JP6253636B2 - 可撓性ロボットアクチュエータを提供するためのシステムと方法 - Google Patents

可撓性ロボットアクチュエータを提供するためのシステムと方法 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年3月26日に出願された“FLEXIBLE ROBOTIC ACTUATORS”と題する米国仮特許出願第61/615,665号の出願日の利益を主張する。また、本出願は、2012年6月18日に出願された“SYSTEMS AND METHODS FOR INTEGRATION OF SOFT ROBOTS AND HARD ROBOTS”と題する米国仮特許出願第61/673,003号の出願日の利益を主張する。また、本出願は、2012年9月7日に出願された“SYSTEMS AND METHODS FOR PROVIDING SOFT TENTACLES”と題する米国仮特許出願第61/698,436号の出願日の利益を主張する。本明細書内で引用される全ての特許、特許出願および公開は、本明細書で説明される本発明の時点で当業者に既知の技術水準をより完全に説明するために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(連邦政府の支援による研究開発に関する記述)
本発明は、国防総省国防高等研究事業局(DARPA)により授与された認可番号W911NF−11−1−0094、W911NF−09−1−0476と、全米科学財団により授与された認可番号PHY−0646094、DMR−0820484と、エネルギー省により授与された認可番号DE−FG02−00ER45852の下に、米国政府の支援によりなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
骨格を有する動物に似たロボットに対して、多くのアプローチが活発に開発されている。これらのロボットの多くは、いわゆる「ハード」ボディプラン、すなわち、剛体(通常は金属)骨格、電気駆動部または油圧駆動部、電気機械的制御部、検知部およびフィードバック部を用いて構築される。これらのロボットは、それらを設計する上での課題(例えば制御環境における重工業)においては成功している。しかし、より厳しい課題(例えば、厳しい環境における安定した運動性)に直面したとき、これらのロボットには厳しい制限がある。すなわち、多くの環境で、トラック・ホイールの性能は脚や蹄の性能に劣ってしまう。
別クラスのロボット(骨格を有しない動物をベースとするもの)は、以下の理由のためにあまり利用されていない。i)「海洋状(marine−like)」生物(イカ)は、水の浮力に支えられなければ動作できないと考えられる。ii)これらのシステムを作るのに必要な材料や部品は手に入らないことが多い。iii)これらのシステムにおいて用いられる主な駆動部は、従来のロボットでは事実上使用されていない。
これらのシステムは、ハードボティシステムと比較して、能力や可能な用途が大きく異なる。これらのシステムは、ハードボディシステムよりも(少なくとも開発初期では)低速であるだろうが、制限された空間(亀裂、瓦礫)をより安定かつ良好に移動できるようになると共に、より軽量で安価になるだろう。
「ソフト(軟質)」と言い表すことができるロボット(またはロボットアクチュエータ)は、その製造に使用する材料や駆動方法により、非常に簡単に分類できる。ソフトロボット駆動の分野は、1950年にKuhnらによる研究で始まった。彼らの研究は、周囲媒質のpHに応じたポリマー材料の可逆変化(巻く、ほどける)に焦点を当てたものであった。彼らは、これを利用して重りを上げ下げすることに成功し、ロボット駆動における軟質材料の利用について原理の証明を提示した。Hamlenらは、1965年、このアイデアについて詳細な説明を行い、ポリマー材料を電解で収縮させられることを示した。これら2つの発見により、ポリマーゲルの膨張と誘電体ベースのアクチュエータの電気的制御を用いる将来の研究のための準備が整った。Otakeらは、ヒトデ型ロボットアクチュエータの製造における電気活性ポリマーの使用を実証した。伸長性(extensible)ポリマーから作った封止チャンバの加圧をベースにした空気圧駆動ソフトアクチュエータが、1991年にSuzumoriらによって最初に報告された。この種の駆動をミリメートルスケールで用いて、グリッパ、触手、その他関連のあるデバイス(空気圧式バルーンなど)が製造されている。
伸長性のない材料を用いて、蛇腹のような構造に依存する空気圧式ソフトロボットアクチュエータを製造できる。空気圧式人工筋肉(PAM)としても知られるMcKibbenアクチュエータは、駆動軸方向に伸長性を有しない織りシース(woven sheath)内に拘束されたブラダの膨張に依存している。生じる変形は、径方向の膨張と軸方向の収縮につながる。加えることができる力は、加わる圧力に比例する。関連するアクチュエータは、ひだ付き(pleated)空気圧式人工筋肉と称されている。
形状記憶合金などの「ソフト」ロボットアクチュエータが存在する。これは、這う動き(クロール)とジャンプの両方が可能なロボットにおいて、駆動方法としても主要な構造コンポーネントとしてもSugiyamaらにより使用されてきたものである。「ソフト」と称することができる別のアプローチでは、従来のロボット要素(電気モータ)とシェイプデポジション製造法(SDM:Shape Deposition Manufacturing)をベースとしたポリマーリンク機構との組み合わせを用いる。この技術は、3D印刷とフライス加工の組み合わせである。軟質要素を有する従来のロボットの複合材の一例が、ソフトフィンガを備えたロボットグリッパの開発において使用されて大きな成功を収めており、ニュージーランドで柔らかいフルーツの包装のスピードと効率性を向上させている。
ソフトロボットについて更なる能力が求められている。
可撓性ロボットアクチュエータと、可撓性ロボットアクチュエータを用いて構成したロボットシステムについて説明している。本開示のこれらのおよび他の態様、実施形態について、以下で説明している。
幾つかの実施形態は、ソフトロボットを備える。このソフトロボットは、複数の埋込み流体チャネルを有する可撓体を備えてもよい。該複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つは、前記可撓体の中心軸周りに同心円状に配置されるものであってもよい。また、このソフトロボットは、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つに連結された加圧口を備えてもよい。該加圧口は、加圧流体を受けて前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つの一部を膨張させ、これにより前記可撓体の径方向撓みが生じるように構成されたものであってもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、ソフトロボットは、前記可撓体の上方に、該可撓体を封止するように接触して配置されたソフトチャンバを備えてもよく、前記ソフトチャンバは、流体リザーバと流体入口を備えてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ソフトチャンバは、カバー層と1つまたは複数個の壁を含むキャップを備え、前記1つまたは複数個の壁は前記可撓体に取り付けられ、前記キャップと前記可撓体との間の空間により前記流体リザーバを形成してもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記流体リザ−バは、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つが加圧されたときに前記流体入口を介して流体を搬送するように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記流体リザーバは、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つが減圧されたときに前記流体入口を介して流体を受けるように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記可撓体は、エラストマーを用いて成形されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つは、同心多角形として構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記同心多角形は同心円を含んでもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記可撓体は歪み制限層を含んでもよく、前記歪み制限層の引張係数が前記可撓体の引張係数よりも大きくてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記歪み制限層は紙を含んでもよい。
幾つかの実施形態は、ソフトロボットを駆動する方法を含む。この方法は、本明細書で説明している実施形態によるソフトロボットを準備するステップ、前記加圧口に加圧流体を供給し、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つを加圧し、これにより前記ソフトロボットの径方向撓みが生じるようにしたステップを含んでもよい。
幾つかの実施形態は、ソフトロボットを駆動する方法を含む。この方法は、本明細書で説明している実施形態によるソフトロボットを準備するステップ、前記流体入口を介して前記ソフトチャンバに流体を供給するステップ、前記加圧口に加圧流体を供給し、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つを加圧し、これにより前記流体入口を介して前記ソフトチャンバ内に収納された流体を排出するステップを含んでもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、方法は、前記加圧口から前記加圧流体を除去し、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つを減圧し、これにより前記流体入口を介して前記ソフトチャンバ内へ流体を吸入するステップを含んでもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ソフトチャンバは、或る試薬と反応して発色する化学試薬を収納するように構成されていてもよい。
幾つかの実施形態は、非多孔性表面を把持する方法を含む。この方法は、本明細書で説明している実施形態によるソフトロボットを準備するステップ、非多孔性表面に対して前記ソフトロボットを配置するステップ、前記加圧口に加圧流体を供給し、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つを加圧し、これにより前記非多孔性表面に対して前記ソフトロボットを崩壊させて吸引封止を形成するステップを含んでもよい。
幾つかの実施形態は、ソフトロボットアクチュエータを含む。このソフトロボットアクチュエータは、可撓性を有する成形体であって、該成形体の中に配置された複数のチャネルを有する成形可撓体を備えてもよい。前記複数のチャネルは、前記成形体の中心軸と同軸であり、前記成形体の一部は、弾性伸長性材料を含んでもよい。前記成形体の一部は、前記弾性伸長性材料に対して歪み制限的であってもよい。前記成形体は、前記複数のチャネルのうち1つが加圧流体により加圧されたときに優先的に膨張するように構成されていてもよい。ソフトロボットアクチュエータは、前記複数のチャネルのうち少なくとも1つについて加圧流体を受けるように構成された加圧口を備えてもよい。ソフトロボットアクチュエータは、前記成型体の一端と他端との間で第1材料を移動させるように構成された第1輸送チャネルと、前記成型体の一端と他端との間で第2材料を移動させるように構成された第2輸送チャネルを備えてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記第1輸送チャネルは、前記成形体の歪み制限部分内に埋め込まれていてもよく、前記第2輸送チャネルは、前記成形体の弾性伸長部分内に埋め込まれていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記第1材料は固体粒子を含んでもよく、前記第2材料は液体を含んでもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記第1材料は固体粒子を含んでもよく、前記第2材料は液体を含んでもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記複数のチャネルは、前記成形体の中心軸に沿って複数の節に分けられていてもよい。
幾つかの実施形態は、ソフトロボットシステムを含む。このソフトロボットシステムは、該ソフトロボットシステムを支持するように構成された複数の可撓性アクチュエータを備えてもよい。前記複数の可撓性アクチュエータのうち少なくとも1つは、加圧されて関連する可撓性アクチュエータを駆動するように構成された流体チャネルを備えてもよい。ソフトロボットシステムは、可撓性を有する成形体を備えた軟質触手アクチュエータを備えてもよい。該成形体は中に配置された複数のチャネルを有してもよい。該複数のチャネルは前記成形体の中心軸と同軸でもよい。前記成形体の一部は弾性伸長材料を含んでもよい。前記成形体の一部は前記弾性伸長材料に対して歪み成形的であってもよい。前記成形体は、前記複数のチャネルのうち1つまたは複数個が加圧流体により加圧されたときに優先的に膨張するように構成されていてもよい。ソフトロボットシステムは、前記成形体に連結され、前記ソフトロボットシステムの周囲の場面を撮影するように構成されたカメラモジュールを備えてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記複数の可撓性アクチュエータは、前記カメラモジュールが撮影した画像に応じて駆動されるように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記軟質触手アクチュエータと前記複数の可撓性アクチュエータは、独立して駆動されるように構成されていてもよい。
幾つかの実施形態は、ロボットシステムを含む。このロボットシステムは、複数の埋め込み流体チャネルを有する可撓体を備えたソフトロボットシステムを備えてもよい。前記複数の埋め込み流体チャネルは、上壁、下壁および側壁により画定され、その少なくとも1つの壁が歪み制限的であってもよい。前記ソフトロボットは前記複数の埋め込み流体チャネルに連結された加圧口を有してもよい。前記加圧口は、加圧流体を受けて前記複数の埋め込み流体チャネルの少なくとも一部を加圧し、前記ソフトロボットを動作させるように構成されていてもよい。ロボットシステムは、前記ソフトロボットに連結され、前記ロボットシステムを移動させるように構成されたハードロボットを備えてもよい。ロボットシステムは、前記ソフトロボットとハードロボットに連結されたロボット制御システムを備えてもよい。前記ロボット制御システムは、前記加圧流体を流体口に与えるように構成された流体システムを備えてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記流体システムは、前記ソフトロボットシステムの加圧口に連結され、前記複数の流体チャネルのうち1つまたは複数個を加圧するように構成されたポンプとバルブを備えてもよい。前記ポンプとバルブは、前記複数の流体チャネルのうち1つまたは複数個に関連する駆動シーケンスを用いて制御されるように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記駆動シーケンスは、(a)バルブを閉じる、(b)ポンプの電源を入れて流体チャネルを加圧する、(c)バルブを閉じた状態でポンプの電源を切る、(d)バルブを開いて収縮させる、のうち少なくとも1つを示すものであってもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、ソフトロボットシステムは、ソフトロボット、ソフトロボットアクチュエータまたは他の任意の種類の可撓性ロボットシステムを備えてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ソフトロボットシステムは複数のアクチュエータを備えてもよく、前記複数のアクチュエータはそれぞれ流体入口を有してもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記流体システムは、前記アクチュエータに関連した駆動シーケンスを用いて1つまたは複数個のアクチュエータを選択的に駆動することにより、前記ソフトロボットシステムを動作させるように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ソフトロボット内の複数のアクチュエータは、回転対称性を示すように配置されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ロボット制御システムは、前記駆動シーケンスと前記アクチュエータとの間の関係を変更することにより、前記ソフトロボットシステムの移動方向を変更するように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ロボットシステムは、前記ロボット制御システムに結合された中央制御システムを備えてもよい。前記中央制御システムは、前記ハードロボットが所定の方向に移動するように前記ロボット制御システムに命令を出すように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ロボットシステムは、前記中央制御システムに結合されたカメラシステムを備えてもよい。前記カメラシステムは、前記ハードロボットの周囲の環境の画像を記憶するように構成されていてもよい。前記中央制御システムは、前記記憶された画像を用いて前記ハードロボットの周囲の障害物を特定するように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ソフトロボットシステムは、前記カメラシステムが撮影した画像に応じて駆動されるように構成されていてもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記ロボットシステムはロボット掃除機を含んでもよい。
