JP6253260B2 - ワニス処理装置およびワニス処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワニス処理装置およびワニス処理方法に関し、特に、固定子のワニス処理の効率化に有効な技術に関する。
特開2012−5283号公報(特許文献1)には、電動機械における固定子コアに巻き線された電線コイルや固定子を加熱する技術として、予備加熱時や滴下したワニスの硬化加熱に誘導加熱を用いる技術が記載されている。
具体的には、誘導加熱部分が電動機械の固定子の外側部分の少なくとも半分以上を近接して覆い、かつ、該誘導加熱部分においてコイルに流れる誘導加熱電流が一方向になるように、誘導加熱コイルを配置し、誘導加熱コイルに誘導加熱電流を供給すると共に、固定子を回転させながら加熱するものである。
また、特開平07−246355号公報(特許文献2)には、表面に離型性の良い樹脂層が形成されたハンガーにコイルを搭載して連続的に搬送させ、絶縁ワニスを含浸させる技術が記載されている。
固定子に巻き線された電線コイルや固定子コアの水分除去やアニール処理のための予備加熱やワニスを塗布した後にワニスを硬化させるための本加熱に誘導加熱を用いた場合、固定子の温度上昇にかかる時間を短縮することができ、省エネルギ化にも資するものである。
特開2012−5283号公報 特開平07−246355号公報
ここで、一般にワニス処理は、予備加熱工程、ワニス塗布工程及び本加熱工程といった複数の工程からなり、これら一連の処理工程に対して固定子が連続してワニス処理装置に投入されるようになっているが、各工程の処理時間は一律ではないという課題がある。
例えば、先に投入された固定子の現工程が終了するまでは、その工程より処理時間の短い前工程が終了した固定子の次工程の開始を一時的に保留する必要がある。この保留中の温度変化は各工程に好適な温度を得ることを妨げるし、これを補うために誘導加熱のエネルギを余分に必要とすることにもなる。
この点、上記した特許文献1では、予備加熱および本加熱の時間を短縮することができるものの、固定子の予備過熱工程、ワニス塗布工程および本加熱工程までのワニス処理に係る一連の作業を短時間で効率よく処理する技術については開示されていない。
また、特許文献2では、予備加熱および本加熱に誘導加熱を用いることが開示されておらず、加熱に電気ヒータなどを用いた場合、加熱乾燥に係る処理の効率が低下してしまうことになる。
一連の工程からなるワニス処理の効率化が望まれる。
上記課題を解決するために、例えば、請求項1に記載の発明を適用する。即ちワニス処理装置は、予備加熱ユニット、1つ以上のワニス滴下ユニット、ワニス硬化ユニット、および設定制御部を有する。予備加熱ユニットは、固定子を予備加熱し、ワニス滴下ユニットは、予備加熱ユニットにより予備加熱された固定子にワニスを塗布する。ワニス硬化ユニットは、固定子に塗布されたワニスを硬化させる硬化加熱を行い、設定制御部は、固定子を処理する際に、予備加熱ユニットに固定子を投入する間隔である投入間隔時間を設定する。
また、設定制御部は、予備加熱処理におけるサイクルタイム(例えば、n台目の固定子の加熱処理が終了してから、n+1台目の固定子の加熱処理が終了するまでの期間)およびワニス硬化処理におけるサイクルタイムのうち、最も長いサイクルタイムを投入間隔時間として設定する。そして、固定子を投入間隔時間毎に予備加熱ユニットに投入して固定子のワニス処理を行う。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明によれば、一連の工程からなるワニス処理を効率的に実行することができる。
本発明の他の課題、目的、効果は、以下の記載から明らかになるであろう。
本発明の実施の形態であるワニス処理装置の一例を示す外観図である。 固定子におけるワニス処理時の温度プロファイルの一例を示す説明図である。 図1のワニス処理装置におけるワニス処理の一例を示すフローチャートである。 図1のワニス処理装置によって固定子を連続してワニス処理する際の一例を示すタイミングチャートである。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
