JP6257936B2 - 空調制御システム及び空調制御方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、空調制御システム及び空調制御方法に関する。
従来、空調機には、室内温度を検知する温度センサが備えられ、この温度センサを介して検知される室内温度計測値と、室内温度設定値と、の偏差に基づいて、室内へ給気する冷却空気の温度(ダクト給気温度)及びその風量を調整する手法が用いられている。風量を調整する可変風量部の機構は、VAV(Variable Air Volume)ユニット(以下、単に「VAV」とも記載する)と呼ばれ、所定の制御装置(空調制御装置)からの信号に応じて空孔の開閉の度合を示す「開度」を変更可能とする。この開度が変更されることで、その空孔を流通する風量が調整される仕組みである。
従来の空調機の一般的な制御アルゴリズムによれば、空調制御装置は、利用者の室内温度設定値TSに応じた一意のダクト給気温度を設定する。なおダクト給気温度の調整は、空調機本体における冷媒(冷水)の流量を所定の冷媒弁(冷水弁)で制御することで成される。そして空調制御装置は、室内温度計測値TRと室内温度設定値TSとの偏差が大きい場合には、VAVの開度を大きく設定して風量を増加させるように制御し、偏差が小さくなるにつれ、開度を徐々に小さくする制御を行う。
このようにすることで、最終的に室内温度計測値TRがほぼ室内温度設定値TSに一致して安定するような空調制御が行われる(例えば特許文献1参照)。
特開2001−248875号公報
ところで、近年、空調機は世界中の様々な国や地域で使用されている。ここで、空調機が使用される地域によっては、上述したような空調制御では利用者に快適な環境を提供できない場合がある。例えば、利用者が体全体を覆う衣服を身に着けている場合、身体付近における空気の対流が起きにくいため熱(体温)がこもり、単に室内温度計測値TRを室内温度設定値TSまで低下させただけでは利用者に“涼しさ”を体感させることができず、快適な環境を提供できないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、快適な環境を提供する空調制御システム及び空調制御方法を提供することである。
実施形態の空調制御システムは、空調機と可変風量部と空調制御装置とを有する空調制御システムにおいて、給気温度制御部と風量制御部とを具備する。給気温度制御部は、制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき可変風量部の開度を演算し、該開度が所定の開度閾値以下となるとき、空調機の給気温度設定値を上昇させる。風量制御部は、給気温度設定値が上昇したとき、制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき、可変風量部の開度設定値を増加させる。前記給気温度制御部は、前記開度設定値が所定の値に到達するまで前記給気温度設定値を上昇させる。
実施形態の空調制御方法は、空調機と可変風量部と空調制御装置とを有する空調制御システムの空調制御方法において、制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき可変風量部の開度を演算し、該開度が所定の開度閾値以下となるとき、空調機の給気温度設定値を上昇させる。また、給気温度設定値が上昇したとき、制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき、可変風量部の開度設定値を増加させる。
第1の実施形態の空調制御システムの機能構成を示す図。 第1の実施形態の空調制御装置の機能構成を示す図。 第1の実施形態の空調制御装置の動作を説明する図。 第1の実施形態の空調制御装置の処理フローを示す図。 第2の実施形態の空調制御装置の機能構成を示す図。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る空調制御システムを、図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による空調制御システムの機能構成を示す図である。この図において、符号1は空調制御システムである。
図1に示すように、空調制御システム1は、空調制御装置10、空調機本体部11、可変風量部12(以下、単にVAV12と記載する)、ダクト給気温度センサ13、室内温度センサ14、冷媒弁15を備えている。さらに空調機本体部11は、冷却コイル110及び送風機111を備えている。
本実施形態に係る空調制御システム1は、操作受付部(例えばリモコン、図示せず)を介して利用者より入力される室内温度設定値TSと、室内温度センサ14を介して入力される、室内の温度を示す室内温度計測値TRとを比較し、ダクトを通じて室内に供給される空気(冷却空気)の温度であるダクト給気温度TDとその風量を調整しながら、室内の温度を室内温度設定値TSで安定させる空調制御を行う装置である。
本実施形態に係る空調制御システム1は、通常運転モード時(後述)においては、室内の温度(室内温度計測値TR)と室内温度設定値TSとの偏差ΔTが大きい場合にVAV12の開度Vを大きくして冷却空気の風量を増加させるように制御し、偏差ΔTが小さくなるにつれ、開度Vを徐々に小さくして風量を抑える制御を行う。よって最終的には、室内の温度(室内温度計測値TR)が室内温度設定値TSに一致したときに、開度V及び風量は室内負荷とバランスが取れ安定する。
