JP6249683B2 - 乳管特異的プロモーターの評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴムノキの乳管特異的プロモーターの特定に好適な、プロモーターの乳管特異性評価方法に関する。
天然ゴムは、弾性を有する高分子であり、ゴム製品の主原料として様々な用途において幅広く、かつ大量に用いられている。天然ゴムは、ゴムノキ等のラテックス産生植物が分泌するラテックス(Latex、乳液)を採取し、これに所望の加工をすることにより製造される。このため、主にタイ・マレーシア・インドネシア等の熱帯諸国において、ラテックスを回収するためのゴムノキ、特にパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)が、商業的に植樹されている。
近年の遺伝子工学の発展に伴い、天然の植物体に、好ましい外来遺伝子を導入することによって、形質を改変することができるようになった。天然ゴムの製造分野においても、ラテックス産生植物を遺伝学的に改良し、より高品質のラテックスを産生し得る植物体や、より大量のラテックスを産生し得る植物体等の所望の形質を有する植物体を作成する方法が研究されている。
例えば、植物の遺伝子導入法としては、植物病原菌の1種であるアグロバクテリウム(Agrobacterium)属菌を植物細胞に感染させて遺伝子を導入するアグロバクテリウム法、パーティクルガン法、エレクトロポレーション法が主として用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特に、ゴムノキから回収されるラテックスの収量の増大や高品質化を目的とする場合には、導入された外来遺伝子が、乳管で特異的に発現するような形質転換体を作製することが好ましい。乳管以外の部位で遺伝子発現が促されると、植物体の代謝や乳液の生産に負荷をかけ、悪影響を及ぼす可能性があるためである。例えば、乳管で特異的に遺伝子発現を促す(乳管特異的)プロモーターを用いて遺伝子を発現させることにより、外来遺伝子を乳管特異的に発現させることができる。このため、乳管特異的プロモーターの探索が重要となっている。
あるプロモーターが特定の組織特異的に発現するプロモーターであるのか、ユビキタスに発現するプロモーターであるのかを調べるためには、通常、アグロバクテリウム法等を用いて、評価対象であるプロモーターの下流に蛍光タンパク質等のマーカータンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを導入した形質転換体を作製し、当該形質転換体におけるマーカータンパク質の発現部位を調べる方法がとられている。その他、パーティクルガン法により、パラゴムノキの葉に、発現ベクターを導入した後、当該葉におけるマーカータンパク質の発現部位を調べることも行われている。
一方、ジャスモン酸やジャスモン酸前駆体のリノレン酸等を配合したラノリンを、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の幹に塗布することにより、乳管分化が促進され、乳管数(乳管密度)が増大することが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。ジャスモン酸は、リノレン酸を前駆体として生合成されるジャスミンの香気成分の一つであり、植物の成長阻害作用や老化促進作用を有する植物ホルモンの一種である。特に、傷害を受けた場合や病原菌に感染した場合等に合成が促進されることから、環境ストレスに対する抵抗性獲得に機能的に働く環境ストレス抵抗性誘導ホルモンとして知られている。なお、非特許文献1では、同じく環境ストレス抵抗性誘導ホルモンであるサリチル酸、アブシジン酸、Ethephon(エチレン)を同様に処理した場合には、ジャスモン酸とは異なり、二次乳管の形成は認められなかったことも報告されている。
特開2005−130815号公報 特許第3289021号公報
ハオ(Hao)、外1名、アナルズ・オブ・ボタニー(Annals ofBotany)、2000年、第85巻、第37〜43ページ。
パラゴムノキでは、他の種類の植物と比較して、再分化効率が非常に低く、形質転換体の作製が困難である。さらに、実際にパラゴムノキに評価対象であるプロモーターを含む外来遺伝子の発現ベクターを導入して形質転換体を作製したとしても、導入した外来遺伝子がコードするマーカータンパク質が乳管で発現しているか否かを観察するためには、乳管が形成されるまで当該形質転換体を成育させる必要があり、非常に長期間を要するという問題がある。
