JP6259313B2 - シールド掘進機の掘削土砂重量測定装置 - Google Patents
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Description
シールド工法ではシールド掘進機が用いられる。このシールド掘進機は、例えば、カッタヘッドと、このカッタヘッドの後方に配置されカッタヘッドとの間にチャンバを区画する隔壁と、このチャンバ内に取り込まれた掘削土砂を隔壁の後方に搬送するスクリューコンベアと、を備えて構成されている。
したがって、シールド掘進機のスクリューコンベアの後方における掘削土砂の搬送方式がどのような方式であっても、掘削土砂の重量を容易に測定することができる。
このようにして、シールド掘進機のスクリューコンベアの後方における搬送方式がどのような方式であっても容易に適用可能な、シールド掘進機の掘削土砂重量測定装置を提供するができる。
図1は、本発明の第1実施形態における掘削土砂重量測定装置100の概略構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態における測定対象の掘削土砂を発生させるシールド掘進機1の概略構成を示す図であり、推進ジャッキ短縮時の状態を示す。図3は、推進ジャッキ伸長時のシールド掘進機1の概略構成を示す。
なお、本実施形態では、便宜上、トンネル掘進方向を前進方向として前後左右を規定している。また、本実施形態において、シールド掘進機1はいわゆる泥土圧式のシールド掘進機を一例にして説明する。
まず、シールド掘進機1について以下に詳述する。
カッタヘッド3は、隔壁4に回転自在に支持されており、隔壁4の後面に設置された駆動用モータ5を駆動源として、回転しながら地盤を掘削する。
エレクター7は把持部7aを備える。エレクター7は、スキンプレート2の後部の内方にて、円弧状断面を有するセグメント8を把持部7aで把持しつつ、セグメント8をトンネル軸方向、径方向、周方向に適宜移動させることができる。エレクター7は、スキンプレート2の後部の内方にて、その周方向にセグメント8を組み立てて、円筒状のセグメントリング9を構築する。
推進ジャッキ10は、シリンダ10aとロッド10bとにより構成される油圧ジャッキである。シリンダ10aは、その一端側がスキンプレート2に固定されており、他端側にて、ロッド10bが進出・退入可能となっている。推進ジャッキ10のロッド10bの先端部を既設のセグメントリング9に当接させた状態で推進ジャッキ10を伸長作動させることにより、シールド掘進機1は推進力を得ることができる。このようにして、推進ジャッキ10は、既設のセグメントリング9をスキンプレート2の後部の後方を押し出して、その反力により、シールド掘進機1を前方に推進させることができる。
また、推進ジャッキ10は、ロッド10bの伸長速度を可変に構成されており、設定した一定の伸長速度で伸長する。
スクリューコンベヤ11は、隔壁4に固定された円筒状のケース12と、その内部に組み込まれたオーガ13とからなり、回転数を自在に変更制御可能なオーガ13を回転させることにより、チャンバ6内の掘削土砂を隔壁4の後方に搬出する。
上フレーム21a及び下フレーム21bは、スクリューコンベア11を斜め上方に延設可能に、スクリューコンベア11の延設箇所が開口形成されている。また、フレーム部21の前端部は、スキンプレート2の前後方向中央部の内方に配置されスポークを有したリングフレーム22に固定されている。
本実施形態において、掘削土砂重量測定装置100は、図1に示すように、荷重検知センサ101と、測定装置本体100aと、を備えている。測定装置本体100aは、重量演算部102を備えている。
スクリューコンベア11が起動等してそのケース12内に掘削土砂が取り込まれると、スクリューコンベア11全体の重量が増加する。吊下げ部材14にはスクリューコンベア11全体の荷重の一部が作用しているため、スクリューコンベア11全体の重量が増加すると、吊下げ部材14は伸長する。歪ゲージからなる荷重検知センサ101は、この吊下げ部材14の伸長に応じて、スクリューコンベア11による引張荷重を検知する。荷重検知センサ101にて検知された荷重に対応する信号は、信号線を介して測定装置本体100aに出力される。