〈概要〉
本実施の形態の第1の概要は、ワニス処理装置(ワニス処理装置1)である。このワニス処理装置は、複数の予備加熱ユニット(予備加熱ユニット2a,2b)、1台以上のワニス滴下ユニット(ワニス滴下ユニット3)、複数のワニス硬化ユニット(ワニス硬化ユニット4a,4b,4c)、および設定制御部(制御装置6)を有する。
予備加熱ユニットは、固定子を予備加熱する。ワニス滴下ユニットは、予備加熱ユニットにより予備加熱された固定子にワニスを塗布する。ワニス硬化ユニットは、固定子に塗布されたワニスを硬化させる硬化加熱を行う。設定制御部は、固定子を処理する際に、予備加熱ユニットに固定子を投入する間隔である投入間隔時間を設定する。
設定制御部は、予備加熱処理におけるサイクルタイム(サイクルタイムTC1)、ワニス塗布処理におけるサイクルタイム(サイクルタイムTC2)およびワニス硬化処理におけるサイクルタイム(サイクルタイムTC3)のうち、最も長いサイクルタイムを投入間隔時間として設定する。そして、固定子を投入間隔時間毎に予備加熱ユニットに投入して固定子のワニス処理を行う。
本実施の形態の第2の概要は、ワニス処理方法である。このワニス処理方法は、複数の予備加熱ユニット(予備加熱ユニット2a,2b)、1つ以上のワニス滴下ユニット(ワニス滴下ユニット3)、複数のワニス硬化ユニット(ワニス硬化ユニット4a,4b,4c)、および設定制御部(制御装置6)を有するワニス処理装置(ワニス処理装置1)によってワニス処理が行われる。
ワニス処理装置において、予備加熱ユニットは、固定子を予備加熱する。ワニス滴下ユニットは、予備加熱ユニットにより予備加熱された固定子にワニスを塗布する。ワニス硬化ユニットは、固定子に塗布されたワニスを硬化させる硬化加熱を行う。設定制御部は、固定子を処理する際に、予備加熱ユニットに固定子を投入する間隔である投入間隔時間を設定する。
そして、設定制御部が、予備加熱ユニット1台当たりのサイクルタイム(サイクルタイムTC1)、ワニス滴下ユニット1台当たりのサイクルタイム(サイクルタイムTC2)、およびワニス硬化ユニット1台当たりのサイクルタイム(サイクルタイムTC3)のうち、最も時間が長いサイクルタイムを投入間隔時間として設定する。固定子は、設定された投入間隔時間毎に予備加熱ユニットに投入されて固定子のワニス処理が行われる。
〈ワニス処理装置の構成例〉
図1は、本発明の実施の形態によるワニス処理装置の一例を示す外観図である。
ワニス処理装置1は、モータや発電機などの回転電機に用いられる固定子にワニスを塗布し、硬化させる処理を行う装置である。ワニス処理装置1は、予備加熱ユニット部2、ワニス滴下ユニット3、ワニス硬化加熱ユニット部4、搬送機構5、制御装置6、冷却ユニット7、搬入部8、および搬出部9を有する。
図1において、ワニス硬化加熱ユニット部4は、例えば3つのワニス硬化ユニット4a〜4cを有している。これらワニス硬化ユニット4a〜4cは、設置面である床面に水平に配列されている。以下、ワニス硬化ユニット4a〜4cが配列されている方向を配列方向という。
ワニス硬化加熱ユニット部4の上部には、予備加熱ユニット部2が設けられている。予備加熱ユニット部2は、例えば2つの予備加熱ユニット2a,2bを有する。これら予備加熱ユニット2a,2bも同様に、配列方向に配列された構成となっている。
配列方向において、ワニス硬化加熱ユニット部4、および予備加熱ユニット部2の一端側には、ワニス滴下ユニット3が隣り合うように設けられている。また、配列方向において、予備加熱ユニット部2の他端側には、隣り合うように冷却ユニット7が設けられている。この冷却ユニット7には、配列方向に、該冷却ユニット7に隣り合って搬入部8が設けられており、該搬入部8の下方には、搬出部9が設けられている。
