JP6251414B2 - 調整可能なインピーダンスを提供するための回路及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、所与の1つ又は複数の周波数で調整可能なインピーダンスを提供するように構成される電子回路、回路構成、送受信機構成、及び調整可能なインピーダンスを提供する方法に関する。
所与の周波数(若しくは複数の周波数)又は周波数レンジ(若しくは複数のレンジ)で調整可能なインピーダンスを提供できる回路が望ましく又は有利となるような、いくつかのアプリケーションが存在する。
1つの例は、多様な通信デバイス内で共通的に使用され、送信機と共に受信機を含む、送受信機である。
そうした送受信機は、半二重(semi-duplex)で動作するように構成されることができ、即ち、送信信号が受信信号を覆い隠してしまうことを防止するために受信機及び送信機は分けられた時間において動作する。従って、このアプローチを、通常、時間分割複信(TDD)という。
また、送受信機を全二重(full duplex)で動作させることもでき、即ち、受信機及び送信機は同時に動作する。このケースでは、送信機が受信信号を覆い隠してしまうことを防止するための構成が提供される。これを達成する1つのアプローチは、送信及び受信に異なる周波数を割り当てることである。従って、このアプローチを、通常、周波数分割複信(FDD)という。しばしば、受信機及び送信機は、同じアンテナ又は複数のアンテナを含み得るアンテナシステムを使用し、これはある種の回路がアンテナとの適切な相互作用を可能とするように望まれ得ることを示唆する。その回路は、FDDを用いるとしても送信機が受信信号に干渉しかねず、即ち送受信機内の内部的な干渉があり得ることから、全二重で送受信機を動作させる際の何らかの手当てと共に作られるべきである。
言い換えれば、FDDセルラー無線機器のための受信機は、それ自身の送信機からの非常に強力な信号の影響を受けることになり得る。それら強力な送信信号は、受信チャネルからの複信距離に存在する。典型的な複信距離は、キャリア周波数と比較すると小さい(典型的には、100MHzよりも少ない)。受信機は、良好な感受性を達成するために、それら電力レベルの高い信号から遮蔽され又は隔離されなければならない。現在のところ、これは、デュプレクサと呼ばれるオフチップの音波デュプレックスフィルタを用いることにより達成され得る。デュプレクサは、無線周波数(RF)信号を送信機からアンテナへと、及びアンテナから受信機へと方向付けるように構成される。それは、例えばサーキュレータを含んでもよい。残念ながら、デュプレクサは、高価かつ嵩張り、よって部品点数と所要の基盤面積とを増加させる。オンチップでデュプレクサを実装することもまた困難である。これは、サポートすべき周波数帯の数が増えることによってさらに顕著になる。従って、隔離機能をなす統合的な解決策が強く望まれている。
オンチップの隔離デバイスを実現するためのいくつかの解決策が存在する。1つの例は、US2011/064004に開示されている。US2011/064004には、電気的均衡によって隔離を提供するRFフロントエンドが示されている。それは、キャンセレーションに基づいており、変圧器(transformer)を使用する。受信機入力にて発生する送信信号のキャンセルのために、対称性が必要であり、よって回路はダミーの負荷又は均衡用インピーダンスを要し、それは完全なキャンセレーションのためにアンテナインピーダンスに等しいものとされる。開示されている均衡ネットワークはチューニング可能ではあるものの、アンテナインピーダンスが複合的(誘導性又は容量性)であること及び周波数に加えてアンテナ環境と共に変化することを考慮していない。さらに、キャリア周波数と比較すると小さいものの受信周波数及び送信周波数がアンテナについて大きく異なるインピーダンスが現れる程度には離れていることから必要とされる、受信周波数及び送信周波数で別々にチューニング可能なインピーダンスを、開示されている均衡ネットワークは提供することができない。
従って、本発明の実施形態の目的は、所与の周波数又は狭い周波数レンジで調整可能なインピーダンスを提供し、同時にその周波数又は周波数レンジから離れた周波数では高いインピーダンスを提供することのできる電子回路を提供し、それにより、異なる周波数にチューニングされた2つ以上の回路を並列に連結して近傍の周波数で異なるインピーダンスを提供することを可能とすることである。
本発明の実施形態によれば、上記目標は、第1周波数において調整可能なインピーダンスを提供するように構成される電子回路によって達成される。その回路は、上記電子回路の入力端子において入力信号を受け付け、上記入力信号に比例する第1電流信号を提供するように構成される第1相互コンダクタンス増幅器と、第1ミキサ構成、フィルタ構成及び第2ミキサ構成を各々含む少なくとも1つの変換構成であって、上記第1ミキサ構成は、上記第1周波数にあたる第1局部発振器信号を利用して、上記第1電流信号を当該ミキサ構成の出力におけるベースバンド電圧信号へとダウンコンバートするように構成され、上記フィルタ構成は、上記第1ミキサ構成の上記出力に接続され、少なくとも抵抗及びキャパシタを並列に含み、上記第2ミキサ構成は、上記第1周波数にあたる第2局部発振器信号を利用して、上記フィルタ構成に現れる電圧信号を自身の出力におけるアップコンバート済み電圧信号へとアップコンバートするように構成される、上記少なくとも1つの変換構成と、上記アップコンバート済み電圧信号を受け付け、それに比例する第2電流信号を提供し、及び上記第2電流信号を上記電子回路の上記入力端子へとフィードバックする、ように構成される第2相互コンダクタンス増幅器と、を含む。
この手法で上記第1ミキサ構成及び上記第2ミキサ構成を使用することにより、(狭帯域ベースバンドインピーダンスとみなすこともできる)抵抗及びキャパシタと共に実装されるフィルタ構成を、無線周波数へとアップコンバートすることができる。この手法で、高い品質係数に対応するシャープな周波数応答を、品質係数の非常に高いインダクタを必要とすることなく、周波数変換技法を用いて達成することができる。ベースバンドインピーダンスの帯域幅を十分に狭くすることにより、2つ以上の変換後インピーダンス回路を、近傍の周波数にて限られた相互作用と共に使用することができる。
いくつかの実施形態において、上記第1相互コンダクタンス増幅器及び上記第2相互コンダクタンス増幅器のうちの一方は反転相互コンダクタンス増幅器であり、他方は非反転相互コンダクタンス増幅器である。これは、回路の低周波数での安定性を確実化する。
上記第1相互コンダクタンス増幅器及び上記第2相互コンダクタンス増幅器のうちの少なくとも一方が制御可能な利得を有する場合、提供されるインピーダンスの大きさをその制御可能な相互コンダクタンス増幅器の利得を制御することにより調整することができる。上記フィルタ構成の上記抵抗及び上記キャパシタのうちの少なくとも一方が制御可能である場合、同様の結果を達成することができる。
上記第2局部発振器信号が上記第1局部発振器信号を基準とする位相オフセットを有する場合、インピーダンスに異なる位相角を提供することができる。上記位相オフセットが制御可能である場合、提供されるインピーダンスの位相角もまた制御されることができる。
上記電子回路は、2つの変換構成の上記第1局部発振器信号が0度とも180度とも異なる位相差を有する当該2つの変換構成を含んでもよい。この手法で、上記回路に、当該回路への入力信号が上記第1局部発振器信号と同じ周波数及び同じ位相を有しない状況において、所望のインピーダンスを提供することもまた可能となる。1つの実施形態において、上記2つの変換構成の上記第1局部発振器信号は、90度に等しい位相差を有する。
代替的に、上記電子回路は、変換構成の上記第1局部発振器信号が360度にわたる対称的な位相分配を有する少なくとも3つの変換構成を含んでもよい。1つの実施形態において、上記電子回路は、4つの変換構成を含み、当該4つの変換構成の上記第1局部発振器信号は、直角位相群(quadrature phases)を有する。
名目インピーダンスが上記電子回路の上記入力端子に並列に配置されてもよい。
