検知カウンタにおいて検知された入賞を不正入賞と判定し、ステップS324に処理を移し、全入賞無効フラグがONでない場合には、ステップS325に処理を移す。
ステップS324において、メインCPU60は、不正入賞検知コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、副制御回路7に向けてコマンド出力ポート65が送信する不正入賞検知コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS325に処理を移す。
ステップS325において、メインCPU60は、対応する入賞検知カウンタに入賞データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、入球検知カウンタの値が「0011」となった入賞検知手段を構成する要素に対応する入賞検知カウンタのbitを1(ON)にする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド送信制御処理]
図36は、本実施の形態におけるタイマ割込処理において行われるコマンド送信制御処理について説明する図である。
ステップS331において、メインCPU60は、電波検知コマンドがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンドがされているか否かを判定し、電波検知コマンドがセットされている場合には、ステップS332に処理を移し、電波検知コマンドがセットされていない場合には、ステップS334に処理を移す。
ステップS332において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンドをコマンド出力ポート65から副制御回路7のコマンド入力ポート70に向けて送信する。この処理が終了した場合、ステップS333に処理を移す。
ステップS333において、メインCPU60は、電波検知コマンド送信フラグをONにする処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65が電波検知コマンドを送信することを契機として、電波検知コマンド送信フラグをセットす
る。この処理が終了した場合、ステップS334に処理を移す。
ステップS334において、メインCPU60は、不正入賞コマンドがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、不正入賞コマンドがされているか否かを判定し、不正入賞コマンドがセットされている場合には、ステップS335に処理を移し、不正入賞コマンドがセットされていない場合には、ステップS336に処理を移す。
ステップS335において、メインCPU60は、不正入賞コマンド送信処理を行う。この処理において、メインCPU60は、不正入賞コマンドをコマンド出力ポート65から副制御回路7のコマンド入力ポート70に向けて送信する。この処理が終了した場合、ステップS336に処理を移す。
ステップS336において、メインCPU60は、その他のコマンドがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、始動入賞コマンドや各賞球コマンド等の電波検知コマンド以外のコマンドがセットさているか否かを判定し、電波検知コマンドおよび不正入賞コマンド以外のコマンドがセットされている場合には、ステップS337に処理を移し、電波検知コマンド以外のコマンドがセットされていない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS337において、メインCPU60は、セットされたコマンドの送信処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知コマンドおよび不正入賞コマンド以外のセットされたコマンドをコマンド出力ポート65から副制御回路7のコマンド入力ポート70に向けて送信する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図37は、本実施の形態におけるサブ制御メイン処理において行われるコマンド解析処理について説明する図である。
ステップS341において、サブCPU71は、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合、ステップS342に処理を移し、サブCPU71が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS342において、サブCPU71は、コマンドデータ読み出し処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信したコマンドを特定するためにコマンドデータの読み出しを行う。この処理が終了した場合、ステップS343に処理を移す。
ステップS343において、サブCPU71は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS342で特定した受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定し、変動パターン指定コマンドを受信したと判定された場合には、ステップS344に処理を移し、変動パターン指定コマンドを受信していないと判定された場合には、ステップS345に処理を移す。
ステップS344において、サブCPU71は、演出パターン決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、副制御回路7のプログラムROM72に記憶された演出決定テーブルにしたがって、予め定められた複数の演出パターンの中から、変動パターン
指定コマンドおよび演出決定用乱数値に基づいて、演出パターン(演出データ)の決定を行う。ここで、演出決定用乱数値は、副制御回路7において0〜9の乱数値から決定される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS345において、サブCPU71は、図柄指定コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS342で特定した受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定し、図柄指定コマンドを受信したと判定された場合には、ステップS346に処理を移し、図柄指定コマンドを受信していないと判定された場合には、ステップS347に処理を移す。
