JP6247547B2 - 基板用コネクタ - Google Patents

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本発明は、パワーモジュール等を回路基板に電気的に接続させる基板用コネクタに関する。
従来から例えば外部端子としてIGBT等のパワーモジュールの電極ピンと、IGBTの駆動制御の部品を搭載した電子回路基板との接続は、該回路基板に実装されたコネクタを介していた。
基板用コネクタに関する技術は種々提案されている(例えば、特許文献1等)。
例えば図9に示すように、従来に係る基板用コネクタ500は、基板固定側ハウジング501に、隙間502を介して可動側ハウジング503が設けられる構造となっている。
可動側ハウジング503内には、パワーモジュール等の電極ピンと接続される複数の雌型接触子504が並設されている。雌型接触子504は、弾性変位可能な形状にて基板接続部505と一体状に成形されている。
そして、可動側ハウジング503は、弾性を有する端子504によって支持され、図9上、可動側ハウジング503全体がC方向に揺動可能となっている。
これにより、基板用コネクタ500は、パワーモジュール等の電極ピンに多少の曲がり等の位置ズレを生じた場合であっても、可動側ハウジング503がC方向に揺動することにより、その位置ズレを吸収することができる。
実開平6−48190号公報
ところが、図9に示すような従来技術に係る基板用コネクタ500では、可動側ハウジング503の全体が揺動する構造となっているため、パワーモジュール等において複数の電極ピンに曲がりや位置ズレ等がある場合に、各電極ピンの曲がり等に個別に対応することができないという不都合があった。
また、パワーモジュール等の電極ピンの数や配列に応じて、ピン孔の数やパターンを対応させた可動側ハウジングを用意する必要があり、コストが嵩むという難点もあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、比較的低コストで、各電極ピンの曲がり等に個別に対応させることのできる基板用コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る基板用コネクタの第1の態様は、回路基板に取り付けられる基板用コネクタであって、前記回路基板に形成された配線パターンに電気的に接続され、前記回路基板と所定の間隙を有するように立設される股状の脚部と、該股状の脚部の脚部間において前記回路基板の裏面側から貫通される被接続対象の電極ピンと係合されて電気的に接続する雌型接触子と、前記股状の脚部の支持部から延設されて、前記雌型接触子をXY方向に揺動可能に片持ち状態で支持する弾性部と、前記股状の脚部の脚部間に形成される空間に挿通されて、前記雌型接触子を収納し、当該雌型接触子の揺動に伴って従動可能に取り付けられるハウジングとを備えることを特徴とする。
本発明に係る基板用コネクタの第2の態様は、第1の態様に係る基板用コネクタにおいて、前記股状の脚部の支持部は、所定の隙間を挟んで前記ハウジングを囲繞するように形成され、前記雌型接触子は、前記支持部で囲繞される平面の略中央に位置するように構成されることを特徴とする。
本発明に係る基板用コネクタの第3の態様は、第1または第2の態様に係る基板用コネクタにおいて、前記ハウジングの端部には、当該ハウジングが前記股状の脚部の脚部間に形成される空間に挿通された状態において、前記股状の脚部に当接されて挿通方向への移動を規制する規制部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
すなわち、第1の態様に係る基板用コネクタでは、回路基板を貫通して来る被接続対象の電極ピンの位置がずれた場合であっても、雌型接触子およびハウジングが弾性部の可動範囲内で回路基板に対してXY方向に揺動するため、電極ピンの位置ズレを吸収することができる。特に、第1の態様に係る基板用コネクタは、被接続対象の各電極ピンに対応させて回路基板上に配設することができるので、比較的低コストで、各電極ピンの曲がり等に個別に対応させることができる。
第2の態様に係る基板用コネクタでは、雌型接触子は、支持部で囲繞される平面の略中央に位置するように構成されているので、被接続対象の電極ピンを雌型接触子に挿入する際の押圧力がハウジングを介して脚部に均等に加わるので、基板用コネクタの耐久性を向上させることができる。
第3の態様に係る基板用コネクタでは、被接続対象の電極ピンを挿入する際の押圧力は、ハウジングの挿入方向への移動が規制部と脚部の当接によって規制されているので、力が弾性部に直接加わることがなく、弾性部の変形等を防止することができる。