ある回路構成は、共通的な入力端子へ接続される上述したような少なくとも2つの電子回路を含んでよく、上記少なくとも2つの電子回路は、異なる周波数にあたる局部発振器信号を利用して、当該異なる周波数の各々において調整可能なインピーダンスを提供する。この手法で、上記回路構成は、送受信機の受信周波数及び送信周波数などといった異なる周波数において異なるインピーダンスを同時に提供することができる。
ある送受信機構成は、通信ネットワークとの周波数分割複信での通信のために構成される受信機と、上記通信ネットワークとの周波数分割複信での通信のために構成される送信機と、アンテナへの接続用の送信ポートと、上述したような回路構成を含み、上記送信ポートにおけるインピーダンスを模倣(mimic)するように構成されるインピーダンス均衡回路と、第1タイプのフィルタ及び第2タイプのフィルタを含み、上記受信機、送信機、送信ポート及びインピーダンス均衡回路を接続するフィルタ構成と、を含んでよく、上記第1タイプのフィルタは、送信機周波数の信号を通過させ及び受信機周波数の信号を減衰させるように構成され、上記送信機と上記送信ポートとの間、及び上記受信機と上記インピーダンス均衡回路との間に接続され、上記第2タイプのフィルタは、送信機周波数の信号を減衰させ及び受信機周波数の信号を通過させるように構成され、上記送信機と上記インピーダンス均衡回路との間、及び上記受信機と上記送信ポートとの間に接続される。
上記送受信機構成は、上記受信機の入力ポートの少なくとも1つの端子において振幅検出器構成をさらに含んでよく、上記送受信機構成は、上記受信機の入力ポートの上記少なくとも1つの端子における振幅が上記振幅検出器構成による測定結果に基づいて低減されるように、上記インピーダンス均衡回路の調整可能なインピーダンスを制御する、ように構成されるコントローラ、を含む。この手法で、上記インピーダンス均衡回路を、アンテナインピーダンスを模倣するように制御することができる。
上記コントローラは、上記第1相互コンダクタンス増幅器の制御可能な利得、上記第2相互コンダクタンス増幅器の制御可能な利得、及び上記フィルタ構成の上記抵抗、のうちの少なくとも1つを制御することにより、上記インピーダンス均衡回路の上記調整可能なインピーダンスの大きさを制御する、ように構成されてもよい。
上記コントローラは、上記第1局部発振器信号を基準とする上記第2局部発振器信号の位相オフセットを制御することにより、上記インピーダンス均衡回路の上記調整可能なインピーダンスの位相を制御する、ようにさらに構成されてもよい。
通信ネットワークを介して周波数分割複信での通信の可能な通信デバイスは、上述したような送受信機構成を含んでもよい。
言及したように、本発明は、第1周波数において調整可能なインピーダンスを提供する方法にさらに関する。当該方法は、第1相互コンダクタンス増幅器により、電子回路の入力端子において受け付けた入力信号に比例する第1電流信号を提供するステップと、少なくとも1つの変換構成の第1ミキサ構成において、上記第1周波数にあたる第1局部発振器信号を利用することにより、上記第1電流信号をベースバンド電圧信号へとダウンコンバートするステップと、上記少なくとも1つの変換構成の少なくとも抵抗及びキャパシタを並列に含むフィルタ構成において、上記ベースバンド電圧信号をフィルタリングして、上記フィルタ構成における電圧信号を提供するステップと、上記少なくとも1つの変換構成の第2ミキサ構成において、上記第1周波数にあたる第2局部発振器信号を利用することにより、上記フィルタ構成に現れる上記電圧信号をアップコンバート済み電圧信号へとアップコンバートするステップと、第2相互コンダクタンス増幅器により、上記アップコンバート済み電圧信号に比例する第2電流信号を提供するステップと、上記第2電流信号を上記電子回路の上記入力端子へとフィードバックするステップと、を含む。
この手法で上記第1ミキサ構成及び上記第2ミキサ構成を使用することにより、(狭帯域ベースバンドインピーダンスとみなすこともできる)抵抗及びキャパシタと共に実装されるフィルタ構成を、無線周波数へとアップコンバートすることができる。この手法で、高い品質係数に対応するシャープな周波数応答を、品質係数の非常に高いインダクタを必要とすることなく、周波数変換技法を用いて達成することができる。ベースバンドインピーダンスの帯域幅を十分に狭くすることにより、2つ以上の変換後インピーダンス回路を、近傍の周波数にて限られた相互作用と共に使用することができる。
上記方法は、上記第1相互コンダクタンス増幅器の制御可能な利得、上記第2相互コンダクタンス増幅器の制御可能な利得、及び上記フィルタ構成の上記抵抗、のうちの少なくとも1つを制御することにより、上記調整可能なインピーダンスの大きさを制御するステップ、をさらに含んでもよい。
上記方法は、上記第1局部発振器信号を基準とする上記第2局部発振器信号の位相オフセットを制御することにより、上記調整可能なインピーダンスの位相を制御するステップ、をさらに含んでもよい。
本発明の実施形態が、次の図面を参照しながら、より十分に以下に説明されるであろう。
周波数分割複信(FDD)セルラー無線機器の既知の送受信機を示している。 送信機から受信機への干渉を低減するためのオンチップの解決策を用いる他の既知の送受信機を示している。 送信機から受信機への干渉を低減するためのオンチップの解決策を用いる別の送受信機を示している。 プログラマブルインピーダンス回路の一実施形態の概略図を示している。 2つの変換ブランチを伴うプログラマブルインピーダンス回路の一実施形態の概略図を示している。 3つの変換ブランチを伴うプログラマブルインピーダンス回路の一実施形態の概略図を示している。 4つの変換ブランチを伴うプログラマブルインピーダンス回路の一実施形態の概略図を示している。 2つのプログラマブルインピーダンス回路を有する回路構成の一実施形態の概略図を示している。 図8の回路構成のインピーダンスの周波数スイープを描いたスミスチャートを示している。 図8の回路構成のインピーダンスの他の周波数スイープを描いたスミスチャートを示している。 制御回路を伴う図3の送受信機を示している。 調整可能なインピーダンスを提供する方法のフローチャートを示している。 調整可能インピーダンス回路を制御する方法のフローチャートを示している。 コンピュータプログラム及びプロセッサを概略的に描いている。 通信デバイスを概略的に描いたブロック図を示している。
本発明の実施形態の利用の一例を示すために、図1は、周波数分割複信(FDD)セルラー無線機器の送受信機の形式の既知の通信回路を示している。送受信機1は、送信機2及び受信機3を備え、それらは共に共通アンテナ4へと接続されている。周波数分割複信送受信機において、送信機及び受信機は、同じ周波数帯域内の、いわゆる複信距離だけ離隔された異なる周波数を使用し、複信距離は通常、キャリア周波数と比較すると小さい(典型的には100MHzよりも少ない)。これは、矢印5により示したアンテナ4から受信される信号に加えて、矢印6により示したように、受信機3もまた送受信機それ自体の送信機2からの非常に強力な信号の影響を受けることを意味する。
受信機3は、電力レベルの高いそれら信号から、音波デュプレックスフィルタであり得るデュプレクサ7により遮蔽され又は隔離される。デュプレクサ7は、無線周波数(RF)信号を送信機2からアンテナ4へと、及びアンテナ4から受信機3へと方向付けるように構成される。残念ながら、デュプレクサは、高価かつ嵩張り、よって送信機の部品点数と所要の基盤面積とを増加させる。オンチップでデュプレクサを実装することもまた困難である。これは、サポートすべき周波数帯の数が増えることによってさらに顕著になる。
図2は、オンチップの解決策で同様の作用を達成しようとする送受信機11の一例を示しており、完全なキャンセレーションのためにアンテナインピーダンスと等しくなる(模倣する)ように構成されるダミーの負荷又は均衡用インピーダンスを用いた電気的均衡に基づく。送受信機11は、送信機12、受信機13及びアンテナ14を備える。送信機12は、アンテナ14へ向かうキャパシタ18及びインダクタ19を含むブランチと、ダミー負荷22へ向かうキャパシタ20及びインダクタ21を含むブランチとの双方へと自身の出力信号を提供する。ダミー負荷22は、アンテナ14のインピーダンスを模倣するように構成され、達成される対称性によって、変圧器23を介する受信機13への差動入力を用いる場合に、受信機にて送信信号から入り込む寄与成分が抑圧される。この解決策の欠点は、ダミー負荷22において信号エネルギーの半分が失われることである。他の欠点は、変圧器が必要なことであり、これは例えばオンチップでの、低コスト及び/又は小さいスペース消費での実装を難しくし得る。以下では、ダミー負荷又は均衡用インピーダンス22をどのように実装することができるかが説明されるであろう。
