JP6262694B2 - プロリルオリゴペプチダーゼ阻害剤 - Google Patents

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Description

本技術は、プロリルオリゴペプチダーゼ阻害剤、及び脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、又は嚥下機能改善剤に関する。
プロリルオリゴペプチダーゼ(EC.3.4.21.26、プロリルエンドペプチダーゼ(PEP)とも呼ばれるが、本明細書においては、以下「POP」ともいう)は、キマーゼ、エラスターゼ、カテプシンG、カリクレイン、tPA、トロンビン、ジペプチジルアミノペプチダーゼIV等と同様にセリンプロテアーゼである。これらの酵素は、それぞれ別々の特徴を持っている。
例えば、キマーゼは肥満細胞顆粒中に存在するキモトリプシン様セリンプロテアーゼである。エラスターゼはサイトカインを分解、IgA及びIgGを切断、補体のC3biや受容体CR1も切断する。カテプシンGは多形核白血球のアズール顆粒に存在し、病原体の殺傷や消化に関与している。カリクレインは血圧降下に関するタンパク質分解酵素で、多くの腫瘍組織での発現が確認されている。tPAは、プラスミノーゲンを活性化することでフィブリンを分解させ、血栓溶解剤として塞栓症や血栓性疾患の治療に使われる。トロンビンは血液の凝固に関わり、フィブリノーゲンをフィブリンにする反応を触媒する。ジペプチジルアミノペプチダーゼIVは歯周病の原因酵素であり、またインスリンの生合成や分泌に関与するグルカゴン様ペプチド1を不活性化する。プロリルオリゴペプチダーゼ(POP)は、サブスタンスP、バソプレッシン、オキシトシン等の生理活性ペプチドの代謝に関係すると考えられている。
前記のセリンプロテアーゼのなかでも、プロリルオリゴペプチダーゼ(POP)は、哺乳動物の体内に広く分布し、種々の器官に認めることができる。例えば、脳、精巣及び骨格筋に高いレベルで存在し(非特許文献1)、特に脳の海馬(非特許文献2〜4)、及び中枢神経系において特に高い濃度で検出される(非特許文献5)。
神経伝達物質であるサブスタンスP、ニューロテンシン、記憶に関係するバソプレッシン、オキシトシン等のプロリンを含むペプチドは、脳を正常に保つ働きがあるが、プロリルオリゴペプチダーゼ(POP)は、これらの神経伝達物質のペプチド鎖中のプロリン残基のカルボキシル基側のペプチド結合を、特異的に認識して切断することが知られている。このようなPOPの作用により、神経伝達物質のペプチドが減少するため、脳機能が攪乱し、記憶保持に障害が生ずる。
実際に、認知症(痴呆症)患者ではバソプレッシン量が通常よりも少ないことが知られている。また、アルツハイマー症の脳組織ではPOPの活性が増加し、神経伝達物質のペプチドを必要以上に分解してしまい、脳機能に障害を起こすことが知られている。また、神経伝達物質のペプチドは、中枢神経系に作用し、学習及び記憶作業における動物やヒトの反応を変性させる(非特許文献6及び7)。
例えば、バソプレッシンの過剰な分解による記憶保持障害に対して、POPの活性を阻害することによる、認知症の治療が研究されている(特許文献1、特許文献2)。
そして、POP活性を阻害する化合物(阻害剤)として、特許文献1は、コメ蛋白質由来のペプチドを開示し、当該ペプチドのPOP阻害活性(IC50)は、24.3μM/Lであることを示している。
また、特許文献2は、ワイン由来の2種類のペプチドを開示しており、当該2種類のペプチドのPOP阻害活性(IC50)は、それぞれ17.0μM、87.8μMであることを示している。
このようなPOP阻害活性を活かし、認知症等の予防、治療にこれらのペプチドを適用することが開示されている(特許文献1、特許文献2)。
また、前記の通り、オキシトシンの代謝にプロリルオリゴペプチダーゼ(POP)が関与するため、POPを阻害することにより、オキシトシンの代謝を阻害し、オキシトシンが作用する生体内機能を向上させることも期待できる。
例えば、オキシトシンは、陣痛の誘発(出産時の子宮収縮)や授乳時における乳腺刺激(非特許文献8)が最もよく知られているが、別名、「信頼ホルモン」、「愛情ホルモン」、「幸福ホルモン」などと呼ばれるように、信頼を築く上で重要な働きをすること(非特許文献9)、ストレスの緩和作用を有すること(非特許文献10)、なども知られている。
さらに、近年の研究において、オキシトシンには、筋肉幹細胞の増殖促進作用を有すること(非特許文献11)、骨芽細胞に作用して骨形成を促進すること(非特許文献12)なども分かってきた。
このように、オキシトシンは、生体内において、非常に多くの機能に携わっていることから、オキシトシンの代謝に関わるPOPを阻害することで、生体内におけるオキシトシンの量を高め、その結果、オキシトシンが作用する生体内機能を向上させることが可能と考えられる。
また、中枢神経系に存在し、神経伝達物質であるドーパミンは、迷走神経知覚枝から咽頭や気管に分泌されるサブスタンスPの分泌量を調節している。サブスタンスPは咽頭や気道の知覚に重要な役割を果たしており、この分泌が低下すると、咽頭では嚥下反射障害、気道では咳反射の障害を起こすことが知られている(特許文献3)。そこで、嚥下障害を改善するには、神経ホルモンであるサブスタンスPを増加させることが有効と考えられているが、サブスタンスPを分解するプロリルエンドペプチダーゼ(PEP)の阻害剤を用いることが嚥下機能の改善に有効であることが示唆されている(特許文献3)。
特開平9−40693号公報 特開2002−80497号公報 特開2004−107285号公報
T.Yoshimoto,K.Ogita,R.Walter,M.Koida及びD.Tsuru:Biochim.Biophys.Acta,569,(1979),p.184−192 Science,Vol.173,p.827,1971 Molecular&Cellular Biochemistry,Vol.30,p.111,1980 日本農芸化学会誌,Vol.58,p.1147,1984 Wilk,et al.,Journal of Neurochemistry,vol.41,No.1,p.69−75,1983 K.Toide,Z.Iwamoto,T.Fujiwara及びH.Abe:J.Pharm.Exp.Therapeutics,Vol.274,(1995),p.1370−1378 W.Riedel及びJ.Jolles,Drugs & Aging,Vol.8,(1996),p.245−274 日本内分泌学会誌 Vol.69,p.520−529,1993 Nature reviews of neuroscience,Vol.12,p.524−538,2011 Psychoneuroendocrinology,Vol.38,p.399−407,2013 Nature communications,Vol.5,article,No.4082,2014 Endocrinology,Vol.155,p.1340−1352,2014
本技術は、プロリルオリゴペプチダーゼ(POP)に対する阻害活性が高いペプチドを有効成分として用いるプロリルオリゴペプチダーゼ(POP)阻害剤、および脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、又は嚥下機能改善剤を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、乳由来のタンパク質を特定の酵素で分解し、その分解物中に高いプロリルオリゴペプチダーゼ(POP)阻害作用を有するペプチドを見出し、本技術を完成するに至った。
