JP6253515B2 - ディジタル保護リレー装置 - Google Patents

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Description

この発明はディジタル保護リレー装置に関し、特に、入力された交流電圧および/または交流電流に基づいて周波数演算を行うディジタル保護リレー装置に関する。
ディジタル型の保護リレー装置では、電力系統の交流電圧(もしくは交流電流)を予め定められた時間間隔(たとえば、30°または22.5°)でサンプリングしたデータを用いて、周波数演算が行われる。たとえば、特開平6−276665号公報(特許文献1)に記載のリレー装置では、現時点、90°前、および180°前のデータを用いて周波数演算が行われる。
特開2000−35035号公報(特許文献2)に記載のリレー装置は、周波数の導出精度は高いが導出可能な帯域が狭い第1の演算手段と、周波数の導出精度は低いが導出可能な帯域が広い第2の演算手段とを備えるものである。たとえば、第1の演算手段は、現時点、90°前、180°前、360°前、450°前のデータを用いて周波数演算を行い、第2の演算手段は、現時点、60°前、および90°前のデータを用いて周波数演算を行う。
特開平6−276665号公報 特開2000−350355号公報
電力系統の交流電圧に基づいて周波数演算を行う場合、電力系統の事故によって交流電圧の振幅が低下した場合には周波数演算ができなくなるか、もしくは演算結果の信頼性が損なわれる。周波数演算結果が得られなくなると、周波数演算結果を必要とする他の保護リレー要素の誤動作または誤不動作といった問題が生じる。ところが、上記の先行技術文献は、電力系統に事故発生した場合について何ら開示していない。
この発明は、上記の問題点を考慮してなされたものであり、その目的は、系統事故が発生した場合でもできるだけ高精度の周波数演算結果を出力可能なディジタル保護リレー装置を提供することである。
この発明のディジタル保護リレー装置は、周波数演算部と、判定部とを備える。周波数演算部は、予め定められたサンプリング周期ごとに取得した交流電圧および交流電流を用いて、サンプリング周期ごとに交流電圧の周波数および交流電流の周波数を演算する。判定部は、交流電圧の実効値または振幅に少なくとも基づいて交流電圧の周波数演算結果の信頼性の有無を判定するとともに、交流電流の実効値または振幅に少なくとも基づいて交流電流の周波数演算結果の信頼性の有無を判定する。判定部は、交流電圧の周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、交流電圧の周波数演算結果を出力し、交流電圧の周波数演算結果に信頼性が無く、かつ、交流電流の周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、交流電流の周波数演算結果を出力するように構成される。
この発明によれば、系統事故が発生して交流電圧の周波数の演算ができなくなった場合には、交流電流の周波数演算結果を出力することが可能であるので、系統事故が発生した場合でもできるだけ高精度の周波数演算結果を出力することができる。
第1の実施形態による保護リレー装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。 保護リレー装置10の機能ブロック図である。 図2の演算結果判定部66の動作を示すフローチャートである。 電力系統の事故発生時における周波数演算値の変化の一例を示す図である。 第2の実施形態の保護リレー装置において、図2の演算結果判定部66の動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態による保護リレー装置において、電力系統の事故発生時における周波数演算値の変化の一例を示す図である。
以下、各実施形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない場合がある。
<第1の実施形態>
[保護リレー装置のハードウェア構成]
図1は、第1の実施形態による保護リレー装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図1を参照して、保護リレー装置10は、電圧入力部12、電流入力部14、補助電圧変成器16,18、アナログフィルタ20,22、AD(Analog to Digital)変換器24、および演算処理部26を含む。