具体的には、スクリューコンベア11内に充填される掘削土砂の重量が増加すると、荷重検知センサ101の出力値は増加し、掘削土砂の重量と荷重検知センサ101の出力値との間には比例関係が成り立つ。例えば、事前に既知の重量の掘削土砂等をスクリューコンベア11内に搬送させて載荷させ、その時の出力値をサンプリングする等の校正を実施して得た補正係数(比例定数)が重量演算部102に設定されている。重量演算部102は、荷重検知センサ101の出力値に、この補正係数を乗算して得た値を、スクリューコンベア11内の掘削土砂の重量演算結果(W)として出力するように構成されている。
したがって、シールド掘進機1のスクリューコンベア11の後方における掘削土砂の搬送方式がどのような方式であっても、掘削土砂の重量Wを容易に測定することができる。
このようにして、シールド掘進機のスクリューコンベアの後方における搬送方式がどのような方式であっても容易に適用可能な、シールド掘進機の掘削土砂重量測定装置を提供するができる。
このように、チャンバ6内の土圧Pとスクリューコンベア11内の掘削土砂の容積Vとの間に相関関係があることを利用して、掘削土砂の比重ρを算出することができるという知見が得られた。
具体的には、第1容積演算部104aは、例えば、図6に示すように、重量演算部102、第1比重演算部105a及び第1判定部106aと伴に測定装置本体100aに設けられている。また、第1容積演算部104aには、チャンバ6内の土圧Pとスクリューコンベア11内の掘削土砂の容積Vとの相関関係についてのデータが予め記憶されている。第1容積演算部104aは、土圧検知センサ103の検知土圧Pに対応するスクリューコンベア11内の掘削土砂の容積Vを、上記予め記憶されたデータにより演算し、この演算して得た容積Vに対応する信号を容積測定結果として第1比重演算部105a等に出力する。このように、土圧Pと容積Vとの相関関係は既知であるため、第1容積演算部104aは、土圧検知センサ103の検知結果に基づいて、スクリューコンベア11内の掘削土砂の容積Vを演算する構成である。
具体的には、第1比重演算部105aは、重量演算部102による演算結果(演算値W)を第1容積演算部104aによる演算結果(演算値V)で除して得た値を、スクリューコンベア11内の掘削土砂の比重ρの演算結果として第1判定部106a等に出力するように構成されている。
具体的には、第1判定部106aには、例えば、粘土、シルト及び砂礫土等の比重値データが土質と関連させて予め記憶されており、第1判定部106aは、第1比重演算部105aによる掘削土砂の比重演算結果と値が一番近い比重値データに対応する土質の種類を、スクリューコンベア11内に充填されている掘削土砂の土質の種類の判定結果として出力する。
さらに、掘削土砂重量測定装置100は、重量演算部102の重量測定結果と第1容積演算部104aの容積測定結果とに基づいてスクリューコンベア11内の掘削土砂の比重ρを演算する第1比重演算部105aと、を更に備える構成である。これにより、掘削土砂の比重ρをリアルタイムに測定することができる上、スクリューチャンバ11内に充填される掘削土砂の充填度合を考慮して掘削土砂の比重ρを求めることができる。
なお、本実施形態において、チャンバ6内の土圧を検知する土圧検知センサ103を備え、その検知結果に基づいて容積Vを演算する構成としたが、検知対象は、土圧に限らず、例えばスクリューコンベア11内の充填度合と相関関係を有する掘削土砂の性状であればよい。土圧検知センサ103に限らず、上記掘削土砂の性状を検知するセンサを設ければよい。
このように、スクリューコンベア11の回転数Nとスクリューコンベア11内の掘削土砂の容積Vとの間に相関関係があることを利用して、掘削土砂の比重ρを算出することができるという知見が得られた。
具体的には、第2容積演算部104bは、例えば、図9に示すように、重量演算部102、第2比重演算部105b及び第2判定部106bと伴に測定装置本体100aに設けられている。また、第2容積演算部104bには、スクリューコンベア11の回転数Nとスクリューコンベア11内の掘削土砂の容積Vとの相関関係についてのデータが予め記憶されている。第2容積演算部104bは、回転数Nに対応するスクリューコンベア11内の掘削土砂の容積Vを、上記予め記憶されたデータにより演算し、この演算して得た容積Vに対応する信号を容積測定結果として第2比重演算部105b等に出力する。このように、回転数Nと容積Vとの相関関係は既知であるため、第2容積演算部104bは、回転数検知センサ107の検知結果に基づいて、スクリューコンベア11内の掘削土砂の容積Vを演算する構成である。
