以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[システム構成]
図1は、各実施形態に共通する遊技用システム1000のシステム構成の一例を表す図である。この遊技用システム1000は、遊技島に設置される複数のスロットマシン1と、情報管理装置の一種であるホールコンピュータ100とを備えて構成される。各スロットマシン1は、台番号によって個々に識別可能に構成されている。各スロットマシン1からは、ホールコンピュータ100に後述する各種の信号を出力するための信号線やホールコンピュータ100から各種の信号を入力するための信号線が複数接続されている。なお、図1では、簡明化のために、遊技島に設置されるスロットマシン1を4台として図示している。本実施形態では、スロットマシン1が遊技者によるリセット操作が可能に構成され、このリセット操作に応じて所定のリセット処理を行うリセット機能を有するスロットマシンとして説明する。
また、各スロットマシン1には、遊技用装置の一種であるカードユニット120が隣接して配置されており、また、各スロットマシン1の上方には、遊技用装置の一種である呼出ランプ装置110が対応して設けられている。
なお、本実施形態では、遊技機の一種であるスロットマシン1を適用した実施形態について説明するが、遊技機はスロットマシン1に限らず、リセット機能を備えたパチンコ機としてもよい。
[スロットマシンの構成]
図2は、各実施形態に共通するスロットマシン1の外観構成の一例を示す図であり、図3は、各実施形態に共通するスロットマシン1の内部構成の一例を示す図であり、図4は、各実施形態に共通するリール目の一例を示す図である。
図2に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを備えて構成される。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2(2L、2C、2R)(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2(2L、2C、2R)に配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2(2L、2C、2R)の外周部には、図4に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「黒BAR」、「白BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2(2L、2C、2R)の外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2(2L、2C、2R)は、各々対応して設けられリールモータ32(32L、32C、32R)によって回転させることで、各リール2(2L、2C、2R)の図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2(2L、2C、2R)の回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2(2L、2C、2R)の内側には、リール2(2L、2C、2R)それぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33(33L、33C、33R)と、リール2(2L、2C、2R)を背面から照射するリールLED55とが設けられている。また、リールLED55は、リール2(2L、2C、2R)の連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2(2L、2C、2R)に対応する位置には、リール2(2L、2C、2R)を前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2(2L、2C、2R)が視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態ではいずれの遊技状態においても“3”)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2(2L、2C、2R)の回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8(8L、8C、8R)、演出に用いるための演出用スイッチ56、リセット要求操作を行うためのリセットスイッチ5が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施形態では、回転を開始した3つのリール2(2L、2C、2R)のうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図2に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21が設けられており、ストップスイッチ8(8L、8C、8R)の内部には、該当するストップスイッチ8(8L、8C、8R)によるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22(22L、22C、22R)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8(8L、8C、8R)の下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するための操作を検出する解除操作検出スイッチ(図示省略)や、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36bが設けられている。
また、この他に、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30や、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示省略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25が設けられている。
筐体1a内部には、図3に示すように、上記のリール2(2L、2C、2R)、リールモータ32(32L、32C、32R)、各リール2(2L、2C、2R)のリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33(33L、33C、33R)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板50、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するための解除スイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する初期化/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、電源ボックスは、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出される解除スイッチも同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、遊技状態に関わらず、規定数の賭数は3に定められており、賭数として3枚のメダルが設定されると、入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2(2L、2C、2R)の透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施形態では、入賞を構成する図柄の組み合わせが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば「ベル−ベル−ベル」)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施形態では、図2に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2(2L、2C、2R)が回転し、各リール2(2L、2C、2R)の図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8(8L、8C、8R)を操作すると、対応するリール2(2L、2C、2R)の回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2(2L、2C、2R)が停止されることで1ゲームが終了し、予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が、入賞ラインLN上に各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2(2L、2C、2R)の表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
なお、本実施形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2(2L、2C、2R)が回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8(8L、8C、8R)が操作されたときに、当該ストップスイッチ8(8L、8C、8R)に対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8(8L、8C、8R)の操作から対応するリール2(2L、2C、2R)の回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2(2L、2C、2R)は、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8(8L、8C、8R)が操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8(8L、8C、8R)のいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2(2L、2C、2R)各々において、ストップスイッチ8(8L、8C、8R)のうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチ8に対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2(2L、2C、2R)を単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8(8L、8C、8R)の操作によりリール2(2L、2C、2R)を停止させる操作を停止操作という場合がある。
[第1実施形態]
[1−1.スロットマシンの機能構成]
図5は、第1実施形態におけるスロットマシン1Aの機能構成の一例を示すブロック図である。スロットマシン1Aには、遊技制御基板40と、演出制御基板90と、電源基板101とが設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1Aを構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1Aを構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。なお、演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。
また、電源基板101には、上記のホッパーモータ34bと、払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、設定キースイッチ37と、初期化/設定スイッチ38と、電源スイッチ39とが接続されている。
遊技制御基板40には、スイッチとして、上記のMAXBETスイッチ6と、スタートスイッチ7と、精算スイッチ10と、ストップスイッチ8(8L、8C、8R)と、遊技者がリセット要求操作を行うためのリセットスイッチ5と、打止スイッチ36aと、自動精算スイッチ36bと、ドア開放検出スイッチ25とが接続されている。遊技者がリセットスイッチ5を操作することでリセット要求操作がなされる。この遊技者によるリセット要求操作は、遊技者による遊技以外の特殊操作に相当する。
また、遊技制御基板40には、センサとして、投入メダルセンサ31と、リールセンサ33(33L、33C、33R)とが接続されているとともに、電源基板101を介して上記の払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、設定キースイッチ37と、初期化/設定スイッチ38とが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、表示手段として、クレジット表示器11と、遊技補助表示器12と、1〜3BETLED14〜16と、投入要求LED17と、スタート有効LED18と、ウェイト中LED19と、リプレイ中LED20と、BETスイッチ有効LED21と、左・中・右停止有効LED22(22L、22C、22R)と、設定値表示器24とが接続されている。また、遊技制御基板40には、流路切替ソレノイド30と、リールモータ32(32L、32C、32R)とが接続されている。さらに、遊技制御基板40には、電源基板101を介して上記のホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41と、制御用クロック生成回路42と、乱数用クロック生成回路43と、スイッチ検出回路44と、モータ駆動回路45と、ソレノイド駆動回路46と、LED駆動回路47と、電断検出回路48と、システム初期化回路49とが搭載されている。
メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する制御装置であり、その機能構成の一例を図6に示す。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込みコントローラ506と、メインCPU411と、メインROM413と、メインRAM415と、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a,508bと、タイマ回路509と、割り込みコントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514とを備えて構成される。
リセット/割込みコントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。
リセット/割り込みコントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。
クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。
照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
メインCPU411は、メインROM413に記憶された各種のプログラムに従って、スロットマシン1Aにおける遊技制御や信号制御を実現するための処理装置である。遊技制御や信号制御が実行されるときには、メインCPU411がメインROM413から固定データを読み出す固定データ読出動作や、メインCPU411がメインRAM415に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、メインCPU411がメインRAM415に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、メインCPU411が外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、メインCPU411が外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
本実施形態において、メインCPU411は、遊技進行部411aと、信号制御部411bとを機能部として含む。これらの機能部の動作については後述する。
メインROM413には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。本実施形態において、メインROM413には、メイン制御部41によって読み出され、メイン制御処理(図9参照)として実行されるメイン制御プログラムが記憶されている。また、メイン制御プログラムは、遊技進行処理(図示省略)として実行される遊技進行プログラム413aと、信号制御処理(図10参照)として実行される信号制御プログラム413bとをサブルーチンとして含む。
メインRAM415は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、メインRAM415の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシン1Aへの電力供給が停止しても、所定期間はメインRAM415の少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを4チャネル搭載している。
乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施形態では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、内部抽選用の乱数として用いられる。
タイマ回路509は、8ビットプログラマブルタイマであり、メイン制御部41は、タイマ回路509として、8ビットのカウンタを3チャネル備える。本実施形態では、タイマ回路509を用いてユーザプログラムによる設定により、リアルタイム割り込み要求や時間計測を行うことが可能である。
割り込みコントローラ510は、PI5/XINT端子からの外部割り込み要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割り込み要求を制御する回路である。
パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポート(PIP)を内蔵する。また、メイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポート(POP)を内蔵する。
シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。なお、メイン制御部41は、シリアル通信回路512として、送受信両用の1チャネルの回路と、送信用のみの3チャネルの回路とを備える。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
本実施形態においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施形態では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としてもよい。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施形態では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、図5に示すクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、図5に示す乱数回路508a、508bに供給される。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1Aに供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。システム初期化回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステム初期化信号を与える。
一般的なスロットマシンにおいて入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役とがある。小役と再遊技役とをまとめて一般役と呼ぶ場合もある。
本実施形態では、スロットマシン1Aが、上記の役のうち特別役を備えず、一般役(小役及び再遊技役)のみ内部抽選及び入賞の対象となる構成として説明する。但し、このような実施形態はスロットマシンの一実施形態に過ぎず、本実施形態とは異なり、特別役を備えることとし、該特別役が内部抽選及び入賞の対象となる実施形態を構成してもよいことは勿論である。
図5に戻り、遊技制御基板40には、外部出力基板50aが接続されている。外部出力基板50aは、遊技制御基板40のメイン制御部41の制御に従って、ホールコンピュータ100に対して複数種類の信号を出力する基板であり、本実施形態では、IN信号出力端子と、OUT信号出力端子と、ボーナス信号出力端子と、ART信号出力端子と、リセット信号出力端子と、コモン端子と、セキュリティ信号出力端子と、ドア開放信号出力端子との8つの出力端子を有する。なお、これらの出力端子は、パラレル通信方式で通信を行うパラレル端子であるが、シリアル通信方式で通信を行うシリアル端子としてもよい。
IN信号出力端子からは、スロットマシン1Aに対するメダルの賭数の設定に用いられたメダル数を示すIN信号が出力される。
OUT信号出力端子からは、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すOUT信号が出力される。
ボーナス信号出力端子からは、ボーナスゲーム中である旨を示すボーナス信号が出力される。ボーナスには、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)といったボーナスが含まれる。これらのボーナスは特別役の一種であるが、前述したように本実施形態では特別役を備えない構成であるため、ボーナス信号出力端子及びボーナス信号は実質的に意味をなさない。このため、ボーナス信号出力端子と、該ボーナス信号出力端子から出力されるボーナス信号とは、予備的な構成であることを示すために括弧書きで示している。
ART信号出力端子からは、ART中である旨を示すART信号が出力される。ARTとは、アシストリプレイタイムのことであり、アシストタイムとして知られるATの機能と、リプレイタイムとして知られるRTの機能とが組み合わされた機能である。ART中は、リプレイ確率がアップしており、さらに成立役がナビ(アシスト)されるため、遊技者は通常時に揃えることが困難である役をほぼ全て揃えることができ、獲得メダル数を増やすことができる。従って、ARTは遊技者にとって有利な特典であると言える。本実施形態では、このARTの付与を、遊技における特定事象の成立回数が所定の規定回数に達した場合に遊技者に付与される有利な特典として説明する。
リセット信号出力端子からは、遊技者によりリセット要求操作がなされ、後述するリセット処理が実行された場合に、リセット処理の実行を特定可能な信号であるリセット信号が出力される。
セキュリティ信号出力端子からは、スロットマシン1Aにホッパーエラー等の異常が発生した場合に、該スロットマシン1Aの異常発生を示すセキュリティ信号が出力される。
ドア開放信号出力端子からは、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号が出力される。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1Aの前面扉1bに配置された液晶表示器51と、演出効果LED52と、スピーカ53、54と、上記のリールLED55といった演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施形態では、演出装置として液晶表示器51と、演出効果LED52と、スピーカ53、54と、リールLED55とを例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、サブ制御部911と、サブROM913と、サブRAM915と、I/Oポート91dとを備えたマイクロコンピュータを有して構成される。
本実施形態において、サブ制御部911は、演出制御部911aと、ART制御部911bと、リセット実行是非判定部911cとを機能部として有する。これらの機能部の機能については後述する。
サブROM913には、サブ制御部911によって読み出され、サブ制御処理(図11参照)として実行されるサブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御プログラムは、演出制御部911aによって演出制御処理(図示省略)として実行される演出制御プログラム913aと、ART制御部911bによってART制御処理(図12参照)として実行されるART制御プログラム913bと、リセット実行是非判定部911cによりリセット実行是非判定処理(図13参照)として実行されるリセット実行是非判定プログラム913cとをサブルーチンとして含む。また、サブROM913には、規定ポイントテーブル914が記憶されている。
サブRAM915には、ポイントカウンタ915aと、リセットフラグ915bとが格納される。
ポイントカウンタ915aは、遊技者が1ゲーム毎に獲得するポイントを計数するためのカウンタである。本実施形態において、特定事象は1ゲーム消化であり、特定事象の成立回数はポイントである。すなわち、遊技者が1ゲーム毎に獲得するポイントが特定事象の成立回数に相当する。
本実施形態では、スロットマシン1が、遊技者の獲得ポイントが所定の規定ポイントに達した場合に、ARTを付与するゲーム性を有するスロットマシンとして説明する。規定ポイントは、いわゆる天井値に相当し、遊技者の獲得ポイントが天井値である規定ポイントに達した場合に、遊技者にとって有利な特典であるARTを付与するものである。
リセットフラグ915bは、リセット処理の実行の是非に係るフラグであり、リセット実行是非判定部911cがリセット処理を実行することを許容した場合にONに設定され、それ以外の場合にはOFFに設定される。
規定ポイントテーブル914は、サブ制御部911が規定ポイントの再設定に用いるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図7に示す。
規定ポイントテーブル914は、遊技者によるリセット要求操作を検知した場合に行うリセット処理として、規定ポイント再設定処理を行う場合に規定ポイントをどのようにして設定するかを定めたテーブルであり、設定用データと、ポイントカウンタ915aの値と、規定ポイント候補値・選択率とが対応付けて定められている。
設定用データには、遊技者によるリセット要求操作時に実行する規定ポイント再設定処理において、規定ポイントの選択抽選に用いる規定ポイントの候補値及びその選択率が、リセット要求操作がなされた際のポイントカウンタ915aの値に応じて定められたデータである。
設定用データ「data1_R」は、リセット要求操作時のポイントカウンタ915aの値が101〜110ポイントである場合の規定ポイントの設定用データであり、規定ポイント候補値1〜100ポイントの選択率が「c1」、規定ポイント候補値101〜200ポイントの選択率が「d1」である。
設定用データ「data2_R」は、リセット要求操作時のポイントカウンタ915aの値が111〜120ポイントである場合の規定ポイントの設定用データであり、規定ポイント候補値1〜100ポイントの選択率が「c2」、規定ポイント候補値101〜200ポイントの選択率が「d2」である。
設定用データ「data3_R」は、リセット要求操作時のポイントカウンタ915aの値が121〜130ポイントである場合の規定ポイントの設定用データであり、規定ポイント候補値1〜100ポイントの選択率が「c3」、規定ポイント候補値101〜200ポイントの選択率が「d3」である。
以下同様であり、設定用データは、リセット要求操作時のポイントカウンタ915aの値が1000までの間で順次設定されている。規定ポイントの最大値は1000である。つまり、規定ポイントが1000ポイントに設定されている場合は、ポイントカウンタ915aの値が1000ポイントに達した場合に天井到達となり、ARTに当選することになる。
ここで、「c」は、「c1」、「c2」、「c3」、「c4」、「c5」、「c6」、「c7」、「c8」、「c9」、「c10」、・・・の順に順次確率が大きくなるように各設定用データにおける1〜100ポイントの選択率が定められている。つまり、遊技者の獲得ポイントが高いほど、1〜100ポイントの中から規定ポイントが設定される確率が高くなっている。
「d」についても同様であり、遊技者の獲得ポイントが高いほど、101〜200ポイントの中から規定ポイントが設定される確率が高くなっている。
なお、図示は省略しているが、規定ポイントの候補値が「201〜1000」の場合についても同様である。
また、選択率は、規定ポイントの候補値が低い範囲から高い範囲に移行するにつれて高くなるように設定されている。つまり、リセット要求操作時のポイントカウンタ915aの値に関わらず、規定ポイントとして高い値が選択されやすくなるように選択率が定められている。これにより、リセット処理後は、規定ポイントとして高い値が設定される可能性が高まるため、遊技者はARTに当選しにくくなる。
リセット処理では、この規定ポイントテーブル914を用いて規定ポイントを再設定する規定ポイント再設定処理を実行する。具体的には、ポイントカウンタ915aが示す現在のポイント値に応じて、複数の設定用データの中から規定ポイントの再設定に用いる設定用データを選択する。そして、該選択した設定用データに対応付けて定められている規定ポイント候補値・選択率に従って規定ポイントを選択抽選する処理を行って、規定ポイントを選択抽選し、抽選された値を規定ポイントの設定値として設定更新する。
図6に戻り、演出制御基板90には、サブ制御部91の他に、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52及びリールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブ制御部911からの初期化命令が一定時間入力されないときにサブ制御部911にシステム初期化信号を与えるシステム初期化回路95と、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1Aに供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部911に対して出力する電断検出回路98とが搭載されている。そして、サブ制御部911は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
システム初期化回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステム初期化信号を与えるシステム初期化回路49よりもシステム初期化信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、サブRAM915に記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施形態のスロットマシン1Aは、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。具体的には、内部抽選やナビストック抽選、規定ポイント選択抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は「1」〜「6」の6段階からなり、「6」が最も払出率が高く、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として「6」が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1Aの電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメインRAM415から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のメインRAM415に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメインRAM415から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にメインRAM415のデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてメインRAM415のデータが正常であることを条件に、メインRAM415に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理態を電断前の状態に復帰させるが、メインRAM415のデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にサブRAM915のデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてサブRAM915のデータが正常であることを条件に、サブRAM915に記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、サブRAM915のデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、サブRAM915を初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、サブRAM915が初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてサブRAM915のデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、サブRAM915を初期化するようになっている。この場合も、サブRAM915が初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、スロットマシン1Aは、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施形態ではいずれの遊技状態であっても3)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化され、有効化された入賞ラインLNに予め定められた役が揃った場合に、役毎に定められた枚数のメダルが払い出される。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、同時操作コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズ(制御の進行を所定時間遅延させる制御状態)の種別、フリーズの開始及びフリーズに制御される時間を特定可能なコマンドであり、フリーズの開始時に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作された際に送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが有効に操作されたことを特定可能である。
