JP6258117B2 - 走行式荷役装置の免震性能維持方法 - Google Patents

走行式荷役装置の免震性能維持方法 Download PDF

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Description

本発明は、走行式荷役装置に関する。
従来、このような分野の技術として、例えば特許文献1に記載された走行式荷役装置が知られている。特許文献1の走行式荷役装置は、門形のクレーン本体と、クレーン本体の下部に設けられた走行装置と、クレーン本体と走行装置との間に装着された免震装置と、を備えている。この免震装置は、クレーン本体の走行装置に対する横方向への滑り移動を可能とする滑り面を有しており、これにより地震発生時の免震が図られている。また、この走行式荷役装置では、通常時には拘束機構としてのシャーピンによりクレーン本体と走行装置との滑り移動が拘束されており、所定の大きさ以上の地震が発生した際に当該シャーピンが破断されてクレーン本体と走行装置との相対的な滑り移動が許容される構造とされている。
特開2000−203786号公報
上記特許文献1の走行式荷役装置では、上述したように、通常時にはクレーン本体と走行装置とが相対的に移動することはない。このため、地震が発生してクレーン本体と走行装置との相対的な移動が引き起こされることなく、滑り移動が拘束された通常状態のままで長期間使用されることも考えられる。ところが、この場合、長期間の使用の間、滑り面において荷重を支持する支持面は変化せず、クレーン本体及びこれが支持している機器を合わせた数百トンにも及ぶ大重量が同一の支持面にかかり続けることから、当該支持面に種々の不具合が発生し、滑り面の摩擦係数が変化して免震性能が低下する可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、長期的に安定して利用可能な走行式荷役装置を提供することを目的とする。
本発明に係る走行式荷役装置は、荷物の荷役作業を行う荷役部と、荷役部を支持すると共に、上側本体部と下側本体部とに分割された本体部と、本体部の下部に設けられ、本体部をレールに沿って走行させる走行部と、上側本体部と下側本体部との間に設けられ、上側本体部の下側本体部に対する滑り面を介した所定方向への相対的な滑り移動を可能とする免震部と、上側本体部に力を作用させて上側本体部を下側本体部に対して移動させる駆動部と、を備える。
この走行式荷役装置によれば、駆動部により上側本体部を下側本体部に対して移動させることが可能であるので、例えば通常時に定期的に上側本体部を下側本体部に対して移動させることで、同一の支持面に重量がかかり続けることを抑制でき、滑り面の摩擦係数を安定的に維持することが可能となる。この結果、免震性能の低下を抑制でき、長期的に安定して利用することが可能となる。
また、駆動部は、上側本体部に上向きの力を作用させて上側本体部を下側本体部に対して上方へ持ち上げるものでもよい。この走行式荷役装置によれば、上側本体部を下側本体部に対して上方へ持ち上げることで(ジャッキアップすることで)、同一の支持面に重量がかかり続けることを抑制して支持面における固着の発生を抑制することができ、免震性能の低下を抑制することが可能となる。
また、駆動部は、上側本体部に所定方向に沿う力を作用させて上側本体部を下側本体部に対して所定方向へ滑り移動させるものでもよい。この走行式荷役装置によれば、上側本体部を下側本体部に対して所定方向へ滑り移動させることで(スライド移動させることで)、同一の支持面に重量がかかり続けることを抑制して支持面と非支持面との境界に発生する材料劣化を抑制することができ、免震性能の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、長期的に安定して利用可能な走行式荷役装置を提供できる。
第1実施形態に係る走行式荷役装置を示す斜視図である。 図1の走行式荷役装置における免震部と原点復帰部とを示す斜視図である。 図2の免震部を拡大して示す斜視図である。 図2の免震部とシャーピンとを示す断面図である。 第2実施形態に係る走行式荷役装置の免震部を示す斜視図である。 第3実施形態に係る走行式荷役装置の免震部を示す側面図である。 第4実施形態に係る走行式荷役装置の原点復帰部を示す側面図である。 第5実施形態に係る走行式荷役装置の免震部と駆動部とを示す側面図であり、(a)はジャッキアップ前の状態を、(b)はジャッキアップ後の状態を示している。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る走行式荷役装置は、例えば岸壁に設けられ、着岸した船舶への荷物(例えば、ばら物やコンテナ)の積載、又は船舶からの荷物の陸揚げ等の荷役作業に用いられる。図1に示されるように、走行式荷役装置1は、荷物の荷役作業を行う荷役部2と、荷役部2を支持するガーダ部3と、ガーダ部3を介して荷役部2を支持すると共に上側本体部11と下側本体部12とに分割された本体部10と、本体部10の下部に設けられ、本体部10をレールRに沿って走行させるための走行部20と、免震を図るための免震部30,40と、上側本体部11の下側本体部12に対する位置を調整するための原点復帰部50と、を備えている。