具体的には、第2比重演算部105bは、重量演算部102による演算結果(演算値W)を第2容積演算部104bによる演算結果(演算値V)で除して得た値を、スクリューコンベア11内の掘削土砂の比重ρの演算結果として第2判定部106b等に出力するように構成されている。
具体的には、第2判定部106bには、例えば、粘土、シルト及び砂礫土等の比重値データが土質と関連させて予め記憶されており、第2判定部106bは、第2比重演算部105bによる掘削土砂の比重演算結果と値が一番近い比重値データに対応する土質の種類を、スクリューコンベア11内に充填されている掘削土砂の土質の種類の判定結果として出力する。
ここで、所定の推進位置とは、例えば、掘進開始位置から掘進方向前方に離間した適宜位置であり、掘進方向についてのセグメントリング9の一個分の長さLに相当する距離だけ離間した位置である。推進ジャッキ10は、ロッド10bの伸長速度を可変であり、この伸長速度を変更することによってシールド掘進機1の掘進速度Vを調節可能である。掘削時間Tとは、例えば、掘進開始位置からセグメントリング9の一個分の長さL分だけ離間した位置に到達するまでに要する所要時間であり、掘進速度Vを調節することによって設定可能な値であり、図10において、T1>T2>T3>T4>T5である。したがって、掘進速度Vが速いほど、例えば、掘削時間Tは短くなるため、掘進開始から所定の掘進位置に到達するまでの重量演算部102の出力値Wの積分時間は短くなり、掘進速度Vが遅いほど、掘削時間Tは長くなるため、出力値Wの積分時間は長くなる。また、所定の推進位置を掘進開始位置からセグメントリング9の一個分の長さLに相当する位置とした場合、所定容量Qは、例えば、一個のセグメントリング9の長さLと外径Rとによって予め定まる値(=L×R2/4)である。
このように、掘進開始から所定の掘進位置に到達するまでの重量演算部102の出力値Wの時間積分値Σと比重ρと掘削時間Tとの間に相関関係があることを利用して、掘削土砂の比重ρを算出することができるという知見が得られた。
第3比重演算部105cには、例えば、シールド掘進機1の掘進時間Tを予め定める所定時間とし、予め定める種類の土質(例えば、粘土、シルト、砂礫土等)の掘削土砂をスクリューコンベア11内に取り込ませて積分回路108によって得られる積分値Σを予め定める所定容量Qで除して得た値Zのデータと、前記予め定める所定時間(掘削時間)Tのデータと、予め定める種類の土質の掘削土砂の比重ρのデータとを対応付けてなるデータテーブルDを、前記所定時間及び前記土質の種類を異ならせて、予め複数記憶するものであり、測定装置本体100a内に設けられている。
具体的には、セグメントリング9の一個の長さL分の掘進時間Tの設定値が、例えば、48min、54min、60min、66min、72minの5種類であり、想定される土質が粘土、シルト、砂礫土である場合、各土質それぞれのときの各ZについてのデータテーブルDを、掘削時間Tが上記それぞれの場合について記憶されている。これにより、図10に示すZと比重ρとの関係を、所定時間(掘削時間)T毎に記憶する。
なお、本実施形態においては、データテーブルDは、出力値Wの時間積分値Σを所定容量Qで除して得た値Zのデータと、掘削時間Tのデータと、比重ρとを対応付けてなるものとしたが、これに限らず、所定容量Qは既知であるため、出力値Wの時間積分値Σのデータと、掘削時間Tのデータと、比重ρとを対応付けてなるものとしてもよい。
具体的には、第3判定部106cには、例えば、粘土、シルト及び砂礫土等の比重値データが土質と関連させて予め記憶されており、第3判定部106cは、第3比重演算部105cによる掘削土砂の比重演算結果と値が一番近い比重値データに対応する土質の種類を、スクリューコンベア11内に充填されている掘削土砂の土質の種類の判定結果として出力する。
また、荷重検知センサ101は、一箇所に限らず、延伸方向中央部11c(吊下げ部材14)、前端部11a及び後端側(後端支持具15)等の複数の箇所に適宜組み合わせて配置する構成としてもよい。この場合、重量演算部102は、例えば、各設置個所における荷重検知センサ101の出力値に補正係数をそれぞれ乗算して得た値の総和を、スクリューコンベア11内の掘削土砂の重量演算結果として各比重演算部(105a、105b、105c)に出力する。これにより、より精度の高い測定結果を得ることができる。
