JP6246141B2 - 薄い製品形態における、産業用途のための変形メカニズムの開発 - Google Patents

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Description

本出願は、室温における塑性のメカニズムに関し、これはガラス形成マトリクスにおけるスピノーダルガラスマトリクスの微細構成の構造から生じ得る。得られる合金は、繊維、リボン、ワイヤー、および薄いシート(つまりホイル)などの比較的薄い製品形態を形成し、広範囲の産業用途に利用され得る。
金属は主として無方向性の金属結合を示すものと理解され、この結合は応力/負荷の適用下で破壊され、その後金属に固有の延性を有し得、塑性的に変形し得る再形成されることができる。機構的に、金属は、主に転位の動きを通して室温で変形し得る。転位は、一次元の種類の欠陥として理解され、これはバーガースベクトル(Burgers vector)による原子の転移をもたらすときに個々の原子の結合を破壊することによって、エッジ、スクリュー、または混合された特性および動きを示し得る。転位はそのスリップシステムの動きに移ることが見出されており、これは特定の結晶構造および空間群に依存し、特定の平面および特定の結晶の方向を含んでもよい。
イオン的に結合したセラミック材料において、転位は変形の役割を果たし得るものと理解される。しかしながら、これらの分類の材料は、指向性があり、電子の移動および特定のイオンの形成を含む結合を有する。それゆえ、特定の結合が破壊された後、これは陽イオンの隣に陽イオンまたは陰イオンの隣に陰イオンを配置し、反発力が結合を再形成することを困難にする。したがって、セラミック結合の高い強度によって、セラミック材料は比較的高い硬度および強度を示し、これらはたいてい金属において見出されるものよりも優れている。しかしながら、セラミック材料は、一般的に、塑性的に変形することが固有にできず、壊れやすい。
ナノ結晶性金属材料も、比較的高い強度および硬度を備え得る。ナノ結晶性材料は、定義により、100nm未満の平均粒径を有する多結晶構造であるものと理解される。これらは、金属および合金がナノ結晶を作る場合、構造用途のための可能性の大きさとなる数多くの魅力的な機械的特性を有することが議論される場合、1980年代半ばから広く研究の主題である。しかし、比較的魅力的な特性(高い硬度、降伏応力および破壊強度)にもかかわらず、ナノ結晶性材料は、一般的に、期待はずれの非常に低い引張伸びを示し、非常に壊れやすく破壊されがちであることがよく知られている。実際、粒径を下げるための延性の低下は、例えば冷延された従来の再結晶化された軟鋼で提案されているように、加工硬化指数と粒径との間の経験的な相関によって証明されるとおり、長い間知られている。粒径が徐々に低下すると、転位の積み重ねの形成がより困難になり、その動きが大量の2−dの欠陥相および粒界によって非常に制限される。したがって、ナノ結晶性粒の発展で、十分な延性(>1%)を達成することは、挑戦であった。
金属ガラスは、指向性のない金属結合、金属光沢および十分な電気および熱伝導性を含む金属状、ならびに壊れやすさおよび引張延性の欠如と組み合わされた比較的高い硬度がたいてい得られるセラミック状の両方の特徴を示す材料の分類である。非晶質の金属合金(つまり金属ガラス)は、比較的若い分類の材料を表し、有名な急冷実験をAu−Si合金に行った、1960年に最初に報告された。このとき以来、非晶質構造の保持のためのより低い臨界冷却速度を有する原子の組合せを探し、合金組成物を形成するガラスを探査する点において、顕著な進展があった。金属ガラスは、室温で固体の形態で存在してもよいが、比較的短い範囲の秩序で存在する液体中で見つけられるものと比較的類似の構造を有する過冷却された液体であると理解される。金属ガラスは自由電子を有してもよく、金属光沢を示し、従来の金属において見つけられるものと類似の金属結合を示す。全ての金属ガラスは準安定の材料と考えられ、加熱される場合、結晶状態に変化する。このプロセスは結晶化または失透と呼ばれる。拡散が室温で制限されるため、十分な加熱(つまりボルツマンのエネルギー)を、核形成の障壁を乗り越えて、ガラスの失透によって引き起こされる固体−固体の状態変化を起こすために、適用する必要がある。金属ガラスの失透温度は非常に広く、一般的には300から800℃で、一般的には−25から−250J/gの結晶化のエンタルピーで変化し得る。失透プロセスは一段階または複数の段階で起こり得る。複数の段階で起こる場合、結晶相を形成し、その後特定の分配係数に応じて、原子は新しい結晶に引き付けられるか、ガラスの体積を残したまま排斥される。これはより安定なガラスの化学をもたらし、これは部分的または完全な失透を引き起こすための追加の加熱の投入を必要としてもよい。したがって、部分的に失透した構造は、ガラスマトリクス中の結晶の沈殿をもたらし得る。一般的に、これらの沈殿物は30から125nmのサイズの範囲であってもよい。完全な結晶状態への完全な失透は、示差走査熱量測定または示差熱分析などの熱的分析を通して明らかにすることができる最も高い温度のガラスのピークを超える熱処理に起因する。
非常に微細な長さスケールの構造秩序(つまり分子集合)および近接した欠陥を含まない材料の性質(つまり1−d転位または2−d粒界/相境界欠陥がない)により、理論の約33から45%である比較的高い強度(および対応する硬度)が得られる。しかしながら、結晶化度の欠如により、転位が見つけられず、十分な(つまり>2%)引張伸びのメカニズムは明らかでない。金属ガラスは、これらの材料の技術上の利用に関する、せん断帯および/またはひびの迅速な伝播を伴う、比較的制限された破壊靱性を示す。これらの材料は、圧縮の試験による十分な延性を示し得、一方、引張で試験する場合、これらはゼロに非常に近い伸びを示し、壊れやすい態様で破壊する。室温において引張変形することができる、これらの分類の材料の固有の不可能性は、潜在的な構造用途のための比較的制限する因子であり、ここで固有の延性が壊滅的な破壊を避けるために必要である。
歪み軟化剤および/または熱的軟化剤により、金属ガラスの塑性変形は、比較的よくせん断帯に局所化し、比較的限定された塑性変形(2%未満)および室温における壊滅的な破壊をもたらす。様々なアプローチが金属ガラスの延性を強化するために適用され、これは以下を含む: マイクロメートルサイズの結晶、ナノメートルサイズの結晶、ガラス状相分離などの不均質性を導入する、または非晶質構造の自由体積を導入する。これらの複合体の不均一な構造は、せん断帯の形成のための開始点および/またはせん断帯の迅速な伝播に対する障壁として働き、これは圧縮における広範囲の塑性の強化および時として対応する強度の減少をもたらす。最近、数多くの金属ガラスが製作され、塑性は応力で誘起されるナノ結晶または比較的高いポアソン比に起因する。これらのアプローチで、金属ガラスは圧縮試験の間、強化された塑性を示す(12〜15%)が、これらの引張伸びは2%を超えないことに注意されたい。金属ガラスの引張延性の改善の非常に最近の結果は、13%の引張伸びを、ガラス状のマトリクスに組み込まれた長い樹状突起(20〜50μmのサイズ)を有するジルコニウム系合金で達成したことを公開した。この材料は主に結晶性であり、樹状突起の境界に沿った残りの非晶質の相を有する、微小結晶合金と考えられることに注意されたい。報告されたこれらの合金の最大の強度は1.5GPaである。
US2005/0252586A1
したがって、金属ガラスが比較的高い強度および高い弾性限界の好ましい特徴を示すことは知られているが、その引張で変形する能力は非常に制限されており、この分類の材料の産業利用を厳しく制限している。
一態様において、本開示は、ガラス形成合金に関する。ガラス形成合金は、43.0原子パーセントから68.0原子パーセントの鉄、10.0原子パーセントから19.0原子パーセントのホウ素、13.0原子パーセントから17.0原子パーセントのニッケル、2.5原子パーセントから21.0原子パーセントのコバルト、場合によって0.1原子パーセントから6.0原子パーセントの炭素、および場合によって0.3原子パーセントから3.5原子パーセントのケイ素を含んでもよい。ガラス形成合金は、ガラスマトリクス中に、50nm未満の長さスケールの1つまたは複数の半結晶相および/または結晶相を含み得る、5体積%から95体積%の1つまたは複数のスピノーダルガラスマトリクスの微細構成を含んでもよい。さらに、合金は、引張下の局所化した変形で誘起される変化を通して、せん断帯を鈍化させることができる。
別の態様において、本開示は、ガラス形成合金においてスピノーダル微細構成を形成する方法に関する。この方法は、合金を形成するための、43.0原子パーセントから68.0原子パーセントの鉄、10.0原子パーセントから19.0原子パーセントのホウ素、13.0原子パーセントから17.0原子パーセントのニッケル、2.5原子パーセントから21.0原子パーセントのコバルト、場合によって0.1原子パーセントから6.0原子パーセントの炭素、および場合によって0.3原子パーセントから3.5原子パーセントのケイ素を含む合金の成分を溶融すること、ならびに合金を形成し冷却することを含んでもよく、ここで冷却においてガラス形成合金は、ガラスマトリクス中に50nm未満の長さスケールの1つまたは複数の半結晶相および/または結晶相を含む、5体積%から95体積%の、引張下の局所化した変形で誘起される変化を通してせん断帯を鈍化させることができる、1つまたは複数のスピノーダル微細構成を含んでもよい。
この開示の上記のおよび他の特長、ならびにそれらに到達する方法は、添付する図とともに本明細書において記載される以下の実施形態の記載の参照により、さらに明らかになり理解されるようになるだろう。
