JP6244305B2 - 作業機械の非常停止システム、作業機械および作業機械の非常停止方法 - Google Patents

作業機械の非常停止システム、作業機械および作業機械の非常停止方法 Download PDF

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Description

本発明は、油圧ショベルなどの作業機械の非常停止システム、作業機械および作業機械の非常停止方法に関する。
油圧ショベルなどの作業機械において、非常時に非常停止スイッチを操作して作業機を停止させる非常停止システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の非常停止システムは、ショベルの外部に、作業機や走行モータなどのエンジン以外を停止させる第1スイッチ、および、エンジンも含めて停止させる第2スイッチの2つの非常停止スイッチと、非常停止コントローラと、作業機停止弁と、エンジンコントローラとを備える。
非常停止コントローラやエンジンコントローラは、イグニッションスイッチを介してバッテリに接続され、イグニッションスイッチがオン状態であれば、非常停止コントローラやエンジンコントローラにはバッテリから電力が供給され、作動状態を維持できる。
そして、第1スイッチ、第2スイッチの開閉状態は、非常停止コントローラで検出している。非常停止コントローラは、各スイッチのオン状態を判定すると、作業機やエンジンを停止させる停止指令を、作業機制御弁やエンジンコントローラに出力し、作業機やエンジンを停止させていた。
特開2008−248627号公報
特許文献1では、第1スイッチや第2スイッチの開閉状態を非常停止コントローラで検出し、非常停止コントローラが作業機やエンジンの停止を指令する停止指令を生成して出力している。このため、非常停止コントローラに異常が発生し、各スイッチの開閉状態を正しく検出できなかったり、停止指令を生成して出力できなかった場合には、作業者が各スイッチを入力しても作業機を停止できない可能性がある。このような場合には、イグニッションスイッチを切断して作業機やエンジンを停止する必要があり、停止作業が遅れるという課題がある。
本発明の目的は、非常停止スイッチが操作された場合に確実に作業機などを停止できる作業機械の非常停止システム、作業機械および作業機械の非常停止方法を提供することである。
本発明は、作業機を備えた作業機械の非常停止システムであって、非常停止スイッチと、前記作業機の停止動作を制御可能な作業機制御装置と、前記作業機制御装置に電力を供給する電源と、前記電源および前記作業機制御装置間を接続する電力供給ラインと、前記電力供給ラインに設けられて前記作業機制御装置への電力供給を制御する第1リレーおよび第2リレーと、前記非常停止スイッチの開閉状態を検出して前記第2リレーを制御する第2リレー制御装置と、を備え、前記第1リレーは、前記非常停止スイッチで制御され、前記非常停止スイッチが入力された非常状態では前記電力供給ラインを切断し、前記第2リレー制御装置は、前記非常停止スイッチが入力された非常状態を検出すると、前記第2リレーを制御して前記電力供給ラインを切断し、前記第1リレーまたは前記第2リレーによって前記電力供給ラインが切断されて前記電源から前記作業機制御装置への電力供給が停止した場合は、前記作業機は停止することを特徴とする。
本発明では、作業者が非常停止スイッチを入力操作すると、非常停止スイッチで制御される第1リレーが切断される。また、非常停止スイッチの入力操作が第2リレー制御装置に入力されると、第2リレー制御装置は第2リレーを切断する。このため、電源から作業機制御装置に電力を供給する電力供給ラインは、電力供給ラインに直列に接続された第1リレーおよび第2リレーによって切断される。従って、作業機制御装置への電力供給も停止し、作業機は停止する。
本発明では、非常停止スイッチが入力された場合に、作業機の少なくとも停止動作を制御する作業機制御装置への電力供給を停止する2つのリレーを直列に配置しているので、いずれか一方のリレーに故障が生じても、他方のリレーが作動することで、電力供給を確実に停止できる。
特に、第1リレーは、非常停止スイッチで制御されるため、第2リレーに対して制御信号を出力して制御する第2リレー制御装置に異常が発生して第2リレーを正常に制御できない場合でも、第1リレーが切断状態となるため、作動機制御装置への電力供給を確実に停止できる。
また、第1リレーが故障していた場合は、第2リレー制御装置で第2リレーを切断状態に制御できるので、作動機制御装置への電力供給を確実に停止できる。
すわなち、第1リレーおよび第2リレーが両方とも同時に故障する確率は非常に小さいため、非常停止スイッチが操作された際に、作業機制御装置への電力供給を確実に停止できる。そして、作業機制御装置への電力供給が停止することで、作業機の動作も自動的に停止するため、非常停止スイッチが操作された際に作業機を確実に停止できる。
本発明の作業機械の非常停止システムにおいて、前記第2リレーは、前記第2リレー制御装置から制御信号が入力されない場合には、前記電力供給ラインを切断することが好ましい。
例えば、第2リレーとして、電磁石のコイルに電流が流れている場合に、電源供給ラインを導通状態とし、電流が流れていない場合に切断状態するNormally Openの電磁リレーを用いればよい。
本発明では、第2リレー制御装置に異常が発生し、第2リレー制御装置から制御信号が出力できない場合に、前記第2リレーによって電力供給ラインを切断できる。このため、非常停止スイッチが操作されなくても、第2リレー制御装置に異常が発生した場合は、作業機制御装置への電力供給を確実に停止でき、作業機を確実に停止できる。
本発明の作業機械の非常停止システムにおいて、前記作業機制御装置は、前記作業機および作業機以外の装置の駆動を制御する第1制御装置と、前記作業機の駆動を制御する第2制御装置とを備え、前記電力供給ラインには、前記第2制御装置への電力供給のみを制御する第3リレーが設けられ、前記第3リレーのみが切断された場合には、前記第2制御装置のみが停止して第2制御装置で制御される作業機が停止することが好ましい。
ここで、第1制御装置が制御する作業機以外の装置とは、例えば、作業機械への乗り降りを行うための昇降用のラダーや、作業機械への燃料などの供給に利用するサービスアーム(サービスセンタ)などである。
本発明によれば、第3リレーを設けているので、第2制御装置への電力供給のみを停止して作業機を停止できる。一方で、第1制御装置への電力供給は継続できるので、作業機以外の装置の駆動を継続して行うことができる。従って、メンテナンス作業時等に作業機を停止した状態で作業機以外の装置を駆動することもでき、利便性を向上できる。
本発明の作業機械の非常停止システムにおいて、前記第3リレーを制御する作業機停止スイッチが設けられ、前記第3リレーは、前記作業機停止スイッチで制御され、前記作業機停止スイッチが入力された状態では前記電力供給ラインを切断し、前記第2制御装置への電力供給を遮断することが好ましい。
本発明によれば、作業機停止スイッチが入力されると、第3リレーが切断されて第2制御装置への電力供給を遮断でき、第2制御装置で制御される作業機を停止できる。このため、ラダーの降下時やサービスアームの降下時に前記作業機停止スイッチを入力すれば、ラダーやサービスアームが降下している状態や、PPCロックレバーがロック状態にある時に作業機が作動することを防止でき、ラダーやサービスアームの破損を防止でき、作業機械での安全性をより向上できる。
本発明の作業機械の非常停止システムにおいて、前記作業機械は、走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体とを備えた油圧ショベルであり、前記上部旋回体は、ラダーまたはサービスアームを備えることが好ましい。
本発明では、作業機械が油圧ショベルであるため、上部旋回体から昇降用のラダーやサービスアームが降下している場合に上部旋回体が旋回すると、ラダーやサービスアームが走行体等に干渉して破損する可能性がある。
そこで、本発明によれば、ラダーやサービスアームが降下している場合には、作業機停止スイッチの入力などで第3リレーを切断することで、第2制御装置で制御される作業機を停止できる。このため、油圧ショベルにおいて、ラダーやサービスアームが降下している状態で上部旋回体が旋回してラダーやサービスアームが破損することを防止でき、作業機械での安全性をより向上できる。さらに、第3リレーを切断しても第1制御装置への電力供給は継続できる。第1制御装置は、作業機だけでなく、作業機以外の装置の駆動を制御するため、ラダーやサービスアームの駆動を制御できる。従って、第2制御装置で制御される作業機を停止させた状態で、ラダーやサービスアームを駆動させることができ、安全性および利便性を向上できる。
本発明の作業機械は、前記作業機械の非常停止システムと、前記作業機を駆動する駆動機構と、を備える作業機械であって、前記駆動機構は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油により駆動される油圧駆動装置と、前記油圧ポンプから前記油圧駆動装置への作動油の供給を制御する油圧制御弁とを備え、前記作業機制御装置は、前記油圧制御弁を制御する制御信号を出力するバルブコントローラで構成され、前記油圧制御弁は、前記第1リレーまたは前記第2リレーが切断されて前記作業機制御装置が停止して前記作業機制御装置から前記制御信号の入力が無くなった場合には、前記作動油の供給を停止する停止状態となることを特徴とする。
本発明の作業機械によれば、前述した非常停止システムによる効果を奏することができる。
本発明は、作業機と、非常停止スイッチと、前記作業機の停止動作を制御可能な作業機制御装置と、前記作業機制御装置に電力を供給する電源と、前記電源および前記作業機制御装置間を接続する電力供給ラインと、前記電力供給ラインに設けられて前記作業機制御装置への電力供給を制御する第1リレーおよび第2リレーと、前記非常停止スイッチの開閉状態を検出して前記第2リレーを制御する第2リレー制御装置と、を備えた作業機械の非常停止方法であって、前記非常停止スイッチが入力された非常状態では、前記第1リレーは前記電力供給ラインを切断し、前記非常停止スイッチが入力された非常状態を検出した前記第2リレー制御装置は、前記第2リレーを制御して前記電力供給ラインを切断し、前記第1リレーまたは前記第2リレーによって前記電力供給ラインが切断されて前記電源から前記作業機制御装置への電力供給が停止した場合は、前記作業機は停止することを特徴とする。
