JP6249212B2 - ポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品 - Google Patents

ポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品 Download PDF

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本発明は、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐擦傷性、耐薬品性及び触感に優れる塗膜が得られるポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品に関する。
従来において、ポリオール存在下、アクリル酸エステルを反応させることで得られるアクリル変性ポリオールが提案されており、その硬化塗膜は機械物性、柔軟性、耐久性に優れることが知られている(例えば、特許文献1照。)。
しかしながら、このアクリル変性ポリオールから得られる塗膜は、機械物性等に優れるものの、近年、プラスチック用塗料等で要求される耐薬品性が不十分であるという欠点があった。そこで、プラスチック成形品の表面に優れた機械物性、耐薬品性及び触感を付与することができる材料が求められていた。
特開2010−254948号公報
本発明が解決しようとする課題は、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐擦傷性、耐薬品性及び触感に優れる塗膜を得ることができるアクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、特定のポリカーボネートジオールの存在下、特定の不飽和単量体を必須成分として含有する不飽和単量体混合物を重合反応させて得られる特定のポリカーボネート変性アクリル樹脂を用いることで、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐擦傷性、耐薬品性及び触感に優れる塗膜を得ることができることを見出し、発明を完成させた。
すなわち、本発明は、1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールを用いて得られるポリカーボネートジオール(A)の存在下、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)及び炭素原子数が2〜8のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)を反応させて得られるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の前記不飽和単量体(b2)の質量比率が0.1〜1.6質量%の範囲であることを特徴とするポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品に関する。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐擦傷性、耐薬品性及び触感に優れる塗膜を得られることから、塗料に有用であり、該塗料を各種プラスチック成形品に塗装することができる。したがって、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機等の電子機器の筐体;テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の筐体;自動車、鉄道車輌等の各種車輌の内装材;浴槽、釣り具などの各種物品を塗装する塗料に好適に用いることができる。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールを用いて得られるポリカーボネートジオール(A)の存在下、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)及び炭素原子数が2〜8のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)を反応させて得られるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の前記不飽和単量体(b2)の質量比率が0.1〜1.6質量%の範囲であるものである。
まず、ポリカーボネートジオール(A)について説明する。このポリカーボネートジオール(A)は、1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールを用いて得られるポリカーボネートジオールであり、例えば、1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールと、炭酸エステルまたはホスゲンとの反応により得られるものである。
次に、前記不飽和単量体混合物(B)について説明する。この不飽和単量体混合物(B)は、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)及び炭素原子数が2〜8のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を必須成分として含有するものであり、前記不飽和単量体(b2)の質量比率が0.1〜1.6質量%の範囲のものである。
前記水酸基を有する不飽和単量体(b1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、得られる塗膜の外観、耐薬品性、耐擦傷性が優れることから、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、これらの不飽和単量体(b1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいう。
前記カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はこれら不飽和ジカルボン酸のハーフエステルなどが挙げられる。これらの中でも、得られる塗膜の耐擦傷性が優れることから、(メタ)アクリル酸が好ましい。また、これらの不飽和単量体(b2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記炭素原子数が2〜8のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、得られる塗膜の耐薬品性及び耐擦傷性が向上することから、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。また、これらの不飽和単量体(b3)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
さらに、前記不飽和単量体混合物(B)の成分として、上記の必須原料であるメチルメタクリレート、不飽和単量体(b1)、不飽和単量体(b2)、及び不飽和単量体(b3)以外のその他の単量体(b4)を用いても構わない。その他の単量体(b4)としては、例えば、メチルアクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、エチレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物などが挙げられる。また、これらの不飽和単量体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記不飽和単量体混合物(B)は、前記不飽和単量体(b2)の質量比率が0.1〜1.6質量%の範囲のものであるが、得られる塗膜の外観、耐薬品性、耐擦傷性が優れることから、0.2〜1.2質量%の範囲が好ましく、0.3〜0.8質量%の範囲がより好ましい。
前記不飽和単量体混合物(B)は、上記不飽和単量体(b2)以外に、メチル(メタ)アクリレート、前記不飽和単量体(b1)及び前記不飽和単量体(b3)を必須成分として含有するものであるが、得られる塗膜の耐薬品性が優れることから、メチル(メタ)アクリレートの質量比率が50〜95質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b1)の質量比率が1〜30質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b3)の質量比率が1〜30質量%の範囲であることが好ましく、メチル(メタ)アクリレートの質量比率が70〜90質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b1)の質量比率が3〜20質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b3)の質量比率が5〜15質量%の範囲であることがより好ましい。
また、前記不飽和単量体混合物(A)のFOXの式で計算されるガラス転移温度(以下、「設計Tg」と略称する。)は、得られる塗膜の耐薬品性、耐擦傷性が向上することから、70〜110℃の範囲が好ましい。
なお、本発明において、FOXの式で計算されるガラス転移温度とは、
FOXの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・
(Tg:求めるべきガラス転移温度、W1:成分1の重量分率、Tg1:成分1のホモポリマーのガラス転移温度)
