JP6256877B2 - ポリマー架橋膜の製造方法 - Google Patents

ポリマー架橋膜の製造方法 Download PDF

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本発明は、塗布成膜可能なポリマー架橋膜及びその製造方法並びに該ポリマー架橋膜を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称する)や有機薄膜太陽電池、有機トランジスタ等の有機電子デバイスに関する。
有機EL素子は、発光機能、電荷輸送機能等の種々の機能を有する有機材料を積層させることにより、高性能化を図ることができる。
しかしながら、塗布型有機EL素子の場合、下層が、これに隣接する上層の塗布溶媒によって再溶解してしまうため、積層させることが困難であるという課題を有していた。
これを解決する方法の1つとして、下層に架橋性化合物を用い、塗布成膜後に、熱や光等の外部刺激により化合物を三次元的に架橋し、上層の塗布溶媒に不溶化させるという報告がなされている。
例えば、特許文献1,2には、熱架橋性置換基としてベンゾシクロブテンを含むアリールアミン系ポリマーを塗布成膜後、230℃で1時間のアニーリング処理を行うことにより、有機溶媒に不溶なポリマー架橋膜が得られたことが記載されている。
また、非特許文献1には、光架橋性置換基としてオキセタンを含むポリマーを、光酸発生剤とともに塗布成膜後、3秒間のUV光照射(波長302nm)、90℃で30秒間のアニール処理、テトラヒドロフランによるリンス処理、180℃で5分間のアニール処理を行うことにより、有機溶媒に不溶なポリマー架橋膜が得られたことが記載されている。
特開2013−128082号公報 特開2014−1399号公報
C.D.Muller et al., Nature 421, p.829-833 (2003)
上記のように、架橋性化合物を用いることにより、積層構造を有する塗布型有機EL素子を作製することが可能である。
しかしながら、従来の方法では、高温で長時間のアニーリング処理やUV光照射が必要であるため、有機EL素子の製造時間及びコストの増大が懸念される。
したがって、積極的な外部刺激を用いずに、低温で短時間で効率的にポリマーを架橋する方法が望まれる。
本発明は、上記技術課題を解決するためになされたものであり、低温で短時間で効率的にポリマーを架橋して得られるポリマー架橋膜及びその製造方法並びに該ポリマー架橋膜を用いた有機電子デバイスを提供することを目的とするものである。
本発明に係るポリマー架橋膜は、塩基性溶媒にアリールアミン系ポリマー及び酸化剤を溶解した溶液を塗布して形成されたものであることを特徴とする。
このようなポリマー架橋膜は、塗布溶液の溶媒を乾燥させるのみで簡便に得られるものである。
前記アリールアミン系ポリマーは、少なくとも1つ以上の水素原子を有する芳香族炭化水素もしくは複素環式化合物を含むものであることが好ましい。
このような化合物が、有機EL材料において、低温で架橋性を有する化合物として好適である。
特に、一般的な有機EL材料であるポリ(N−ビニルカルバゾール)が好適に用いられる。
また、前記酸化剤は、リンモリブデン酸水和物であることが好ましい。
リンモリブデン酸水和物は、前記アリールアミン系ポリマーとの反応性との観点から好適である。
また、本発明に係るポリマー架橋膜の製造方法は、塩基性溶媒にアリールアミン系ポリマー及び酸化剤を溶解した溶液を調製する工程と、前記溶液を塗布する工程と、前記塩基性溶媒を乾燥する工程とを含むことを特徴とする。
このような方法によれば、前記ポリマー架橋膜を低温かつ短時間で簡便に形成することができる。
前記塩基性溶媒の乾燥は、200℃以下の温度で行うことが好ましい。
このような低温処理によれば、低コストで効率的に塗布膜を作製することができる。
また、前記塩基性溶媒の乾燥工程の後、前記酸化剤のみが溶解する溶媒でリンスし、該酸化剤の一部を除去する工程を含むことが好ましい。
このように、塗布膜表面に残留する酸化剤を除去しておくことにより、前記ポリマー架橋膜を用いた電子デバイスの特性をより向上させることができる。
さらに、本発明によれば、前記ポリマー架橋膜を含むことを特徴とする有機電子デバイスが提供される。前記有機電子デバイスとしては、具体的には、有機EL素子又は有機薄膜太陽電池に好適に適用することができる。
