JP2018001094A - 湿式集塵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流速を抑えることで圧力損失を小さくし、且つ低コストで充分な粉塵除去能力を備える湿式集塵装置を提供する【解決手段】本発明の湿式集塵装置1は、粉塵を含んだ空気を箱体10内に導入して貯留槽20内の液体21と接触させることで粉塵を除去し、清浄空気として排出する湿式集塵装置であって、前記箱体内を、粉塵を含んだ空気が流れる上流部13と、前記清浄空気が流れる下流部14とに区画する仕切板30を備えており、前記仕切板の下端が前記液体の表面に対して隙間50をあけた状態になっており、且つ前記仕切板の下端の水平方向の断面形状を非直線形状にすることで粉塵を含んだ空気が当該隙間を通過する際の流路の断面積を拡げたことを特徴とする。仕切板の下端の水平方向の断面形状を直線にする場合と比較して、粉塵を含んだ空気が隙間を通過する際の流路の断面積が広くなるため、流速を遅くすることで圧力損失を小さくできる。【選択図】図1
Description
本発明は湿式集塵装置に関し、特に流速を抑えることで圧力損失を小さくし、且つ低コストで充分な粉塵除去能力を備える湿式集塵装置に関する。
粉塵を含んだ空気を浄化するための湿式集塵装置として、例えば特許文献1には空気を水面に吹き付けて渦流を発生させ、渦流に巻き込まれた水分を空気と充分に接触させることで空気中の粉塵を除去し、次に散水手段によるシャワーの中を空気が通過することで残余の粉塵も除去する技術が開示されている。
しかし、散水手段に水を供給するためのポンプや、水をシャワー状に噴射するためのノズルが粉塵によって目詰りするという問題や、散水手段を駆動するための電気設備が必要になり、装置が高価且つ大型化するという問題がある。
しかし、散水手段に水を供給するためのポンプや、水をシャワー状に噴射するためのノズルが粉塵によって目詰りするという問題や、散水手段を駆動するための電気設備が必要になり、装置が高価且つ大型化するという問題がある。
そこで、特許文献2にはオリフィス部材によって空気を高速で水面に衝突させることで粉塵を水槽内に沈降させて回収すると共に、衝突の反動で上方に跳ね上がった水をフィルタに通すことでフィルタでも粉塵を回収する技術が開示されている。
また、特許文献3の湿式集塵装置では、下端に多数の三角歯を備える歯状板を、流路の中間位置に水面に浸る状態で配置しておく。そして、上流側の空気がその圧力で水面を押し下げることで三角歯の隙間に三角形の水膜を形成する。空気は水膜を砕きながら下流側へ進むので、空気中の粉塵が水膜に取り込まれて除去される。
特許文献2及び3の技術では散水手段を使用しないので粉塵による目詰りがなく、装置を比較的低価格且つ小型化することができる。
また、特許文献3の湿式集塵装置では、下端に多数の三角歯を備える歯状板を、流路の中間位置に水面に浸る状態で配置しておく。そして、上流側の空気がその圧力で水面を押し下げることで三角歯の隙間に三角形の水膜を形成する。空気は水膜を砕きながら下流側へ進むので、空気中の粉塵が水膜に取り込まれて除去される。
特許文献2及び3の技術では散水手段を使用しないので粉塵による目詰りがなく、装置を比較的低価格且つ小型化することができる。
ところが、上記特許文献2及び3に開示された技術では以下のような問題がある。
すなわち、特許文献2ではオリフィス部材を用いるために圧力損失が大きくなる。また、特許文献3では空気の圧力で水面を押し下げて水膜を形成するため圧力損失が大きくなる。このように特許文献2及び3の技術では圧力損失を補って充分な粉塵除去能力を得るために風量(流速)が大きいファンを使用する必要があり、コストが嵩むという問題がある。
すなわち、特許文献2ではオリフィス部材を用いるために圧力損失が大きくなる。また、特許文献3では空気の圧力で水面を押し下げて水膜を形成するため圧力損失が大きくなる。このように特許文献2及び3の技術では圧力損失を補って充分な粉塵除去能力を得るために風量(流速)が大きいファンを使用する必要があり、コストが嵩むという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑み、流速を抑えることで圧力損失を小さくし、且つ低コストで充分な粉塵除去能力を備える湿式集塵装置を提供することを目的とする。