同時操作コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれか複数のスイッチの操作が同時に検出された旨を特定可能なコマンドでありストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれか複数のスイッチの操作が同時に検出されたときに送信され得る。
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット要求操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット要求操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、メインRAM415に設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、サブRAM915に設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてサブROM913に格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてサブRAM915に設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、サブRAM915に設定される。演出パターンの選択率は、サブROM913に格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてサブRAM915に設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
[1−2.スロットマシンにおける処理]
図8は、メインCPU411がメインROM413に記憶されているメイン制御プログラムに従って実行するメイン制御処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、遊技進行部411aが、メインROM413に記憶されている遊技進行プログラム413aに従って遊技進行処理を行う(A1)。遊技進行処理は、遊技者によるメダルの賭数の設定やスタートスイッチの操作に応じて内部抽選やリールの回転制御を行い、遊技者によるストップスイッチの操作に応じて、リールの停止制御やメダルの払出制御を行う処理である。
次いで、信号制御部411bが、メインROM413に記憶されている信号制御プログラム413bに従って信号制御処理を行う(A2)。その後、メインCPU411は、処理を終了するか否かを判定する(A3)。具体的には、店舗の閉店時等にスロットマシン1Aの電源を切断する操作がなされた場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続する場合は(A5;No)、A1に処理を戻し、処理を終了する場合は(A5;Yes)、メイン制御処理を終了する。
図9は、信号制御処理の流れを示すフローチャートである。
信号制御部411bは、ドア開放検出スイッチからドア開放の検出信号を入力することによりドア開放を検知したか否かを判定し(B1)、検知しなかったと判定したならば(B1;No)、B5へと処理を移す。一方、ドア開放を検知したと判定したならば(B1;Yes)、信号制御部411bは、外部出力基板50aのドア開放信号出力端子からのドア開放信号の出力を開始させる制御を行う(B3)。具体的には、図10(2)に示すように、ドア開放信号出力端子から出力させる信号をLOWからHIGHに立ち上げる制御を行う。
次いで、信号制御部411bは、ドア開放検出スイッチからドア開放の検出信号を入力しなくなったことを検知することによってドア閉鎖を検知し(B5)、検知しなかったと判定したならば(B5;No)、B9へと処理を移す。一方、ドア閉鎖を検知したと判定したならば(B5;Yes)、信号制御部411bは、ドア開放信号の出力を抑止する制御を行う(B7)。つまり、図10(2)に示すように、HIGHに立ち上げているドア開放信号をLOWに立ち下げるように制御する。
その後、信号制御部411bは、ホッパーエラー等の異常発生を検知したか否かを判定し(B9)、検知しなかったと判定したならば(B9;No)、B13へと処理を移す。一方、異常発生を検知したと判定したならば(B9;Yes)、信号制御部411bは、外部出力基板50aのセキュリティ信号出力端子からのセキュリティ信号の出力を開始させる制御を行う(B11)。具体的には、図10(3)に示すように、セキュリティ信号出力端子から出力させる信号をLOWからHIGHに立ち上げる制御を行う。
次いで、信号制御部411bは、異常解消を検知したか否かを判定する(B13)。例えば、ホッパーエラーが発生していた場合には、そのホッパーエラーが解消したか否かを判定する。異常解消を検知しなかったと判定したならば(B13;No)、B17へと処理を移す。一方、異常解消を検知したと判定したならば(B3;Yes)、信号制御部411bは、セキュリティ信号の出力を抑止する制御を行う(B15)。つまり、図10(3)に示すように、HIGHに立ち上げているセキュリティ信号をLOWに立ち下げるように制御する。
次いで、信号制御部411bは、サブRAM915に格納されているリセットフラグ915bがOFFからONに設定されたか否かを判定し(B17)、設定されなかったと判定したならば(B17;No)、B21へと処理を移す。一方、設定されたと判定したならば(B17;Yes)、信号制御部411bは、外部出力基板50aのリセット信号出力端子からリセット信号をホールコンピュータ100に出力させるように制御する(B19)。具体的には、図10(1)に示すように、「LOW−HIGH−LOW」の1つのパルス信号をリセット信号として出力させるように制御する。
その後、信号制御部411bは、ART制御が開始されたか否かを判定し(B21)、開始されなかったと判定したならば(B21;No)、B25へと処理を移す。一方、開始されたと判定したならば(B21;Yes)、信号制御部411bは、外部出力基板50aのART信号出力端子からのART信号の出力を開始させる制御を行う(B23)。具体的には、図10(4)に示すように、ART信号出力端子から出力させる信号をLOWからHIGHに立ち上げる制御を行う。
次いで、信号制御部411bは、ART制御が終了したか否かを判定し(B25)、終了しなかったと判定したならば(B25;No)、信号制御処理を終了する。一方、終了したと判定したならば(B25;Yes)、信号制御部411bは、ART信号の出力を抑止する制御を行う(B27)。つまり、図10(4)に示すように、HIGHに立ち上げているART信号をLOWに立ち下げるように制御する。そして、信号制御部411bは、信号制御処理を終了する。
図11は、サブ制御部911がサブROM913に記憶されているサブ制御プログラムに従って実行するサブ制御処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、演出制御部911aが、サブ制御プログラムのサブルーチンである演出制御プログラム913aに従って演出制御処理を行う(C1)。演出制御処理では、メイン制御部41が実行する遊技進行処理の結果に基づいて、演出画面の表示や演出用の音出力等を、演出制御基板90に接続された各種の演出装置に行わせるように制御する。
次いで、ART制御部911bが、サブ制御プログラムのサブルーチンであるART制御プログラム913bに従ってART制御処理を行う(C3)。また、リセット実行是非判定部911cが、サブ制御プログラムのサブルーチンであるリセット実行是非判定プログラム913cに従ってリセット実行是非判定処理を行う(C5)。
その後、サブ制御部911は、処理を終了するか否かを判定する(C7)。メイン制御処理と同様に、店舗の閉店時等にスロットマシン1Aの電源を切断する操作がなされた場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続する場合は(C7;No)、C1に処理を戻し、処理を終了する場合は(C7;Yes)、サブ制御処理を終了する。
図12は、ART制御処理の流れを示すフローチャートである。このART制御処理は、1ゲーム毎に実行される処理である。
ART制御部911bは、ART制御中であるか否かを判定し(D1)、ART制御中ではないと判定したならば(D1;No)、D9へと処理を移す。
一方、ART制御中であると判定したならば(D1;Yes)、ART制御部911bは、ART終了条件が成立したか否かを判定する(D3)。ART終了条件は、例えば、ART制御を開始してから予め定められたゲーム数(例えば30ゲーム)が経過することとして定められる。なお、ゲーム数に限らず、例えばART制御を開始してから所定の経過時間が経過することをART終了条件として定めておくこととしてもよい。
ART終了条件が成立しなかったと判定したならば(D3;No)、ART制御部911bは、D9へと処理を移す。一方、ART終了条件が成立したと判定したならば(D3;Yes)、ART制御部911bは、規定ポイントに所定値を設定するとともに、サブRAM915に格納されているポイントカウンタ915aの値をゼロクリアする(D5)。そして、ART制御部911bは、ART制御を終了する(D7)。
次いで、ART制御部911bは、リセットフラグ915bがONに設定されているか否かを判定し(D9)、ONに設定されていないと判定したならば(D9;No)、D15へと処理を移す。一方、ONに設定されていると判定したならば(D9;Yes)、ART制御部911bは、リセット処理を実行する(D11)。
具体的には、規定ポイント再設定処理を実行する(D11a)。規定ポイント再設定処理では、ART制御部911bは、サブROM913に記憶されている規定ポイントテーブル914(図7参照)を参照して、現在のポイントカウンタ915aの値に対応する設定用データを用いて規定ポイントを選択抽選して、規定ポイントを再設定する。その後、ART制御部911bは、ポイントカウンタ915aの値をゼロクリアする(D11b)。
D11のリセット処理の後、ART制御部911bは、リセットフラグ915bをOFFに設定する(D13)。そして、ART制御部911bは、ポイントカウンタ915に1を加算する(D15)。
次いで、ART制御部911bは、ART抽選対象役に当選したか否かを判定する(D17)。ART抽選対象役に当選しなかったと判定したならば(D17;No)、ART制御部911bは、当該ゲームまでに計数されたポイントカウンタ915aの値が規定ポイントに達したか否かを判定する(D19)。この規定ポイントは、遊技者にとって有利な特典(ART)を付与するための特定事象の成立回数が満たすべき所定の規定回数に相当する。
ポイントが規定ポイントに達していないと判定したならば(D19;No)、ART制御部911bは、ART制御処理を終了する。一方、規定ポイントに達したと判定したならば(D19;Yes)、ART制御部911bは、ART確定報知及び準備状態を経て、ARTの制御を開始する(D25)。そして、ART制御部911bは、ART制御処理を終了する。
ART抽選対象役に当選したと判定したならば(D17;Yes)、ART制御部911bは、ART抽選処理を行い(D21)、ART抽選処理でARTに当選しなかった場合には(D23;No)、ART制御部911bは、D19に処理を移す。
一方、ART抽選処理においてARTに当選した場合には(D23;Yes)、ART制御部911bは、その時点でのポイントカウンタ915aの値に関わらず、ART確定報知及び準備状態を経て、ARTの制御を開始する(D25)。そして、ART制御部911bは、ART制御処理を終了する。
図13は、リセット実行是非判定部911cが行うリセット実行是非判定処理の流れを示すフローチャートである。リセット実行是非判定部911cは、ゲーム終了後、次ゲームの開始操作がされるまでの期間においてポイントのリセット要求を設定するためのリセット要求操作(リセットスイッチ5の操作)がなされたか否かを判定し(E1)、リセット要求操作を検知しなかった場合は(E1;No)、そのまま待機する。
一方、リセット要求操作がされた場合には(E1;Yes)、リセット実行是非判定部911bは、ポイントカウンタ915aが示すポイントが100ポイントを超えているか否かを判定する(E3)。このポイントカウンタ915aが示すポイントが100ポイントを超えることは、リセット処理後の特定事象の成立回数が所定の閾値条件を満たすことに相当する。閾値条件は、例えば、リセット処理後の特定事象の成立回数が所定の閾値回数を超えること又は閾値回数以上となることとして定めておくことができる。この場合の閾値回数は100ポイントであり、特定事象の成立回数であるポイントが100ポイントを超えるまでの間は、リセット処理を実行不能な期間であるリセット不能期間に移行する。このようにリセット不能期間を定めているのは、遊技者のリセット要求操作により頻繁にリセット処理が実行されるのを防止するためである。
E3の判定結果が肯定判定である場合は(E3;Yes)、リセット実行是非判定部911cは、リール回転中ではないか否かを判定する(E5)。そして、リール回転中ではないと判定したならば(E5;Yes)、現在ART制御中ではないか否かを判定する(E7)。そして、この条件を満たす場合には(E7;Yes)、ポイントのリセットを実行するか否かを遊技者に確認する確認報知を行う(E9)。具体的には、遊技者が「実行する」か「実行しない」かのいずれかを選択可能とし、「ポイントのリセットを行いますか? Yes/No」といった表示用メッセージを液晶表示器51に表示制御する。そして、遊技者によりリセットする旨が選択された場合には(E11;Yes)、リセットフラグ915bをONに設定した後(E13)、リセット実行是非判定処理を終了する。
一方、E3の判定結果が否定判定である場合(E3;No)、E5の判定結果が否定判定である場合(E5;No)、又は、E7の判定結果が否定判定である場合(E7;No)には、リセット実行是非判定部911cは、リセットの実行が不能であることを遊技者に報知する(E15)。例えば「現在はリセットを行うことができません」といった表示用メッセージを液晶表示器51に表示制御する。そして、リセット実行是非判定処理を終了する。
特定事象の成立回数であるポイントが100ポイントを超えるまでの間は、遊技者のリセット要求操作により頻繁にリセット処理が実行されるのを防止するため、リセット不能期間としている。また、リールの回転が開始してから停止するまでの間は、まだ抽選結果が遊技者に報知されていない状態であり、この状態でリセット処理が実行されると不都合が生ずるため、リセット不能期間としている。また、ART制御中の期間は、遊技者にとって有利な特典が付与されている期間であり、この期間に遊技者がリセットを行うメリットが薄いため、本実施形態ではリセット不能期間としている。
なお、ゲームの開始操作が行われるまでの間は、再度リセット要求操作を行うことが可能になっており、一旦、遊技者によりリセット要求操作が行われた後であっても、スタート操作が行われる前であれば、リセット要求操作を再度行い、リセットしない旨を選択することにより、リセット要求をキャンセルすることも可能となる。
また、リセットフラグ915bが設定されている場合には、その旨が液晶表示器51に表示されるようになっており、リセット要求がされたことを気付かないまま、誤ってリセット処理が実行されることが防止されるように構成されている。
[1−3.ホールコンピュータの機能構成]
図14は、第1実施形態におけるホールコンピュータ100Aの機能構成の一例を示すブロック図である。
ホールコンピュータ100Aは、CPU200と、入力装置250と、ディスプレイ300と、スピーカ350と、通信装置400と、時計装置450と、I/O500と、ROM600と、ハードディスク700と、RAM800とを備えて構成され、各部がバス900を介して接続されるコンピューターシステムである。
CPU200は、ROM600に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ100Aの各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置である。CPU200は、主要な機能部として、管理処理部201と、第1のリセット判定部203aと、遊技集計部205と、リセット集計部207と、リセット不能期間判定部209とを含む。
