JP6256851B2 - エッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法、ならびに金属防食剤および金属防食組成物 - Google Patents

エッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法、ならびに金属防食剤および金属防食組成物 Download PDF

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Description

本発明は、エッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法、ならびに金属防食剤および金属防食組成物に関する。
集積回路の製造は多段階の様々な加工工程で構成されている。その製造過程では、様々な材料の堆積、リソグラフィ、エッチング等が幾度も繰り返される。なかでも、エッチングは重要なプロセスとなる。特定の材料を選択的にエッチングし、その他の材料については腐食させることなく残存させなければならない。場合によっては、類似した金属種からなる層同士や、より腐食性の高い材料からなる層を残す形態で所定の層のみを除去することが求められる。半導体基板内の配線や集積回路のサイズはますます小さくなり、残すべき部材を腐食することなく正確にエッチングを行う重要性は益々高まっている。
国際公開第2012/125401号パンフレット
本発明の目的は、所定の金属層の損傷を抑えながら所定の金属層のエッチングを行うことができるエッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法、ならびに金属防食剤および金属防食組成物の提供にある。
上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕化合物Pを含有する半導体プロセス用のエッチング液であって、
上記化合物Pが、複数の吸着基を有し、かつ、重量平均分子量が1000以上であるかもしくは立体反発部位を有する化合物であって、
上記化合物Pが、下記式(1)で表されるエッチング液。
Figure 0006256851
式(1)において、Aは、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基および複素環基から選ばれる少なくとも1つの基を有する基を表す。Rは(m+n)価の連結基を表し、RはRと結合する部分が−S−である2価の連結基を表す。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
〔2〕上記Pが、上記Rと結合する部分が−S−である〔1〕に記載のエッチング液。
〔3〕上記式(1)で表される前記化合物Pが、下記式(2)で表される〔1〕または〔2〕に記載のエッチング液。
Figure 0006256851
式(2)において、mおよびnは上記式(1)におけるmおよびnと同義であり、また、Aは前記式(1)におけるAと同義である。Rは、(m+n)価の連結基を表す。RおよびRは各々独立にRは単結合または2価の連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
〔4〕上記R 、下記(1)〜(17)で表される〔1〕または2〕に記載のエッチング液。
Figure 0006256851
〔5〕さらに、金属溶解成分、pKa4以下の酸助剤、有機溶剤および水のうちの少なくとも1種を含有する〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載のエッチング液。
〔6〕上記酸助剤がホウ酸化合物、リン酸化合物、ホスホン酸化合物、HBF、HBr、またはHClである〔5〕に記載のエッチング液。
〔7〕上記有機溶剤がプロトン性極性有機溶剤である〔5〕に記載のエッチング液。
〔8〕上記金属溶解成分の濃度が0.1質量%以上20質量%以下である〔5〕に記載のエッチング液。
〔9〕上記金属溶解成分がハロゲンイオンである〔5〕または〔8〕に記載のエッチング液。
〔10〕上記ハロゲンイオンがフッ素イオンである〔9〕に記載のエッチング液。
〔11〕上記水を0.1〜50質量%含有する〔5〕に記載のエッチング液。
12〕半導体基板に、エッチング液を適用するエッチング方法であって、
上記エッチング液が、下記式(1)で表され、複数の吸着基を有し重量平均分子量1000以上の化合物P、または、下記式(1)で表され、複数の吸着基を有し立体反発部位を有する化合物Pを含有するエッチング方法。
Figure 0006256851
式(1)において、Aは、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基および複素環基から選ばれる少なくとも1つの基を有する基を表す。Rは(m+n)価の連結基を表し、RはRと結合する部分が−S−である2価の連結基を表す。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
13〕上記エッチング液が、さらに、金属溶解成分、pKa4以下の酸助剤、有機溶剤および水のうちの少なくとも1種を含有する〔12〕に記載のエッチング方法。
14〕シリコンもしくはゲルマニウムのシリサイドを含む第三層とシリコンもしくはゲルマニウム以外の金属種を含む第二層とを有する半導体基板に適用する〔12〕または〔13〕に記載のエッチング方法。
15〕上記第二層が、チタンを含む層である〔14〕に記載のエッチング方法。
16〕TiAlCを含む第四層を含む半導体基板に適用する〔14〕または〔15〕に記載のエッチング方法。
17〕 〔12〕〜〔16〕のいずれか1つに記載のエッチング方法を介して半導体基板製品を製造する半導体基板製品の製造方法。
18〕金属防食剤またはこれを含有する金属防食組成物であって、
上記金属防食剤が、下記式(1)で表され、複数の吸着基を有し重量平均分子量1000以上の化合物P、または、下記式(1)で表され、複数の吸着基を有し立体反発部位を有する化合物Pである金属防食剤またはこれを含有する金属防食組成物。
Figure 0006256851
式(1)において、Aは、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基および複素環基から選ばれる少なくとも1つの基を有する基を表す。Rは(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合又はRと結合する部分が−S−である2価の連結基を表す。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
19〕半導体プロセス用のエッチング液に用いる〔18〕に記載の金属防食剤またはこれを含有する金属防食組成物。
本発明によれば、所定の金属層の損傷を抑えながら所定の金属層のエッチングを行うことができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1は、本発明の一実施形態における半導体基板の作製工程例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態におけるMOSトランジスタの製造例を示す工程図である。 図3は、本発明の別の実施形態に係る基板構造を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の好ましい実施形態に係るウエットエッチング装置の一部を示す装置構成図である。 図5は、本発明の一実施形態における半導体基板に対するノズルの移動軌跡線を模式的に示す平面図である。
まず、本発明のエッチング液の適用に係るエッチング工程の好ましい実施形態について、図1〜3に基づき説明する。
[エッチング工程]
図1はエッチング前後の半導体基板を示した図である。本実施形態の製造例においては、シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)2の上面に金属層(第二層)1が配置されている。シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)としては、ソース電極、ドレイン電極を構成するSiGeエピタキシャル層が適用されている。第一層はSiで構成されていてもよいが、SiGeもしくはGeエピタキシャル層であることが好ましい。
金属層(第二層)1の構成材料としては、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ニッケルプラチナ(NiPt)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)などの金属種(単一金属または複合金属)が挙げられる。金属層の形成は通常この種の金属膜の形成に適用される方法を用いることができ、具体的には、CVD(Chemical Vapor Deposition)による成膜が挙げられる。このときの金属層の厚さは特に限定されないが、5nm以上50nm以下の膜の例が挙げられる。本発明においては、金属層がTi層である場合、エッチング液の除去性能が十分に発揮されるため好ましい。
金属層は、上記に挙げた金属原子以外に、その他の元素を含んでいてもよい。例えば、不可避的に混入する酸素や窒素は存在していてもよい。不可避不純物の量は例えば、1ppt〜10ppm(質量基準)程度に抑えられていることが好ましい。
上記の工程(a)においてシリコンもしくはゲルマニウム含有層2の上側に金属層1が形成された後、アニール(焼結)が行われ、その界面に金属−Si反応膜(第三層:シリサイド層)3が形成される(工程(b))。アニールは通常この種の素子の製造に適用される条件によればよいが、例えば、200〜1000℃で処理することが挙げられる。このときのシリサイド層3の厚さは特に限定されないが、50nm以下の層とされている例が挙げられ、さらに10nm以下の層とされている例が挙げられる。下限値は特にないが、1nm以上であることが実際的である。このシリサイド層は低抵抗膜として適用され、その下部に位置するソース電極、ドレイン電極と、その上部に配置される配線とを電気的に接続する導電部として機能する。したがって、シリサイド層に欠損や腐食が生じるとこの導通が阻害され、素子誤作動等の品質低下につながることがある。特に、昨今、基板内部の集積回路構造は微細化されてきており、微小な損傷であっても素子の性能にとって大きな影響を与えうる。そのため、そのような欠損や腐食は防止されることが望ましい。
なお、本明細書において、広義には、シリサイド層は、第一層のシリコンもしくはゲルマニウム含有層に含まれる概念である。したがって、第一層に対して第二層を選択的に除去するというときには、シリサイド化されていないシリコンもしくはゲルマニウム含有層に対して第二層(金属層)を優先的に除去する態様のみならず、シリサイド層に対して第二層(金属層)を優先的に除去する態様を含む意味である。狭義に、第一層のシリコンもしくはゲルマニウム含有層(シリサイド層を除く)と第三層のシリサイド層とを区別して言うときには、それぞれ第一層および第三層と言う。
次いで、残存した金属層1のエッチングが行われる(工程(b)−>工程(c))。本実施形態においては、このときエッチング液が適用され、金属層1の上側からエッチング液を付与し接触させることで、金属層1を除去する。エッチング液の付与の形態については後述する。
シリコンもしくはゲルマニウム含有層2は、SiGeエピタキシャル層からなり、化学的気相成長(CVD)法により、特定の結晶性を有するシリコン基板上に結晶成長させて形成するとことができる。あるいは、電子線エピタキシ(MBE)法等により、所望の結晶性で形成したエピタキシャル層としてもよい。
シリコンもしくはゲルマニウム含有層をP型の層とするには、濃度が1×1014cm−3〜1×1021cm−3程度のボロン(B)がドープされることが好ましい。N型の層とするには、リン(P)が1×1014cm−3〜1×1021cm−3の濃度でドープされることが好ましい。
第一層がSiGeエピタキシャル層であるとき、そのGe濃度は、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。上限としては、100質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。なお、ゲルマニウム100質量%の場合、そのアニールにより第二層の合金を伴って形成される層は、ゲルマニウムと第二層の特定金属元素を含み、シリコンを含まないが、本明細書では便宜上これを含めてゲルマニウムシリサイド層と称する。
(金属濃度)
本発明において、ゲルマニウム等の金属の濃度は以下の測定方法で測定した値とする。特定の金属を含む層の基板をエッチングESCA(アルバックファイ製 Quantera)にて0〜30nmまでの深さ方向を分析し、3〜15nm分析結果における金属(Ge等)の濃度の平均値をその金属の濃度(質量%)とする。
サリサイド工程を経て、シリサイド層が、上記シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)と金属層(第二層)との間に、シリコン(Si)もしくはゲルマニウム(Ge)および第二層の成分(上記特定金属種)を含有する層として形成される。このシリサイド層は広義には上記第一層に含まれるが、狭義にこれと区別して呼ぶとき「第三層」と言う。その組成は、特に限定されないが、ゲルマニウムを含有するゲルマニウムシリサイド層であることが好ましい。SixGeyMz(M:金属元素)の式で、x+y+z=1として、0.2≦x+y≦0.8であることが好ましく、0.3≦x+y≦0.7であることがより好ましい。zについては、0.2≦z≦0.8であることが好ましく、0.3≦z≦0.7であることがより好ましい。xとyとの比率の好ましい範囲は上記で規定したとおりである。ただし、第三層にはその他の元素が含まれていてもよい。そのことは、上記金属層(第二層)で述べたことと同様である。
半導体基板には、上記のシリサイド材料以外に、エッチングされることを望まない材料が存在することがある。本実施形態のエッチング液においては、エッチングされることを望まない材料の腐食などを最小限にすることが好ましい。エッチングされることを望まない材料(第四層)としては、Al,SiO,SiN,SiOC,HfO及びTiAlCからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。とりわけ、TiAlC等の第四層はゲート電極23(図2)に適用されることがあり、第一層・第三層の保護とは別に、あるいはこれと同時に、第四層の材料を保護したエッチングが可能となることが好ましい。
(MOSトランジスタの加工)