幾つかの実施形態は、ロボットシステムを動作させる方法を含む。この方法は、本明細書で説明しているいずれかの実施形態によるソフトロボットを準備するステップ、中央制御システムにより、前記ハードロボットの周囲の場面の画像をカメラシステムから受けるステップ、前記中央制御システムにより、前記ソフトロボットシステムが掴む対象の物体を特定するステップ、前記中央制御システムにより、前記特定した物体に近接した位置に前記ハードロボットが移動するように、かつ、前記特定した物体を前記ソフトロボットシステムが掴むように前記ロボット制御システムに命令を出すステップを含んでもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、方法は、前記ロボット制御システムにより、前記流体システムに駆動シーケンスを与えて前記ソフトロボットシステムを制御するステップを含んでもよい。
本明細書で説明している実施形態の幾つかで、前記流体システムはポンプとバルブを備え、方法は、(a)バルブを閉じるステップ、(b)ポンプの電源を入れて流体チャネルを加圧するステップ、(c)バルブを閉じた状態でポンプの電源を切るステップ、(d)バルブを開いて収縮させるステップを含んでもよい。
以下の図面を参照して本発明を説明するが、図面は説明目的で用いており、本発明を限定することは意図していない。
特定の実施形態によるソフトロボットの流体駆動の理を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手とその動作を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、エコフレックスについての応力と歪みとの間の関係を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手の屈曲方向の制御を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、モールドの個々の部分を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、モールドの個々の部分の大きさを示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手用のモールドを組み立てるプロセスを示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手用のモールドの断面図を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、モールドを用いて軟質触手を製造するプロセスを示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、プラスチック押出し技術を用いて軟質触手を製造するプロセスを示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、エラストマー壁内にチューブを挿入するプロセスを示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、加圧ガス供給源をガス入口に連結する構造を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、凹凸のある内面を有する容器を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、凹凸のある表面を有する軟質触手とその動作を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、複数節の軟質触手の設計と製造を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、複数節の軟質触手を用いて成しうるさまざまな形状を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、流体搬送ロボットとその利用を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手を用いた固体材料の移動を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、複数の輸送チャネルを有する軟質触手を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手を用いた溶解粒子の移動を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、吸引ロボットとその動作を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、カメラモジュールを有する軟質触手を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、ニードルを備えた軟質触手を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、四足の上にカメラが取り付けられた軟質触手を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による径方向撓みアクチュエータを示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、径方向撓みアクチュエータを成形するためのモールドを示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、径方向撓みアクチュエータの把持装置としての利用を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、径方向撓みアクチュエータを用いた物体(例としてペトリ皿)のマニピュレーションを示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による流体吸引デバイスの断面図を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、ソフトチャンバ用の軟質材料層を成形するためのモールドを示す。 特定の実施形態による、流体吸引装置を用いた染色水のマニピュレーションを示す。 特定の実施形態による、化学分析用途での流体吸引装置の使用を示す。 開示している主題についての特定の実施形態による、ソフトロボットとハードロボットとを統合するロボットシステムを示す。 開示している主題についての特定の実施形態による、歩行機械として構成されたアクチュエータと、歩行機械に取り付けられたロボット制御システムを示す。 開示している主題についての特定の実施形態による、歩行機械の歩行動作を示す。 開示している主題についての特定の実施形態による、脚のパドリング動作を示す。 開示している主題についての特定の実施形態による、バンプセンサの設計と配置を示す。 開示している主題についての特定の実施形態による、ソフトロボット(a)、ソフトロボットの駆動シーケンス(b)、流体ポンプ・バルブ(c)を示す。 開示している主題についての特定の実施形態による、ソフトロボットの方向性を持つ歩行動作を示す。 開示している主題についての特定の実施形態によるロボット掃除機を示す。 開示している主題についての幾つかの実施形態による、ロボット原動機を用いて物体を移動させるプロセスを示す。
棘皮動物(ヒトデ、ウニ)や刺胞動物(クラゲ)といった生物は、古くから存在すると共に信じられないくらい成功した比較的単純な生物であり、最先端のハードロボットシステムであっても今までにない動きが可能である。自然と最先端のロボットシステムとの間にギャップが生じる主な要因の1つは、ロボティクス用に利用可能な材料を選択する上で厳しい制限があることである。
この自然と最先端のロボットシステムとの間のギャップを埋めるために、ロボットシステムは種々の材料を利用してきた。例えば、ソフトロボットシステムは、軟質材料(軟質エラストマーなど)または可撓性材料(紙やニトリルなど)を用いてその構造を作成できる。これは、“Soft robotic actuators”と題したPCT出願(出願番号PCT/US2011/061720)と“Flexible robotic actuators”と題したPCT出願(出願番号PCT/US2013/022593)に開示されている。これらの出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
一般に、「ソフト」ロボット、すなわち複数の自由度を与える可撓性コンポーネントを有するロボットは、多くの有用な能力を有する。これらの能力としては、変形する能力、繊細な物体を操作する能力、環境に適合する能力、および、乱雑でありかつ/または構造化されていない環境で移動する能力などが挙げられる。ソフトアクチュエータの可撓性により、ロボティクスにおける問題やアクチュエータの設計に対する有用なアプローチを得ることができる可能性がある。また、ソフトアクチュエータは、駆動に対して高度に非線形な応答をうまく利用して、種々の複雑な動作を達成できると共に、ハードマシンや従来のコントローラを用いては解決するのが困難な課題を比較的単純に解決できる。一つの簡単な例として、可撓性エラストマーをベースとするソフトロボットは、緻密な制御を行うことなく大面積にわたって圧力を分散させることができる。この能力により、ソフトロボットは、脆く不定形の物体を操作できる。この種の設計では、単純な圧力供給源のみを用いて複雑な動きを行うことができる。すなわち、加圧ネットワークの好適な分布、構成および大きさを特定のネットワーク要素の駆動シーケンスと組み合わせることで、生じる動作を決定できる。
本開示は、ソフトロボットシステムに更なる機能を与えると共に、ソフトロボットシステムとハードロボットシステムを統合するための機構を与えるものである。これらの更なる機能と機構は、それ単独で採用されてもよく、または他のソフトロボットアクチュエータ(例えば先の段落で言及されたもの)と組み合わせて採用されてもよい。
開示している主題は、軟質触手を含む。開示した軟質触手によりさまざまな動きが生じうる。例えば、軟質触手により単純な回転動作が生じうる。他の例では、軟質触手により、その触手に沿った局所的な曲率を独立して制御することに基づく複雑な3次元動作が生じうる。幾つかの実施形態では、これらの複雑な動きを用いて、複雑な形状と種々の表面特性(例えば表面抵抗)を有する物体を掴んで操ることができる。他の実施形態では、軟質触手を他の機能的モジュールと組み合わせて用いて、追加の能力を提供できる。機能的モジュールは、流体搬送用のニードル、静止画/動画撮影用のカメラモジュール、物体の持上げ・移動用の吸盤を備えてもよい。他の実施形態では、例えば滑りやすい表面に対する吸着性が向上するように、軟質触手の表面が凹凸を有して(textured)いてもよい。
また、開示している主題は、中心点周りの面外撓み(例えば、静止位置での平面構造から駆動位置での凸部または半球位置(hemispherical position)への移動)を可能にする径方向撓みアクチュエータを含む。本明細書では、こうした撓みを「径方向撓み」(radial deflection)と称す。径方向撓みは吸引機構を与えるので、ソフトロボットにおいて有用であることがある。吸引機構は、以下で開示するように、物体の把持、表面に対するロボットの可逆的取付け、流体の収集/搬送、直接または下流での化学分析用の化学的試料収集など多くの用途で利用できる。
また、開示している主題は、1つまたは複数個の多機能ソフトロボットとハードロボットとを統合するハイブリッドロボットシステムを含む。ソフトロボットは多種の複雑な動作を行うことができるが、最新鋭のソフトロボットであっても、ハードロボットが容易に対処可能な課題を抱えることがある。ハイブリッドロボットシステムは、ソフトロボットとハードロボットを、両ロボットが所望の特徴を保持するように動作させることができる。例えば、このロボットシステムは、平坦地上を長い距離にわたって移動するようにハードロボットを用いることができ、激しい表面起伏を有する小領域内でタスクを実行するようにソフトロボットを用いることができる。
ソフトロボットの駆動原理.
幾つかの実施形態では、加圧流体(すなわち、加圧ガスまたは加圧液体)を用いてソフトロボットアクチュエータを駆動できる。流体駆動の原理を図1に示す。剛性は高いが曲げやすいバッキング層104を有する軟質ゴム(エラストマー)フォーム102内に、チャネル100が埋め込まれる。膨張が望ましくないネットワークのセクションに用いられる材料には、弾性率の高い材料が求められる。一方、伸長性が必要となるネットワークの材料には、弾性率の低い材料が使用される。加圧流体(すなわち、加圧ガスおよび/または液体)を介してチャネルを加圧する際、ソフトエラストマーのネットワークは膨張する(図1b)。具体的には、加圧時に、最も伸長性の高い領域106でチャネルが膨張することになる。チャネルがバルーン状に膨張する際に生じる体積の増加に適合するように、構造はそれに応じて屈曲する。軟質ゴムの膨張には、より剛性の高い歪み制限層の周りで屈曲することで適合する(図1c)。エラストマー体内に埋め込まれたチャネルまたはチャンバの駆動原理に関する更なる詳細は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、2011年11月21日出願のPCT出願(出願番号:PCT/US2011/061720、発明の名称“Soft robotic actuators”)において説明されている。
本明細書で「剛性」は、加えられた力による変形(例えば延び)に対する弾性体の抵抗を指す。概して、弾性率は剛性に関連する(ただし、同一ではない)。弾性率は構成材料の特性であり、剛性は構造の特性である。すなわち、弾性率は材料の示強的な特性である。これに対して、剛性はネットワークの示量的な特性であり、材料の弾性率と、形状および境界条件に応じたものとなる。剛性はヤング率に応じたものであるので、チャネル壁の相対的な剛性の比較測定値と、チャネルネットワークの加圧時の撓みの予測因子として材料の弾性率を用いることができる。
歪みは、物体の相対的な変位に関する変形を表す。変形は、加えられる力(本明細書では例えば加圧する力)により誘起された応力に起因して生じる。剛性の低い材料または弾性率の低い材料は、弾性率の高い材料よりも大規模に変形することになるので、剛性の低い材料がまず歪み、または変形する。その結果、より剛性の高いまたは弾性率の大きい材料における歪みは、より小さくなりまたは「制限」される。本明細書では、より剛性の高い(例えば、より弾性率の高い)チャネルの層または壁を「歪み制限」層、壁または膜と称す。
軟質触手アクチュエータ.
軟質触手アクチュエータは、それ自身をソフトロボット用途に特に適するようにさせる以下の少なくとも4つの特性を有しうる。i)開示している軟質触手は1メートル当たり100gと軽量である。ii)開示している軟質触手は、高速駆動(例えば、内径1.57mm、長さ25cmのテザー(紐、tether)を介して搬送される300ミリバールのガスを用いた0.5秒の完全な駆動)に適合する。iii)開示している軟質触手は、衝撃および落下に起因する損傷に耐性を有する。iv)開示している軟質触手は、特別な光学的、電気的または機械的な機能を有するコンポーネントの導入、さらに、物体との相互作用を改善させるための表面の改質に適合する。
(軟質触手アクチュエータの構造と特性)
図2は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手とその動作を示す。図2aは、軟質触手202、軟質触手内の流体チャネル204、流体チャネル204に連結されたガス入口206を示す。幾つかの実施形態で、流体チャネル204は軟質触手と同軸であってもよく、軟質触手の長さに沿って延びていてもよい。図2aに示す触手の全長は約15cmである。流体チャネルの長さは、触手の根元から5mm離れた位置で開始して、14cmであってもよい。しかし、触手の長さと流体チャネルの長さは、所望の長さであってよい。
幾つかの実施形態で、軟質触手202は、芯構造208と表皮構造を備えてもよい。芯構造208は、表皮構造に対して歪み制限的であってもよい。言い換えると、芯構造208は表皮構造よりも剛性の高い材料で構成されてもよい。図2aに示すように、芯構造208はポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いて構成されてもよく、表皮構造はエコフレックスを用いて構成されてもよい。芯構造208は任意の好適な形状をとってよい。例えば、芯構造208は、円筒形状、直方体形状、三角柱形状、六角柱形状、または、所望の用途に適した他の任意の多角柱形状をとってもよい。
軟質触手202は、ガス入口206を介して流体チャネル204に加えられる流体圧によって駆動されてもよい。ガス入口206は、それぞれ複数の流体チャネル204の1つに連結可能な3つのノズルを備える。幾つかの実施形態で、各ノズルは独立した圧力供給源に連結されてもよく、これにより流体チャネル204の独立した駆動が可能となる。他の実施形態で、各ノズルは同じ圧力供給源に連結されてもよく、これにより流体チャネル204を同時に駆動することができる。
図2bは、開示している主題についての幾つかの実施形態による、加圧時の流体チャネルの構造変形と応力分布を示す。加圧すると、流体チャネル204は、最も柔軟な領域、または、近隣の領域と比べて剛性が低い材料で製造された領域(すなわち、エコフレックスで製造した領域)で膨張する。例えば、流体チャネル204の膨張により、PDMSの芯構造と接触しないエコフレックスの表皮構造は薄くなる。
加えられた圧力がPatmからPIIIまで増加すると、エコフレックスの表皮構造はより薄くなるだろう。図2bで、Pは75ミリバール(mbar)、PIIは149ミリバール(mbar)、PIIIは231ミリバール(mbar)である。表皮構造は、流体チャネル204の対向する2つの壁を非対称に伸ばすことにより薄くすることができる。加えられた圧力が充分に高い(例えば約230ミリバール)とき、流体チャネル204に近接したエコフレックスの表皮構造は、スナップスルー不安定性(snap−through instability)を経て大きく変形する。この変形により、軟質触手202は屈曲を開始する。触手の屈曲の程度は、流体チャネル204に加える圧力を制御することにより制御できる。図2cは、開示している主題についての幾つかの実施形態による軟質触手の屈曲を示す。流体チャネルに加わる圧力の大きさが増大するにつれて、触手の屈曲の程度も増加する。
幾つかの実施形態では、加圧時に軟質触手202が触手の末端で屈曲を開始するようにしてもよい。多くの場合、触手の末端で変形を開始させるのに必要な力は、触手の中心で変形を開始させるのに必要な力よりも小さい。それゆえ、図2cに示すように、流体チャネル204に加えられる圧力が増大すると、軟質触手202の末端で屈曲が開始することになる。この構造選択的で局所的な(regional)駆動は、複雑な動作を生み出す多くの有用な非線形性のうちの1つである。
