JP6241822B2 - 洋風便器装置 - Google Patents

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Description

本発明は、洋風便器装置に関する。
特許文献1には、洋風便器本体の後部上面に固定され、機能装置を収納するケーシングと、ケーシングに対して回動可能に設けられた便座とを備えた便座装置が記載されている。そして、この便座装置のケーシングは、ケーシング本体とカバーとからなり、カバーは、ケーシング本体の上面とヒンジなどで結合され、回動させてケーシング本体の上面を覆うものなどを採用できることが記載されている。
特開2008-297785号公報
しかしながら、特許文献1には、ケーシング本体を覆うカバーを回動させるための構造についての具体的な記載はない。ケーシング本体を覆うカバーは、簡便な構造によって容易かつ安定的に開閉操作できることが望まれている。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、簡便な構造で、ケーシング本体の上面を覆うカバーの開閉操作を容易かつ安定的に行うことができる洋風便器装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の洋風便器装置は、便器本体の後部上面に固定されたケーシングを備えた洋風便器装置であって、前記ケーシングは、ケーシング本体と、このケーシング本体の上面部を覆うカバーとを有し、前記ケーシング本体の上部後端には、前後方向に切欠かれた凹部が形成されており、この凹部において対向する内側面の一方には、後方斜め上方向に延びるガイド溝が形成されており、かつ、この凹部の底部には円弧状に切り欠かれた湾曲面が形成されており、前記カバーは、後端付近に、裏面側へ向かって突出する係合部を有し、この係合部には、側方に向かって突出する円柱形の突起が形成されており、かつ、前記係合部は、前記突起が前記ガイド溝内にスライド自在に挿入された状態で前記凹部に収納されており、前記ガイド溝における前記突起の位置が、前記カバーが閉鎖状態の際の位置より上方に位置している場合に、、前記突起を支軸とした前記係合部の回転によって前記カバーが回動自在とされており、前記カバーが回動する際に、前記係合部が前記凹部の前記湾曲面上を摺動することを特徴としている。
この洋風便器装置では、前記ガイド溝の上端および下端には、溝深さが一段深い円形凹段部が形成されていることが好ましい。
この洋風便器装置では、前記ケーシング本体の背面側の上端付近は前方に傾斜しており、垂直に起立した前記カバーが前記ケーシング本体の背面よりも前方に位置することがさらに好ましい。
この洋風便器装置では、前記ケーシング本体の前記凹部には、対向する前記内側面の間に、前後方向と平行な板状の第1のリブが配設されており、前記カバーの前記係合部は、前後方向と平行な2枚の側片が互いに対向して形成されており、この2枚の側片のうちの一方には、その側面に前記突起が形成されており、かつ、前記側片の間に前後方向と平行な板状の第2のリブが配設されており、前記突起を支軸とした前記係合部の回転によって前記カバーが回動する際に、前記第2のリブは、その側面が前記第1のリブの側面と近接対峙した状態で摺動すること一層好ましい。
本発明の洋風便器装置では、便器本体の後部上面に固定されたケーシングを備えた洋風便器装置であって、前記ケーシングは、ケーシング本体と、このケーシング本体の上面部を覆うカバーとを有し、前記ケーシング本体の上部後端には、前後方向に切欠かれた凹部が形成されており、この凹部において対向する内側面の一方には、内方に向かって突出する円柱形の突起が形成されており、かつ、この凹部の底部には円弧状に切り欠かれた湾曲面が形成されており、前記カバーは、後端付近に、裏面側へ向かって突出する係合部を有し、この係合部には、後方斜め上方向に延びるガイド溝が形成されており、かつ、前記係合部は、前記凹部の前記突起が前記ガイド溝内にスライド自在に挿入された状態で前記凹部に収納されており、前記ガイド溝における前記突起の位置が、前記カバーが閉鎖状態の際の位置より下方に位置している場合に、前記突起を支軸とした前記係合部の回転によって前記カバーが回動自在とされており、前記カバーが回動する際に、前記係合部が前記凹部の前記湾曲面上を摺動することを特徴としている。
本発明の洋風便器装置は、簡便な構造で、ケーシング本体の上面を覆うカバーの開閉操作を容易かつ安定的に行うことができる。