送受信機自身の送信機からの強力な信号から受信機を隔離することのできる送受信機31の他の例が、図3に提案されている。送受信機31は、無線通信ネットワークとの周波数分割複信での通信のために構成される受信機33と、無線通信ネットワークとの周波数分割複信での通信のために構成される送信機32と、アンテナへの接続用のアンテナポート34と、アンテナポート34におけるインピーダンスを模倣するように構成される適応的インピーダンスを提供するように構成されるインピーダンス均衡回路35と、を備える。インピーダンス均衡回路35は、動作時にアンテナポート34へ接続されるアンテナにより現れる負荷を模倣するダミー負荷であるということもできる。
受信機33は、差動的に動作し、共通モード信号には応答せず、即ち、受信機33の2つの入力において同一の信号が受信される場合には理想的には出力信号は何も生じない。インピーダンス均衡回路35がアンテナポート34におけるインピーダンスを完全に模倣する場合に、これによって受信機の入力において送信機信号の寄与成分のキャンセルがなされる。なぜなら、その場合に送信機信号は受信機において共通モードとなるからである。
受信機入力における送信機信号の寄与成分は、対称的に配置され且つ送信機32から受信機33への2つのパスを基準に対称的な値を与えられたフィルタ36、37、38、39によってさらに低減される。しかしながら、以下に解明されるように、それらは、送信機32からアンテナポート34及びインピーダンス均衡回路35へ向かう通過信号、並びにアンテナポート34及びインピーダンス均衡回路35から受信機33へ向かう通過信号の観点では対称的ではない。
フィルタ36、37は、送信周波数の信号を通過させ及び受信周波数の信号を減衰させるように構成される第1タイプである。送信周波数及び受信周波数は、上述したように複信距離だけ相違する。フィルタ38、39は、受信周波数の信号を通過させ及び送信周波数の信号を減衰させるように構成される第2タイプである。
よって、送信機32からの送信周波数の信号は、アンテナポート34へ接続されるアンテナを通じて効率的に送信されることが可能となるように、フィルタ36を介してアンテナポート34へ向けて通過する。また、フィルタ36は、受信周波数の送信機ノイズを抑圧し、よってフィルタ39により受信機入力へ渡される干渉が低減される。送信機信号は、フィルタ39によって減衰されて、受信機33の入力における干渉が低減される。送信機信号は、インピーダンス均衡回路35において非常に少ない送信エネルギーしか無駄とならないようにフィルタ38によって減衰させられ、よってフィルタ38は、フィルタ37上の経路を介して受信機33へ到達可能な送信エネルギーを低減し、フィルタ37は干渉を低減する。
アンテナポート34へ接続されたアンテナからの受信信号は、フィルタ39を介して受信機33へ到達し、フィルタ39は、受信信号を通過させるが、アンテナポートにやはり現れる送信信号を減衰させる。受信機33の入力は、フィルタ37を介してインピーダンス均衡回路35にも接続され、フィルタ37は、インピーダンス均衡回路35により生成されるノイズがほんの少ししか受信機33に到達せず且つほんの少しの受信信号の信号エネルギーしかインピーダンス均衡回路35において無駄とならないように、受信信号をやはり減衰させる。受信信号は、共通モード信号低減回路40に起因して受信機の双方の入力ノードに現れる。共通モード信号低減回路40は、以下に説明されるであろう。
このように、送受信機31は、送信機からアンテナポート信号を効率的に提供し、アンテナポートから受信機へ信号を効率的に提供し、同時に送信機から受信機へ到達する干渉信号を低減する構造を提供する。
受信機入力における送信機信号による総寄与成分をゼロの近くに維持するためには対称性が望ましく、即ち、受信機33の差動入力端子の一方へのフィルタ36、アンテナポート34及びフィルタ39の経路、並びに受信機33の差動入力端子の他方へのフィルタ38、インピーダンス均衡回路35及びフィルタ37の経路、という対称的な経路を通じてキャンセレーションが生じることになる。これは、複数の経路において同じタイプのフィルタを使用すること、及びインピーダンス均衡回路35のインピーダンスをアンテナポート34におけるインピーダンスを模倣するように適応させることにより達成される。
差動受信機入力ポートにおける送信機信号のキャンセレーションを達成するために、信号の伝達は、送信機32から受信機33への2つの経路において好適には等しい。すると、送信機からの信号は、受信機入力ポートにおいて完全に共通モードであるように見えるであろう。このようにするためには、フィルタは、2つの経路において互いに反対の順序であるにも関わらず、同じインピーダンスによって終端される。回路の動作は、次のようにして良好に説明され得る。まず、増幅器48が理想的であって、インピーダンス45、46がゼロであるものと仮定する。そして、送信機は、2つのフィルタ36及び38を、それらの間がゼロインピーダンスであることに対応する、同じ電圧で駆動する。受信機入力ノードにおけるゼロの共通モードインピーダンスによってフィルタ37及び39を終端することにより、受信機33への送信機漏洩が共通モードに見えるように、対称性が確実化される。ゼロの共通モードインピーダンス、即ち短絡は、送信機の干渉に起因する電圧が受信機入力において高まることを妨げ、受信機の設計を簡略化し、強力な共通モード信号を扱って多大な共通モードの除去を提供する必要を無くすであろう。
共通モードの除去は、アンテナポート34から受信機33へ信号が通過することを依然として許容するであろう。なぜなら、それらは非対称的に、即ち受信機入力への上側のブランチにだけ入ってくるからである。但し、共通モード信号低減回路40は、アンテナ信号が受信機入力端子の双方に現れることになるように差動入力信号を保証することに留意されたい。共通モード信号低減回路40は、共通モード信号について低インピーダンスを提供する。
共通モード信号低減回路40は、反転増幅器48、第1インピーダンス41、第2インピーダンス42、第3インピーダンス43、及び第4インピーダンス44を含む。反転増幅器48の入力は、等しいインピーダンスを有する第1インピーダンス41及び第2インピーダンス42の間の電圧の分割によって提供され、即ち、当該電圧は均等に分けられる。電圧分割後の信号は、よって、それら経路を通じて提供される共通モード信号に対応するであろう。増幅器48の出力は、等しいインピーダンスを有する第3インピーダンス43及び第4インピーダンス44の接点へと提供され、それにより対称性が提供される。第1インピーダンス41及び第2インピーダンス42、並びに第3インピーダンス43及び第4インピーダンス44は、第1タイプのフィルタ37及び第2タイプのフィルタ39の間でそれぞれ直列に接続され、それらもまた受信機33の入力端子である。よって、反転増幅器48は、インピーダンス41及び42により検出される共通モードの電圧に応じた出力を提供することになり、それは第3インピーダンス43及び第4インピーダンス44を通じてフィードバックされ、即ちネガティブフィードバックループとなる。
いまや認識されるである通り、上記フィードバック構造は、増幅器48が十分な利得を提供する場合には共通モード信号を抑圧することになる。利得は、典型的には、共通モード信号低減回路40により生成される雑音を適度なレベルに維持し、及び大部分の状況で十分に低い共通モードインピーダンスを提供するのに十分な利得を有するために、10から100の間のどこかになるように選択され、20という利得が回路の精細なチューニングのために良好な出発点である。留意すべきこととして、増幅器48により生成される雑音は差動受信機33の入力ステージにおいて実質的に抑圧されないことになり、よって増幅器48が良好な雑音性能を有するべきであると言える。