本発明に係るポリマー架橋膜は、塗布溶液の溶媒を乾燥させるのみで簡便に得られる。
また、本発明に係る製造方法によれば、前記ポリマー架橋膜を低温で短時間で効率的に得ることができる。
さらに、前記ポリマー架橋膜を用いることにより、塗布プロセスによる有機EL素子等の有機電子デバイスの作製が簡便となり、これらのデバイス特性の向上にも寄与し得る。
実施例1における塗布溶液のUV−vis−NIR吸収スペクトルである。 実施例1における薄膜のUV−vis−NIR吸収スペクトルである。 実施例2におけるFD−MSスペクトルである。 実施例2における1H−NMRスペクトルである。 実施例3の有機EL素子の層構造を模式的に示した概略断面図である。 実施例3,4、比較例2の素子の電流密度−電圧特性と輝度−電圧特性を示したグラフである。 実施例3,4、比較例2の素子の外部量子効率−輝度特性を示したグラフである。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るポリマー架橋膜は、塩基性溶媒にアリールアミン系ポリマー及び酸化剤を溶解した溶液を塗布して形成されたものである。
アリールアミン系ポリマーと酸化剤の混合物を塩基性溶媒を用いて塗布成膜すると、溶媒を乾燥させるための極めて短時間かつ低温でのアニーリング処理で、アリールアミン系ポリマーを架橋させることができる。
すなわち、本発明に係るポリマー架橋膜は、従来のような積極的な外部刺激による架橋反応を用いずに、溶媒を乾燥させるのみでポリマー架橋膜を形成することができる。したがって、有機層を塗布積層する際に、上層の塗布に用いられる溶媒に対する耐溶媒性(不溶性)を有する良好な塗布膜として簡便に得ることができる。
上記のような本発明に係るポリマー架橋膜は、塩基性溶媒にアリールアミン系ポリマー及び酸化剤を溶解した溶液を調製する工程と、前記溶液を塗布する工程と、前記塩基性溶媒を乾燥する工程とを経ることにより製造することができる。
前記塗布工程においては、まず、塩基性溶媒を用いてアリールアミン系ポリマーと酸化剤の溶液を調製する。
塩基性溶媒以外の溶媒を用いて、アリールアミン系ポリマー及び酸化剤の溶液を調製しても、ポリマーが直ちに架橋し、塗布膜を得ることはできない(後述の比較例1参照)。
本発明で用いられる塩基性溶媒は、求核性を有し、生成したラジカルカチオンと強い相互作用を示す溶媒であれば、特に限定されるものではない。具体的には、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルフィド、エチルメチルスルフィド等のスルフィド類、アセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トリエチルアミン、ピリジン等のアミン類、アセトアミド、N,N−ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。
なお、前記塩基性溶媒以外に、その他の溶媒を混合して溶液を調製することもできる。
また、本発明でいうアリールアミン系ポリマーとは、アリールアミンを含むポリマーであれば、特に限定されるものではないが、少なくとも1つ以上の水素原子を有する芳香族炭化水素もしくは複素環式化合物を含むものであることが好ましい。
以下、具体的な化合物を例示するが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006256877
上記(化1)に示す化合物のうち、特に、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)(1)が好適に用いられる。
また、前記アリールアミン系ポリマーとともに塩基性溶媒に混合される酸化剤は、アリールアミン系ポリマーを酸化してラジカルカチオンを生成させる化合物であれば、特に限定されるものではない。具体的には、硫酸、硝酸、リン酸等の無機強酸、塩化鉄(III)、塩化アルミニウム(III)、五塩化アンチモン等の金属塩化物、ベンゼンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機強酸、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル、ヨウ素等の有機もしくは無機電子受容体等を例示することができる。