ステップS346において、サブCPU71は、停止図柄決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、図柄指定コマンドに基づいて、演出データの決定を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS347において、サブCPU71は、電波検知コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS342で特定した受信コマンドが電波検知コマンドであるか否かを判定し、電波検知コマンドを受信したと判定された場合には、ステップS348に処理を移し、電波検知コマンドを受信していないと判定された場合には、ステップS349に処理を移す。
ステップS348において、サブCPU71は、不正報知処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正報知制御手段を構成する各要素を用いて不正報知を行う。なお、ステップS348の詳細については、後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS349において、サブCPU71は、不正入賞コマンドを受信したか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、ステップS342で特定した受信コマンドが不正入賞コマンドであるか否かを判定し、不正入賞コマンドを受信したと判定された場合には、ステップS350に処理を移し、不正入賞コマンドを受信していないと判定された場合には、ステップS351に処理を移す。
ステップS350において、サブCPU71は、不正報知処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正報知制御手段を構成する各要素を用いて不正報知を行う。なお、ステップS350の詳細については、後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS351において、サブCPU71は、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドおよび電波検知コマンド以外の受信したコマンドに対応した処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[不正報知処理]
図38は、本実施の形態におけるコマンド解析処理において行われる不正報知処理(図37、ステップS348およびステップS350参照)の詳細について説明する図である。
ステップS361において、サブCPU71は、受信したコマンドが電波検知コマンドか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、主制御回路6から送信されたコマンドが電波検知コマンドおよび不正入賞コマンドのいずれであるかを判定し、電波検知コマンドであると判定された場合には、ステップS362に処理を移し、電波検知コマンドでない、つまり受信したコマンドは不正入賞コマンドであると判定された場合には、
ステップS367に処理を移す。
ステップS362において、サブCPU71は、不正電波報知フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、不正電波報知フラグがONであるか否かを判定し、不正電波報知フラグがONであると判定された場合には、既に不正電波を検知した旨が報知されていることから、本サブルーチンを終了し、不正電波報知フラグがONでない場合には、ステップS363に処理を移す。
ステップS363において、サブCPU71は、不正電波報知フラグをONにする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS364に処理を移す。
ステップS364において、サブCPU71は、不正入賞報知フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、不正入賞があった旨の報知が行われているか否かを判定すべく不正入賞報知フラグがONであるか否かを判定し、不正入賞報知フラグがONであると判定された場合には、ステップS366に処理を移し、不正入賞報知フラグがONでないと判定された場合には、ステップS365に処理を移す。
ステップS365において、サブCPU71は、不正電波報知用データをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正電波を検知し不正入賞は検知していない旨の報知を、不正報知制御手段を構成する各要素において行うべく、不正電波報知用データをセットする。この処理が行われた場合、サブCPU71は、液晶表示装置13の表示領域131に第1不正報知画面(図32(b)参照)を表示する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS366において、サブCPU71は、不正電波・入賞報知用データをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正電波および不正入賞を検知した旨の報知を、不正報知制御手段を構成する各要素において行うべく、不正電波・入賞報知用データをセットする。この処理が行われた場合、サブCPU71は、表示領域131に後述する第3不正報知画面(図39(b)参照)を表示する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS367において、サブCPU71は、不正入賞報知フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、不正入賞報知フラグの状態を判定することで既に不正入賞報知が行われているか否かを判定し、不正入賞報知フラグがONであると判定された場合には、本サブルーチンを終了し、不正入賞報知フラグがONでないと判定された場合には、ステップS368に処理を移す。