本発明の湿式集塵装置は、粉塵を含んだ空気を箱体内に導入して貯留槽内の液体と接触させることで粉塵を除去し、清浄空気として排出する湿式集塵装置であって、前記箱体内を、粉塵を含んだ空気が流れる上流部と、前記清浄空気が流れる下流部とに区画する仕切板を備えており、前記仕切板の下端が前記液体の表面に対して隙間をあけた状態になっており、且つ前記仕切板の下端の水平方向の断面形状を非直線形状にすることで粉塵を含んだ空気が当該隙間を通過する際の流路の断面積を拡げたことを特徴とする。
また、前記仕切板の下端の水平方向の断面形状がジグザグ、凹凸、曲線、円、多角形或いはこれらを組み合わせた形状であることを特徴とする。
また、前記仕切板を複数備えることを特徴とする。
また、前記仕切板の下端の水平方向の断面形状がジグザグ、凹凸、曲線、円、多角形或いはこれらを組み合わせた形状であることを特徴とする。
また、前記仕切板を複数備えることを特徴とする。
本発明では、仕切板の下端と液体の表面との間に隙間を設けると共に仕切板の下端の水平方向の断面形状を非直線形状にしている。
これによって粉塵を含んだ空気が隙間を通過する際の流路の断面積が広くなるため、ファンによって箱体内に導入された粉塵を含んだ空気の流速は隙間を通過する際に遅くなる。ベルヌーイの定理によって圧力損失は流速の2乗に比例するので、流速を遅くすることで圧力損失を小さくできる。結果的に風量(流速)が小さいファンを使用できるようになり、湿式集塵装置の小型化且つ低コスト化を実現できる。
また、隙間の高さを変えたり仕切板の水平方向の断面形状を変えたりすることで空気の流速を調節し、圧力損失の量を調節することができる。本発明の湿式集塵装置の圧力損失を既存の湿式集塵装置と同程度にする場合には、本発明の湿式集塵装置では隙間をより狭くすることができるので集塵効率を高めることができる。
また、仕切板が液体の表面に浸っておらず、粉塵を含んだ空気は隙間を通過するので、従来の湿式集塵装置のように空気の圧力で液体を押し下げ、液体に浸った状態の仕切板の下方に隙間を強制的に設けて空気を通過させる場合と比較して圧力損失を小さくすることができる。
また、従来技術のように散水手段で水をシャワー状に噴射することがないので、ポンプやノズルが粉塵によって目詰りする問題を解消でき、更に散水手段を駆動するための電気設備が不要なので装置を小型化でき、製造コストを抑えることができる。
また、複数の仕切板を使用することにすれば流速を更に抑えることができる。例えば、2枚の仕切板を使用して下流部を2つ設けることにすれば隙間を通過する際の空気の流速を1/2に抑えることができる。
これによって粉塵を含んだ空気が隙間を通過する際の流路の断面積が広くなるため、ファンによって箱体内に導入された粉塵を含んだ空気の流速は隙間を通過する際に遅くなる。ベルヌーイの定理によって圧力損失は流速の2乗に比例するので、流速を遅くすることで圧力損失を小さくできる。結果的に風量(流速)が小さいファンを使用できるようになり、湿式集塵装置の小型化且つ低コスト化を実現できる。
また、隙間の高さを変えたり仕切板の水平方向の断面形状を変えたりすることで空気の流速を調節し、圧力損失の量を調節することができる。本発明の湿式集塵装置の圧力損失を既存の湿式集塵装置と同程度にする場合には、本発明の湿式集塵装置では隙間をより狭くすることができるので集塵効率を高めることができる。
また、仕切板が液体の表面に浸っておらず、粉塵を含んだ空気は隙間を通過するので、従来の湿式集塵装置のように空気の圧力で液体を押し下げ、液体に浸った状態の仕切板の下方に隙間を強制的に設けて空気を通過させる場合と比較して圧力損失を小さくすることができる。
また、従来技術のように散水手段で水をシャワー状に噴射することがないので、ポンプやノズルが粉塵によって目詰りする問題を解消でき、更に散水手段を駆動するための電気設備が不要なので装置を小型化でき、製造コストを抑えることができる。
また、複数の仕切板を使用することにすれば流速を更に抑えることができる。例えば、2枚の仕切板を使用して下流部を2つ設けることにすれば隙間を通過する際の空気の流速を1/2に抑えることができる。
[第1の実施の形態]
本発明の湿式集塵装置1の第1の実施の形態について説明する。
図1(a)〜(f)に示すように、湿式集塵装置1は箱体10、貯留槽20、仕切板30及びミストセパレータ40から概略構成される。