パラ−アラミドおよびメタ−アラミドポリマーの化学構造を例示する。 水素結合によって一緒に架橋された2つのパラ−アラミド分子を例示する。 ポリエチレン分子構造の例を例示する。 10.5m/sにおいて溶融紡糸した以下の合金のDTA曲線を例示する; ここで、図4a)はPC7E8S1A1のDTA曲線を例示し、図4b)はPC7E8S1A2のDTA曲線を例示し、図4c)はPC7E8S1A3のDTA曲線を例示し、図4d)はPC7E8S1A4のDTA曲線を例示し、図4e)はPC7E8S1A5のDTA曲線を例示し、図4f)はPC7E8S1A6のDTA曲線を例示する。 4つのタイプの曲げ挙動を示す180°曲げた典型的な例のリボンを例示する; 図5a)は、タイプ1の挙動を示す10m/sで溶融紡糸した合金PC7e8を例示し、図5b)は、タイプ2の挙動を示す10.5m/sで溶融紡糸した合金PC7e8S1A7を例示し、図5c)は、タイプ3の挙動を示す10.5m/sで溶融紡糸した合金PC7e8S1A14を例示し、図5d)は、タイプ4の挙動を示す10m/sで溶融紡糸した合金PC7e8S1A9を例示する。 10.5m/sで溶融紡糸したPC7E8S1A1X4リボンの引張応力−歪み曲線の例を例示する。 10.5m/sで溶融紡糸したPC7E8S1A1X6リボンの引張応力−歪み曲線の例を例示する。 10.5m/sで溶融紡糸したPC7E8S1A1X12リボンの引張応力−歪み曲線の例を例示する。 SGMM合金からの最も優れた新しいデータを含む、広範囲の材料分類の引張強度対引張伸びの要約を提供する。 10.5m/sで製造し、本質的に1つの長いリボンである、溶融紡糸した例を例示する。 39、30、16、10.5、7.5および5m/sで溶融紡糸したPC7E8S1A9合金のDTA曲線を例示する。 10.5、7.5および5m/sで溶融紡糸したPC7E9S1A1X6合金のDTA曲線を例示する。 PC7E8S1A9リボンの微細構造およびSAEDパターンのTEM顕微鏡写真を例示する; ホイール側の微細構造(図13a)および対応するSAEDパターン(図13b)、および中央側の微細構造(図13c)および対応するSAEDパターン(図13d)を含む。 せん断帯の周りの局所化した変形で誘起された変化(LDIC)のTEM顕微鏡写真を例示する; ここで、図14a)は内部および領域A、BおよびCにおけるせん断帯の周りの微細構造の変化を例示し、図14b)は領域A、BおよびCにおける制限視野電子線回折(SAED)の変化によって明らかになった相変形を例示する。 成長するせん断帯の先端の前方の領域における局所化したせん断変形で誘起された結晶成長を例示する。増加したサイズを有するナノ結晶粒子は、長方形を使って図15a)で示された、選択された領域Dの図15b)において明らかにされる。 PC7E7w16の破断面のSEM二次電子顕微鏡写真を例示する。 PC7E7w16の破断面のSEM二次電子顕微鏡写真を例示する。 PC7E8S8A6w16の破断面のSEM二次電子顕微鏡写真を例示する。 PC7E8S1A9リボンの応力−歪み曲線を例示し、これは続けて走査型電子顕微鏡によって試験された。 均一な引張負荷下で固定したひびのSEM顕微鏡写真を例示する; 図20a)は固定した端部のひびを例示し、図20b)はひびの偏向およびマクロスケールの分岐を例示し、図20c)はひびの偏向およびマクロスケールの分岐を例示する。 発達していない端部のひびのSEM顕微鏡写真を例示する; 図21a)は非常に初期の成長段階で固定したひびを例示し、図21b)はひびの偏向およびサブミクロンスケールの分岐を例示する。
本出願は、ガラス形成化学に関し、これはスピノーダルガラスマトリクスの微細構成(Spinodal Glass Matrix Microconstituent、SGMM)の構造を導き、これは比較的大きな延性および高い引張強度を示す。スピノーダル微細構成は、核形成で制御されない変形メカニズムによって形成された微細構成として理解される。より基本的には、スピノーダル分解は、合金の2つ以上の成分(例えば金属成分)の溶液が、別々に異なる化学組成および物理的特性を有する別々の領域に分離し得るメカニズムによるものと理解される。このメカニズムは、相分離が離散的な核形成部位においてではなく、材料を通して均一に起こる点で、標準的な核形成とは異なる。それゆえ、1つまたは複数の半結晶性クラスターまたは結晶相は、化学変動が少なくとも1つの別々の結晶相を導くまで、局所的なレベルでの原子の連続的な拡散を通して形成される。半結晶性クラスターは、本明細書において、2nm以下の最も長い直線の寸法を示すものとして理解され、一方結晶性クラスターは、2nmを超える最も長い直線の寸法を示す。スピノーダル分解の初期の段階の間、形成されるクラスターは、比較的小さくてもよく、その性質はガラスマトリクスとは異なり、それはまだ完全に結晶ではなく、まだ秩序的な結晶の周期性を達成していない。さらなる結晶相は、同じ結晶構造または別々の構造を示してもよい。さらにガラスマトリクスは、ランダムに一緒に固まった固相における構造単位の関連を示す微細構成を含むものと理解される。構造単位の精密さ、またはサイズのレベルは、オングストロームスケールの範囲であってもよい(つまり5Åから100Å)。
さらに、合金は、スピノーダルガラスマトリクスの微細構成(SGMM)によって可能になる、誘起されたせん断帯の鈍化(Induced Shear Band Blunting、ISBB)および誘起されたせん断帯の固定(Induced Shear Band Arresting、ISBA)を示してもよい。従来の材料は結晶性金属の特定のスリップ系で移動する転位を通して変形するが、このメカニズムは、本明細書においてさらに記載される、局所化した変形で誘起される変化(LDIC)によって鈍化される、スピノーダルガラスマトリクスの微細構成中の、せん断帯の移動(つまり、局所化した変形が起きる不連続)を含んでもよい。応力のレベルが増加するにつれて、一度せん断帯が鈍化すると、新しいせん断帯が核形成され、その後引張における比較的高いせん断密度および比較的大きいレベルの全体的な塑性の発達を作り出す、既存のせん断帯と相互作用する。したがって、好ましいSGMM構造を有する合金は、引張におけるせん断帯の伝播を防ぐ、または軽減し、これは比較的大きな引張延性(>1%)をもたらし、引張試験の間の歪みの硬化を導く。
本明細書において意図される合金は、スピノーダルガラスマトリクスの微細構成を形成することができる化学種を含む、またはスピノーダルガラスマトリクスの微細構成を形成することができる化学種からなってもよく、ここでスピノーダルガラスマトリクスの微細構成は、5から95体積%の範囲で存在してもよい。いくつかの実施例において、合金は、43.0から68.0原子パーセント(at.%)の範囲で存在する鉄、10.0から19.0at.%の範囲で存在するホウ素、0.1から6.0at.%の範囲で場合によって存在してもよい炭素、0.3から3.5at.%の範囲で場合によって存在してもよいケイ素、13.0から17.0at.%の範囲で存在するニッケル、および2.5から21.0at.%の範囲で存在するコバルトを含んでもよい。さらに、合金は、1.0から8.0at.%の範囲で存在するチタン、1.0から8.0at.%の範囲で存在するモリブデン、1.0から8.0at.%の範囲で存在する銅、1.0から8.0at.%の範囲で存在するセリウム、および2.0から16.0at.%の範囲で存在するアルミニウムのうちの1つまたは複数を含んでもよい。一実施形態において、合金は、43.0から68.0原子パーセント(at.%)の範囲で存在する鉄、12.0から19.0at.%の範囲で存在するホウ素、0.1から6.0at.%の範囲で場合によって存在してもよい炭素、0.40から3.50at.%の範囲で場合によって存在してもよいケイ素、15.0から17.0at.%の範囲で存在するニッケル、および2.5から21.0at.%の範囲で存在するコバルトを含んでもよい。別の実施形態において、合金は、52.0から63.0原子パーセント(at.%)の範囲で存在する鉄、10.0から13.0at.%の範囲で存在するホウ素、3.5から5.0at.%の範囲で存在する炭素、0.3から0.5at.%の範囲で存在するケイ素、13.0から17.0at.%の範囲で存在するニッケル、2.5から3.0at.%の範囲で存在するコバルト、および場合によって、1.0から8.0at.%の範囲で存在してもよいチタン、1.0から8.0at.%の範囲で存在してもよいモリブデン、1.0から8.0at.%の範囲で存在してもよい銅、1.0から8.0at.%の範囲で存在してもよいセリウム、および2.0から16.0at.%の範囲で存在してもよいアルミニウムのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
したがって、上の原子の構成は、全体で100at.%で存在することが理解される。さらに、不純物は、0at.%より多く5at.%までの範囲の任意の値を含んで、最大5at.%存在してもよいことが理解される。さらに、上の原子の構成は、本明細書において引用される範囲における任意の値または増分で存在してもよいことが理解される。例えば、鉄は、43.0、43.1、43.2、43.3、43.4、43.5、43.6、43.7、43.8、43.9、44.0、44.1、44.2、44.3、44.4、44.5、44.6、44.7、44.8、44.9、45.0、45.1、45.2、45.3、45.4、45.5、45.6、45.7、45.8、45.9、46.0、46.1、46.2、46.3、46.4、46.5、46.6、46.7、46.8、46.9、47.0、47.1、47.2、47.3、47.4、47.5、47.6、47.7、47.8、47.9、48.0、48.1、48.2、48.3、48.4、48.5、48.6、48.7、48.8、48.9、49.0、49.1、49.2、49.3、49.4、49.5、49.6、49.7、49.8、49.9、50.0、50.1、50.2、50.3、50.4、50.5、50.6、50.7、50.8、50.9、51.0、51.1、51.2、51.3、51.4、51.5、51.6、51.7、51.8、51.9、52.0、52.1、52.2、52.3、52.4、52.5、52.6、52.7、52.8、52.9、53.0、53.1、53.2、53.3、53.4、53.5、53.6、53.7、53.8、53.9、54.0、54.1、54.2、54.3、54.4、54.5、54.6、54.7、54.8、54.9、55.0、55.1、55.2、55.3、55.4、55.5、55.6、55.7、55.8、55.9、56.0、56.1、56.2、56.3、56.4、56.5、56.6、56.7、56.8、56.9、57.0、57.1、57.2、57.3、57.4、57.5、57.6、57.7、57.8、57.9、58.0、58.1、58.2、58.3、58.4、58.5、58.6、58.7、58.8、58.9、59.0、59.1、59.2、59.3、59.4、59.5、59.6、59.7、59.8、59.9、60.0、60.1、60.2、60.3、60.4、60.5、60.6、60.7、60.8、60.9、61.0、61.1、61.2、61.3、61.4、61.5、61.6、61.7、61.8、61.9、62.0、62.1、62.2、62.3、62.4、62.5、62.6、62.7、62.8、62.9、63.0、63.1、63.2、63.3、63.4、63.5、63.6、63.7、63.8、63.9、64.0、64.1、64.2、64.3、64.4、64.5、64.6、64.7、64.8、64.9、65.0、65.1、65.2、65.3、65.4、65.5、65.6、65.7、65.8、65.9、66.0、66.1、66.2、66.3、66.4、66.5、66.6、66.7、66.8、66.9、67.0、67.1、67.2、67.3、67.4、67.5、67.6、67.7、67.8、67.9、および/または68.0at.