図2は、MOSトランジスタの製造例を示す工程図である。(A)はMOSトランジスタ構造の形成工程、(B)は金属膜のスパッタ工程、(C)は1回目のアニール工程、(D)は金属膜の選択除去工程、(E)は2回目のアニール工程である。
図に示すように、シリコン基板21の表面に形成されたゲート絶縁膜22を介してゲート電極23が形成されている。シリコン基板21のゲート電極23の両側にエクステンション領域が別途形成されていてもよい。ゲート電極23の上側に、Ti層との接触を防ぐ保護層(図示せず)が形成されていてもよい。さらに、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなるサイドウォール25が形成され、イオン注入によりソース領域26及びドレイン領域27が形成されている。
次いで、図に示すように、Ti膜28が形成され、急速アニール処理が施される。これによって、Ti膜28中の元素をシリコン基板中に拡散させてシリサイド化(本明細書では、ゲルマニウム100質量%のときも含めて、便宜上、アニールによる合金化をシリサイド化と称する)させる。この結果、ソース電極26及びドレイン電極27の上部がシリサイド化されて、TiGeSiソース電極部26A及びTiSiGeドレイン電極部27Aが形成される。このとき、必要により、図2(E)に示したように2回目のアニールをすることにより電極部材を所望の状態(アニールされたシリサイドソース電極26B,アニールされたシリサイドドレイン電極27B)に変化させることができる。上記1回目と2回目のアニール温度は特に限定されないが、例えば、300〜1100℃で行うことができる。
シリサイド化に寄与せずに残ったTi膜28は、本実施形態のエッチング液を用いることによって除去することができる(図2(C)、(D))。このとき、図示したものは大幅に模式化して示しており、シリサイド化された層(26A,27A)の上部に堆積して残るTi膜があってもなくてもよい。半導体基板ないしその製品の構造も簡略化して図示しており、必要に応じて、必要な部材があるものとして解釈すればよい。
構成材料の好ましい例を挙げると下記のような形態を例示できる。
21 シリコン基板: Si,SiGe,Ge
22 ゲート絶縁膜: HfO(High−k)
23 ゲート電極: Al,W、TiAlC
25 サイドウォール: SiOCN,SiN,SiO(low−k)
26 ソース電極: Si,SiGe,Ge
27 ドレイン電極: Si,SiGe,Ge
28 金属層: Ti
図示せず キャップ: TiN
本発明のエッチング方法が適用される半導体基板を上述したが、この具体例に限らず、他の半導体基板にも適用できる。例えば、ソース及び/又はドレーン領域上にシリサイドパターンを有する高誘電膜/金属ゲートFinFETを含む半導体基板が挙げられる。
上記図2の例では、シリサイド層(第一層、第三層)の保護を中心に説明したが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。例えば、シリサイド層の保護とは別に、TiAlC等の第四層の保護を実現しながら、Ti等の第二層のエッチングを実現するものであってもよい。
図3は本発明の別の実施形態に係る基板構造を模式的に示す断面図である。90Aは、第1デバイス領域に位置する第1のゲートスタックである。90Bは、第2の素子領域に位置する第2のゲートスタックである。ここで、ゲートスタックは、導電性タンタル合金層またはTiAlCを含有する。第1のゲートスタックについて説明すると、92Aはウェルである。94Aが第1ソース/ドレイン拡張領域、96Aが第1ソース/ドレイン領域、91Aが第一の金属半導体合金部分である。95Aが第1ゲートスペーサである。97Aが第1のゲート絶縁膜であり、81が第1仕事関数材料層(first work function material layer)、82Aが第2仕事関数材料層(second work function material layer)である。83Aが電極となる第1の金属部である。93はトレンチ構造部であり、99は平坦化誘電体層である。80は下層半導体層である。
第1のゲートスタックも同様の構造であり、その91B、92B、94B、95B、96B、97B、82B、83Bがそれぞれ、第1のゲートスタックの91A、92A、94A、95A、96A、97A、82A、83Aに対応する。両者の構造上の相違点を挙げると、第1のゲートスタックには、第1仕事関数材料層81があるが、第2のゲートスタックにはそれが設けられていない。
仕事関数材料層は、p型の仕事関数材料層およびn型の仕事関数材料層のいずれであってもよい。p型仕事関数材料は、シリコンの価電子帯エネルギー準位とミッドバンドギャップエネルギー準位の間にある仕事関数を有する材料を指す。すなわち、シリコンのエネルギー準位において、伝導帯のエネルギー準位と価電子帯エネルギーレベルとが等価に分離されているものである。n型仕事関数材料は、シリコンの伝導帯のエネルギー準位とシリコンのミッドバンドギャップエネルギー準位との間に仕事関数を有する材料を指す。
仕事関数材料層の材料は、導電性タンタル合金層またはTiAlCが好ましい。導電性タンタル合金層は、(i)タンタルとアルミニウムとの合金、(ii)タンタルおよび炭素の合金、(iii)タンタル、アルミニウム、及び炭素の合金から選択された材料を含むことができる。TiAlCは、チタンとアルミニウムと炭素を含む材料である。
(i)TaAl
タンタルとアルミニウムとの合金において、タンタルの原子濃度は10%〜99%とすることができる。アルミニウムの原子濃度は1%〜90%とすることができる。
(ii)TaC
タンタルと炭素の合金において、タンタルの原子濃度は20%〜80%とすることができる。炭素の原子濃度は、20%〜80%とすることができる。
(iii)TaAlC
タンタル、アルミニウム、及び炭素の合金において、タンタルの原子濃度は15%〜80%とすることができる。アルミニウムの原子濃度は1%〜60%とすることができる。炭素の原子濃度は15%〜80%とすることができる。
別の実施形態では、仕事関数材料層を、(iv)窒化チタンから本質的になる窒化チタン層あるは、(v)チタンとアルミニウムと炭素の合金の層とすることができる。
(iv)TiN
窒化チタン層において、チタンの原子濃度は30%〜90%とすることができる。窒素の原子濃度は、10%〜70%とすることができる。
(v)TiAlC
チタンとアルミニウムと炭素の合金の層において、チタンの原子濃度は15%〜45%とすることができる。アルミニウムの原子濃度は、5%〜40%とすることができる。炭素の原子濃度は、5%〜50%とすることができる。
上記仕事関数材料層は、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)、または化学蒸着(CVD)等により形成することができる。仕事関数材料層はゲート電極を覆うように形成されることが好ましく、その膜厚は100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、1nm〜10nmがさらに好ましい。
中でも、本発明においては、エッチングの選択性が好適に発現される観点から、TiAlCの層が採用された基板を適用することが好ましい。
本実施形態の素子において、ゲート誘電体層は、金属と酸素とを含むhigh−k材料からなる。high−kゲート誘電体材料としては、公知のものを使用することができる。その膜は通常の方法によって堆積させることができる。例えば、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、分子線蒸着法(MBD)、パルスレーザー蒸着(PLD、液体原料ミスト化学堆積(LSMCD)、原子層堆積(ALD)などが挙げられる。典型的なhigh−k誘電体材料としては、HfO、ZrO、La、Al、TiO、SrTiO、LaAlO、Y、HfO、ZrO、La、Al、TiO、SrTiO、LaAlO、Yなどが挙げられる。xは0.5〜3であり、yは0〜2である。ゲート誘電体層の厚さは、0.9〜6nmであることが好ましく、1〜3nmがより好ましい。なかでも、ゲート誘電体層が酸化ハフニウム(HfO2)からなることが好ましい。
その他の部材や構造は適宜通常の材料により常法によって形成することができる。その詳細については、米国公開第2013/0214364号、米国公開第2013/0341631号を参照することができ、本発明に引用して取り込む(incorporate by reference)。
本発明の好ましい実施形態に係るエッチング液によれば、上述したような仕事関数材料層(TiAlC)が露出した基板であっても、その層の損傷を抑制しつつ、効果的にシリサイド金属(Ni,Pt,Ti等)を除去することができる。
[エッチング液]
(化合物P)
本実施形態の半導体プロセス用のエッチング液は、複数の吸着基を有し重量平均分子量1000以上の化合物P(P1)、または複数の吸着基を有し立体反発部位を有する化合物P(P2)を含有する。複数の吸着基を有し、重量平均分子量1000以上の化合物Pは、エッチング液における金属溶解成分の性能を低下させずに、所望の金属の溶解を抑制する。かかる機能に基づき、この化合物Pを金属防食剤と呼び、これを含む組成物を金属防食組成物と呼ぶことがある。このような効果が得られる理由は定かではないが、エッチング液が金属と接触する際に、化合物Pの吸着基が所定の金属に吸着する。この吸着基が複数存在することで、金属との密着性が向上する。一方、重量平均分子量1000以上の構造や立体反発部位が存在することで、それらが所定の金属の表面を覆い、金属溶解成分の接触を妨げ、所望の金属の溶解を抑制すると推定される。
化合物Pは、特に、Alの防食効果に優れる。化合物Pとしては、下記の式(I)で示されるものが好ましい。その重量平均分子量は3000以上がより好ましく、5000以上が特に好ましい。
(A)n−P ・・・ (I)
Aは吸着基である。nは2以上の整数である。Pは重量平均分子量1,000以上の有機化合物(高分子化合物)の残基であり、立体反発部位でもある。重量平均分子量は上記のとおり5,000以上が好ましく、7,000以上がより好ましい。上限値は好ましくは100,000程度であるが、1万以下がより好ましい。分子量が小さいと金属の溶解の抑制効果が不十分となる傾向があり、分子量が大きいと、エッチングの不具合を生じる懸念がある。
は下記のP1で定義される高分子化合物の残基であることが好ましい。
化合物Pとしては、下記の式(II)で示される部分構造を有する化合物も好ましい。その重量平均分子量は3000以上がより好ましく、5000以上が特に好ましい。
−(B−Q)− (II)
Bは吸着基を有する繰り返し単位である。吸着基は上記式(I)と同義である。mは2以上の整数である。Qは重量平均分子量1000以上の有機化合物残基を含む繰り返し単位である。高分子化合物残基の構造は式(I)と同様である。
分子量の定義(1)
本発明においてポリマーの分子量については、特に断らない限り、重量平均分子量をいい、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を計測する。重量平均分子量の測定は、HPC−8220GPC(東ソー製)、ガードカラム:TSKguardcolumn SuperHZ−L、カラム:TSKgel SuperHZM−M、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000を直結し、カラム温度40℃、試料濃度0.1質量%のテトラヒドロフラン溶液を10μl注入し、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを毎分0.35mlの流量でフローさせ、RI検出装置にて試料ピークを検出することで行った。標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて計算した。
また上記化合物は、Aは吸着基であり、nは2以上の整数であり、Pは疎水性基(高分子)であってもよい。疎水性基としては、ClogPが3以上であるものが好ましく、10以上であるものがより好ましく、100以下であるものが好ましい。吸着基Aは、下記置換基Aであることが特に好ましい。
上記式(I)で表される化合物Pとして、より好ましくは、式(1)で表される高分子化合物が好ましく挙げられる。
Figure 0006256851
は、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、及び複素環基から選ばれる少なくとも1つの基を有する基を表す。Aは特定の金属に対する吸着能を有する基として機能することが好ましい。同一の化合物中に存在するAは、同一でも異なっていてもよい。
は、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合又は2価の連結基を表す。
mは8以下の正の数、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。
はポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
の中に2個以上の吸着部位が含まれていてもよい。その実施態様としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜10であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜10であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜10であることが好ましく、例えば、フェニレン基)等を介して2個以上の吸着部位が結合した基が挙げられる。なかでも、鎖状飽和炭化水素基を介して2個以上の吸着部位が結合する態様が好ましい。なお、吸着部位自体が1価の置換基を構成する場合には、吸着部位そのものがAで表される1価の置換基であってもよい。
上記「酸基」としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホウ酸基が好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基がより好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。
「ウレア基」としては、例えば、−NRCONR が好ましい例として挙げられ、−NRCONHRがより好ましく、−NHCONHRが特に好ましい。
「ウレタン基」としては、例えば、−NHCOOR、−NRCOOR、−OCONHR、−OCONR などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR、−OCONHRなどがより好ましく、−NHCOOR、−OCONHRなどが特に好ましい。ここで、Rは下記の定義による。