本発明によれば、前記非常停止システムと同様の効果を奏することができる。すなわち、作業者が非常停止スイッチを入力操作すると、非常停止スイッチで制御される第1リレーが切断される。また、非常停止スイッチの入力操作が第2リレー制御装置で検出されると、第2リレー制御装置は第2リレーを切断する。このため、電源から作業機制御装置に電力を供給する電力供給ラインは、電力供給ラインに直列に接続された第1リレーおよび第2リレーによって切断される。従って、作業機制御装置への電力供給も停止し、作業機は停止する。本発明では、作業機の少なくとも停止動作を制御する作業機制御装置への電力供給を停止する2つのリレーを直列に配置しているので、いずれか一方のリレーに故障が生じても、他方のリレーが作動することで、電力供給を確実に停止できる。すわなち、第1リレーおよび第2リレーが両方とも同時に故障する確率は非常に小さいため、非常停止スイッチが操作された際に、作業機制御装置への電力供給を確実に停止できる。そして、作業機制御装置への電力供給が停止することで、作業機の動作も自動的に停止するため、非常停止スイッチが操作された際に作業機を確実に停止できる。
本発明の一実施形態にかかる油圧ショベルを示す側面図。 油圧ショベルの油圧回路の全体構成を示す図。 油圧ショベルの操作制御システムの構成を示す図。 油圧ショベルの操作具の操作監視システムの構成を示す図。 第1操作信号および第2操作信号における操作量と電圧値との関係を示すグラフ。 油圧ショベルの昇降ラダーを示す概略斜視図。 油圧ショベルのサービスアームを示す概略側面図。 マスターコントローラおよびスレーブコントローラの構成を示すブロック図。 油圧ショベルの非常停止システムの回路構成を示す図。 マスターコントローラおよびスレーブコントローラの油圧駆動制御方法を示すフローチャート。 非常停止スイッチが押された場合の非常停止制御処理を示すフローチャート。 作業機停止スイッチが押された場合の作業機停止制御処理を示すフローチャート。 本発明の変形例にかかる油圧ショベルを示す側面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[油圧ショベル全体の説明]
図1には、本実施形態に係る作業機械としての油圧ショベル1が示されている。この油圧ショベル1は、鉱山などで用いられる大型のローディングショベルであり、車両本体2と作業機3とを備えている。
[車両本体]
車両本体2は、走行体21と、走行体21上に旋回可能に設けられた上部旋回体としての旋回体22とを備えている。走行体21は、左右一対の走行装置211を備えている。各走行装置211は、履帯212を備え、後述する左走行モータ213Lおよび右走行モータ213Rで履帯212を駆動することによって油圧ショベル1を走行させる。
[旋回体]
旋回体22は、キャブ23、カウンタウェイト24、およびエンジンルーム25を備えている。カウンタウェイト24は、作業機3との重量バランス用に設けられ、内部に重量物が充填されている。
旋回体22は、後述する油圧式の旋回モータ26により旋回される。また、旋回体22には、オペレータなどが乗り降りするための、油圧式の昇降ラダー27と、燃料の補給ポートなどが設けられたサービスアーム28(図7)も設けられている。昇降ラダー27およびサービスアーム28の詳細は後述する。
[作業機]
作業機3は、旋回体22の前部中央位置に取り付けられており、ブーム31、アーム32、バケット33、ブームシリンダ34、アームシリンダ35、バケットシリンダ36、クラムシリンダ37を備えている。ブーム31の基端部は、旋回体22に回転可能に連結されている。
また、ブーム31の先端部には、アーム32の基端部が回転可能に連結されている。アーム32の先端部には、バケット33が回転可能に連結されている。バケット33は、内部に設けられたクラムシリンダ37により開閉可能なバケットである。
ブームシリンダ34、アームシリンダ35、バケットシリンダ36およびクラムシリンダ37は、後述する油圧ポンプ5から吐出された作動油によって駆動される油圧シリンダである。そして、ブームシリンダ34はブーム31を動作させ、アームシリンダ35はアーム32を動作させる。バケットシリンダ36は、バケット33を動作させ、クラムシリンダ37はバケット33を開閉する。
[油圧ショベルの油圧回路の構成]
図2には、油圧ショベル1の油圧回路の全体構成が示されている。
油圧ショベル1は、鉱山用の大型のローディングショベルであるため、油圧で駆動される作業機である、ブームシリンダ34、アームシリンダ35、バケットシリンダ36、クラムシリンダ37はそれぞれ2本ずつ設けられている。
また、前述した旋回モータ26と、左走行モータ213Lおよび右走行モータ213Rは油圧で駆動される。従って、本発明の油圧駆動装置は、各シリンダ34〜37および各モータ26,213L,213Rによって構成される。
[油圧ポンプ]
油圧ショベル1は、前記油圧駆動装置を駆動するための油圧ポンプ5として、4組の油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dを備えている。
各油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dは、駆動軸6A,6B,6C,6Dに直列に接続された可変容量型の2つの油圧ポンプで構成されている。各駆動軸6A,6B,6C,6Dは、図示略のPTO(Power take-off)を介して伝達されるエンジンや電気モータの出力によって駆動される。なお、電気モータは、エンジンの出力で発電する発電機の電力や、油圧ショベル1の外部に設置された発電機からケーブルを介して供給される電力で駆動される。
また、油圧ポンプ5の数や、油圧ポンプ5の駆動軸を駆動するエンジンや電気モータの数は、油圧ショベル1のサイズなどに応じて設定すればよい。例えば、バケット33の容量がより大きな油圧ショベルの場合には、エンジンや電気モータを2台以上配置してもよい。また、3つ以上の油圧ポンプ5を1つの駆動軸に直列に接続してもよい。
油圧ショベル1は、各油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dから圧送された作動油を、各油圧駆動装置に供給するための油圧制御弁(コントロールバルブ)50を備えている。なお、本実施形態では、各油圧ポンプ5A,5B,5C,5D毎に3〜4個の油圧制御弁50が設けられ、合計で14個の油圧制御弁50A〜50Nが設けられている。なお、以下の説明において、油圧制御弁50A〜50Nに共通する特徴を説明する場合には、油圧制御弁50A〜50Nを総称して油圧制御弁50と表記する。
[油圧ポンプ5A用の油圧制御弁と油圧駆動装置との組み合わせ]
油圧ポンプ5Aには3つの油圧制御弁50A〜50Cが接続されている。油圧制御弁50Aは、アームシリンダ35の伸縮を制御する。油圧制御弁50Bは、バケットシリンダ36を伸ばす制御(バケットダンプ制御)と、ブームシリンダ34を伸ばす制御(ブームアップ制御)とを行う。油圧制御弁50Cは、旋回モータ26の駆動を制御する。
[油圧ポンプ5B用の油圧制御弁と油圧駆動装置との組み合わせ]
油圧ポンプ5Bには4つの油圧制御弁50D〜50Gが接続されている。油圧制御弁50Dは、左走行モータ213Lの駆動を制御する。油圧制御弁50Eは、アームシリンダ35を伸ばす制御(アームダンプ制御)と、バケットシリンダ36を伸ばす制御(バケットダンプ制御)とを行う。油圧制御弁50Fは、クラムシリンダ37の伸縮を制御する。油圧制御弁50Gは、ブームシリンダ34の伸縮を制御する。
[油圧ポンプ5C用の油圧制御弁と油圧駆動装置との組み合わせ]
油圧ポンプ5Cには3つの油圧制御弁50H〜50Jが接続されている。油圧制御弁50Hは、ブームシリンダ34を縮める制御(ブームダウン制御)を行う。油圧制御弁50Iは、バケットシリンダ36の伸縮を制御する。油圧制御弁50Jは、旋回モータ26の駆動を制御する。
[油圧ポンプ5D用の油圧制御弁と油圧駆動装置との組み合わせ]
油圧ポンプ5Dには4つの油圧制御弁50K〜50Nが接続されている。油圧制御弁50Kは、右走行モータ213Rの駆動を制御する。油圧制御弁50Lは、アームシリンダ35の伸縮を制御する。油圧制御弁50Mは、バケットシリンダ36の伸縮を制御する。油圧制御弁50Nは、ブームシリンダ34の伸縮を制御する。
[油圧駆動装置に対応する複数の油圧回路の説明]
クラムシリンダ37および走行モータ213L、213R以外の油圧駆動装置は、以下に説明するように、複数の油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dおよび油圧制御弁50で制御されている。
ブームシリンダ34を伸ばす駆動は、油圧ポンプ5A,5B,5Dおよび油圧制御弁50B,50G,50Nの3系統の油圧回路で制御している。
ブームシリンダ34を縮める駆動は、油圧ポンプ5B,5C,5Dおよび油圧制御弁50G,50H,50Nの3系統の油圧回路で制御している。
アームシリンダ35を伸ばす駆動は、油圧ポンプ5A,5B,5Dおよび油圧制御弁50A,50E,50Lの3系統の油圧回路で制御している。
アームシリンダ35を縮める駆動は、油圧ポンプ5A,5Dおよび油圧制御弁50A,50Lの2系統の油圧回路で制御している。
バケットシリンダ36を伸ばす駆動は、油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dおよび油圧制御弁50B,50E,50I,50Mの4系統の油圧回路で制御している。
バケットシリンダ36を縮める駆動は、油圧ポンプ5C,5Dおよび油圧制御弁50I,50Mの2系統の油圧回路で制御している。
