JP6249636B2 - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置の焦点調節制御に関し、特に複数の撮像素子を備える撮像装置とその制御方法に関するものである。
従来、2つの撮像素子を有する撮像装置のオートフォーカス(AF)制御方法に関して、一方の撮像素子が位相差検出用画素を備え、検出した位相差から合焦判定を行う技術がある。特許文献1は、位相差検出用画素を持つ撮像素子により画像を生成する場合に位相差検出用画素のデータ補完に係る処理を効率的に行うための技術を開示する。特許文献1では位相差検出用画素を有する撮像素子によりライブビュー表示および動画撮影を行うことが記載されている。
特開2012−42544号公報
前記特許文献1に開示の従来技術では、動画撮影時にて位相差検出用画素を有する撮像素子から、動画像用画素データと位相差検出用画素データを読み出す必要がある。位相差検出用画素データの読出しに伴い、動画像用画素データの読出しのスループットが低下する可能性がある。また、AF演算速度および精度の観点からは、位相差検出用画素データを高速に複数回読み出すことが望まれる。しかし、位相差検出用画素データは動画像の画素データを読み出す時に同時に読み出されるため、AF演算の処理速度が動画のフレームレートに律速されてしまう。
また、動画像用画素と位相差検出用画素は露光蓄積時間が同じになるため、ライブビュー撮影や動画撮影に適した露光蓄積時間がAF処理にとって最適な時間とは限らない。場合によっては、AF精度の低下が懸念される。
本発明の目的は、複数の撮像素子を備える撮像装置において、撮影画像に係る画素データを読み出す際にスループットを低下させずに、高速で精度の良い焦点調節動作を実現することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る装置は、第1撮像素子および第2撮像素子を備える撮像装置であって、撮像光学系を通して入射する光を分割して前記第1撮像素子および第2撮像素子にそれぞれ1次結像光を受光させる光分割手段と、前記第1撮像素子または前記第2撮像素子の出力に基づいて前記撮像光学系の焦点検出を行う焦点検出手段と、前記焦点検出手段の検出情報を取得して前記撮像光学系の焦点調節を制御する制御手段と、記録サイズまたはフレームレートまたは被写体追従機能の少なくとも一つに関する設定条件に応じた撮影モードとして、記録する動画を前記第2撮像素子の出力に基づいて取得するとともに、前記焦点検出手段が前記第1撮像素子の出力を用いて焦点検出を行う第1のモード、または、記録する動画を前記第2撮像素子の出力に基づいて取得するとともに、前記焦点検出手段が前記第2撮像素子の出力を用いて焦点検出を行う第2のモードを選択的に設定する設定手段と、を有する。
本発明によれば、撮影画像に係る画素データを読み出す際にスループットを低下させずに、高速で精度の良い焦点調節動作を実現できる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る撮像部の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る撮像素子の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る撮像素子の構成例を示す図である。 本発明における焦点検出の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る撮像装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る撮像素子の読出し領域を示す図である。 本発明における焦点検出に係る各像を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る焦点検出領域の選択を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る撮像素子の読出しタイミングを説明する図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る撮像素子の構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る撮像素子の構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る撮像装置の動作を説明するフローチャートであり、処理の前半部を示す。 図13に続く処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る撮影設定画面例を示す図である。
以下に、本発明の各実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1の構成例を示す図である。撮像装置1は、撮像光学系(結像光学系)と、複数の撮像素子100,103を備える。
第1レンズ群111は、撮影光学系の前端側(被写体側)に配置され、レンズ鏡筒にて光軸方向に進退可能に支持される。絞り110は、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行う。第2レンズ群109は、絞り110と一体となって光軸方向に進退する。第2レンズ群109は、第1レンズ群111の進退動作との連動により、変倍作用(ズーム機能)をもつ。第3レンズ群108は、光軸方向に進退して焦点調節を行うフォーカスレンズ群である。
図2に示すように、ハーフミラー107は、被写体からの入射光束を反射光と透過光に分割する光分割手段である。ハーフミラー107の透過光は第1撮像素子100に入射し、反射光は第2撮像素子103に入射する。フォーカルプレーンシャッタ106は静止画撮影時に露光秒時を調節する。本実施形態ではフォーカルプレーンシャッタ106により、第1撮像素子100の露光秒時を調節する構成である。これに限らず、第1撮像素子100が電子シャッタ機能を有し、制御パルスで露光秒時を調節する構成でもよい。
