JP6240601B2 - 細胞採取システム、方法及び制御法則 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞採取システム、方法及び制御法則に関する。
細胞療法のような様々な治療用途又は組織工学のため、様々な原材料から細胞を採取することに大きな需要がある。治療用途の例としては、幹細胞の自家移植若しくは同種間移植、成熟した機能細胞の移植、修飾したヒト細胞又は非ヒト細胞の異種移植が挙げられるが、それらに限定されない。適用により、細胞を再生して病的状態の状況を改善することによって、損傷した組織又は器官の治癒が促進される。
最新技術を使用して疾病を予防、診断及び治療するため、科学的発見の発展及び実施を容易にする翻訳研究の場合、一連の潜在的な細胞型は、修飾、活性化及び増殖に先立って隔離を要する。この翻訳市場の必要性を満たすため、細胞を濃縮し洗浄してあらゆる不純物を除去することが求められる。ジメチルスルホキシド(DMSO)などの保存剤を含有する媒体に懸濁させた後、予め分離された単核細胞(MNC)が極低温で保存されている、保存細胞用途の場合、一般的には希釈プロセスによって、細胞を複数回洗浄して、細胞を使用するために再濃縮し再懸濁する前に保存剤の濃度を最小限に抑える必要がある。したがって、あらゆる用途に、具体的には治療用途又は研究目的に使用する前に、極低温保存された細胞を処理することが必須である。
いずれの例でも、細胞は、高品質を担保するために繰返し濃縮し洗浄するように処理すべきである。細胞を採取するための様々な方法及びシステムが当該分野で知られているが、これらのシステムの品質及び量産は治療用途のためには不十分である。したがって、処理設備を用いて滅菌条件下で、インフラストラクチャの要件を縮小し、且つ堅牢な効率性で、細胞を採取するためのシステム及び方法が非常に好ましい。
米国特許出願公開第2011/0143427号
細胞を採取するための本発明の方法及びデバイスによって、残留不純物又は保存剤がない高品質の細胞試料が得られる。これらの方法及びデバイスは、翻訳用途に使用される細胞又は極低温保存された細胞から回収される細胞と関連する問題の多くを解決する。
処理チャンバーと濾過装置とを備える処理ループの流体材料から細胞を採取する方法の一例では、流体材料が体積を有していて、処理チャンバーが全容量を有しており、当該方法は、流体材料を処理ループに循環させ、処理チャンバーに入る流体材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の体積を一定値に維持する段階と、処理チャンバーに入る流体材料の流入束に比して濾過装置の透過流束を増加させることによって細胞を濃縮する段階と、濃縮された細胞を回収チャンバーに回収する段階とを含む。
処理ループの流体材料から細胞を採取する方法の別の例では、処理チャンバー及び濾過装置を備えており、流体材料が質量を有していて、処理チャンバーが全容量を有しており、当該方法が、流体材料を処理ループに循環させる段階と、処理チャンバーに入る流体材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の質量を一定値に維持する段階と、処理チャンバーに入る流体材料の流入束に対する濾過装置の透過流束を増加させることによって、細胞を濃縮する段階と、濃縮細胞を回収チャンバーに回収する段階とを含む。
濾過装置と、処理チャンバーと、原材料ポンプ、緩衝液ポンプ及び透過液ポンプに動作可能に連結された入出力ラインのネットワークとを備える細胞採取デバイスの処理チャンバーの質量を制御する方法の少なくとも1つの例は、原材料ポンプ又は緩衝液ポンプの速度、原材料ポンプ又は緩衝液ポンプの校正定数及び処理チャンバーの質量の変化率を用いて、透過液ポンプ流量の推定量を作成する段階と、推定量及びフィードバック項を含む制御法則を用いて、原材料ポンプを通る流量を設定する段階とを含んでおり、フィードバック項は、処理チャンバーの質量の変化率、設定点及びフィードバック利得を含んでいて、フィードバック利得はゼロよりも大きく、設定点において処理チャンバーの質量は一定である。
細胞採取デバイスの少なくとも1つの実施形態は、処理チャンバー及び濾過装置を備える処理ループと、原材料チャンバー、緩衝液チャンバー、廃棄チャンバー及び回収チャンバーの1以上に動作可能に連結された入出力ラインのネットワークと、処理ループの流入束及び透過流束に基づいて、処理チャンバーの質量を目標値に制御するコントローラとを備える。
本発明のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せ読むことによってより十分に理解されるであろう。図面全体を通して、同様の符号は同様の部品を表す。
細胞採取デバイスの一実施形態の概略構造及びそれに関連する本発明の使い捨てユニットの操作方法を示す図である。 本発明の細胞採取方法の多段階プロセスフローの一例を示すフローチャートである。 細胞を処理するための本発明のマスフローダイアグラムの一例を示す概略図である。 少量の細胞を処理するための本発明の使い捨てプロトタイプの一例を示す図である。 大量の細胞を処理するための本発明の使い捨てプロトタイプの一例を示す図である。 大量の細胞を処理するための本発明のハードウェア及び使い捨て品のインターフェースの一例を示す図である。
様々な原材料から細胞を採取するための方法の1以上の例が提供されるが、方法の少なくとも1つは、繰り返される洗浄及び濃縮段階を含む。細胞を処理又は採取するためのデバイスの1以上の実施形態も提供される。制御法則は方法のうち1以上の別の態様であり、処理チャンバーの目標質量を一定に保つ。方法によって、プロセスを初期細胞試料体積に依存しないものにすることができる。