このように複数系統の油圧回路で油圧駆動装置を制御することで、いずれか1つの油圧ポンプ5や油圧制御弁50が故障などで停止しても、他の系統の油圧回路を用いて制御することができる。このため、作業機であるブームシリンダ34、アームシリンダ35、バケットシリンダ36を複数系統の油圧回路で駆動するため、一部の油圧ポンプ5や油圧制御弁50が故障しても、作業機を動かして、バケット33を地面に着けることができ、油圧ショベル1を安定した姿勢に戻すことができる。特に、ブームシリンダ34を伸ばす制御は3系統、バケットシリンダ36を伸ばす制御は4系統の油圧回路で制御しているので、バケット33を地面に着けるまで動かすことができる。
旋回モータ26は、油圧ポンプ5A,5Cおよび油圧制御弁50C,50Jの2系統の油圧回路で制御している。旋回モータ26を2系統の油圧回路で制御しているので、作動油の供給量を増やして旋回モータ26を効率良く作動させることもできる。
なお、クラムシリンダ37や走行モータ213L、213R等も複数系統の油圧回路で駆動してもよい。これらの複数系統の油圧回路で制御すれば、1つの油圧ポンプ5や油圧制御弁50が故障しても油圧ショベル1の運転を継続できる。
[油圧制御弁の構成]
油圧制御弁50(50A〜50N)は、パイロット式方向切換弁51(51A〜51N)と、第1制御弁である比例制御弁52(52A〜52N)と、第2制御弁である方向切換弁53(53A〜53N)とで構成されている。なお、以下の説明において、パイロット式方向切換弁51A〜51N、比例制御弁52A〜52N、方向切換弁53A〜53Nに共通する特徴を説明する場合には、これらを総称してパイロット式方向切換弁51、比例制御弁52、方向切換弁53と表記する。
[パイロット式方向切換弁]
パイロット式方向切換弁51は、各油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dと、油圧駆動装置との間に配置されている。パイロット式方向切換弁51は、パイロット圧で移動されるスプールを有し、スプールを2つの切換位置および中立位置の3つの位置に移動して作動油の流れを切り換える3ポジションタイプの切換弁である。また、パイロット式方向切換弁51のスプールは、所定値以上のパイロット圧が加わっていない場合には、スプリングなどによって中立位置に復帰する。そして、スプールが中立位置に復帰すると、作動油は油圧駆動装置に供給されず、油圧駆動装置は停止する。
また、パイロット式方向切換弁51、比例制御弁52、方向切換弁53が設けられたパイロット油圧ラインは、このパイロット油圧ラインを遮断するパイロット油圧遮断弁と、パイロット油圧遮断弁を操作するPPCロックレバーを有する。
[比例制御弁および方向切換弁]
比例制御弁52および方向切換弁53は、図示略のパイロットポンプからパイロット式方向切換弁51に供給する作動油を制御して、油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dから油圧駆動装置に供給する作動油の流れや油量を制御する。
[比例制御弁]
比例制御弁52は電磁比例弁であり、後述するマスターコントローラ81で制御される。そして、比例制御弁52は、パイロット式方向切換弁51に加えるパイロット圧を制御する。
[方向切換弁]
方向切換弁53は、電磁式の方向切換弁であり、後述するスレーブコントローラ82、83で制御される。そして、方向切換弁53は、パイロット式方向切換弁51のスプールの移動方向を制御する。
[油圧制御弁の動作]
油圧制御弁50は、図示略のパイロットポンプから供給される作動油で動作する。なお、油圧ポンプ5をパイロットポンプとして利用してもよい。
パイロットポンプから供給される作動油は、比例制御弁52に供給される。そして、マスターコントローラ81は、比例制御弁52を制御して作動油の流量を調整する。比例制御弁52で流量が調整された作動油は、方向切換弁53に供給される。従って、マスターコントローラ81が比例制御弁52の流量を絞れば、方向切換弁53に供給される作動油の流量を抑制できる。
スレーブコントローラ82、83は、方向切換弁53を制御して作動油の供給先を切り換える。すなわち、比例制御弁52から供給される作動油を、方向切換弁53によってパイロット式方向切換弁51の左側の操作部511(図3参照)に供給すると、パイロット式方向切換弁51の右側の操作部512から作動油が排出され、パイロット式方向切換弁51のスプールが右側に移動する。
一方、比例制御弁52から供給される作動油を、方向切換弁53によってパイロット式方向切換弁51の右側の操作部512に供給すると、パイロット式方向切換弁51の左側の操作部511から作動油が排出され、パイロット式方向切換弁51のスプールが左側に移動する。
以上のとおり、油圧制御弁50は、パイロットポンプから比例制御弁52および方向切換弁53を介してパイロット式方向切換弁51に作動油を供給し、パイロット式方向切換弁51のスプールの移動を制御することで、油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dから油圧駆動装置に供給する作動油の流れや油量を制御する。
[油圧シリンダ]
各シリンダ34〜37は一般的な油圧シリンダで構成される。すなわち、シリンダ34〜37は、シリンダチューブと、ピストンロッドとを備える。シリンダチューブ内部は、ピストンロッドのピストン部分によって、キャップ側およびロッド側の2室に区画されている。
シリンダ34〜37を伸長する場合は、前記2室のうち、シリンダの基端側であるキャップ側に作動油を供給し、ピストンロッドが設けられたロッド側より作動油を排出する。
シリンダ34〜37を収縮する場合は、前記2室のうち、ロッド側に作動油を供給し、キャップ側より作動油を排出する。
[操作制御システム]
次に、油圧駆動装置の操作を制御する操作制御システムについて、図3、4を参照して説明する。なお、図3では、前記油圧ポンプ5Aから供給される作動油を制御する油圧制御弁50A〜50Cの制御を例示している。
図3に示すように、操作制御システムは、操作具60の操作量を検出して操作信号を出力する第1操作信号出力装置71および第2操作信号出力装置72と、ポンプコントローラ80と、マスターコントローラ81と、スレーブコントローラ82,83と、エレクトリックコントローラ84と、モニタ85とを備える。ポンプコントローラ80、マスターコントローラ81、スレーブコントローラ82,83、エレクトリックコントローラ84、モニタ85は、CAN(Controller Area Network)90で互いに通信可能に接続されている。なお、前述したように、マスターコントローラ81およびスレーブコントローラ82,83は、比例制御弁52および方向切換弁53を制御するバルブコントローラである。
[操作具]
本実施形態の操作具60は、図4に示すように、右レバー61、左レバー62、右走行装置の駆動を指令する右ペダル63、左走行装置の駆動を指令する左ペダル64、クラムオープンペダル65、クラムクローズペダル66、旋回ブレーキペダル67を備える。右レバー61、左レバー62、右ペダル63、左ペダル64は、ブームシリンダ34、アームシリンダ35、バケットシリンダ36、旋回モータ26、右走行モータ213Rおよび左走行モータ213Lの駆動を操作する。クラムオープンペダル65およびクラムクローズペダル66は、クラムシリンダ37の駆動を操作する。旋回ブレーキペダル67は、旋回モータ26のブレーキ操作を行う。なお、油圧制御弁50の数は任意に設定できる。また、旋回ブレーキペダル67を設けずに旋回レバー(本実施形態では左レバー62)のみで旋回モータ26の駆動および制動を行えばよい。すなわち、旋回レバーと旋回ブレーキペダルを1つのレバーで共通化してもよい。
[レバーの操作パターン]
本実施形態の油圧ショベル1における右レバー61、左レバー62の操作パターンは以下のとおりである。右レバー61の前後操作はブーム下げ・上げの操作であり、右レバー61の左右操作はバケット掘削・ダンプの操作である。左レバー62の前後操作はアームダンプ・掘削の操作であり、左レバー62の左右操作は左旋回・右旋回の操作である。
[第1操作信号出力装置および第2操作信号出力装置]
第1操作信号出力装置71および第2操作信号出力装置72は、操作具60の操作量を検出するセンサであり、図4に示すように、操作具60毎に設けられている。
右レバー61には、第1操作信号出力装置71LRA、71FRA、第2操作信号出力装置72LRA、72FRAが設けられ、右レバー61の前後操作と左右操作に対応した信号を出力する。
第1操作信号出力装置71LRA、第2操作信号出力装置72LRAは、右レバー61の左右の操作を検出し、左右の操作に対応した操作信号を出力する。
第1操作信号出力装置71FRA、第2操作信号出力装置72FRAは、右レバー61の前後の操作を検出し、前後の操作に対応した操作信号を出力する。
左レバー62には、第1操作信号出力装置71LRB、71FRB、第2操作信号出力装置72LRB、72FRBが設けられ、左レバー62の前後操作と左右操作に対応した信号を出力する。
第1操作信号出力装置71LRB、第2操作信号出力装置72LRBは、左レバー62の左右の操作を検出し、左右の操作に対応した操作信号を出力する。
第1操作信号出力装置71FRB、第2操作信号出力装置72FRBは、左レバー62の前後の操作を検出し、前後の操作に対応した操作信号を出力する。
右ペダル63に、は第1操作信号出力装置71C、第2操作信号出力装置72Cが設けられ、左ペダル64には、第1操作信号出力装置71D、第2操作信号出力装置72Dが設けられる。第1操作信号出力装置71C、第2操作信号出力装置72Cは、右ペダル63の操作を検出し、ペダル操作に対応した操作信号を出力する。第1操作信号出力装置71D、第2操作信号出力装置72Dは、左ペダル64の操作を検出し、ペダル操作に対応した操作信号を出力する。