即ち、本技術は、以下の(a)〜(l)で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドを有効成分として含有するプロリルオリゴペプチダーゼ阻害剤を提供する。
(a) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu (配列番号1)
(b) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp (配列番号2)
(c) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp−Leu−Glu (配列番号3)
(d) Ala−Val−Pro−Tyr−Pro−Gln (配列番号4)
(e) Val−Leu−Pro−Val−Pro−Gln (配列番号5)
(f) Glu−Met−Pro−Phe−Pro−Lys (配列番号6)
(g) Val−Ile−Pro−Tyr (配列番号7)
(h) Thr−Lys−Val−Ile−Pro−Tyr (配列番号8)
(i) Val−Ala−Pro−Phe−Pro−Glu (配列番号9)
(j) Phe−Phe−Val−Ala−Pro−Phe−Pro−Glu−Val−Phe−Gly (配列番号10)
(k) Val−Tyr−Pro−Phe−Pro−Gly−Pro−Ile−Pro−Asn (配列番号11)
(l) Ala−Met−Lys−Pro−Trp−Ile−Gln−Pro−Lys (配列番号12)
更に、本技術は、前記(a)〜(l)で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドを有効成分として含有する、脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、嚥下機能改善剤、子宮収縮剤、乳腺刺激剤、筋肉幹細胞増殖促進剤、骨粗しょう症改善剤を提供する。
加えて、本技術は、前記(j)で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを提供する。
本技術は、前記(a)〜(l)で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドを有効成分として含有する飲食品、飼料を提供する。これらの飲食品及び飼料は、脳機能改善用飲食品、中枢神経系機能改善用飲食品、又は嚥下機能改善用飲食品、及び、脳機能改善用飼料、中枢神経系機能改善用飼料、又は嚥下機能改善用飼料として用いることができる。
本技術は、前記(a)〜(l)で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドの製造方法を提供する。
本技術は、前記(a)〜(l)で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドをプロリルオリゴペプチダーゼに作用させる、プロリルオリゴペプチダーゼの阻害方法を提供する。なお、本方法は、in vitro、ex vivo、in vivo、in situのいずれでも行うことができる。
本技術に係る乳タンパク質由来のペプチドは、天然のタンパク質を出発原料として製造し、又は入手することができることから、安全性が高く、医薬品や食品、飼料への応用が容易である。
また、本技術に係る乳タンパク質由来のペプチドは、脳機能や中枢神経系に関与するプロリルオリゴペプチダーゼ(POP)に対して優れた阻害活性を有することから、認知症やうつ病等の症状改善・治療・予防に用いられるPOP阻害剤、脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、又は嚥下機能改善剤を提供することができる。
更に、本技術に係る乳タンパク質由来のペプチドは、生体内において多くの機能に携わるオキシトシンの代謝に関与するプロリルオリゴペプチダーゼ(POP)に対して優れた阻害活性を有することから、オキシトシンが作用する生体内機能を向上させることが可能である。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、本明細書において、数値範囲を「下限〜上限」で表現するものに関しては、上限は「以下」であっても「未満」であってもよく、下限は「以上」であっても「超」であってもよい。
(1)ペプチド
本技術に用いられるペプチドは、以下の(a)〜(l)(配列番号1〜12)で表されるアミノ酸配列からなり、それぞれのペプチドはプロリルオリゴペプチダーゼ(POP)阻害活性を有する。本技術では、以下の(a)〜(l)のペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種を選択して用いてもよいし、2種以上を選択して用いてもよい。
(a) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu (配列番号1)
(b) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp (配列番号2)
(c) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp−Leu−Glu (配列番号3)
(d) Ala−Val−Pro−Tyr−Pro−Gln (配列番号4)
(e) Val−Leu−Pro−Val−Pro−Gln (配列番号5)
(f) Glu−Met−Pro−Phe−Pro−Lys (配列番号6)
(g) Val−Ile−Pro−Tyr (配列番号7)
(h) Thr−Lys−Val−Ile−Pro−Tyr (配列番号8)
(i) Val−Ala−Pro−Phe−Pro−Glu (配列番号9)
(j) Phe−Phe−Val−Ala−Pro−Phe−Pro−Glu−Val−Phe−Gly (配列番号10)
(k) Val−Tyr−Pro−Phe−Pro−Gly−Pro−Ile−Pro−Asn (配列番号11)
(l) Ala−Met−Lys−Pro−Trp−Ile−Gln−Pro−Lys (配列番号12)
本技術に用いられる(a)〜(l)ペプチド(以降、本明細書においては「配列番号1〜12のペプチド」として記載する。)は、これらのペプチドの塩類であってもよく、塩類として例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属類、カルシウムマグネシウム等のアルカリ土類金属類等が挙げられる。
(2)POP阻害活性
本技術に用いられる配列番号1〜12のペプチドにおけるPOP阻害活性は、特に限定されないが、例えば、Yoshimoto,T.らの方法(Biochim.Biophys.Acta、1979年、Aug 15、第569巻、第2号、第184−192頁)に準じて測定することが可能である。
このようにして測定されるPOP阻害活性に係るIC50は、好ましくは30μg/mL以下、より好ましくは10μg/mL以下、更に好ましくは5μg/mL以下である。又は、IC50が、好ましくは50μM以下、より好ましくは20μM以下、更に好ましくは10μM以下である。