ここで空調制御システム1の利用者が、一般的な衣服を身に着けている通常の利用者である場合、当該利用者は、室内の温度が所望する室内温度設定値TSで維持されることで“涼しさ”を体感することができる。しかしながら、例えば利用者が体全体を覆う衣服を身に着けている場合、身体付近における空気の対流が起きにくいため、室内の温度を室内温度設定値TSまで低下させただけでは利用者は“涼しさ”を体感することができない。
一般的に、体の大部分を覆う衣装を身に着けている利用者を対象とする場合、利用者は、室内の温度が室内温度設定値TSに一致することよりも、吹き出される冷却空気の風圧を体感するほうが、より“涼しさ”を体感することができる。つまり、体の大部分を覆う衣装を身に着けている利用者に対しては、単に室内温度計測値TRを室内温度設定値TSと一致させるような制御を行うのみならず、適宜風量を増加させて、利用者に一定以上の風圧を体感させるような制御を行う方が、快適な環境を提供することができる。そこで、本実施形態に係る空調制御システム1は、後述する風量上昇モードにおいて、利用者に風圧を体感できる風量と設定する制御を行う。
以下、空調制御システム1の各機能構成について説明する。
空調制御装置10は、冷媒弁15を制御して、冷却空気の温度(ダクト給気温度TD)を調整する機能を有している。さらに、空調制御装置10は、室内温度設定値TS及び室内温度センサ14を介して入力される室内温度計測値TRとの偏差に応じた適切なVAV12の開度V[%]を求め、その開度Vへと制御することで、空調制御システム1の吹出し口から送出される冷却空気の風量を調整する機能を有している。空調制御装置10は、このように空調制御システム1のダクトを通じてVAV12から室内へと送出される冷却空気の温度(ダクト給気温度TD)とその風量とを制御しながら、室内の温度を利用者の所望する設定温度へと調整する制御を行う。空調制御装置10の詳細な機能構成については後述する。
空調機本体部11は、空調制御システム1による空調制御を実現するための主要な機能部であって、空気を冷却するための機構である冷却コイル110と、冷却コイル110により冷却された空気を室内へと送出するための送風機111を内部に備えている。なお冷却コイル110の管内を流れる冷媒(例えば冷水)の流量に応じて、管に接する空気の冷却の度合いを変化させる。空調制御装置10は、後述する冷媒弁15を介して冷媒の流量、冷却コイル110の冷却の度合いを制御することで、ダクト給気温度TDを所望の値となるように調整する。
VAV12は、空調制御装置10から入力する開度情報(開度設定値)に応じて、室内への吹出し口の開閉の度合いを示す「開度」Vを調整する機能部である。送風機111から吹き出される冷却空気は、ダクト(図1)及びVAV12を介して室内に送出される。VAV12は、空調制御装置10から入力する開度情報(開度設定値)に応じて開度Vを変更できる機構(開閉ダンパー)を有しており、最大開度Vmax[%]〜最小開度Vmin[%]の範囲で設定可能となっている。なお、本実施形態に係るVAV12を流通する冷却空気の風量は、VAV12に設定された開度Vと比例関係を保ちながら増減するものとする。
ダクト給気温度センサ13は、冷却コイル110に冷却されダクト内を流通する空気(給気)の温度を検出する温度センサである。また室内温度センサ14は、空調制御を行う室内の温度を検出する温度センサである。冷媒弁15は、冷却コイル110の管内を流通する冷媒の流量を調整する弁である。上述したように、冷媒弁15は、空調制御装置10から所定の制御信号に応じて冷媒の流量を調整可能となっている。
図2は、第1の実施形態に係る空調制御装置の機能構成を示す図である。
図1に示した空調制御装置10は、さらに以下のような機能構成を有している。図2に示すように、空調制御装置10は、給気温度制御部100、風量制御部101及び運転モード判定部102を備えている。
給気温度制御部100は、後述する運転モード判定部102が定める運転モードに基づいて、冷媒弁15に冷媒の流量を調整する制御信号を出力する機能部である。具体的には、給気温度制御部100は、室内温度計測値TRに応じたダクト給気温度設定値TDsを設定し、ダクト給気温度センサ13を介して入力する実際のダクト給気温度TD(ダクト給気温度計測値TDr)と、ダクト給気温度設定値TDsとを一致させるように制御を行う。
また本実施形態に係る給気温度制御部100は、後述する運転モード判定部102から運転モード情報を入力して、運転モードに応じた制御を行う。この処理の具体的な内容については後述する。
なお給気温度制御部100は、本実施形態においては、ダクト内において計測されるダクト給気温度TDを計測しながら制御するものとしているが、他の実施形態においてはこの態様に限定されることはなく、ダクト以外(例えば室内への吹出し口等)の温度を計測しながら室内への給気温度を制御するものであってもよい。
風量制御部101は、VAV12に対し、室内温度設定値TSと、室内温度センサ14を介して入力する室内温度計測値TRとの偏差ΔTに応じた開度Vを示す開度情報を出力する機能部である。風量制御部101は、室内温度計測値TRと室内温度設定値TSとの偏差ΔTが大きい場合には、開度Vを高く設定して風量を上昇させる制御を行い、室内温度計測値TRと室内温度設定値TSとの偏差ΔTが小さくなるにつれて開度Vを低くして、風量を減少させる制御を行う。