クラムオープンペダル65には、第1操作信号出力装置71E、第2操作信号出力装置72Eが設けられ、クラムクローズペダル66には、第1操作信号出力装置71F、第2操作信号出力装置72Fが設けられ、旋回ブレーキペダル67には第1操作信号出力装置71G、第2操作信号出力装置72Gが設けられる。第1操作信号出力装置71E、第2操作信号出力装置72Eは、クラムオープンペダル65の操作を検出し、ペダル操作に対応した操作信号を出力する。第1操作信号出力装置71F、第2操作信号出力装置72Fは、クラムクローズペダル66の操作を検出し、ペダル操作に対応した操作信号を出力する。第1操作信号出力装置71G、第2操作信号出力装置72Gは、旋回ブレーキペダル67の操作を検出し、ペダル操作に対応した操作信号を出力する。
[操作量検出用のセンサ]
第1操作信号出力装置71および第2操作信号出力装置72は、操作具60の操作量(レバーの倒し角度や、ペダルの踏み込み角度)を検出するセンサを備え、このセンサの検出データに基づく操作信号を出力する。操作具60が電気式のレバーやペダルであれば、ポテンショメータ等を前記センサとして利用できる。また、操作具60がパイロット方式のレバー等であれば、操作具60の操作で変化するパイロット圧を検出して電気信号に変換する圧力センサ等を前記センサとして利用できる。
[操作信号]
また、第1操作信号出力装置71および第2操作信号出力装置72から出力される操作信号としては、電圧値が操作量に比例する電気信号でもよいし、操作量を示すデジタルデータでもよい。操作信号出力装置がデジタルデータを出力する場合には、そのデータを、CAN90を介してマスターコントローラ81やスレーブコントローラ82に入力してもよい。
本実施形態では、第1操作信号出力装置71および第2操作信号出力装置72から出力される操作信号は、図5に示すように、操作具60の操作量に比例する電圧値の電気信号であり、かつ、互いに反転した電圧値が出力されるように設定されている。
すなわち、第1操作信号出力装置71から出力される第1操作信号V1は、操作具60の操作量が100%の場合に4V、操作量が−100%の場合に1V、中立位置(操作量0%)の場合に2.5Vとなるように設定されている。
一方、第2操作信号出力装置72から出力される第2操作信号V2は、操作具60の操作量が100%の場合に1V、操作量が−100%の場合に4V、中立位置(操作量0%)の場合に2.5Vとなり、前記第1操作信号V1とは逆特性となるように設定されている。
第1操作信号V1および第2操作信号V2が逆特性であるため、第1操作信号V1および第2操作信号V2を加算すると、常に一定値(5V)になる。従って、これらの2つの操作信号V1,V2の電圧値を検出することで、各操作信号の異常チェックを行うことができる。また、各操作信号V1,V2にノイズが影響した場合も、2つの操作信号V1,V2を加算処理することでノイズの影響を排除することができるので、耐ノイズ性の高い信号処理が可能となり、操作信号から正しい操作量を把握できる。
なお、操作具60から2系統のCAN90を経由して、マスターコントローラ81やスレーブコントローラ82に操作信号を入力してもよい。
[出力信号の出力先]
第1操作信号出力装置71(71LRA、71FRA、71LRB、71FRB、71C〜〜71G)から出力される第1操作信号V1は、マスターコントローラ81に入力される。
第2操作信号出力装置72(72LRA、72FRA、72LRB、72FRB、72C〜72G)から出力される第2操作信号V2は、途中で分岐され、マスターコントローラ81およびスレーブコントローラ82に入力される。
なお、第1操作信号V1は、分岐せずにマスターコントローラ81に入力されるため、第2操作信号V2のように分岐した場合に比べてワイヤーハーネスの引きまわしを少なくでき、断線や短絡などの故障のリスクを低減できる。このため、マスターコントローラ81は、第1操作信号V1および第2操作信号V2の両方を同時に入力できない可能性を低減できる。従って、第1操作信号V1のみを入力した場合に、入力した第1操作信号V1のみで操作量を判定できるようにマスターコントローラ81を構成しておけば、操作具60の操作量を検出できない故障率を低減できる。
次に、油圧ショベル1において、作業機3や旋回モータ26、走行モータ213L、213R以外の油圧駆動装置として設けられた昇降ラダー27およびサービスアーム28について説明する。
[昇降ラダー]
昇降ラダー27は、図6にも示すように、旋回体22の左側部に配置されている。昇降ラダー27は、図6では図示を略すラダー用油圧シリンダによって昇降する。昇降ラダー27は、オペレータの乗降用に用いられ、油圧ショベル1の稼働時は車両本体2に収納される。ラダー用油圧シリンダは旋回体22に設けられ、ラダー用油圧シリンダを伸長作動すると、昇降ラダー27はその上端側の回動軸を中心に上方に回動し、図6の二点鎖線で示す格納位置に収納される。
一方、ラダー用油圧シリンダを収縮作動させると、昇降ラダー27はその上端側の回動軸を中心に下方に回動し、図6の実線で示す使用位置に配置される。
[サービスアーム]
サービスアーム28は、燃料、油脂、冷却水のドレン・補給ポートが設けられたものであり、図7に示すように、旋回体22の下面に配置されている。サービスアーム28は、図7では図示を略すサービスアーム用油圧シリンダによって昇降する。すなわち、サービスアーム用油圧シリンダを伸長作動すると、サービスアーム28はその基端側の回動軸を中心に上方に回動し、図7の二点鎖線で示す格納位置に収納される。
一方、サービスアーム用油圧シリンダ281を収縮作動させると、サービスアーム28は下方に回動し、図7の実線で示す使用位置に配置される。
[コントローラの構成]
次に、油圧ショベル1に設けられた各コントローラに関して図8,9をも参照して説明する。
[ポンプコントローラ]
ポンプコントローラ80は、油圧システム全体を制御するものである。このため、ポンプコントローラ80は、油圧ポンプ5(5A〜5D)を制御し、さらに、マスターコントローラ81、スレーブコントローラ82、83の電源制御も行う。さらに、各コントローラからの情報はCAN90を経由してモニタ85に出力される。
[エレクトリックコントローラ]
エレクトリックコントローラ84は、油圧ポンプ5を駆動する電気モータ100に関する制御を行い、具体的には故障等を検知し、オペレータに通知する制御や、その他の電装品の制御を行う。
なお、油圧ポンプ5がエンジン駆動の場合、エンジンはエンジンコントローラが制御し、電装品の制御はエレクトリックコントローラ84が行う。
電気モータ100は、図9に示すように、PTOを介して各駆動軸6A,6B,6C,6Dを駆動するものである。
[油圧制御弁のコントローラ]
油圧制御弁50を制御するバルブコントローラとして、本実施形態では、マスターコントローラ81、第1のスレーブコントローラ82、第2のスレーブコントローラ83を備えている。
[マスターコントローラ]
マスターコントローラ81は、操作具60の操作量を検出して作業機や旋回モータ26、走行モータ213L、213Rを制御する制御信号を生成するとともに、その制御信号に基づいて油圧制御弁50の比例制御弁52を制御する。さらに、操作具60等の操作入力系の異常や、スレーブコントローラ82の異常を判定する。
また、マスターコントローラ81は、作業機3や各モータ26,213L,213R以外の装置、具体的には、図9に示すように、昇降ラダー27を駆動するラダー用油圧シリンダ271と、サービスアーム28を駆動するサービスアーム用油圧シリンダ281の作動を制御する。
マスターコントローラ81は、CPU(Central Processing Unit)を有するコントローラであり、図8に示すように、第1入力部811、第1判定部812、制御信号生成部813、第1制御信号出力部814、第1通信部815、ラダー制御部816、サービスアーム制御部817を備える。
ラダー制御部816はラダー用油圧シリンダ271の作動を制御し、昇降ラダー27を下げる時の速度制御を行う。また、ショベル動作時に昇降ラダー27が落ちないように押し付け制御を行う。
サービスアーム制御部817はサービスアーム用油圧シリンダ281の作動を制御し、アーム32の昇降制御を行う。
[第1入力部]
第1入力部811は、第1操作信号出力装置71および第2操作信号出力装置72から出力される操作信号が入力され、その入力信号に応じたデジタルデータを出力するインターフェースである。本実施形態では、入力された操作信号の電圧値を第1判定部812に出力する。
[第1判定部]
第1判定部812は、第1入力部811から入力される第1操作信号および第2操作信号に基づく操作信号のチェックと、第1通信部815を介してスレーブコントローラ82から出力される第2操作量データとの比較によるチェックとを行う。
第1判定部812は、第1操作信号の電圧値と、第2操作信号の電圧値とを加算して一定値となるかを検出して、入力された2つの操作信号に異常があるかをチェックする。前述のとおり、第1操作信号と第2操作信号とは逆特性であり、2つの信号の電圧値を加算すると常に一定値(5V)になるはずである。従って、これらの2つの操作信号の電圧値に基づいて、各操作信号の異常をチェックできる。第1判定部812における第2操作量データとの比較チェックは後述する。
[制御信号生成部]
制御信号生成部813は、第1入力部811から入力された第1操作信号の電圧値V1を基に図5の関係から、操作具60の操作量(第1操作量データ)を求める。
また、制御信号生成部813は、前記第1操作量データに応じて各油圧制御弁50の制御量を算出し、この制御量に基づいて制御信号を生成する。具体的には、制御信号生成部813は、比例制御弁52を制御する作動信号である第1制御信号と、方向切換弁53を制御する作動信号である第2制御信号とを生成する。
[第1制御信号出力部]
第1制御信号出力部814は、制御信号生成部813で生成された第1制御信号を、駆動対象となる油圧制御弁50の比例制御弁52に出力する。例えば、旋回モータ26を駆動する制御信号が生成された場合、旋回モータ26を駆動する油圧制御弁50C、50Jの比例制御弁52C,52Jに第1制御信号を出力する。
[第1通信部]
第1通信部815は、前記制御信号生成部813で生成された第1操作量データおよび第2制御信号を、CAN90を介してスレーブコントローラ82に出力する。また、第1通信部815は、前記第2制御信号を、CAN90を介してスレーブコントローラ83に出力する。
