JP6242548B1 - フィードフォワード送信機及び送信システム - Google Patents

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Abstract

フィードフォワード送信機(20)は、複数チャネルの送信信号がそれぞれ入力されるべき入力ポート(211〜21n)と、これら送信信号を合成する信号合成器(22)と、信号合成器(22)の出力信号の電力を増幅するフィードフォワード増幅器(25)と、フィードフォワード増幅器(25)の動作状態を定める制御信号(CS)を生成し、当該制御信号(CS)をフィードフォワード増幅器(25)に供給する制御回路(26)と、当該送信信号の検出結果を示す検出信号(DS)を出力する信号検出部(231〜23n)とを備える。制御回路(26)は、検出信号(DS)に基づいて制御パラメータ(Ca,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vge)を決定し、これら制御パラメータを用いて制御信号(CS)を生成する。

Description

本発明は、複数チャネルの変調波信号の電力を増幅する増幅器の入出力特性の非線形性を補償する技術に関し、特に、複数チャネルの変調波信号の電力を一括して増幅する共通増幅構成の入出力特性の非線形性を補償する技術に関するものである。
通信用の増幅器の入出力特性が非線形性を有する場合、当該増幅機は、その非線形性により、入力信号を増幅する際に出力信号波形に歪み(以下「非線形歪み」ともいう。)を生じさせる。通信システムでは、線形な信号伝送が求められるため、増幅器で発生する歪みを補償するために歪み補償回路が用いられる。
歪み補償回路の種類は、負帰還型、フィードフォワード型及びプリディスト−ション型の3つに大きく分類される。負帰還型の増幅器は、主に、狭帯域の変調波信号に対して用いられており、フィードフォワード型及びプリディスト−ション型の増幅器は、たとえば、比較的広帯域な変調波信号を増幅する基地局用の増幅器として用いられている。また、プリディストーション型の増幅器としては、ディジタル信号処理を用いたディジタル・プリディストーション技術が組み込まれることが多い。近年では、基地局において、モデムで生成された変調波信号の情報をフィードバックできるディジタル・プリディストーションが広く採用されている。フィードフォワード型の増幅器は、たとえば、特許文献1(特開2007−013946号公報)に開示されている。
特開2007−013946号公報
複数チャネルの送信信号の電力を増幅する手段としては、複数の増幅器を使用して複数チャネルの送信信号を個別に増幅する個別増幅構成と、複数チャネルの送信信号を合成して1つの合成信号を生成し、1つの増幅器を使用してこの合成信号を増幅する共通増幅構成とがある。
フィードフォワード型増幅器を使用する共通増幅構成の場合、フィードフォワード型増幅器は、合成信号のレベルが略一定のときは、高効率で非線形歪みを低減することが可能である。しかしながら、合成信号のレベルまたはその周波数帯域が可変する送信システムでは、フィードフォワード型増幅器は、そのレベルまたは周波数帯域に適した状態で動作することができるとは限らないため、効率の低下、消費電力の増大または歪み補償量の劣化が生じるおそれがある。
上記に鑑みて本発明の目的は、複数チャネルの送信信号を高効率で増幅して送信することができる共通増幅構成を有するフィードフォワード送信機及び送信システムを提供することである。
本発明の一態様によるフィードフォワード送信機は、複数チャネルの送信信号がそれぞれ入力されるべき複数の入力ポートと、前記複数チャネルの送信信号を合成する信号合成器と、前記信号合成器の出力信号の電力を増幅するフィードフォワード増幅器と、前記フィードフォワード増幅器を構成する少なくとも1つの回路素子の動作状態を定める制御信号を生成し、当該制御信号を前記フィードフォワード増幅器に供給する制御回路と、前記複数の入力ポートに入力された送信信号の信号レベルそれぞれ検出する複数の検出器、前記複数の入力ポートに入力された当該送信信号の周波数をそれぞれ検出する複数の周波数検出器とを備え、前記制御回路は、前記複数の検出器でそれぞれ検出された当該信号レベルと前記複数の周波数検出器でそれぞれ検出された当該周波数とに基づいて、前記フィードフォワード増幅器の周波数特性を制御する単数または複数の制御パラメータを決定し、前記単数または複数の制御パラメータを用いて前記制御信号を生成することを特徴とする。
本発明によれば、複数チャネルの送信信号を高効率で増幅して送信することができる共通増幅構成を実現することができる。
本発明に係る実施の形態1の送信システムの概略構成を示す図である。 図2A及び図2Bは、実施の形態1の制御回路における参照テーブルの内容の例を示す図である。 図3A〜図3Dは、実施の形態1のフィードフォワード増幅器の動作状態の1つ(状態1)を説明するための概略図である。 図4A〜図4Dは、実施の形態1のフィードフォワード増幅器の動作状態の1つ(状態2)を説明するための概略図である。 図5A〜図5Dは、実施の形態1のフィードフォワード増幅器の動作状態の1つ(状態3)を説明するための概略図である。 状態1〜3におけるフィードフォワード増幅器の歪み特性の一例を示すグラフである。 図7A及び図7Bは、状態1〜3におけるモデムの動作個数と消費電力との関係を示すグラフである。 実施の形態1の制御回路の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態2の送信システムの概略構成を示す図である。 実施の形態2の位相回路の構成例を示す図である。 