%で存在してもよい。ホウ素は、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16.0、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、17.0、17.1、17.2、17.3、17.4、17.5、17.6、17.7、17.8、17.9、18.0、18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、18.6、18.7、18.8、18.9、および/または19.0at.%で存在してもよい。炭素は、0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、および/または6.0at.%で存在してもよい。ケイ素は、0、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、および/または3.5at.%で存在してもよい。ニッケルは、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16.0、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、および/または17at.%で存在してもよい。コバルトは、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16.0、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、17.0、17.1、17.2、17.3、17.4、17.5、17.6、17.7、17.8、17.9、18.0、18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、18.6、18.7、18.8、18.9、19.0、19.1、19.2、19.3、19.4、19.5、19.6、19.7、19.8、19.9、20.0、20.1、20.2、20.3、20.4、20.5、20.6、20.7、20.8、20.9、および/または21.0at.%で存在してもよい。チタンは、0.0、1.0、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、および/または8.0at.%で存在してもよい。モリブデンは、0.0、1.0、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、および/または8.0at.%で存在してもよい。銅は、0.0、1.0、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、および/または8.0at%で存在してもよい。セリウムは、0.0、1.0、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、および/または8.0at.%で存在してもよい。アルミニウムは、0.0、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12
.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、および/または16.0at.%で存在してもよい。
合金は、DTAによって測定される1つまたは複数の結晶化ピークを示してもよい。最初のピークの結晶化開始温度は、全ての値およびその増分を含む、350℃から560℃の範囲であってもよく、結晶化ピーク温度は、全ての値およびその増分を含む、400℃から570℃の範囲であってもよい。さらなるピークの結晶化開始温度は、全ての値およびその増分を含む、425℃から630℃の範囲であってもよく、結晶化ピーク温度は、全ての値およびその増分を含む、440℃から640℃の範囲であってもよい。
合金は、2%を超えるものを含む、1%を超える引張伸びを示してもよい。例えば、合金は、全ての値およびその範囲における増分、例えば5%から6%などを含む、1%より大きく7%までの引張伸びを示してもよい。合金は、0.5GPaから4GPaの範囲における全ての値および増分を含む、0.5GPaを超える引張強度(最終的な引張強度)を示してもよい。さらに、合金は、全ての値およびその増分を含む、0.3GPaから2.0GPaの範囲の降伏強度を示してもよい。さらに、合金は、全ての値およびその増分を含む、70GPaから190GPaの範囲のヤング率を示してもよい。さらに、合金は、6.5から8.5g/cmの材料密度を示してもよい。合金は、全ての上の特性を含む、1つまたは複数の上の特性を組み合わせて示してもよいものと理解される。
合金は、全ての値およびその増分を含む、約<100000K/sの金属ガラス形成のための臨界冷却速度を示すガラス形成化学を含んでもよい。いくつかの実施例において、合金は、約10から約10K/sの冷却速度で固化されてもよい。得られる構造は、主に金属ガラスを含む、または主に金属ガラスからなってもよい。いくつかの実施例において、得られる構造は、金属ガラスおよび500nm未満のサイズの結晶相を含む、または金属ガラスおよび500nm未満のサイズの結晶相からなってもよい。さらに、合金は変換して少なくともその構造の一部がスピノーダル微細構成を得てもよく、これはガラスマトリクス中に50nm未満の長さスケールで1つまたは複数の結晶相を含む、またはガラスマトリクス中に50nm未満の長さスケールで1つまたは複数の結晶相からなってもよい。
合金は、シート、薄いフィルム、フレーク、ホイル、リボン、繊維、パウダー、およびワイヤーを含む、比較的薄い製品形態に加工されてもよい。合金は、さらに以下で議論する、Taylor−Ulitovskyのワイヤー製造プロセスおよびその変形例、チルブロック溶融紡糸(chill block melt−spinning)プロセスおよびその変形例、プラナーフローキャスティング(planer flow casting)プロセスおよびその変形例、ならびに双ロールキャスティング(twin roll casting)を含む、様々な商業的および研究スケールの製造方法によって加工されてもよい。製品形態は、1μmから2000μmの範囲における全ての値および増分を含む、2000μm未満の厚さ、ならびに/または1μmから2000μmの範囲における全ての値および増分を含む、2000μm未満の断面直径であってもよい。例えば、製品形態は、250μm未満の厚みまたは250μm未満の断面直径であってもよい。さらに、合金は、織物、構造補強材、繊維強化材、独立した製品、および引き抜き成形加工などの構造製品を含む、独立した製品として、シート、ホイル、リボン、繊維、パウダー、およびワイヤーを含む、比較的薄い製品形態で使用されてもよい。
(先進炭素系繊維との特性比較)
本明細書において意図される材料は、既存の高い強度繊維と比較的異なっており、これは典型的には、主に炭素および水素を含む有機分子を含んでもよい。最初によく知られている有機繊維の1つは、ナイロン6,6であり、これは1935年にDuPontによって開発された。高い性能の有機繊維は、アラミドまたはポリエチレンポリマーのどちらかから開発され、数十年間商業的に利用可能である。最初に開発されたアラミド繊維は、他の有機繊維を超える繊維特性の改善を実証した。アラミドおよびポリエチレン繊維の特性は、最近にのみ一般的に航空宇宙産業で使用されている炭素繊維によって上回られたが、炭素繊維は、典型的には複合材料のために使用され、繊維または布はエポキシ樹脂を含浸する。アラミドおよびポリエチレン繊維の引張強度は比較的高く、これらの繊維は、一般的に、その比較的低い密度により軽量である。異なる種類の繊維の特性は同じではなく、アラミド繊維はその化学構造により改善された耐熱性を有し、一方ポリエチレン繊維は低い摩擦係数により改善された耐磨耗性を有する。両方の繊維が示す不利な特性は、その機械的、熱的および物理的特性が縦および横方向で比較的異方性であることである。繊維を束にして房にしてもよく、従来の織物技術により房を糸に組み合わせ、糸はその後異なる織物パターンで布に織られるか、コード、ロープおよびケーブルにより合わされる。これらの製品は自動車のタイヤのためのゴムの補強、耐火性衣服の製造、防弾ベストおよびロープまたはケーブルの製造において使用される。
KEVLARはポリ−パラ−フェニレンテレフタルアミドから作られる有機繊維であり、芳香族ポリアミドポリマーのファミリーの一員であり、これはアラミドとしてより一般的に知られている。アラミドポリマーは、図1に示した差異で、パラ−アラミドポリマーまたはメタ−アラミドポリマーのどちらかに分けられる。商業的に利用可能な一般的なアラミド繊維として、KEVLAR(登録商標)、TWARON(登録商標)、TECHNORA(登録商標)、ARMOS(登録商標)およびSVM(登録商標)がパラ−アラミドポリマーであり、一方、NOMEX(登録商標)およびTEIJINCONEX(登録商標)がメタ−アラミドポリマーである。パラ−アラミドポリマーにおいて、アミド基は芳香族ベンゼン環にお互い反対側にある炭素原子で結合し、一方メタ−アラミドポリマーにおいて、アミド基は環において隣接していない炭素原子に結合する。ポリマーの化学構造は、繊維の微細構造に影響し、これは繊維の特性を決定する。パラ−アラミドポリマーは、ベンゼン環の直線的な骨格により、直線的な分子を形成する傾向があり、一方メタ−アラミドポリマーは、曲がったまたはねじれた分子を形成する傾向がある。直線的なパラ−アラミド分子の形成への寄与因子は、分枝する原子がベンゼン環骨格に沿って左側から右側に振動するという事実である。
KEVLAR繊維を製造する場合、パラ−アラミド分子は図2に描かれる水素結合を受ける。骨格中の窒素原子を伴う水素原子は、共有結合で骨格の炭素原子に結合した酸素原子に結合する。KEVLARは繊維方向に比較的高い引張強度を有するが、繊維方向と垂直に比較的弱い引張強度を有する。繊維方向の引張の場合において、分子骨格に沿った力をかけられることによって、全ての同じ水素結合を同時に破壊する必要があり、したがって分子をバラバラにするために非常に大きな力を必要とする。しかしながら、繊維が曲がった場合などの横方向において、水素結合は一つずつ破壊され、そのような大きな力を必要としない。