入力装置250は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)をCPU200に出力する。この入力装置250からの操作入力により、ハードディスク700に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
ディスプレイ300は、CPU200から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。ディスプレイ300には、ハードディスク700に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
スピーカ350は、CPU200から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行う音出力装置である。スピーカ350からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
通信装置400は、ホールコンピュータ100Aが外部の情報処理装置(例えば他のコンピュータ)との間で有線通信又は無線通信を行うための装置である。通信装置400は、例えば、有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールや、無線LANやスペクトラム拡散通信等を行う無線通信モジュール等を有して構成される。
ホールコンピュータ100Aは、管理スロットマシン1Aが不正動作していると判断した場合に、通信装置400に、店舗内の店員が所持する通信機器及び管理装置の一種である店員インカムに不正動作検知信号を無線通信で送信させるように制御する。これにより、店員インカムで不正動作検知信号を受信することで、店員は、管理スロットマシン1Aが不正動作していると判断することができ、該管理スロットマシン1Aの確認やメンテナンス等の適切な対応をとることができる。
時計装置450は、ホールコンピュータ100Aが備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計装置450の計時時刻(日付を含む。)はCPU200に出力される。
I/O500は、入出力インターフェイスであり、管理スロットマシン1Aが備える外部出力基板50に接続された信号線が接続され、管理スロットマシン1Aから各種の信号を入力するための複数の入力端子と、スロットマシン1Aに対して不正動作検知信号を出力するための不正動作検知信号出力端子とを有する。
入力端子は、IN信号の入力端子であるIN信号入力端子と、OUT信号の入力端子であるOUT信号入力端子と、ボーナス信号の入力端子であるボーナス信号入力端子と、ART信号の入力端子であるART信号入力端子と、リセット信号の入力端子であるリセット信号入力端子と、リレーコモン用の入力端子と、セキュリティ信号の入力端子であるセキュリティ信号入力端子と、ドア開放信号の入力端子であるドア開放信号入力端子との8つの入力端子を有して構成される。I/O500は、各入力端子で入力した信号を不図示のA/D変換器でA/D変換し、デジタル化した信号を、バス900を介してCPU200に出力する。
CPU200は、後述する管理処理において、これらの入力端子から各種の信号が入力されたか否かを判定する。特に、第1のリセット判定部203aは、リセット信号入力端子からリセット信号を入力したか否かを判定することによって、管理スロットマシン1においてリセット処理が実行されたか否かを判定する。
本実施形態のホールコンピュータ100Aは、上記のように、リセット信号とセキュリティ信号とを異なる信号路でスロットマシン1Aから入力するように構成されている。リセット信号とセキュリティ信号とがスロットマシン1Aから同じ信号路で出力されてホールコンピュータ100Aに入力されると該信号路が混んでしまうため、信号路を別にしているのである。これにより、リセット信号の出力によりセキュリティ信号の信号路が混んでしまうことを防止できる。また、信号路を共通とすることを原因として発生し得る混信や情報の錯綜を防止できる。
また、ホールコンピュータ100Aは、ドア開放信号とセキュリティ信号とを異なる信号路でスロットマシン1Aから入力するように構成されている。ドア開放信号とセキュリティ信号とがスロットマシン1Aから同じ信号路で出力されてホールコンピュータ100Aに入力されると該信号路が混んでしまうため、信号路を別にしているのである。特にドア開放信号やセキュリティ信号は比較的多く出力されるため、信号路を別にする利点がある。これにより、ドア開放信号の出力によりセキュリティ信号の信号路が混んでしまうことを防止できる。逆もまた同様である。また、信号路を共通とすることを原因として発生し得る混信や情報の錯綜を防止することができる。
また、CPU200は、管理スロットマシン1Aが不正動作していると判断した場合に、該管理スロットマシン1Aに不正動作信号出力端子から不正動作検知信号を出力させる制御を行うことで、該管理スロットマシン1Aが不正動作している旨を通知する。具体的には、I/O500は、CPU200から出力される不正動作検知信号の出力指示信号に従って、アナログ信号である不正動作検知信号を管理スロットマシン1Aに出力する。CPU200及びI/O500は、遊技機が不正動作していると判断した場合に、その旨を該遊技機に通知する通知手段に相当する。
ホールコンピュータ100Aは、管理スロットマシン1Aが不正動作していると判断した場合に、不正動作検知出力端子から不正動作検知信号を出力させることで、該管理スロットマシン1Aに対応して設けられた呼出ランプ装置110やカードユニット120等の遊技用装置に不正動作を検知した旨を通知する。このため、通知を受けた呼出ランプ装置110やカードユニット120は、対応する管理スロットマシン1Aが不正動作していると判断することができ、例えば表示画面にエラー情報を表示するなどすることで、店員や管理者に異常の発生を報知することができる。
なお、本実施形態において、I/O500と管理スロットマシン1Aの外部出力基板50とを接続する信号線は、入出力を行う信号種別毎に個別に設けられ、1つの信号線の束を構成する。しかし、これらの信号線の束は、必ずしも管理スロットマシン1A毎に個別に設けなければならないわけではない。例えば、遊技島に設置される所定数(例えば4台)の管理スロットマシン1Aを1つの単位として1つの信号線の束を構成し、遊技島単位で各管理スロットマシン1Aについて順番に信号制御を切り替えて、各管理スロットマシン1Aとの間の信号の入出力の実現することも可能である。詳細は他の実施形態で後述する。
ROM600は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ100Aのシステムプログラムや、リセット判定やリセット不能期間判定といった各種の機能を実現するためのプログラムを記憶している。本実施形態において、ROM600には、CPU200によって読み出され、管理処理(図17及び図18参照)として実行される管理プログラム610が記憶されている。また、管理プログラム610は、第1のリセット判定処理(図19参照)として実行される第1のリセット判定プログラム611aと、リセット不能期間判定処理(図20参照)として実行されるリセット不能期間判定プログラム613とをサブルーチンとして含む。
なお、ホールコンピュータ1Aが記憶装置としてROM600を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、ハードディスク700に記憶させておけばよい。
ハードディスク700は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、スロットマシン1Aでの遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、遊技集計データベース710と、リセット集計データベース720と、スランプグラフデータベース730といったデータベースを記憶する。
遊技集計データベース710は、管理スロットマシン1Aにおける遊技に関連するデータが記憶されたデータベースであり、そのデータ構成の一例を図15に示す。
遊技集計データベース710には、管理スロットマシン1A別に遊技集計データが記憶される。各遊技集計データには、管理スロットマシン1Aの識別情報である管理スロットマシンIDが記憶されている。また、データとして、日付と、投入メダル数と、払出メダル数と、ゲーム数と、ART発生回数とが対応付けて記憶されている。これらのデータは、管理スロットマシン1Aから入力した信号に基づいて随時更新される。
リセット集計データベース720は、管理スロットマシン1Aが実行したリセット処理に関するデータが記憶されたデータベースであり、そのデータ構成の一例を図16に示す。
リセット集計データベース720には、管理スロットマシン1A別にリセット集計データが記憶される。各リセット集計データには、管理スロットマシンIDが記憶されている。また、データとして、日付と、リセット後ゲーム数と、リセット回数と、遊技開始時リセット回数と、リセット後ART発生回数と、リセット後ART発生割合とが対応付けて記憶されている。これらのデータは,管理スロットマシン1Aから入力した信号に基づいて随時更新される。
スランプグラフデータベース730は、管理スロットマシン1A別にスランプグラフが記憶されたデータベースである。スランプグラフは、各管理スロットマシン1Aにおける投入メダル数と払出メダル数との相対関係を示すグラフであり、例えば、横軸を時間(又はゲーム数)とし、縦軸を差メダル数(=払出メダル数−投入メダル数)とする推移グラフとして作成・記憶される。
なお、これらのデータベースに記憶されるデータは、実際にはホールコンピュータ内部でログによって記録されており、ログファイルとしてハードディスク700等の記憶装置に記憶される。
RAM800は、読み書き可能な揮発性の記憶装置であり、CPU200の作業領域として用いられる他、一時データが記憶される。本実施形態において、RAM800には、後述する各種の処理で用いられるリセット検知フラグ810と、異常発生検知フラグ820と、ドア開放検知フラグ830とが記憶される。
なお、ホールコンピュータ100Aが集計するデータは、上記のデータに限られるわけではない。ホールコンピュータ100Aは、管理スロットマシン1A毎に、店舗の損益に係るデータも集計・管理している。例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利といったデータも集計しており、これらのデータもハードディスク700にデータベース化して記憶される。
[1−4.ホールコンピュータにおける処理]
図17は、CPU200の管理処理部201がROM600に記憶されている管理プログラム610に従って実行する管理処理の流れを示すフローチャートである。
管理処理部201は、各管理スロットマシン1AそれぞれについてループAの処理を行う(F1〜F47)。前述したように、例えば遊技島単位で、該遊技島に設置される各管理スロットマシン1Aそれぞれについて順番にループAの処理を行う。ループAの処理は、F3〜F45のステップを、各管理スロットマシン1Aについて順番に行うことを意味する。
ループAでは、管理処理部201は、該管理スロットマシン1AからIN信号を入力したか否かを判定し(F3)、入力したと判定したならば(F3;Yes)、該管理スロットマシン1Aの遊技集計データの投入メダル数を更新する(F5)。そして、賭数分の投入メダル数(本実施形態では3枚)になったと判定したならば(F7;Yes)、該管理スロットマシン1Aの遊技集計データのゲーム数を更新する(F9)。
次いで、管理処理部201は、RAM800のリセット検知フラグ810がONに設定されているか否かを判定し(F11)、ONに設定されていると判定したならば(F11;Yes)、該管理スロットマシン1Aのリセット集計データのリセット後ゲーム数を更新する(F13)。
その後、管理処理部201は、該管理スロットマシン1AからOUT信号を入力したか否かを判定し(F15)、入力したと判定したならば(F15;Yes)、該管理スロットマシン1Aの遊技集計データの払出メダル数を更新する(F17)。
次いで、管理処理部201は、該管理スロットマシン1Aの集計データに記憶されている最新の投入メダル数及び払出メダル数に基づいてスランプグラフを算出し、該管理スロットマシン1Aのスランプグラフを更新する(F19)。
その後、管理処理部201は、該スロットマシン1AからART信号を入力したか否かを判定し(F21)、入力したと判定したならば(F21;Yes)、該管理スロットマシン1Aの遊技集計データのART発生回数を更新する(F23)。そして、リセット検知フラグ810がONに設定されているならば(F25;Yes)、該管理スロットマシン1Aのリセット集計データのリセット後ART発生回数を更新する(F27)。
その後、第1のリセット判定部203aが、管理プログラム610のサブルーチンとして記憶されている第1の判定プログラムに従って第1のリセット判定処理を行う(F29)。
次いで、管理処理部201は、該管理スロットマシン1Aからドア開放信号を入力したか否かを判定し(F31)、入力したと判定したならば(F31;Yes)、該管理スロットマシン1Aのドア開放検知フラグ830をONに設定する(F33)。その後、ドア開放信号を入力しなくなったならば(F35;Yes)、該管理スロットマシン1Aのドア開放検知フラグ830をOFFに戻す(F37)。
次いで、管理処理部201は、該管理スロットマシン1Aからセキュリティ信号を入力したか否かを判定し(F39)、入力したと判定したならば(F39;Yes)、該管理スロットマシン1Aの異常発生検知フラグ820をONに設定する(F41)。その後、セキュリティ信号を入力しなくなったならば(F43;Yes)、該管理スロットマシン1Aの異常発生検知フラグ820をOFFに戻す(F45)。
以上の処理を行ったならば、管理処理部201は、次の管理スロットマシン1Aについて同様の処理を行う。そして、全ての管理スロットマシン1Aについて処理を行ったならば、ループAの処理を終了する(F47)。
次いで、管理処理部201は、処理を終了するか否かを判定する(F49)。具体的には、例えば、店舗の営業終了時に管理者によりデータの集計を行う指示操作がなされた場合に、処理を終了すると判断する。処理を継続すると判定したならば(F49;No)、F1に処理を戻す。
一方、処理を終了すると判定したならば(F49;Yes)、リセット集計部207は、リセット後特典割合としてリセット後ART発生割合を集計する(F53)。具体的には、各管理スロットマシン1Aそれぞれについて、リセット集計データに記憶されているリセット回数の総数と、リセット処理が実行されたと判定した後のART発生回数とに基づいて、リセット処理後にARTが発生した割合を算出し、リセット集計データに記憶させる。そして、管理処理部201は、管理処理を終了する。
このように、ホールコンピュータ100Aは、リセット処理が実行された後にART当選した回数や割合(リセット後ART発生回数及びリセット後ART発生割合)を集計するように構成されている。遊技者は、戦略としてリセット要求操作を行う場合があるが、例えばその後にすぐにART当選した場合には、遊技者の戦略は正しかったことを意味する。このため、リセット後ART発生回数やリセット後ART発生割合を集計することで、遊技者の戦略に基づく遊技の実績を判断することができる。
これらのリセットに関するデータは、店舗側の集計や運用に用いることができる。つまり、リセット後ART発生回数やリセット後ART発生割合が高いようであれば、リセットを行う効果が高いと判断することができ、店舗側は損失を低減させるために、出率を下げるように調整したり、リセット禁止の運用をとるなど、適宜適切な対応や措置をとることができる。
図19は、第1のリセット判定処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、第1のリセット判定部203aは、該管理スロットマシン1Aからリセット信号を入力したか否かを判定し(G1)、入力したと判定したならば(G1;Yes)、該管理スロットマシン1Aにおいてリセット処理が実行されたと判定する(G3)。
その後、第1のリセット判定部203aは、該管理スロットマシン1Aのドア開放検知フラグ830がONに設定されているか否かを判定し(G5)、OFFに設定されていると判定したならば(G5;No)、該管理スロットマシン1Aの異常発生検知フラグ820がONに設定されているか否かを判定する(G7)。そして、OFFに設定されていると判定したならば(G7;No)、リセット実行是非判定部911cが、管理プログラム610のサブルーチンとして記憶されているリセット不能期間判定プログラム613に従って、後述するリセット不能期間判定処理(図21参照)を行う(G9)。
G9のリセット不能期間判定処理の結果、リセット不能期間ではないと判定したならば(G11;No)、第1のリセット判定部203aは、該管理スロットマシン1Aのリセット検知フラグ810をONに設定する(G13)。そして、該管理スロットマシン1Aのリセット集計データに記憶されているリセット後ゲーム数をクリアするとともに(G15)、リセット回数を更新する(G17)。
次いで、第1のリセット判定部203aが有する遊技開始時リセット判定部(図示省略)が、遊技開始時リセット判定処理を行う(G19)。