実施の形態2の位相回路の他の構成例を示す図である。 実施の形態2の制御回路における参照テーブルの内容の例を概略的に示す図である。 図13A〜図13Dは、実施の形態2のフィードフォワード増幅器の動作状態の1つ(状態1)を説明するための概略図である。 図14A〜図14Dは、実施の形態2のフィードフォワード増幅器の動作状態の1つ(状態2)を説明するための概略図である。 図15A〜図15Dは、実施の形態2のフィードフォワード増幅器の動作状態の1つ(状態3)を説明するための概略図である。 図16A〜図16Dは、実施の形態2のフィードフォワード増幅器の動作状態の1つ(状態4)を説明するための概略図である。 図17A〜図17Dは、実施の形態2のフィードフォワード増幅器の動作状態の1つ(状態5)を説明するための概略図である。 実施の形態2の制御回路の制御手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る位相偏差と振幅偏差との対応関係を示すグラフである。 図20A及び図20Bは、実施の形態2に係る群遅延時間特性の例を示すグラフである。 実施の形態2のFF増幅器の出力の電力スペクトルの例を示すグラフである。 本発明に係る実施の形態3の送信システムの概略構成を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る種々の実施の形態について詳細に説明する。なお、図面全体において同一符号を付された構成要素は、同一構成及び同一機能を有するものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1の送信システムの概略構成を示す図である。本実施の形態の送信システムは、nチャネル(nは4以上の整数)の変調波信号をnチャネルの送信RF信号として並列に出力することができる変調器10と、これらnチャネルの送信RF信号を一括して増幅することができる共通増幅構成を有するフィードフォワード送信機(FF送信機)20とを備えて構成されている。
FF送信機20は、nチャネルの送信RF信号がそれぞれ入力されるn個の入力ポート21〜21と、当該nチャネルの送信RF信号を合成して合成信号を出力する電力合成器(RF信号電力合成器)22と、その合成信号の電力を増幅しかつ非線形歪みを補償するフィードフォワード増幅器(FF増幅器)25と、FF増幅器25から入力された増幅信号を外部に出力する出力ポート29と、FF増幅器25を構成する回路素子32,33,34,41,52,53,54の動作状態を個別に定める制御信号CSを生成する制御回路26と、入力ポート21〜21に入力された送信RF信号を検出する電力検出器23〜23とを備える。電力検出器23〜23(以下、「検出器23〜23」ともいう。)は、入力ポート21〜21にそれぞれ入力された送信RF信号の検出レベルを示す信号D〜Dを検出信号DSとして制御回路26に供給する。これら電力検出器23〜23によって本実施の形態の信号検出部が構成される。
制御回路26は、検出信号DSに基づいて制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定し、これら制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを用いて制御信号CSを生成する機能を有している。
変調器10は、n個のモデムM〜Mで構成されている。これらモデムM〜Mは、それぞれ、周波数帯域の異なるnチャネルの変調波信号を生成し、これらnチャネルの変調波信号をnチャネルの送信RF信号としてFF送信機20に出力する。なお、本実施の形態の送信システムは、4チャネル以上のnチャネルの送信RF信号を一括して増幅する共通増幅構成を有しているが、これに限定されるものではない。2チャネルまたは3チャネルの送信RF信号を一括して増幅するように本実施の形態の共通増幅構成を適宜変更することが可能である。
FF増幅器25は、図1に示されるように、歪み抽出ループを構成する回路素子群として、カップラ31、可変減衰器32、可変移相器33、主増幅器34、カップラ40、可変減衰器41、遅延線路35及びカップラ42を有している。主増幅器34で発生した非線形歪み成分は、この歪み抽出ループで抽出される。また、FF増幅器25は、歪み除去ループを構成する回路素子群として、カップラ40、可変減衰器41、カップラ42、可変減衰器52、可変移相器53、誤差増幅器54、遅延線路55及びカップラ56を有している。可変減衰器52、可変移相器53及び誤差増幅器54により、その抽出された非線形歪み成分の振幅及び位相が調整される。そして、カップラ56は、主増幅器34から遅延線路55を経由して伝送された増幅信号と、誤差増幅器54から伝送された非線形歪み成分とを互いに逆位相で合成することにより、当該増幅信号に含まれる非線形歪み成分を低減することができる。なお、このFF増幅器25の構成は例示であり、本発明のフィードフォワード増幅器はこの構成に限定されるものではない。
制御パラメータCaは、可変減衰器32における信号減衰量を制御する信号値を示し、制御パラメータCbは、可変移相器33における移相補正量を制御する信号値を示し、制御パラメータCcは、可変減衰器41における信号減衰量を制御する信号値を示し、制御パラメータCdは、可変減衰器52における信号減衰量を制御する信号値を示し、制御パラメータCeは、可変移相器53における移相補正量を制御する信号値を示している。
