JP6063404B2 - エッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法 - Google Patents

エッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法に関する。
集積回路の製造は多段階の様々な加工工程で構成されている。その製造過程では、様々な材料の堆積、リソグラフィ、エッチング等が幾度も繰り返される。なかでも、エッチングは重要なプロセスとなる。特定の材料を選択的にエッチングし、その他の材料については腐食させることなく残存させなければならない。場合によっては、類似した金属種からなる層どうしや、より腐食性の高い材料からなる層を残す形態で所定の層のみを除去することが求められる。半導体基板内の配線や集積回路のサイズはますます小さくなり、残すべき部材を腐食することなく正確にエッチングを行う重要性は益々高まっている。
電界効果トランジスタを例にとってみると、その急速な微細化に伴い、ソース・ドレイン領域の上面に形成されるシリサイド層の薄膜化や、新規材料の開発が強く求められてきている。このシリサイド層を形成するサリサイドプロセス(Salicide:Self-Aligned Silicide)では、半導体基板上に形成したシリコン等からなるソース領域およびドレイン領域の一部とその上面に付した金属層とをアニールする。これにより、ソース・ドレイン電極等の上側に低抵抗のシリサイド層を形成することができる。
サリサイド工程の後においては、そこに残された金属層をエッチングにより除去する。このエッチングは通常ウエットエッチングにより行われ、その薬液として塩酸と硝酸の混合液(王水)が適用されている。特許文献1は、硝酸および塩酸に加え、トルエンスルホン酸を加えた薬液を用いる例を開示している。
国際公開第2012/125401号パンフレット
本発明の目的は、シリサイド層(特にゲルマニウムシリサイドを含む層)の損傷を抑えて、特定の金属を含む層を選択的に除去することができ、優れたエッチング特性を示すエッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法の提供にある。
上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕ゲルマニウムを含む第一層およびゲルマニウム以外の金属種を含む第二層を有する半導体基板に適用する半導体プロセス用のエッチング液であって、
フッ素イオンpKa2以下の酸および有機溶剤を含有し、含有する有機溶剤の濃度が50質量%〜98質量%であるエッチング液。
〕上記有機溶剤がプロトン極性溶剤である〔1〕に記載のエッチング液。
〔3〕さらに水を含有する〔1〕または〔2〕に記載のエッチング液。
〕上記フッ素イオンの濃度が0.1質量%以上20質量%以下である〔1〕〜〔〕のいずれか1つに記載のエッチング液。
〔5〕ゲルマニウムを含む第一層およびゲルマニウム以外の金属種を含む第二層を有する半導体基板に適用する半導体プロセス用のエッチング液であって、
フッ化水素(HF)、水およびpKa2以下の酸を含有し、酸の含有量がフッ化水素(HF)100質量部に対し、10質量部以上1000質量部以下であるエッチング液。
〔6〕さらに有機溶剤を含有する〔5〕に記載のエッチング液。
〔7〕上記有機溶剤がプロトン極性溶剤である〔6〕に記載のエッチング液。
〕上記有機溶剤の濃度が50質量%以上98質量%以下である〔または〔7〕に記載のエッチング液。
〔9〕上記水の濃度が0.1質量%以上50質量%以下である〔3〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔10〕記第一層のゲルマニウムの濃度が40質量%以上である〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載のエッチング液。
〔11〕上記第二層が、チタンを含む層である〔1〕〜〔10〕のいずれか1つに記載のエッチング液。
〔12〕さらにシリコンもしくはゲルマニウムのシリサイドを含む第三層を有する半導体基板に適用する〔1〕〜〔11〕のいずれか1つに記載のエッチング液。
〔13〕上記pKa2以下の酸がHBF 、HBrまたはHClである〔1〕〜〔12〕のいずれか1つに記載のエッチング液。
〔14〕上記pKa2以下の酸の濃度が0.1質量%以上20質量%以下である〔1〕〜〔13〕のいずれか1つに記載のエッチング液。
〔15〕さらにカルボン酸化合物を含有する〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔16〕ゲルマニウムを含む第一層およびゲルマニウム以外の金属種を含む第二層を有する半導体基板に、フッ素イオンpKa2以下の酸および有機溶剤を含有し、含有する該有機溶剤の濃度が50質量%〜98質量%であるエッチング液を適用するエッチング方法。
〔17〕ゲルマニウムを含む第一層およびゲルマニウム以外の金属種を含む第二層を有する半導体基板に、フッ化水素(HF)、水およびpKa2以下の酸を含有し、該酸の含有量が該フッ化水素(HF)100質量部に対し、10質量部以上1000質量部以下であるエッチング液を適用するエッチング方法。
〔18〕上記第一層のゲルマニウムの濃度が40質量%以上である〔16〕または〔17〕に記載のエッチング方法。
19〕上記第二層が、チタンを含む層である〔1618のいずれか1つに記載のエッチング方法。
〔20〕上記半導体基板が、さらにシリコンもしくはゲルマニウムのシリサイドを含む第三層を有する〔16〕〜〔19〕のいずれか1つに記載のエッチング方法。
21〕 〔16〕〜〔20〕のいずれか1つに記載のエッチング方法を介して半導体基板製品を製造する半導体基板製品の製造方法。
本発明のエッチング液、これを用いるエッチング方法および半導体基板製品の製造方法によれば、シリサイド層(特にゲルマニウムシリサイドを含む層)の損傷を抑えて、特定の金属を含む層を選択的に除去することができる。
本発明の一実施形態における半導体基板の作製工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態におけるMOSトランジスタの製造例を示す工程図である。 本発明の好ましい実施形態に係るウエットエッチング装置の一部を示す装置構成図である。 本発明の一実施形態における半導体基板に対するノズルの移動軌跡線を模式的に示す平面図である。
まず、本発明のエッチング液の適用に係るエッチング工程の好ましい実施形態について、図1、図2に基づき説明する。
[エッチング工程]
図1はエッチング前後の半導体基板を示した図である。本実施形態の製造例においては、シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)2の上面に金属層(第二層)1が配置されている。シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)としては、ソース電極、ドレイン電極を構成するSiGeエピタキシャル層が適用されている。第一層はSiで構成されていてもよいが、SiGeもしくはGeエピタキシャル層であることが、本発明のエッチング液のゲルマニウムに対する選択性が発揮されるため好ましい。
金属層(第二層)1の構成材料としては、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ニッケルプラチナ(NiPt)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)などの金属種(単一金属または複合金属)が挙げられる。金属層の形成は通常この種の金属膜の形成に適用される方法を用いることができ、具体的には、CVD(Chemical Vapor Deposition)による成膜が挙げられる。このときの金属層の厚さは特に限定されないが、5nm以上50nm以下の膜の例が挙げられる。本発明においては、金属層がTi層である場合、エッチング液の除去性能が十分に発揮されるため好ましい。
金属層は、上記に挙げた金属原子以外に、その他の元素を含んでいてもよい。例えば、不可避的に混入する酸素や窒素は存在していてもよい。不可避不純物の量は例えば、1ppt〜10ppm(質量基準)程度に抑えられていることが好ましい。
また半導体基板には、上記材料以外に、エッチングされることを望まない材料が存在することがある。本発明のエッチング液はエッチングされることを望まない材料の腐食などを最小限に抑えることができる。エッチングされることを望まない材料としては、Al,SiO,SiN,SiOC,HfO及びTiAlCからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
上記の工程(a)においてシリコンもしくはゲルマニウム含有層2の上側に金属層1が形成された後、アニール(焼結)が行われ、その界面に金属−Si反応膜(第三層:シリサイド層)3が形成される(工程(b))。アニールは通常この種の素子の製造に適用される条件によればよいが、例えば、200〜1000℃で処理することが挙げられる。このときのシリサイド層3の厚さは特に限定されないが、50nm以下の層とされている例が挙げられ、さらに10nm以下の層とされている例が挙げられる。下限値は特にないが、1nm以上であることが実際的である。このシリサイド層は低抵抗膜として適用され、その下部に位置するソース電極、ドレイン電極と、その上部に配置される配線とを電気的に接続する導電部として機能する。したがって、シリサイド層に欠損や腐食が生じるとこの導通が阻害され、素子誤作動等の品質低下につながることがある。特に、昨今、基板内部の集積回路構造は微細化されてきており、微小な損傷であっても素子の性能にとって大きな影響を与えうる。そのため、そのような欠損や腐食は可及的に防止されることが望ましい。
