JP6249939B2 - 画像処理装置、画像処理方法、画像読取装置、及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、画像読取装置、及び画像処理プログラム Download PDF

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本発明は、読取対象の画像を複数のイメージセンサにより読み取ることで生成された複数の画像データを結合して再生画像データを生成する画像読取装置、並びに、この画像読取装置に適用することができる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関するものである。また、本発明は、特に、複数のイメージセンサで生成された複数の画像データを結合する前に実施される補正処理に関するものである。なお、「再生画像データ」は、複数のイメージセンサの読み取りによって得られた複数の画像データを補正及び結合して生成された、読取対象の画像に対応する画像データである。
読取対象の画像(例えば、原稿の画像)を光学的に読み取り、再生画像データを生成する画像読取装置が種々提案されている。例えば、特許文献1及び2は、千鳥状に配列された複数のイメージセンサ(ラインセンサ)を有する画像読取装置を提案している。この画像読取装置では、複数のイメージセンサは、読取対象の画像を副走査方向に長い複数の矩形形状の領域に区分し、これら区分された複数の領域に対応する複数の画像データを生成する。複数の画像データの各々は、黒補正及び白補正される。一般に、「黒補正」とは、イメージセンサで生成された初期画像データの画素値から、照明光が無く且つ読取光学系が暗室状態にあるときのイメージセンサの出力値(バックグラウンドの値)を差し引く補正である。また、一般に、「白補正」とは、イメージセンサで白基準板を読み取ったときに生成される画像データの画素値が、画素値を表現するためのビット数の最大値になるように、黒補正後の画素値にゲインを乗算する補正である。
しかしながら、黒補正及び白補正を行ったにもかかわらず、補正後の複数の画像データの各々の全体的な明るさが異なることがある。この場合には、複数の画像データを結合して生成される再生画像データに基づく再生画像の品質が低下する。特に、原稿の読み取り中において読取光学系から原稿までの距離が変化する場合、又は、読取光学系から基準チャート(例えば、白基準板)までの距離と読取光学系から原稿までの距離とが異なる場合には、再生画像に明暗の縞が現れることがある。
そこで、従来の画像読取装置は、各イメージセンサが読み取る読取対象の領域が、隣り合うイメージセンサ間で、部分的に重複する領域(オーバーラップ領域)を含むことを利用して、画像データの補正を行っている。具体的に言えば、従来の画像読取装置は、隣接する一方のイメージセンサがオーバーラップ領域を読み取ったときに得られる画素値の平均値と、隣接する他方のイメージセンサが同じオーバーラップ領域を読み取ったときに得られる画素値の平均値との比をゲインとして用いて、各イメージセンサで生成された複数の画像データの画素値を、ライン毎に逐次補正する技術を採用している。
特開2012−004867号公報 国際公開第2014/132583号
しかしながら、ゲインの算出に用いられるオーバーラップ領域が全体的に暗く、オーバーラップ領域の画素値が全体的に小さい値である場合には、画素値の平均値の比(ゲイン)の分母の項は小さい値であるため、算出されたゲインに含まれる誤差が大きくなる。この場合には、大きい誤差を含むゲインを用いて画像データを補正することになるので、再生画像の品質が低下する。特に、読取対象の画像のうちの、オーバーラップ領域のみが暗く、オーバーラップ領域以外の領域が明るい場合には、再生画像の品質低下(例えば、明るい領域にスジ状のムラが現れるなど)が顕著になる。
これを防ぐため、特許文献1は、算出されたゲインを評価し、必要な場合に、ゲインを前後のラインのゲインによって補間する技術を提案している。しかし、オーバーラップ領域の輝度が小さい場合に、算出された当該ラインのゲインを採用しない手法では、輝度が小さい領域における輝度差を適切に補正することができない。例えば、読取光学系から原稿までの距離が急激に変化し、かつ、輝度が小さくなるような画像の場合に、輝度が小さい領域において補正残差が大きくなり、明暗の縞が残留し易い。
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、隣り合う互いの端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサによって生成された複数の画像データを結合して生成される再生画像データの品質を高くすることができる画像処理装置、画像処理方法、画像読取装置、及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、隣り合う端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサにより、読取対象の画像を読み取ることで生成された複数の画像データから再生画像データを生成する画像処理装置であって、前記複数のイメージセンサの内の隣り合うイメージセンサのペアの一方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第1の領域を読み取り、前記ペアの内の他方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第2の領域を読み取り、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なり合った領域は、オーバーラップ領域であり、前記画像処理装置は、前記複数の画像データの明るさを補正する明るさ補正部と、前記明るさ補正部による補正後の前記複数の画像データを結合して前記再生画像データを生成する画像結合部とを備え、前記画像処理装置は、前記一方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第1のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第1の評価値と、前記他方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第2のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第2の評価値とを計算する評価値計算部と、前記第1の評価値と前記第2の評価値とを一致させるような補正パラメータとして、前記一方のイメージセンサによる前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データ用のゲイン及びオフセットと、前記他方のイメージセンサによる前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データ用のゲイン及びオフセットとを決定する補正パラメータ決定部と、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データの明るさを補正し、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データの明るさを補正する補正処理部とを有し、前記補正パラメータ決定部は、一致させる前記第1の評価値及び前記第2の評価値の一方又は両方からターゲット画素値を決定するターゲット決定部と、前記第1の評価値、前記第2の評価値、及び前記ターゲット画素値の内の少なくとも1つの値を用いて、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比と、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比を決定する按分比決定部と、前記第1の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出し、前記第2の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出するゲインオフセット算出部とを有することを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、隣り合う端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサにより、読取対象の画像を読み取ることで生成された複数の画像データから再生画像データを生成する画像処理方法であって、前記複数のイメージセンサの内の隣り合うイメージセンサのペアの一方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第1の領域を読み取り、前記ペアの内の他方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第2の領域を読み取り、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なり合った領域は、オーバーラップ領域であり、前記画像処理方法は、前記一方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第1のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第1の評価値と、前記他方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第2のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第2の評価値とを計算する評価値計算ステップと、前記第1の評価値と前記第2の評価値とを一致させるような補正パラメータとして、前記一方のイメージセンサによる前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データ用のゲイン及びオフセットと、前記他方のイメージセンサによる前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データ用のゲイン及びオフセットとを決定する補正パラメータ決定ステップと、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データの明るさを補正し、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データの明るさを補正するステップと、前記明るさが補正された前記第1及び第2の画像データを結合するステップと、を有し、前記補正パラメータ決定ステップは、一致させる前記第1の評価値及び前記第2の評価値の一方又は両方からターゲット画素値を決定するステップと、前記第1の評価値、前記第2の評価値、及び前記ターゲット画素値の内の少なくとも1つの値を用いて、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比と、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比を決定するステップと、前記第1の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出し、前記第2の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出するステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、隣り合う互いの端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサによって生成された複数の画像データを結合する前に、複数の画像データに対して、適切なゲイン及びオフセットを用いた補正処理を施すので、再生画像データの品質を高めることができる。
