JP6263798B2 - 湿式電気集塵機 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス中に浮遊する塵埃などの微粒子を集塵電極に捕集するとともに、捕集した微粒子を洗浄水とともに流れ落とす湿式電気集塵機に関する。
湿式電気集塵機は、相互に対向配設した集塵電極および放電電極を有する。例えば特許文献1に記載の技術では、集塵機の幅方向に集塵電極となる板状の集塵電極板と、放電電極となる放電線とを交互に配置した構成を採用している。
ガス中の塵埃などの微粒子を捕集するときは、集塵電極を接地するとともに放電電極に負の高電圧を印加する。これにより、放電電極からコロナ放電が発生し、集塵機のガス導入口より導入したガスに含まれる微粒子に帯電をさせて集塵電極に捕集するようになっている。さらに、この種の湿式電気集塵機は、霧状に水を噴射するスプレーノズルを用いて集塵電極に洗浄水を噴射して集塵電極表面に洗浄水の水膜を作り、集塵電極に捕集した微粒子を洗浄水とともに流れ落とすようになっている。
ここで、噴射された洗浄水は、集塵電極の極板面を流れて集塵機下部の排出口から外部に排出されるところ、集塵電極の下端部にて、洗浄水の表面張力により液溜りが生ずると火花放電の原因となる。そこで、例えば特許文献1に記載の技術では、集塵部下部に傾斜を設けた水切り部を形成している。これにより、集塵電極の下端部に生ずる液溜りは、水切り部の傾斜に沿って流下する。そのため、集塵電極の下端部での水切り性が向上し、洗浄水を効果的に落下させることができる。よって、集塵電極の下端部での火花放電を防止または抑制することができる。
特開2002−119889号公報(図2) 特開2001−62589号公報(図5、段落0013)
ところで、特許文献1に記載の技術では、一の方向に板状の集塵電極板と放電線とを交互に配置した構成を採用しているが、電気集塵機において、集塵効率を向上させるためには、有効集塵面積を大きくすること、つまり、コロナ放電が発生する有効集塵空間における集塵電極の表面積の総和を大きくすることが有効である。しかし、集塵機の一の方向に板状の集塵電極板と放電線を交互に配置した構成であると、有効集塵空間が限定される場合に、単位面積当たりの集塵面積を広げるには限界がある。
これに対し、例えば特許文献2に記載の溶接作業台に係る技術では、電気集塵手段の集塵電極を六角筒状とし、六角筒状の集塵電極をハニカム構造とした電極集束体を採用することにより、集塵電極の表面積を広くして高い微粒子の除去能力を発揮できるとしている。湿式電気集塵機においても、集塵電極を複数の六角筒状体から構成してハニカム構造とすることが集塵効率を向上させる上で有効である。
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、溶接作業台に係るものであるから、同文献記載のハニカム構造の電極集束体を湿式電気集塵機にそのまま採用することはできない。
つまり、同文献記載の電気集塵手段は、溶接作業台用としての乾式の電気集塵手段なので、湿式電気集塵機に必須の構成である水膜を噴射するスプレーノズルを有しておらず、当然に、集塵電極下部に洗浄水の液溜りが生ずることもない。そのため、これに起因する火花放電の対策が不要だからである。
一方、上述したように、湿式電気集塵機においては、火花放電の対策が必要であるところ、上述した特許文献1に記載の技術では、水切り部を有する集塵電極が板状であって、板状の集塵電極が集塵機の幅方向に列をなす構成なので、これをハニカム構造の電極集束体に転用して、集塵電極における洗浄水の液溜りを効果的に防止または抑制する上では未だ改善の余地が残されている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、湿式電気集塵機において、ハニカム構造の集塵電極を採用しつつも、集塵電極における洗浄水の液溜りを効果的に防止または抑制することができる湿式電気集塵機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る湿式電気集塵機は、集塵塔に沿ってガスを導入する縦型構造の湿式電気集塵機であって、前記集塵塔内に沿って六角筒状をなす複数の集塵電極がハニカム構造を構成するように配置されるとともに、各集塵電