JP6256877B2 - ポリマー架橋膜の製造方法 - Google Patents
ポリマー架橋膜の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6256877B2 JP6256877B2 JP2014072657A JP2014072657A JP6256877B2 JP 6256877 B2 JP6256877 B2 JP 6256877B2 JP 2014072657 A JP2014072657 A JP 2014072657A JP 2014072657 A JP2014072657 A JP 2014072657A JP 6256877 B2 JP6256877 B2 JP 6256877B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- organic
- film
- coating
- solvent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CCC(C*C)[n](c(ccc(*1c2ccccc2-c2c1cccc2)c1)c1c1c2)c1ccc2N1C2=CCCC=C2c2ccccc12 Chemical compound CCC(C*C)[n](c(ccc(*1c2ccccc2-c2c1cccc2)c1)c1c1c2)c1ccc2N1C2=CCCC=C2c2ccccc12 0.000 description 8
- ZBQHLXDUOAQDFU-UHFFFAOYSA-N CCC(C)C1C=CC([n]2c(cc(c(cccc3)c3[n]3-c4ccccc4)c3c3)c3c3ccccc23)=CC1C Chemical compound CCC(C)C1C=CC([n]2c(cc(c(cccc3)c3[n]3-c4ccccc4)c3c3)c3c3ccccc23)=CC1C ZBQHLXDUOAQDFU-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- FRBXJTBBYKOZIB-UHFFFAOYSA-N CCC(C)[n]1c(ccc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)c2)c2c2ccccc12 Chemical compound CCC(C)[n]1c(ccc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)c2)c2c2ccccc12 FRBXJTBBYKOZIB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
しかしながら、塗布型有機EL素子の場合、下層が、これに隣接する上層の塗布溶媒によって再溶解してしまうため、積層させることが困難であるという課題を有していた。
例えば、特許文献1,2には、熱架橋性置換基としてベンゾシクロブテンを含むアリールアミン系ポリマーを塗布成膜後、230℃で1時間のアニーリング処理を行うことにより、有機溶媒に不溶なポリマー架橋膜が得られたことが記載されている。
しかしながら、従来の方法では、高温で長時間のアニーリング処理やUV光照射が必要であるため、有機EL素子の製造時間及びコストの増大が懸念される。
このようなポリマー架橋膜は、塗布溶液の溶媒を乾燥させるのみで簡便に得られるものである。
このような化合物が、有機EL材料において、低温で架橋性を有する化合物として好適である。
特に、一般的な有機EL材料であるポリ(N−ビニルカルバゾール)が好適に用いられる。
リンモリブデン酸水和物は、前記アリールアミン系ポリマーとの反応性との観点から好適である。
このような方法によれば、前記ポリマー架橋膜を低温かつ短時間で簡便に形成することができる。
このような低温処理によれば、低コストで効率的に塗布膜を作製することができる。
このように、塗布膜表面に残留する酸化剤を除去しておくことにより、前記ポリマー架橋膜を用いた電子デバイスの特性をより向上させることができる。
また、本発明に係る製造方法によれば、前記ポリマー架橋膜を低温で短時間で効率的に得ることができる。
さらに、前記ポリマー架橋膜を用いることにより、塗布プロセスによる有機EL素子等の有機電子デバイスの作製が簡便となり、これらのデバイス特性の向上にも寄与し得る。
本発明に係るポリマー架橋膜は、塩基性溶媒にアリールアミン系ポリマー及び酸化剤を溶解した溶液を塗布して形成されたものである。
アリールアミン系ポリマーと酸化剤の混合物を塩基性溶媒を用いて塗布成膜すると、溶媒を乾燥させるための極めて短時間かつ低温でのアニーリング処理で、アリールアミン系ポリマーを架橋させることができる。
すなわち、本発明に係るポリマー架橋膜は、従来のような積極的な外部刺激による架橋反応を用いずに、溶媒を乾燥させるのみでポリマー架橋膜を形成することができる。したがって、有機層を塗布積層する際に、上層の塗布に用いられる溶媒に対する耐溶媒性(不溶性)を有する良好な塗布膜として簡便に得ることができる。
塩基性溶媒以外の溶媒を用いて、アリールアミン系ポリマー及び酸化剤の溶液を調製しても、ポリマーが直ちに架橋し、塗布膜を得ることはできない(後述の比較例1参照)。
なお、前記塩基性溶媒以外に、その他の溶媒を混合して溶液を調製することもできる。
以下、具体的な化合物を例示するが、これらに限定されるものではない。
特に、リンモリブデン酸水和物(PMA)が好適に用いることができる。
塗布方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、キャスト法、スプレー法等、インクジェット法、ディップ法、自己組織化法、LB法、スクリーンプリント、ロールトゥロール法等を用いることができる。
溶媒の乾燥温度及び時間は、用いる塩基性溶媒に応じて適宜設定することができる。一般的には、100〜200℃で1〜30分程度の短時間のアニーリング処理でポリマーを架橋することができる。
すなわち、本発明においては、架橋反応として、酸化剤によるアリールアミン系ポリマーの酸化カップリングを用いる。このとき、塩基性溶媒を用いることにより、反応中間体のラジカルカチオンを安定化させ、反応を抑制する。塗布成膜後に、塩基性溶媒が乾燥すると反応が開始し、架橋・不溶化するものと考えられる。
前記酸化剤が電子アクセプタとして作用し、有機層における励起子の電荷分離等を誘因する等により、電子デバイス等の特性に影響を及ぼすことから、このように、塗布膜表面に残留する酸化剤を除去しておくことが好ましい。
このような層構成を有する有機EL素子において、上記のようにして形成されるPVKの架橋膜は、例えば、ホール輸送層として好適に適用することができる(後述する実施例参照)。