軟質触手202の末端がスナップスルー不安定性に達すると、流体チャネル204の端部での変形が飽和点に達する。図2cに示すように、飽和点に達すると、屈曲動作が触手の根元に向かって伝わり、触手は円状に屈曲を開始する(充分に長い場合には複数回)。
触手の曲率と流体チャネルに加えられる圧力との関係は、数値シミュレーションにより特徴付けることができる。膨張する壁の薄いバルーンについての分析的記述を良好に進めることができるが、複合材構造(例えば軟質触手)の分析的記述については未だ利用可能でない。この問題に対処するために、有限要素解析を用いて、膨張する流体チャネルのシミュレーションを行ってもよい。
有限要素解析は、有限要素ソフトウェアを用いて膨張する流体チャネルの3次元モデルを構築することを含んでもよい。有限要素ソフトウェアはDassault Systemes社のABAQUSであってもよい。膨張する流体チャネルの3次元モデルは、スナップスルー不安定性モデルであってもよい。スナップスルー不安定性モデルは、Riks法であってもよい。Riks法では、流体チャネルの作成に使用する材料をモデル化してもよい。この目的のために、開示している有限要素解析では、せん断弾性率(shear modulus)G=1.84MPaの非圧縮性ネオフック(Neo−Hookean)材料としてPDMSのモデルを作成する。エコフレックスは、アルーダボイス(Arruda−Boyce)材料、すなわち、大きな歪みで硬くなり、スナップスルー不安定性をとるゴム材料としてモデルを作ってもよい。図3は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、一軸応力下でのエコフレックスについての応力と歪みとの間の関係を示す。応力とエコフレックスの歪みとの間の実験的関係は、せん断弾性率G=0.03MPa、λlim=3.9の非圧縮性アルーダボイス材料としてフィッティングスされている
先の段落で説明したモデルを用いて、触手の曲率と流体チャネルに加えられる圧力との関係のシミュレーションを行うことができる。図2dは、シミュレーションにより求めた、触手の曲率と流体チャネルに加えられる圧力との間の関係を示す。図2eは、実験により求めた、触手の曲率と流体チャネルに加えられる圧力との間の関係を示す。図2dと図2eに示すように、シミュレーションにより求めた関係は実験により求めた関係と近い経路を辿っており、これにより有限要素解析の精度が裏付けられる。
幾つかの実施形態で、触手の屈曲方向は個々の流体チャネル204の圧力レベルを制御することにより制御できる。図4は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手の屈曲方向が流体チャネルの圧力レベルに応じてどのように変化するかを示す図である。図4の各行は、それぞれ異なる1つの流体チャネルが加圧されたときの触手の屈曲方向を示す。例えば、図4bは流体チャネル204aが加圧された際の触手の屈曲方向を示し、図4dは流体チャネル204bが加圧された際の触手の屈曲方向を示し、図4fは流体チャネル204cが加圧された際の触手の屈曲方向を示す。図4b、4d、4fの各列は、加えられた圧力の増大に応じた触手の屈曲の程度を示す。図4b、4d、4fで、Pは75ミリバール(mbar)、PIIは130ミリバール(mbar)、PIIIは270ミリバール(mbar)である。全体として、図4a〜4fは、触手の屈曲方向が個々の流体チャネルの圧力レベルに依存することを示している。
(製造)
幾つかの実施形態で、軟質触手202はモールド(鋳型)を用いて製造されてもよい。モールドは、(例えばAlibre社の)コンピュータ支援設計(CAD)ツールを用いて設計されてもよい。設計したモールドは、3次元(3D)プリンタ(例えばStrataSys社のDimension Eliteプリンタ)を用いて製造されてもよい。モールドは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂を用いて印刷されてもよい。
幾つかの実施形態で、モールドは後で組み立てられてモールドを構成する個々のピースとして作成されてもよい。図5は、開示している主題の幾つかの実施形態による、モールドの個々のパーツを示す。モールドは、モールドベース302、芯構造テンプレート304、流体チャネルテンプレート306、容器308を含んでもよい。図5に示すパーツは、3次元プリンタを用いてアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂内に作成されてもよい。図6aは、開示している主題の幾つかの実施形態による、個々のパーツの大きさを示す。図6aは、モールドベースの寸法を示す。図6bは、芯構造テンプレートの寸法を示す。図6cは、流体チャネルテンプレートの寸法を示す。図6dは、モールドプロセス中にエラストマーを収容するのに使用される容器の寸法を示す。容器の形状は、製造した触手の外形を決定する。図6dに示すように、容器は円筒形を有してもよい。容器は、他のさまざまな形状、例えば直方体形状、三角柱形状、六角柱形状、または、所望の用途に適した他の任意の多角柱形状などを有してもよい。図6に示す寸法は、例示的な目的で記載しているに過ぎない。モールドの個々のパーツは、軟質触手の特定の用途に適した種々の大きさと長さで形成されてよい。
図7は、開示している主題の幾つかの実施形態による、個々のパーツからモールド300を組み立てるプロセスを示す。ステップi)で、モールドベース302が準備される。ステップii)で、芯構造テンプレート304がモールドベース302の上に取り付けられる。ステップiii)で、流体チャネルテンプレート306がモールドベース302の上に取り付けられる。ステップiv)で、容器がモールドベース302の上に取り付けられる。
図8は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、組み立てられたモールドの断面図を示す。芯構造テンプレート304と流体チャネルテンプレート306が、軟質触手について芯構造208と流体チャネル204の体積を占める。幾つかの実施形態で、芯構造テンプレート304は流体チャネルテンプレート306よりも充分に厚くてもよい。例えば、芯構造テンプレートの厚さが4mmで、流体チャネルテンプレートの厚さが800μmでもよい。モールドの内径により、製造される軟質触手の厚さを制御できる。モールド300の内径は12mmでもよい。
幾つかの実施形態で、軟質触手中の流体チャネルの数は、モールド内の流体チャネルテンプレートの数を制御することにより制御できる。幾つかの実施形態で、モールドは2、4、5、6個またはそれ以外の個数の流体チャネルテンプレートを有し、それに対応する数の流体チャネルが軟質触手内に形成されてもよい。幾つかの実施形態で、加圧の際に触手を均一に駆動できるように、モールドテンプレートは回転軸周りに対称に配置されてもよい。幾つかの例で、触手の回転軸は直線であって、その直線の周りに、回転する触手の全固定点が円を描くように移動するものとみなすことができる。例えば、触手が円筒形状を有する場合、触手の回転軸は、触手の断面中心に一致する点群であってもよい。
図9は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、モールドを用いて軟質触手を製造するプロセスを示す。軟質触手は、エラストマーのような軟質材料を用いて作成されてもよい。エラストマーは、例えばエコフレックスやポリジメチルシロキサン(PDMS)であってもよい。
エコフレックスは、次の手順を用いて準備してもよい。エコフレックスの前駆体、例えばエコフレックス00−30前駆体は、Smooth−On (http://www. smooth−on.com)で入手できる。入手したエコフレックス前駆体を1:1の体積比で混合し、得られたプレポリマーを36Torrのデシケータ内で5分間脱気し、気泡を取り除く。次に、エコフレックスを60℃で約15分から30分間硬化させる。
PDMSは、次の手順を用いて準備してもよい。PDMSの前駆体は、Dow Corning社から入手できる。PDMSの前駆体と架橋剤を10:1の重量比で混合する。得られたプレポリマーを36Torrで30分間脱気し、気泡を取り除くと共に、前駆体と架橋剤とを確実に充分に混合する。プレポリマーの混合物を60℃で2時間硬化させる。この硬化時間により、PDMSをエコフレックスと接触させて硬化させる際に、得られるPDMSとエコフレックスとを確実に良好に結合させることができる。
エコフレックスとPDMSを準備すると、以下のプロセスを用いて軟質触手を製造してもよい。図9aに示す第1ステップでは、モールド300をエコフレックスで充填し、エコフレックスを60℃で15分間硬化させる。第2ステップでは、エコフレックスを室温まで冷却し、中央チャネルテンプレートを取り除いて、エコフレックスの中心に空洞部分を形成する。図9bに示す第3ステップでは、その空洞部分にPDMSを注ぐと共に、PDMSとエコフレックスが互いに結合するように60℃で2時間硬化させる。第4ステップでは、モールドから複合材構造を徐々に引き出して、複合材構造を取り除く。図9cは、得られる複合材構造を示す。得られる複合材構造は、中央のPDMSの芯構造208と平行に延びる流体チャネルを有する。製造の最後のステップでは、複合材構造の両端を封止して、軟質触手を形成する。幾つかの例では、複合材構造の両端を封止するときに、エコフレックスのプレポリマーを用いて両端を封止してもよい。エコフレックスのプレポリマーを用いて両端を封止するときには、エコフレックスを60℃で15分間硬化させてもよい。
図示したモールドプロセスにより、全体の厚さが1mmより大きく、典型的には厚さ5mm〜5cmのデバイスを製造できる。例示的な厚さは、例えば2mm〜4mm、5mm、1cm、2cmまたは5cmである。(例えば従来のフォトリソグラフィ技術により得られる外形と比べて)比較的大規模な加圧ネットワークにより、機能的デバイスの製造を大規模に行うことができる。ソフトロボット内の埋め込みチャネルネットワークは大規模なものに限定されず、従来のマイクロ製造技術を用いてソフトロボットをサブミリメートルスケールで開発できると考えられる。
幾つかの実施形態では、プラスチック押出し技術を用いて軟質触手を製造してもよい。図10は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、プラスチック押出し技術を用いて軟質触手を製造するプロセスを示す。図10aは、プラスチック押出し機1002を示し、図10bは、プラスチック押出し機1002の断面図を示す。プラスチック押出し機1002は、ポリマーを固体構造体に変えることができる。このプロセスは、(1)液状または高粘性(viscous form)ポリマーをホッパー1003に付与するステップ、(2)スクリュードライバモータ1010を用いて、チューブ1006と中央のねじ1008との間の空間に沿って、チューブ1006を通じて液状/高粘性ポリマーを押し出すステップ、(3)ポリマーを固体に「なる直前」まで硬化させるステップ、(4)ポリマーが完全に硬化して所望の形状を成すように、その所望の形状を有するダイ1012にポリマーを供給するステップを含んでもよい。ダイ1012は、所望の触手構造のネガ(negative)インプリントを有してもよい。例えば、ダイ1012は図7のモールド形状をとってもよい。幾つかの例で、硬化させるステップは、ポリマーの温度を下げるステップ、ポリマーに選択的に熱を加えるステップ、ポリマーと硬化剤とを混合するステップ、ポリマーを酸素および/または他のガスに曝露するステップ、ポリマーを紫外線に曝露するステップ、ポリマーを触媒に曝露するステップを含んでもよい。ポリマーとしては、プレポリマー、ポリアクリレート、ポリウレタン、樹脂、ゴム(gum, rubber)などが挙げられる。
幾つかの実施形態で、流体チャネル204はガス入口206を介して加圧されてもよい。ガス入口206は、チューブを介して流体チャネル204に連結されてもよい。幾つかの実施形態で、チューブはポリエチレンを用いて構成されてもよい。チューブと流体チャネル204とを連結するために、チューブは軟質触手のエラストマー壁内に挿入されてもよい。図11は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、エラストマー壁内にチューブを挿入するプロセスを示す。図11a、11bに示すように、カニューレとチューブが準備される。チューブがカニューレ内に嵌合できるように、カニューレの内径がチューブの外径より大きくてもよい。幾つかの実施形態で、カニューレの内径は1.65mmであり、チューブの外径は1.62mmであるが、カニューレおよび/またはチューブについて他の任意の大きさを用いてもよい。図11cに示すように、チューブをエラストマー壁内に挿入するステップは、カニューレをエラストマー壁内に挿入するステップ、チューブがエラストマー壁を通過するようにチューブをカニューレ内に挿入するステップ、カニューレを取り除くステップを含んでもよい。エラストマー壁は軟らかいので、エラストマー壁がチューブを包み込んで気密封止することができる。
幾つかの実施形態で、ガス入口206は、ニードルを用いて形成されてもよい。このニードルは、加圧ガスを流体チャネル204に提供するようにチューブに堅く連結されてもよい。図12は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、加圧ガス供給源をガス入口に連結する構造を示す。開示している主題についての幾つかの実施形態によれば、図12aに示すように、幾つかの例で、加圧ガスはシリンジ1202により供給されてもよい。ニードルは、加圧ガスを受けるようにシリンジ1202に単純に連結されてもよい。図12bに示すように、他の例で、加圧ガスはガス供給源1204により供給されてもよい。ニードルは、コネクタ1206に連結されてもよく、さらにコネクタ1206を介してガス供給源1204から加圧ガスを受けることができるホースに連結されてもよい。
幾つかの実施形態で、芯構造208は、軟質触手に連結された機能的モジュール用のテザーを備えてもよい。以下で説明するように、軟質触手は他の機能的モジュール、例えば吸引モジュール、カメラ、および医療用装置などに連結されてもよい。芯構造208を用いて、機能的モジュールを軟質触手および/または外部装置(例えばコンピュータ)に結合するためのテザーを埋め込んでもよい。テザーは、機能的モジュールまたは機能的モジュールを制御する流体チャネルに電力を供給する電力線を含んでもよい。
(用途)
軟質触手は、さまざまな用途に使用できる。軟質触手は、その表皮と他の物体とを接触させることにより、その物体と相互作用することができる。例えば、対象の物体の周りに触手を巻き付けると共に触手を持ち上げることにより、軟質触手を用いて物体を掴むことができる。
幾つかの実施形態で、軟質触手の表皮構造は、触手と他の物体との相互作用の程度を大きくするように、特定の用途に合わせて調整されてもよい。例えば、滑らかなまたは滑りやすい物体を掴む用途で軟質触手を用いる場合、触手の表面は握力が向上するように調整されてもよい。幾つかの例で、触手の表面は、触手の製造に用いられるモールドを改質することにより操作されてもよい。図13は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、蛇腹表皮構造を有する触手を製造するための、凹凸のある内面を有する容器を示す。蛇腹表皮構造を有する触手は、同じ材料からなる平面よりも適合性が高く、また、静止摩擦を大きくすることができる。図13aは、容器1302の外観図を示すところ、凹凸のある内面を有しない容器と差はない。図13bは、容器1302の内面を示す。この内面は蛇腹構造1304を有し、これにより触手の表面に蛇腹構造が形成されることになる。図13c、dは、容器1302の寸法を示す。図13cは、容器1302の断面寸法を示す。図13dは、容器1302の寸法を透視図で示す。これらの寸法は例示的な目的で記載しているに過ぎない。容器と容器内の蛇腹構造は、得られる触手の特定の用途に適した種々の大きさに形成されてよい。
図14は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、凹凸のある表面を有する軟質触手とその動作を示す。図14aに示すように、凹凸のある軟質触手1402は、表面に蛇腹構造を有してもよい。図14bは、表面の蛇腹構造を拡大して示す。幾つかの実施形態で、凹凸のある触手は、厚さが同じ平面触手よりも適合性が高い。この理由は、第1に、凹凸のある触手は、平面触手と比較して表皮構造のエラストマー量が少ないからであり、第2に、凹凸のある表面の各頂部が触手の変形を支援するからである。
凹凸のある軟質触手は、平面軟質触手よりも良好に物体を掴むことができる。例えば、図14c〜fに示すように、凹凸のある軟質触手はゼラチンでコーティングされた平坦なレンチを掴むことができる。ゼラチンコーティングは滑りやすいので、平面軟質触手ではこの作業が難しい可能性がある。図14gは、凹凸のある軟質触手が滑りやすいレンチをどのように掴むのかを示す接写画像である。
幾つかの実施形態で、軟質触手はその長さに沿って延びる複数節(セクション、section)の流体チャネルを備えてもよい。図15は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、複数節の軟質触手の設計と製造を示す。図2、4、14に示すように、触手が単一節の流体チャネル(例えば、触手の先端から末端まで延びる流体チャネル)を有する場合、触手は単一の屈曲モードを有する。一方、触手が複数節の流体チャネルを有する場合、触手は更なる屈曲モードを有し、これにより複雑な動作が可能となる。幾つかの実施形態で、2つ以上の節を有する流体チャネルは、縦方向に並べられてもよい。例えば、軟質触手が縦方向に保持される(すなわち、長手方向が垂直軸に沿っている)場合、2つ以上の節を有する流体チャネルが縦方向に並べられてよい。
図15cは、4つの節を有する触手を示しており、触手の各節は、回転軸周りに対称に配置された3つの流体チャネルを備える。4つの節を有する流体チャネルは、縦方向に並べられてもよい。各節における各流体チャネルは、各々のガス入口を用いて独立して制御されてもよい。4つの節があって各節は3つの流体チャネルを有しているので、図15dに示すように複数節触手について12個の独立したガス入口が存在する。独立したガス入口により、触手の各節を独立して制御し、触手に複雑な動作をさせることができる。
