JP6259056B2 - 機械式時計ムーブメント用のヒゲゼンマイを取り付ける方法、及び該方法によって取り付けられるヒゲゼンマイ - Google Patents

機械式時計ムーブメント用のヒゲゼンマイを取り付ける方法、及び該方法によって取り付けられるヒゲゼンマイ Download PDF

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Description

本発明は、機械式時計ムーブメント用のヒゲゼンマイを取り付ける方法に関する。本発明は特に、ヒゲゼンマイを接着結合する方法に関する。本発明はまた、該方法によって取り付けられるヒゲゼンマイに関する。
テンプを用いた腕時計製作の分野において、ヒゲゼンマイは、機械式時計のタイムベースを形成する。ヒゲゼンマイは概ね、同心コイル状に巻かれた極めて繊細なゼンマイの形態を取り、第1の内側コイルと呼ばれる第1の端部はヒゲ玉に接続され、最終外側コイルと呼ばれる第2の端部はヒゲ持ちに接続される。
より具体的には、発振系は、テンプ/ヒゲゼンマイのペアと脱進機とを備える。テンプは、径方向アームによって天輪に接続され、かつ第1の軸受と第2の軸受との間で枢動する、天真を備える。ヒゲゼンマイは第1の内側コイルを介して、例えばヒゲ玉によって天真に取り付けられる。ヒゲゼンマイは最終外側コイルを介して、ヒゲ持ちからなる取り付け点に取り付けられ、上記ヒゲ持ちはヒゲ持ちホルダによって支持されていてよい。脱進機は、振り石を支持する振り座と、ノッチが配設された安全ローラとからなるダブルローラを備える。脱進機はまた、第1の軸受と第2の軸受との間で枢動するアンクル真を含むアンクルを備える。アンクルは、フォークをアンクル腕前部及びアンクル腕後部に接続するアンクル竿を備える。上記フォークは、前方くわがた及び後方くわがたで形成され、これらの間に剣先が延在する。フォークの移動は、アンクル受けと一体として作製してよい前方どてピン及び後方どてピンによって制限される。アンクル腕前部及びアンクル腕後部はそれぞれ、入り爪石及び出爪石を支持する。最後に、アンクルは、第1の軸受と第2の軸受との間で枢動するガンギ車真を備えるガンギ車と協働する。
ヒゲゼンマイの作製に使用される材料は通常、コバルト、ニッケル、クロム系の合金である。このような合金は展性を有し、また腐食に対する耐性を有していなければならない。しかしながら、近年の開発により、シリコン製のヒゲゼンマイが提案されている。シリコンヒゲゼンマイは、従来の鋼鉄製ヒゲゼンマイよりも精度が高い。ただしそのコストは比較的高い。しかしながらこのようなヒゲゼンマイは、その寸法が小さいことにより、組付けが困難となる。
ヒゲゼンマイは、水平面内で巻かれたアルキメデス曲線のゼンマイであり、これは、以下の唯一の機能を有する:テンプと組み合わされた場合に、テンプがある方向に回転し、次にもう一方向に回転する、即ちテンプの平衡位置の周りで発振することを保証する。これは「呼吸する(breathe)」と言われる。しかしながら、ヒゲゼンマイが同一の周波数で常に発振することは、あらゆる条件によって妨げられる。ヒゲゼンマイは特に、酸化に対して耐性を有していなければならず、またコイルを互いに対して付着させて腕時計を停止させる磁気に対して耐性を有していなければならない。大気圧の影響は小さい。熱は金属を膨張させ、低温は金属を収縮させるため、温度は長きにわたって問題の核心であった。ヒゲゼンマイはまた、変形するもののその元の形状に常に復元できるよう、弾性でなければならない。
とりわけ、ヒゲゼンマイは等時性を有していなければならない。ヒゲゼンマイがどれだけ回転するかにかかわらず、ヒゲゼンマイは常に同一の時間をかけて発振しなければならない。ヒゲゼンマイがごくわずかでも収縮すると、ヒゲゼンマイは大きなエネルギを蓄積しなくなり、その平衡位置にゆっくりと戻る。ヒゲゼンマイがその平衡位置から離れるように運動すると、ヒゲゼンマイはその反対方向に極めて迅速に運動する。問題は、これら2つの運動にかかる時間量が同一であることである。ヒゲゼンマイに対して利用可能なエネルギは一定ではないにもかかわらず、ヒゲゼンマイは、腕時計が完全に巻き上げられているか、又はパワーリザーブの最後の数時間であるかに関係なく動作しなければならない、という考えが根底にある。