第1の実施の形態に係る基板用コネクタの取付け状態を示す全体斜視図である。 第1の実施の形態に係る基板用コネクタの構成例を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。 第1の実施の形態に係る基板用コネクタの構成例を示す側方断面図である。 第1の実施の形態に係る基板用コネクタにおいて、ハウジングを装着しない状態を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る基板用コネクタの弾性部を示す部分斜視図である。 第1の実施の形態に係る基板用コネクタのハウジングを示す斜視図である。 回路基板上に設けられた複数の基板用コネクタをパワーモジュールの電極ピンに接続する状態を示す説明図である。 第2の実施の形態に係る基板用コネクタの構成例を示す断面図である。 従来例に係る基板用コネクタの概略構成図である。
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
[第1の実施の形態に係る基板用コネクタの構成]
図1〜図7を参照して、第1の実施の形態に係る基板用コネクタ1Aの構成について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る基板用コネクタ1Aを回路基板100に取付けた状態を示す全体斜視図である。
また、図2(a)は、第1の実施の形態に係る基板用コネクタ1Aの構成例を示す平面図、図2(b)はその正面図、図2(c)はその側面図である。
さらに、図3は、第1の実施の形態に係る基板用コネクタ1Aの構成例を示す側方断面図であり、図4は、第1の実施の形態に係る基板用コネクタ1Aにおいて、ハウジング15を装着しない状態を示す斜視図である。
図1等に示すように、第1の実施の形態に係る基板用コネクタ1Aは、回路基板100に取り付けられる基板用コネクタである。
基板用コネクタ1Aは、回路基板100上に形成された配線パターン101に半田付け102によって電気的に接続され、回路基板100と所定の間隙を有するように立設される股状の脚部10a、10bを有する。
なお、図1等に示す本実施の形態に係る基板用コネクタ1Aにおいて、脚部は二股状となってるが、これに限らず、三股状や四股状などとしてもよい。
そして、基板用コネクタ1Aは、この股状の脚部10a、10bの脚部間において回路基板100の裏面側から貫通される被接続対象(例えば、IGBT等のパワーモジュールなど)の電極ピン200(図2(c)、図3参照)と係合されて電気的に接続する雌型接触子13(13a、13b)と、股状の脚部10a、10bの環状の支持部11から延設されて、雌型接触子13をXY方向に揺動可能に片持ち状態で支持する弾性部14とを備える。
なお、弾性部14の構造については、後述する。
本実施の形態において、股状の脚部10a、10b、環状の支持部11、弾性部14および雌型接触子13(13a、13b)は、例えば、銅合金等の耐熱合金で構成される板金を型抜し、折曲げ加工等を施して作成される。ここで、符号12は、板金を折曲げ加工した際の支持部11の継ぎ目である。また、雌型接触子13は、板金を巻くようにして加工されるため、上方の一部が二重になる構造となっている。
また、雌型接触子13a、13bは、被接続対象の電極ピン200を挟んで保持する板バネ状の構造となっている。
さらに、本実施の形態に係る基板用コネクタ1Aは、股状の脚部10a、10bの脚部間に形成される空間S(図4参照)に挿通されて、雌型接触子13を収納し、雌型接触子13の揺動に伴って従動可能に取り付けられるハウジング15(図1、図2および図6参照)を備える。
ハウジング15は、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS:Poly Phenylene Sulfide Resin)等の耐熱性樹脂等で成形される。
なお、ハウジング15を設けることにより、雌型接触子13に対して挿抜される被接続対象の電極ピン200の挿抜方向の姿勢を安定させることができる。
また、本実施の形態に係る基板用コネクタ1Aにおいて、ハウジング15の内側面15dの間隔は、雌型接触子13の上部に嵌合保持される寸法となるように設計されている。
これにより、股状の脚部10a、10bの脚部間に形成される空間Sからハウジング15を挿入して、雌型接触子13の上部に嵌合させるだけで、ハウジング15が保持される。
なお、本実施の形態に係る基板用コネクタ1Aでは、股状の脚部10a、10bの支持部11は、所定の隙間を挟んでハウジング15を囲繞するように形成され、雌型接触子13は、支持部11で囲繞される平面の略中央に位置するように構成される(図2(a)等参照)。
これにより、被接続対象の電極ピン200を雌型接触子13に挿入する際の押圧力がハウジング15を介して脚部10a、10bに均等に加わるので、基板用コネクタ1Aの耐久性を向上させることができる。
また、図6等に示すように、ハウジング15の端部(図6では下端部)には、このハウジング15が股状の脚部10a、10bの脚部間に形成される空間Sに挿通された状態において、股状の脚部10a、10bに当接されて挿通方向(矢印A方向)への移動を規制する規制部15a、15bが形成されている。