図15a〜cは、開示している主題についての幾つかの実施形態による、複数節の軟質触手を製造するプロセスを示す。最初のステップでは、例えば図9に示すプロセスを用いて、単一節の軟質触手を準備する。第2のステップでは、図15aに示すように、流体チャネル内に小さいチャンバ1502を作る。チャンバ1502は、流体チャネルの残りの部分から分離されてよい。幾つかの実施形態で、チャンバ1502を作るステップでは、触手の周りにジップタイを巻き付けてもよい。触手の周りに2つのジップタイが堅く巻き付けられる場合、2つのジップタイの間の空間をチャンバ1502としてもよい。
図15bに示すように、第3のステップでは、軟質材料を用いてチャンバ1502を充填する。この軟質材料は、触手の表皮構造を構成するのに使用される軟質材料と実質的に同一の材料であってもよい。幾つかの実施形態で、軟質材料はエコフレックスプレポリマーを含んでもよい。幾つかの実施形態で、チャンバ1502を充填するステップでは、シリンジを用いて軟質材料をチャンバ1502まで搬送してもよい。次のステップでは、搬送された軟質材料を60℃で15分間硬化させ、流体チャネルの節の間に頑丈な壁を形成する。図15cに示すように、第4のステップでは、分割された流体チャネル1504にチューブ1502を接続する。幾つかの実施形態で、分割された流体チャネル1504にチューブ1502を接続するステップでは、芯構造208を介してチューブ1502を触手に導入してもよい。芯構造208は表皮構造と比べて剛性の高い材料を用いて形成できるので、芯構造は屈曲するが膨張しないようにすることができる。それゆえ、芯構造208を介してチューブ1502を導入することにより、触手の移動がチューブ1502により妨げられないようにすることができる。図15dは、開示している主題についての幾つかの実施形態による、複数節の触手の断面図を示す。PDMSを用いて形成される芯構造208は、流体チャネル1504の個々の節に結合された複数のチューブ1502を含んでいる。
ソフトアクチュエータが数個の単純なオン/オフ流体バルブのみを用いて制御される場合であっても、ソフトアクチュエータの可撓性と変形能により複雑な動作が得られる。図16は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、3節の軟質触手を用いて成しうるさまざまな形状を示す。各流体チャネルの節を独立して加圧できるので、触手は複雑な形状を成すことができる。
複数節の触手は、さまざまな用途に利用できる。幾つかの実施形態で、複数節の触手は、壊れやすい物体を操作することができるように制御されてもよい。図16b〜dに示すように、複数節の触手における異なる節を膨張させ、物体を掴んで保持できる。
幾つかの実施形態で、複数節の触手は、所定の経路で特定の物体を移動させてもよい。幾つかの例では、複数節の触手における異なる節に特定の種類の動作をさせてもよい。例えば、触手の第1節は垂直に動作するように駆動してもよく、触手の第2節は平面的に動作するように駆動してもよく、触手の第3節は把持を行うように駆動してもよい。
幾つかの実施形態では、流体および/または固体粒子を移動させるための輸送チャネルを増やして軟質触手を拡張してもよい。輸送チャネルは、触手の一端から他端まで特定の材料を受容または搬送できる。輸送チャネルは、触手内に埋め込まれたチューブであってもよい。幾つかの実施形態で、輸送チャネルは、触手の芯構造内に埋め込まれたチューブであってもよい。幾つかの実施形態では、2種類の輸送チャネル、すなわち搬送チャネルとポンプチャネルが存在してもよい。搬送チャネルは、リザーバから触手の末端まで、ガス、液体、コロイド懸濁液またはエアロゾルが流れることができるチューブである。減圧を行うチャネルは、触手の長さを通じて、液体または固体をリザーバ内に収集できるようにくみ上げることができる。(掃除機のような)減圧を行うチャネルはその径よりも径が大きい個体をくみ上げることができないところ、まずこの固体を溶解させ、チャネルが溶解した固体と、部分的に溶解してチューブよりも径が小さくなった固体片を含む液体をくみ上げることにより、この問題に対処している。
幾つかの実施形態で、輸送チャネルを有する軟質触手は、流体搬送ロボットとして動作してもよい。図17は、開示している主題の幾つかの実施形態による、ポリスチレンフォームの箱内に入っている電気的システムの動作を停止させる流体搬送ロボットの利用を示す。図17a〜dは、その利用のセットアップを示す。図17の電気的システム1702は、電源装置(図示せず)、発光ダイオード(LED)1704、電線1706を含む。非駆動状態では、図17aに示すように、電線1706は電源装置(例えばバッテリ)からLED1704を切り離している。一方、駆動状態では、図17bに示すように、電線1706はLED1704と電源装置とを接続する。それゆえ、電線1706の接続状態により、電気的システム1702の状態が決定する。
この電気駆動システムは、図17c、dに示すように、ポリスチレンフォームの箱の中に配置されている。流体搬送用軟質触手は、ポリスチレンフォームの箱内に入り込んで電気駆動システムの動作を停止させる作業を行う。流体搬送用軟質触手は、LED1704と電源装置とを接続する電線1706を切断することにより、作業を行うことができる。
図17e〜hは、流体搬送用軟質触手1708がどのように作業を行うかを示す。図17eで、流体搬送用軟質触手1708は、箱の上の所望の位置に液体を搬送できるように、末端を適切な位置に配置する。触手1708が適切な位置に配置されると、触手1708は箱を溶解させる液体を受ける。例えば、触手1708は、外部の供給源からアセトンを受け、輸送チャネルを介して箱の上にアセトンを搬送してもよい。図17fは、搬送された液体を用いて触手1708が箱の大部分を溶解し、触手1708が入ることができる穴が形成されている様子を示す。図17gで、触手1708は、巻かれた状態からまっすぐに延びて、空いた穴を介して箱に入る。次に、触手1708は、電線1706を溶解させる液体を注ぐことにより、電線1706を切断してもよい。例えば、触手1708は濃硝酸(HNO)を電線1706の上に注いてもよい。図17hで、触手1708は最終的に濃硝酸を用いて電線1706を溶解し、LED1704と電力装置との間の電気接続を切断する。電気接続が切断されるので、LED1704の電源は切られ、電気システムは動作を停止する。図17は、軟質触手1708を、人間が物理的に介入するには安全でない環境で使用できることを示す。さらに、図17は、軟質触手1708を用いて有害な流体を搬送できることを示す。図17は、特定の作成シナリオ(synthetic scenario)での流体搬送ロボットの利用を示すところ、電気的システムを解体する流体搬送ロボットを使用するというコンセプトはさまざまなシナリオ(爆弾解体や危険領域探索など)で利用できる。
幾つかの実施形態で、輸送チャネルを有する軟質触手は固体材料を移動させてもよい。図18は、本開示の主題の幾つかの実施形態による、軟質触手を用いた固体材料の移動を示す。輸送チャネル1802を有する軟質触手を配置して、ペトリ皿の上で固体材料1806を吸入してもよい。例えば、輸送チャネル1802の一端は、空気吸込を実現して軟質材料1806を吸入できるようにする吸引機に連結されてもよい。幾つかの実施形態で、触手の輸送チャネル1802は、吸入された固体材料を受けることができる容器1804にチューブを介して連結されてもよい。容器1804は三角フラスコであってもよい。また、容器1804は、空気吸込を可能にする吸引機(図示せず)に連結されてもよい。図18に示すように、図示しているシステムを用いて粒状媒質(例えば色づきのガラスビーズ)を吸入してもよい。
図18aでは、触手1802を駆動して、固体材料1806の上に触手1802の末端が配置される。このステップでは、分割された複数の流体チャネルのうち幾つかを同時に駆動することにより、軟質触手1802を巻かれた状態からまっすぐに延ばしてもよい。図18bでは、触手1802の末端が固体のターゲット材料1806の上に配置される。図18cで、触手1802は、輸送チャネルを通じて固体材料1806の吸入を開始する。容器1804内で、吸入された固体材料が視認できる。触手1802の末端がペトリ皿の周りを移動するように駆動して、触手1802がすべての固体材料1806を確実に吸入するようにしてもよい。図18dで、触手1802は、すべての固体材料1806が吸入されるまで吸入を続ける。触手1802は、吸入プロセス中に移動可能であるので、相当大きい面積に広がった固体材料を迅速に吸入できる。
幾つかの実施形態で、軟質触手は輸送チャネルを時分割(time−multiplex)してもよい。例えば、軟質触手は、第1の時点で輸送チャネルを用いて流体を搬送し、続けて第2の時点で同じ輸送チャネルを用いて固体粒子を吸入してもよい。
幾つかの実施形態で、軟質触手は、複数の輸送チャネルを含んでもよい。幾つかの例で、各輸送チャネルは特定の機能を果たすように調整されてもよい。図19は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、複数の輸送チャネルを有する軟質触手を示す。図19aは、3つの輸送チャネルを有する軟質触手1902の断面図である。芯構造内に埋め込まれた輸送チャネル1904が空気を移動させるように用いられ、他の輸送チャネル1906、1908が液体を移動させるように用いられてもよい。液体輸送チャネル1906、1908は、2つのポリエチレンチューブを用いて構成されてもよい。図19bは、液体輸送チャネル1906、1908を介した液体の搬送を示す。
幾つかの実施形態で、複数の輸送チャネルを有する軟質触手1902は、相当大きい固体粒子を移動させるように用いられてもよい。図18に示すような幾つかの例では、中央の輸送チャネルを通じた大きい粒子の輸送は、頻繁に目詰まりが起こって困難になる可能性がある。例えば、直径1mmを超える粒子の輸送は困難である可能性がある。こうした粒子を輸送するため、粒子が可溶性である場合、触手1902はまず粒子を液体に溶解させ、次に溶解した粒子を移動させてもよい。このメカニズムは、目詰まりを低下させるのに有用であろう。
幾つかの実施形態で、軟質触手は、液体を用いて固体粒子を溶解させると共に溶解した固体粒子を輸送するか、固体粒子を液体内に懸濁することにより固体粒子を輸送してもよい。図20は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、軟質触手を用いた溶解粒子の移動を示す。図20aに示すように、触手1902の中央の輸送チャネル1904は容器1804に連結され、触手1902の輸送チャネル1906、1908は、液体供給源(図示せず)に連結される。容器1804は三角フラスコであってもよい。触手1902は、積まれた1〜3mmの塩化ナトリウム(NaCl)結晶の山を移動させる作業を行う。
図20aで、ターゲット粒子2002の上で末端を適切な位置に配置するように触手1902を駆動する。図20bで、同じ触手1902は、輸送チャネル1906、1908を介してターゲット粒子2002に溶液(または水)を搬送してターゲット粒子2002を溶解させる。幾つかの例で、粒子の溶解性を大きくするために、搬送された水は例えば60℃まで加熱されてもよい。図20cで、触手1902は、水を搬送しつつ、空気輸送チャネル1904を介して、溶解した粒子を吸入する。幾つかの例で、触手1902は、水の搬送と溶解粒子の吸入を同時に行ってもよい。図20dで、触手1902は残りを吸入すると共に粒子2002の移動を完了する。幾つかの例で、固体粒子は完全には溶解しなくてもよく、代わりに溶液中に懸濁してもよい。そうした場合であっても、触手1902は懸濁粒子を吸入してある場所から別の場所へと移動させることができる。
幾つかの実施形態で、軟質触手は他のロボット要素と協働して更なる機能を与えることができる。例えば、触手は、吸盤に結合されてもよい。図21は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、吸引ロボットとその動作を示す。図21aに示すように、吸引ロボットは軟質触手202と吸引モジュール2102を備えてもよい。軟質触手202は、吸引チャネルとして利用可能な輸送チャネルを備えてもよい。吸引チャネルは、吸引モジュール2102に連結されてもよい。吸引チャネルは、それを通じて空気吸入することにより、外部の圧力供給源が吸引モジュール2102を駆動するのを可能にする。幾つかの実施形態で、吸引チャネルは芯構造内に埋め込まれてもよい。吸引チャネルは、機械式ポンプ、真空ライン、または他の減圧源に連結された吸引チャネル口2104を用いて制御されてもよい。触手202内の流体チャネルは、動作チャネル口206を用いて制御されてもよい。吸引チャネルは、動作のために、ガス供給源(ガスコンプレッサのような)または減圧源(機械式ポンプ、真空ライン、掃除機のような)に連結されてもよい。
図20b〜eに示すように、幾つかの例で、吸引ロボットは物体2106(例えば液体のボトル)を持ち上げるのに使用されてもよい。軟質触手202は、図21bに示すように吸引モジュール2102を物体2106の上に配置するように駆動されてもよい。図21cに示すように、吸引モジュール2102が物体2106の上に配置されると、吸引モジュール2102を駆動して物体2106の上に堅く結合させることができる。次に、図21dに示すように、軟質触手202は巻き付くように駆動され、これにより物体2106につり上げ力が加わる。幾つかの例で、物体2106を持ち上げる距離は、軟質触手202に加わる圧力を制御することにより制御されてもよい。例えば、図21eに示すように、軟質触手は、さらにつり上げ力が増大して物体2106をさらに高く持ち上げるように駆動されてもよい。
軟質触手は、他の要素と協働し、バイオメディカル用途にとって有用な機能を与えることができる。例えば、医師は、外科手術中に軟質触手を用いて水をターゲット領域に供給し、例えば血の塊を洗い流してもよい。また、医師は、外科手術中に同じ触手を用いて廃棄物を収集してもよいところ、これは、輸送チャネルを通じてまたは触手の転動により廃棄物を把持することにより行うことができる。幾つかの例で、医師は、複数の輸送チャネルを有する軟質触手を用いて、水を提供すると同時に廃棄物を収集してもよい。幾つかの例で、医師は、複数節の軟質触手を用いて、関心領域を回避すると共に所望の位置で流体を出入りさせてもよい。
幾つかの実施形態で、軟質触手は、静止画/動画を撮影するカメラモジュールを備えてもよい。カメラモジュールを有する軟質触手は、容易には接近できない身体部分の静止画/動画を撮影する内視鏡として配置されてもよい。例えば、軟質触手ベースの内視鏡は、大腸内視鏡検査または消化管内視鏡検査に使用されてもよい。軟質触手ベースの内視鏡には、従来の内視鏡と比較して多くの利点がある。例えば、屈曲の程度の大きさに起因して、軟質触手ベースの内視鏡は、身体内で制御動作を可能にするが、従来の内視鏡ではこれは困難である。機能的コンポーネント(例えば、ビデオカメラ、流体搬送用チューブ、吸引チャネル)をこれらのアクチュエータ内に埋め込むことにより、これらの軟質内視鏡の能力が広がる。さらに、軟質触手は、本質的に軟らかく、動作中の煩わしさが低い。軟質触手のエラストマーの表皮は、種々の溶媒、基礎原料(basis)および酸に対して化学的な耐性を有する。これにより、これらの内視鏡を化学的にアグレッシブな媒質(消化管や厳しい工業検査環境)で使用する場合、従来のホース型内視鏡よりも適したものとなる。
軟質触手の中央チャネルを用いて、特殊な光学的、電気的または機械的な機能を有するコンポーネントを保持してもよい。図22は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、カメラモジュールを有する軟質触手を示す。軟質触手は、単一節の流体チャネルまたは複数節の流体チャネルを含んでもよい。カメラモジュール2202は、触手の末端に結合されてもよい。触手の中央チャネルに沿ってカメラとワイヤを導入した後に中央チャネルの残りの部分をエラストマーで充填してもよく、エラストマーを硬化させた後にカメラは軟質触手と一緒に全体として移動する。カメラモジュール2202は、電荷結合素子(CCD)イメージセンサであってもよく、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサであってもよい。カメラモジュール2202は、電線を介してコンピュータおよび/または電力装置に結合されてもよい。幾つかの実施形態で、電線は触手の芯構造内に埋め込まれてもよい。例えば、電線は中央チャネルに沿って挿入されてPDMSを用いて適当な位置に接着されてよい。熱硬化ステップによるビデオカメラに対する損傷を避けるために、PDMSを室温で48時間硬化させた。
幾つかの実施形態で、触手は2つの節を含んでもよい。テザーに最近接した触手の節は、屈曲して触手のベースを形成し、カメラモジュール2202を有する他の節を面外に持ち上げて所望の方向に向けることができるようにしてもよい。
幾つかの実施形態で、カメラモジュール2202を有する軟質触手は、ソフトロボットの上に取り付けられてそれに視覚を与えてもよい。軟質触手は、カメラモジュール2202を任意の所望の方向に向けることができるように構成されてもよい。図24は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、ソフトロボットの上に取り付けられた軟質触手を示す。図24は、4足のソフトロボット2402とカメラモジュールを有する軟質触手2404とを含んでいる。4足のソフトロボット2402は、加圧により独立して駆動可能な複数のアクチュエータを含んでもよく、軟質触手2404はカメラモジュール2202を含んでもよい。図24に示すように、4足のソフトロボット2402とカメラモジュールを有する軟質触手2404は、独立して制御可能である。これにより、軟質触手は、4足のソフトロボット2402に対して約360°の視野を与える。
幾つかの実施形態で、軟質触手は、特定の外科手術を患者に対して行うことができる装置を含んでもよい。この装置としては、はさみ、ナイフ、クランプ、クリップ、ディキャピテータ(decapitator)、鉗子、マイクロディセクタ、外科用メス、ピンセット、または針などが挙げられる。特定の例として、図23は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、流体搬送用の皮下注射針(22 G11/2)を備えた軟質触手を示す。ポリエチレンチューブの端部に皮下注射針を接続し、続いて触手の中央チャネルを通じてそれを導入した。中央チャネルをエラストマーで充填し、流体搬送チャネルを固定した。針2302は、触手の輸送チャネルに連結されてもよい。それゆえ、針2302を用いて所望量の流体を所望の位置に搬送できる。例えば、医師は、軟質触手を用いて針2302を所望の位置に移動させることができ、針2302を用いて所望量の流体を所望の位置に搬送できる。
径方向撓みアクチュエータ.