本発明の実施の形態1の画像読取装置の要部の構成を示す概略斜視図である。 画像読取装置の複数のイメージセンサと原稿との位置関係を示す平面図である。 実施の形態1の画像処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態1の画像読取装置の読み取りによって得られた画像データに対応する画像を示す模式図である。 実施の形態1の画像処理装置の黒補正白補正部から出力される画像データに対応する画像を示す模式図である。 実施の形態1の画像処理装置のずれ補正部から出力される画像データに対応する画像を示す模式図である。 実施の形態1の画像処理装置の明るさ補正部から出力される画像データに対応する画像を示す模式図である。 実施の形態1の画像処理装置の画像結合部から出力される画像データに対応する画像を示す模式図である。 実施の形態1の画像処理装置の補正パラメータ決定部の構成を概略的に示すブロック図である。 図9に示される按分比決定部における明るさ参考値に応じた按分比の特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態2の画像処理装置の補正パラメータ決定部の構成を概略的に示すブロック図である。 図11に示される按分比調整係数決定部における差分補正量に応じた按分比調整係数の特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態3の画像処理装置の補正パラメータ決定部の構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態1から3の変形例の画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図には、XYZ直交座標系を表すためにX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸は、主走査方向の座標軸であり、Y軸は、副走査方向の座標軸である。また、Z軸は、X軸及びY軸の両方を含むXY平面に垂直な方向の座標軸である。また、図において、読取対象としての原稿からイメージセンサに向かう方向は、+Z軸方向であり、その逆方向は、−Z軸方向である。なお、本発明は、以下に記載する実施の形態1から3に限定されるものではない。
《1》実施の形態1
《1−1》画像読取装置10
図1は、本発明の実施の形態1の画像読取装置の要部の構成を示す概略斜視図である。画像読取装置10は、読取対象としての原稿20の画像を、隣り合う互いの端部の検出範囲が重なる部分OLを有するように、基板13に並べられた複数のイメージセンサ12と、複数のイメージセンサ12に対応して配置された複数の読取光学系11とを有する。また、画像読取装置10は、複数のイメージセンサ12による原稿20の読み取りによって生成された複数の画像データを処理して、原稿20の画像に対応する再生画像データを生成する画像処理部としての画像処理装置(後述の図3に示される)を有する。画像読取装置10は、固定された複数のイメージセンサ12に対して読取対象としての原稿20が移動することで、原稿20に記載された画像を光学的に読み取る。ただし、画像読取装置10は、固定された原稿20に対して複数のイメージセンサ12が移動することで原稿20に記載された画像を光学的に読み取ってもよい。別言すれば、複数のイメージセンサ12と原稿20との少なくとも一方を副走査方向に移動させる移動機構によって、複数のイメージセンサ12と原稿20との間の副走査方向の相対的位置を変えながら、複数のイメージセンサ12は、原稿20の画像を光学的に読み取る。
図1において、原稿20は、イメージセンサ12に対して−Y軸方向(図1における矢印F方向)に移動する。相対的に、イメージセンサ12は、原稿20に対して+Y軸方向に移動する。この移動中に、イメージセンサ12は、原稿20の画像を読み取る。+Y軸方向の端の位置(図1における手前側)から−Y軸方向を見た場合における、右方向が+X軸方向であり、その逆方向が−X軸方向である。nは、複数のイメージセンサ12の主走査方向の配列の順番を表すための整数である。Nは、2以上の整数であり、複数のイメージセンサ12の個数に対応する。−X軸方向の端(図1において左端)にあるイメージセンサ12を「n=1」又は「1番目」のイメージセンサ12とも言う。+X軸方向の端(図1において右端)にあるイメージセンサ12を「n=N」又は「N番目」のイメージセンサ12とも言う。なお、n番目のイメージセンサに隣接するイメージセンサを、n−1番目のイメージセンサ、及び、n+1番目のイメージセンサと言う。
一般に、画像読取装置10の複数のイメージセンサ12が原稿20の画像を読み取る際には、画像読取装置10に備えられた図示しない光源から発せられた照明光51によって、原稿20が照明される。光源は、ハロゲンランプ又はLEDなどである。原稿20で反射又は散乱された光は、読取光学系11を通って、イメージセンサ12上に結像される。読取光学系11は、レンズ等の光学素子で構成されている。読取光学系11によって結像された光は、イメージセンサ12の複数の受光素子の各々によって電気信号に変換されて、画像データとしてメモリに出力される。
図1には、固定された複数のイメージセンサ12に対して原稿20がF方向に移動する構成が示されている。すなわち、図1には、原稿20が搬送されて、複数のイメージセンサ12が原稿20の画像を読み取る構成が示されている。複数のイメージセンサ12から出力される画像データは、原稿20の搬送と共に順次時系列でメモリに取り込まれる。そして、原稿20の搬送が終了すると、原稿20の全体の画像に対応する画像データがメモリに取り込まれる。「時系列」とは、ある現象の時間的な変化を、連続的に観測して得られた値の系列を意味する。「連続的に観測」には、継続して観測し続ける場合に加えて、一定の時間間隔毎の時点において繰り返し観測する場合、及び、不連続な時点において繰り返し観測する場合が含まれる。また、「系列」とは、一連の値のことである。
図2は、画像読取装置10の複数のイメージセンサ12と原稿20との位置関係を示す概略平面図である。図2には、千鳥状に配列された複数のイメージセンサ12の一部が示されているが、イメージセンサ12の個数は、2個以上であれば何個であってもよい。図2には、奇数番面(n=奇数)のイメージセンサ12によって形成される第1列のイメージセンサ群と、偶数番面(n=偶数)のイメージセンサ12によって形成される第2列のイメージセンサ群とが示されている。図2において、隣接するイメージセンサ12は、奇数番目のイメージセンサ12と偶数番目のイメージセンサ12とのペア(対)であり、主走査方向(X軸方向)の位置において、隣接するイメージセンサ12同士は、それら端部の検出範囲が重複するように、基板13上に配置されている。隣接するイメージセンサ12の端部の重複部分をオーバーラップ部OLと言う。各イメージセンサ12が読み取る領域は、図2に符号Dn−1,D,Dn+1で示す矩形領域であり、各イメージセンサ12が出力する画像データ(後述する図3における、IMn−1,IM,IMn+1,…)は、副走査方向に長い矩形領域Dn−1,D,Dn+1,…に対応する画像データである。
《1−2》画像処理装置30
図3は、実施の形態1の画像処理装置30の構成を概略的に示すブロック図である。画像処理装置30は、複数のイメージセンサ12の読み取りによって生成され、デジタル変換された画像データ(初期画像データ)を受け取り、これに画像処理を施して、再生画像データを生成する。画像処理装置30は、実施の形態1の画像処理方法を実施することができる装置である。図3に示されるように、画像処理装置30は、黒補正白補正部31、ずれ補正部32、画像結合部33、及び明るさ補正部40を有する。明るさ補正部40は、評価値計算部41、補正パラメータ決定部42、及び補正処理部43を有する。
主走査方向にライン状に並ぶ複数の受光素子を有するイメージセンサ12で画像を読み取る場合には、イメージセンサ12を、当該イメージセンサ12の長手方向(受光素子の配列方向、主走査方向)と直角な方向(副走査方向)に移動させるか、又は、原稿20を副走査方向に移動させる。これにより、ライン状のイメージセンサ12で、面状の画像を読み取ることができる。図1の例では、イメージセンサ12の長手方向が主走査方向であり、イメージセンサ12又は原稿20の移動方向が副走査方向である。
複数のイメージセンサ12は、第1列を構成するイメージセンサ群と、第2列を構成するイメージセンサ群とを含む。図には、複数のイメージセンサ12が、2列のイメージセンサである場合を例示する。そして、隣り合うイメージセンサは、この2列上に交互に配置されている。また、隣り合うイメージセンサは、主走査方向でその端部の検出範囲が一部重複するように千鳥状に配置されている。なお、本発明は、複数のイメージセンサ12が、主走査方向に並ぶ3列以上のイメージセンサを含む場合にも、適用可能である。
《1−3》イメージセンサ12
図4は、複数のイメージセンサ12による原稿20の画像の読み取りによって生成された画像データに対応する画像を示す模式図である。図4に示されるように、複数のイメージセンサ12の読み取りによって得られた画像データであって、画像処理装置30に入力される画像データIMn−1,IM,IMn+1,…を「初期画像データ」と言う。図4において、複数のイメージセンサ12は、下から上に向けて(−Y軸方向に)移動しながら、原稿20の画像を光学的に読み取る。
複数のイメージセンサ12による原稿20の読み取りによって得られた画像データIMn−1,IM,IMn+1,…は、原稿20を主走査方向の線で分割した矩形形状の画像に対応する画像データになる。図4において、画像データIMn−1は、n−1番目のイメージセンサ12の読み取りによって得られた画像データである。画像データIMは、n番目のイメージセンサ12の読み取りによって得られた画像データである。画像データIMn+1は、n+1番目のイメージセンサ12の読み取りによって得られた画像データである。同時刻の読み取りで取得された画像データD0は、隣り合う矩形画像に対応する画像データIMn−1,IM,IMn+1で、原稿20の異なる位置の画像データである。なお、図に示される点線「…」は、矩形画像IMn−1の−X軸方向にも矩形画像に対応する画像データが有ることを示し、矩形画像IMn+1の+X軸方向にも矩形画像に対応する画像データが有ることを示している。