これにより、被接続対象の電極ピン200を挿入する際の押圧力は、ハウジング15の挿入方向(矢印A方向)への移動が規制部15a、15bと脚部10a、10bの当接によって規制されている(図2(b)等参照)ので、力が弾性部14に直接加わることがなく、弾性部14の変形等を防止することができる。
ここで、図2(b)、(c)および図5を参照して、弾性部14の構造について説明する。
弾性部14は、例えば、断面形状が略正方形となる柱状に形成され、支持部11から斜め上に延設されて、雌型接触子13を片持ち状態で支持するようになっている。
これにより、回路基板100を貫通して来る被接続対象の電極ピン200の位置がずれた場合であっても、雌型接触子13およびハウジング15が弾性部14の可動範囲内で回路基板に対してXY方向に揺動する(図4等参照)ので、電極ピン200の位置ズレを吸収することができる。
特に、基板用コネクタ1Aは、図7に示すように、被接続対象(例えば、IGBT等のパワーモジュール300)の各電極ピン200に対応させて回路基板100上に複数配設することができる。これにより、比較的低コストで、各電極ピン200の曲がり等に個別に対応させることができる。
なお、図7に示すように、複数の基板用コネクタ1Aを配設した回路基板100は、IGBT等のパワーモジュール300などに対して、自動組立ロボット等によって位置合わせした後、上方から矢印B方向に降下させることにより、各電極ピン200が各基板用コネクタ1Aに挿通されて電気的に接続される。
ここで、図2(b)、(c)および図3に示すように、ハウジング15の底部には、円錐形状の案内面15cが形成されている。これにより、回路基板100がパワーモジュール300などに対して降下された際に、各電極ピン200の先端は、案内面15cに案内されるので、雌型接触子13に確実に挿通させることができる。
[第2の実施の形態に係る基板用コネクタの構成]
次に、図8を参照して、第2の実施の形態に係る基板用コネクタ1Bについて説明する。
なお、第1の実施の形態に係る基板用コネクタ1Aと同様の構成については同一符号を付して重複した説明は省略する。
第2の実施の形態に係る基板用コネクタ1Bが、第1の実施の形態に係る基板用コネクタ1Aと異なる点は、ハウジング15の外側面の一部に摺接する係合爪400が設けられている点である。
これにより、ハウジング15の内側面15dと雌型接触子13との間に隙間がある状態(即ち、遊嵌状態)であっても、ハウジング15の外側面の一部に摺接する係合爪400によってハウジング15を確実に固定することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載にしたがって解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
1A、1B…基板用コネクタ
10a、10b…脚部
11…支持部
13(13a、13b)…雌型接触子
14…弾性部
15…ハウジング
15a…規制部
15c…案内面
15d…内側面
100…回路基板
101…配線パターン
200…電極ピン
300…パワーモジュール
400…係合爪
500…基板用コネクタ
501…基板固定側ハウジング
502…隙間
503…可動側ハウジング
504…端子
505…雌型接触子
S…空間

Claims (3)

  1. 回路基板(100)に取り付けられる基板用コネクタ(1)であって、
    前記回路基板に形成された配線パターン(101)に電気的に接続され、前記回路基板と所定の間隙を有するように立設される股状の脚部(10a、10b)と、
    該股状の脚部の脚部間において前記回路基板の裏面側から貫通される被接続対象の電極ピン(200)と係合されて電気的に接続する雌型接触子(13)と、
    前記股状の脚部の支持部(11)から延設されて、前記雌型接触子をXY方向に揺動可能に片持ち状態で支持する弾性部(14)と、
    前記股状の脚部の脚部間に形成される空間に挿通されて、前記雌型接触子を収納し、当該雌型接触子の揺動に伴って従動可能に取り付けられるハウジング(15)と
    を備えることを特徴とする基板用コネクタ。
  2. 前記股状の脚部の支持部(11)は、所定の隙間を挟んで前記ハウジングを囲繞するように形成され、前記雌型接触子は、前記支持部で囲繞される平面の略中央に位置するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の基板用コネクタ。
  3. 前記ハウジングの端部には、当該ハウジングが前記股状の脚部の脚部間に形成される空間に挿通された状態において、前記股状の脚部に当接されて挿通方向への移動を規制する規制部(15a、15b)が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板用コネクタ。
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