JP6252932B2 - ビニルエーテル基含有共重合体及び星型ポリマー並びにその製造方法 - Google Patents

ビニルエーテル基含有共重合体及び星型ポリマー並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ラジカル重合性ビニルモノマー(ラジカル重合可能なビニル系モノマー)を原料とするビニルエーテル基含有共重合体及び星型ポリマーの製造方法、並びに、該製造方法により得られるビニルエーテル基含有共重合体及び星型ポリマーに関する。
両親媒性化合物を含む溶液では、当該両親媒性化合物が臨界ミセル濃度以上で集合して多分子でミセルを形成し、界面活性能を発現する。低分子化合物であっても高分子化合物であっても、臨界ミセル濃度以上で集合体を形成するのが、このような両親媒性化合物の特徴である。両親媒性化合物のうち高分子化合物であるものとして、親水性モノマーと疎水性モノマーとを共重合させて得られる共重合体がしばしば用いられる。しかし、このような高分子化合物は、多分子が集まらなければその溶液における界面活性能を発現することができないという問題を有していた。
上述の問題を有しない両親媒性化合物として、1分子で安定にミセル状の化合物となる星型ポリマーの開発が行われてきた。特に、星型ポリマーは安定に存在する化合物であるため、星型ポリマーを溶解させた溶液においては溶媒の極性によらず、いずれの溶媒を使用した場合でもミセルと同じ性質を発現する。
非特許文献1、特許文献1によると、星型ポリマーはその構造特異性から、低粘性、微粒子性を有するため、半導体素子の層間絶縁体、モーターオイルの添加剤又は潤滑材、化粧品材料の分散剤、ドラッグデリバリーシステムにおける媒介物として利用可能であるとされている。
Chemical Review, 101, 3747-3792 (2001)
国際公開第2011/070880号
ところで、星型ポリマーを合成する方法としては、一般に3つの方法が知られている。具体的には、リビング重合法と呼ばれる精密重合法によりアームとなるポリマーを合成した後、次に核となる部分を合成するアームファースト法;反応性官能基が導入された核となる部分を合成した後に、その核からポリマーを生やすコアファースト法;アームと核とを別々に合成した後、これらをカップリング反応によりつなぎ合わせるカップリングオンツー法が知られている。中でも、特に、アームファースト法は、アームの構造が明確に規定され、星型ポリマーを生成させやすいという特徴を有する。
しかしながら、上述のアームファースト法による合成は、いったんアームとなるポリマーを合成した後に、一般にジビニル化合物を加えて核を形成する方法であるため、2段階の製造工程を実施する必要があり、煩雑である。このため、星型ポリマーを生成させやすいアームファースト法であって、より簡単な星型ポリマーの製造方法が求められている。
従って、本発明の目的は、ラジカル重合性ビニルモノマーを原料として、星型ポリマーの反応性前駆体として使用できるビニルエーテル基含有共重合体を1段階の工程で簡単に製造できる方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ラジカル重合性ビニルモノマーを原料として、星型ポリマーを1段階の工程で簡単に製造できる方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記製造方法により製造されたビニルエーテル基含有共重合体又は星型ポリマーを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱してポリマーを生成させる工程を必須の工程として含む方法によると、星型ポリマー又は該星型ポリマーの反応性前駆体として使用できるビニルエーテル基含有共重合体を1段階の工程で簡単に製造できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱してビニルエーテル基含有共重合体を生成させる工程を含むことを特徴とするビニルエーテル基含有共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、ラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱して、前記ラジカル重合性ビニルモノマーのポリマー鎖をアームとして有する星型ポリマーを生成させる工程を含むことを特徴とする星型ポリマーの製造方法を提供する。
さらに、前記工程において、前記反応液中でラジカル重合性ビニルモノマーがジビニルエーテル化合物よりも先に重合し、次いで、ジビニルエーテル化合物がブロック状にラジカル重合する前記の星型ポリマーの製造方法を提供する。
また、本発明は、ラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱して得られるビニルエーテル基含有共重合体を提供する。
また、本発明は、ラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱して得られる星型ポリマーを提供する。
さらに、前記星型ポリマーは、前記反応液から前記ジビニルエーテル化合物を除いた反応液を使用すること以外は同条件の方法により得られるポリマーの分子量に対して、5倍以上の分子量を有する星型ポリマーである前記の星型ポリマーの製造方法を提供する。
さらに、前記星型ポリマーは、原子間力顕微鏡にて球状粒子として観察される星型ポリマーである前記の星型ポリマーの製造方法を提供する。
さらに、前記ジビニルエーテル化合物が、下記式(1)
[式(1)中、R1及びR3は、同一又は異なって、水素原子、メチル基、又はエチル基を示す。R2は、ケイ素、15族元素、16族元素、及び17族元素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基を示す。]
で表される化合物、又は、下記式(1’)
[式(1’)中、R1、R2、及びR3は、前記に同じ。]
で表される化合物である前記のビニルエーテル基含有共重合体の製造方法を提供する。
さらに、前記ジビニルエーテル化合物が、下記式(1)
[式(1)中、R1及びR3は、同一又は異なって、水素原子、メチル基、又はエチル基を示す。R2は、ケイ素、15族元素、16族元素、及び17族元素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基を示す。]
で表される化合物、又は、下記式(1’)
[式(1’)中、R1、R2、及びR3は、前記に同じ。]
で表される化合物である前記の星型ポリマーの製造方法を提供する。
さらに、前記ジビニルエーテル化合物が、式(1)で表される化合物であってR2が1つ以上の環状構造を含む2価の基(但し、シクロヘキサン−1,4−ジイル基を除く)である化合物、又は、式(1’)で表される化合物であってR2が1つ以上の環状構造を含む2価の基である化合物である前記の星型ポリマーの製造方法を提供する。
本発明の製造方法は上記構成を有するため、1段階の工程で簡単にビニルエーテル基含有共重合体又は星型ポリマーを得ることができる。このようにして得られたビニルエーテル基含有共重合体は分子内にビニルエーテル基を有するため、反応性前駆体(特に、星型ポリマーの反応性前駆体)として用いることができる。特に、例えば、上記ビニルエーテル基含有共重合体の原料であるラジカル重合性ビニルモノマーとして(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体を選択することにより、まず、ラジカル重合性ビニルモノマーだけが70%以上の転化率で重合し、その後、ジビニルエーテル化合物が重合してビニルエーテル基含有共重合体が得られ、さらに、該ビニルエーテル基含有共重合体が有するビニルエーテル基により架橋して核が形成されることにより、当該架橋構造部を核として有し、ラジカル重合性ビニルモノマーのポリマー鎖をアームとして有する星型ポリマーが得られる。本発明の製造方法により得られる星型ポリマーは、例えば、高分子界面活性剤、半導体素子の層間絶縁体、モーターオイルの添加剤又は潤滑材、化粧品材料の分散剤、ドラッグデリバリーシステムにおける媒介物等として利用できる。