本発明の湿式集塵装置1の第1の実施の形態について説明する。
図1(a)〜(f)に示すように、湿式集塵装置1は箱体10、貯留槽20、仕切板30及びミストセパレータ40から概略構成される。
箱体10は湿式集塵装置1の筐体を構成する部材である。箱体10は水平方向の断面が四角形であり、その右側面に空気導入口11を設け、その下面に脚部12を設けている。図示は省略するが、湿式集塵装置1の外部にはファンを配置しており、ファンを駆動させて粉塵を含んだ空気を空気導入口11から箱体10内まで送っている。なお、箱体10の形状を四角形以外の多角形や円筒形にしてもよい。
貯留槽20を箱体10内の下部に配置している。貯留槽20には水等の液体21が入っている。詳しい説明は後述するが、粉塵を含んだ空気を貯留槽20内の液体21と接触させることで粉塵を除去し、清浄空気として大気中に排出する。貯留槽20内の液面の高さはボールタップ22によって一定に保っており、また、ボールタップ22を調節することで液面の高さを調節する仕組みになっている。
貯留槽20を箱体10内の下部に配置している。貯留槽20には水等の液体21が入っている。詳しい説明は後述するが、粉塵を含んだ空気を貯留槽20内の液体21と接触させることで粉塵を除去し、清浄空気として大気中に排出する。貯留槽20内の液面の高さはボールタップ22によって一定に保っており、また、ボールタップ22を調節することで液面の高さを調節する仕組みになっている。
仕切板30は箱体10内を、粉塵を含んだ空気が流れる上流部13と、清浄空気が流れる下流部14とに区画するための部材である。
本実施の形態では、2枚の仕切板30を使用することで図1(c)及び(f)に示すように中央に上流部13、上流部13を挟む位置に2つの下流部14を形成している。
具体的には、仕切板30の上端を箱体10の天井面に接合し、左右の端部を箱体10の左右の側面に接合している。仕切板30の下端は液体21の表面に対して隙間50が空く位置まで下げている。換言すると、仕切板30の下端が液体21に浸らない位置まで貯留槽20に液体21を入れている。
本実施の形態では、2枚の仕切板30を使用することで図1(c)及び(f)に示すように中央に上流部13、上流部13を挟む位置に2つの下流部14を形成している。
具体的には、仕切板30の上端を箱体10の天井面に接合し、左右の端部を箱体10の左右の側面に接合している。仕切板30の下端は液体21の表面に対して隙間50が空く位置まで下げている。換言すると、仕切板30の下端が液体21に浸らない位置まで貯留槽20に液体21を入れている。
ベルヌーイの定理より圧力損失は流速の2乗に比例することが知られている。したがって、圧力損失を抑えるには空気の流速を抑えるのが効果的である。
図1(f)に示すように仕切板30を構成する各山の頂点の間隔を200mm、頂角を90°、箱体10の左右の幅を1,100mmにした場合、仕切板30を直線状に広げた長さ(延べ長さ)L1は以下の式で表される。
L1=(141×10+50×2)mm=1,510mm
このように仕切板30の下端の水平方向の断面形状をジグザグ(非直線形状)にすることで、仮に仕切板を直線形状した場合の長さ(1,100mm)よりも510mm(1,510mm−1,100mm)だけ長くしている。
なお、箱体を円筒形にする場合、仕切板の下端の水平方向の長さを箱体の直径よりも長くすればよい。
隙間50の高さH1を25mm(図1(c))にすると、粉塵を含んだ空気が隙間50を通過する際の流路の断面積A1は以下の式で表される。
A1=L1×H1=1,510mm×25mm=0.3775m2
本実施の形態では仕切板30を2枚使用することで隙間50を前後2箇所設けているので実際の流路の断面積は2倍(2×A1)になる。
図1(f)に示すように仕切板30を構成する各山の頂点の間隔を200mm、頂角を90°、箱体10の左右の幅を1,100mmにした場合、仕切板30を直線状に広げた長さ(延べ長さ)L1は以下の式で表される。
L1=(141×10+50×2)mm=1,510mm
このように仕切板30の下端の水平方向の断面形状をジグザグ(非直線形状)にすることで、仮に仕切板を直線形状した場合の長さ(1,100mm)よりも510mm(1,510mm−1,100mm)だけ長くしている。
なお、箱体を円筒形にする場合、仕切板の下端の水平方向の長さを箱体の直径よりも長くすればよい。
