JP6257946B2 - 地熱タービン - Google Patents
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Description
また地熱発電システム1は、セパレータ3で分離された熱水を戻す還元井4と、分離された蒸気により回転する地熱タービン5と、地熱タービン5に接続の発電機6とを具備する。
さらに、地熱発電システム1は、地熱タービン5を通過した蒸気を温水化する復水器7と、温水を冷却する冷却塔8とを具備する。
この蒸気タービン5は、例えば、周知の軸流式蒸気タービンであり、ロータシャフト5a側に複数の動翼5bとケーシング5c側に固定された複数の静翼(ノズル)5dとが、多段的に交互に対向するように列設されている。ロータシャフト5aには、発電機6のロータが連結されている。セパレータ3からの蒸気は、蒸気入口から初段静翼5dを通じて導入され、多段の動翼5b、静翼5d間を膨張しながら通過して蒸気排出口から放出され、運動エネルギーにより動翼5bが回転してロータシャフト5aを回し、発電機6のロータを回転駆動させ、電力を取り出すようになっている。
ここでは、ノズル板を円環状に必要な枚数だけ所定の角度に並べ、内輪と外輪に鋳込んで、一体化される仕切り板におけるノズルの冷却水通路の製造方法として、ノズルをブロック構成として、各ブロックにおいて、冷却水通路を冷却水接続管で接続して連通せしめ、冷却水供給管から冷却水を流し、冷却水排水管に戻すような構成とし、仕切り板における全ノズル板内に冷却水通路を確保し、且つ、その接続をシール溶接等、によって行う手段を採用している。
本発明は、上記の課題を改善するために提案されたものであって、特に地熱タービンにおける蒸気導入側の静翼列を効果的に冷却して、蒸気通過によるスケールが静翼列に付着するのを防止することができる、地熱タービンを提供することを目的とする。
また、ケーシングとは別部材で構成される環状の外輪に設けられた環状冷却部は、静翼列との接続部を有さないので、製造工程も容易である。
初段静翼列を支持する外輪に設けられる環状冷却部に冷却媒体を流して初段静翼列を冷却することで、初段静翼列の乾湿繰返しを阻止して、初段静翼列にスケールが生成されるのを防止することができる。
また、ケーシングとは別部材で構成される環状の外輪に環状冷却部を設けることで、ケーシングに直接環状冷却部を設ける必要はなく、製造工程も容易である。
初段静翼列を支持する外輪に設けられる環状冷却部に冷却媒体を流して初段静翼列を冷却することで、初段静翼列の乾湿繰返しを阻止して、初段静翼列にスケールが生成されるのを防止することができる。
さらに、複数の分割体をそれぞれケーシング内周側に組み込むことで一体化する分割外輪として初段静翼列を支持することができる。そして、各分割体に形成された冷却流路を断続的に周回する環状冷却部として、環状冷却部に冷却媒体を流すことで、初段静翼列は好適に冷却される。
また、初段静翼列を支持する翼取付部に形成された環状冷却部により、静翼を間接的に好適に冷却することができる。
したがって、初段静翼列にスケール等が生成されることにより、蒸気の導入通路がスケールの成長によって閉塞されるようなことはなく、メインテナンスの負担も軽減され、維持管理等の費用も抑制することができる。
この地熱発電システム10は、地下深部の熱源により高温高圧の熱水を発生する生産井11と、高温高圧の熱水を地上まで導いて沸騰した熱水を、蒸気と分離させるセパレータ12と、セパレータ12で分離された熱水を戻す還元井13と、分離された蒸気により作動する地熱タービン14と、地熱タービン14に接続された発電機15と、地熱タービン14を通過した蒸気を温水化する復水器16と、温水を冷却する冷却塔17とを具備する。
なお、セパレータ12の容器下部側に集められた熱水は、還流路21を通じて還元井13に戻されるようになっている。
冷却塔17は、復水器16からの温水を、冷却塔17内で送風機24により強制的に送り込んだ外気と接触させて冷却するようにしている。このとき、復水は一部が蒸発することで、蒸発のための潜熱で温水は、さらに効果的に冷却される。また、冷却塔17に充填剤を配設して復水を通過させることで、外気と接触させる時間を長くして冷却するようにしてもよい。
