JP4868228B2 - 方向継電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統における2つ以上の電気量の位相関係から事故点の方向や電力潮流の方向の判別を行う方向継電装置に関するもので、より具体的には、所定周期のサンプリングにより得られる電力系統の瞬時値データを使用して位相比較の演算を行う演算方法の改良に関する。
方向継電装置は、電力系統における電圧および電流など、2つ以上の電気量の位相関係を比較して事故点の方向を判定し、保護範囲内の事故の場合に遮断器のトリップ信号を出力する構成になっている。そして、方向判定の動作には、ディジタル積形の演算を行う構成が知られている。
図1は、方向判定に係る位相特性の一例を示すグラフである。ここで、電圧Vを基準位相とし、電流Iとの位相差をθとする。そして、最大感度角φは0°とし、事故点の検出は前方について検出することを例示する。
方向判定の動作は、所定値Kと電流Iの最大感度角φにおける大きさを比較することで行っており、判定式(1)の基本形は、

Icosθ > K …(1)

となる。上記式(1)は両辺に電圧Vを乗算して、

IVcosθ > KV …(2)

と表すことができ、この式(2)の左辺は位相差演算、右辺は実効値演算になっている。これら両辺は、電圧V,電流Iの瞬時値を用いて演算でき、所定周期のサンプリングにより得られる瞬時値データを使用して演算を行う演算方法を適用している。
電力系統の定格周波数が50Hzの場合、その12倍をサンプリング周波数とすると600Hzとなる。周期T=1/600のサンプリングにおける電圧,電流の瞬時値をv,iとし、現時点におけるサンプリング位置をmとすると、位相差演算は、

VIcosθ=im−0・vm−0+im−3・vm−3 …(3)

となる。瞬時値は、電気角では、ある時点kを基準時点(m−0)とするので、k=m−0が基準時点の瞬時値、k=m−3は基準時点から90°前の瞬時値、k=m−6は基準時点から180°前の瞬時値となる。実効値演算は、以下の数1に示す式(4−1)となる。

Figure 0004868228
また、実効値演算としては、数1に示す式(4−2)や式(4−3)があり、これら演算式において、

m−j=Vsin{ω(m−j)T+θ}
m−j=Isin{ω(m−j)T}

であり、Tはサンプリング周期、ωは電力系統の角周波数、g(fz)はディジタルフィルタの利得関数である。
したがって、以上の位相差演算と実効値演算を実施することにより、方向の判定が行える。つまり、式(2)を変形すると、

(IVcosθ/V) > K …(2−1)

となるため、実効値演算に式(4−1)の右辺を用いた場合には、式(3)および式(4−1)のそれぞれ右辺の演算結果を用いることができ、数1に示す式(5)により判定動作が行えることになる。
また、地絡方向の判定を行う短絡方向継電装置について、例えば特許文献1などに見られるような提案があり、零相電圧と零相電流との位相関係から方向の判定を行うことになる。つまり、図2に示すように、零相電圧−Vを位相基準とし、零相電流Iが零相電圧−Vに対して遅れとなった場合は前方での地絡事故と判定し、零相電流Iが零相電圧−Vに対して進みとなった場合は後方での地絡事故と判定する。なお、図中に示すφは地絡方向継電装置の最大感度角である。
特開2000−197259号公報
しかしながら、そうした従来の演算方法では以下に示すような問題がある。電力系統の周波数が変動した場合は、サンプリング周波数と電力系統の電気量との間に成立していた周期性の関係が成り立たなくなる。このため、判定式における位相差および実効値には演算誤差が含まれてしまい、方向継電装置が演算誤差に起因した誤動作を起こす問題がある。
具体的には、方向継電装置において取り込む電気量は電圧v(t),電流i(t)とすると、

v(t)=Vsin(ωt+θ) …(6)
i(t)=Isinωt …(7)

となり、それぞれ時刻tにおける瞬時値を示している。ここで、Vは電圧の振幅値、Iは電流の振幅値、ωは電圧および電流の角周波数、θは電流に対する電圧の進み位相である。角周波数ωは電力系統の周波数fに関してω=2πfという関係になる。
電圧v(t),電流i(t)は所定周期のサンプリングにより得ており、これには電力系統の定格周波数の12倍のサンプリング周波数により電圧,電流の瞬時値をサンプリングして記憶する。記憶した電圧,電流の瞬時値をv,iとすると、

=Vsin(ωkT+θ) …(8)
=Isin(ωkT) …(9)