極内の中央部に上下方向に放電線がそれぞれ張設されており、前記集塵塔は、各集塵電極の下端部に、集塵電極の六つの辺それぞれに沿って下方に向けて全周縁に亘って張り出した水切り部を有し、前記水切り部を構成する6つの面は、各面の中央部が下方に突設された山形をなすとともに、各面の左右端部が隣接する面と同じ位置で連結されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る湿式電気集塵機によれば、集塵電極が六角筒状をなすとともにハニカム構造に配置された集塵塔を採用しているので、コロナ放電が発生する有効集塵空間における集塵電極の表面積の総和を大きくすることができる。よって、集塵効率を向上させることができる。
そして、この集塵塔は、各集塵電極の下端部の全周縁に亘り、集塵電極の六つの辺それぞれに沿って下方に向けて張り出した水切り部を有し、水切り部を構成する6つの面は、各面の中央部が下方に突設された山形をなすとともに、各面の左右端部が隣接する面と同じ位置で連結されているので、各集塵電極の六角筒状の極板面の全ての端部において、極板端部に生ずる液溜りを水切り部の山形の傾斜に沿って流下させることができる。そのため、ハニカム構造を構成する全ての集塵電極での水切り性が向上し、洗浄水を効果的に落下させることができる。したがって、集塵電極における洗浄水の液溜りを効果的に防止または抑制する上で好適である。
ここで、本発明の一態様に係る湿式電気集塵機において、前記集塵塔の上面側に、更に水切り手段を有することは好ましい。また、前記集塵塔の上部には、全集塵電極の上部端面を含む面一な面が設けられており、前記水切り手段が、前記集塵塔の前記面一な面の上面に、いずれかの集塵電極の筒部内に繋がるように形成された水切り溝であることは好ましい。このような構成であれば、集塵塔の上面側に更に水切り手段を設けているので、集塵塔の上面での洗浄水の液溜りを防止または抑制する上で好適である。
また、本発明の一態様に係る湿式電気集塵機において、洗浄用スプレーノズルを前記集塵塔の上部側および下部側のそれぞれに有し、前記洗浄用スプレーノズルのうち、前記集塵塔に向けて洗浄水を噴射する洗浄用スプレーノズルの噴射口は、集塵電極の全てに亘って洗浄水を噴射するように、ハニカム構造を構成する複数の集塵電極を外周側から囲繞するように配置されていることは好ましい。このような構成であれば、ハニカム構造を構成する六角筒状の各集塵電極の全てに洗浄水を噴射する洗浄用スプレーノズルの配置として好適である。
上述のように、本発明によれば、湿式電気集塵機において、ハニカム構造の集塵電極を採用しつつ、集塵電極における洗浄水の液溜りを防止または抑制することができる。
本発明の一態様に係る湿式電気集塵機の一実施形態を説明する図であり、同図では、縦型構造の湿式電気集塵機の要部をその軸線方向に沿った断面にて示している。 図1の集塵塔の部分を説明する図であり、同図(a)はその平面図、(b)は正面図である。 図1の集塵塔の部分を説明する図であり、同図(a)は、図2でのZ−Z断面図、(b)は、図2(b)でのA矢視図(底面図)であり、同図では、ハニカム構造の底部端面を誇張して図示している。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、この湿式電気集塵機1は、上方から順に、上部ケーシング10、集塵塔30および下部ケーシング20を有する。上部ケーシング10の下部に形成されたフランジ11と集塵塔30の上部フランジ31、および、集塵塔30の下部フランジ32と下部ケーシング20の上部に形成されたフランジ21は、相互がボルト・ナットにより連結されてケーシング全体が一体とされている。湿式電気集塵機1のケーシング全体は、不図示の基台等の支持構造により軸線を上下にして支持された縦型構造となっている。なお、ケーシングは、円筒状や角筒状など適宜の筒状体とすることができるが、本実施形態では、矩形筒状のケーシングを用いている。
下部ケーシング20の側面には、ガス導入口8が配設され、上部ケーシング10の側面には、ガス排気口9が配設されている。ガス排気口9の側には、不図示の送気ファン塔の設備が付設され、これにより、塵埃などの微粒子を含むガスGをケーシング下部のガス導入口8から導入してケーシング上部のガス排気口9から微粒子を除去後のガスGを排気するようになっている。なお、下部ケーシング20内には、導入されたガスGを分散させるために、多数の孔が形成された分散板60が配置されている。