に従い計算により求めたものである。各成分のホモポリマーのガラス転移温度の値は
、Polymer Handbook(4th Edition)J.Brandrup,E.H.Immergut,E.A.Grulke著(Wiley Interscience)記載の値を用いた。
前記ポリカーボネートジオール(A)の存在下、前記不飽和単量体混合物(B)を反応させて本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂を得る方法としては、公知の重合方法で行うことができるが、溶液ラジカル重合法が最も簡便であることから好ましい。
上記の溶液ラジカル重合法は、原料である各単量体を溶剤に溶解し、重合開始剤存在下で重合反応を行う方法である。この際に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素化合物;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化合物;n−ブタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール化合物;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール化合物;ヘプタン、ヘキサン、オクタン、ミネラルターペン等の脂肪族炭化水素化合物などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド化合物;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール化合物;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物;1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、等のジアルキルパーオキサイド化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物;ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル化合物などの有機過酸化物と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル)ブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物とが挙げられる。
また、前記ポリカーボネートジオール(A)と前記不飽和単量体混合物(B)との質量比[(A)/(B)]は、得られる塗膜の耐薬品性、耐擦傷性が優れることから、10/90〜90/10の範囲が好ましく、15/85〜35/65又は60/40〜85/15の範囲がより好ましい。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の水酸基価は、得られる塗膜の付着性、耐薬品性、耐擦傷性が向上することから、20〜150の範囲が好ましい。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、得られる塗膜の耐擦傷性、耐薬品性が向上することから、3,000〜30,000の範囲が好ましく、4,000〜15,000の範囲がより好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)はゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。
本発明の塗料は、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂を含有するものであるが、得られる塗膜の物性が向上することから、硬化剤(C)を含有するものであることが好ましい。
前記硬化剤(C)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂等が挙げられるが、得られる塗膜の耐擦傷性、耐薬品性が優れることから、ポリイソシアネート化合物が好ましい。また、これらの硬化剤(C)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、m−フェニレンビス(ジメチルメチレン)ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物などが挙げられる。
また、前記ポリイソシアネート化合物として、上記のジイソシアネート化合物を多価アルコールと付加反応させて得られるイソシアネート基を有するプレポリマー;上記のジイソシアネート化合物を環化三量化させて得られるイソシアヌレート環を有する化合物;上記のジイソシアネート化合物を水と反応させて得られる尿素結合やビュレット結合を有するポリイソシアネート化合物;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート等のイソシアネート基を有するアクリル単量体の単独重合体;前記イソシアネート基を有するアクリル単量体と、その他のアクリル単量体、ビニルエステル化合物、ビニルエーテル化合物、芳香族ビニル単量体、フルオロオレフィン等の単量体と共重合することによって得られるイソシアネート基を有する共重合体なども用いることができる。
上記のポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記硬化剤(C)がポリイソシアネート化合物である場合の配合量としては、高強度の塗膜が得られることから、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂中の水酸基との当量比(イソシアネート基/水酸基)で、0.5〜2.0となる範囲が好ましく、0.7〜1.3となる範囲がより好ましい。
なお、上記のウレタン化反応は、反応の進行を促進させるため、ウレタン化触媒の存在下で行うこともできる。前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン等のアミン化合物、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル酸錫等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛(2−エチルヘキサン酸亜鉛)等の有機金属化合物などが挙げられる。
本発明の塗料は、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂及び硬化剤(C)を含有するものであるが、その他の配合物として、溶剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、顔料分散剤等の添加剤を使用することができる。また、酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミニウム粉末、銅粉末、雲母粉末、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、トルイジンレッド、ペリレン、キナクリドン、ベンジジンイエロー等の顔料を使用することもできる。
本発明の塗料は、プラスチック基材との高い付着性を有することから、各種プラスチック成形品を塗装する塗料として好適に用いることができるが、本発明の塗料を塗装することのできるプラスチック成形品としては、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機等の電子機器の筐体;テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の筐体;自動車、鉄道車輌等の各種車輌の内装材;浴槽、釣り具などが挙げられる。
本発明の塗料の塗装方法としては、例えば、スプレー、アプリケーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。また、塗装後、塗膜とする方法としては、常温〜約120℃の範囲で乾燥させる方法が挙げられる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の水酸基価は、JIS試験方法K 0070−1992に準拠して測定したものである。また、重量平均分子量(Mw)は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
(実施例1:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールとを共重合したポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールG3452」、数平均分子量2000;以下、「ポリカーボネートジオール(A−1)」と略記する。)200質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート490質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート680質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート35.2質量部、メタクリル酸4.8質量部、シクロへキシルメタクリレート80質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート16質量部との混合物(設計Tg93℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が28、重量平均分子量が11,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の溶液を得た。