予備加熱ユニット2a,2bは、固定子を予備加熱するユニットである。予備加熱とは、固定子を構成する固定子コア、該固定子に巻き線された電線コイル、および絶縁物の水分除去やアニール処理を行うための加熱である。
ワニス滴下ユニット3は、固定子にワニスを滴下して塗布するユニットである。ワニス硬化ユニット4a〜4cは、ワニス滴下ユニット3においてワニスが塗布された固定子を加熱し、ワニスを硬化させる本加熱を行うユニットである。
予備加熱ユニット2a,2b、およびワニス硬化ユニット4a〜4cは、例えば電磁誘導加熱によって固定子を加熱する。電磁誘導加熱は、例えば電磁誘導加熱コイルに交流電流を流すことにより、該電磁誘導加熱コイルから放射される交番磁束に起因する被加熱電気導体となる固定子の渦電流によるジュール熱発生の原理を用いて、該固定子の表面を加熱するものである。
冷却ユニット7は、ワニス処理が終了した固定子を所望の温度まで冷却させるユニットであり、例えば3つ程度の固定子を載置することができる。なお、冷却ユニット7における固定子の載置台数は、これに限定されるものではなく、2台以下、あるいは4台以上の固定子を載置する構成としてもよい。
搬入部8は、ワニス処理装置1によりワニス処理される前の固定子が載置されるステージである。搬出部9は、ワニス処理装置1によってワニスの硬化処理が終了し、冷却ユニット7において冷却された後の固定子が載置されるステージである。
搬送機構5は、搬入部8、予備加熱ユニット2a,2b、ワニス滴下ユニット3、ワニス硬化ユニット4a〜4c、冷却ユニット7、搬入部8および搬出部9の間を移動して固定子を搬送する。
これら搬入部8、予備加熱ユニット2a,2b、ワニス滴下ユニット3、ワニス硬化ユニット4a〜4c、冷却ユニット7、搬入部8および搬出部9の前方の設置面には、配列方向に延びるレール10が設けられている。搬送機構5は、そのレール10上を移動することによって配列方向に移動する構成となっている。
搬送機構5は、図示しない保持部、上下移動部、および前後移動部をそれぞれ有している。保持部は、固定子の外径を保持して該固定子を移動させる。上下移動部は、保持部を配列方向に垂直な方向である上下方向に移動する。前後移動部は、保持部を前後方向に移動させる。前後方向とは、配列方向、および上下方向に対してそれぞれ垂直となる方向である。
これら予備加熱ユニット部2、ワニス滴下ユニット3、ワニス硬化加熱ユニット部4、および搬送機構5は、制御装置6にそれぞれ接続されている。制御装置6は、予備加熱ユニット2a,2b、およびワニス硬化ユニット4a〜4cにおける加熱設定、ワニス滴下ユニット3におけるワニスの塗布、および搬送機構5による固定子搬送の際の駆動などの制御をそれぞれ行う。
制御装置6は、例えば、プログラマブルコントローラなどからなり、メモリ部6a、演算部6bおよび制御部6cなどを有する。なお、制御装置6は、補助記憶装置を有する場合もある。
そして、メモリ部6aなどの記憶領域に記憶されたプログラムとの協働によって、制御部6cが、予備加熱ユニット部2、ワニス滴下ユニット3、ワニス硬化加熱ユニット部4、および搬送機構5の制御を実行するようになっている。
また、メモリ部6aは、制御装置6に接続されたキーボードやタッチパネルなどの図示しない入力部などによって入力された情報を格納する。なお、入力部への情報入力は、図示しない通信部を介した他の機器、例えば制御管理サーバなどからの入力であってもよい。演算部6bは、メモリ部6aに格納された情報に基づいて演算を行う。
〈ワニス処理の温度プロファイル例〉
図2は、固定子におけるワニス処理時の温度プロファイルの一例を示す説明図である。
ワニス処理時の温度プロファイルは、図2に示すように、予備加熱期間T1、ワニス塗布期間T2、およびワニス硬化期間T3を有する。
予備加熱期間T1は、予備加熱ユニット2a,2bのいずれかに固定子が搬入され、予備加熱が開始されてから終了するまでの期間である。ワニス塗布期間T2は、予備加熱が終了した固定子がワニス滴下ユニット3に搬入され、該固定子へのワニス塗布が終了するまでの期間である。ワニス硬化期間T3は、ワニスが塗布された固定子がワニス硬化ユニット4a〜4cのいずれかに搬送され、本加熱が開始されてから終了するまでの期間である。