しかしながらこのようなヒゲゼンマイは、その寸法が小さいことにより、組付けが困難である。しかも、ヒゲゼンマイの2つの端部を取り付ける方法もまた、時計ムーブメントの精度に多大な影響を及ぼす。ほとんどの機械式時計ムーブメントにおいて、ヒゲゼンマイの2つの端部は、穿孔された要素に挿入され、ピンによって不動化されて、プライヤを用いて手動で圧力嵌めされる。これはヒゲゼンマイのわずかな回転を引き起こす場合があり、これはムーブメントの速度の精度に対して有害である。この課題を解決するために、1960年代、フランスの腕時計メーカであるLipは、高温溶融型接着剤、即ち室温では固体であるが、熱の作用によって溶融する接着剤のドットを用いたヒゲゼンマイの接着結合を提案している。
しかしながら、高温溶融型接着剤を用いてヒゲゼンマイの端部を結合することからなる上記技術にさえ、制限がある。実際に、高温溶融型接着剤はその粘度により、溶融すると、毛管作用によってヒゲゼンマイに牽引力を印加し、ヒゲゼンマイの端部を、上記端部が係合されたヒゲ持ちの壁に対して押圧し得ることが観察された。これによって発生するヒゲゼンマイの変形は、ヒゲゼンマイ内に機械的応力を誘発し、これはヒゲゼンマイの速度の不変性に対して極めて有害である。
本発明の目的は、ヒゲゼンマイ内に機械的応力を誘発せず、ヒゲゼンマイをその静止位置から離れるように運動させない、上記ヒゲゼンマイを取り付ける方法を提供することによって、上述の欠点及びその他の欠点を克服することである。
この目的のために、本発明は、時計用ヒゲゼンマイの最終外側コイルをヒゲ持ち内に取り付ける方法に関し、この方法は、上記時計用ヒゲゼンマイの上記最終外側コイルを、粘度が200〜400mPa・sの流動性接着剤を用いて、結合するステップを含む。
本発明の補足的特徴によると、上記ヒゲゼンマイの上記最終外側コイルは、上記ヒゲ持ち内に配設された溝の内側に接着結合される。
本発明の別の特徴によると、上記流動性接着剤は、紫外線照射によって硬化させることができる。
これらの特徴の結果として、本発明は、時計用ヒゲゼンマイの最終外側コイルを、流動性接着剤の液滴を用いて、ヒゲ持ちに接着結合する、時計用ヒゲゼンマイを取り付ける方法を提供する。従って、例えば自動接着剤ディスペンサを用いて、上記接着剤の液滴を堆積させた瞬間において、上記ヒゲゼンマイの最終コイルの自由端部が、接着剤の重量の影響でわずかに変形した場合(これはヒゲゼンマイ内に望ましくない機械的応力を誘発する)であっても、硬化前に上記接着剤は十分な流動性を有するため、上記最終ヒゲゼンマイコイルの上記自由端部を、その静止位置へと自発的に戻らせることができる。従って、接着剤の液滴を堆積させた瞬間にヒゲゼンマイ内に誘発された応力は自然に消失し、これにより、ヒゲゼンマイの速度の不変性は、上記ゼンマイを取り付ける動作に影響されない。
上記流動性接着剤は、空気に接触すると硬化する接着剤であってもよい。
本発明はまた、複数の同心コイルを巻いたもので形成された、時計ムーブメント用のヒゲゼンマイに関し、上記ヒゲゼンマイは、上記ヒゲゼンマイの他のコイルより厚いプレートで終端する最終外側コイルを備え、上記プレートは、接着剤が硬化した後の上記接着剤の接着を促進するための少なくとも1つのノッチを備える。
本発明の他の特徴及び利点は、本発明による方法の例示的実装形態に関する以下の詳細な説明から、より明らかになるであろう。この例は、図面を参照して、単なる非限定的な例として挙げられている。
図1Aは、本発明が適用される時計ムーブメントのための発振系の概略斜視図である。 図1Bは、本発明が適用される時計ムーブメントのための発振系の概略斜視図である。 図2Aは、光硬化性接着剤を用いて外側端部がヒゲ持ちに結合されたヒゲゼンマイの概略図である。 図2Bは、光硬化性接着剤を用いて外側端部がヒゲ持ちに結合されたヒゲゼンマイの概略図である。 図3は、最終外側コイルが、ヒゲゼンマイの他のコイルより厚いプレートで終端し、また上記プレートには、接着剤の接着を促進するためのノッチが設けられている、時計用ヒゲゼンマイの図である。