(3)ペプチドの製造方法
配列番号1〜12のペプチドの製造方法の概略は、ホエイ蛋白質やカゼイン等の乳由来のタンパク質を、水に分散、懸濁又は溶解し、これに酵素や酸、アルカリを添加して加水分解し、適宜分解が進んだところで反応を停止し、得られた加水分解液を限外ろ過等により濃縮し、クロマトグラフィー等でペプチドを分画して溶出させる。溶出した分画液について、POP阻害活性を前記の方法で測定し、POP阻害活性を有する画分を回収することによって、目的のペプチドを含む成分を製造することができる。
なお、更に本技術に用いられるペプチドを単離することを目的として、イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、溶媒沈殿、塩析等の方法で精製してもよい。
以下、製造方法の一例について具体的に説明するが、これに限定されるものではない。本技術においては、公知のホエイ蛋白質やカゼインの加水分解で用いられる様々な工程を、自由に選択して採用することができる。
[原料]
本技術に用いられる配列番号1〜12のペプチドは、天然タンパク質を加水分解することによって製造することが可能である。原料となる天然タンパク質としては、哺乳動物(ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ヒト等)の乳に含まれるホエイ蛋白質やカゼインが好ましい。
乳由来のホエイ蛋白質としては、市販品又は牛乳、脱脂乳等から公知の方法により分離されたホエイ(例えば、ホエイ粉末、脱塩ホエイ粉末等)又は、分離精製した乳清蛋白質濃縮物、乳清蛋白質単離物、若しくはこれらの任意の割合の混合物を用いることができる。
また、乳由来のカゼインには、α−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン等が含まれており、本技術においては、いずれのカゼインやそれらの混合物を使用することが可能であるが、なかでも入手が容易なウシ乳のα−カゼイン、β−カゼインを使用することが好ましい。
[基質溶液の調製]
まず、原料(乳由来のタンパク質)を水などの溶媒に溶解又は分散させ、タンパク質溶液を調製する。
溶媒は特に限定されないが、蒸留水を用いることが好ましい。
また、前記溶解液の濃度は特に限定されないが、通常、タンパク質換算で5〜15質量%前後の濃度範囲とすることが、効率性及び操作性の点から好ましい。溶解濃度を5%以上とすることで、製造上の効率を向上させることができる。また、溶解濃度を20%以下とすることで、分解効率の低下、加熱処理時の焦付き、冷却時の粘度上昇等を防止することができる。
次に、前記溶解液のpHを、使用する酵素の至適pH付近に調整することにより基質溶液を調製する。例えば、pH5〜10に調整することが好ましく、pH7〜8に調整することがより好ましい。
pH調整に用いるアルカリ剤は特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
本技術においては、更に、分解前処理工程として、pH調整前若しくは後、又はその両方で加熱処理、イオン交換処理等を適宜実施することもできる。
[酵素反応]
次に、前記基質溶液にタンパク質分解酵素を添加する。タンパク質分解酵素は、特に限定されないが、公知のエンドプロテアーゼを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。エンドプロテアーゼとしては、例えば、ビオプラーゼ(長瀬生化学工業社製)、プロチンSD−AY10(天野エンザイム社製)、プロチンNY100(天野エンザイム社製)、プロテアーゼNアマノ(天野エンザイム社製)、ニュートラーゼ(ノボ・ノルディスク社製)、アルカラーゼ(ノボ・ノルディスク社製)、トリプシン(ノボ・ノルディスク社製)、キモトリプシン(ノボ・ノルディスク社製)、パパイン(天野エンザイム社製)、ブロメライン(天野エンザイム社製)等の市販品が挙げられる。
また、必要に応じて、エキソプロテアーゼを組み合わせてもよい。エキソプロテアーゼとしては、プロテアーゼAアマノ(天野エンザイム社製)、スミチームLP50D(新日本科学工業社製)、フレーバーザイム(ノボ・ノルディスク社製)等の市販品が挙げられる。
タンパク質分解酵素の添加量は、基質濃度、酵素力価、反応温度、及び反応時間等により、適宜決定して用いることができる。例えば、バチルス属細菌由来のプロテアーゼを用いる場合は、タンパク質1g当たり、好ましくは1000活性単位以上、より好ましくは1250活性単位以上であり、また、好ましくは5000活性単位以下、より好ましくは3000活性単位以下である。動物の膵臓由来のプロテアーゼを用いる場合は、タンパク質1g当たり、好ましくは3000活性単位以上、より好ましくは5000活性単位以上、また、好ましくは10000活性単位以下、より好ましくは8000活性単位以下である。
なお、活性単位は、使用するその他のタンパク質分解酵素の種類に応じて測定することが可能である。
タンパク質分解酵素は、効率性及び操作性の観点から、4〜10℃の冷水に分散し、溶解してから使用することが好ましい。また、タンパク質分解酵素は、一括添加、又は適宜の間隔で添加することもでき、更に、固定化酵素を使用することもできる。
本技術において、酵素反応中の反応系の温度は、酵素作用の発現する最適温度範囲を含む実用に供され得る範囲内で、適宜決定することができる。例えば、反応系の温度を、30〜60℃とすることが好ましく、40〜55℃とすることがより好ましい。
また、本技術において、反応継続時間は、反応温度、初発pH等の反応条件によって進行状態が異なる。例えば、酵素反応の反応継続時間を一定とすると、製造バッチ毎に異なる理化学的性質を有する分解物が生じる可能性等の問題があるため、一該に決定することができない。
したがって、酵素反応をモニターすることにより、本技術に用いられるペプチドが得られるように、反応継続時間を決定する。
本技術においては、例えば、反応継続時間は、1〜48時間の間で決定することが好ましく、4〜18時間の間で決定することがより好ましい。
なお、酵素反応のモニタリング方法としては、例えば、前記反応溶液の一部を採取し、タンパク質の分解率等を測定する方法等が挙げられる。
また、タンパク分解酵素の至適pHを維持するために、酵素分解中に、溶液のpHを適宜調整することもできる。
次に、酵素反応を停止させる。
酵素反応の停止は、加水分解液中の酵素を失活させることにより行われる。失活処理は、常法、例えば、加熱失活処理等により実施することができる。
加熱失活処理の条件(加熱温度、加熱時間等)は、使用した酵素の熱安定性を考慮し、十分に失活できる条件を適宜設定することができる。
本技術においては、例えば、80〜130℃の温度範囲で30分間〜2秒間の保持時間で、酵素を失活させることができる。
[精製]
酵素反応停止後、得られた加水分解失活液を、(a)濾過、(b)精密濾過、限外濾過膜等の膜分離処理、(c)樹脂吸着分離、(d)カラムクロマトグラフィーからなる群から選択される、いずれか1種又はこれらの2種以上の組合せによって精製することが好ましい。
上述した精製を行うことにより、前記加水分解失活液中に含まれる不溶物の除去、脂肪や乳糖、その他の不要な成分の低減等を行うことができる。その結果、溶液状態で透明であり、かつ、溶液状態での長期保存においても混濁、沈殿、凝集及び褐変等が生じない、いわゆる保存安定性に優れたペプチドを得ることができる。