ステップS368において、サブCPU71は、不正入賞報知フラグをONにする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS369に処理を移す。
ステップS369において、サブCPU71は、不正電波報知フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、不正入賞コマンドを受信する以前に電波検知コマンドを受信していたか否かを判定し、不正電波報知フラグがONである場合には、ステップS371に処理を移し、不正電波報知フラグがONでない場合には、ステップS370に処理を移す。
ステップS370において、サブCPU71は、不正入賞報知用データをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正入賞を検知し不正電波は検知していない旨の報知を、不正報知制御手段を構成する各要素において行うべく、不正入賞報知用データをセットする。この処理が行われた場合、サブCPU71は、表示領域131に
後述する第2不正報知画面(図39(a)参照)を表示する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS371において、サブCPU71は、不正電波・入賞報知用データをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正電波および不正入賞を検知した旨の報知を、不正報知制御手段を構成する各要素において行うべく、不正電波・入賞報知用データをセットする。この処理が行われた場合、サブCPU71は、表示領域131に後述する第3不正報知画面(図39(b)参照)を表示する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[不正報知画面]
図39(a)、(b)は、液晶表示装置13の表示領域131に表示される不正報知画面を示す図である。
図39(a)は、不正入賞が検知された場合において表示領域131に表示される第2不正報知画面について示す図である。図39(a)に示すように、サブCPU71は、第2不正報知画面において、表示領域131の中央部に表示されている装飾図柄の上に「不正検知」と表示し、また、中央下部に「不正入賞を検知しました!不正検知状態を解除したいのであれば、電源をOFFにして下さい!」と表示する。なお、不正報知中も遊技は継続しているため、サブCPU71は、表示領域の中央部において装飾図柄を変動、表示する。また、サブCPU71は、液晶表示装置13によって不正報知をするとともに、スピーカ21およびランプ・LED22による不正報知を行う。
図39(b)は、不正電波および不正入賞が検知された場合において表示領域131に表示される第3不正報知画面について示す図である。図39(b)に示すように、サブCPU71は、第3不正報知画面において、表示領域131の中央部に表示されている装飾図柄の上に「不正検知」と表示し、また、中央下部に「以下の不正を検知しました!(1)不正電波(2)不正入賞 不正検知状態を解除したいのであれば、電源をOFFにして下さい!」と表示する。なお、不正報知中も遊技は継続しているため、サブCPU71は、表示領域の中央部において装飾図柄を変動、表示する。また、サブCPU71は、液晶表示装置13によって不正報知をするとともに、スピーカ21およびランプ・LED22による不正報知を行う。
これにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、どのような不正行為が行われた場合であっても、不正行為を検知したことを具体的に報知することができ、不正遊技者が不正行為を行うことを抑止することができる。
(第3の実施の形態)
図40、図41は本発明に係る遊技機の第3の実施の形態を示す図であり、第1、第2の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
[不正電波検知時タイムチャート]
図40は、本実施の形態において不正電波を検知した場合の処理を示す図である。
図40に示すように、メインCPU60は、電波センサ500が電波を1回検知したと判定した場合に、電波センサ500が電波ゴトを検知したと判定し、入賞無効処理を実行する。
この構成において、パチンコ遊技機1は、電波センサ500による電波ゴトの検知および入賞判定手段を構成する各要素の入賞の検知を実行した後に、入賞検知カウンタの入賞
記憶領域に保存されている入賞情報をすべて0クリアするよう構成されている。
ここで、0クリアがタイマ割込処理による電波センサ500による電波ゴトの検知および入賞判定手段を構成する各要素の入賞の検知よりも先に行われた場合、メインCPU60には、電波ゴトと同時に入賞判定手段を構成する各要素に入賞した入賞情報を消去することができない、という問題がある。
このような場合、メインCPU60は、不正行為を検知した旨の報知を行うものの、当該入賞を検知した情報を消去する処理を行わないため、当該入賞を検知した情報に基づいて所定の利益が付与してしまい、遊技場側に多大な損害を与えてしまう。
そこで、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、不正行為によって遊技場側が多大な損害を受けてしまうことを防止するべく、電波センサ500による電波ゴトの検知および入賞判定手段を構成する各要素の入賞の検知を実行した後に、入賞検知カウンタの入賞記憶領域に保存されている入賞情報をすべて0クリアするよう構成することで、電波ゴトによって記憶された入賞情報に基づいた利益を不正行為者に与えないようにし、遊技場側が多大な損害を受けてしまうことを防止することができる。
また、この構成により、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、同一の割込処理内において、入賞判定処理および電波検知判定処理が実行された後に入賞情報消去処理を行うため、電波ゴトによる入賞情報の記憶と電波検知とが同時に発生した場合でも、電波ゴトによる入賞情報を消去することができる。
[電波検知処理]
図41は、本実施の形態におけるタイマ割込処理において行われる電波検知処理について説明する図である。