一方で、パラゴムノキの葉に直接発現ベクターを導入した場合には、葉には既に乳管が形成されているため、比較的迅速に発現部位を確認することができる。しかしながら、葉には葉脈状の乳管が血管のようにいたるところに存在しているため、導入したマーカータンパク質が、乳管に特異的に発現しているのかどうかを判別することは非常に困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、評価対象であるプロモーターが乳管特異性を有しているか否かの評価を、迅速かつ精度よく行うための方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ジャスモン酸刺激により乳管形成を促進させたパラゴムノキの茎に、直接、評価対象であるプロモーターの下流に蛍光タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを導入し、当該蛍光タンパク質の発現部位を観察することにより、当該蛍光タンパク質が乳管特異的に発現しているか否かを明確に識別することができ、当該プロモーターの乳管特異性を精度よく且つ迅速に評価し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1) プロモーターの乳管特異性を評価する方法であって、ジャスモン酸又はその誘導体を用いて刺激することにより、乳管形成を促進したパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の茎に、評価対象であるプロモーターの下流に蛍光タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを導入した後、前記蛍光タンパク質の発現部位を確認し、
前記ジャスモン酸又はその誘導体が、下記一般式(1)
Figure 0006249683
[式中、R は炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。]
で表される化合物であることを特徴とするプロモーターの乳管特異性評価方法、
(2) 前記パラゴムノキが、茎長が40cm〜1.5mに生育した実生苗又はクローン苗であることを特徴とする前記(1)記載のプロモーターの乳管特異性評価方法、
(3) 前記パラゴムノキの茎を切断し、その切断面から前記発現ベクターを導入することを特徴とする前記(1)又は(2)記載のプロモーターの乳管特異性評価方法、
(4) 前記パラゴムノキの茎から形成層を剥離し、その剥離面から前記発現ベクターを導入することを特徴とする前記(1)又は(2)記載のプロモーターの乳管特異性評価方法、
(5) 前記発現ベクターの導入を、パーティクルガン法により行うことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか記載のプロモーターの乳管特異性評価方法、及び
(6) 前記ジャスモン酸の誘導体が、プロヒドロジャスモンであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか記載のプロモーターの乳管特異性評価方法、
を提供することを目的とする。
本発明のプロモーターの乳管特異性評価方法では、評価対象のプロモーターの下流に蛍光タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを、乳管形成を促進させたパラゴムノキに導入しているため、蛍光タンパク質が乳管に特異的に発現しているか否かを、葉を用いた場合や天然のパラゴムノキの茎や幹を用いた場合よりも、非常に明確に識別することができる。このため、評価対象であるプロモーターが乳管特異性を有しているか否かの評価を、精度よく行うことができる。また、形質転換細胞から再分化により植物体を形成する必要がないため、プロモーターの乳管特異性を迅速に評価することができる。
本発明のプロモーターの乳管特異性評価方法は、プロモーターの乳管特異性を評価する方法であって、ジャスモン酸又はその誘導体を用いて刺激することにより、乳管形成を促進したパラゴムノキの茎に、評価対象であるプロモーターの下流に蛍光タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを導入した後、前記蛍光タンパク質の発現部位を確認することを特徴とする。つまり、乳管が既に形成されている組織に発現ベクターを導入し、蛍光タンパク質の発現部位を観察する。蛍光タンパク質を用いることにより、二次染色等の操作を要さずに簡便に、且つ高感度に、当該プロモーターにより発現されるタンパク質の局在を観察することができる。
発現ベクターに組み込んだ評価対象とするプロモーターが乳管特異的である場合には、当該蛍光タンパクは乳管においてのみ発現する。このため、乳管にのみ当該蛍光タンパク質の蛍光が観察された場合には、当該プロモーターが乳管特異的であると評価することができる。一方、乳管には蛍光が観察されなかったり、逆に乳管に蛍光が観察される場合でも、乳管以外の他の部位にも蛍光が観察された場合には、当該プロモーターが乳管特異性を有していないと評価することができる。
植物体に導入した遺伝子が乳管特異的に発現しているかどうかを評価するためには、遺伝子導入部位において、乳管がその他の組織と明確に判別できることが必要である。本発明においては、葉脈状の乳管が張り巡らされている葉ではなく、層状に比較的規則的に乳管が形成されている茎に遺伝子を発現させることにより、蛍光の発現部位が乳管か否かを、より明確に判別することができる。なお、本発明において茎とは、形成層が形成されている部位であればよく、成木の幹であってもよい。