光学像を電気信号に変換する第1撮像素子100は、主に静止画像の撮影に使用する。第1AFE(アナログ・フロント・エンド)101は、第1撮像素子100が出力するアナログ画像信号に対して、ゲイン調整や、所定の量子化ビットに対応したデジタル信号への変換を行う。第1TG(タイミング・ジェネレータ)102は、第1撮像素子100及び第1AFE101の駆動タイミングを制御する。
光学像を電気信号に変換する第2撮像素子103は、主に動画像の撮影に使用する。第2AFE104は、第2撮像素子103が出力するアナログの画像信号に対して、ゲイン調整や、所定の量子化ビットに対応したデジタル信号への変換を行う。第2TG105は、第2撮像素子103及び第2AFE104の駆動タイミングを制御する。第1AFE101、第2AFE104がそれぞれ出力する画像データはCPU(中央演算処理装置)124に送られる。第1TG102と第2TG105は、CPU124からの制御信号に従い、駆動信号を生成して第1撮像素子100、第2撮像素子103にそれぞれ出力する。なお、本実施形態では第1撮像素子100に関連する第1AFE101、第1TG102や、第2撮像素子103に関連する第2AFE104、第2TG105を使用するが、AFE、TGを撮像素子内に内蔵した構成でもよい。
CPU124は撮像装置を統括的に制御する。CPU124は、フォーカス駆動回路112および絞り駆動回路113を制御する。例えば、CPU124は、AF演算部122の焦点検出結果(検出情報)に基づいて、フォーカス駆動回路112によりフォーカスアクチュエータ114を駆動制御する。これにより、第3レンズ群108が光軸方向に進退して焦点調節動作が行われる。また、CPU124は絞り駆動回路113により絞りアクチュエータ115を駆動制御し、絞り110の開口径を制御する。
CPU124には各部(116ないし123参照)が接続されている。操作部116はユーザが撮影指示や撮影条件等の設定操作をCPU124に対して行う場合に使用する。表示部117は撮影済みの静止画像や動画像、メニュー等の表示を行う。表示部117はカメラ本体部背面のTFT(薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイやファインダなどを含む。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)118は、第1AFE101、第2AFE104がデジタル変換した画像データや、第1画像処理部120が処理したデータを記憶する。またRAM118は、第2画像処理部121が処理した画像データを記憶するための画像データ記憶部として機能と、CPU124のワークメモリとしての機能を併せ持つ。本実施形態では、これらの機能をもつRAM118を実装するが、アクセス速度が十分なレベルのメモリであれば、他のメモリを使用可能である。ROM(リード・オンリ・メモリ)119は、CPU124が解釈して実行するプログラムを格納する。フラッシュROM等のメモリデバイスが使用される。
第1画像処理部120は、撮影された静止画像の補正や圧縮等の処理を行う。第2画像処理部121は、撮影された動画像の補正や圧縮等の処理を行う。また第2画像処理部121は、後述するA画像データとB画像データを加算する機能を有する。
AF演算部122は、第1撮像素子100が出力する画素信号に基づいて焦点検出を行う。フラッシュメモリ123は、静止画像データ及び動画像データを記録するための、着脱可能なメモリデバイスである。本実施形態では記録媒体としてフラッシュメモリを使用するが、データ書き込み可能な不揮発性メモリや、ハードディスク等でもよい。また、これらの記録媒体をケースに内蔵した形態でも構わない。
図2は、第1撮像素子100、第2撮像素子103、ハーフミラー107の位置関係を説明する模式図である。ハーフミラー107の反射光は第2撮像素子103に入射し、透過光は第1撮像素子100に入射する。ハーフミラー107の中心から第1撮像素子100までの距離aと、ハーフミラー107の中心から第2撮像素子103までの距離bは等しい(a=b)。つまり、第1撮像素子100と第2撮像素子103には等しい倍率の被写体像である1次結像光が入射する。よって、第1撮像素子100の出力する画素信号を用いてAF制御を行う場合でも、第2撮像素子103に結像する被写体にピントを合わせることができる。
図3は、第1撮像素子100の構成を示す。第1撮像素子100は、画素アレイ100aと、画素アレイ100aにおける行を選択する垂直選択回路100d、画素アレイ100aにおける列を選択する水平選択回路100cを備える。読出し回路100bは、画素アレイ100a中の画素のうち垂直選択回路100d及び水平選択回路100cによって選択される画素の信号を読み出す。
垂直選択回路100dは、画素アレイ100aの行を選択し、CPU124から出力される水平同期信号に基づいて第1TG102から出力される読出しパルスを、選択行において有効にする。読出し回路100bは列毎のアンプやメモリを含み、選択行の画素信号はアンプを介してメモリに格納される。メモリに格納された1行分の画素信号は、水平選択回路100cによって列方向に順に選択され、出力アンプ100eを介して外部に出力される。この動作を行数分繰り返し、全ての画素信号が外部に出力される。なお、第2撮像素子103の構成も同様であるため、その詳細な説明を省略する。
図4は、画素アレイ100aの構成例を示す。画素アレイ100aは、2次元の画像データを出力するため、複数の画素部を2次元アレイ状に配置した構成である。図4(A)は、位相差検出が可能な画素アレイの構成を例示し、図4(B)は、位相差検出が可能でない画素アレイの構成を例示する。本実施形態では、第1撮像素子100の画素アレイは図4(A)の構成とする。一方、第2撮像素子103の画素アレイは図4(B)の構成とする。