主増幅器34及び誤差増幅器54の各々は、電界効果トランジスタ(FET)で構成されているが、電界効果トランジスタに代えてバイポーラトランジスタを使用して構成されてもよい。制御パラメータVdmは、主増幅器34のドレイン電圧(またはコレクタ電圧)を制御する制御電圧を示し、Vgmは、主増幅器34のゲート電圧(またはベース電圧)を制御する制御電圧を示す。制御回路26は、制御パラメータVdm,Vgmを変化させることで、主増幅器34の動作状態(たとえば、動作級または飽和電力)を制御することができる。一方、制御パラメータVdeは、誤差増幅器54のドレイン電圧(またはコレクタ電圧)を制御する制御電圧を示し、制御パラメータVgeは、誤差増幅器54のゲート電圧(またはベース電圧)を制御する制御電圧を示している。制御回路26は、制御パラメータVde,Vgeを変化させることで、誤差増幅器54の動作状態(たとえば、動作級または飽和電力)を制御することが可能である。
本実施の形態の制御回路26は、検出信号DSに基づき、モデムM〜Mの動作個数すなわち入力ポート21〜21に入力された送信RF信号の個数(一定レベル以上の電力を有する送信RF信号の個数)を推定し、参照テーブル(TBL)27を利用して、その個数の推定値に応じて制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定することができる。本実施の形態では、k番目のモデムMが動作しているとき、このモデムMは、k番目チャネルの送信RF信号を出力するが、モデムMが動作を停止しているとき、このモデムMは、送信RF信号を出力しない。このため、モデムM〜Mの動作個数は、入力ポート21〜21に入力された送信RF信号の個数と一致する。
図2A及び図2Bは、チャネル数n=8の場合のTBL27の内容の例を示す図である。n=8の場合、8チャネルの送信RF信号の有無の組み合わせの数は、256通り存在する。図2Aは、その組み合わせ番号Nc(=1〜256)と、送信RF信号に割り当てられているチャネル番号Nm(=1〜8)と、制御用のパターンPTN1〜PTN9との組み合わせを表形式で示す図である。図2Aのテーブルにおいて、「0」の値は、入力された送信RF信号が無い場合、言い換えれば、対応するモデムが動作していない場合を示す。一方、「1」の値は、入力された当該送信RF信号が有りの場合、言い換えれば、対応するモデムが動作している場合を示している。
図2Bは、制御用のパターンPTN1〜PTN9と、モデムM〜Mの動作個数(すなわち、入力ポート21〜21に入力された送信RF信号の個数)と、FF増幅器25の4種類の状態(「電源オフ」,「状態1」,「状態2」及び「状態3」)との間の対応関係を表形式で表す図である。制御回路26は、モデムM〜Mのうち5〜8個のモデムが動作している場合は「状態1」を選択し、3〜4個のモデムが動作している場合は「状態2」を選択し、1〜2個のモデムが動作している場合は「状態3」を選択する。状態2では、FF増幅器25の誤差増幅器54の動作が停止させられ、主増幅器34のみが動作する。このときの主増幅器34に対するバイアス条件は、状態1のそれとは異なる。状態3は、状態2の場合より更にバイアス条件が変更された状態である。
たとえば、モデムM〜Mの動作個数の推定値が零個の場合、制御回路26は、図2Aに示すパターンPTN1(Nc=1)を選択し、図2Bのテーブルを参照してパターンPTN1に対応する「電源オフ」の状態を選択する。このとき、制御回路26は、FF増幅器25の動作を停止させる制御信号CSを生成する。一方、モデムM〜Mの動作個数が1個の場合、制御回路26は、図2Aに示すパターンPTN2(Nc=2〜9)を選択し、図2Bのテーブルを参照してパターンPTN2に対応する「状態3」を選択する。
図3A,図3B,図3C及び図3Dは、「状態1」のときの送信RF信号の検出結果D〜D、これら送信RF信号のレベル、制御信号CSの内容、及びFF増幅器25の動作状態をそれぞれ概略的に示す図である。図3Dには、それぞれの段階での信号レベルS11〜S14の概略が例示されている。また、図4A,図4B,図4C及び図4Dは、「状態2」のときの送信RF信号の検出結果D〜D、これら送信RF信号のレベル、制御信号CSの内容、及びFF増幅器25の動作状態をそれぞれ概略的に示す図である。図4Dには、それぞれの段階での信号レベルS21,S22,S24の概略が例示されている。そして、図5A,図5B,図5C及び図5Dは、「状態3」のときの送信RF信号の検出結果D〜D、これら送信RF信号のレベル、制御信号CSの内容、及びFF増幅器25の動作状態をそれぞれ概略的に示す図である。図5Dには、それぞれの段階での信号レベルS31,S32,S34の概略が例示されている。
状態1では、制御回路26は、モデムM〜Mの動作個数が5個〜8個である場合に適した動作をさせるようにFF増幅器25を制御する。状態2では、制御回路26は、誤差増幅器54をピンチオフさせて動作させず、主増幅器34のドレイン電圧を状態1と同じ状態で、ゲート電圧を変化させることで主増幅器34の特性をA級動作特性に近い特性に変化させている。状態3は、状態2から更にドレイン電圧が下げられ、飽和電力が下げられた状態である。FF増幅器25の動作状態が状態1から状態2に移行するときにゲート電圧が変更されている理由は、通常、FF増幅器25の主増幅器34は、高効率で動作させられているので、状態1のバイアス条件で主増幅器34を動作させた場合には非線形歪みが悪化するためである。
図6は、状態1,状態2及び状態3のときのFF増幅器25の歪み特性の例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、モデムM〜Mの動作個数が8個の場合の飽和電力を基準にして定められた出力バックオフ(単位:dB)を示し、縦軸は、隣接チャネル漏えい電力比(Adjacent Channel Leakage Ratio:ACLR)(単位:dBc)を示している。このグラフ中、曲線C1,C2,C3は、それぞれ状態1,2,3の場合の歪み特性を示している。ACLR=−50dBcがスペックとされた場合、状態1のときの出力バックオフとして約6dB、状態2のときの出力バックオフとして約9dB、状態3のときの出力バックオフとして約12dBがそれぞれ必要となることがわかる。今、モデムM〜Mの出力は一定であるから、モデムM〜Mの動作個数が8個から4個に変化すると、出力バックオフが3dB低下することになる。