なお、本明細書において、広義には、シリサイド層は、第一層のシリコンもしくはゲルマニウム含有層に含まれる概念である。したがって、第一層に対して第二層を選択的に除去するというときには、シリサイド化されていないシリコンもしくはゲルマニウム含有層に対して第二層(金属層)を優先的に除去する態様のみならず、シリサイド層に対して第二層(金属層)を優先的に除去する態様を含む意味である。狭義に、第一層のシリコンもしくはゲルマニウム含有層(シリサイド層を除く)と第三層のシリサイド層とを区別して言うときには、それぞれ第一層および第三層と言う。
次いで、残存した金属層1のエッチングが行われる(工程(b)−>工程(c))。本実施形態においては、このときエッチング液が適用され、金属層1の上側からエッチング液を付与し接触させることで、金属層1を除去する。エッチング液の付与の形態については後述する。
シリコンもしくはゲルマニウム含有層2は、SiGeエピタキシャル層からなり、化学的気相成長(CVD)法により、特定の結晶性を有するシリコン基板上に結晶成長させて形成するとことができる。あるいは、電子線エピタキシ(MBE)法等により、所望の結晶性で形成したエピタキシャル層としてもよい。
シリコンもしくはゲルマニウム含有層をP型の層とするには、濃度が1×1014cm−3〜1×1021cm−3程度のボロン(B)がドープされることが好ましい。N型の層とするには、リン(P)が1×1014cm−3〜1×1021cm−3の濃度でドープされることが好ましい。
第一層がSiGeエピタキシャル層であるとき、そのGe濃度は、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。上限としては、100質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。Ge濃度を上記の範囲とすることで、処理後のウェハの面内均一性を向上させることができ好ましい。Geが比較的高濃度であることが好ましい理由としては以下のように推定される。GeとSiを比較した場合に、Siは酸化された後に酸化膜SiOxを生成し、この酸化種は溶出せず反応停止層となると解される。そのため、ウェハ内で、Geが溶出した部分と、SiOxによって反応が停止した部分とに差が生じ、結果としてウェハの面内均一性が損なわれうる。一方、Ge濃度が高くなると上記機構でのSiOxによる阻害の影響が小さくなり、特に本発明のエッチング液のように金属層に対して高い除去性のある薬液を適用した際にウェハの面内均一性が確保できると考えられる。なお、ゲルマニウム100質量%の場合、そのアニールにより第二層の合金を伴って形成される層は、ゲルマニウムと第二層の特定金属元素を含み、シリコンを含まないが、本明細書では便宜上これを含めてゲルマニウムシリサイド層と称する。
(Ge濃度)
本発明において、ゲルマニウムの濃度は以下の測定方法で測定した値とする。ゲルマニウム(Ge)を含む層の基板をエッチングESCA(アルバックファイ製 Quantera)にて0〜30nmまでの深さ方向を分析し、3〜15nm分析結果におけるGe濃度の平均値をGe濃度(質量%)とする。
サリサイド工程を経て、シリサイド層が、上記シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)と金属層(第二層)との間に、シリコン(Si)もしくはゲルマニウム(Ge)および第二層の成分(上記特定金属種)を含有する層として形成される。このシリサイド層は広義には上記第一層に含まれるが、狭義にこれと区別して呼ぶとき「第三層」と言う。その組成は、特に限定されないが、ゲルマニウムを含有するゲルマニウムシリサイド層であることが好ましい。SixGeyMz(M:金属元素)の式で、x+y+z=1として、0.2≦x+y≦0.8であることが好ましく、0.3≦x+y≦0.7であることがより好ましい。zについては、0.2≦z≦0.8であることが好ましく、0.3≦z≦0.7であることがより好ましい。xとyとの比率の好ましい範囲は上記で規定したとおりである。ただし、第三層にはその他の元素が含まれていてもよい。そのことは、上記金属層(第二層)で述べたことと同様である。
(MOSトランジスタの加工)
図2は、MOSトランジスタの製造例を示す工程図である。(A)はMOSトランジスタ構造の形成工程、(B)は金属膜のスパッタ工程、(C)は1回目のアニール工程、(D)は金属膜の選択除去工程、(E)は2回目のアニール工程である。
図に示すように、シリコン基板21の表面に形成されたゲート絶縁膜22を介してゲート電極23が形成されている。シリコン基板21のゲート電極23の両側にエクステンション領域が別途形成されていてもよい。ゲート電極23の上側に、Ti層との接触を防ぐ保護層(図示せず)が形成されていてもよい。さらに、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなるサイドウォール25が形成され、イオン注入によりソース領域26及びドレイン領域27が形成されている。
次いで、図に示すように、Ti膜28が形成され、急速アニール処理が施される。これによって、Ti膜28中の元素をシリコン基板中に拡散させてシリサイド化(本明細書では、ゲルマニウム100質量%のときも含めて、便宜上、アニールによる合金化をシリサイド化と称する)させる。この結果、ソース電極26及びドレイン電極27の上部がシリサイド化されて、TiGeSiソース電極部26A及びTiSiGeドレイン電極部27Aが形成される。このとき、必要により、図2(E)に示したように2回目のアニールをすることにより電極部材を所望の状態(アニールされたシリサイドソース電極26B,アニールされたシリサイドドレイン電極27B)に変化させることができる。上記1回目と2回目のアニール温度は特に限定されないが、例えば、400〜1100℃で行うことができる。
シリサイド化に寄与せずに残ったTi膜28は、本発明のエッチング液を用いることによって除去することができる(図2(C)(D))。このとき、図示したものは大幅に模式化して示しており、シリサイド化された層(26A,27A)の上部に堆積して残るTi膜があってもなくてもよい。半導体基板ないしその製品の構造も簡略化して図示しており、必要に応じて、必要な部材があるものとして解釈すればよい。
構成材料の好ましい例を挙げると下記のような形態を例示できる。
21 シリコン基板: Si,SiGe,Ge
22 ゲート絶縁膜: HfO(High−k)
23 ゲート電極: Al,W
25 サイドウォール: SiOCN,SiN,SiO(low−k)
26 ソース電極: Si,SiGe,Ge
27 ドレイン電極: Si,SiGe,Ge
28 金属層: Ti
図示せず キャップ: TiN
本発明のエッチング方法が適用される半導体基板を上述したが、この具体例に限らず、他の半導体基板にも適用できる。例えば、ソース及び/又はドレーン領域上にシリサイドパターンを有する高誘電膜/金属ゲートFinFETを含む半導体基板が挙げられる。
[エッチング液]
次に、本発明のエッチング液の好ましい実施形態について説明する。本実施形態のエッチング液はフッ素イオンとpKa2以下の酸とを含有する。以下、各成分について説明する。
(フッ素イオン)
本発明のエッチング液においては、フッ素イオンを含有させる。フッ素イオンは、エッチング液において、第二層の金属(Ti等)の配位子(錯化剤)となり溶解を促進する役割を果たしていると解される。
フッ素イオンの濃度は、エッチング液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下が特に好ましい。フッ素イオンを上記の濃度で適用することにより、良好な金属層のエッチングを実現しつつ、シリサイド層の効果的な保護を実現することができる。
なお、配合量の確認においては、製造時のフッ素化合物(塩)の量を定量することによって、フッ素イオンの量を特定してもよい。
フッ素イオンの供給源としては、HFなどのフッ素化合物が挙げられる。
(pKa2以下の酸)
本発明に係るエッチング液にはpKa2以下の酸が含まれる。このpKaはさらに1.5以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましく、0.5以下であることがさらに好ましい。下限は、pKa−20以上であることが実際的である。pKa2以下の酸は、エッチング液において、水分量が少ない処方でも第二層の金属(Ti等)の酸化を加速させるという役割を果たしていると解される。この観点で、pKaが上記範囲を上回ると、金属(酸化されていない)Ti等の溶解が進まなくなってしまうことがある。
pKa2以下の酸としては、HBF、HBr、HCl、HI、HSO、FCCOOH、ClCCOOHなどが好ましい。なかでも無機酸であることが好ましく、ハロゲン原子を含む無機酸であることがより好ましい。本発明においてpKa2以下の酸が効果を奏する理由は定かではないが、後述するエッチングの時間依存性との関係で、pKa2以下の酸のアニオンが特有の効果を発揮するものと解される。
pKaとは、酸強度を定量的に表すための指標のひとつであり、酸性度定数と同義である。酸から水素イオンが放出される解離反応を考え、その平衡定数Kaをその負の常用対数pKaによって表したものである。pKaが小さいほど強い酸であることを示す。例えば、ACD/Labs(Advanced Chemistry Development社製)等を用いて算出した値を用いることができる。下記に、代表的な置換基の計算例を示しておく。
HBF: -0.4
HBr : -9.0
HCl : -7.0
MSA : -1.8 (メタンスルホン酸)
TSA : -2.8 (p−トルエンスルホン酸)
pKa2以下の酸の濃度は、エッチング液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。フッ化水素酸100質量部に対しては、10質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、50質量部以上が特に好ましい。上限としては、1000質量部以下が好ましく、600質量部以下がより好ましく、200質量部以下が特に好ましい。