図4(A)に円形枠で示すマイクロレンズ100fに対し、長方形枠で示す複数のフォトダイオード(以下、PDと記す)100g、100hが設けられる。PD100g、100hは、複数の光電変換部を構成する。つまり、各画素部を構成する2つのPDに対して1つのマイクロレンズが被写体側に配置される。マイクロレンズ100fを共有する領域を1画素とした場合、水平方向にh1個の画素、垂直方向にi1個の画素が並んで配置される。PD100gとPD100hにそれぞれ蓄積された信号は、読出し動作によって別々に外部に出力される。PD100gとPD100hには、後述のように位相差を持った異なる像の光がそれぞれ入射する。以下、PD100gをA像用画素とし、PD100hをB像用画素とする。本実施形態では、1つのマイクロレンズに対して2個のPDを配置した構成例を示すが、1つのマイクロレンズに対して3以上のPD(例えば4個、9個など)を配置した構成でもよい。つまり、1つのマイクロレンズに対して複数のPDが上下方向または左右方向に配置された構成にも本発明を適用できる。
図4(B)の構成では、マイクロレンズ103fに対してPD103gが1個だけ設けられている。すなわち、正方形枠で示す1つのPDに対して、1つのマイクロレンズを被写体側に配置した構成である。水平方向にh2個の画素、垂直方向にi2個の画素が並んで配置される。
第1撮像素子100は静止画撮影で使用し、第2撮像素子103は動画撮影で使用する。このため、第1撮像素子100の画素数(h1×i1画素)は、第2撮像素子103の画素数(h2×i2画素)より多い。また第2撮像素子103は、第1撮像素子100よりも画素数が少ないため、1個のPDの面積が大きくなるので感度が高い。ハーフミラー107により分割される光束は、透過光と反射光とでM:Nの割合で分割される。「N<M」に設定され、感度が高い第2撮像素子103への入射光の割合の方が、第1撮像素子100への入射光の割合よりも小さい。
次に、図4(A)に示す画素アレイ構成を有する第1撮像素子100にて、A像用画素とB像用画素が出力する画素データについて説明する。図5(A)および(B)は、第1撮像素子100におけるピント状態と位相差との関係を示す模式図である。
図5に示す画素アレイの断面100aにおいて、1つのマイクロレンズ128に対してA像用画素129およびB像用画素130が配置される。撮影レンズ125は、図1に示す第1レンズ群111、第2レンズ群109、第3レンズ群108を併せて1つのレンズとして表現した撮像光学系である。被写体126からの光は、光軸127を中心として、撮影レンズ125の各領域を通過して撮像素子に結像する。ここでは射出瞳と撮影レンズの中心を同一としている。撮影レンズ125の各領域は、異なる方向から光が通過する。すなわち、本構成では、撮像光学系をA像用画素から見た場合とB像用画素から見た場合とで、撮像光学系の瞳が対称に分割されたことと等価となる。言い換えれば、撮像光学系からの光束が2つの光束として、いわゆる瞳分割される。この分割光束(第1光束ΦLa及び第2光束ΦLb)がA像用画素及びB像用画素にそれぞれ入射する。
被写体126上の特定点からの第1光束は、A像用画素129に対応する分割瞳を通ってA像用画素129に入射する光束ΦLaである。また、被写体126上の特定点からの第2光束は、B像用画素130に対応する分割瞳を通ってB像用画素130に入射する光束ΦLbである。瞳分割された2つの光束は、被写体126上の同一点から撮像光学系を通過して入射される。このため、被写体126にピントが合った状態では、図5(A)に示すように、光束ΦLa,ΦLbが同一のマイクロレンズを通過して撮像素子上の1点に到達する。したがって、A像用画素129とB像用画素130からそれぞれ得られる像信号の位相は互いに一致する。
これに対し、図5(B)に示すように、光軸方向に距離Yだけピントがずれている状態では、光束ΦLa,ΦLbがマイクロレンズへ入射する入射角の変化分だけ両光束の到達位置が互いにずれる。したがって、A像用画素129とB像用画素130からそれぞれ得られる像信号には位相差が生じる。A像用画素129およびB像用画素130により検出される、互いに位相差を持った2つの被写体像(A像及びB像)はPDがそれぞれ光電変換する。光電変換後のA像、B像の各信号は別々に外部へ出力され、後述するAF動作で使用される。
次に図6のフローチャートを参照して、本実施形態における撮像装置の動作を説明する。以下の処理はCPU124がメモリからプログラムを読み出して実行することにより実現される。
先ず、S101にて操作部116に含まれる動画撮影スイッチが押下されるまで待機状態となる。ユーザ操作により動画撮影スイッチが押下されると、S102にてCPU124は動画撮影動作を開始させる。第2撮像素子103、第2AFE104、第2TG105に電源が投入され、CPU124は動画撮影設定を行う。この設定後、CPU124から出力される同期信号に基づいて第2TG105が第2撮像素子103に読出しパルスを出力し、第2撮像素子103は所定のフレームレートでの読出し動作を開始する。なお、本実施形態にて動画像の電荷蓄積および読出し動作はスリットローリング動作による電子シャッタ機能を使用して行われるが、この限りではない。
第2撮像素子103から出力される画像データは、CPU124によりRAM118へ転送される。その後、画像データは第2画像処理部121に転送され、補正や圧縮処理等が行われて動画フレームのデータが作成される。作成された動画フレームのデータに従って表示部117は画像を表示する(ライブビュー表示)。撮影前に表示部117に表示されるメニューを見ながら操作部116を使用してユーザが操作することにより、動画記録モードが選択されている場合には、動画像データがフラッシュメモリ123に順次記録される。
S103でCPU124は、動画撮影スイッチが再度操作されたか否かを判定する。動画撮影スイッチが操作されていない場合、動画撮影動作が継続し、S104へ処理を進める。また、S103で動画撮影スイッチが操作された場合には、動画撮影動作を終了する。S104でCPU124は、操作部116に含まれるAFスイッチが押下されたか否を判定する。AFスイッチの押下が判定された場合には、S105へ処理を進め、動画撮影中にAF演算が実行される。また、S104でAFスイッチが押下されていないと判定された場合、S108へ処理を進める。S105でCPU124は、第1撮像素子100の位相差検出用画素から画素データを読み出すための設定を行う。この場合、全画面のデータを読み出すのではなく、一部領域から画素データを読み出す処理が実行される。図7に示す領域100i内の画素部からデータが部分的に読出される。これにより、高速なAF演算を実行できる。更には動作時間を短くできるため、消費電力が抑えられる。なお、図7の領域100iでは3画素分のデータ読出しを例示するが、読み出す画素の数については任意に設定できる。また、第1撮像素子100から位相差検出用画素データを読み出す一部領域については、撮影条件が変更された場合や操作指示等に応じて適宜に変更され、変更後の領域から画素データを読み出す処理が実行される。第1撮像素子100から出力されるA像用画素データおよびB像用画素データは、CPU124によりRAM118へ転送される。CPU124はRAM118に格納されるA像用画素データを用いた画像データ(A像に対応するA画像データ)と、B像用画素データを用いた画像データ(B像に対応するB画像データ)をAF演算部122に転送する。