荷役部2は、荷物の荷役作業を行うためのものであり、クレーンの場合にはクラブトロリ式、やロープトロリ式やホイスト式等を採用することができ、アンローダの場合にはクラブトロリ式やダブルリンク式等を採用することができる。
ガーダ部3は、荷役部2を支持する。ガーダ部3は、レールRと交差する水平方向に延伸するように、本体部10に対して取り付けられている。ガーダ部3は、本体部10に対して取り付けられるガーダ3Aと、一端がガーダ3Aに接続されると共に他端がガーダ3Aに対し起伏可能とされたブーム3Bと、を有している。
上側本体部11の上方には、機械室4が設けられている。機械室4には、ブーム3Bを起伏させるための駆動機構が設けられている。機械室4は、本体部10により支持されている。なお、以下では、ガーダ部3が延びる方向をy軸方向、レールRが延在して本体部10が走行する方向(y軸方向に対して垂直な水平方向)をx軸方向、鉛直方向をz軸方向、として説明する。
上側本体部11は4本の脚部11Aを備えており、下側本体部12も4本の脚部12Aを備えている。平面視における上側本体部11の各脚部11Aの位置は、平面視における下側本体部12の各脚部12Aの位置と一致している。上側本体部11の脚部11Aの下部には2本の脚部11Aの下部を連結する梁11Bが固定されており、この梁11Bはy軸方向に延在している。下側本体部12の脚部12Aの上部には2本の脚部12Aの上部を連結する梁12Cが固定されており、この梁12Cはy軸方向に延在している。また、下側本体部12は、2本の脚部12Aの下端に連結されてx軸方向に延在する梁12Bを有している。
走行部20は、本体部10の下部に設けられており、本体部10をレールRに沿って走行させる。走行部20は、下側本体部12の各梁12Bの下方で固定されており、本体部10をレールRに沿って走行させるための車輪21を備えている。
免震部40は、下側本体部12の梁12Bと走行部20との間に設けられている。免震部40としては、公知のものを採用することができ、例えば、下側本体部12に接続される上側ブラケットと、走行部20に取り付けられる下側ブラケットと、上側ブラケット及び下側ブラケットの間に設けられた積層ゴム及びダンパと、を備えている。免震部40は、地震が発生した際に、地面(又は岸壁)から走行部20へ伝わった振動が下側本体部12へ伝わることを抑制する。なお、下側本体部12と走行部20との間には、所定の力を受けると破断するシャーピンが設けられており、所定の大きさよりも小さな地震では免震部40は機能せず、所定の大きさ以上の地震が発生した場合にシャーピンが破断して免震部40が機能するようになっている。
図1及び図2に示されるように、免震部30は、上側本体部11の各脚部11Aと下側本体部12の各脚部12Aとの間に設けられている。免震部30は、上側本体部11の脚部11Aの下端に固定された上側ブラケット31と、下側本体部12の脚部12Aの上端に固定された下側ブラケット32と、を備えている。
上側ブラケット31は、後述するシャーピン61が破断した状態又はシャーピン61が取り付けられていない状態では下側ブラケット32に対するy軸方向(所定方向)への移動が拘束されておらず、下側ブラケット32に対してy軸方向に相対的に移動可能となっている。なお、地震が発生し、その振動が下側本体部12まで伝わった際には、下側ブラケット32が上側ブラケット31に対してy軸方向に移動する。このような場合、下側ブラケット32から見ると、上側ブラケット31がy軸方向に移動しているため、上述のように、上側ブラケット31は下側ブラケット32に対してy軸方向に「相対的に」移動可能となっている、と表現することができる。
図3に示されるように、上側ブラケット31は、その下面31aに取り付けられた滑り板33A(第1滑り部)と、x軸方向の両側面31bに取り付けられた滑り板33B(第1滑り部)と、を有する。下側ブラケット32は、上側ブラケット31と向かい合う上面32cに取り付けられた滑り板33C(第2滑り部)と、上側ブラケット31と向かい合う両側面32dに取り付けられた滑り板33D(第2滑り部)と、を有する。滑り板33Aと滑り板33Cとが接触するそれぞれの表面が滑り面35Aとなり、滑り板33Bと滑り板33Dとが接触するそれぞれの表面が滑り面35Bとなる。これら滑り面35A,35Bを介することで、上側ブラケット31は下側ブラケット32に対してy軸方向に相対的に滑り移動することが可能となっており、ひいては上側本体部11が下側本体部12に対してy軸方向に相対的に滑り移動することが可能となっている。