請求される本発明の主題をより明瞭且つ簡潔に記載し指摘するため、以下の説明及び添付の請求項で使用される特定の用語に対して、以下の定義を提供する。明細書全体を通して、特定の用語の使用は非限定的な例として見なされるべきである。
本明細書で用いる「チャンバー」という用語は、材料がチャンバーに入る又はチャンバーを出るための少なくとも1つのポートを有する、少なくとも一時的な期間の間その境界内に流体を含有することができる物体をいう。チャンバーの非限定的な例のいくつかは、処理チャンバー、緩衝液チャンバー、原材料チャンバー又は回収チャンバーである。
本明細書で用いる「処理材料」という用語は、処理の1以上の間、細胞を処理する助けとなる材料をいう。処理材料の非限定的な例としては、緩衝液、媒体又は水が挙げられる。
本明細書で用いる「流入束」という用語は、処理チャンバーを備える処理ループに入る材料の質量流量又は体積流量をいう。材料は、緩衝液、媒体又は細胞を含む原材料などであるがそれらに限定されない、処理材料であってもよい。
本明細書で用いる「透過流束」という用語は、フィルター膜の細孔を通り抜ける材料の質量流量又は体積流量をいう。例えば、一般的な中空繊維精密濾過システムでは、フィルターに送られる流体の体積はフィルター供給フローと呼ばれ、繊維の中心を通って流れる流体は濃縮水であり、中空繊維濾過装置のメンブレン壁を透過する流体流量が「透過流束」として知られている。「透過流束」という用語は、本明細書では「廃棄流束(waste flux)」と交換可能に使用される。
「動作可能に連結された」という用語は、1以上のライン又は管材料を介しても良いがそれに限定されない接続をいう。例えば、濾過装置、1以上のチャンバー又は入出力ラインのネットワークは、1以上のライン又は管材料を介して、原材料ポンプ又は透過液ポンプに連結されてもよい。いくつかの実施形態では、入出力ラインのネットワークは、原材料チャンバー、緩衝液チャンバー、廃棄チャンバー及び回収チャンバーの1以上に動作可能に連結される。ライン又は管材料のネットワークが1以上のチャンバーに連結されて、細胞を採取するプロセスが完成する。
「設定点」という用語は、細胞採取プロセス時に設定可能である、チャンバーの目標体積又は目標質量の値をいう。設定点は、細胞採取プロセスの様々な段階で異なってもよい。例えば、処理チャンバーの設定点は、ローディング段階、洗浄段階又は濃縮段階で異なってもよい。設定点は、処理チャンバーへの流体フローの方向を決定し、且つ/又はプロセス要件に応じて手順を調整する。
処理チャンバーと濾過装置とを備える処理ループの流体材料から細胞を採取する方法であって、流体材料が体積を有し、処理チャンバーが全容量を有する、方法の一例では、方法は、流体材料を処理ループに循環させ、処理チャンバーに入る流体材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の体積を一定値に維持する段階と、処理チャンバーに入る流体材料の流入束に比して濾過装置の透過流束を増加させることによって細胞を濃縮する段階と、濃縮された細胞を回収チャンバーに回収する段階とを含む。
上述したように、この例では、流体材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の体積を一定値に維持することによって、流体材料を処理ループに通して循環させる。この段階で、流体材料は処理チャンバーに通されてもよく、次に、処理された流体材料は濾過装置に通される。濾過装置の透過流束は廃棄チャンバーへと廃棄され、濃縮水はさらに、処理ループに入り、処理チャンバーを再び通り抜け、それに続いて濾過装置を通り抜けてもよい。流体材料は、適用要件又はユーザのニーズに応じて、処理ループを繰返し循環させてもよい。いくつかの例では、循環段階は流体材料の濃縮に、より具体的には原材料の濃縮に結び付く。循環段階は濾過を含むので、この段階を用いることによって、細胞試料中に存在する不純物が除去されてもよい。
上述したように、細胞は、処理チャンバーに入る流体材料の流入束に比して濾過装置の透過流束を増加させることによって濃縮されてもよい。処理ループに導入される流体材料の総体積が処理チャンバーの全容量以上である場合、流体材料の濃縮が求められる。いくつかの例では、原材料の体積が処理チャンバーの全容量よりも大きいとき、原材料は濃縮段階に掛けられる。この段階で、余分な緩衝液又は媒体が、原材料中に存在する不純物と共に原材料から除去され、細胞が濃縮される。細胞の濃縮は、適用の要件又はユーザのニーズに応じてカスタマイズされてもよい。
上述したように、細胞を濃縮した後、細胞は回収チャンバーに回収される。上述したように、極低温保存に使用されることがあるDMSO又はグリセリンなどの不純物は、濃縮された細胞では大幅に低減されている。プロセスでのこの時点において、細胞は、最小体積の媒体又は緩衝液中にある。採取手順後の洗浄済みの濃縮細胞は、細胞ベースの用途に直接使用されてもよい。
1以上の例では、流体材料は、原材料、処理材料又はそれらの組合せを含む。原材料及び処理材料はそれぞれ総体積を有する。原材料及び処理材料の総体積の組合せは、流体材料の総体積である。処理材料は、液体媒体、緩衝液又はそれらの組合せから選択される。原材料は、液体媒体、緩衝液又はそれらの組合せの中の細胞を含んでもよい。上述したように、処理材料は、一般的に、媒体又は緩衝液の少なくとも一方を含み、全手順に対して、使用される媒体は液体媒体であり、使用される緩衝液は緩衝液溶液である。処理材料は、処理ループを通り抜ける間に細胞を洗浄するのに主に使用される。いくつかの例では、処理材料は入口ポートを介して処理チャンバーに導入されてもよい。処理材料はチャンバーに自動的に送達されてもよい。原材料は、一般的に、細胞採取方法の間チャンバーに保存され、そのチャンバーは原材料チャンバーと呼ばれる。一般的に細胞採取手順時に処理材料を保存するチャンバーは、緩衝液チャンバーと呼ばれる。