本発明の洋風便器装置の第1実施形態を例示した斜視図である。 本発明の洋風便器装置の第1実施形態のケーシングを例示した部分斜視図である 図2の洋風便器装置のケーシング(カバーを外した状態)の上部後端に形成された凹部付近を例示した拡大斜視図である。 図3とは別の角度からの凹部付近を例示した拡大斜視図である。 本発明の洋風便器装置の第1実施形態におけるケーシングのカバーを例示した裏面側からの斜視図である。 図5に例示したケーシングのカバーの係合部付近の拡大斜視図である。 本発明の洋風便器装置におけるカバーの係合部の動きとカバーの開閉状態との関係を例示した概要断面図および凹部付近の拡大縦断面図である。 本発明の洋風便器装置におけるカバーの係合部の動きとカバーの開閉状態との関係を例示した概要断面図および凹部付近の拡大縦断面図である。 本発明の洋風便器装置におけるカバーの係合部の動きとカバーの開閉状態との関係を例示した概要断面図および凹部付近の拡大縦断面図である。 本発明の洋風便器装置の第1実施形態において、カバーを開状態とした際の拡大斜視図である。 本発明の洋風便器装置の第2実施形態におけるケーシングのカバーを例示した裏面側からの斜視図である。 本発明の洋風便器装置の第2実施形態におけるケーシング(カバーを外した状態)の上部後端に形成された凹部付近を例示した拡大斜視図である。
図1は、本発明の洋風便器装置の第1実施形態を例示した斜視図である。図2は、本発明の洋風便器装置の第1実施形態のケーシングを例示した部分斜視図である。
洋風便器装置1は、便器本体2と、便器本体2に載置される便座(図示していない)、便蓋3およびケーシング4を備えている。
ケーシング4は、便器本体2の後部上面に固定されており、内部に機能装置5が収納されている。なお、本発明における「前後方向」は、利用者が便座に着座した状態から視る方向によって定義される。すなわち、洋風便器装置1を床に設置した状態の平面視を基準として、便座に着座した利用者から視て前側を前方、後側を後方とし、この前後方向に交差する左右方向を側方とする。
ケーシング4は、便器本体2の後部上面21に固定されたケーシング本体41と、ケーシング本体41を覆うカバー42とを有している。
図2に例示したように、ケーシング本体41は、上方が開口した開口部41aを備え、この開口部41aの内側に機能装置5が収納されている。また、ケーシング本体41の背面側上部は前方にやや屈曲して傾斜している。そして、カバー42は、このケーシング本体41の上面部と、内部に収納された機能装置5とを覆うことができる。
機能装置5は、洋風便器装置1に各種機能を付加するものである。具体的には、例えば、便座・便蓋開閉装置、人体検知装置(光学式人体検知センサーなど)、便器洗浄装置、局部洗浄装置、温風乾燥装置、脱臭装置、部屋暖房装置、空気清浄装置、音楽再生装置、照明装置などを例示することができる。
そして、例えば、ケーシング本体41に機能装置5としての光学式人体検知センサー51を収納することができる。この場合、カバー42に透光部42aを形成し、カバー42が閉鎖状態において、光学式人体検知センサーからの光が透光部42aを介して透過するように設計することが好ましい。これによって、カバー42が閉鎖状態であっても使用者の存在を確実に検知することができるため、例えば、この検知信号に基づいて便蓋開閉装置による便蓋3の開閉などを自動制御することができる。
さらに、ケーシング本体41の前方中央付近にはラッチ固定突起41bが配設されている。
そして、ケーシング本体41の上部後端には、前後方向に切欠かれた凹部6が2か所に形成されており、カバー42の係合部8は、ケーシング本体41の凹部6に収納されている。
また、カバー42の裏面には、前方中央付近にはラッチ42cが配設されている。ラッチ42cの配設位置は、ケーシング本体41に配設されたラッチ固定突起41bの位置と対応しており、カバー42が閉状態においては、ラッチ42cがラッチ固定突起41bに掛け留めされる。ラッチ42cとラッチ固定突起41bの具体的な構造は特に限定されないが、例えば、閉状態のカバー42をケーシング本体41に向かって下方に押し込むことでラッチ42cの固定が解除されてカバー42が開く構造のものなどを例示することができる。
また、カバー42の先端部の中央付近には、内側に窪んだ指掛け部42dが設けられており、ラッチ42cの固定が解除されることでカバー42の前方側が浮き上がって指掛け部42dが露出するように設計されている。露出した指掛け部42dに手指を掛けて操作することでカバー42の開閉を容易に行うことができる。