本発明は、粘度が200〜400mPa・sの流動性接着剤を用いて、ヒゲゼンマイの最終外側コイルをヒゲ持ちに接着結合することからなる、一般発明概念に由来するものである。実際、例えば高温溶融型接着剤を用いてヒゲゼンマイの最終外側コイルを接着結合する場合、上記接着剤の粘度は、上記接着剤が、上記ヒゲゼンマイをその静止位置から離れるように運動させる傾向を有する、及びその速度の精度を大幅に妨害する機械的応力を上記ヒゲゼンマイ内に誘発する傾向を有する毛管力を、上記ヒゲゼンマイに印加するような粘度であることが観察された。反対に、十分な流動性を有する接着剤の場合、上記接着剤を堆積させた瞬間に上記ヒゲゼンマイがその静止位置から離れるように運動した場合でさえ、ヒゲゼンマイは、接着剤が硬化する前に、いずれの応力なしに、自発的にその静止位置へと戻ることができる。結果として、ヒゲゼンマイの速度の精度は、ヒゲゼンマイをヒゲ持ちに接着結合することからなる動作によって影響されない。
本発明の第1の変形実施形態によると、使用される接着剤は、空気に接触すると硬化する流動性接着剤である。本発明の第2の変形実施形態によると、上記流動性接着剤は、紫外線照射への曝露の影響下で硬化する接着剤である。
「光硬化性接着剤(photo‐curable adhesive)」は、紫外線照射の影響下で硬化できるポリマー接着剤を意味する。そのため、光硬化性接着剤は通常、用語「UV接着剤(UV adhesive)」で表される。光硬化性接着剤は:一液型接着剤であり;迅速に硬化し、場合によっては溶媒を用いずに迅速に硬化し得;塗布が容易であり;熱感受性結合を形成でき;可使時間を有しないといった、多数の利点を有する。「可使時間(pot life)」は、樹脂の2つの成分を混合して化学反応が発生した瞬間から、上記樹脂が完全に硬化するまでの使用可能期間を意味する。
極めて大まかに言って、光硬化性接着剤は、基材樹脂、光活性化剤、及び必要な場合は1つ又は複数の添加剤からなる。
モノマー又はオリゴマーであってよい基材樹脂は、UV硬化後に得られるポリマーの物理的及び化学的特性を決定する、明確に定義された官能基を有する。硬化反応は、例えばアクリル成分が対象となるラジカル機構、又は例えばエポキシ成分が対象となるカチオン機構に基づくものであってよい。ラジカル反応の場合、光硬化は、UV照射への曝露を終了するとすぐに停止する。更に、アクリルタイプのラジカル系を酸素阻害に供する。対照的に、カチオン反応の場合、光硬化は、UV照射の停止後であっても継続され、酸素阻害には供されない。更に、最終的な熱硬化ステップを用いて、UV硬化を完了できる。
本発明の場合、ラジカルタイプ及びカチオンタイプの両方の硬化反応が考えられる。この目的のために、基材樹脂は:
‐脂環式エポキシド及びグリシジルエポキシド、ビニルエーテル、並びに電子を豊富に含むビニル化合物を含む、エポキシド化合物:
‐エポキシド化合物と併用されるアルコール;並びに
‐アクリル化合物
から選択できる。
アルコール及びポリオールはいずれも、連鎖移動剤としてのエポキシド及びアクリルと反応して、一般に処方の硬化速度を改善することに留意されたい。また脂環式エポキシド樹脂は、グリシジルエポキシド樹脂よりも高い鎖柔軟性を有するため、グリシジルエポキシド樹脂より速いカチオン硬化反応を生成することにも留意されたい。
基材樹脂に加えて、UV接着剤組成物は、光開始剤によって完成される。光開始剤は、光を吸収して反応性化学種を形成する分子である。これらの光開始剤化合物は一般に、カチオン系の架橋を可能とする超酸を生成する。従ってこれらの系は、塩基性又は湿潤媒体中で阻害される。しかしながらこれらの系は、酸素の存在によっては阻害されない。従来のカチオン系光開始剤は、特に以下のものである:
‐ジアリールヨードニウム塩;
‐トリアリールスルホニウム塩;
‐ジアルキルフェナシルスルホニウム塩。
短い波長(200〜300nm)において反応するこれらの塩は、単独で、又は光増感剤、即ち、より高い効率のための光の吸収及び別の分子への励起移動が可能な分子と組み合わせて、使用してよい。
光開始剤は、優れた反応性、好適な吸収スペクトルを有する必要があり、黄変してはならず、良好な安定性、モノマー及び基板との適合性を有する必要があり、悪臭が最小でなければならず、また非毒性でなければならない。