隙間50の高さH1を25mm(図1(c))にすると、粉塵を含んだ空気が隙間50を通過する際の流路の断面積A1は以下の式で表される。
A1=L1×H1=1,510mm×25mm=0.3775m2
本実施の形態では仕切板30を2枚使用することで隙間50を前後2箇所設けているので実際の流路の断面積は2倍(2×A1)になる。
粉塵を含んだ空気がファンによって風量Q1=100m3/minで空気導入口11から箱体10内の上流部13に導入されたとすると、当該空気が隙間50を通過して下流部14に至る際の流速V1は以下の式で表される。
V1=Q1/(60×2×A1)≒22.08m/s
一方、仮に仕切板を直線形状(長さ1,100mm)にして、隙間50を1箇所だけ設けた場合の流速V0は以下の式で表される。
V0=Q1/(60×1,100mm×25mm)≒60.61m/s
V1=Q1/(60×2×A1)≒22.08m/s
一方、仮に仕切板を直線形状(長さ1,100mm)にして、隙間50を1箇所だけ設けた場合の流速V0は以下の式で表される。
V0=Q1/(60×1,100mm×25mm)≒60.61m/s
このように、仕切板30をジグザグにして隙間50を2箇所設けることで、仕切板30を直線にして隙間50を1箇所設ける場合と比較して流速をV1/V0≒0.36倍に抑えることができ、圧力損失を0.362≒0.13倍に抑えることができる。圧力損失が小さいので、風量(流速)が小さいファンを使用することができ、コストを抑えることができる。
また、仮に隙間50を1箇所だけにした場合でも流速を0.73倍、圧力損失を0.732=0.53倍に抑えることができる。
また、仮に隙間50を1箇所だけにした場合でも流速を0.73倍、圧力損失を0.732=0.53倍に抑えることができる。
また、粉塵を含んだ空気は隙間50を通過する際に液体21と接触することで粉塵が除去される。したがって、粉塵を含んだ空気と液体21との接触距離をできるだけ大きくするべく流路の断面積を拡げるのが好ましい。
粉塵を含んだ空気と液体21との接触距離は、隙間50が2箇所の場合で2×L1/L0=2×1,510/1,100=2.75倍、隙間50が1箇所の場合でL1/L0=1.37倍となり、本実施の形態の湿式集塵装置1では容積効率をそれぞれ2.75倍、1.37倍に向上させることができる。
粉塵を含んだ空気と液体21との接触距離は、隙間50が2箇所の場合で2×L1/L0=2×1,510/1,100=2.75倍、隙間50が1箇所の場合でL1/L0=1.37倍となり、本実施の形態の湿式集塵装置1では容積効率をそれぞれ2.75倍、1.37倍に向上させることができる。
隙間50を通過する際に粉塵が除去された清浄空気は下流部14内を上昇し、箱体10の上面に設けたミストセパレータ40を通過して外部に排出される。
なお、本実施の形態では仕切板30の下端の水平面に沿った断面をジグザグ形状にしたが、ジグザグを構成する山の辺を更にジグザグ形状にしたり(図2(a))、凹凸(図2(b))、曲線(波型)(図2(c))、円(図2(d))、多角形(図2(e))あるいはこれらを組み合わせた形状にしてもよい。
なお、本実施の形態では仕切板30の下端の水平面に沿った断面をジグザグ形状にしたが、ジグザグを構成する山の辺を更にジグザグ形状にしたり(図2(a))、凹凸(図2(b))、曲線(波型)(図2(c))、円(図2(d))、多角形(図2(e))あるいはこれらを組み合わせた形状にしてもよい。
[第2の実施の形態]
次に本発明の湿式集塵装置の第2の実施の形態について説明するが、上記第1の実施の形態と同一の構成になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、本実施の形態の湿式集塵装置2は、水平方向の断面が正方形(1辺の長さ1,100mm)の箱体10の内部に直径400mmの円筒形の仕切板60を4つ配置する点に特徴を有する。
円筒形の仕切板60の上端を水平板70に接合しており、水平板70の4辺を箱体10の内面に接合している。
直径400mmの円筒形の仕切板60を4つ用いる場合、仕切板60の水平方向の断面の長さの合計は約400mm×3.14×4=5,024mmになる。仮に仕切板を直線形状にする場合は水平方向の断面の長さが1,100mmになるので、粉塵を含んだ空気が隙間50を通過する際の流路の断面積を約4.5倍に拡げることができる。