と表すことができ、Tはサンプリング周期、kは1,2,3,… という値をとる。また、電力系統の周波数fの変動(周波数変動率α)は基本周波数fbに関して、

α=(f−fb)/fb …(10)

と定義し、例えば基本周波数fbが50Hzであるとき、電力系統の周波数fが60Hzに変動したのであれば周波数変動率αは0.2となる。
そして、電圧,電流の瞬時値は、周波数変動率αを考慮するので、

m−0=Vsin{ω(1+α)(m−0)T+θ} …(11)
m−0=Isin{ω(1+α)(m−0)T} …(12)

m−3=Vsin{ω(1+α)(m−3)T+θ} …(13)
m−3=Isin{ω(1+α)(m−3)T} …(14)

となる。これらの式(11)〜(14)は式(3)の右辺へ代入し、数2に示す式(15)となる。そして、これらの式(11),(13)は式(4−1)の右辺へ代入し、数2に示す式(16)となる。

Figure 0004868228
式(15),(16)には周波数変動率αの項とサンプリング位置mの項が存在するため、周波数変動がない場合(α=0)はIVcosθ,Vを正確に演算できるが、周波数変動がある場合には誤差が生じることになる。また、式(5)の左辺の演算を行っても、数2に示す式(17)となり、周波数変動率αの項とサンプリング位置mの項が存在するため、それらの誤差による影響が生じることになる。
図3は位相比較演算式(17)の左辺分母を実効値演算式(4−1)とした場合の誤差率を示すグラフである。同図に示す演算結果は、電圧と電流との位相差を60°とし、電力系統の周波数に対する方向判定の演算における誤差率であり、実線はサンプリング開始位置が0°での演算結果、破線はサンプリング開始位置が60°での演算結果になっている。同図から明らかなように、周波数変動があるときに誤差が生じ、サンプリング開始位置の違いによっても誤差が生じることがわかる。
また、図4は位相比較演算式(17)の左辺分母を実効値演算式(4−2)とした場合の誤差率を示すグラフであり、図5は位相比較演算式(17)の左辺分母を実効値演算式(4−3)とした場合の誤差率を示すグラフである。これらから明らかなように、式(17)の左辺の分母の実効値演算式に、式(4−2)あるいは式(4−3)の何れを用いた場合でも誤差が生じてしまう。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、電力系統の周波数が変動している場合でも、電力系統における2つ以上の電気量の位相関係を十分な精度で算出することができ、サンプリング開始位置の違いがあっても誤差を防止できて正しく判定が行える方向継電装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係る方向継電装置は、電力系統の電圧,電流の瞬時値を記憶するメモリ部と、メモリ部から所定時期についてデータ抽出を行う抽出部と、抽出部が抽出した瞬時値データについて所定の演算を行う複数の演算部と、演算部から最終的に出力する演算結果が所定しきい値の範囲内にあった場合に保護動作信号を出力する判定部とを備えて、抽出部での抽出はある時点を基準時点とし、当該基準時点の電圧瞬時値vと電流瞬時値i、基準時点から電力系統の定格周波数の電気角で90°前の時点における電圧瞬時値vと電流瞬時値i、基準時点から電力系統の定格周波数の電気角で180°前の時点における電圧瞬時値vと電流瞬時値iとを抽出し、演算部では複数の演算部により2つ以上の電気量の瞬時値データについて位相差演算を行うとともに実効値演算を行い、位相差演算の結果と実効値演算の結果とで位相比較演算を行うことにより電力系統の周波数変動を補正する演算を行う構成を前提とする。
上記の前提において、演算部として位相差演算部,実効値演算部,位相比較演算部を備え、位相差演算部での演算は、電流瞬時値iと電圧瞬時値vとを乗算して計算値P1とし、電流瞬時値iと電圧瞬時値vとを乗算して計算値P2とし、電流瞬時値iと電圧瞬時値vとを乗算して計算値P3とし、計算値P2と計算値P3との加算平均値を求め、計算値P1から加算平均値を減算する演算とし、実効値演算部での演算は、電圧瞬時値vを2乗して計算値E1とし、電圧瞬時値vと電圧瞬時値vとを乗算して計算値E2とし、計算値E1から計算値E2を減算して当該減算値の平方根を求めて計算値E3とし、電圧瞬時値vと電圧瞬時値vとの加算平均値を2乗して計算値E4とし、計算値E1から計算値E4を減算して当該減算値の平方根を求め、さらに当該平方根を電圧瞬時値vで除算して計算値E5とし、計算値E5と計算値E3とを乗算する演算とし、位相比較演算部での演算は、位相差演算部の演算結果を実効値演算部の演算結果で除算する演算を行う構成にする。