(実施例2:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)300質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート510質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート595質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート30.8質量部、メタクリル酸4.2質量部、シクロへキシルメタクリレート70質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート140質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート14質量部との混合物(設計Tg93℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が31、重量平均分子量が11,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)の溶液を得た。
(実施例3:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(3)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)400質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート530質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート510質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート26.4質量部、メタクリル酸3.6質量部、シクロへキシルメタクリレート60質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート12質量部との混合物(設計Tg93℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が35、重量平均分子量が9,500であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(3)の溶液を得た。
(実施例4:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(4)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)500質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート550質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート425質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート22.0質量部、メタクリル酸3.0質量部、シクロへキシルメタクリレート50質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート10質量部との混合物(設計Tg93℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が38、重量平均分子量が9,300であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(4)の溶液を得た。
(実施例5:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(5)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)700質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート590質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート255質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート13.2質量部、メタクリル酸1.8質量部、シクロへキシルメタクリレート30質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート6質量部との混合物(設計Tg93℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が45、重量平均分子量が8,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(5)の溶液を得た。
(実施例6:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(6)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)800質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート610質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート170質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8.8質量部、メタクリル酸1.2質量部、シクロへキシルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート4質量部との混合物(設計Tg93℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が48、重量平均分子量が6,500であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(6)の溶液を得た。
(実施例7:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(7)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールとを共重合したポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールG3450J」、数平均分子量800;以下、「ポリカーボネートジオール(A−2)」と略記する。)800質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート610質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート170質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8.8質量部、メタクリル酸1.2質量部、シクロへキシルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート4質量部との混合物(設計Tg93℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が115、重量平均分子量が4,200であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(7)の溶液を得た。
(実施例8:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(8)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)800質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート610質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート160.8質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート18.0質量部、メタクリル酸1.2質量部、シクロへキシルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート4質量部との混合物(設計Tg86℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が52、重量平均分子量が6,400であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(8)の溶液を得た。
