JP6246527B2 - 医療用塩化ビニル樹脂組成物及びそれからなる医療用器具 - Google Patents
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Description
成分(a)塩化ビニル樹脂100質量部と、
成分(b)可塑剤1〜250質量部とを含み、
上記成分(b)は、
成分(b−1)シクロヘキサンジカルボキシレート系可塑剤50質量%を超えて99質量%以下と
成分(b−2)アジピン酸エステル系可塑剤1質量%以上50質量%未満とを含み、
ここで成分(b−1)と成分(b−2)との合計は100質量%である
ことを特徴とする医療用塩化ビニル樹脂組成物が提供される。
本発明の成分(a)として用いる塩化ビニル樹脂は、−CH2−CHCl−で表される基を有する全ての重合体を指し、塩化ビニルの単独重合体;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニル・マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル・エチレン共重合体、塩化ビニル・プロピレン共重合体、塩化ビニル・スチレン共重合体、塩化ビニル・イソブチレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・スチレン・無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル・スチレン・アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・イソプレン共重合体、塩化ビニル・塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン・酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル・各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニルと塩化ビニルと共重合可能な他のモノマーとの共重合体;後塩素化ビニル共重合体等の塩化ビニル単独重合体や塩化ビニル系共重合体を改質したもの;さらには塩素化ポリエチレン等の構造上塩化ビニル樹脂と類似の塩素化ポリオレフィンを包含する。
本発明の成分(b)として用いる可塑剤は、成分(b−1)シクロヘキサンジカルボキシレート系可塑剤と成分(b−2)アジピン酸エステル系可塑剤とを含む。好ましくは、上記成分(b−1)と上記成分(b−2)とからなる。
本発明に用いるシクロヘキサンジカルボキシレート系可塑剤は、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸と、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜20の一価アルコールとのエステル化合物である。
DINCH(商品名)」をあげることができる。
本発明に用いるアジピン酸エステル系可塑剤は、アジピン酸と直鎖状又は分岐鎖状の炭素数4〜20の一価アルコール(例えば、n−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デシルアルコール、イソヘプチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソオクチルアルコール、イソノニルアルコール、イソデシルアルコールなどをあげることができる。)とのエステル化合物である。
成分(a)塩化ビニル樹脂
成分(a−1):
製造会社:株式会社カネカ
種類: ポリ塩化ビニル
平均重合度:700
製造会社:新第一塩ビ株式会社
種類: ポリ塩化ビニル
平均重合度:1300
成分(b−1):
製造会社: BASFジャパン株式会社
商品名:HexamollR DINCH
種類:ジイソノニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(DINCH)
製造会社: 株式会社ジェイプラス
商品名:DOA
種類:ジ(2−エチルヘキシル)アジペート(DEHA)
成分(c−1):ジオクチル錫ジメルカプト系安定剤
製造会社:株式会社ADEKA
種類: ジオクチル錫ジメルカプト
製造会社:株式会社ADEKA
種類: カルシウム亜鉛
成分(d−1): ポリエチレンワックス系滑材
製造会社:三井化学株式会社
種類:ポリエチレンワックス
製造会社:クラリアントジャパン株式会社
種類:モンタン酸部分鹸化エステル
1.臭気の評価
下記で得られた塩化ビニル樹脂組成物を用い、テストロールを使用してシートを作成し、これを更にプレス装置を使用して縦100mm、横100mm、厚み2mmのシートをプレス成形してテストサンプルとした。容量200ミリリットルの透明な三角フラスコに上記テストサンプルを縦20mm、横20mmに裁断して投入し、ガラス栓をし、コバルト60を線源とするγ線の20KGyの照射を行った。常温で状態調節した後、臭気の官能試験を、ガラス栓を開けて三角フラスコ内部の臭気を嗅ぐことにより行った。臭気の官能試験は10人のテスターが行い、臭気が気になる者の人数により、以下の基準で評価した。