評価対象であるプロモーターが、乳管特異的なプロモーターである場合には、蛍光タンパク質は、乳管が形成される程度にまでパラゴムノキの形質転換体が生育しないと発現しない。このため、本発明において発現ベクターを導入する植物は、乳管が形成されるまで成育したパラゴムノキであればよく、シュートであってもよく、苗木や若木であってもよく、成木であってもよい。本発明においては、乳管が十分に形成されることから、茎長が40cm以上のパラゴムノキに発現ベクターを導入することが好ましい。また、取扱性がよく、かつ遺伝子導入効率が成木よりも比較的高いことから、若木や成木よりも、苗木やシュートに発現ベクターを導入することが好ましく、特に、茎長が1.5m以下の苗に発現ベクターを導入することが好ましい。また、パラゴムノキは、実生苗から生育させた植物体であってもよく、実生苗に継芽・接木・挿木したクローン苗等の実生苗以外の苗から生育させた植物体であってもよい。ここで、継芽した苗や接木した苗、挿木した苗の場合には、茎長は、当該苗の茎のみを意味し、台木等は含まない。中でも、本発明において用いられるパラゴムノキとしては、茎長が40cm〜1.5mの実生苗又はクローン苗であることがより好ましく、茎長が40cm〜1.5mの実生苗であることがさらに好ましい。
一方で、苗では乳管は形成されているものの、成木よりも細く、かつ乳管数自体も少ない。このため、乳管の観察が困難である場合も多い。本発明においては、発現ベクターを導入する前に、パラゴムノキを予めジャスモン酸刺激し、乳管形成を促進させておく。このように、パラゴムノキの茎の乳管数や層を増やすことにより、発現させた蛍光タンパク質が、乳管特異的に発現しているか否かをより高精度に判別することができる。特に、ジャスモン酸等による刺激によって新たに形成された乳管は、形成層の近傍に存在するため、乳管の場所が認識し易い上に、発現ベクターを導入し易いという利点がある。
すなわち、本発明においては、パラゴムノキの乳管形成を促進するために、ジャスモン酸及びジャスモン酸誘導体からなる群より選択される1種により予め刺激したパラゴムノキを用いる。なお、本発明におけるジャスモン酸誘導体は、ジャスモン酸等の公知化合物から公知の合成反応により合成することができる誘導体であって、乳管形成促進作用を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。
特に、本発明において用いられるジャスモン酸又はジャスモン酸誘導体としては、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006249683
[式中、Rは炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭化水素基である。]
一般式(I)中、Rは炭化水素基である。Rの炭化水素基としては、特に限定されるものではなく、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和炭化水素基であってもよい。また、直鎖状の炭化水素基であってもよく、分岐鎖状の炭化水素基であってもよく、環状の炭化水素基であってもよい。なお、本発明において、炭化水素基とは、炭素原子と水素原子からなる官能基を意味する。
飽和炭化水素基としては、例えば、アルキル基やシクロアルキル基等が挙げられる。また、シクロアルキル基は、単環式基であるモノシクロアルキル基であってもよく、多環式基であるポリシクロアルキル基であってもよい。
のアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。
のシクロアルキル基としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜8のモノシクロアルキル基、炭素数4〜10のポリシクロアルキル基であることがより好ましい。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、例えば、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられる。
のアルケニル基としては、炭素数2〜20のアルケニル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基であることがより好ましい。具体的には、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
のアルキニル基としては、炭素数2〜20のアルキニル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキニル基であることがより好ましい。具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
のアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
本発明において、一般式(I)のRとしては、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基であることが好ましい。シクロアルキル基やアリール基等の環状炭化水素基よりも、比較的水溶性媒体へ溶解しやすく、取り扱い性に優れるためである。中でも、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基であることが好ましく、炭素数4又は5のアルキル基、炭素数4又は5のアルケニル基、炭素数4又は5のアルキニル基であることがより好ましい。
の炭化水素基は、1又は2以上の水素原子が、水酸基、スルホニル基、スルホキシ基等により置換されていてもよい。このような置換基を有する炭化水素基として、具体的には、5―ヒドロキシー2―ペンテニル基、4―ヒドロキシー2―ペンテニル基、5―(スルホオキシ)―2―ペンテニル基等が挙げられる。