KEVLARの生成のための製造方法の例は、乾式ジェット湿式紡糸(dry jet wet spinning)を含む。この方法は、ポリ−パラ−フェニレンテレフタルアミドを、せん断力がかけられた場合に特有の挙動を示す、溶液中でお互いに平行に自己配列するロッド状のパラ−アラミド分子からなる液体の結晶溶液の形成をもたらす濃硫酸に溶解する場合に始まる。この溶液を、その後紡糸口金を通して最適な昇温でせん断力によって押出され成形され、連続繊維を形成し、これはその後吸収された酸を中和し除去する溶解された塩基を含む低温水浴に入れられる。生地産業における紡糸として表される場合、押出しは、ナイロン6,6の形成と同様であり、最初にロッド状の分子をかけられたせん断力によって並行に配列するまで回転する。押出し品は溶液から押出され、ロッドは、水素結合が繊維である超分子構造に相互結合されるようになるところまで一緒に接近する。
KEVLAR繊維はその比較的高い引張強度で知られており、疲労またはクリープに対して比較的耐性があると考えられる。KEVLARは比較的低い熱伝導性を有し、これはKEVLAR製品が比較的高い耐熱性を有し、難燃性であることを意味する。KEVLARは最終的には十分な温度における炭素の酸化によって分解するが、繊維および布は、熱の供給源が除去された場合、燃焼を止める。KEVLARの制限は、機械的、熱的および物理的特性に関する異方性に起因する。繊維は、曲げ、座屈または垂直の負荷によって損傷され、圧縮に比較的弱い。ゆっくりとした酸化による分解のリスクは、信用できる使用のための温度範囲を150℃〜170℃未満に制限し、機械的特性は、温度が上がるにつれて低下する。機械的特性は含水量にも敏感であり、水の吸収で低下するが、水分が除かれると回復可能である。別の制限は、KEVLARが他の材料と強い結合を形成しないことであり、それゆえ複合体のためには優れた選択ではない。繊維は強酸または塩基の環境に曝された場合分解するが、酸性環境よりも塩基性環境において比較的優れている。最後に、KEVLARは紫外線照射の影響を受けやすく、紫外線照射に曝されると機械的特性が低下する。
SPECTRAはポリエチレンから製造された有機繊維であり、その構造の例を図3に示し、Honeywellから利用可能である。ポリエチレンは、一緒に結合した長鎖のエチレン分子で作られる。ポリエチレンは最も一般的なプラスチックの1つであり、世界中で商業的に製造されており、食料品店およびコンビニエンスストアで見つけられる典型的なショッピングバッグによって例示され、それゆえ同じ化学種が高性能の有機繊維に製造されることは驚きである。さらに、SPECTRA(登録商標)、DYNEEMA(登録商標)およびTEKMILON(登録商標)も、商業的に利用可能なポリエチレン繊維である。ポリエチレン中の水素は炭素鎖と強く結合しているため、分子間に水素結合は存在しない。ポリエチレン繊維の微細構造は、弱い分子のファンデルワールス力によって一緒に結合されたポリエチレン鎖からなり、これは得られる繊維の特性に影響を与える。
SPECTRAはゲル紡糸として知られる方法によって製造される。高分子量ポリエチレンを、薄い等方性溶液を形成する揮発性溶媒に溶解する。その後、溶液を、紡糸口金を通して延伸し、その後低温水浴に入れてゲル前駆体繊維を形成する。溶媒は前駆体繊維から抽出され、繊維をその後熱延伸して最終的な繊維製品を得る。SPECTRA繊維は、アラミド繊維よりも比較的低い費用で製造でき、比較的優れた振動減衰特性を有する比較的高い引張強度を有する。SPECTRAは比較的低い摩擦係数を示し、アラミド繊維よりも約10倍優れた耐磨耗性および優れた疲労耐性をもたらす。その比重が1未満であるため、SPECTRAは浮き、比較的低い水分の吸収を示し、それゆえ耐水性であると考えられる。分子が分子間のファンデルワールス力によって結合して、SPECTRAはアラミド樹脂より優れた耐化学性を示すと考えられるという事実によって例示されるとおり、これは比較的化学的に不活性である。
SPECTRA繊維の制限も、機械的、熱的および物理的特性に関する異方性に起因する。147℃のその比較的低い融点は、100℃未満の用途への使用を制限する。横方向の特性は悪く、これは分子が弱いファンデルワールス力によって一緒に留まっているのみであるためであり、これはその悪いクリープ耐性の原因である。これは発火した場合、消費されるまで連続的に燃焼する。最後に、これは他の材料とあまり結合しない。
スピノーダルガラスマトリクスの微細構造(SGMM)の鉄系合金は、上記のポリマー材料に対して、同様の、かついくつかの場合において、比較的優れた強度特性を示す。表1において、既存の炭素系高強度繊維の例と比較した、選択されたSGMM合金の特性の比較の要約を示す。示した通り、引張強度の値は比較的同じ範囲かさらに高い一方、比較的優れた引張伸びが本開示のSGMM合金において達成される。
さらに、伸びの性質が異なると考えられ、それは炭素系材料において、伸びは伸縮する能力(つまり弾性)を含むが、SGMM合金において、伸びは弾性と恒久的に変形する能力(つまり塑性)との両方を含むためである。別の重要な考察は、最高使用温度が、既存の炭素系繊維(100から250℃)の比較的低い温度安定性と比較して、SGMM合金において比較的高い(465から1000℃)と考えられることである。炭素系繊維は、例えば6.5g/cmから8.5g/cmの密度を示すSGMM合金に対し、比較的低い密度(0.9から1.5g/cm)を有する。用途に応じて、この密度の違いは利点にも不利な点にもなり得る。
前に記載したとおり、炭素系繊維は、温度変化、UV安定性、および水/水蒸気に曝された場合の特性の損失を含む、環境の不安定性に悩まされる。これらの敏感さおよび弱さは、本開示のSGMMの鉄系合金において観察されなかった。さらに、炭素系アラミドおよびポリエチレン繊維の製造アプローチおよび得られる製品形態は、SGMMの鉄系合金の想定されるアプローチ(続いての節で説明する)とは異なる。
(サンプルの調製)
高純度の成分を使用して(つまり98原子%以上の純度を示す)、15gの対象とする合金の原料を、表2および3に示す原子比に従って計量した。その後、原料物質をアーク溶融システムの銅炉に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度のアルゴンを使用して、インゴットにアーク溶融した。インゴットを何回かひっくり返し、均一性を確保するために再溶融した。混合後、インゴットを、約12mmの幅、30mmの長さおよび8mmの厚みの指状の形態でキャストした。その後、得られた指状のものを、約0.81mmの穴径を有する石英のるつぼ中の溶融紡糸チャンバーに入れた。その後、インゴットを、RF誘導を使用して1/3atmのヘリウム雰囲気中で溶融することによって、1つの加工条件で加工し、その後、典型的には、16または10.5m/sのどちらかの接線速度で移動する245mmの直径の銅のホイールに押出す。製造された得られたリボンは、典型的には、表6に示すとおり、約1.25mmである幅、0.06から0.08mmの厚みを有する。曲げ挙動を含む得られたリボンの構造および特性は、特定の加工条件に敏感に依存するであろうことに注意されたい。
(密度)
インゴットの形態における合金の密度を、空気中および蒸留水中の両方で量ることができる特別に構築したはかりで、アルキメデス法を使用して測定した。それぞれの合金に対して、アーク溶融した15グラムのインゴットの密度を表4に一覧にし、6.90g/cmから8.05g/cmまで変化することが分かった。実験結果は、この技術の正確さが±0.01g/cmであることを明らかにした。
(熱分析)
熱分析を、DSC−7オプションを有するPerkin Elmer DTA−7システムで、固化したままのリボンの構造で行った。示差熱分析(DTA)および示差走査熱量測定(DSC)を、10℃/分の加熱速度で、流動超高純度アルゴンの使用を通して酸化から保護したサンプルで行った。表5において、ガラスからの結晶転移に関するDSCデータを、10.5m/sで溶融紡糸した合金に対して示す。示した通り、サンプルの大部分はガラスからの結晶転移を示し、紡糸したままの状態が十分に金属ガラス部分を含むことを実証した。図4において、対応するDTAプロットを、10.5m/sで溶融紡糸したPC7E8S1A1、PC7E8S1A2、PC7E8S1A3、PC7E8S1A4、PC7E8S1A5、およびPC7E8S1A6合金に対して示す。ガラスからの結晶転移は、366℃から633℃の範囲において、−8.9J/gから−173.9J/gの転移のエンタルピーで、一段階または二段階のどちらかで起きる。
(曲げ挙動)
リボンが完全に平らに曲がる能力は、延性の条件を示しており、ここで比較的高い歪みが得られるが、従来の曲げ試験によっては測定されない。リボンがその周りで完全に折れる場合、これは複雑な力学から得られる119.8%の大きさの高い歪みを示す。実際、歪みは、リボンの引張側において、約57%から約97%の歪みの範囲であってもよい。180°の曲げ(つまり平ら)の間、4つのタイプの挙動が観察される; タイプ1の挙動 − 壊れずに曲がらない、タイプ2の挙動 − ホイール側に片側曲げられる、タイプ3の挙動 − 自由な側に片側曲げられる、タイプ4の挙動 − 両側に曲げられる。「ホイール側」の言及は、紡糸の間にホイールと接触したリボンの側として理解される。表6において、特定の挙動のタイプを含む、180°曲げの結果の要約を、10.5m/sで加工した、調べた合金に対して示す。図5において、最適な写真を、180°の曲げ後の4つの異なるタイプの曲げ挙動の例を表す、様々なリボンのサンプルに対して示した。観察された曲げ挙動は、サンプルの調製の節に記載した特定の条件下で加工した特定の合金を代表することに注意されたい。代わりの加工パラメータは、曲げ性を変化させることが予想される。例えば、表6においてタイプ1の曲げ挙動を示す合金は、好ましいSGMM構造が達成される限り、異なる加工条件下で、タイプ2、3、または4の曲げ挙動を達成することが予想される。
(引張特性)