径方向撓みアクチュエータについての幾つかの実施形態は、埋め込まれた流体チャネルのネットワーク(例えば、空気圧ネットワーク)を有する軟質材料を含んでもよい。こうしたソフトロボットは、中心点の周りに径方向に配置された複数の流体チャネルを含み、これによりロボットは、静止時にチャネルを格納する面の外へ上向きに撓む。幾つかの実施形態で、チャネルは、デバイスの仮想的な中心点の周りに曲率半径を有する弧状のチャネルを形成する。幾つかの実施形態で、チャネルは、デバイスの中心点の周りに配置された弧、半円、円などを形成する。流体で加圧するとき、径方向に配置された流体チャネルは、アクチュエータが屈曲して半球状となるように膨張し、これによりアクチュエータが径方向に屈曲するようにしてもよい。
図25は、開示している主題についての幾つかの実施形態による径方向撓みアクチュエータを示す。図25Aに示す径方向撓みアクチュエータ2500の平面図は、可撓体2504内に埋め込まれた流体チャネル2502を示す。可撓体2504は、軟質材料を用いて構成されてもよい。この特定の実施形態で、流体チャネル2502は同心円状に配置されている。ただし、上記の通り、チャネルは中心点周りに径方向に配置された他の形状または配置をとってもよい。流体チャネル2502は、可撓性であるが比較的伸長性の低い層を用いて底部(図示せず)から遮断されてもよい。この層は、流体チャネル2502の上層を覆う軟質材料に対して歪み制限的である。
図25Bは、図25Aで開示している実施形態に係る径方向撓みアクチュエータの断面図を示す。図示している断面図は、点線2506に沿って切ったものである。この断面図は、流体チャネル2502および可撓体2504、可撓体2504と同じ軟質材料を用いて構成された流体チャネル2502の上層2508、および流体チャネル2502を封止する歪み制限層2510を示す。図25Bは、緩和状態の径方向撓みアクチュエータ2500を示す。緩和状態(relaxed state)は、流体チャネル2502内の圧力が周囲圧力Pambと実質的に等しい(図1A)状態である。流体チャネル2502は加圧されていないので、アクチュエータ2500は平坦であり撓んでいない。
図25Cは、図25Aに開示された実施形態に係る、加圧状態の径方向撓みアクチュエータの断面図を示す。断面図は点線2506に沿って切られたものである。幾つかの実施形態で、流体チャネル2502は、Xで示される加圧口(pressurizing inlet)2512を通じて加圧されてもよい。ただし、加圧口は、どこに配置されてもよい。流体チャネル2502を加圧するとき、流体チャネル2502は上層2508を膨張させると共に、歪み制限層2510の周りで屈曲する。屈曲動作は全径方向断面に沿って得られるので、アクチュエータ2500は撓むと凸状または半球形状を成し、これによりアクチュエータ2500に径方向撓みが生じる。
幾つかの実施形態で、流体チャネル2502は、種々の形状を成すように構成されてもよく、さらに径方向撓み動作を与えるようにしてもよい。幾つかの実施形態で、チャネルは、デバイスの仮想の中心点周りに曲率半径を有する弧状のチャネルを形成する。幾つかの実施形態で、チャネルは、デバイスの中心点の周りに配置された弧、半円、円などを形成する。例えば、流体チャネルは、同心三角形、同心四角形、同心五角形、および他の任意の同心多角形として構成されてもよい。流体チャネルが形作る多角形が正多角形であるとき、径方向撓み動作は等方的である。多角形が正多角形でないときには、径方向撓み動作は等方的でない。
幾つかの実施形態で、本明細書で用いられる材料のチャネルは、ソフトリソグラフィを用いて製造されてもよい。チャネルをシリコーン群や他のエラストマーで構成することは、ソフトリソグラフィやマイクロ流体工学の分野ではよく知られ、広く利用されている技術であると共に、ソフトロボットの加圧ネットワークの構築に利用できる。
他の実施形態で、アクチュエータ2500はモールド成形されてもよい。構造において所望の外形を有するネガのレプリカを含むモールド内にエラストマー材料をキャストすることにより、加圧式ネットワークを準備する。図26は、図25の実施形態による、径方向撓みアクチュエータを成形するためのモールドを示す。このモールドは、アクチュエータ2500の「ネガ」構造を画定する。例えば、隆起した壁2602は、流体チャネル2502用の空間を画定し、壁2602により形成されるトレンチ2604は、可撓体2504用の空間を画定する。また、壁2602に連結された隆起構造2606は、加圧流体を供給するための導管を形成する。このモールド内に軟質材料をキャストすることにより、流体チャネル2502が埋め込まれた可撓性の成形体2504が得られる。軟質材料を成形して可撓性の成形体2504とした後、図25に示すように、開示している主題についての幾つかの実施形態による歪み制限層2510を用いて成形体2504を封止してもよい。
こうした製造方法により、全体の厚さが1mmより大きく、典型的には厚さ5mm〜5cmのデバイスを製造できる。例示的な厚さは、例えば2mm〜4mm、5mm、1cm、2cmまたは5cmである。比較的大規模な加圧式ネットワーク(例えば従来のフォトリソグラフィ技術により得られる外形と比べて)により、機能的デバイスの製造を大規模に行うことができる。ソフトロボット内の埋め込みチャネルネットワークは大規模なものに限定されず、従来のマイクロ製造技術を用いてソフトロボットをサブミリメートルスケールで開発できると考えられる。
幾つかの実施形態で、径方向撓みアクチュエータ2500は、デバイスと把持面との間に吸引圧または負圧を作り出すことにより把持装置として利用されてもよい。図27は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、径方向撓みアクチュエータの把持装置としての利用を示す。まず、図27Aのように、非多孔性(non−porous)の物体2702にアクチュエータ2500を接触させて配置する。次に、図27Bのように、アクチュエータ2500を加圧して膨張させる。断面図でのみ示しているが、中心点周りで流体チャネルを径方向に分布させることにより、アクチュエータは2次元で上向きに撓んで物体に対して「泡」(バブル、bubble)形状または凸形状を成す。加圧されている間、アクチュエータ2500の下層と物体2702の表面との間にコンフォーマルな封止接触を設けることにより、これらの間に空隙部2704が形成される。空隙部内の圧力は外圧よりも低い(ΔP=−で示される)。この大気圧を下回る圧力により、アクチュエータ2500の下層と物体2702の表面とを一緒に保持でき、これにより把持力が生じる。従って、アクチュエータは、吸盤、すなわち空気または水の負の流体圧を用いて非多孔性表面に吸着する物体として機能することができる。この真空部が形成されると、図27Cに示すように、アクチュエータ2500は物体2702を持ち上げることができる。この径方向撓みアクチュエータ2500の吸引機構は、多くの用途で有用であろう。例えば、径方向撓みアクチュエータ2500は、持ち上げまたは移動させるための物体、または、機械の種々のコンポーネントのための固定金具に可逆的に付着してもよい。また、アクチュエータ2500を用いて、器具(例えば切断ツール)またはセンサの位置を確実に制御および維持してもよい。また、ロボットと表面との間の接触点に配置されるとき、アクチュエータ2500は牽引機構を与えることができる。この点で、アクチュエータ2500はソフトロボット用の「足」として機能しうる。さらに、アクチュエータ2500により、通常は扱うのが困難な壊れやすい物体(例えば、ガラス枠、紙やプラスチックのシート)の把持とマニピュレーション(操作)を簡単に行うことができる。
図28は、開示している主題についての幾つかの実施形態による径方向撓みアクチュエータを用いた物体(例えばペトリ皿)のマニピュレーションを示す。この図で、図25で説明している実施形態と非常に類似したアクチュエータ2800は、2つの導管2802を介して加圧される。図28Aで、アクチュエータ2800はペトリ皿と接触した状態とされる。この点で、アクチュエータ2800は図27Aに示す緩和状態にある。図28Bでは、図27のようにアクチュエータ2800の下面がペトリ皿2804を掴むことができるように、アクチュエータ2800が加圧される。図28Cでは、アクチュエータ2800が持ち上げられて、アクチュエータ2800に付着したペトリ皿2804が持ち上げられる。
径方向撓みアクチュエータは、他のロボット要素と協働して、新たな機能を与えるようにしてもよい。新たな機能の1つとして流体制御が挙げられる。例えば、径方向撓みアクチュエータは、別のロボットにおける流量を制御できる。特に、径方向撓みアクチュエータを、流体を採取して或る位置から別の位置へ搬送するための第2のチャンバに連結し、効果的な流体吸引装置を形成してもよい。図29Aは、開示している主題についての幾つかの実施形態による流体吸引デバイスの断面図を示す。流体吸引デバイス2900は、実質的に図2で説明した径方向撓みアクチュエータ2500と、アクチュエータ2500の上に積まれたソフトチャンバ2902を含んでもよい。ソフトチャンバ2902は、ガスや液体のような流体を収容できるリザーバ2904を備えてもよい。さらに、ソフトチャンバ2902は流体入口2906を含んでもよい。流体入口2906を介して、ソフトチャンバ2902は液体を受け、または排出することができる。流体入口2906は、流体チャネル2502のいずれにも連結されない。
幾つかの実施形態では、径方向撓みアクチュエータ2500の上にキャップを取り付けることにより、径方向撓みアクチュエータ2500の上にソフトチャンバ2902が設けられる。このキャップは、カバー層と1つまたは複数個の壁を備えてもよく、この壁は可撓体に取り付けられてもよい。キャップと径方向撓みアクチュエータ2500の上部との間の空間をリザーバ2904としてもよい。幾つかの例で、キャップは、単に径方向撓みアクチュエータ2500の上に配置された軟質材料の層であってもよい。ソフトチャンバ2902を構成する軟質材料は、アクチュエータ2500を構成する材料と同じ材料であってもよい。ソフトチャンバ2902を構成する軟質材料は、アクチュエータ2500を構成する材料と異なる軟質材料であってもよい。
幾つかの実施形態で、ソフトチャンバ2902のキャップはモールド成形されてもよい。図30は、図29の実施形態によるソフトチャンバ2902のキャップを成形するためのモールドを示す。このモールドは、ソフトチャンバ2902のための層の「ネガ」構造を画定する。例えば、突起3002はリザーバ2904を画定し、トレンチ3004は、成形した層を径方向撓みアクチュエータ2500に結合するための層壁を画定し、突起3002に結合した隆起構造3006は、リザーバ2904用の流体入口2906を画定する。
図29に示す流体吸引デバイスは、流体を収集および搬送するように使用されてもよい。図29は、開示している主題についての幾つかの実施形態による流体吸引ソフトデバイスの制御機構を示す。図29Aに示す流体吸引デバイス2900は、緩和状態にある。その緩和状態で、径方向撓みアクチュエータ2500は緩和状態にある。図29Bは、吐き出し状態の流体吸引デバイスを示す。この吐き出し状態で、径方向撓みアクチュエータ2500は駆動されて径方向に撓む。アクチュエータ2500はソフトチャンバ2902内へ向けて上方に撓む。撓んだアクチュエータ2500では、ソフトチャンバ2902内のリザーバ2904の体積が低下し、流体吸引デバイス2900のソフトチャンバ2902は、流体入口2906を介してリザーバ2904内の空気を「吐き出す」。
アクチュエータ2500が図29Cのように緩和状態に戻る際、ソフトチャンバ3002内のリザーバ3004の体積は元の体積に戻る。ソフトチャンバ3002は、アクチュエータ2500が緩和状態に戻る際に流体入口3006を介して或る体積のガス(空気)または流体を「吸入する」ように構成されている。流体入口3006を流体内に配置することにより、ソフトチャンバ3002は流体入口3006を介して所望の流体を吸入してもよい。従って、デバイスは、小分けした(an aliquot of)液体をリザーバ3004内へ受ける。リザーバ3004から液体を取り除くために、径方向撓みアクチュエータ2500を再度駆動してもよい。アクチュエータ2500は、ソフトチャンバ3000内へ向けて上方に撓む。また、このようにリザーバ3004の体積は圧縮され、ソフトチャンバ3002は、リザーバチャンバからの捕捉された液体を、流体入口3004を介して搬送する。
図29に示すように、アクチュエータ2500は、ソフトチャンバ2902での流体の受容と運搬を制御する有効な機構を与える。この流体制御機構は多くの用途で有用である。例えば、アクチュエータ2500は、流体を収集・運搬する簡単な解決方法を提供する。幾つかの実施形態で、アクチュエータ2500は、離れた位置(例えば、人間にとって安全でない厳しい環境)から流体を採取すると共に採取した流体を別の位置に搬送する他のロボットに連結されてもよい。採取した流体を完全にリザーバ2904内に収容できるので、毒性のある流体であっても、安全に収集・搬送できる。
図31は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、流体吸引装置を用いた染色水のマニピュレーションを示す。図29に開示しているように、流体吸引装置3100は、径方向撓みアクチュエータ2500と、その上に重ねて置かれたソフトチャンバ3102とを備える。この図で、アクチュエータ2500は、2つの導管3104を介して圧力供給源に連結され、ソフトチャンバ3102は、流体入口3106を介して染色水につながっている。図31Aで、流体吸引装置3100は図29Aのような緩和状態にある。図31Bで、アクチュエータ2500は、径方向に撓むように導管3104を介して加圧される。アクチュエータ2500の径方向撓みにより、ソフトチャンバ3102はリザーバ内の空気を吐き出す。図31Cで、アクチュエータ2500は減圧されて緩和状態に戻り、これによりソフトチャンバ3102は図29Cのように染色水を吸入する。採取された染色水は、図29Dのようにアクチュエータ2500を再度加圧することにより回収してもよい。
流体吸引装置3200は、流体の収集と搬送に加えて、局所的な化学分析および/または化学反応に有用である。図32は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、化学分析用途での流体吸引装置3200の利用を示す。この図で、流体吸引装置3200は、化学物質3202を収集してソフトチャンバ3220内に収納されたリザーバに搬送すると共に、リザーバ内で生じる、収集した化学物質3202の特性を分析するための化学反応に対応する(accommodate)。図32Aに示すように、流体吸引装置3200は、図31Aと同じように構成されている。化学分析の場合、流体吸引装置3200内のソフトチャンバ3220は、比色試薬(例えば比色塩基試薬)を含んでもよい。シリコーンベースのエラストマー(例えばエコフレックスシリコーンエラストマー)は、半透明であるという特性のために、ソフトチャンバ内で生じる化学反応を視覚的に観察することに特に適している。幾つかの実施形態で、比色塩基試薬は、アクチュエータ2500の駆動の際に圧縮されて視薬材料(例えば比色塩基試薬)を放出するような壊れやすいカプセルであってもよい。図32Bで、流体吸引装置3200は、加圧されてソフトチャンバ3220のリザーバ内に残留する空気を排出する。静止状態に戻る際に(減圧)、流体化学物質3202は、ソフトチャンバ内の反応チャンバに搬送される。収集された化学物質3202は比色塩基試薬と反応し、図32Cのように色によりその特性を示す。流体吸引装置3200は半透明であるので、色の変化を容易に観察できる。
ハイブリッド ソフト/ハードロボット.