ステップS381において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素のいずれにおいて入賞が検知された場合であっても無効となる全入賞無効状態であることを示す全入賞無効フラグがONであるか否かの判定を行い、全入賞無効フラグがONである場合には、ステップS382に処理を移し、全入賞無効フラグがONでない場合には、ステップS386に処理を移す。
ステップS382において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値が0であるか否かを判定し、0である場合には、不正電波の検知が継続していることから、ステップS386に処理を移し、0でない場合には、全入賞無効期間中であることから、ステップS383に処理を移す。
ステップS383において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値を前回セットされた時点から経過した時間分減算するよう更新する。この処理が終了した場合、ステップS384に処理を移す。
ステップS384において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値が0であるか否かを判定し、0である場合には、全入賞無効期間が経過したことから、ステップS385に処理を移し、0でない場合には、全入賞無効期間中であることから、ステップS386に処理を移す。
ステップS385において、メインCPU60は、全入賞無効フラグOFF処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ステップS383で全入賞無効期間タイマ更新処理を行った結果、全入賞無効期間タイマにセットされた値が0になったことより、全入賞無効期間を終了させる。この処理が終了した場合、ステップS386に処理を移す。
ステップS386において、メインCPU60は、電波センサ500がONであるか否かを判定する。すなわち、電波センサ500が電波を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500がONであるか否かを判定し、ONである場合には、ステップS387に処理を移し、ONでない場合には、ステップS390に処理を移す。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による電波センサ500がONであるか否かの判定処理(ステップS386)が電波検知処理を構成する。
ステップS387において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波検知を継続している状態において全入賞無効期間タイマをセットしないようにすべく、全入賞無効期間タイマにセットされている値をクリアする。この処理が終了した場合、ステップS388に処理を移す。
ステップS388において、メインCPU60は、全入賞無効フラグON処理を行う。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグをONにし、入賞検知手段を構成する要素が入賞を検知した場合に、入賞を無効にするよう設定する。この処理が終了した場合、ステップS389に処理を移す。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による全入賞無効フラグON処理(ステップS388)が入賞無効処理を構成する。
これにより、メインCPU60は、電波を検知したらすぐに全入賞無効状態とするとともに、電波検知処理の後に入賞検知消去処理を行うため、電波検知と入賞検知が同時に発生した場合でも、入賞を無効にすることができる。
ステップS389において、メインCPU60は、電波検知コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65からコマンド入力ポート70に向けて電波検知コマンド送信し、副制御回路7による不正報知を行うために、電波検知コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS390において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONである場合には、ステップS391に処理を移し、全入賞無効フラグがONでない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS391において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0である場合には、ステップS392に処理を移し、全入賞無効期間タイマが0でない場合には、全入賞無効期間が継続中であると判定し、本サブルーチンを終了する。
ステップS392において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマに所定期間Xmsをセットする。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波を1回検知したことを受けて、電波ゴトが行われたと判定し、また電波センサ500がOF
Fになったことより、電波ゴトが終了したと判定し、全入賞無効期間として所定期間Xを全入賞無効期間タイマにセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上により、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、同一の割込処理内において、入賞判定処理および電波検知判定処理が実行された後に入賞情報消去処理を行うため、電波ゴトによる入賞情報の記憶と電波検知とが同時に発生した場合でも、電波ゴトによる入賞情報を消去することができる。
なお、上述した各実施の形態において、不正報知制御手段として液晶表示装置13を用いているが、これに限らず、例えばプラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRTディスプレイ、ランプ、スピーカあるいは可動役物を単独または組み合わせて使用してもよい。