図20は、遊技開始時リセット判定処理における遊技開始時リセットの判定方法の説明図である。図20には、スランプグラフの一例を示しており、横軸は時間、縦軸は差メダル数(=払出メダル数−投入メダル数)である。時刻t1においてARTが終了し、その後、差メダル数が徐々に減少している。そして、時刻t2において遊技者が遊技をやめたことにより、時刻t2〜t4までの間、差メダル数が一定となっている。つまり、時刻t2〜t4までは遊技が実行されていない期間(遊技非実行期間)である。
その後、別の遊技者が時刻t3において遊技を開始したが、遊技前にリセットスイッチを押下したことでリセット処理が実行されている。そして、リセット処理後、差メダル数が漸次減少し、時刻t4において獲得ポイントが規定ポイントに達したことでARTに当選し、そこから差メダル数が増加している。
遊技開始時リセット判定処理では、まず、差メダル数が予め定められた閾値時間以上一定となった期間が存在したか否かを判定する。そして、存在したと判定した場合は、判定した期間の終了時に該管理スロットマシン1Aからリセット信号を入力したか否かを判定し、入力したと判定した場合は、遊技開始時リセットが行われたと判定する。
なお、遊技開始時リセットの判定の信頼性を高めるために、上記の判定方法に加えて、リセット信号を入力してからのゲーム数(リセット後ゲーム数)を計数し、リセット後ゲーム数が規定ポイントに対応するゲーム数に達した時点で該管理スロットマシン1AからART信号を入力した場合に、遊技開始時リセットが行われたと判定することとしてもよい。なお、規定ポイントに対応するゲーム数に達した時点ではなく、そこから一定の時間幅を持たせて、例えば規定ポイントに対応するゲーム数に達した時点から所定時間内(例えば5分以内)にART信号を入力した場合に、遊技開始時リセットが行われたと判定するようにしてもよい。
このように、ホールコンピュータ100Aは、管理スロットマシン1Aでの遊技開始時にリセット処理が実行されたか否かを判定し、その判定結果に基づいて、該管理スロットマシン1Aでの遊技開始時に実行されたリセット処理の回数を集計する。遊技者が、戦略として遊技開始時にリセット要求操作を行う場合があるが、遊技開始時に実行されたリセット処理の回数をホールコンピュータ100Aで集計することで、店舗側は遊技者の行動分析を行うことが可能となる。
図19に戻り、遊技開始時リセット判定処理の結果が遊技開始時リセットであったならば(G21;Yes)、リセット集計部207が有する遊技開始時リセット集計部(図示省略)が、該管理スロットマシン1Aのリセット集計データの遊技開始時リセット回数を更新する(G23)。そして、第1のリセット判定部203aは、第1のリセット判定処理を終了する。
一方、G5においてドア開放検知フラグ830がONに設定されていると判定した場合(G5;Yes)、G7において異常発生検知フラグ820がONに設定されていると判定した場合(G7;Yes)、又は、G11においてリセット不能期間であると判定した場合(G11;Yes)には、第1のリセット判定部203aは、該管理スロットマシン1Aが不正動作していると判断する(G24)。そして、第1のリセット判定部203aは、不正動作の通知制御を行う(G25)。具体的には、不正動作信号出力端子からカードユニット120や呼出ランプ装置110といった遊技用装置に不正動作検知信号を出力させるように制御する。また、通信装置450から店員インカムに不正動作検知信号を送信させるように制御する。
このように、ホールコンピュータ100Aは、スロットマシン1Aからドア開放信号又はセキュリティ信号が出力されているにも関わらず、リセット処理が実行されたと判定した場合に、スロットマシン1Aが不正動作していると判断する。従って、スロットマシン1Aの不正動作を早い段階で検出した上で、店員や管理者に適切な対応を求めることが可能となる。
図21は、リセット不能期間判定処理の流れを示すフローチャートである。
リセット不能期間判定部209は、該管理スロットマシン1Aのリセット後ゲーム数が100ゲーム以下であるか否かを判定する(H1)。100ゲーム以下であると判定したならば(H1;Yes)、リセット不能期間判定部209は、該管理スロットマシン1Aはリセット不能期間であると判定する(H5)。そして、リセット不能期間判定処理を終了する。
前述したように、スロットマシン1Aは、リセット処理後の獲得ポイントが閾値回数である100ポイント以下である間(リセット処理後の特定事象の成立回数が所定の閾値条件を満たすまでの間)は、リセット処理を実行不能な期間であるリセット不能期間に移行する。このため、リセット不能期間判定部209は、該管理スロットマシン1Aのリセット後ゲーム数が100ゲーム以下であると判定した場合は、該管理スロットマシン1Aはリセット不能期間であると推定・判断する。
一方、100ゲームを超えていると判定したならば(H1;No)、リセット不能期間判定部209は、該管理スロットマシン1AからART信号を入力中であるか否かを判定する(H3)。そして、入力中であると判定したならば(H3;Yes)、該スロットマシン1Aはリセット不能期間であると判定する(H5)。前述したように、スロットマシン1Aは、ART制御中の期間をリセット不能期間としている。このため、リセット不能期間判定部209は、管理スロットマシン1AからART信号を入力している場合に、該管理スロットマシン1Aはリセット不能期間であると判断する。
H1及びH3の判定結果が否定判定である場合(H1;No及びH3;No)、リセット不能期間判定部209は、該スロットマシン1Aはリセットが可能な状態にあるものと判断して、そのままリセット不能期間判定処理を終了する。
このように、ホールコンピュータ100Aは、管理スロットマシン1Aから出力されるIN信号、OUT信号及びリセット信号に基づいて、該管理スロットマシン1Aのリセット後ゲーム数を判定する。そして、判定したリセット後ゲーム数に基づいて、該管理スロットマシン1Aがリセット不能期間であるか否かを判定し、リセット不能期間であると判定されたにも関わらず、リセット処理が実行されたと判定した場合には、該管理スロットマシン1Aが不正動作していると判断する。スロットマシン1Aにおいてリセット不能期間にリセット処理が実行されることは不正動作であるため、これをホールコンピュータ100A側で判断することで、早い段階でスロットマシン1Aの異常を判断し、例えば店員や管理者に適切な対応を求めることが可能となる。
[1−5.作用効果]
第1実施形態によれば、遊技機の一種であるスロットマシン1Aは、遊技者のリセット要求操作に従ってリセット処理を実行し、この場合に、リセット処理を実行したか否かを特定可能なリセット信号を情報管理装置の一種であるホールコンピュータ100Aに出力する。従って、ホールコンピュータ100Aは、スロットマシン1Aから出力されるリセット信号に基づいて、該スロットマシン1Aにおいてリセット処理が実行されたか否かを簡易に判定することができる。また、その判定結果に基づいて、該スロットマシン1Aにおいてリセット処理が実行された回数を集計可能であり、遊技者の意思に基づくリセット情報を把握することができる。
[第2実施形態]
[2−1.スロットマシンの機能構成]
図22は、第2実施形態におけるスロットマシン1Bの機能構成の一例を示すブロック図である。なお、前述したスロットマシン1Aと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
第2実施形態では、外部出力基板50bにリセット信号出力端子が設けられておらず、第1実施形態でリセット信号出力端子が設けられていた第5番目の端子が予備となっている。また、第2実施形態では、外部出力基板50bのIN信号出力端子及びOUT信号出力端子から出力されるIN信号及びOUT信号が、該スロットマシン1Bでの遊技状態を示す遊技状態信号として機能する。
第2実施形態では、スロットマシン1Bは、遊技者によりリセットスイッチが操作された場合に、特別遊技期間に移行する。特別遊技期間では、遊技者に対して特殊な押し順を強要し(押し順ナビ)、押し順ナビ通りに遊技者がストップスイッチを操作した場合に、4枚役が成立したと判定し、一定数のメダルを払い出す。これを特別遊技期間が終了するまで繰り返す。
また、第2実施形態では、スロットマシン1BのメインROM413にリセット時特別遊技進行プログラム(図示省略)が記憶されている。そして、メイン制御部41は、遊技者によるリセットスイッチの操作を検知した場合に、このリセット時特別遊技進行プログラムに従ってリセット時特別遊技進行処理を行うこととして説明する。
[2−2.スロットマシンにおける処理]
図23は、リセット時特別遊技進行処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、メイン制御部41は、単位ゲームを開始するか否かを判定する(J1)。具体的には、メダル投入口からメダルが投入されたか否かを判定する。メイン制御部41は、単位ゲームが開始するまで待機し(J1;No)、単位ゲームを開始すると判定したならば(J1;Yes)、賭数である3枚のメダルが設定されたか否かを判定する(J3)。ここで、単位ゲームとはスロットマシン1における1ゲームに相当する。
メイン制御部41は、賭数である3枚のメダルが設定されるまで待機し(J3;No)、賭数である3枚のメダルが設定されたならば(J3;Yes)、外部出力基板50bにIN信号を出力させるように制御する(J5)。
その後、メイン制御部41は、サブ制御部に対して特殊押し順ナビを報知させるように制御する(J7)。そして、メイン制御部41は、ストップスイッチ8が操作されまで待機し(J9;No)、ストップスイッチ8が操作されたことを検知したならば(J9;Yes)、押し順が正解であったか否かを判定する(J11)。押し順が不正解であったならば(J11;No)、メイン制御部41は、J19へと処理を移す。
一方、推し順が正解であったならば(J11;Yes)、メイン制御部41は、特別遊技期間中に押し順が正解であった場合に必ず入賞することになる特別役(例えば「ベル−ベル−ベル」でなる4枚役)が成立したと判定する(J13)。そして、4枚のメダルを遊技者に払い出す制御を行い(J15)、該払い出したメダル数を示すOUT信号を外部出力基板50bに出力させるように制御する(J17)。
以上の処理を、特別遊技期間が終了するまで繰り返す(J19;No)。そして、特別遊技期間が終了したならば(J19;Yes)、メイン制御部41は、リセット時特別遊技進行処理を終了する。
[2−3.ホールコンピュータの機能構成]
図24は、第2実施形態におけるホールコンピュータ100Bの機能構成の一例を示すブロック図である。なお、第1実施形態におけるホールコンピュータ100Aと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
本実施形態では、スロットマシン1Bがリセット信号をホールコンピュータ100Bに出力しないため、ホールコンピュータ100BのI/O500には、リセット信号を入力する端子が設けられていない。また、CPU200の機能部として、第1のリセット判定部203aに代えて第2のリセット判定部203bが含まれるとともに、ROM600には、第1のリセット判定プログラム611aに代えて第2のリセット判定プログラム611bが記憶されている。
[2−4.ホールコンピュータにおける処理]
図25は、第2のリセット判定部203bがROM600に記憶されている第2のリセット判定プログラム611bに従って実行する第2のリセット判定処理の流れを示すフローチャートである。なお、前述した実施形態のリセット判定処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
第2のリセット判定部203bは、該管理スロットマシン1Bから入力したIN信号及びOUT信号に基づいて、特別遊技期間に相当する期間における投入メダル数及び払出メダル数が一定であったか否かを判定する(K1)。そして、この条件を満たす場合は(K1;Yes)、第2のリセット判定部203bは、その払出メダル数が全て特別役のメダル数であったか否かを判定する(K2)。そして、この条件も満たすならば(K2;Yes)、該管理スロットマシン1Bにおいてリセット処理が実行されたと判定する(K3)。そして、G5へと処理を移行する。
一方、K1において投入メダル数及び払出メダル数が一定ではなかったと判定した場合(K1;No)、又は、K2において払出メダル数が全て特別役のメダル数ではなかったと判定した場合は(K2;No)、第2のリセット判定部203bは、該管理スロットマシン1Bにおいてリセット処理が実行されなかったと判断して、第2のリセット判定処理を終了する。
本実施形態のように特別遊技期間において遊技者に4枚役の特別役を取らせることにした場合、特別遊技期間の間は、払出メダル数4枚−投入メダル数3枚で、1枚ずつメダルが増加するため、第2のリセット判定部203bは、IN信号及びOUT信号に基づき特別遊技期間に相当する期間に遊技者が獲得するメダル数が1枚ずつ増加していることを検出することで、管理スロットマシン1Aにおいて遊技者の意思に基づくリセット処理が実行されたと判断することができる。
[2−5.作用効果]
第2実施形態によれば、遊技機の一種であるスロットマシン1Bは、遊技者のリセット要求操作に従ってリセット処理を実行し、この場合に、該スロットマシン1Bでの遊技状態を示す遊技状態信号(IN信号やOUT信号)を、情報管理装置の一種であるホールコンピュータ100Bに出力する。従って、ホールコンピュータ100Bは、スロットマシン1Bから出力される遊技状態信号に基づいて、該スロットマシン1Bにおいてリセット処理が実行されたか否かを簡易に判定することができる。また、その判定結果に基づいて、該スロットマシン1Bにおいてリセット処理が実行された回数を集計可能であり、遊技者の意思に基づくリセット情報を把握することができる。
具体的には、第2実施形態では、スロットマシン1Bは、遊技者のリセット要求操作に基づくリセット処理を実行した後、所定の特別遊技期間に移行する。この特別遊技期間では、各単位ゲームにおいて、遊技者に特殊な押し順でストップスイッチを操作させる特殊押し順ナビを行う。そして、遊技者によって特殊押し順ナビの押し順通りにストップスイッチが操作されたことを検知した場合に、特別役の成立と判断し、規定枚数のメダルを払い出すとともに、その規定枚数を示すOUT信号をホールコンピュータ1Bに出力する。
ホールコンピュータ1Bは、スロットマシン1Bから入力した遊技状態信号であるIN信号及びOUT信号に基づいて、特別遊技期間に相当する期間内の投入メダル数及び払出メダル数の相対関係を判定する。そして、その判定結果に基づいて、スロットマシン1Bが特別遊技期間に移行したか否かを判定する。特別遊技期間に移行したということは、遊技者のリセット要求操作に応じてリセット処理が行われたことを意味するため、遊技状態信号に基づいて特別遊技期間に移行したと判定したならば、スロットマシン1Bにおいてリセット処理が実行されたと判定することができる。
なお、本実施形態では、特殊な押し順で揃う役として4枚役を一例として説明したが、4枚役に限らず、1枚役や2枚役など、通常の遊技では出現しない枚数の役としてもよい。すなわち、ART移行時にスロットマシン1Bのサブ制御部が1枚役や2枚役をナビすることで、ホールコンピュータ100BにARTを伝える仕様の遊技機に対応する構成としてもよい。
[第3実施形態]
[3−1.スロットマシンの機能構成]
図26は、第3実施形態におけるスロットマシン1Cの機能構成の一例を示すブロック図である。なお、前述したスロットマシン1A,1Bと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
[0000]
第3実施形態では、外部出力基板50cにリセット信号出力端子が設けられておらず、第1実施形態でリセット信号出力端子が設けられていた第5番目の端子が予備となっている。また、第3実施形態では、リセット報知ランプ78が遊技制御基板40に接続されており、リセット処理を実行した場合に、遊技制御基板40がリセット報知ランプ78を点灯又は点滅制御するように構成されている。
リセット報知ランプ78にはフォトセンサ80が対応して設けられており、リセット報知ランプ78の光はフォトセンサ80の受光素子で受光される。フォトセンサ80は、受光素子で受光した光を光電変換し、ランプ光変換電気信号としてスロットマシン1Cに出力するように構成されている。
[3−2.ホールコンピュータの機能構成]
図27は、第3実施形態におけるホールコンピュータ100Cの機能構成の一例を示すブロック図である。なお、前述したホールコンピュータ100Aや100Bと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
本実施形態では、スロットマシン1Cがリセット信号をホールコンピュータ100Cに出力しないため、ホールコンピュータ100CのI/O500には、リセット信号を入力する端子が設けられていない。また、前記フォトセンサ80からランプ光変換電気信号を入力するランプ光変換電気信号入力部550が設けられている。