地熱タービン14は、ロータシャフト25側に突設された動翼26とケーシング27側に、翼取付部27bを介して固定された静翼28とが、多段的に交互に対向するように列設される構成としている。なお、動翼26は、ロータシャフト25の周方向に複数列設されて動翼列を構成し、また静翼28はケーシング27の内周側に翼取付部27bを介して周方向に複数列設されて静翼列を構成している。そして図2では、動翼26及び静翼28は、それぞれ動翼列、静翼例の一部として示している。そこで、以下、動翼列、静翼例をそれぞれ動翼26及び静翼28として説明する。
かかる地熱タービン14において、蒸気は、蒸気入口29から、静翼28のうち、蒸気入口29寄りの初段静翼28aを通じて導入され、多段の動翼26、静翼28間を通過して蒸気排出口(図示省略)から放出される構成としている。
蒸気入口29からの蒸気(例えば200℃以上)が初段静翼28aを接触通過することで加熱される初段静翼28aを、翼取付部27bに連続的にまたは断続的に周回する環状冷却部30に冷却水を流すことで間接的に熱交換によって冷却するようにしている。
なお、環状冷却部30に通流させる冷却水は、例えば強制循環手段(ポンプ、図示省略)を備えた水循環系統(図示省略)から供給することができる。
かかる初段静翼28aでは、タービン入口の高温熱によって静翼面が高温化して乾湿が繰り返されることでスケールが生成されるので、初段静翼28aを冷却することで、初段静翼28aの乾湿繰返しを阻止して、初段静翼28aにスケールが生成されるのを防止するようにしている。
(第1実施形態)
図4は、図2のA−A線で示された、初段静翼28aと初段静翼28aを支持する翼取付部27bの、切断断面を模式的に示している。
ここでは、翼取付部27bはケーシング27の内周に固定された、ケーシング27とは別部材で構成される環状の外輪27bからなる。外輪27bの内部には環状冷却部30が設けられている
また、外輪27bに支持される初段静翼列28aの内周側には内輪27iが設けられている。
そして、環状冷却部30は外輪27bに同心円状に、一回り周回する外輪環状冷却部30pとして構成されている。また、かかる外輪環状冷却部30pは、所定の位置に互いに近接配置した入口30pin、出口30poutを介して冷却水を図示しない強制循環手段を備えた水循環系統と循環させるようにしている。
(第2実施形態)
図5は、第1実施形態同様、ケーシング27の翼取付部27bは、ケーシング27の内周に固定された、ケーシング27とは別部材で構成される環状の外輪27bからなる。外輪27bの内部には環状冷却部30が設けられている。
また、外輪27bに支持される初段静翼列28aの内周側には内輪27iが設けられている。
そして、ここでは、外輪27bに、外輪環状冷却部30pが閉ループ状に形成され、外輪環状冷却部30pに、入口30pin、出口30poutが径方向に対向するように設けられ、冷却水の導入、放出を行っている。
このため、初段静翼28aは好適に冷却され、初段静翼28aの乾湿繰返しを阻止して、初段静翼28aにスケールが生成されるのを防止することができる。
したがって、第1実施形態の構造では、入口30pinは、最も温度が高い、地熱タービン14の蒸気入口29に近接した位置に配置することが望ましい。
したがって、第2実施形態の構造においても、入口30pinは、最も温度が高い、地熱タービン14の蒸気入口29に近接した位置に配置することが望ましい。
(第3実施形態)
図6に示すように、ここでは、環状冷却部30は、翼取付部である外輪27bに半周毎に点対称に配置した一対の外輪環状冷却部30pと、内輪27iに周回形成した内輪環状冷却部30piとを有する。
一対の外輪環状冷却部30pは、内輪環状冷却部30piを介して連通するように接続されている。すなわち一方の外輪環状冷却部30pは、一端側に水循環系統から冷却水を取り入れる入口30pinと外輪27bの半周方向他端側に、初段静翼28aを貫通して、内輪環状冷却部30piに連結される連結路30plが設けられている。また、入口30pinに近接した位置において内輪環状冷却部30piから他方の外輪環状冷却部30pの端部に、初段静翼28aを貫通して連通する連結路30plが設けられている。そして、他方の外輪環状冷却部30pの外輪27bの半周方向末端側に冷却水を排出する出口30poutが設けられている。