金属リボンの機械的特性を、マイクロスケールの引張試験を使用して、室温で得た。試験は、MTEST Windowsソフトウェアプログラムによってモニターされ制御された、Fullamによって製造された商業的な引張ステージにおいて行われた。グリッピングシステム(gripping system)を通したステッピングモーター(stepping motor)によって変形を適用し、一方、負荷をグリッピングジョー(gripping jaw)の末端に接続したロードセル(load cell)によって測定した。変位を、2つのグリッピングジョーに結合してゲージ長の変化を測定する、線形可変差動変成器(Linear Variable Differential Transformer、LVDT)を使用して得た。試験する前に、リボンの厚みと幅を、ゲージ長の異なる位置において、注意深く少なくとも3回測定した。その後、平均値をゲージの厚みと幅として記録し、続いての応力および歪みの計算のための入力パラメータとして使用した。引張試験のための初期のゲージ長を、2つのグリッピングジョーの前面の間のリボンの距離を正確に測定することによって、リボンを固定した後に定めた正確な値で、約7mmから約9mmに設定した。全ての試験を、約0.001s−1の歪み速度で、変位制御下で行った。全体の伸び、降伏強度、最終的な引張強度、ヤング率、弾性エネルギー係数を含む、引張試験の結果の要約を、10.5m/sで溶融紡糸した場合のそれぞれの合金に対して表7に示す。図3、4、および5において、引張応力−歪み曲線の例を示す。表7に示した結果は、機械コンプライアンスのために調整され、7から9mmの長いゲージ長で測定されたことに注意されたい。また、溶融紡糸プロセスから時折生じるマクロな欠陥が、低下した特性を有する局所化した領域を導くため、それぞれ別々のサンプルを3回測定したことに注意されたい。示した通り、引張強度の値は比較的高く、1.08GPaから3.70GPaまで変化し、一方、全体の伸びの値も非常に高く、1.72%から6.80%まで変化する。強度と延性との組合せは、既存の材料においては例外的で知られていないと考えられる。サンプルが結晶性金属のような歪み硬化を示すことができるが、主にガラス構造を有することは、他の金属ガラスサンプルにおいて見つけられるものに対して、異例であると考えられる。
図9は、例示的な材料分類において見つけられる、引張強度と引張伸びとの組合せを例示する文献データの要約を表す。示した通り、引張強度の増加に伴って引張伸びは低下し、引張伸びの増加に伴って引張強度は低下する。これは、従来の材料において、室温における変形が主に転位の移動によって起こり、強度の増加が主に転位の移動の阻害によって起こるためであり、これは欠陥を制御された方法で材料中に導入/設計することによって達成される。
特定の理論に制限されないが、以下は、測定されたSGMMサンプルにおいて観察された引張伸びの挙動(>1%、1%から7%の範囲における全ての値と増分を含む)を説明する可能性があるメカニズムである。金属ガラスにおいて、塑性変形は室温で比較的不均一であり、時としてせん断変換領域と呼ばれるせん断の細い帯域で起きる。狭い帯域における比較的高い応力の集中およびせん断帯の壊滅的な破壊を示す傾向により、金属ガラスにおける全体の塑性は比較的低い。2つの主な要因、せん断帯の核生成とせん断帯の伝播が、全体の塑性を増加させるために同時に最適化される必要がある。せん断帯のための核生成エネルギー障壁を低下させることによって、せん断帯の核生成は容易になる。伝播のためのエネルギー障壁を生じさせることを通して、せん断帯が伝播し、かつ鈍化、拡張、および増加を促進することをより困難にし得る。
また、いずれの理論に制限されないが、実験データと理論データとの組合せは、以下の可能性の変形メカニズムが起きることを示唆する。特に、様々な合金の結果として、どのように核生成の障壁が変化するかは知られておらず、これは特定のせん断帯密度があまり研究されていないからである。しかしながら、化学変化が、分子会合の性質の変化、その充填の代替、および自由体積の変化を引き起こす可能性がある。これは代わりに、特定の欠陥の部位を変化させ、これは新しいせん断帯の核生成を促進し、増加した全体の塑性に寄与することができる。現在、既存の材料は上限に達しているか、せん断帯の核生成部位が枯渇している。
新規な合金が、スピノーダルガラスマトリクスの微細構成(SGMM)と呼ばれる新しいタイプのナノスケールの構造の達成を通して、せん断帯の伝播を低減する能力を有することの、現時点における証拠が存在すると考えられる。せん断変形は、膨張を必要とし、自由体積を作り出すことが必要であることが理解される。自由体積は局所的な粘度の低下を促進し、これは歪み軟化および壊滅的な破壊を導く。そのメカニズムは、誘起されたせん断帯の鈍化(ISBB)を呼ばれ、これは局所化した変形で誘起される変化(LDIC)によって可能となる。LDICは、ISBBを確かにする3つの主なタイプの同時の変化を表す。LDICの第一のタイプは、既存のナノ粒子相の相成長を含むものと理解される。相成長は全体の相の境界領域の減少をもたらし、全体の密度の増加をもたらし、したがって全体の利用可能な自由体積を減少させる。in−situナノ結晶化と呼ばれるLDICの第二のタイプは、高負荷において見出される局所化した温度の上昇から生じるものと理解される。ガラスマトリクス中のより高い割合の結晶は、粘度を増加させ、歪み軟化および暴走したせん断の伝播を相殺する。LDICの第三のタイプは、せん断帯において作り出される自由体積を低減する働きがあると考えられる相変化に関する。形成される、予想されるスピノーダル相は、密に充填された結晶構造(つまりFCC/HCP)であると考えられる。応力の相互作用で、変化で誘起される応力は、密に充填された構造を密に充填されていない(つまりBCC)結晶構造に変化させることが予想される。したがって、粘度の増加による加工軟化を効果的に防ぐために、均一な分散を有するナノ粒子の高密度を導くLDICは、比較的効果的である。
比較的高い曲げ延性および比較的大きい曲げは、約10から約10K/sの高い冷却温度を有する0.015から0.12mmの厚みのSGMM構造を示す合金において維持される。表8において、材料の形態、厚みおよび冷却速度の要約を、SGMM合金と既存の製造プロセスによって現在製造されたものの例と理解されるものとの比較として示す。商業的な製造プロセスの詳細を以下に記載する。示した通り、表2および3のSGMM合金において延性が観察された厚みは、記載した商業的な加工技術によって生成される厚みの範囲内である。特定の構造および得られる特性を導く冷却速度は、同様に範囲内である。
溶融紡糸プロセスにおいて、液体の溶融物は、気体の圧力を使用して急速に移動する銅のホイールに押出されることが、本明細書において理解される。連続的なまたは分割された長さのリボンは、溶融紡糸される材料の粘度および表面張力ならびにホイールの接線速度に応じて、典型的には1から2mmの幅および0.015から0.15mmの厚みで生成される。SGMM合金に対して、リボンは、一般的には、研究室スケールのシステム(図10)を使用して、最大25mの長さの連続的な方法で製造される。磁性材料のために使用される既存の商業的なシステムは、ジェットキャスター(jet caster)として知られている。商業的なジェットキャスティングシステムは、東南アジアにおけるMagnequench InternationalおよびフランスにおけるSaint−Gobainによって稼動されることが知られている。
ワイヤーキャスティングプロセスは、改良された溶融紡糸として本明細書において理解され、ここで液体の溶融物は、銅のホイールではなく、代わりに回転する液体の焼入れ液に押出される。得られる製品は、典型的には0.1から0.15mmの直径で生成される円形の断面を有する、連続的なワイヤーである。Phoenix Sciによって販売されているものを含む、様々な研究システムが利用可能である。
円形断面を有する小さな直径のワイヤーを製造するためのプロセスは、Taylor−Ulitovskyプロセスと呼ばれる。このワイヤー製造プロセスにおいて、パウダー、インゴット、またはワイヤー/リボンの形態の金属原料は、片方が閉じられたガラスのチューブ、典型的にはホウケイ酸組成物に入れられるものと本明細書において理解される。その後、このチューブの末端を、金属部分が液体状態となり、ガラスがまだ溶融せず軟化する温度までガラスを軟化するために加熱する。その後、液体の溶融物を含むガラスを延伸して、金属のコアを含む微細なガラスのキャピラリーを生成する。好適な延伸条件において、溶融した金属はガラスのキャピラリーを満たし、マイクロワイヤーが生成され、ここで金属のコアはガラスのシェルで被覆されている。昨年一年間に、このプロセスは材料を有するパウダーまたはワイヤー/リボンを使用して、金属ドロップを連続的に供給することによって連続的なものに転換された。
Taylor−Ulitovskyプロセスにおいて使用されるガラスの量は、インダクタゾーンを通ったガラスチューブの連続的な供給によって釣り合っており、一方、金属のコアの形成は、元の合金の液滴の初期の量によって制限される。マイクロワイヤーの微細構造(およびそれによるその特性)は主に冷却速度に依存し、これはコイルを受ける途中に金属で満たされたキャピラリーが冷却液体(水または油)の流れに入る場合、冷却するメカニズムによって制御され得る。10から10K/sの比較的高い冷却速度が、このプロセスにおいて得られる。典型的には2から20μmの厚みのガラスの被覆を有する、1から120μmの範囲の金属のコアを、この方法によって製造することができる。ガラスの被覆は、機械的にまたは酸への溶解などの化学的な方法によって除去されることができる。
プラナーフローキャスティングは、連続的なシートの形態の幅の広いリボンを製造する技術として本明細書において理解される。最大18.4”(215mm)のシートの幅を、典型的には0.016から0.075mmの厚みで商業的な基盤で製造し得る。シートの製造後、個々のシートは加熱プレスされて成形体をシートにロール結合される。この技術は、5から20の個々のシートを一緒に結合してもよいが、50を超えるシートの一緒の結合が実現可能である。
高い引張強度および大きな引張伸びを含む好ましい特性の組合せにより、繊維、リボン、織物、ホイル、またはこれらの組合せが、フェイスマスク、ベスト、および布などの他の品目、ならびに独立のよろいのパネル、および高い値の対象を保護するための織物を含む、個人および車両のための十分な弾丸防御を備えることができることが確かである。リボン、繊維およびワイヤーの形態は、織物または他の技術によって製造されることができ、ワイヤーロープ、コード類、スクリーン、および織られた布を製造する。ワイヤーおよびコード類を包装のために使用することができ、大きなタワーまたはタンクの構造的完全性、タイヤなどのゴムの補強、鉛系の重りを必要としない釣り糸、および橋、クレーン、または他の持ち上げ装置もしくは保持装置のためのサスペンションとして使用することができる。非常に高い引張強度および大きい引張伸びを含む、好ましい特性の特定の組合せにより、繊維、ワイヤー、またはワイヤーの形態は、ヘリコプターまたは風力タービンの羽を含む様々な用途における構造補強材のための既存の金属、ガラスまたは炭素系製品のための代替品として有用であると期待される。さらに、繊維、ワイヤー、またはリボンの一部などのこれらの薄い製品形態を、アスファルトおよびコンクリートを含むインフラ、ブレーキパッドなどの自動車の部品、ならびに引き抜きプロセスを通して製造された構造的製品を含む日々の消費者製品に加える可能性が存在する。
(実施例 #1)