滑り板33A,33B,33C,及び33Dは、y軸方向に所定距離延伸している。この延伸する距離の分だけ、上側ブラケット31が下側ブラケット32に対して相対的に移動する際のストロークを確保することができる。本実施形態では、図2及び図3に示されるように、滑り板33A,33Bが延伸する距離は、滑り板33C,33Dが延伸する距離よりも長くされている。なお、滑り板33A,33B,33C,及び33Dが延伸する距離は、走行式荷役装置1の大きさ等により適宜設計することができ、例えば数十cm〜数mとすることができる。また、本実施形態では、滑り板33A,33Bが延伸する距離は、滑り板33C,33Dが延伸する距離よりも長くされている構成としたが、滑り板33C,33Dが延伸する距離よりも短くされている構成としてもよいし(この場合、ストロークを確保するために、滑り板33C,33Dの長さを長くする)、あるいは同じ長さとされている構成としてもよい(この場合、滑り板33A,33Bと滑り板33C,33Dの両方がストロークを確保できる十分な長さとする)。
滑り板33Cにおける滑り板33Aと接触する面、及び滑り板33Dにおける滑り板33Bと接触する面には、摩擦係数を小さくする低摩擦処理が施されている。低摩擦処理の例として、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のシートや板の貼り付けが挙げられる。滑り板33A,33B,33C,及び33Dの表面に低摩擦処理が施されている場合、この低摩擦処理が施された面が滑り面35A,35Bとなる。なお、走行式荷役装置1には、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対する相対的な滑り移動の最大ストロークを規定するストッパ(不図示)が設けられており、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対する相対的な移動量が大きくなりすぎて、上側本体部11が下側本体部12から脱落してしまうことを防いでいる。このストッパとしては種々の構成を採用することが可能である。例えば、下側ブラケット32に対する上側ブラケット31の移動時に上側ブラケット31に当接させるピン又はブラケットをストッパとして用いることができる。
図4に示されるように、下側本体部12の梁12Cの上面には、シャーピン61を設置するためのシャーピン固定部62が固定されている。シャーピン固定部62には、シャーピン61を貫通させるための孔部62a(第1のシャーピン挿入部)が形成されている。同様に、上側ブラケット31の端部31Bには、シャーピン61を貫通させるための孔部31c(第2のシャーピン挿入部)が形成されている。シャーピン61は、シャーピン固定部62の孔部62aと、上側ブラケット31の端部31Bの孔部31cと、に挿通される。シャーピン61には、周囲よりも径が小さい(細い)溝部61Aが設けられている。このようにシャーピン61が挿通されることにより、通常時は、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対するy軸方向への相対的な滑り移動が拘束される。従って、走行式荷役装置1を駆動した際に多少の振動が装置中に発生しても、上側本体部11及び下側本体部12は一体となっているため免震部30は機能せず、装置の駆動や荷役作業への影響が出ない。そして、所定の大きさ以上の地震が発生した場合には、シャーピン61が溝部61Aで破断し、上側ブラケット31の相対的な滑り移動の拘束が解除され、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対するy軸方向への相対的な滑り移動が可能となる。
このように、本実施形態の走行式荷役装置1は、所定の大きさ以上の地震が発生し下側本体部12で所定値以上の振動が発生した場合には、上側本体部11の下側本体部12に対するy軸方向への相対的な滑り移動の拘束が解除され、上側本体部11の下側本体部12に対する相対的な滑り移動が可能となる。従って、所定の大きさ以上の地震が発生し、下側本体部12が大きく振動した際、上側本体部11は下側本体部12に対して滑り移動するため、下側本体部12の振動が上側本体部11へ伝わることを抑制することができる。その結果、大地震が発生しても本体部10よりも上側に設けられた機器(荷役部2や機械室4内の駆動機構)の破損を抑制することができる。
なお、本出願における「滑り移動の拘束が解除」された状態とは、上側本体部11と下側本体部12とが滑り機構によって接続されており、バネ等の弾性機構やダンパ等の減衰機構が滑り機構とは並列に設けられていない状態を意味する。滑り機構と並列に弾性機構や減衰機構が設けられている場合には、下側本体部12の振動が弾性機構や減衰機構を介して上側本体部11へ伝わってしまうため、「滑り移動の拘束が解除」された状態には該当しない。
図1及び図2に示されるように、上側本体部11の梁11Bと下側本体部12の梁12Cとの間には、シャーピン61が破断した状態又はシャーピン61が孔部31c及び孔部62aに挿入されていない状態において、上側本体部11を移動させて上側本体部11の下側本体部12に対するy軸方向の位置を調整可能な原点復帰部50(位置調整部)が設けられている。大地震が発生してシャーピン61が破断し、上側本体部11が下側本体部12に対しy軸方向へ僅かでも移動した後には、上側本体部11を元の位置に戻して再度シャーピン61を挿入する復旧作業を行う必要がある。シャーピン61を上側ブラケット31の孔部31c及びシャーピン固定部62の孔部62aへ挿入するには、上側ブラケット31をシャーピン固定部62に対して正確に位置決めしなければならない。上側本体部11及び上側本体部11が支持している機器を合わせた重量は数百トンにもなることがあり、このような大重量の物を作業者が手で押して移動させることは困難である。原点復帰部50を設けることで、大重量の上側本体部11を正確に原点復帰させることができる。以下では、シャーピン61を上側ブラケット31の孔部31c及びシャーピン固定部62の孔部62aへ挿入することが可能な下側本体部12に対する上側本体部11の位置を原点と称し、また、上側本体部11を原点へ戻す作業を原点復帰と称する。