ランプ光変換電気信号入力部550は、前記フォトセンサ80からアナログ信号であるランプ光変換電気信号を入力し、A/D変換を行ってデジタル化したランプ光変換電気信号を、バス900を介してCPU200に出力する。ランプ光変換電気信号入力部550は、スロットマシン1Cの報知ランプ光を検知する検知部であるとも言え、特定の報知を検知する検知部に相当する。
また、ホールコンピュータ100Cは、第1のリセット判定部203aに代えて第3のリセット判定部203cが含まれるとともに、ROM600には、第1のリセット判定プログラム611aに代えて第3のリセット判定プログラム611cが記憶されている。
[3−3.ホールコンピュータにおける処理]
図28は、第3のリセット判定部203cがROM600に記憶されている第3のリセット判定プログラム611cに従って実行する第3のリセット判定処理の流れを示すフローチャートである。なお、前述した各実施形態のリセット判定処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
第3のリセット判定部203cは、ランプ光変換電気信号入力部550が前記フォトセンサ80からランプ光変換電気信号を入力したか否かを判定し(L1)、入力したと判定したならば(L1;Yes)、該フォトセンサ80が設けられる管理スロットマシン1Cにおいてリセット処理が実行されたと判定する(L3)。そして、第3のリセット判定部203cは、G5へと処理を移行する。
なお、ランプ光変換電気信号の入力判定としては、種々の判定方法を適用可能である。例えば、遊技制御基板40がリセット報知ランプ78を点灯制御するのであれば、ランプ光変換電気信号がOFFからONに変化してからON状態が一定時間以上継続している場合に、ランプ光変換電気信号を入力したと判定すればよい。また、遊技制御基板40がリセット報知ランプ78を点滅制御するのであれば、ONの点滅パターンが予め定められたパターンである場合に、ランプ光変換電気信号を入力したと判定すればよい。つまり、ランプ光の発光のパターンに応じて、ランプ光変換電気信号の入力判定を柔軟に判定可能に構成すればよい。
一方、L1においてランプ光変換電気信号を入力しなかったと判定したならば(L1;No)、第3のリセット判定部203cは、該管理スロットマシン1Cにおいてリセット処理が実行されなかったと判断して、第3のリセット判定処理を終了する。
[3−4.作用効果]
第3実施形態によれば、遊技機の一種であるスロットマシン1Cは、遊技者のリセット要求操作に従ってリセット処理を実行し、この場合に、特定の報知として、リセット報知ランプ78を点灯させるように制御を行う。リセット報知ランプ78にはフォトセンサ80が対応して設けられており、フォトセンサ80はリセット報知ランプ78における報知ランプ光を受光し、光電変換を行って、変換結果の信号である報知ランプ光電気信号をホールコンピュータ100Cに出力する。
ホールコンピュータ100Cは、スロットマシン1Cによる特定の報知を検知する検知手段として、スロットマシン1Cに設けられたフォトセンサ80から報知ランプ光変換電気信号を入力するランプ光変換電気信号入力部550を備える。従って、ランプ光変換電気信号入力部550が報知ランプ光変換電気信号を入力したことを検知することにより、スロットマシン1Cにおいてリセット処理が実行されたか否かを判定することができる。また、ホールコンピュータ100Cは、スロットマシン1Cによるリセット処理の実行是非の判定結果に基づいて、該スロットマシン1Cでのリセット処理の実行回数を集計するように構成されている。このため、遊技者の意思に基づくリセット情報を把握することができる。
[4.他の実施形態]
[4−1.判定処理の選択・切替]
スロットマシン1が、上記の第1実施形態〜第3実施形態でそれぞれ説明した(1)リセット信号の出力、(2)該スロットマシン1での遊技状態を示す遊技状態信号(IN信号やOUT信号)の出力、(3)特定の報知(リセット報知ランプ78の点灯)、のうちのいずれかを行うように設計してもよい(スロットマシン1A〜1C)。そして、ホールコンピュータ100が、上記の各実施形態で説明した第1のリセット判定処理〜第3のリセット判定処理の中から、管理対象とするスロットマシン1が上記の(1)〜(3)のいずれを実行する種類のスロットマシン1であるかに応じて、上記の3つの判定処理を択一的に選択して、リセット処理の実行の是非を判定することとしてもよい。
この場合は、例えば、図29に示すようなリセット判定種別テーブル617をホールコンピュータ100のROM600に記憶させておき、このリセット判定種別テーブル617を参照して、スロットマシン1のタイプに応じたリセット判定プログラム(第1のリセット判定プログラム611a〜第3のリセット判定プログラム611c)を選択・設定すればよい。
図29に示すように、リセット判定種別テーブル617には、スロットマシン1のタイプと、設定プログラム(リセット判定方法)とが対応付けて定められている。
タイプAのスロットマシン1は、第1実施形態で説明したリセット信号を出力するタイプのスロットマシン1であり、この場合の設定プログラムとして第1のリセット判定プログラム611a(第1のリセット判定方法)が定められている。
タイプBのスロットマシン1は、第2実施形態で説明した遊技状態信号を出力するタイプのスロットマシン1であり、この場合の設定プログラムとして第2のリセット判定プログラム611b(第2のリセット判定方法)が定められている。
タイプCのスロットマシン1は、第3実施形態で説明した特定の報知を行うタイプのスロットマシン1であり、この場合の設定プログラムとして第3のリセット判定プログラム611c(第3のリセット判定方法)が定められている。
図30は、この場合にホールコンピュータ100のCPU200が行うリセット判定種別設定処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、CPU200は、管理対象とするスロットマシン1(以下、「管理対象スロットマシン」という。)それぞれについてループBの処理を行う(M1〜M11)。ループBの処理は、M3〜M9のステップを、各管理対象スロットマシン1について順番に行うことを意味する。
ループBの処理では、CPU200は、該管理対象スロットマシン1が接続されているか否かの接続確認を行う(M3)。そして、接続確認がとれたならば、CPU200は、該管理対象スロットマシン1のタイプを識別する(M5)。具体的には、例えば、該管理対象スロットマシン1に対してタイプを問い合わせる信号を送信し、該管理対象スロットマシン1から返信される信号に基づいてタイプを識別する。この場合は、各スロットマシン1に、該スロットマシン1が上記のタイプA〜タイプCのいずれのタイプのスロットマシン1であるかを示す識別情報(タイプ識別情報)を記憶させておき、ホールコンピュータ100から送られるタイプの確認要求に従って、自機のタイプをホールコンピュータ100に通知するようにすればよい。
なお、管理対象スロットマシン1のタイプの識別手法は上記に限られず、ホールコンピュータ100が、各管理対象スロットマシン1に対してリセット処理に関する信号の送信を要求し、管理対象スロットマシン1からリセット信号を入力したらタイプA、ランプ光変換電気信号を入力したらタイプC、それ以外の場合はタイプBと判定するなどしてもよい。
次いで、CPU200は、リセット判定種別テーブル617を参照して、該管理対象スロットマシン1のタイプに対応するリセット判定プログラムを選択する(M7)。そして、選択したリセット判定プログラムを該管理対象スロットマシン1に対応づけて設定する(M9)。そして、次の管理対象スロットマシン1へと処理を移行する。全ての管理対象スロットマシン1について処理を行ったならば、CPU200は、ループBを終了して(M11)、リセット判定種別設定処理を終了する。
本実施形態では、ホールコンピュータ100が管理対象とする遊技機が、リセット処理を実行した場合にどのような動作を行うスロットマシン1であるか(スロットマシンのタイプ)に応じて、適応的に判定方法を切り替えて、該スロットマシン1においてリセット処理が行われたかを確実に判定することができる。また、その判定結果に基づいて、該スロットマシン1においてリセット処理が実行された回数を集計可能であるため、ホールコンピュータ側で遊技者の意思に基づくリセット情報を把握することができる。
[4−2.設定変更信号の出力]
スロットマシン1がリセット信号を出力する代わりに、規定ポイントの設定変更信号を出力するように構成してもよい。本実施形態において、ホールコンピュータ100は、スロットマシン1から出力される設定変更信号に基づいて、該スロットマシン1においてリセット処理が実行されたか否かを判定するとともに、該スロットマシン1において実行された設定変更の内容を特定する。
図31は、本実施形態におけるスロットマシン1Dの機能構成を示すブロック図である。スロットマシン1Dの外部出力基板には、第5番目の端子が設定変更信号出力端子となっており、この設定変更信号出力端子から設定変更信号がホールコンピュータ100に出力されるようになっている。設定変更信号には、後述する第1の設定変更信号と第2の設定変更信号とが含まれる。
また、演出制御基板90のサブCPU911は、ART制御部911bに代えて第2のART制御部911dを機能部として含み、サブROM913には、第2のART制御部911dが第2のART制御処理を行うための第2のART制御プログラム913dが記憶されている。また、サブROM913には、規定ポイントテーブル914に代えて規定ポイントテーブル916が記憶されている。
図32は、規定ポイントテーブル916のテーブル構成の一例を示す図である。
規定ポイントテーブル916には、遊技者のリセット要求操作に基づき第1の規定ポイント再設定処理を行う際に用いる第1の規定ポイントテーブルと、ART終了時に第2の規定ポイント再設定処理を行う際に用いる第2の規定ポイントテーブルとの2つのテーブルが記憶されている。
第1の規定ポイントテーブルには、設定変更種別として「第1(リセット要求操作)」が記憶されている。また、この場合の規定ポイントテーブルとして、設定用データと、ポイントカウンタ915aの値と、規定ポイント候補値・選択率とが対応付けて記憶されている。この第1の規定ポイントテーブルのテーブル構成は、図7に示した規定ポイントテーブルと同じである。
第2の規定ポイントテーブルには、設定変更種別として「第2(ART終了)」が記憶されている。また、設定用データと、規定ポイント候補値・選択率とが対応付けて記憶されている。第2の規定ポイントテーブルの設定用データは1つであり、規定ポイントの候補値に応じて選択率がそれぞれ定められている。具体的には、規定ポイントの選択率として、「1〜100」の規定ポイント候補値については「a」が、「101〜200」の規定ポイント候補値については「b」が定められており、それ以降の規定ポイントについても同様に、規定ポイントが1000までの範囲で選択率がそれぞれ定められている。
ここで、選択率は、規定ポイント候補値が低い範囲から高い範囲に移行するにつれて順次低くなるように設定されている。つまり、ART終了時においては、規定ポイントが1〜100ポイントの範囲内で選択される比率が最も高く、101〜200ポイントの範囲で選択される比率が次に高く、901〜1000ポイントの範囲で選択される比率が最も低くなっている。このため、ART終了後は、100ポイントに到達するまでの期間において規定ポイントに到達すること、すなわちARTに制御される可能性が高まることとなる。
図33は、本実施形態においてメインCPU411の機能部である信号制御部411bが行う第2の信号制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、図10で説明した信号制御処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
信号制御部411bは、B15の後、第1のリセットフラグ915cがOFFからONに設定されたか否かを判定し(N17)、設定されなかったと判定したならば(N17;No)、N21へと処理を移す。一方、設定されたと判定したならば(N17;Yes)、信号制御部411bは、第1の設定変更信号を外部出力基板50dに出力させるように制御する(N19)。
次いで、信号制御部411bは、第2のリセットフラグ915dがOFFからONに設定されたか否かを判定し(N21)、設定されなかったと判定したならば(N21;No)、B21へと処理を移す。一方、設定されたと判定したならば(N21;Yes)、第2の設定変更信号を外部出力基板50dに出力させるように制御する(N23)。そして、B21へと処理を移す。
図34は、本実施形態においてサブCPU911の機能部である第2のART制御部911dがサブROM913に記憶されている第2のART制御プログラム913dに従って実行する第2のART制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、図11で説明したART制御処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
第2のART制御部911dは、ART終了条件が成立した場合に(D3;Yes)、第2のリセットフラグ915dをONに設定する(Q5)。そして、第2のART制御部911dは、第2のリセット処理を行う(Q6)。具体的には、第2の規定ポイント再設定処理を実行する(Q6a)。第2の規定ポイント再設定処理では、サブROM913に記憶されている規定ポイントテーブル916(図32参照)の第2の規定ポイントテーブルに含まれる設定用データを用いて規定ポイントの選択抽選を行って、規定ポイントを再設定する。その後、ポイントカウンタ915aをゼロクリアする(Q6b)。
その後、第2のART制御部911dは、ART制御を終了する(D7)。そして、第2のART制御部911dは、第2のリセットフラグ915dをOFFに設定する(Q8)。
次いで、第2のART制御部911dは、第1のリセットフラグ915cがONに設定されているか否かを判定し(Q9)、設定されていないと判定したならば(Q9;No)、D15へと処理を移す。一方、ONに設定されていると判定したならば(Q9;Yes)、第2のART制御部911dは、第1のリセット処理を行う(Q11)。具体的には、第1の規定ポイント再設定処理を実行する(Q11a)。第1の規定ポイント再設定処理では、サブROM913に記憶されている規定ポイントテーブル916(図32参照)の第1の規定ポイントテーブルに従って、現在のポイントカウンタ915aの値に対応する設定用データを用いて規定ポイントを選択抽選して、規定ポイントを再設定する。その後、ポイントカウンタ915aをゼロクリアする(Q11b)。
その後、第2のART制御部911dは、第1のリセットフラグ915cをOFFに設定する(Q13)。そして、第2のART制御部911dは、D15へと処理を移す。
図35は、第1の設定変更信号の一例を示す図である。第1の設定変更信号には、信号種別と設定用データ種別とが含まれる。信号種別は、例えば、「LOW−HIGH−LOW」でなる2つのパルス信号で構成される。そして、設定用データ種別は、信号種別から一定時間をおいて、設定用データ「DATA1_R」〜「DATA10_R」に応じて異なる数のパルス信号で構成される。
図36は、第2の設定変更信号の一例を示す図である。第2の設定変更信号には、信号種別と設定用データ種別とが含まれる。信号種別は、例えば、「LOW−HIGH−LOW」でなる3つのパルス信号で構成される。そして、設定用データ種別として、信号種別を示す3つのパルス信号から所定の時間間隔を置いて、設定用データ「DATA_A」を示す1つのパルス信号を有する信号として構成される。
このように、第1の設定変更信号と第2の設定変更信号とは信号の形態が異なるため、これらの信号を共通の設定変更信号出力端子から出力した場合であっても、ホールコンピュータ100Dは信号解析処理を行うことで、どちらの信号を入力したかを判別することができる。
図37は、本実施形態におけるホールコンピュータ100Dの機能構成の一例を示すブロック図である。なお、前述したホールコンピュータ100A〜100Cと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
本実施形態では、スロットマシン1Dが設定変更信号をホールコンピュータ100Dに出力するため、ホールコンピュータ100DのI/O500には、設定変更信号を入力するための設定変更信号入力端子が設けられている。また、ホールコンピュータ100Dは、CPU200の機能部として第4のリセット判定部203dを含むとともに、ROM600には、第4のリセット判定プログラム611dが記憶されている。
また、ハードディスク700には、遊技集計データベース710と、リセット集計データベース720と、スランプグラフデータベース730の他に、設定変更データベース740と、リセット種類別集計データベース750とが記憶される。
設定変更データベース740は、管理スロットマシン1Dにおける規定ポイントの設定変更内容に関するデータベースであり、そのデータ構成の一例を図38に示す。