「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
「塩基性窒素原子を有する基」としては、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR )、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
Figure 0006256851
式中、Rは各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、炭素数7〜15のアラルキル基を表す。なかでも炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は、炭素数7〜11のアラルキル基が好ましい。炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基がより好ましい。
これらの中でも、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR )、式(a1)で表されるグアニジル基、式(a2)で表されるアミジニル基などがより好ましい。
「アルキル基」としては、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、炭素数1〜40のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜30のアルキル基であることがより好ましく、炭素数10〜18のアルキル基であることが更に好ましい。
「アリール基」としては、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。
「アルキレンオキシ鎖を有する基」としては、末端がアルキルオキシ基又はヒドロキシル基を形成していることが好ましく、炭素数1〜20のアルキルオキシ基を形成していることがより好ましい。また、アルキレンオキシ鎖としては、少なくとも1つのアルキレンオキシ基を有する限り特に制限はないが、炭素数1〜6のアルキレンオキシ基であることが好ましい。アルキレンオキシ基としては、例えば、−(Rmc−が挙げられる。Rは炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、2または3のアルキレン基がより好ましい。mcは1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
「アルキルオキシカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。
「アルキルアミノカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。
「カルボン酸塩基」としては、カルボン酸のアンモニウム塩からなる基などが挙げられる。
「スルホンアミド基」としては、窒素原子に結合する水素原子がアルキル基(メチル基等)、アシル基(アセチル基、トリフルオロアセチル基など)等で置換されていてもよい。
「複素環基」としては、例えば、チオフェン基、フラン基、キサンテン基、ピロール基、ピロリン基、ピロリジン基、ジオキソラン基、ピラゾール基、ピラゾリン基、ピラゾリジン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、チアジアゾール基、ピラン基、ピリジン基、ピペリジン基、ジオキサン基、モルホリン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピペラジン基、トリアジン基、トリチアン基、イソインドリン基、イソインドリノン基、ベンズイミダゾロン基、ベンゾチアゾール基、コハクイミド基、フタルイミド基、ナフタルイミド基等のイミド基、ヒダントイン基、インドール基、キノリン基、カルバゾール基、アクリジン基、アクリドン基、アントラキノン基が好ましい例として挙げられる。なお、アントラキノン基を含む環状ケトンは複素環に含まれるものとする。
「イミド基」としては、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド等が挙げられる。
なお、「複素環基」及び「イミド基」は、更に置換基を有していてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6のアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
「アルコキシシリル基」としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基のいずれでもよいが、トリアルコキシシリル基であることが好ましく、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
「エポキシ基」としては、置換又は無置換のオキシラニル基(エチレンオキシド基)が挙げられる。
特に、Aは、pKa5以上の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましく、pKa5〜14の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましい。
ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義のものである。
上記pKa5以上の官能基としては、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、ウレア基、ウレタン基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、ヒドロキシル基、複素環基等が挙げられる。
あるいは、ACD/Labs(Advanced Chemistry Development社製)等を用いて算出した値を用いることができる。
pKa5以上の官能基として具体的には、例えば、フェノール基(pKa 8〜10程度)、アルキル基(pKa 46〜53程度)、アリール基(pKa 40〜43程度)、ウレア基(pKa 12〜14程度)、ウレタン基(pKa 11〜13程度)、配位性酸素原子としての−COCHCO−(pKa 8〜10程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)、ヒドロキシル基(pKa 15〜17程度)、複素環基(pKa 12〜30程度)等が挙げられる。
上記の中では、Aとして、酸基、ヒドロキシフェニル基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、ヒドロキシル基、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基及び配位性酸素原子を有する基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましい。Aとしては中でも、酸基、ヒドロキシフェニル基、またはヒドロキシル基がより好ましく、酸基(特にカルボキシル基)が特に好ましい。
式(1)中、Rは単結合又は2価の連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。Rで表される2価の連結基としては、1〜100個までの炭素原子、0個〜10個までの窒素原子、0個〜50個までの酸素原子、1個〜200個までの水素原子、及び0個〜20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
としては、単結合、又は、1〜10個までの炭素原子、0個〜5個までの窒素原子、0個〜10個までの酸素原子、1個〜30個までの水素原子、及び0個〜5個までの硫黄原子から成り立つ2価の連結基が好ましい。
としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜20であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基)、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、窒素原子、及びカルボニル基よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基がより好ましく、鎖状飽和炭化水素基、環状飽和炭化水素基、芳香族基、チオエーテル結合、エステル結合、エーテル結合、及びアミド結合よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基が更に好ましく、鎖状飽和炭化水素基、チオエーテル結合、エステル結合、エーテル結合、及びアミド結合よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基が特に好ましい。
上記のうち、Rで表される2価の連結基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6のアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
式(1)中、Rは、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
で表される(m+n)価の連結基としては、1〜100個までの炭素原子、0個〜10個までの窒素原子、0個〜50個までの酸素原子、1個〜200個までの水素原子、及び0個〜20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
で表される(m+n)価の連結基は下記式のいずれかで表される基であることが好ましい。
Figure 0006256851
上記式中、
Lは3〜6価の基を表す。Tは単結合又は2価の連結基を表す。3〜6個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。Lは炭素原子、アリール連結基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、ヘテロ環連結基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)が好ましい。Tはアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、カルボニル基(CO)、オキシ基(O)、イミノ基(NR)、スルフィド基(S)、またはこれらの組合せに係る基を表す。Rは上記した定義による。
で表される(m+n)価の連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 0006256851
Figure 0006256851
上記の具体例の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、最も好ましい(m+n)価の連結基は上記(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、(17)の基である。
式(1)中、mは8以下の正の数を表す。mとしては、0.5〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。nは1〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。なお、m、nが小数をともなう場合は、異なるm、nを有する化合物の混合物であることを意味する。
式(1)中、Pはポリマー鎖を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
ポリマーの中でも、ポリマー鎖を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
ポリマー鎖Pが有し得るビニルモノマーの重合体又は共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマーとしては、それぞれ、下記式(L)、(M)、(N)のいずれかで表される構造を有することが好ましい。
Figure 0006256851
上記式中、Xは、水素原子又は1価の有機基を表す。合成上の制約の観点から、好ましくは水素原子、又は、炭素数1〜12のアルキル基であり、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
10は、水素原子又は1価の有機基を表す。好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基であり、更に好ましくは、水素原子、又は、アルキル基である。上記R10がアルキル基である場合、上記アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。式(L)中に構造の異なるR10を2種以上有していてもよい。
11及びR12は、分岐若しくは直鎖のアルキレン基(炭素数は1〜10が好ましく、2〜8であることがより好ましく、3〜6であることが更に好ましい。)を表す。各式中に構造の異なるR11又はR12を2種以上有していてもよい。
k1、k2、k3は、それぞれ独立に、5〜140の数を表す。
ポリマー鎖Pが少なくとも1種の繰り返し単位を含有することが好ましい。
ポリマー鎖Pにおける、少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し数k(k1、k2、k3)が、立体反発力を発揮し分散安定性を向上する観点から、5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましい。
繰り返し単位の繰り返し単位数kは、140以下であることが好ましく、130以下であることがより好ましく、60以下であることが更に好ましい。
なお、ポリマーは有機溶剤に可溶であることが好ましい。有機溶剤との親和性が低いと、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。
ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、酸基を有するビニルモノマー、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、酸基を有するビニルモノマーであることがより好ましく、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類であることが更に好ましい。