運転モード判定部102は、風量制御部101から現時点におけるVAV12の開度Vを示す開度情報を入力し、開度Vに応じて運転すべき運転モードの判定及び変更を行う機能部である。具体的には、運転モード判定部102は、「通常運転モード」で運転中の場合において、風量制御部101から入力する開度情報によって示されるVAV12の開度Vが所定の第1開度閾値Vth1以下となった場合には、「通常運転モード」から「風量上昇モード」に運転モードを切り替える処理を行う。ここで第1開度閾値Vth1とは、VAV12の開度が、利用者が“涼しさ”を感じることができるほどの風圧を体感できない風量となる開度を指す。第1開度閾値Vth1は、例えば、VAV12で設定可能な開度Vの最小値である最小開度Vminであってもよい。
また「風量上昇モード」で運転中の場合において、VAV12の開度Vが、第1開度閾値Vth1よりも大きく、送風のための空調制御システム1の負荷が過大とならない他の開度閾値である第2開度閾値Vth2(>Vth1)以上となった場合には、「風量上昇モード」から「通常運転モード」に運転モードを切り替える処理を行う。ここで「通常運転モード」及び「風量上昇モード」については後述する。運転モード判定部102は、設定した運転モードを示す運転モード情報を給気温度制御部100に出力する。
図3は、第1の実施形態に係る空調制御装置の動作を説明する図である。
図3に示すグラフは、縦軸にダクト給気温度TDを、横軸にVAV12の開度Vを示しており、空調制御装置10による制御におけるダクト給気温度TDと開度Vの推移を表している。
以下、上述した「通常運転モード」時及び「風量上昇モード」時における空調制御装置10の処理について、図3を参照しながら具体的に説明する。
まず通常運転モード時において、空調制御装置10は従来と同等の空調機制御(VAV方式という)を行う。具体的には、空調制御装置10は、まず、ダクト給気温度設定値TDsを固定値として定めるとともに、冷却コイル110及び送風機111を駆動させる。このとき、給気温度制御部100は、ダクト給気温度センサ13を介して入力するダクト給気温度計測値TDrが、固定値として定められたダクト給気温度設定値TDsと一致するように冷媒弁15の制御を行う。
冷却コイル110によって冷却されダクト給気温度設定値TDsとなった空気を、VAV12を介して室内に送風することで室内が徐々に冷却される。このとき、風量制御部101は、室内の現時点における温度を検知する室内温度センサ14を介して室内温度計測値TRを入力し、室内温度設定値TSとの偏差ΔTを取得する。そして、その偏差が小さくなるにつれて徐々にVAV12の開度Vを徐々に小さくし、風量を減少させる制御を行う。したがって、通常運転モード時における空調制御装置10の制御によれば、VAV12の開度Vとダクト給気温度TDの関係は、図3に示すグラフA(通常運転モード)のような軌跡をたどる。
次に、上述したように、運転モード判定部102は、通常運転モード時においてVAV12の開度Vが所定の第1開度閾値Vth1以下となった場合に、「通常運転モード」から「風量上昇モード」に運転モードを切り替える処理を行う。給気温度制御部100は、運転モード判定部102から入力する運転モード情報により「風量上昇モード」に切り替わったことを検知すると、ダクト給気温度設定値TDsを上昇させる処理を行う。そうすると、この処理に伴って室内に供給される空気の温度が上昇するため、室内温度が上昇する。しかし、室内温度が上昇すると室内温度計測値TRと室内温度設定値TSとの偏差が大きくなるため、風量制御部101は、再び風量を増加させるべく、VAV12の開度を大きくする制御を行う。つまり空調制御装置10は、ダクト給気温度TDと開度Vをともに上昇させながら、結果的に室内の温度が室内温度設定値TS近傍で保たれるような制御を行う。したがって、風量上昇モード時における空調制御装置10の制御によれば、VAV12の開度Vとダクト給気温度TDの関係は、図3に示すグラフB(風量上昇モード)のような軌跡をたどる。
このとき、給気温度制御部100は、VAV12の開度Vが、利用者が所定の風圧を体感できる、予め定められた風量とする風圧体感開度Vaまで上昇するまでダクト給気温度設定値TDsを上昇させる制御を行う。なお、空調制御装置10は、より大きい風量をもって室温を維持できるようであれば、給気温度制御部100においてダクト給気温度TDをさらに上昇させる処理を行ってもよい。ただし、VAV12の開度Vが所定の第2開度閾値Vth2(Vth2は、例えば開度Vの最大値Vmax)に達した場合には、運転モード判定部102は、風量上昇モードを通常運転モードに切り替える処理を行う。給気温度制御部100は、通常運転モードに切り替わったことを検知すると、ダクト給気温度設定値TDsを通常運転モード時の値(固定値)に下げて、ダクト給気温度TDを低下させる制御を行う。
このようにすることで、風量上昇モードにおいて、室内の温度を室内温度設定値TS近傍で維持するために極めて強い風量が必要となる場合には、通常運転モードに切り替えることで、送風のための負荷が過大となる事態を回避することができる。
図4は、第1の実施形態に係る空調制御装置の処理フローを示す図である。
次に、本実施形態に係る空調制御装置10が実行する処理フローについて、図4を参照しながら詳細に説明する。
図4に示す処理フローでは、利用者からの運転開始指示に基づいて空調制御システム1が運転を開始する時点からの空調制御装置10の処理フローについて説明する。
まず、運転モード判定部102は、自装置の運転モードを通常運転モードに定める。そして空調制御装置10は、通常運転モードにおける制御を開始する(ステップS01)。
次いで、給気温度制御部100は、運転モード判定部102から「通常運転モード」を示す運転モード情報を入力し、ダクト給気温度設定値TDsを、通常運転モード時において定められる所定の固定値に定める(ステップS02、図3参照)。例えば、通常運転モード時におけるダクト給気温度設定値TDsを18℃とする。