原点復帰部50は、2本の梁12Cにそれぞれ1つずつ設けられている。2台の原点復帰部50は、梁12Cの上部における免震部30それぞれの内側位置に配置されている。原点復帰部50は、駆動力を発生させて出力するモータ51(駆動源)と、モータ51によって出力された駆動力を直進運動に変換しロッド52Aをy軸方向に出没させるシリンダ52(変換部)と、を備えている。なお、シリンダ52は、例えば電動式シリンダであるが、油圧式シリンダであってもよい。
原点復帰部50を使用しないときは、ロッド52Aを縮めた状態とし、原点復帰部50のロッド52Aの先端と、上側ブラケット31の端部31Bとを離間させる。ロッド52Aの先端と上側ブラケット31の端部31Bとの距離は、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対する相対的な滑り移動の最大ストロークと対応しており、例えば数十cm〜数mである。
原点復帰を行う場合、モータ51が駆動力を発生させ、モータ51の駆動力によってシリンダ52のロッド52Aが伸長する。そして、ロッド52Aを端部31Bに連結させて上側ブラケット31の位置を原点に戻すことにより、原点復帰を行うことができる。このように、原点復帰部50は、下側ブラケット32に対する上側ブラケット31の位置を調整可能となっている。
また、原点復帰部50で原点復帰を行う場合には、例えば図2に示される端部31Bの孔部31cとロッド52Aの孔部52aとにピンを通すことにより、端部31Bとロッド52Aとを接続可能である。なお、端部31Bとロッド52Aとは、直接接続させてもよいし、中間部材を介して接続させてもよい。このように端部31Bとロッド52Aとを接続させた状態でロッド52Aを直線運動させることにより、端部31Bを動かして原点復帰を行い、この状態で上述したようにシャーピン61を挿通させる。こうして、原点復帰が行われた状態で、シャーピン61により上側本体部11と下側本体部12との接続がなされる。
ところで、本実施形態の走行式荷役装置1においては、この原点復帰部50を、免震性能の低下を抑制するための駆動部としても用いる。長期間、大きな地震が発生しないと、滑り移動が拘束された通常状態のままで走行式荷役装置1が使用され続け、上側本体部11と下側本体部12との相対的な移動が長期間引き起こされない。その結果、免震部30において水平方向に延在する滑り面35Aにおいて、上側本体部11を支持する支持面(本実施形態では、滑り板33Aにおける滑り板33Cとの接触面)と非支持面(本実施形態では、滑り板33Aにおける滑り板33Cとの接触面以外の表面)との境界に材料劣化等により面変化が発生し、当該境界で摩擦係数が変化して免震性能が低下する可能性がある。また、このように通常状態のままで走行式荷役装置1が長期間使用された場合、支持面において固着(圧着)されたような状態となることにより、摩擦係数が変化して免震性能が低下する可能性もある。そこで、本実施形態の走行式荷役装置1では、原点復帰部50の駆動力によって定期的に上側本体部11を下側本体部12に対して移動させることで、支持面と非支持面との境界における面変化の発生や支持面における固着の発生に起因する免震性能の低下を抑制する。原点復帰部50の駆動力による上側本体部11の移動の頻度は特に限定されず、例えば1年に1回行ってもよく、クレーンでは2年に1度の定期検査時にあわせて行ってもよい。
原点復帰部50を、免震性能の低下を抑制するための駆動部としても用いる場合の具体的な方法を説明する。シャーピン61がシャーピン固定部62に挿通されて上側ブラケット31の下側ブラケット32に対するy軸方向への相対的な滑り移動が拘束されている通常時において、シャーピン61をシャーピン固定部62から抜脱し、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対するy軸方向への相対的な滑り移動を可能とする。そして、端部31Bの孔部31cとロッド52Aの孔部52aとをピン(不図示)等で接続する。この状態において、モータ51の駆動力によってロッド52Aを直線運動させることにより上側本体部11にy軸方向に沿う力を作用させ、上側本体部11を下側本体部12に対してy軸方向に移動させる。例えば、原点位置からy軸方向に所定量だけ移動させた後、原点位置まで再び移動させる。上記所定量は、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対する相対的な滑り移動の最大ストローク以下とすればよく、任意の量に設定可能である。その後、シャーピン61をシャーピン固定部62に挿通し、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対する相対的な滑り移動を拘束する。