また、前記有機EL素子の構成層のうち、本発明に係るポリマー架橋膜以外の層に用いられる成膜材料は、特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることができ、低分子系又は高分子系のいずれであってもよい。
また、前記有機EL素子の各構成層の膜厚は、各層同士の適応性や求められる全体の層厚さ等を考慮して、適宜状況に応じて定められるが、通常、0.5nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
これにより、簡便で効率的な塗布成膜による有機電子デバイスの作製が可能となる。
[実施例1]
ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK;重量平均分子量828,600、数平均分子量178,400)と、酸化剤であるリンモリブデン酸・n水和物(PMA;関東化学株式会社製)との重量比4:1の混合物4.0mgを、クロロベンゼンと1,2−ジクロロエタンとアセトニトリルの体積比2:2:1の混合溶媒1.0mLに溶解させ、緑色透明溶液を得た。
この溶液を石英基板上にスピンコートによって塗布し、110℃にて3分間アニーリングし、無色透明薄膜を得た。
実施例1において、アセトニトリルの代わりに酢酸ブチルを用い、それ以外については実施例1と同様に塗布溶液を調製したところ、直ちに不溶性の固体が析出し、塗布することができなかった。
実施例1で得られた塗布溶液と薄膜のUV−vis−NIR吸収スペクトルを測定した。これらの結果を、図1,2にそれぞれ示す。
図1,2に示したスペクトルから分かるように、塗布溶液については、PVKのラジカルカチオンに由来するブロードな吸収帯が600〜1000nmの波長領域に観測された。一方、薄膜については、PVKのラジカルカチオンに由来する吸収帯の消失が確認された。さらに、薄膜を1,2−ジクロロエタンを用いてリンス処理したところ、スペクトルに変化はなく、PVKが架橋・不溶化していることが確認された。
以上の結果から、PMAによるPVKの架橋反応は、PVKのラジカルカチオンを反応中間体として経由すると考えられる。
実施例1において、PVKの代わりに低分子のN−エチルカルバゾール(ECz)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、塗布溶液を調製し、薄膜を得た。
この薄膜を溶媒によって抽出し、FD−MSと1H−NMRを用いて生成物を分析した。これらの結果を、図3,4にそれぞれ示す。
図3に示したFD−MSスペクトルから、ECzとそのダイマーの分子量が確認された。
また、図4に示した1H−NMRスペクトルにおいて、ECzダイマー由来のシングレットのピーク(Ha)とECz由来のダブレットのピーク(Hb)の積分比が1:36であることから、反応率2.7%と算出される。この値は、数平均分子量178,400のPVKのゲル化に必要な反応率の理論値0.1%に比べて十分に高いと言える。
ホール輸送層としてPVK架橋膜を用いた有機EL素子を作製した。
まず、ITO付ガラス基板上に、感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像及びエッチングを行い、ストライプ状のパターンを形成した。このパターン形成したITO付きガラス基板を中性洗剤、超純水、アセトン、2−プロパノールの順番で超音波洗浄し、2−プロパノールにて煮沸後、UVオゾン処理を20分間行った。
このITO付きガラス基板上に、以下に示す条件にて各層を成膜し、有機EL素子を作製した。なお、ホール注入層の成膜以降の工程は、グローブボックス内の窒素雰囲気下にて行った。
・ホール注入層(膜厚30nm):超純水で60%に希釈したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)(ヘレウス株式会社製CleviosTMCH8000)の分散液を大気下でスピンコートした後、200℃にて10分間乾燥した。
・ホール輸送層(膜厚20nm):実施例1と同様にして、塗布溶液を調製し、PVK架橋膜を形成した。
・発光層(30nm):2,4,6−トリス(3−(カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン(TCPy)とトリス(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジン)イリジウム(III)(Ir(Fppy)3)の重量比23:2の混合物の1,2−ジクロロエタン溶液をスピンコートした後、100℃にて10分間乾燥した。
・電子注入・輸送層(30nm):2,2’,2”−(1,3,5−ベンジントリイル)トリス(1−フェニル−1−H−ベンゾイミダゾール)(TPBi)と炭酸セシウム(Cs2CO3)の重量比9:1の混合物のメタノール溶液をスピンコートした後、50℃にて10分間乾燥した。
・陰極(100nm):アルミニウムを真空蒸着にて成膜した。
なお、TCPy、Ir(Fppy)3、TPBiの構造式を下記に示す。
実施例3において、ホール輸送層の成膜後に、PMAの良溶媒であるアセトニトリルを用いてリンス処理を行い、PMAをホール輸送層から除去し、それ以外については実施例3と同様にして、素子を作製した。
実施例3において、ホール輸送層を形成せずに、それ以外については実施例3と同様にして、素子を作製した。
この有機EL素子の層構成を簡略化して表すと、ITO/PEDOT:PSS(30nm)/TCPy:Ir(Fppy)3(30nm)/TPBi:Cs2CO3(30nm)/Alである。
図6,7に示したグラフから分かるように、架橋したPVKをホール輸送層として挿入した素子(実施例3,4)は、低電圧駆動し、高い効率を示すことが認められた。
さらに、ホール輸送層をアセトニトリルでリンスした素子(実施例4)において、最も高い効率(1,000cdm-2時に18%)が観測された。
このことから、有機層をすべて塗布積層した青色リン光有機EL素子において高い外部量子効率が得られることが認められた。
Claims (4)
- 塩基性溶媒にアリールアミン系ポリマー及び酸化剤を溶解した溶液を調製する工程と、前記溶液を塗布する工程と、前記塩基性溶媒を乾燥する工程とを含むことを特徴とするポリマー架橋膜の製造方法。
- 前記塩基性溶媒の乾燥は、200℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1記載のポリマー架橋膜の製造方法。
- 前記塩基性溶媒の乾燥工程の後、前記酸化剤のみが溶解する溶媒でリンスし、該酸化剤の一部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマー架橋膜の製造方法。