また、上述した精製を行うことにより、得られたペプチドの風味、外観等も向上させることができる。
(a)の濾過は、公知の方法により実施することができ、例えば、珪藻土を用い、公知の装置により実施することができる。
濾過を行うことにより、前記加水分解失活液中に存在する加水分解反応時及び/又は酵素加熱失活時に生成した不溶物を除去できる。
なお、濾過の方法には、分子篩いの効果を有するゲル濾過樹脂を用いたゲル濾過クロマトグラフィーも含まれる。
(b)の膜分離処理は、公知の装置を用いて行うことができる。公知の装置としては特に限定されないが、例えば、精密濾過モジュール等、限外濾過モジュールSEP1053(旭化成社製、分画分子量3,000)、SIP1053(旭化成社製、分画分子量6,000)、SLP1053(旭化成社製、分画分子量10,000)等が挙げられる。
この場合、膜分離処理後の膜透過画分としてペプチドを含有する溶液が得られる。
膜分離処理を行うことにより、(a)の濾過と同様、加水分解失活液中に存在する加水分解反応時及び/又は酵素加熱失活時に生成した不溶物を除去できる。
(c)の樹脂吸着分離は、公知の方法により実施することができ、例えば、樹脂をカラムに充填し、前記加水分解失活液を、当該カラムを通過させることにより実施することができる。樹脂としては特に限定されないが、イオン交換樹脂、キレート樹脂、アフィニティー吸着樹脂、合成吸着剤、高速液体クロマトグラフィー用樹脂等が例示され、例えば、商品名:ダイヤイオン、セパビーズ(三菱化学社製)、アンバーライトXAD(オルガノ社製)、KS−35(味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
樹脂吸着分離は、これらの樹脂をカラムに充填して前記加水分解失活液を連続的に流入させ、流出させることによる連続方式で行うこともでき、また、前記加水分解失活液中に樹脂を投入し、一定時間接触させた後、加水分解失活液と樹脂とを分離するバッチ方式で行うこともできる。
加水分解失活液中には、保存期間中に混濁、沈殿、凝集及び褐変等を惹起する因子(例えば、疎水性アミノ酸を多く含むペプチド等)が残存している可能性があり、樹脂吸着分離を行うことにより、これらの因子を除去できる。
[殺菌処理]
また、精製後、得られたペプチドを含有する溶液を殺菌してもよい。
殺菌方法は、常法による加熱処理方法等を用いることができる。
加熱処理時の加熱温度と保持時間は、充分に殺菌できる条件を適宜設定すればよく、例えば、70〜140℃で2秒間〜30分間加熱処理することにより殺菌できる。
加熱殺菌の方式は、バッチ方式、連続方式のいずれの方式も可能であり、連続方式においてもプレート熱交換方式、インフュージョン方式、インジェクション方式等の方式を用いることができる。
[濃縮処理・乾燥処理・粉末化処理・二次的処理]
更に、得られたペプチドを含有する溶液は、そのまま使用することもでき、また、必要に応じて、該溶液を公知の方法により、濃縮した濃縮液として使用することもできる。また、該濃縮液を公知の方法により乾燥し、粉末にして使用することもできる。
なお、配列番号1〜12のペプチドは、化学合成によっても製造することができ、例えば、オリゴペプチドの合成に通常用いられている液相法又は固相法が挙げられる。合成されたペプチドは必要に応じて脱保護され、未反応試薬や副生物等を除去して、本技術に用いるペプチドを単離精製することが可能である。このようなペプチドの合成は、市販のペプチド合成装置を用いて行うことができる。
(4)POP阻害剤
配列番号1〜12のペプチドは、POP阻害剤として用いることができる。POP阻害剤は、液状のまま、又は濃縮してから、あるいは固体状、顆粒状又は粉末状に加工してから用いてもよい。
また、本技術におけるPOP阻害剤は、研究用試薬として使用できるほか、診断薬等としても使用できる。例えば、脳に対する機能やオキシトシン代謝を研究目的とする研究用キット、プロリルオリゴペプチダーゼが関与する脳機能疾患や中枢神経系疾患、オキシトシン代謝が関与する各種疾患、嚥下障害などの診断用キットが例示される。
さらに、本技術におけるPOP阻害剤は、プロリルオリゴペプチダーゼが関与する脳機能疾患や中枢神経系疾患、オキシトシン代謝が関与する各種疾患、嚥下困難症などのため予防又は治療剤に利用することができる。すなわち、本技術におけるPOP阻害剤は、プロリルオリゴペプチダーゼが関与する各種疾患のための予防又は治療剤として利用することができる。
そのような各種疾患のための予防又は治療剤の例としては、脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、嚥下機能改善剤、子宮収縮剤、乳腺刺激剤、筋肉幹細胞増殖促進剤、骨粗しょう症改善剤等が挙げられる。
(5)各種剤
本技術の脳機能改善剤は、例えば、認知症、健忘症、判断力・思考力の低下、認知能力の低下、知的障害等の症状改善、治療、予防に用いることができる。
また、本技術の中枢神経系機能改善剤は、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、感情障害、統合失調症、不安神経症等の症状改善、治療、予防に用いることができる。
本明細書では、本技術の脳機能改善剤と中枢神経機能改善剤の前記適応症は例示であって、両予防又は治療剤の適応症は厳密に区別されない。
更に、本技術の嚥下機能改善剤は、例えば、老化や他の疾患に伴う嚥下困難症や嚥下障害の改善、治療、予防や、誤嚥の防止などに用いることができる。
ここで、POP阻害剤としては、その有効成分として既に多数の化合物が合成されており、また微生物や動物組織からもPOP阻害活性を有する成分が見出されている。
これらのPOP阻害剤のいくつかについてはin vivoでの効果が確認されており、例えば、マウスの腹腔内投与により実際に脳内に到達してPOPを阻害し、そのアミン誘導体はスコポラミンで誘発したマウスの記憶障害を回復すること、経口投与により脳内に到達してPOPを阻害すること、経口投与で高齢ラット(23〜24月齢)の大脳皮質のサブスタンスPを増加させること(蛋白質核酸酵素,Vol.42,No.6,p.857−864(1997))、ラット及びハツカネズミのモデルで抗健忘症効果をもつこと(Yoshimotoら、J.Pharmacobio−Dyn.第10巻、第730頁(1983年);サイトウら、J.Enz.Inhib.第3巻、第163頁(1990年);Uchida,I.ら、国際公開第90/12005号)等が明らかとなっている。
本技術に係る各種疾患のための予防又は治療剤中の有効成分である配列番号1〜12のペプチドは、これらのペプチドによって構成される群からいずれか1種を選択して各種疾患のための予防又は治療剤に含有させてもよいし、2種以上を選択して含有させてもよい。また、本技術に係る脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、嚥下機能改善剤の有効成分である配列番号1〜12のペプチドは、これらのペプチドを含有させた脳機能改善用医薬、中枢神経系機能改善用医薬、嚥下機能改善用医薬として利用することも可能である。