電圧入力部12には、電力系統に設けられた電圧変成器から交流電圧の検出信号が入力される。電流入力部14には、電力系統に設けられた電流変成器から交流電流の検出信号が入力される。交流電圧および交流電流の検出信号は、補助電圧変成器16,18によってそれぞれレベル変換され、続いてアナログフィルタ20,22によって高周波分が除去されてからAD変換器24に入力される。AD変換器24は、アナログフィルタ20,22をそれぞれ通過した交流電圧および交流電流の検出信号をサンプリングし、サンプリングされた検出信号をAD変換する。AD変換器24のサンプリング周波数は、たとえば、96×fr(frは電力系統の定格周波数)である。
演算処理部26は、AD変換されたディジタルデータに基づいて、周波数演算およびリレー演算などを行う。演算処理部26は、マイクロコンピュータをベースに構成され、CPU(Central Processing Unit)30、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)34、インターフェース部(I/F)38,40、およびディジタル出力部(D/O)42などを含む。
AD変換器24から出力された交流電圧および交流電流のディジタルデータは、インターフェース部38,40を介してRAM32の予め定められたアドレスに格納される。ディジタル出力部42からは遮断器のトリップ信号46が出力される。
[保護リレー装置の動作の概要]
図2は、保護リレー装置10の機能ブロック図である。図2の各機能ブロックは、図1のROM34に格納されたプログラムがCPU30で実行されることによって実現される。図2に示すように、保護リレー装置10は、ディジタルフィルタ60、周波数演算部62、実効値演算部64、演算結果判定部66、およびトリップ判定部68などの機能を有する。
ディジタルフィルタ60は、AD変換器24から出力された電圧データvおよび電流データi(サンプリング周波数96×fr)について、現時点のデータと過去のデータとを用いて、加算、定数乗算、および遅延などの演算を行う。この結果、ディジタルフィルタ60からは、たとえば12×fr(frは電力系統の定格周波数)のサンプリング周波数の電圧データVおよび電流データIが出力される。12×frのサンプリング周波数の場合、サンプリング周期Tは電気角30°に相当する時間である。
なお、この明細書では、ディジタルフィルタ60から出力された電圧データVおよび電流データIのサンプリング周期Tが、定格周波数で電気角30°に相当する場合を取り扱うが、サンプリング周期Tはこれに限られるものではない。たとえば、サンプリング周波数を16×frとしてもよい。この場合、サンプリング周期は、電気角22.5°に相当する時間である。
周波数演算部62は、周期T(定格周波数で電気角30°に相当する)ごとにサンプリングされた電圧データVを用いて、予め定められた演算式に従って周波数fvを周期Tごとに算出する。周波数演算部62は、さらに、周期Tごとにサンプリングされた電流データIを用いて、予め定められた演算式に従って周波数fiを周期Tごとに算出する。周波数の演算式は、特に限定されるものではなく、たとえば、前述の特許文献1,2に記載されたものを使用してもよい。この明細書では、以下の演算式(1)〜(4)に従って、交流電圧V(t)の周波数fv(t)および交流電流I(t)の周波数fi(t)を算出するものとする。以下の式においてfrは定格周波数を表し、πは円周率を表す。V(t−n・T)(ただし、n=3,6,9)は、V(t)よりもn・T周期前にサンプリングされた交流電圧を表す。交流電流についても同様である。
A(t)={V(t-3T)・V(t-6T)−V(t)・V(t-9T)}
/{V(t-3T)・V(t-3T)−V(t)・V(t-6T)} …(1)
fv(t)={cos-1(A(t)/2)}・2・fr/π …(2)
B(t)={I(t-3T)・I(t-6T)−I(t)・I(t-9T)}
/{I(t-3T)・I(t-3T)−I(t)・I(t-6T)} …(3)
fi(t)={cos-1(B(t)/2)}・2・fr/π …(4)
実効値演算部64は、周期Tごとにサンプリングされた電圧データVを用いて、予め定められた演算式に従って交流電圧Vの実効値Veを周期Tごとに算出する。実効値演算部64は、さらに、周期Tごとにサンプリングされた電流データIを用いて、予め定められた演算式に従って交流電流Iの実効値Ieを周期Tごとに算出する。実効値の演算方法は特に限定されない。この明細書では、以下の演算式(5)および(6)に従って、交流電圧V(t)の実効値Ve(t)および交流電流I(t)の実効値Ie(t)を算出するものとする。
Ve(t)={(V(t))2+(V(t-3T))2}1/2/21/2 …(5)
Ie(t)={(I(t))2+(I(t-3T))2}1/2/21/2 …(6)
演算結果判定部66は、交流電圧の実効値Veの演算結果に少なくとも基づいて、交流電圧の周波数演算結果の信頼性の有無を判定する。具体的に、演算結果判定部66は、交流電圧の実効値Veが閾値Vthより小さい場合には、交流電圧の周波数の演算結果に信頼性が無いと判定する。同様に、演算結果判定部66は、交流電流の実効値Ieの演算結果に少なくとも基づいて、交流電流の周波数演算結果の信頼性の有無を判定する。具体的に演算結果判定部66は、交流電流の実効値Ieが閾値Ithより小さい場合には、交流電流の周波数の演算結果に信頼性が無いと判定する。