これらのビニルモノマーの好ましい例としては、特開2007−277514号公報段落0089〜0094、0096及び0097(対応する米国特許出願公開第2010/233595号明細書においては段落0105〜0117、及び0119〜0120)に記載のビニルモノマーが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、ヒドロキシフェニル基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、又はウレア基を有する単量体としては、例えば、イソシアネート基とヒドロキシル基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアネート基含有モノマーとヒドロキシル基を1個含有する化合物又は1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又はヒドロキシル基含有モノマー又は1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
式(1)で表される化合物は、下記式(2)で表されることが好ましい。
Figure 0006256851
式(2)において、Aは、式(1)におけるAと同義であり、好ましい態様も同様である。
式(2)において、R、Rは各々独立に単結合または2価の連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。
、Rで表される2価の連結基としては、式(1)のRで表される2価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
式(2)において、Rは、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
としては、Rで表される連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
式(2)中、m、nは、それぞれ、式(1)におけるm、nと同義であり、好ましい態様も同様である。
また、式(2)中のPは、式(1)におけるPと同義であり、好ましい態様も同様である。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
式(2)で表される高分子化合物のうち、以下に示すR、R、R、P、m、及びnを全て満たすものが最も好ましい。
:上記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、又は(17)
:単結合、又は、鎖状飽和炭化水素基、環状飽和炭化水素基、芳香族基、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、窒素原子、及びカルボニル基よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基
:単結合、エチレン基、プロピレン基、下記基(a)、又は下記基(b)
なお、下記基中、R12は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
Figure 0006256851
:ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー及びこれらの変性物
m:1〜3
n:3〜6
化合物P(式(1)又は(2)で表される高分子化合物等)は、特に制限されないが、特開2007−277514号公報の段落0114〜0140及び0266〜0348に記載の合成方法に準じて合成することができる。さらに、化合物Pの具体例としては、以下に記載のものが挙げられる。
特開2007-277514の0265段落以降の実施例に開示の化合物(B-1〜B-24,C-1〜C-57,D-1〜D-12)
WO2014/034813A1の0200段落以降の実施例に開示の化合物(C-1〜C-136)
WO2014/034815A1の0194段落以降の実施例に開示の化合物(C-1〜C-199)
なお、化合物Pの製造方法は、上記の各公報を参照することができる。
化合物Pの濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下が特に好ましい。化合物Pを上記の濃度で適用することにより、良好な金属層(第二層)のエッチングを実現しつつ、第一層、第三層、第四層の効果的な保護を実現することができる。
化合物Pは一種のみを用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
(金属溶解成分)
本発明のエッチング液においては、金属溶解成分を含有させる。金属溶解成分としては、ハロゲンイオンが好ましく、フッ素イオンがより好ましい。金属溶解成分(特にフッ素イオン)は、エッチング液において、第二層の金属(Ti等)の配位子(錯化剤)となり溶解を促進する役割を果たしていると解される。
金属溶解成分(特にフッ素イオン)の濃度は、エッチング液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下が特に好ましい。金属溶解成分(特にフッ素イオン)を上記の濃度で適用することにより、良好な金属層のエッチングを実現しつつ、保護すべき層の効果的な保護を実現することができる。溶解成分は一種のみを用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
なお、配合量の確認においては、成分がイオンのとき、添加する塩の量を定量することによって、その量を特定してもよい。
フッ素イオンの供給源としては、下表のフッ素化合物が挙げられる。
Figure 0006256851
(pKa4以下の酸(酸助剤))
本発明に係るエッチング液には酸助剤(pKa4以下の酸が好ましい)が含まれることが好ましい。このpKaはさらに3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましく、1以下であることがさらに好ましく、0.5以下であることが特に好ましい。下限は、pKa−20以上であることが実際的である。酸助剤は、エッチング液において、水分量が少ない処方でも第二層の金属(Ti等)の酸化を加速させるという役割を果たしていると解される。この観点で、pKaが上記範囲を上回ると、金属(酸化されていない)Ti等の溶解が進まなくなってしまうことがある。
酸助剤としては、ホウ酸化合物、リン酸化合物、ホスホン酸化合物、HBF、HBr、HCl、HI、HSO、FCCOOH、ClCCOOHなどが好ましい。なかでも無機酸であることが好ましく、ハロゲン原子を含む無機酸であることがより好ましい。本発明において酸助剤が効果を奏する理由は定かではないが、後述するエッチングの時間依存性との関係で、酸助剤のアニオンが特有の効果を発揮するものと解される。
pKaは上記の定義と同義である。下記に、代表的な置換基の計算例を示しておく。酸助剤が、多段の解離定数を持つ場合には、最も小さい解離定数により評価する。
HBF: -0.4
HBr : -9.0
HCl : -7.0
MSA : -1.8 (メタンスルホン酸)
TSA : -2.8 (p−トルエンスルホン酸)
ホスホン酸化合物としては、アルキルホスホン酸(炭素数1〜30が好ましく、3〜24がより好ましく、4〜18が特に好ましい)、アリールホスホン酸(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アラルキルホスホン酸(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11が特に好ましい)が挙げられる。あるいは、ポリビニルホスホン酸であってもよい。その重量平均分子量は適宜選定すればよいが、3000以上50000以下であることが好ましい。
ホウ素含有酸化合物としては、ホウ酸、ボロン酸、テトラフルオロホウ酸が挙げられる。ボロン酸としては、炭素数1〜24のボロン酸が好ましく、1〜12のボロン酸がより好ましい。具体的には、フェニルボロン酸、メチルボロン酸が挙げられる。
これらの酸が塩をなすときその対イオンは特に限定されないが、アルカリ金属カチオンや有機カチオンなどが挙げられる。
酸助剤の濃度は、エッチング液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。溶解成分100質量部に対しては、10質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、50質量部以上が特に好ましい。上限としては、1000質量部以下が好ましく、600質量部以下がより好ましく、200質量部以下が特に好ましい。なお、酸助剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(有機溶剤)
本発明に係るエッチング液には有機溶剤を含有させてもよい。有機溶剤はなかでもプロトン性極性有機溶剤が好ましい。プロトン性極性有機溶剤としては、アルコール化合物(ポリオール化合物を含む)、エーテル化合物、カルボン酸化合物が好ましい。有機溶剤は、エッチング液において、相対的に薬液中の水分量を下げることで選択的な処理が必要な金属や絶縁膜の溶解速度を低下させる役割を果たしていると解される。
有機溶剤は、例えば、ハンセンパラメータのδh(水素結合エネルギー)が5以上であることが望ましく、10以上であることが特に望ましい。粘度40mPa・s(20℃)以下であることが望ましく、35mPa・s以下であることがさらに望ましく、10mPa・s以下であることが特に望ましい。
・アルコール化合物
アルコール化合物は、分子内に炭素と水素とを有しヒドロキシル基を1つ以上もつ化合物を広く含む。ここでは、エーテル化合物であっても、ヒドロキシル基をもつものは、アルコール化合物としている。アルコール化合物の炭素数は、1以上であればよく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がさらに好ましく、6以上が特に好ましい。上限としては、24以下が好ましく、炭素数12以下がより好ましく、炭素数8以下が特に好ましい。
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキシレングリコール[HG]、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール[14BD]、3−メチル−1−ブタノール[3M1B]、メチルペンタンジオール、シクロヘキサノール、エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール等のエーテル基非含有アルコール化合物、
アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル[DEGBE]等)、フェノキシエタノール、メトキシメチルブタノールを含むエーテル基含有アルコール化合物が挙げられる。
アルコール化合物は中でも下記式(O−1)で表される化合物であることが好ましい。
O1−(−O−RO2−)nO−OH ・・・ (O−1)
・RO1
O1は水素原子又は炭素数1〜12(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3)のアルキル基、炭素数6〜14(好ましくは6〜10)のアリール基、または炭素数7〜15(好ましくは7〜11)のアラルキル基である。
・RO2
O2は直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン鎖である。複数のRO2が存在するときそのそれぞれは異なっていてもよい。RO2は炭素数2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。
・no
noは0以上12以下の整数であり、1以上6以下が好ましい。noが2以上のとき複数のRO2は互いに異なっていてもよい。ただし、noが0であるとき、RO1が水素原子であることはない。
アルコール化合物は下記式(O−2)または(O−3)で表される化合物であることも好ましい。
O3−LO1−RO4−OH ・・・ (O−2)
O3−(LO1−RO4)no−OH ・・・ (O−3)
O3は、置換基を有してもよい環状構造基であることが好ましい。環状構造基は、芳香族環であっても、複素芳香族環であっても、脂肪族環であっても、複素脂肪族環であってもよい。芳香族環としては、炭素数6〜14のアリール基が挙げられる(炭素数6〜10が好ましく、フェニル基がより好ましい)。脂肪族環としては、炭素数3〜14の環状アルキル基が挙げられる(炭素数3〜10が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい)。複素環は、炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましい。例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリルの例が挙げられる。環状構造基は適宜任意の置換基を有していてもよい。
O1は単結合、O、CO、NR、S、またはそれらの組合せである。なかでも、単結合、CO、Oが好ましく、単結合またはOがより好ましい。Rは上記した定義による。
O4はアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が特に好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜14が好ましく、炭素数6〜10がより好ましい)、またはアラルキレン基(炭素数7〜15が好ましく、炭素数7〜11がより好ましい)である。
noは上記と同義である。
エーテル化合物は中でも下記式(E−1)で表される化合物であることが好ましい。
E1−(−O−RE2−)−RE3 ・・・ (E−1)
・RE1
E1は炭素数1〜12(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基、炭素数6〜14(好ましくは6〜10)のアリール基、または炭素数7〜15(好ましくは7〜11)のアラルキル基である。
・RE2はRO2と同義である。
・RE3はRO1と同義である。
・mは1以上12以下の整数であり、1以上6以下が好ましい。mが2以上のとき複数のRE2は互いに異なっていてもよい。
有機溶剤の濃度は、エッチング液中、20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が特に好ましい。
なお、本発明において、上記有機溶剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その併用割合は特に限定されないが、合計使用量は、2種以上の総和として上記濃度範囲とすることが好ましい。