係る構成にすることにより本発明では、複数の演算部により2つ以上の電気量の瞬時値データについて位相差演算を行うとともに実効値演算を行い、位相差演算の結果と実効値演算の結果とで位相比較演算を行うことにより電力系統の周波数変動率αを補正する演算を行う。この場合、位相差演算および実効値演算には、周波数変動に応じた同一の演算誤差が含まれるが、これら2つの演算結果を比較する位相比較演算では演算誤差は打ち消しになり、周波数変動の影響を除外することができる。
以上のように、本発明に係る方向継電装置では、位相差演算の結果と実効値演算の結果とで位相比較演算を行うことにより電力系統の周波数変動率αを補正する演算を行うので、周波数変動の影響を除外することができる。したがって、電力系統の周波数が変動している場合でも、電力系統における2つ以上の電気量の位相関係を十分な精度で算出することができる。そして、サンプリング開始位置の違いがあっても誤差を防止できて正しく判定が行える。その結果、演算誤差に起因した誤動作を回避することができる。
また、サンプリング開始位置によらずに方向判定の演算が行えるため、従来の一般的なサンプリング周期であっても、高精度の演算結果を得ることができる。したがって、装置構成の各部をむやみと高性能のものにする必要がなく、装置構成を簡素にすることができる。
図6は本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施形態において、方向継電装置は、メモリ部1,抽出部2,位相差演算部3,実効値演算部4,位相比較演算部5,判定部6を備え、電力系統の電圧v,電流iをメモリ部1へ取り込み、そのメモリ部1から瞬時値データを抽出部2へ送り込んで各演算部3,4,5において抽出データの演算を行い、それらの演算結果から判定部6において事故点の判定を行う構成になっている。
メモリ部1には、電力系統の電圧v,電流iの瞬時値を記憶し、抽出部2ではメモリ部1が取り込んだ瞬時値データから特定データを抽出するようになっている。ここでの抽出は、ある時点を基準時点とし、その基準時点の電圧瞬時値vと電流瞬時値i、基準時点から電力系統の定格周波数の電気角で90°前の時点における電圧瞬時値vと電流瞬時値i、基準時点から電力系統の定格周波数の電気角で180°前の時点における電圧瞬時値vと電流瞬時値iとを抽出する。
抽出した瞬時値は、抽出部2から位相差演算部3,実効値演算部4へ送り、それぞれ演算を行う。位相差演算部3では、電流瞬時値iと電圧瞬時値vとを乗算して計算値P1とし、電流瞬時値iと電圧瞬時値vとを乗算して計算値P2とし、電流瞬時値iと電圧瞬時値vとを乗算して計算値P3とし、計算値P2と計算値P3との加算平均値を求め、計算値P1から加算平均値を減算する演算を行う。実効値演算部4では、電圧瞬時値vを2乗して計算値E1とし、電圧瞬時値vと電圧瞬時値vとを乗算して計算値E2とし、計算値E1から計算値E2を減算して当該減算値の平方根を求めて計算値E3とし、電圧瞬時値vと電圧瞬時値vとの加算平均値を2乗して計算値E4とし、計算値E1から計算値E4を減算して当該減算値の平方根を求め、さらに当該平方根を電圧瞬時値vで除算して計算値E5とし、計算値E5と計算値E3とを乗算する演算を行う。位相比較演算部5では、位相差演算部3の演算結果を実効値演算部4の演算結果で除算する演算を行う。
そして、判定部6では、位相比較演算部5から取り込んだ演算結果、つまり後述する式(26)が、所定しきい値Kの範囲内にあった場合に保護動作信号を出力する。
次に原理を説明する。まず条件として、電力系統の定格周波数が50Hzの場合、12倍のサンプリング周波数fsは600Hz、周期T=1/600となる。サンプリング間隔は、定格周波数が50Hzでは電気角30°となる。
メモリ部1は、電圧,電流の瞬時値をサンプリング周期Tでサンプルして記憶する。その電圧v,電流iは式で表すと、

=Vsin(ωkT+θ) …(8)
=Isin(ωkT) …(9)