設定変更データベース740には、管理スロットマシン1D毎に設定変更データが記憶される。各設定変更データには、管理スロットマシンIDが記憶されており、さらに、日付毎に、設定変更時刻と設定変更種別と設定用データとを対応付けた第1の設定変更データが記憶されている。また、設定変更種別と設定変更実行回数とを対応付けた第2の設定変更データが記憶されている。
リセット種類別集計データベース750は、各管理スロットマシン1Dにおけるリセットの種類別の集計結果に関するデータベースであり、そのデータ構成の一例を図39に示す。
リセット種類別集計データベース750には、管理スロットマシン1D毎にリセット種類別集計データが記憶される。各リセット種類別集計データには、管理スロットマシンIDが記憶されており、さらに、日付毎に、リセット時刻とリセット種別とを対応付けた第1の集計データが記憶されている。また、リセット種別とリセット実行回数とを対応付けた第2の集計データが記憶されている。
図40は、第4のリセット判定部203dがROM600に記憶されている第4のリセット判定プログラム611dに従って実行する第4のリセット判定処理の流れを示すフローチャートである。なお、前述した各実施形態のリセット判定処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
最初に、第4のリセット判定部203dは、設定変更信号入力端子に設定変更信号の入力があったか否かを判定し(R1)、入力があったと判定したならば(R1;Yes)、信号解析処理を行う(R2)。
信号解析処理の結果、信号種別が「第1の設定変更信号」であったならば(R3;第1の設定変更信号)、第4のリセット判定部203dは、該管理スロットマシン1Dにおいて第1のリセット処理が実行されたと判定する(R4)。そして、第4のリセット判定部203dは、G5へと処理を移行する。
また、信号解析処理の結果、信号種別が「第2の設定変更信号」であったならば(R3;第2の設定変更信号)、第4のリセット判定部203dは、該管理スロットマシン1Dにおいて第2のリセット処理が実行されたと判定する(R6)。
一方、R1において設定変更信号入力端子に信号の入力がなかったと判定したならば(R1;No)、第4のリセット判定部203dは、該管理スロットマシン1Dにおいてリセット処理が実行されなかったと判断して、第4のリセット判定処理を終了する。
図41は、設定変更特定部206が、ROM600に記憶されている設定変更特定プログラム615に従って実行する設定変更特定処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、設定変更特定部206は、設定変更信号入力端子に信号の入力があったか否かを判定し(S1)、あったと判定したならば(S1;Yes)、信号解析処理を行う(S3)。
信号解析処理の結果、信号種別が「第1の設定変更信号」であったならば(S5;第1の設定変更信号)、設定変更特定部206は、該管理スロットマシン1Dの設定変更種別を「リセット要求操作」と判定する(S7)。そして、第1の設定変更信号に含まれる設定用データ種別に基づいて、第1の規定ポイント再設定処理で用いられた設定用データを特定する(S9)。そして、該管理スロットマシン1Dの設定変更データ及びリセット種類別集計データを更新した後(S11、S13)、設定変更特定処理を終了する。
信号解析処理の結果、信号種別が「第2の設定変更信号」であったならば(S5;第2の設定変更信号)、設定変更特定部206は、該管理スロットマシン1Dの設定変更種別を「ART終了」と判定する(S15)。そして、第2の設定変更信号に含まれる設定用データ種別に基づいて、第2の規定ポイント再設定処理で用いられた設定用データを特定する(S17)。そして、該管理スロットマシン1Dの設定変更データ及びリセット種類別集計データを更新した後(S19、S21)、設定変更特定処理を終了する。
一方、S1において設定変更信号入力端子に信号の入力がなかったと判定したならば(S1;No)、設定変更特定部206は、該管理スロットマシン1Dにおいて設定変更が行われなかったと判断して、設定変更特定処理を終了する。
本実施形態によれば、スロットマシン1Dは、リセット処理を行った場合に、規定回数ポイントの設定に用いる複数の設定用データの中から一の設定用データを選択して規定ポイントを再設定するとともに、該選択した設定用データを特定可能な信号として設定変更信号をホールコンピュータ100Dに出力する。
そして、ホールコンピュータ100Dは、スロットマシン1Dから出力される信号に基づいて、規定ポイントの再設定に用いられた設定用データを特定する。スロットマシン1Dにおいて規定ポイントの再設定がどのように行われたかという情報(設定変更情報)は、スロットマシン1Dの現在の状態を知る上で重要な情報である。この点、本実施形態のホールコンピュータ100Dは、規定ポイントの再設定に用いられた設定用データを特定可能であるため、スロットマシン1Dの再設定情報を把握することができる。
[4−3.見せ掛けリセットの判定及び集計]
遊技者によりリセット要求操作が実行された場合であっても、スロットマシン1がリセット処理を行わず、遊技者にリセット処理が行われたと見せ掛ける見せ掛けリセットを行うこととしてもよい。この場合は、例えば、スロットマシン1が、遊技者によるリセット要求操作を検知した場合に、予め定められた確率(例えば1/10の確率)でリセット処理を実行しないようにする。本実施形態では、この遊技者によりリセット要求操作がなされたにも関わらずリセット処理を実行しないことを「見せ掛けリセット」と称する。
図42は、本実施形態におけるスロットマシン1Eの機能構成を示すブロック図である。スロットマシン1Eの外部出力基板50eには、第5番目の端子がリセット信号出力端子となっており、このリセット信号出力端子から2種類の信号がホールコンピュータ100Eに出力されるようになっている。リセット信号出力端子から出力する信号には、リセット信号とノンリセット信号とが含まれる。
図43は、リセット信号及びノンリセット信号の一例を示す図である。
リセット信号は、遊技者のリセット要求操作に応じてリセット処理を実行した場合にホールコンピュータ100Eに出力するリセット信号であり、例えば、「LOW−HIGH−LOW」の1つのパルス信号として構成される。
それに対し、ノンリセット信号は、遊技者によりリセット要求操作がなされたにも関わらずリセット処理を非実行とした場合にホールコンピュータ100Eに出力するリセット信号(見せ掛けリセット信号)であり、例えば、「LOW−HIGH−LOW」の1つのパルス信号の後、所定の時間間隔Δtを置いて、もう1つのパルス信号を含む信号として構成される。
このように、リセット信号とノンリセット信号とは信号の形態が異なるため、これらの信号を共通のリセット出力端子から出力した場合であっても、ホールコンピュータ100Eは信号解析処理を行うことで、どちらの信号を入力したかを判別することができる。
図44は、本実施形態におけるホールコンピュータ100Eの機能構成の一例を示すブロック図である。なお、前述したホールコンピュータ100A〜100Dと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
本実施形態では、スロットマシンがリセット信号をホールコンピュータ100Eに出力するため、ホールコンピュータ100EのI/O500には、リセット信号を入力する端子が設けられている。また、ホールコンピュータ100Eは、CPU200の機能部として第5のリセット判定部203e及び見せ掛けリセット集計部208を含む。また、ROM600には、管理プログラム610のサブルーチンとして第5のリセット判定プログラム611eが記憶されている。
また、ハードディスク700には、遊技集計データベース710と、リセット集計データベース720と、スランプグラフデータベース730の他に、見せ掛けリセット集計データベース760が記憶されている。
見せ掛けリセット集計データベース760には、各管理スロットマシンそれぞれについて、見せ掛けリセットが行われた回数や割合のデータが記憶される。
図45は、第5のリセット判定部203eがROM600に記憶されている第5のリセット判定プログラム611eに従って実行する第5のリセット判定処理の流れを示すフローチャートである。なお、前述した各実施形態のリセット判定処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
第5のリセット判定部203eは、リセット信号の入力端子に信号の入力があったか否かを判定し(T1)、あったと判定したならば(T1;Yes)、信号解析処理を行う(T2)。そして、信号種別がリセット信号であったならば(T3;リセット信号)、該管理スロットマシン1Eにおいて遊技者のリセット要求操作によるリセット処理が実行されたと判定する(T4)。そして、G5へと処理を移行する。
一方、信号種別がノンリセット信号であったならば(T3;ノンリセット信号)、第5のリセット判定部203eは、該管理スロットマシン1Eにおいて見せ掛けリセットが行われたと判定する(T27)。そして、該管理スロットマシン1Eの見せ掛けリセット集計データを更新した後(T29)、第5のリセット判定処理を終了する。
一方、T1においてリセット信号入力端子に信号の入力がなかったと判定したならば(T1;No)、第5のリセット判定部203eは、該管理スロットマシン1Eにおいてリセット処理も見せ掛けリセットも実行されなかったと判断して、第5のリセット判定処理を終了する。
本実施形態によれば、スロットマシン1Eは、遊技者によりリセット要求操作がなされた場合でも、一定の確率でリセット処理を実行しない見せ掛けリセットを実行可能に構成されている。この見せ掛けリセットは、遊技者がリセット要求操作を行ったとしても、必ずしも内部的にリセット処理が実行されるとは限らず、リセットを行うことによる恩恵を保証しないことで、遊技の興趣性を高めるものである。この場合、スロットマシン1Eは、見せ掛けリセットを特定可能な信号としてノンリセット信号をホールコンピュータ100Eに出力する。
ホールコンピュータ100Eは、スロットマシン1Eから入力したノンリセット信号に基づいて、該スロットマシン1Eにおいて見せ掛けリセットが行われたか否かを判定する。そして、その判定結果に基づいて、見せ掛けリセットが行われた回数を集計する。これにより、スロットマシン1Eにおける見せ掛けリセットの実行是非に関する情報を、ホールコンピュータ1E側で把握することができる。
[4−5.ゲーム性]
遊技者のリセット要求操作に応じてリセット処理を実行した後、一定のゲーム数を経過すると、ARTに当選しやすくなる期間に移行するようなスロットマシンが考えられる。このようなスロットマシン1について説明する。
図46は、この場合にスロットマシン1のサブ制御部911が有するART制御部911bが実行する第3のART制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、前述した第2のART制御処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
Q5の後、ART制御部911bは、モード再設定処理を行う(U5)。
図47は、モード再設定処理におけるモードを設定するために用いるテーブルであるモード設定用テーブル917のテーブル構成の一例を示す図である。
モード設定用テーブル917には、モードA〜モードDの4つのモードが定められている。各モードは、規定ポイントの値(天井値)が異なっており、モードAが最も規定ポイントが高く1000ポイントであり、モードBが次に規定ポイントが高く777ポイントであり、モードCが次に規定ポイントが高く450ポイントであり、モードDが最も規定ポイントが低く128ポイントである。モード再設定処理では、これらのモードの中からモードを抽選して再設定する。
その後、ART制御部911bは、第2のリセット処理を実行する(Q6)。具体的には、U5のモード再設定処理で設定されたモードに対応付けられた規定ポイントを設定し、ポイントカウンタ915aの値をゼロクリアする。
Q9において第1のリセットフラグがONに設定されていると判定したならば(Q9;Yes)、ART制御部911bは、モード再設定処理を行う(U10)。このモード再設定処理においても、U5のモード再設定処理と同様に、4つのモードの中からモードを抽選して再設定する。
その後、ART制御部911bは、第1のリセット処理を行う(Q11)。具体的には、U10のモード再設定処理で設定されたモードに対応付けられた規定ポイントを設定し、ポイントカウンタの値をゼロクリアする。
D17においてART抽選対象役に当選したと判定したならば(D17;Yes)、ART制御部911bは、設定されているモードに応じてART抽選の種別(以下、「ART抽選種別」という。)を設定する(U20)。
図48は、ART抽選種別を設定するために用いるART抽選種別設定用テーブル918の構成の一例を示す図である。
ART抽選種別テーブル918には、「第1のリセット処理後」であるか、「それ以外」であるかに応じてART抽選種別が定められている。「第1のリセット処理後」については、遊技者の獲得ポイントに応じて、異なるART抽選種別が定められている。具体的には、ポイントが0〜64ポイントである場合は「低確率抽選」が定められており、ポイントが65〜128ポイントである場合は「高確率抽選」が定められており、ポイントが129ポイント以上である場合は「通常抽選」が定められている。また、「それ以外」については、ART抽選種別として「通常抽選」が定められている。
低確率抽選は、ARTに当選する確率が通常抽選よりも低い抽選種別であり、遊技者のリセット要求操作によりリセット処理を行った後、遊技者の獲得ポイントが0〜64ポイントの範囲である場合は、ARTに当選しにくくなるようになっている。つまり、この期間は遊技者にとって不利な期間であると言える。それに対し、高確率抽選は、ARTに当選する確率が通常抽選よりも高い抽選であり、遊技者のリセット要求操作によりリセット処理を行った後、遊技者の獲得ポイントが65〜128ポイントの範囲である場合は、ARTに当選しやすくなっている。つまり、この期間は遊技者にとって有利な期間、言ってみればチャンスゾーンであると言える。獲得ポイントが129ポイント以上になると、通常抽選に移行する。
つまり、遊技者のリセット要求操作によるリセット処理後は、一定のゲーム数(64ゲーム)が経過するとARTに当選する確率が高くなるため、遊技者は戦略的にリセットを行い、ARTに当選する期待感を高めることができる。この場合、高確率抽選が行われる65〜128ポイントのチャンスゾーンに含まれるポイントは、ARTに当選する可能性が高いポイントであるため、遊技者にとって有利な特典を付与する条件となる規定回数に相当すると言える。
上記のようにART抽選種別を設定したならば、ART制御部911bは、選択したART抽選種別に応じたART抽選処理を行う(U21)。つまり、「低確率抽選」を設定した場合は、低い確率でARTに当選する抽選を行い、「高確率抽選」を設定した場合は、高い確率でARTに当選する抽選を行う。「通常抽選」を設定した場合は、通常時の抽選を行う。そして、ART制御部911bは、D23へと処理を移す。
次に、スロットマシン1が、上記のモード再設定処理で設定したモードを示す設定変更信号をホールコンピュータ100に出力する実施形態について説明する。
図49は、スロットマシン1が設定変更信号出力端子から出力する設定変更信号の一例を示す図である。設定変更信号には、信号種別とモード種別とが含まれる。信号種別は、例えば、「LOW−HIGH−LOW」でなる所定の時間間隔を置いた2つのパルス信号で構成される。そして、モード種別は、信号種別から一定時間をおいて、モードA〜モードDに応じて異なる数のパルス信号で構成される。
ホールコンピュータ100は、スロットマシン1から上記の設定変更信号を入力すると、信号解析処理を行い、スロットマシン1においていずれのモードが設定されたかを判定する。各モードにはそれぞれ規定ポイントが設定されているため、ホールコンピュータ100は、信号解析処理によって特定したモードから、スロットマシン1が設定した規定ポイントを特定することができる。
なお、この場合において、スロットマシン1が、設定変更信号とは別に、現在の遊技者の獲得ポイントを示す信号や、天井値までの所要ポイントを示す信号をホールコンピュータ100に出力するようにしてもよい。獲得ポイントを示す信号は、例えば、獲得ポイントに応じたパルス数を有する信号とすることで、ホールコンピュータ100は、信号解析処理により、遊技者の獲得ポイントを特定することができる。また、天井値までの所要ポイントを示す信号は、設定されている規定ポイント(天井値)から現在の遊技者の獲得ポイントを減算し、その減算値に応じたパルス信号を有する信号を出力するようにすればよい。
なお、本実施形態では、ART終了時やリセット処理時にモードを再設定することとして説明するが、モードの再設定のタイミングはこれに限られるわけではない。例えば、ゲーム開始からの時間を計時することとし、一定時間が経過する毎に、モードを再設定することとしてもよい。
[4−5.外部出力基板]
上記の実施形態では、スロットマシンが備える外部出力基板50の信号の出力端子を8端子として説明したが、出力端子の数は適宜設計変更可能である。例えば、出力端子をもう1つ増やして9端子としてもよい。