細胞の採取方法の一例は、原材料の総体積を処理ループにロードする段階をさらに含んでいて、原材料の総体積は処理チャンバーの全容量以下である。1つの具体例では、原材料の総体積は処理チャンバーの全容量に等しくてもよく、原材料の総体積は原材料チャンバーから処理チャンバーへと移送される。別の例では、原材料の総体積は処理チャンバーの全容量よりも少なくてもよく、その場合、原材料の総体積は原材料チャンバーから処理チャンバーへと移送され、プロセスは、原材料のローディング、より具体的には完全ローディングとして知られている。この例では、原材料の総体積は処理チャンバー内へと給送される。いくつかの例では、原材料は、最初に原材料チャンバーに注入され、その場合、原材料チャンバーは一般的に、採取手順の間原材料を保存する。次に、原材料を入口ポートを介して処理ループにロードする。
方法のいくつかの例では、処理チャンバーは目標体積を有する。処理チャンバーの目標体積は、一般的に、処理チャンバーの全容量以下である。一例では、原材料の総体積が処理チャンバーの目標体積よりも大きいとき、方法は、原材料を濃縮する段階をさらに含む。この例では、原材料は、連続プロセス又は断続プロセスで処理チャンバーに移送される。一例では、処理チャンバーの目標体積は処理チャンバーの全容量に等しい。この例では、原材料の総体積が処理チャンバーの全容量(又は目標体積)よりも大きい場合、原材料の総体積の一部が処理チャンバーに移送され、プロセスは原材料の断続的なローディングであってもよい。同じ例において、ローディングプロセスは連続的であって、原材料が処理ループに移送されてもよく、プロセスは連続的な処理及び濃縮段階に従う。この場合、処理ループに移送される原材料の体積は、移送される体積が処理チャンバーの目標体積未満であるように制御される。原材料のローディングの流量を制御することによってこの条件が遂行されてもよい。この例では、原材料はローディング時に同時に濃縮されてもよい。
細胞の採取方法の一例は、処理材料を処理ループに導入し、処理材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて、処理チャンバー内に存在する流体材料の体積を一定値に維持することによって、細胞を洗浄する段階をさらに含む。細胞は、処理材料の流入束を連続的な形で繰り返すことによって、且つ/又は処理材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて、処理チャンバー内に存在する流体材料の体積を一定値に維持することによって、洗浄されてもよい。
原材料中に存在する不純物を希釈するため、処理材料は処理チャンバー内へと、次に濾過装置へと給送される。この段階で、原材料及び処理材料は処理ループを通してさらに循環される。原材料は同じ経路に繰返し通され、処理材料は同時に処理ループに導入される。細胞を洗浄するか又は原材料を希釈し、流体を濾過することによって様々な不純物を除去するために、緩衝液溶液又は媒体が処理ループに導入される。原材料及び処理材料は、一般的に、試料中に存在する望ましくない不純物及び余分な処理材料を取り除いて、細胞を使用前に精製するために、濾過装置を通り抜ける。いくつかの例では、細胞を含む媒体は、保存溶液、例えばDMSO又はグリセリンを含んでもよく、媒体は、かかる保存剤を何ら含有しなくてもよい、緩衝液溶液又は液体媒体で希釈されてもよい。例えば、残留不純物を除去することによって、DMSOなど、極低温保存された原材料中に存在する可溶性添加剤の濃度が低減される。いくつかの用途では、使用に先立ってDMSOの濃度を100倍を超えて希釈して低減することが望ましい。濾過手順の間、フィルター透過水は透過液ポンプを通り抜け、廃棄物ラインに入り、それによって余分な媒体又は残留不純物が原材料から抽出され、処理材料はフィルターを通り抜ける。
いくつかの例では、細胞は、処理チャンバーに入る処理材料及び原材料の流入束に対して濾過装置の透過流束を増加させることによって濃縮される。これらの例では、透過流束は処理材料フローを制御することによって増加してもよい。一例では、(a)細胞がこの段階でのみ濃縮されるように、処理材料の流入束はゼロに設定されてもよい。別の例では、(b)段階が細胞の濃縮と洗浄の組合せであってもよいように、処理材料の流入束は透過液流量よりも少ない値に設定されてもよい。この例では、処理チャンバー内の流体材料の目標体積は、本明細書では設定点と呼ばれる。プロセス要件に応じて、設定点は様々な条件で変更されてもよい。例えば(b)では、設定点の一定した変更が求められる。この例では、緩衝液流量の流入束は、制御法則を用いて、透過液流量の一部に設定される。細胞は、さらに、処理ループを繰返し通り抜けることによって濃縮されてもよく、次に、濃縮された細胞は回収チャンバーに回収される。
いくつかの例では、細胞の採取方法は、原材料を導入する前若しくは導入した後に又は段階的な若しくは交互の段階で、処理材料を処理ループに導入して処理ループを洗い流す(リンス)段階を含む。いくつかの例では、原材料の総体積を処理ループへと移送した後に、処理材料が原材料チャンバーに導入されてチャンバーを洗い流し、処理材料のリンス体積は処理ループへと移送される。1以上の例では、処理ループを洗い流した後、原材料は処理ループ内へと給送され、処理チャンバーを通り抜け、続いて濾過装置を通り抜ける。次に、原材料は、処理チャンバー及び濾過装置を通して循環させられて、処理チャンバー内に存在する流体材料の体積が一定に保たれる。