次いで、初段静翼28aを貫通する連結路30plを介して内輪環状冷却部30piに至り、内輪27i内を任意の周回方向に半周、周回して入口30pinに近接した位置において内輪環状冷却部30piから、初段静翼28aを貫通する連結路30plを介して他方の外輪環状冷却部30pの端部に至り、外輪環状冷却部30pを外輪27bの半周方向に沿って流れ、外輪環状冷却部30pの外輪27bの半周方向末端側の出口30poutに至り、冷却水を排出することができる。
したがって、初段静翼28aにスケール等が生成されることにより、蒸気の導入通路がスケールの成長によって閉塞されるようなことはなく、メインテナンスの負担も軽減され、維持管理等の費用も抑制することができる。
本発明にかかる地熱タービンは、第1〜第3実施形態に限られるものではない。
例えば、図7に示すように、外輪27bは、複数の分割体27bpがケーシング27内周側に固定されることで一体化されてなる分割外輪で構成することができる。ここでは、分割外輪27bは、4分割された分割体27bpで構成される。勿論、分割外輪27bは、4分割に限らず、2分割あるいは3分割された分割体で構成することもできる。
そして、図7では、各分割体27bpの内部に冷却流路30pdがそれぞれ形成されると共に、分割体27bpが一体化されることで分割外輪27bの内部に、断続的に周回する環状冷却部30として形成される。
23 ポンプ
25 ロータシャフト
26 動翼
27 ケーシング
27i内輪
27b翼取付部(外輪、分割外輪)
27bp分割体
28 静翼
28a初段静翼
29 蒸気入口
30 環状冷却部
30p外輪環状冷却部
30pin入口
30pout出口
30pi内輪環状冷却部
30pl連結路
30pd冷却流路
Claims (3)
- ロータシャフトの外周に配置した複数の動翼列と、前記ロータシャフトを収納するケーシングの内周にそれぞれ翼取付部を介して支持される複数の静翼列とを具備する、地熱タービンであって、
前記複数の静翼列を支持するそれぞれの翼取付部のうち、初段静翼列を支持する翼取付部の内部に、冷却水が流れる一つの冷却流路が連続的に周回する環状冷却部、若しくは冷却水が流れる複数の冷却流路によって断続的に周回する環状冷却部が設けられ、
前記初段静翼列を支持する翼取付部は、前記ケーシングの内周に固定された、前記ケーシングとは別部材で構成される環状の外輪からなり、前記環状冷却部は前記静翼列との接続部を有さないことを特徴とする地熱タービン。 - 前記外輪は、複数の分割体が前記ケーシング内周側に固定されることで一体化されてなる分割外輪で構成され、
前記分割体の内部に前記冷却流路がそれぞれ形成されると共に、
前記分割体が一体化されることで前記分割外輪の内部に、断続的に周回する前記環状冷却部が形成される、ことを特徴とする請求項1記載の地熱タービン。 - ロータシャフトの外周に配置した複数の動翼列と、前記ロータシャフトを収納するケーシングの内周にそれぞれ翼取付部を介して支持される複数の静翼列とを具備する、地熱タービンであって、
前記複数の静翼列を支持するそれぞれの翼取付部のうち、初段静翼列を支持する翼取付部の内部に、冷却水が流れる一つの冷却流路が連続的に周回する環状冷却部、若しくは冷却水が流れる複数の冷却流路によって断続的に周回する環状冷却部が設けられ、
前記初段静翼列を支持する翼取付部は、前記ケーシングの内周に固定された、前記ケーシングとは別部材で構成される環状の外輪からなり、該外輪の内部に前記環状冷却部が設けられ、
前記外輪は、複数の分割体が前記ケーシング内周側に固定されることで一体化されてなる分割外輪で構成され、
前記分割体の内部に前記冷却流路がそれぞれ形成されると共に、
前記分割体が一体化されることで前記分割外輪の内部に、断続的に周回する前記環状冷却部が形成されることを特徴とする地熱タービン。
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