図3は、図2の洋風便器装置のケーシング(カバーを外した状態)の上部後端に形成された凹部付近を例示した拡大斜視図である。図4は、図3とは別の角度からの凹部付近を例示した拡大斜視図である。
ケーシング本体41の上部後端には、前後方向に切欠かれた凹部6が2か所に形成されている。凹部6は、略直方体状に切欠かれて形成され、上方と後方が開放されており、左右の内側面61(61A、61B)は互いに対向している。また、凹部6の後方側の底部には、下方に向かって円弧状に切り欠かれた湾曲面Dが形成されている。
そして、この対向する内側面61A、61Bのうちの一方には、後方斜め上方向に延びるガイド溝7が形成されている。図3、図4に例示した形態では、ガイド溝7は、対向する内側面61A、61Bのうち、ケーシング本体41の左右方向の外側に位置する内側面61Aに形成されている。
ガイド溝7は、例えば、1.0mm〜5.0mm程度の深さで後方斜め上方向に延びて形成することができる。さらに、ガイド溝7の上端7aと下端7bには、溝深さが一段深い円形凹段部Sが形成されている。円形凹段部Sは、例えば、上端7aと下端7bを除くガイド溝7の溝深さより0.5mm〜3.0mm程度深い深さで形成することができる。
ガイド溝7が形成された内側面61Aは、ケーシング本体41とは別部材として形成することができる。具体的には、図3に例示したように、凹部6の側面から外方(洋風便器装置の左右の外側方向)に向かって一段凹んで形成された凹段部6aに、ガイド溝7が形成された嵌合部材611を嵌合させることで、ガイド溝7を有する内側面61Aが形成される。この嵌合部材611は、底部付近から内方に向かって突出する固定片611aを備えており、この固定片611aに固定具Tが挿通されることで嵌合部材611が凹部6内で固定されている。
さらに、凹部6内の前方側には、対向する内側面61A、61Bの間の中央付近に、前後方向と平行な板状の第1のリブR1が立設されている。第1のリブR1は、凹部6の底部から上端部付近まで延びている。
図5は、本発明の洋風便器装置の第1実施形態におけるケーシングのカバーを例示した裏面側からの斜視図である。図6は、図5に例示したケーシングのカバーの係合部付近の拡大斜視図である。
カバー42の形状は、図3に例示したケーシング本体41の上面部と対応しており、前方側がやや下方に屈曲した略板状に形成されている。また、カバー42の前方付近には小円形状の透光部42aが形成されている。また、カバー42は、後端付近に、裏面側へ向かって突出する係合部8を有している。係合部8は、前後方向と略平行な板状の2枚の側片81が互いに対向しており、この側片81同士の後端が後片82によって接続されている。そして、2つの係合部8の各々には突起9が形成されている。具体的には、係合部8の2枚の側片のうちの一方に、その外側面に側方(左右方向の外側)に向かって突出する突起9が形成されている。また、係合部8の側片81には、下端から上方向に延びるスリットMが形成されている。スリットMが設けられていることで側片81が撓みやすくなるため、カバー42をケーシング本体41に取り付ける際に、突起9をガイド溝7に嵌め込み易くなる。
突起9は略円柱形であり、ガイド溝7の上端7aおよび下端7bに形成されている円形凹段部Sの形状、大きさと対応しており、突起9の直径は、ガイド溝7の溝幅と対応している。また、突起9の高さは、ガイド溝7の溝深さを考慮して設計することができる。さらに、突起9の位置は、ガイド溝7との位置関係にもよるが、例えば、側片81の前下方付近に形成することができる。
さらに、係合部8には、2枚の側片81の間の中央付近に板状の第2のリブR2が前後方向と平行に配設されている。第2のリブR2は、係合部8の後片82と接続している。また、2枚の側片81と第2のリブR2は、カバー42の裏面から離れる方向へ向かって次第に厚さが薄くなるように形成されている。
次に、ケーシングのカバーの開閉操作について、図7〜図9および図10を用いて説明する。
図7〜図9は、本発明の洋風便器装置におけるカバーの係合部の動きとカバーの開閉状態との関係を例示した概要断面図および凹部付近の拡大縦断面図である。図10は、本発明の洋風便器装置の第1実施形態において、カバーを開状態とした際の拡大斜視図である。
図7に例示したように、カバー42が閉鎖状態の場合、カバー42は、ケーシング本体41の上面に当接し、ケーシング本体41の上面部および機能装置5を覆っている。カバー42の係合部8は、ケーシング本体41の凹部6に収納されており、係合部8の突起9は、ガイド溝7の下端7bに位置している。ガイド溝7の下端7bには、溝深さが一段深い円形凹段部Sが形成されているため、係合部8の突起9が円形凹段部Sに嵌まり込み、安定に保持されている。係合部8の突起9がガイド溝7の下端7bに位置している場合、突起9を支軸とした係合部8の回転は凹部6に制限されており、カバー42が開放されないように設計されている。