第1インピーダンス41及び第2インピーダンス42は、雑音の観点では有利なキャパシタであってよく、通常、共通モード信号は高周波信号であることから、電圧の分割のためのキャパシタの使用は適切に動作するであろう。第3インピーダンス43及び第4インピーダンス44もまたキャパシタであってよく、それは同じ有利性を示唆するはずである。しかしながら、回路は対称性に基づいているため、即ち同じタイプのフィルタが均等に終端される必要があるため、第5インピーダンス45及び第6インピーダンス46を、それぞれ送信機と第1タイプのフィルタ36との間及び送信機と第2タイプのフィルタ38との間に配置することができる。これらインピーダンス45、46の目的は、増幅器48の有限の利得に起因する、共通モード信号低減回路40の非ゼロの共通モードインピーダンスを補償することである。インピーダンス45、46のインピーダンスを共通モードインピーダンスに等しくすることによって、対称性が復元される。インピーダンス45、46の割り当ては、設計によってなされ、又は例えばコントローラによって適応させられ得る。よって、第3インピーダンス43及び第4インピーダンス44についてキャパシタのみが使用される場合、第5インピーダンス45及び第6インピーダンス46についてもキャパシタを使用する必要がある。しかしながら、これは、特に増幅器48の電圧利得が高く、それにより回路の実現を実際上可能にするには補償キャパシタ45、46の値が大き過ぎるような場合に、インピーダンスマッチングを面倒にしかねない。従って、第3インピーダンス43〜第6インピーダンス46について少なくとも抵抗となる部分を含めることが有益である。
第1タイプ及び第2タイプのフィルタ36、37、38及び39は、多かれ少なかれ複合的であってよい。一例として、それらタイプのうちの一方は、キャパシタンスに並列に連結されるインダクタンスを含んでよく、この並列的な連結は、フィルタの入力と出力との間のインダクタンスとは直列に連結される。これは、直列共振よりも下の周波数にて信号を減衰させる並列的な共振を提供し、そこを信号が通過する。そして、他方のタイプは、フィルタの入力と出力との間のキャパシタンスと直列に連結される、同様の並列的な連結部分を含んでよい。これは、上記並列的な共振の周波数よりも下の直列共振周波数を提供する。受信周波数が送信周波数よりも高いか又は低いかに依存して、第1タイプのフィルタをこれら2つのタイプのうちの一方として選択することができ、第2タイプのフィルタを2つの提案したタイプのうちの他方として選択することができる。
図2の送受信機11でも図3の送受信機31でも、アンテナ又はアンテナポートにより現れるインピーダンスを模倣するように調整することのできるダミーの負荷又はインピーダンス均衡回路が必要とされる。チューニング可能なダミー負荷又はインピーダンス均衡回路は既知であるものの、それらはアンテナインピーダンスが複合的(誘導性又は容量性)であること及び周波数に加えてアンテナ環境と共に変化することを考慮していない。さらに、それらは、受信周波数での1つのチューニング可能なインピーダンス及び送信周波数での異なるチューニング可能なインピーダンスを提供することができない。これは、受信周波数及び送信周波数がアンテナについて大きく異なるインピーダンスが現れる程度には離れていることから、必要である。但し、その周波数距離はキャリア周波数と比較すると小さい。
近傍の周波数にて別々のチューニング可能なインピーダンスを提供するために、以下で高い品質係数に対応するシャープな周波数応答を伴うインピーダンス回路について説明する。そのアイディアは、そのシャープさを提供するために周波数変換技法を使用することである。ミキサを使用することで、抵抗及びキャパシタと共に実装される狭帯域のベースバンドインピーダンスを、無線周波数へとアップコンバートすることができ、そのようにして品質係数の非常に高いインダクタの必要性が排除される。ベースバンドインピーダンスの帯域幅を十分に狭くすることにより、2つ(又はそれ以上)の変換後インピーダンス回路を、互いに近傍の周波数にて、依然として限られた相互作用と共に組み合わせて使用することができる。2つのミキサコア及び2つの相互コンダクタが関与する周波数変換のための特殊な技法が提案される。
図4は、提案される解決策の一実施形態の概略図を示している。プログラマブルインピーダンス回路51の入力における電圧は、本実施形態では反転型であり利得−gm1を有する相互コンダクタンス増幅器52の入力へ供給される。相互コンダクタ52の後に、入力電圧は電流により表現される。そして、この電流は、受動ミキサ53において電流転換(commutate)され、ミキサ出力における電圧へとダウンコンバートされる。ミキサ53は、ある周波数を有する局部発振器信号によってクロックを与えられ、その周波数は、当該インピーダンス回路が特定の調整可能なインピーダンスを提供するために意図されたものである。この周波数は、例えば、上述した送受信機のうちの1つの受信周波数又は送信周波数であってもよい。
この周波数における信号は、キャパシタ55と並列である負荷抵抗54とをまたいでDC電圧へとダウンコンバートされ、それらは後に説明されるであろう。そして、このDC電圧は第2受動ミキサ56によって、周波数的にアップコンバートされて元の周波数へと戻される。但し、このミキサは、第1ミキサの局部発振器信号を基準とする位相オフセットθを伴う局部発振器信号を供給され得ることに留意されたい。ミキサ56の出力において結果として生じる無線周波数電圧は、よって、プログラマブルインピーダンス回路の入力における電圧を基準とすると位相シフトされているであろう。そして、ミキサ56の出力は、利得gm2を有する第2(非反転)相互コンダクタンス増幅器57へと供給され、当該増幅器はその信号を電流へと変換し、電流は当該回路の入力へとフィードバックされる。
入力へとフィードバックされる電流の大きさは、2つの相互コンダクタンス及びミキサの負荷抵抗54の積に比例し、ミキサの損失によってわずかに低下する。よって、電流の大きさをプログラム可能にするために、相互コンダクタンス及び/又は負荷抵抗が制御され得る。フィードバック電流の位相は、2つのミキサの局部発振器信号の間の位相差θにより制御され得る。フィードバック電流の大きさ及び位相は、回路により提供されるインピーダンスの大きさ及び位相に対応する。2つのミキサの局部発振器信号を互いに位相シフトすることにより、異なる位相を伴うインピーダンスを合成することができる。2つのミキサの局部発振器信号の間の位相差θがゼロである場合、即ち2つの局部発振器信号が同位相である場合、提供されるインピーダンスは抵抗性となる。
局部発振器信号に近くない周波数の入力信号について、第1ミキサの後の信号は、より高い周波数となり、ミキサ負荷におけるキャパシタ55が接地に向けての低いインピーダンスを提供し、よって電圧の増大が防止される。そして、第2ミキサ56の出力は小さくなり、入力へとフィードバックされる電流もまた小さくなる。この手法で、帯域が狭いことを確実化することができる。
本実施形態において、1つの反転相互コンダクタンス増幅器及び1つの非反転相互コンダクタンス増幅器が使用される。この理由は、低周波数での安定性である。2つの反転型又は非反転型の増幅器の使用は、低周波信号のための正のフィードバックに帰着するはずである。但し、高周波信号経路のどこかにハイパスフィルタを配置することにより、このフィードバックを遮断することが可能である。最も単純な形では、これは、例えば第2相互コンダクタから回路の入力へのフィードバック内の直列のキャパシタによって実現され得る。そうすることにより、同じタイプの2つの相互コンダクタを使用することが可能である。これは、非反転電圧バッファにより駆動されるゲート共通のステージに基づき、又は反転電圧増幅器により駆動されるソース共通の増幅器によるはずの、非反転型のシングルエンド相互コンダクタの実現よりも簡易であり得る。
制御可能な局部発振器の位相シフトθは、様々な手法で実現され得る。90度ごとの粗い位相制御は、利用可能であることの多いクロック信号の直角位相群からの選択を行うスイッチを用いて実現されることができる。そして、±45度のレンジでの精細な制御は、バイアス電流及び/又は負荷キャパシタンスが遅延を調整するためにチューニング可能とされる局部発振器バッファを用いて獲得されることができる。2つの局部発振器信号の間の±45度の位相差レンジを獲得するために、各信号について±22.5度のレンジで十分である(加えていくらかのマージン)。これはむしろ限られたレンジであることから、厳しい位相雑音要件を伴って達成することも可能であるべきである。