有効成分としての配列番号1〜12のペプチドの投与量は、特に限定されないが、本技術の脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤及び嚥下機能改善剤に用いられる場合、0.001〜3000mg/日、好ましくは0.01〜30mg/日であり、年齢、性別、症状の程度等に応じて決定される。また、1日の投与量を1日1回から3回に分けてもよい。
投与経路は、例えば経口投与、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、経粘膜投与、鼻腔内投与、直腸内投与等が挙げられる。
なお、投与対象は、通常、ヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物、例えばイヌ、ネコ等のペット動物、ウシ、ヒツジ、ブタ等の家畜も含むものとする。
投与形態(又は製剤)としては、固体製剤及び液体製剤のいずれの形態でもよく、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、溶液剤、注射剤、粉末剤、噴霧製剤等が挙げられる。
製薬上許容可能な担体には、賦形剤又は希釈剤が含まれ、例えば、デキストラン類、サッカロース、ラクトース、マルトース、キシロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、カルボキエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアガム、グアーガム、トラガカント、アクリル酸コポリマー、エタノール、生理食塩水、リンゲル液等が挙げられる。
前記担体に加えて、必要に応じて防腐剤、安定化剤、結合剤、pH調節剤、緩衝剤、増粘剤、ゲル化剤、抗酸化剤等の添加剤を加えることができる。これらの添加剤は、製薬の際に使用されるものが好ましい。
配列番号1〜12のペプチドを有効成分として含む医薬品を製造する際は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば、日本薬局方に記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。
本技術に係る各種疾患のための予防又は治療剤は、他の医薬品と組み合わせて使用してもよい。例えば、脳機能改善剤及び中枢神経系機能改善剤と組み合わせて使用する医薬品としては、認知症治療薬、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、タクリン等)、NMDA受容体拮抗薬(メマンチン等)等、抗不安薬、例えばベンゾジアゼピン系抗不安薬等、抗うつ薬、例えば選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、再取り込み阻害薬(SNRI)、三環系抗うつ薬(TCA)、四環系抗うつ薬、トリアゾロピリジン系抗うつ薬(SARI)、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAO阻害薬)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)、ノルエピネフリン−ドパミン再取り込み阻害薬(NDRI)等、抗精神病薬、睡眠導入剤等が挙げられる。
組み合わせて使用する前記医薬品は、本技術の各種疾患のための予防又は治療剤の投与と同時に、投与前に、あるいは投与後のいずれかの時点で投与することができる。その投与量は特に限定されないが、市販の医薬品である場合、医薬メーカーによって指示される投与量であることが好ましい。
(6)飲食品・飼料
本技術におけるPOP阻害剤、脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、子宮収縮剤、乳腺刺激剤、筋肉幹細胞増殖促進剤、及び嚥下機能改善剤は、飲食品や飼料の形態として、又は飲食品や飼料に添加して用いることができる。
飲食品としては、液状、ペースト状、固体、粉末等の形態を問わず、錠菓、流動食、飼料(ペット用を含む)等のほか、例えば、小麦粉製品、即席食品、農産加工品、水産加工品、畜産加工品、乳・乳製品、油脂類、基礎調味料、複合調味料・食品類、冷凍食品、菓子類、飲料、これら以外の市販食品等が挙げられる。
小麦粉製品としては、例えば、パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等が挙げられる。
即席食品類としては、例えば、即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等が挙げられる。
農産加工品としては、例えば、農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等が挙げられる。
水産加工品としては、例えば、水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等が挙げられる。
畜産加工品としては、例えば、畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等が挙げられる。
乳・乳製品としては、例えば、加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、バター、マーガリン類、植物油等が挙げられる。
基礎調味料としては、例えば、しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等が挙げられ、前記複合調味料・食品類として、調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等が挙げられる。
冷凍食品としては、例えば、素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等が挙げられる。
菓子類としては、例えば、キャラメル、キャンディー、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、その他の菓子等が挙げられる。
飲料類としては、例えば、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等が挙げられる。
前記以外の市販食品としては、例えば、ベビーフード、ふりかけ、お茶潰けのり等が挙げられる。
また、本技術で定義される飲食品は、特定の用途(特に保健の用途)や機能が表示された飲食品として提供・販売されることも可能である。
「表示」行為には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起・類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て本技術の「表示」行為に該当する。
また、「表示」は、需要者が前記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に前記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に前記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が挙げられる。