一般式(I)中、Rは水素原子又は炭化水素基である。Rの炭化水素基としては、特に限定されるものではなく、Rにおいて挙げられた炭化水素基と同様のものを用いることができる。
また、Rの炭化水素基は、1又は2以上の水素原子が、水酸基、アルキルオキシ基、スルホニル基、スルホキシ基、ニトロ基、アミノ基等により置換されていてもよい。このような置換基を有する炭化水素基として、ヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基、メトキシエチル基等のアルキルオキシアルキル基等が挙げられる。
本発明において、一般式(I)のRとしては、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基であることが好ましい。比較的水溶性媒体へ溶解しやすく、取り扱い性に優れるためである。中でも、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜8のアルキルオキシアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基であることがより好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物は、少なくとも1つの不斉炭素原子を有するため、光学異性体が存在し得る。また、R又はRが不飽和炭化水素基である場合には、シス-トランス異性体が存在し得る。本発明においては、乳管形成促進作用を有する限り、これらの立体異性体のいずれを有効成分としてもよい。
なお、上記一般式(I)で表される化合物は、いずれも公知化合物又は公知化合物から公知の合成反応により簡便に合成し得る化合物である。したがって、常法により製造することができる。
例えば、上記式(1)において、Rがアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であり、かつRがアルキル基である化合物は、2−アルキルシクロペンテン−1−オン、2−アルケニルシクロペンテン−1−オン、又は2−アルキニルシクロペンテン−1−オンとマロン酸のアルキルエステルとをマイケル付加させた後、脱炭酸させることにより容易に得ることができる。また、このようにして製造した化合物に対して、常法に従いアルコール類とエステル交換させてもよい。その他、上記式(1)において、Rが水素原子である化合物は、例えば、上記のように合成したRがアルキル基である化合物を、塩基又は酸で加水分解することにより得ることができる。
上記一般式(I)で表される化合物のうち、ジャスモン酸は、Rが(Z)―2―ペンテニル基であり、かつRが水素原子である化合物である。本発明においては、発現ベクターを導入するパラゴムノキとして、ジャスモン酸により刺激されたものであってもよく、ジャスモン酸誘導体により刺激されたものであってもよい。さらに、ジャスモン酸のみにより刺激したものであってもよく、1種類のジャスモン酸誘導体によってのみ刺激されたものであってもよく、2種類以上のジャスモン酸誘導体によって刺激されたものであってもよく、ジャスモン酸と1種類又は2種類以上ジャスモン酸誘導体とを組み合わせて刺激したものであってもよい。
本発明において用いられるジャスモン酸誘導体としては、上記一般式(1)において、RとRが共に炭素数1〜6のアルキル基である化合物であることが好ましい。中でも、Rがn−ペンチル基であり、Rがn−プロピル基であるプロヒドロジャスモンであることがより好ましい。乳管形成促進作用が高く、かつ水に対する溶解性が高いためである。加えて、ジャスモン酸等よりも、比較的安価であり、コストメリットも大きいためである。
また、ジャスモン酸又はジャスモン酸誘導体は、塩としてパラゴムノキの茎に付着させてもよい。塩としては、ジャスモン酸誘導体等の乳管形成促進作用を阻害しない限り、特に限定されず、無機塩であってもよく、有機塩であってもよい。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩、グルコサミン塩、エチレンジアミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩等のアミン塩; 塩酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、りんご酸塩、フマ-ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩を挙げることができる。
ジャスモン酸又はジャスモン酸誘導体(以下、ジャスモン酸等)による刺激は、ジャスモン酸等を、パラゴムノキの茎に付着させることによって行うことができる。付着方法は、ジャスモン酸等を茎に直接付着させることが出来る方法であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ジャスモン酸等適当な媒体に溶解、希釈、分散、混練等させた乳管形成促進剤を、刷毛等を用いて直接茎に塗布してもよく、スプレー等を用いて噴霧してもよい。なお、このような乳管形成促進剤には、有効成分として2種類以上のジャスモン酸等を含有させてもよい。