特に、リンモリブデン酸水和物(PMA)が好適に用いることができる。
そして、上記で調製したアリールアミン系ポリマーと酸化剤を塩基性溶媒に溶解した溶液を基板上に塗布し、薄膜を形成する。
塗布方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、キャスト法、スプレー法等、インクジェット法、ディップ法、自己組織化法、LB法、スクリーンプリント、ロールトゥロール法等を用いることができる。
次に、塩基性溶媒を乾燥する工程において、前記塗布工程で形成した薄膜にアニーリング処理を施し、前記塩基性溶媒を乾燥させる。
溶媒の乾燥温度及び時間は、用いる塩基性溶媒に応じて適宜設定することができる。一般的には、100〜200℃で1〜30分程度の短時間のアニーリング処理でポリマーを架橋することができる。
好ましくは、200℃以下の温度で乾燥する。200℃以下の低温乾燥が可能であれば、塗布成膜の低コスト化、効率化を図ることができ、また、本発明に係るポリマー架橋膜を、塗布基板としてガラス基板等よりも融点の低い樹脂基板、フレキシブル基板へも好適に適用することが可能となる。
本発明に係るポリマー架橋膜は、以下のような生成メカニズムで得られると推測される。以下、代表例として、アリールアミン系ポリマーにPVK、酸化剤にPMA、塩基性溶媒にアセトニトリルを用いた場合について説明する。
Figure 0006256877
上記(化2)に示すように、まず、溶液中で酸化剤のPMAによってPVKが酸化され、ラジカルカチオンが生成する。これらのラジカルカチオンは、塩基性溶媒のアセトニトリルによって溶媒和し、ラジカルカチオン同士のカップリング反応が抑制される。このため、塗布成膜後、アセトニトリルが乾燥すると、ラジカルカチオン同士が直ちに反応し、PVKが架橋する。
すなわち、本発明においては、架橋反応として、酸化剤によるアリールアミン系ポリマーの酸化カップリングを用いる。このとき、塩基性溶媒を用いることにより、反応中間体のラジカルカチオンを安定化させ、反応を抑制する。塗布成膜後に、塩基性溶媒が乾燥すると反応が開始し、架橋・不溶化するものと考えられる。
したがって、下記(化3)に模式的に示すように、一般的な有機ELポリマー材料であるPVKを、塗布成膜後に110℃にて3分間乾燥させるのみで架橋・不溶化させることができる。
Figure 0006256877
上記製造方法においては、前記塩基性溶媒の乾燥工程の後、前記酸化剤のみが溶解する溶媒でリンスし、該酸化剤の一部を除去する工程を含むことが好ましい。
前記酸化剤が電子アクセプタとして作用し、有機層における励起子の電荷分離等を誘因する等により、電子デバイス等の特性に影響を及ぼすことから、このように、塗布膜表面に残留する酸化剤を除去しておくことが好ましい。
本発明によれば、上記のように、低温かつ短時間で有機電子デバイスに有用なポリマー架橋膜を不溶性の塗布膜として形成することができるため、該架橋膜に隣接する上層の塗布積層が可能となり、有機EL素子や有機薄膜太陽電池等の有機電子デバイスにおける有機層を塗布プロセスにて作製することが可能となる。
上記のようなポリマー架橋膜を有する本発明に係る有機電子デバイスの層構造は、1対の電極間に少なくとも1層の有機層を備えた構造からなる。有機EL素子を例として、これらの層構造を具体的に示すと、例えば、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子注入層/陰極の順に積層された層構成が挙げられる。また、複数の発光ユニットが電荷発生層を介して直列式に積層されたマルチフォトンエミッション型有機EL素子であってもよい。
このような層構成を有する有機EL素子において、上記のようにして形成されるPVKの架橋膜は、例えば、ホール輸送層として好適に適用することができる(後述する実施例参照)。
なお、本発明に係るポリマー架橋膜が適用される有機EL素子は、上記層構造に限定されるものではなく、電子輸送層、ホール輸送発光層、電子輸送発光層等をも含む公知の積層構造であってもよい。
また、前記有機EL素子の構成層のうち、本発明に係るポリマー架橋膜以外の層に用いられる成膜材料は、特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることができ、低分子系又は高分子系のいずれであってもよい。
