JP6897894B1 - ポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品 - Google Patents

ポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品 Download PDF

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Abstract

1,4−ブタンジオールを必須原料としたポリカーボネートジオール(A)と、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、及びカルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)との反応物であるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の前記不飽和単量体(b2)の質量比率が2〜10%の範囲であることを特徴とするポリカーボネート変性アクリル樹脂を提供する。このポリカーボネート変性アクリル樹脂は、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐水付着性、及び耐芳香剤性に優れる塗膜を得ることができることから、各種物品を塗装する塗料に好適に用いることができる。

Description

本発明は、ポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品に関する。
従来、ポリオールの存在下、不飽和単量体を反応させることで得られるポリカーボネート変性アクリル樹脂が提案されており、その硬化塗膜は基材への付着性、機械物性等に優れることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このポリカーボネート変性アクリル樹脂から得られる塗膜は、耐擦傷性等に優れるものの、近年、プラスチック用塗料等で要求される耐芳香剤性が不十分であるという欠点があった。そこで、従来の付着性等に加え、耐芳香剤性を付与することができる材料が求められていた。
特許第6249212号公報
本発明が解決しようとする課題は、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐水付着性、及び耐芳香剤性に優れる塗膜を得ることができるポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、特定のポリカーボネートジオールと、特定の不飽和単量体を必須成分として含有する不飽和単量体混合物との反応物であるポリカーボネート変性アクリル樹脂を用いることで、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐水付着性、及び耐芳香剤性に優れる塗膜を得ることができることを見出し、発明を完成させた。
すなわち、本発明は、1,4−ブタンジオールを必須原料としたポリカーボネートジオール(A)と、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、及びカルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)との反応物であるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の前記不飽和単量体(b2)の比率が2〜10質量%の範囲であることを特徴とするポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品に関する。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐水付着性、及び耐芳香剤性に優れる塗膜を得られることから、塗料に有用であり、該塗料を各種プラスチック成形品に塗装することができる。したがって、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機等の電子機器の筐体;テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の筐体;自動車、鉄道車輌等の各種車輌の内装材などの各種物品を塗装する塗料に好適に用いることができる。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、1,4−ブタンジオールを必須原料としたポリカーボネートジオール(A)と、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、及びカルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)との反応物であるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の前記不飽和単量体(b2)の比率が2〜10質量%の範囲であるものである。
まず、ポリカーボネートジオール(A)について説明する。このポリカーボネートジオール(A)は、1,4−ブタンジオールを原料としたポリカーボネートジオールであり、例えば、1,4−ブタンジオール及びその他のジオール化合物と、炭酸エステルまたはホスゲンとの反応により得られるものである。
前記その他のジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等が挙げられるが、耐芳香剤性がより優れることから、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。なお、これらのジオール化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
1,4−ブタンジオールとその他のジオール化合物との質量比は、プラスチック基材への付着性及び耐芳香剤性がより向上することから、30/70〜90/10の範囲が好ましく、50/50〜90/10の範囲が好ましい。
前記ポリカーボネートジオール(A)の数平均分子量は、耐芳香剤性がより優れることから、300〜10, 000の範囲が好ましく、300〜4,000の範囲がより好ましい。
次に、前記不飽和単量体混合物(B)について説明する。この不飽和単量体混合物(B)は、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、及びカルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)との反応物であるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の前記不飽和単量体(b2)の比率が2〜10質量%の範囲のものである。
前記水酸基を有する不飽和単量体(b1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、得られる塗膜の外観、耐水付着性、耐芳香剤性がより優れることから、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、これらの不飽和単量体(b1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいう。
前記カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はこれら不飽和ジカルボン酸のハーフエステルなどが挙げられる。これらの中でも、得られる塗膜の耐芳香剤性がより優れることから、(メタ)アクリル酸が好ましい。なお、これらの不飽和単量体(b2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記不飽和単量体混合物(B)は、メチルメタクリレート、不飽和単量体(b1)及び不飽和単量体(b2)を必須成分とするものであるが、塗膜の濡れ性がより向上することから、炭素原子数が2〜18のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を含有することが好ましい。