図4に示した実施形態は、回路への入力信号が単一周波数信号であって、第1ミキサ53の局部発振器信号と同じ周波数を有し同位相である状況に、良好に適している。入力信号が局部発振器信号と同じ周波数を有するものの同位相ではない場合には、ダウンコンバージョンミキサ53の後の抵抗54における電圧は当該信号と局部発振器信号との間の位相差に依存することになり、出力信号の位相は入力信号の位相に追随しないであろう。さらに、上述した送受信機のケースではそうであるように、入力信号が例えば局部発振器信号の周波数の周辺の周波数帯内の他の周波数を含み得る場合、局部発振器周波数よりも上の信号がそれ自体の周波数のみならず局部発振器周波数よりも下の同一オフセットの周波数でも電流を上昇させ、逆もまた同様であることから、イメージ信号の課題が生じる。
そうした状況において、図5に示す2つの変換ブランチを有するプログラマブルインピーダンス回路61で描かれているように、異なる位相にて信号のダウンコンバージョン及びアップコンバージョンを行うことができる。この実施形態において、相互コンダクタンス増幅器52からの出力電流は、受動ミキサ53のみならず、追加的な受動ミキサ63へも供給される。ミキサ53について説明したように、ミキサ63もまた、相互コンダクタンス増幅器52からの出力電流を、負荷抵抗64及びキャパシタ65をまたいで、自身の出力における電圧へとダウンコンバートする。違いは、ミキサ63の局部発振器信号が、ミキサ53の局部発振器信号と比較して90度位相シフトされていることである。2つの局部発振器信号の間の位相差は、厳密に90度である必要は無い。但し、位相差が180度として選択されると、図4の回路についての問題と同じ問題が生じることになる。
そして、負荷抵抗64及びキャパシタ65をまたいだこの電圧は、別の第2の受動ミキサ66により周波数的にアップコンバートされて元の周波数へと戻される。また、本ミキサ66には、ミキサ66の出力において結果として生じる無線周波数電圧がプログラマブルインピーダンス回路の入力における電圧を基準として位相シフトされるように、第1ミキサ63の局部発振器信号を基準とした位相オフセットθを伴う局部発振器信号が供給される。そして、ミキサ66の出力は、ミキサ56の出力と共に第2相互コンダクタンス増幅器57へと供給され、第2相互コンダクタンス増幅器57は、当該信号を電流へと変換し、電流は当該回路の入力へとフィードバックされる。互いに位相差を有する2つのブランチにおいて信号をダウンコンバートし及びアップコンバートすることにより、イメージ信号の課題を回避することができる。
ブランチ間の局部発振器信号についての360度にわたる対称的な位相分配が望ましいことが多く、その場合、ブランチの数が少なくとも3つであるべきである。図6に示した、3つの変換ブランチを有するプログラマブルインピーダンス回路71でこれが描かれている。第3のブランチは、ダウンコンバージョンを行う受動ミキサ73、負荷抵抗74、キャパシタ75及びアップコンバージョンを行う受動ミキサ76を含む。ミキサ53、63及び73は、ここでは互いに120度の位相距離を伴う3つの局部発振器信号によりクロックを与えられる。
同様に、図7は、4つの変換ブランチを有するプログラマブルインピーダンス回路81を示しており、第4のブランチは、ダウンコンバージョンを行う受動ミキサ83、負荷抵抗84、キャパシタ85及びアップコンバージョンを行う受動ミキサ86を含む。4つのミキサ53、63、73及び83は、ここでは直交局部発振器位相群に相当する互いに90度の位相距離を伴う4つの局部発振器信号によりクロックを与えられる。
言及したように、インピーダンス回路51、61、71及び81は、例えば上述した送受信機の受信周波数又は送信周波数のような所与の局部発振器周波数においてあるインピーダンスを提供するように調整され得る。この局部発振器周波数に近い周波数において、上記回路は、ほとんど同じインピーダンスを提供し、一方で、当該局部発振器周波数から遠く離れた周波数では、上述したように非常に高いインピーダンスの値を提供することになる。いくつかの応用例において、図7に示した名目インピーダンス88で描かれているように、回路の入力にて名目上のインピーダンスを並列に配置することが有利であり得る。すると、当該回路は、共に制御可能なある大きさ及び位相だけ名目インピーダンスからオフセットしたインピーダンスを局部発振器周波数において生成することになる。一例として、これは、回路の関数が後に示すような形でスミスチャート上に描かれる場合に有利であり得る。回路の入力にて並列に名目インピーダンスが配置される場合、スミスチャートの中央領域をカバーするエリア内でインピーダンスを合成することが可能となる。但し、指摘すべきこととして、スミスチャートの特性に起因して、高抵抗側と比較して低抵抗側ではあるVSWRに達するためにより多くの電流を要することから、異なる角度については異なる定在波比(VSWR)に達し得る。
上で言及したように、図2の送受信機11及び図3の送受信機31といった送受信機は、アンテナ又はアンテナポートにより現れるインピーダンスを模倣するように調整されることのできるダミー負荷又はインピーダンス均衡回路を必要とし得る。シャープな周波数応答を伴うインピーダンス回路51、61、71及び81は、受信周波数でのあるインピーダンスと送信周波数での異なるインピーダンスとを提供可能な回路構成と組み合わせることができる。これは、受信周波数及び送信周波数がアンテナについて大きく異なるインピーダンスが現れる程度には離れていることから、その周波数距離はキャリア周波数と比較するとやはり小さいものの、必要である。ベースバンドインピーダンスの帯域幅を十分に狭くすることにより、2つ(又はそれ以上)の変換後インピーダンス回路を、互いに近傍の周波数にて、依然として限られた相互作用と共に組み合わせて使用することができる。
これは、図8に示されている。回路構成91は、各々が図7に示したインピーダンス回路81に相当する2つのインピーダンス回路92及び93を含む。2つのインピーダンス回路92及び93は、構造上は同一であり、但し、インピーダンス回路92の位相シフトθ並びに相互コンダクタ利得−gm1及びgm2は、インピーダンス回路93の位相シフトθ並びに相互コンダクタ利得−gm3及びgm4とは別個に調整される。2つの回路の局部発振器周波数もまた異なる。
回路構成91の上側の回路92内のミキサは、受信周波数であり得る1つの周波数でクロックを与えられ、下側の回路93内のミキサは、送信周波数であり得る他の周波数でクロックを与えられる。そして、上側の回路92は、受信周波数及び近傍の周波数においてあるインピーダンスを提供しつつ受信周波数から離れた周波数ではそのインピーダンスは高い。同様に、下側の回路93は、送信周波数及び近傍の周波数においてあるインピーダンスを提供しつつ離れた周波数ではそのインピーダンスは高い。受信周波数及び送信周波数において現れるインピーダンスは、ロバストかつ予測可能なやり方で別個に制御され得る。
上記2つの回路は異なる周波数で動作し、ミキサの十分に狭帯域のRC負荷によって、2つの周波数におけるインピーダンスの間には非常に限られた相互作用しか存在しない。これは、それらインピーダンスを実質的に独立的にプログラムすることができることを意味する。
図8の回路の機能性を描写し及び検証するために、当該回路のシミュレーションをSpectreRFを用いて行った。シミュレーションしたのは、トランジスタレベルで実装される理想的な相互コンダクタ及びミキサを有する回路である。各ミキサの幅及び長さは、それぞれ10μm及び100nmであり、65nmバルクCMOS技術における標準閾値電圧低電力デバイスを用いた。ミキサには1.2Vのオンレベル及び0Vのオフレベルを有する4位相クロックを供給した。周波数は、それぞれ2GHz及び1.905GHz(20GHz×20/21)であった。ミキサの間のフィルタ内のキャパシタは各々20pFであり、受信インピーダンス及び送信インピーダンスを大きく独立的に制御し得るように帯域幅を低くした。