3・・・・・カッタヘッド
4・・・・・隔壁
6・・・・・チャンバ
11・・・・・スクリューコンベヤ
100・・・・・掘削土砂重量測定装置
101・・・・・荷重検知センサ
102・・・・・重量演算部
103・・・・・土圧検知センサ
104a・・・・第1容積演算部
104b・・・・第2容積演算部
105a・・・・第1比重演算部
105b・・・・第2比重演算部
105c・・・・第3比重演算部
107・・・・・回転数検知センサ
108・・・・・掘削時間計測部
109・・・・・積分回路
Claims (3)
- 地盤を掘削するカッタヘッドと、該カッタヘッドの後方に離間して配置される隔壁と、
前記カッタヘッドと前記隔壁とにより区画形成され掘削土砂が取り込まれるチャンバと、
前記チャンバ内の掘削土砂を前記隔壁の後方に搬送するスクリューコンベアと、を備えるシールド掘進機によって掘削された掘削土砂の重量を測定する掘削土砂重量測定装置であって、
前記スクリューコンベアの荷重が作用する所定位置に設けられ、前記荷重を検知可能な荷重検知センサと、
前記荷重検知センサの検知結果に基づいて、前記スクリューコンベア内の掘削土砂の重量を演算する重量演算部と、
前記チャンバ内の土圧を検知する土圧検知センサと、
前記土圧と前記スクリューコンベア内の掘削土砂の容積との間の相関関係についてのデータを予め記憶し、前記土圧検知センサの検知土圧に対応する前記掘削土砂の容積を、前記データにより演算する第1容積演算部と、
を備え、
前記重量演算部による前記重量の演算値を前記第1容積演算部による前記容積の演算値で除して得た値を出力する、シールド掘進機の掘削土砂重量測定装置。 - 地盤を掘削するカッタヘッドと、該カッタヘッドの後方に離間して配置される隔壁と、
前記カッタヘッドと前記隔壁とにより区画形成され掘削土砂が取り込まれるチャンバと、
前記チャンバ内の掘削土砂を前記隔壁の後方に搬送するスクリューコンベアと、を備えるシールド掘進機によって掘削された掘削土砂の重量を測定する掘削土砂重量測定装置であって、
前記スクリューコンベアの荷重が作用する所定位置に設けられ、前記荷重を検知可能な荷重検知センサと、
前記荷重検知センサの検知結果に基づいて、前記スクリューコンベア内の掘削土砂の重量を演算する重量演算部と、
前記スクリューコンベアの回転数を検知する回転数検知センサと、
前記回転数と前記スクリューコンベア内の掘削土砂の容積との間の相関関係についてのデータを予め記憶し、前記回転数検知センサの検知回転数に対応する前記掘削土砂の容積を、前記データにより演算する第2容積演算部と、
を備え、
前記重量演算部による前記重量の演算値を前記第2容積演算部による前記容積の演算値で除して得た値を出力する、シールド掘進機の掘削土砂重量測定装置。 - 地盤を掘削するカッタヘッドと、該カッタヘッドの後方に離間して配置される隔壁と、
前記カッタヘッドと前記隔壁とにより区画形成され掘削土砂が取り込まれるチャンバと、
前記チャンバ内の掘削土砂を前記隔壁の後方に搬送するスクリューコンベアと、を備えるシールド掘進機によって掘削された掘削土砂の重量を測定する掘削土砂重量測定装置であって、
前記スクリューコンベアの荷重が作用する所定位置に設けられ、前記荷重を検知可能な荷重検知センサと、
前記荷重検知センサの検知結果に基づいて、前記スクリューコンベア内の掘削土砂の重量を演算して重量測定結果として出力する重量演算部と、
前記シールド掘進機の掘進開始から所定の掘進位置に到達するまでに要する掘削時間を計測する掘削時間計測部と、
前記掘削時間の間、前記重量測定結果の出力値を時間積分する積分回路と、
を備え、
予め定める種類の土質の掘削土砂を前記スクリューコンベア内に取り込ませた場合に前記積分回路により得られる前記出力値の時間積分値と前記掘削時間と前記予め定める種類の土質の掘削土砂の比重との間の相関関係についてのデータを予め記憶し、前記積分回路による積分結果及び前記掘削時間計測部による掘削時間測定結果に対応する前記掘削土砂の比重を、前記データにより求める、シールド掘進機の掘削土砂重量測定装置。
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