となり、kは1,2,3,… という値をとる。
抽出部2は記憶した瞬時値のうちk=m―0とk=m−3およびk=m−6の瞬時値、すなわち、

m−0=Vsin{ω(m−0)T+θ} …(18)
m−0=Isin{ω(m−0)T} …(19)

m−3=Vsin{ω(m−3)T+θ} …(20)
m−3=Isin{ω(m−3)T} …(21)

m−6=Vsin{ω(m−6)T+θ} …(22)
m−6=Isin{ω(m−6)T} …(23)

を抽出する。
抽出した瞬時値は電気角では、定格周波数が50Hzの場合、ある時点kを基準時点(m−0)とすれば、k=m−0が基準時点の瞬時値、k=m−3は基準時点から90°前の瞬時値、k=m−6は基準時点から180°前の瞬時値となる。

ω(m−3)T−ω(m−0)T=−3ωT
=−3×2π×50×(1/600)
=−π/2

ω(m−6)T−ω(m−0)T=−6ωT
=−6×2π×50×(1/600)
=−π
位相差演算部3は、抽出部2からの瞬時値データ、つまりvm−0,vm−3,vm−6,im−0,im−3,im−6を用いて、

計算値P1=im−3・vm−3
計算値P2=im−0・vm−6
計算値P3=im−6・vm−0

を求める。そしてこれらより、

m−3・vm−3−{(im−0・vm−6+im−6・vm−0)/2}

を求める。したがって、位相差演算部3の出力yは、

=im−3・vm−3−{(im−0・vm−6+im−6・vm−0)/2} …(24)

となる。
実効値演算部4は、抽出部2からの瞬時値データ、つまりvm−0、vm−3、vm−6の瞬時値を用いて、数3に示す計算値E3,計算値E5を求め、これらの計算値E3と計算値E5を乗算することにより、数3に示す計算値E6を求める。したがって、実効値演算部4の出力yBは、数3に示す式(25)のように表すことができる。

Figure 0004868228
なお、計算値E3において、平方根内の前項vm−3 は計算値E1であり、平方根内の次項vm−0・vm−6は計算値E2である。そして、計算値E5において、分母における平方根内の前項vm−3 は計算値E1であり、分母における平方根内の次項が計算値E4である。
位相比較演算部5は、位相差演算部3の演算結果yAを実効値演算部4の演算結果yBで除算する演算を行う。すなわち、位相比較演算部5では式(24)を式(25)で除算し、これは式(26)となる。そして、判定部6において、所定しきい値Kとの比較を行い、所定しきい値Kの範囲内にあった場合に保護動作信号を出力する判定動作を行うことになる。
電力系統には周波数の変動があるので、ωは、式(10)に示す周波数変動率αを考慮してω(1+α)と表すことができ、式(18)〜(23)は以下のようになる。

m−0=Vsin{ω(1+α)(m−0)T+θ} …(18a)
m−0=Isin{ω(1+α)(m−0)T} …(19a)

m−3=Vsin{ω(1+α)(m−3)T+θ} …(20a)
m−3=Isin{ω(1+α)(m−3)T} …(21a)

m−6=Vsin{ω(1+α)(m−6)T+θ} …(22a)
m−6=Isin{ω(1+α)(m−6)T} …(23a)
したがって、y,yは、数4に示す式(27),(28)となる。