pKa2以下の酸の濃度を上記の範囲とすることで、金属層(第二層)の良好なエッチング性を維持しながら、シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)ないしそのシリサイド層(第三層)の損傷を効果的に抑制できるため好ましい。なお、エッチング液の成分の同定に関しては、例えば硝酸として確認される必要まではなく、水溶液中でイオンが同定されることにより、その存在および量を定量してもよい。なお、pKa2以下の酸は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、以下のカルボン酸化合物は、pKaが所定の範囲であってもpKa2以下の酸に含まれないこととする。
(有機溶剤)
本発明に係るエッチング液には有機溶剤を含有させてもよい。有機溶剤はなかでもプロトン性極性有機溶剤が好ましい。プロトン性極性溶媒としては、アルコール化合物(グリコール化合物を含む)、エーテル化合物、カルボン酸化合物が好ましい。有機溶剤は、エッチング液において、相対的に薬液中の水分量を下げることで選択的な処理が必要な金属や絶縁膜の溶解速度を低下させる役割を果たしていると解される。
有機溶剤は、例えば、ハンセンパラメータのδh(水素結合エネルギー)が5以上であることが望ましく、10以上であることが特に望ましい。粘度40mPa・s(20℃)以下であることが望ましく、35mPa・s以下であることがさらに望ましく、10mPa以下であることが特に望ましい。
・アルコール化合物
アルコール化合物は、分子内に炭素と水素とを有しヒドロキシル基を1つ以上もつ化合物を広く含む。ここでは、エーテル化合物であっても、ヒドロキシルル基をもつものは、アルコール化合物としている。アルコール化合物の炭素数は、1以上であればよく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がさらに好ましく、6以上が特に好ましい。上限としては、24以下が好ましく、炭素数12以下がより好ましく、炭素数8以下が特に好ましい。
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、メチルペンタンジオール、シクロヘキサノール、エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール等のエーテル基非含有アルコール化合物、
アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル[DEGBE]等)、フェノキシエタノール、メトキシメチルブタノールを含むエーテル基含有アルコール化合物が挙げられる。
アルコール化合物は中でも下記式(O−1)で表される化合物であることが好ましい。
O1−(−O−RO2−)−OH ・・・ (O−1)
・RO1
O1は水素原子又は炭素数1〜12(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3)のアルキル基、炭素数6〜14(好ましくは6〜10)のアリール基、または炭素数7〜15(好ましくは7〜11)のアラルキル基である。
・RO2
O2は直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン鎖である。複数のRO2が存在するときそのそれぞれは異なっていてもよい。RO2は炭素数2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。
・n
nは1以上12以下の整数であり、1以上6以下が好ましい。nが2以上のとき複数のRO2は互いに異なっていてもよい。
アルコール化合物は下記式(O−2)で表される化合物であることも好ましい。
O3−LO1−RO4−OH ・・・ (O−2)
O3は、置換基を有してもよい環状構造基であることが好ましい。環状構造基は、芳香族環であっても、複素芳香族環であっても、脂肪族環であっても、複素脂肪族環であってもよい。芳香族環としては、炭素数6〜14のアリール基が挙げられる(炭素数6〜10が好ましく、フェニル基がより好ましい)。脂肪族環としては、炭素数3〜14の環状アルキル基が挙げられる(炭素数3〜10が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい)。複素環は、炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましい。例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリルの例が挙げられる。環状構造基は適宜任意の置換基を有していてもよい。
O1は単結合、O、CO、NR、S、またはそれらの組合せである。なかでも、単結合、CO、Oが好ましく、単結合またはOがより好ましい。Rは後述する定義による。
O4はアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が特に好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜14が好ましく、炭素数6〜10がより好ましい)、またはアラルキレン基(炭素数7〜15が好ましく、炭素数7〜11がより好ましい)である。
有機溶剤の濃度は、エッチング液中、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が特に好ましい。有機溶剤を上記の範囲とすることで、水の濃度を低減し、ゲルマニウムシリサイド層ないしその他の保護を要する金属層の損傷を効果的に抑制しながら、上記のpKa2以下の酸と組み合わせることで金属層(第二層)の良好なエッチング性を維持できるため好ましい。
なお、本発明において、上記有機溶剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その併用割合は特に限定されないが、合計使用量は、2種以上の総和として上記濃度範囲とすることが好ましい。
(カルボン酸化合物)
本発明のエッチング液にはカルボン酸化合物を含んでいてもよい。カルボン酸化合物は、カルボン酸を有する有機化合物であることが好ましい。カルボン酸化合物は、分子内にカルボン酸を有していればよく、低分子量の化合物であっても、高分子化合物であってもよい。カルボン酸化合物が低分子化合物であるとき、炭素数4〜48が好ましく、炭素数4〜36がより好ましく、6〜24が特に好ましい。カルボン酸化合物は、エッチング液において、錯化剤として第二層の金属の酸化物(酸化チタン等)の溶解を加速するという役割を果たしていると解される。
カルボン酸化合物は、R−COOH で表される化合物であることが好ましい。Rは、アルキル基(炭素数1〜48が好ましく、炭素数4〜36がより好ましく、6〜24が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜48が好ましく、炭素数4〜36がより好ましく、6〜24がさらに好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜48が好ましく、炭素数4〜36がより好ましく、6〜24がさらに好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。Rがアリール基であるとき、そこには炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数2〜20のアルキニル基が置換していてもよい。Rがアルキル基であるとき、下記の構造であってもよい。

*−R−(R−Y)−R

は単結合、アルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルキニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキレン基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
はRの連結基と同義である。
Yは酸素原子(O)、硫黄原子(S)、カルボニル基(CO)、もしくはイミノ基(NR)である。Rはアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
nは0〜8の整数である。
は更に置換基を有していてもよく、なかでも、スルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、アミノ基(NR )が好ましい。
カルボン酸化合物の濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。フッ化水素酸100質量部に対しては、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
(シュウ酸)
上記のカルボン酸化合物のなかでも、シュウ酸は別種の添加剤としてエッチング液に含有させてもよい。シュウ酸は、エッチング液において、錯化剤の役割を果たしていると解される。
シュウ酸の濃度は、エッチング液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。フッ化水素酸100質量部に対しては、10質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、50質量部以上が特に好ましい。上限としては、1000質量部以下が好ましく、600質量部以下がより好ましく、200質量部以下が特に好ましい。
(糖類)
本発明のエッチング液は、糖類を含んでいてもよい。pKa2以上の酸は、エッチング液において、シリサイド層の防食という役割を果たしていると解される。
糖類は特に限定されず、単糖であっても、多糖であってもよいが、単糖であることが好ましい。単糖としては、ヘキソース、ペントースなどを広く挙げることができる。構造で言えば、ケトース、アルドース、ピラノース、フラノースが挙げられる。ヘキソースとしては、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等が挙げられる。ペントースとしては、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、リブロース、キシルロース等が挙げられる。フラノースとしては、トロフラノース、トレオフラノース、リボフラノース、アラビノフラノース、キシロフラノース、リキソフラノースが挙げられる。ピラノースとしては、リボピラノース、アラビノピラノース、キシロピラノース、リキソピラノース、アロピラノース、アルトロピラノース、グルコピラノース、マンノピラノース、グロピラノース、イドピラノース、ガラクトピラノース、タロピラノースが挙げられる。