図9に、シミュレーションの結果であるインピーダンスが、psp分析における1.8GHzから2.1GHzまでの周波数スイープについてのスミスチャートが示されている。相互コンダクタは14mSの利得を有し、負荷抵抗はそれぞれ1kΩ及び600Ωであり、クロック間の時間スキューはそれぞれ450ps及び150psである。その相違する時間スキューは、期間の半分が約250psであることから、スミスチャートのほとんど反対側に相当する。2つのローブが明確に視認可能であり、1つは送信周波数向け、1つは受信周波数向けである。
図10においては、双方の抵抗が1kΩに、時間スキューがゼロに設定されており、低抵抗型(low-ohmic)の抵抗性インピーダンスに相当する。受信周波数インピーダンス及び送信周波数インピーダンスは、ここではスミスチャートの同じ側にある。ミキサ内のいくらかの遅延に起因して、(星印でマークした)受信周波数インピーダンス及び送信周波数インピーダンスは、厳密に実軸上にあるわけではないが、離れてもいない。
言及したように、インピーダンス回路の提供されるインピーダンスの大きさは、相互コンダクタンスの利得及び/又は負荷抵抗を制御することによりプログラミングされることができ、一方で、位相の異なるインピーダンスは、2つのミキサの局部発振器信号の間で互いを基準として位相差を制御することにより合成されることができる。様々な時間及び周波数でアンテナのインピーダンスに従うインピーダンス値を回路構成に提供させる目的で、必要な制御信号を提供することの可能な制御回路について、以下に説明する。
図11は、コントローラ96をさらに含むことを除いて図3の送受信機31と同様の送受信機95を示しており、コントローラ96は、例えば図8の回路構成91のように実装可能な適応インピーダンス均衡回路の大きさ及び位相を含む、送受信機のいくつかのコンポーネントを制御するように構成される。
コントローラ96は、破線で示したように、受信機33の入力における送信機信号の寄与成分を測定する回路を含んでよく、受信機入力における差動的な送信機信号の寄与成分が常に模倣されるような制御方式を用いて、インピーダンス均衡回路35への制御を提供し得る。例えば、1つ以上の振幅検出器を含む振幅検出器構成を、受信機の入力ポート又は出力ポートの1つ又は複数の端子において構成して振幅を測定することができる。振幅は、好適には、受信周波数及び/又は送信周波数において測定される。このようにして、振幅検出器構成の測定結果に基づいて受信機33の入力ポートの端子における差動的な信号振幅が最小化されるように、インピーダンス均衡回路35の適応的なインピーダンスを制御することを可能とする信号に関する入力データを、コントローラ96に提供することができる。採用される原理は、この振幅が可能な限り小さい場合に、フィルタの任意の合理的な設定について、受信機入力における送信機の寄与成分もまた可能な限り小さい、というものである。
コントローラ96は、送信及び受信のための周波数の様々なコンスタレーションについて、上述したように信号を通過させ及び減衰させるために適したフィルタ特性が達成されるように、フィルタ36、37、38、39を制御するように構成されてもよい。例えば、送受信機が送信周波数が受信周波数よりもある分だけ高い形のFDDで動作していて、受信周波数が送信周波数よりもある分だけ高い形のFDDで動作するように送受信機が動作モードを切り替える場合、コントローラ96は、フィルタタイプF1及びF2の特性を入れ換えることができる。タイプF1及びF2のフィルタのそれぞれの特性を、受信周波数及び送信周波数の間の周波数差のある分の変更などに応じて、コントローラ96により同様に変更することができる。注記したように、コントローラとの間の信号は、点線矢印で示されており、それらはコントローラ96へ提供される測定結果及びコントローラ96から提供される制御信号を示している。
図12は、プログラマブルインピーダンス回路において調整可能なインピーダンスを提供する方法を描いたフローチャートを示している。ステップ101において、プログラマブルインピーダンス回路の入力における電圧が、本実施形態では反転型であり及び利得−gm1を有する相互コンダクタンス増幅器の入力へと供給される。当該相互コンダクタの後では入力電圧は電流により表される。そして、この電流は、ステップ102において、受動ミキサにて電流転換され、ミキサ出力における電圧へとダウンコンバートされる。当該ミキサは、ある周波数を有する局部発振器信号によってクロックを与えられ、その周波数は、当該インピーダンス回路が特定の調整可能なインピーダンスを提供するために意図された周波数を有する局部発振器信号によってクロックを与えられる。この周波数は、例えば、上述した送受信機のうちの1つの受信周波数又は送信周波数であってもよい。
局部発振器周波数に近い信号は、ステップ103において、負荷抵抗と並列にあるキャパシタとをまたいで低周波の電圧へとダウンコンバートされ、ローパスフィルタリングされる。そして、ステップ104において、この低周波の電圧は、第2の受動ミキサにより周波数的にアップコンバートされて元の周波数へと戻される。但し、このミキサは、第1ミキサの局部発振器信号を基準とする位相オフセットを伴う局部発振器信号を供給され得ることに留意されたい。第2ミキサの出力において結果として生じる無線周波数電圧は、よって、プログラマブルインピーダンス回路の入力における電圧を基準とすると位相シフトされているであろう。そして、第2ミキサの出力は、利得gm2を有する第2(非反転)相互コンダクタンス増幅器へと供給され、ステップ105において、当該増幅器はその信号を電流へと変換し、ステップ106において電流は当該回路の入力へとフィードバックされる。
図13は、上述した送受信機構成の適応可能な要素を制御するための実施形態に係る方法を概略的に描いたフローチャートである。制御可能な要素は、上述した通りの適切な動作のためのインピーダンスマッチングが行われるインピーダンス、例えばその時点の動作のために通過周波数及び遮断周波数が制御されるフィルタ、及び共通モード信号低減回路の増幅器であってよく、十分な共通モード信号の低減、電力消費及びノイズの生成の間の適度な均衡を提供するように利得が適応される。当該方法は、受信機の入力ポートの端子における振幅を測定すること701と、当該振幅が低減されるように均衡用インピーダンスの適応的インピーダンスを調整すること703と、を含み得る。ここで、振幅が低減されれば、その調整によって、即ち上で議論したような対称性を提供することによって、送信機信号成分が低減されるものと想定される。振幅を測定すること701によって、振幅を前回の測定結果と比較すること702ができ、それに応じて、送受信機構成の動作の期間中に、最小値へと追随しようとするための調整703を行うことができる。当該方法は、送受信機構成のその時点の動作の受信周波数及び送信周波数に基づいて、それぞれ第1タイプ及び第2タイプのフィルタの通過周波数及び遮断周波数を制御すること、をも含んでよい。
図14は、コンピュータプログラム及びプロセッサを概略的に示している。上の方法は、特にコントローラ340、440がプロセッサ又はプログラマブル回路として実装されるケースについて、コンピュータ及び/又はプロセッサといった処理手段の支援を伴う実装に適している。従って、図13を参照しながら説明した実施形態のいずれかに係る任意の方法のステップを処理手段、プロセッサ又はコンピュータに実行させるように構成される命令を含むコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、好適には、図14に示したようなコンピュータ読取可能な媒体800に記憶されるプログラムコードを含み、プログラムコードは、処理手段、プロセッサ又はコンピュータ802によってロードされて実行されることができ、好適には、図13を参照しながら説明した実施形態のいずれかの通りに本発明の実施形態に従ってそれぞれ方法を実行させる。コンピュータ802及びコンピュータプログラムプロダクト800は、いずれかの方法のアクションがステップを追って実行されるようにシーケンシャルにプログラムコードを実行するように構成されてもよい。処理手段、プロセッサ又はコンピュータ802は、好適には、通常は組込みシステムとして言及されるものである。よって、図14に描いたコンピュータ読取可能な媒体800及びコンピュータ802は、単に本原理の理解を提供する例示の目的で解釈されるべきであって、要素の何らかの直接的な様子として解釈されるべきではない。