また、上述した各実施の形態において、電波センサ500は、パチンコ遊技機1のガラスドア10に設けられているが、これに限らず、その他の部分(遊技盤14、木枠18およびベースドア15等)に設けるように構成してもよい。また、電波センサ500は、ガラスドア10および遊技盤14の双方に設けられていてもよい。
電波センサ500がガラスドア10および遊技盤14の双方に設けられている場合、図42に示すように、メインCPU60は、ガラスドア10に取付けられた電波センサ500の検知結果および遊技盤14に取付けられた電波センサ500の検知結果の双方の電気的論理和をとって不正電波が検出されたか否かを判定するよう構成されている。
また、上述した各実施の形態において、第1保留表示部37および第2保留表示部38が第1始動口34への入賞の保留および第2始動口35への入賞の保留を表示するようにしているが、これに限らず、例えば第1保留表示部37および第2保留表示部38に加えて、液晶表示装置13において、第1始動口34への入賞の保留および第2始動口35への入賞の保留を表示するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、副制御回路7は、プログラムや各種のテーブルをプログラムROM72に保存しているが、これに限らず、コンピュータにおいて読み取り可能な他の記憶媒体に記憶されたものを使用することができる。この場合の記憶媒体としては、例えばハードディスク装置、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジを使用することができる。また、プログラムや各種のテーブルは、プログラムROM72と、これらのコンピュータにおいて読み取り可能な他の記憶媒体との両方に保存されていてもよい。また、プログラムや各種のテーブルは、電源投入後にパチンコ遊技機1の外部のサーバからダウンロードし、ワークRAM73に記憶するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、副制御回路7は、サブCPU71の一時記憶領域としてワークRAM73を使用しているが、これに限らず、他の読書き可能な記憶媒体を使用したり、ワークRAM73および他の読書き可能な記憶媒体を同時に使用したりしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、パチンコ遊技機1は、主制御回路6から副制御回路7に信号を供給し、副制御回路7から主制御回路6に対しては信号を供給できないように構成されているが、これに限らず、例えば副制御回路7から主制御回路6に対して信号を送信できるように構成してもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、全入賞無効期間を所定期
間Xとしているが、これに限らず、パチンコ遊技機1の電源がOFFされるまで全入賞無効期間が継続するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、全入賞無効期間時において入賞検知手段を構成するすべての要素で検知された入賞を無効とするよう構成されているが、これに限らず、入賞検知手段を構成する一部の要素のみ検知された入賞を無効とするよう構成してもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、副制御回路7に対して電波検知コマンドを送信することにより、外部端子板80を介してホールコンピュータ90に対してセキュリティ信号を出力するよう構成されているが、これに限らず、例えばメインCPU60が全入賞無効期間を設定したことを契機としてホールコンピュータ90にセキュリティ信号を出力してもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、電断によって全入賞無効状態を終了するよう構成されているが、これに限らず、電断から復帰後、所定期間Xから電断前に経過したZmsを引いた時間全入賞無効を継続してもよいし、電断から復帰後、再度、所定期間Xの間、全入賞無効状態にしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、パチンコ遊技機1の電源OFFを契機に不正報知を終了するよう構成されているが、これに限らず、電断から復帰した際にバックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であれば、不正報知を復帰するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、パチンコ遊技機1の電源をOFFにするまで不正報知を終了しないよう構成されているが、これに限らず、所定時間不正報知を実行した場合や、所定の操作(例えば、遊技者が触れられないところまたは触れられるところに操作ボタンを設け、当該操作ボタンの操作)を行った場合には終了するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、最低出力期間Yが経過していないZms経過時点で電断が発生した場合、電断から復帰した後に最低出力期間YからZmsを引いた時間セキュリティ信号をホールコンピュータ90に送信するよう構成されているが、これに限らず、再度最低出力期間Yが経過するまでホールコンピュータ90にセキュリティ信号を出力するようにしたり、電断復帰後にセキュリティ信号の出力を行わないようにしたり、電断から復帰後、再度、最低出力期間Yの間、セキュリティ信号を出力したりしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であるか否かに関わらず、不正報知の再開をさせないようにしているが、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常である場合には不正報知を再開してもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、副制御回路7に対して電波検知コマンドを送信することにより、外部端子板80を介してホールコンピュータ90に対してセキュリティ信号を出力するよう構成されているが、これに限らず、メインCPU60が副制御回路7に対して不正入賞コマンドを送信したことにより、外部端子板80を介してホールコンピュータ90に対してセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。また、既にセキュリティ信号を出力中の状態で不正入賞コマンドを受信した場合、外部