糖類の濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。フッ化水素酸100質量部に対しては、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
(カルボン酸含有ポリマー)
本発明のエッチング液は、カルボン酸含有ポリマーを含んでいてもよい。カルボン酸含有ポリマー剤は、エッチング液において、AlやSi系絶縁膜の防食という役割を果たすと解される。
カルボン酸含有ポリマーは特に限定されず、カルボキシル基を有する構成単位を有する種々のポリマーを適用することができる。このようなポリマーを構成するモノマーとしては、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MA)、ビニル安息香酸(VBA)等が挙げられる。
カルボン酸含有ポリマーの濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。フッ化水素酸100質量部に対しては、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
本明細書において、化合物ないし置換基・連結基等がアルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基、アルキニル基・アルキニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、任意の基で置換されていても無置換でもよい。このとき、アルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基、アルキニル基・アルキニレン基はヘテロ原子を含む基(例えば、O、S、CO、NR等)を介在していてもよく、これを伴って環構造を形成していてもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、同様に置換されていても無置換でもよい。
本明細書において、化合物の置換基や連結基の選択肢を始め、温度、厚さといった各技術事項は、そのリストがそれぞれ独立に記載されていても、相互に組み合わせることができる。
本明細書において、化合物または酸と末尾に付して化合物を特定するときには、本発明の効果を奏する範囲で、当該化合物以外に、そのイオン、塩を含む意味である。また、同様に、その誘導体を含む意味である。
(水)
本発明のエッチング液には水(水媒体)を含有させることが好ましい。水(水媒体)としては、本発明の効果を損ねない範囲で溶解成分を含む水性媒体であってもよく、あるいは不可避的な微量混合成分を含んでいてもよい。なかでも、蒸留水やイオン交換水、あるいは超純水といった浄化処理を施された水が好ましく、半導体製造に使用される超純水を用いることが特に好ましい。水の濃度は特に限定されないが、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることが特に好ましい。
本発明においては、エッチング液の濃度を所定の範囲に規定することが好ましい。水がない状態では、金属層のエッチング作用を十分には示さないことがある。この点で適用されることが好ましいが、この量を少量に抑えることで、シリサイド層やその他の保護すべき金属層の損傷を抑えることができる。さらに本発明では、pKa2以下の酸により系内にプロトンを供給することで、金属層のエッチング性を高めている。このとき、シリサイド層へのダメージの少ないpKa2以下の酸を選定することで、より選択性の高いエッチングを可能とする。
このような、従来にないゲルマニウムシリサイド層を保護した上での高い金属層のエッチングを達成した理由は推定を含むが以下のように考えられる。まず、チタン等の第二金属の溶解において、水はこれを酸化させる役割と、HFにより形成された錯体を溶解する働きの二つがあると考えられる。本発明の好ましい実施形態においては、水分を減らしてもTi等の溶解速度を落とさない手段として、(1)Ti等を酸化させるためのプロトン供給源を選定する、(2)Ti等の錯体の溶媒和形成を促進させる有機溶媒を選定することにより、上記の作用を一層効果的に実現する。特に(1)に関しては、強酸の陰イオン部分が金属と形成する塩の溶解度によりTi溶解速度の時間依存性が異なりうる。そのため、時間依存性が小さいH源を選定することで、処理時間を長くした場合にも、シリサイド層へのダメージを抑制できるものと考えられる。
(特定有機添加剤)
本実施形態に係るエッチング液には、特定有機添加剤を含有させることが好ましい。この有機添加剤は、窒素原子、硫黄原子、リン原子、もしくは酸素原子を含有する有機化合物からなる。中でも、上記有機添加剤は、アミノ基(−NR )もしくはその塩、イミノ基(−NR−)もしくはその塩、スルファニル基(−SH)、ヒドロキシル基(−OH)、カルボニル基(−CO−)、スルホン酸基(−SOH)もしくはその塩、リン酸基(−PO)もしくはその塩、オニウム基もしくはその塩、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(SO)、エーテル基(−O−)、アミンオキシド基、およびチオエーテル基(−S−)から選ばれる置換基もしくは連結基を有する化合物であることが好ましい。さらに、非プロトン解離性有機化合物(アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、カーボネート化合物)、アゾール化合物、ベタイン化合物、スルホン酸化合物、アミド化合物、オニウム化合物、アミノ酸化合物、リン酸化合物、スルホキシド化合物であることも好ましい。
上記Rは水素原子または置換基である。置換基としては、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましく、2〜3が特に好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましく、2〜3が特に好ましい)、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基が好ましい。
上記特定有機添加剤は、下記式(I)〜(XIII)のいずれかで表される化合物からなることが特に好ましい。
Figure 0006063404
式(I):
11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)、スルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、またはアミノ基(−NR )である。ただしR11およびR12の少なくとも片方はスルファニル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)であることが好ましい。なお、上記の置換基はさらに置換基をとる場合(アルキル基、アルケニル基、アリール基等)、さらに任意の置換基Tを有していてもよい。これは、これ以降に説明する置換基や連結基についても同様である。
はメチレン基(CR )、硫黄原子(S)、または酸素原子(O)である。なかでも硫黄原子が好ましい。Rは水素原子または置換基(後記置換基Tが好ましい。)である。
式(II):
はメチン基(=CR−)または窒素原子(N)である。R21は置換基(後記置換基Tが好ましい。)であり、なかでもスルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、アミノ基(NR )が好ましい。
n2は0〜4の整数である。
21が複数あるとき、それらは同じでも異なってもよく、互いに結合ないし縮合して環を形成していてもよい。形成される環としては、含窒素複素環であることが好ましく、不飽和の5員または6員の含窒素複素環であることがより好ましい。
式(III):
はメチレン基、イミノ基(NR)、または硫黄原子(S)である。
は水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)、アミノ基(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)、ヒドロキシル基、スルファニル基である。
31は置換基(後記置換基Tが好ましい。)である。なかでもスルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、アミノ基(NR )が好ましい。
n3は0〜2の整数である。
31が複数あるとき、それらは同じでも異なってもよく、互いに結合ないし縮合して環を形成していてもよい。形成される環としては、六員環であることが好ましく、ベンゼン構造もしくは六員のヘテロアリール構造(なかでもピリジン構造、ピリミジン構造が好ましい。)が挙げられる。
式(III)は下記式(III−1)であることが好ましい。
Figure 0006063404
およびYはそれぞれ独立にメチン基(=CR−)または窒素原子(N)である。
、Y、R31、n3は上記と同義である。YおよびYの位置は六員環の中で別の位置にあってもよい。
式(IV):
はアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルキニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキレン基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
がカルボキシル基またはヒドロキシル基である。
式中のSH基はジスルフィド化して二量体となっていてもよい。
式(V):