処理ループは、原材料チャンバー及び緩衝液チャンバーに動作可能に連結されてもよい。原材料チャンバー及び緩衝液チャンバーとの接続部は、管内の液体の有無を決定するための光センサーを備える。方法は、原材料チャンバー、緩衝液チャンバー又はその両方に無菌空気を直接又は間接的に導入する段階をさらに含む。一例では、無菌空気は、原材料チャンバー、緩衝液チャンバー又は両方に直接導入される。無菌空気はまた、間接的に導入されてもよく、その場合、無菌空気は、1以上の接続チューブ、アダプタ又は他の任意の接続手段を介してチャンバーに導入される。
細胞を採取するために使用される流体材料は、異なる場合では異なっていてもよい。2つの異なる流体材料が、同じ密度を有する2つの異なる場合に使用されるとき、一般的に、一定体積の流体材料はそれぞれ同じ質量を有する。代替実施形態では、2つの流体材料が異なる密度を有するとき、同じ体積の流体材料はそれぞれ異なる質量を有する。この実施形態では、方法は、一般に、総体積の代わりに、処理チャンバー内に存在する原材料、処理材料又は流体材料の総質量を考慮する。
処理チャンバーと濾過装置とを備える処理ループの流体材料から細胞を採取する方法であって、流体材料が体積を有していて、処理チャンバーが全容量を有する、方法の一例では、方法は、流体材料を処理ループに循環させ、処理チャンバーに入る流体材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の質量を一定値に維持する段階と、処理チャンバーに入る流体材料の流入束に比して濾過装置の透過流束を増加させることによって細胞を濃縮する段階と、濃縮された細胞を回収チャンバーに回収する段階とを含む。方法は、流体材料を循環させる前に、原材料の総質量を処理ループにロードする段階をさらに含んでいて、原材料の総質量は処理チャンバーの全容量以下である。
上述したように、処理チャンバーは、処理チャンバーの全容量以下である目標質量を有する。方法は、原材料を濃縮する段階をさらに含んでいて、原材料の質量は処理チャンバーの目標質量よりも大きい。方法は、処理材料を導入し、処理材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の質量を一定値に維持することによって、細胞を洗浄する段階をさらに含む。
例えば、図1に示すようなデバイスアーキテクチャ2を使用して、細胞を採取する方法は、ポンプ、バルブアクチュエータ又はセンサーなどの関連ハードウェアの要件による影響を最小限に抑えて、広範囲の試料体積に対応することができる。入出力ラインのネットワーク内における流体又は空気の移動を防ぐため、1以上の蠕動ポンプがシステムに利用される。それによって、流体フローを防ぐ追加のクランプが不要になる。上述したように、使い捨て品は、中央の処理ループ4(図1)及び入出力ラインのネットワークから成り、処理ループは、処理チャンバー6及び中空繊維フィルター8を備える。細胞採取手順の間、細胞は処理ループ4内で回収され再循環される。入出力チューブネットワークは1以上の接続手段で終端する。いくつかの実施形態では、接続手段は、トランスファースパイク、ルアー接続又は無菌管材料溶接を含んでもよいが、それらに限定されない。一実施形態では、接続手段はトランスファースパイクであってもよい。いくつかの実施形態では、入出力チューブネットワークは、使い捨てであって別個に販売されてもよい、緩衝液18、原材料20、廃棄物22及び回収バッグ24に接続するための、トランスファースパイクで終端する。入力バッグ(緩衝液10及び原材料12)並びに出力バッグ(廃棄物14及び回収16)を、中央の使い捨てカートリッジからこのように分離する理由は、それによってシステムが、試料の体積など、広範囲の予測される試料及び処理の条件又は残留物低減係数(residual reduction factors)を処理できるようになるためである。緩衝液バッグ10及び原材料バッグ12は、ライン内に液体が存在することを判断するため、光センサー34及び36とそれぞれインターフェース接続する管材料の区画に接続される。
手動ピンチバルブは、トランスファースパイクの後の管材料上に存在する。流体センサー34及び36は、緩衝液チューブ及び原材料チューブ上の手動ピンチバルブ26及び28の後に存在する。いくつかの実施形態では、流体センサーは光センサーである。ポンプ38、40及び44は、ピンチバルブ26、28及び30それぞれの機能を含んでもよい。無菌空気をチューブセットに導入するため、原材料チューブ及び緩衝液チューブは、図1のエアフィルター21及び23を備えた任意のバルブを備えてもよい。いくつかの実施形態では、廃棄物チューブ及び回収チューブは、手動ピンチバルブ30及び32をそれぞれ備えてもよい。
非限定的な例では、無菌空気を導入するための構成要素は、0.22μmのエアフィルターによって終端する一方向バルブ(21、23)を備えたT型継手(tee fitting)であってもよい。空気導入のメカニズムによって、原材料バッグ又は緩衝液バッグ内に空気が存在しない状態で、関連するチューブに依然として空気が充満していることが担保されるが、これは、流体センサーを用いて空気を検出することによって関連するバッグを空にすることを意味する。入出力ラインは、設置中及びハードウェアシステムからの除去中のフローを制御する、手動ピンチバルブを有してもよい。手動ピンチバルブによって、オペレータが使い捨てキットを外部のバッグに接続し、望ましくない流体フローを防ぐことが可能になる。手動ピンチバルブがないと、デバイスへの挿入に先立ってキットがバッグに接続された場合、流体は重力又は圧力に基づいて流れることがある。一度だけキットが挿入され、ドアが閉止されると、ポンプがチェックバルブのように作用するので流体フローが停止するであろう。したがって、オペレータが、キットの挿入及びハードウェアシステムのドア閉止に先立って使い捨てキットを接続する場合、手動ピンチバルブが望ましい。