給気温度制御部100は、設定されたダクト給気温度設定値TDs(=18℃)に基づいて、冷媒弁15に制御信号を出力する。そして冷却コイル110によって冷却された空気を送風機111がVAV12に送風する。ここでダクト給気温度センサ13は、送風機111が送風する冷却されたダクト給気温度TDrを計測し、そのダクト給気温度計測値TDrを給気温度制御部100に出力する。給気温度制御部100は、入力するダクト給気温度計測値TDrを参照しながら、冷媒弁15による冷媒の流量を調整しながら、ダクト給気温度計測値TDrが、ダクト給気温度設定値TDs(=18℃)と一致するように制御する。このように制御することで、給気温度制御部100は温度(ダクト給気温度計測値TDr)が18℃となる冷却空気を生成することができる。
次に、風量制御部101は、室内温度センサ14を介して入力する室内温度計測値TRを参照しながらVAV12に開度情報を出力して、VAV12の開度を調整する処理を行う(ステップS03)。具体的には、例えば風量制御部101は、室内温度設定値TSと室内温度計測値TRとの偏差ΔTと設定する開度Vとが比例関係を有するように、VAV12の開度を制御する。そうすると、このステップS03が繰り返されることで、風量制御部101は、室内温度設定値TSと室内温度計測値TRとの偏差ΔTが大きい場合には、開度Vを大きくして風量を増加させて室内温度を急速に下げ、その偏差ΔTが小さくなるにつれて開度Vを徐々に小さくして風量を減少させていくという制御を実現する。
例えば、室内温度設定値TSが26℃であって、実際の室温(すなわち室内温度センサ14が取得する室内温度計測値TR)が30℃であったとする。そうすると、風量制御部101は、偏差ΔT(=30℃−26℃=+4℃)に基づいて、温度18℃の冷却空気を適切な風量で室内に送風するようにVAV12の開度Vを制御する。そして、冷却空気が室内に送風された結果、室内温度計測値TRが29℃、28℃、・・・と低下するにつれ偏差ΔTも減少していくので、風量制御部101は、その偏差ΔTに応じてVAV12の開度Vを下げていき、風量を低下させる制御を行う。
風量制御部101による上記制御中、利用者から運転終了の指示を受け付けた場合(ステップS04にてYES)には、空調制御装置10は空調制御システム1の制御を終了する。利用者からの運転終了の指示を受け付けていない場合(ステップS04にてNO)には、制御を続行する。
運転モード判定部102は、風量制御部101から現時点における開度Vの値を入力し、開度Vが予め定められた第1開度閾値Vth1以下となっているか否かを判定する(ステップS05)。ここで、現時点において開度Vが第1開度閾値Vth1を上回っている場合(ステップS05にてNO)は、風量制御部101がステップS03の処理を繰り返す。つまり運転モード判定部102は、給気温度制御部100に対し通常運転モードを示す運転モード情報の出力を継続する。
なお第1開度閾値Vth1は、例えば、VAV12で設定可能な開度Vの最小値である最小開度Vminであってもよい。
次に、ステップS03の処理が繰り返されるうちに、室内温度設定値TSと室内温度計測値TRとの偏差ΔTが小さくなって開度Vが減少し、開度Vが第1開度閾値Vth1以下となった場合(ステップS05にてYES)を説明する。この場合、運転モード判定部102は、通常運転モードを風量上昇モードに切り替える処理を行う(ステップS06)。
このように、空調制御システム1は、開度Vが第1開度閾値Vth1となって利用者が風圧を体感できない状態となった場合に、直ちに風量上昇モードに切り替えて、利用者に風圧を体感させることができる運転モードへと移行する。
給気温度制御部100は、運転モード判定部102から「風量上昇モード」を示す情報を入力すると、ダクト給気温度設定値TDsを通常運転モード時の設定値から上昇させる処理を行う(ステップS07)。例えば、給気温度制御部100はステップS07において、ダクト給気温度設定値TDsを18℃から19℃に上昇させる。そうすると、給気温度制御部100は、冷却コイル110により生成される冷却空気の温度が19℃となるように冷媒弁15による冷媒の流量の制御を実行する。
一方、風量制御部101は、引き続き、室内温度センサ14を介して入力する室内温度計測値TRを参照しながらVAV12に開度情報を出力して、VAV12の開度Vを調整する処理を行う(ステップS08)。ここでステップS08における風量制御部101の処理は、実質的には、通常運転モード時(ステップS03)における処理と変わらない。しかしながら、風量上昇モードにおいてはステップS07にて冷却空気の温度(ダクト給気温度設定値TDs)が18℃から19℃に上昇しているため、室内環境における熱量の流れが一定の場合、同等の風量で運転する限り室内の温度(室内温度計測値TR)が徐々に上昇し偏差ΔTが拡大する。そうすると、風量制御部101のステップS08の処理により風量が増大する結果となる。
しかし、VAV12から送出される冷却空気の風量が増大すると、室内の温度は再び下がり始め、偏差ΔTが減少する方向へ向かう。つまり風量制御部101は、この段階においては、風量の増減を繰り返しながら、19℃の冷却空気をもって室内温度計測値TRを設定温度計測値TD(=26℃)で安定させるような風量の調整を行う。この場合、18℃よりも高い温度(19℃)の冷却空気をもって室内温度を一定にしようとする制御を行うので、VAV12から送出される風量は、当然、通常運転モード(ダクト給気温度設定値TDs=18℃)で運転していた時よりも増加する。