51は、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、炭素数1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、炭素数2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜24が好ましく、炭素数2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
51がアリール基であるとき、そこには炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基が置換していることが好ましい。
51がアルキル基であるとき、下記の構造であってもよい。

*−R52−(R53−Y53n5−R54

52は単結合もしくはLと同義の連結基である。R53はLと同義の連結基である。Y53は酸素原子(O)、硫黄原子(S)、カルボニル基(CO)、もしくはイミノ基(NR)である。あるいは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、カルボニル基(CO)、イミノ基(NR)の組み合わせでもよく、例えば、(C=O)O、O(C=O)などが挙げられる。R54はアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
n5は0〜8の整数である。
51は更に置換基Tを有していてもよく、なかでも、スルファニル基(SH)、ヒドロキシル基(OH)、アミノ基(NR )が好ましい。
Zはアミノ基(NR )(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)、スルホン酸基(SOH)、硫酸基(SOH)、リン酸基(PO)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルファニル基(SH)、オニウム基(炭素数3〜12が好ましい)、アシルオキシ基、またはアミンオキシド基(−NR )である。
本発明において、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基は特に断らない限りその塩や酸の場合にはその酸エステル(例えば、アルキルエステルであり、炭素数1〜24が好ましく、炭素数1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい)を形成していても良い意味である。カルボン酸エステルをなすアルキル基はさらに置換基Tを有していても良い。例えば、ヒドロキシル基を有するアルキル基が挙げられる。このとき、アルキル基はヘテロ原子を含む基(例えば、O、S、CO、NR等)を伴って環構造を形成していてもよい。ヒドロキシル基を有する環構造のアルキル基としてソルビタン残基が挙げられる。すなわち、ソルビタン脂肪酸エステル(炭素数7〜40が好ましく、炭素数8〜24がより好ましく)を好適に利用することができる。
式(V)中のR51とZとの間には、所望の効果を奏する範囲で任意の連結基を有していてもよい。任意の連結基としては、前記Lの例またはY53の例が挙げられる。
式(V)がカルボン酸であるとき、R51はアルキル基であることが好ましく、この場合は、炭素数1〜24が好ましく、3〜20がより好ましく、6〜18がさらに好ましく、8〜16が特に好ましい。このアルキル基がさらに置換基Tを有していてよいことは、他のものと同様である。
上記オニウム基を有する化合物としては、アンモニウム基を有する化合物(R51−NR )、ピリジニウム基を有する化合物(C −R51・M)、またはイミダゾリニウム基(CRN−R51・M)が好ましい。Rは上記と同義である。Mは対となるアニオン(例えばOH)である。
上記オニウム基を有する化合物をさらに詳しく例示すると、以下の式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006063404
式中、RO7〜RO10はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基、下記式(y)で表される基である。ただし、RO7〜RO10の少なくとも1つの炭素数が6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。

Y1−(Ry1−Y2)my−Ry2−* (y)

Y1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数7〜14のアラルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ヒドロキシル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。Y2は、O、S、CO、NRを表す。Ry1およびRy2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、炭素数2〜6のアルキニレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、またはそれらの組合せを表す。myは0〜6の整数を表す。myが2以上のとき複数のRy1およびY2はそれぞれ異なっていてもよい。Ry1およびRy2はさらに置換基Tを有していてもよい。*は結合手である。
O11はRO7と同義の基であるが、炭素数は6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。RO12は置換基Tである。mOは0〜5の整数である。
M4、M5は対イオンであり、例えば水酸化物イオンが挙げられる。
O13はY1と同義の基である。RO14およびRO15は式(y)と同義の基である。RO14およびRO15の少なくとも1つのY1はカルボキシル基であり、ベタインを構成していることが好ましい。
式(V)で表される化合物は、下記式(V−1)〜(V−3)のいずれかであることが好ましい。式中、Z、Zは連結基Lを介することのあるスルホン酸基である。R56は置換基Tであり、なかでもそこで例示されるアルキル基が好ましい。n51およびn56は0〜5の整数である。n53は0〜4の整数である。n51、n53、およびn56の最大値は同じ環にあるZまたはZの数に応じて減ずる。n52は1〜6の整数であり、1または2が好ましい。n54およびn55はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n54+n55は1以上である。n54+n55は1または2が好ましい。n57およびn58はそれぞれ独立に0〜5の整数であり、n57+n58は1以上である。n57+n58は1または2が好ましい。複数あるR56は互いに同じでも異なっていてもよい。連結基Lは上記L、後記L、またはその組合せであることが好ましく、Lであることがより好ましい。
Figure 0006063404
式(VI):
61とR62は、それぞれ独立に、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、またはアルキルアミノ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)である。R61とR62とは結合もしくは縮合して環を形成していてもよい。R61またはR62がアルキル基であるとき、上記*−R52−(R53−Y53)−R54で表される基であってもよい。
はカルボニル基、スルフィニル基(SO)、またはスルホニル基(SO)である。
式(VI)で表される化合物は、下記式(VI−1)〜(VI−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。式中、R61とR62は上記と同義である。Qは、3〜8員環であり、5員環または6員環が好ましく、飽和の5員環または6員環がより好ましく、飽和炭化水素の5員環または6員環が特に好ましい。ただし、Qは任意の置換基Tを有していてもよい。
Figure 0006063404
式(VII):
71はアミノ基(−NR )、アンモニウム基(−NR ・M)、またはカルボキシル基である。
は単結合またはLと同義の基である。Lは中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、または(−L31(SR)p−)であることが好ましい。L31は炭素数1〜6のアルキレン基である。Rは水素原子またはこの部位でジスルフィド基を形成して二量化していてもよい。
71がカルボキシル基であるとき、この化合物はジカルボン酸化合物となる。ジカルボン酸化合物の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられ、中でも、シュウ酸が好ましい。
式(IIX):
81およびR82は、それぞれ独立に、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。
式(IX):
はLと同義の基である。
91およびR93はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アシル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、またはアラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)である。ただし、n9が0のとき、R91およびR93がともに水素原子になることはない。
n9は0〜100の整数であり、0〜50が好ましく、0〜25がより好ましく、0〜15がさらに好ましく、0〜10がさらに好ましく、0〜5が特に好ましい。
式(IX)で表される化合物は、下記式(IX−1)で表される化合物であることがより好ましい。

91−(OL41)−(OLn91−OR93 (IX−1)