図1に示すように、使い捨て品は、処理ループ内におけるフローの方向を制御する1つの回動バルブ(turn valve)48を含む。回動バルブ48は、処理ループを空にするように再配置される。使い捨てユニットをハードウェアシステムに組み込む際、図1に示すように、蠕動ポンプ38、40、42及び44は4つの場所で使い捨て管材料と係合され、流体センサー34及び36は原材料及び緩衝液管材料と係合され、フィルターユニット8はハードウェアシステムと係合され、処理チャンバー6はロードセルセンサー46に取り付けられ、回動バルブ48はアクチュエータ(モータ)と係合される。堅牢性及び流量の精度を向上するため、ポンプ位置又はその付近にシリコーンの管材料が使用されてもよい。蠕動ポンプが係合され不動であるとき、ポンプロータは流体フローを防ぐ。ポンプ係合の際、手動ピンチバルブは、システム内における液体の位置を変更することなく開放されてもよい。単一のロードセル46(図1に示すような)が、広範囲の試料体積に対して処理チャンバーの質量を監視するのに使用される。図1に示すような、細胞を採取するプロセスに使用されるアーキテクチャは、試料体積に依存しない。
細胞の採取方法の例示的実施形態は、図2に示すようなフローチャートによって説明される。プロセス要件又はユーザのニーズに応じて、いくつかの例では、描写されるフローチャートの1以上の段階が除外されてもよく、方法のいくつかの例では、既存のフローチャートに1以上の段階が追加されてもよい。プロセスが始まる前に、チャンバー、処理ループ、入出力ラインのネットワーク又はポートは全て互いに接続されて、完全なユニットを形成し、図2の段階1に示すように、ハードウェアシステム内に封止される。1以上のピンチバルブは、ラインそれぞれに又はチャンバーそれぞれの端部に取り付けられて、細胞処理時又はプロセスの開始前の液体のフローが制御される。プロセスが始まると、ピンチバルブが解放されて流体のフローが可能になる。処理前にシステムを洗い流すため、図2の段階2に示すように、処理材料(緩衝液若しくは媒体)が処理ループに通されてもよく、廃棄チャンバー内へと廃棄されてもよい。図2の段階3に示すように、細胞試料が原材料チャンバー上にロードされ、処理ループに送られる。流体は、流入束及び透過水を均衡させた状態で、細胞試料の体積全体がロードされるまで、処理ループの同じ経路に繰返し通される。
いくつかの例では、原材料チャンバーを最初に空にした後、処理材料が原材料チャンバーに導入されてチャンバーを洗い流すが、原材料チャンバーのリンスは任意である。処理材料は、原材料ポンプ及び緩衝液ポンプ流量とフロー方向を調整することによって、原材料チャンバーへと移送される。処理材料のみが原材料チャンバー内へと給送されることを担保するため、緩衝液ポンプ流量は、原材料ポンプ流量と等価であるか又はそれを超過するように設定される。それに加えて、処理ループに対する原材料ポンプの接続は、緩衝液接続と処理ループとの間に生じる。このようにして、フローを制御するために回動バルブを追加する必要性がなくなる。原材料チャンバーのリンスの後、図2の段階4a〜bに示すように、緩衝液は同じ経路を通り抜けてサイクルを繰り返す。
いくつかの例では、洗浄(希釈段階)前の処理材料及び原材料の体積を低減し、それによって、目標レベルの残留物低減を達成するのに要する時間を潜在的に低減することが望ましい。繰返しの濾過によって(図2のフローチャートの段階5に示すように)、処理材料の体積が低減され、原材料が濃縮される。いくつかの実施形態によれば、細胞の濃縮方法は、処理チャンバーに入る処理材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて、処理チャンバーの質量を一定値に維持する段階を含む。方法のこの例では、処理チャンバーは質量を有し、処理チャンバーの質量は全プロセスの間一定に保たれる。処理チャンバーの目標質量は、処理ループに入って来る流体(又は処理材料の流入束)の質量を、処理ループから出て行く流体(濾過装置の透過流束)の質量と均衡させることによって、一定に保たれてもよい。
濃縮後、細胞は、処理材料で希釈することによって繰返し洗浄される(図2の段階6)。処理チャンバーの質量を一定値で保つため、処理チャンバー内の流体の体積を制御することによって、処理ループに入る処理材料の流入束は濾過装置の透過流束と均衡される。洗浄段階に続いて、原材料は、余分な処理材料を除去することによる繰返しの濾過によって濃縮されてもよい(図2の段階7)。細胞は媒体から採取され、それに続いて回収チャンバーに回収される(図2の段階8)。いくつかの例では、処理チャンバーを備える処理ループは、次に、追加の処理材料を導入することによって濯がれ、次にこの濯がれた材料は回収チャンバーに回収される(図2の段階9a、9b)。細胞採取手順のローディング及び洗浄段階は、処理ループに入る流体フロー(原材料ポンプ及び/又は緩衝液ポンプ流量)並びに処理ループを出る流体フロー(廃棄ポンプ流量)を制御することによって、処理チャンバーの質量を様々な設定点(処理チャンバーの目標質量)に調整することを用いる。