高純度の成分を使用して(つまり98原子%以上の純度を有する)、15gのPC7E8S1A9合金の原料を、表2に示す原子比に従って計量した。正確な高純度の原料源に応じて、炭素の不純物が存在することに注意されたい。PC7E8S1A9において、炭素の不純物のレベルは、0.1から0.25原子%炭素の範囲内であると見積もられる。その後、原料物質をアーク溶融システムの銅炉に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度のアルゴン(つまり98原子%以上の純度を有する)を使用して、インゴットにアーク溶融した。インゴットを何回かひっくり返し、均一性を確保するために再溶融した。混合後、インゴットを、約12mmの幅、30mmの長さおよび8mmの厚みの指状の形態でキャストした。その後、得られた指状のものを、約0.81mmの穴径を有する石英のるつぼ中の溶融紡糸チャンバーに入れた。インゴットを、RF誘導を使用して1/3atmのヘリウム雰囲気中で溶融し、その後、39、30、16、10.5、7.5および5m/sの接線速度で移動する245mmの直径の銅のホイールに押出した。
熱分析を、DSC−7オプションを有するPerkin Elmer DTA−7システムを使用して、固化したままのリボンで行った。示差熱分析(DTA)および示差走査熱量測定(DSC)を、10℃/分の加熱速度で、流動超高純度アルゴンの使用を通して酸化から保護したサンプルで行った。表9において、ガラスからの結晶転移に関するDSCデータを、39m/sから5m/sの様々なホイールの接線速度で溶融紡糸したPC7E9S1A9合金に対して示す。冷却速度は、ホイールの接線速度を増加させると増加し、冷却速度は、最も速いホイールの速度における10K/sから、下は最も遅いホールの速度における10K/sの範囲であると予想されることに注意されたい。図11において、DTAのプロットを、ホイールの接線速度の関数として、それぞれのサンプルに対して示した。示した通り、サンプルの大部分(5m/sにおいて製造されたものを除く)はガラスからの結晶転移を示し、紡糸したままの状態が十分に金属ガラス部分を含むことを実証した。ガラスからの結晶転移は、418℃から470℃の範囲において、60J/gから140J/gの転移のエンタルピーで、一段階または二段階のどちらかで起きる。
表10において、昇温のDTAの結果を、PC7E8S1A9合金に対する溶融挙動を表示して示す。表10において示された結果から分かるとおり、溶融は1から2段階で起こり、最初の溶融(つまり固相)は約1086℃から約1094℃で観察され、最後の溶融は最大約1120℃で観察された。
紡糸したままのPC7E8S1A9のリボンのサンプルの曲げ試験(180°)をそれぞれのサンプルで行い、結果を表11で相互に比較した。示した通り、記載した特性の条件で加工された場合、合金に応じて、曲げの応答が変化することが分かった。
表12において、全体の伸び、降伏強度、最終的な引張強度、ヤング率、弾性エネルギー係数、および靱性係数(Modulus of Toughness)を含む、引張試験の結果の要約を、39から5m/sのホイールの接線速度で溶融紡糸した場合のPC7E8S1A9合金に対して示す。溶融紡糸プロセスから時折生じるマクロな欠陥が、特性を低下させる局所化した応力を導くため、それぞれ別々のサンプルを3回測定したことに注意されたい。示した通り、全ての特徴はリボンの厚みに応じて変化する。3.48GPaの最大の引張強度の値を、39m/sのホイールの速度で製造されたリボンに対して測定した。ヤング率は、176から81GPaまでリボンの厚みが増加するにつれて減少した。降伏応力は、ほとんどのリボンに対して、約1.50約1.60GPaであった。製造されたままの状態でガラスを含む全てのリボンは、2.1から4.75%の範囲の全体の伸び、5.1から10.1MPaの弾性エネルギー係数、および11から110MPaの靱性係数を示した。
(実施例 #2)
高純度の成分を使用して、15gのPC7E9S1A1X6合金の原料を、表2に示す原子比に従って計量した。その後、原料物質をアーク溶融システムの銅炉に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度のアルゴンを使用して、インゴットにアーク溶融した。インゴットを何回かひっくり返し、均一性を確保するために再溶融した。混合後、インゴットを、約12mmの幅、30mmの長さおよび8mmの厚みの指状の形態でキャストした。その後、得られた指状のものを、約0.81mmの穴径を有する石英のるつぼ中の溶融紡糸チャンバーに入れた。インゴットを、RF誘導を使用して1/3atmのヘリウム雰囲気中で溶融し、その後、10.5、7.5および5m/sの接線速度で移動する245mmの直径の銅のホイールに押出した。
熱分析を、DSC−7オプションを有するPerkin Elmer DTA−7システムを使用して、固化したままのリボンで行った。示差熱分析(DTA)および示差走査熱量測定(DSC)を、10℃/分の加熱速度で、流動超高純度アルゴン(つまり99原子%以上の純度を有する)の使用を通して酸化から保護したサンプルで行った。表13において、ガラスからの結晶転移に関するDSCデータを、39m/sから5m/sの様々なホイールの接線速度で溶融紡糸したPC7E9S1A1X6合金に対して示す。冷却速度は、ホイールの接線速度を増加させると増加し、冷却速度は、最も速いホイールの速度における10K/sから、下は最も遅いホールの速度における10K/sの範囲であると予想されることに注意されたい。図12において、DTAのプロットを、ホイールの接線速度の関数として、それぞれのサンプルに対して示した。示した通り、全てのサンプルはガラスからの結晶転移を示し、紡糸したままの状態が比較的十分に金属ガラス部分を含むことを実証した。ガラスからの結晶転移は、465℃から520℃の範囲において、44J/gから147J/gの転移のエンタルピーで、二段階で起きる。
表14において、昇温のDTAの結果を、PC7E9S1A1X6合金に対する溶融挙動を表示して示す。表14において示された結果から分かるとおり、溶融は1段階で起こり、最初の溶融(つまり固相)は約1069℃から約1073℃で観察され、最後の溶融は最大約1120℃で観察された。
紡糸したままのPC7E9S1A1X6のリボンのサンプルの曲げ試験(180°)をそれぞれのサンプルで行い、結果を表15で相互に比較した。示した通り、記載した特性の条件で加工された場合、合金に応じて、曲げの応答が変化することが分かった。
表16において、全体の伸び、降伏強度、最終的な引張強度、ヤング率、弾性エネルギー係数、および靱性係数を含む、引張試験の結果の要約を、39から5m/sのホイールの接線速度で溶融紡糸した場合のPC7E9S1A1X6合金に対して示す。溶融紡糸プロセスから時折生じるマクロな欠陥が、特性を低下させる局所化した応力を導くため、それぞれ別々のサンプルを3回測定したことに注意されたい。示した通り、ほとんどの特徴はリボンの厚みに応じて変化する。3.41GPaの最大の引張強度の値を、10.5m/sのホイールの速度で製造されたリボンに対して測定した。ヤング率は、136から87GPaまでリボンの厚みが増加するにつれて減少した。降伏応力は、1.10〜1.67GPaの範囲で測定された。ほとんどのリボンは、3.54から5.95%の範囲の全体の伸び、8.53から14.92MPaの弾性エネルギー係数、および33.6から91.3MPaの靱性係数を示した。
(実施例 #3)
高純度の成分を使用して、15gのPC7E8S1A9合金の原料を、表2に示す原子比に従って計量した。その後、原料物質をアーク溶融システムの銅炉に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度のアルゴンを使用して、インゴットにアーク溶融した。インゴットを何回かひっくり返し、均一性を確保するために再溶融した。混合後、インゴットを、約12mmの幅、30mmの長さおよび8mmの厚みの指状の形態でキャストした。その後、得られた指状のものを、約0.81mmの穴径を有する石英のるつぼ中の溶融紡糸チャンバーに入れた。インゴットを、RF誘導を使用して1/3atmのヘリウム雰囲気中で溶融し、その後、10.5m/sの接線速度で移動する245mmの直径の銅のホイールに押出した。銅のホイールと接触したリボンの表面をホイール側の表面と表し、一方、他の表面を自由な側の表面と表す。
リボンのホイール側における微細構造を調べるために、約3mmの長さの断片を準備した。約5μmの薄い層を、機械的な研磨によってホイール側の表面から最初に除去し、続けて6μmから1μmの小さい粒子サイズを有するコロイドダイヤモンド懸濁液を使用して精密に研磨した。その後、約55μmの厚い層を、同じ手順を使用して、さらにリボンの自由な側から除去した。TEM観察のための電子が透過する領域を得るために、約10μmの厚みである、得られた薄いリボンのホイルを、約4keVのイオンビームのエネルギーレベルで動作するGatan Precision Ion Polishing System(PIPS)を使用して、イオンミルした。イオンビームの入射角は最初10°であり、貫通後7°に下げ、さらに4°に下げて仕上げる。これにより、薄い領域がTEM試験のために十分広いことを確保する。リボンの中央の領域における微細構造を調べるためのTEMのホイルを調製するために、約30μmの厚みの層をそれぞれの側から機械的に除去し、続けて同じ機械的に薄くし、研磨する手順を行った。
(ホイール側の微細構造)
ホイール側のガラス−マトリクス複合体は、SGMM構造として特定されたガラスマトリクス中に均一に分散した、半結晶性または結晶性のナノスケールの粒子を含む(図13参照)。平均粒子サイズは、図13aに示した通り、約2nmである。対応する制限視野電子線回折(SAED)パターンを図13bに示し、非晶質の環のものを含む環の直径の自乗の比は、約1.0:2.0:3.0:5.0である。このような比の値は、ナノスケールの沈殿が場合により体心立方(BCC)晶であってもよく、{200}回折の環は非晶質の環と類似した直径を有し、それゆえ目立たなくさせているか、またはナノスケールの沈殿は本来半結晶であり、ブラッグ回折スポットをあまり定義できないことを明らかにする。
(中央の領域の微細構造)
リボンの中央の領域は、均一なサイズを有する、均一に分散したナノ結晶粒子(NCP)を含むSGMM構造を示す(図13c参照)。結晶相はホイール側で見出されたものより大きく、図13dにおいて表した対応するSAEDパターンは明らかに異なる。2つのさらなる回折環が現れ、一方、非晶質の環が背景の明るさの中で弱々しくなる。電子回折スポットは、スポットが高い対称性領域の軸に対応しないため、今回特定されることができない相に対応することに注意すべきである。弱い非晶質の光の輪は、結晶性の体積割合の増加および非晶質の相の体積の低下を示す。このような変化は、ホイール側の表面からリボンの中央までの低下した冷却速度による。
