JP6251400B2 - 練習用バット - Google Patents

Description

［関連出願の相互参照］本願は、２０１３年１２月３０日に出願された米国非仮特許出願第１４／１４３，８０４号の出願日、および、「練習用バット」という名称で２０１４年７月１１日に出願された米国一部継続出願第１４／３２９，５９０号の利益を主張するものであり、その両方の内容全体を参照して本願明細書に引用したものとする。

本発明は、一般にスポーツ練習装置、より詳細には、いくつかの実施形態においてスイングのタイミングおよびメカニックを改善するように設計された野球／ソフトボール練習用バットに関する。

円筒状または球状の静止ウェイトを有する練習用バットまたはクラブは、周知である。多くの野球練習用バットは、主として、体力または手腕を身につけて、打者のスイング技術を改善するために用いる「ドーナツ」または他のウェイトを含む。この種の構造は、その中にまたはその上に支持される着脱可能または移動可能なウェイトを有するバットだけでなく、普通ではない重量分布を有するバットを含んでいる。

例えば、米国特許第５１４，４２０号は、衝撃力増倍装置が設けられているバットを開示した。衝撃装置は、複数の加重球状ボールがその中で自由に移動可能であるバットの打撃端の中に画成される細長い中空通路を含む。閉鎖プラグはバットの打撃端に螺合されて、通路を閉鎖して、通路の中に加重ボールを閉じ込める。代替の実施形態では、細長い円筒状摺動ウェイトは、球面ボールに代わる。遠心力が加重部材をバットの打撃端から遠い通路端から打撃端まで外向きに駆動するとき、意図された機能は、スイング中のバット特性の変化により提供される。

別の実施例は米国特許第３，５７８，８０１号を含み、それは、その中で細長い長手方向のロッドが支えられる野球練習用の細長い中空バットを有する練習用バットを記載している。室は細長いロッドの一部に沿って伸びて、そこに摺動可能なウェイトを担持する。バットをスイングしている間、遠心力はウェイトをバットの打撃端の方へ外向きに駆動する。

前述の装置がそれらの意図された目的に役立つ一方、試合用バットなどのような絶えず改良される練習装置に対する継続した技術上の必要は残る。

本開示は、一般に、バットのバレル部分の中に広がる内部容積を画成する中空本体を備えるバットのような練習装置に関する。内部容積は、移動の方向に塊を通って伸びる通路を有する摺動可能な塊を含む。さらに、摺動可能な塊は、バットの内部容積の中に含まれて、バットの内周と接触するか、またはバットの中のスリーブ内部にあり、それによって、スイング運動の間、バットの内周に沿って摺動可能に係合できる。

摺動可能な塊は、変化する（動的な）慣性モーメント（ＭＯＩ）を結果としてもたらす。従って、実施形態は、各先端に、または通路の中に異なる直径を有する塊の中の通路を含み、それによって、慣性の変化率を制御する方法（すなわち、動的なＭＯＩのための制御メカニズム）を提供できる。

塊が回転中心からより遠くに移動するにつれて、慣性モーメントは変化する。以下の関係はこの効果を表わす。

Ｉ＝慣性モーメント＝バットの慣性モーメント（I bat）+スライダー質量と回転中心からの距離の二乗（ｒ^２）の積。従って、I total = I bat + スライダー質量ｘｒ^２、ここでｒは増大する。

本発明のさまざまな他の目的および利点は、続く本明細書のその説明から明白になる。従って、上記の目的を達成するために、本発明は、好ましい実施形態の詳細な説明において以下に充分に説明されて、特に特許請求の範囲において指摘される特徴を含む。しかしながら、当該の説明は、本発明を実施できる様々な方法のいくつかを開示するだけである。

本発明のバットのための摺動可能な塊の実施形態の正面斜視図を示す。 図１に示す本発明のバットのための摺動可能な塊の実施形態の背面斜視図を示す。 図１に示す摺動可能な塊の実施形態の正面立面図を示す。 図２に示す摺動可能な塊の実施形態の背面立面図を示す。 本発明のバットの実施形態の側面立面図を示す。 図５に示す実施形態の線Ａ-Ａに沿った断面図を示す。 図６に示す実施形態の摺動可能な塊の、円Ｂによって示す部分に沿った拡大断面図を示す。 摺動可能な塊の代替実施形態を示す。 図８の摺動可能な塊およびアクセサリー・スリーブを利用するバットの断面図を示す。