実際には、画像処理装置30は、一連の処理を、原稿20による読み取りと並行して、リアルタイム処理で行う。このため、画像処理装置30による処理は、副走査方向の数画素分の画像データに対して行うことができる。すなわち、画像処理装置30は、原稿20の副走査方向の読み取りが進むにつれて、メモリから、画像処理の確定した一画素分の画像データを削除するとともに、新たに読み込まれた一画素分の画像データをメモリに追加して一時的に記憶させ、順次、画像結合処理が行われる。ここで、「画像データを削除」とは、例えば、メモリからプリンタ等の外部機器へ出力することである。また、「リアルタイム処理」とは、データが発生したときに、そのたびごとに処理を行うことである。「データサイズ」とは、画像データの大きさのことであり、画素数で表すことができる。
《1−4》黒補正白補正部31
黒補正白補正部31は、複数のイメージセンサ12から出力された初期画像データを入力信号として受け取る。黒補正白補正部31は、受け取った初期画像データに黒補正及び白補正を行う。黒補正及び白補正の両方を含む処理を「シェーディング補正」とも言う。
「黒補正」とは、得られている初期画像データの画素値から、照明光51が無く且つ読取光学系11が暗室状態にあるときのイメージセンサ12の出力値を差し引く補正である。ここで、初期画像データは、イメージセンサ12から出力され、デジタル変換された画像データである。また、画素値は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の信号強度である。「照明光51が無く」とは、照明しない状態である。また、照明光51が無く且つ読取光学系11が暗室状態にあるときのイメージセンサ12の出力を「バックグラウンド」とも言う。このバックグラウンドの値は、原稿20を読み取る前に取得し、記憶されている値である。
また、「白補正」とは、白色基準面としての白い原稿20を読み取ったときに得られた画像データの画素値が、画素値を表現するビット数の最大値になるように、黒補正後の画素値にゲインを乗算する補正である。この最大値は、例えば、8ビット画像では255であり、10ビット画像では1023である。このゲインは、原稿20を読み取る前に事前に、白基準板14を読み取った結果に基づいて設定される。ゲインは、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の信号について、個別に算出される。
白補正では、白い原稿20を読み取った際に、白の画像データを出力しない誤差要因に基づく誤差を全て同時に補正する。誤差要因は、例えば、照明光51の主走査方向の照度分布のばらつき、読取光学系11の周辺光量比、及びイメージセンサ12の各受光素子の感度のばらつき等である。黒補正白補正部31が行う白補正処理によって、均一な明るさの原稿20を読み取った際に、均一な明るさの再生画像データ(複写画像データ)が得られるようになる。「均一な明るさ」とは、輝度及び濃度が均一なことである。
しかし、再生画像データ全体の明るさを均一化するための補正を行っても、実際には、下記の要因(A1)〜(A4)により、補正された再生画像データに基づく再生画像には、主走査方向の異なる領域に明暗の縞が現れることがある。
要因(A1)は、原稿20から読取光学系11までの距離が、白補正に用いられる白基準板14から読取光学系11までの距離と異なることである。要因(A1)は、設計的な制約によって発生する場合が多い。
要因(A2)は、要因(A1)によって、照明光51の主走査方向の照度分布及び副走査方向の照度分布が、原稿20を読み取る際と白基準板14を読み取る際とで異なることである。要因(A2)は、設計的な制約によって発生する場合が多い。
要因(A3)は、2列のイメージセンサ12に対する照明光51による副走査方向の照度分布の位置ずれである。イメージセンサ12は、照明光51によって照明された原稿20を読み取る。イメージセンサ12は、副走査方向に2列に配置されている。このため、原稿20のイメージセンサ12の読取位置15は、第1列のイメージセンサ12と第22列のイメージセンサとの間で異なる。各列のイメージセンサ12の読取位置15の照度分布が異なると主走査方向に明暗の縞が現れる要因となる。要因(A3)は、製造誤差による場合が多い。「2列のイメージセンサ」における「2列」とは、図1及び図2に示される複数の奇数番目のイメージセンサ12の列と、複数の偶数番目のイメージセンサ12の列とのことである。
要因(A4)は、各列のイメージセンサ12の読取位置15が、副走査方向に、ばらついていることである。要因(A4)は、製造誤差による場合が多い。上述のとおり、奇数番目のイメージセンサ12の読取位置15と偶数番面のイメージセンサ12の読取位置15とは、副走査方向で異なっている。要因(A4)は、例えば、奇数番目のイメージセンサ12の中で、さらに副走査方向の読取位置15にばらつきがあるということである。
図5は、黒補正白補正部31から出力された画像データIM1n−1,IM1,IM1n+1,…に対応する画像を示す模式図である。各イメージセンサ12は、画素に対応する複数の受光素子を有している。そして、イメージセンサ12の各々の受光素子は、固有のバックグラウンドの値及びゲインの値を有している。つまり、画像データの全体で、主走査方向の画素の1つずつが固有のバックグラウンドの値及びゲインの値を有している。黒補正白補正部31は、図4に示される黒補正及び白補正前の画像データIMn−1,IM,IMn+1,…を、黒補正(例えば、画素値からバックグラウンドの値を減算)及び白補正(例えば、黒補正後の画素値を、画素値を表現するビット数の最大値にする)して、黒補正及び白補正された画像データ(黒白補正画像データ)IM1n−1,IM1,IM1n+1,…を生成する。
《1−5》ずれ補正部32
図6は、ずれ補正部32から出力された画像データIM2n−1,IM2,IM2,…に対応する画像を示す模式図である。黒補正白補正部31から出力された画像データIM1n−1,IM1,IM1n+1,…は、ずれ補正部32に入力される。ずれ補正部32は、図5に示される複数の画像データIM1n−1,IM1,IM1n+1,…に対応する複数の矩形画像の間の副走査方向の位置ずれを補正して、図6に示される画像データIM2n−1,IM2,IM2n+1,…を生成する。すなわち、画像データIM1n−1,IM1,IM1n+1,…の間の位置ずれの補正は、黒補正及び白補正の行われた後の画像データに対して行われる。ずれ補正部32の補正処理によって得られた画像データIM2n−1,IM2,IM2n+1,…を、「ずれ補正画像データ」とも言う。
図1に示されるように、隣り合うイメージセンサ12の原稿20上の読取位置15は、副走査方向にずれている。このため、図4に示されるように、同時刻の読み取りによって得られた画像データD0(図4に示される)で見ると、隣り合うイメージセンサ12の読み取りによって得られた初期画像データに応じた矩形画像は、副走査方向にずれている。また、上記要因(A4)によって、詳細に見れば、同時刻の読み取りで取得された画像データD0で、同じ列のイメージセンサ12の初期画像は、副走査方向にずれている。ずれ補正部32は、このような副走査方向の画像のずれを補正して、図6に示されるような、画像データIM2n−1,IM2,IM2n+1,…を生成する。
《1−6》明るさ補正部40
明るさ補正部40は、複数の画像データIM2n−1,IM2,IM2n+1,…を受け取り、複数の画像データIM2n−1,IM2,IM2n+1,…に対応する複数の矩形画像の間の明るさを互いに合わせる(すなわち、一致させる)ための処理を行う。すなわち、明るさ補正部40は、矩形画像IM2n−1,IM2,IM2n+1,…を結合した際の全体的な明るさを合わせる(すなわち、均一にする)ための処理を行う。ここで、「明るさ」とは、輝度のことである。明るさ補正部40で行われる明るさ補正処理は、オーバーラップ領域を利用して行われる。明るさ補正部40による補正によって生成された画像データIM3n−1,IM3,IM3n+1,…を「明るさ補正画像データ」とも言う。
図7は、明るさ補正部40から出力される画像データIM3n−1,IM3,IM3n+1,…に対応する画像を示す模式図である。明るさ補正画像データIM3n−1,IM3,IM3n+1,…は、画像結合部33に入力される。
《1−7》画像結合部33
画像結合部33は、明るさ補正された画像データIM3n−1,IM3,IM3n+1,…の結合処理を行う。画像結合部33で結合処理された画像データは、「再生画像データ」IM4である。図8は、画像結合部33から出力される画像データIM4に対応する画像を示す模式図である。
《1−8》明るさ補正部40の詳細
以下、明るさ補正部40について詳細に説明する。以下の説明では、赤をRと表現し、緑をGと表現し、青をBと表現する。そして、それぞれの色の画素について、同じ数式を用いる場合には、R、G及びBを、共通の記号「*」で表現する。
図6に示されるように、領域In−1は、n−1番目のイメージセンサ12の読み取りによって得られた画像データに基づく、ずれ補正後の画像データIM2n−1の内、オーバーラップ部OLに対応するオーバーラップ領域Rn−1及びLn−1を除いた領域である。同様に、領域Iは、n番目のイメージセンサ12の読み取りによって得られた画像データに基づく、ずれ補正後の画像データIM2の内、オーバーラップ部OLに対応するオーバーラップ領域R及びLを除いた領域である。同様に、領域In+1は、n+1番目のイメージセンサ12の読み取りによって得られた画像データに基づく、ずれ補正後の画像データIM2n+1の内、オーバーラップ部OLに対応するオーバーラップ領域Rn+1及びLn+1を除いた領域である。
オーバーラップ領域Rn−1は、画像データIM2n−1の中の画像データIM2側(図6において、右側)のオーバーラップ領域である。同様に、オーバーラップ領域Rは、画像データIM2の中の画像データIM2n+1側(図6において、右側)のオーバーラップ領域である。オーバーラップ領域Rn+1は、画像データIM2n+1の中の画像データIM2n+2側(図6において、右側)のオーバーラップ領域である。ただし、図6では、画像データIM2n+2の記載を省略している。
また、オーバーラップ領域Ln−1は、画像データIM2n−1の中の画像データIM2n−2側(図6において、左側)のオーバーラップ領域である。同様に、オーバーラップ領域Lは、画像データIM2の中の画像データIM2n−1側(図6において、左側)のオーバーラップ領域である。オーバーラップ領域Ln+1は、画像データIM2n+1の中の画像データIM2側(図6において、左側)のオーバーラップ領域である。ただし、図6では、画像データIM2n−2の記載を省略している。
明るさ補正処理について、画像データIM2n−1、画像データIM2及び画像データIM2n+1を用いて説明する。図6に示されるように、ずれ補正部32によって、画像データIM2n−1、画像データIM2及び画像データIM2n+1は副走査方向(Y軸方向)のずれが補正されている。このため、オーバーラップ領域Rn−1の画像データとオーバーラップ領域Lの画像データとは原稿20の面上では同じ領域の画像データとなる。すなわち、オーバーラップ領域Rn−1の画像データとオーバーラップ領域Lの画像データとは、同じ画素値となるはずである。つまり、オーバーラップ領域Rn−1の画像データとオーバーラップ領域Lの画像データとは、同じ明るさとなるはずである。しかし、前述の理由により、オーバーラップ領域Rn−1の画像データとオーバーラップ領域Lの画像データとは、同じ画素値にはならない。