粉塵を含んだ空気を空気導入口11から箱体10内の上流部13に導入すると、当該空気の粉塵は隙間50を通過する際に除去され、清浄空気となって円筒形の仕切板60の内部を上昇する。そして、清浄空気はミストセパレータ40を通過して外部に至る。
なお、図4に示すように円筒形の仕切板60を1つ配置する構成でもよく、仕切板は必ずしも円筒形に限らず多角形でもよい。
また、図5に示すように粉塵を含んだ空気が仕切板60の内部を下降していき、隙間50及びミストセパレータ40を通過して外部に至る方式、すなわち空気の流れを第2の実施の形態の湿式集塵装置2と逆にしてもよい。
次に本発明の湿式集塵装置の第2の実施の形態について説明するが、上記第1の実施の形態と同一の構成になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、本実施の形態の湿式集塵装置2は、水平方向の断面が正方形(1辺の長さ1,100mm)の箱体10の内部に直径400mmの円筒形の仕切板60を4つ配置する点に特徴を有する。
円筒形の仕切板60の上端を水平板70に接合しており、水平板70の4辺を箱体10の内面に接合している。
直径400mmの円筒形の仕切板60を4つ用いる場合、仕切板60の水平方向の断面の長さの合計は約400mm×3.14×4=5,024mmになる。仮に仕切板を直線形状にする場合は水平方向の断面の長さが1,100mmになるので、粉塵を含んだ空気が隙間50を通過する際の流路の断面積を約4.5倍に拡げることができる。
粉塵を含んだ空気を空気導入口11から箱体10内の上流部13に導入すると、当該空気の粉塵は隙間50を通過する際に除去され、清浄空気となって円筒形の仕切板60の内部を上昇する。そして、清浄空気はミストセパレータ40を通過して外部に至る。
なお、図4に示すように円筒形の仕切板60を1つ配置する構成でもよく、仕切板は必ずしも円筒形に限らず多角形でもよい。
また、図5に示すように粉塵を含んだ空気が仕切板60の内部を下降していき、隙間50及びミストセパレータ40を通過して外部に至る方式、すなわち空気の流れを第2の実施の形態の湿式集塵装置2と逆にしてもよい。
本発明の湿式集塵装置の実施例を示す。
図6(a)に示すように、箱体(横1,000mm,縦1,000mm)の内部にジグザグの仕切板(直線状に広げた長さ(延べ長さ)3,200mm)を取り付け、箱体の上面に2箇所のミストセパレータを設けた。
比較例として図6(b)に示すように箱体(横1,000mm,縦500mm)の内部に直線の仕切板(長さ450mm)を取り付け、箱体の上面に1箇所のミストセパレータを設けた。
実施例の湿式集塵装置と比較例の湿式集塵装置の圧力損失が共に200Paになるように粉塵を含んだ空気の風量を調節したところ、実施例の湿式集塵装置では風量が100m3/min、比較例の湿式集塵装置では風量が13m3/minになった。
ここで、実施例と比較例の圧力損失を等しくすることは両者の流速Vを等しくすることを意味する。また、風量をQ、流路の断面積をAとした場合、V=Q/Aが成り立つ。
隙間箇所における流路の断面積Aは実施例:比較例=3,200mm:450mmであり、実施例の断面積Aの方が約7.1倍大きくなっている。一方、風量Qは実施例:比較例=100m3/min:13m3/minであり、実施例の風量Qの方が約7.7倍大きくなっている。以上より、仕切板の断面形状をジグザグ等の非直線形状にして流路の断面積Aを増やした場合、増やした割合にほぼ比例して風量Qが増加していることが分かる。
本実施例ではジグザグの仕切板を用いることで、比較例に対して箱体の縦の長さを2倍(体積2倍)にしただけで、風量すなわち集塵能力を約7.7倍(=100/13)に高めることができた。
図6(a)に示すように、箱体(横1,000mm,縦1,000mm)の内部にジグザグの仕切板(直線状に広げた長さ(延べ長さ)3,200mm)を取り付け、箱体の上面に2箇所のミストセパレータを設けた。
比較例として図6(b)に示すように箱体(横1,000mm,縦500mm)の内部に直線の仕切板(長さ450mm)を取り付け、箱体の上面に1箇所のミストセパレータを設けた。