図１〜４および６を参照すると、移動方向Ｍに塊を通って伸びる通路４を有する摺動可能な塊２が示される。摺動可能な塊２は、通常、円筒状であり（但し、卵形および他の形状も可能である）、そして要求される重量に応じて鋼またはアルミニウムのような金属でできている。図面に示されないが、複数の塊２を含むことができること、あるいは、「段積み可能な」または「入れ子になっている」塊を単一の摺動可能な塊の代わりに使って、バットの重量および「感触」の両方をカスタマイズする能力を与えることができることを理解すべきである。コーティングまたは潤滑剤は、摺動を促進するためにバットの塊２および／または内面に用いることができる。

塊２は、円滑な摺動動作を提供するために、好ましくは一つ以上のシール８を含む外面６を更に含む。例えば、塊の各端に近接して塊２の外周に配置された一対のシールを利用できる。完成した練習用バットにおいて、シール８は、図６および７に示されて、更に下記に詳述されるように、バットの内周と接触し、そしてバットの内面に対する摺動を可能にする材料、例えばナイロンまたはポリテトラフルオロエチレンでできている。シールが輪状構造であると示されたが、バットの内周と接触すると共に塊２の摺動を可能にする他のどの構成も使うことができる。

摺動可能な塊２を通って伸びる通路４は、好ましくは、塊の各端で異なる直径、例えば図３および４で、それぞれ、直径１０および直径１２を有する。異なる直径の開口部は、例えば図６に示すように、塊２の中を所定の距離伸びて、それによって、通路に異なる直径を持たせることができる。通路のための異なる直径を有することによって、塊２の運動の速度はより正確に制御可能であって、スイング動作の間に異なる効果をもたらす。例えば、塊がスイングの開始時に回転中心の近くに位置する場合は、より小さい慣性は、制御および増強されたバット角加速度を可能にする。求心的な加速による力の下で、塊は外側に摺動する。穴は、バットとボールの衝突時にスイートスポット（打撃の中心）の位置を最適化する目的で、塊がバットの端の方へ移動する速度を制御する方法を提供し、そして塊が更に外側に移動するとき、振り切るスイングの練習を助ける増大した慣性を提供する。

図５〜７を参照すると、上記の摺動する塊を利用する本発明のバット２０の実施形態が示される。バットは、エンドキャップ２４（それは塊２の止め子として作用し、例えばゴムまたは類似の材料で作ることができる）が頂点にある比較的厚いバレル部分２２、接合またはハンドルテーパー部分２６、およびハンドル部分２８を含む。いろいろなバット・スタイルが、エンドキャップの有無にかかわらず、所望の特徴および摺動可能な塊２を変化させるかまたは変える能力に応じて用いることができる。

この実施形態に示す摺動可能な塊は、それが摺動する内周３０およびエンドキャップ２４を除いて、バレル部分２２の中のいかなる構造とも接触しない（他の実施形態はエンドキャップを有しない場合があるが、その場合には、塊はバレル部分２２の端と接触する）。それ故、バット・ユーザーのスイングの間、空気が通路４を通り抜けると共に、塊２はバット端／エンドキャップの方へ移動（Ｍ）する。

この開示をいかなる特定の作用機構にも限定するつもりではないが、本発明のバットの機構についての以下の説明が提供される。摺動可能な塊２は、スイングを開始する前の動的慣性モーメント（ＭＯＩ）が小さいＭＯＩを提供する。バットをスイングする動作において、求心的な加速はバットに作用して、摺動可能な塊の位置に変動を生じ、スイングが進行するにつれて、それはＭＯＩを増大させる。

換言すれば、スイングの初めの小さいＭＯＩによって、打者は、ボールと接触する時点までより多くのコントロールを有するより高いスイング速度を達成できる。スイングの後の部分の増大するＭＯＩについては、バット・ユーザーは、ボールとバットが接触した後にスイングを振り切るように練習する。

慣性モーメントは、その角度回転速度の変化に対する身体の抵抗の尺度を提供する物理的特性である。ＭＯＩの決定は、一群の小さい個々の質量粒子（それの合計は総質量に等しい）を定めて、指定された回転軸からの質量粒子（ｍ_ｉ）の距離（ｒ_ｉ）を定めることにより達成される。ＭＯＩは、その場合、次のように算出できる。

ここで、Ｎは、別々の粒子の総数であり、そして添え字ｐは、回転軸パスを終えた点である。

このように、本発明のバットは、バットの端の空気の閉じた容積の方へ求心的な加速による塊の移動によって動く。移動する摺動可能な塊の動作は、空気をより高い圧力を有するより小さい容積に圧縮して、空気を塊の中心を通る通路の中を流す。通路は、摺動速度の制御メカニズムを提供する流れ、それ故ＭＯＩの変化を制限する。従って、スイング力は、いろいろな打者の強さおよび他の属性に対してカスタマイズすることができる。