また、オーバーラップ領域Rの画像データとオーバーラップ領域Ln+1の画像データとは、原稿20の面上では同じ領域の画像データとなる。すなわち、オーバーラップ領域Rの画像データとオーバーラップ領域Ln+1の画像データとは、同じ画素値となるはずである。つまり、オーバーラップ領域Rの画像データとオーバーラップ領域Ln+1の画像データとは、同じ明るさとなるはずである。しかし、前述の理由により、オーバーラップ領域Rの画像データとオーバーラップ領域Ln+1の画像データとは、同じ画素値にはならない。そこで、明るさ補正部40の各構成にて、以下のような処理を行う。
〔評価値計算部41及び補正パラメータ決定部42〕
評価値計算部41は、オーバーラップ領域の画像データの画素値の合計値に基づく評価値として、オーバーラップ領域Rn−1に含まれる所定の大きさのウィンドウの画像データの平均値ARn−1(*)(第1の評価値)と、オーバーラップ領域Lに含まれる所定の大きさのウィンドウの画像データの平均値AL(*)(第2の評価値)とを計算する。
次に、補正パラメータ決定部42は、平均値ARn−1(*)と平均値AL(*)とが一致するように、オーバーラップ領域Lに対するゲインGainL(*)及びオフセットOfstL(*)と、オーバーラップ領域Rn−1に対するゲインGainRn−1(*)及びオフセットOfstRn−1(*)とを決定する。
また、評価値計算部41は、オーバーラップ領域Rに含まれる所定の大きさのウィンドウの画像データの平均値AR(*)と、オーバーラップ領域Ln+1に含まれる所定の大きさのウィンドウの画像データの平均値ALn+1(*)とを計算する。
次に、補正パラメータ決定部42は、平均値AR(*)と平均値ALn+1(*)とが一致するように、オーバーラップ領域Rに対するゲインGainR(*)及びオフセットOfstR(*)と、オーバーラップ領域Ln+1に対するゲインGainLn+1(*)及びオフセットOfstLn+1(*)とを決定する。補正パラメータ決定部42は、同様の処理を、他のオーバーラップ領域についても実行する。
〔補正パラメータ決定部42の詳細〕
補正パラメータ決定部42によるゲインとオフセットの決定方法について詳細に述べる。図9は、補正パラメータ決定部42の構成を概略的に示すブロック図である。補正パラメータ決定部42は、互いに重なるオーバーラップ領域(例えば、Rn−1とL)をオーバーラップ領域のペアとして、それぞれの平均値(例えば、ARn−1(*)とAL(*))を受け取り、互いのオーバーラップ領域(例えば、Rn−1とL)のそれぞれについてのゲインとオフセットを算出する。
図9に示されるように、補正パラメータ決定部42は、ターゲット決定部421と、按分比決定部422と、ゲインオフセット算出部423とを有する。ターゲット決定部421は、オーバーラップ領域のペアのそれぞれの平均値(例えば、ARn−1(*)とAL(*))から補正後のターゲット画素値(例えば、Target(*))を決定する。按分比決定部422は、ターゲット決定部421で決定されたターゲット画素値(例えば、Target(*))を用いて、ゲインとオフセットの按分比γを決定する。ゲインオフセット算出部423は、按分比決定部422から受け取った按分比γを用いて、オーバーラップ領域のペアのそれぞれの平均値がターゲット画素値(例えば、Target(*))になるような互いのオーバーラップ領域についてのゲインとオフセットとを算出する。
〔ターゲット決定部421〕
ターゲット決定部421は、オーバーラップ領域Rn−1とオーバーラップ領域Lのペアのそれぞれの平均値ARn−1(*)と平均値AL(*)とから、オーバーラップ領域Rn−1とオーバーラップ領域Lとの間のターゲット画素値Target(*)を決定する。また、ターゲット決定部421は、オーバーラップ領域Rとオーバーラップ領域Ln+1のペアのそれぞれの平均値AR(*)と平均値ALn+1(*)から、オーバーラップ領域Rとオーバーラップ領域Ln+1との間のターゲット画素値Targetn+1(*)を決定する。ターゲット決定部421は、他のペアについても、同様の処理を行う。
ターゲット決定部421は、次式(1)に示されるように、オーバーラップ領域のペアのそれぞれの平均値の小さい方の値をターゲット画素値Target(*),Targetn+1(*),…とする。
Figure 0006249939
あるいは、ターゲット決定部421は、次式(2)に示されるように、オーバーラップ領域のペアの2つの平均値の中央の値をターゲット画素値Target(*),Targetn+1(*),…としてもよい。
Figure 0006249939
ターゲット画素値Target(*),Targetn+1(*),…を式(1)で求める場合には、一方のオーバーラップ領域のみが照明の正反射等の影響で不必要に明るくなったような場合に、他方の正反射のない原稿の地の色をターゲット画素値とすることで、不必要な照明成分の影響を低減することができる。
また、ターゲット画素値Target(*),Targetn+1(*),…を式(2)で求める場合には、両者のオーバーラップ領域の明るさを均等に補正することで、全体的な明るさ、補正前の画像からの明るさの変化を小さくすることができる。
なお、ターゲット画素値Target(*),Targetn+1(*),…は、両者のオーバーラップ領域の平均値の間の任意の値であってもよい。
〔按分比決定部422〕
按分比決定部422は、オーバーラップ領域Rn−1とオーバーラップ領域Lとの間のターゲット画素値Target(*)を明るさ参考値とし、この明るさ参考値に応じてオーバーラップ領域Lにおける按分比γL_n(*)とオーバーラップ領域Rn−1における按分比γR_n−1(*)を決定する。また、オーバーラップ領域Rとオーバーラップ領域Ln+1との間のターゲット画素値Targetn+1(*)を明るさ参考値とし、この明るさ参考値に応じてオーバーラップ領域Rにおける按分比γR_n(*)とオーバーラップ領域Ln+1における按分比γL_n+1(*)を決定する。按分比決定部422は、他のペアについても、同様の処理を行う。
明るさ参考値BRに応じて按分比γ(BR)を決めるための、計算式の例を、式(3)に示す。
Figure 0006249939
ここで、BRは明るさ参考値、Tp1はオフセット適用切替点(第1の明るさ閾値)、Tp2はゲイン適用切替点(第2の明るさ閾値)である。オフセット適用切替点Tp1及びゲイン適用切替点Tp2は、予め決められた値を用いてもよいし、又は、外部の情報を用いて変更可能なパラメータとしてもよい。
図10は、式(3)で求められた按分比γ(BR)の特性を示すグラフである。明るさ参考値BRがオフセット適用切替点Tp1より小さい場合には、按分比γ(BR)が大きくなる(γ(BR)=1)。明るさ参考値BRがゲイン適用切替点Tp2より大きい場合には、按分比γ(BR)が小さくなる(γ(BR)=0)。明るさ参考値BRがオフセット適用切替点Tp1以上ゲイン適用切替点Tp2以下の場合には、明るさ参考値BRに応じて按分比γ(BR)が単調に減少する。
なお、ここでは、後述するように、按分比γ(BR)が大きいほどオフセットによる補正の割合が大きく、按分比γ(BR)が小さいほどオフセットによる補正の割合が小さい(すなわち、ゲインによる補正の割合が大きい)。さらに、γ(BR)=1のときオフセットによる補正の割合が最大であり、γ(BR)=0のときオフセットによる補正の割合が最小である(すなわち、ゲインによる補正の割合が最大である)。
按分比決定部422は、式(3)及び図10の関係を用いて、オーバーラップ領域Lにおける按分比γL_n及びオーバーラップ領域Rn−1における按分比γR_n−1、オーバーラップ領域Rにおける按分比γR_n及びオーバーラップ領域Ln+1における按分比γL_n+1を、式(4)により決定する。
Figure 0006249939
式(4)では、それぞれのオーバーラップ領域のターゲット画素値Target(*),Targetn+1(*),…を明るさ参考値とする。
あるいは、按分比決定部422は、按分比γL_n及び按分比γR_n−1、並びに、按分比γR_n及び按分比γL_n+1を、式(5)により決定してもよい。式(5)においては、それぞれのオーバーラップ領域の平均値AL,ARn−1,…を明るさ参考値とする。
Figure 0006249939
按分比を式(4)で求める場合には、互いに重なるオーバーラップ領域(Rn−1とL、RとLn+1など)のペアに対して同じ按分比を与えることができる。そのため、隣り合うイメージセンサ12の画像間で補正パラメータが大きく異ならないようにすることができる。
按分比を式(5)で求める場合には、後述するゲインの計算において分母となる値を直接に評価することで、分母の項が小さくなり演算誤差の影響が大きくなるという弊害の生じるゲインの採用をより効果的に回避することができる。
〔ゲインオフセット算出部423〕
ゲインオフセット算出部423は、オーバーラップ領域Rn−1とオーバーラップ領域Lのペアのそれぞれの平均値ARn−1(*)と平均値AL(*)、ターゲット画素値Target(*)、及び、按分比γL_n及び按分比γR_n−1を用いて、式(6)により、オーバーラップ領域Lに対するゲインGainL(*)及びオフセットOfstL(*)とオーバーラップ領域Rn−1に対するゲインGainRn−1(*)及びオフセットOfstRn−1(*)を求める。ゲインオフセット算出部423は、他のペアについても、同様の処理を行う。
Figure 0006249939
また、ゲインオフセット算出部423は、オーバーラップ領域Rとオーバーラップ領域Ln+1のペアのそれぞれの平均値AR(*)と平均値ALn+1(*)、ターゲット画素値Targetn+1(*)、及び、按分比γR_n及び按分比γL_n+1を用いて、式(7)により、オーバーラップ領域Rに対するゲインGainR(*)及びオフセットOfstR(*)とオーバーラップ領域Ln+1に対するゲインGainLn+1(*)及びオフセットOfstLn+1(*)を求める。ゲインオフセット算出部423は、他のペアについても、同様の処理を行う。
Figure 0006249939
ただし、ゲインオフセット算出部423は、n=1番目のイメージセンサ12における左側(−X軸側)のオーバーラップ領域L及びn=N番目のイメージセンサ12における右側(+X軸側)のオーバーラップ領域Rに対するゲインとオフセットは、式(8)により決定する。
Figure 0006249939
あるいは、ゲインオフセット算出部423は、オーバーラップ領域L及びオーバーラップ領域Rに対するゲインとオフセットを、次式(9)により決定してもよい。
Figure 0006249939
式(6)及び(7)により、ゲインGainL(*)、オフセットOfstL(*)、ゲインGainLn+1(*)、オフセットOfstLn+1(*)を算出することにより、オフセットは、按分比が1のときはターゲット画素値から当該オーバーラップ領域の平均値を引いた差分の値となる。また、オフセットは、按分比が0のときは0となる。また、オフセットは、按分比が0と1の間にあるときは、差分の値と値0との2つの値を按分比により按分した値となる。