図8(A)は、図5(A)で説明したように被写体にピントが合っている場合のA画像データおよびB画像データを例示する。横軸は、画素位置を表し、縦軸は出力レベルを表す。図8(A)に示すように、被写体にピントが合っている場合、A画像データとB画像データは一致する。図8(B)は、図5(B)で説明したように被写体にピントが合っていない場合のA画像データおよびB画像データを例示する。この場合、A画像データとB画像データは位相差を持ち、画素位置にずれ量Xが生じる。AF演算部122は、動画フレーム毎のずれ量Xを算出することによりピントずれ量、即ち図5(B)におけるY値を算出する。AF演算部122は算出したY値を、CPU124を介してフォーカス駆動回路112に送信する。
S106でフォーカス駆動回路112は、AF演算部122から取得したY値に基づき第3レンズ群108の駆動量を算出し、フォーカスアクチュエータ114に駆動命令を出力する。フォーカスアクチュエータ114により、第3レンズ群108は被写体にピントが合う合焦位置まで移動し、第1撮像素子100の受光面上に焦点が位置する状態となる。この時、第1撮像素子100と第2撮像素子103には、像面倍率が同じである1次結像光が入射しており、被写界深度等も同一である。このため、第1撮像素子100で被写体にピントが合った状態では、第2撮像素子103でも被写体にピントが合った状態となる。次のS107でCPU124は、フォーカス駆動の結果、合焦状態であるか否かの判定(合焦判定)を行う。そのために、S107では再度AF演算が実行される。AF演算の処理内容はS105と同様であるため、説明を省略する。撮像光学系が合焦状態であると判定された場合、S108に処理を進め、合焦状態でないと判定された場合、S104に処理を戻す。S108でCPU124は、操作部116に含まれる静止画撮影スイッチが押下されたか否かを判定する。静止画撮影スイッチが押下された場合、S109に処理を進め、静止画撮影スイッチが押下されていない場合、S103に処理を戻す。
S109で静止画撮影動作が開始すると、CPU124はフォーカルプレーンシャッタ106を制御して第1撮像素子100に対する露光動作を行う。その後、CPU124から出力される同期信号に基づいて第1TG102は第1撮像素子100に読出しパルスを出力する。これにより第1撮像素子100は読出し動作を開始する。第1撮像素子100が出力した画像データは、第1AFE101がデジタルデータに変換した後、RAM118に格納される。CPU124はRAM118に格納される画像データを第1画像処理部120に転送する。第1画像処理部120は画像データの補正や圧縮処理等を行い、処理後の画像データはフラッシュメモリ123に記録される。S109の後でS103へ戻り、前記処理が繰り返される。
なお、S104においてAFスイッチが押下されていない場合には、S108に移行する。また、表示部117と操作部116を使用したメニュー表示での操作指示により、AF動作がOFF状態に設定されている場合も同様である。
図9は撮影画面上でのAFフレーム枠(焦点検出領域を表示する枠)を例示した図である。図9(A)は、AFフレーム枠の選択処理について一例を示す。AFフレーム枠は表示部117等の画面に表示され、ユーザは操作部116を用いてAFフレーム枠を選択できる。図9(A)のAFフレーム枠132は選択可能なエリアを示し、AFフレーム枠131は現在選択中のAFフレーム枠を示す。図6のS105では現在選択中のAFフレーム枠132の位置に基づいて、これに対応する領域(図7に示す領域100i参照)を決定する処理が行われる。当該領域にて、第1撮像素子100の画素データが読み出されてAF演算処理が実行される。なお、図9(A)に示すAFフレーム枠の数や領域は例示であって、任意に設計可能である。
図9(B)は、被写体の顔領域を検出してAFフレーム枠を自動で選択する処理について一例を示す。図9(B)ではAFフレーム枠132と被写体像133を例示する。CPU124は、第2撮像素子103で撮影している動画フレーム(ライブビュー画像でも可)を画像解析することで被写体を判定し、被写体の顔領域を検出する。AFフレーム枠134は被写体の顔領域に対応するAFフレーム枠である。このAFフレーム枠134の位置に相当する画素データに基づいてAF演算処理が実行される。なお、被写体の顔検出方法については特に限定しない。
図10は、従来例と対比しつつ、本実施形態における位相差検出用画素の読出しタイミングを説明する図である。図10(A)は、従来のシステムにおいて、動画撮影用撮像素子の位相差検出用画素からデータを読み出すタイミングを例示する。図10(B)は、本実施形態における動画撮影用の第2撮像素子103から動画像用画素データを読み出すタイミングを例示する。図10(C)は、本実施形態における静止画用の第1撮像素子100から位相差検出用画素データを読み出すタイミングを例示する。なお、図10の縦軸は各撮像素子の垂直方向の位置を示し、横軸は時間軸を示す。
図10(A)に示す期間140の長さは、撮像素子の蓄積時間を示す。この蓄積時間は動画の撮影設定によって決定される。期間140において、A像用画素、B像用画素の信号電荷蓄積がそれぞれ行われる。期間140で蓄積された信号の示す画素データは斜めの線分141の時点で示すタイミングで読み出され、CPU124によってRAM118に格納される。その後、第2画像処理部121に転送され、同一のマイクロレンズ下にあるA像用画素およびB像用画素の各データを、画素毎に加算する処理が実行される。これにより、動画フレームのデータが作成される。