さらに、第1通信部815は、スレーブコントローラ82から出力される後述する第2操作量データを入力し、前記第1判定部812に出力する。
[操作量データの判定]
第1判定部812は、入力した第2操作量データと、前記第1操作量データとを比較して一致するか否かで異常を判定する。例えば、スレーブコントローラ82に異常が発生すると、スレーブコントローラ82から出力される第2操作量データが正しく更新されない。このため、操作具60を操作して第1操作量データが変更されると、更新されない第2操作量データと不一致となるため、第1判定部812はスレーブコントローラ82に異常が発生したことを検出できる。
[第1のスレーブコントローラ]
スレーブコントローラ82は、マスターコントローラ81で生成された第2制御信号に基づいて油圧制御弁50の方向切換弁53を制御する。なお、本実施形態では、2台のスレーブコントローラ82、83が設けられており、第1のスレーブコントローラ82は、油圧制御弁50A〜50Gの方向切換弁53A〜53Gを制御する。また、マスターコントローラ81の異常なども判定する。
スレーブコントローラ82もマスターコントローラ81と同じくCPU(Central Processing Unit)を有するコントローラである。ただし、スレーブコントローラ82は、第1操作信号V1は入力されないため、制御信号生成部813に相当する構成は備えていない。このため、スレーブコントローラ82は、図8に示すように、第2入力部821、第2判定部822、第2制御信号出力部823、第2通信部824を備える。
[第2入力部]
第2入力部821は、第2操作信号出力装置72から出力される第2操作信号が入力され、その入力信号に応じたデジタルデータを出力するインターフェースである。本実施形態では、入力された第2操作信号の電圧値を第2判定部822に出力する。
[第2判定部]
第2判定部822は、第2入力部821から入力された第2操作信号の電圧値V2を基に図5の関係から、第2操作量データを求め、この第2操作量データと前記マスターコントローラ81からCAN90および第2通信部824を介して入力される第1操作量データとを比較する。そして、第2判定部822は、第1操作量データおよび第2操作量データが一致すれば正常であると判定し、不一致であればマスターコントローラ81等の異常であると判定する。
[第2制御信号出力部]
第2制御信号出力部823は、マスターコントローラ81からCAN90および第2通信部824を介して入力した第2制御信号を、制御対象の油圧制御弁50の方向切換弁53に出力する。例えば、制御信号生成部813で旋回モータ26を駆動する制御信号が生成された場合、旋回モータ26を駆動する油圧制御弁50C、50Jのうち、油圧制御弁50Cの方向切換弁53Cに対して第2制御信号を出力する。なお、油圧制御弁50Jはスレーブコントローラ83が制御する。
[第2通信部]
第2通信部824は、前記第2操作量データを、CAN90を介してマスターコントローラ81に出力する。また、マスターコントローラ81から出力される第1操作量データおよび第2制御信号を入力する。
[第2のスレーブコントローラ]
第2のスレーブコントローラ83は、マスターコントローラ81で生成された第2制御信号に基づいて油圧制御弁50の方向切換弁53を制御する。第2のスレーブコントローラ83は、油圧制御弁50H〜50Nの方向切換弁53H〜53Nを制御する。
スレーブコントローラ83もCPU(Central Processing Unit)を有するコントローラであり、図8に示すように、第2制御信号出力部831、第3通信部832を備える。
[第2制御信号出力部]
第2制御信号出力部831は、マスターコントローラ81からCAN90および第3通信部832を介して入力した第2制御信号を、制御対象の油圧制御弁50の方向切換弁53に出力する。例えば、制御信号生成部813で旋回モータ26を駆動する制御信号が生成された場合、旋回モータ26を駆動する油圧制御弁50C、50Jのうち、油圧制御弁50Jの方向切換弁53Jに対して第2制御信号を出力する。
[第3通信部]
第3通信部832は、マスターコントローラ81から出力される第2制御信号を入力する。
[非常停止システム]
次に、油圧ショベル1における非常停止システムについて、図9を参照して説明する。
油圧ショベル1は、電源としてバッテリー40と、ACC電源(アクセサリ電源)44を備えている。バッテリー40から電力を供給する電力供給ライン401は、ポンプコントローラ80、エレクトリックコントローラ84、モニタ85に接続されている。従って、ポンプコントローラ80、エレクトリックコントローラ84、モニタ85は、バッテリー40の電力で作動される。
ACC電源44は、油圧ショベル1のイグニッションスイッチをオンさせた際に電力供給し、オフ状態で電力を供給しない電源である。ACC電源44は、イグニッションスイッチのオンに伴いポンプコントローラ80への電力供給を開始する。
このACC電源44には、非常停止スイッチ45と、作業機停止スイッチ46とが接続されている。
[リレーの接続関係]
電力供給ライン401は、後述する第1リレー41の接点と、第2制御リレー102の接点に接続する。第1リレー41の接点は、第2リレー42の一方の接点に接続し、第2リレー42の他方の接点は、マスターコントローラ81と、第3リレー43の接点に接続する。
第3リレー43の接点は、スレーブコントローラ82、83に接続する。
第2制御リレー102の接点は、後述する第3制御リレー103の電磁コイルに接続する。第3制御リレー103の接点には、電気モータ用入力電源104および電気モータ100が接続する。
ACC電源44は、複数の非常停止スイッチ45を介して第1リレー41の電磁コイルと、第1制御リレー101の一方の接点に接続する。第1制御リレー101の他方の接点は、第2制御リレー102の電磁コイルに接続する。
ACC電源44は、複数の作業機停止スイッチ46を介して第3リレー43の電磁コイルに接続する。ACC電源44は、ポンプコントローラ80に接続して電力を供給する。
ポンプコントローラ80は、第1制御リレー101の電磁コイルと、第2リレー42の電磁コイルとに接続する。
[電力供給ラインにおけるリレーの配置]
電力供給ライン401には、図9に示すように、第1リレー41、第2リレー42、第3リレー43の各接点が直列に接続されている。すなわち、電源であるバッテリー40に対して、上流側から第1リレー41、第2リレー42、第3リレー43の各接点が順に接続されている。
各リレー41,42,43の電磁コイルは、非常停止スイッチ45、ポンプコントローラ80、作業機停止スイッチ46に接続されている。
従って、作業機停止スイッチ46の操作によって第3リレー43のみが切断された場合は、第3リレー43の下流側に接続するスレーブコントローラ82、83への電力供給が切断される。
また、非常停止スイッチ45の操作によって第1リレー41が切断された場合又は、ポンプコントローラ80の制御によって第2リレー42が切断された場合は、第1リレー41、第2リレー42の下流側に接続するマスターコントローラ81とスレーブコントローラ82、83への電力供給が切断される。
[リレーの構造]
第1リレー41、第2リレー42、第3リレー43は、一般的な電磁リレーで構成されている。すなわち、各リレー41〜43は、C端子(Common端子)、NO端子(Normally Open端子)、NC端子(Normally Closed端子)の各接点と、C端子とNO端子またはNC端子を接続する接触片、接触片を動かす電磁コイル(電磁石)を備える。そして、各リレー41〜43は、電磁コイルに電流が流れると、接触片がC端子、NO端子を導通し、電磁コイルに電流が流れていない場合は、接触片がNO端子から離れる。従って、C端子およびNO端子を電力供給ライン401に接続しておくことで、各電磁コイルに電流が流れた場合に電力供給ライン401を導通し、電磁コイルに電流が流れない場合に電力供給ライン401を遮断する。
[非常停止スイッチ]
非常停止スイッチ45は、複数設けられており、油圧ショベル1のキャブ23内や、昇降ラダー27、サービスアーム28部分など、メンテナンス作業中の作業者が操作可能な場所に配置されている。
複数の非常停止スイッチ45は、ACC電源44に対して直列に接続されている。そして、すべての非常停止スイッチ45が未入力状態(通常状態)の場合には、非常停止スイッチ45はACC電源44からの電力を供給可能な導通状態を維持する。一方、非常停止スイッチ45を1つでも押して入力操作した非常状態では、非常停止スイッチ45はACC電源44から第1リレー41の電磁コイルへの電力を遮断する。
[作業機停止スイッチ]
作業機停止スイッチ46は、作業機3を停止させる必要がある場合に押されるスイッチである。具体的には、作業機停止スイッチ46は、前記昇降ラダー27の付近に設けられるスイッチと、サービスアーム28の付近に設けられるスイッチと、キャブ23に設けられたPPCロックレバーのロック時に入力されるスイッチとを備える。さらに、作業機のみを停止させるためのスイッチを適宜な場所に設けてもよい。
複数の作業機停止スイッチ46は、ACC電源44に対して直列に接続されている。そして、すべての作業機停止スイッチ46が未入力状態の場合には、作業機停止スイッチ46はACC電源44からの電力を供給可能な導通状態を維持する。一方、作業機停止スイッチ46が1つでも押されて入力された場合は、作業機停止スイッチ46はACC電源44から第3リレー43の電磁コイルへの電力を遮断する。
[電気モータ作動回路]
電気モータ100を作動するために、前述した第1制御リレー101、第2制御リレー102、第3制御リレー103が設けられている。
第1制御リレー101の接点は、直列接続される複数の非常停止スイッチ45の最も下流側の端子とリレー41の電磁コイルに接続され、電磁コイルはポンプコントローラ80に接続している。このため、第1制御リレー101の接点は、ポンプコントローラ80から電磁コイルに制御信号を出力することで、開閉する。
第2制御リレー102の接点は、バッテリー40に接続され、電磁コイルは第1制御リレー101の接点に接続している。このため、第2制御リレー102の接点は、第1制御リレー101の接点の接続、切断によって開閉する。