前記不飽和単量体(b3)としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらの不飽和単量体(b3)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記不飽和単量体混合物(B)は、上記した不飽和単量体以外のその他の単量体(b4)を用いても構わない。その他の単量体(b4)としては、例えば、メチルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、エチレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物などが挙げられる。また、これらの不飽和単量体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記不飽和単量体混合物(B)は、前記不飽和単量体(b2)の比率が2〜10質量%の範囲のものであるが、得られる塗膜の耐水付着性及び耐芳香剤性がより優れることから、2〜5質量%の範囲が好ましい。
前記不飽和単量体混合物(B)は、上記不飽和単量体(b2)以外に、メチル(メタ)アクリレート、及び前記不飽和単量体(b1)を必須成分として含有するものであるが、得られる塗膜の耐芳香剤性がより優れることから、メチル(メタ)アクリレートの比率が20〜90質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b1)の比率が1〜50質量%の範囲であることが好ましく、メチル(メタ)アクリレートの比率が40〜80質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b1)の比率が10〜40質量%の範囲であることがより好ましい。
また、前記不飽和単量体(b3)の比率は、得られる塗膜の耐水付着性及び耐芳香剤性がより優れることから、1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%の範囲がより好ましい。
また、前記不飽和単量体混合物(A)のFOXの式で計算されるガラス転移温度(以下、「設計Tg」と略称する。)は、得られる塗膜の耐芳香剤性がより向上することから、60〜110℃の範囲が好ましい。
なお、本発明において、FOXの式で計算されるガラス転移温度とは、
FOXの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・
(Tg:求めるべきガラス転移温度、W1:成分1の重量分率、Tg1:成分1のホモポリマーのガラス転移温度)
に従い計算により求めたものである。各成分のホモポリマーのガラス転移温度の値は
、Polymer Handbook(4th Edition)J.Brandrup,E.H.Immergut,E.A.Grulke著(Wiley Interscience)記載の値を用いた。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂を得る方法としては、前記ポリカーボネートジオール(A)及び溶剤の存在下、前記不飽和単量体混合物(B)をラジカル重合する方法が簡便であることから好ましい。
上記のラジカル重合法は、原料である各単量体を溶剤に溶解し、重合開始剤存在下で重合反応を行う方法である。この際に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素化合物;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化合物;n−ブタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール化合物;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール化合物;ヘプタン、ヘキサン、オクタン、ミネラルターペン等の脂肪族炭化水素化合物などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド化合物;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール化合物;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物;1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物;ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル化合物などの有機過酸化物と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル)ブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物とが挙げられる。
また、前記ポリカーボネートジオール(A)と前記不飽和単量体混合物(B)との質量比[(A)/(B)]は、得られる塗膜の耐水付着性、及び耐芳香剤性がより向上することから、2/98〜60/40の範囲が好ましく、3/97〜40/60の範囲が好ましく、4/96〜15/85の範囲がさらに好ましい。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の水酸基価は、得られる塗膜の耐芳香剤性がより向上することから、20〜150mgKOH/gの範囲が好ましく、60〜150mgKOH/gの範囲がより好ましい。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、得られる塗膜の耐水付着性、及び耐芳香剤性がより向上することから、2,000〜50,000の範囲が好ましく、4,000〜30,000の範囲がより好ましい。
本発明の平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。
本発明の塗料は、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂を含有するものであるが、得られる塗膜の物性がより向上することから、硬化剤(C)を含有するものであることが好ましい。
前記硬化剤(C)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂等が挙げられるが、得られる塗膜の耐水付着性、及び耐芳香剤性が優れることから、ポリイソシアネート化合物が好ましい。また、これらの硬化剤(C)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、m−フェニレンビス(ジメチルメチレン)ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物などが挙げられる。
また、前記ポリイソシアネート化合物として、上記のジイソシアネート化合物を多価アルコールと付加反応させて得られるイソシアネート基を有するプレポリマー;上記のジイソシアネート化合物を環化三量化させて得られるイソシアヌレート環を有する化合物;上記のジイソシアネート化合物を水と反応させて得られる尿素結合やビュレット結合を有するポリイソシアネート化合物;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート等のイソシアネート基を有するアクリル単量体の単独重合体;前記イソシアネート基を有するアクリル単量体と、その他のアクリル単量体、ビニルエステル化合物、ビニルエーテル化合物、芳香族ビニル単量体、フルオロオレフィン等の単量体と共重合することによって得られるイソシアネート基を有する共重合体なども用いることができる。
上記のポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記硬化剤(C)がポリイソシアネート化合物である場合の配合量としては、高強度の塗膜が得られることから、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂中の水酸基との当量比(イソシアネート基/水酸基)で、0.5〜2.0となる範囲が好ましく、0.7〜1.3となる範囲がより好ましい。
なお、上記のウレタン化反応は、反応の進行を促進させるため、ウレタン化触媒の存在下で行うこともできる。前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン等のアミン化合物、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル酸錫等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛(2−エチルヘキサン酸亜鉛)等の有機金属化合物などが挙げられる。
本発明の塗料は、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂及び硬化剤(C)を含有するものであるが、その他の配合物として、溶剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、顔料分散剤等の添加剤を使用することができる。また、酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミニウム粉末、銅粉末、雲母粉末、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、トルイジンレッド、ペリレン、キナクリドン、ベンジジンイエロー等の顔料を使用することもできる。
本発明の塗料は、プラスチック基材との高い付着性を有することから、各種プラスチック成形品を塗装する塗料として好適に用いることができるが、本発明の塗料を塗装することのできるプラスチック成形品としては、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機等の電子機器の筐体;テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の筐体;自動車、鉄道車輌等の各種車輌の内装材などが挙げられる。
本発明の塗料の塗装方法としては、例えば、スプレー、アプリケーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。また、塗装後、塗膜とする方法としては、常温〜120℃の範囲で乾燥させる方法が挙げられる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の水酸基価は、JIS試験方法K 0070−1992に準拠して測定したものである。また、平均分子量は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
(実施例1:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、1,4−ブタンジオールを必須原料としたポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールG3452」、数平均分子量2000;以下、「ポリカーボネートジオール(A−1)」と略記する。)40質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート88.7質量部、及びn−酢酸ブチル354.8質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート445.6質量部、エチルアクリレート36質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート252.8質量部、メタクリル酸25.6質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート32質量部との混合物(アクリル部設計Tg80℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が5/95、重量平均分子量が10,500、固形分水酸基価が143mgKOH/g、であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の溶液を得た。
(実施例2:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、1,4−ブタンジオールを必須原料としたポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールG3450J」、数平均分子量800;以下、「ポリカーボネートジオール(A−2)」と略記する。)40質量部、及びn−酢酸ブチル443.5質量部を加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート542.4質量部、エチルアクリレート20質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート164質量部、メタクリル酸33.6質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート28質量部との混合物(アクリル部設計Tg90℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が5/95、重量平均分子量が12,100、固形分水酸基価が95mgKOH/g、であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)の溶液を得た。
(実施例3:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(3)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−2)120質量部、及びn−酢酸ブチル420.2質量部を加え、内温を130℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート456質量部、エチルアクリレート16質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート192質量部、メタクリル酸16質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート26.4質量部との混合物(アクリル部設計Tg86℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が15/85、重量平均分子量が14,800、固形分水酸基価が125mgKOH/g、であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(3)の溶液を得た。
(実施例4:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(4)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)120質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート83.2質量部、及びn−酢酸ブチル332.6質量部加え、内温を130℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート396質量部、エチルアクリレート8質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート240質量部、メタクリル酸36質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート32質量部との混合物(アクリル部設計Tg85℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が15/85、重量平均分子量が11,900、固形分水酸基価が150mgKOH/g、であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(4)の溶液を得た。
(実施例5:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(5)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)240質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90質量部、及びn−酢酸ブチル313.2質量部加え、内温を125℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート361.6質量部、エチルアクリレート8質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート160.8質量部、メタクリル酸29.6質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート30.4質量部との混合物(アクリル部設計Tg88℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が30/70、重量平均分子量が14,900、固形分水酸基価が128mgKOH/g、であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(5)の溶液を得た。
(実施例6:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(6)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、1,4−ブタンジオールを必須原料としたポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールG4671」、数平均分子量1000;以下、「ポリカーボネートジオール(A−3)」と略記する。)40質量部、n−酢酸ブチル443.5質量部加え、内温を130℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート470.4質量部、エチルアクリレート89.6質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート174.4質量部、メタクリル酸25.6質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート32質量部との混合物(アクリル部設計Tg73℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにn−酢酸ブチルで希釈し、質量比[(A)/(B)]が5/95、重量平均分子量が11,000、固形分水酸基価が100mgKOH/g、であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(6)の溶液を得た。
(実施例7:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(7)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−3)80質量部、n−酢酸ブチル443.5質量部加え、内温を125℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート502.4質量部、エチルアクリレート20質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート164質量部、メタクリル酸33.6質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート22.8質量部との混合物(アクリル部設計Tg89℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにn−酢酸ブチルで希釈し、質量比[(A)/(B)]が10/90、重量平均分子量が16,000、固形分水酸基価が100mgKOH/g、であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(7)の溶液を得た。
(比較例1:比較用樹脂(R1)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、n−酢酸ブチル443.5質量部加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート525.6質量部、エチルアクリレート36質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート212.質量部、メタクリル酸26.4質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート32質量部との混合物(アクリル部設計Tg83℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が0/100、重量平均分子量が9,400固形分水酸基価が114mgKOH/g、である比較用樹脂(R1)の溶液を得た。
(比較例2:比較用樹脂(R2)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)40質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート83.3質量部、及びn−酢酸ブチル331.9質量部加え、内温を130℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート549.6質量部、エチルアクリレート34.4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート166.4質量部、メタクリル酸9.6質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート32質量部との混合物(アクリル部設計Tg85℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が5/95、重量平均分子量が10,000、固形分水酸基価が97mgKOH/g、である比較用樹脂(R2)の溶液を得た。
(比較例3:比較用樹脂(R3)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−1)257質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート474質量部加え、内温を135℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート510質量部、シクロヘキシルメタクリレート60質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート26質量部、メタクリル酸4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120質量部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート12質量部との混合物(アクリル部設計Tg93℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が30/70、重量平均分子量が11,000、固形分水酸基価が57mgKOH/g、である比較用樹脂(R4)の溶液を得た。
(比較例4:比較用樹脂(R4)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A−3)40質量部、n−酢酸ブチル498.4質量部加え、内温を125℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート502.4質量部、エチルアクリレート14.4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート148質量部、メタクリル酸99.2質量部、n−酢酸ブチル160質量部、及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート32質量部との混合物(アクリル部設計Tg95℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分50質量%になるようにn−酢酸ブチルで希釈し、質量比[(A)/(B)]が5/95、重量平均分子量が9,900、固形分水酸基価が85mgKOH/g、である比較用樹脂(R4)の溶液を得た。
上記で得られたポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)〜(7)の組成を表1に示す。
Figure 0006897894
表1及び表2中の略号は、それぞれ下記のものである。
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
MAA:メタクリル酸
EA:エチルアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
上記で得られた比較用樹脂(R1)〜(R4)の組成を表2に示す。
Figure 0006897894
(実施例8:塗料(1)の調製及び評価)
[塗料の調製]
上記の実施例1で得られたポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の溶液(不揮発分60質量%及び硬化剤(住化コベストロウレタン株式会社製「スミジュール N−3300」、ポリイソシアネート化合物)を均一に混合した。なお、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)と硬化剤の配合比率は、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)中の水酸基の当量と硬化剤中のイソシアネート基の当量とが1:1となる量とした。次いで、粘度がアネスト岩田株式会社製「粘度カップNK−2」で9〜10秒(23℃)になるように混合溶剤(酢酸ブチル/ダイアセトンアルコール/酢酸イソブチル/酢酸エチル=30/30/30/10(質量比))で希釈して塗料(1)を調製した。
[評価用硬化塗膜Xの作製]
上記で得られた塗料(1)を、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)基材(50mm×70mm×1mm)に乾燥後の膜厚が15〜25μmとなるようにスプレー塗装し、乾燥機にて80℃で30分間加熱乾燥した後、25℃で7日間乾燥して評価用硬化塗膜Xを作製した。
[評価用硬化塗膜Yの作製]
上記で得られた塗料(1)を、PC(ポリカーボネート)基材(50mm×70mm×1mm)に乾燥後の膜厚が20〜30μmとなるようにスプレー塗装し、乾燥機にて80℃で30分間加熱乾燥した後、25℃で7日間乾燥して評価用硬化塗膜Yを作製した。
[付着性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜の上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とした。次いで、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がす操作を4回行い、付着して残っている碁盤目の数から、下記の基準により付着性を評価した。
○:100個
△:70〜99個
×:69個以下
[耐水付着性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜を40℃の水に240時間浸漬した後、上記付着性評価と同様の操作を行い、下記の基準により耐水付着性を評価した。
○:100個
△:70〜99個
×:69個以下
[耐芳香剤性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜X上に、芳香剤(リトルツリーエアフレッシュナー「ロイヤルパイン」)を15mm×15mmにカットしたものを載せ、500gの分銅で荷重をかけながら74℃で4時間乾燥した後、芳香剤を手で取り除き、外観を目視で観察し、下記基準により耐芳香剤性を評価した。
5:痕跡なし
4:わずかに痕跡あり
3:痕跡あり
2:芳香剤を取り除けるが、基材の素地が露出
1:粘着状態で基材から芳香剤が取り除けない
(実施例9〜14:塗料(2)〜(7)の調製及び評価)
実施例6のポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)を、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)〜(7)に変更した以外は実施例6と同様に操作することにより塗料を調製後、評価用硬化塗膜を作製し、各評価を行った。
(比較例5〜8:塗料(R1)〜(R4)の調製及び評価)
実施例8のポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)を、比較用樹脂(R1)〜(R4)に変更した以外は実施例8と同様に操作することにより塗料を調製後、評価用塗膜を作製し、各評価を行った。
上記で得られた塗料(1)〜(7)の評価結果を表3に示す。
Figure 0006897894
上記で得られた塗料(R1)〜(R4)の評価結果を表4に示す。
Figure 0006897894
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂である実施例1〜7から得られる硬化塗膜は、付着性、耐水付着性、及び耐芳香剤性に優れることが確認された(実施例8〜14)。
一方、比較例1は、ポリカーボネート変性していないアクリル樹脂の例であるが、得られる塗膜の基材付着性が劣ることが確認された(比較例5)。
比較例2及び3は、不飽和単量体混合物中のカルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)の質量比率が、本発明の下限である2質量%より小さい例であるが、得られる硬化塗膜の耐芳香剤性が劣ることが確認された(比較例6及び7)。
比較例4は、不飽和単量体混合物中のカルボキシル基を有する不飽和単量体の質量比率が、本発明の上限である10質量%より大きい例であるが、得られる硬化塗膜の耐水付着性が劣ることが確認された(比較例8)。

Claims (6)

  1. 1,4−ブタンジオールを必須原料としたポリカーボネートジオール(A)の存在下、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、及びカルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)をラジカル重合開始剤を用いて反応させたポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の前記不飽和単量体(b2)の比率が2〜10質量%の範囲であることを特徴とするポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  2. 前記不飽和単量体混合物(B)が、炭素原子数が2〜18のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を含有するものである請求項1記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  3. 前記ポリカーボネートジオール(A)と前記不飽和単量体混合物(B)との質量比[(A)/(B)]が、2/98〜60/40の範囲である請求項1又は2記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  4. 前記不飽和単量体混合物(B)中の、メチルメタクリレートの比率が20〜90質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b1)の比率が1〜50質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b3)の比率が1〜30質量%の範囲である請求項2又は3記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂及び硬化剤(C)を含有することを特徴とする塗料。
  6. 請求項記載の塗料で塗装されたことを特徴とするプラスチック成形品。
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