右向きの矢印で示す期間142の長さはAF演算の処理時間を示している。図6で説明したようにA像用画素、B像用画素の各データを用いてAF演算処理が実行される。期間143の長さはフォーカス駆動時間を示している。図6で説明したようにAF演算結果に基づいてフォーカス駆動処理が実行される。
図10(A)に示す従来例のシステムでは、線分141の時点で示す読出しタイミングにおいて、動画フレームのデータ作成とAF演算処理を行うために、A像用画素データとB像用画素データを読み出す必要がある。そのため、読出しスループット(この場合、動画のフレームレートに対応する処理能力)を十分に発揮できない。この問題を解決すべく、本実施形態での画素データ読出し方法について、図10(B)および(C)を参照して以下に説明する。
図10(B)は、第2撮像素子103の動画像用画素データの読出し処理を例示する。期間140の長さは、図10(A)と同様に蓄積時間を示す。斜めの線分144で示す時点は画素データの読出しタイミングを示し、動画像用の画素データが読み出される。すなわち、線分144の時点で動画像用の画素データの読出し処理のみが行われるので、動画のフレームレートを最大限に発揮することができる。
図10(C)に示す期間145の長さは、第1撮像素子100での位相差検出用画素の蓄積時間を示している。蓄積時間については動画用画素の蓄積時間(期間140参照)と同一にする必要はなく、AF演算処理に適した蓄積時間を設定できる。図10(C)の例では、図10(B)の場合に比べて蓄積時間を長く設定しているが、これに限ったものではない。本実施形態では、AF演算処理に適した蓄積時間を設定できるので、より精度の高いAF動作を行える。
線分146で示す時点は位相差検出用画素データの読出しタイミングを示している。図7の領域100iについて説明したように、第1撮像素子100の画素群における部分領域に限定してデータの読出し処理を行うことで、読出し時間(所要時間)を大幅に低減できる。その結果、より高速なAF動作を実現できる。なお、期間147の長さはAF演算処理時間を表し、図10(A)の期間142と同様である。また、期間148の長さはフォーカス駆動時間を表し、図10(A)の期間143と同様である。
本実施形態によれば、読出しスループットを最大限に発揮した動画撮影動作を実現でき、また、動画撮影時のAF処理を高精度かつ高速に行うことができる。
本実施形態では、第1撮像素子100の全ての画素部が焦点検出用画素を含み、位相差検出方式のAF処理を行える構成をもつが、この限りではない。例えば、第1撮像素子100が、離散的に配置された焦点検出用画素を備え、対をなす像信号を取得して位相差AF処理を行う構成でもよい。この場合、焦点検出用の画素部については、例えば、各マイクロレンズに対して1つのPDを有し、遮光層により左右または上下の部分が遮光された構成で瞳分割方式の焦点検出を行う。
また、第1撮像素子100が第2撮像素子103と同様の画素構成であって、各画素部から読み出した画像データのコントラストを検出してAF動作を行うコントラストAF方式を適用する構成も可能である。この場合、第1撮像素子100は、1つのマイクロレンズに対して1つのPDを有する構成でよい。
本実施形態では、第1撮像素子100により取得されるA画像データとB画像データを画像処理部が加算して動画を生成する構成である。これに限らず、A画像データ、B画像データがそれぞれ必要ない場合には、一部または全部の画素部についてA画像データ、B画像データを撮像素子内で加算して出力する構成でもよい。
[第1実施形態の変形例]
図11は、撮像素子の画素アレイの変形例を模式的に示す。一般的に、静止画撮影用の第1撮像素子100は動画撮影用の第2撮像素子103に比べ、高画素数の構成となる。一方、第2撮像素子103は第1撮像素子100に比べ、1画素当たりの面積を大きくして感度を高めた構成となる。
図11(A)は第1撮像素子100の画素アレイを例示し、図11(B)は第2撮像素子103の画素アレイを例示する。図11(B)に示す第2撮像素子103の1画素(103i参照)に対して、図11(A)に示す第1撮像素子100の画素部は4画素(100i参照)対応している。
説明の便宜上、第2撮像素子103の1画素分の面積に対し、第1撮像素子100の1画素分の面積の比率を約4:1としたが、この比率については仕様に応じて変更可能である。また、位相差検出に使用するための、対をなすA像用画素データおよびB像用画素データについては、第1撮像素子100内で複数の画素のデータについて加算処理を行ってから、加算後のデータを読み出す構成により、処理の高速化を図ることができる。例えば、第2撮像素子103の1画素分の面積に対し、第1撮像素子100の1画素分の面積の比率をN:1とした場合、当該比率に相当するN画素分のデータを加算したデータを第1撮像素子100から読み出す処理が行われる。
変形例では、第2撮像素子103に比較して高精細な画素出力が可能な第1撮像素子100における特定領域(焦点検出用の選択領域)内の画素部から、位相差検出信号を取得して焦点ずれ量を算出することができる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態にて第1撮像素子200および第2撮像素子203を除いて、第1実施形態と同様の構成部については既に使用した符号を用いることによってそれらの詳細な説明を省略し、主に相違点を説明する。
第2実施形態に係る撮像装置の基本構成は図1と同様であるが、第1撮像素子200および第2撮像素子203の画素アレイの構成が相違する。図12(A)は第1撮像素子200の画素アレイの構成例を示し、図12(B)は第2撮像素子203の画素アレイの構成例を示す。
図12(A)に示す1つのマイクロレンズ200fに対して、2つのPD200g、200hが配置されている。マイクロレンズ200fを共有する領域を1画素とした場合、水平方向にh1個の画素、垂直方向にi1個の画素が並んで配置される。図4(A)と比較して、単位面積当たりの画素数が多く、稠密に分布していることが分かる。また、図12(B)に示す1つのマイクロレンズ203fに対して、2つのPD203g、203hが配置されている。水平方向にh2個の画素、垂直方向にi2個の画素が並んで配置される。第2撮像素子203は動画撮影用であるため、静止画用の第1撮像素子200に比べて画素数が少なく、1画素当たりの面積が大きい。本実施形態では、第1撮像素子200および第2撮像素子203がいずれも位相差検出用画素を備えた構成である。