このような上側本体部11の滑り移動(摺動)を定期的に行うことで、同一の支持面に重量がかかり続けることを抑制でき、滑り面における支持面と非支持面との境界を均一化できる。従って、支持面と非支持面との境界における面変化の発生や支持面における固着の発生を抑制することができ、滑り面の摩擦係数を長期的、安定的に維持することが可能となる。この結果、免震性能の低下を抑制でき、走行式荷役装置1を長期的に安定して利用することが可能となる。
なお、走行式荷役装置1は、原点復帰部50(のロッド52A)と、上側本体部11(の上側ブラケット31の端部31B)との間に連結されたロードセルを更に備える構成としてもよい。この構成では、ロードセルによって原点復帰部50と上側本体部11との間に作用する荷重を測定することで、滑り面における摩擦係数を把握することができる。この構成によれば、原点復帰部50によって上側本体部11を滑り移動させる際に、滑り面の変化を好適に把握することが可能となる。
また、図2に示すように、梁11Bは脚部11Aと接続される根元部11Dと、根元部11D間を接続する中央部11Eと、を有している。上側本体部11の梁11Bの下面には、根元部11Dから中央部11Eに向かうに従って斜め上方に延在する傾斜面11dが形成されている。この傾斜面11dによって根元部11Dよりも中央部11Eが細くなっているので、上側本体部11の下方で原点復帰部50を配置するためのスペースSを十分に確保することができる。
なお、梁11Bに代えて太さが均一の梁を用いることも可能である。しかし、根元部11Dが太くなっている本実施形態の梁11Bを用いた場合には、脚部11Aに対する梁11Bの面積を大きくすることができると共に、中央部11Eが細くなっていることによって重量を抑えることも可能となる。また、梁11Bの上下を逆にして傾斜面11dを梁11Bの上面に形成することも可能である。しかし、本実施形態のように傾斜面11dを梁11Bの下面に形成した場合には、スペースSをより広く確保することができるという点で有利である。
以上のように、走行式荷役装置1では、所定の大きさ以上の地震が発生し下側本体部12で所定値以上の振動が発生した場合には、上側本体部11の下側本体部12に対するy軸方向への相対的な滑り移動の拘束が解除され、上側本体部11の下側本体部12に対する相対的な滑り移動が可能とされる。所定の大きさ以上の地震が発生し、下側本体部12が大きく振動した際、上側本体部11は下側本体部12に対して滑り移動するため、下側本体部12の振動が上側本体部11へ伝わることを抑制することができる。その結果、大地震が発生しても本体部10よりも上側に設けられた機器(荷役部2や機械室4内の駆動機構)の破損を抑制することができる。また、本実施形態では、上側本体部11と下側本体部12とが滑り機構によって接続されており、バネ等の弾性機構やダンパ等の減衰機構が滑り機構とは並列に設けられていないので、下側本体部12の振動が弾性機構や減衰機構を介して上側本体部11へ伝わることを防ぐことができる。
また、走行式荷役装置1は、所定の力を受けると破断するシャーピン61と、下側本体部12に設けられ、シャーピン61が挿入される孔部62aと、上側ブラケット31に設けられ、シャーピン61が挿入される孔部31cと、シャーピン61が破断した状態又はシャーピン61が孔部62a及び孔部31cに挿入されていない状態において、上側本体部11の下側本体部12に対するy軸方向の位置を調整可能な原点復帰部50と、を備えている。従って、通常時は、上側ブラケット31の下側ブラケット32に対するy軸方向への相対的な滑り移動が拘束されるので、走行式荷役装置1を駆動した際に多少の振動が装置中に発生しても、上側本体部11及び下側本体部12は一体となっているため免震部30は機能せず、装置の駆動や荷役作業への影響が出ない。また、地震が発生してシャーピン61が破断し、上側本体部11が下側本体部12に対しy軸方向へ僅かでも移動した後には、原点復帰部50により上側本体部11を元の位置(原点)に戻して再度シャーピン61を挿入する復旧作業を容易に行うことができる。
また、図3に示されるように、免震部30は、上側本体部11に取り付けられた上側ブラケット31と、下側本体部12に取り付けられた下側ブラケット32と、を有しており、上側ブラケット31は、滑り面が形成されると共にy軸方向へ延伸する滑り板33A,33Bを有し、下側ブラケット32は、滑り板33A,33Bの滑り面と接触する滑り面が形成されると共にy軸方向へ延伸する滑り板33C,33Dを有する。このように、滑り板33A,33B,33C,及び33Dはy軸方向へ延伸している。この延伸する距離の分だけ、上側ブラケット31が下側ブラケット32に対して相対的に移動する際のストロークを確保することができる。