また、式(6)及び(7)により、ゲインは、按分比が1のときは1となる。また、ゲインは、按分比が0のときは、ターゲット画素値を当該オーバーラップ領域の平均値で割った比率の値となる。また、ゲインは、按分比が0と1の間にあるときは、比率の値と値1との2つの値を按分比により按分した値となる。
また、前述したように、原稿20を読み取りながら順次画像結合処理を行うので、オーバーラップ領域R及びLのサイズは、主走査方向の画素及び副走査方向の画素数が共に数十画素程度となる。
式(1)から式(7)ではオーバーラップ領域の画素値の評価値として平均値を用いているが、オーバーラップ領域の画像データの画素値の合計値に基づく評価値として、平均値に代えて、オーバーラップ領域の画像データの和(積算値)を用いてもよい。オーバーラップ領域Rn−1に含まれる画像データの和をTRn−1(*)と定義して、オーバーラップ領域Lに含まれる画像データの和をTL(*)と定義する。また、オーバーラップ領域Rに含まれる画像データの和をTR(*)と定義して、オーバーラップ領域Ln+1に含まれる画像データの和をTLn+1(*)と定義する。オーバーラップ領域Rn−1及びオーバーラップ領域Lを代表するパラメータ値及び、オーバーラップ領域R及びオーバーラップ領域Ln+1を代表するパラメータ値を次式(10)から(13)のように求めることもできる。
Figure 0006249939
Figure 0006249939
Figure 0006249939
Figure 0006249939
ここで、Winsizeは和をとるオーバーラップ領域の画像データの画素数である。平均値の代わりに和を用いる場合には、式(12)及び式(13)において、オフセットを算出する際に、ターゲット値とオーバーラップ領域の和の差分をオーバーラップ領域の画素数Winsizeで除算することのみが式(6)及び式(7)と異なる。なお、オーバーラップ領域Lに含まれる画像データの和をTL(*)と定義する。また、オーバーラップ領域Rに含まれる画像データの和をTR(*)と定義して、オーバーラップ領域Ln+1に含まれる画像データの和をTLn+1(*)と定義する。オーバーラップ領域Rn−1及びオーバーラップ領域Lを代表するパラメータ値及び、オーバーラップ領域R及びオーバーラップ領域Ln+1を代表するパラメータ値を次式(10)から(13)のように求めることもできる。
〔補正処理部43〕
補正処理部43は、上記で求めた左右端のオーバーラップ領域を代表するパラメータ、すなわち、ゲインGainL(*)、オフセットOfstL(*)及びゲインGainR(*)、オフセットOfstR(*)を用いて、n番目のイメージセンサ12の画像データに対応する、図6の画像データIM2の画像データIの明るさの補正処理を行う。
n番目のイメージセンサ12の画像データIM2の主走査方向の画素数からオーバーラップ領域の主走査方向の画素数を引いた画素数をNI画素とする。また、オーバーラップ領域の主走査方向の幅を画素数で表してNO画素とする。すなわち、画素数NIに画素数NOの2倍を加算した値は、画像データIM2の主走査方向の画素数である。画素数NOの2倍を加算する理由は、+X軸方向のオーバーラップ領域Rの主走査方向の画素数と−X軸方向のオーバーラップ領域の主走査方向の画素数Lとを加算するからである。このとき、画像データIM2に含まれる画素の位置は、画素の順番iで表すことができる。画素の順番iは、−X軸方向から+X軸方向に、i=0,1,2,3,…,(NI+2×NO−1)と表現することができる。
この表記を用いて、画像データIM2の主走査方向でi番目に位置する画素の補正パラメータは、式(14)及び(15)のように求められる。
Figure 0006249939
Figure 0006249939
上記のように補正処理部43は、補正パラメータGainni及びOfstniが求められれば、画像データIM2の各画素の画素値にGainniを乗算した後、Ofstniを加算する。補正処理部43が、画素値の最大値でクリッピングすることで、明るさ補正画像を得ることができる。最大値は、例えば、8ビット画像の場合には255であり、10ビット画像の場合には1023である。したがって、全てのイメージセンサ12から得られる画像データの明るさを滑らかに繋ぎ合わせることができる。
また、補正処理部43は、補正対象とする画像データの一端を第1の端とし、他端を第2の端として、第1の端のオーバーラップ領域を第1のオーバーラップ領域とし、第2の端のオーバーラップ領域を第2のオーバーラップ領域としたとき、以下のようにゲイン及びオフセットを決定することができる。例えば、補正対象の画像データの各画素に乗算するゲイン及び加算するオフセットの値を、第1のオーバーラップ領域(例えば、図7のLn)では、補正パラメータ決定部42により決定された第1のオーバーラップ領域に対するゲインとオフセットとし、第2のオーバーラップ領域(例えば、図7のRn)では、補正パラメータ決定部42により決定された第2のオーバーラップ領域に対するゲインとオフセットとし、第1のオーバーラップ領域と第2のオーバーラップ領域の間の中央部分(例えば、図7のIn)では、補正パラメータ決定部42により決定された第1のオーバーラップ領域に対するゲインとオフセットから第2のオーバーラップ領域に対するゲインとオフセットへと当該画素の位置に応じて滑らかに変化するようにゲイン及びオフセットを決定してもよい。
《1−7》画像結合部33
画像結合部33の行う画像結合処理は、原稿20の搬送に従い、明るさ補正処理の確定した副走査方向の1ライン分の画像データを結合し出力する。そして、新たに読み取られた副走査方向の1ライン分の画像データが追加される。
実施の形態1の画像処理装置30は、原稿20の搬送に従い、前述の処理を副走査方向に順次繰り返し行う。ここで、明るさ補正部40は、明るさ補正を副走査方向のサイズを1ラインとしたオーバーラップ領域で行うことも可能である。このため、前述の一連の画像処理では、副走査方向が1ラインの画像データを読み込むごとに、副走査方向が1ラインの画像処理結果を出力する。しかし、副走査方向を1ラインで処理すると、ノイズ成分が混入して、TRn(*)の精度又はAR(*)の精度が低くなる場合がある。その結果、良好な明るさ補正が行えないこととなる。したがって、オーバーラップ領域の副走査方向の平均値は、複数の画素を用いるのが望ましい。明るさ補正部40に好適なのは、経験的に、主走査方向が10画素程度、副走査方向が32ライン程度である。
《1−8》効果
以上説明したように、実施の形態1の画像読取装置10は、多数の受光素子を直線状に並べた複数のイメージセンサ12を配置している。また、画像読取装置10は、隣り合うイメージセンサ12を互いの端部の検出範囲が重なるように主走査方向に並べている。
実施の形態1の画像処理装置30は、黒補正白補正部31、ずれ補正部32、明るさ補正部40及び画像結合部33を有する。黒補正白補正部31は、イメージセンサ12から出力された各画像データに対して、黒補正及び白補正を行う。ずれ補正部32は、黒補正白補正部31で補正された補正後の各画像データに対して、副走査方向のずれの補正を行う。明るさ補正部40は、ずれ補正部32で副走査方向のずれが補正されたずれ補正画像のデータを用いて、主走査方向の両方の端部のオーバーラップ領域に含まれる画素の平均値を各々算出し、それらの平均値を用いて補正パラメータを算出する。明るさ補正部40は、その補正パラメータを用いて、ずれ補正画像に対して明るさ補正を行う。画像結合部33は、明るさ補正部40で明るさが補正された明るさ補正画像を結合して再生画像を生成する。
したがって、実施の形態1の画像処理装置によれば、オーバーラップ領域を利用して、各イメージセンサ12の画像データ間の全体的な明るさ(輝度)を合わせる明るさ補正により、何らかの特別なハードウェアを追加する必要なく、また、原稿を読み取る前に特殊な基準チャートを読み取り、事前に補正することなく、主走査方向の明暗の縞の発生を抑えられる。これにより、実施の形態1の画像処理装置によれば、より原稿20に忠実な再生画像データを得ることができる。
また、明るさ補正部40は、評価値計算部41と、補正パラメータ決定部42と、補正処理部43とを有する。評価値計算部41は、ずれ補正部32で副走査方向のずれが補正されたずれ補正画像のデータを用いて、主走査方向の両方の端部のオーバーラップ領域に含まれる画素の平均値を各々算出する。補正パラメータ決定部42は、それらの平均値を用いてゲインとオフセットとからなる補正パラメータを算出する。補正処理部43は、その補正パラメータを用いて、画素値に乗算及び加算による補正を施し、その結果をクリッピングする。
さらに、明るさ補正部40における補正パラメータ決定部42は、ターゲット決定部421、按分比決定部422、及びゲインオフセット算出部423を有する。ターゲット決定部421は、オーバーラップ領域のそれぞれの平均値からターゲット画素値を決定する。按分比決定部422は、オーバーラップ領域のそれぞれの平均値又はターゲット画素値のいずれかを明るさ参考値とし、明るさ参考値に応じてゲインとオフセットの按分比を決定する。ゲインオフセット算出部423は、オーバーラップ領域のそれぞれの平均値がターゲット画素値になるようなゲインとオフセットとを、按分比を用いて算出する。
特許文献1に示される技術では、隣り合うイメージセンサの画像のオーバーラップ領域の画素値の平均値の比、すなわちゲインを用いて画像の明るさを補正する。これは、実施の形態1における式(6)及び式(7)で按分比(γL_n(*)、γR_n−1(*)、γR_n(*)、γL_n+1(*))がゼロである場合に相当する。式(6)及び式(7)から分かるように、ゲインを求める際には当該オーバーラップ領域の平均値(AL(*)、ARn−1(*)、AR(*)、ALn+1(*))が分母に来るため、平均的に画素値が小さい(輝度が小さい)領域では、演算誤差の影響が大きくなる。
ここで、演算誤差の影響とは、ノイズ等の影響で分母に来る値が変動すると、それが小さな変動であっても、ゲイン値としては大きな変動となることである。これにより、特に、オーバーラップ領域のみ輝度が小さく、オーバーラップ領域以外の領域で輝度が大きくなるような画像の場合に、オーバーラップ領域をもとに求めた演算誤差の影響が大きいゲインの値を、オーバーラップ領域以外の領域まで適用することになるので、黒い部分からスジ状のムラが引いたような箇所が発生し易いという問題が発生する。
この弊害を抑制するために、特許文献1に示される技術では、平均輝度を評価値として、ゲインの演算エラーを判別し、演算エラーとなる範囲のゲインを前後のラインのゲインから補間することが提案されている。しかし、輝度が小さい場合にゲイン演算エラーと判別すると、当該ラインのゲインが採用されなくなるため、輝度が小さい領域では輝度差を十分に補正することができない。