次に、図13および図14に示すフローチャートを参照して、本実施形態の撮像動作を説明する。
図13のS201で撮影動作が開始し、S202でCPU124は撮影モードを判定する。撮影モードが静止画撮影モードの場合、S205に移行して静止画撮影の準備動作が行われる。また、撮影モードが動画撮影モードの場合、S203から図14のS211に移行する。なお、撮影モードの選択については、操作部116を用いて選択する形態や、表示部117に表示されるメニュー画面を見ながらタッチパネルの操作により選択する形態がある。
まず、静止画撮影モードでの処理について説明する。
図13のS205でCPU124は、操作部116に含まれるAFスイッチの操作状態を判定する。AFスイッチが押下されている場合、S206へ処理を進めるが、AFスイッチが押下されていない場合には、待ち状態となってS205の判定処理が繰り返される。
S206では静止画撮影中にAF演算処理が実行される。つまり、第2撮像素子203、第2AFE104、第2TG105に電源が投入され、CPU124は第2撮像素子203の位相差検出用画素からデータを読み出すための設定を行う。第2撮像素子203から出力されるA像用画素データとB像用画素データは、CPU124によりRAM118に転送される。CPU124はRAM118に格納されるA像用画素データを用いたA像に対応するA画像データと、B像用画素データを用いたB像に対応するB画像データをAF演算部122に転送する。なお、図13および図14では説明の便宜のため、静止画撮影と動画撮影を同時に行う場合のフローチャートとして記載してはいないが、ライブビュー撮影が指定されている場合、S206でCPU124はライブビュー設定処理を行う。また、S206にて動画撮影の指定がなされている場合、CPU124は動画撮影の設定処理を行う。
次にS207でフォーカス駆動回路112は、AF演算部122から取得した焦点ずれ量に基づき、第3レンズ群108の駆動量を算出し、フォーカスアクチュエータ114に駆動命令を出力する。第3レンズ群108はフォーカスアクチュエータ114により合焦位置まで移動し、第2撮像素子203の受光面上に焦点が位置した状態となる。この時、第1撮像素子200および第2撮像素子203には、像面倍率が同じである1次結像光が入射しており、被写界深度等も同一である。このため、同一被写体に対して第2撮像素子203でピントが合った状態では、第1撮像素子200でもピントが合った状態となる。
次のS208でCPU124は合焦状態であるか否かを判定する。そのために、再度AF演算が実行される。AF演算の処理内容はS206と同様である。S208で合焦状態の判定が下された場合、S209に処理を進める。また非合焦状態の判定が下された場合、S205に処理を戻す。
S209でCPU124は、操作部116に含まれる静止画撮影スイッチが操作されたか否かを判定する。静止画撮影スイッチが押下されていた場合、S210に移行して静止画撮影動作が行われる。その後、S204を介してS202へ処理を戻す。またS209で静止画撮影スイッチが押下されていない場合、S205に処理を戻す。
次に図14を参照して、動画撮影モード時の動作について説明する。
S211でCPU124は、操作部116に含まれる動画撮影スイッチの操作状態を判定する。動画撮影スイッチが押下された場合、S212に移行して動画撮影動作が開始する。また、動画撮影スイッチが押下されない場合、S204から図13のS202へ処理を戻す。
S212で動画撮影が開始すると、第2撮像素子203、第2AFE104、第2TG105に電源が投入され、CPU124は動画撮影設定処理を行う。この設定後、CPU124から出力される同期信号に基づいて、第2TG105は第2撮像素子203に対して読出しパルスを出力する。第2撮像素子203は所定のフレームレートでの読出し動作を開始する。なお、本実施形態では動画像の電荷蓄積および読出し動作がスリットローリング動作による電子シャッタ機能を使用して行われる。第2撮像素子203から出力された画素データは、CPU124によりRAM118へ転送される。その後、第2画像処理部121に転送され、補正および圧縮処理等が施され、動画フレームのデータが生成される。生成された動画フレームのデータに従って表示部117は画面に動画表示を行う(ライブビュー)。撮影前に表示部117に表示されたメニュー画面と操作部116を使用してユーザが動画記録の選択指示を既に行っている場合には、動画像のデータがフラッシュメモリ123に順次記録される。
S213でCPUは、動画撮影スイッチが再度押下されたか否かを判定する。動画撮影スイッチが押下されていない場合には動画撮影を継続し、S214へ移行する。また動画撮影スイッチが押下された場合には動画撮影を終了し、S204から図13のS202へ処理を戻す。S214でCPU124は、AFスイッチの操作状態を判定する。AFスイッチが押下されている場合、S215に移行するが、AFスイッチが押下されていない場合にはS213に処理を戻す。
S215では動画撮影中にAF演算処理が実行される。つまり、第1撮像素子200、第1AFE101、第1TG102に電源が投入され、CPU124は第1撮像素子200の位相差検出用画素からデータを読み出すための設定を行う。第1撮像素子200の位相差検出用画素からデータを読み出す際には、全領域ではなく限定された対象領域内の画素データを部分的に読み出すことで、高速にAF演算を行う。これにより、動作時間を短くできるため、消費電力が抑えられる。
S216でフォーカス駆動回路112は、AF演算部122から取得した焦点ずれ量に基づき第3レンズ群108の駆動量を算出し、フォーカスアクチュエータ114に駆動命令を出力する。第3レンズ群108は合焦位置まで移動する。次のS217では再度AF演算が実行された後で合焦判定処理が行われる。合焦状態の判定が下された場合、S213に移行し、また非合焦点状態の判定が下された場合、S214に処理を戻す。