実施例1で得られたポリマーに関する重合時間ごとのGPCによる分子量分布を示す図である。 実施例1で得られた星型ポリマー同士がカップリングしてできた球状粒子のAFM像を示す図である。 実施例1で得られた星型ポリマー同士がカップリングしてできた球状粒子のSEM像を示す図である。 比較例2で得られた星型ポリマー及び星型ポリマー同士がカップリングしてできた球状粒子のAFM像を示す図である。
<本発明の製造方法>
本発明の製造方法は、ラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を少なくとも含む反応液(通常、溶液である)を加熱して、ビニルエーテル基含有共重合体、又は、上記ラジカル重合性ビニルモノマーのポリマー鎖をアームとして有する星型ポリマー(単に「星型ポリマー」と称する場合がある)を生成させる工程を必須の工程として含む方法である。なお、本明細書においては、「本発明のビニルエーテル基含有共重合体の製造方法」及び「本発明の星型ポリマーの製造方法」を包括して、「本発明の製造方法」と称する。
[可逆的付加開裂型連鎖移動剤]
本発明の製造方法において使用される可逆的付加開裂型連鎖移動剤は、RAFT剤とも呼ばれるものであり、公知乃至慣用のRAFT剤から適宜選択して使用できる。中でも、下記式(2)、式(3)、又は式(4)で表される化合物(トリチオカーボネート、ジチオエステル、ジチオカーボネート)が好ましい。
式(2)、式(3)、又は式(4)[式(2)〜(4)]中、R4a及びR4bは、同一又は異なって、水素原子、炭化水素基、又はシアノ基を示す。R4cは、シアノ基を有していてもよい炭化水素基を示す。上記R4a、R4b、及びR4cとしての炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の炭化水素基(直鎖、分岐鎖、若しくは環状の飽和又は不飽和の炭化水素基等)が挙げられ、中でも、炭素数1〜12の炭化水素基が好ましい。上記炭化水素基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜12のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の総炭素数7〜10のアリールアルキル基等が挙げられる。上記R4cとしてのシアノ基を有する炭化水素基としては、例えば、上述の炭化水素基が有する水素原子の1〜3個がシアノ基で置換された基等が挙げられる。
式(2)〜(4)中、R5は、炭化水素基、又は、その炭化水素基が有する水素原子の一部がカルボキシル基で置換された基(例えば、カルボキシアルキル基)を示す。上記炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の炭化水素基(直鎖、分岐鎖、若しくは環状の飽和又は不飽和の炭化水素基等)が挙げられ、中でも、炭素数1〜12の炭化水素基が好ましい。炭化水素基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等の総炭素数7〜10のアリールアルキル基等が挙げられる。
上記可逆的付加開裂型連鎖移動剤(RAFT剤)の多くは、商業的に入手可能である。商業的に入手できないものは、公知乃至慣用の方法により容易に合成することができる。なお、本発明の製造方法において可逆的付加開裂型連鎖移動剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
中でも、本発明の製造方法において使用される可逆的付加開裂型連鎖移動剤としては、式(2)で表される化合物又は式(3)で表される化合物が好ましいが、特に限定されない。
[ジビニルエーテル化合物]
本発明の製造方法において使用されるジビニルエーテル化合物は、分子内にビニルエーテル基(ビニルオキシ基)を2つ有する化合物である。なお、本明細書において「ビニルエーテル基」(ビニルオキシ基)とは、CHR=CH−O−で表される基[Rは水素原子又はアルキル基を示す]を意味するものとする。ジビニルエーテル化合物としては、公知乃至慣用のジビニルエーテル化合物を使用でき、特に限定されないが、中でも、下記式(1)で表される化合物、又は下記式(1’)で表される化合物が好ましい。
上記式(1)及び式(1’)中、R1及びR3は、同一又は異なって、水素原子、メチル基、又はエチル基を示す。また、式(1)及び式(1’)中、R2は、ケイ素、15族元素(例えば、窒素、リン、ヒ素等)、16族元素(例えば、酸素、硫黄等)、及び17族元素(例えば、フッ素、塩素、臭素等)からなる群より選択される少なくとも1種の原子(本明細書において「ヘテロ原子」と総称する場合がある)を含んでいてもよい2価の炭化水素基を示す。なお、ヘテロ原子を含む2価の炭化水素基とは、2価の炭化水素基を構成する1以上の原子が上記ヘテロ原子で置換された基を意味するものとする。
上述のヘテロ原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基としては、例えば、炭化水素基、複素環式基、これらの基の2以上が直接又は1以上の連結基を介して結合した基等が挙げられる。上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが2以上結合した基が挙げられる。上記複素環式基としては、例えば、後述の複素環に対応する2価の基が挙げられる。上記連結基としては、例えば、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、アミド結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、イミド結合、これらの2以上が結合した基等が挙げられる。
特に、上記ビニルエーテル化合物としては、本発明の製造方法により星型ポリマーを製造する観点では、2つのビニルエーテル基間の構造(スペーサー)が嵩高いもの又は長く、ビニルエーテル基間の距離が遠いものが好ましい。このような化合物として、より詳しくは、式(1)で表される化合物であって、R2が1つ以上の環状構造を含む2価の基(但し、シクロヘキサン−1,4−ジイル基を除く)であるもの;式(1’)で表される化合物であって、R2が1つ以上の環状構造を含む2価の基であるもの;式(1)又は式(1’)で表される化合物であって、R2が鎖状構造である2価の長鎖基であるもの等が挙げられる。
上記環状構造としては、例えば、脂肪族炭化水素環、芳香族炭化水素環、複素環等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等のシクロアルカン環(例えば、炭素数3〜10のシクロアルカン環等);シクロヘキセン環等のシクロアルケン環(例えば、炭素数3〜10のシクロアルケン環等)等の単環脂肪族炭化水素環:ノルボルナン環、ノルボルネン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環、ビシクロ[4.3.2]ウンデカン環、アダマンタン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環等の橋かけ環やスピロ環等の多環脂肪族炭化水素環等が挙げられる。上記芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環のような単環芳香族炭化水素環:ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、インデン環、ピレン環等の縮合ベンゼン環等の多環芳香族炭化水素環等が挙げられる。上記複素環としては、例えば、オキシラン環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、クロマン環、イソクロマン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオピラン環、アジリジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、インドリン環、オキサノルボルナン環(例えば、7−オキサノルボルナン環等)、2,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン環、イソシアヌレート環等の非芳香族性複素環;チオフェン環、ピロール環、フラン環、ピリジン環等の芳香族性複素環等が挙げられる。中でも、芳香環以外の環状構造(脂肪族炭化水素環、非芳香族性複素環;これらを「非芳香族環状構造」と総称する)が好ましい。