41は炭素数2以上のアルキレン基であることが好ましく、好ましくは炭素数2〜6である。このアルキレン基の炭素数の設定により、金属(例えばTi)と特有の吸着状態を形成せず、その除去が阻害されないものと推定される。また、金属とフッ素原子との結合成分は親水的ないし疎水的に挙動するとみられ、酸素原子を連結する炭素数が2または3以上の化合物が好適に作用すると推定される。この観点からは、さらにL41は炭素数3以上であることが好ましく、炭素数3〜6であることが好ましく、炭素数3または4であることが特に好ましい。なお、上記L41の炭素数は、分岐のアルキレン基であるときには、分岐に含まれる炭素原子は除いて、その連結炭素数が2以上であることが好ましい。例えば、2,2−プロパンジイル基は連結炭素数が1となる。つまり、O−O間をつなぐ炭素原子の数を連結炭素数とよび、これが2個以上であることが好ましい。上記の金属との吸着作用を考慮すると、さらに連結炭素数が3以上であることが好ましく、3以上6以下であることがより好ましく、3以上4以下であることが特に好ましい。
n91はn9と同義の数である。
本化合物がR91およびR93において水素原子のヒドロキシル基を2つ以上有する化合物であるとき、その構造は下記式(IX−2)であることが好ましい。
Figure 0006063404
式中のR94〜R97は、R91と同義である。R94〜R97はさらに置換基Tを有していてもよく、例えばヒドロキシル基を有していてもよい。Lはアルキレン基であり、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基であることがより好ましい。式(IX−2)の化合物の具体例としては、ヘキシレングリコール、1、3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
上記親水性・疎水性の観点から、上記式(IX)で表される化合物は、そのCLogPにおいて所望の範囲のものを用いることが好ましい。上記式(IX)で表される化合物のCLogP値は−0.4以上であることが好ましく、−0.2以上であることがより好ましい。上限側の規定としては、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
・ClogP
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、一般にJIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))、Viswanadhan’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989))、Broto’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.-Chim.Theor.,19,71(1984))などを用いることが知られている。本発明では、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))を用いる。
ClogP値とは、1−オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値である。ClogP値の計算に用いる方法やソフトウェアについては公知の物を用いることができるが、特に断らない限り、本発明ではDaylight Chemical Information Systems社のシステム:PCModelsに組み込まれたClogPプログラムを用いることとする。
式(X):
A3はRと同義である。RA1およびRA2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)、スルファニル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基である。ただしRA1およびRA2の少なくとも片方はスルファニル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)であることが好ましい。
式(XI):
およびYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基(NR)、カルボニル基である。RB1は置換基(後記置換基Tが好ましい。)である。nBは0〜8の整数である。ただし、YおよびYのいずれか一方はメチレン基(CR )であってもよい。
式(XII):
およびY10は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、メチレン基(CR )、イミノ基(NR)、またはカルボニル基である。YおよびY10は、六員環の別の位置であってもよい。
およびXは、硫黄原子または酸素原子である。破線はその結合が単結合でも二重結合でも良いことを意味する。RC1は置換基(後記置換基Tが好ましい。)である。nCは0〜2の整数である。
C1は複数あるとき、互いに同じでも異なっていてもよく、結合ないし縮合して環を形成していてもよい。
式(XIII):
は、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(NR)である。Rは水素原子または炭素数1〜24のアルキル基であり、2〜20のアルキル基であることが好ましく、4〜16のアルキル基であることがより好ましく、6〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
は、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(NR)、またはメチレン基(CR )である。
D1は置換基であり後記置換基Tが好ましい。RD1はなかでも、1〜24のアルキル基であることが好ましく、1〜12のアルキル基であることがより好ましい。
nCは0〜6の整数であり、0〜2の整数が好ましく、1が特に好ましい。
なかでも、式中のX−CO−XはNR−CO−CR 、O−CO−O、O−CO−CR であることが好ましい。
上記特定有機添加剤は、下記第一群または第二群のなかから選択される化合物からなることが好ましい。
Figure 0006063404
Figure 0006063404
特定有機添加剤のうち、第一群に属するものの濃度は、エッチング液中、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が特に好ましい。
特定有機添加剤のうち、第二群に属するものの濃度は、エッチング液中、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上がさらに好ましく、0.05質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
上記各式と第一群および第二群との区別については、式(V)もしくその一部、(VI)、(IIX)、(IX)、(XI)に係る化合物が第一群であり、その他の式ないし式(V)もしくはその一部に係る化合物が第二群であることが好ましい。
なお、上記特定有機添加剤と必須成分(pKa2以下の酸等)が同種の化合物を含みうるが、その場合は必須成分とは別種の有機添加剤を、性能の向上のために利用することを意味するものと理解すればよい。ただし、第一群については、上記有機溶媒として適用することが好ましい。
(キット)
本発明におけるエッチング液は、その原料を複数に分割したキットとしてもよい。例えば、第1液として上記フッ化水素酸を水に含有する液組成物を準備し、第2液として有機溶剤を含有する液組成物を準備する態様が挙げられる。このときその他の化合物などの成分はそれぞれ別にあるいはともに第1液、第2液、またはその他の第3液に含有させておくことができる。
その使用例としては、両液を混合してエッチング液を調液し、その後適時に上記エッチング処理に適用する態様が好ましい。このようにすることで、各成分の分解による液性能の劣化を招かずにすみ、所望のエッチング作用を効果的に発揮させることができる。ここで、混合後「適時」とは、混合ののち所望の作用を失うまでの時期を指し、具体的には60分以内であることが好ましく、30分以内であることがより好ましく、10分以内であることがさらに好ましく、1分以内であることが特に好ましい。下限は特にないが、1秒以上であることが実際的である。
第1液と第2液との混合の仕方は特に限定されないが、第1液と第2液とをそれぞれの流路に流通させ、両者をその合流点で合流させて混合することが好ましい。その後、さらに流路を流通させ、合流して得られたエッチング液を吐出口から吐出ないし噴射し、半導体基板と接触させることが好ましい。この実施形態でいうと、上記合流点での合流混合から半導体基板への接触までの過程が、上記「適時」に行われることが好ましい。これを、図3を用いて説明すると、調製されたエッチング液が吐出口13から噴射され、処理容器(処理槽)11内の半導体基板Sの上面に適用される。同図に示した実施形態では、A及びBの2液が供給され、合流点14で合流し、その後流路fcを介して吐出口13に移行するようにされている。流路fdは薬液を再利用するための返戻経路を示している。半導体基板Sは回転テーブル12上にあり、回転駆動部Mによって回転テーブルとともに回転されることが好ましい。なお、このような基板回転式の装置を用いる実施態様は、キットにしないエッチング液を用いた処理においても同様に適用することができる。
なお、本発明のエッチング液は、その使用用途に鑑み、液中の不純物、例えば金属分などは少ないことが好ましい。特に、液中のNa、K、Caイオン濃度が1ppt〜1ppm(質量基準)の範囲にあることが好ましい。また、エッチング液において、平均粒径0.5μm以上の粗大粒子数が100個/cm以下の範囲にあることが好ましく、50個/cm以下の範囲にあることが好ましい。
(容器)
本発明のエッチング液は、(キットであるか否かに関わらず)腐食性等が問題とならない限り、任意の容器に充填して保管、運搬、そして使用することができる。また、半導体用途向けに、容器のクリーン度が高く、不純物の溶出が少ないものが好ましい。使用可能な容器としては、アイセロ化学(株)製の「クリーンボトル」シリーズ、コダマ樹脂工業(株)製の「ピュアボトル」などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[エッチング条件]
本発明のエッチング方法においては、枚葉式装置を用いることが好ましい。具体的に枚葉式装置は、処理槽を有し、その処理槽で上記半導体基板を搬送もしくは回転させ、その処理槽内に上記エッチング液を付与(吐出、噴射、流下、滴下等)して、半導体基板に上記エッチング液を接触させるものであることが好ましい。