一方、表示内容としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)であることが好ましい。また、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP(Point of purchase advertising)等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。
また、「表示」には、健康食品、機能性食品、病者用食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示も挙げられる。この中でも特に、消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、機能性表示食品制度、これらに類似する制度にて認可される表示等が挙げられる。より具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、機能性表示食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク減少表示等を挙げることができる。この中でも典型的な例としては、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、食品表示法(平成25年法律第70号)に定められた機能性表示食品としての表示及びこれに類する表示が典型的な例である。
POP阻害剤、脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、子宮収縮剤、乳腺刺激剤、筋肉幹細胞増殖促進剤、及び嚥下機能改善剤を飼料として利用する場合、公知の飼料に添加して調製することもできるし、飼料の原料中混合して新たな飼料を製造することもできる。例えば、ドッグフードや、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等の飼料に混合することができる。
前記飼料の原料としては、例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦等の穀類;ふすま、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の製造粕類;脱脂粉乳、ホエイ、魚粉、骨粉等の動物性飼料類;ビール酵母等の酵母類;リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;アミノ酸類;糖類等が挙げられる。また、前記飼料の形態としては、例えば、愛玩動物用飼料(ペットフード等)、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
配列番号1〜12のペプチドの配合量は、特に限定されないが、最終飲食品製品に対し、少なくとも0.001質量%であることが好ましい。
POP阻害剤、脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、子宮収縮剤、乳腺刺激剤、筋肉幹細胞増殖促進剤、及び嚥下機能改善剤を飲食品として用いる場合は、液状のまま、又は濃縮してから、あるいは固体状、顆粒状又は粉末状に加工してから用いてもよい。また、これらの飲食品に、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、緩衝剤、安定化剤等の添加剤を加えてもよい。
そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものを用いればよい。
例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、硅酸等が挙げられる。
結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。
滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
着色剤としては、カラメル色素、パプリカ色素、コチニール色素、インジゴカルミン等が挙げられる。
矯味剤としては、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
安定化剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
更に、POP阻害剤、脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、子宮収縮剤、乳腺刺激剤、筋肉幹細胞増殖促進剤、及び嚥下機能改善剤を飲食品やサプリメントとして用いる場合、他の脳機能改善作用を有するといわれている素材や化合物を組み合わせて配合することができる。例えば、イチョウ葉エキス、アラキドン酸(ARA)、ギャバ(GABA)、テアニン、セラミド、カフェイン、カルニチン、α‐グリセリルホスホリルコリン(α−GPC)、バコパモニエラ、DHA結合リン脂質、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルコリン、セントジョーンズワート、アスタキサンチン、ナイアシン、ピロロキノリンキノン(PQQ)、コエンザイムQ10(CoQ10)、不飽和脂肪酸、例えばドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等、ポリフェノール類、例えばレスベラトロール等、クロロゲン酸等、カテキン類等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
[製造例1:配列番号1〜3のペプチドの製造]
<ホエイ加水分解物の調製1>
市販のWPC(ホエイ蛋白質濃縮物、Milei80(ミライ社製))を10%の濃度で水に溶解し、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8.0に調整して、ホエイ水溶液を調製した。このホエイ水溶液に、たんぱく質1g当たりプロテアーゼNアマノ(天野エンザイム社製)を5,000単位添加し、50℃で7時間分解した。次いで、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、噴霧乾燥機により粉末化し、ホエイ加水分解物の乾燥品を得た。
<ホエイ加水分解物の調製2>
市販のホエイパウダー(NZ−GLP(フォンテラ社製))を20%の濃度で水に溶解し、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8.5に調整して、ホエイ水溶液を調製した。このホエイ水溶液に、たんぱく質1g当たりプロチンNY100(天野エンザイム社製)を7,000単位及びアルカラーゼ(ノボ・ノルディスク社製)を1,000単位添加し、55℃で5時間分解した。次いで、80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、精密ろ過膜により清澄後、噴霧乾燥機により粉末化し、ホエイ加水分解物の乾燥品を得た。
<HPLCによるペプチドの分離>
前記にて調製されたホエイ加水分解物について、以下のHPLC条件1にて、HPLCによるペプチドの分離を行った。
〔HPLC条件1〕
カラム:Cadenza CD−C18 10mmI.D.×250mm(インタクト(株)製)
検出:UV215nm
流速:3mL/分
溶離液A:0.1%TFAを含む水溶液
溶離液B:0.1%TFAを含むアセトニトリル溶液
<POP阻害活性の測定方法>
