JP6250285B2 - 粉状防カビ剤組成物およびその製造方法 - Google Patents
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〔1〕式(1)で表されるヨードアルキニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、
ベンズイミダゾール系化合物およびイソフタロニトリル系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと
を含有し、水不溶性無機担体を含有しない粉状防カビ剤組成物。
〔3〕 前記ヨードアルキニル化合物が、3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチルカルバメートである、〔1〕または〔2〕に記載の粉状防カビ剤組成物。
〔4〕 前記ベンズイミダゾール系化合物が、ベンズイミダゾール−2−イルカルバミン酸メチルである、〔1〕に記載の粉状防カビ剤組成物。
〔5〕 前記イソフタロニトリル系化合物が、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルである、〔1〕に記載の粉状防カビ剤組成物。
〔7〕 融点が200℃以上の有害生物防除性物質からなる群から選ばれる少なくとも1つを、式(1)で表されるヨードアルキニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つに添加することを含む、ヨードアルキニル化合物を含む粉末のブロッキング防止方法。
〔8〕 ベンズイミダゾール系化合物およびイソフタロニトリル系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、 式(1)で表されるヨードアルキニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、を混合することを含む、〔1〕に記載の粉状防カビ剤組成物の製造方法。
〔9〕 融点が200℃以上の有害生物防除性物質からなる群から選ばれる少なくとも1つと、 式(1)で表されるヨードアルキニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つとを混合することを含む、〔2〕に記載の粉状防カビ剤組成物の製造方法。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同種または異種の構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「C1−6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを示している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
「置換基」となり得る基としては、 フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1−6アルキル基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3−6シクロアルキル基; ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などのC2−6アルケニル基; 2−シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基などのC3−6シクロアルケニル基; エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などのC2−6アルキニル基;
置換基を有するn価の芳香族炭化水素基において、置換基となり得る好ましい基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3〜6シクロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 水酸基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基などのC1〜6ハロアルキル基; トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシなどのC1〜6ハロアルコキシ基;3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ基;などが挙げられる。
R11における5員複素芳香環基としては、ピロール−1−イル基、ピロール−2−イル基、ピロール−3−イル基などのピロリル基; フラン−2−イル基、フラン−3−イル基などのフリル基; チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基などのチエニル基; イミダゾール−1−イル基、イミダゾール−2−イル基、イミダゾール−4−イル基、イミダゾール−5−イル基などのイミダゾリル基; ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−3−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピラゾール−5−イル基などのピラゾリル基;オキサゾール−2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基などのオキサゾリル基; イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、イソオキサゾール−5−イル基などのイソオキサゾリル基; チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、チアゾール−5−イル基などのチアゾリル基; イソチアゾール−3−イル基、イソチアゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基などのイソチアゾリル基; 1,2,3−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,3−トリアゾール−5−イル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基などのトリアゾリル基; 1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基などのオキサジアゾリル基; 1,2,4−チアジアゾール−3−イル基、1,2,4−チアジアゾール−5−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基などのチアジアゾリル基; テトラゾール−1−イル基、テトラゾール−2−イル基などのテトラゾリル基;などが挙げられる。
また、本発明組成物中に含有されるヨードアルキニル化合物の合計質量に対する、ベンズイミダゾール系化合物またはイソフタロニトリル系化合物の合計質量の比は、好ましくは1/100〜100/1、より好ましくは1/10〜10/1、さらに好ましくは1/4〜2/1である。
前記ベンズイミダゾール系化合物またはイソフタロニトリル系化合物の粒径は、特に限定されないが、原料の状態において、好ましくは0.1〜200μm、より好ましくは1〜50μmである。なお、粒径は、ベンズイミダゾール系化合物またはイソフタロニトリル系化合物を、ベックマン・コールター社製のレーザー回折散乱法粒度分布測定装置(型式:LS 13 320)によって測定して得られる、体積基準粒度分布における平均粒子径の値である。
また、本発明組成物中に含有されるヨードアルキニル化合物の合計質量に対する、融点が200℃以上である有害生物防除性物質の合計質量の比は、好ましくは1/100〜100/1、より好ましくは1/10〜10/1、さらに好ましくは1/4〜2/1である。
水不溶性無機担体としては、タルク、カオリナイト、珪藻土、クレー、ベントナイト、ゼオライト、セピオライト、アタパルジャイト、バーミキュライト、パーライト、セリサイト、酸性白土、シリカ、カーボランダム、炭酸カルシウム、燐灰石、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタンが挙げられる。
本発明組成物中に含まれる水不溶性無機担体以外の固体担体の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0〜95質量%、より好ましくは0〜90質量%、さらに好ましくは0〜50質量%である。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン植物油などが挙げられる。
両イオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン型界面活性剤、アミドプロピルベタイン型界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤、ホスホベタイン型界面活性剤などが挙げられる。
これらの界面活性剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明組成物中に含まれる界面活性剤の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは1〜10質量%である。
融点が200℃未満の有害生物防除性物質としては、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン(TCMSP)等のピリジン系化合物;ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオン;イマザリル、テブコナゾール、ヘキサコナゾール、エポキシコナゾール等のアゾール系化合物;2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系化合物;2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、メチレンビスチオシアネート等のチオシアネート系化合物;2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール(DBNE)、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(BNPD)等のニトロアルコール系化合物;ドデシルグアニジン塩酸塩、ドデシルグアニジン酢酸塩、イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩等のグアニジン系化合物;塩化セチルピリジウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩化合物;3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)等のフェニルウレア系化合物;2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジン等のトリアジン系化合物;シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンプロパトリン、ビフェントリンなどのピレスロイド系化合物;イミダクロプリド、アセタミプリドなどのネオニコチノイド系化合物;などが挙げられる。
融点が200℃未満の有害生物防除性物質の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜20質量%である。
混合は、乾式混合法または湿式混合法で行うことができる。
乾式混合の手法は特に制限されない。例えば、ヘンシェルミキサー、ハイスピードミキサー、ナウターミキサー、リボンブレンダー、パワーミルなどの混合装置を用いて行うことができる。
湿式混合の手法も特に限定されない。例えば、ボールミル、ホモジナイザー、振動ミル、ビーズミルなどの装置を用いることができる。
混合の後、造粒することができる。造粒法としては、噴霧造粒法、転動造粒法などが挙げられる。
また、本発明の別の一実施形態に係るヨードアルキニル化合物を含む粉末のブロッキング防止方法は、融点が200℃以上の有害生物防除性物質からなる群から選ばれる少なくとも1つを、前記のヨードアルキニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つに添加することを含むものである。
添加の方法は特に限定されない。例えば、前記の粉状防カビ剤組成物の製造方法と同様の方法が挙げられる。
なお、本発明に係るブロッキグ防止方法においては、本発明の効果を阻害しない範囲で水不溶性無機担体を添加してもよい。
IPBC:65.8−66.5℃ ;
カルベンダジム:302−307℃ ; 平均粒子径14.61μm
クロロタロニル:252.1℃ ; 平均粒子径17.26μm
ヘキサコナゾール:110−112℃ ; 平均粒子径35.39μm
テブコナゾール:105℃ ; 平均粒子径37.62μm
DCMU:158−159℃ ; 平均粒子径8.962μm
シブトリン:128−133℃ ; 平均粒子径12.78μm
ブロノポール:130℃ ;
TCMSP:152℃ ; 平均粒子径46.85μm
1)圧縮試験
粉状防カビ剤組成物をポリエチレン袋に入れて手で圧縮し、塊になるか否かでブロッキング性を以下の指標で評価した。
○:塊にならなかった
×:塊になった。
容量20ml、内口径14.5mmのバイアル瓶に粉状防カビ剤組成物4gを入れて蓋をした。これを54℃で14日間静置した。その後、蓋を外しバイアル瓶の口を下に向けその状態で10秒間保持した。以下の指標で流動性を評価した。
○:瓶口から粉状防カビ剤組成物の排出された量が2g以上であった。
×:瓶口から粉状防カビ剤組成物の排出された量が2g未満であった。
#:融解によって部分的に粘稠な液状となっていた。
IPBC15質量部、およびカルベンダジム15質量部とを混合し、ワンダーブレンダー(大阪ケミカル社製)で30秒間粉砕して平均粒子径 μmの粉状防カビ剤組成物を得た。圧縮試験の結果を表1に示す。
IPBC15質量部、カルベンダジム15質量部、およびアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1質量部を混合し、ワンダーブレンダー(大阪ケミカル社製)で30秒間粉砕して平均粒子径 μmの粉状防カビ剤組成物を得た。圧縮試験の結果を表1に示す。
IPBC、カルベンダジム、およびアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムの配合量を表1に示す処方に変えた以外は実施例1と同じ方法で平均粒子径 μmの粉状防カビ剤組成物を得た。圧縮試験の結果を表1に示す。
IPBC15質量部、およびカルベンダジム15質量部を混合し、ワンダーブレンダー(大阪ケミカル社製)で60秒間粉砕して平均粒子径 μmの粉状防カビ剤組成物を得た。圧縮試験および高温保存試験の結果を表2に示す。
表2および表3に示す処方に変更した以外は実施例5と同じ方法で平均粒子径 μmの粉状防カビ剤組成物を得た。それらの圧縮試験および高温保存試験の結果を表2および表3に示す。
Claims (7)
- 3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチルカルバメート100質量部と、
ベンズイミダゾール系化合物1〜200質量部
のみを含有する
ブロッキングが防止された粉状防カビ剤組成物。 - 前記ベンズイミダゾール系化合物は、融点が200℃以上である、請求項1に記載の粉状防カビ剤組成物。
- 前記ベンズイミダゾール系化合物が、ベンズイミダゾール−2−イルカルバミン酸メチルである、請求項1に記載の粉状防カビ剤組成物。
- 3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチルカルバメート100質量部と、
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル1〜200質量部
のみを含有する
ブロッキングが防止された粉状防カビ剤組成物。 - 界面活性剤をさらに含有する、請求項1〜4のいずれかひとつに記載の粉状防カビ剤組成物。
- 3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチルカルバメート100質量部に、
ベンズイミダゾール系化合物1〜200質量部のみを
添加することを含む
3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチルカルバメートを含む粉末のブロッキング防止方法。 - 3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチルカルバメート100質量部に、
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル1〜200質量部のみを
添加することを含む
3−ヨード−2−プロピニル−N−ブチルカルバメートを含む粉末のブロッキング防止方法。
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