光硬化性接着剤の組成は、1つ又は複数の添加剤によって完成でき、これらの添加剤のうち以下のものを挙げることができる:共開始剤、即ち光吸収には関与しないが、反応性粒子の生成に寄与する分子;抗酸化剤;UV安定剤;反応性希釈剤:又は接着促進剤若しくは界面活性剤。
本発明の例示的実施形態を、本明細書に添付された図1A、1Bに示す。これらの図は、全体として一般参照符号1で表される時計ムーブメントのための発振系を示す。時計ムーブメントの地板の受け2に設置された発振系1は、時計用ヒゲゼンマイ4を備え、上記ヒゲゼンマイ4は、同心コイル状に巻かれた極めて微細なゼンマイで形成され、第1の内側コイル6(図2B、3)を介して、ヒゲ玉10(図2A、2B、3)によって天真8に取り付けられる。ヒゲゼンマイ4は最終外側コイル12を介して、ヒゲ持ちホルダ又はテンプ受け16によって支持されるヒゲ持ち14で形成された取り付け点に取り付けられる。
発振系1はまた、テンプ18を備え、その天真8は、径方向アーム22によって天輪20に接続される。天真8は、第1の軸受24と第2の軸受24との間で枢動し、第1の軸受24及び第2の軸受24は、その一方のみが図面において確認でき、また時計ムーブメントの受け2及び地板に圧入される。
更に、発振系1は、振り石30を支持する振り座28と、ノッチ34が設けられた安全ローラ32とからなるダブルローラ26を備える。
発振系は最後に、第1のホゾ40と第2のホゾ40との間で枢動するアンクル真38を含むアンクル36を備え、第1のホゾ40及び第2のホゾ40は、その一方のみが図1A、1Bにおいて確認できる。アンクル36は、フォーク44をアンクル腕前部46及びアンクル腕後部48に接続するアンクル竿42からなる。フォーク44は、前方くわがた50及び後方くわがた52で形成され、これらの間に剣先54が延在する。フォーク44の移動は、アンクル受けと一体として作製してよい前方どてピン及び後方どてピン(図面では確認できない)によって制限される。アンクル腕前部46及びアンクル腕後部48はそれぞれ、入り爪石56及び出爪石58を支持する。
最後に、アンクル36は、第1のホゾ64と第2のホゾ64との間で枢動するガンギ車60の真62を備えるガンギ車60と協働する。
図2A、2Bに示す本発明の実施形態によると、ヒゲゼンマイ4の最終外側コイル12は、光硬化性接着剤66の液滴を用いてヒゲ持ち14に接着結合される。この接着剤の液滴は例えば、ディスペンサ等の自動分注デバイスを用いて堆積される。光硬化性接着剤66の液滴は、紫外光源68が生成した光照射への曝露によって硬化される。紫外光への曝露は、上記接着剤の完全な硬化を引き起こすために十分なものである。ヒゲゼンマイ4の第1の内側コイル6もまた、ヒゲゼンマイ4をヒゲ持ち14に結合するために採用されるものと同一の伝導性UV接着剤を用いて、ヒゲ玉10に結合してよいことに留意されたい。
図2A、2Bを考察すると明らかになるように、ヒゲゼンマイ4の最終外側コイル12は、ヒゲ持ち14の上端に設けられた溝70内に配置される。図2Aでは、光硬化性接着剤66の液滴がディスペンサを用いて堆積されており、接着剤の突出力の影響下で、ヒゲゼンマイ4の最終外側コイル12の端部はその静止位置からわずかに離れるように運動し、溝70の壁に接触するが、これはヒゲゼンマイの速度の精度に対して極めて有害である。しかしながら、図2Bに示すように、接着剤が硬化する前に、ヒゲゼンマイ4の最終外側コイル12の端部はその静止位置に自発的に戻っている。これは、光硬化性接着剤66が高い流動性を有し、その粘度が200〜400mPa・sであり、従って接着剤が、ヒゲゼンマイ4の端部の、その平衡位置への自発的な復元運動に抵抗しないことにより、可能となる。結果として、ヒゲゼンマイ4を取り付けるための動作は、ヒゲゼンマイ4内にいずれの機械的応力を誘発せず、これはヒゲゼンマイ4の速度の精度に関して極めて好ましい。
本発明の別の特徴によると、ヒゲゼンマイ4の最終外側コイル12は、最終外側コイル12の端部と一体として作製されたプレート72で終端し、上記プレート72は、ヒゲゼンマイ4の他のコイルよりも厚い。単なる例として、プレートの断面は0.1×0.1mm2であり、プレートの長さLは0.6ミリメートルである。また、接着剤の硬化後の接着剤の接着を促進するために、プレート72が少なくとも1つの、好ましくは2つのノッチ74を備えることも観察される。最後に、最終外側コイル12は、ヒゲゼンマイ4の他のコイルと同心ではないことが観察される。最終外側コイル12は、ヒゲゼンマイ4の中心からわずかに離れるように移動し、これにより、最終外側コイル12に先行する、最後から2番目のコイル68は、ヒゲ持ち14に接触しない。