枚葉式装置のメリットとしては、(i)常に新鮮なエッチング液が供給されるので、再現性がよい、(ii)面内均一性が高いといったことが挙げられる。さらに、エッチング液を複数に分けたキットを利用しやすく、例えば、上記第1液と第2液をインラインで混合し、吐出する方法が好適に採用される。このとき、上記の第1液と第2液とを共に温度調節するか、どちらか一方だけ温調し、インラインで混合して吐出する方法が好ましい。なかでも、共に温調する実施態様がより好ましい。ラインの温度調節を行うときの管理温度は、後記処理温度と同じ範囲とすることが好ましい。
枚葉式装置はその処理槽にノズルを具備することが好ましく、このノズルを半導体基板の面方向にスイングさせてエッチング液を半導体基板に吐出する方法が好ましい。このようにすることにより、液の劣化が防止でき好ましい。また、キットにして2液以上に分けることでガス等を発生させにくくすることができ好ましい。
エッチングを行う処理温度は、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。上限としては、80℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましく、60℃以下であることがさらに好ましく、50℃以下であることがさらに好ましく、40℃以下であることが特に好ましい。上記下限値以上とすることにより、第二層に対する十分なエッチング速度を確保することができ好ましい。上記上限値以下とすることにより、エッチング処理速度の経時安定性を維持することができ好ましい。また、室温付近で処理できることで、エネルギー消費の削減にもつながる。
なお、エッチングの処理温度とは後記実施例で示す温度測定方法において基板に適用する温度を基礎とするが、保存温度あるいはバッチ処理で管理する場合にはそのタンク内の温度、循環系で管理する場合には循環流路内の温度で設定してもよい。
エッチング液の供給速度は特に限定されないが、0.05〜5L/minとすることが好ましく、0.1〜3L/minとすることがより好ましい。上記下限値以上とすることにより、エッチングの面内の均一性を一層良好に確保することができ好ましい。上記上限値以下とすることにより、連続処理時に安定した性能を確保でき好ましい。半導体基板を回転させるときには、その大きさ等にもよるが、上記と同様の観点から、50〜1000rpmで回転させることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態に係る枚葉式のエッチングにおいては、半導体基板を所定の方向に搬送もしくは回転させ、その空間にエッチング液を噴射して上記半導体基板に上記エッチング液を接触させることが好ましい。エッチング液の供給速度や基板の回転速度についてはすでに述べたことと同様である。
本発明の好ましい実施形態に係る枚葉式の装置構成においては、図4に示すように、吐出口(ノズル)を移動させながら、エッチング液を付与することが好ましい。具体的に、本実施形態においては、半導体基板Sに対してエッチング液を適用する際に、基板がr方向に回転させられている。他方、半導体基板の中心部から端部に延びる移動軌跡線tに沿って、吐出口が移動するようにされている。このように本実施形態においては、基板の回転方向と吐出口の移動方向とが異なる方向に設定されており、これにより両者が互いに相対運動するようにされている。その結果、半導体基板の全面にまんべんなくエッチング液を付与することができ、エッチングの均一性が好適に確保される構成とされている。
吐出口(ノズル)の移動速度は特に限定されないが、0.1cm/s以上であることが好ましく、1cm/s以上であることがより好ましい。一方、その上限としては、30cm/s以下であることが好ましく、15cm/s以下であることがより好ましい。移動軌跡線は直線でも曲線(例えば円弧状)でもよい。いずれの場合にも移動速度は実際の軌跡線の距離とその移動に費やされた時間から算出することができる。基板1枚のエッチングに要する時間は10〜300秒の範囲であることが好ましい。
上記金属層は高いエッチングレートでエッチングされることが好ましい。第二層(金属層)のエッチングレート[R2]は、特に限定されないが、生産効率を考慮し、50Å/min以上であることが好ましく、100Å/min以上がより好ましく、200Å/min以上であることが特に好ましい。上限は特にないが、1000Å/min以下であることが実際的である。
金属層の露出幅は特に限定されないが、本発明の利点がより顕著になる観点から、2nm以上であることが好ましく、4nm以上であることがより好ましい。同様に効果の顕著性の観点から、上限値は1000nm以下であることが実際的であり、100nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
第三層がチタンゲルマニウムシリサイド層の場合、第三層のエッチングレート[R1]は、特に限定されないが、過度に除去されないことが好ましく、40Å/min以下であることがさらに好ましく、20Å/min以下であることがさらに好ましく、10Å/min以下であることが特に好ましい。下限は特にないが、測定限界を考慮すると0.1Å/min以上であることが実際的である。
第一層と第三層との選択的エッチングにおいて、そのエッチングレート比([R2]/[R1])は特に限定されないが、高い選択性を必要とする素子を前提に言うと、2以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、50以上であることがさらに好ましく、100以上であることが特に好ましい。上限としては特に規定されず、高いほど好ましいが、10000以下であることが実際的である。なお、シリサイド層(第三層)のエッチング条件は、広義にはシリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)と同義であり、そのアニール前の層(例えばSiGeやGeの層)と共通しており、そのエッチング速度によって代用することができる。
さらに、本発明の好ましい実施形態に係るエッチング液では、Al、W等の金属電極層、HfO、HfSiO、WO、AlO、SiO、SiOC、SiON、SiOCN、TiN、SiN、TiAlC等の絶縁膜層(これらを総称して第四層ということがある)の損傷も好適に抑制できるため、これらを含む半導体基板に適用されることも好ましい。なお、本明細書において、金属化合物の組成をその元素の組合せにより表記した場合には、任意の組成のものを広く包含する意味である。例えば、SiOC(SiON)とは、SiとOとC(N)とが共存することを意味し、その量の比率が1:1:1であることを意味するものではない。このことは、本明細書において共通し、別の金属化合物についても同様である。
基板1枚のエッチングに要する時間は10秒以上であることが好ましく、50秒以上であることがより好ましい。上限としては、300秒以下であることが好ましく、200秒以下であることがより好ましい。
[半導体基板製品の製造]
本実施形態においては、シリコンウエハ上に、上記シリコン層と金属層とを形成した半導体基板とする工程と、上記半導体基板をアニールする工程、半導体基板にエッチング液を付与し、エッチング液と金属層とを接触させて、上記金属層を選択的に除去する工程とを介して、所望の構造を有する半導体基板製品を製造することが好ましい。このとき、エッチングには上記特定のエッチング液を用いる。上記の工程の順序は制限されて解釈されるものではなく、それぞれの工程間にさらに別の工程を含んでいてもよい。
ウェハサイズは特に限定されないが、直径8インチ、直径12インチ、または直径14インチのものを好適に使用することができる(1インチ=25.4mm)。
なお、本明細書において「準備」というときには、特定の材料を合成ないし調合等して備えることのほか、購入等により所定の物を調達することを含む意味である。また、本明細書においては、半導体基板の各材料をエッチングするようエッチング液を用いることを「適用」と称するが、その実施態様は特に限定されない。例えば、エッチング液と基板とを接触させることを広く含み、具体的には、バッチ式のもので浸漬してエッチングしても、枚葉式のもので吐出によりエッチングしてもよい。
本明細書において、半導体基板とは、ウェハのみではなくそこに回路構造が施された基板構造体全体を含む意味で用いる。半導体基板部材とは、上記で定義される半導体基板を構成する部材を指し1つの材料からなっていても複数の材料からなっていてもよい。なお、加工済みの半導体基板を半導体基板製品として区別して呼ぶことがあり、必要によってはさらに区別して、これに加工を加えダイシングして取り出したチップ及びその加工製品を半導体素子という。すなわち、広義には半導体素子やこれを組み込んだ半導体製品は半導体基板製品に属するものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中で処方や配合量として示した%および部は特に断らない限り質量基準である。
[実施例1・比較例1]
(試験基板の作製)
市販のシリコン基板(直径:12インチ)上に、SiGeをエピタキシャル成長させ、厚さ500Åの膜厚で形成した。同様にしてその他の膜もCVD等で作成したブランケットウエハを準備した。このとき、SiGeエピタキシャル層は、ゲルマニウムを50〜60質量%含有していた。下表の試験においてはこれらのブランケットウエハを用いて各層のエッチング速度を算出した。
さらに、前記のSiGeエピタキシャル層の上にTiの層を形成した。これを、800℃で10秒アニールし、シリサイド層を形成して試験基板とした。アニール後のシリサイド層の厚さは15nmであり、金属層の厚さは5nmであった。
(エッチング試験)
上記のブランクウェハおよび試験用基板に対して、枚葉式装置(SPS−Europe B.V.社製、POLOS(商品名))にて下記の条件でエッチングを行い、評価試験を実施した。
・処理温度 :24℃ 室温
・吐出量 :1L/min.