後述するステップS10の判定により、開度Vが第2開度閾値Vth2以上とならない限りにおいて、給気温度制御部100及び風量制御部101は、ステップS07及びステップS08の処理を繰り返す。例えばある段階のステップS08で、給気温度制御部100がダクト給気温度設定値TDsをさらに19℃から20℃に上昇させたとする。そうすると風量制御部101は、引き続き風量の増減を繰り返しながら、今度は20℃の冷却空気をもって、室内温度計測値TRを設定温度計測値TD(=26℃)で安定させるような風量の調整を行う。この場合、VAV12から送出される風量はさらに増加する。
このように、風量上昇モード時の運転では、給気温度制御部100がダクト給気温度設定値TDsを通常運転モード時における温度(=18℃)よりも高い温度(19℃、20℃、・・・)と上昇させていくことで、これに応じて風量制御部101が室内の温度(室内温度計測値TR)を一定に保つべく、徐々に冷却空気の風量を増加させていく。結果として風量制御部101は、VAV12から吹き出される冷却空気の風量を、利用者がその風圧を体感できる風量とする風圧体感開度Vaに設定することなる。
なお、風量上昇モードにおける運転中においても、利用者から運転終了の指示を受け付けた場合(ステップS09にてYES)には、空調制御装置10は空調制御システム1の制御を終了する。利用者からの運転終了の指示を受け付けていない場合(ステップS09にてNO)には制御を継続する。空調制御装置10は、風量上昇モードで運転を終了した場合において再度利用者から運転開始の指示を受け付けた場合には、改めてステップS01(通常運転モード)から制御を開始する。
次に運転モード判定部102は、風量制御部101から現時点における開度Vの値を入力し、開度Vが予め定められた第2開度閾値Vth2以上となっているか否かを判定する(ステップS10)。ここで、現時点において開度Vが第2開度閾値Vth2を下回っている場合(ステップS10にてNO)は、給気温度制御部100及び風量制御部101がステップS07、ステップS08の処理を繰り返す。つまり運転モード判定部102は、給気温度制御部100に対し風量上昇モードを示す運転モード情報の出力を継続する。
なお第2開度閾値Vth2は、例えば、VAV12で設定可能な開度Vの最大値である最大開度Vmaxであってもよい。
なおステップS07、ステップS08の処理が繰り返される中でダクト給気温度設定値TDsが徐々に上昇するため、ある時点で風量を最大(開度V=Vmax)にしても室内の温度(室内温度計測値TR)を設定温度計測値TD(=26℃)で安定させることができなくなる場合がある。
そこで、風量上昇モード時において、室内温度設定値TSと室内温度計測値TRとの偏差ΔTが大きくなって開度Vが増加し、開度Vが第2開度閾値Vth2以上となった場合(ステップS10にてYES)を説明する。この場合、運転モード判定部102は、風量上昇モードを終了し、ステップS01に戻って通常運転モードに切り替える処理を行う。給気温度制御部100は、運転モード判定部102から通常運転モードを示す運転モード情報を入力すると、直ちに、ダクト給気温度設定値TDsを通常運転モード時における固定値(=18℃)に変更する。
このようにすることで、冷却空気の温度(ダクト給気温度設定値TDs)が上昇した結果、室内の温度を設定温度計測値TDで安定させることが困難となった場合に、運転モード判定部102が風量上昇モードから通常運転モードに切り替えて、直ちに冷却空気の温度を低下させることができる。したがって、室内の温度を室内温度設定値TS近傍で維持するために必要な風量が大きくなりすぎて、送風のための負荷が過大となる事態を回避することができる。
以上、本実施形態に係る空調制御装置10によれば、空調制御システム1は、VAV12の開度Vが所定の第1開度閾値Vth1以下となり、利用者が一定の風圧を体感できない状態となった場合には、運転モードを風量上昇モードに切り替えて、適宜風量を増加させ、利用者に一定以上の風圧を体感させる。したがって、体の大部分を覆う衣装を身に着けている利用者に対しても、快適な環境を提供することができる。
また、空調制御装置10によれば、空調制御システム1は、風量上昇モードにおいて冷却空気の温度(ダクト給気温度設定値TDs)を上昇させる制御を行う。したがって冷却コイル110における空気の冷却負荷が軽減するので、空調制御システム1全体の消費電力を低減させることができる。
また、空調制御装置10によれば、空調制御システム1は、風量上昇モードにおいて室内の温度を利用者が所望する温度(室内温度設定値TS)に維持することが困難となった場合(開度Vが第2開度閾値Vth2に達した場合)には、直ちに通常運転モードに切り替えて運転を継続する。その結果、冷却空気の温度(ダクト給気温度TD)は低下する。したがって、風量増加モードにおいて室温が上昇してしまい、利用者の快適性が損なわれることを防止することができる。また、上述したように、必要な風量が大きくなりすぎて、送風のための負荷が過大となる事態を回避することができる。
なお以上に説明した本実施形態に係る空調制御装置10は、上述の内容に限定されることはなく、例えば以下のように変更可能である。
例えば、空調制御装置10は、ステップS10の処理(図4)において、開度Vが第2開度閾値Vth2以上となった場合には、直ちに通常運転モードに移行する(ステップS01)処理を行うこととしている。この場合、給気温度制御部100は、風量上昇モード時の運転において上昇中のダクト給気温度設定値TDs(例えば20℃)を直ちに通常運転モード時のダクト給気温度設定値TDs(例えば18℃)に変更することとなる。しかし、他の実施形態に係る給気温度制御部100は、通常運転モードに移行するに際して、徐々にダクト給気温度設定値TDsを低下させていく処理を行ってもよい。