パラゴムノキの茎に付着させる乳管形成促進剤の剤型は、植物体に付着させることが可能な剤型であれば、特に限定されるものではなく、液剤、水和剤、エマルジョン、懸濁剤、ゾル剤、ペースト剤、シート剤等を挙げることができる。植物への付着が簡便であるため、液剤、水和剤、エマルジョン、懸濁剤、ゾル剤等であることが好ましく、液剤であることがより好ましい。
本発明において、ジャスモン酸等を有効成分とする乳管形成促進剤を製造する際に用いられる媒体は、ジャスモン酸等の乳管形成促進作用を阻害することなく十分に溶解、希釈、分散、混練等させ得る媒体であれば、特に限定されるものではなく、公知の溶媒の中から、有効成分であるジャスモン酸等の性質、使用方法等を考慮して、適宜選択して用いることができる。
該媒体として、例えば、水;カルナバロウ、密ロウ等のワックス類;ラノリン等のグリース類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ-テル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル、エチレングリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジエチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類;ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類;アセトニトリル等のニトリル類;及び、ピリジン類等を挙げることができる。
ジャスモン酸等を有効成分とする乳管形成促進剤の媒体としては、5〜50℃において液状であるものが好ましい。この温度において液状であれば、十分に粘度が低いため、ラノリン等の粘度が高く半固形状の媒体よりも、より簡便に植物体に付着させることができるためである。具体的には、水、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アルコール類等の水溶性媒体が好ましい。中でも、水やアルコール類等であることがより好ましい。なお、本発明において水溶性媒体とは、水と容易に混和し得る媒体を意味する。
また、乳管形成促進剤の媒体としては、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、水とアルコールとの混合溶液であってもよく、水とケトン類との混合溶液であってもよい。
パラゴムノキの茎に付着させる乳管形成促進剤には、本発明の効果を阻害しない限り、乳管形成促進作用を有する化合物と媒体のほかに、分散剤、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、保存剤、安定化剤、殺菌剤、殺虫剤、栄養剤等を含有していてもよい。
分散剤としては、例えば、公知の界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤のいずれであってもよく、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
好ましい分散剤としては、例えば、2種以上のアルキレンオキシドのブロック縮重合体、ポリオキシアルキレンエーテル系化合物、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物、多価アルコール系脂肪酸エステル化合物、ポリオキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル化合物、ポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物、アルキルアルカノールアミド化合物等が挙げられる。
粘度調整剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose,CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子の中から適宜選択して用いることができる。中でも、カルボキシメチルセルロースを用いることが好ましい。
乳管形成促進剤中のジャスモン酸等の濃度は、パラゴムノキの茎に付着させた場合に、乳管形成促進効果を奏するために十分な濃度であればよく、乳管形成促進作用を有する化合物の種類、用いる媒体の種類、植物体への付着方法等を考慮して、適宜決定することができる。例えば、有効成分としてプロヒドロジャスモンを用いた場合には、0.05%(w/v)以上であることが好ましく、0.05〜0.1%(w/v)であることがより好ましい。
パラゴムノキの茎への乳管形成促進剤の付着量は、乳管形成促進効果が得られる量であれば、特に限定されるものではなく、乳管形成促進剤の有効成分であるジャスモン酸等の種類や濃度、付着方法、植物の樹齢や種類等を考慮して適宜決定することができる。
ジャスモン酸等をパラゴムノキの茎に付着させる期間は、パラゴムノキにおいて刺激依存的に乳管が形成される数ヶ月〜1年程度で十分である。従来法のエチレン刺激による方法の場合には、長期的なエチレン刺激により、パラゴムノキへの悪影響が懸念されるが、ジャスモン酸等による処理期間は乳管が形成されるまでの短期間であるため、植物への負担を顕著に軽減することができる。