この例における試料のローディング中、処理チャンバー内の液体の質量は、第1の設定点として知られる設定点へと制御される。第1の設定点は処理チャンバーの質量である。一例では、第1の設定点はSP1と仮定される。フィルター透過流束による流体材料の損失は、入って来る処理材料を緩衝液チャンバーから又は原材料を原材料チャンバーから導入することによって補償される。この例では、第1の設定点「SP1」が、処理チャンバー内に存在する流体(細胞及び/又は緩衝液若しくは媒体を含む、即ちそれ以前のリンス又はローディング段階からのもの)の質量よりも大きく、原材料チャンバー内の流体の推定質量が「mp」である場合、したがってこの場合は、SP1>mpである。この例では、原材料チャンバー内に存在する全流体が、細胞を濃縮することなく処理チャンバーに移送されてもよい。(原材料チャンバー内に存在する)原材料の全量が処理チャンバーに移送された場合、処理チャンバー内の既存の流体(例えば、リンスに使用される流体)の質量及び原材料の推定質量は、設定点以下でなければならない。このプロセスは、原材料チャンバーが空になるまで継続し、処理チャンバーの質量は依然として第1の設定点以下である。原材料チャンバーから処理ループに流体を移送するプロセスは、原材料チャンバーに動作可能に接続されたライン上に設置された光センサーが、ライン内に空気が存在することを検出すると完了する。
別の例では、SP1は、処理チャンバー内の流体の開始質量と、原材料チャンバーの原材料の推定質量との合計未満であってもよい。この具体例では、処理チャンバー内の流体の質量がSP1に等しくなるまで、原材料チャンバーからの原材料が処理ループに直接追加されてもよい。原材料チャンバー内の残りの原材料及び処理チャンバー内の流体は濃縮されなければならない。残りの原材料もロードされ、それと同時に処理チャンバーの質量はSP1で維持される。次に、細胞は繰返しの濾過によって濃縮され、その際、原材料チャンバーからの原材料の流入束は濾過装置の透過流束と均衡されて、処理チャンバーの質量がSP1で維持される。
この例では、原材料チャンバーは所望量の緩衝液溶液を用いて濯がれる。処理チャンバーの質量mpが第1の設定点SP1未満であり、原材料チャンバー内に存在する濯がれた(緩衝液)溶液の質量が、SP1とmpとの差分未満である場合、原材料チャンバーを洗い流すのに使用された緩衝液溶液又は媒体全体が、細胞を濃縮することなく処理チャンバーに移送される。リンス段階は複数回繰り返されてもよい。処理チャンバーの質量mpがSP1に等しい例では、処理ループ内の原材料は、一般的に、繰返し濾過しなければならず、やはり原材料チャンバー内のリンス材料の流入束が透過流束と均衡される。
一例では、原材料チャンバーが清浄化され空にされると、処理チャンバー内の流体の質量は、「第2の設定点」と呼ばれる別の設定点までさらに低減されてもよく、その場合、第2の設定点は処理チャンバーの低減された質量であり、例えば第2の設定点がSP2と仮定された場合、SP2<SP1である。処理チャンバーの質量をSP1からSP2に低減するため、処理ループ内の流体材料は繰返しの濾過によって低減され、その際、流体は処理チャンバーからフィルターを通って流れ、処理チャンバーに戻る。この体積調節手順の間、追加材料(緩衝液又は原材料)は追加されない。
緩衝液又は媒体を処理ループに導入し、処理チャンバー及び濾過装置を通して循環させる手順によって、洗浄手順が可能になる。この段階の間、フィルター透過流束は、緩衝液チャンバーから入って来る媒体又は緩衝液のフローと一致させられる。この新しい媒体又は緩衝液は、原材料中の可溶性の残留物を希釈する。原材料中に存在する残留物の全体的な低減は、オペレータによって決定され、例えば100倍である。
一旦洗浄手順が完了すると、処理ループ内の処理材料の体積は、「第3の設定点」SP3として知られる新しい設定点へとその最小体積まで低減されてもよい。この例では、方法全体の間の3つの設定点全ての条件は、SP3<SP2<SP1である。SP1からSP2への質量低減に類似して、処理ループ内の流体材料は、繰返しの濾過によって低減され、その際、流体は処理チャンバーからフィルターを通って流れ、処理チャンバーに戻る。この体積調節手順の間、追加材料(緩衝液又は原材料)は追加されない。
処理材料及び原材料を回収チャンバーに移送する段階は、回動バルブを始動させて、処理材料の送り先を処理ループから回収チャンバーに変更することによって始まる。図1の処理ループポンプ42は、処理チャンバーからフィルターを通して回動バルブ48へと、また回収チャンバー内へと流体を給送するのに使用される。回収段階中の追加の濾過を防ぐため、透過液ポンプ44は停止されてもよい。一旦処理ループが空になると、回動バルブが始動して回収チャンバーを隔離する。処理ループは、緩衝液又は媒体などの処理材料によって濯がれてもよい。このリンス体積は、追加の回収段階に先立って、直接回収されてもよく、或いは濃縮されてもよい。処理ループ及び入出力ラインのネットワークは、1以上のドアを有する閉チャンバーである、ハードウェアシステムに収容されてもよい。原材料チャンバー、緩衝液チャンバー、廃棄チャンバー及び回収チャンバーのうち1以上は、ハードウェアシステムに隣接して存在してもよい。原材料チャンバー、緩衝液チャンバー、廃棄チャンバー及び回収チャンバーからの液体の漏出又は流出を防ぐため、ハードウェアシステムのドアを開放するのに先立って、手動クランプがそれらのチャンバーに取り付けられる。次に、回収チャンバーは使い捨て品の残りの部分から分離され、洗浄され濃縮された回収チャンバーからの細胞は、今後の使用のために貯蔵され保存される。原材料からの余分な媒体、望ましくない粒子及び/又は不純物は排出され、処理ループを通り抜けた後に廃棄チャンバー内へと廃棄される。一例では、処理ループ及び入出力ラインのネットワークを備える使い捨て品は、手順の後に廃棄される。
細胞採取デバイスの処理チャンバーの質量を制御するための方法の1つは、原材料ポンプ又は緩衝液ポンプの速度、原材料ポンプ又は緩衝液ポンプの校正定数及び処理チャンバーの質量の変化率を用いて、透過液ポンプ流量の推定量を作成する段階を含む。方法は、推定量及びフィードバック項を含む制御法則を用いて、原材料ポンプ又は緩衝液ポンプを通る流量を設定する段階をさらに含む。フィードバック項は、処理チャンバーの質量の変化率、設定点及びフィードバック利得を含み、フィードバック利得はゼロよりも大きく、設定点において処理チャンバーの質量は一定である。この例では、採取デバイスは、濾過装置、処理チャンバー、原材料ポンプに動作可能に連結された入出力ラインのネットワーク、緩衝液ポンプ及び透過液ポンプを備える。