集塵塔30の内部には、開口部が六角形をなし内面が平滑面とされた六角筒状の集塵電極40を単位とした集塵室を有し、複数の集塵電極40がハニカム構造を構成するように配置されている(図2(a)参照)。集塵塔30は、導電性を有するカーボンFRP(FRP:Fiber Reinforced Plastics)から形成されている。なお、集塵塔30の詳細については後述する。
湿式電気集塵機1のケーシング内部には、上方から順に、吊下管5、上部グリッド2、放電線6、および下部グリッド3が設けられて放電電極機構を構成している。そして、集塵塔30の側は接地され、吊下管5を介して各放電線6に不図示の電源から負極の直流高電圧が印加されるようになっている。
上部グリッド2と下部グリッド3は、上記集塵塔30に対して上下それぞれに所定距離だけ離間して水平姿勢で配置されている。吊下管5は、上部ケーシング10の中央から垂下されるとともに、上部グリッド2に連結されて上部ケーシング10内の所定位置に上部グリッド2を保持している。
放電電極は複数の放電線6により構成され、各放電線6は、放電効率が向上するように、トゲ状の放電用突起7が所定ピッチで適所に設けられている。各放電線6は、各集塵電極40に対してそれぞれ配置される。各放電線6は、上端部が上部グリッド2に固定され、下端部が下部グリッド3に固定される。放電線6は、各集塵電極40の中心に沿って上下方向に張設されている。
さらに、本実施形態の湿式電気集塵機1には、集塵塔30の各集塵電極40に付着した微粒子を洗浄して除去するために、洗浄水を噴出する複数の洗浄用スプレーノズルが設けられている。本実施形態の例では、集塵塔30よりも上部に、上下に離隔した第一スプレーノズル61、および第二スプレーノズル62を有する。各洗浄用スプレーノズル61,62は、使用目的によって水量を変化させることができるように、噴射流量の異なるノズルを有している。そして、各洗浄用スプレーノズル61,62は、上部ケーシング10の内周面に沿って配管されており、ハニカム構造を構成する複数の集塵電極40を外周側から囲繞するように複数の噴射口が配置されている。なお、図中、噴射口から洗浄水を噴出するイメージを破線にて図示している。
そして、スプレーノズル61,62の各噴射口から噴射された洗浄水は、その後、湿式電気集塵機1の上から下へと流れるところ、下部ケーシング20の最も低い位置に排出管51が接続されており、この排出管51から洗浄水と共に、各集塵電極40の内壁面に付着した微粒子が排水タンク50に排出されるようになっている。
また、微粒子は、下部のガス導入口8から導入されることから、各集塵電極40の下部の入り口部分に多く付着する。そこで、本実施形態の例では、洗浄用スプレーノズルとして、集塵塔30よりも低い位置から上方に向けて洗浄水を噴射するとともに、各集塵電極40の下部側の位置に、洗浄水を噴射可能な複数の噴射口を有する上向き洗浄ノズル63を設けている。
また、微粒子は、ガス導入管8からガスGが導入された後、ガスGは、下部ケーシング20に設けられた分散板60を介してから集塵塔30に流れ込む。そのため、分散板60にもガス中の微粒子が多く付着する。そこで、本実施形態の例では、上記上向き洗浄ノズル63よりも低い位置であって分散板60よりも高い位置に、下方に向けて洗浄水を噴射するとともに、分散板60の上面に洗浄水を噴射可能な複数の噴射口を有する下向き洗浄ノズル64を設けている。
上向き洗浄ノズル63および下向き洗浄ノズル64は、下部ケーシング20の内周面に沿って配管されており、それらの複数の噴射口の配置位置は、各集塵電極40の通ガス部である有効集塵空間よりも外周側の位置から各集塵電極40の通ガス部に向けてミスト状に水を周囲側方から噴射するように配置されている。これにより、噴射口部分が接ガスすることを可及的に避けるとともに、この配置により、上部から落ちてくる微粒子の塵芥が噴射口部分に付着することにより、噴射口が詰まることを防止している。