上述の1つ以上の環状構造を含む2価の基としては、具体的には、下記式(i)で表される基等が挙げられる。
式(i)中、p及びqは、同一又は異なって、0又は1を示す。Ra及びRbは、同一又は異なって、炭素数1以上(特に、1〜6)のアルキレン基を示す。Zは環を示す。Zの具体例としては、上述の環状構造が挙げられ、特に、脂肪族炭化水素環、非芳香族性複素環(特に、非芳香族性複素環)が好ましい。なお、Z(環)におけるRa及びRbの結合位置は、特に限定されない。
上述の鎖状構造である2価の長鎖基としては、具体的には、下記式(ii)で表される基や下記式(iii)で表される基等が挙げられる。
式(ii)中、rは1以上の整数(例えば、1〜20の整数)を示す。Rc及びRdは、同一又は異なって、炭素数2以上(特に、2〜6)のアルキレン基を示す。式(iii)中、sは2以上の整数を示す。Reは、炭素数2以上(特に、2〜6)のアルキレン基を示す。
上記ジビニルエーテル化合物の具体例として、例えば、1,4−ビス(ビニルオキシメチル)シクロヘキサン、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、イソソルバイドジビニルエーテル、1,4−ビス(ビニルオキシ)シクロヘキサン、2−ビニルオキシ−5−ビニルオキシメチル−7−[2.2.1]ヘプタン、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ビスフェノールAビス(ビニルオキシエチレン)エーテル、ビス(ビニルオキシエチレン)エーテル、ヒドロキノンビス(ビニルオキシエチレン)エーテル等が挙げられる。
より具体的には、本発明の製造方法において使用されるジビニルエーテル化合物としては、ビニルエーテル基含有共重合体の製造の観点では、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタンが好ましく;一方で、星型ポリマーの製造の観点では、イソソルバイドジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、2−ビニルオキシ−5−ビニルオキシメチル−7−[2.2.1]ヘプタンが好ましく、より好ましくはイソソルバイドジビニルエーテルである。
なお、本発明の製造方法においてジビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
[ラジカル重合性ビニルモノマー]
本発明の製造方法において使用されるラジカル重合性ビニルモノマー(ラジカル重合可能なビニル系モノマー)としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を分子内に1つ以上有する化合物(但し、上記ビニルエーテル化合物を除く)であればよく、特に限定されない。中でも、ラジカル重合性ビニルモノマーとしては、下記式(5)で表される化合物が好ましい。
式(5)中、R6、R7、及びR8は、同一又は異なって、水素原子、又は、ハロゲン置換若しくは非置換の低級アルキル基を示す。R6、R7、及びR8における低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基等が挙げられる。ハロゲン置換低級アルキル基としては、例えば、上述の低級アルキル基における水素原子の1以上がハロゲン(フッ素、塩素、臭素等)で置換された基等が挙げられる。R9は、有機基を示す。
上記ラジカル重合性ビニルモノマーとしては、具体的には、スチレン及びスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸誘導体、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミド誘導体、(メタ)アクリロニトリル、イソプレン、1,3−ブタジエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルインドール、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれか一方又は両方を意味するものとする。
スチレン及びその誘導体としては、具体的には、スチレン、tert−ブチルスチレン(o体、m体、p体)、tert−ブトキシスチレン(o体、m体、p体)、アセトキシスチレン(o体、m体、p体)、ヒドロキシスチレン(o体、m体、p体)、イソプロペニルフェノール(o体、m体、p体)、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン(o体、m体、p体)、スチレンスルホン酸(o体、m体、p体)及びその塩等が挙げられる。中でも、スチレン、tert−ブチルスチレン、tert−ブトキシスチレンがより好ましい。
(メタ)アクリル酸及びその誘導体としては、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−{(メタ)アクリロイルオキシプロピル}トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等がより好ましい。
(メタ)アクリルアミド及びその誘導体としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド;N、N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド[=(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル]等のN、N−ジアルキルアクリルアミド等が挙げられる。中でも、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等がより好ましい。
本発明の製造方法においてラジカル重合性ビニルモノマーは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
中でも、ラジカル重合性ビニルモノマーとしては、ビニルエーテル基含有共重合体の製造の観点では、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸誘導体が好ましく;星型ポリマーの製造の観点では、(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体が好ましい。
[ラジカル開始剤]
本発明の製造方法において使用されるラジカル開始剤(ラジカル重合開始剤)としては、任意の適切なラジカル開始剤を採用し得る。中でも、熱によりラジカルを発生する開始剤(熱ラジカル開始剤)が好ましい。熱ラジカル開始剤の代表的なものとして、種々のアゾ化合物及び有機過酸化物等が挙げられる。