本発明において、パラゴムノキの茎に導入される発現ベクターは、評価対象であるプロモーターが、蛍光タンパク質のプロモーターとして機能するように、当該プロモーターの下流に蛍光タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターである。
本発明において、評価の対象となるプロモーターは、パラゴムノキにおいて機能し得るプロモーターであれば特に限定されるものではない。例えば、生物由来の天然の遺伝子であってもよく、天然の遺伝子を改変した遺伝子や人工的に合成した遺伝子であってもよい。また、パラゴムノキ由来のプロモーターであってもよく、パラゴムノキ以外の植物由来のプロモーターであってもよく、動物や微生物由来のプロモーターであってもよく、これらのプロモーターを改変したものであってもよい。
また、発現ベクターに組み込まれた遺伝子がコードする蛍光タンパク質は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、ZsGreen1、DsRed等の、通常タンパク質発現ベクター等に組み込んで用いられる蛍光タンパク質の中から、適宜選択して用いることができる。
評価の対象となるプロモーターや蛍光タンパク質をコードする遺伝子を組み込む発現ベクターは、パラゴムノキに導入する方法の種類を考慮して、公知のベクターの中から適宜選択して用いることができる。また、公知のベクターを改変したベクターを用いてもよい。
当該発現ベクターをパラゴムノキに導入する方法は、ジャスモン酸等による刺激によって乳管形成が促進された部位に導入し得る方法であれば、特に限定されるものではなく、植物の形質転換体を作製する場合に用いられる公知のいずれの手法を用いてもよい。このような方法として、バーティクルガン法やアグロバクテリウム法等が挙げられる。本発明においては、簡便であり、かつ発現ベクターの導入効率に優れることから、バーティクルガン法により発現ベクターをパラゴムノキに導入することが好ましい。
パーティクルガン法は、発現ベクターを表面に担持させた金粒子を、パーティクルガンにより植物細胞内に撃ち込むことにより、発現ベクターを植物体に導入する方法である。
パーティクルガンにより発現ベクターを撃ち込む場合、組織の内部には金粒子が届き難い。このため、本発明においては、パラゴムノキの茎を切断し、その切断面から前記発現ベクターを導入することが好ましい。また、生長状態の良好な実生苗等の苗は、形成層の部分で師部組織を剥離することができる。そこで、パラゴムノキの茎から形成層を剥離し、当該茎の剥離面から前記発現ベクターを導入してもよい。茎を切断したり、形成層を剥離したりすることにより、組織表面に近い部位に乳管が存在している状態とすることができる。特に、前述したように、ジャスモン酸等による刺激によって新たに形成された乳管は、形成層の近傍に存在する。このため、切断面や剥離面に向かって、発現ベクターを表面に担持させた金粒子をパーティクルガンにより撃ち込むことにより、金粒子に担持された発現ベクターを、乳管に効率よく導入することが可能となる。
アグロバクテリウム法は、植物体に導入する遺伝子を組み込んだ発現ベクターを、アグロバクテリウム属菌に導入し、この遺伝子導入されたアグロバクテリウム属菌を、常法により培養し増殖させた後、カルス又は幼植物体に感染させることによって、植物体に遺伝子を導入する方法である。用いられるアグロバクテリウム属菌は特に限定されるものではないが、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)であることが好ましい。感染効率が良好であり、アグロバクテリウム法において汎用されているためである。
アグロバクテリウム法を用いる場合には、評価対象たるプロモーターを含む発現ベクターを含有するアグロバクテリウム属菌は、従来公知の何れの手法を用いて作製してもよい。例えば、アグロバクテリウム属菌が有するTiプラスミドのT−DNA領域と相同組み換え可能なプラスミドに、評価対象たるプロモーター等を組み込んだ遺伝子組み換え中間ベクターを作製し、該遺伝子組み換え中間ベクターをアグロバクテリウム属菌に導入してもよい。また、アグロバクテリウム法において汎用されているバイナリーベクターに、評価対象とするプロモーター等を組み込んだ組み換えバイナリーベクターをアグロバクテリウム属菌に導入してもよい。
このようにして作製した発現ベクターを導入したアグロバクテリウム属菌を、常法により培養し増殖させることにより、必要な感染液を調製することができる。調製した感染液を、パラゴムノキの茎に塗布することにより、パラゴムノキの茎にアグロバクテリウム属菌を感染させ、発現ベクターをパラゴムノキに導入することができる。パーティクルガン法の場合と同様に、パラゴムノキの茎を切断した切断面や、形成層を剥離した剥離面に感染液を塗布し、切断面や剥離面から直接発現ベクターを導入することにより、乳管に発現ベクターを効率よく導入することが可能となる。
発現ベクターを導入したパラゴムノキを、発現ベクターに組み込まれた蛍光タンパク質が植物細胞内で発現するために十分な時間、栽培した後、発現ベクターを導入した部位を含む組織切片を作製し、当該組織切片を蛍光顕微鏡下で観察することにより、蛍光タンパク質が乳管特異的に発現しているか否かを判別する。蛍光顕微鏡により観察する組織切片試料は、常法により作製することができる。また、発現ベクター導入後組織切片試料作製までの栽培時間は、発現ベクターの種類や導入方法、パラゴムノキの栽培条件に依存して適宜決定することができる。パーティクルガン法を用いた場合には、金粒子を撃ち込んだ後、例えば1〜2日間栽培することにより、蛍光タンパク質をパラゴムノキ内に発現させることができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<発現ベクターの構築>