(カルボン酸化合物)
本発明のエッチング液にはカルボン酸化合物を含んでいてもよい。カルボン酸化合物は、カルボキシル基を有する有機化合物であることが好ましい。カルボン酸化合物は、分子内にカルボキシル基を有していればよく、低分子量の化合物である。カルボン酸化合物が低分子化合物であるとき、炭素数4〜48が好ましく、炭素数4〜36がより好ましく、6〜24が特に好ましい。カルボン酸化合物は、エッチング液において、錯化剤として第二層の金属の酸化物(酸化チタン等)の溶解を加速するという役割を果たしていると解される。
カルボン酸化合物は、R−COOH で表される化合物であることが好ましい。Rは、アルキル基(炭素数1〜48が好ましく、炭素数4〜36がより好ましく、6〜24が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜48が好ましく、炭素数4〜36がより好ましく、6〜24がさらに好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜48が好ましく、炭素数4〜36がより好ましく、6〜24がさらに好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。Rがアリール基であるとき、そこには炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数2〜20のアルキニル基が置換していてもよい。Rがアルキル基であるとき、下記の構造であってもよい。

*−R−(R−Y)−R

は単結合、アルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルキニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキレン基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
はRの連結基と同義である。
Yは酸素原子(O)、硫黄原子(S)、カルボニル基(CO)、もしくはイミノ基(NR)である。Rはアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。Rは上記した定義による。
nは0〜8の整数である。
は更に置換基を有していてもよく、なかでも、スルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、アミノ基(NR )が好ましい。Rは上記した定義による。
カルボン酸化合物の濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。フッ化水素酸100質量部に対しては、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
(シュウ酸)
上記のカルボン酸化合物のなかでも、シュウ酸は別種の添加剤としてエッチング液に含有させてもよい。シュウ酸は、エッチング液において、錯化剤の役割を果たしている。
シュウ酸の濃度は、エッチング液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。フッ化水素酸100質量部に対しては、10質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、50質量部以上が特に好ましい。上限としては、1000質量部以下が好ましく、600質量部以下がより好ましく、200質量部以下が特に好ましい。
(糖類)
本発明のエッチング液は、糖類を含んでいてもよい。pKa2以上の酸は、エッチング液において、保護すべき層の防食という役割を果たしていると解される。
糖類は特に限定されず、単糖であっても、多糖であってもよいが、単糖であることが好ましい。単糖としては、ヘキソース、ペントースなどを広く挙げることができる。構造で言えば、ケトース、アルドース、ピラノース、フラノースが挙げられる。ヘキソースとしては、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等が挙げられる。ペントースとしては、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、リブロース、キシルロース等が挙げられる。フラノースとしては、トロフラノース、トレオフラノース、リボフラノース、アラビノフラノース、キシロフラノース、リキソフラノースが挙げられる。ピラノースとしては、リボピラノース、アラビノピラノース、キシロピラノース、リキソピラノース、アロピラノース、アルトロピラノース、グルコピラノース、マンノピラノース、グロピラノース、イドピラノース、ガラクトピラノース、タロピラノースが挙げられる。
糖類の濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。溶解成分100質量部に対しては、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
(カルボン酸含有ポリマー)
本発明のエッチング液は、カルボン酸含有ポリマーを含んでいてもよい。カルボン酸含有ポリマーは、エッチング液において、AlやSi系絶縁膜の防食という役割を果たすと解される。
カルボン酸含有ポリマーは特に限定されず、カルボキシル基を有する構成単位を有する種々のポリマーを適用することができる。このようなポリマーを構成するモノマーとしては、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MA)、ビニル安息香酸(VBA)等が挙げられる。
カルボン酸含有ポリマーの濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。溶解成分100質量部に対しては、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
本明細書において、化合物ないし置換基・連結基等がアルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基、アルキニル基・アルキニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、任意の基で置換されていても無置換でもよい。このとき、アルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基、アルキニル基・アルキニレン基はヘテロ原子を含む基(例えば、O、S、CO、NR等)を介在していてもよく、これを伴って環構造を形成していてもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、同様に置換されていても無置換でもよい。
本明細書において、化合物の置換基や連結基の選択肢を始め、温度、厚さといった各技術事項は、そのリストがそれぞれ独立に記載されていても、相互に組み合わせることができる。
本明細書において、化合物または酸と末尾に付して化合物を特定するときには、本発明の効果を奏する範囲で、上記化合物以外に、そのイオン、塩を含む意味である。また、同様に、その誘導体を含む意味である。
(水)
本発明のエッチング液には水(水媒体)を含有させることが好ましい。水(水媒体)としては、本発明の効果を損ねない範囲で溶解成分を含む水性媒体であってもよく、あるいは不可避的な微量混合成分を含んでいてもよい。なかでも、蒸留水やイオン交換水、あるいは超純水といった浄化処理を施された水が好ましく、半導体製造に使用される超純水を用いることが特に好ましい。水の濃度は特に限定されないが、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることが特に好ましい。
本発明においては、エッチング液の濃度を所定の範囲に規定することが好ましい。水がない状態では、金属層のエッチング作用を十分には示さないことがある。この点で適用されることが好ましいが、この量を少量に抑えることで、保護すべき金属層の損傷を抑えることができる。
(特定有機添加剤)
本実施形態に係るエッチング液には、特定有機添加剤を含有させることが好ましい。この有機添加剤は、窒素原子、硫黄原子、リン原子、もしくは酸素原子を含有する有機化合物からなる。中でも、上記有機添加剤は、アミノ基(−NR )もしくはその塩、イミノ基(−NR−)もしくはその塩、スルファニル基(−SH)、ヒドロキシル基(−OH)、カルボニル基(−CO−)、スルホン酸基(−SOH)もしくはその塩、リン酸基(−PO)もしくはその塩、オニウム基もしくはその塩、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(SO)、エーテル基(−O−)、アミンオキシド基、およびチオエーテル基(−S−)から選ばれる置換基もしくは連結基を有する化合物であることが好ましい。さらに、非プロトン解離性有機化合物(アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、カーボネート化合物)、アゾール化合物、ベタイン化合物、スルホン酸化合物、アミド化合物、オニウム化合物、アミノ酸化合物、リン酸化合物、スルホキシド化合物であることも好ましい。
上記Rは上記の定義による。置換基としては、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましく、2〜3が特に好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましく、2〜3が特に好ましい)、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基が好ましい。
上記特定有機添加剤は、下記式(I)〜(XIII)のいずれかで表される化合物からなることが特に好ましい。
Figure 0006256851
式(I):
11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)、スルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、またはアミノ基(−NR )である。ただしR11およびR12の少なくとも片方はスルファニル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)であることが好ましい。Rは上記の定義による。なお、上記の置換基はさらに置換基をとる場合(アルキル基、アルケニル基、アリール基等)、さらに任意の置換基Tを有していてもよい。これは、これ以降に説明する置換基や連結基についても同様である。
はメチレン基(CR )、硫黄原子(S)、または酸素原子(O)である。なかでも硫黄原子が好ましい。Rは水素原子または置換基(後記置換基Tが好ましい。)である。
式(II):
はメチン基(=CR−)または窒素原子(N)である。R21は置換基(後記置換基Tが好ましい。)であり、なかでもスルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、アミノ基(NR )が好ましい。R及びRは上記の定義による。
n2は0〜4の整数である。
21が複数あるとき、それらは同じでも異なってもよく、互いに結合ないし縮合して環を形成していてもよい。形成される環としては、含窒素複素環であることが好ましく、不飽和の5員または6員の含窒素複素環であることがより好ましい。
式(III):
はメチレン基、イミノ基(NR)、または硫黄原子(S)である。Rは上記の定義による。
は水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)、アミノ基(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)、ヒドロキシル基、スルファニル基である。
31は置換基(後記置換基Tが好ましい。)である。なかでもスルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、アミノ基(NR )が好ましい。Rは上記の定義による。
n3は0〜2の整数である。
31が複数あるとき、それらは同じでも異なってもよく、互いに結合ないし縮合して環を形成していてもよい。形成される環としては、六員環であることが好ましく、ベンゼン構造もしくは六員のヘテロアリール構造(なかでもピリジン構造、ピリミジン構造が好ましい。)が挙げられる。
式(III)は下記式(III−1)であることが好ましい。
Figure 0006256851
およびYはそれぞれ独立にメチン基(=CR−)または窒素原子(N)である。Rは上記の定義による。
、Y、R31、n3は上記と同義である。YおよびYの位置は六員環の中で別の位置にあってもよい。
式(IV):
はアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルキニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキレン基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
はカルボキシル基またはヒドロキシル基である。
式中のSH基はジスルフィド化して二量体となっていてもよい。
式(V):
51は、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、炭素数1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、炭素数2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜24が好ましく、炭素数2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
51がアリール基であるとき、そこには炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基が置換していることが好ましい。
51がアルキル基であるとき、下記の構造であってもよい。

*−R52−(R53−Y53n5−R54
52は単結合もしくはLと同義の連結基である。R53はLと同義の連結基である。Y53は酸素原子(O)、硫黄原子(S)、カルボニル基(CO)、もしくはイミノ基(NR)である。あるいは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、カルボニル基(CO)、イミノ基(NR)の組み合わせでもよく、例えば、(C=O)O、O(C=O)などが挙げられる。R54はアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。Rは上記の定義による。