第3制御リレー103の接点は、電気モータ用入力電源104に接続され、電磁コイルは第2制御リレー102の接点に接続している。このため、第3制御リレー103の接点は、第2制御リレー102の接点の接続、切断によって開閉される。
[操作制御処理]
次に、図10のフローチャートを参照して、オペレータが操作具60を操作したときの制御処理を説明する。
操作具60の状態に応じた第1操作信号および第2操作信号が第1操作信号出力装置71、第2操作信号出力装置72から出力すると、マスターコントローラ81およびスレーブコントローラ82は図10のフローチャートに示す操作制御処理を実行する。
第1制御装置であるマスターコントローラ81は、第1操作信号を入力する(ステップS1)。第2制御装置であるスレーブコントローラ82は、第2操作信号を入力する(ステップS11)。
マスターコントローラ81は、第1操作信号の入力後、第1操作信号に基づく第1操作量データを、CAN90を介して第2制御装置であるスレーブコントローラ82に出力する(ステップS2)。
同様に、スレーブコントローラ82は、第2操作信号の入力後、第2操作信号に基づく第2操作量データを、CAN90を介して第1制御装置であるマスターコントローラ81に出力する(ステップS12)。
マスターコントローラ81は、スレーブコントローラ82から出力された第2操作量データを入力し(ステップS3)、第1判定部812で第1操作量データおよび第2操作量データを比較し(ステップS4)、異常であるかを判定する(ステップS5)。
同様に、スレーブコントローラ82は、マスターコントローラ81から出力された第1操作量データを入力し(ステップS13)、第2判定部822で第1操作量データおよび第2操作量データを比較し(ステップS14)、異常であるかを判定する(ステップS15)。
[正常判定時の処理]
マスターコントローラ81は、ステップS5の判定結果として正常(No)と判定した場合は、入力された2つの操作信号から制御信号(第1制御信号および第2制御信号)を生成する。すなわち、マスターコントローラ81には、第1操作信号出力装置71から第1操作信号が入力され、第2操作信号出力装置72から第2操作信号が入力される。このため、マスターコントローラ81は、これらの2つの操作信号から比例制御弁52を作動する第1制御信号と、方向切換弁53を作動する第2制御信号を生成する。
そして、マスターコントローラ81は、第1制御信号出力部814から第1制御信号を出力し(ステップS6)、油圧制御弁50の比例制御弁52を制御する(ステップS7)。また、マスターコントローラ81は、CAN90を介して第2制御信号をスレーブコントローラ82、83に出力する。なお、スレーブコントローラ82が方向切換弁53を作動する第2制御信号を生成し、スレーブコントローラ83にCAN90を介して出力してもよい。
スレーブコントローラ82、83の第2制御信号出力部823、831は、ステップS15で正常(No)と判定された場合は、マスターコントローラ81から入力した第2制御信号を出力し(ステップS16)、油圧制御弁50の方向切換弁53を制御する(ステップS17)。
パイロット式方向切換弁51は、比例制御弁52および方向切換弁53の両方が正常に制御されることで作動する。そして、駆動対象の油圧駆動装置に作動油が供給され、油圧ショベル1は操作具60の操作に応じて作動する。
マスターコントローラ81およびスレーブコントローラ82は、第1制御信号、第2制御信号の出力後は、図10に示す操作制御処理を終了する。
従って、操作具60からの信号が入力され続けることで、図10の操作制御処理も実行され続ける。
なお、本実施形態では、2つのスレーブコントローラ82,83を設け、各スレーブコントローラ82,83が制御する方向切換弁53を分けているので、一方のスレーブコントローラ82,83に、CPUの異常が発生しても、他方の正常なスレーブコントローラ82,83が管理する方向切換弁53は正常に動作できる。そして、前述したように、ブームシリンダ34、アームシリンダ35、バケットシリンダ36、旋回モータ26は、スレーブコントローラ82で制御される油圧制御弁50A〜50Gのいずれかと、スレーブコントローラ83で制御される油圧制御弁50H〜50Nのいずれかの2系統以上で制御されている。このため、一方のスレーブコントローラ82,83に異常が発生しても、他方のスレーブコントローラ82,83およびマスターコントローラ81が正常であれば、各シリンダ34〜36や旋回モータ26、走行モータ213L、213Rの駆動を継続することもできる。例えば、第1のスレーブコントローラ82に異常が発生した場合は、旋回モータ26と左走行モータ213Lの駆動を継続してもよい。同様に、第2のスレーブコントローラ83に異常が発生した場合は、旋回モータ26と右走行モータ213Rの駆動を継続してもよい。
[異常検出時の処理]
次に、マスターコントローラ81の第1判定部812および第1のスレーブコントローラ82の第2判定部822で異常を判定した場合(ステップS5,S15でYesの場合)の制御について説明する。
[マスターコントローラ81が異常判定をした場合]
マスターコントローラ81の第1判定部812が異常と判定するのは、前述したように、
(1)第1入力部811に入力される第1操作信号および第2操作信号のチェックにより異常があると判定した場合と、
(2)第1判定部812で検出した第1操作量データと、スレーブコントローラ82から入力した第2操作量データとが一致しなかった場合は、マスターコントローラ81の第1判定部812は異常(ステップS5でYes)と判定する。
(3)マスターコントローラ81に入力される信号線や、マスターコントローラ81から比例制御弁52に出力される信号線に短絡や断線がある場合も、第1判定部812は異常(ステップS5でYes)と判定する。
[マスターコントローラ81による異常停止制御]
マスターコントローラ81は、上記いずれの場合も異常が発生した(ステップS5でYes)と判定し、第1制御信号出力部814によって比例制御弁52を停止状態に制御する第1制御信号(停止信号)を出力する(ステップS8)。すると、比例制御弁52が停止状態に制御される(ステップS9)。この際、各比例制御弁52は、作動油の流量を抑制するため、方向切換弁53の動作状態にかかわらず、パイロット式方向切換弁51に加わるパイロット圧が低下する。このため、パイロット式方向切換弁51のスプールは中立位置に移動し、パイロット式方向切換弁51を介して作動油が供給されない。このため、ブームシリンダ34、アームシリンダ35、バケットシリンダ36、クラムシリンダ37、旋回モータ26、走行モータ213L、213Rによって作動される作業機3や走行体21の動作が中断する。
[スレーブコントローラ82が異常判定をした場合]
スレーブコントローラ82の第2判定部822が異常と判定するのは、前述したように、第2判定部822で検出した第2操作量データと、マスターコントローラ81から入力した第1操作量データとが一致しなかった場合である。同様にスレーブコントローラ82に入力される信号線や、スレーブコントローラ82,83から方向切換弁53に出力される信号線に短絡や断線がある場合も、第2判定部822は異常と判定する。
[スレーブコントローラ82による異常停止制御]
スレーブコントローラ82は、異常が発生した(ステップS15でYes)と判定すると、第2制御信号出力部823によって方向切換弁53を停止状態に制御する第2制御信号(停止信号)を出力する(ステップS18)。さらに、スレーブコントローラ82は、CAN90および第2通信部824を介して、スレーブコントローラ83に対して方向切換弁53を停止状態に制御するように指示する。このため、スレーブコントローラ83は、第2制御信号出力部831によって方向切換弁53を停止状態に制御する第2制御信号(停止信号)を出力する(ステップS18)。
すると、方向切換弁53が停止状態に制御される(ステップS19)。この際、各方向切換弁53は、スプールが中立位置に移動して作動油がパイロット式方向切換弁51に流れないように制御されるので、比例制御弁52の動作状態にかかわらず、パイロット式方向切換弁51に加わるパイロット圧が低下する。このため、パイロット式方向切換弁51のスプールは中立位置に移動し、パイロット式方向切換弁51を介して作動油が供給されないため、ブームシリンダ34、アームシリンダ35、バケットシリンダ36、クラムシリンダ37、旋回モータ26、走行モータ213L、213Rによって作動される作業機3や走行体21の動作が中断する。ただし、他の制御弁からの作動油供給がある場合には、作業機3や走行体21の動作を継続できる。
このように、パイロット式方向切換弁51を作動させるための2つのバルブである比例制御弁52および方向切換弁53を、マスターコントローラ81と、スレーブコントローラ82、83との別々のコントローラで制御しているので、操作具60の操作量を検出するセンサに異常が発生した場合や、操作信号の入力ラインに断線などの異常が発生した場合だけでなく、マスターコントローラ81またはスレーブコントローラ82の一方のCPUに異常が発生した場合も、比例制御弁52および方向切換弁53の少なくとも一方を停止制御することで、パイロット式方向切換弁51を停止状態に制御でき、作業機や走行モータなどの油圧駆動装置を安全に停止できる。従って、油圧ショベル1の安全性をより一層向上できる。
[電気モータの起動制御]
次に、油圧ショベル1における電気モータ100の起動制御について図9を参照して説明する。
油圧ショベル1のイグニッションキーをオンすると、ACC44からリレー41(43、101)までのラインの電圧が変化する。
そして、ACC電源44から非常停止スイッチ45を介して電力が供給される。ポンプコントローラ80は、イグニッションキーのオンに伴いスタータ110のC端子から出力される信号が入力されたり、ACC電源44から電力供給が開始されたことを電圧レベルの変化等で検出すると、第1制御リレー101の電磁コイルに第1制御リレー101の接点接続を指示する制御信号(電流)を出力する。第1制御リレー101は、電磁コイルに電流が流れていない場合に接点が開放され、電流が流れると接続されるため、ポンプコントローラ80からの制御信号で接続される。