POP阻害の測定は、Yoshimoto,T.らの方法「Biochim.Biophys.Acta、1979年、Aug 15、第569巻、第2号、第184−192頁」に準じて行った。
具体的には、酵素(POP)は、Recombinant Human Prolyl
Oligopeptidase/PREP(R&D Systems,Inc.)を用い、基質はZ−Gly−Pro−AMC(BACHEM)を用いて、酵素反応を行なった。96穴マイクロプレート(nunc137101)の各ウエルに、水又は各濃度の試験物質の水溶液あるいは、HPLCの分画フラクションを添加し、Buffer(Tris−HCl(1M,PH8.0,1.25mL)、DTT(1M,125μL)、NaCl(5M,2.5mL)、水(6.125mL))を10μL添加して全量を80μLに調製した。
撹拌の後、プレートを37℃のインキュベーターで約10分程度温め、POP溶液10μLと、基質溶液10μLを添加し(全液量100μL)、撹拌して反応を開始した。
酵素の代わりに水を添加したウエルをコントロールとした。
酵素反応の測定はマイクロプレートリーダー(SH−9000、コロナ電気(株))を用い、庫内温度を37℃に保った条件下で測定した(2分間隔、ex360nm/em460nm)。蛍光強度の経時的な増加が直線的な期間(反応開始から30分以内)の蛍光強度の値から、下式により阻害活性を算出した。
阻害率(%)=100%−[(Y−b)/(X−a)]×100%
X:水+酵素+基質
Y:試験物質+酵素+基質
a:水+基質
b:試験物質+基質
<IC50の濃度の求め方>
試験物質の濃度を段階的に希釈し(0.1〜2000μg/mL)、その阻害率を求めた。その結果を基に試験物質の添加濃度の対数(log10)と阻害率の間の関係式を求めた。そしてこの関係式から酵素の阻害率が50%になる濃度を逆算することで、IC50を算出した。
<分離ペプチドのPOP阻害活性>
HPLC条件1の条件に基づいて、溶離液Aの割合98%から、30分後に75%、40分後に50%、43分後に20%、になるようなグラジエント条件で、加水分解物を分離し、溶出液を0.75mL毎に分画した。
溶出画分について、プロリルオリゴペプチダーゼ阻害活性を測定したところ、下記表1の分析1のリテンションタイム(RT(min))に記載した時間に溶出された(1)及び(2)の画分に強い阻害活性能が認められた。
分析1で得られた画分(2)からは、2ヶ所の阻害活性が認められる画分を得た。
また、これらの阻害活性が認められる画分に含まれる化合物について、サーモクエスト社製質量分析計LTQにより質量分析を行った。
質量分析では、親イオンと娘イオンを測定し、解析ソフト(サーモクエスト社製、BioWorks)によりペプチドを同定した。結果を以下の表1に示す。
表1において、それぞれ、溶出画分番号(1)のペプチド[LKPTPE]を配列番号1のペプチド、溶出画分番号(2)のペプチド[LKPTPEGD]を配列番号2のペプチド、溶出画分番号(2)のペプチド[LKPTPEGDLE]を配列番号3のペプチド、とした。
[製造例2:配列番号4〜7、9、11のペプチドの製造]
<カゼイン加水分解物の調製>
市販のカゼイン(ニュージーランドデーリーボード製)10gに水90gを加え、よく分散させ、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを7.0に調整し、カゼインを完全に溶解し、濃度約10%のカゼイン水溶液を調製した。
該カゼイン水溶液を85℃で10分間加熱殺菌し、50℃に温度調整し、水酸化ナトリウムを添加してpHを9.5に調整した後、ビオプラーゼsp−20(長瀬生化学工業社製)10,000活性単位(蛋白質1g当り1,250活性単位)、プロテアーゼN(天野エンザイム社製)17,000活性単位(蛋白質1g当り2,000活性単位)、及びPTN6.0S(ノボザイムズ・ジャパン社製)60,000活性単位(蛋白質1g当り7,000活性単位)を添加して、加水分解反応を開始した。カゼインの分解率が24.5%に達した時点で、80℃で7分間加熱して酵素を失活させて酵素反応を停止し、10℃に冷却した。
この加水分解液を分画分子量10,000の限外ろ過膜(旭化成社製)で限外ろ過し、濃縮後凍結乾燥し、凍結乾燥品(CN分解物A)8gを得た。
<HPLCによるペプチドの分離>
前記にて調製されたCN分解物A(カゼイン加水分解物)について、前記のHPLC条件1にて、HPLCによるペプチドの分離を行った。また、更に精製度を高めるために、HPLC条件1によって得られたPOP阻害活性を示す画分について、以下のHPLC条件2にて分離を行った。
〔HPLC条件2〕
カラム:Cadenza CD−C18 10mmI.D.×250mm(インタクト(株)製)
検出:UV215nm
流速:3mL/分
溶離液A:0.2%ギ酸を含む水溶液
溶離液B:0.2%ギ酸を含むアセトニトリル溶液
<分離ペプチドのPOP阻害活性>
HPLC条件1の条件に基づいて、溶離液Aの割合98%から、30分後に75%、40分後に50%、43分後に20%、になるようなグラジエント条件で、加水分解物を分離し、溶出液を0.75mL毎に分画した。
溶出画分について、プロリルオリゴペプチダーゼ阻害活性を測定したところ、下記表1の分析1のリテンションタイム(RT(min))に記載した時間に溶出された(1)〜(5)の画分に強い阻害活性能が認められた。
更に、溶出された(1)〜(5)の画分の精製度を高めるために、HPLC条件2にて分離を行った。このとき、条件1の溶離液A、Bを、それぞれ条件2の溶離液A、Bに変更し、その他の条件は条件1と同様に行った。
HPLC条件2のグラジエント条件で、加水分解物を分離し、溶出液を0.75mL毎に分画した。溶出画分について、前記POP阻害活性の測定方法でPOP阻害能を測定したところ、下記表2の分析2のリテンションタイムに得られた画分に強い阻害活性が認められた。
分析1で得られた画分(3)からは、2ヶ所の阻害活性が認められる画分を得た。
また、これらの阻害活性が認められる画分に含まれる化合物について、前記製造例1と同様の方法にて、質量分析及びペプチドの同定を行った。結果を以下の表2に示す。
表2において、それぞれ、溶出画分番号(1)のペプチド[AVPYPQ]を配列番号4のペプチド、溶出画分番号(2)のペプチド[VLPVPQ]を配列番号5のペプチド、溶出画分番号(3)のペプチド[EMPFPK]を配列番号6のペプチド、溶出画分番号(3)のペプチド[VIPY]を配列番号7のペプチド、溶出画分番号(4)のペプチド[VAPFPE]を配列番号9のペプチド、溶出画分番号(5)のペプチド[VYPFPGPIPN]を配列番号11のペプチド、とした。
[製造例3:配列番号8、10、12のペプチドの製造]
<カゼイン加水分解物の調製>
前記製造例2と同様の方法で、カゼイン加水分解物を得た。
<HPLCによるペプチドの分離>
前記にて調製されたカゼイン加水分解物について、以下のHPLC条件3にて、HPLCによるペプチドの分離を行った。
〔HPLC条件3〕
カラム:Intrada WP−RP 10mmI.D.×250mm(インタクト(株)製)
検出:UV215nm
流速:3mL/分
溶離液A:0.1%TFAを含む水溶液
溶離液B:0.1%TFAを含むアセトニトリル溶液
<分離ペプチドのPOP阻害活性>