(実施例 #4)
高純度の成分を使用して、15gのPC7E7合金の分量を、表2に示す原子比に従って計量した。成分の混合物を銅炉に入れ、カバーガスとして超高純度のアルゴンを使用して、インゴットにアーク溶融した。混合後、得られたインゴットを、溶融紡糸のために適切な指状の形態でキャストした。その後、PC7E7のキャストした指状のものを、通常0.81mmの穴径を有する石英のるつぼ中に入れた。インゴットを、RF誘導によって加熱し、その後、10.5m/sのホイールの接線速度で急速に移動する245mmの銅のホイールに押出した。せん断帯をリボンに導入するため、キャストしたままのPC7E7w10.5のリボンを、マイクロ−引張試験ステージにおいて延伸した。試験したリボンは1.33mmの幅および0.07mmの厚みであり、延伸して破砕した。
約3mmの長さであるゲージ長の領域から、断片を切り出し、TEM観察のために加工した。TEMのホイルを、次に実施例 #3において記載したものと同じ手順で調製した。TEMのホイルを、自由な側の表面に近接した領域から調製した。10から15ナノメートルの範囲の様々な厚みのせん断帯を観察した。一般的に、せん断帯は、延伸軸に対して約45度の方向に配向する。リボンの自由な側の初期の微細構造は、図14aにおける領域Aで示したとおり、特定されたSGMM微細構造を形成し、この領域はせん断帯から十分に遠く、元の微細構造が変化しないままである。せん断帯の内部において、図14aにおいてB領域として特定されたせん断帯内部でわずかに成長するナノ結晶性スピノーダル相が見出される。さらに、せん断帯の隣にある、領域Cにおけるナノ結晶粒子のサイズは、せん断帯の内部のものより大きい。これは、ナノ結晶粒子の成長が局所化した変形によって誘起されることを示唆し、その成長がせん断帯の内部(領域B)よりもせん断帯の周り(領域C)において、より大きいことが見出される。
大きな結晶成長に加えて、新しい結晶相も、特にせん断帯領域の周りの領域(C)において形成される。相転移は、回折環および回折スポットの両方を含む、制限視野電子線回折(SAED)パターンによって、図14bにおいて明らかにされる。SAEDパターンA、B、およびCは、それぞれ図14aにおける3つの領域A、B、およびCに対応する。影響を受けない領域Aにおいて、ナノ結晶性の沈殿がせん断帯の内部(領域B)で変わらないままであるように見えるが、NCPのサイズはわずかに増加する。しかしながら、新しい相はせん断帯の周りの領域(領域C)において形成し、明らかに、さらなる環、ならびに回折スポットによって明らかにされる。特に、1つのさらなる環は、非晶質の光の輪よりも小さい直径を有し、多くの回折スポットが非晶質の光の輪の周りに存在する。これは、実施例 #3において指摘したとおり、非晶質の光の輪と一緒の、ナノ結晶粒子からの回折環の同時発生を裏付ける。このような結晶成長を誘起する局所化した変形は、図12aおよび12bに示したとおり、せん断帯の先端の前方の領域においても起きる。図15bは、図15aにおける選択された長方形の領域において増加したサイズを有するNCPを示す。せん断帯がここで終わり、局所化したせん断変形がこの領域の右で終わっているため、暴走したせん断変形をブロックし、動的なプロセスである物理的メカニズムおよびプロセスを示している。せん断が発生すると、局所化したせん断変形は結晶成長および相転移を誘起し、これはせん断帯の右前方の局所的な応力レベルの程度を低減し、さらなる伝播からそれを終わらせる。
(実施例 #5)
高純度の成分を使用して、15gのPC7E7w16およびPC7E8S8A6w16合金の原料を、表2に示す原子比に従って計量して破断面を調べた。その後、原料物質をアーク溶融システムの銅炉に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度のアルゴンを使用して、インゴットにアーク溶融した。インゴットを何回かひっくり返し、均一性を確保するために再溶融した。混合後、インゴットを、約12mmの幅、30mmの長さおよび8mmの厚みの指状の形態でキャストした。その後、得られた指状のものを、約0.81mmの穴径を有する石英のるつぼ中の溶融紡糸チャンバーに入れた。インゴットを、RF誘導を使用して1/3atmのヘリウム雰囲気中で溶融し、その後、16m/sの接線速度で移動する245mmの直径の銅のホイールに押出した。
PC7E7w16のリボンのサンプルの破断面を、引張試験したサンプルにおいて二次電子を使用して調べた。このサンプルを初期の高さの修正の小さなオフセットを引張試験において修正する前に試験し、これはサンプルが純粋な引張環境ではないことを意味することに注意されたい。図16に示した顕微鏡写真の中央の領域は、溶融紡糸したリボンが、リボンに沿ってかけられた引張力によって破断した破断面である。図16における破断面は、リボンの完全な断面である。破断面において、例として図に矢で特定したいくつかの隆線を有する、ランダムに分布した隆線のネットワークが存在する。一般的に、隆線は長くなる傾向があり、お互いに平行である隆線のセット存在し、これはせん断帯に対応することを示唆している。さらに、隆線のうちのいくつかは、他よりも高く見え、他の隆線は弱く見える。これは破断面であるため、任意の高さの表面の特長は引き剥がした最後の材料を表し、それゆえこれらの隆線は、一般的に延性材料の破断面で観察される、へこんだ細胞壁のようであると考えられる。
平らなものとして特定された隆線の間の領域は、非常に滑らかで平坦に見える。かけられた応力が局所的な領域を加熱し、十分な量の断面の領域が液化された場合、液体の破断を形成する金属の溶融が起きたことが、仮定で提案される。この証拠は図16に示され、ここで、小さな球状の物体が表面に結合し、液滴のように見える。液滴のさらなる証拠は図17に示され、ここで、図においてはねとして特定されたさらなる特長が存在し、これは新しい破断面にはねた、固化した金属に見える。この特長に関連して、固化前の流体の流れの境界のように見える、液体の流れの境界として表示したものである。
PC7E8S8A6w16引張試験片の破断面を図18に示す。このサンプルを、マイクロ試験機がその配向を改善した後に試験した。隆線、平面および液滴の共通の破断面の特長が、明らかに特定可能である。この破断面は、PC7E7w16に対して表されたものよりかなり長い。全体の表面にわたって散乱した液滴でありそうな数多くの異なる特長が存在し、これは同じ地点における全体の破断面が融解したことを示唆する。さらに、明るいコントラストを有することに基づく、主な隆線のネットワークの明らかな証拠が存在し、他の弱い隆線は、垂直の角度で交差している。これは、弱い隆線は近くの平行の形態を与えるせん断帯であるように見えるが、その弱いコントラストは、これらが、破断が起きたときに表面にはねた、溶融した液体によって部分的に沈んだことを示唆する。
(実施例 #6)
高純度の成分を使用して、15gのPC7E8S1A9合金の原料を、表2に示す原子比に従って計量した。その後、原料物質をアーク溶融システムの銅炉に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度のアルゴンを使用して、インゴットにアーク溶融した。インゴットを何回かひっくり返し、均一性を確保するために再溶融した。混合後、インゴットを、約12mmの幅、30mmの長さおよび8mmの厚みの指状の形態でキャストした。その後、得られた指状のものを、約0.81mmの穴径を有する石英のるつぼ中の溶融紡糸チャンバーに入れた。インゴットを、RF誘導を使用して1/3atmのヘリウム雰囲気中で溶融し、その後、10.5m/sの接線速度で移動する245mmの直径の銅のホイールに押出した。キャストしたままのリボンは1.20mmの幅および0.07mmの厚みである。これを延伸して破砕し、これは、十分に伸び、3.15GPaの強度において2.30mmのゲージ長の中間で起きた(図19参照)。
引張変形したPC7E8S1A9のリボンにおいて、いくつかの十分に発達していない端部のひびがSEMにおいて観察された。1つを図20aに示し、その中で、複数の矢で示したとおり、延伸方向が水平方向である。複数の矢は、遠くの引張応力がリボンの断面で均一であることを示す。図20aにおいて選択された領域A中の端部のひびの詳細を、図20bにおける高倍率において明らかにする。核生成および初期の成長の後、主なひびは、負荷軸に対して傾いた角度を有する方向に、連続的な方法でそれた。一方、制限された量の伝播の後に続けて固定された第二のひび、またはひびの枝を形成した。これはさらに図20cに示され、これは図20bにおいて選択された領域Bを拡大する。このようなひびのそれ及び枝分かれは、サブミクロンからマクロスケールの複数の微細構造のレベルで繰返し起きる。いくつかの他の十分に発達していないひびも、延伸されたリボンにおいて観察されたが、その写真はここには含まれない。これらのひびを、異なる成長段階において、異なるひびの長さで固定した。ひびのそれおよび枝分かれは、ひびが開始するすぐ後の非常に早い成長段階で起きる。図21はこのような例を示し、ここでこれらの鈍化プロセスはわずか約20μmの長さのひびで起きる。
ひびの枝分かれは、実際には、同時に起きる微小なひびおよび橋渡しを含むことに注意すべきである。結果として、主なひびの成長は妨げられ、これは成長に必要なエネルギーが複数のひびの形成によって消費され、変形が比較的大きな体積中で起きるためである。破断応力および入るひびのプロファイルに基づいて、ひびの破壊靱性が大まかに見積もれる。これは約125MPs m1/2から約200MPa m1/2の範囲であり、これは典型的なセラミックスおよびガラスより約2桁大きく、最も硬い鋼のものに匹敵する。
(実施例 #7)
高純度の成分を使用して、PC7E8S2A1、PC7E8S3A1、PC7E8S4A1、PC7E8S6A1およびPC7E8S7A2合金を含む、表3から選択された15gの合金の原料を、表3に示す原子比に従って計量した。その後、原料物質をアーク溶融システムの銅炉に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度のアルゴンを使用して、インゴットにアーク溶融した。インゴットを何回かひっくり返し、均一性を確保するために再溶融した。混合後、インゴットを、約12mmの幅、30mmの長さおよび8mmの厚みの指状の形態でキャストした。その後、得られた指状のものを、約0.81mmの穴径を有する石英のるつぼ中の溶融紡糸チャンバーに入れた。インゴットを、表17に示した様々な加工条件下で加工した。