アゾ化合物としては、具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等の2,2’−アゾビスブチロニトリル類;2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の2,2’−アゾビスバレロニトリル類;2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)(V−601)等の2,2'−アゾビスプロピオニトリル類;1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等の1,1’−アゾビス−1−アルカンニトリル類;2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等が挙げられる。
有機過酸化物としては、具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル類;シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレートなどのパーオキシケタール類;クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルシクロヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類等が挙げられる。
中でも、入手と取り扱いが容易なものとして、例えば、V−601やAIBN等が挙げられる。なお、本発明の製造方法においてラジカル開始剤は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
[溶媒]
本発明の製造方法においては、溶媒を使用してもよいし、溶媒を使用しなくてもよい。特に、効率よく星型ポリマーを得るためには、溶媒を使用することが好ましい。用いる溶媒の量は、用いるモノマー(ラジカル重合性ビニルモノマー及びジビニルエーテル化合物)の濃度が30重量%程度となるように設定することが好ましい。
本発明の製造方法における溶媒としては、重合反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができるが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン等の脂環族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン等の塩素化炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、ジメチルフタレート等のエステル系溶媒;1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−アミルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキシアニソール等のエーテル系溶媒等が挙げられる。また、溶媒としては、水を使用することもできる。なお、溶媒は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の製造方法における反応液は、上述の成分の他、周知の添加剤等を含んでいてもよい。
本発明の製造方法における上記工程においては、上記反応液を加熱することにより、ラジカル重合性ビニルモノマー及びジビニルエーテル化合物の重合反応を進行させる。本発明の製造方法における重合反応の反応温度(重合温度)は、ラジカル開始剤の開始温度以上であればよく、特に限定されないが、20〜120℃が好ましく、より好ましくは40〜120℃である。ただし、星型ポリマーをより選択的に製造するには、100〜120℃が好ましい。なお、反応温度は、重合反応中、常に一定となるように制御することもできるし、段階的又は連続的に変動するように制御することもできる。
本発明の製造方法における重合反応の反応時間(重合時間)は、試薬量、反応温度等によって異なり、特に限定されないが、2〜50時間が好ましく、より好ましくは2〜24時間である。
本発明の製造方法におけるモノマー(ラジカル重合性ビニルモノマー及びジビニルエーテル化合物)の使用量や割合は、適宜設定可能であり、特に限定されない。
なお、本発明の製造方法によりビニルエーテル基含有共重合体を生成させることを目的とする場合、上記条件で、さらに可逆的付加開裂連鎖移動剤をモノマーより少なくする必要がある。その比率は、特に限定されない。
本発明の製造方法における重合反応は、公知乃至慣用の方法(例えば、反応温度を冷却する方法、重合系を空気に暴露する方法等)により終了(停止)させることができる。
上記重合反応により得られた反応混合物からのビニルエーテル基含有共重合体又は星型ポリマーの回収は、公知乃至慣用の方法により実施できる。上記回収は、例えば、重合の反応温度を下げること等で重合を停止させた後、反応混合物から揮発分を留去する方法、又は大量の貧溶媒を添加してポリマーを沈殿させ分離する方法、又は水溶性ポリマーの場合は水中での透析等にて行われる。
本発明の製造方法により得られるポリマーがビニルエーテル基含有共重合体であるか星型ポリマーであるかは、例えば、ラジカル重合性ビニルモノマーの種類(2種以上を併用する場合にはこれらの組み合わせ);ジビニルエーテル化合物の種類(2種以上を併用する場合にはこれらの組み合わせ);可逆的付加開裂型連鎖移動剤の種類(2種以上を併用する場合にはこれらの組み合わせ);重合条件(例えば、重合温度、重合時間等);各出発原料の組み合わせ(例えば、ラジカル重合性ビニルモノマーとジビニルエーテル化合物の組み合わせ、これらモノマーと可逆的付加開裂型連鎖移動剤との組み合わせ)等によって決定される。中でも、本発明の製造方法により三次元架橋構造を有しない直鎖又は分岐鎖状のビニルエーテル基含有共重合体を生成させたい場合には、具体的には、ラジカル重合性ビニルモノマーとして(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸誘導体を使用し、ジビニルエーテル化合物として3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタンを使用することが好ましい。一方、本発明の製造方法により星型ポリマーを生成させたい場合には、具体的には、ラジカル重合性ビニルモノマーとして(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体を使用し、ジビニルエーテル化合物としてイソソルバイドジビニルエーテル、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、2−ビニルオキシ−5−ビニルオキシメチル−7−[2.2.1]ヘプタン、又はジエチレングリコールジビニルエーテルを使用することが好ましい。いずれのポリマーを得る場合であっても、1段階の工程で簡単にビニルエーテル基含有共重合体又は星型ポリマーを得ることができる点で、本発明の製造方法は有用である。
<ビニルエーテル基含有共重合体>
本発明の製造方法により得られるビニルエーテル基含有共重合体(「本発明のビニルエーテル基含有共重合体」と称する場合がある)は、少なくとも1種のラジカル重合性ビニルモノマーと、少なくとも1種のジビニルエーテル化合物との共重合体であって、分子内に少なくとも1つのビニルエーテル基を有する共重合体である。本発明のビニルエーテル基含有共重合体は、三次元架橋構造を有しない直鎖又は分岐鎖状のポリマーであってもよいし、三次元架橋構造を有するポリマーであってもよい。中でも、取り扱い性の観点で、三次元架橋構造を有しない直鎖又は分岐鎖状のポリマーが好ましく、特に、ラジカル重合性ビニルモノマー由来の構成単位が全部又は大部分を占めるポリマー鎖(「ポリマー鎖A」と称する)と、ジビニルエーテル化合物の一方のビニルエーテル基が重合して形成される構成単位が比較的多くを占めるポリマー鎖(「ポリマー鎖B」と称する)とを有する直鎖又は分岐鎖状のブロックコポリマー乃至グラジエントコポリマーであることが好ましい。