予備加熱期間T1は、固定子を所望の温度まで上昇させた後、所望の温度まで該固定子を冷却する温度プロファイルとなっている。固定子を温度まで上昇させるのは、固定子に含まれる水分を蒸発させると共に、巻き線された電線の絶縁被膜へのダメージを緩和するためである。
電線の絶縁被膜は、固定子コアに電線を組み込む際にダメージを受けるが、アニール処理により該ダメージを緩和することができる。また、予備加熱期間T1における固定子の冷却は、固定子の温度がワニスの塗布に適した温度となるようにするためである。
ワニス塗布期間T2は、予備加熱が終了した固定子にワニスを塗布する期間である。ワニス硬化期間T3は、固定子に本加熱を行う期間である。このワニス硬化期間T3は、固定子への加熱を開始した後、塗布したワニスに見合った温度、および時間を維持してワニスを硬化させる。
主に、ワニス処理においては、ワニス塗布期間T2、予備加熱期間T1、そしてワニス硬化期間T3の順番で各処理に係る時間が長くなる場合が多い。よって、図2の温度プロファイルでは、予備加熱期間T1、ワニス塗布期間T2、およびワニス硬化期間T3の時間が、概ね2:1:3の比率となっている場合の例を示している。
〈ワニス処理装置のワニス処理例〉
図3は、図1のワニス処理装置1におけるワニス処理の一例を示すフローチャートである。なお、この図3では、1つの固定子を搬入部8から取り出してワニス処理を行い、搬出部9に載置するまでについて説明する。
上述したように、予備加熱ユニット2a,2bやワニス硬化ユニット4a〜4cにおける温度設定、ワニス滴下ユニット3におけるワニスの塗布、および搬送機構5による固定子搬送の際の駆動などの制御は、制御装置6によってそれぞれ行われる。
まず、搬送機構5は、搬入部8に載置されているワニス処理前の固定子を取り出して搬送し、例えば、予備加熱ユニット2aに搬送した固定子を投入する(S101)。
続いて、固定子が投入されると、予備加熱ユニット2aは、固定子の予備加熱を行う(S102)。この予備加熱は、例えば図2の予備加熱期間T1に示す温度プロファイルとなるように制御装置6によって制御が行われる。
そして、予備加熱が終了すると、搬送機構5は、固定子を予備加熱ユニット2aから取り出した後、ワニス滴下ユニット3まで搬送し、該ワニス滴下ユニット3に固定子を投入する。
ワニス滴下ユニット3は、固定子が投入されると、固定子へのワニスの塗布を行う(S103)。このワニス滴下ユニット3によるワニスの塗布は、例えば固定子を回転させながらワニスを滴下含浸させることにより、電線コイルなどにワニスを含浸させる。
ワニス滴下ユニット3におけるワニスの塗布が終了すると、搬送機構5は、固定子をワニス滴下ユニット3から取り出し、ワニスの塗布が終了した固定子を、例えばワニス硬化ユニット4aに投入する。固定子が投入されると、ワニス硬化ユニット4aは、固定子の本加熱を行い、ワニスを硬化させる(S104)。この本加熱は、例えば図2のワニス硬化期間T3に示す温度プロファイルとなるように制御装置6によって制御が行われる。
また、ワニス硬化ユニット4aは、固定子を回転させる図示しない回転機構を有しており、該固定子を回転させながら本加熱を行う構成となっている。これにより、ワニス硬化ユニット内に固定子に塗布されたワニスが滴下することを防止することができる。
ワニス硬化ユニット4aにおいて本加熱が終了すると、搬送機構5は、固定子をワニス硬化ユニット4aから取り出して冷却ユニット7まで搬送し、この冷却ユニット7において固定子を所望の温度まで冷却させる(S105)。また、冷却ユニット7での固定子の冷却は、自然冷却であってもよいし、例えばスポットクーラなどによって冷風を固定子にあてることによって冷却する構成としてもよい。この場合、冷却させる温度は、例えば、作業者が固定子を取り扱うことができる温度である。