また、図2に示されるように、原点復帰部50は、駆動力を出力するモータ51と、モータ51による駆動力を直進運動に変換するシリンダ52と、を備えている。原点復帰部50では、モータ51から出力された駆動力をシリンダ52が直進運動に変換し、この直進運動で上側ブラケット31を下側ブラケット32に対して移動させることで、大重量の上側本体部11を正確に原点復帰させることができる。
なお、第1実施形態では、シリンダ52が電動式シリンダ又は油圧式シリンダである例について説明したが、原点復帰部の態様は上記実施形態に限定されない。例えば手回しハンドル又は電動工具で回転運動を生じさせてこの回転運動を直進運動に変換する等、手動で直進運動を発生させて原点復帰を行ってもよい。
また、第1実施形態では、原点復帰部50を予め上側本体部11と下側本体部12との間に配置する(走行式荷役装置1の製造時に予め原点復帰部50を取り付けておく)例について説明したが、原点復帰部50を配置するタイミング及び位置は上記実施形態に限定されない。例えば地震が発生してシャーピン61が破断し、上側本体部11の下側本体部12に対する移動が生じた後に原点復帰部50を走行式荷役装置1に取り付けてもよい。また、原点復帰部50は脚部11Aや脚部12A等に取り付けられてもよい。
また、走行式荷役装置1によれば、上側本体部11を下側本体部12に対して移動させるための駆動部として原点復帰部50を利用できる。例えば通常時に定期的に上側本体部11を下側本体部12に対して移動させることで、同一の支持面に重量がかかり続けることを抑制でき、免震性能の低下を抑制することが可能となる。この結果、走行式荷役装置1を長期的に安定して利用することが可能となる。
また、走行式荷役装置1においては、駆動部としての原点復帰部50は、上側本体部11にy軸方向(所定方向)に沿う力を作用させて上側本体部11を下側本体部12に対してy軸方向へ滑り移動させるスライド式の駆動装置である。このため、走行式荷役装置1によれば、上側本体部11を下側本体部12に対してy軸方向へ滑り移動させることで(スライド移動させることで)、滑り面における支持面と非支持面との境界を均一化できる。従って、支持面と非支持面との境界における面変化の発生や支持面における固着の発生を抑制することができ、滑り面の摩擦係数を長期的、安定的に維持することが可能となる。この結果、免震性能の低下を抑制でき、走行式荷役装置1を長期的に安定して利用することが可能となる。また、走行式荷役装置1によれば、シャーピン61の破断後において上側本体部11の下側本体部12に対するy軸方向の位置を調整するための原点復帰部50を利用して免震性能の低下を抑制できるので、部材の共通化を図り、コスト低減及び省スペース化を実現できる。
(第2実施形態)
図5に示されるように、第2実施形態に係る走行式荷役装置は、下側本体部12と走行部20との間に、第1実施形態における免震部30と同様の滑り機構を有する免震部70が配置されている。免震部70は、下側本体部12の梁12Bに固定された上側ブラケット71と、走行部20の上端に固定された下側ブラケット72と、を備えている。
上側ブラケット71は、第1実施形態と同様、シャーピンが破断した状態又はシャーピンが取り付けられていない状態では下側ブラケット72に対するy軸方向への移動が拘束されておらず、下側ブラケット72に対してy軸方向に相対的に移動可能となっている。上側ブラケット71は、その下面71aに取り付けられた滑り板73A(第1滑り部)と、x軸方向の両側面71bに取り付けられた滑り板73B(第1滑り部)と、を有する。下側ブラケット72は、上側ブラケット71と向かい合う上面72cに取り付けられた滑り板73C(第2滑り部)と、上側ブラケット71と向かい合う両側面に取り付けられた滑り板73D(第2滑り部)と、を有する。滑り板73A,73B,73C,及び73Dの機能は、それぞれ滑り板33A,33B,33C,及び33Dの機能と同様であるため説明を省略する。
第2実施形態に係る走行式荷役装置では、所定の大きさ以上の地震が発生し走行部20で所定値以上の振動が発生した場合には、下側本体部12の走行部20に対するy軸方向への相対的な滑り移動の拘束が解除され、下側本体部12の走行部20に対する相対的な滑り移動が可能とされる。所定の大きさ以上の地震が発生し、走行部20が大きく振動した際、下側本体部12は走行部20に対して滑り移動するため、走行部20の振動が下側本体部12へ伝わることを抑制することができる。その結果、大地震が発生しても下側本体部12よりも上側に設けられた機器の破損を抑制することができる。また、本実施形態では、下側本体部12と走行部20とが滑り機構によって接続されており、バネ等の弾性機構やダンパ等の減衰機構が滑り機構とは並列に設けられていないので、走行部20の振動が弾性機構や減衰機構を介して下側本体部12へ伝わることを防ぐことができる。
(第3実施形態)