演算結果判定部66は、交流電圧Vの周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、交流電圧Vの周波数の演算結果を出力する。演算結果判定部66は、交流電圧Vの周波数演算結果に信頼性が無いと判定し、かつ、交流電流Iの周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、交流電流Iの周波数の演算結果を出力する。演算結果判定部66は、交流電圧Vの周波数の演算結果と交流電流Iの周波数の演算結果の両方とも信頼性が無いと判定した場合には(演算不可状態と称する)、前回の出力値をそのまま出力する(すなわち、信頼性が有ると判定した最後の周波数演算結果を出力する)。演算結果判定部66は、周波数の演算不可状態が予め定める期間以上継続している場合には、前回の出力値に代えて定格周波数を出力する。
トリップ判定部68は、演算結果判定部66から出力された周波数Fに基づいて、出力された周波数Fが過周波数または不足周波数の場合に(すなわち、予め定められた適正範囲外の場合に)、遮断器をトリップするための信号46を出力する。
なお、演算処理部26は、過電流リレー要素、過電圧リレー要素など、図示しない他のリレー要素としても機能する。演算結果判定部66から出力された周波数Fは、他のリレー要素の少なくとも一部でも用いられる。
[演算結果判定部の動作]
図3は、図2の演算結果判定部66の動作を示すフローチャートである。以下、図2および図3を参照して、演算結果判定部66の動作の詳細について説明する。
まず、演算結果判定部66は、交流電圧Vの実効値Veが閾値Vth以上であるか否かを判定する(ステップS100)。この場合、実効値Veとして、現時点の値を用いずに、たとえば、現時点よりも7サイクル前から4サイクル前までに得られた値(すなわち、式(5)において、Ve(t−7サイクル)〜Ve(t−4サイクル))の平均値を用いることが望ましい。
交流電圧実効値Veが閾値Vth以上の場合には(ステップS100でYES)、演算結果判定部66は、交流電圧Vを用いて計算した周波数演算値fvのばらつき度を算出し(ステップS105)、算出したばらつき度が閾値Fth以下であるか否かを判定する(ステップS110)。ここで、ばらつき度は、分散または標準偏差など周波数演算値fvのばらつきの程度を表す評価値とあり得るものであれば、特に限定されない。ばらつき度の計算に用いられる周波数演算値fvは、現時点の値を用いずに、たとえば、現時点よりも7サイクル前から4サイクル前までに得られた値(すなわち、式(2)において、fv(t−7サイクル)〜fv(t−4サイクル))を用いることが望ましい。
周波数演算値fvのばらつき度が閾値Fth以下の場合には(ステップS110でYES)、演算結果判定部66は、交流電圧Vを用いて計算した周波数演算値fvの平均値を、最終的な周波数Fの演算結果として出力する(ステップS115)。この場合、平均値の計算に用いられる周波数演算値fvは、ばらつき度の評価に使用したのと同じもの、すなわち、現時点よりも7サイクル前から4サイクル前までに得られた値(すなわち、式(2)において、fv(t−7サイクル)〜fv(t−4サイクル))とするのが望ましい。
一方、交流電圧実効値Veが閾値Vth未満の場合(ステップS100でNO)または周波数演算値fvのばらつき度が閾値Fthを超えている場合(ステップS110でNO)、演算結果判定部66は、交流電流Iの実効値Ieが閾値Ith以上であるか否かを判定する(ステップS120)。この場合、実効値Ieとして、現時点の値を用いずに、たとえば、現時点よりも3サイクル前から1サイクル前までに得られた値(すなわち、式(6)において、Ie(t−3サイクル)〜Ie(t−1サイクル))の平均値を用いることが望ましい。
交流電流実効値Ieが閾値Ith以上の場合には(ステップS120でYES)、演算結果判定部66は、交流電流Iを用いて計算した周波数演算値fiのばらつき度を算出し(ステップS125)、算出したばらつき度が閾値Fth以下であるか否かを判定する(ステップS130)。ここで、ばらつき度は、分散または標準偏差など周波数演算値fiのばらつきの程度を表す評価値となり得るものであれば、特に限定されない。ばらつき度の計算に用いられる周波数演算値fiは、現時点の値を用いずに、たとえば、現時点よりも3サイクル前から1サイクル前までに得られた値(すなわち、式(4)において、fi(t−3サイクル)〜fi(t−1サイクル))を用いることが望ましい。