端子板80は、不正入賞コマンドを受信した時点を起点として最低出力期間Yを再度設定してもよい。
また、主制御回路および副制御回路の電断時割込処理において、RAM書込み禁止処理を行う前に、電断復帰処理を行うためのバックアップデータを新たに作成してRAMの作業領域に記憶する処理を行い、電断復帰時に、電断時割込処理において算出された作業領域損傷チェック値と、電断復帰処理時において算出された作業領域損傷チェック値とが同一であれば、バックアップデータに基づいて、復帰処理を行うようにしてもよく、RAM書込み禁止処理を行う前に、RAMの作業領域ではない別の記憶媒体に新たに作成したバックアップデータを保存して、当該バックアップデータに基づいて、復帰処理を行うようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、電波センサ500が3回連続で電波を検知した場合に全入賞無効状態にするように構成されているが、これに限らず、連続する回数は何回でもよい。また、メインCPU60は、最初の電波検知において、所定のタイマをセットし、当該タイマが0になるまで電波検知をし続けた場合に、不正行為があったと判断し、全入賞無効状態になるよう構成されていてもよい。
また、上述した各実施の形態において、メインCPU60は、払出制御処理において、各入賞口の賞球コマンドをメインRAM62の所定領域にセットした後に各入賞口および通過ゲート36の入賞検知情報をクリア(図22、ステップS204参照)するよう構成されているが、これに限らず、例えば、通過ゲート36の入賞検知情報を普通図柄関連スイッチチェック処理における各種乱数値取得処理(図21、ステップS181参照)実行後にクリアし、また各入賞口の入賞検知情報を、各賞球コマンドがセットされた後にそれぞれ別個にクリアするようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、メイン処理において復電時コマンド以外のコマンドを受信した場合に初期化処理を行う(図26、ステップS258参照)よう構成されているが、これに限らず、バックアップコンデンサ77から供給される電源により保持されたワークRAM73のデータが正常であれば、復電時コマンド以外のコマンドを受信した場合であっても、復帰処理を実行してよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、復帰処理において不正報知を復帰しない(図26、ステップS258参照)よう構成されているが、これに限らず、不正報知を復帰してもよい。
また、上述した各実施の形態において、サブCPU71は、副制御回路7の電源がOFFされるまで各不正報知を行うよう構成されているが、これに限らず、例えば所定期間が経過したことを条件に不正報知を終了するようにしてもよい。
また、上述した第3の実施の形態において、メインCPU60は、電波を1回検知した時点で電波ゴトがあったと判定しているが、チャタリング等のノイズを電波と検知する誤作動を防止すべく2回検知した時点で電波ゴトがあったと判定してもよい。
この構成の場合、メインCPU60は、図43に示す電波検知処理を実行する。
ステップS401において、メインCPU60は、全入賞無効フラグがONであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、入賞検知手段を構成する各要素のいずれにおいて入賞が検知された場合であっても無効となる全入賞無効状態であることを示す全入賞無効フラグがONであるか否かの判定を行い、全入賞無効フラグがONであ
る場合には、ステップS402に処理を移し、全入賞無効フラグがONでない場合には、ステップS406に処理を移す。
ステップS402において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値が0であるか否かを判定し、0である場合には、不正電波の検知が継続していることから、ステップS406に処理を移し、0でない場合には、全入賞無効期間中であることから、ステップS403に処理を移す。
ステップS403において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値を前回セットされた時点から経過した時間分減算するよう更新する。この処理が終了した場合、ステップS404に処理を移す。
ステップS404において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマが0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマにセットされている値が0であるか否かを判定し、0である場合には、全入賞無効期間が経過したことから、ステップS405に処理を移し、0でない場合には、全入賞無効期間中であることから、ステップS406に処理を移す。
ステップS405において、メインCPU60は、全入賞無効フラグOFF処理を行う。この処理において、メインCPU60は、ステップS403で全入賞無効期間タイマ更新処理を行った結果、全入賞無効期間タイマにセットされた値が0になったことより、全入賞無効期間を終了させる。この処理が終了した場合、ステップS406に処理を移す。
ステップS406において、メインCPU60は、電波センサ500がONであるか否かを判定する。すなわち、電波センサ500が電波を検知したか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500がONであるか否かを判定し、ONである場合には、ステップS407に処理を移し、ONでない場合には、ステップS412に処理を移す。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による電波センサ500がONであるか否かの判定処理(ステップS406)が電波検知処理を構成する。
ステップS407において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値に1を追加する。この処理において、メインCPU60は、電波を検知した回数を保存する電波検知カウンタに検知した回数を1回追加する。この処理が終了した場合、ステップS408に処理を移す。