図1に示すような、REFプロモーター(REF pro)の下流にGFP遺伝子(sGFP)をつなぎ、さらにノパリン合成酵素遺伝子のターミネーター(NOS ter)をつないだGFP発現カセットと、ノパリン合成酵素遺伝子のプロモーター(NOS pro)の下流にカナマイシン耐性遺伝子(NPT II)をつなぎ、さらにノパリン合成酵素遺伝子のターミネーターをつないだカナマイシン耐性遺伝子発現用カセットと、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(35S pro)の下流にハイグロマイシン遺伝子(HPT)をつなぎ、さらにノパリン合成酵素遺伝子のターミネーターをつないだハイグロマイシン耐性遺伝子発現用カセットとを有する発現ベクター(PBIsGFP(S65T))を構築した。なお、図1中、「I」は、イントロンを意味する。
<ジャスモン酸刺激>
パラゴムノキを、プロヒドロジャスモンを用いて刺激し、乳管形成を促進させた。
具体的には、ジャスモメート液剤(明治製菓株式会社製)を、1%CMC溶液を用いて希釈し、50倍希釈溶液(0.1%プロヒドロジャスモン溶液)を調製した。なお、ジャスモメート液剤の組成は、以下の通りである;5%プロヒドロジャスモン、33%1−プロパノール、30%界面活性剤、及び32%水。
調製した0.1%プロヒドロジャスモン溶液を、茎長が1mにまで成育させた実生苗の茎表面に、0.1mL/cmとなるように、2ヶ月間にわたり2週間ごとに1回(合計4回)、刷毛を用いて塗布した。
<発現ベクターの導入>
プロヒドロジャスモンを塗布した実生苗の先端部を切断し、切断面に、表面に発現ベクターをコートした金粒子を、遺伝子導入装置(タナカ社製、製品名:IDERA)を用いて打ち込んだ。その後、28℃の隔離温室下で育成した。
<組織観察>
発現ベクターを導入した部位の茎組織の断面を顕微鏡で観察した。観察条件は以下の通りである。
(顕微鏡)
Nikon ECLIPSE E600(フィルター)
EX460−500
DM505
BA 510−560(ライト)
Nikon INTENSLIGHT C−HGFI
その結果、発現ベクターを導入しなかったコントロールでは、自家蛍光以外に蛍光シグナルは検出されず、GFPが発現していないことが確認された。また、35S−GFPでは、断面の広範囲に渡って蛍光シグナルが検出され、組織全体でGFPが発現していることが確認された。これに対し、REF−GFP−5では、髄、形成層の周囲の一部で蛍光シグナルが鮮明に検出された。
以上より、REFプロモーターは乳管特異的であると考えられ、ジャスモン酸刺激により乳管形成を促進させたパラゴムノキを使用する本発明の評価方法が、乳管特異的プロモーターの特定に有効であることが確認された。
本発明のプロモーターの乳管特異性評価方法により、パラゴムノキにおいて機能し得るプロモーターの乳管特異性を精度よく且つ迅速に評価可能であることから、特に天然ゴムの産生の分野で有用である。

Claims (6)

  1. プロモーターの乳管特異性を評価する方法であって、
    ジャスモン酸又はその誘導体を用いて刺激することにより、乳管形成を促進したパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の茎に、評価対象であるプロモーターの下流に蛍光タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを導入した後、前記蛍光タンパク質の発現部位を確認し、
    前記ジャスモン酸又はその誘導体が、下記一般式(1)
    Figure 0006249683
    [式中、R は炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。]
    で表される化合物であることを特徴とするプロモーターの乳管特異性評価方法。
  2. 前記パラゴムノキが、茎長が40cm〜1.5mに生育した実生苗又はクローン苗であることを特徴とする請求項1記載のプロモーターの乳管特異性評価方法。
  3. 前記パラゴムノキの茎を切断し、その切断面から前記発現ベクターを導入することを特徴とする請求項1又は2記載のプロモーターの乳管特異性評価方法。
  4. 前記パラゴムノキの茎から形成層を剥離し、その剥離面から前記発現ベクターを導入することを特徴とする請求項1又は2記載のプロモーターの乳管特異性評価方法。
  5. 前記発現ベクターの導入を、パーティクルガン法により行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロモーターの乳管特異性評価方法。
  6. 前記ジャスモン酸の誘導体が、プロヒドロジャスモンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロモーターの乳管特異性評価方法。
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