図50及び図51は、この場合における外部出力基板50の構成の一例を示す図である。図50(1)には、リセット信号と設定変更信号とを個別に出力可能な外部出力基板を図示している。具体的には、第5番目の出力端子がリセット信号出力端子であり、第6番目の出力端子が設定変更信号出力端子であり、それぞれの出力端子からリセット信号及び設定変更信号を出力可能に構成されている。
図50(2)には、第1の設定変更信号と第2の設定変更信号とを個別に出力可能な外部出力基板を図示している。具体的には、第5番目の出力端子が第1の設定変更信号出力端子であり、第6番目の出力端子が第2の設定変更信号出力端子であり、それぞれの出力端子から第1の設定変更信号及び第2の設定変更信号を出力可能に構成されている。
図50(3)には、リセット実行信号とリセット操作信号とを個別に出力可能な外部出力基板を図示している。具体的には、第5番目の出力端子がリセット実行信号出力端子であり、第6番目の出力端子がリセット操作信号出力端子であり、それぞれの出力端子からリセット実行信号及びリセット操作信号を出力可能に構成されている。
ここで、リセット実行信号は、スロットマシン1がリセット処理を実行した場合に出力する信号であり、リセット操作信号は、遊技者によりリセット要求操作がなされた場合に出力する信号である。この外部出力基板は、見せ掛けリセット機能を有するスロットマシン1に適用するようにすると好適である。つまり、遊技者のリセット要求操作に応じてリセット処理を実行する場合は、リセット実行信号をリセット実行信号出力端子から出力するようにし、見せ掛けリセットを行った場合は、リセット実行信号を出力せずにリセット操作信号のみを出力することで、ホールコンピュータ100は、スロットマシン1から入力した信号の種類に基づいて、リセット処理が実行されたのか、見せ掛けリセットが行われたかの判別が可能となる。
図51(1)の外部出力基板は、第3番目の出力端子がBB信号出力端子であり、第5番目の出力端子がRB信号出力端子であり、第6番目の出力端子がリセット信号出力端子である基板を図示している。信号の出力端子が9端子存在するため、ボーナスであるBBとRBとを示す信号を別個に出力することが可能である。
図51(2)の外部出力基板は、図51(1)と同様に、第3番目の出力端子がBB信号出力端子であり、第5番目の出力端子がRB信号出力端子であるが、第6番目の出力端子が設定変更信号出力端子である点が異なる。設定変更信号出力端子から出力する設定変更信号は、上記の実施形態で説明した第1の設定変更信号及び第2の設定変更信号のうちの少なくともいずれかとすることができる
図51(3)の外部出力基板は、図51(1)と同様に、第3番目の出力端子がBB信号出力端子であり、第5番目の出力端子がRB信号出力端子であるが、第6番目の出力端子がリセット信号出力端子である点が異なる。リセット信号出力端子から出力するリセット信号は、リセット信号及びノンリセット信号のうちのいずれかである。
[4−6.遊技用システム]
上記の実施形態では、スロットマシンがホールコンピュータ100に直接接続される遊技用システム1000を例に挙げて説明したが、遊技用システムの構成はこれに限られない。
図52は、他の遊技用システム1200のシステム構成の一例を示す図である。
この遊技用システム1200では、遊技島に設置される複数のスロットマシン1と台端末150とが複数の信号線によって接続されている。また、台端末150とホールコンピュータ100とが複数の信号線によって接続されている。
この場合は、遊技島に設置される所定数(例えば4台)のスロットマシン1Aから前述した各実施形態における複数種類の信号を個別に出力するための信号線が台端末150に接続され、前述した複数種類の信号がそれぞれの信号線によって個別に台端末150に出力される。台端末150は、各スロットマシン1Aから入力した信号を順番にホールコンピュータ100に出力する。ホールコンピュータ1Aは、台端末150から出力される信号に基づいて各管理スロットマシン1Aについて順番に信号制御を切り替えて、各管理スロットマシン1Aについてリセット判定処理や設定変更特定処理といった前述した各種の処理を行う。
なお、上記のシステム構成の他にも、例えば、台端末150とホールコンピュータ100との間に中継コンピュータを介在させる遊技用システムの構成を適用することとしてもよい。
[5.変形例]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
上記の実施形態では、本発明に係る情報管理装置をホールコンピュータ100として説明したが、情報管理装置はホールコンピュータ100に限られないことは勿論である。例えば、遊技機設置島毎に設置される台端末150を情報管理装置としてもよいし、台端末150とホールコンピュータ100とを中継する中継コンピュータを情報管理装置として機能させることも可能である。
また、上記の実施形態では、特定事象を1ゲームとし、その成立回数を原則として1ゲーム毎に遊技者に付与されるポイントとして説明したが、ポイントを用いるゲームシステムとするのではなく、特定事象の成立回数をゲーム数とすることも可能である。この場合は、ゲーム数が規定数に達した場合に、遊技者にとって有利な特典を付与するゲームシステムとすればよい。また、特定事象を特定小役に内部当選することとし、該特定小役の内部当選回数を特定事象の成立回数としてもよい。
なお、遊技者にとって有利な特典を付与する条件となる規定回数は、上記の実施形態で説明した規定ポイント(天井値)や、リセット後のゲーム数が所定の数値範囲になることとして定められるチャンスゾーン(上記の実施形態で説明した65〜128ポイント)の数値範囲に含まれるポイントに限られるわけではない。例えば、上記のように特定事象を特定小役に内部当選することとした場合は、該特定小役の内部当選回数に対する所定の規定当選回数(例えば10回)を規定回数とし、特定小役の内部当選回数がこの規定当選回数に達した場合に、遊技者にとって有利な特典(例えばART)を付与することとしてもよい。
また、必ずしも1ゲームで1ポイントを付与するゲームルールとしなければならないわけではなく、複数のゲームで1ポイント(例えば2ゲームで1ポイント)を付与するゲームルールとしてもよい。また、前述したART制御処理又は第2のART制御処理において、1ゲームで2ポイント以上のポイントを付与する特定状態に移行するか否かの抽選を行い、該抽選により当選した場合に、特定状態に移行して、1ゲームで2ポイント以上のポイントを遊技者に付与することとしてもよい。
なお、遊技者にとって有利な特典といっても、必ずしもゲームを有利に進行させることができる特典である必要はない。例えば、特定事象の成立回数が規定回数に達した場合に、ゲームの演出上の有利なアイテム(例えばアバターの衣装)を遊技者に付与することとしてもよい。また、画面にQRコード(登録商標)を表示させ、遊技者が自身の携帯電話機(スマートフォン)で該QRコードを読み取ってインターネットにアクセスすると、ゲームに関する特別な待受画面が付与されるようにしてもよい。これらの特典は、遊技者にとっては喜ばしく、有益な特典であるため、遊技者にとって有利な特典に含まれると言える。
また、上記の実施形態では、ホールコンピュータ100が各管理スロットマシン1についてスランプグラフのデータベースを記憶することとして説明したが、必ずしもスランプグラフそれ自体を記憶する必要はない。例えば、IN信号及びOUT信号に基づき投入メダル数や払出メダル数の元データを記憶することとし、管理スロットマシン1からスランプグラフの表示要求があった場合に、記憶している元データを用いてスランプグラフを作成して、管理スロットマシン1に出力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、ホールコンピュータ100が遊技者のリセット要求操作を検知した場合に行うリセット処理において、ポイントカウンタ915aのゼロクリア及び規定ポイントの再設定の2つの処理を行うこととして説明したが、これらの処理のうちのいずれか一方を省略することとしてもよい。具体的には、リセット処理において、ポイントカウンタ915aのゼロクリアのみを行うこととしてもよいし、規定ポイントの再設定のみを行うこととしてもよい。つまり、スロットマシン1が、特定事象の成立回数の初期値化及び規定回数の再設定の少なくとも一方を行うリセット処理を実行するようにすればよい。
上記の第1実施形態では、スロットマシン1がリセット信号をホールコンピュータ100に出力することとして説明したが、リセット信号の代わりに設定変更信号をホールコンピュータ100に出力するようにしてもよい。つまり、第1実施形態では、遊技者によりリセット要求操作がなされた場合に、リセット処理として規定ポイント再設定処理を行うため、規定ポイント再設定処理を行ったことを示す設定変更信号を出力することで、ホールコンピュータ100は、スロットマシン1から設定変更信号を入力することで、該スロットマシン1においてリセット処理が実行されたと判定することができる。
また、この場合においては、設定変更信号の中に、規定ポイント再設定処理で規定ポイントの選択抽選に用いた設定用データを特定可能な信号を含めるようにすると好適である。つまり、第1実施形態において、スロットマシン1が、図35で説明した第1の設定変更信号に倣って、信号種別と設定用データ種別とを含む設定変更信号をホールコンピュータ100に出力するようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ100は、スロットマシン1から入力した設定変更信号を入力することで、該スロットマシン1において遊技者のリセット操作に基づき規定ポイントの再設定が行われたと判定することができ、その上、規定ポイントの再設定で用いられた規定ポイントの選択抽選用の設定用データを特定することができる。
また、上記の第2実施形態では、遊技状態信号としてIN信号及びOUT信号をホールコンピュータ100に出力することとして説明したが、スロットマシン1からホールコンピュータ100に出力する遊技状態信号はこれらに限られるわけではない。具体的には、例えば、スロットマシン1が、遊技者のリセット要求操作に基づいてリセット処理を実行した場合に、一定の割合でARTに当選する確率の高い状態(ART高確率当選状態)に移行するように構成し、この場合に、ART高確率当選状態に移行したか否かを示す信号を遊技状態信号として出力することとしてもよい。ホールコンピュータ100は、該信号をスロットマシン1から入力したことに基づいて、該スロットマシン1においてリセット処理が実行されたと判定するようにすればよい。
また、上記の第2実施形態では、特別役として遊技者にベルを取らせることとして説明したが、この他にも、例えば、特別遊技期間の間、遊技者にリプレイを取らせるようにしてもよい。この場合は、IN信号及びOUT信号のみからでは、スロットマシン1が特別遊技期間であるか否かを判定することが困難である。そこで、例えば、スロットマシン1からホールコンピュータ100にスタート信号を併せて出力するようにする。そして、ホールコンピュータ100は、IN信号及びOUT信号に加えてスタート信号も遊技状態信号として用いて、スロットマシン1が特別遊技期間であるか否かの判定を行うようにすればよい。
また、上記の第3実施形態では、特定の報知としてリセット報知ランプ78による点灯を行うこととして説明したが、特定の報知はこれに限られない。例えば、遊技者のリセット要求操作に応じてリセット処理を実行した場合に、その旨を音声でスピーカ53,54から音出力させてもよい。この場合は、スピーカ53,54から出力させる音声に係る信号をホールコンピュータ100に出力するための信号線を構成する。また、ホールコンピュータ100に、スピーカ53,54から出力される音信号を入力するためのインターフェイスを構成する。ホールコンピュータ100の記憶装置には、スロットマシンがリセット処理を実行した場合にスピーカ53,54から音出力させる音声に係るデータをデジタル化したデータをデータベース化しておく。そして、ホールコンピュータ100のCPU200は、音声信号をスロットマシンから入力した場合に、入力した音声信号をA/D変換した後、入力音声データをデータベースに記憶された音声データと照合する音声認識処理を行って、スロットマシンにおいて特定の報知が行われたことを検知するなどすればよい。
また、上記の第3実施形態のように、スロットマシン1がリセット報知ランプ78等のランプ装置を点灯させることによって特定の報知を行う場合において、ランプ装置から光ファイバ等の光伝送路をホールコンピュータ100に直接接続し、報知ランプ光がホールコンピュータ100に直接入力されるようにしてもよい。この場合は、ホールコンピュータ100に接続される光伝送路の終端にフォトセンサ等の光検出器を設け、該光検出器で報知ランプ光を検知することによって、スロットマシン1において特定の報知が行われたことを検知するようにすればよい。
また、上記の実施形態では、スランプグラフに基づいて遊技開始時リセットが行われたか否かを判定することとして説明したが、遊技開始時リセットの判定方法はこれに限られるわけではない。例えば、スロットマシン1にカメラを備え、カメラによって遊技者の着座を判定するようにしてもよい。この場合は、カメラの撮影画像をホールコンピュータ100に出力し、誰も着座していない状態から新たに遊技者が着座してリセット要求操作を行い、リセット信号がホールコンピュータ100に出力された場合に、遊技開始時リセットが行われたと判定するようにしてもよい。また、スロットマシン1の稼働状態を示す稼働情報を参照して、遊技開始時リセットが実行されたか否かを判定してもよい。
また、上記の実施形態では、ホールコンピュータ100が、スロットマシン1が不正動作していると判断した場合に、その旨を遊技用装置である呼出ランプ装置110、カードユニット120及び所定の通信機器である店員インカムに通知することとして説明したが、遊技用装置及び通信機器の両方に通知するのではなく、いずれか一方にのみ通知することとしてもよい。また、呼出ランプ装置110及びカードユニット120のいずれか一方にのみ通知することとしてもよい。
また、上記の他の実施形態では、ホールコンピュータ100が、スロットマシン1から出力されるリセット信号に基づいて、該スロットマシン1においてリセット処理が実行されたか否かを判定する第1の判定方法と、スロットマシン1から出力される遊技状態信号に基づいて、該スロットマシン1においてリセット処理が実行されたか否かを判定する第2の判定方法と、スロットマシン1による特定の報知を検知し、該検知結果に基づいて該スロットマシン1においてリセット処理が実行されたか否かを判定する第3の判定方法との3つの判定方法の中から管理対象とするスロットマシン1のタイプに応じた判定方法を選択して、該スロットマシン1においてリセット処理が実行されることとして説明した。
しかし、例えば、第1の判定方法及び第2の判定方法や、第1の判定方法及び第3の判定方法といったように、2つの判定方法による判定を可能に構成し、2つの判定方法の中から管理対象とするスロットマシン1のタイプに応じて判定方法を選択するようにしてもよい。つまり、少なくとも2つの判定方法による判定が可能に構成されていればよい。
また、上記の第1実施形態では、図7に示すような規定ポイントテーブル914に従って規定ポイントを再設定することとして説明したが、規定ポイントテーブル914のテーブル構成はこれに限られるわけではない。具体的には、例えば、図7に示すように10個の設定用データを定めたテーブル構成とするのではなく、ポイントカウンタ915aの値に関わらず固定的な規定ポイントを定めたテーブルとしてもよい。また、設定用データの数を10個とするのではなく、ポイントカウンタ915aの値に応じてより細分化して10個よりも多い数(例えば20個)の設定用データを定めることとしてもよいし、逆に、10個よりも少ない数(例えば5個)の設定用データを定めることとしてもよい。
同様に、上記の他の実施形態では、図32に示すような規定ポイントテーブル916に従って規定ポイントを再設定することとして説明したが、第2の規定ポイントテーブル916のテーブル構成もこれに限られるわけではない。具体的には、例えば、リセット要求操作時に参照する第1の規定ポイントテーブルについて、図32に示すように設定用データの数を10個とするのではなく、上述した図7の規定ポイントテーブルのテーブル構成の変形例と同様に、ポイントカウンタ915aの値に関わらず単一の設定用データを定めたテーブル構成としてもよいし、10個以外の複数の設定用データを定めたテーブル構成としてもよい。
また、ART終了時に参照する第2の規定ポイントテーブルについて、図32に示すようにポイントカウンタ915aの値に関わらず単一の設定用データを定めたテーブル構成とするのではなく、第1の規定ポイントテーブルと同じように、ポイントカウンタ915aの値に応じて複数の設定用データを定めたテーブル構成としてもよい。この場合は、ART終了時に、現在のポイントカウンタ915aの値に対応する設定用データを選択して、規定ポイントを再設定するようにすればよい。
また、遊技機として適用可能なスロットマシンは、いわゆる封入式のスロットマシンであってもよい。封入式のスロットマシンは、メダルを筐体内部に封入し、内部循環式でメダルを管理することのできるスロットマシンである。