固定子の冷却が終了すると、搬送機構5は、固定子を冷却ユニット7から取り出し(S106)、搬出部9まで搬送する。これにより、ワニス処理装置1におけるワニス処理が終了となる。
〈投入間隔時間の算出例〉
ここで、図1のワニス処理装置1において固定子のワニス処理を連続して行う場合について考える。
ワニス処理装置1は、前述したように、2つの予備加熱ユニット2a,2bを有しているので、最初の固定子を、例えば予備加熱ユニット2aに投入した後、すぐに2つめの固定子を予備加熱ユニット2bに投入することができる。
しかし、次工程のワニス滴下ユニット3は、1つであるので、予備加熱ユニット2aに投入された固定子の予備加熱処理が終了し、ワニス滴下ユニット3にて該固定子のワニス塗布が行われている最中に予備加熱ユニット2bに投入された固定子の予備加熱処理が終了することになる。
これによって、2つめの固定子は、1つめの固定子のワニス塗布処理が終了するまで、ワニス塗布処理を実行できず、処理待ち時間が発生してしまうことなる。また、図2の温度プロファイル例では、ワニス硬化の処理時間(T3)は、ワニス塗布の処理時間(T2)に比べて非常に長いので、ワニス硬化ユニット4a〜4cによるワニス硬化処理においても、同様の処理待ち時間が発生してしまうことになる。これにより、ワニス処理のスループットが低下してしまうことになる。
そこで、ワニス処理装置1では、処理待ち時間が発生しないように、固定子を投入する間隔である投入間隔時間を設定し、その投入間隔時間毎に固定子を予備加熱ユニットに投入することにより、滞りなく固定子を連続処理することができるようにする。
制御装置6のメモリ部6aには、ワニス処理装置1によってワニス処理される固定子の種類と、その種類に対応した予備加熱処理、ワニス塗布処理、およびワニス硬化処理に係るそれぞれの処理時間とが格納されている。
固定子の種類は、例えば固定子鉄心の積厚や鉄心コイルの線径などである。これら固定子の種類、および処理時間の情報は、予め制御装置6に接続されたキーボードなどの入力部を用いて入力され、メモリ部6aなどに格納される。
そして、制御装置6の演算部6bは、メモリ部6aに格納された固定子の種類、および処理時間の情報に基づいてサイクルタイムを算出する。演算部6bは、以下に示す式1〜式3に基づいて、予備加熱処理、ワニス塗布処理、およびワニス硬化処理におけるユニット1台当たりのサイクルタイムを算出し、そのうち、最も長いサイクルタイムを投入間隔時間として設定する。
TC1=Ty1/Ny1 (式1)
ここで、Ty1は、予備加熱に要する処理時間であり、Ny1は、ワニス処理装置1が有する予備加熱ユニットの台数である。
TC2=Tw2/Nw2 (式2)
ここで、Tw2は、ワニス塗布に要する処理時間であり、Nw2は、ワニス処理装置1が有するワニス滴下ユニットの台数である。
TC3=Th3/Nh3 (式3)
ここで、Th3は、ワニス硬化に要する処理時間であり、Nh3は、ワニス処理装置1が有するワニス硬化ユニットの台数である。
また、予備加熱に要する処理時間Ty1、ワニス塗布に要する処理時間Tw2、およびワニス硬化に要する処理時間Th3は、搬送機構5による固定子の搬送時間を含んでいるものとする。
例えば、固定子の種類が1つであり、該固定子の予備加熱の処理時間Ty1が46分、ワニス塗布の処理時間Tw2が23分、そして、ワニス硬化の処理時間Th3が72分であるとする。
この場合、予備加熱処理におけるサイクルタイムTC1は、Ty1/Ny1=46/2=23分となり、ワニス塗布処理におけるサイクルタイムTC2は、Tw2/Nw2=23/1=23分となる。また、ワニス硬化処理におけるサイクルタイムTC3は、Th3/Nh3=72/3=24分となる。これの演算は、上述したように演算部6bによって演算される。
制御部6cは、演算部6bが演算した演算結果であるサイクルタイムTC1〜TC3のうち、最もサイクルタイムの長い24分を投入間隔時間として設定する。ここで、投入間隔時間は、24分以上とすればよい。