上記ポリマー鎖Aとしては、ポリマー鎖Aを構成するモノマー構成単位の全量(100重量%)に対して、ラジカル重合性ビニルモノマー由来の構成単位の割合が80〜100重量%(特に、90〜100重量%)であるポリマー鎖等が挙げられる。一方、上記ポリマー鎖Bとしては、例えば、ポリマー鎖Bを構成するモノマー構成単位の全量(100重量%)に対して、ジビニルエーテル化合物の一方のビニルエーテル基が重合して形成される構成単位の割合が20〜100重量%(特に、25〜90重量%)であるポリマー鎖等が挙げられる。なお、本発明のビニルエーテル基含有共重合体がポリマー鎖A及びポリマー鎖Bを有する共重合体である場合、例えば、[ポリマー鎖A]−[ポリマー鎖B]の構造を有するジブロックポリマーであってもよいし、[ポリマー鎖B]−[ポリマー鎖A]−[ポリマー鎖B]等の構造を有するマルチブロックコポリマーであってもよい。なお、複数のポリマー鎖Aを有する場合には、これらはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、ポリマー鎖Bについても同様である。なお、本発明のビニルエーテル基含有共重合体がポリマー鎖A及びポリマー鎖Bを有する共重合体である場合、当該共重合体が分子内に有するビニルエーテル基(側鎖;特にポリマー鎖Bの側鎖)により共重合体を反応(架橋反応)させることによって、上記架橋構造部をコアとして有し、該コアに結合したポリマー鎖Aをアームとして有する星型ポリマーが得られるため、有用である。
本発明のビニルエーテル基含有共重合体の数平均分子量は、可逆的付加開裂型連鎖移動剤と使用するモノマーの比率等により異なり、特に限定されないが、1,000〜5,000,000が好ましく、より好ましくは2,000〜3,000,000である。
<星型ポリマー>
本発明の製造方法により得られる星型ポリマー(「本発明の星型ポリマー」と称する場合がある)は、上述のように、ラジカル重合性ビニルモノマーのポリマー鎖をアームとして有する星型ポリマーであり、より詳しくは、その反応性前駆体であるビニルエーテル基含有共重合体が有するビニルエーテル基による架橋構造部をコアとして有し、該コアに結合した上記ポリマー鎖をアームとして有する星型ポリマーである。なお、上記「ラジカル重合性ビニルモノマーのポリマー鎖」は、ラジカル重合性ビニルモノマー由来の構成単位を有するポリマー鎖であればよく、特に限定されないが、特に、上述のポリマー鎖Aが好ましい。本発明の星型ポリマーにおけるアームの数(本数)等の詳細な構造は、特に限定されない。
本発明の星型ポリマーは、本発明の製造方法により得られ、典型的には、本発明の製造方法の必須の工程[ラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱する工程]において、上記反応液中でラジカル重合性ビニルモノマーがジビニルエーテル化合物よりも先に(又は優先的に)重合(可逆的付加開裂連鎖移動重合)し、次いで、上記ラジカル重合性ビニルモノマーのポリマー末端に対してジビニルエーテル化合物がブロック状に重合(可逆的付加開裂連鎖移動重合)して、ブロックコポリマー又はグラジエントコポリマーであるビニルエーテル基含有共重合体が生成し、さらに、該共重合体同士又は該共重合体とジビニルエーテル化合物との架橋反応が進行することによって、生成する。本発明の製造方法における星型ポリマーの模式的な生成スキームを以下に示す。なお、下記スキームにおいてMはラジカル重合性ビニルモノマーを、DVEはジビニルエーテル化合物を、RAFTは可逆的付加開裂型連鎖移動剤を示し、最も右側のポリマーが星型ポリマーである。
より詳しくは、本発明の製造方法においては、まず上記反応液中で、ラジカル重合性ビニルモノマーがジビニルエーテル化合物よりも先に重合し、ラジカル重合性ビニルモノマー由来の構造単位が全部又は大部分(好ましくは全部)を占めるポリマー鎖(ポリマー鎖A)が生成し、その後、上記ポリマー鎖Aの末端を開始点としてジビニルエーテル化合物の重合(残っていれば、ラジカル重合性ビニルモノマーとの共重合)が進行し、ポリマー鎖Aの末端にポリマー鎖Bが生成し、ビニルエーテル基含有共重合体(ブロックコポリマー又はグラジエントコポリマー)が生成する。さらに、上述のポリマー鎖Bの生成と同時に又はその後に、上記ビニルエーテル基含有共重合体が有するビニルエーテル基同士、又は、上記ビニルエーテル基含有共重合体とジビニルエーテル化合物間の架橋反応が進行することにより、ポリマー鎖Aをアームとして有し、架橋反応により形成された架橋構造部を核として有する本発明の星型ポリマーが生成する。さらに引き続き、生成した2以上の星型ポリマーがジビニルエーテル基においてラジカル付加反応することにより、星型ポリマーがカップリングして形成される高分子量体を生成する。なお、「本発明の星型ポリマー」には、このような高分子量体も包含されるものとする。
本発明の星型ポリマーの数平均分子量は、可逆的付加開裂型連鎖移動剤と加えたモノマーの比率等により異なり、特に限定されないが、10,000〜5,000,000が好ましく、より好ましくは50,000〜5,000,000である。
本発明の製造方法により星型ポリマーを生成させることを目的とする場合、一般には、本発明の星型ポリマーは、ビニルエーテル基含有共重合体と同じ条件で合成することができるが、得られたポリマーが星型ポリマーであるかどうかは、次の方法で確認される。
星型ポリマーの場合、ラジカル重合性ビニルモノマーが単独で重合した生成物よりも必ず分子量が大きくならなければならない。例えば、ラジカル重合性ビニルモノマーとして(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体を使用した場合、まず、ラジカル重合性ビニルモノマーが単独で可逆的付加開裂型連鎖移動重合し、70%以上その単独重合が進んだ後、ジビニルエーテル化合物が重合し始めることをサイズ排除クロマトグラフィーによる分子量で確認されたとき、得られたポリマーが三次元架橋構造を有しない直鎖又は分岐鎖状のビニルエーテル基含有共重合体ではなく、星型ポリマーであると確認することができる。また、得られたポリマーが、上記反応液からジビニルエーテル化合物を除いた反応液を使用すること以外は同条件の方法により得られるポリマーの分子量に対して、5倍以上の分子量を有する場合にも、上記ポリマーが星型ポリマーであることを確認できる。さらに、得られたポリマーを乾燥させて原子間力顕微鏡にて観察した際、球状粒子(特に、球状のナノ粒子)が確認される場合にも、上記ポリマーが星型ポリマーであることを確認できる。
本発明の製造方法によって得られるビニルエーテル基含有共重合体は、例えば、反応性前駆体(例えば、星型ポリマーを得るための前駆体)として用いることができる。また、本発明の製造方法により、簡単に上記ビニルエーテル基含有共重合体が有するビニルエーテル基同士が架橋し核となった星型ポリマーを提供でき、このような星型ポリマーは、高分子界面活性剤、半導体素子の層間絶縁体、モーターオイルの添加剤または潤滑材、化粧品材料の分散剤、ドラッグデリバリーシステムにおける媒介物等の用途に利用できる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、下記実施例により何ら制限を受けるものではない。
以下の実施例における各測定法は、次の方法に従った。
(1)数平均分子量(以下、Mnと略記)、重量平均分子量(以下、Mwと略記)、及び重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn;分子量分散度)は、ポリスチレンゲル換算のゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で測定した[示差屈折率検出器、カラム(東ソー(株)製TSKgelカラムGHR−M×3)、溶離液(10mMの臭化リチウム入りジメチルホルムアミド)]。
(2)1H−NMRスペクトルは、JEOL社製JMN AL−300(500MHz)を使用し、サンプルを重クロロホルムに溶解させて測定した。
(3)星型ポリマーの粒子径(粒径)は、Malvern社製ゼータサイザーナノZSPを使用し、サンプルを水に溶解させて測定した。