◎:0人
○:1〜3人
×:4人以上
テストサンプルは、上記1.臭気の評価と同じ方法で作成したものを用いた。テストサンプル5枚を重ね、これを国立印刷局製造「きょう雑物測定図表」の上に置いて視認できる大きさにより、以下の基準で評価した。
○:0.2mm2の大きさが視認できる
△:0.3mm2の大きさまでは視認できるが、0.2mm2の大きさは視認できない
×:0.5mm2の大きさまでは視認できるが、0.3mm2の大きさは視認できない
成分(b)の配合量が、20質量部以上の実施例及び比較例について実施した。
40mm単軸押出機と平板型の金型を用い、金型出口樹脂温度180℃、スクリュー回転数40rpmの条件で、押出シート成形を行い、ドローダウン性、押出シートの表面外観や形状を観察し、次の基準で評価した。
○:ドローダウン性、押出シートの表面外観や形状について全く問題ない。
△:押出シートの表面にやや肌荒れがあるが、ドローダウン性や押出シートの形状については問題ない。
×:押出シートの表面に顕著な肌荒れがあり、端部の形状に大きな乱れがあり、ドローダウン性も悪い。
成分(b)の配合量が、20質量部以下の実施例及び比較例について実施した。
型締圧120トンの射出成形機を用い、幅10mm×長さ80mm×厚さ2mmの試験片を下記の成形条件で成形した。
成形温度 180℃
金型温度 40℃
射出速度 50mm/秒
射出圧力 1400Kg/cm2
保圧圧力 400〜1400Kg/cm2
射出時間 10秒
冷却時間 45秒
続いて、得られた試験片について、フローマークやウェルドマークの有無を、目視観察し、以下の基準で評価した。
○:フローマーク及びウェルドマークは認められない
△:フローマーク又はウェルドマークがわずかに認められる
×:甚だしいフローマーク及びウェルドマークが認められる
表1〜4の何れか1に示す量(質量部)の成分を、成分(b)の配合量が20質量部以下のときは、二軸押出機を使用して、樹脂温度180℃で溶融混練し、成分(b)の配合量が20質量部を超えるときは、加圧ニーダーを使用し、樹脂温度160℃で5分間、溶融混練して塩化ビニル樹脂組成物を得た。上記の試験1〜4を行った。結果を表1〜4の何れか1に示す。
Claims (8)
- 成分(a)塩化ビニル樹脂100質量部と、
成分(b)可塑剤1〜250質量部とを含み、
上記成分(b)は、
成分(b−1)シクロヘキサンジカルボキシレート系可塑剤50質量%を超えて99質量%以下と、
成分(b−2)アジピン酸エステル系可塑剤1質量%以上50質量%未満とを含み、
ここで成分(b−1)と成分(b−2)との合計は100質量%である
ことを特徴とする医療用塩化ビニル樹脂組成物。 - 上記成分(b−1)が、ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート、ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート、ジn−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート、ジ−2−エチルヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート、ジイソノニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート、ジイソデシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の医療用塩化ビニル樹脂組成物。
- 上記成分(b−2)が、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用塩化ビニル樹脂組成物。
- 医療用チューブであって、請求項1〜3の何れか1項に記載の医療用塩化ビニル樹脂組成物からなることを特徴とする医療用チューブ。
- 医療用バッグであって、請求項1〜3の何れか1項に記載の医療用塩化ビニル樹脂組成物からなることを特徴とする医療用バッグ。
- 医療用輸液セットであって、請求項1〜3の何れか1項に記載の医療用塩化ビニル樹脂組成物からなることを特徴とする医療用輸液セット。
- 血液回路のジョイント部材であって、請求項1〜3の何れか1項に記載の医療用塩化ビニル樹脂組成物からなることを特徴とする血液回路のジョイント部材。
- 医療用容器であって、請求項1〜3の何れか1項に記載の医療用塩化ビニル樹脂組成物からなることを特徴とする医療用容器。
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KR102297786B1 (ko) * | 2018-12-21 | 2021-09-02 | 한화솔루션 주식회사 | 가소제 조성물, 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물 |
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