カバー42を開放する場合、閉状態のカバー42をケーシング本体41に向かって下方に押し込むことでラッチ42cの固定を解除する。これによって、固定が解除されたカバー42は上方に浮き上がり、カバー42の先端の指掛け部42d(図2に図示)が露出する。
そして、例えば、手指で指掛け部42d(図2に図示)付近を保持し、カバー42を後方に向かって押すことで、図8に例示したように、突起9がガイド溝7に沿って上端7a方向(後方斜め上方向)にスライドする。これに伴って、カバー42全体が後方斜め上方向に移動する。この際、突起9がガイド溝7の下端7b(カバー42が閉鎖状態の際の位置)より上方(上端7a側)に位置する場合において、突起9を支軸とした回動によってカバー42の開放が可能とされている。すなわち、ガイド溝7の中間部分(下端7bと上端7aの間)においてカバー42を開方向に回動させながらカバー42全体を後方斜め上方向に移動させることができる。このとき、凹部6の後方側の底部には円弧状の湾曲面Dが形成されているため、カバー42の回動時(係合部8の回転時)に、係合部8の後片82の下端部が湾曲面D上を摺動する。このため、カバー42の回動時におけるガタツキが抑制されて安定的かつスムーズにカバー42を回動させることができる。
そして、図9に例示したように、突起9を支軸として係合部8が閉鎖状態から略90°回転することで、カバー42が後方に向かって回動してケーシング本体41の上方が大きく開放される。
また、図10に例示したように、凹部6に設けられた第1のリブR1と、係合部8に設けられた第2のリブR2が近接している。そして、カバー42の回動の際には、係合部8の回転に伴って、第2のリブR2は、側面が凹部6に設けられた第1のリブR1の側面と近接対峙した状態で摺動する。このため、カバー42の回動時に係合部8が凹部6内で左右方向に位置ずれし難く、カバー42のガタツキが抑制されてスムーズに回動させることができる。これによって、カバー42の開閉操作をより安定かつ円滑に行うことができる。
そして、カバー42の開放時には、最終的に係合部8の突起9がガイド溝7の上端7aの円形凹段部Sに配置される。円形凹段部Sは、溝深さが一段深く形成されているため、係合部8の突起9が円形凹段部Sに嵌まり込み、安定に保持される。
また、この実施形態においては、カバー42の水平状態を維持したまま、突起9をガイド溝7に沿って上端7aまでスライドさせた後、この上端7aの位置において突起9を支軸とした回動によってカバー42を開放することもできる。この場合、ガイド溝7の上端7aの円形凹段部Sは溝深さが一段深く形成されているため、安定にカバー42を開放することができる。
さらに、ケーシング本体41の背面P(図1に図示)側の上端付近が前方に傾斜しており、垂直に起立したカバー42がケーシング本体41の背面Pよりも前方に位置することが好ましい。これによって、カバー42を開放した状態においても、カバー42が後方に突出しないため、洋風便器装置1の設置環境に関わらず、容易にカバー42を開放することができる。なお、ここで、起立したカバーについての「垂直」とは、厳密に90°を意味するものではなく、±10°程度の誤差は許容され得る。
さらに、開放されたカバー42を閉鎖する場合には、図7〜図9に例示した手順と逆の手順を踏むことができる。
すなわち、カバー42が開放されている場合、突起9がガイド溝7の上端7aに位置しており(図9に例示した状態)、突起9を支軸としてカバー42を前方へ回動させることで、カバー42を前方に倒すことができる(図8に例示した状態)。そして、例えば、カバー42をやや手前に引くように力を加えることで、カバー42が前方へ回動しながら、突起9がガイド溝7に沿って前方斜め下方向にスライドしてガイド溝7の下端7bに移動する。これによって、ケーシング本体41の上面部が覆われて、カバー42が閉鎖する(図7に例示した状態)。