(実施例9:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(9)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)800質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート610質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート153質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート26.0質量部、メタクリル酸1.2質量部、シクロへキシルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート4質量部との混合物(設計Tg80℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が56、重量平均分子量が6,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(9)の溶液を得た。
(実施例10:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(10)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)800質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート610質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート169.2質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8.8質量部、メタクリル酸2.0質量部、シクロへキシルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート4質量部との混合物(設計Tg94℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が48、重量平均分子量が6,500であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(10)の溶液を得た。
(実施例11:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(11)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)800質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート610質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート170質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8.8質量部、メタクリル酸1.2質量部、n−ブチルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート4質量部との混合物(設計Tg87℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が48、重量平均分子量が6,800であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(11)の溶液を得た。
(比較例1:比較用樹脂(R1)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)800質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート610質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート171.2質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8.8質量部、シクロヘキシルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート4質量部との混合物(設計Tg94℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が48、重量平均分子量が6,800であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(R1)の溶液を得た。
(比較例2:比較用樹脂(R2)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)800質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート610質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート167.6質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8.8質量部、メタクリル酸3.6質量部、シクロヘキシルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート4質量部との混合物(設計Tg94℃)を2時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が48、重量平均分子量が7,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(R2)の溶液を得た。
(比較例3:比較用樹脂(R3)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、1,6−ヘキサンジオールを重合したポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールS6002」、数平均分子量2000;以下、「ポリカーボネートジオール(RA−1)」と略記する。)300質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート510質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート595質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート30.8質量部、メタクリル酸4.2質量部、シクロへキシルメタクリレート70質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート140質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート14質量部との混合物(設計Tg93℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が31、重量平均分子量が11,100であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(R3)の溶液を得た。
(比較例4:比較用樹脂(R4)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを共重合したポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールT4672」、数平均分子量2000;以下、「ポリカーボネートジオール(RA−2)」と略記する。)300質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート510質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート595質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート30.8質量部、メタクリル酸4.2質量部、シクロへキシルメタクリレート70質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート140質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート14質量部との混合物(設計Tg93℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、水酸基価が31、重量平均分子量が10,600であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(R4)の溶液を得た。
(比較例5:比較用樹脂(R5)の調製)
比較用樹脂(R5)として、「アクリディックWXU−880−BA」(DIC株式会社製のアクリル樹脂溶液、不揮発分50質量%、固形分水酸基価21;以下、アクリル樹脂溶液(1)と略記する。)200質量部(アクリル樹脂(1)として100質量部)を用いた。
(比較例6:比較用樹脂(R6)の調製)
ポリカーボネートジオール(A−1)80質量部をダイアセトンアルコール80質量部で希釈した。次いで、アクリル樹脂溶液(1)40質量部(アクリル樹脂(1)として20質量部)を加えた後、均一になるまで撹拌し、水酸基価46である比較用樹脂(R6)を得た。
(比較例7:比較用樹脂(R7)の調製)
ポリカーボネートジオール(A−1)を比較用樹脂(R7)として用いた。
上記で得られたポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)〜(11)の組成を表1〜2に示す。
上記で得られた比較用樹脂(R1)〜(R7)の組成を表3に示す。
Figure 0006249212
Figure 0006249212
Figure 0006249212
表1〜3中の略号は、それぞれ下記のものである。
MMA:メチルメタクリレート
HEA:2−ヒドロキシアクリレート
MAA:メタクリル酸
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
BMA:n−ブチルメタクリレート
(実施例12:塗料(1)の調製及び評価)
[塗料の調製]
上記の実施例1で得られたポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の溶液(不揮発分60質量%)100質量部及び硬化剤(DIC株式会社製「バーノック DN−980」、ポリイソシアネートの不揮発分75質量%溶液)7.9質量部を均一に混合した。なお、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)と硬化剤の配合比率は、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の水酸基当量と硬化剤のイソシアネート基当量とが1:1となる量とした。次いで、粘度がアネスト岩田株式会社製「粘度カップNK−2」で9〜10秒(23℃)になるように混合溶剤(メチルイソブチルケトン/ダイアセトンアルコール/酢酸エチル/酢酸イソブチル=30/20/20/30(質量比))で希釈して塗料(1)を調製した。
[評価用硬化塗膜Xの作製]
上記で得られた塗料(1)を、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)基材(厚さ1mm)に乾燥後の膜厚が20〜30μmとなるようにスプレー塗装し、乾燥機にて80℃、30分加熱乾燥した後、25℃で3日乾燥して評価用硬化塗膜を作製した。
[評価用硬化塗膜Yの作製]
上記で得られた塗料(1)を、PC(ポリカーボネート)基材(厚さ1mm)に乾燥後の膜厚が20〜30μmとなるようにスプレー塗装し、乾燥機にて80℃、30分加熱乾燥した後、25℃で3日乾燥して評価用硬化塗膜を作製した。
[付着性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜X及びYの上にカッターで2mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とし、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がして付着して残っている碁盤目の数から、下記の基準により付着性を評価した。
○:100個
△:70〜99個
×:69個以下
[耐擦傷性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜Xの表面について、JIS S 6006:2007に規定された鉛筆を用いて、JIS K 5600−5−4:1999に準じて、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を測定し、下記の基準により耐擦傷性を評価した。
◎:2B以上
○:3B〜4B
△:5B〜6B
×:6Bで傷跡が生じる
[耐薬品性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜Xの表面に、薬品(エスエスエルヘルスケアジャパン株式会社製「コパトーン・スポーツ ウルトラスウェットプルーフ SPF30」)を、12mg/cm2塗布した後、55℃の乾燥機で2時間乾燥させた。次いで、中性洗剤で塗膜表面を洗浄した後、室温で24時間放置し、下記の基準により耐薬品性(耐薬品性試験後の付着性及び耐擦傷性)を評価した。
[耐薬品性試験後の付着性の評価]
耐薬品性試験後の塗膜の上にカッターでX字に切込みを入れ、切込み部分を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がし、下記の基準により付着性を評価した。
○:塗膜の剥離なし
△:部分的に塗膜の剥離あり
×:塗膜全面が剥離
[耐薬品性試験後の耐擦傷性の評価]
耐薬品性試験後の塗膜の表面について、JIS S 6006:2007に規定された鉛筆を用いて、JIS K 5600−5−4:1999に準じて、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を測定し、下記の基準により耐擦傷性を評価した。
◎:2B以上
○:3B〜4B
△:5B〜6B
×:6Bで傷跡が生じる
[触感の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜Xの表面を指で触り、下記の基準により触感を評価した。
○:しっとり感がある
△:ややしっとり感がある
×:しっとり感がない
(実施例13〜22:塗料(2)〜(11)の調製及び評価)
実施例12のポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)を、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)〜(11)に変更した以外は実施例12と同様に操作することにより塗料を調製後、評価用硬化塗膜を作製して付着性、耐擦傷性、耐薬品性及び触感を評価した。
(比較例8〜14:塗料(R1)〜(R7)の調製及び評価)
実施例12のポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)を、比較用樹脂(R1)〜(R7)に変更した以外は実施例12と同様に操作することにより塗料を調製後、評価用塗膜を作製して付着性、耐擦傷性、耐薬品性及び触感を評価した。
上記で得られた塗料(1)〜(11)、及び塗料(R1)〜(R7)の評価結果を表4〜6に示す。
Figure 0006249212
Figure 0006249212
Figure 0006249212
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂である実施例1〜11のものから得られる硬化塗膜は、付着性、耐擦傷性、耐薬品性及び触感に優れることが確認された(実施例12〜22)。
一方、比較例1及び2は、不飽和単量体混合物中のカルボキシル基を有する不飽和単量体の質量比率が、本発明の範囲である0.1〜1.6質量部から外れる例であるが、得られる硬化塗膜の耐擦傷性及び耐薬品性が劣ることが確認された(比較例8及び9)。
比較例3及び4は、ポリカーボネートジオールとして、1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールを用いて得られたものを用いなかった例であるが、得られる硬化塗膜の耐擦傷性、耐薬品性及び触感が劣ることが確認された(比較例10及び11)。
比較例5は、ポリカーボネート変性していないアクリル樹脂の例であるが、得られる塗膜の触感が劣ることが確認された(比較例12)。
比較例6は、ポリカーボネートジオールとアクリル樹脂の混合物の例であるが、得られる硬化塗膜の耐擦傷性及び耐薬品性が劣ることが確認された(比較例13)。
比較例7は、ポリカーボネートジオールの例であるが、得られる硬化塗膜の耐擦傷性及び耐薬品性が劣ることが確認された(比較例14)。

Claims (5)

  1. 1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールを用いて得られるポリカーボネートジオール(A)の存在下、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)及び炭素原子数が2〜8のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)を反応させて得られるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の前記不飽和単量体(b2)の質量比率が0.1〜1.6質量%の範囲であることを特徴とするポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  2. 前記ポリカーボネートジオール(A)と前記不飽和単量体混合物(B)との質量比[(A)/(B)]が、10/90〜90/10の範囲である請求項1記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  3. 前記不飽和単量体混合物(B)中の、メチルメタクリレートの質量比率が50〜95質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b1)の質量比率が1〜30質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b3)の質量比率が1〜30質量%の範囲である請求項1又は2記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂及び硬化剤(C)を含有することを特徴とする塗料。
  5. 請求項4記載の塗料で塗装されたことを特徴とするプラスチック成形品。
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