ここで、集塵塔30の上方から垂れる水滴が各集塵電極40の下部に停滞して残ってしまうと、その部分で火花放電が発生してしまうという問題がある。そこで、本実施形態では、その対策として、洗浄水の液溜りを効果的に防止または抑制するために、水切り手段として、六角筒状の集塵電極40の各面全ての下端部に亘って水切り部42が設けられている。
以下、上述の集塵塔30についてより詳しく説明する。なお、この集塵塔30は、上述したように、導電性を有するカーボンFRP製であり、本実施形態の例では、集塵電極の高さは約4mである。
図2および図3に示すように、集塵塔30の内部は、各集塵電極40が、横断面が六角形とされた中空の六角筒がハニカム構造をなして配置されている。集塵塔30は、上端部に上記上部フランジ31を有するとともに、下端部に上記下部フランジ32を有する。集塵塔30は、各集塵電極40の上部端面が面一とされており、上部フランジ31は、各集塵電極40の上部端面とも面一となる位置に設けられている。
上下のフランジ31、32は、ケーシングに整合させた矩形状に形成されており、ボルト・ナット締結用の複数の装着孔35,36が周囲の適所に形成されている。なお、図2および図3中、フランジ31、32に沿って図示された二点鎖線は、二点鎖線よりも外側が実質的なフランジとして機能する部分であり、二点鎖線よりも内側が、上下のケーシング10、20の内周側に位置する部分である。
複数の集塵電極40は、同一形状の集塵電極40を用いて構成されており、これら集塵電極40相互を隣接させたときに対向する面が互いに当接するように連続配置することにより、平面視においてハニカム構造を構成している。本実施形態の例では、8つの集塵電極40を3列に「3、2、3」の並びで配置したハニカム構造を設けている。各集塵電極40の口径は同一であり、また、各集塵電極40の6つの面との放電線6との対向距離、および電界強度も同一に設定されている。なお、集塵電極40による集塵室の数は8室に限定されず、任意の室数とすることができる。例えばガス量に応じて集塵電極内流速を求めて適切な集塵電極40の数を決定する。例えば7つの集塵電極40から集塵室を構成する場合、一の集塵電極40を中心とし他の集塵電極40が一の集塵電極40を囲繞する配置とすることができる。
さらに、この集塵塔30は、各集塵電極40の下端部の全周縁に亘って、集塵電極40の六つの辺それぞれに沿って下方に向けて略山形に張り出した水切り部42を水切り手段として設けている。
水切り部42は、六つの辺それぞれに対応する各面の方向から見たときに、各面の中央部が、下方に突設された左右対称形状となっている。水切り部42の各面の左右端部は、隣接する面と同じ位置で連結されている。これにより、全体的に安定した水切り性能を全ての箇所に対して確保可能になっている。また、同じ集塵電極形状とすることで、コストダウンおよび品質の安定を保つことができる。なお、本実施形態では、各集塵電極40の水切り部42は、その基端部の水平方向での位置が、全て同じ(いわば面一)とされており、その基端部の位置に合わせて上記下部フランジ32が設けられている。
また、この集塵塔30は、集塵塔30の上面側に、更に、水切り手段として水切り溝33を有している。この水切り溝33は、上記上部フランジ31の上面と面一とされている各集塵電極40の上端面と同じ高さの面に、いずれかの集塵電極40の筒部内に繋がるように凹の長溝を加工することによって形成されている。本実施形態の例では、ハニカム構造を8室の集塵電極40から構成するに際し、集塵電極40の並びを「3、2、3」としたので、中央の2室の両側に平面部34が生じているところ、この平面部34の中央の位置に、水切り溝33を設けている。
ここで、上記集塵塔30の製造方法について説明する。
本実施形態の例では、集塵塔30は、同一の型枠を用いて製作した、複数の中空六角筒状の柱を組み合わせて製造している。まず、六角筒状の型枠を用いてその型枠部材の外面に離型剤を塗布し、その上から、繊維強化プラスチックであって導電性FRPのシートを重ね合わせて張り付けて横断面が六角形とされるとともに、内面が平滑面とされた六角筒体を作成する。次いで、成形状態が安定したら型枠から六角筒体を軸方向に抜き出す。次いで、六角筒体同士の隣接面を相互に接着してこれらを所期の数だけハニカム構造を構成するように組み合わせる。その後、軸方向の両端面にフランジ31、32をそれぞれ取り付けて一体とした集塵塔30を製造する。