実施の形態1の画像処理装置30によれば、明るさ補正のために、ゲインだけでなく、オフセットをも用いることにより、上述した課題を回避することができる。実施の形態1における式(6)及び式(7)で按分比(γL_n(*)、γR_n−1(*)、γR_n(*)、γL_n+1(*))が1に近い場合には、オフセットによる補正が支配的になる。オフセットによる補正値は、隣り合うイメージセンサの画像のオーバーラップ領域の画素値の平均値の差により求められるため、輝度が小さい領域であっても大きく変動しない(演算誤差の影響が小さい)。これにより、オーバーラップ領域のみ輝度が小さく、オーバーラップ領域以外の領域で輝度が大きくなるような画像の場合に、オーバーラップ領域をもとに求めたオフセット値を、オーバーラップ領域以外の輝度が大きい領域に適用しても悪影響を及ぼさない。したがって、ゲインを用いる場合に見られたようなスジ状のムラが発生することを防ぐことができる。
また、実施の形態1において、按分比決定部422は、オーバーラップ領域のそれぞれの平均値又はターゲット画素値のいずれかを明るさ参考値とし、明るさ参考値が小さい場合にオフセットによる補正の割合が大きくなるように按分比を決定するようにしたので、輝度が小さい領域にはオフセットによる補正が適用される。したがって、輝度が小さい場合に、ゲイン演算エラーと判別する特許文献1の方法に見られたような、輝度が小さい領域で輝度差を十分に補正することができない問題は発生しない。すなわち、輝度が小さい領域でも高精度に隣り合うイメージセンサの画像の明るさの差を補正することができる。
したがって、実施の形態1の画像処理装置によれば、スジ状のムラが発生するのを防ぎ、かつ、輝度が小さい領域でも高精度に隣り合うイメージセンサの画像の明るさの差を補正することができる。
《2》実施の形態2
《2−1》画像処理装置
図11は、本発明の実施の形態2の画像処理装置における補正パラメータ決定部42aの構成を概略的に示すブロック図である。図11において、図9(実施の形態1)に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図9における符号と同じ符号を付す。実施の形態2の補正パラメータ決定部42aは、図3に示される画像処理装置30における、補正パラメータ決定部42に代えて、図3の画像処理装置30に備えることができる。したがって、実施の形態2の説明においては、図3をも参照する。実施の形態2の画像処理装置の補正パラメータ決定部42aは、按分比調整係数決定部424を備えている点、及び、按分比決定部422aが、按分比調整係数を用いて、按分比を決定する点において、実施の形態1の補正パラメータ決定部42と異なる。実施の形態2におけるターゲット決定部421及びゲインオフセット算出部423は、実施の形態1のものと同じである。
《2−2》按分比調整係数決定部424
実施の形態2の按分比決定部422aは、ターゲット画素値(又はオーバーラップ領域のペアのそれぞれの平均値)を明るさ参考値とし、明るさ参考値が小さい場合にオフセットによる補正の割合が大きくなるよう按分比を決定する点において、実施の形態1の按分比決定部422と同様である。しかし、実施の形態2の按分比決定部422aは、実施の形態1と同様の方法で決定された按分比γに、按分比調整係数決定部424において決定される按分比調整係数δを掛けたものを最終的な按分比Γとして出力する点が、実施の形態1の按分比決定部422と異なる。
ここで、按分比調整係数決定部424は、オーバーラップ領域のペアのそれぞれの平均値とターゲット画素値との差分を差分補正量とし、差分補正量が大きい場合にオフセットの割合が小さくなるように按分比調整係数を決定する。
按分比調整係数決定部424には、例えば、オーバーラップ領域Rn−1とオーバーラップ領域Lとに着目すると、それぞれの平均値ARn−1(*)と平均値AL(*)、及び、ターゲット画素値Target(*)の両方が入力される。
按分比調整係数決定部424は、オーバーラップ領域Rn−1について、平均値ARn−1(*)とターゲット画素値Target(*)の差分(ARn−1(*)−Target(*))を差分補正量とし、差分補正量に応じてオーバーラップ領域Rn−1に対する按分比調整係数δR_n−1(*)を決定する。また、オーバーラップ領域Lについて平均値AL(*)とターゲット画素値Target(*)との差分(AL(*)−Target(*))を差分補正量とし、差分補正量に応じてオーバーラップ領域Lに対する按分比調整係数δL_n+1(*)を決定する。
差分補正量に応じて按分比調整係数δを決める関係の例を、次式(16)に示す。
Figure 0006249939
ここで、DFは差分補正量、Td1は差分に対するオフセット適用切替点(第1の差分閾値)、Td2は差分に対するゲイン適用切替点(第2の差分閾値)である。オフセット適用切替点Td1及びゲイン適用切替点Td2は、予め決められた値を用いてもよいし、又は、外部の情報を用いて変更可能なパラメータとしてもよい。
図12は式(16)の特性を示すグラフである。差分補正量DFがオフセット適用切替点Td1より小さい場合には按分比調整係数δ(DF)が大きく(δ(DF)=1)、差分補正量DFがゲイン適用切替点Td2より大きい場合には按分比調整係数δ(DF)が小さく(δ(DF)=0)、差分補正量DFがオフセット適用切替点Td1以上ゲイン適用切替点Td2以下の場合には差分補正量DFに応じて按分比調整係数δ(DF)が単調に減少する。
なお、ここでは、按分比調整係数δが大きくなるほどオフセットによる補正の割合が大きく、按分比調整係数δが小さくなるほどオフセットによる補正の割合が小さくなる(すなわち、ゲインによる補正の割合が大きくなる)ことを表す。
式(16)及び図12の関係を用いて、按分比調整係数δL_n(*)及びδR_n−1(*)は、式(17)により決定する。
Figure 0006249939
按分比決定部422aは、式(4)等により決定された按分比γL_n(*)、γR_n−1(*)と按分比調整係数δL_n(*)及びδR_n−1(*)を用いて、最終的に出力する按分比ΓL_n(*)及びΓR_n−1(*)を、式(18)により決定する。
Figure 0006249939
以上の説明では、オーバーラップ領域Rn−1とオーバーラップ領域Lとについての式のみを示したが、さらに他のオーバーラップ領域のペアについて、同様の式で按分比Γを決定する。
《2−3》効果
上記実施の形態1では、明るさ参考値に応じてゲインとオフセットの按分比γを決定し、輝度の小さい領域の場合にオフセットによる補正を適用することで、再生画像にスジ状のムラが発生するのを防ぎ、かつ、輝度が小さい領域でも高精度に隣り合うイメージセンサの画像の明るさの差を補正することができる。しかしながら、地の色が暗く光沢のある原稿(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)用のハードディスクなどが包装されている銀色の静電防止袋等)を読み取る場合に、輝度が小さい部分にオフセット補正を適用すると過補正となり、再生画像に黒い横引き箇所が発生することがある。
図1に示すような隣り合うイメージセンサ12の読み取り位置が副走査方向にずれた画像読取装置では、光沢のある原稿において原稿による照明の正反射が写り込む位置が副走査方向で異なり、隣り合うイメージセンサ間の輝度が極端に異なる場合がある。すなわち、隣り合う一方のイメージセンサの端部がオーバーラップ領域を読み取ったことで得られた画像データは、原稿の地の色に対応して低い画素値を持つが、他方のイメージセンサの端部がオーバーラップ領域を読み取ったことで得られた画像データは、照明の正反射が写り込み、明るく光っている箇所に対応して高い画素値を持つ場合である。このような場合に、実施の形態1の画像処理装置では、輝度の小さい領域でオフセットによる補正を適用するため、光っている部分を減算により補正しようとするが、オーバーラップ領域以外の輝度の小さい領域に大きな減算を適用すると過補正となり、再生画像に、画素値がゼロ以下になって真っ黒な横引き箇所が発生することがある。
実施の形態2の画像処理装置では、それぞれのオーバーラップ領域の平均値とターゲット画素値の差分、すなわち差分補正量DFに応じて按分比γを調整することとし、オフセットによる負の補正量が大きい場合に按分比γが小さくなるように按分比調整係数δを決定するようにした。このため、上記のように光沢のある原稿で隣り合うイメージセンサ間の輝度が極端に異なる場合に、オフセットによる補正を適用することを避けて、黒い横引き箇所の発生を抑えることができる。
《3》実施の形態3
《3−1》画像処理装置
図13は、本発明の実施の形態3の画像処理装置における補正パラメータ決定部42bの構成を概略的に示すブロック図である。図13において、図9(実施の形態1)に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図9における符号と同じ符号を付す。実施の形態3の補正パラメータ決定部42bは、図3に示される画像処理装置30における、補正パラメータ決定部42に代えて、図3の画像処理装置30に備えることができる。したがって、実施の形態3の説明においては、図3をも参照する。実施の形態3の画像処理装置の補正パラメータ決定部42bは、閾値決定部425を備えている点、及び、按分比決定部422bが、閾値決定部425で決定される閾値を用いて、按分比を決定する点において、実施の形態1の補正パラメータ決定部42と異なる。実施の形態3におけるターゲット決定部421及びゲインオフセット算出部423は、実施の形態1のものと同じである。
《3−2》閾値決定部425
閾値決定部425は、オーバーラップ領域のペアのそれぞれの平均値とターゲット画素値との差分を差分補正量DFとし、差分補正量DFが大きい場合に按分比決定部422bにおけるオフセット適用切替点Tp1(第1の明るさ閾値)及びゲイン適用切替点Tp2(第2の明るさ閾値)が小さくなるように、それぞれの閾値を決定する。そして、按分比決定部422bは、閾値決定部425で決定された閾値Tp1及びTp2により定義される式(3)及び図10の関係を用いて按分比を決定する。この点を除き、実施の形態3は、上記実施の形態1と同じである。
《3−3》効果
上記実施の形態2では、按分比調整係数決定部424により差分補正量が大きいときはオフセットによる補正を避けるように按分比調整係数を決定することで、光沢のある原稿で黒い横引きの発生を抑える効果が得られる。同様に、実施の形態3の画像処理装置では、閾値決定部425により差分補正量が大きいときに閾値Tp1及びTp2を小さくすることによりオフセットによる補正を避けることができ、光沢のある原稿を読み取ったときに再生画像に発生することがある不良箇所(黒い横引き箇所)の発生を抑えることができる。
《4》変形例
上記実施の形態1から3の画像読取装置の機能の一部又は画像処理装置30の機能は、CPU(Central Processing Unit)を含むマイクロプロセッサ(制御部)により実行されるコンピュータプログラム(画像処理プログラム)で実現されてもよい。これらの機能がコンピュータプログラムで実現される場合には、マイクロプロセッサは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体から、又は、インターネットなどの通信によって、当該コンピュータプログラムをロードし、ロードされたプログラムを実行することによって画像読取装置の機能の一部又は画像処理装置30の機能を実現することができる。