図1〜図9を用いて説明したように、本発明の洋風便器装置1は、便器本体2の後部上面21に固定されたケーシング4を備えている。ケーシング4は、ケーシング本体41と、このケーシング本体41の上面部とを覆うカバー42とを有している。そして、前記ケーシング本体41の上部後端には、前後方向に切欠かれた凹部6が形成されており、この凹部6において対向する内側面の一方には、後方斜め上方向に延びるガイド溝7が形成されており、かつ、この凹部6の底部には円弧状に切り欠かれた湾曲面Dが形成されている。また、カバー42は、後端付近に、裏面側へ向かって突出する係合部8を有し、この係合部8には、側方に向かって突出する円柱形の突起9が形成されており、かつ、係合部8は、突起9がガイド溝7内にスライド自在に挿入された状態で凹部6に収納されている。ガイド溝7における突起9の位置が、カバー42が閉鎖状態の際の位置より上方に位置している場合に、突起9を支軸とした係合部8の回転によってカバー42が回動自在とされている。そして、カバー42が回動する際に、係合部8が凹部6の湾曲面D上を摺動する。
したがって、本発明の洋風便器装置1は、簡便な構造で、ケーシング本体41の上面部を覆うカバー42の開閉操作を容易に行うことができる。さらに、カバー42が回動する際に、係合部8が凹部6の湾曲面D上を摺動するため、回動時のカバー42のガタツキがより確実に抑制され、カバー42の開閉操作をより安定的かつ円滑に行うことができる。
さらに、本発明の洋風便器装置の第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の洋風便器装置の第2実施形態におけるケーシングのカバーを例示した裏面側からの斜視図である。図12は、本発明の洋風便器装置の第2実施形態におけるケーシング(カバーを外した状態)の上部後端に形成された凹部付近を例示した拡大斜視図である。図11、図12において、第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
この実施形態の洋風便器装置は、図11に例示したように、カバー42の係合部8の側面に、後方斜め上方向に延びるガイド溝83が形成されており、図12に例示したように、ケーシング本体41の凹部6において対向する内側面61Aの適宜な位置に、内方に向かって突出する円柱形の突起63が設けられている。凹部6の後方側の底部には円弧状の湾曲面Dが形成されている。
この実施形態では、凹部6の内側面61Aの突起63が係合部8のガイド溝83の上端83a(カバー42が閉鎖状態の際の位置)より下方(下端側)に位置している場合に、図8、図9に例示した形態と同様に、突起63を支軸とした係合部8の回転によってカバー42が回動自在とされている。そして、凹部6の後方側の底部には円弧状の湾曲面Dが形成されているため、カバー42の回動時(係合部8の回転時)に、係合部8の後片82の下端部が湾曲面D上を摺動する。このため、カバー42の回動時におけるガタツキが抑制されて安定的かつスムーズにカバー42を回動させることができる。
この実施形態の本発明の洋風便器装置は、ケーシング本体41の上部後端には、前後方向に切欠かれた凹部6が形成されており、さらに、この凹部6において対向する内側面61の一方には、内方に向かって突出する円柱形の突起63が形成されており、かつ、この凹部6の底部には円弧状に切り欠かれた湾曲面Dが形成されている。そして、カバー42は、後端付近に、裏面側へ向かって突出する係合部8を有し、この係合部8には、後方斜め上方向に延びるガイド溝83が形成されている。また、係合部8は、凹部6の突起63がガイド溝83内にスライド自在に挿入された状態で凹部6に収納されている。そして、ガイド溝83における突起63の位置が、カバー42が閉鎖状態の際の位置より下方に位置している場合に、突起63を支軸とした係合部8の回転によってカバー42が回動自在とされており、カバー42が回動する際に、係合部8が凹部の湾曲面D上を摺動する。
したがって、本発明の洋風便器装置1は、簡便な構造で、ケーシング本体41の上面部を覆うカバー42の開閉操作を容易に行うことができる。さらに、カバーが回動する際に、係合部が凹部の湾曲面D上を摺動するため、回動時のカバーのガタツキがより確実に抑制され、カバーの開閉操作をより安定的かつ円滑に行うことができる。