n5は0〜8の整数である。
51は更に置換基Tを有していてもよく、なかでも、スルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、アミノ基(NR )が好ましい。Rは上記の定義による。
Zはアミノ基(NR )(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)、スルホン酸基(SOH)、硫酸基(SOH)、リン酸基(PO)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルファニル基(SH)、オニウム基(炭素数3〜12が好ましい)、アシルオキシ基、またはアミンオキシド基(−NR )である。ここで、Rは上記の定義による。
本発明において、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基は特に断らない限りその塩や酸の場合にはその酸エステル(例えば、アルキルエステルであり、炭素数1〜24が好ましく、炭素数1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい)を形成していても良い意味である。カルボン酸エステルをなすアルキル基はさらに置換基Tを有していても良い。例えば、ヒドロキシル基を有するアルキル基が挙げられる。このとき、アルキル基はヘテロ原子を含む基(例えば、O、S、CO、NR等)を伴って環構造を形成していてもよい。ヒドロキシル基を有する環構造のアルキル基としてソルビタン残基が挙げられる。すなわち、ソルビタン脂肪酸エステル(炭素数7〜40が好ましく、炭素数8〜24がより好ましく)を好適に利用することができる。
式(V)中のR51とZとの間には、所望の効果を奏する範囲で任意の連結基を有していてもよい。任意の連結基としては、上記Lの例またはY53の例が挙げられる。
式(V)がカルボン酸であるとき、R51はアルキル基であることが好ましく、この場合は、炭素数1〜24が好ましく、3〜20がより好ましく、6〜18がさらに好ましく、8〜16が特に好ましい。このアルキル基がさらに置換基Tを有していてよいことは、他のものと同様である。
上記オニウム基を有する化合物としては、アンモニウム基を有する化合物(R51−NR )、ピリジニウム基を有する化合物(C −R51・M)、またはイミダゾリニウム基(C NR−R51・M)が好ましい。Rは上記と同義である。Mは対となるアニオン(例えばOH)である。
上記オニウム基を有する化合物をさらに詳しく例示すると、以下の式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006256851
式中、RO7〜RO10はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基、下記式(y)で表される基である。ただし、RO7〜RO10の少なくとも1つの炭素数が6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。

Y1−(Ry1−Y2)my−Ry2−* (y)

Y1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数7〜14のアラルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ヒドロキシル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。Y2は、O、S、CO、NRを表す。Ry1およびRy2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、炭素数2〜6のアルキニレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、またはそれらの組合せを表す。myは0〜6の整数を表す。myが2以上のとき複数のRy1およびY2はそれぞれ異なっていてもよい。Ry1およびRy2はさらに置換基Tを有していてもよい。*は結合手である。Rは上記の定義による。
O11はRO7と同義の基であるが、炭素数は6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。RO12は置換基Tである。mOは0〜5の整数である。
M4、M5、及びM6は対イオンであり、例えば水酸化物イオンが挙げられる。
O13はY1と同義の基である。RO14およびRO15は式(y)と同義の基である。RO14およびRO15の少なくとも1つのY1はカルボキシル基であり、ベタインを構成していることが好ましい。
式(V)で表される化合物は、下記式(V−1)〜(V−3)のいずれかであることが好ましい。式中、Z、Zは連結基Lを介することのあるスルホン酸基である。R56は置換基Tであり、なかでもそこで例示されるアルキル基が好ましい。n51およびn56は0〜5の整数である。n53は0〜4の整数である。n51、n53、およびn56の最大値は同じ環にあるZまたはZの数に応じて減ずる。n52は1〜6の整数であり、1または2が好ましい。n54およびn55はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n54+n55は1以上である。n54+n55は1または2が好ましい。n57およびn58はそれぞれ独立に0〜5の整数であり、n57+n58は1以上である。n57+n58は1または2が好ましい。複数あるR56は互いに同じでも異なっていてもよい。連結基Lは上記L、後記L、またはその組合せであることが好ましく、Lであることがより好ましい。
Figure 0006256851
式(VI):
61とR62は、それぞれ独立に、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、またはアルキルアミノ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)である。R61とR62とは結合もしくは縮合して環を形成していてもよい。R61またはR62がアルキル基であるとき、上記*−R52−(R53−Y53)−R54で表される基であってもよい。
はカルボニル基、スルフィニル基(SO)、またはスルホニル基(SO)である。
式(VI)で表される化合物は、下記式(VI−1)〜(VI−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。式中、R61とR62は上記と同義である。Qは、3〜8員環であり、5員環または6員環が好ましく、飽和の5員環または6員環がより好ましく、飽和炭化水素の5員環または6員環が特に好ましい。ただし、Qは任意の置換基Tを有していてもよい。
Figure 0006256851
式(VII):
71はアミノ基(−NR )、アンモニウム基(−NR ・M)、またはカルボキシル基である。R及びMは上記の定義による。
は単結合またはLと同義の基である。Lは中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、または(−L31(SR)p−)であることが好ましい。L31は炭素数1〜6のアルキレン基である。Rは水素原子またはこの部位でジスルフィド基を形成して二量化していてもよい。pは1以上5以下の整数であり、1以上2以下が好ましい。
71がカルボキシル基であるとき、この化合物はジカルボン酸化合物となる。ジカルボン酸化合物の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられ、中でも、シュウ酸が好ましい。
式(IIX):
81およびR82は、それぞれ独立に、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。Rは上記の定義による。
式(IX):
はLと同義の基である。
91およびR93はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アシル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。ただし、n9が0のとき、R91およびR93がともに水素原子になることはない。
n9は0〜100の整数であり、0〜50が好ましく、0〜25がより好ましく、0〜15がさらに好ましく、0〜10がさらに好ましく、0〜5が特に好ましい。
式(IX)で表される化合物は、下記式(IX−1)で表される化合物であることがより好ましい。

91−(OL41)−(OLn91−OR93 (IX−1)

41は炭素数2以上のアルキレン基であることが好ましく、好ましくは炭素数2〜6である。このアルキレン基の炭素数の設定により、金属(例えばTi)と特有の吸着状態を形成せず、その除去が阻害されないものと推定される。また、金属とフッ素原子との結合成分は親水的ないし疎水的に挙動するとみられ、酸素原子を連結する炭素数が2または3以上の化合物が好適に作用すると推定される。この観点からは、さらにL41は炭素数3以上であることが好ましく、炭素数3〜6であることが好ましく、炭素数3または4であることが特に好ましい。なお、上記L41の炭素数は、分岐のアルキレン基であるときには、分岐に含まれる炭素原子は除いて、その連結炭素数が2以上であることが好ましい。例えば、2,2−プロパンジイル基は連結炭素数が1となる。つまり、O−O間をつなぐ炭素原子の数を連結炭素数とよび、これが2個以上であることが好ましい。上記の金属との吸着作用を考慮すると、さらに連結炭素数が3以上であることが好ましく、3以上6以下であることがより好ましく、3以上4以下であることが特に好ましい。
n91はn9と同義の数である。
本化合物がR91およびR93において水素原子のヒドロキシル基を2つ以上有する化合物であるとき、その構造は下記式(IX−2)であることが好ましい。
Figure 0006256851
式中のR94〜R97は、R91と同義である。R94〜R97はさらに置換基Tを有していてもよく、例えばヒドロキシル基を有していてもよい。Lはアルキレン基であり、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基であることがより好ましい。式(IX−2)の化合物の具体例としては、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
上記親水性・疎水性の観点から、上記式(IX)で表される化合物は、そのCLogPにおいて所望の範囲のものを用いることが好ましい。上記式(IX)で表される化合物のCLogP値は−0.4以上であることが好ましく、−0.2以上であることがより好ましい。上限側の規定としては、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
・ClogP
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、一般にJIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))、Viswanadhan’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989))、Broto’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.-Chim.Theor.,19,71(1984))などを用いることが知られている。本発明では、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))を用いる。
ClogP値とは、1−オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値である。ClogP値の計算に用いる方法やソフトウェアについては公知のものを用いることができるが、特に断らない限り、本発明ではDaylight Chemical Information Systems社のシステム:PCModelsに組み込まれたClogPプログラムを用いることとする。
式(X):
A3はRと同義である。RA1およびRA2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)、スルファニル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基である。ただしRA1およびRA2の少なくとも片方はスルファニル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)であることが好ましい。
式(XI):
およびYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基(NR)、カルボニル基である。RB1は置換基(後記置換基Tが好ましい。)である。nBは0〜8の整数である。ただし、YおよびYのいずれか一方はメチレン基(CR )であってもよい。R及びRは上記の定義による。
式(XII):
およびY10は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、メチレン基(CR )、イミノ基(NR)、またはカルボニル基である。YおよびY10は、六員環の別の位置であってもよい。R及びRは上記の定義による。
およびXは、硫黄原子または酸素原子である。破線はその結合が単結合でも二重結合でも良いことを意味する。RC1は置換基(後記置換基Tが好ましい。)である。nCは0〜2の整数である。
C1は複数あるとき、互いに同じでも異なっていてもよく、結合ないし縮合して環を形成していてもよい。
式(XIII):
は、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(NR)である。Rは水素原子または炭素数1〜24のアルキル基であり、2〜20のアルキル基であることが好ましく、4〜16のアルキル基であることがより好ましく、6〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
は、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(NR)、またはメチレン基(CR )である。Rは上記の定義による。
D1は置換基であり後記置換基Tが好ましい。RD1はなかでも、1〜24のアルキル基であることが好ましく、1〜12のアルキル基であることがより好ましい。
nDは0〜6の整数であり、0〜2の整数が好ましく、1が特に好ましい。
なかでも、式中のX−CO−XはNR−CO−CR 、O−CO−O、O−CO−CR であることが好ましい。Rは上記の定義による。
上記特定有機添加剤は、下記第一群または第二群のなかから選択される化合物からなることが好ましい。