このようにすることで、冷却コイル110の急激な負荷変動を抑制し、消費電力の増加を防止することができる。
また、本実施形態に係る給気温度制御部100は、風量上昇モード時において、ダクト給気温度設定値TDsを徐々に上昇させる処理を行う(ステップS07)こととしている。しかし、他の実施形態に係る給気温度制御部100は、現時点における開度Vが、利用者がその風圧を体感できる風量とする風圧体感開度Vaに維持されている場合に、ダクト給気温度設定値TDsの上昇を一時的に停止する機能を有していてもよい。なおこの場合、給気温度制御部100は、風量制御部101により設定されている開度Vを示す開度情報を直接入力する構成となっているものとする。
このようにすることで、空調制御システム1は、利用者がその風圧を体感できる風量となっている限りにおいて、冷却空気の温度をそれ以上上昇させないので、空調制御システム1は、利用者がその風圧を体感できる風量となって快適性が得られる状態を一層持続させることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態による空調制御システムを、図面を参照して説明する。
なお第2の実施形態に係る各機能構成のうち、第1の実施形態と共通する機能構成については同一の符号を付してその説明を省略する。また本実施形態に係る空調制御システム1の機能構成は、第1の実施形態に係る空調制御システム1の機能構成(図1)と同等であるため、図示を省略する。
図5は、第2の実施形態による空調制御装置の機能構成を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係る空調制御装置10は、給気温度制御部100、風量制御部101及び運転モード判定部102を備えている。ここで、本実施形態に係る風量制御部101は、さらに開度演算部101aを備えている。以下、各機能構成について説明する。
給気温度制御部100は、第1の実施形態と同様、運転モード判定部102が定める運転モードに基づいて、冷媒弁15に冷媒の流量を調整する制御信号を出力する機能部である。
また本実施形態に係る給気温度制御部100は、自身が設定する冷却空気の温度(ダクト給気温度設定値TDs)を示すダクト給気温度情報を、風量制御部101に出力する。
風量制御部101は、第1の実施形態と同様、VAV12に対し、室内温度設定値TSと、室内温度計測値TRとの偏差ΔTに応じた開度Vを示す開度情報を出力する機能部である。通常運転モード時における風量制御部101の処理は、第1の実施形態と同等である。
また、本実施形態に係る風量制御部101は、風量上昇モード時において、開度演算部101aの演算処理に基づいて得られる目標開度Vsを示す開度情報を出力し、VAV12の開度Vを当該目標開度Vsとする制御を行う。この制御の詳細については後述する。
運転モード判定部102は、第1の実施形態と同様、風量制御部101から開度情報を入力し、開度Vに応じて運転すべき運転モードの判定及び設定の切り替えを行う機能部である。本実施形態に係る運転モード判定部102は、設定した運転モードを示す運転モード情報を給気温度制御部100及び風量制御部101に出力する。
次に、本実施形態に係る空調制御装置10の具体的な処理フローについて説明する。
本実施形態に係る空調制御装置10の処理フローは、第1の実施形態(図4)と同等である。ただし、風量上昇モードにおけるVAV12の開度の制御(ステップS08)が以下のような処理となる点が異なる。
まずステップS06で風量上昇モードに切り替わると、給気温度制御部100は、ダクト給気温度設定値TDsを上昇させる処理を行う(ステップS07)。ここで、給気温度制御部100は、ダクト給気温度設定値TDsを18℃から19℃に上昇させたとする。このとき給気温度制御部100は、冷却空気の温度(ダクト給気温度)を19℃に変更する制御を行うとともに、新たに設定したダクト給気温度設定値TDs(=19℃)を示すダクト給気温度情報を風量制御部101に出力する。
ここで、本実施形態に係る風量制御部101は、ステップS08において利用者が所定の風圧を体感できる風量へと変更する際に、風量上昇モードに移行する前後において室内へ供給する熱量が一定となるような目標開度Vsを演算する。
具体的には、風量制御部101は、入力するダクト給気温度情報が示すダクト給気温度設定値TDsと、室内温度センサ14から入力される室内温度計測値TRに基づいて、VAV12に設定すべき開度Vを演算する処理を行う。
具体的には、開度演算部101aは、式(1)に示す演算を行う。
Figure 0006257936
ただし式(1)において、“Vs”は目標開度Vs、“TR”は室内温度計測値TR、“Vth1”は第1開度閾値Vth1である。また“TDs1”は、通常運転モード時において固定値として設定されるダクト給気温度設定値TDsであり、“TDs2”は風量上昇モード時の各時点において設定されるダクト給気温度設定値TDsである。
このように、風量制御部101は、ダクト給気温度の変更後(風量上昇モード時)におけるダクト給気温度(=TDs2)と室内温度計測値TRとの偏差に対する、ダクト給気温度の変更前(通常運転モード時)におけるダクト給気温度(=TDs1)と室内温度計測値TRとの偏差の割合に、当該ダクト給気温度の変更前における開度(第1開度閾値Vth1)を乗じて目標開度Vsを算出する。