FF増幅器25の入出力特性は、変調器10から入力される送信RF信号の電力合計、及び使用される変調波のPAPR(Peak−to−Average Power Ratio:平均電力に対するピーク電力の比)に応じて変化する。状態1は、モデムM〜Mのうち5個〜8個のモデムが動作している場合に選択される状態である。この状態1のとき、FF増幅器25は、フィードフォワード増幅器としての本来の機能(入出力特性を線形特性にするための非線形歪み補償方式の機能)を発揮するように制御される。
状態2は、モデムM〜Mのうち3個または4個のモデムが動作している場合に選択される状態である。本実施の形態では、4個のモデムが動作する場合は、8個のモデムが動作する場合と比べて電力が3dBだけ小さくなる。この場合、仮に、FF増幅器25がフィードフォワード増幅器としての本来の機能を発揮するように動作すれば、歪み補償量が小さいにもかかわらず、誤差増幅器54の系統が動作するので、消費電力が大きくなる。そこで、制御回路26は、状態2のとき、FF増幅器25において誤差増幅器54の系統を動作させず、主増幅器34の系統のみを動作させて消費電力の低減を実現する。状態1のとき、制御回路26は、FF増幅器25の効率を上げるために、主増幅器34の制御電圧Vgmを調整して主増幅器34をAB級増幅器として動作させる。状態2のときは、主増幅器34の歪み特性は補償されないので、制御回路26は、制御電圧Vgmを調整して主増幅器34をA級増幅器として動作させる。これにより、主増幅器34の線形性は向上する。前述のとおり、図6のグラフは、8個のモデムが動作するときの飽和出力を基準にした出力バックオフとACLRとの関係を示している。このグラフによれば、状態1に対して状態2は、3dBの電力低減に対して−50dBcのACLRを満たすことができる。また、モデムM〜Mの動作個数とFF送信機20の消費電力との関係から、状態1が状態2へ遷移することで消費電力の低減が可能となる。
状態3は、モデムM〜Mのうち1個または2個のモデムが動作している場合に選択される状態であり、状態2から更に3dBの電力が下がった状態である。状態2のACLRは、4個のモデムのときに−50dBcを満たしていたので、更に3dBの電力低減が生じると、ACLRが過剰に満たされる。そこで、制御回路26は、制御電圧Vdmを調整することで主増幅器34の飽和電力を低下させて消費電力の低減を実現する。状態2に対して状態3は、3dBの電力低減に対して−50dBcのACLRを満たすことができる。
図7Aは、状態1,状態2及び状態3のFF増幅器25の消費電力の例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、モデムM〜Mの動作個数を示し、縦軸は、FF増幅器25の消費電力(単位:ワット)を示している。実線P1,P2,P3は、それぞれ状態1,2,3の場合の消費電力を示す。また、図7Bは、制御回路26が図2Bのテーブルを用いてFF増幅器25の動作を制御した場合の消費電力Paの推移を示すグラフである。図7Bに示されるようにモデムM〜Mの個数に応じて最小の消費電力が選択されている。
上述のとおり、本実施の形態の制御回路26は、モデムM〜Mの動作個数の推定値に基づいて制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定する。この代わりに、制御回路26は、検出信号DSから入力RF信号の電力合計を推定し、当該電力合計に応じて制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定してもよい。この場合、TBL27には、電力合計値とFF増幅器25の状態との対応関係が記憶されていればよい。制御回路26は、このTBL27を用いて、当該電力合計に適したFF増幅器25の状態を選択し、当該状態を実現するための制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定することができる。
次に、図8を参照しつつ、上記した制御回路26の制御手順について説明する。図8は、制御回路26の制御手順の一例を示すフローチャートである。図8を参照すると、制御回路26は、電力検出器23〜23の出力に基づいてモデムM〜Mの動作個数を推定する(ステップST11)。次いで、制御回路26は、その推定された動作個数に基づき、FF増幅器25の状態を決定する(ステップST12)。このとき、制御回路26は、上述したとおり、TBL27を用いて、当該推定された動作個数に適したFF増幅器25の状態(「電源オフ」、「状態1」、「状態2」または「状態3」)を決定することができる。
次に、制御回路26は、ステップST12で決定された状態に基づいて、制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定する(ステップST13)。その後、制御回路26は、これら制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeに基づいて制御信号CSを生成し、この制御信号CSをFF増幅器25に供給することによりFF増幅器25の動作を制御する(ステップST14)。その後、制御を終了しない場合は(ステップST15のNO)、制御回路26は、ステップST11〜ST14を再度実行する。外部からの終了指示を受けたとき、あるいは、所定の終了条件が満たされたとき、制御回路26は、制御を終了する(ステップST15のYES)。