本発明の洋風便器装置は、以上の形態に限定されることはない。例えば、突起の大きさ、突出長さおよびガイド溝の溝幅、溝深さは、ガイド溝内を突起が円滑にスライドするように適宜設計することができる。ガイド溝の位置や傾斜角度なども、カバーの開閉が容易になるように適宜設計することができる。例えば、第1実施形態においては、ガイド溝を、凹部において対向する内側面のうち、洋風便器装置の中央側に位置する面に設け、係合部の突起もこれに対応させて洋風便器装置の中央側に設けることもできる。さらに、凹部の底部に形成された湾曲面の円弧形状(カーブ)も係合部の形状や支軸となる突起の位置などを考慮して、係合部が回転時に湾曲面を摺動するように適宜設計することができる。また、洋風便器装置は、凹部の第1のリブおよび係合部の第2のリブを複数設けることもできる。具体的には、例えば、係合部に2つ配設された第2のリブが、凹部に配設された1つの第1のリブを挟み込むように近接対峙した状態で摺動するように設計することができる。また、逆に、係合部に1つ配設された第2のリブが、凹部に配設された2つの第1のリブに挟み込まれるように近接対峙した状態で摺動するように設計することができる。このように、凹部の第1のリブおよび係合部の第2のリブのうち、少なくとも一方を2つ以上設けることで、回動時のカバーのガタツキがより確実に抑制され、カバーの開閉操作をより安定かつ円滑に行うことができる。
1 洋風便器装置
2 便器本体
4 ケーシング
41 ケーシング本体
42 カバー
42a 透光部
6 凹部
63 突起
7 ガイド溝
8 係合部
83 ガイド溝
9 突起
S 円形凹段部

Claims (5)

  1. 便器本体の後部上面に固定されたケーシングを備えた洋風便器装置であって、
    前記ケーシングは、ケーシング本体と、このケーシング本体の上面部を覆うカバーとを有し、
    前記ケーシング本体の上部後端には、前後方向に切欠かれた凹部が形成されており、この凹部において対向する内側面の一方には、後方斜め上方向に延びるガイド溝が形成されており、かつ、この凹部の底部には円弧状に切り欠かれた湾曲面が形成されており、
    前記カバーは、後端付近に、裏面側へ向かって突出する係合部を有し、この係合部には、側方に向かって突出する円柱形の突起が形成されており、かつ、前記係合部は、前記突起が前記ガイド溝内にスライド自在に挿入された状態で前記凹部に収納されており、
    前記ガイド溝における前記突起の位置が、前記カバーが閉鎖状態の際の位置より上方に位置している場合に、前記突起を支軸とした前記係合部の回転によって前記カバーが回動自在とされており、前記カバーが回動する際に、前記係合部が前記凹部の前記湾曲面上を摺動することを特徴とする洋風便器装置。
  2. 前記ガイド溝の上端および下端には、溝深さが一段深い円形凹段部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の洋風便器装置。
  3. 前記ケーシング本体の背面側の上端付近は前方に傾斜しており、起立した前記カバーが前記ケーシング本体の背面よりも前方に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の洋風便器装置。
  4. 前記ケーシング本体の前記凹部には、対向する前記内側面の間に、前後方向と平行な板状の第1のリブが配設されており、
    前記カバーの前記係合部は、前後方向と平行な2枚の側片が互いに対向して形成されており、この2枚の側片のうちの一方には、その側面に前記突起が形成されており、かつ、前記側片の間に前後方向と平行な板状の第2のリブが配設されており、
    前記突起を支軸とした前記係合部の回転によって前記カバーが回動する際に、前記第2のリブは、その側面が前記第1のリブの側面と近接対峙した状態で摺動することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の洋風便器装置。
  5. 便器本体の後部上面に固定されたケーシングを備えた洋風便器装置であって、
    前記ケーシングは、ケーシング本体と、このケーシング本体の上面部を覆うカバーとを有し、
    前記ケーシング本体の上部後端には、前後方向に切欠かれた凹部が形成されており、この凹部において対向する内側面の一方には、内方に向かって突出する円柱形の突起が形成されており、かつ、この凹部の底部には円弧状に切り欠かれた湾曲面が形成されており、
    前記カバーは、後端付近に、裏面側へ向かって突出する係合部を有し、この係合部には、後方斜め上方向に延びるガイド溝が形成されており、かつ、前記係合部は、前記凹部の前記突起が前記ガイド溝内にスライド自在に挿入された状態で前記凹部に収納されており、
    前記ガイド溝における前記突起の位置が、前記カバーが閉鎖状態の際の位置より下方に位置している場合に、前記突起を支軸とした前記係合部の回転によって前記カバーが回動自在とされており、前記カバーが回動する際に、前記係合部が前記凹部の前記湾曲面上を摺動することを特徴とする洋風便器装置。
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