(4)星型ポリマーの形状観察は、走査型電子顕微鏡(SEM)及び走査型プローブ顕微鏡(AFM)による測定により行った。SEM測定は、サンプル水溶液をカーボンテープ上で乾燥させ、金−パラジウムをコーティングした後、日本電子(株)製JSM−6390を用いて加速電圧1.5kVで行った。また、AFM測定は、サンプル水溶液をマイカ上に載せて乾燥させた後、(株)島津製作所製SPM−9700を用いてダイナミックモードにて行った。
実施例1
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとするイソソルバイドジビニルエーテル由来の構成単位を含有する星型ポリマーの合成]
シュレンク管に、N−イソプロピルアクリルアミド(以下、NIPAMと略記)を0.75g(6.6ミリモル)と、ジビニルエーテル化合物としてイソソルバイドジビニルエーテル(以下、ISB−DVEと略記)を0.66g(3.3ミリモル)と、3−[(ベンジルチオ)チオキソメチルチオ]プロピオン酸(以下、RAFT2と略記)を23.0mg(0.083ミリモル)と、ジメチル4,4’−アゾビス(2−シアノ吉草酸)(以下、V−501と略記)を9.3mg(0.033ミリモル)と、1,4−ジオキサン(以下、DOと略記)を3.25gとを入れ、このシュレンク管を脱気した後、窒素下で100℃に加温(加熱)して、重合させた。
加温開始から24時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク管内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
重合の間、内容物を経時でサンプリングしてGPC測定を行った。その結果、重合は下記のように進行していることが確認された。まず、加温開始から10分でNIPAMだけが71%重合し、Mn=13000(ピークトップ11000)、Mw/Mn=1.70のポリマーが生成した。さらに重合を続けると、加温開始から約20分でNIPAMが97%重合し、Mn=13000(ピークトップ16000)まで成長すると同時に、ISB−DVEが重合し始めてMn=970000の星型ポリマーが生成した。さらに重合を続けると、星型ポリマー同士が一部カップリングし、Mn=4000000の高分子量体(星型ポリマー同士がカップリングして生成した高分子量体)が生成した。図1には、重合時間ごとのGPCによる分子量分布を示す図を示す。
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとするイソソルバイドジビニルエーテル由来の構成単位を含有する星型ポリマーの粒径測定]
上記で得られた星型ポリマーを含有する重合溶液を同重量の水に溶解させ、SPECTRA/POR社製の透析膜(分子量1000カット)中にいれ、25℃の水中で透析した。得られた水溶液を約0.5重量%に調製し、10℃の雰囲気で粒径測定した。その結果、星型ポリマーが約37nmの粒径を有し、星型ポリマー同士がカップリングした粒子(高分子量体)が約207nmの粒径を有することが確認された。
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとするイソソルバイドジビニルエーテル由来の構成単位を含有する星型ポリマーの観察]
上記で得られた星型ポリマーを含有する重合溶液を同重量の水に溶解させ、SPECTRA/POR社製の透析膜(分子量1000カット)中に入れ、25℃の水中で透析した。得られた水溶液を約0.5重量%に調製し、20μLを1cm×1cmの大きさのマイカ上に滴下して、そのまま風乾させた。この風乾させたマイカ表面をAFMにてダイナミックモードで観察したところ、星型ポリマー同士がカップリングした粒子(高分子量体)を示す粒径平均約220nmの球状組織が観察された(図2参照)。
また、上記で調製した約0.5重量%水溶液をカーボンテープ上で風乾させ、さらに金−パラジウム蒸着して作製したサンプルをSEMにて観察したところ、粒径40nm程度の星型ポリマーが観察された(図3参照)。
実施例2
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとする2−(ビニルオキシ)−5−(ビニルオキシメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン由来の構成単位を含有する星型ポリマーの合成]
シュレンク管に、NIPAMを0.75g(6.6ミリモル)と、ジビニルエーテル化合物として2−(ビニルオキシ)−5−(ビニルオキシメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、ONB−DVEと略記)を0.65g(3.3ミリモル)と、RAFT2を23.0mg(0.083ミリモル)と、V−501を9.3mg(0.033ミリモル)と、DOを3.23gとを入れ、このシュレンク管中を脱気した後、窒素下で100℃に加温して重合させた。
加温開始から24時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク管内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
重合の間、内容物を経時でサンプリングしてGPC測定を行った。その結果、重合は以下のように進行していることが確認された。まず、加温開始から5分でNIPAMだけが26%重合し、Mn=9300、Mw/Mn=1.50のポリマーが生成した。さらに重合を続けると、加温開始から10分でNIPAMが88%重合すると同時にONB−DVEが重合し始め、上記ポリマーがMn=14000となるまでNIPAMが重合すると共に、Mn=610000の星型ポリマーが生成した。さらに重合を続けると、NIPAMが100%重合し、Mn=750000の星型ポリマーが生成した。
実施例3
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとするジエチレングリコールジビニルエーテル由来の構成単位を含有する星型ポリマーの合成]
シュレンク管に、NIPAMを0.75g(6.6ミリモル)と、ジビニルエーテル化合物としてジエチレングリコールジビニルエーテル(以下、DG−DVEと略記)を0.52g(3.3ミリモル)と、RAFT2を23.0mg(0.083ミリモル)と、V−501を9.3mg(0.033ミリモル)と、DOを2.90gとを入れ、このシュレンク管中を脱気した後、窒素下で100℃に加温して重合させた。
加温開始から24時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク管内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
重合の間、内容物を経時でサンプリングしてGPC測定を行った。その結果、重合は以下のように進行していることが確認された。まず、加温開始から10分でNIPAMだけが71%重合し、Mn=13000、Mw/Mn=1.70のポリマーが生成した。さらに重合を続けると、加温開始から約20分でNIPAMが97%重合し、Mn=14000まで成長すると同時に、DG−DVEが重合し始めてMn=65000の星型ポリマーが生成した。さらに重合を続けると、星型ポリマー部分だけが成長し、Mn=71000の星型ポリマーが生成した。
実施例4
[N−イソプロピルアクリルアミドと1,4−ビス(ビニルオキシ)シクロヘキサンを用いた重合]
シュレンク管に、NIPAMを0.75g(6.6ミリモル)と、ジビニルエーテル化合物として1,4−ビス(ビニルオキシ)シクロヘキサン(以下、4CH−DVEと略記)を0.56g(3.3ミリモル)と、RAFT2を23.0mg(0.083ミリモル)と、V−501を9.3mg(0.033ミリモル)と、DOを3.02gとを入れ、このシュレンク管中を脱気した後、窒素下で100℃に加温して重合させた。