ソフトロボットは多種の複雑な動作を行うことができるが、最新鋭のソフトロボットであっても、ハードロボットが容易に対処可能な課題を抱えることがある。その例の1つは移動である。幾つかのロボットは、駆動により屈曲させることができる複数の「ソフトアクチュエータ脚」を含んでもよい。これらのソフトロボットは、ソフトアクチュエータ脚を協調して屈曲させることにより移動でき、これにより蜘蛛のような移動を行う。残念ながら、特に平坦な地形のような特定の地形では、こうした多機能のソフトロボットの移動能力は限定的であってハードロボットの移動能力に達しない可能性がある。ソフトロボットの蜘蛛のような動きは、起伏の多い表面上を移動する場合には備わっていればよいが、平坦な表面の上では高速動作を可能にしない。それゆえ、ソフトロボットとハードロボットの両方の所望の特性を有するロボットが求められている。
図33は、開示している主題についての特定の実施形態によるロボットシステムを示す。ロボットシステム3300は、ソフトロボット3302、ロボット制御システム3304、ハードロボット3306、カメラシステム3308、中央制御システム3310のうちの1つまたは複数個を備えてもよい。これら各コンポーネントについて、以下で詳細に説明する。
(ソフトロボット)
幾つかの実施形態で、ソフトロボット3302は、1つまたは複数個のアクチュエータ3312を含んでもよい。アクチュエータ3312は、駆動されて動く1つまたは複数個の流体チャネルを含んでもよい。駆動方法として、提案しているソフトロボットの多くは、薄いエラストマーの薄膜において、製造された形状が加圧により可逆的に変化することを利用する。ソフトエラストマー内に埋め込まれたチャネルのマイクロ流体ネットワークは、より剛性の高いエラストマー膜の駆動層として用いられるように設計されてもよい。チャネルはより軟らかいエラストマー内に埋め込まれ、この層は、より剛性は高いが曲げやすい層に接合される。空気を用いたチャネルの加圧(空気圧駆動)、より一般的には流体を用いたチャネルの加圧(流体駆動)の際、ソフトエラストマーネットワークは膨張する。この膨張または歪みは、より軟らかいエラストマー層とより剛性の高いエラストマー層との間界面で制限される。ソフトエラストマーの膨張は、より剛性の高い歪み制限層の周りで屈曲することにより受容される。
アクチュエータ3312は、特定の機能を与えるように構成されている。幾つかの実施形態で、アクチュエータ3312は軟質触手アクチュエータ202を含んでもよい。他の実施形態で、アクチュエータ3312は径方向撓みアクチュエータ2500を含んでもよい。さらに別の実施形態で、アクチュエータ3312は、参照により全体として本明細書に組み込まれるPCT出願(出願番号:PCT/US2011/061720、発明の名称“Soft Robotic Actuators”)、PCT出願(出願番号:PCT/US2012/059226、発明の名称“Systems and Methods for Actuating Soft Robotic Actuators”)、PCT出願(出願番号:PCT/US2013/028250、発明の名称“Apparatus, System, and Method for Providing Fabric−Elastomer Composites as Pneumatic Actuators”)、PCT出願(出願番号:PCT/US2013/022593、発明の名称“Flexible Robotic Actuators”)で開示されたアクチュエータのうちの1つまたは複数個を含んでもよい。
幾つかの実施形態で、アクチュエータ3312は歩行機械として構成されてもよい。図34は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、歩行機械として構成されたアクチュエータを示す。アクチュエータ3312は、駆動時に屈曲するように構成された脚を含んでもよい。これらの脚は、独立して制御されて方向性を持つ動作を与えるようにされてもよい。図35は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、アクチュエータ3312の歩行動作を示す。図35aは、アクチュエータ3312が傾斜角約10°〜15°の傾斜面を歩いて上がることができることを示す。図35bは、アクチュエータ3312は砂などさまざまな表面の上を歩くことができることを示す。
幾つかの実施形態で、アクチュエータ3312は回転対称性を示すように構成されてもよい。例えば、アクチュエータ3312は、3回回転対称性(すなわちC3対称性)を示すように構成された3つの脚を有してもよい。C3対称構成は、アクチュエータ3312の受動的な安定性(passive stability)を与えることができる。別の例で、アクチュエータ3312は、4回回転対称性(すなわちC4対称性)を示すように構成された4つの脚を有してもよい。これにより、アクチュエータ3312をより簡単に制御して複数の方向へ移動させることができる。
幾つかの実施形態で、アクチュエータ3312の各脚は、独立して駆動可能な2つの平行な流体チャネルを含んでもよい。平行な流体チャネルは、アクチュエータ3312の中央から脚の先まで延び、主動筋/拮抗筋として機能してもよい。このペアにより、パドリング(paddling)動作を行うように脚を駆動することができる。図36は、開示している主題についての幾つかの実施形態による脚のパドリング動作を示す。図36aで、両流体チャネルは大気圧にある。流体チャネルの1つ(すなわちPN1)を加圧すると、脚の先端は図36bに示すように前下方に移動する。両流体チャネルを加圧すると、脚の先端は図36cに示すように後下方に移動する。次に、PN1内の圧力を取り除くと、脚の先端は図36dに示すように後上方に移動する。両流体チャネル内の圧力を取り除くと、脚は元の状態に戻る(図示せず)。8つの流体チャネル(すなわち、4つの脚の流体チャネル)のそれぞれの加圧/減圧シーケンスは、アクチュエータ3312の進み方を決定する。
幾つかの実施形態で、アクチュエータ3312は回転動作を行う。例えば、アクチュエータ3312の各脚を僅かな時間差で駆動して、アクチュエータ3312に有効な回転動作を与えることができる。回転しやすくなるように、アクチュエータ3312の各脚の先端を丸くしてもよい。これにより、アクチュエータ3312が回転する際に、脚は基板と接触し続ける。幾つかの実施形態では、アクチュエータ3312の脚を同時に駆動して、把持装置として動作させてもよい。
幾つかの実施形態で、図33に示すように、ソフトロボット3302はセンサ3314を備えてもよい。ソフトロボット3302は、複数のセンサ3314を用いて周囲についての情報を集めると共に、集まった情報に対して応答する。幾つかの実施形態で、複数のセンサ3314はバンプセンサ(衝突センサ、bump sensor)を含んでもよい。ソフトロボット3302は、バンプセンサを用いて障害物を検出し、さらにそれらの周囲を移動することで検出した障害物を避けることができる。バンプセンサは、他の物体と接触したときに抵抗が変化するピエゾ抵抗式センサであってもよい。この抵抗の変化をロボット制御システムにより検出してソフトロボットが動作方向を変えるようにしてもよい。
図37は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、バンプセンサの設計と配置を示す。図37aは、紙ベースのバンプセンサ用のネットワーク3702を示す。ネットの4隅にあるステンシル印刷したカーボンインクの布片3704A〜3704Dは、ピエゾ抵抗式センサとして動作可能である。銀エポキシを用いて、銅ワイヤをピエゾ抵抗式センサ3704A〜3704Dに接続してもよい。図37bは、バンプセンサ3706の折り畳み形状を示しており、アームの三角断面とピエゾ抵抗式センサ3704A〜3704Dを含む可撓性ヒンジの上面を示す。可撓性ヒンジが他の物体と接触すると、それに応じて関連するピエゾ抵抗式センサの抵抗値が変化する。ロボット制御システム3304は、この抵抗の変化を検出し、これに応じてソフトロボットの動作方向を操ることができる。
図37cは、バンプセンサ3706のソフトロボット3302の上への取付け方法を示す。幾つかの実施形態で、バンプセンサ3706は、ソフトロボット3302の上に接着することにより取り付けられてもよい。三角形断面を有するバンプセンサ3706の折り紙構造は固定支持部を与え、可撓性ヒンジはステンシル印刷したセンサ用の足場を与える。図示している実施形態では、バンプセンサもソフトロボットも、中心を通って端から端まで6インチである。
(ロボット制御システム)
ロボット制御システム3304は、ソフトロボット3302、ハードロボット3306および中央制御システム3310に結合されている。ロボット制御システム3304は、ソフトロボット3302とハードロボット3306の動作を制御するためのコントロールセンタとして動作してもよい。
幾つかの実施形態で、ロボット制御システム3304は2つの主要素(電子システムと流体システム)を備えてもよい。電子システムは、制御プログラムモジュール3316と通信リンクモジュール3318を備えてもよい。制御プログラムモジュール3316は、有線シリアルバスを介してハードロボット3306と通信してもよく、通信リンクモジュール3318を介して中央制御システム3310と通信してもよい。通信リンクモジュール3318は、XBeeワイヤレスリンクモジュールを備えてもよい。制御プログラムモジュール3316は、マイクロプロセッサ(例えばAtmel AVR 2056)を用いて実装されてもよい。
制御プログラムモジュール3316は、命令を受けてソフトロボットを動作させてもよい。例えば、制御プログラムモジュール3316は、中央制御システム3310から命令を受けてもよい。制御プログラムモジュール3316は、この命令を利用してソフトロボットの制御方法を決定してもよい。幾つかの例で、制御プログラムモジュール3316は、中央制御システム3310を介してユーザから命令を受けてもよい。例えば、ユーザは、中央制御システム3310に結合されたゲームパッドを用いて、ソフトロボットの所望の動作を特定してもよい。中央制御システム3310は、ユーザ入力を処理すると共に、制御プログラムモジュール3316に適切な命令を与えることができる。これにより、ロボットの動きの半自律制御が可能となる。幾つかの実施形態で、制御プログラムモジュール3316は、ソフトロボット3302についての感覚フィードバック情報を受信してもよい。制御プログラムモジュール3316は、この感覚フィードバック情報を用いて、ソフトロボットの動きを調整する方法を決定する。
ロボット制御システム3304の流体システムは、流体ポンプ・バルブ3320を備えてもよい。流体ポンプ・バルブ3320は、ソフトロボット3302に結合されて、ソフトロボット内の流体チャネルを駆動してもよい。幾つかの実施形態で、各流体ポンプ・バルブ3320は、独自の流体チャネルに連結されてもよい。これにより、ロボット制御システム3304は流体チャネルを独立して駆動でき、複雑な動作が可能となる。
図38c、dは、開示している主題についての幾つかの実施形態による、流体ポンプ・バルブを示す。流体ポンプ・バルブ3320は、低コストの血圧計から再利用されたダイヤフラムポンプとソレノイドバルブであってもよい。ダイヤフラムポンプとソレノイドバルブの概略を図38dに示す。また、図34は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、ダイヤフラムポンプとソレノイドバルブをソフトロボット3312に連結する方法を示す。幾つかの実施形態で、ポンプ・バルブ3320は、特注のPCBと、オープンソースの安価なArduinoマイクロコントローラを用いて制御されてもよい。マイクロコントローラ、ポンプおよびバルブは、ロボットシステムを携帯できるようにリチウムポリマーバッテリの電力で動作してもよい。
幾つかの実施形態で、流体ポンプ・バルブ3320は、参照により全体として本明細書に組み込まれるPCT出願(出願番号:PCT/US2012/059226、発明の名称“Systems and Methods for Actuating Soft Robotic Actuators”)に開示されたオンボードのソフトマイクロポンプシステムを含んでもよい。例えばマイクロエアコンプレッサ、マイクロ電解槽および過酸化物燃料ガスジェネレータなど、マイクロポンプについて種々の設計が考慮される。
幾つかの実施形態で、マイクロポンプは、レシプロダイヤフラム式マイクロポンプ、例えばTakasago Electronics社から入手できるもの(例えば最も小さいデバイスの大きさが約3000mm3であるSDMP302スタンダードシリーズピエゾ電気マイクロポンプ)であってもよい。これらの圧電駆動されたマイクロポンプは、1ワット未満の電力を用いて〜1mL/minの流量を〜1kPaで生み出す。現存するレシプロダイヤフラム式技術を埋込みエラストマー内に組み込むことにより、100mmのソフトマイクロポンプが提案されている。エアコンプレッサは、ダイヤフラムポンプ、出入口膜バルブおよびマイクロエアチャネルから構成されてもよい。完全なシステムは、シリコーンまたはポリウレタンエラストマーからなるプレパターン化層を結合することにより組み立てられてもよい。アセンブリ内で剛性の高いコンポーネントは、空気チャンバを引くために用いられる電動アクチュエータだけである。
幾つかの実施形態で、マイクロポンプは、ガスを生成する電解槽を備えてもよい。電解槽は、〜5mL/minの速度でガス(水素と酸素)を生成できる。この速度は、ソフトロボットに対して望まれるものよりも約10倍から50倍低い。ただし、印加される電圧、電極の表面積、水溶液の電気伝導度およびこれらの組み合わせを増大させることにより、性能を向上させることが可能である。幾つかの実施形態で、マイクロポンプは、過酸化水素の触媒分解を通じて圧力を生成する自動制御型のジェネレータを備えてもよい。こうしたポンプは、22psiに達する安定した圧力を生み出すことができ、空気圧ローリングベルトを動作させることができる。