ステップS408において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が2であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波を2回連続、つまり2ms以上継続して検知したか否かを判定し、電波センサ500が電波を2回連続で検知した場合には、ステップS409に処理を移し、電波センサ500が電波を2回連続で検知していない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS409において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波検知を継続している状態において全入賞無効期間タイマをセットしないようにすべく、全入賞無効期間タイマにセットされている値をクリアする。この処理が終了した場合、ステップS410に処理を移す。
ステップS410において、メインCPU60は、全入賞無効フラグON処理を行う。この処理において、メインCPU60は、全入賞無効フラグをONにし、入賞検知手段を構成する要素が入賞を検知した場合に、入賞を無効にするよう設定する。この処理が終了した場合、ステップS411に処理を移す。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、メインCPU60による全入賞無効フラグON処理(ステップS410)が入賞無効処理を構成する。
ステップS411において、メインCPU60は、電波検知コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU60は、コマンド出力ポート65からコマンド入力ポート70に向けて電波検知コマンド送信し、副制御回路7による不正報知を行うために、電波検知コマンドをメインRAM62の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS412において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値が2以上であると判定し、電波検知カウンタにセットされた値が2以上であると判定された場合には、電波ゴトが終了したことから、ステップS413に処理を移し、2以上ではないと判定された場合には、電波ゴトではなくチャタリング等により1回電波が検知されたか、もしくは電波が検知されていないことから、ステップS414に処理を移す。
ステップS413において、メインCPU60は、全入賞無効期間タイマに所定期間Xmsをセットする。この処理において、メインCPU60は、電波センサ500が電波を2回以上検知したことを受けて、電波ゴトが行われたと判定し、また電波センサ500がOFFになったことより(電波センサ500が電波を検知しなくなったことにより)、電波ゴトが終了したと判定し、全入賞無効期間として所定期間Xを全入賞無効期間タイマにセットする。この処理が終了した場合、ステップS414に処理を移す。
ステップS414において、メインCPU60は、電波検知カウンタクリア処理を行う。この処理において、メインCPU60は、電波検知カウンタにセットされた値をクリアし、次回の電波検知処理に備える。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上により、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、同一の割込処理内において、入賞判定処理と、入賞情報記憶処理と、電波検知判定処理と、入賞無効処理とが実行された後に入賞情報消去処理を行うため、電波ゴトによる入賞情報の記憶と電波検知とが同時に発生した場合でも、電波ゴトによる入賞情報を消去することができる。
また、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、不正電波により、タイマ割込2回連続で「HIGH、HIGH」を検知することで、「LOW、LOW、HIGH、HIGH」を検知してしまい、入賞したと検知してしまうことがあっても、「HIGH、HIGH」を検知することとなった不正電波を、タイマ割込2回連続で検知して全入賞無効期間とするため、入賞領域への正規の入賞を無効とすることなく、不正電波による不正入賞を無効にすることができる。このため、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、1回の電波検知をもって不正ゴトと判断し、正規の入賞まで無効としてしまうことを防ぐことができる。
また、上述した各実施の形態において、パチンコ遊技機1は、不正行為として電波ゴトを検知するよう構成されているが、磁石ゴトを検知するよう磁気検知手段としての磁気センサを備えるよう構成されていてもよい。なお、この構成において、メインCPU60は
、磁気検知判定手段を構成する。
また、磁気センサを備えたパチンコ遊技機1においては、磁気センサを電波センサ500と同様の位置に備えており、磁気を検知した場合、電波検知判定処理と同様の磁気検知判定処理を行うよう構成されていてもよい。
この場合、メインCPU60は、磁気ゴトを検知することで磁気検知コマンドを副制御回路7に送信し、磁気検知コマンドを受信したことを契機に、磁気を検知したことを報知するように構成されている。また、メインCPU60は、磁気を検知したことを報知する場合に、不正電波および不正入賞を検知した時とは異なる態様で報知することで、磁気を検知したことがわかるように報知することが望ましい。
また、パチンコ遊技機1は、電波センサ500および磁気センサの両方を備えていてもよく、その場合、無効期間やセキュリティ信号の出力時間を、不正電波検知時と、不正磁気検知時で同じにしてもよいし、異ならせるようにしてもよい。また、この場合、メインCPU60は、入賞判定処理と、入賞情報記憶処理と、電波検知判定処理または磁気検知判定処理と、入賞無効処理との処理順序は、電波ゴトまたは磁気ゴトによる入賞情報と電波検知または磁気検知とが同時に発生した場合に当該入賞情報を消去できればどのような順序であってもよい。