また、前記有機EL素子の各構成層の膜厚は、各層同士の適応性や求められる全体の層厚さ等を考慮して、適宜状況に応じて定められるが、通常、0.5nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
上記各層の形成方法は、蒸着法、スパッタリング法等などのドライプロセスでもよいが、本発明は、特に、有機層すべてを塗布プロセスにより形成可能となる点に利点を有しており、スピンコート法、インクジェット法、キャスティング法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、ナノパーティクル分散液を用いる方法等のウェットプロセスを好適に適用することができる。
これにより、簡便で効率的な塗布成膜による有機電子デバイスの作製が可能となる。
また、電極は、公知の材料及び構成でよく、特に限定されるものではない。例えば、有機EL素子の場合には、ガラスやポリマーからなる透明基板上に透明導電性薄膜が形成されたものが用いられ、ガラス基板に陽極として酸化インジウム錫(ITO)電極が形成された、いわゆるITO基板が一般的である。一方、陰極は、Al等の仕事関数の小さい(4eV以下)金属や合金、導電性化合物により構成される。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(塗布溶液の調製と架橋膜の形成)
[実施例1]
ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK;重量平均分子量828,600、数平均分子量178,400)と、酸化剤であるリンモリブデン酸・n水和物(PMA;関東化学株式会社製)との重量比4:1の混合物4.0mgを、クロロベンゼンと1,2−ジクロロエタンとアセトニトリルの体積比2:2:1の混合溶媒1.0mLに溶解させ、緑色透明溶液を得た。
この溶液を石英基板上にスピンコートによって塗布し、110℃にて3分間アニーリングし、無色透明薄膜を得た。
[比較例1]
実施例1において、アセトニトリルの代わりに酢酸ブチルを用い、それ以外については実施例1と同様に塗布溶液を調製したところ、直ちに不溶性の固体が析出し、塗布することができなかった。
(UV−vis−NIR吸収スペクトル測定)
実施例1で得られた塗布溶液と薄膜のUV−vis−NIR吸収スペクトルを測定した。これらの結果を、図1,2にそれぞれ示す。
図1,2に示したスペクトルから分かるように、塗布溶液については、PVKのラジカルカチオンに由来するブロードな吸収帯が600〜1000nmの波長領域に観測された。一方、薄膜については、PVKのラジカルカチオンに由来する吸収帯の消失が確認された。さらに、薄膜を1,2−ジクロロエタンを用いてリンス処理したところ、スペクトルに変化はなく、PVKが架橋・不溶化していることが確認された。
以上の結果から、PMAによるPVKの架橋反応は、PVKのラジカルカチオンを反応中間体として経由すると考えられる。
[実施例2]
実施例1において、PVKの代わりに低分子のN−エチルカルバゾール(ECz)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、塗布溶液を調製し、薄膜を得た。
この薄膜を溶媒によって抽出し、FD−MSと1H−NMRを用いて生成物を分析した。これらの結果を、図3,4にそれぞれ示す。
図3に示したFD−MSスペクトルから、ECzとそのダイマーの分子量が確認された。
また、図4に示した1H−NMRスペクトルにおいて、ECzダイマー由来のシングレットのピーク(Ha)とECz由来のダブレットのピーク(Hb)の積分比が1:36であることから、反応率2.7%と算出される。この値は、数平均分子量178,400のPVKのゲル化に必要な反応率の理論値0.1%に比べて十分に高いと言える。
[実施例3]
ホール輸送層としてPVK架橋膜を用いた有機EL素子を作製した。
まず、ITO付ガラス基板上に、感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像及びエッチングを行い、ストライプ状のパターンを形成した。このパターン形成したITO付きガラス基板を中性洗剤、超純水、アセトン、2−プロパノールの順番で超音波洗浄し、2−プロパノールにて煮沸後、UVオゾン処理を20分間行った。