以上に説明したように実施の形態1におけるFF送信機20は、変調器10から供給されたnチャネルの送信信号を合成して合成信号を出力する電力合成器22と、この合成信号の電力を増幅するFF増幅器25とを含む共通増幅構成を有しており、当該nチャネルの送信信号に応じて、その合成信号のレベルが変化し得る。その合成信号のレベルが変化した場合でも、制御回路26は、検出信号DSに基づいて制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定し、これら制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを用いて制御信号CSを生成するので、FF増幅器25は、その合成信号のレベルの変化に応じて、制御信号CSで指定された適切な動作状態に遷移することができる。したがって、複数チャネルの送信信号を高効率で増幅することができる共通増幅構成が実現される。
実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2について説明する。図9は、本発明に係る実施の形態2の送信システムの概略構成を示す図である。本実施の形態の送信システムは、nチャネルの送信RF信号を供給する変調器10と、これらnチャネルの送信RF信号を一括して増幅することができる共通増幅構成を有するフィードフォワード送信機(FF送信機)20Aとを備えて構成されている。
FF送信機20Aは、入力ポート21〜21と、電力合成器22と、電力合成器22から出力された合成信号の電力を増幅しかつ非線形歪みを補償するフィードフォワード増幅器(FF増幅器)25Aと、出力ポート29と、検出信号DSを供給する電力検出器23〜23と、制御回路26Aとを備える。FF送信機20Aは、更に、入力ポート21〜21に入力された送信RF信号の周波数(周波数帯域または中心周波数)Δ〜Δを検出し、その検出結果を示す信号F〜Fを検出信号FSとして制御回路26Aに供給する周波数検出器24〜24を備えている。
制御回路26Aは、検出信号DS,FSに基づいて、FF増幅器25Aを構成する回路素子32,36,34,41,52,57,54の動作状態を個別に定める制御信号CSaを生成し、この制御信号CSaをFF増幅器25Aに供給することでFF増幅器25Aの動作状態を制御することができる。
本実施の形態のFF増幅器25Aの構成は、図1の可変移相器33,53に代えて図9の移相回路36,57を有する点を除いて、上記実施の形態1のFF増幅器25の構成と同じである。図10及び図11は、ローパス型の整合回路を有する移相回路36,57の構成例を示す図である。
図10に示される移相回路36は、可変移相器61、遅延線路62、容量素子63、可変容量素子64及び抵抗素子65を有している。可変移相器61は、制御パラメータCbによって制御される。すなわち、制御パラメータCbにより、可変移相器33における移相補正量が制御される。可変容量素子64は、たとえば、バラクタダイオード(可変容量ダイオード)で構成可能である。可変移相器61及び遅延線路62は、可変減衰器32と34との間で、互いに直列に接続されている。容量素子63の一端は、遅延線路62の一端と接続され、容量素子63の他端は、可変容量素子64の一端と抵抗素子65の一端とに接続されている。可変容量素子64の他端は接地されている。また、抵抗素子65の他端には、制御回路26Aから供給される制御パラメータの1つである制御電圧Vpmが印加される。制御回路26Aは、制御電圧Vpmを変化させることで、移相回路36の整合回路(遅延線路62、容量素子63、可変容量素子64及び抵抗素子65)のキャパシタンスを変化させて、移相回路36への入力信号の周波数帯域を変更することができる。
一方、図11に示される移相回路57は、可変移相器71、遅延線路72、容量素子73、可変容量素子74及び抵抗素子75を有している。可変移相器71は、制御パラメータCeによって制御される。すなわち、制御パラメータCeにより、可変移相器71における移相補正量が制御される。可変容量素子74は、たとえば、バラクタダイオード(可変容量ダイオード)で構成可能である。可変移相器71及び遅延線路72は、可変減衰器52と54との間で、互いに直列に接続されている。容量素子73の一端は、遅延線路72の一端と接続され、容量素子73の他端は、可変容量素子74の一端と抵抗素子75の一端とに接続されている。可変容量素子74の他端は接地されている。また、抵抗素子75の他端には、制御回路26Aから供給される制御パラメータの1つである制御電圧Vpeが印加される。制御回路26Aは、制御電圧Vpeを変化させることで、移相回路57の整合回路(遅延線路72、容量素子73、可変容量素子74及び抵抗素子75)のキャパシタンスを変化させて、移相回路57への入力信号の周波数帯域を変更することができる。
制御回路26Aは、検出信号DSに基づき、モデムM〜Mの動作個数すなわち入力ポート21〜21に入力された送信RF信号の個数(一定レベル以上の電力を有する送信RF信号の個数)を推定するとともに、検出信号FSに基づき、特定の周波数帯域(特定帯域)の送信RF信号が入力ポート21〜21に入力されたか否かを判定する。そして、制御回路26Aは、参照テーブル(TBL)27Aを利用して、その動作個数の推定値及び判定結果に応じて制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vge,Vpm,Vpeを決定することができる。