図14は、実施の形態1から3の変形例の画像読取装置のハードウェア構成図である。図14に示されるように、画像読取装置は、複数のイメージセンサ12と、A/D変換部16と、画像処理装置30とを備える。画像処理装置30は、上記実施の形態1から3のいずれかの画像処理装置である。図14の画像処理装置30は、CPUを含むプロセッサ61と、揮発性メモリとしてのRAM(Random Access Memory)62と、不揮発性メモリ63と、大容量記憶媒体64と、バス65とを備える。不揮発性メモリ63としては、例えば、フラッシュメモリを使用することができる。また、大容量記憶媒体64としては、例えば、ハードディスク(磁気ディスク)、光ディスク、又は、半導体記憶装置を使用することができる。
A/D変換部16は、複数のイメージセンサ12が出力する画像信号をデジタルの画像データに変換し、この画像データは、プロセッサ61を介してRAM62に一時的に格納される。プロセッサ61は、不揮発性メモリ63又は大容量記憶媒体64からコンピュータプログラムをロードし、実行することにより、実施の形態1から3の画像処理装置30の機能を実現することができる。プロセッサ61は、コンピュータプログラムを実行することによって、実施の形態1から3における明るさ補正部40の機能を実現することができる。また、プロセッサ61は、不揮発性メモリ63又は大容量記憶媒体64に格納されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、実施の形態1から3における黒補正白補正部31、ずれ補正部32、明るさ補正部40、及び画像結合部33の機能の全て又は一部を実現することができる。
以上に説明したように、実施の形態1から3の変形例においては、隣り合う互いの端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサによって生成された複数の画像データを結合する前に、複数の画像データに対して、コンピュータプログラムの実行によって、適切なオフセット及びゲインを用いた補正処理を施すので、再生画像データの品質を高めることができる。
本発明は、複写機、スキャナ、及びファクシミリ等のような画像読取装置に適用することができる。また、本発明は、千鳥状に配列された複数のイメージセンサで生成された画像データが入力される情報処理装置に適用することができる。
10 画像読取装置、 11 読取光学系、 12 イメージセンサ、 13 基板、 14 白基準板、 15 読取位置、 20 原稿、 30 画像処理装置、 31 黒補正白補正部、 32 ずれ補正部、 33 画像結合部、 40 明るさ補正部、 41 評価値計算部、 42,42a,42b 補正パラメータ決定部、 43 補正処理部、 51 照明光、 421 ターゲット決定部、 422,422a,422b 按分比決定部、 423 ゲインオフセット算出部、 424 按分比調整係数決定部、 425 閾値決定部、 D0 同時刻の読み取りで取得されたデータ、 IMn−1,IM,IMn+1 画像データ(初期画像データ)、 IM1n−1,IM1,IM1n+1 画像データ(黒白補正画像データ)、 IM2n−1,IM2,IM2n+1 画像データ(ずれ補正画像データ)、 IM3n−1,IM3,IM3n+1 画像データ(明るさ補正画像データ)、 IM4 再生画像データ、 In−1,I,In+1 領域、 Rn−1,R,Rn+1 オーバーラップ領域、 Ln−1,L,Ln+1 オーバーラップ領域、 NO,NI 画素数、 F 搬送方向、 OL オーバーラップ部。

Claims (12)

  1. 隣り合う端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサにより、読取対象の画像を読み取ることで生成された複数の画像データから再生画像データを生成する画像処理装置であって、
    前記複数のイメージセンサの内の隣り合うイメージセンサのペアの一方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第1の領域を読み取り、前記ペアの内の他方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第2の領域を読み取り、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なり合った領域は、オーバーラップ領域であり、
    前記画像処理装置は、
    前記複数の画像データの明るさを補正する明るさ補正部と、
    前記明るさ補正部による補正後の前記複数の画像データを結合して前記再生画像データを生成する画像結合部と
    を備え、
    前記画像処理装置は、
    前記一方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第1のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第1の評価値と、前記他方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第2のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第2の評価値とを計算する評価値計算部と、
    前記第1の評価値と前記第2の評価値とを一致させるような補正パラメータとして、前記一方のイメージセンサによる前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データ用のゲイン及びオフセットと、前記他方のイメージセンサによる前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データ用のゲイン及びオフセットとを決定する補正パラメータ決定部と、
    前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データの明るさを補正し、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データの明るさを補正する補正処理部と
    を有し、
    前記補正パラメータ決定部は、
    一致させる前記第1の評価値及び前記第2の評価値の一方又は両方からターゲット画素値を決定するターゲット決定部と、
    前記第1の評価値、前記第2の評価値、及び前記ターゲット画素値の内の少なくとも1つの値を用いて、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比と、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比を決定する按分比決定部と、
    前記第1の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出し、前記第2の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出するゲインオフセット算出部と
    を有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記按分比決定部は、前記第1の評価値、前記第2の評価値、及び前記ターゲット画素値のいずれかを明るさ参考値として、前記明るさ参考値が小さくなると、オフセットによる補正の割合が大きくなるように前記按分比を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記按分比決定部は、
    前記明るさ参考値が第1の明るさ閾値より小さい場合にはオフセットによる補正の割合が最大になるように前記按分比を決定し、
    前記明るさ参考値が第2の明るさ閾値より大きい場合にはゲインによる補正の割合が最大になるように前記按分比を決定し、
    前記明るさ参考値が前記第1の明るさ閾値以上前記第2の明るさ閾値以下の場合にはオフセットによる補正の割合が最大になるような前記按分比からゲインによる補正の割合が最大になるような前記按分比までの間で前記明るさ参考値に対して単調に変化する値を前記按分比として決定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記按分比決定部は
    前記第1の評価値と前記ターゲット画素値との差分、又は、前記第2の評価値と前記ターゲット画素値との差分を差分補正量として、前記差分補正量が大きい場合にオフセットによる補正の割合が小さくなるように前記按分比を調整する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記補正パラメータ決定部は、前記差分補正量に応じて按分比調整係数を決定する按分比調整係数決定部をさらに備え、
    前記按分比決定部は、前記按分比に前記按分比調整係数を掛けることによって按分比を調整するように構成され、
    前記按分比調整係数決定部は、
    前記差分補正量が第1の差分閾値より小さい場合にはオフセットによる補正の割合が大きくなるように前記按分比調整係数を決定し、
    前記差分補正量が第2の差分閾値より大きい場合にはゲインによる補正の割合が大きくなるように前記按分比調整係数を決定し、
    前記差分補正量が前記第1の差分閾値以上前記第2の差分閾値以下の場合にはオフセットによる補正の割合が大きくなる前記按分比調整係数からゲインによる補正の割合が大きくなるような前記按分比調整係数までの間で前記差分補正量に対して単調に変化する値を前記按分比調整係数として決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記補正パラメータ決定部は、前記差分補正量に応じて前記第1の明るさ閾値と前記第2の明るさ閾値の少なくとも一方を決定する閾値決定部をさらに備え、
    前記按分比決定部は、前記第1の明るさ閾値と前記第2の明るさ閾値を用いて前記按分比を決定するように構成され、
    前記閾値決定部は、
    前記差分補正量が大きい場合に前記第1の明るさ閾値と前記第2の明るさ閾値の少なくとも一方が小さくなるように前記第1の明るさ閾値と前記第2の明るさ閾値の少なくとも一方を決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記ゲインオフセット算出部は、
    前記ペアのそれぞれのオーバーラップ領域に対する前記オフセットを、前記按分比により定められるオフセットによる補正の割合が最大の値のときは前記ターゲット画素値から当該オーバーラップ領域の平均値を引いた差分の値とし、前記按分比により定められるオフセットによる補正の割合が最小の値のときは0とし、前記按分比により定められるオフセットによる補正の割合が上記最大の値と上記最小の値の間の値であるときは、前記差分の値と0の2つの値を前記按分比により定められるオフセットによる補正の割合で按分した値として算出し、