制御プログラムモジュール3316は、駆動シーケンスを用いてポンプ・バルブ3320を制御してもよい。駆動シーケンスは、ソフトロボットの動作を決定してもよい。幾つかの実施形態で、制御プログラムモジュール3316は、駆動シーケンスを実験的に決定してもよい。例えば、制御プログラムモジュール3316は、トライアルアンドエラーによりソフトロボット3302用の制御シーケンスを見出し、所望の動作のための適切な制御シーケンスを決定してもよい。多くの場合、各流体チャネル用の駆動シーケンスは、次のように要約される。すなわち、(a)バルブを閉じる、(b)ポンプの電源を入れて流体チャネルを膨張させる(すなわち加圧する)、(c)バルブを閉じた状態でポンプの電源を切る、(d)バルブを開いて収縮させる。図38bは、開示している主題についての幾つかの実施形態による、アクチュエータの蜘蛛のような動きのための、実験的に得られた駆動シーケンスを示す。幾つかの実施形態では、各流体チャネルの駆動シーケンスを僅かにずらすことにより、脚の回転を、先端で測定されたものとして観測してもよい。
幾つかの例で、駆動シーケンスはタイミング行列(timing matrix)として表されてもよい。タイミング行列の各行は、ロボット制御システム3304に結合された各流体チャネル用の駆動シーケンスを含んでもよい。タイミング行列の第1行は、第1流体チャネルの駆動をt=0で開始する第1駆動シーケンスと考えてもよい。次に、他の流体チャネルに関連するタイミング行列の他の行は、第1駆動シーケンスを基準として規定される第2駆動シーケンスと考えてもよい。幾つかの実施形態で、これらの第2駆動シーケンスは、t=0からのタイミング行列の回転により規定されてもよい。言い換えると、第2駆動シーケンスは、第1シーケンスを時間についてシフトされたものであると考えてもよい。例えば、第1駆動シーケンスが110000000であると仮定する。次に、「左にシフトさせる」行列の回転により、第1駆動シーケンスから第2駆動シーケンスを得てもよい。「左にシフトさせる」行列の回転は、行列の各要素を左にシフトするプロセスである。このプロセスで、最も左の要素は行列の端から得られて、右側の第1位置に再度挿入される。例えば、第1駆動シーケンス110000000は、1点で左に回転して第2駆動シーケンス100000001となる。
幾つかの実施形態では、方向性を持つ歩行動作と関連したタイミング行列の行の順序を変えることにより、歩行動作の方向を変更してもよい。多くの四肢動物の動きとは対照的に、回転対称性を有するアクチュエータ3312は、回転して動作方向を変える必要がない。その代わりに、アクチュエータ3312は、側方または後方への動きを生じさせる修正駆動シーケンスを用いて制御されてもよい。この方策は、ロボットのどちらの側が「前方」であるかを再定義するものであると考えてもよい。例えば、タイミング行列の並べ替えにより、方向性を持つ方向動作の第1駆動シーケンスに関連して第1流体チャネルが変化する。これにより、歩行装置の前方が変化する。
図38a、bは、開示している主題についての幾つかの実施形態による、タイミング行列の配列を定性的に示す。図38aは、開示している主題についての幾つかの実施形態によるソフトロボットを示す。各脚は、独立して駆動される2つの流体チャネルを有する。4つ足は、安定性、移動および方向制御向けに設計されている。ポリエチレンチューブを脚の中に挿入し、加圧空気が脚を通ってその脚を駆動できるようにした。当初の左前方の脚と右前方の脚とが流体チャネルB3、B4、A1、A2を含むようにソフトロボットの向きを定義する場合、これらの流体チャネルがソフトロボットの「前方」を成してもよい。この場合、前後左右に移動するためのシーケンスにより駆動される第1流体チャネルは、それぞれA1、A3、B1、B3である。ロボット制御システム3304が歩行動作の方向を変更することを決定する場合、制御プログラムモジュール3316は、タイミング行列の行の順序を変えて、第1駆動シーケンスを用いてどの流体チャネルが最初に駆動されるかを有効に再定義できる。これにより、ソフトロボットの向きが変わって、新しい左前方と右前方の脚は流体チャネルB1、B2、A3、A4を含む。
図39は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、ソフトロボットの方向性を持つ歩行動作を示す。この図で、ソフトロボット3302は、図の左下から動作を開始して左上、右上、そして右下へと歩く。ナンバリングした星型は、ロボットの最初の向き(左前方3902、右前方3904、左後方3906、右後方3908)を指す。ソフトロボット3302は、ロボット3312の事実上の前方を変更することにより、種々の方向に移動する。
ロボット制御システム3304を確立するために必要とされるソフトウェアは、高級な手続き型言語やオブジェクト指向言語(例えばMATLAB、C、C++、C#、Java(登録商標)またはPerl)であってもよい。ソフトウェアは、必要に応じてアセンブリ言語により実現されてもよい。幾つかの実施形態で、ソフトウェアは、この文書に記載されたプロセスを実行するために、一般的または特別な目的の処理ユニットが読み出し可能な記憶媒体または記憶装置、例えばリードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、または磁気ディスクに記憶される。プロセッサは、任意のマイクロプロセッサ(単一または複数のコア)、システムオンチップ(SoC)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、または命令を処理可能な他の任意の集積回路(例えばx86マイクロプロセッサ)を含んでもよい。
(ハードロボット)
ハードロボット3306は、ハードロボットセンサ3322、モータコントローラ3324およびマイクロコントローラ3326を備えてもよい。ハードロボット3306は移動用に設けられてもよい。幾つかの実施形態で、ハードロボットシステムは、輸送の中心として機能してもよい。ハブは、バッテリ、ポンプ、バルブ、マイクロコントローラおよび通信装置を運搬してもよい。ホイールもしくはトラック、または移動を与える他の任意のハードボディ手段を用いることにより、これら2つの丈夫で高負荷に耐える機械要素の強みを活かすことができる。幾つかの実施形態で、ハードロボット3306は、独自のマイクロプロセッサ、命令セットおよび制御部を有し、自己を自律的に制御してもよい。他の実施形態で、ハードロボット3306は、ロボット制御システム3304内のマイクロプロセッサにより全体として制御されてもよい。
(カメラシステム)
カメラシステム3308は、通信リンク3328とカメラモジュール3330を備えてもよい。カメラモジュール3330は、ロボットシステム3300の周囲の静止画または動画情報を撮影する1つまたは複数個のイメージセンサと、そのイメージセンサを外部入力に応じて移動させる1つまたは複数個のモータを備えてもよい。通信リンク3328は、カメラシステム3308が中央制御システム3310から或る距離離れて動作できるようにするワイヤレスリンクを備えてもよい。カメラシステム3308は、コントロールパッドや動画フィードバック部、または中央制御システム3310を用いてユーザにより操作されてもよい。
(中央制御システム)
中央制御システム3310は、機械視覚モジュール3332、遠隔制御プログラムモジュール3334および通信リンク3336、3338を備えてもよい。中央制御システム3310上で動作する機械視覚モジュール3332により、物体の特定、および、ソフトロボットの配置と動作の位置/タイミングの制御/フィードバックを行うことができる。中央制御システム3310は、リモートコンピュータ、例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータまたはスマートフォンであってもよい。中央制御システム3310を確立するために必要とされるソフトウェアは、高級な手続き型言語やオブジェクト指向言語(例えばMATLAB、C、C++、C#、JavaまたはPerl)であってもよい。ソフトウェアは、必要に応じてアセンブリ言語により実現されてもよい。幾つかの実施形態で、ソフトウェアは、この文書に記載されたプロセスを実行するために、一般的または特別な目的の処理ユニットが読み出し可能な記憶媒体または記憶装置、例えばリードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、または磁気ディスクに記憶される。プロセッサは、任意のマイクロプロセッサ(単一または複数のコア)、システムオンチップ(SoC)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、または命令を処理可能な他の任意の集積回路(例えばx86マイクロプロセッサ)を含んでもよい。
(用途)
幾つかの実施形態で、ロボットシステム3300は、ロボット原動機(mover)として構成されてもよい。図40は、開示している主題についての幾つかの実施形態によるロボット原動機を示す。ロボット原動機4000は、ソフトロボット3302、ロボット制御システム3304、ハードロボット3306を備えてもよく、カメラシステム3308と中央制御システム3310に結合されてもよい(図示せず)。
ロボット原動機4000は、所定のタスクを実行するように配置されてもよい。図41は、開示している主題についての幾つかの実施形態による、ロボット原動機を用いて物体を移動させるプロセスを示す。ステップ4102で、ロボット原動機4000は移動させる対象のターゲットを検出する。ロボット原動機4000は、ハードロボット3306に取り付けられたセンサを用いて、移動させる対象の物体を検出してもよい。センサは、例えば、物理バンプセンサ4002、近接センサ(例えば赤外線近接センサ)および飛行時間センサ(例えばソーナーセンサ)のうちの1つまたは複数個を含んでもよい。ステップ4104で、ロボット原動機4000は、カメラシステム3308を用いて、検出した物体の画像を撮影してもよく、撮影した画像を中央制御システム3310に送信してもよい。ステップ4106で、中央制御システム3310は受信した画像を処理し、検出した物体をロボット原動機4000が除去すべきか否かを決定する。中央制御システム3310はこの目的のために画像処理システムおよび/または物体認識システムを利用してもよい。
中央制御システム3310が、検出した物体をロボット原動機4000により移動させる必要がないと決定した場合、ロボット原動機4000は、別の物体を検出するまでステップ4102を実行してもよい。中央制御システム3310が、ロボット原動機4000により検出した物体を移動させる必要があると決定した場合、ロボット原動機4000はステップ4108に進んでもよい。
ステップ4108で、ロボット原動機内のロボット制御システム3304は、検出した物体をソフトロボット3302が掴めるように、流体ポンプ・バルブ3320を駆動する。例えば、ロボット制御システム3304は流体ポンプ・バルブ3320に駆動シーケンスを与えてもよく、それに応じて、流体ポンプ・バルブ3320により、ソフトロボット3302が検出した物体まで歩いて検出した物体を掴むようにしてもよい。ソフトロボット3302に固有の適合性により、検出した物体に対する損傷や圧力が制限されると共に、ソフトロボット3302が物体の形状の情報なしに物体をピックアップすることができる。
ステップ4110で、ロボット制御システム3304は、ハードロボット3306がソフトロボット3302と掴んだ物体を所望の位置まで引きずることができるように、ハードロボット3306に制御シーケンスを送る。このようにして、掴んだ物体を迅速に所望の位置に移動させることができる。幾つかの実施形態で、ロボット制御システム3304は、ハードロボット3306を自律して動作させることができる。他の実施形態で、ロボット制御システム3304は、中央制御システムから命令を受信して、ハードロボットを所望の位置まで移動させてもよい。ソフトロボット3302は、所望の位置まで引きずられると、掴んだ物体を開放してハードロボット3306内のドックに戻ってもよい。
幾つかの実施形態で、ハードロボット3306は掃除機であってもよい。こうした実施形態で、ロボット原動機4000は、ロボット掃除機として構成されてもよい。ロボット掃除機は、ソフトロボット3302を用いて、掃除機が除去できない物体を掴んで除去できる。ソフトロボット3302がこうした物体を除去すると、ロボット掃除機はハードロボット3406を用いて残りの物体を除去する。
幾つかの実施形態で、ロボットシステム3330は、輸送の中心として用いられてもよい。例えば、ハードロボット3306を用いて機能材料(例えば燃料、接着剤およびフォーム)を輸送してもよく、ソフトロボット3302を用いて機能材料を適用または利用してもよい。
幾つかの実施形態で、ハードロボット3306は、ソフトロボットが充分に実行できないタスクにおいてソフトロボットを支援してもよい。例えば、ハードロボット3306を用いてソフトロボット3302に動力を供給してもよい。動力は空気圧、水圧または他の任意の流体動力であってよい。
他の実施形態で、ソフトロボット3302は、周囲と相互作用するための追加の手段をハードロボット3306に与えることができる。例えば、ソフトロボット3302は周囲から物体を集めてもよく、ハードロボット3306は集めた物体を分析すると共にその分析結果を中央制御システムに送信してもよい。
幾つかの実施形態で、ロボットシステム3330は、ソフトロボットとハードロボットを有する有袋類ロボットシステムとして用いられてもよく、ハードロボットが有袋類ロボットシステムのハブとして動作し、ソフトロボットがそのハードロボットにより運搬されてもよい。こうした有袋類ロボットシステムにおいて、ソフトロボット3302は、ハードロボット3306が、危険な環境に実際には進入することなくその環境と相互作用するための手段を提供する。例えば、ソフトロボット3302は、爆弾処理用に配置されてもよく、放射能汚染または化学汚染された環境に配置されてもよく、一方、ハードロボット3306は、危険な環境から隔てて配置されてもよい。これは、安価なソフトロボット3302を犠牲にして高価なハードロボット3306を保護するための有用な方策である。別の例で、ソフトロボット3302はハードロボットが機能しない領域で動作手段を与えることができる。ハードロボットは、例えば、高放射線に曝された領域、深くて軟らかい泥、腐食性の化学物質が溜まったところ、アーク放電の電気部品内に配置された場合のような特定の環境下では機能しない。しかし、ソフトロボットは、こうした領域でも良好に動作可能である。それゆえ、ソフトロボットは、ハードロボットが機能しない場合であってもロボットシステムが正しく動作するための手段を提供できる。別の例で、ソフトロボットは、負傷者のような注意を要する対象を扱う能力をハードロボットに与える。さらに別の例で、ハードロボットは、或る専用の環境で動作するようにソフトロボットをカスタマイズしてもよい。
ソフトロボット用の材料.