TBL27Aは、たとえば、図2Aに示したテーブルと、図12に示されるテーブルとを記憶することができる。制御回路26Aは、図2Aのテーブルを利用して制御用のパターンPTN1〜PTN9の中から1つのパターンPTNkを決定し、その後、図12のテーブルを利用して、6つの状態(「電源オフ」、「状態1」、「状態2」、「状態3」、「状態4」及び「状態5」)の中から、当該動作個数の推定値及び判定結果に応じた状態を選択することができる。
図12のテーブルによれば、制御回路26Aは、モデムM〜Mのうち6〜8個のモデムが動作している場合は「状態1」を選択し、5個のモデムが動作している場合は「状態2」または「状態3」のいずれか一方を選択し、3〜4個のモデムが動作している場合は「状態4」を選択し、1〜2個のモデムが動作している場合は「状態5」を選択し、動作しているモデムが存在しない場合は「電源オフ」の状態を選択する。5個のモデムが動作し、かつ、特定帯域の送信RF信号が入力ポート21〜21に入力されている場合には、「状態3」が選択される。一方、5個のモデムが動作し、かつ、特定帯域の送信RF信号が入力ポート21〜21のいずれにも入力されていない場合には、「状態2」が選択される。
図12のテーブルにおいては、モデムM〜Mの動作個数の推定値に代えて、入力RF信号の電力合計値が記憶されていてもよい。この場合、制御回路26Aは、このTBL27Aを用いて、当該電力合計に適したFF増幅器25Aの状態を選択することができる。
図13A,図13B,図13C及び図13Dは、「状態1」のときの送信RF信号の検出結果D〜D、これら送信RF信号のレベル及び電力合計(Dall)、制御信号CSaの内容、及びFF増幅器25Aの動作状態をそれぞれ概略的に示す図である。図13Dには、それぞれの段階での信号レベルS41〜S44の概略が例示されている。また、図14A,図14B,図14C及び図14Dは、「状態2」のときの送信RF信号の検出結果D〜D、これら送信RF信号のレベル及び電力合計(Dall)、制御信号CSaの内容、及びFF増幅器25Aの動作状態をそれぞれ概略的に示す図である。図14Dには、それぞれの段階での信号レベルS51〜S54の概略が例示されている。また、図15A,図15B,図15C及び図15Dは、「状態3」のときの送信RF信号の検出結果D〜D、これら送信RF信号のレベル及び電力合計(Dall)、制御信号CSaの内容、及びFF増幅器25Aの動作状態をそれぞれ概略的に示す図である。図15Dには、それぞれの段階での信号レベルS61〜S64の概略が例示されている。また、図16A,図16B,図16C及び図16Dは、「状態4」のときの送信RF信号の検出結果D〜D、これら送信RF信号のレベル及び電力合計(Dall)、制御信号CSaの内容、及びFF増幅器25Aの動作状態をそれぞれ概略的に示す図である。図16Dには、それぞれの段階での信号レベルS71,S72,S74の概略が例示されている。そして、図17A,図17B,図17C及び図17Dは、「状態5」のときの送信RF信号の検出結果D〜D、これら送信RF信号のレベル及び電力合計(Dall)、制御信号CSaの内容、及びFF増幅器25Aの動作状態をそれぞれ概略的に示す図である。図17Dには、それぞれの段階での信号レベルS81,S82,S84の概略が例示されている。
図18は、制御回路26Aの制御手順の一例を示すフローチャートである。図18を参照すると、制御回路26Aは、電力検出器23〜23の出力に基づいてモデムM〜Mの動作個数を推定する(ステップST21)。次いで、制御回路26Aは、周波数検出器24〜24の出力に基づいて特定帯域の入力信号の有無を判定する(ステップST22)。その後、制御回路26Aは、その推定された動作個数及び判定結果に基づき、FF増幅器25の状態を決定する(ステップST23)。このとき、制御回路26は、上述したとおり、TBL27Aを用いて、当該推定された動作個数及び判定結果に適したFF増幅器25Aの状態(「電源オフ」、「状態1」、「状態2」、「状態3」、「状態4」または「状態5」)を決定することができる。
次に、制御回路26Aは、ステップST23で決定された状態に基づいて、制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vge,Vpm,Vpeを決定する(ステップST24)。その後、制御回路26Aは、これら制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vge,Vpm,Vpeに基づいて制御信号CSaを生成し、この制御信号CSaをFF増幅器25Aに供給することによりFF増幅器25Aの動作を制御する(ステップST25)。その後、制御を終了しない場合は(ステップST26のNO)、制御回路26は、ステップST21〜ST25を再度実行する。外部からの終了指示を受けたとき、あるいは、所定の終了条件が満たされたとき、制御回路26Aは、制御を終了する(ステップST26のYES)。
以上に説明したように実施の形態2の送信システムは、変調器10から供給されたnチャネルの送信信号を合成して合成信号を出力する電力合成器22と、この合成信号の電力を増幅するFF増幅器25Aとを含む共通増幅構成を有しており、当該nチャネルの送信信号に応じて、その合成信号のレベルまたは周波数帯域が変化し得る。その合成信号のレベル及び周波数帯域の一方または双方が変化した場合でも、制御回路26Aは、検出信号DS,FSに基づいて制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vge,Vpm,Vpeを決定し、これら制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vge,Vpm,Vpeを用いて制御信号CSaを生成するので、FF増幅器25Aは、その合成信号のレベルまたは周波数帯域の変化に応じて、制御信号CSaで指定された適切な動作状態に遷移することができる。したがって、複数チャネルの送信信号を高効率で増幅して送信することができる共通増幅構成が実現される。