第1制御リレー101の接点が接続されると、ACC電源44から供給される電力は、第2制御リレー102の電磁コイルに流れ、第2制御リレー102の接点が接続する。
第2制御リレー102の接点が接続されると、バッテリー40から供給される電力は、第3制御リレー103の電磁コイルに流れる。第3制御リレー103も第1制御リレー101等と同じく、電磁コイルに電流が流れると接点が接続されるため、第2制御リレー102の接点の接続に連動して接続される。
第3制御リレー103の接点が接続されると、電気モータ用入力電源104から電気モータ100に電力が供給され、電気モータ100が起動する。電気モータ100が起動すると、PTOを介して駆動軸6A,6B,6C,6Dが駆動し、油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dも作動する。
[非常停止操作の制御処理]
次に、図11のフローチャートを参照して、作業者が非常停止スイッチ45を押して非常停止操作を行った場合の制御処理を説明する。
電気モータ100が作動している時に、非常停止スイッチ45が押されるまでは、ステップS31でNoと判定されるため、非常停止制御は実行されない。一方、非常停止スイッチ45が押されると、ステップS31でYesと判定され、直列に接続されている非常停止スイッチ45の一部のスイッチが切断され、ACC電源44からの電力供給が停止する(ステップS32)。
ステップS32でACC電源44からの電力供給が停止することで、電気モータの非常停止制御(ステップS33〜S35)、機械的なリレー切断によるバルブコントローラの非常停止制御(ステップS36〜S38)、ポンプコントローラ80の制御によるバルブコントローラの非常停止制御(ステップS39→S37→S38)が並行して実行される。
[電気モータの非常停止制御]
ステップS32でACC電源44からの電力供給が停止すると、第1制御リレー101を介して第2制御リレー102の電磁コイルに流れていた電流供給も停止するため、第2制御リレー102が切断される(ステップS33)。
なお、非常停止スイッチ45の操作でACC電源44からの電力供給が停止したことをポンプコントローラ80で検出し、ポンプコントローラ80から出力される制御信号で第1制御リレー101を切断することもでき、この場合も第2制御リレー102が切断される。
第2制御リレー102が切断されると、第3制御リレー103の電磁コイルに流れる電流も止まるため、第3制御リレー103も切断される(ステップS34)。このため、電気モータ用入力電源104から電気モータ100に供給される電力も停止し、電気モータ100は停止する(ステップS35)。このため、油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dも停止する(ステップS35)。
[機械的なリレー切断によるバルブコントローラの非常停止制御]
非常停止スイッチ45が押され、ステップS32でACC電源44からの電力供給が停止すると、第1リレー41の電磁コイルへの電流供給も停止し、第1リレー41が切断される(ステップS36)。すなわち、第1リレー41は、非常停止スイッチ45の操作に連動して機械的に切断される。
このため、バッテリー40からマスターコントローラ81、スレーブコントローラ82、83への電力供給も停止し、マスターコントローラ81およびスレーブコントローラ82、83は電源供給が無くなり、作動を停止する(ステップS37)。
すなわち、第1リレー41は、非常停止スイッチ45が押されたことに連動して切断され、コントローラからの制御に影響されない。このため、仮にポンプコントローラ80等に異常が発生していても、いずれか1つの非常停止スイッチ45が押された場合には、第1リレー41は切断状態に制御され、マスターコントローラ81やスレーブコントローラ82、83への電力供給を停止できる。
各コントローラ81〜83への電力供給が停止すると、比例制御弁52、方向切換弁53への制御信号の出力も停止し、前述したように、各油圧制御弁50のスプールが中立位置に移動して作動油の供給が停止するため、作業機3、旋回モータ26、走行モータ213L、213Rを停止できる(ステップS38)。
[ポンプコントローラ80の制御によるバルブコントローラの非常停止制御]
非常停止スイッチ45が押され、ステップS32でACC電源44からの電力供給が停止したことをポンプコントローラ80が検出すると、ポンプコントローラ80は、第2リレー42に制御信号を出力し、第2リレー42の接続を切断する(ステップS39)。
このため、バッテリー40からマスターコントローラ81、スレーブコントローラ82、83への電力供給も停止し、マスターコントローラ81およびスレーブコントローラ82、83は電源供給が無くなり、作動を停止する(ステップS37)。
すなわち、第2リレー42は、非常停止スイッチ45が押されたことを検出したポンプコントローラ80で制御される。このため、仮に第1リレー41が故障した場合でも、いずれか1つの非常停止スイッチ45が押された場合には、第2リレー42は切断状態に制御され、マスターコントローラ81やスレーブコントローラ82、83への電力供給を停止できる。
各コントローラ81〜83への電力供給が停止すると、比例制御弁52、方向切換弁53への制御信号の出力も停止し、前述したように、各油圧制御弁50のスプールが中立位置に移動して作動油の供給が停止するため、作業機3等を停止できる(ステップS38)。
従って、非常停止スイッチ45が押された場合に、マスターコントローラ81およびスレーブコントローラ82、83への電力供給を遮断するリレーを、直列に接続された第1リレー41および第2リレー42で二重化したので、一方が故障して切断できない状態となっても、他方で遮断できるため、非常停止時に各コントローラ81〜83を確実に停止できる。従って、前述したように、各油圧制御弁50のスプールが中立位置に移動して作動油の供給が停止するため、作業機3等を停止できる(ステップS38)。
また、ラダー用油圧シリンダ271やサービスアーム用油圧シリンダ281への制御信号も停止するため、昇降ラダー27やサービスアーム28の昇降も停止できる(ステップS38)。
その上、前述したように、電気モータ100も停止して、油圧ポンプ5も停止するため、作業機3などの油圧で駆動される油圧駆動装置を停止できる。
このように、非常停止スイッチ45を押すことで、油圧ショベル1を停止でき、他の建設機械との衝突等を防止できて安全性を向上できる。
また、第2リレー42は、ポンプコントローラ80から制御信号が出力されている場合に接続状態に制御される。このため、ポンプコントローラ80のCPUに異常が発生した場合には、ポンプコントローラ80からの制御信号が停止するため、第2リレー42を切断状態にでき、各コントローラ81〜83への電力供給を停止できる。従って、ポンプコントローラ80に異常が発生しても、油圧ショベル1を確実に停止でき、安全性を向上できる。
さらに、第2リレー42は、ポンプコントローラ80で制御されるため、非常停止スイッチ45が押された場合だけでなく、エンジン、電気モータ100、作業機3等の動作状態等を検出するセンサのデータなどから、非常停止動作が必要な状況であるかを判定するプログラム(ロジック)をポンプコントローラ80に組み込んでおき、その判定結果に基づいて第2リレー42を停止することもできる。
[作業機停止スイッチ入力による制御]
次に、図12のフローチャートを参照して、作業機停止スイッチ46が押されて入力されている場合の制御について説明する。
作業機停止スイッチ46は、(1)昇降ラダー27の降下時、(2)サービスアーム28の降下時、(3)PPCロックレバーのロック時、(4)その他作業機のみを停止する場合に作業者の操作などによって入力される。従って、作業機停止スイッチ46は、例えば、昇降ラダー27の降下状態を確認できる昇降ラダー27の付近や、サービスアーム28の降下状態を確認できるサービスアーム28の付近に配置すればよい。
作業機停止スイッチ46が作業者によって押されると(ステップS41でYesの場合)、ACC電源44から供給される電力が第3リレー43の電磁コイルに流れなくなり、第3リレー43が切断状態とされる(ステップS42)。このため、バッテリー40から第1リレー41、第2リレー42を介して供給される電力がスレーブコントローラ82、83に流れなくなる。すなわち、非常停止スイッチ45が押された場合は、各コントローラ81〜83への電力供給が停止するが、作業機停止スイッチ46のみが押された場合は、マスターコントローラ81への電力供給は継続し(ステップS43)、スレーブコントローラ82、83への電力供給のみが停止する(ステップS44)。
このため、スレーブコントローラ82、83が停止することで、方向切換弁53への制御信号が出力されないため、油圧制御弁50のスプールが中立位置に移動して、油圧ポンプ5A,5B,5C,5Dからの作動油の供給が停止する。このため、作業機3や各モータ26,213L,213Rは停止する(ステップS45)。
一方、マスターコントローラ81は作動しているので、ラダー用油圧シリンダ271やサービスアーム用油圧シリンダ281は作動できる(ステップS45)。従って、昇降ラダー27やサービスアーム28を収納し忘れていたために、作業機停止スイッチ46を押して停止した場合には、マスターコントローラ81を用いて昇降ラダー27やサービスアーム28を収納できる。そして、作業機停止スイッチ46の入力が解除されて第3リレー43が接続状態に戻ると、スレーブコントローラ82、83も作動状態に復帰するため、作業機3や各モータ26,213L,213Rも作動できるようになる。
以上の通り、マスターコントローラ81、スレーブコントローラ82、83は、作業機3の動作を制御するため、本発明の作業機制御装置を構成する。また、ポンプコントローラ80は、非常停止スイッチ45の操作を検出して第2リレー42を制御するため、本発明の第2リレー制御装置を構成する。
また、作業機制御装置であるマスターコントローラ81は、作業機3以外の昇降ラダー27やサービスアーム28の駆動も制御するため、本発明の第1制御装置を構成する。