図6に示されるように、第3実施形態に係る走行式荷役装置では、第1実施形態に係る滑り板33Cに代えて、積層ゴム83aと滑り部材83bとが一体となった弾性滑り板83Bを用いている。弾性滑り板83Bの積層ゴム83aは、滑り部材83bと下側ブラケット32との間に設けられている。積層ゴム83aは、その上端部が滑り部材83bに固定され、その下端部が下側ブラケット32に固定されている。積層ゴム83aは、弾性板(ゴム板)が複数枚積層されたものであり、ゴム84と鋼板85とが交互に積層された積層構造を有している。滑り部材83bは、上側ブラケット31の滑り板33Aに接触している。滑り部材83bにおける滑り板33Aと接触する面には、摩擦係数を小さくする低摩擦処理が施されている。低摩擦処理の例として、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のシートや板の貼り付けが挙げられる。滑り部材83bの表面に低摩擦処理が施されている場合、この低摩擦処理が施された面が滑り面となる。この滑り部材83bに対して滑り板33Aが滑ることによって、下側ブラケット32に対して上側ブラケット31が相対的に移動可能となっている。
以上のように構成される弾性滑り板83Bでは、図6(b)に示されるように、例えば小規模地震等、振動の加速度が許容値よりも小さい場合には、積層ゴム83aにおけるゴム84の変形により、下側ブラケット32(下側本体部12)の振動の上側ブラケット31(上側本体部11)への伝達を抑えることができる。また、図6(c)に示されるように、例えば大規模地震等、振動の加速度が許容値よりも大きい場合には、積層ゴム83aの変形だけでは下側ブラケット32側の振動(移動)を吸収しきれなくなるが、滑り板33Aに対して滑り部材83bが滑ることによって、下側本体部12が上側本体部11に対して滑り移動する。すなわち、上側本体部11が下側本体部12に対して相対的に滑り移動する。これにより、所定の大きさ以上の地震が発生し、下側本体部12が大きく振動した際、下側本体部12の振動が上側本体部11へ伝わることを抑制することができる。その結果、大地震が発生しても本体部10よりも上側に設けられた機器(荷役部2や機械室4内の駆動機構)の破損を抑制することができる。
なお、第3実施形態では、免震部30に積層ゴム83aを用いているが、この積層ゴム83aは滑り機構とは直列に接続されているため、「滑り移動の拘束」状態には該当しない。
なお、第3実施形態では、第1実施形態の滑り板33Cに代えて弾性滑り板83Bを用いたが、滑り板33Dに代えて弾性滑り板83Bを用いることも可能である。また、第2実施形態に係る滑り板73C又は滑り板73Dに代えて、弾性滑り板83Bを用いてもよい。
(第4実施形態)
図7に示されるように、第4実施形態に係る走行式荷役装置では、第1実施形態の原点復帰部50に代えて、ラックアンドピニオン式を採用した原点復帰部90を用いている。原点復帰部90は、上側本体部11の梁11Bと下側本体部12の梁12Cとの間に介在している。原点復帰部90は、梁11Bに固定されたモータ91(駆動源)と、モータ91の駆動力で回転する歯車92(回転部)と、梁12Cに固定されて歯車92と噛み合う歯がy軸方向に延伸するように設けられた噛み合い部93と、を備えている。
ここで、原点復帰を行う場合には、モータ91が駆動力を発生させ、この駆動力で歯車92が回転する。そして、回転する歯車92は噛み合い部93の歯に噛み合うことで、歯車92はy軸方向へ移動する。その結果、歯車92が取り付けられた梁11Bを介して、上側本体部11が下側本体部12に対してy軸方向へ移動する。これにより、上側本体部11の原点復帰を行うことができる。なお、原点復帰を行うとき以外は、歯車92と噛み合い部93とが噛み合わないようにしておくことが望ましい。常に歯車92と噛み合い部93とが噛み合っていると、地震が発生してシャーピン61が破断しても、歯車92と噛み合い部93とが噛み合っているため上側本体部11の下側本体部12に対するy軸方向の相対的な滑り移動が拘束されてしまうためである。歯車92と噛み合い部93とが噛み合わないようにするには様々な手法が考えられる。例えば、歯車92が取り付けられた部材をz軸方向へスライドさせるスライド機構を設けておくことや、通常時は噛み合い部93は走行式荷役装置1には取り付けずに原点復帰を行うときのみ噛み合い部93を取り付ける、等の手法が挙げられる。
また、第4実施形態の走行式荷役装置においても、上述した第1実施形態の場合と同様に、原点復帰部90を、支持面と非支持面との境界における面変化の発生や支持面における固着の発生に起因する免震性能の低下を抑制するための駆動部としても用いることができる。すなわち、原点復帰部90の駆動力により定期的に上側本体部11を下側本体部12に対して移動させることにより、免震性能の低下を抑制することができる。
なお、第4実施形態では、上側本体部11の梁11Bと下側本体部12の梁12Cとの間に原点復帰部90が設けられたが、原点復帰部90の配置位置は適宜変更可能である。例えば、脚部11A及び脚部12Aに原点復帰部90を取り付けることも可能である。この場合も、歯車を回転させて直進運動させることにより原点復帰が行われる。
(第5実施形態)