実施例の湿式集塵装置と比較例の湿式集塵装置の圧力損失が共に200Paになるように粉塵を含んだ空気の風量を調節したところ、実施例の湿式集塵装置では風量が100m3/min、比較例の湿式集塵装置では風量が13m3/minになった。
ここで、実施例と比較例の圧力損失を等しくすることは両者の流速Vを等しくすることを意味する。また、風量をQ、流路の断面積をAとした場合、V=Q/Aが成り立つ。
隙間箇所における流路の断面積Aは実施例:比較例=3,200mm:450mmであり、実施例の断面積Aの方が約7.1倍大きくなっている。一方、風量Qは実施例:比較例=100m3/min:13m3/minであり、実施例の風量Qの方が約7.7倍大きくなっている。以上より、仕切板の断面形状をジグザグ等の非直線形状にして流路の断面積Aを増やした場合、増やした割合にほぼ比例して風量Qが増加していることが分かる。
本実施例ではジグザグの仕切板を用いることで、比較例に対して箱体の縦の長さを2倍(体積2倍)にしただけで、風量すなわち集塵能力を約7.7倍(=100/13)に高めることができた。
本発明は、流速を抑えることで圧力損失を小さくし、且つ低コストで充分な粉塵除去能力を備える湿式集塵装置に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1 湿式集塵装置
2 湿式集塵装置
10 箱体
11 空気導入口
12 脚部
13 上流部
14 下流部
20 貯留槽
21 液体
22 ボールタップ
30 仕切板
40 ミストセパレータ
50 隙間
60 円筒形の仕切板
70 水平板
2 湿式集塵装置
10 箱体
11 空気導入口
12 脚部
13 上流部
14 下流部
20 貯留槽
21 液体
22 ボールタップ
30 仕切板
40 ミストセパレータ
50 隙間
60 円筒形の仕切板
70 水平板
Claims (3)
- 粉塵を含んだ空気を箱体内に導入して貯留槽内の液体と接触させることで粉塵を除去し、清浄空気として排出する湿式集塵装置であって、
前記箱体内を、粉塵を含んだ空気が流れる上流部と、前記清浄空気が流れる下流部とに区画する仕切板を備えており、
前記仕切板の下端が前記液体の表面に対して隙間をあけた状態になっており、且つ前記仕切板の下端の水平方向の断面形状を非直線形状にすることで粉塵を含んだ空気が当該隙間を通過する際の流路の断面積を拡げたことを特徴とする湿式集塵装置。
- 前記仕切板の下端の水平方向の断面形状がジグザグ、凹凸、曲線、円、多角形或いはこれらを組み合わせた形状であることを特徴とする請求項1に記載の湿式集塵装置。
- 前記仕切板を複数備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式集塵装置。
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---|---|---|---|
JP2016131622A JP2018001094A (ja) | 2016-07-01 | 2016-07-01 | 湿式集塵装置 |
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---|---|
JP (1) | JP2018001094A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6920672B1 (ja) * | 2021-03-28 | 2021-08-18 | 武三 石丸 | 気体清浄装置および気体清浄装置用集液部材 |
WO2022210142A1 (ja) * | 2021-03-28 | 2022-10-06 | 武三 石丸 | 気体清浄装置および気体清浄装置用集液部材 |
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2016
- 2016-07-01 JP JP2016131622A patent/JP2018001094A/ja active Pending
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WO2022210142A1 (ja) * | 2021-03-28 | 2022-10-06 | 武三 石丸 | 気体清浄装置および気体清浄装置用集液部材 |
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