ここで、通常運転モード時において、VAV12の開度Vが第1開度閾値Vth1で、室内の温度(室内温度計測値TR)が室内温度設定値TS(=26℃)で保たれている場合を考える。また、このときのダクト給気温度設定値TDsが18℃であったとする。この段階において空調制御システム1は、第1開度閾値Vth1に応じた風量(風量A1とする)で18℃の冷却空気を室内に送風することで、室内の温度を26℃に維持できていると考えられる。
このような状況において、運転モード判定部102が風量上昇モードへの切り替え処理を行い、給気温度制御部100がダクト給気温度設定値TDsを18℃から19℃に上昇させたとする。この場合、室内の温度を引き続き26℃で維持するためには、通常運転モード時において室内に供給していた熱量と、冷却空気が19℃に上昇した風量上昇モード時において、この後に室内に供給する熱量とが一致している必要がある。
ここで、空調制御システム1が室内に供給する熱量は、室内の温度(室内温度計測値TR)と冷却空気の温度(ダクト給気温度設定値TDs)との温度差と、その冷却空気の風量との積に応じた値となる。つまり上記の例では、通常運転モード時において、室内の温度(26℃)と冷却空気の温度(18℃)との温度差が8℃であった状態から、風量上昇モードに移行して冷却空気の温度が19℃となった場合には、室内の温度(26℃)と冷却空気の温度(19℃)との温度差が7℃となって減少する。しかし、風量制御部101が、上記温度差の減少に応じてより大きい風量A2(>A1)を送風すれば、室内に供給する熱量は一定となり、室内の温度26℃を維持することができる。
したがって、風量制御部101は、ステップS08において、室内温度計測値TRと室内温度設定値TSとの偏差ΔTに基づいてVAV12の開度Vを制御するのではなく、式(1)により算出された目標開度Vs(風量A2に対応する開度V)をVAV12に適用する制御を行う。
このようにすることで、空調制御装置10は、風量を増加させつつも、引き続き室内温度を一定に保つことができる。
以上、本実施形態に係る空調制御装置10によれば、第1の実施形態と同様、空調制御システム1は、VAV12の開度Vが所定の第1開度閾値Vth1以下となった場合に適宜風量を増加させ、利用者に一定以上の風圧を体感させることができる。したがって、体の大部分を覆う衣装を身に着けている利用者に対しても、快適な環境を提供することができる。
また第1の実施形態の場合、風量上昇モード時において給気温度制御部100がダクト給気温度設定値TDsを上昇させた後、風量制御部101は、室内温度(室内温度計測値TR)の実際の上昇に伴って風量を増加させる制御を行うため、風量上昇モードに移行してから実際に風量が上昇するまでにタイムラグが生じる。
一方、第2の実施形態の場合、風量上昇モード時において給気温度制御部100がダクト給気温度設定値TDsを上昇させた場合、開度演算部101aは、そのダクト給気温度設定値TDsに基づいて室内の温度を一定に保つべき目標開度Vsを算出し、得られた目標開度Vsを直ちにVAV12の開度Vに適用させる処理を行う。したがって、開度演算部101aにより算出される目標開度Vsが風圧体感開度Vaに到達するまで、給気温度制御部100はダクト給気温度設定値TDsを急速に上昇させることが可能となる。その結果、空調制御システム1は、より迅速に、利用者に一定以上の風圧を体感させる風量にまで上昇させることができる。
なお、以上に説明した本実施形態に係る空調制御装置10は、上述の内容に限定されることはなく、例えば以下のように変更可能である。
例えば、本実施形態に係る風量制御部101の開度演算部101aは、式(1)に基づいて、室内に供給する熱量が一定となるような目標開度Vsを演算する方法を用いていた。しかし、他の実施形態に係る開度演算部101aは、熱量とは異なる別の指標に基づいて目標開度Vsを演算してもよい。具体的には、例えば、風量制御部101は、人間の温冷感を数値化した“PMV値”(Predicted Mean Vote:快適指数等とも言う)に基づいて、目標開度Vsを演算してもよい。なお公知の技術として、このPMV値は、室内温度、風量、着衣量、活動量、輻射温度及び湿度の6つの値をパラメータとして含む既知の演算式から算出することができる。本実施形態に係る開度演算部101aは、PMV値を算出するための演算式を予め記憶している。そして開度演算部101aは、風量上昇モード時において、ダクト給気温度設定値TDsの上昇に応じながら、PMV値が所定の範囲(人が快適性を感じる範囲)に収まるように目標開度Vsを算出することとしてもよい。
また、本実施形態に係る風量制御部101は、風量上昇モードにおいては専ら、開度演算部101aの演算結果に基づく開度VをVAV12に適用する制御を行うものとした。しかし他の実施形態において、風量制御部101は、開度演算部101aの演算結果、及び、室内温度センサ14を介して入力する室内温度計測値TRの両方に基づいてVAV12の開度Vを制御してもよい。より具体的には、例えば、風量制御部101は、開度演算部101aの演算結果に基づいて開度V(風量)を調整した結果、室内の温度が室内温度設定値TSから所定の閾値以上乖離した場合には、そのことを検知して、室内温度計測値TRに基づいた開度V(風量)の制御に切り替えてもよい。
以上に述べた少なくともひとつの実施形態の空調制御装置によれば、上述した給気温度制御部、及び、可変風量部を備えることにより、VAVの開度が所定の開度閾値以下となり、利用者が一定の風圧を体感できない状態となった場合には、適宜風量を増加させ、利用者に一定以上の風圧を体感させる制御を行う。したがって、体の大部分を覆う衣装を身に着けている利用者に対しても、快適な環境を提供することができる。