図8に示されるように、第5実施形態に係る走行式荷役装置は、第1実施形態の構成に加えてジャッキ(駆動部)95を備えている。ジャッキ95は、上側本体部11と下側本体部12との間、より具体的には、上側本体部11の各脚部11Aと、下側本体部12の各脚部12Aに固定された下側ブラケット32と、の間に設けられている。ジャッキ95は、油圧式シリンダ(駆動源、図示省略)を備えており、当該油圧式シリンダの駆動力で上下に伸長して上側本体部11を上方へ押し上げる。なお、油圧式シリンダは電動式シリンダであってもよいし、その他の駆動源を用いた構成であってもよい。また、ジャッキ95は、上側本体部11を下側本体部12に対して移動させることが可能であればよく、その配置及び構成は図8に示す例に限られない。
ジャッキ95は、上述した第1実施形態における原点復帰部50と同様に、免震性能の低下を抑制するための駆動部として用いられる。第5実施形態では、ジャッキ95の駆動力によって上側本体部11に上向きの力を作用させて上側本体部11を下側本体部12に対して上方へ持ち上げる(ジャッキアップする)。図8(a)に示されるように、下側ブラケット32には凹部32Aが形成されており、ジャッキアップ前の状態においては上側ブラケット31と下側ブラケット32との間にはクリアランスLが設定されている。この状態から、図8(b)に示されるように、ジャッキ95の駆動力により上側本体部11及び上側ブラケット31(図8(b)中の破線よりも上方の部分)を上方へ持ち上げる。このとき、ジャッキ95は、上側ブラケット31が凹部32Aに当接するまで上側本体部11及び上側ブラケット31を押し上げる。このジャッキアップ状態においては、上側ブラケット31の下面31aに取り付けられた滑り板33Aと、下側ブラケット32の上面32cに取り付けられた滑り板33Cとが離間し、滑り板33Aと滑り板33Cとの間には滑り面が形成されない。このジャッキアップ状態を所定時間だけ維持した後、ジャッキアップを解除し、図8(a)に示されるジャッキアップ前の状態に復帰させる。
このような上側本体部11の上方への移動を定期的に行うことで、同一の支持面に重量がかかり続けることを抑制できる。また、支持面における固着の発生を抑制することが可能となり、滑り面の摩擦係数を長期的、安定的に維持することが可能となる。この結果、免震性能の低下を抑制でき、走行式荷役装置1を長期的に安定して利用することが可能となる。なお、第5実施形態に係る走行式荷役装置は、原点復帰部50を備えるものであってもよいし、備えないものであっても構わない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。例えば、第1実施形態では、下側本体部12と走行部20との間に免震部40が設けられていたが、津波等の影響を回避するため、この免震部40を省略することも可能である。
また、上側ブラケット31は滑り板33A,33Bを備え、下側ブラケット32は滑り板33C,33Dを備えていたが、滑り板33B及び滑り板33Dを省略することも可能である。また、滑り板33A及び滑り板33Cを省略することも可能である。
また、ガーダ部3は必須の構成ではなく、ガーダ部3を備えない走行式荷役装置に適用しても構わない。例えば走行式ジブクレーンに適用した場合には、ガーダ部3の代わりにジブを備えることとなる。
1…走行式荷役装置、2…荷役部、3…ガーダ部、10…本体部、11…上側本体部、12…下側本体部、20…走行部、30,70…免震部、31,71…上側ブラケット、31c…孔部(第2のシャーピン挿入部)、32,72…下側ブラケット、33A,33B,73A,73B…滑り板(第1滑り部)、33C,33D,73C,73D…滑り板(第2滑り部)、35A,35B…滑り面、50,90…原点復帰部(駆動部、位置調整部)、51,91…モータ(駆動源)、52…シリンダ(変換部)、61…シャーピン、62a…孔部(第1のシャーピン挿入部)、83B…弾性滑り板、83a…積層ゴム、83b…滑り部材、92…歯車(変換部)、93…噛み合い部(変換部)、95…ジャッキ(駆動部)、R…レール。

Claims (1)

  1. 荷物の荷役作業を行う荷役部と、
    前記荷役部を支持すると共に、上側本体部と下側本体部とに分割された本体部と、
    前記本体部の下部に設けられ、前記本体部をレールに沿って走行させる走行部と、
    前記上側本体部と前記下側本体部との間に設けられ、前記上側本体部の前記下側本体部に対する滑り面を介した所定方向への相対的な滑り移動を可能とする免震部と、
    前記上側本体部に力を作用させて前記上側本体部を前記下側本体部に対して移動させる駆動部と、
    を備える走行式荷役装置の免震性能維持方法であって、
    前記下側本体部に対する前記上側本体部の原点位置にて、固定具によって前記上側本体部が前記下側本体部に対して固定されている状態から、前記固定具を外す工程と、
    前記駆動部によって前記上側本体部を前記下側本体部に対して前記原点位置から前記所定方向へ移動させる工程と、
    前記駆動部によって前記上側本体部を前記原点位置に移動させる工程と、
    前記原点位置にて、前記固定具によって前記上側本体部を前記下側本体部に対して固定する工程と、を備える、走行式荷役装置の免震性能維持方法。
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