周波数演算値fiのばらつき度が閾値Fth以下の場合には(ステップS130でYES)、演算結果判定部66は、交流電流Iを用いて計算した周波数演算値fiの平均値を、最終的な周波数Fの演算結果として出力する(ステップS135)。この場合、平均値の計算に用いられる周波数演算値fiは、ばらつき度の評価に使用したのと同じもの、すなわち、現時点よりも3サイクル前から1サイクル前までに得られた値(すなわち、式(4)において、fi(t−3サイクル)〜fi(t−1サイクル))とするのが望ましい。
次に、交流電流実効値Ieが閾値Ith未満の場合(ステップS120でNO)または周波数演算値fiのばらつき度が閾値Fthを超えている場合(ステップS130でNO)について説明する。この場合、演算結果判定部66は、信頼性のある周波数演算値を計算することはできないと判定する。そして、演算結果判定部66は、周波数演算ができない演算不可期間が閾値Tth以下の場合には(ステップS140でYES)、前回(すなわち、サンプリング周期Tだけ前)に出力した周波数Fの出力値をそのまま出力する(ステップS145)。一方、演算結果判定部66は、演算不可期間が閾値Tthを超えている場合には(ステップS140でNO)、最終的に得られた周波数Fとして定格周波数を出力する(ステップS150)。
上記の各手順において、現時点の値を用いていない理由は、電力系統に短絡事故または地絡事故が発生した直後は、電圧波形および電流波形が急激に変化するので、この影響を避けるためである。さらに、上記の手順において、周波数演算に用いられる交流電圧Vの区間および交流電流Iの区間は、現時点よりも予め定める期間だけ前の区間に設定されている。具体的には、交流電圧Vの区間のほうが交流電流Iの区間よりも前であり、両区間に重なりがないようになっている。この理由は、系統事故発生時に交流電圧Vの周波数の演算結果に信頼性が無くなった場合に、すぐに交流電流Iの周波数の演算結果を出力できるようにするためである。
[周波数演算の具体例]
図4は、電力系統の事故発生時における周波数演算値の変化の一例を示す図である。図4では、上から順に電圧V(t)、電流I(t)、交流電圧の周波数演算結果fv(t)の平均値Fv(t)、交流電流の周波数演算結果fi(t)の平均値Fi(t)、および周波数演算結果の出力値Fを示す。簡単のために図4ではこれらの値を連続的に描いているが、実際には、これらの値が得られるのはサンプリング周期T(たとえば、定格周波数で30°に相当する期間)ごとである。周波数演算は図3で説明した手順で実行されるものとする。以下、図3、図4を参照して具体的に説明する。
時刻t1において、電力系統に地絡事故または短絡事故が発生したとする。時刻t1において交流電圧Vが急激に減少するとともに、交流電流Iが急激に増加する。
図3で説明したように、交流電圧の周波数演算では、7サイクル前から4サイクル前までに算出された周波数演算値fvの平均値Fvが用いられる。したがって、事故発生から4サイクル経過した時刻t3までは、交流電圧の周波数演算結果の平均値Fvは安定している。
一方、交流電流の周波数演算では、3サイクル前から1サイクル前までに算出された周波数演算値fiの平均値Fiが用いられ、各時点の周波数演算には9T(Tはサンプリング周期であり、定格周波数で30°に相当する)前までの電流値Iが用いられる。したがって、事故発生から3.75サイクルが経過した時刻t2より後では、交流電流の周波数演算結果の平均値Fiが安定的に得られる。この時刻t2は時刻t3よりも前である。
以上により、時刻t3で、電圧実効値Veの異常および周波数演算値fvのばらつき度の異常が検出された場合には、出力する周波数演算結果Fを、直ちに交流電流の周波数演算結果の平均値Fiに切り替えることができる。
[効果]
以上のとおり、第1の実施形態による保護リレー装置によれば、演算結果判定部は、交流電圧の周波数を計算する場合には、電圧実効値に少なくとも基づいて周波数演算結果の信頼性の有無を判定し、交流電流の周波数を計算する場合には、電流実効値に少なくとも基づいて周波数演算結果の信頼性の有無を判定する。そして、演算結果判定部は、交流電圧の周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、交流電圧の周波数の演算結果を最終的な周波数演算結果として出力し、交流電圧の周波数演算結果に信頼性が無く、交流電流の周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、交流電流の周波数の演算結果を最終的な周波数演算結果として出力する。この結果、電力系統に地絡事故または短絡事故が発生し、電圧が急激に減少した場合でも、信頼性のある周波数演算結果を出力することができる。