そして、制御部6cは、固定子を24分毎に予備加熱ユニットに投入するように搬送機構5を制御する。これにより、処理待ち時間が発生することなく、固定子を連続処理することができる。
ワニス処理装置1は、複数種類の固定子を処理する場合がある。これに対応するために、複数種類の固定子を処理する際には、種類毎に式1〜式3によってサイクルタイムをそれぞれ算出し、それらのうち、最も長いサイクルタイムを投入間隔時間として設定する。
例えば、固定子の種類が6種類の場合には、6種類の固定子における予備加熱、ワニス塗布、およびワニス硬化のサイクルタイムをそれぞれ算出し、それらのうち、最も長いサイクルタイムを投入間隔時間として設定する。これによって、種類が異なる固定子を混在して処理することが可能となる。
〈連続ワニス処理例〉
図4は、図1のワニス処理装置1によって固定子を連続してワニス処理する際の一例を示したタイミングチャートである。
なお、この図4では、5つの固定子W1〜W5を連続してワニス処理する場合について示しており、最初にワニス処理する固定子を固定子W1として示している。以下、2番目にワニス処理する固定子を固定子W2、3番目にワニス処理する固定子を固定子W3として示している。同様に、4番目にワニス処理する固定子を固定子W4、5番目にワニス処理する固定子を固定子W5として示している。
また、固定子W1〜W5は、同じ種類の固定子であるものとし、設定された投入間隔時間を時間tとする。さらに、固定子は、図2に示した温度プロファイルにて処理されるものとする。
まず、最初にワニス処理される固定子W1が、例えば予備加熱ユニット2aに投入され、予備加熱が開始される。そして、投入間隔時間である時間tが経過すると、2番目にワニス処理される固定子W2が予備加熱ユニット2bに投入されて、予備加熱が開始される。
続いて、固定子W1の予備加熱期間T1が終了すると、該固定子W1は、予備加熱ユニット2aから取り出されてワニス滴下ユニット3に投入され、ワニス塗布が行われる。そして、時間tが経過すると、空きとなった予備加熱ユニット2aに3番目にワニス処理される固定子W3が投入され、予備加熱が開始される。
固定子W1のワニス塗布期間T2が終了すると、該固定子W1は、ワニス滴下ユニット3から取り出されてワニス硬化ユニット4aに投入され、本加熱処理が行われる。固定子W2の予備加熱期間T1が終了すると、固定子W2は、予備加熱ユニット2bから取り出されてワニス滴下ユニット3に投入される。
投入間隔時間である時間tが経過すると、空きとなった予備加熱ユニット2bには、4番目にワニス処理される固定子W4が投入され、予備加熱が開始される。続いて、固定子W2のワニス塗布期間T2が終了すると、該固定子W2は、ワニス滴下ユニット3から取り出されてワニス硬化ユニット4bに投入され、本加熱処理が行われる。
また、固定子W3の予備加熱期間T1が終了すると、該固定子W3は、空きとなったワニス滴下ユニット3に投入され、ワニス塗布が行われる。そして、時間tが経過すると、空きとなった予備加熱ユニット2aには、5番目にワニス処理される固定子W5が投入され、予備加熱が開始される。
固定子W3のワニス塗布期間T2が終了すると、該固定子W3は、ワニス滴下ユニット3から取り出されてワニス硬化ユニット4cに投入され、本加熱処理が行われる。また、空きとなったワニス滴下ユニット3には、予備加熱期間T1が終了した固定子W4が投入されてワニス塗布が行われる。
そして、固定子W1のワニス硬化期間T3が終了すると、該固定子W1は、搬送機構5によってワニス硬化ユニット4aから取り出される。取り出された固定子W1は、搬送機構5によって冷却ユニット7に搬送されて冷却した後、搬出部9まで搬送される。
以降、同様に固定子が連続して処理される。このように、図1のワニス処理装置1においては、固定子のワニス処理を滞りなく連続して行うことができるので、処理待ち時間をなくすことができる。よって、固定子のワニス処理におけるスループットを大幅に向上させることができるとともに誘導加熱に要するエネルギを効率化することができる。