これにより、同じ部品である複数の集塵電極40を組み合わせたハニカム構造をなす集塵塔30が製造される。そのため、この集塵塔30は、各集塵電極40の部品管理が容易であり、組み立て時の作業効率も良く、また、製造コストを安価にすることができる。また、集塵塔30は、全体が一体となっているので、剛性が高く安定した形状を維持する上で好適であり、さらに、導入されたガスが隣接する集塵電極40の筒体部同士の間の空間に侵入して浸食されることも防止される。
次に、この湿式電気集塵機1の作用・効果について説明する。
上述の湿式電気集塵機1を運転するときは、集塵塔30を接地し、放電線6に負の高電圧を印加して、放電線6からコロナ放電を発生させる。これと同時に、塵埃などの微粒子を含むガスGをケーシング下部のガス導入口8から導入する。これにより、集塵塔30の各集塵電極40の集塵空間に微粒子を含んだガスが流れると、ガス中の微粒子が負に帯電する。帯電した微粒子は静電凝集作用を伴いつつクーロン力により各集塵電極40の内壁面に向って移動して壁面上に付着する。同時に、上方の上部ケーシング10に配設されているスプレーノズル61,62から洗浄水を下方の集塵塔30に向けて噴射する。これによって、各集塵電極40の内壁面に付着した微粒子を洗浄して除去する。洗浄水は微粒子とともに下部ケーシング20へと流れ、下部ケーシング20下のタンク50へ排出される。塵埃などの微粒子が除去されたガスGは、ケーシング上部のガス排気口9から排気される。
ここで、湿式電気集塵機の集塵効率は、有効集塵面積が大きい程向上する。これに対し、本実施形態の湿式電気集塵機1によれば、複数の集塵電極40がハニカム構造に配置された集塵塔30を採用しているので、コロナ放電が発生する集塵電極40の有効集塵空間における集塵電極の表面積の総和を大きくすることができる。よって、集塵効率を向上させることができる。
なお、複数の筒状体を繰り返し配置することによって、広い有効集塵面積を確保する集塵電極としては、例えば、筒状体の開口部が円の円筒状や、開口部が矩形状の四角筒状とすることもできるものの、筒状体が円筒状であると、隣接する筒状体同士の間に不要な隙間部分がデットスペースとなる。そのため、同一断面積でより広い有効集塵面積を確保する上では不十分である。また、四角筒状であると、放電方向での面との対向距離と対角線方向との対向距離の差異が断面を六角形としたものに比べて大きくなる。これに対し、断面を六角形とした六角筒状であれば、有効集塵面積を大きくすることができる上、ハニカム配置が可能なので隣接する筒状体同士の間にデットスペースは無くなり、かつ、面との対向距離と対角線方向との対向距離の差異も可及的に小さくできるので、集塵効率を向上させる上で極めて好適である。
そして、本実施形態の湿式電気集塵機1によれば、集塵塔30は、各集塵電極40の下端部の全周縁に亘って、六つの辺それぞれに沿って下方に向けて張り出した水切り部42を設けており、この水切り部42を構成する6つの面は、各面の中央部が下方に突設された山形をなすとともに、各面の左右端部が隣接する面と同じ位置で連結されているので、六角筒状の各集塵電極40の全ての極板面端部において、極板面端部に生ずる液溜りを水切り部の山形の傾斜に沿って流下させることができる。そのため、全ての集塵電極40での水切り性が向上し、洗浄水を効果的に落下させることができる。
また、この集塵塔30は、集塵塔30の上面側での水切り手段として、集塵塔30の上面(34)に、集塵電極40の筒部に繋がるように水切り溝33を形成したので、集塵塔30の上面での洗浄水の液溜りを防止または抑制する上で好適である。
また、本実施形態の湿式電気集塵機1によれば、複数の洗浄用スプレーノズル61〜63を、集塵塔30の上部側および下部側のそれぞれに有し、これらノズル61〜63は、各集塵電極40の全てに亘って洗浄水を噴射するように、ハニカム構造を構成する複数の集塵電極40を外周側から囲繞するように複数の噴射口が配置されているので、ハニカム構造を構成する六角筒状の各集塵電極の全てに洗浄水を均等噴射する洗浄用スプレーノズルの配置として好適である。
さらに、ガスG中の微粒子は、ガス導入口8から導入された後、分散板60を介してから集塵塔30に導入されるところ、本実施形態によれば、集塵塔30の下部入口に、分散板60に向けて洗浄水を噴射する下向き洗浄ノズル64を設けているので、分散板60に付着する微粒子についても効率良く洗浄除去することができる。