    前記ペアのそれぞれのオーバーラップ領域に対する前記ゲインを、前記按分比により定められるゲインによる補正の割合が最大の値のときは前記ターゲット画素値を当該オーバーラップ領域の平均値で割った比率の値とし、前記按分比により定められるゲインによる補正の割合が最小の値のときは1とし、前記按分比により定められるゲインによる補正の割合が上記最大の値と上記最小の値の間の値であるときは、前記比率の値と1の2つの値を前記按分比により定められるゲインによる補正の割合で按分した値として算出する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記ターゲット決定部は、前記第1の評価値と前記第2の評価値のうちの小さい方の値を前記ターゲット画素値とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記ターゲット決定部は、前記第1の評価値と前記第2の評価値の中央の値を前記ターゲット画素値とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 隣り合う端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサにより、読取対象の画像を読み取ることで生成された複数の画像データから再生画像データを生成する画像処理方法であって、
    前記複数のイメージセンサの内の隣り合うイメージセンサのペアの一方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第1の領域を読み取り、前記ペアの内の他方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第2の領域を読み取り、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なり合った領域は、オーバーラップ領域であり、
    前記画像処理方法は、
    前記一方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第1のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第1の評価値と、前記他方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第2のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第2の評価値とを計算する評価値計算ステップと、
    前記第1の評価値と前記第2の評価値とを一致させるような補正パラメータとして、前記一方のイメージセンサによる前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データ用のゲイン及びオフセットと、前記他方のイメージセンサによる前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データ用のゲイン及びオフセットとを決定する補正パラメータ決定ステップと、
    前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データの明るさを補正し、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データの明るさを補正するステップと、
    前記明るさが補正された前記第1及び第2の画像データを結合するステップと、
    を有し、
    前記補正パラメータ決定ステップは、
    一致させる前記第1の評価値及び前記第2の評価値の一方又は両方からターゲット画素値を決定するステップと、
    前記第1の評価値、前記第2の評価値、及び前記ターゲット画素値の内の少なくとも1つの値を用いて、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比と、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比を決定するステップと、
    前記第1の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出し、前記第2の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出するステップと
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  11. 隣り合う端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサと、
    前記複数のイメージセンサが読取対象の画像を読み取ることで生成された複数の画像データから再生画像データを生成する画像処理装置と
    を備える画像読取装置であって、
    前記複数のイメージセンサの内の隣り合うイメージセンサのペアの一方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第1の領域を読み取り、前記ペアの内の他方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第2の領域を読み取り、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なり合った領域は、オーバーラップ領域であり、
    前記画像処理装置は、
    前記複数の画像データの明るさを補正する明るさ補正部と、
    前記明るさ補正部による補正後の前記複数の画像データを結合して前記再生画像データを生成する画像結合部と
    を備え、
    前記画像処理装置は、
    前記一方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第1のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第1の評価値と、前記他方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第2のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第2の評価値とを計算する評価値計算部と、
    前記第1の評価値と前記第2の評価値とを一致させるような補正パラメータとして、前記一方のイメージセンサによる前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データ用のゲイン及びオフセットと、前記他方のイメージセンサによる前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データ用のゲイン及びオフセットとを決定する補正パラメータ決定部と、
    前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データの明るさを補正し、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データの明るさを補正する補正処理部と
    を有し、
    前記補正パラメータ決定部は、
    一致させる前記第1の評価値及び前記第2の評価値の一方又は両方からターゲット画素値を決定するターゲット決定部と、
    前記第1の評価値、前記第2の評価値、及び前記ターゲット画素値の内の少なくとも1つの値を用いて、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比と、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比を決定する按分比決定部と、
    前記第1の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出し、前記第2の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出するゲインオフセット算出部と
    を有する
    ことを特徴とする画像読取装置。
  12. コンピュータに、隣り合う端部の検出範囲が重なる部分を有するように並べられた複数のイメージセンサにより、読取対象の画像を読み取ることで生成された複数の画像データから再生画像データを生成させるための画像処理プログラムであって、
    前記複数のイメージセンサの内の隣り合うイメージセンサのペアの一方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第1の領域を読み取り、前記ペアの内の他方のイメージセンサは、前記読取対象の内の第2の領域を読み取り、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なり合った領域は、オーバーラップ領域であり、
    前記コンピュータに、
    前記一方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第1のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第1の評価値と、前記他方のイメージセンサによる前記オーバーラップ領域の読み取りによって得られた第2のオーバーラップ画像データの複数の画素値の合計値に基づく第2の評価値とを計算する評価値計算処理と、
    前記第1の評価値と前記第2の評価値とを一致させるような補正パラメータとして、前記一方のイメージセンサによる前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データ用のゲイン及びオフセットと、前記他方のイメージセンサによる前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データ用のゲイン及びオフセットとを決定する補正パラメータ決定処理と、
    前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第1の領域の読み取りによって得られた第1の画像データの明るさを補正し、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを用いて前記第2の領域の読み取りによって得られた第2の画像データの明るさを補正する処理と、
    前記明るさが補正された前記第1及び第2の画像データを結合する処理と
    を実行させ、
    前記補正パラメータ決定処理において、
    一致させる前記第1の評価値及び前記第2の評価値の一方又は両方からターゲット画素値を決定する処理と、
    前記第1の評価値、前記第2の評価値、及び前記ターゲット画素値の内の少なくとも1つの値を用いて、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比と、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットの按分比を決定する処理と、
    前記第1の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第1の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出し、前記第2の評価値が前記ターゲット画素値になるように、前記第2の画像データ用のゲイン及びオフセットを算出する処理と
    を実行させるための画像処理プログラム。
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