図3に示すシステムの質量流量分析は、処理チャンバーの質量を一定に保つために、原材料ポンプを通る質量流量qs(t)は廃棄ポンプの質量流量qw(t)に等しくなければならないことを示しており、方程式は次の通り表すことができる。
しかし、この単純な実現例は、フィルターの透過流束に影響を及ぼす潜在的なフィルター詰まり及び他の現象によって、廃棄ポンプの速度が固定されているときであっても、時間に伴って透過液ポンプ流量の変化がもたらされるという事実によって複雑になる。したがって、廃棄ポンプ流量は、速度を使用して簡単に計算できないことがある。いくつかの実施形態では、ポンプ速度は線速度であってもよく又は回転速度であってもよい。広範囲の原材料体積は広範囲の廃棄物体積を示唆しており、原材料チャンバー及び廃棄チャンバーの質量を直接計測することが非実用的になっている。さらに、瞬間的な原材料ポンプ流量qs(t)は正確に制御されなくてもよく、その代わりに目標流量が設定されてもよい。
これらの制限事項を克服するため、処理チャンバーの質量は、全て既知の定数又は測定された変数である、原材料ポンプ速度ωs(t)、原材料ポンプ校正定数γ及び処理チャンバー流束dmp(t)/dtを使用して、廃棄ポンプ流量を正確に推定するための推定量qWe(t)を作成することによって均衡される。推定された廃棄物流束は、次式によって与えられる。
推定量(式2)の代替実施形態は、廃棄ポンプの校正定数βを廃棄ポンプの速度ωw(t)で乗算したものを使用して、廃棄物流束qWe(t)を推定する段階を含む。それによって次式が与えられる。
或いは、指令された廃棄ポンプ流束qWe(t)=qWdが使用される。
目標瞬間流量qSd(t)は、次の制御法則を用いて、原材料ポンプによって設定される。
式中、mpdは処理チャンバーの質量が保たれる設定点であり、k>0はユーザ設定可能なフィードバック利得である。透過流束のフィードフォワード推定値qWe(t)に加えて、制御法則はフィードバック項−k(mp(t)−mpd)を含む。フィードバック項は、自動化システムの適正動作にとって重要であるが、その理由は、リアルタイムにおいてフィードバック項がシステム及びモデルの不正確さ(例えば、透過流束の推定値が実際の透過流束に正確には合致しないこと、原材料ポンプ流束が目標ポンプ流束を正確には追従しないこと(ポンプ追従誤差)、校正の不正確さ、システム内の電気的及び機械的ノイズ、並びに他の外乱など)によって導入される誤差を考慮して調整するためである。さらに、式2.1による廃棄物流束の推定値はまた、ゼロを含む一定値に設定されてもよい。しかし、(式2.1から)式3に代入されるこれらの代替実施形態を用いて、定常状態のプロセスにおける質量追跡誤差は、十分に大きな利得kで任意に小さくされるべきではない。
コントローラがシステムに対して作用するとき、定常状態のプロセスにおける質量追跡誤差は、次式によって与えられてもよい。
つまり、システム及びモデル内の全ての誤差e(t)の影響は、誤差を容認可能なレベルまで最小限に抑えるのに十分に大きなフィードバック利得kを選ぶことによって、任意に小さくされてもよい。実際上、誤差の影響は大幅に低減されてもよいが、kの極大値及びしたがって設定点における誤差の最大の低減は、アクチュエータ駆動装置の飽和及びセンサーノイズなどであるがそれらに限定されない、理想的でない挙動によって制限される。
細胞採取デバイスの一例は、処理チャンバー及び濾過装置を備える処理ループと、原材料チャンバー、緩衝液チャンバー、廃棄チャンバー及び回収チャンバーの1以上に動作可能に連結された入出力ラインのネットワークと、処理ループの流入束及び透過流束に基づいて、処理チャンバーの質量を目標値に制御するコントローラとを備える。
処理ループは、使い捨てユニットの一部であってもよい、処理チャンバー及び濾過装置を備える。使い捨てユニットは、処理ループと、入力ライン及び/又は出力ライン(本明細書では、「入力ポート及び/又は出力ポート」として交換可能に使用される)のネットワークとを備えてもよい。1以上の例では、使い捨てユニットは単回使用であってもよい。他のいくつかの実施形態では、処理ループ、並びに入口ポート及び/又は出口ポートのネットワークは、全体として、複数回使用されてもよい再使用可能なユニットを形成する。処理ループは、処理ループ内の流体フローの方向を制御する方向制御バルブを備える。いくつかの実施形態では、方向制御バルブは、回動バルブ、回転バルブ、止め栓又はそれらの組合せを含んでもよい。
細胞採取デバイスは、処理チャンバーと、様々な段階のための1以上の追加チャンバーとを備える。細胞採収手順に使用される1以上のチャンバーは、可撓性又は剛性の容器であってもよい。1以上の例では、チャンバーは、シリンダ、瓶、フラスコ、タンク、バッグ又はそれらの組合せである。例えば、処理チャンバーは処理バッグ又はタンクであってもよい。チャンバーは、ストッパ、蓋、若しくは他の手段によって封止されてもよく又は封止可能な開口部を有さずに構築されてもよい。チャンバーは、例えば、ポリマー又はガラスで作られてもよい。チャンバーの1以上は、処理チャンバー、緩衝液チャンバー、原材料チャンバー、廃棄チャンバー及び回収チャンバーを含むが、それらに限定されない。1以上の追加チャンバーはまた、プロセス要件及びユーザのニーズに応じて使用されてもよい。処理チャンバーは、1以上の追加チャンバーに又は1以上のポンプに動作可能に連結された、チューブ若しくはラインのネットワークに接続する1以上の入口及び/又は出口ポートを備える。例えば、入口及び/又は出口ポートは、濾過装置、原材料チャンバー、緩衝液チャンバー又は回収チャンバーに接続される。