加温開始から4時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク管内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
重合の間、内容物を経時でサンプリングしてGPC測定を行った。その結果、重合は以下のように進行していることが確認された。まず、加温開始から15分でポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)だけが得られ、その重合率は7%、Mn=8400、Mw/Mn=1.50であった。さらに重合を続けると、加温開始から4時間で系全体がゲル化し、溶媒には溶解しない共重合物が得られた。
この例では、まず、NIPAMの単独重合が進行し、その後、さらにNIPAMと4CH−DVEとの共重合の進行によるビニルエーテル基含有共重合体の生成を経て、さらに架橋反応が進行することで上述の共重合物が生成したものと考えられる。
この例で星型ポリマーが得られなかったのは、4CH−DVEがシクロヘキサン環に対してシス型に2つのビニルエーテル基が配置された構造を有しており、他の実施例で使用したジビニルエーテル化合物に比べてビニルエーテル基間の距離が近いためであると推測される。
実施例5
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとする3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン由来の構成単位を含有する星型ポリマーの合成]
シュレンク管に、NIPAMを0.75g(6.6ミリモル)と、ジビニルエーテル化合物として3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン(以下、OXT−DVEと略記)を0.56g(3.3ミリモル)と、RAFT2を23.0mg(0.083ミリモル)と、V−501を9.3mg(0.033ミリモル)と、DOを1.28gとを入れ、このシュレンク管中を脱気した後、窒素下で100℃に加温して重合させた。
加温開始から24時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
重合の間、内容物を経時でサンプリングしてGPC測定を行った。その結果、重合は以下のように進行していることが確認された。まず、加温開始から60分でNIPAMだけが70%重合し、Mn=13000、Mw/Mn=1.69のポリマーが生成した。さらに重合を続けると、加温開始から4時間でNIPAMが97%重合し、Mn=15000まで成長すると同時に、OXT−DVEも重合してMn=87000の星型ポリマー及び星型ポリマー同士のカップリング反応によるMn=910000の高分子量体が生成した。
実施例6
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとするイソソルバイドジビニルエーテル由来の構成単位を含有する星型ポリマーの合成]
シュレンク管に、NIPAMを0.75g(6.6ミリモル)と、ジビニルエーテル化合物としてISB−DVEを0.66g(3.3ミリモル)と、2−[ドデシル(チオカルボニル)チオ]−2−メチルプロピオン酸(以下、RAFT1と略記)を30.0mg(0.083ミリモル)と、V−501を9.3mg(0.033ミリモル)と、DOを3.25gとを入れ、このシュレンク管中を脱気した後、窒素下で100℃に加温して重合させた。
加温開始から24時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク管内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
重合の間、内容物を経時でサンプリングしてGPC測定を行った。その結果、重合は以下のように進行していることが確認された。まず、加温開始から10分でNIPAMだけが75%重合し、Mn=13000、Mw/Mn=1.70のポリマーが生成した。さらに重合を続けると、加温開始から約20分でNIPAMが98%重合し、Mn=14000まで成長すると同時に、ISB−DVEが重合し始めてMn=71000の星型ポリマーが生成した。さらに重合を続けると、星型ポリマーが成長し、Mn=88000の星型ポリマーが生成した。
実施例7
[メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルと3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタンの共重合体(ビニルエーテル基含有共重合体)の合成]
シュレンク管に、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(以下、DMAEMAと略記)を3.0mL(0.2ミリモル)と、ジビニルエーテル化合物としてOXT−DVEを1.51g(8.9ミリモル)と、RAFT4を62mg(0.22ミリモル)と、V−501を25mg(0.089ミリモル)と、DOを9.9gとを入れ、このシュレンク管中を脱気した後、窒素下で100℃に加温して重合させた。
加温開始から8時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク管内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
重合の間、内容物を経時でサンプリングしてGPC測定を行った。GPC測定により得られた重合結果を表1に示す。なお、表1における転換率とは、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルと3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタンを合わせた全モノマーのポリマーへの転換率を表す。表1に示される重合時間で得られた各ポリマーについて、1H−NMRスペクトル測定による構造決定をしたところ、下記式(6)で表される構造を有し、式(6)中のx及びyは各重合時間で表2に示すように求められた。これにより、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、溶媒、ラジカル開始剤、ラジカル重合性ビニルモノマー、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱して、ビニルエーテル基含有共重合体が得られることが確認された。
[式中、x及びyは、同一又は異なって、各構成単位(構造単位、モノマー単位)のポリマー当たりの重合度を表す。]
比較例1
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとするN,N−メチレンビスアクリルアミド由来の構成単位を含有する星型ポリマーの2段階合成]
RAFT1を23.0mg(0.083ミリモル)と、DOを3.25gと、V−501を9.3mg(0.033ミリモル)と、NIPAMを0.75g(6.6ミリモル)とを加熱し、30分後、重合率70%で、Mn=4700、Mw/Mn=1.34のポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)を合成した。
上記で得られたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)溶液に含まれる溶媒類をエバポレートし、得られた残渣を水に溶解させた後、SPECTRA/POR社製の透析膜(分子量1000カット)中に入れ、25℃の水中で透析した。得られた水溶液を凍結し、凍結乾燥後、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)の固体を得た。