図15は、通信デバイス900を概略的に示すブロック図である。通信デバイス900は、通信ネットワークを介して周波数分割複信で通信可能である。通信デバイス900は、上で詳述した実施形態のいずれかに係る送受信機構成902を備える。送受信機構成902は、そのアンテナポートを通じてアンテナ904へ接続される。当該通信デバイスは、ユーザ向けインタフェース、及び/又は、他の回路若しくはマシン、メモリ、プロセッサなどといった、他の回路群906を備えてもよい。通信デバイス900は、スマートフォン若しくはセルフォン、コンピュータ用の通信カード若しくはデバイス、又はマシン内の組込み通信デバイスなどであってよい。通信デバイス900は、セルラー通信若しくはP2P(point-to-point)通信のために、又は無線若しくは有線ネットワークでの通信のために適合されてもよい。
言い換えれば、第1周波数で調整可能なインピーダンスを提供するように構成される電子回路が開示され、当該回路は、上記電子回路の入力端子において入力信号を受け付け、上記入力信号に比例する第1電流信号を提供するように構成される第1相互コンダクタンス増幅器と、第1ミキサ構成、フィルタ構成及び第2ミキサ構成を各々含む少なくとも1つの変換構成であって、上記第1ミキサ構成は、上記第1周波数にあたる第1局部発振器信号を利用して、上記第1電流信号を当該ミキサ構成の出力におけるベースバンド電圧信号へとダウンコンバートするように構成され、上記フィルタ構成は、上記第1ミキサ構成の上記出力に接続され、少なくとも抵抗及びキャパシタを並列に含み、上記第2ミキサ構成は、上記第1周波数にあたる第2局部発振器信号を利用して、上記フィルタ構成に現れる電圧信号を自身の出力におけるアップコンバート済み電圧信号へとアップコンバートするように構成される、上記少なくとも1つの変換構成と、上記アップコンバート済み電圧信号を受け付け、それに比例する第2電流信号を提供し、及び上記第2電流信号を上記電子回路の上記入力端子へとフィードバックする、ように構成される第2相互コンダクタンス増幅器と、を含む。
この手法で上記第1ミキサ構成及び上記第2ミキサ構成を使用することにより、(狭帯域ベースバンドインピーダンスとみなすこともできる)抵抗及びキャパシタと共に実装されるフィルタ構成を、無線周波数へとアップコンバートすることができる。この手法で、高い品質係数に対応するシャープな周波数応答を、品質係数の非常に高いインダクタを必要とすることなく、周波数変換技法を用いて達成することができる。ベースバンドインピーダンスの帯域幅を十分に狭くすることにより、2つ以上の変換後インピーダンス回路を、近傍の周波数にて限られた相互作用と共に使用することができる。
上記第1相互コンダクタンス増幅器及び上記第2相互コンダクタンス増幅器のうちの一方は反転相互コンダクタンス増幅器であってよく、他方は非反転相互コンダクタンス増幅器であってよい。これは、回路の低周波数での安定性を確実化する。
上記第1相互コンダクタンス増幅器及び上記第2相互コンダクタンス増幅器のうちの少なくとも一方が制御可能な利得を有する場合、提供されるインピーダンスの大きさをその制御可能な相互コンダクタンス増幅器の利得を制御することにより調整することができる。上記フィルタ構成の上記抵抗及び上記キャパシタのうちの少なくとも一方が制御可能である場合、同様の結果を達成することができる。
上記第2局部発振器信号が上記第1局部発振器信号を基準とする位相オフセットを有する場合、インピーダンスに異なる位相角を提供することができる。上記位相オフセットが制御可能である場合、提供されるインピーダンスの位相角もまた制御されることができる。
上記電子回路は、2つの変換構成の上記第1局部発振器信号が0度とも180度とも異なる位相差を有する当該2つの変換構成を含んでもよい。この手法で、上記回路に、当該回路への入力信号が上記第1局部発振器信号と同じ周波数及び同じ位相を有しない状況において、所望のインピーダンスを提供することもまた可能となる。1つの実施形態において、上記2つの変換構成の上記第1局部発振器信号は、90度に等しい位相差を有する。
代替的に、上記電子回路は、変換構成の上記第1局部発振器信号が360度にわたる対称的な位相分配を有する少なくとも3つの変換構成を含んでもよい。1つの実施形態において、上記電子回路は、4つの変換構成を含み、当該4つの変換構成の上記第1局部発振器信号は、直角位相群を有する。
名目インピーダンスが上記電子回路の上記入力端子に並列に配置されてもよい。
ある回路構成は、共通的な入力端子へ接続される上述したような少なくとも2つの電子回路を含んでよく、上記少なくとも2つの電子回路は、異なる周波数にあたる局部発振器信号を利用して、当該異なる周波数の各々において調整可能なインピーダンスを提供する。この手法で、上記回路構成は、送受信機の受信周波数及び送信周波数などといった異なる周波数において異なるインピーダンスを同時に提供することができる。
ある送受信機構成は、通信ネットワークとの周波数分割複信での通信のために構成される受信機と、上記通信ネットワークとの周波数分割複信での通信のために構成される送信機と、アンテナへの接続用の送信ポートと、上述したような回路構成を含み、上記送信ポートにおけるインピーダンスを模倣するように構成されるインピーダンス均衡回路と、第1タイプのフィルタ及び第2タイプのフィルタを含み、上記受信機、送信機、送信ポート及びインピーダンス均衡回路を接続するフィルタ構成と、を含んでよく、上記第1タイプのフィルタは、送信機周波数の信号を通過させ及び受信機周波数の信号を減衰させるように構成され、上記送信機と上記送信ポートとの間、及び上記受信機と上記インピーダンス均衡回路との間に接続され、上記第2タイプのフィルタは、送信機周波数の信号を減衰させ及び受信機周波数の信号を通過させるように構成され、上記送信機と上記インピーダンス均衡回路との間、及び上記受信機と上記送信ポートとの間に接続される。
上記送受信機構成は、上記受信機の入力ポートの少なくとも1つの端子において振幅検出器構成をさらに含んでよく、上記送受信機構成は、上記受信機の入力ポートの上記少なくとも1つの端子における振幅が上記振幅検出器構成による測定結果に基づいて低減されるように、上記インピーダンス均衡回路の調整可能なインピーダンスを制御する、ように構成されるコントローラ、を含む。この手法で、上記インピーダンス均衡回路を、アンテナインピーダンスを模倣するように制御することができる。
上記コントローラは、上記第1相互コンダクタンス増幅器の制御可能な利得、上記第2相互コンダクタンス増幅器の制御可能な利得、及び上記フィルタ構成の上記抵抗、のうちの少なくとも1つを制御することにより、上記インピーダンス均衡回路の上記調整可能なインピーダンスの大きさを制御する、ように構成されてもよい。
上記コントローラは、上記第1局部発振器信号を基準とする上記第2局部発振器信号の位相オフセットを制御することにより、上記インピーダンス均衡回路の上記調整可能なインピーダンスの位相を制御する、ようにさらに構成されてもよい。
通信ネットワークを介して周波数分割複信での通信の可能な通信デバイスは、上述したような送受信機構成を含んでもよい。
第1周波数において調整可能なインピーダンスを提供する方法は、第1相互コンダクタンス増幅器により、電子回路の入力端子において受け付けた入力信号に比例する第1電流信号を提供するステップと、少なくとも1つの変換構成の第1ミキサ構成において、上記第1周波数にあたる第1局部発振器信号を利用することにより、上記第1電流信号をベースバンド電圧信号へとダウンコンバートするステップと、上記少なくとも1つの変換構成の少なくとも抵抗及びキャパシタを並列に含むフィルタ構成において、上記ベースバンド電圧信号をフィルタリングして、上記フィルタ構成における電圧信号を提供するステップと、上記少なくとも1つの変換構成の第2ミキサ構成において、上記第1周波数にあたる第2局部発振器信号を利用することにより、上記フィルタ構成に現れる上記電圧信号をアップコンバート済み電圧信号へとアップコンバートするステップと、第2相互コンダクタンス増幅器により、上記アップコンバート済み電圧信号に比例する第2電流信号を提供するステップと、上記第2電流信号を上記電子回路の上記入力端子へとフィードバックするステップと、を含む。