以上、発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1 ワニス処理装置
2 予備加熱ユニット部
2a 予備加熱ユニット
2b 予備加熱ユニット
3 ワニス滴下ユニット
4 ワニス硬化加熱ユニット部
4a ワニス硬化ユニット
4b ワニス硬化ユニット
4c ワニス硬化ユニット
5 搬送機構
6 制御装置
6a メモリ部
6b 演算部
6c 制御部
7 冷却ユニット
8 搬入部
9 搬出部
10 レール

Claims (3)

  1. 固定子を予備加熱する複数の予備加熱ユニットと、
    前記予備加熱ユニットにより予備加熱された前記固定子にワニスを塗布する1台以上のワニス滴下ユニットと、
    前記固定子に塗布されたワニスを硬化させる硬化加熱を行う複数のワニス硬化ユニットと、
    前記固定子を処理する際に、前記予備加熱ユニットに前記固定子を投入する間隔である投入間隔時間を設定する設定制御部と、
    を有し、
    前記設定制御部は、
    ワニス処理情報が格納されるメモリ部と、
    前記メモリ部に格納される前記ワニス処理情報に基づいて、前記予備加熱ユニット、前記ワニス滴下ユニット、および前記ワニス硬化ユニットを制御して種類の異なる複数の前記固定子のワニス処理を行う演算制御部と、
    を有し、
    前記メモリ部に格納されるワニス処理情報は、ワニス処理される前記固定子の種類、前記固定子の種類に対応する予備加熱の処理に係る時間、前記固定子の種類に対応するワニス塗布の処理に係る時間、および前記固定子の種類に対応するワニス硬化の処理に係る時間を有し、
    前記演算制御部は、前記メモリ部に格納される前記ワニス処理情報に基づいて前記予備加熱ユニット、前記ワニス滴下ユニット、および前記ワニス硬化ユニットの1台当たり処理時間であるサイクルタイムを種類の異なる前記固定子毎にそれぞれ算出し、算出した前記サイクルタイムに基づいて前記予備加熱ユニットに前記固定子を投入する間隔である固定子投入間隔として設定して、前記固定子を前記投入間隔時間毎に前記予備加熱ユニットに投入して前記固定子のワニス処理を行う、ワニス処理装置。
  2. 請求項1記載のワニス処理装置において、
    前記演算制御部は、算出した前記サイクルタイムのうち、最も長い時間のサイクルタイムを前記固定子投入間隔として設定する、ワニス処理装置。
  3. 固定子を予備加熱する複数の予備加熱ユニットと、前記予備加熱ユニットにより予備加熱された前記固定子にワニスを塗布する1つ以上のワニス滴下ユニットと、前記固定子に塗布されたワニスを硬化させる硬化加熱を行う複数のワニス硬化ユニットと、ワニス処理される前記固定子の種類および前記固定子の種類に対応する予備加熱の処理に係る時間、前記固定子の種類に対応するワニス塗布の処理に係る時間、および前記固定子の種類に対応するワニス硬化の処理に係る時間からなるワニス処理情報を格納するメモリ部と、前記固定子を処理する際に、前記予備加熱ユニットに前記固定子を投入する間隔である投入間隔時間を設定する演算制御部とを有するワニス処理装置によるワニス処理方法であって、
    前記演算制御部が、前記メモリ部に格納される前記ワニス処理情報に基づいて、前記予備加熱ユニット、前記ワニス滴下ユニット、および前記ワニス硬化ユニットの1台当たり処理時間であるサイクルタイムを種類の異なる前記固定子毎にそれぞれ算出するステップと、
    前記算出したサイクルタイムのうち、最も長い時間のサイクルタイムを前記予備加熱ユニットに前記固定子を投入する間隔である固定子投入間隔として設定して、前記固定子を前記投入間隔時間毎に前記予備加熱ユニットに投入して前記固定子のワニス処理を行うステップと、
    を有する、ワニス処理方法。
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