本実施の形態では、制御回路26Aは、合成信号の周波数帯域の変化に応じて、FF増幅器25Aの周波数特性(たとえば、群遅延時間の周波数に関する特性)を制御することができるので、実施の形態1と比べるとより細かな適応制御を行うことが可能である。
図19は、FF増幅器25Aにおける位相偏差、振幅偏差及び歪み除去量の関係の例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、位相偏差(単位:deg)を示し、縦軸は、振幅偏差(単位:dB)を示している。グラフ中の各曲線に歪み除去量の値(単位:dB)が付加されている。図19に示されるように、振幅偏差及び位相偏差が小さい場合は、歪み除去量が大きいが、振幅偏差及び位相偏差が大きくなるにつれて歪み除去量が小さくなっていることがわかる。本実施の形態のFF増幅器25Aは、図10に示したように可変移相器61の後段に整合回路を有する移相回路36を有し、図11に示したように可変移相器71の後段に整合回路を有する移相回路57を有するので、制御回路26Aは、制御電圧Vpm,Vpeを制御することで、FF増幅器25Aの群遅延時間特性(群遅延時間の周波数に関する特性)などの周波数特性を調整することができる。
FF増幅器25Aでは、非線形歪みが除去される場合に、変調波の非線形歪みの帯域において振幅偏差または位相偏差があったとき、非線形歪みの除去量が劣化する。特に位相に関しては群遅延時間に偏差が有ると位相偏差が大きくなる。
図20A及び図20Bは、FF増幅器25Aの群遅延時間特性の例を概略的に示す図である。図20Aは、調整前の群遅延時間特性を示し、図20Bは、調整後の群遅延時間特性を示している。図20Aに示されるように、全使用帯域Waにわたり群遅延時間特性はほぼ平坦な特性を示しているのに対し、高周波領域Wpでは、低周波領域に比して群遅延時間偏差が生じている。この群遅延時間偏差により、変調波の非線形歪みの帯域に位相偏差が生じてしまい、歪み除去量を劣化させる。そこで、制御電圧Vpm,Vpeを調整することにより、図20Bに示されるように高周波領域Wpの特性を平坦な特性にすることが可能となる。図20Bでは、全使用帯域Waの群遅延時間特性は、図20Aの群遅延時間特性に比して悪化しているが、高周波領域Waの群遅延時間特性は改善していることがわかる。図12のテーブルが使用される場合、制御回路26Aは、特定帯域の送信RF信号が検出されたときに、FF増幅器25Aの動作状態を状態2から状態3に切り替えることにより、歪み除去量の劣化を抑制することができる。
図21は、歪み除去量の劣化抑制により得られる効果の一例を示すグラフである。図21のグラフは、FF増幅器25Aの出力の電力スペクトルの例を表している。このグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は電力を示している。歪み除去量が劣化すると、図21の低周波数領域の電力スペクトルに歪みの影響を受けた部分kaが出現し、周波数に関して電力スペクトルのアンバランスが生じることがある。そこで、移相回路36に対する制御電圧Vpmが調整されると、主増幅器34の振幅偏差及び位相偏差が小さくなることで、歪みの影響を受けた部分kaが部分kbに変化する。これにより、電力スペクトルのアンバランスを改善することができる。
実施の形態3.
次に、本発明に係る実施の形態3について説明する。図22は、本発明に係る実施の形態3の送信システムの概略構成を示す図である。本実施の形態の送信システムは、nチャネルの送信RF信号を供給する変調器10と、これらnチャネルの送信RF信号を一括して増幅することができる共通増幅構成を有するフィードフォワード送信機(FF送信機)20Bとを備えて構成されている。
FF送信機20Bは、入力ポート21〜21と、電力合成器22と、FF増幅器25と、出力ポート29と、制御回路26Bとを備える。FF送信機20Bは、更に、電力合成器22から出力された合成信号の電力を検出し、その検出結果を示す検出信号Daを制御回路26Bに供給する電力検出器23を備えている。
制御回路26Bは、検出信号Daに基づいて、FF増幅器25を構成する回路素子32,33,34,41,52,53,54の動作状態を個別に定める制御信号CSを生成し、この制御信号CSをFF増幅器25に供給することでFF増幅器25の動作状態を制御することができる。
制御回路26Bは、検出信号Daに基づき、モデムM〜Mの動作個数すなわち入力ポート21〜21に入力された送信RF信号の電力合計を測定し、参照テーブル(TBL)27Bを利用して、その電力合計に応じた制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定することができる。TBL27Bにおいては、入力RF信号の電力合計値とFF増幅器25の選択可能な状態との対応関係が記憶されている。制御回路26Bは、このTBL27Bを用いて、当該電力合計に適したFF増幅器25の状態を選択することができる。