Figure 0006256851
Figure 0006256851
特定有機添加剤のうち、第一群に属するものの濃度は、エッチング液中、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が特に好ましい。
特定有機添加剤のうち、第二群に属するものの濃度は、エッチング液中、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上がさらに好ましく、0.05質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
上記各式と第一群および第二群との区別については、式(V)もしくはその一部、(VI)、(IIX)、(IX)、(XI)に係る化合物が第一群であり、その他の式ないし式(V)もしくはその一部に係る化合物が第二群であることが好ましい。
なお、本明細書において化合物の表示(例えば、化合物と末尾に付して呼ぶとき)については、この化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、置換基を導入するなど一部を変化させた誘導体を含む意味である。
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、ホスホン酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子である。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
(キット)
本発明におけるエッチング液は、その原料を複数に分割したキットとしてもよい。例えば、第1液として上記溶解成分を水に含有する液組成物を準備し、第2液として有機溶剤を含有する液組成物を準備する態様が挙げられる。このときその他の化合物などの成分はそれぞれ別にあるいはともに第1液、第2液、またはその他の第3液に含有させておくことができる。
その使用例としては、両液を混合してエッチング液を調液し、その後適時に上記エッチング処理に適用する態様が好ましい。このようにすることで、各成分の分解による液性能の劣化を招かずにすみ、所望のエッチング作用を効果的に発揮させることができる。ここで、混合後「適時」とは、混合の後所望の作用を失うまでの時期を指し、具体的には60分以内であることが好ましく、30分以内であることがより好ましく、10分以内であることがさらに好ましく、1分以内であることが特に好ましい。下限は特にないが、1秒以上であることが実際的である。
第1液と第2液との混合の仕方は特に限定されないが、第1液と第2液とをそれぞれの流路に流通させ、両者をその合流点で合流させて混合することが好ましい。その後、さらに流路を流通させ、合流して得られたエッチング液を吐出口から吐出ないし噴射し、半導体基板と接触させることが好ましい。この実施形態でいうと、上記合流点での合流混合から半導体基板への接触までの過程が、上記「適時」に行われることが好ましい。これを、図4を用いて説明すると、調製されたエッチング液が吐出口13から噴射され、処理容器(処理槽)11内の半導体基板Sの上面に適用される。同図に示した実施形態では、A及びBの2液が供給され、合流点14で合流し、その後流路fcを介して吐出口13に移行するようにされている。流路fdは薬液を再利用するための返戻経路を示している。半導体基板Sは回転テーブル12上にあり、回転駆動部Mによって回転テーブルとともに回転されることが好ましい。なお、このような基板回転式の装置を用いる実施態様は、キットにしないエッチング液を用いた処理においても同様に適用することができる。
なお、本発明のエッチング液は、その使用用途に鑑み、液中の不純物、例えば金属分などは少ないことが好ましい。特に、液中のNa、K、Caイオン濃度が1ppt〜1ppm(質量基準)の範囲にあることが好ましい。また、エッチング液において、平均粒径0.5μm以上の粗大粒子数が100個/cm以下の範囲にあることが好ましく、50個/cm以下の範囲にあることが好ましい。
(容器)
本発明のエッチング液は、(キットであるか否かに関わらず)腐食性等が問題とならない限り、任意の容器に充填して保管、運搬、そして使用することができる。また、半導体用途向けに、容器のクリーン度が高く、不純物の溶出が少ないものが好ましい。使用可能な容器としては、アイセロ化学(株)製の「クリーンボトル」シリーズ、コダマ樹脂工業(株)製の「ピュアボトル」などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[エッチング条件]
本発明のエッチング方法においては、枚葉式装置を用いることが好ましい。具体的に枚葉式装置は、処理槽を有し、その処理槽で上記半導体基板を搬送もしくは回転させ、その処理槽内に上記エッチング液を付与(吐出、噴射、流下、滴下等)して、半導体基板に上記エッチング液を接触させるものであることが好ましい。
枚葉式装置のメリットとしては、(i)常に新鮮なエッチング液が供給されるので、再現性がよい、(ii)面内均一性が高いといったことが挙げられる。さらに、エッチング液を複数に分けたキットを利用しやすく、例えば、上記第1液と第2液をインラインで混合し、吐出する方法が好適に採用される。このとき、上記の第1液と第2液とを共に温度調節するか、どちらか一方だけ温調し、インラインで混合して吐出する方法が好ましい。なかでも、共に温調する実施態様がより好ましい。ラインの温度調節を行うときの管理温度は、後記処理温度と同じ範囲とすることが好ましい。
枚葉式装置はその処理槽にノズルを具備することが好ましく、このノズルを半導体基板の面方向にスイングさせてエッチング液を半導体基板に吐出する方法が好ましい。このようにすることにより、液の劣化が防止でき好ましい。また、キットにして2液以上に分けることでガス等を発生させにくくすることができ好ましい。
エッチングを行う処理温度は、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。上限としては、80℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましく、60℃以下であることがさらに好ましく、50℃以下であることがさらに好ましく、40℃以下であることが特に好ましい。上記下限値以上とすることにより、第二層に対する十分なエッチング速度を確保することができ好ましい。上記上限値以下とすることにより、エッチング処理速度の経時安定性を維持することができ好ましい。また、室温付近で処理できることで、エネルギー消費の削減にもつながる。
なお、エッチングの処理温度とは後記実施例で示す温度測定方法において基板に適用する温度を基礎とするが、保存温度あるいはバッチ処理で管理する場合にはそのタンク内の温度、循環系で管理する場合には循環流路内の温度で設定してもよい。
エッチング液の供給速度は特に限定されないが、0.05〜5L/minとすることが好ましく、0.1〜3L/minとすることがより好ましい。上記下限値以上とすることにより、エッチングの面内の均一性を一層良好に確保することができ好ましい。上記上限値以下とすることにより、連続処理時に安定した性能を確保でき好ましい。半導体基板を回転させるときには、その大きさ等にもよるが、上記と同様の観点から、50〜1000rpmで回転させることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態に係る枚葉式のエッチングにおいては、半導体基板を所定の方向に搬送もしくは回転させ、その空間にエッチング液を噴射して上記半導体基板に上記エッチング液を接触させることが好ましい。エッチング液の供給速度や基板の回転速度についてはすでに述べたことと同様である。
本発明の好ましい実施形態に係る枚葉式の装置構成においては、図5に示すように、吐出口(ノズル)を移動させながら、エッチング液を付与することが好ましい。具体的に、本実施形態においては、半導体基板Sに対してエッチング液を適用する際に、基板がr方向に回転させられている。他方、半導体基板の中心部から端部に延びる移動軌跡線tに沿って、吐出口が移動するようにされている。このように本実施形態においては、基板の回転方向と吐出口の移動方向とが異なる方向に設定されており、これにより両者が互いに相対運動するようにされている。その結果、半導体基板の全面にまんべんなくエッチング液を付与することができ、エッチングの均一性が好適に確保される構成とされている。
吐出口(ノズル)の移動速度は特に限定されないが、0.1cm/s以上であることが好ましく、1cm/s以上であることがより好ましい。一方、その上限としては、30cm/s以下であることが好ましく、15cm/s以下であることがより好ましい。移動軌跡線は直線でも曲線(例えば円弧状)でもよい。いずれの場合にも移動速度は実際の軌跡線の距離とその移動に費やされた時間から算出することができる。基板1枚のエッチングに要する時間は10〜300秒の範囲であることが好ましい。
上記金属層は高いエッチングレートでエッチングされることが好ましい。第二層(金属層)のエッチングレート[R2]は、特に限定されないが、生産効率を考慮し、50Å/min以上であることが好ましく、100Å/min以上がより好ましく、200Å/min以上であることが特に好ましい。上限は特にないが、1000Å/min以下であることが実際的である。
金属層の露出幅は特に限定されないが、本発明の利点がより顕著になる観点から、2nm以上であることが好ましく、4nm以上であることがより好ましい。同様に効果の顕著性の観点から、上限値は1000nm以下であることが実際的であり、100nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
第一層、第三層、もしくは第四層のエッチングレート[R1]は、特に限定されないが、過度に除去されないことが好ましく、40Å/min以下であることがさらに好ましく、20Å/min以下であることがさらに好ましく、10Å/min以下であることが特に好ましい。下限は特にないが、測定限界を考慮すると0.1Å/min以上であることが実際的である。
第二層と第一層、第三層、もしくは第四層との選択的エッチングにおいて、そのエッチングレート比([R2]/[R1])は特に限定されないが、2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましい。上限としては特に規定されず、高いほど好ましいが、10000以下であることが実際的である。
さらに、本発明の好ましい実施形態に係るエッチング液では、Al、W等の金属電極層、HfO、HfSiO、WO、AlO、SiO、SiOC、SiON、SiOCN、TiN、SiN、TiAlC等の層(これらを総称して第四層ということがある)の損傷も好適に抑制できるため、これらを含む半導体基板に適用されることも好ましい。第四層の好ましいエッチングレートは、上記のとおり、第一層ないし第三層のエッチングレートと同じパラメータ[R1]で表示している。その好ましい範囲は上記のとおりである。第二層とのエッチングレート比の好ましい範囲も[R2]/[R1]と同義である。なお、本明細書において、金属化合物の組成をその元素の組合せにより表記した場合には、任意の組成のものを広く包含する意味である。例えば、SiOC(SiON)とは、SiとOとC(N)とが共存することを意味し、その量の比率が1:1:1であることを意味するものではない。このことは、本明細書において共通し、別の金属化合物についても同様である。
基板1枚のエッチングに要する時間は10秒以上であることが好ましく、50秒以上であることがより好ましい。上限としては、300秒以下であることが好ましく、200秒以下であることがより好ましい。
[半導体基板製品の製造(半導体プロセス)]
本実施形態においては、シリコンウエハ上に、上記シリコン層と金属層とを形成した半導体基板とする工程と、上記半導体基板をアニールする工程、半導体基板にエッチング液を付与し、エッチング液と金属層とを接触させて、上記金属層を選択的に除去する工程とを介して、所望の構造を有する半導体基板製品を製造することが好ましい。このとき、エッチングには上記特定のエッチング液を用いる。上記の工程の順序は制限されて解釈されるものではなく、それぞれの工程間にさらに別の工程を含んでいてもよい。
ウェハサイズは特に限定されないが、直径8インチ、直径12インチ、または直径14インチのものを好適に使用することができる(1インチ=25.4mm)。
なお、本明細書において「準備」というときには、特定の材料を合成ないし調合等して備えることのほか、購入等により所定の物を調達することを含む意味である。また、本明細書においては、半導体基板の各材料をエッチングするようエッチング液を用いることを「適用」と称するが、その実施態様は特に限定されない。例えば、エッチング液と基板とを接触させることを広く含み、具体的には、バッチ式のもので浸漬してエッチングしても、枚葉式のもので吐出によりエッチングしてもよい。
本明細書において、半導体基板とは、ウェハのみではなくそこに回路構造が施された基板構造体全体を含む意味で用いる。半導体基板部材とは、上記で定義される半導体基板を構成する部材を指し1つの材料からなっていても複数の材料からなっていてもよい。なお、加工済みの半導体基板を半導体基板製品として区別して呼ぶことがあり、必要によってはさらに区別して、これに加工を加えダイシングして取り出したチップ及びその加工製品を半導体素子という。すなわち、広義には半導体素子やこれを組み込んだ半導体製品は半導体基板製品に属するものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中で処方や配合量として示した%および部は特に断らない限り質量基準である。
[参考例1]
(試験基板の作製)
市販のシリコン基板(直径:12インチ)上に、SiGeをエピタキシャル成長させ、厚さ500Åの膜厚で形成した。同様にしてその他の膜もCVD等で作成したブランケットウエハを準備した。このとき、SiGeエピタキシャル層は、ゲルマニウムを50〜60質量%含有していた。下表の試験においてはこれらのブランケットウエハを用いて各層のエッチング速度を算出した。
さらに、上記のSiGeエピタキシャル層の上にTiの層を形成した。これを、800℃で10秒アニールし、シリサイド層を形成して試験基板とした。アニール後のシリサイド層の厚さは15nmであり、金属層の厚さは5nmであった。
(エッチング試験)
上記のブランクウェハおよび試験用基板に対して、枚葉式装置(SPS−Europe B.V.社製、POLOS(商品名))にて下記の条件でエッチングを行い、評価試験を実施した。
・処理温度 :24℃ 室温
・吐出量 :1L/min.