以上の動作により、撮影モードに応じて位相差検出を行う撮像素子が変更される。すなわち、静止画撮影モードでは第2撮像素子203の位相差検出用画素からデータ読出し動作が行われる。また動画撮影モードでは第1撮像素子200の位相差検出用画素からデータ読出し動作が行われる。撮影モードに応じた撮像素子の切り替えにより、動画撮影時の読出しスループットを最大限に発揮できる。更には、動画撮影時のAF動作を高精度、かつ高速に行うことができる。
次に、図15を参照して設定操作について説明する。図15は表示部117の一例として、動画像の記録サイズ設定画面230と被写体追従特性の設定画面240を示す。本実施形態では、操作部116、表示部117、およびCPU124により、動画像の記録サイズを設定する記録サイズ設定処理と、動画像のフレームレートを設定するフレームレート設定処理が行われる。
図15(A)は動画記録サイズ231、動画フレームレート232、動画圧縮形式233を設定する画面例を示す。動画記録サイズについては、例えば下記の画質選択が可能である(図には1920,1280,640と略記する)。
・1920×1080画素のフルハイビジョン(Full HD)画質。
・1280×720画素のハイビジョン(HD)画質。
・640×480画素の標準画質。
また、動画像のフレームレートについては、テレビジョン放送映像方式がNTSC(National Television System Committee)の場合、30フレームまたは60フレームを選択可能である。テレビジョン放送映像方式がPAL(Phase Alternation by Line)の場合、25フレームまたは50フレームを選択可能である。また、映画関連での使用例として24フレームを選択可能である。なお、図15(A)にはNTSC方式の場合の表示例を示す。
動画圧縮形式については、複数のフレーム単位で効率的に圧縮して記録するIPB方式や、1フレーム単位で圧縮して記録するALL-I方式などが選択可能である。
ユーザが操作部116等を操作して意図する設定項目を選択すると、選択された設定項目の内容が画面の表示枠235内に表示される。
設定された動画記録サイズ、動画フレームレートによっては、第2撮像素子203の読出しスループットを最大限に発揮する必要がない場合がある。例えば、動画記録サイズに関して標準画質でよい場合、第2撮像素子203の画素データを間引いて読み出すことで必要な読出しスループットを低く抑えることができる。本実施形態では、記録サイズ設定処理により設定された動画像の記録サイズが閾値以下である場合、AF演算部122は第2撮像素子203の出力する画素データを取得して焦点検出を行う。
また、動画フレームレートが24乃至30フレームの場合にも、撮像素子の読出しスループットがそれほど要求されない場合がある。本実施形態では、フレームレート設定処理により設定されたフレームレートが閾値以下である場合、AF演算部122は第2撮像素子203の出力する画素データを取得して焦点検出を行う。位相差検出を第2撮像素子203で行うことにより、システム全体の消費電力を大幅に低減できる。
図15(B)は被写体追従特性の設定画面240を例示する。「サーボAF」とは、焦点検出の際に被写体に追従しつつ撮像光学系の焦点位置を変更する機能であり、動体の追尾等に便利である。操作部116、表示部117、CPU124は、この機能について有効または無効を設定する機能設定処理を行う。
ユーザは操作部116を用いて、選択カーソル241を左右に操作し、操作部116のSETボタン243で設定位置を決定する。設定値は画面の表示枠242内に表示される。被写体が急に動き出したときや、急に止まったときなど、動体の速度が瞬時に大きく変化した場合に、被写体に対する追従性を設定できる。
被写体の追従性の設定によっては、第2撮像素子203で位相差検出を行う構成であっても、被写体の追従性を高める必要がない場合もある。追従性を要求されない場合、つまり、サーボAFの機能が無効(図中のOFF)に設定されている場合に、AF演算部122は第2撮像素子203の出力する画素データを取得して焦点検出を行う。第2撮像素子203で位相差検出を行うことで、システム全体の消費電力を大幅に低減できる。また、被写体の移動速度がほぼ一定の場合や、低速の動体に対して追従性を設定する場合には、高速性を求められない。よって、設定値が閾値以下の場合には第2撮像素子203により位相差検出を行うことでシステム全体の消費電力を大幅に低減できる。
一方、急な動き出しや、急加速、急減速、急停止などを行う被写体を撮影する場合、AF動作の追従性には高速性が求められる。設定値が閾値を超える場合には、第2撮像素子203を動画撮影に専ら使用し、第1撮像素子200により位相差検出を行うことで、高速かつ高精度のAF動作を実現できる。
本実施形態によれば、撮影設定(記録サイズやフレームレートを含む)やAF設定(被写体への追従性を含む)に応じて、位相差検出を行う撮像素子を変更することで、システム全体の消費電力を低減できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100,200 第1撮像素子
103,203 第2撮像素子
107 ハーフミラー
120 第1画像処理部
121 第2画像処理部
122 AF演算部
124 CPU

Claims (14)

  1. 第1撮像素子および第2撮像素子を備える撮像装置であって、
    撮像光学系を通して入射する光を分割して前記第1撮像素子および第2撮像素子にそれぞれ1次結像光を受光させる光分割手段と、
    前記第1撮像素子または前記第2撮像素子の出力に基づいて前記撮像光学系の焦点検出を行う焦点検出手段と、
    前記焦点検出手段の検出情報を取得して前記撮像光学系の焦点調節を制御する制御手段と、