- 前記酸化剤が、リンモリブデン酸水和物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー架橋膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014072657A JP6256877B2 (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | ポリマー架橋膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014072657A JP6256877B2 (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | ポリマー架橋膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015193745A JP2015193745A (ja) | 2015-11-05 |
JP6256877B2 true JP6256877B2 (ja) | 2018-01-10 |
Family
ID=54433084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014072657A Expired - Fee Related JP6256877B2 (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | ポリマー架橋膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6256877B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101752600B1 (ko) | 2016-07-08 | 2017-06-29 | 성균관대학교산학협력단 | 유기 발광 장치 및 이의 제조방법 |
TW202033680A (zh) * | 2018-09-17 | 2020-09-16 | 天光材料科技股份有限公司 | 聚合物-多金屬氧酸鹽複合塗佈液及其應用 |
CN113491959B (zh) * | 2020-03-20 | 2023-09-22 | 国家纳米科学中心 | 一种多孔聚合物薄膜及其制备方法与应用 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1827666B (zh) * | 2006-02-10 | 2010-04-14 | 华南理工大学 | 含磺酸基团取代三芳胺类化合物组分的共轭聚合物及应用 |
US20080145697A1 (en) * | 2006-12-13 | 2008-06-19 | General Electric Company | Opto-electronic devices containing sulfonated light-emitting copolymers |
JP5591052B2 (ja) * | 2010-09-30 | 2014-09-17 | ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド | 有機電界発光素子 |
WO2013096921A1 (en) * | 2011-12-22 | 2013-06-27 | Georgia Tech Research Corporation | Non-crosslinked polystyrene triscarbazole hole transport materials |
-
2014
- 2014-03-31 JP JP2014072657A patent/JP6256877B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015193745A (ja) | 2015-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5617640B2 (ja) | 正孔または電子輸送性薄膜形成用ワニス | |
CN107406714B (zh) | 含有空穴载体材料以及含氟聚合物的组合物及其用途 | |
TWI710607B (zh) | 含有電洞載子化合物和聚合物酸的組成物,以及其用途 | |
TW201606436A (zh) | 可光圖案化組成物、經圖案化的高介電薄膜介電質及相關裝置 | |
US20110006288A1 (en) | Organic luminescent device and manufacturing method thereof | |
TW200838008A (en) | Method for producing electronic device and coating solutions suitable for the production method | |
WO2010058777A1 (ja) | 電荷輸送性材料および電荷輸送性ワニス | |
CN104365180A (zh) | 导电性薄膜积层体的制造方法 | |
TWI771360B (zh) | 塗料組成物 | |
JP6256877B2 (ja) | ポリマー架橋膜の製造方法 | |
JP6579471B2 (ja) | 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 | |
JP2015153864A (ja) | 有機膜及びこれを用いた有機電子デバイス | |
JP5244378B2 (ja) | 有機発光表示装置 | |
JP2019502264A (ja) | 有機エレクトロニクスにおける使用のためのナノ粒子−導電性ポリマー複合体 | |
JPWO2018135581A1 (ja) | スルホン化共役ポリマーを含有するインク組成物 | |
TWI675048B (zh) | 硬化性聚合物、聚合液、導電性膜及有機發光元件 | |
JP6433128B2 (ja) | 有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
JP7447793B2 (ja) | インク組成物 | |
JP7306497B2 (ja) | 非水系インク組成物 | |
JP2015041699A (ja) | 有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
KR20060093205A (ko) | 드라이 에칭을 이용한 유기 발광소자의 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170927 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171110 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171127 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6256877 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |