JP6248327B2 - 道路補強埋設用メッシュシート - Google Patents
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Description
試験1)アスファルトとの密着効果(軸糸の耐引き抜き試験)
150〜160℃に加温したストレートアスファルト組成物を試験メッシュシート(タテ25cm×ヨコ25cmサイズ)両面にタテ20cm×ヨコ20cm面積、厚さ約15mmに盛延し(*空隙部へのアスファルト充填性を「良好」「不良」で評価)、これをタテ20cm×ヨコ20cm面積の金属板で挟み100kg/cm2)荷重で1時間プレスした後プレス機から開放し、これを常温で24時間放置した。試験メッシュシートの一部が上方に約5cmはみ出した状態のメッシュシート内包アスファルトから経糸軸糸1本(5cmのはみだし部を含む)を中央に含む3cm幅の短冊(3cm幅×25cm)を電気ノコギリで切り出し、これを引張試験片とした。この引張試験片は東洋精機製作所株式会社の万能引張試験機(機種:ストログラフVG)の上部ロードセルに、軸糸はみ出し5cmを固定し、下部ロードセルに試験片本体を標準間隔10cmに固定し、25℃、及び50℃の雰囲気条件下において50mm/minの引張速度で軸糸1本を引き抜いたときの剪断応力を求めた。また軸糸の引き抜き後のアスファルト部の変形状態を観察し、その変形が大きいものほどメッシュの補強効果が大きいもの「良好」、変形が少ないものを「不良」と判定した。
1:30kfg以上
2:25kfg〜30kfg未満
3:15kfg〜25kfg未満
4:15kfg未満
〈アスファルト〉
ストレートアスファルト60〜80質量%:骨材20〜40質量%
※骨材組成
6号砕石 39質量%、7号砕石 18質量%、スクリニングス 17質量%、粗砂 13質量%、細砂 9質量%、石粉 4質量%
試験2)アスファルトからメッシュシートの剥離除去性(補修再工事を想定)
150〜160℃に加温したストレートアスファルト組成物を試験メッシュシート(タテ25cm×ヨコ25cmサイズ)片面にタテ20cm×ヨコ20cm面積、厚さ約15mmに盛延し、これをタテ20cm×ヨコ20cm面積の金属板で挟み100kg/cm2)荷重で1時間プレスした後プレス機から開放し、これを常温で24時間放置した。試験メッシュシートの一部が上方に約5cmはみ出し、かつメッシュシートの片面にアスファルトが積層した複合体を試験片とした。この試験片は東洋精機製作所株式会社の万能引張試験機(機種:ストログラフVG)の上部ロードセルにメッシュシート中央5cmに存在する1〜5本の軸糸を固定し、下部ロードセルにアスファルト層を固定し、標準間隔10cmの状態で、25℃の雰囲気条件下において50mm/minの引張速度でメッシュシートを引き剥がしたときの剥離強力(kgf/20cm)を求め下記評価判定した。
1:15kfg未満
2:15kfg〜25kfg未満
3:25kfg〜30kfg未満
4:30kfg以上
〈アスファルト〉
ストレートアスファルト60〜80質量%:骨材20〜40質量%
※骨材組成
6号砕石 39質量%、7号砕石 18質量%、スクリニングス 17質量%、粗砂 13質量%、細砂 9質量%、石粉 4質量%
1)粗目織物(基布)
引張強度7cN/dtex、破断伸度12%のポリエステル繊維を用いて、経糸は総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条、緯糸も総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条として、これら糸条を模紗織した経緯2軸織物で、経糸条及び緯糸条の打込密度が5本/10インチ間隔の粗目模紗織物(質量65g/m2:空隙率90%:略四角形の空隙部1個当たりの面積が約22cm2)を基布に用いた。〈基布1〉
2)次に基布1を被覆する反応性接着樹脂層形成用に下記配合1のアクリル樹脂溶液組成物を配合調整した。
<配合1;反応性接着樹脂層形成用アクリル樹脂溶液組成>
架橋性アクリル樹脂エマルジョン(1)(固形分50質量%) 100質量部
※スチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体(既存化学物質No6-139)
ポリエチレングリコールジアクリレート(n=11:有効成分100質量%)(既存化学物質No7-152)
20質量部
α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(Naイオン配位)ディスパージョン
(固形分25質量%) 7質量部
熱反応性ウレタンプレポリマー(1) 7質量部
※ヘキサメチレンジイソシアネートとポリオキシテトラメチレングリコールと
の共重合体で、末端イソシアネート基にメチルエチルケトンオキシム(熱解離
性有機化合物)が付加したもの
カーボンブラック(黒着色剤) 0.5質量部
3)基布1(二軸粗目模紗織物)を配合1の反応性接着樹脂層形成用アクリル樹脂溶液組成物を充填した液浴中に浸漬した後、基布1を液浴外に引き上げると同時にゴム製マングルロールで圧搾し、基布1内部に配合1溶液組成物を強制含浸させ、これを120℃の熱風電気炉内で3分間強制乾燥及びアクリル樹脂成分を架橋させたものを再度配合1の浴中に浸漬し、マングルロールで圧搾及び熱風電気炉内乾燥させて質量49g/m2の反応性接着樹脂層を形成し、質量114g/m2:空隙率89%:略四角形の空隙部1個当たりの面積が約21cm2の二軸メッシュシートを得た。この反応性接着樹脂層内には熱反応性ウレタンプレポリマー(1)が存在し、150℃以上の加熱により活性イソシアネート基を生成可能な状態である。
実施例1の配合1に用いた架橋性アクリル樹脂エマルジョン(1)100質量部を下記架橋性アクリル樹脂エマルジョン(2)100質量部に変更し、これによる反応性接着樹脂層形成用アクリル樹脂溶液組成を配合2とした以外は、実施例1と同様とし、質量114g/m2:空隙率89%:略四角形の空隙部1個当たりの面積が約21cm2の二軸メッシュシートを得た。
〈架橋性アクリル樹脂エマルジョン(2)〉
※スチレン・メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエステル共重合体(既存化学物質No6-186)
実施例1の配合1に用いた架橋性アクリル樹脂エマルジョン(1)100質量部を下記架橋性アクリル樹脂エマルジョン(3)100質量部に変更し、これによる反応性接着樹脂層形成用アクリル樹脂溶液組成を配合3とした以外は、実施例1と同様とし、質量114g/m2:空隙率89%:略四角形の空隙部1個当たりの面積が約21cm2の二軸メッシュシートを得た。
〈架橋性アクリル樹脂エマルジョン(3)〉
※メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエステル共重合体(既存化学物質No6-553)
実施例1の配合1に用いた熱反応性ウレタンプレポリマー(1)7質量部を下記熱反応性ウレタンプレポリマー(2)7質量部に変更し、これによる反応性接着樹脂層形成用アクリル樹脂溶液組成を配合4とした以外は、実施例1と同様とし、質量114g/m2:空隙率89%:略四角形の空隙部1個当たりの面積が約21cm2の二軸メッシュシートを得た。
〈熱反応性ウレタンプレポリマー(2)〉
※ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体であるイソシアヌレート変性トリ
イソシアネートとポリオキシテトラメチレングリコールとの共重合体で、末端
イソシアネート基にアセト酢酸エチル(熱解離性有機化合物)が付加したもの
実施例1の配合1に用いた熱反応性ウレタンプレポリマー(1)7質量部を下記熱反応性ウレタンプレポリマー(3)7質量部に変更し、これによる反応性接着樹脂層形成用アクリル樹脂溶液組成を配合5とした以外は、実施例1と同様とし、質量114g/m2:空隙率89%:略四角形の空隙部1個当たりの面積が約21cm2の二軸メッシュシートを得た。
〈熱反応性ウレタンプレポリマー(3)〉
※ヘキサメチレンジイソシアネートをトリメチロールプロパンに3分子付加し
たトリメチロールプロパン変性トリイソシアネートとポリオキシテトラメチレ
ングリコールとの共重合体で、末端イソシアネート基に2−ピロリドン(熱解
離性有機化合物)が付加したもの
実施例1〜5において使用した基布1を下記基布2に変更した以外は、各々実施例1〜5と同様にして質量132g/m2:空隙率89%:略四角形の空隙部1個当たりの面積が約21cm2の二軸メッシュシート(実施例6〜10)を得た。※実施例1→実施例6、実施例2→実施例7、実施例3→実施例8、実施例4→実施例9、実施例5→実施例10
〈粗目織物(基布2)〉
経糸は総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の全芳香族ポリアミド繊維(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド)糸条、緯糸も総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の全芳香族ポリアミド繊維(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド)糸条として、これら糸条を模紗織した経緯2軸織物で、経糸条及び緯糸条の打込密度が5本/10インチ間隔の粗目模紗織物(質量83g/m2:空隙率90%:略四角形の空隙部1個当たりの面積が約22cm2)を基布に用いた。
実施例1〜5において使用した基布1を下記基布3に変更した以外は、各々実施例1〜5と同様にして質量136g/m2:空隙率87%:略三角形の空隙部1個当たりの面積が約19cm2の三軸メッシュシート(実施例11〜15)を得た。※実施例1→実施例11、実施例2→実施例12、実施例3→実施例13、実施例4→実施例14、実施例5→実施例15
〈粗目織物(基布3)〉
引張強度7cN/dtex、破断伸度12%のポリエステル繊維を用いて、経糸は総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条、バイアス糸も総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条として、これら糸条を模紗織した三軸織物で、経糸条及び左上・右上バイアス糸条の打込密度が4本/10インチ間隔の粗目模紗織物(質量78g/m2:空隙率88%:略三角形の空隙部1個当たりの面積が約20cm2)を基布に用いた。
実施例1〜5において使用した基布1を下記基布4に変更した以外は、各々実施例1〜5と同様にして質量177g/m2:空隙率87%:略三角形の空隙部1個当たりの面積が約19cm2の三軸メッシュシート(実施例16〜20)を得た。※実施例1→実施例16、実施例2→実施例17、実施例3→実施例18、実施例4→実施例19、実施例5→実施例20
〈粗目織物(基布4)〉
経糸は総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の全芳香族ポリアミド繊維(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド)糸条、バイアス糸も総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の全芳香族ポリアミド繊維(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド)糸条として、これら糸条を模紗織した三軸織物で、経糸条及び左上・右上バイアス糸条の打込密度が4本/10インチ間隔の粗目模紗織物(質量101g/m2:空隙率88%:略三角形の空隙部1個当たりの面積が約20cm2)を基布に用いた。
実施例1〜5において使用した基布1を下記基布5に変更した以外は、各々実施例1〜5と同様にして質量144g/m2:空隙率86%:略三角形の空隙部1個当たりの面積が約15cm2の四軸メッシュシート(実施例21〜25)を得た。※実施例1→実施例21、実施例2→実施例22、実施例3→実施例23、実施例4→実施例24、実施例5→実施例25
〈粗目織物(基布5)〉
引張強度7cN/dtex、破断伸度12%のポリエステル繊維を用いて、経糸及び緯糸は総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条、左上・右上バイアス糸も総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条として、これら糸条を模紗織した四軸織物で、経糸条及び緯糸、及びバイアス糸条の打込密度が3本/10インチ間隔の粗目模紗織物(質量82g/m2:空隙率87%:略三角形の空隙部1個当たりの面積が約16cm2)を基布に用いた。
実施例1〜5において使用した基布1を下記基布6に変更した以外は、各々実施例1〜5と同様にして質量187g/m2:空隙率86%:略三角形の空隙部1個当たりの面積が約15cm2の四軸メッシュシート(実施例26〜30)を得た。※実施例1→実施例26、実施例2→実施例27、実施例3→実施例28、実施例4→実施例29、実施例5→実施例30
〈粗目織物(基布6)〉
経糸及び緯糸は総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の全芳香族ポリアミド繊維(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド)糸条、左上・右上バイアス糸も総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の全芳香族ポリアミド繊維(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド)糸条として、これら糸条を模紗織した四軸織物で、経糸条及び緯糸状、及びバイアス糸条の打込密度が3本/10インチ間隔の粗目模紗織物(質量107g/m2:空隙率87%:略三角形の空隙部1個当たりの面積が約16cm2)を基布に用いた。
実施例31〜60のメッシュシートはアスファルト組成物に対して個々のメッシュシートが強くグリップして位置固定され、かつ、アスファルト層からの引き剥がし除去性も確保するもので実用に支障の無い優れたものであった。しかし全般的に実施例1〜30のメッシュシートよりもアスファルト組成物との密着性が実施例1〜30のメッシュシートの数値よりも5〜15%程度低目であったが、特にアスファルト層からの引き剥がし除去性は実施例1〜30のメッシュシートの数値よりも5〜15%程度軽減され向上していた。また特に実施例6〜10で使用した全芳香族ポリアミド繊維織物(基布2:二軸織物)、実施例16〜20で使用した全芳香族ポリアミド繊維織物(基布4:三軸織物)、実施例26〜30で使用した全芳香族ポリアミド繊維織物(基布6:四軸織物)に対する反応性接着樹脂層の含浸被覆の接着効果が、基布2を使用した実施例36〜40、基布4を使用した実施例46〜50、基布6を使用した実施例56〜60では「α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(Naイオン配位)」を省略したことで5〜15%程度低目の値となっていたが実用性も問題は無く、またアスファルト層からの引き剥がし除去性も容易であった。以上より全芳香族ポリアミド繊維織物やヘテロ環ポリマー繊維糸条表面、及び砂利や珪砂などの充填物の表面にアイオノマー樹脂(金属イオンが配位したα,β−不飽和カルボン酸)が強固に密着して効果を発揮する効果が実施例1〜30及び実施例31〜60との対比により確認された。
実施例1の配合1から熱反応性ウレタンプレポリマー(1)成分7質量部:ヘキサメチレンジイソシアネートとポリオキシテトラメチレングリコールとの共重合体で、末端イソシアネート基にメチルエチルケトンオキシム(熱解離性有機化合物)が付加したもの:を省略した以外は実施例1と同様として、質量114g/m2:空隙率89%:空隙部面積21cm2の二軸メッシュシートを得た。このメッシュシートはアスファルト組成物との接着性に乏しく、補修時を想定したアスファルトからの引き剥がし除去性に優れていたが、本質的にアスファルト層内での接着性と固定安定性が不足しているため、車両荷重や地震揺れモーメントによる応力による位置ズレを起し易く、道路補強埋設用には不適切なものであった。従って比較例1のメッシュシートではアスファルト層との接着性を維持し、かつアスファルト層からの引き剥がし除去性とを両立するものではない。
実施例1の配合1から熱反応性ウレタンプレポリマー(1)成分7質量部を省略し、替わりにヘキサメチレンジイソシアネートとポリオキシテトラメチレングリコールとの共重合体(※末端イソシアネート基に熱解離性有機化合物を付加していない)ものを7質量部配合した以外は実施例1と同様として、質量114g/m2:空隙率89%:空隙部面積21cm2の二軸メッシュシートを得た。このメッシュシートでは末端イソシアネート基に熱解離性有機化合物を付加していないため、イソシアネート基が製造時の加熱、および製造後の湿度(水分)によりイソシアネート基が反応して、試験時には不活性化したものとなったため、アスファルト層内での接着性と固定安定性が根本的に不足し、車両荷重や地震揺れモーメントによる応力による位置ズレを起し易く、道路補強埋設用には不適切なものとなり、ヘキサメチレンジイソシアネートとポリオキシテトラメチレングリコールとの共重合体を配合したこと自体が無意味であった。但し補修時を想定したアスファルトからの引き剥がし除去性にだけは優れていた。従って比較例2のメッシュシートではアスファルト層との接着性を維持し、かつアスファルト層からの引き剥がし除去性とを両立するものではない。
実施例1の配合1から架橋アクリル成分:架橋性アクリル樹脂エマルジョン(1)100質量部※スチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体(既存化学物質No6-139)及びポリエチレングリコールジアクリレート(n=11)(既存化学物質No7-152)20質量部を省略し、替わりに非架橋性アクリル樹脂エマルジョン100質量部※アクリル酸アルキルエステル共重合体(固形分50質量%)150質量部に置き換えた以外は実施例1と同様として、質量114g/m2:空隙率89%:空隙部面積21cm2の二軸メッシュシートを得た。このメッシュシートでは非架橋性アクリル樹脂を用いたことで、加温アスファルト組成物に接触した際に、メッシュシートの反応性接着樹脂層が溶融し、アスファルト組成物界面で溶融一体化することで、アスファルト組成物との接着性が熱反応性ウレタンプレポリマーの役割作用に加えてより向上したものとなったが、過剰な接着効果は補修時を想定したアスファルトからの引き剥がし除去性を予想以上に悪化させるものであった。
従って比較例3のメッシュシートではアスファルト層との接着性を維持し、かつアスファルト層からの引き剥がし除去性とを両立するものではない。
実施例11〜15の三軸メッシュシートにおいて、空隙率88%:空隙部面積20cm2の三軸粗目織物(基布3)を、空隙率38%:空隙部面積5cm2三軸粗目織物(基布7)に変更した以外は実施例11〜15と同様とした。比較例4〜8のメッシュシート個々はアスファルト層との接着性を維持し、かつアスファルト層からの引き剥がし除去性とを両立するものであったが、空隙率及び空隙部面積が小さく、このため道路舗装工事現場でのアスファルト盛延作業時にメッシュシート空隙部に砂利や砕石などの骨材を含むアスファルト組成物を均一に充填する作業が困難となり、その結果空隙部を介在するアスファルト組成物に隙間を多発することでアスファルト層内でのメッシュシートの固定性及び位置安定性を悪くするものであった。
〈粗目織物(基布7)〉
引張強度7cN/dtex、破断伸度12%のポリエステル繊維を用いて、経糸は総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条、バイアス糸も総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条として、これら糸条を模紗織した三軸織物で、経糸条及びバイアス糸条の打込密度が8本/10インチ間隔の粗目模紗織物(質量195g/m2:空隙率38%:空隙部面積5cm2)を基布に用いた。
実施例11〜15の三軸メッシュシートにおいて、空隙率88%:空隙部面積20cm2の三軸粗目織物(基布3)を、空隙率99%:空隙部面積312cm2三軸粗目織物(基布8)に変更した以外は実施例11〜15と同様とした。比較例9〜13のメッシュシート個々はアスファルト層との接着性を維持し、かつアスファルト層からの引き剥がし除去性とを両立するものであったが、空隙率及び空隙部面積が大き過ぎ、このため道路舗装工事現場でのアスファルト盛延作業時にメッシュシート空隙部に砂利や砕石などの骨材を含むアスファルト組成物を均一に充填する作業は容易であったが、メッシュシートの実体部が少な過ぎてアスファルト層内でのメッシュシートの補強効果が不十分なものであった。
〈粗目織物(基布8)〉
引張強度7cN/dtex、破断伸度12%のポリエステル繊維を用いて、経糸は総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条、バイアス糸も総繊度2000デニール(2222dtex)の合撚糸を3本引揃えた総繊度6000デニール(6666dtex)の糸条として、これら糸条を模紗織した三軸織物で、経糸条及びバイアス糸条の打込密度が1本/10インチ間隔の粗目模紗織物(質量20g/m2:空隙率99%:空隙部面積312cm2)を基布に用いた。
1−1:実体部
1−2:空隙部
2:粗目織物(基布)
3:反応性接着樹脂層
3−1:架橋アクリル樹脂
3−2:熱反応性ウレタンプレポリマー
4:アスファルト
4−1:アスファルト表層
4−2:アスファルト基層
5:路床
6:路盤
Claims (6)
- 粗目織物を基布として、その全面を被覆する反応性接着樹脂層とで構成された、略四角形または略三角形の空隙を多数有する空隙率50〜95%のネット状の可撓性複合体であって、前記反応性接着樹脂層が架橋アクリル樹脂を主体に構成され、この架橋アクリル樹脂量に対し、熱反応性ウレタンプレポリマーを3〜15質量%含み、前記熱反応性ウレタンプレポリマーが常温で非反応性のイソシアネート基を分子構造中に含み、かつ前記常温非反応性イソシアネート基がイソシアネート基に熱解離性有機化合物が付加したものであることを特徴とするアスファルト道路補強埋設用メッシュシート。
- 前記熱解離性有機化合物が、フェノール系化合物、ラクタム系化合物、オキシム系化合物、活性メチレン化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、及びアルコール系化合物から選ばれた1種以上の化合物である請求項1に記載のアスファルト道路補強埋設用メッシュシート。
- 前記反応性接着樹脂層に、ビニルモノマーとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体で、このα,β−不飽和カルボン酸に金属イオンを配位してなるアイオノマー樹脂を3〜15質量%含有する請求項1または2に記載のアスファルト道路補強埋設用メッシュシート。
- 前記粗目織物が、3〜20本のマルチフィラメント糸条を並べて絡み糸で束ねた絡織体を軸糸とする三軸織物、または四軸織物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアスファルト道路補強埋設用メッシュシート。
- 前記粗目織物が全芳香族ポリアミド繊維糸条、及び/または、ヘテロ環ポリマー繊維糸条を含み、糸条としての含有率が50〜100質量%である請求項4に記載のアスファルト道路補強埋設用メッシュシート。
- 加温したアスファルトの蓄熱により、前記常温非反応性イソシアネート基に付加する前記熱解離性有機化合物が解離してイソシアネート基を再生し、このイソシアネート基が前記アスファルトと反応することで前記反応性接着樹脂層が前記アスファルトと密着している、請求項1〜5の何れか1項に記載のアスファルト道路補強埋設用メッシュシート。
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