なお、上述の空調制御装置10は、内部にコンピュータシステムを有している態様であってもよい。そして、上述した空調制御装置10の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)または半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また上述の空調制御装置10は、単一の大部屋、または、仕切られた複数の部屋ごとに備えられた複数の空調制御システム1を同時並列的に制御する機能を備えていてもよい。この場合、空調制御システム1は、一つの室内を制御対象エリアとするのではなく、大部屋における、壁等によって仕切られない一領域を制御対象エリアとしてもよい。
またこの場合、空調制御装置10は、複数の空調制御システム1の外部に備えられ、有線または無線通信手段を介して、空調制御システム1ごとに上述した制御を行うこととしてもよい。
また空調制御システム1は、上述した各機能部が、ネットワークを介して接続された複数の装置に分散して具備されるものであってもよい。一方、各機能部の全てが単一の装置内に具備される場合であっても、当該装置は、各実施形態に係る空調制御システムの範疇に含まれるものとする。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な携帯で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
1・・・空調制御システム
10・・・空調制御装置
100・・・給気温度制御部
101・・・風量制御部
101a・・・開度演算部
102・・・運転モード判定部
11・・・空調機本体部
110・・・冷却コイル
111・・・送風機
12・・・可変風量部(VAV)
13・・・ダクト給気温度センサ
14・・・室内温度センサ
15・・・冷媒弁

Claims (6)

  1. 給気温度設定値に基づき制御対象エリアに供給される空気の温度を調整する空調機と、
    開度設定値に基づき制御対象エリアに供給される空気の風量を調整する可変風量部と、
    制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき空調制御を行う空調制御装置とを有する空調制御システムにおいて、
    制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき前記可変風量部の開度を演算し、該開度が所定の開度閾値以下となるとき、前記空調機の給気温度設定値を上昇させる給気温度制御部と、
    前記給気温度設定値が上昇したとき、制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき、前記可変風量部の開度設定値を増加させる風量制御部と、
    を具備し、
    前記給気温度制御部は、前記開度設定値が前記制御対象エリアにいる利用者が風圧を体感できる予め定められた風圧体感開度に到達するまで前記給気温度設定値を上昇させる
    空調制御システム。
  2. 前記風量制御部は、
    室内へ供給する熱量が一定となるような目標開度を演算するとともに、前記可変風量部の開度設定値を算出された前記目標開度に変更する請求項1に記載の空調制御システム。
  3. 前記風量制御部は、
    給気温度設定値の変更後における前記給気温度設定値と室内温度計測値との偏差に対する、当該給気温度設定値の変更前における前記給気温度設定値と前記室内温度計測値との偏差の割合に、当該給気温度設定値の変更前における前記開度設定値を乗じて前記目標開度を算出するとともに、前記可変風量部の開度設定値を算出された前記目標開度に変更する請求項2に記載の空調制御システム。
  4. 前記風量制御部は、
    少なくとも室内温度と、風量と、をパラメータとして含む快適指数を算出する演算式に基づいて、快適指数が所定の範囲内に収まるように前記開度設定値を変更する請求項1に記載の空調制御システム。
  5. 前記給気温度制御部は、
    制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき前記可変風量部の開度を演算し、該開度が所定の開度閾値以上となるとき、前記空調機の給気温度設定値を低下させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空調制御システム。
  6. 給気温度設定値に基づき制御対象エリアに供給される空気の温度を調整する空調機と、
    開度設定値に基づき制御対象エリアに供給される空気の風量を調整する可変風量部と、
    制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき空調制御を行う空調制御装置とを有する空調制御システムの空調制御方法において、
    制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき前記可変風量部の開度を演算し、該開度が所定の開度閾値以下となるとき、前記空調機の給気温度設定値を上昇させるステップと、
    前記給気温度設定値が上昇したとき、制御対象エリアの温度計測値と温度設定値との偏差に基づき、前記可変風量部の開度設定値を増加させるステップと、
    を具備し、
    前記空調機の給気温度設定値を上昇させるステップでは、前記開度設定値が前記制御対象エリアにいる利用者が風圧を体感できる予め定められた風圧体感開度に到達するまで前記給気温度設定値を上昇させる
    空調制御方法。
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