HPLC条件3の条件に基づいて、溶離液Aの割合80%から、40分後に50%、43分後に20%、になるようなグラジエント条件で、加水分解物を分離し、溶出液を0.75mL毎に分画した。
溶出画分について、プロリルオリゴペプチダーゼ阻害活性を測定したところ、下記表3の分析1のリテンションタイム(RT(min))に記載した時間に溶出された(1)〜(3)の画分に強い阻害活性能が認められた。
また、これらの阻害活性が認められる画分に含まれる化合物について、前記製造例1と同様の方法にて、質量分析及びペプチドの同定を行った。結果を以下の表3に示す。
表3において、それぞれ、溶出画分番号(1)のペプチド[TKVIPY]を配列番号8のペプチド、溶出画分番号(2)のペプチド[AMKPWIQPK]を配列番号12のペプチド、溶出画分番号(3)のペプチド[FFVAPFPEVFG]を配列番号10のペプチド、とした。
[製造例4:配列番号1〜12のペプチドの化学合成]
ペプチドシンセサイザー(Model 433A型、アプライドバイオシステムズ社)を使用し、原料として、Fmoc−AA−Wang−PEG Resin(渡辺化学工業(株))、Fmoc−AA(Ala、Val、Pro、Tyr、Gln、Leu、Glu、Met、Phe、Lys、Ile、Gly、Asn、Thr、Trp又はAsp((株)ペプチド研究所))を用いて、固相合成法により配列番号1〜12のペプチドを合成した。
操作はアプライドバイオシステムズ社のマニュアルに従って行った後、脱保護した。
これらのペプチドは、実施例1に記載されたHPLC条件1〜3で分離精製した。
得られた精製物(合成ペプチド)について、前記POP阻害活性の測定方法によりIC50(μg/mL)を求めた。また、実施例1に記載された質量分析の方法と同様の方法により、合成ペプチドの質量分析を行った。結果を表4に示す。
本実施例によれば、配列番号1〜9のアミノ酸配列からなるペプチドを得ることができ、これらのペプチドは、IC50が約100μg/mL〜約1μg/mL(約120μM〜約1μM)の高いPOP阻害活性を有することが確認された。
また、配列番号1〜3のペプチドを比較すると、これらは同じ配列[LKPTPE]を有するが、配列番号1のペプチドと比較して、アミノ酸2つ[GD]がC末端側に付加された配列番号2のペプチドのPOP阻害活性は低かった。しかし、さらにアミノ酸2つ[LE]がC末端側に付加された配列番号3のペプチドのPOP阻害活性は、配列番号2のペプチドに比べて高かった。
更に、配列番号7及び8のペプチドを比較すると、これらは同じ配列[VIPY]を有するが、配列番号7のペプチドと比較して、アミノ酸2つ[TK]がN末端側に付加された配列番号8のペプチドのPOP阻害活性は低かった。
加えて、配列番号9及び10のペプチドを比較すると、これらは同じ配列[VAPFPE]を有し、配列番号10のペプチドは、配列番号9のペプチドと比較して、アミノ酸2つ[FF]がN末端側に、アミノ酸3つ[VFG]がC末端側に付加された配列であるが、両者のPOP阻害活性は同程度であった。
以上の結果から、ペプチドのアミノ酸配列が1つ変化しただけでも、POP阻害活性が大きく変化する可能性があり、アミノ酸配列とPOP阻害活性の強度との関係には、法則性が認められず、ペプチド固有の効果であると考えられる。
本技術によれば、容易に入手できるカゼインからPOP阻害剤を作製することができる。該POP阻害剤を動物(ヒトを含む)に投与すると、中枢神経、脳内に到達してPOPによる神経伝達物質の分解を阻害することから、脳機能改善剤、中枢神経系機能改善剤、嚥下機能改善剤、子宮収縮剤、乳腺刺激剤、筋肉幹細胞増殖促進剤、骨粗しょう症改善剤等を提供することができる。

Claims (5)

  1. 以下の(a)〜()で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドを有効成分として含有するプロリルオリゴペプチダーゼ阻害剤。
    (a) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu (配列番号1)
    (b) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp (配列番号2)
    (c) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp−Leu−Glu (配列番号3)
  2. 以下の(a)〜()で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドを有効成分として含有する脳機能改善剤。
    (a) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu (配列番号1)
    (b) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp (配列番号2)
    (c) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp−Leu−Glu (配列番号3)
  3. 以下の(a)〜()で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドを有効成分として含有する中枢神経系機能改善剤。
    (a) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu (配列番号1)
    (b) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp (配列番号2)
    (c) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp−Leu−Glu (配列番号3)
  4. 以下の(a)〜()で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドを有効成分として含有する嚥下機能改善剤。
    (a) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu (配列番号1)
    (b) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp (配列番号2)
    (c) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp−Leu−Glu (配列番号3)
  5. 以下の(a)〜()で示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって構成される群から選択されるいずれか1種又は2種以上のペプチドを含有する、脳機能改善用飲食品、中枢神経系機能改善用飲食品、又は嚥下機能改善用飲食品。
    (a) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu (配列番号1)
    (b) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp (配列番号2)
    (c) Leu−Lys−Pro−Thr−Pro−Glu−Gly−Asp−Leu−Glu (配列番号3)
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