以上に説明したように実施の形態3におけるFF送信機20Bは、実施の形態1と同様の共通増幅構成を有しており、当該nチャネルの送信信号に応じて、その合成信号のレベルが変化し得る。その合成信号のレベルが変化した場合でも、制御回路26Bは、検出信号Daに基づいて制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを決定し、これら制御パラメータCa,Cb,Cc,Cd,Vdm,Vgm,Vde,Vgeを用いて制御信号CSを生成するので、FF増幅器25は、その合成信号のレベルの変化に応じて、制御信号CSで指定された適切な動作状態に遷移することができる。したがって、複数チャネルの送信信号を高効率で増幅することができる共通増幅構成が実現される。
以上、図面を参照して本発明に係る種々の実施の形態について述べたが、これら実施の形態は本発明の例示であり、これら実施の形態以外の様々な形態を採用することもできる。たとえば、実施の形態3の構成に実施の形態2の周波数検出器24〜24を組み込むことにより、実施の形態2と同様の効果を奏する形態が採用されてもよい。
本発明の範囲内において、上記実施の形態1〜3の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
本発明に係るフィードフォワード送信機及び送信システムは、複数チャネルの送信信号を一括して高効率で増幅することができるので、移動体通信及び衛星通信などの無線通信技術に使用されることに適している。
10 変調器、20,20A,20B フィードフォワード送信機(FF送信機)、21〜21 入力ポート、22 電力合成器、23,23〜23 電力検出器、24〜24 周波数検出器、25,25A フィードフォワード増幅器(FF増幅器)、26,26A,26B 制御回路、27,27A,27B 参照テーブル(TBL)、29 出力ポート、31,40,42,56 カップラ、32,41,52 可変減衰器、33,53,61,71 可変移相器、34 主増幅器、35,55,62,72 遅延線路、36,57 移相回路、54 誤差増幅器、63,73 容量素子、64,74 可変容量素子、65,75 抵抗素子。

Claims (7)

  1. 複数チャネルの送信信号がそれぞれ入力されるべき複数の入力ポートと、
    前記複数チャネルの送信信号を合成する信号合成器と、
    前記信号合成器の出力信号の電力を増幅するフィードフォワード増幅器と、
    前記フィードフォワード増幅器を構成する少なくとも1つの回路素子の動作状態を定める制御信号を生成し、当該制御信号を前記フィードフォワード増幅器に供給する制御回路と、
    前記複数の入力ポートに入力された送信信号の信号レベルそれぞれ検出する複数の検出器
    前記複数の入力ポートに入力された当該送信信号の周波数をそれぞれ検出する複数の周波数検出器と
    を備え、
    前記制御回路は、前記複数の検出器でそれぞれ検出された当該信号レベルと前記複数の周波数検出器でそれぞれ検出された当該周波数とに基づいて、前記フィードフォワード増幅器の周波数特性を制御する単数または複数の制御パラメータを決定し、前記単数または複数の制御パラメータを用いて前記制御信号を生成することを特徴とするフィードフォワード送信機。
  2. 請求項1記載のフィードフォワード送信機であって、前記制御回路は、前記複数の検出器でそれぞれ検出された当該信号レベルと前記複数の周波数検出器でそれぞれ検出された当該周波数とに基づいて、前記フィードフォワード増幅器を構成する主増幅器及び誤差増幅器の動作状態を個別に定める信号を前記制御信号として生成することを特徴とするフィードフォワード送信機。
  3. 請求項記載のフィードフォワード送信機であって、前記制御回路は、前記複数の検出器の出力に基づいて前記複数の入力ポートに入力された当該送信信号の個数を推定し、当該推定された個数に応じて前記単数または複数の制御パラメータを決定することを特徴とするフィードフォワード送信機。
  4. 請求項記載のフィードフォワード送信機であって、前記制御回路は、前記複数の検出器の出力に基づいて前記複数の入力ポートに入力された送信信号の電力合計を推定し、当該電力合計に応じて前記単数または複数の制御パラメータを決定することを特徴とするフィードフォワード送信機。
  5. 請求項記載のフィードフォワード送信機であって、前記少なくとも1つの回路素子は、前記フィードフォワード増幅器群遅延時間の周波数に関する特性を変更する回路素子を含ことを特徴とするフィードフォワード送信機。
  6. 複数チャネルの送信信号がそれぞれ入力されるべき複数の入力ポートと、
    前記複数チャネルの送信信号を合成する信号合成器と、
    前記信号合成器の出力信号の電力を増幅するフィードフォワード増幅器と、
    前記フィードフォワード増幅器を構成する少なくとも1つの回路素子の動作状態を定める制御信号を生成し、当該制御信号を前記フィードフォワード増幅器に供給する制御回路と、
    記信号合成器から出力された合成信号の電力を検出する検出器
    前記複数の入力ポートに入力された当該送信信号の周波数をそれぞれ検出する複数の周波数検出器と
    を備え、
    前記制御回路は、前記検出器で検出された当該電力と前記複数の周波数検出器でそれぞれ検出された当該周波数とに基づいて、前記フィードフォワード増幅器の周波数特性を制御する単数または複数の制御パラメータを決定し、前記単数または複数の制御パラメータを用いて前記制御信号を生成することを特徴とするフィードフォワード送信機。
  7. 請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のフィードフォワード送信機と、
    前記複数チャネルの送信信号を前記フィードフォワード送信機に供給する変調器と
    を備えることを特徴とする送信システム。
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