さらに、作業機制御装置であるスレーブコントローラ82、83は、作業機3の駆動を制御するため、本発明の第2制御装置を構成する。
なお、油圧ショベル1には、非常停止スイッチ45、作業機停止スイッチ46の他に、油圧ショベル1のメンテナンス作業時に作業機3等を停止するためのスイッチが設けられる場合がある。このメンテナンス用スイッチは、メンテナンス作業者が操作しやすい場所に設けられる。
そして、メンテナンス用スイッチが押された場合は、前記非常停止スイッチ45が押された場合と同じく、電気モータ100が停止し、第1リレー41、第2リレー42が切断されてコントローラ81〜83への電力供給が停止する。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第3リレー43は、作業機停止スイッチ46の入力で接続、切断が制御されていたが、第2リレー42と同様に、ポンプコントローラ80等の制御信号で制御してもよい。この場合、作業機3のみを停止させるロジックを設定できる。
また、前記実施形態では、2つのスレーブコントローラ82、83を設けていたが、1つのスレーブコントローラのみを設けてもよいし、3台以上のスレーブコントローラを設けてもよい。スレーブコントローラの台数は、油圧制御弁50の数などに応じて設定すればよく、少なくとも第2制御装置となる1台のスレーブコントローラを設ければよい。
また、マスターコントローラ81への入出力の信号数が多くなった場合は、複数のマスターコントローラ81を設けることもできる。
さらに、作業機制御装置としては、作業機3の少なくとも停止動作を制御できるものであればよく、作業機3を1台のコントローラで停止できる場合には、そのコントローラのみで構成すればよい。
前記実施形態では、パイロット式方向切換弁51を作動するバルブとして、比例制御弁52および方向切換弁53を設けていたが、例えば、2つの比例制御弁52を設けてパイロット式方向切換弁51のパイロット圧を制御してもよい。
前記実施形態では、マスターコントローラ81が比例制御弁52を制御し、スレーブコントローラ82、83が方向切換弁53を制御していたが、逆にしてもよい。すなわち、マスターコントローラ81が方向切換弁53を制御し、スレーブコントローラ82、83が比例制御弁52を制御してもよい。
前記実施形態では、シリンダ34〜36の駆動を複数系統の油圧回路で制御していたが、各油圧駆動装置の駆動を1つの油圧回路で制御してもよい。ただし、複数系統の油圧回路で制御したほうが、前述のとおり、1つの系統に異常が発生しても作業機の作動を継続できる利点がある。
前記実施形態では、第1操作信号出力装置71の出力は分岐せずにマスターコントローラ81に入力していたが、第1操作信号出力装置71の出力も第2操作信号出力装置72と同じく分岐し、第1操作信号をマスターコントローラ81およびスレーブコントローラ82の両方に入力してもよい。
前記実施形態では、マスターコントローラ81に第1操作信号および第2操作信号の2つの操作信号を入力していたが、第1操作信号のみを入力し、制御信号生成部813は第1操作信号に基づいて制御信号を生成してもよい。
また、入力に必要となる端子数が多くなり、マスターコントローラが備える入力端子数より多くなった時はマスターコントローラを複数とすることを可能とする。この時、操作具からの入力は複数のマスターコントローラに入力され、それぞれのマスターコントローラが制御対象とする比例制御弁を制御する。
本発明は、図1に示す油圧ショベル(ローディングショベル)1に限らず、図13に示すバックホーショベル1Aにも適用できる。バックホーショベル1Aは、車両本体2と、作業機3Aとを備える。車両本体2は、ローディングショベル1と同一の構成である。
作業機3Aは、バックホーショベル用のブーム31A、アーム32A、バケット33Aと、これらを駆動するブームシリンダ34A、アームシリンダ35A、バケットシリンダ36Aを備える。バックホーショベル1Aでは、バケット33Aは開閉しないため、クラムシリンダは設けられていない。
さらに、本発明は油圧ショベルに限らず、油圧ポンプで駆動される油圧駆動装置を有する各種の作業機械に適用できる。
1…油圧ショベル、2…車両本体、3…作業機、5、5A,5B,5C,5D…油圧ポンプ、21…走行体、22…旋回体、26…旋回モータ、27…昇降ラダー、28…サービスアーム、34…ブームシリンダ、35…アームシリンダ、36…バケットシリンダ、37…クラムシリンダ、40…バッテリー、41…第1リレー、42…第2リレー、43…第3リレー、44…ACC電源、45…非常停止スイッチ、46…作業機停止スイッチ、50…油圧制御弁、51…パイロット式方向切換弁、52…比例制御弁、53…方向切換弁、60…操作具、71…第1操作信号出力装置、72…第2操作信号出力装置、80…ポンプコントローラ、81…第1制御装置であるマスターコントローラ、82、83…第2制御装置であるスレーブコントローラ、100…電気モータ、101…第1制御リレー、102…第2制御リレー、103…第3制御リレー、104…電気モータ用入力電源、213L…左走行モータ、213R…右走行モータ、271…ラダー用油圧シリンダ、281…サービスアーム用油圧シリンダ、401…電力供給ライン。

Claims (7)

  1. 作業機を備えた作業機械の非常停止システムであって、
    非常停止スイッチと、
    前記作業機の停止動作を制御可能な作業機制御装置と、
    前記作業機制御装置に電力を供給する電源と、
    前記電源および前記作業機制御装置間を接続する電力供給ラインと、
    前記電力供給ラインに設けられて前記作業機制御装置への電力供給を制御する第1リレーおよび第2リレーと、
    前記非常停止スイッチの開閉状態を検出して前記第2リレーを制御する第2リレー制御装置と、を備え、
    前記第1リレーは、前記非常停止スイッチで制御され、前記非常停止スイッチが入力された非常状態では前記電力供給ラインを切断し、
    前記第2リレー制御装置は、前記非常停止スイッチが入力された非常状態を検出すると、前記第2リレーを制御して前記電力供給ラインを切断し、
    前記第1リレーまたは前記第2リレーによって前記電力供給ラインが切断されて前記電源から前記作業機制御装置への電力供給が停止した場合は、前記作業機は停止する
    ことを特徴とする作業機械の非常停止システム。
  2. 請求項1に記載の作業機械の非常停止システムにおいて、
    前記第2リレーは、前記第2リレー制御装置から制御信号が入力されない場合には、前記電力供給ラインを切断する
    ことを特徴とする作業機械の非常停止システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の作業機械の非常停止システムにおいて、
    前記作業機制御装置は、
    前記作業機および作業機以外の装置の駆動を制御する第1制御装置と、
    前記作業機の駆動を制御する第2制御装置とを備え、
    前記電力供給ラインには、前記第2制御装置への電力供給のみを制御する第3リレーが設けられ、
    前記第3リレーのみが切断された場合には、前記第2制御装置のみが停止して第2制御装置で制御される作業機が停止する
    ことを特徴とする作業機械の非常停止システム。
  4. 請求項3に記載の作業機械の非常停止システムにおいて、
    前記第3リレーを制御する作業機停止スイッチが設けられ、
    前記第3リレーは、前記作業機停止スイッチで制御され、前記作業機停止スイッチが入力された状態では前記電力供給ラインを切断し、前記第2制御装置への電力供給を遮断する
    ことを特徴とする作業機械の非常停止システム。
  5. 請求項3または請求項4に記載の作業機械の非常停止システムにおいて、
    前記作業機械は、走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体とを備えた油圧ショベルであり、
    前記上部旋回体は、ラダーまたはサービスアームを備える
    ことを特徴とする作業機械の非常停止システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の作業機械の非常停止システムと、
    前記作業機を駆動する駆動機構と、を備える作業機械であって、
    前記駆動機構は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油により駆動される油圧駆動装置と、前記油圧ポンプから前記油圧駆動装置への作動油の供給を制御する油圧制御弁とを備え、
    前記作業機制御装置は、前記油圧制御弁を制御する制御信号を出力するバルブコントローラで構成され、
    前記油圧制御弁は、前記第1リレーまたは前記第2リレーが切断されて前記作業機制御装置が停止して前記作業機制御装置から前記制御信号の入力が無くなった場合には、前記作動油の供給を停止する停止状態となる
    ことを特徴とする作業機械。
  7. 作業機と、
    非常停止スイッチと、
    前記作業機の停止動作を制御可能な作業機制御装置と、
    前記作業機制御装置に電力を供給する電源と、
    前記電源および前記作業機制御装置間を接続する電力供給ラインと、
    前記電力供給ラインに設けられて前記作業機制御装置への電力供給を制御する第1リレーおよび第2リレーと、
    前記非常停止スイッチの開閉状態を検出して前記第2リレーを制御する第2リレー制御装置と、を備えた作業機械の非常停止方法であって、
    前記非常停止スイッチが入力された非常状態では、前記第1リレーは前記電力供給ラインを切断し、
    前記非常停止スイッチが入力された非常状態を検出した前記第2リレー制御装置は、前記第2リレーを制御して前記電力供給ラインを切断し、
    前記第1リレーまたは前記第2リレーによって前記電力供給ラインが切断されて前記電源から前記作業機制御装置への電力供給が停止した場合は、前記作業機は停止する
    ことを特徴とする作業機械の非常停止方法。
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