次いで、得られたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(以下、PNIPAM−CTAと略記)を0.4gと、N,N−メチレンビスアクリルアミドを0.038g(0.25ミリモル)と、V−501を5.6mg(0.020ミリモル)と、DOを3.37gとを秤量し、これら全てをシュレンク管に入れた。このシュレンク管中を脱気した後、窒素下で70℃に加温して重合させた。
加温開始から24時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク管内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
重合の間、内容物を経時でサンプリングしてGPC測定を行った。その結果、重合は以下のように進行していることが確認された。まず、加温開始から4時間でアームとなるMn=4700のポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)よりも大きな分子量(Mn=135000)の星型ポリマーが生成した。さらに重合が進むと、星型ポリマー同士がカップリングしたMn=625000のポリマーが生成した。
比較例2
[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)をアームとするISB−DVE由来の構成単位を含有する星型ポリマーの2段階合成]
比較例1の方法で得たPNIPAM−CTAを0.40gと、ISB−DVEを0.35g(1.75ミリモル)と、V−501を4.6mg(0.016ミリモル)と、DOを2.8gとを秤量し、これら全てをシュレンク管に入れた。このシュレンク管を脱気した後、窒素下で70℃に加温して重合させた。
加温開始から24時間後、重合を停止させた。なお、重合の停止は、シュレンク管内を空気下とし、氷水で冷却することにより行った。
この重合により、加温開始から24時間でMn=950000の星型ポリマー、及び星型ポリマー同士が一部カップリングしたMn=2000000の高分子量体が生成した。得られた星型ポリマー及び高分子量体のAFM像を実施例1と同じ方法で得た(図4参照)。
比較例3
[NIPAMとN,N−メチレンビスアクリルアミドを同時に入れて重合した場合]
RAFT1を23.0mg(0.083ミリモル)と、DOを3.25gと、V−501を9.3mg(0.033ミリモル)と、NIPAMを0.75g(6.6ミリモル)と、N,N−メチレンビスアクリルアミド0.038g(0.25ミリモル)とを、全てシュレンク管に入れた。このシュレンク管を脱気した後、窒素下で70℃に加温して重合させた。
その結果、重合直後から系全体がゲル化し、星型ポリマーは得られなかった。このように、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、溶媒、ラジカル開始剤、ラジカル重合性ビニルモノマー、及び、ジビニルエーテル化合物以外のラジカル重合可能なジビニル化合物を含む反応液を加熱した場合、化学ゲルが得られるのみで、ビニルエーテル基含有共重合体や星型ポリマーを得ることができないことが確認された。
以上の結果から、本発明の製造方法[可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、ラジカル重合性ビニルモノマー、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱する工程を含む方法]によると、ビニルエーテル基含有共重合体又は星型ポリマーが生成することが確認された。

Claims (10)

  1. (メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−{(メタ)アクリロイルオキシプロピル}トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれるラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱してビニルエーテル基含有共重合体を生成させる工程を含むことを特徴とするビニルエーテル基含有共重合体の製造方法。
  2. (メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれるラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物(1,4−ビス(ビニルオキシ)シクロヘキサンを除く)を含む反応液を加熱して、前記ラジカル重合性ビニルモノマーのポリマー鎖をアームとして有する星型ポリマーを生成させる工程を含むことを特徴とする星型ポリマーの製造方法。
  3. 前記工程において、前記反応液中でラジカル重合性ビニルモノマーがジビニルエーテル化合物よりも先に重合し、次いで、ジビニルエーテル化合物がブロック状にラジカル重合する請求項2に記載の星型ポリマーの製造方法。
  4. (メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−{(メタ)アクリロイルオキシプロピル}トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれるラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物を含む反応液を加熱して得られるビニルエーテル基含有共重合体。
  5. (メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれるラジカル重合性ビニルモノマー、可逆的付加開裂型連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及びジビニルエーテル化合物(1,4−ビス(ビニルオキシ)シクロヘキサンを除く)を含む反応液を加熱して得られる星型ポリマー。
  6. 前記星型ポリマーは、前記反応液から前記ジビニルエーテル化合物を除いた反応液を使用すること以外は同条件の方法により得られるポリマーの分子量に対して、5倍以上の分子量を有する星型ポリマーである請求項2又は3に記載の星型ポリマーの製造方法。
  7. 前記星型ポリマーは、原子間力顕微鏡にて球状粒子として観察される星型ポリマーである請求項2、3、及び6のいずれか1項に記載の星型ポリマーの製造方法。
  8. 前記ジビニルエーテル化合物が、下記式(1)
    [式(1)中、R1及びR3は、同一又は異なって、水素原子、メチル基、又はエチル基を示す。R2は、ケイ素、15族元素、16族元素、及び17族元素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基を示す。]
    で表される化合物、又は、下記式(1’)
    [式(1’)中、R1、R2、及びR3は、前記に同じ。]
    で表される化合物である請求項1に記載のビニルエーテル基含有共重合体の製造方法。
  9. 前記ジビニルエーテル化合物が、下記式(1)
    [式(1)中、R1及びR3は、同一又は異なって、水素原子、メチル基、又はエチル基を示す。R2は、ケイ素、15族元素、16族元素、及び17族元素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基を示す。]
    で表される化合物、又は、下記式(1’)
    [式(1’)中、R1、R2、及びR3は、前記に同じ。]
    で表される化合物である請求項2、3、6、及び7のいずれか1項に記載の星型ポリマーの製造方法。
  10. 前記ジビニルエーテル化合物が、式(1)で表される化合物であってR2が1つ以上の環状構造を含む2価の基(但し、シクロヘキサン−1,4−ジイル基を除く)である化合物、又は、式(1’)で表される化合物であってR2が1つ以上の環状構造を含む2価の基である化合物である請求項9に記載の星型ポリマーの製造方法。
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