さらに、第1の実施形態による保護リレー装置によれば、演算結果判定部は、周波数演算値のばらつき度を判定し、ばらつき度が閾値より大きい場合に周波数演算結果に信頼性がないと判定する。したがって、系統事故発生直後に交流電圧および電流が急激に変化することによって周波数演算結果が大きくばらつく場合の悪影響を回避できる。
さらに、第1の実施形態による保護リレー装置によれば、演算結果判定部は、交流電圧の周波数の演算結果および交流電流の周波数の演算結果のいずれにも信頼性がないと判定した場合には、最終的な周波数演算結果として前回出力した値をそのまま出力するか、定格周波数を出力するように構成される。したがって、周波数演算結果を必要とする他の保護リレー要素の誤動作または誤不動作といった問題を回避することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態による保護リレー装置は、第1の実施形態の保護リレー装置における演算結果判定部66の動作を簡略化したものである。第2の実施形態の場合には、図3で説明したばらつき度の算出は行われず、式(1)〜(4)に従って算出された周波数演算値がそのまま出力される。保護リレー装置の具体的構成は、図1および図2で説明したものと同じである。以下、図5および図6を参照して具体的に説明する。
[演算結果判定部の動作]
図5は、第2の実施形態の保護リレー装置において、図2の演算結果判定部66の動作を示すフローチャートである。
図2および図5を参照して、まず、演算結果判定部66は、交流電圧Vの実効値Veが閾値Vth以上であるか否かを判定する(ステップS200)。第2の実施形態の場合、電圧実効値Veとして現時点の値が用いられる。たとえば、式(5)に従って算出された電圧実効値Veが用いられる。
この結果、交流電圧実効値Veが閾値Vth以上の場合には(ステップS200でYES)、演算結果判定部66は、現時点において得られた交流電圧の周波数演算値fvを最終的な周波数Fの演算結果として出力する(ステップS205)。たとえば、式(1)および(2)に従って算出された周波数演算値fvが出力される。
一方、交流電圧実効値Veが閾値Vth未満の場合には(ステップS200でNO)、演算結果判定部66は、交流電流Iの実効値Ieが閾値Ith以上であるか否かを判定する(ステップS210)。第2の実施形態の場合、電流実効値Ieとして、現時点の値が用いられる。たとえば、式(6)に従って算出された電流実効値Ieが用いられる。
この結果、交流電流実効値Ieが閾値Ith以上の場合には(ステップS210でYES)、演算結果判定部66は、現時点において得られた交流電流の周波数演算値fiを最終的な周波数Fの演算結果として出力する(ステップS215)。たとえば、式(3)および(4)に従って算出された周波数演算値fiが出力される。
交流電流実効値Ieが閾値Ith未満の場合には(ステップS210でNO)、演算結果判定部66は、信頼性のある周波数演算値を計算することはできないと判定する。この場合、演算結果判定部66は、周波数演算ができない演算不可期間が閾値Tth以下の場合には(ステップS220でYES)、前回(すなわち、サンプリング周期Tだけ前)に出力した周波数Fの出力値をそのまま出力する(ステップS225)。一方、演算結果判定部66は、演算不可期間が閾値Tthを超えている場合には(ステップS220でNO)、最終的に得られた周波数Fとして定格周波数を出力する(ステップS230)。
[周波数演算の具体例]
図6は、第2の実施形態による保護リレー装置において、電力系統の事故発生時における周波数演算値の変化の一例を示す図である。図6では、上から順に電圧V(t)、電流I(t)、交流電圧の周波数演算値fv(t)、交流電流の周波数演算値fi(t)、および周波数演算結果の出力値Fを示す。簡単のために図6ではこれらの値を連続的に描いているが、実際には、これらの値が得られるのはサンプリング周期T(定格周波数で30°に相当する期間)ごとである。周波数演算は図5で説明した手順で実行されるものとする。以下、図2および図6を参照して周波数演算の具体例について説明する。
図6の時刻t1において、電力系統に地絡事故または短絡事故が発生したとする。時刻t1において交流電圧Vが急激に減少するとともに、交流電流Iが急激に増加する。
図5で説明したように、第2の実施形態の場合には現時点で得られた周波数演算値が用いられるので、事故発生直後から(時刻t1以降)、交流電圧の周波数演算値は不安定になる。
一方、式(3)および(4)に従って交流電流の周波数の演算値fiを求める場合には、事故発生直後から9T(Tはサンプリング周期、30°に相当)が経過する時刻t2までは、電流による周波数演算値fiは不安定になる。時刻t2以降は、交流電流の周波数の演算値fiが安定的に得られる。