以上説明したように、この湿式電気集塵機1によれば、ハニカム構造とした複数の集塵電極40を採用しつつ、集塵電極40における洗浄水の液溜りを効果的に防止または抑制することができる。なお、本発明に係る湿式電気集塵機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、ガスが集塵塔30の下部から上部に流れる例で説明したが、これに限らず、例えばガスを集塵塔30の上部から下部に流れる構成としてもよい。但し、ガスを集塵塔30の下部から上部に流れる構成とすれば、ガス中の微粒子のうち質量が大きいものを低い位置から集塵させて下方に向けて洗浄する上で好ましいため、湿式電気集塵機の集塵効率を向上させる上で好適である。
また、例えば上記実施形態では、集塵塔30の上面側に、更に水切り手段を有する例で説明したが、これに限定されず、水切り手段は、少なくとも各集塵電極の下部に設ける構成とすることができる。しかし、集塵電極40における洗浄水の液溜りをより効果的に防止または抑制する上では、集塵塔の上面側にも水切り手段を設けることが好ましい。
また、上記実施形態では、集塵塔の上面側に設ける水切り手段の一例として、集塵塔30の上面(平面部34)に、集塵電極40の筒部内に繋がるように形成された水切り溝33を形成した例で説明したが、これに限らず、例えば、集塵塔の上面側の水切り手段として、上記平面部34自体を集塵電極40の筒部内側に下り勾配の傾斜面として形成してもよい。また、上記第一または第二スプレーノズルと同様に配置した空気噴射ノズルを更に設け、この空気噴射ノズルからの圧縮空気噴射によって洗浄水の液溜りを解消するようにしてもよい。しかし、低コストで且つ簡素な構成で集塵塔の上面側にも水切り手段を設ける上では、上記のように、平面部34に水切り溝33を形成することが好ましい。
1 湿式電気集塵機
2 上部グリッド
3 下部グリッド
5 吊下管
6 放電線
7 放電用突起
8 ガス導入口
9 ガス排気口
10 上部ケーシング
11 (上部ケーシングの)フランジ
20 下部ケーシング
21 (下部ケーシングの)フランジ
30 集塵塔
31 上部フランジ
32 下部フランジ
33 水切り溝(水切り手段)
34 平面部
40 集塵電極(集塵室)
42 水切り部(水切り手段)
50 タンク
51 排出口
60 分散板
61 (集塵塔上部の)第一スプレーノズル
62 (集塵塔上部の)第二スプレーノズル
63 (集塵塔下部の)上向き洗浄ノズル
64 (集塵塔下部の)下向き洗浄ノズル

Claims (4)

  1. 集塵塔に沿ってガスを導入する縦型構造の湿式電気集塵機であって、
    前記集塵塔内に沿って六角筒状をなす複数の集塵電極がハニカム構造を構成するように配置されるとともに、各集塵電極内の中央部に上下方向に放電線がそれぞれ張設されており、
    前記集塵塔は、各集塵電極の下端部に、集塵電極の六つの辺それぞれに沿って下方に向けて全周縁に亘って張り出した水切り部を有し、
    前記水切り部を構成する6つの面は、各面の中央部が下方に突設された山形をなすとともに、各面の左右端部が隣接する面と同じ位置で連結されていることを特徴とする湿式電気集塵機。
  2. 前記集塵塔の上面側に、更に水切り手段を有することを特徴とする請求項1に記載の湿式電気集塵機。
  3. 前記集塵塔の上部には、全集塵電極の上部端面を含む面一な面が設けられており、前記水切り手段が、前記集塵塔の前記面一な面の上面に、いずれかの集塵電極の筒部内に繋がるように形成された水切り溝であることを特徴とする請求項2に記載の湿式電気集塵機。
  4. 洗浄用スプレーノズルを前記集塵塔の上部側および下部側のそれぞれに有し、前記洗浄用スプレーノズルのうち、前記集塵塔に向けて洗浄水を噴射する洗浄用スプレーノズルの噴射口は、集塵電極の全てに亘って洗浄水を噴射するように、ハニカム構造を構成する複数の集塵電極を外周側から囲繞するように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿式電気集塵機。
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