この手法で上記第1ミキサ構成及び上記第2ミキサ構成を使用することにより、(狭帯域ベースバンドインピーダンスとみなすこともできる)抵抗及びキャパシタと共に実装されるフィルタ構成を、無線周波数へとアップコンバートすることができる。この手法で、高い品質係数に対応するシャープな周波数応答を、品質係数の非常に高いインダクタを必要とすることなく、周波数変換技法を用いて達成することができる。ベースバンドインピーダンスの帯域幅を十分に狭くすることにより、2つ以上の変換後インピーダンス回路を、近傍の周波数にて限られた相互作用と共に使用することができる。
上記方法は、上記第1相互コンダクタンス増幅器の制御可能な利得、上記第2相互コンダクタンス増幅器の制御可能な利得、及び上記フィルタ構成の上記抵抗、のうちの少なくとも1つを制御することにより、上記調整可能なインピーダンスの大きさを制御するステップ、をさらに含んでもよい。
上記方法は、上記第1局部発振器信号を基準とする上記第2局部発振器信号の位相オフセットを制御することにより、上記調整可能なインピーダンスの位相を制御するステップ、をさらに含んでもよい。
本発明の多様な実施形態が説明され及び図示されたが、本発明はそれらに限定されず、次の特許請求の範囲において定義される主題の範囲内で、他の形で具現化されてもよい。

Claims (15)

  1. 第1周波数において調整可能なインピーダンスを提供するように構成される電子回路(51;61;71;81)であって、
    前記電子回路の入力端子において入力信号を受け付け、前記入力信号に比例する第1電流信号を提供するように構成される第1相互コンダクタンス増幅器(52)と、
    第1ミキサ構成(53;63;73;83)、フィルタ構成(54,55;64,65;74,75;84,85)及び第2ミキサ構成(56;66;76;86)を各々含む少なくとも1つの変換構成であって、
    前記第1ミキサ構成は、前記第1周波数にあたる第1局部発振器信号を利用して、前記第1電流信号を当該ミキサ構成の出力におけるベースバンド電圧信号へとダウンコンバートするように構成され、
    前記フィルタ構成は、前記第1ミキサ構成(53;63;73;83)の前記出力に接続され、少なくとも抵抗及びキャパシタを並列に含み、
    前記第2ミキサ構成は、前記第1周波数にあたる第2局部発振器信号を利用して、前記フィルタ構成に現れる電圧信号を自身の出力におけるアップコンバート済み電圧信号へとアップコンバートするように構成される、
    前記少なくとも1つの変換構成と、
    前記アップコンバート済み電圧信号を受け付け、それに比例する第2電流信号を提供し、及び前記第2電流信号を前記電子回路の前記入力端子へとフィードバックする、ように構成される第2相互コンダクタンス増幅器(57)と、
    を含む電子回路。
  2. 前記第1相互コンダクタンス増幅器(52)及び前記第2相互コンダクタンス増幅器(57)のうちの一方は反転相互コンダクタンス増幅器であり、他方は非反転相互コンダクタンス増幅器である、請求項1に記載の電子回路。
  3. 前記第1相互コンダクタンス増幅器(52)及び前記第2相互コンダクタンス増幅器(57)のうちの少なくとも一方は、制御可能な利得を有する、請求項1又は請求項2に記載の電子回路。
  4. 前記フィルタ構成の前記抵抗(54;64;74;84)及び前記キャパシタのうちの少なくとも一方は、制御可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子回路。
  5. 前記第2局部発振器信号は、前記第1局部発振器信号を基準として位相オフセットを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子回路。
  6. 前記位相オフセットは、制御可能である、請求項5に記載の電子回路。
  7. 前記電子回路は、2つの変換構成を含み、当該2つの変換構成の前記第1局部発振器信号は、0度とも180度とも異なる位相差を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子回路。
  8. 前記2つの変換構成の前記第1局部発振器信号は、90度に等しい位相差を有する、請求項7に記載の電子回路。
  9. 前記電子回路は、少なくとも3つの変換構成を含み、当該変換構成の前記第1局部発振器信号は、360度にわたる対称的な位相分配を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子回路。
  10. 前記電子回路は、4つの変換構成を含み、当該4つの変換構成の前記第1局部発振器信号は、直角位相群を有する、請求項9に記載の電子回路。
  11. 前記電子回路の前記入力端子に並列に名目インピーダンス(88)が配置される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子回路。
  12. 共通的な入力端子へ接続される請求項1〜11のいずれか1項に記載の少なくとも2つの電子回路(92,93)を含む回路構成(91)であって、
    前記少なくとも2つの電子回路(92,93)は、異なる周波数にあたる局部発振器信号を利用して、当該異なる周波数の各々において調整可能なインピーダンスを提供する、
    回路構成。
  13. 通信ネットワークとの周波数分割複信での通信のために構成される受信機(33)と、
    前記通信ネットワークとの周波数分割複信での通信のために構成される送信機(32)と、
    アンテナへの接続用の送信ポート(34)と、
    請求項12に記載の回路構成を含み、前記送信ポートにおけるインピーダンスを模倣するように構成されるインピーダンス均衡回路(35)と、
    第1タイプのフィルタ(36,37)及び第2タイプのフィルタ(38,39)を含み、前記受信機(33)、送信機(32)、送信ポート(34)及びインピーダンス均衡回路(35)を接続するフィルタ構成と、
    を含み、
    前記第1タイプのフィルタ(36,37)は、送信機周波数の信号を通過させ及び受信機周波数の信号を減衰させるように構成され、前記送信機(32)と前記送信ポート(34)との間、及び前記受信機(33)と前記インピーダンス均衡回路(35)との間に接続され、
    前記第2タイプのフィルタ(38,39)は、送信機周波数の信号を減衰させ及び受信機周波数の信号を通過させるように構成され、前記送信機(32)と前記インピーダンス均衡回路(35)との間、及び前記受信機(33)と前記送信ポート(34)との間に接続される、
    送受信機構成(95,902)。
  14. 請求項13に記載の送受信機構成(902)を含む、通信ネットワークを介して周波数分割複信での通信の可能な通信デバイス(900)。
  15. 第1周波数において調整可能なインピーダンスを提供する方法であって、
    第1相互コンダクタンス増幅器により、電子回路の入力端子において受け付けた入力信号に比例する第1電流信号を提供するステップ(101)と、
    少なくとも1つの変換構成の第1ミキサ構成において、前記第1周波数にあたる第1局部発振器信号を利用することにより、前記第1電流信号をベースバンド電圧信号へとダウンコンバートするステップ(102)と、
    前記少なくとも1つの変換構成の少なくとも抵抗及びキャパシタを並列に含むフィルタ構成において、前記ベースバンド電圧信号をフィルタリングして、前記フィルタ構成における電圧信号を提供するステップ(103)と、
    前記少なくとも1つの変換構成の第2ミキサ構成において、前記第1周波数にあたる第2局部発振器信号を利用することにより、前記フィルタ構成に現れる前記電圧信号をアップコンバート済み電圧信号へとアップコンバートするステップ(104)と、
    第2相互コンダクタンス増幅器により、前記アップコンバート済み電圧信号に比例する第2電流信号を提供するステップ(105)と、
    前記第2電流信号を前記電子回路の前記入力端子へとフィードバックするステップ(106)と、
    を含む方法。
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