時刻t1から時刻t2までの間は、電圧による周波数演算値fvも電流による周波数演算値fiも異常値となるので、この期間は、前回の出力値がそのまま最終的な周波数Fとして出力される(図5のステップS225)。すなわち、時刻t1において算出された周波数演算値fvが出力され続ける。
[効果]
以上のとおり、第2の実施形態による保護リレー装置によれば、電力系統に地絡事故または短絡事故が発生し、電圧が急激に減少し、電流が急激に増加した場合に、交流電圧の周波数の演算値fvから交流電流の周波数の演算値fiに切り替えて演算結果が出力されるので、比較的信頼性のある周波数演算結果を得ることができる。なお、第2の実施形態の場合には、事故発生直後のしばらくの間は、事故発生の直前に算出された周波数演算値fvを出力することによって、比較的信頼性の高い周波数の値を連続的に出力し続けることができる。
<変形例>
上記の各実施形態では、電圧実効値および電流実効値を用いて周波数演算結果の信頼性の有無を判定したが、実効値に代えて振幅を用いてもよい。
上記の各実施形態では、交流電圧の周波数演算結果および交流電流の周波数演算結果のいずれにも信頼性が無いと判断した場合には、最初のうちは前回の出力値をそのまま出力し、この状態が長く継続する場合には定格周波数を出力に切り替えていた。これに対して、前回の出力値をそのまま出力し続けてもよいし、最初から定格周波数を出力するようにしてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 保護リレー装置、24 AD変換器、26 演算処理部、30 CPU、32 RAM、34 ROM、60 ディジタルフィルタ、62 周波数演算部、64 実効値演算部、66 演算結果判定部、68 トリップ判定部。

Claims (5)

  1. 予め定められたサンプリング周期ごとに取得した交流電圧および交流電流を用いて、前記サンプリング周期ごとに前記交流電圧の周波数および前記交流電流の周波数を演算する周波数演算部と、
    前記交流電圧の実効値または振幅に少なくとも基づいて前記交流電圧の周波数演算結果の信頼性の有無を判定するとともに、前記交流電流の実効値または振幅に少なくとも基づいて前記交流電流の周波数演算結果の信頼性の有無を判定する判定部とを備え、
    前記判定部は、
    前記交流電圧の周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、前記交流電圧の周波数演算結果を出力し、
    前記交流電圧の周波数演算結果に信頼性が無く、かつ、前記交流電流の周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、前記交流電流の周波数演算結果を出力するように構成される、ディジタル保護リレー装置。
  2. 前記判定部は、
    前記交流電圧の実効値または振幅が第1の閾値以上であり、かつ、前記交流電圧の周波数演算結果のばらつきの程度を表す評価値が第2の閾値以下の場合に、前記交流電圧の周波数演算結果に信頼性が有ると判定し、
    前記交流電流の実効値または振幅が第3の閾値以上であり、かつ、前記交流電流の周波数演算結果のばらつきの程度を表す評価値が第4の閾値以下の場合に、前記交流電流の周波数演算結果に信頼性が有ると判定するように構成される、請求項1に記載のディジタル保護リレー装置。
  3. 前記判定部は、前記交流電圧の周波数演算結果および前記交流電流の周波数演算結果のいずれにも信頼性がないと判定した場合には、最後に出力した周波数演算結果をそのまま出力するか、または定格周波数を出力するように構成される、請求項1または2に記載のディジタル保護リレー装置。
  4. 前記判定部は、前記交流電圧の周波数演算結果および前記交流電流の周波数演算結果のいずれにも信頼性がないと判定した状態の継続期間が第5の閾値以下の場合には、最後に出力した周波数演算結果をそのまま出力し、前記継続期間が前記第5の閾値を超えた場合には、定格周波数を出力するように構成される、請求項3に記載のディジタル保護リレー装置。
  5. 前記判定部は、
    前記交流電圧の周波数演算結果に信頼性があると判定した場合には、現時点よりも予め定める期間だけ前である第1の期間内に得られた前記交流電圧の周波数演算結果の平均値を出力し、
    前記交流電圧の周波数演算結果に信頼性が無く、かつ、前記交流電流の周波数演算結果に信頼性が有ると判定した場合には、現時点よりも予め定める期間だけ前である第2の期間内に得られた前記交流電流の周波数演算結果の平均値を出力するように構成され、
    前記第1の期間は前記第2の期間よりも前であり、前記第1の期間と前記第2の期間とには重なりがない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のディジタル保護リレー装置。
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