このITO付きガラス基板上に、以下に示す条件にて各層を成膜し、有機EL素子を作製した。なお、ホール注入層の成膜以降の工程は、グローブボックス内の窒素雰囲気下にて行った。
・ホール注入層(膜厚30nm):超純水で60%に希釈したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)(ヘレウス株式会社製CleviosTMCH8000)の分散液を大気下でスピンコートした後、200℃にて10分間乾燥した。
・ホール輸送層(膜厚20nm):実施例1と同様にして、塗布溶液を調製し、PVK架橋膜を形成した。
・発光層(30nm):2,4,6−トリス(3−(カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン(TCPy)とトリス(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジン)イリジウム(III)(Ir(Fppy)3)の重量比23:2の混合物の1,2−ジクロロエタン溶液をスピンコートした後、100℃にて10分間乾燥した。
・電子注入・輸送層(30nm):2,2’,2”−(1,3,5−ベンジントリイル)トリス(1−フェニル−1−H−ベンゾイミダゾール)(TPBi)と炭酸セシウム(Cs2CO3)の重量比9:1の混合物のメタノール溶液をスピンコートした後、50℃にて10分間乾燥した。
・陰極(100nm):アルミニウムを真空蒸着にて成膜した。
なお、TCPy、Ir(Fppy)3、TPBiの構造式を下記に示す。
Figure 0006256877
上記のようにして作製した有機EL素子の層構成を簡略化して表すと、ITO/PEDOT:PSS(30nm)/PVK:PMA(20nm)/TCPy:Ir(Fppy)3(30nm)/TPBi:Cs2CO3(30nm)/Alである。図5に、この素子の構造の概略を示す。
[実施例4]
実施例3において、ホール輸送層の成膜後に、PMAの良溶媒であるアセトニトリルを用いてリンス処理を行い、PMAをホール輸送層から除去し、それ以外については実施例3と同様にして、素子を作製した。
[比較例2]
実施例3において、ホール輸送層を形成せずに、それ以外については実施例3と同様にして、素子を作製した。
この有機EL素子の層構成を簡略化して表すと、ITO/PEDOT:PSS(30nm)/TCPy:Ir(Fppy)3(30nm)/TPBi:Cs2CO3(30nm)/Alである。
上記実施例3,4及び比較例2の素子の電流密度−電圧特性と輝度−電圧特性のグラフを図6に、外部量子効率−輝度特性のグラフを図7に、それぞれ示す。
図6,7に示したグラフから分かるように、架橋したPVKをホール輸送層として挿入した素子(実施例3,4)は、低電圧駆動し、高い効率を示すことが認められた。
さらに、ホール輸送層をアセトニトリルでリンスした素子(実施例4)において、最も高い効率(1,000cdm-2時に18%)が観測された。
このことから、有機層をすべて塗布積層した青色リン光有機EL素子において高い外部量子効率が得られることが認められた。

Claims (4)

  1. 塩基性溶媒にアリールアミン系ポリマー及び酸化剤を溶解した溶液を調製する工程と、前記溶液を塗布する工程と、前記塩基性溶媒を乾燥する工程とを含むことを特徴とするポリマー架橋膜の製造方法。
  2. 前記塩基性溶媒の乾燥は、200℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1記載のポリマー架橋膜の製造方法。
  3. 前記塩基性溶媒の乾燥工程の後、前記酸化剤のみが溶解する溶媒でリンスし、該酸化剤の一部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマー架橋膜の製造方法。
  4. 前記酸化剤が、リンモリブデン酸水和物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー架橋膜の製造方法
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