熱分析を、DSC−7オプションを有するPerkin Elmer DTA−7システムを使用して、固化したままのリボンで行った。示差熱分析(DTA)および示差走査熱量測定(DSC)を、10℃/分の加熱速度で、流動超高純度アルゴンの使用を通して酸化から保護したサンプルで行った。表15において、ガラスからの結晶転移に関するDSCデータを、様々な溶融紡糸加工パラメータを使用して溶融紡糸した合金に対して示す。全てのサンプルは十分な割合のガラスを含むことが分かった。ガラスからの結晶転移は、397℃から525℃の範囲において、−78.8から−92.8J/gの転移のエンタルピーで、二段階で起きる。
リボンが完全に平らに曲がる能力は、延性のある条件を示しており、ここで比較的高い歪みが得られるが、従来の曲げ試験によっては測定されない。リボンがその周りで完全に折れる場合、これは複雑な力学から得られる119.8%の大きさの高い歪みを示す。実際、歪みは、リボンの引張側において、約57%から約97%の歪みの範囲であってもよい。180°の曲げ(つまり平ら)の間、4つのタイプの挙動が観察される; タイプ1の挙動 − 壊れずに曲がらない、タイプ2の挙動 − ホイール側に片側曲げられる、タイプ3の挙動 − 自由な側に片側曲げられる、タイプ4の挙動 − 両側に曲げられる。「ホイール側」の言及は、紡糸の間にホイールと接触したリボンの側として理解される。表19において、特定の挙動のタイプを含む、180°曲げの結果の要約を、調べた合金に対して示し、全てがタイプ4であることが分かった。表6で前に示した通り、これらの合金は、タイプ2の曲げ挙動を示したPC7E8S4A1を除いて全てタイプ1の挙動を示した。したがって、これらの結果は明らかに、表2および表3に記載した合金の化学種に対して、その化学種が、好ましいSGMM構造を生成することが可能な原子の範囲にあることを示す。それゆえ、好ましい構造を形成するかしないかは加工するパラメータに依存し、得られる機械的な挙動は、壊れやすいから延性の応答の範囲である。
表20において、ゲージ寸法、伸び、破断荷重、降伏応力、最終的な強度およびヤング率を含む、引張試験の結果の要約を、表13のそれぞれの合金に対して示す。溶融紡糸プロセスから時折生じるマクロな欠陥が、特性を低下させる局所化した応力を導くため、それぞれ別々のサンプルを3回測定したことに注意されたい。示した通り、全体の伸びの値は十分であり、1.22から2.99GPaの高い引張強度の値で、1.45から4.03%まで変化する。ヤング率は、116.3から185.2GPaまで変化することが分かった。表20に示した結果は、機械コンプライアンスおよび幾何学的断面積のために調整されたことに注意されたい。また、前の加工パラメータを有するPC7E8S2A1、PC7E8S3A1、PC7E8S6A1およびPC7E8S7A2は、表7に示したとおり試験するためには壊れやすすぎることにも注意されたい。さらなる加工パラメータの発達により、表2および3において記載した合金のほとんどは(全部ではないが)、1%よりも大きい引張伸びを有する延性のリボンに加工され得ることが予想される。
いくつかの方法および実施形態の前述の記載は、例示の目的のために表された。これは網羅的であることを意図せず、あるいは請求項を開示されたとおりの工程および/または形態に制限することを意図せず、明らかに多くの修正および変形例が上記の教示の点で可能である。本発明の範囲は、本明細書に添付した請求項によって定義されることが意図される。

Claims (18)

  1. 43.0原子パーセントから68.0原子パーセントの鉄、
    10.0原子パーセントから19.0原子パーセントのホウ素、
    13.0原子パーセントから17.0原子パーセントのニッケル、
    2.5原子パーセントから21.0原子パーセントのコバルト、
    0.1原子パーセントから6.0原子パーセントの炭素、および0.3原子パーセントから3.5原子パーセントのケイ素のうちの少なくとも1つ、
    不可避の不純物、
    並びに、場合によって、1原子パーセントから8原子パーセントのチタン、1原子パーセントから8原子パーセントのモリブデン、1原子パーセントから8原子パーセントの銅、1原子パーセントから8原子パーセントのセリウム、2原子パーセントから16原子パーセントのアルミニウムのうちの1つからなる合金の成分を溶融して合金の溶湯を形成する工程;および
    前記合金の溶湯を冷却して前記合金を形成する工程であって、冷却で、ガラス形成合金が、ガラスマトリクス中に50nm未満の長さスケールの1つまたは複数の半結晶相および/または結晶相を含むスピノーダルガラス微細構成を含むように前記合金の溶湯を10から10K/sの範囲の速度で冷却する工程;
    を含み、
    前記半結晶相が、2nm以下の最大直線寸法を示す半結晶性クラスターからなり
    前記結晶相が、2nmを超える最大直線寸法を示す結晶性クラスターをからなり
    前記ガラスマトリクス中のスピノーダル微細構成が、引張下の局所化した変形で誘起される変化を通してせん断帯を鈍化させることができる、ガラス形成合金におけるスピノーダル微細構成の形成方法。
  2. 43.0原子パーセントから68.0原子パーセントの鉄、
    10.0原子パーセントから19.0原子パーセントのホウ素、
    13.0原子パーセントから17.0原子パーセントのニッケル、
    2.5原子パーセントから21.0原子パーセントのコバルト、
    0.1原子パーセントから6.0原子パーセントの炭素、および0.3原子パーセントから3.5原子パーセントのケイ素のうち少なくとも1つ、
    不可避の不純物、
    並びに、場合によって、1原子パーセントから8原子パーセントのチタン、1原子パーセントから8原子パーセントのモリブデン、1原子パーセントから8原子パーセントの銅、1原子パーセントから8原子パーセントのセリウム、2原子パーセントから16原子パーセントのアルミニウムのうちの1つからなる合金の成分を溶融して合金の溶湯を形成する工程;および
    前記合金の溶湯を冷却して前記合金を形成する工程であって、冷却で、ガラス形成合金が、1%より大きな引張伸び及び0.5GPaより大きな引張強度並びにガラスマトリクス中に50nm未満の長さスケールの1つまたは複数の半結晶相および/または結晶相を示すように、前記合金の溶湯を10から10K/sの範囲の速度で冷却する工程;
    を含み、
    前記半結晶相が、2nm以下の最大直線寸法を示す半結晶性クラスターからなり
    前記結晶相が、2nmを超える最大直線寸法を示す結晶性クラスターからなり
    前記ガラスマトリクス中のスピノーダル微細構成が、引張下の局所化した変形で誘起される変化を通してせん断帯を鈍化させることができる、
    ガラス形成合金におけるスピノーダル微細構成の形成方法。
  3. 前記合金の溶湯の成分が、
    43.0原子パーセントから68.0原子パーセントの鉄;
    12.0原子パーセントから19.0原子パーセントのホウ素;
    15.0原子パーセントから17.0原子パーセントのニッケル;
    2.5原子パーセントから21.0原子パーセントのコバルト;
    0.1原子パーセントから6.0原子パーセントの炭素および0.4原子パーセントから3.5原子パーセントのケイ素のうち少なくとも1つ、
    並びに1原子パーセントから8原子パーセントのチタン、1原子パーセントから8原子パーセントのモリブデン、1原子パーセントから8原子パーセントの銅、1原子パーセントから8原子パーセントのセリウム、2原子パーセントから16原子パーセントのアルミニウム、のうちの1つを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記合金の溶湯の成分が、
    52.0原子パーセントから63.0原子パーセントの鉄;
    10.0原子パーセントから13.0原子パーセントのホウ素;
    13.0原子パーセントから17.0原子パーセントのニッケル;
    2.5原子パーセントから3.0原子パーセントのコバルト;
    0.1原子パーセントから5.0原子パーセントの炭素;
    0.3原子パーセントから0.5原子パーセントのケイ素; ならびに、
    1原子パーセントから8原子パーセントのチタン、1原子パーセントから8原子パーセントのモリブデン、1原子パーセントから8原子パーセントの銅、1原子パーセントから8原子パーセントのセリウム、および2原子パーセントから16原子パーセントのアルミニウムのうちの1つを含む、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記合金が2000μm未満の厚みを示す、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記合金が250μm未満の厚みを示す、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記合金の溶湯を、冷却で、シート、ホイル、リボン、繊維、パウダー、またはワイヤーに形成する、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記合金の溶湯を、Taylor−Ulitovskyのワイヤー製造プロセス、チルブロック溶融紡糸プロセス、プラナーフローキャスティングプロセス、および双ロールキャスティングを含むプロセスにおいて冷却する、請求項1または2に記載の方法。
  9. 前記合金が1%を超える引張伸びを示す、請求項1に記載の方法。
  10. 前記合金が1%から7%の引張伸びを示す、請求項1または2に記載の方法。
  11. 前記合金が0.5GPaから4GPaの範囲の最終的な引張強度を示す、請求項1または2に記載の方法。
  12. 前記合金が0.3GPaから2.0GPaの範囲の降伏強度を示す、請求項1または2に記載の方法。
  13. 前記合金が70GPaから190GPaの範囲のヤング率を示す、請求項1または2に記載の方法。
  14. 前記合金が100000K/s未満の臨界冷却速度を示す、請求項1または2に記載の方法。
  15. 前記合金が500nm未満のサイズの結晶相を含む、請求項1または2に記載の方法。
  16. 前記合金が6.5から8.5g/cmの範囲の密度を示す、請求項1または2に記載の方法。
  17. 10℃/分の速度で測定した場合、前記合金が350℃から630℃の範囲の結晶化開始温度を示す、請求項1または2に記載の方法。
  18. 10℃/分の速度で測定した場合、前記合金が400℃から640℃の範囲の結晶化ピーク温度を示す、請求項1または2に記載の方法。
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