本発明は上述の実施形態に限定されないこと、並びに添付の請求項によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者は様々な簡単な修正例及び変形例を想定できることは、言うまでもない。特に、本発明の別の変形実施形態によると、ヒゲゼンマイ4の最終外側コイル12は、空気に接触すると硬化する接着剤の液滴を用いて、ヒゲ持ち14に結合してよいことを理解されたい。ヒゲゼンマイの作製に使用される材料は通常、コバルト、ニッケル、クロム系の合金である。このような合金は展性を有し、また腐食に対する耐性を有していなければならない。しかしながら、近年の開発により、シリコン製のヒゲゼンマイが提案されている。シリコンヒゲゼンマイは、従来の鋼鉄製ヒゲゼンマイよりも精度がはるかに高い。ただしそのコストは、鋼鉄製ヒゲゼンマイよりも有意に高い。用語「シリコンヒゲゼンマイ(silicon balance spring)」は、単結晶シリコン、ドープした単結晶シリコン、多結晶シリコン、ドープした多結晶シリコン、多孔性シリコン、酸化シリコン、石英、シリカ、窒化シリコン又は炭化シリコンを含む材料で作製されたヒゲゼンマイを意味する。当然のことながら、上記シリコン系材料が結晶相である場合、いずれの結晶配向を使用してよい。
1 発振系
2 受け
4 時計用ヒゲゼンマイ
6 第1の内側コイル
8 天真
10 ヒゲ玉
12 最終外側コイル
14 ヒゲ持ち
16 ヒゲ持ちホルダ又はテンプ受け
18 テンプ
20 天輪
22 径方向アーム
24 第1及び第2の軸受
26 ダブルローラ
28 振り座
30 振り石
32 安全ローラ
34 ノッチ
36 アンクル
38 アンクル真
40 第1及び第2のホゾ
42 アンクル竿
44 フォーク
46 アンクル腕前部
48 アンクル腕後部
50 前方くわがた
52 後方くわがた
54 剣先
56 入り爪石
58 出爪石
60 ガンギ車
62 ガンギ車真
64 第1及び第2のホゾ
66 光硬化性接着剤
68 紫外光源
70 溝
72 プレート
74 ノッチ

Claims (5)

  1. 時計用ヒゲゼンマイ(4)の最終外側コイル(12)をヒゲ持ち(14)内に取り付ける方法であって、
    前記方法は、前記時計用ヒゲゼンマイ(4)の前記最終外側コイル(12)を、粘度が200〜400mPa・sの流動性接着剤(66)を用いて、接着結合するステップを含む、方法。
  2. 前記ヒゲゼンマイ(4)の前記最終外側コイル(12)は、前記ヒゲ持ち(14)内に設けられた溝(70)の内側に接着結合されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記流動性接着剤(66)は、紫外線照射によって硬化されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の取り付け方法。
  4. 前記流動性接着剤は、空気に接触すると硬化する接着剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の取り付け方法。
  5. 時計ムーブメント用のヒゲゼンマイであって、
    前記ヒゲゼンマイは、複数の同心コイルを巻いたもので形成され、かつ請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法によってヒゲ持ち(14)に取り付けられた最終外側コイル(12)を備え、
    前記最終外側コイル(12)は、前記ヒゲゼンマイ(4)の他のコイルより厚いプレート(72)で終端し、
    前記プレート(72)は、流動性接着剤(66)が硬化した後の前記接着剤(66)の接着を促進するための少なくとも1つのノッチ(74)を備える、ヒゲゼンマイ。
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