Figure 0004868228
そして、これら式(27),(28)を式(26)式に代入すると、数4に示す式(29)となり、周波数変動率αおよびサンプリング位置mを含まない判定式となる。
すなわち、位相差演算式(27)および実効値演算式(28)には、周波数変動率αに応じた同一の演算誤差が含まれるが、これら2つの演算結果を比較する位相比較演算式(29)では、演算誤差は打ち消しになる。したがって、式(26)を判定動作に用いれば、周波数変動率αやサンプリング位置mによる誤差が生じないことになる。
図7,8は、本発明に係る判定式(26)による演算結果であり、電力系統の周波数に対する方向判定の演算における誤差率を示している。図7に示す演算結果は電圧と電流との位相差を30°とした場合、図8に示す演算結果は電圧と電流との位相差を60°とした場合である。何れにおいても、図中の実線はサンプリング開始位置が0°での演算結果、破線はサンプリング開始位置が60°での演算結果であるが、両者は一致していて図中には実線のみとなっている。
以上のように、位相比較の演算式には、周波数変動率αおよびサンプリング開始位置mを含まなく、それらを排除した演算結果を得ることができる。したがって、電力系統の周波数が基本周波数から変動している場合でも、その影響を受けずに高精度に方向判定の演算を行うことができる。そして、方向判定の演算結果は、サンプリング開始位置によらない演算結果となっている。
すなわち本発明にあっては、複数の演算部により2つ以上の電気量の瞬時値データについて位相差演算を行うとともに実効値演算を行い、位相差演算の結果と実効値演算の結果とで位相比較演算を行うことにより電力系統の周波数変動率αを補正する演算を行うので、周波数変動の影響を除外することができる。したがって、電力系統の周波数が変動している場合でも、電力系統における2つ以上の電気量の位相関係を十分な精度で算出することができ、事故点の方向を十分な精度で算出することができる。
そして、方向判定の演算結果は、サンプリング開始位置によらない演算結果となっており、サンプリング開始位置の違いがあっても誤差を防止できて正しく判定が行える。その結果、演算誤差に起因した誤動作を回避することができる。
また、サンプリング開始位置によらずに方向判定の演算が行えるため、従来の一般的なサンプリング周期であっても、高精度の演算結果を得ることができる。したがって、装置構成の各部をむやみと高性能のものにする必要がなく、装置構成を簡素にすることができる。
方向判定に係る位相特性の一例を示すグラフである。 地絡方向の判定に係る位相特性の一例を示すグラフである。 位相比較演算式(17)の左辺分母を実効値演算式(4−1)とした場合の誤差率を示すグラフである。 位相比較演算式(17)の左辺分母を実効値演算式(4−2)とした場合の誤差率を示すグラフである。 位相比較演算式(17)の左辺分母を実効値演算式(4−3)とした場合の誤差率を示すグラフである。 本発明に係る方向継電装置の好適な一実施の形態を示す構成図である。 本発明に係る判定式(26)による演算結果であり、電圧と電流との位相差を30°とした方向判定の演算における誤差率を示すグラフである。 本発明に係る判定式(26)による演算結果であり、電圧と電流との位相差を60°とした方向判定の演算における誤差率を示すグラフである。
符号の説明
1 メモリ部
2 抽出部
3 位相差演算部
4 実効値演算部
5 位相比較演算部
6 判定部

Claims (1)

  1. 電力系統の電圧,電流の瞬時値を記憶するメモリ部と、前記メモリ部から所定時期についてデータ抽出を行う抽出部と、前記抽出部が抽出した瞬時値データについて所定の演算を行う複数の演算部と、前記演算部から最終的に出力する演算結果が所定しきい値の範囲内にあった場合に保護動作信号を出力する判定部とを備えて、
    前記抽出部での抽出はある時点を基準時点とし、当該基準時点の電圧瞬時値v と電流瞬時値i 、前記基準時点から電力系統の定格周波数の電気角で90°前の時点における電圧瞬時値v と電流瞬時値i 、前記基準時点から電力系統の定格周波数の電気角で180°前の時点における電圧瞬時値v と電流瞬時値i とを抽出し、前記演算部では複数の演算部により2つ以上の電気量の前記瞬時値データについて位相差演算を行うとともに実効値演算を行い、前記位相差演算の結果と前記実効値演算の結果とで位相比較演算を行うことにより電力系統の周波数変動を補正する演算を行うものであり、
    前記演算部として位相差演算部,実効値演算部,位相比較演算部を備え、
    前記位相差演算部での演算は、前記電流瞬時値iと前記電圧瞬時値vとを乗算して計算値P1とし、前記電流瞬時値iと前記電圧瞬時値vとを乗算して計算値P2とし、前記電流瞬時値iと前記電圧瞬時値vとを乗算して計算値P3とし、前記計算値P2と前記計算値P3との加算平均値を求め、前記計算値P1から前記加算平均値を減算する演算とし、
    前記実効値演算部での演算は、前記電圧瞬時値vを2乗して計算値E1とし、前記電圧瞬時値vと前記電圧瞬時値vとを乗算して計算値E2とし、前記計算値E1から前記計算値E2を減算して当該減算値の平方根を求めて計算値E3とし、前記電圧瞬時値vと前記電圧瞬時値vとの加算平均値を2乗して計算値E4とし、前記計算値E1から前記計算値E4を減算して当該減算値の平方根を求め、さらに当該平方根を電圧瞬時値vで除算して計算値E5とし、前記計算値E5と前記計算値E3とを乗算する演算とし、
    前記位相比較演算部での演算は、前記位相差演算部の演算結果を前記実効値演算部の演算結果で除算する演算を行うことを特徴とする方向継電装置。
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