    記録サイズまたはフレームレートまたは被写体追従機能の少なくとも一つに関する設定条件に応じた撮影モードとして、記録する動画を前記第2撮像素子の出力に基づいて取得するとともに、前記焦点検出手段が前記第1撮像素子の出力を用いて焦点検出を行う第1のモード、または、記録する動画を前記第2撮像素子の出力に基づいて取得するとともに、前記焦点検出手段が前記第2撮像素子の出力を用いて焦点検出を行う第2のモードを選択的に設定する設定手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記焦点検出手段は、前記第2撮像素子による動画像の撮影中に、前記第1撮像素子に対して予め設定された領域の位相差検出用画素から読み出した画素データを取得して焦点検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記焦点検出手段は、撮影条件に応じて前記領域を変更するとともに、変更された前記領域の位相差検出用画素から読み出した画素データを取得して焦点検出を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 撮影画面上での焦点検出領域を選択する操作手段を備え、
    前記焦点検出手段は、前記操作手段により選択された焦点検出領域の前記位相差検出用画素から読み出した画素データを取得して焦点検出を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
  5. 前記第2撮像素子により撮像した被写体像の顔領域を検出する顔検出手段を備え、
    前記焦点検出手段は、前記顔検出手段により検出される顔領域に対応する領域の前記位相差検出用画素から読み出した画素データを取得して焦点検出を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
  6. 前記第1撮像素子および第2撮像素子は、2次元アレイ状に配置した複数の画素を有し、
    前記第1撮像素子は、前記第2撮像素子に比べて画素数が多いことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記焦点検出手段は、前記第2撮像素子による動画像の撮影中に前記第1撮像素子の出力する画素データを取得する場合、前記第1撮像素子にて複数の画素データを加算処理したデータを取得することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記第1撮像素子は、前記第2撮像素子の1画素分の面積に対する前記第1撮像素子の1画素分の面積の比率に相当する画素分のデータを加算したデータを出力することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記焦点検出手段は、前記第1撮像素子または第2撮像素子の出力する画素データを取得して前記撮像光学系の焦点検出を行い、
    前記制御手段は、前記第1撮像素子による撮影中に前記第2撮像素子の出力する画素データから前記焦点検出手段が焦点検出を行うことによって前記撮像光学系の焦点調節を制御することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 前記焦点検出手段は、前記第1撮像素子により静止画像を撮影する場合、前記第2撮像素子の位相差検出用画素が出力する画素データを取得して焦点検出を行い、前記第2撮像素子により動画像を撮影する場合、前記第1撮像素子の位相差検出用画素が出力する画素データを取得して焦点検出を行うことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
  11. 動画像の記録サイズを設定する記録サイズ設定手段を備え、
    前記設定手段は、前記記録サイズ設定手段により設定された動画像の記録サイズが閾値より大きい設定条件の場合には撮影モードを前記第1のモードに設定し、前記記録サイズ設定手段により設定された動画像の記録サイズが閾値以下である設定条件の場合には撮影モードを前記第2のモードに設定することを特徴とする請求項1または請求項10に記載の撮像装置。
  12. 動画像のフレームレートを設定するフレームレート設定手段を備え、
    前記設定手段は、前記フレームレート設定手段により設定されたフレームレートが閾値より高い設定条件の場合には撮影モードを前記第1のモードに設定し、前記フレームレート設定手段により設定されたフレームレートが閾値以下である設定条件の場合には前記第2のモードに設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
  13. 焦点検出の際に被写体に追従しつつ前記撮像光学系の焦点位置を変更する機能について有効または無効を設定する機能設定手段を備え、
    前記設定手段は、前記機能設定手段により前記機能が無効に設定された設定条件の場合には撮影モードを前記第2のモードに設定し、前記機能設定手段により前記機能が有効に設定された設定条件の場合には撮影モードを前記第1のモードに設定することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の撮像装置。
  14. 第1撮像素子および第2撮像素子を備える撮像装置にて実行される制御方法であって、
    撮像光学系を通して入射する光を、前記撮像装置に内蔵した光分割手段により分割して前記第1撮像素子および第2撮像素子にそれぞれ1次結像光を受光させるステップと、
    前記第1撮像素子または前記第2撮像素子の出力に基づいて前記撮像光学系の焦点検出を行う焦点検出ステップと、
    前記焦点検出ステップでの検出情報を取得して前記撮像光学系の焦点調節を制御する制御ステップと、
    前記撮像装置における撮影に関連した設定条件に応じた撮影モードとして、記録する動画を前記第2撮像素子の出力に基づいて取得するとともに、前記焦点検出ステップにて前記第1撮像素子の出力を用いて焦点検出を行う第1のモード、または、記録する動画を前記第2撮像素子の出力に基づいて取得するとともに、前記焦点検出ステップにて前記第2撮像素子の出力を用いて焦点検出を行う第2のモードを選択的に設定する設定ステップと、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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