・ウェハ回転数 :500rpm
・ノズル移動速度 :7cm/S
・処理時間 :60秒
なお、エッチング液の供給は1液で行った(図4のAラインのみを使用)。各処理試験は調液後即座に行った。
(処理温度の測定方法)
株式会社堀場製作所製の放射温度計IT−550F(商品名)を上記枚葉式装置内のウェハ上30cmの高さに固定した。ウェハ中心から2cm外側のウェハ表面上に温度計を向け、薬液を流しながら温度を計測した。温度は、放射温度計からデジタル出力し、パソコンで連続的に記録した。このうち温度が安定した10秒間の温度を平均した値をウェハ上の温度とした。
(エッチング速度[ER])
エッチング速度(ER)については、エリプソメトリー(分光エリプソメーター、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン株式会社 Vaseを使用した)を用いてエッチング処理前後の膜厚を測定することにより算出した。5点の平均値を採用した(測定条件 測定範囲:1.2−2.5eV、測定角:70,75度)。
(TiSiGeダメージ)
ゲルマニウムシリサイド層(TiSiGe)の損傷の程度は、エッチング処理前後のシート抵抗の変化量とエッチングESCAでのTiSiGe厚みから判断した。評価A〜Eは、ESCAでのTiSiGe層の厚みが初期の状態と比較して何%損失しているかにより次式で規定した。
TiSiGeダメージ(%) =
(薬液処理後のTiSiGe厚み / 薬液処理前のTiSiGeの厚み ) × 100
A: 80超 100以下
B: 60超 80以下
C: 40超 60以下
D: 20超 40以下
E: 0超 20以下
なお、AはAの評価となったが、やや劣っていた。
(A) HF
(B) 水
(C) δh の高い有機溶剤プロトン性極性溶剤
(D) 酸助剤
(E)〜(G) カルボン酸
Figure 0006256851
<表の注釈>
ER:エッチング速度
PAA:ポリアクリル酸
DHC:デヒドロコール酸
LA:ラウリン酸
SA:ステアリン酸
Lib:リボース
DEGBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
各成分の下段は配合量(質量%)
エッチング速度でマイナスになったものは、エッチングされずに見かけ上厚くなったものと解される。
[実施例1]
試験No.101〜112のシュウ酸を以下の化合物にそれぞれ変更したこと以外は、試験No.101〜112と同様にエッチング速度[ER]とTiSiGeダメージを評価した。その結果、いずれの実施例でも、他の性能を低下させずにTiAlC[ER]が1.0以下となり、顕著なTiAlCの防食効果が得られた。
特開2007-277514の0265段落以降の実施例に開示の化合物
(B-1〜B-24,C-1〜C-57、D-1〜D-12)
WO2014/034813A1の0200段落以降の実施例に開示の化合物(C-1〜C-136)
WO2014/034815A1の0194段落以降の実施例に開示の化合物(C-1〜C-199)
また、試験No.101〜112の有機溶剤を減らし、その代わりに上記の化合物を0.2質量%さらに添加したこと以外は、試験No.101〜112と同様にエッチング速度[ER]とTiSiGeダメージを評価した。その結果、いずれの実施例でも、他の性能を低下させずにTiAlC[ER]が1.0以下となり、顕著なTiAlCの防食効果が得られた。
[実施例2・比較例1]
下記の組成のエッチング液を用いたこと以外は、参考例1と同様にしてTi,SiO,TiAlCのエッチングレートを確認した。
(A) HF
(B) 水
(C) δh の高い有機溶剤プロトン性極性溶剤
(D) 酸助剤
(E) カルボン酸(シュウ酸)
(F) 化合物P
Figure 0006256851
EtOH:エタノール
DEGBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
下段:配合量(質量%)
Figure 0006256851
上記のC-1の代わりに、WO2014/034815A1の0194段落以降の実施例に開示の化合物(C-2〜C-14、C-101〜C-119)を用いたこと以外は、上記実施例2と同様の試験を行った。その結果、上記表3の結果と同様にTiAlCに対するTiの良好なエッチング選択性を確認することができた。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2014年4月30に日本国で特許出願された特願2014−094213に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 金属層(第二層)
2 シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)
3 シリサイド層(第三層)
11 処理容器(処理槽)
12 回転テーブル
13 吐出口
14 合流点
S 基板
21 シリコン基板
22 ゲート絶縁膜
23 ゲート電極
25 サイドウォール
26 ソース電極
27 ドレイン電極
28 Ti膜
90A、90B 置換ゲートスタック
92A、92B ウェル
94A、94B ソース/ドレイン拡張領域
96A、96B ソース/ドレイン領域
91A、91B 金属半導体合金部分
95A、95B ゲートスペーサ
97A、97B ゲート絶縁膜
81 第1仕事関数材料層
82A、82B 第2仕事関数材料層
83A、83B 金属部分
93 トレンチ構造部
99 平坦化誘電体層

Claims (19)

  1. 化合物Pを含有する半導体プロセス用のエッチング液であって、
    前記化合物Pが、複数の吸着基を有し、かつ、重量平均分子量が1000以上であるかもしくは立体反発部位を有する化合物であって、
    前記化合物Pが、下記式(1)で表されるエッチング液。
    Figure 0006256851
    式(1)において、Aは、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基および複素環基から選ばれる少なくとも1つの基を有する基を表す。Rは(m+n)価の連結基を表し、RはRと結合する部分が−S−である2価の連結基を表す。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
  2. 前記Pが、前記Rと結合する部分が−S−である請求項1に記載のエッチング液。
  3. 前記式(1)で表される前記化合物Pが、下記式(2)で表される請求項1または2に記載のエッチング液。
    Figure 0006256851
    式(2)において、mおよびnは前記式(1)におけるmおよびnと同義であり、また、Aは前記式(1)におけるAと同義である。Rは、(m+n)価の連結基を表す。RおよびRは各々独立にRは単結合または2価の連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
  4. 前記R 、下記(1)〜(17)で表される請求項1または2に記載のエッチング液。
    Figure 0006256851
  5. さらに、金属溶解成分、pKa4以下の酸助剤、有機溶剤および水のうちの少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のエッチング液。
  6. 前記酸助剤がホウ酸化合物、リン酸化合物、ホスホン酸化合物、HBF、HBr、またはHClである請求項5に記載のエッチング液。
  7. 前記有機溶剤がプロトン性極性有機溶剤である請求項5に記載のエッチング液。
  8. 前記金属溶解成分の濃度が0.1質量%以上20質量%以下である請求項5に記載のエッチング液。
  9. 前記金属溶解成分がハロゲンイオンである請求項5または8に記載のエッチング液。
  10. 前記ハロゲンイオンがフッ素イオンである請求項9に記載のエッチング液。
  11. 前記水を0.1〜50質量%含有する請求項5に記載のエッチング液。
  12. 半導体基板に、エッチング液を適用するエッチング方法であって、
    前記エッチング液が、下記式(1)で表され、複数の吸着基を有し重量平均分子量1000以上の化合物P、または、下記式(1)で表され、複数の吸着基を有し立体反発部位を有する化合物Pを含有するエッチング方法。
    Figure 0006256851
    式(1)において、Aは、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基および複素環基から選ばれる少なくとも1つの基を有する基を表す。Rは(m+n)価の連結基を表し、RはRと結合する部分が−S−である2価の連結基を表す。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
  13. 前記エッチング液が、さらに、金属溶解成分、pKa4以下の酸助剤、有機溶剤および水のうちの少なくとも1種を含有する請求項12に記載のエッチング方法。
  14. シリコンもしくはゲルマニウムのシリサイドを含む第三層とシリコンもしくはゲルマニウム以外の金属種を含む第二層とを有する半導体基板に適用する請求項12または13に記載のエッチング方法。
  15. 前記第二層が、チタンを含む層である請求項14に記載のエッチング方法。
  16. TiAlCを含む第四層を含む半導体基板に適用する請求項14または15に記載のエッチング方法。
  17. 請求項1216のいずれか1項に記載のエッチング方法を介して半導体基板製品を製造する半導体基板製品の製造方法。
  18. 金属防食剤またはこれを含有する金属防食組成物であって、
    前記金属防食剤が、下記式(1)で表され、複数の吸着基を有し重量平均分子量1000以上の化合物P、または、下記式(1)で表され、複数の吸着基を有し立体反発部位を有する化合物Pである金属防食剤またはこれを含有する金属防食組成物。
    Figure 0006256851
    式(1)において、Aは、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基および複素環基から選ばれる少なくとも1つの基を有する基を表す。Rは(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合又はRと結合する部分が−S−である2価の連結基を表す。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
  19. 半導体プロセス用のエッチング液に用いる請求項18に記載の金属防食剤またはこれを含有する金属防食組成物。
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