ソフトロボットに用いることができる材料のリストは、広範囲であって、伸長性材料についてはラテックス、ポリウレタン、ポリアクリレート、シリコーン、加硫ゴムなどのエラストマー、歪み制限膜については紙、ケブラー、綿、ナイロンなどの布を含む。材料の組み合わせについて例示的なリストを表1に示す。各組み合わせにより、駆動時の屈曲の程度が変化する。歪み制限体の弾性率/引張係数の差が増加すると、同じチャネル材料について屈曲の程度が増大する(例えば、歪み制限層で撓みが大きくなり、または曲率半径が小さくなる)。他の材料と材料の組み合わせは当業者には明らかであろう。
Figure 0006253636
チャネルの設計と結びつけて材料を選択することにより、加圧する装置の応答が決定される。特定の大きさの駆動を達成するために必要な圧力は、材料の剛性に対応する。各組み合わせにより、駆動の際に種々の屈曲挙動が生じる。同じチャネル形状であれば、エラストマーと歪み制限布(または層)との間の弾性率の差が大きいほど屈曲は大きくなる。2つのシリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン(PDMS、Dow Corning社のSylgard 184))とエコフレックス00−30(Smooth−On: http://www.smooth−on.comにより製造されるシロキサン)について材料選択の効果が実証される。これらを用いる理由は、入手しやすく、容易に扱うことができ、互いによく結合して多層構造を形成し、比較的安価だからである。しかし、他の好適な材料の組み合わせについても容易に明らかになるであろう。PDMSは透明でありショアA硬さは50である。それは、弾性的であって繰り返し屈曲に耐えうるが、最大歪みが150%を超えると破壊される。その結果、PDMSの変形は限られた範囲で生じ、構造体のより剛性の高いパーツ(屈曲するが伸びないパーツ)に適している。PDMSは表1に示すように紙のような硬い材料と組み合わせて、可撓性成分として用いられてもよい。エコフレックスシリコーンは半透明であり、硬度はショアAスケールより小さい。エコフレックスシリコーンは最大歪み900%で破壊される。エコフレックスシリコーンはPDMSよりも可撓性が高く、それゆえより大きい歪み/変位を有するコンポーネント(すなわち駆動する層)に適している。エコフレックスシリコーンは非常に軟らかく、支持がないと自重で屈曲する(PDMSの場合は充分に小さい)。PDMSの層とエコフレックスシリコーンの層とを備えた複合材構造は、PDMSの剛性とエコフレックスシリコーンの可撓性の釣り合いをとっている。
他の実施形態で、デバイスの製造用には代替の材料が有用である。より剛性の高い材料(または、より引張係数が大きい材料)として、紙、織物、炭素ファイバ、ガラスファイバまたは金属ファイバを用いた複合材が可能である。他の実施形態では、チャネルの1つの壁に強化材を導入することにより、チャネルの壁に剛性が導入される。他の実施形態では、1つの壁を化学的に処理して剛性を高める。例として、ポリマー前駆体溶液をエラストマー可撓性ポリマーに含浸させ、次に所定のパターン内で硬化させてより剛性の高いポリマーを形成してもよい。
例示的な上記実施形態において本開示を説明および図示してきたが、本開示は、単に例としてなされたものであり、本開示を実施する詳細において、本開示の精神と範囲から逸脱することなく多くの変更がなされるものであり、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定されることが理解される。特許請求の範囲には、他の実施形態が包含される。

Claims (38)

  1. 複数の埋込み流体チャネルを有する可撓体、ここで該複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つは、前記可撓体の中心軸周りに同心状に配置されるものであり、
    前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つに連結された加圧口、ここで該加圧口は、加圧流体を受けて前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つの一部を膨張させ、これにより前記可撓体の径方向撓みが生じるように構成されたものである、
    を備えたソフトロボット。
  2. 前記可撓体は歪み制限層を含み、
    前記歪み制限層の引張係数が前記可撓体の引張係数よりも大きい、
    請求項1に記載のソフトロボット。
  3. 前記歪み制限層は紙を含む、
    請求項2に記載のソフトロボット。
  4. 前記可撓体の上方に、該可撓体を封止するように接触して配置されたソフトチャンバを備え、
    前記ソフトチャンバは、流体リザーバと流体入口を備えた、
    請求項1に記載のソフトロボット。
  5. 前記ソフトチャンバは、カバー層と1つまたは複数個の壁を含むキャップを備え、
    前記1つまたは複数個の壁は前記可撓体に取り付けられ、
    前記キャップと前記可撓体との間の空間により前記流体リザーバを形成する、
    請求項4に記載のソフトロボット。
  6. 前記流体リザ−バは、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つが加圧されたときに前記流体入口を介して流体を搬送するように構成されている、
    請求項5に記載のソフトロボット。
  7. 前記流体リザーバは、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つが減圧されたときに前記流体入口を介して流体を受けるように構成されている、
    請求項5に記載のソフトロボット。
  8. 前記可撓体は、エラストマーを用いて成形されている、
    請求項1に記載のソフトロボット。
  9. 前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つは、同心多角形として構成されている、
    請求項1に記載のソフトロボット。
  10. 前記同心多角形は同心円を含む、
    請求項9に記載のソフトロボット。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のソフトロボットを準備するステップ、
    前記加圧口に加圧流体を供給し、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つを加圧し、これにより前記ソフトロボットの径方向撓みが生じるようにしたステップ
    を含む、ソフトロボットを駆動する方法。
  12. 請求項4からのいずれか1項に記載のソフトロボットを準備するステップ、
    前記流体入口を介して前記ソフトチャンバに流体を供給するステップ、
    前記加圧口に加圧流体を供給し、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つを加圧し、これにより前記流体入口を介して前記ソフトチャンバ内に収納された流体を排出するステップ
    を含む、流体を受容または搬送する方法。
  13. 前記加圧口から前記加圧流体を除去し、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つを減圧し、これにより前記流体入口を介して前記ソフトチャンバ内へ流体を吸入するステップを含む、
    請求項12に記載の方法。
  14. 前記ソフトチャンバは、或る試薬と反応して発色する化学試薬を収納するように構成されている、
    請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1から10のいずれか1項に記載のソフトロボットを準備するステップ、
    非多孔性表面に対して前記ソフトロボットを配置するステップ、
    前記加圧口に加圧流体を供給し、前記複数の埋込み流体チャネルのうち少なくとも2つを加圧し、これにより前記非多孔性表面に対して前記ソフトロボットを崩壊させて吸引封止を形成するステップ
    を含む非多孔性表面を把持する方法。
  16. 可撓性成形体であって、該可撓性成形体の中に配置された複数のチャネルを有する可撓性成形体、ここで前記複数のチャネルは、前記可撓性成形体の中心軸と同軸であり、前記可撓性成形体の一部は、弾性伸長性材料を含み、前記可撓性成形体の一部は、前記弾性伸長性材料に対して歪み制限的であり、前記可撓性成形体は、前記複数のチャネルのうち1つが加圧流体により加圧されたときに優先的に膨張するように構成されたものであり、
    前記複数のチャネルのうち少なくとも1つについて加圧流体を受けるように構成された少なくとも1つの加圧口、
    前記可撓性成形体の一端と他端との間で第1材料を移動させるように構成された第1輸送チャネル、
    前記可撓性成形体の一端と他端との間で第2材料を移動させるように構成された第2輸送チャネル
    を備えたソフトロボットアクチュエータ。
  17. 前記第1輸送チャネルは、前記可撓性成形体の歪み制限部分内に埋め込まれ、
    前記第2輸送チャネルは、前記可撓性成形体の弾性伸長部分内に埋め込まれている、
    請求項16に記載のソフトロボットアクチュエータ。
  18. 前記第1材料は固体粒子を含み、
    前記第2材料は液体を含む、
    請求項16に記載のソフトロボットアクチュエータ。
  19. 前記第1材料は固体粒子を含み、
    前記第2材料は液体を含む、
    請求項16に記載のソフトロボットアクチュエータ。
  20. 前記複数のチャネルは、前記可撓性成形体の中心軸に沿って複数の節に分けられている、
    請求項16に記載のソフトロボットアクチュエータ。
  21. ソフトロボティックシステムであって、
    前記ソフトロボティックシステムを支持するように構成された複数の可撓性アクチュエータ、ここで前記複数の可撓性アクチュエータのうち少なくとも1つは、加圧されて関連する可撓性アクチュエータを駆動するように構成された流体チャネルを備え、
    可撓性成形体を備えた軟質触手アクチュエータ、ここで該可撓性成形体は中に配置された複数のチャネルを有し、該複数のチャネルは前記可撓性成形体の中心軸と同軸であり、前記可撓性成形体の一部は弾性伸長材料を含み、前記可撓性成形体の一部は前記弾性伸長材料に対して歪み制限的であり、前記可撓性成形体は、前記複数のチャネルのうち1つまたは複数個が加圧流体により加圧されたときに優先的に膨張するように構成されたものであり、
    前記可撓性成形体に連結され、前記ソフトロボティックシステムの周囲の場面を撮影するように構成されたカメラモジュール
    を備えたソフトロボティックシステム。
  22. 前記複数の可撓性アクチュエータは、前記カメラモジュールが撮影した画像に応じて駆動されるように構成されている、
    請求項21に記載のソフトロボティックシステム。
  23. 前記軟質触手アクチュエータと前記複数の可撓性アクチュエータは、独立して駆動されるように構成されている、
    請求項21に記載のソフトロボティックシステム。
  24. ロボットシステムであって、
    複数の埋め込み流体チャネルを有する可撓体を備えたソフトロボットシステム、ここ前記複数の埋め込み流体チャネルは、上壁、下壁および側壁により画定され、その少なくとも1つの壁が歪み制限的であり、前記ソフトロボットシステムは前記複数の埋め込み流体チャネルに連結された加圧口を有し、前記加圧口は、加圧流体を受けて前記複数の埋め込み流体チャネルの少なくとも一部を加圧し、前記ソフトロボットシステムを動作させるように構成されており、
    前記ソフトロボットシステムに連結され、前記ロボットシステムを移動させるように構成されたハードロボット、
    前記ソフトロボットシステムとハードロボットに連結されたロボット制御システム、ここで前記ロボット制御システムは、前記加圧流体を流体口に与えるように構成された流体システムを備えるものである、
    ロボットシステム。
  25. 前記流体システムは、前記ソフトロボットシステムの加圧口に連結され、前記複数の流体チャネルのうち1つまたは複数個を加圧するように構成されたポンプとバルブを備え、
    前記ポンプとバルブは、前記複数の流体チャネルのうち1つまたは複数個に関連する駆動シーケンスを用いて制御されるように構成されている、
    請求項24に記載のロボットシステム。
  26. 前記駆動シーケンスは、(a)バルブを閉じる、(b)ポンプの電源を入れて流体チャネルを加圧する、(c)バルブを閉じた状態でポンプの電源を切る、(d)バルブを開いて収縮させる、のうち少なくとも1つを示すものである、
    請求項25に記載のロボットシステム。
  27. 前記ソフトロボットシステムは、請求項1から10のいずれか1項に記載のソフトロボット、16から20のいずれか1項に記載のソフトロボットアクチュエータ、または、請求項21から23のいずれか1項に記載のソフトロボティックシステムを備える、
    請求項24に記載のロボットシステム。
  28. 前記ソフトロボットシステムは複数のアクチュエータを備え、
    前記複数のアクチュエータはそれぞれ流体入口を有している、
    請求項24に記載のロボットシステム。
  29. 前記流体システムは、前記アクチュエータに関連した駆動シーケンスを用いて1つまたは複数個のアクチュエータを選択的に駆動することにより、前記ソフトロボットシステムを動作させるように構成されている、
    請求項28に記載のロボットシステム。
  30. 前記ソフトロボットシステム内の複数のアクチュエータは、回転対称性を示すように配置されている、
    請求項28に記載のロボットシステム。
  31. 前記ロボット制御システムは、前記駆動シーケンスと前記アクチュエータとの間の関係を変更することにより、前記ソフトロボットシステムの移動方向を変更するように構成されている、
    請求項29に記載のロボットシステム。
  32. 前記ロボット制御システムに結合された中央制御システムを備え、
    前記中央制御システムは、前記ハードロボットが所定の方向に移動するように前記ロボット制御システムに命令を出すように構成されている、
    請求項24に記載のロボットシステム。
  33. 前記中央制御システムに結合されたカメラシステムを備え、
    前記カメラシステムは、前記ハードロボットの周囲の環境の画像を記憶するように構成されており、
    前記中央制御システムは、前記記憶された画像を用いて前記ハードロボットの周囲の障害物を特定するように構成されている、
    請求項32に記載のロボットシステム。
  34. 前記ソフトロボットシステムは、前記カメラシステムが撮影した画像に応じて駆動されるように構成されている、
    請求項33に記載のロボットシステム。
  35. 前記ロボットシステムはロボット掃除機を含む、
    請求項24に記載のロボットシステム。
  36. 請求項24から35のいずれか1項に記載のロボットシステムを動作させる方法であって
    央制御システムにより、前記ハードロボットの周囲の場面の画像をカメラシステムから受けるステップ、
    前記中央制御システムにより、前記ソフトロボットシステムが掴む対象の物体を特定するステップ、
    前記中央制御システムにより、前記特定した物体に近接した位置に前記ハードロボットが移動するように、かつ、前記特定した物体を前記ソフトロボットシステムが掴むように前記ロボット制御システムに命令を出すステップ
    を含む方法。
  37. 前記ロボット制御システムにより、前記流体システムに駆動シーケンスを与えて前記ソフトロボットシステムを制御するステップを含む、
    請求項36に記載の方法。
  38. 前記流体システムはポンプとバルブを備え、
    (a)バルブを閉じるステップ、
    (b)ポンプの電源を入れて流体チャネルを加圧するステップ、
    (c)バルブを閉じた状態でポンプの電源を切るステップ、
    (d)バルブを開いて収縮させるステップ
    を含む、請求項36に記載の方法。
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