・ウェハ回転数 :500rpm
・ノズル移動速度 :7cm/S
なお、エッチング液の供給は1液で行った(図3のAラインのみを使用)。各処理試験は調液後即座に行った。
(処理温度の測定方法)
株式会社堀場製作所製の放射温度計IT−550F(商品名)を上記枚葉式装置内のウェハ上30cmの高さに固定した。ウェハ中心から2cm外側のウェハ表面上に温度計を向け、薬液を流しながら温度を計測した。温度は、放射温度計からデジタル出力し、パソコンで連続的に記録した。このうち温度が安定した10秒間の温度を平均した値をウェハ上の温度とした。
(エッチング速度[ER])
エッチング速度(ER)については、エリプソメトリー(分光エリプソメーター、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン株式会社 Vaseを使用した)を用いてエッチング処理前後の膜厚を測定することにより算出した。5点の平均値を採用した(測定条件 測定範囲:1.2−2.5eV、測定角:70,75度)。
(TiSiGeダメージ)
ゲルマニウムシリサイド層(TiSiGe)の損傷の程度は、エッチング処理前後のシート抵抗の変化量とエッチングESCAでのTiSiGe厚みから判断した。評価A〜Eは、ESCAでのTiSiGe層の厚みが初期の状態と比較して何%損失しているかにより次式で規定した。
TiSiGeダメージ(%) =
(薬液処理後のTiSiGe厚み / 薬液処理前のTiSiGeの厚み ) × 100
A: 80超 100以下
B: 60超 80以下
C: 40超 60以下
D: 20超 40以下
E: 0超 20以下
なお、AはAの評価となったが、やや劣っていた。
Figure 0006063404
<表の注釈>
PAA:ポリアクリル酸
DHC:デヒドロコール酸
LA:ラウリン酸
SA:ステアリン酸
Lib:リボース
DEGBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
各成分の下段は配合量(質量%)
エッチング速度でマイナスになったものは、エッチングされずに見かけ上厚くなったものと解される。
上記表の結果からわかるように、本発明のエッチング液によれば、Tiのエッチングレートが高く、Al、SiO、SiN、SiOC、HfO、TiAlCのエッチングレートを低く抑えて、Tiを選択的にエッチングできることが確認できた。また、TiSiGeへのダメージを抑えることができることから、デバイスの性能向上にも寄与できることがわかる。
1 金属層(第二層)
2 シリコンもしくはゲルマニウム含有層(第一層)
3 シリサイド層(第三層)
11 処理容器(処理槽)
12 回転テーブル
13 吐出口
14 合流点
S 基板
21 シリコン基板
22 ゲート絶縁膜
23 ゲート電極
25 サイドウォール
26 ソース電極
27 ドレイン電極
28 Ti膜

Claims (21)

  1. ゲルマニウムを含む第一層およびゲルマニウム以外の金属種を含む第二層を有する半導体基板に適用する半導体プロセス用のエッチング液であって、
    フッ素イオンpKa2以下の酸および有機溶剤を含有し、含有する該有機溶剤の濃度が50質量%〜98質量%であるエッチング液。
  2. 前記有機溶剤がプロトン極性溶剤である請求項に記載のエッチング液。
  3. さらに水を含有する請求項1または2に記載のエッチング液。
  4. 記フッ素イオンの濃度が0.1質量%以上20質量%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載のエッチング液。
  5. ゲルマニウムを含む第一層およびゲルマニウム以外の金属種を含む第二層を有する半導体基板に適用する半導体プロセス用のエッチング液であって、
    フッ化水素(HF)、水およびpKa2以下の酸を含有し、該酸の含有量が該フッ化水素(HF)100質量部に対し、10質量部以上1000質量部以下であるエッチング液。
  6. さらに有機溶剤を含有する請求項5に記載のエッチング液。
  7. 前記有機溶剤がプロトン極性溶剤である請求項6に記載のエッチング液。
  8. 記有機溶剤の濃度が50質量%以上98質量%以下である請求項6または7に記載のエッチング液。
  9. 前記水の濃度が0.1質量%以上50質量%以下である請求項のいずれか1項に記載のエッチング液。
  10. 前記第一層のゲルマニウムの濃度が40質量%以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載のエッチング液。
  11. 記第二層が、チタンを含む層である請求項1〜10のいずれか1項に記載のエッチング液。
  12. さらにシリコンもしくはゲルマニウムのシリサイドを含む第三層を有する半導体基板に適用する請求項1〜11のいずれか1項に記載のエッチング液。
  13. 記pKa2以下の酸がHBF、HBrまたはHClである請求項1〜12のいずれか1項に記載のエッチング液。
  14. 記pKa2以下の酸の濃度が0.1質量%以上20質量%以下である請求項1〜13のいずれか1項に記載のエッチング液。
  15. さらにカルボン酸化合物を含有する請求項1〜14のいずれか1項に記載のエッチング液。
  16. ゲルマニウムを含む第一層およびゲルマニウム以外の金属種を含む第二層を有する半導体基板に、フッ素イオンpKa2以下の酸および有機溶剤を含有し、含有する該有機溶剤の濃度が50質量%〜98質量%であるエッチング液を適用するエッチング方法。
  17. ゲルマニウムを含む第一層およびゲルマニウム以外の金属種を含む第二層を有する半導体基板に、フッ化水素(HF)、水およびpKa2以下の酸を含有し、該酸の含有量が該フッ化水素(HF)100質量部に対し、10質量部以上1000質量部以下であるエッチング液を適用するエッチング方法。
  18. 前記第一層のゲルマニウムの濃度が40質量%以上である請求項16または17に記載のエッチング方法。
  19. 記第二層が、チタンを含む層である請求項16〜18のいずれか1項に記載のエッチング方法。
  20. 前記半導体基板が、さらにシリコンもしくはゲルマニウムのシリサイドを含む第三層を有する請求項16〜19のいずれか1項に記載のエッチング方法。
  21. 請求項1620のいずれか1項に記載のエッチング方法を介して半導体基板製品を製造する半導体基板製品の製造方法。
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