図８および９は、本発明のバット内部で使用する摺動可能な塊およびアクセサリー・スリーブの代替実施形態を示す。大体円筒状のスリーブ４０（それは金属のようなあらゆる剛性材料から作ることができるが、好ましくは、ウレタンのような弾性材料から作られる）は、それがバレル部分２２の内面３０に入れ子にされるように、バット内部に加えることが可能である。スリーブは、いかなるバレル部分２２に対するへこみまたは他の損傷も塊の摺動動作を妨げないように摺動可能な塊が含まれる付加的なチャネルを提供する。

摺動可能な塊４４が穴４２の方へ移動するときに空気がスリーブから放出されることができるように、スリーブ４０は穴を含むことができる。摺動可能な塊のこの実施形態において、通路５０は、塊の移動中に空気の転送を可能にするために塊４４を貫通して存在し、そしてウェイト４６は雌ねじ部分４８の中に着脱自在に取り付けられる。ウェイト４６は、ユーザーの選択に従っていろいろなウェイトの使用を容易にするために着脱可能である。

図９は、スリーブおよび図８の摺動可能な塊を利用するバットの断面図を示す。ウェイト４６のテーパー円錐形状および長さのため、バットに応じて、それはバットのテーパー部分２６に突入して、ハンドル部分２８の端に達することさえできる。このように、摺動可能な塊４４および取付けられたウェイト４６がハンドルからエンドキャップ２４までほぼバットの長さを移動するとき、ユーザーは改良されたスイング動作を経験する。

摺動可能な塊４４がスリーブ４０の中に含まれるように、エンドキャップ２４およびハンドル部分２８が摺動可能な塊４４の運動を止めるように、バット２０およびスリーブ４０を設計できる一方、摺動可能な塊４４が中に含まれて、スリーブがバットのスリーブと内面３０の間に空間を有して配置されるように、スリーブはまた、開口部において、そしてスリーブ４０の周辺で適合する端取付具５２（例えばプラグ）および５４（例えばグロメット）を含むこともできる。端取付具は追加部品であるか、またはスリーブと一体構造で形成できる。

更に、中空本体および着脱可能なエンドキャップを備えたバット、中空本体の中で入れ子になった配置で適合する筒状スリーブ、ならびにスリーブの中で摺動するように構成された摺動可能な塊を含むキットが提供される。着脱可能なウェイト、端取付具、および他のアクセサリーの組み合わせを更に含むことができる。

記載された細部および部品における様々な変更は、本願明細書に記載されて添付の請求の範囲に定められる本発明の原理と範囲の中で、当業者によってなされることができる。従って、本発明が、何が最も実際的で好ましい実施形態であると考えられるかについて本願明細書に示されて説明されたが、逸脱は、本発明の範囲内でそこからなされることができて、それは本願明細書に開示された細部に限定されるべきではなくて、ありとあらゆる等価な方法および製品を含むように請求項の全範囲を与えられるべきであることが認識される。

Claims (6)

1. バットのバレル部分の中で広がる内部容積を画成する中空本体と、
   移動の方向に塊を通って伸びる通路を有する摺動可能な塊であって、前記摺動可能な塊は前記内部容積の中に含まれて前記中空本体の内周と接触し、前記塊を通って伸びる前記通路は前記塊の各端に異なる直径の開口部を有する摺動可能な塊とを備え、
   前記塊は、スイングによる位置の変動に伴って、バットの端の空気をより高い圧力を有するより小さい容積に圧縮して、当該空気を前記塊の異なる直径の開口部を有する前記通路の中を流すことにより、当該塊がバットの端の方へ移動する速度を制御して動的慣性モーメント（ＭＯＩ）が変化するようにしたバット。
2. シールが前記中空本体の前記内周と接触するように、前記摺動可能な塊は、前記塊の周辺に配置される前記シールを更に含む請求項１に記載のバット。
3. 一対のシールが前記中空本体の前記内周と接触するように、前記摺動可能な塊は、前記塊の各端に近接して前記塊の周囲に配置される前記一対のシールを更に含む請求項１に記載のバット。
4. 前記摺動可能な塊は、前記内周とエンドキャップとの接触、または、前記内周とバット端との接触を除いて、前記バレル部分の中のいかなる構造とも接触しない請求項１に記載のバット。
5. 前記摺動可能な塊は、前記内周とエンドキャップとの接触、または、前記内周とバット端との接触を除いて、前記バレル部分の中のいかなる構造とも接触しない請求項２に記載のバット。
6. 前記摺動可能な塊は、前記内周とエンドキャップとの接触、または、前記内周とバット端との接触を除いて、前記バレル部分の中のいかなる構造とも接触しない請求項３に記載のバット。

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