1以上の例では、処理チャンバーは原材料の初期試料体積と無関係である。処理チャンバーの体積は、本発明の新規な制御論理にしたがって初期試料体積によって拡大縮小する必要はない。処理チャンバーの幾何学形状は、小さな試料サイズの場合の滞留体積を最小限に抑えるが、大きな試料サイズの場合のより大きな入口ポート及び/又は出口ポートにも対応してもよい。小さな範囲(約0〜2kg)にわたる高感度を備えた単一のロードセルが、広範囲の試料(0.1〜50.0L)に対する処理チャンバーの質量を監視するのに使用される。図4及び5はまた、2つの異なる試料サイズ構成のための流体バッグの形態の、異なる処理チャンバーを示す。バッグの幾何学形状は、小さい及び大きい試料体積の使い捨て品両方に対して同じであってもよい。図4は、高度なプロトタイプと共に現在使用されている低試料体積の処理チャンバー6を示す。このバッグは、使い捨て品のこの部分からの細胞の回収を最大限にすることが意図される、円錐状の尖った出口62を有する。それに加えて、バッグ6は、細胞損失の更なる原因をもたらす可能性がある継ぎ目を排除するように吹込み成形されてもよい。図4に示すバッグの場合、隆起した入口ポート60を通して処理チャンバーに細胞が入り、円錐状区画の底部に位置付けられた出口ポート62を通してバッグから細胞を抽出することによって、少なくとも低試料体積の場合の試料の損失が防止される。
緩衝液チャンバー、原材料チャンバー、廃棄チャンバー及び回収チャンバーを含む追加のチャンバーは、処理チャンバーと類似の構造を有してもよい。チャンバーは全て、無菌状態を保存するために処理中に流体を含有する、封止された使い捨て構成要素であってもよい。「緩衝液チャンバー」は、処理材料、例えば緩衝液溶液又は液体媒体を保持することができるチャンバーである。いくつかの実施形態では、緩衝液チャンバーは緩衝液溶液を保持し、他のいくつかの実施形態では、緩衝液チャンバーはまた、液体媒体を独立して保持してもよい。緩衝液チャンバーは緩衝液流体バッグであってもよい。原材料チャンバー又は緩衝液チャンバーはまた、管内の液体の有無を決定するための光センサーであってもよい1以上の流体センサーとインターフェース接続された、管材料を備えてもよい。緩衝液又は媒体又は原材料の供給は、流体センサーの応答によって判断されてもよい。原材料チャンバーは、媒体中に懸濁している細胞を含む緩衝液チャンバーに類似している。無菌空気のフローは、原材料チャンバー又は緩衝液チャンバーに接続された1以上のチューブに導入されてもよい。回収チャンバーは、細胞採取後の濃縮された細胞の最終生成物を保持する。一例では、処理チャンバーは、Wave(商標)処理チャンバー(GE Healthcare社)とインターフェース接続されてもよい。
システムの1以上の実施形態は、中空繊維フィルターを備えてもよい。フィルターに導入される原材料又は処理材料は入力体積として知られており、濃縮水としてフィルターから出てくる流体又は処理材料は出力体積として知られており、繊維壁から浸出若しくは拡散される流体又は処理材料は透過水として知られている。濾過装置及び濾過装置に連結された1以上の管材料は、試料体積及び処理流量に依存する。中空繊維フィルターは、細胞を媒体から分離するのに用いられる。いくつかの実施形態では、中空繊維フィルターは、約0.1〜1μmの範囲内の細孔径、200〜2000μmの繊維内径及び4〜400本の繊維数を有する。一例では、フィルターは0.65μmの細孔径を有する。中空繊維フィルターの繊維内径は、一般的に、約200〜2500μmの範囲であり又は最大粒径の10倍である。一例では、繊維は750μmの内径を有する。濾過装置の壁の厚さは約20〜200μmの範囲である。
1以上の実施形態では、処理ループの流入束及び透過流束に基づいて、処理チャンバーの質量を目標値に制御するコントローラが存在する。細胞を採取するためのデバイスは、データ回収及びシステム制御のためのシステムを備える。このモジュールは、ポンプモータ及びバルブアクチュエータを制御するための一連のカスタムインターフェースボードに接続される。
広範囲の試料体積が複数の使い捨て品を使用することを要する1以上の例では、かかるシステムは、図1に示すような全体のアーキテクチャを有してもよい。いくつかの実施形態では、入出力ライン(又は管材料若しくはチューブ)のネットワークと、ラインに連結されたチャンバーの1以上とは、試料体積に依存しない。1以上の蠕動ポンプは、入出力ラインのネットワークとインターフェース接続される。ネットワークの入出力ラインはトランスファースパイクで終端してもよく、スパイクは、原材料チャンバー、緩衝液チャンバー、廃棄チャンバー及び回収チャンバーに接続する入出力ラインに埋め込まれる。入力チャンバーを、原材料チャンバー又は緩衝液チャンバーなどの使い捨て品及び廃棄チャンバー又は回収チャンバーなどの出力チャンバーから分離する理由は、様々な試料の体積又は残留物低減係数など、予測される試料及びプロセス条件の範囲による。原材料チャンバー及び緩衝液チャンバーは、ライン中における液体の存在を判断するため、光センサーであってもよい流体センサーとインターフェース接続される管材料の区画を備えてもよい。いくつかの実施形態では、入出力ラインは、流体フローを制御するため、1以上のクランプに動作可能に連結される。いくつかの実施形態では、処理ループは、ループ内の流体フローの方向を制御する、回動バルブを備える。これらのチューブ区画の幾何学形状及び材料は、これらのラインの残りと同じであってもよい。しかし、チューブの光学的性質を推測するには、チューブ内に液体が存在することを識別できるのが必要なことがある。
原材料、緩衝液、廃棄物及び回収チャンバー又はバッグの管材料、並びにそれに関連する構成要素は、全ての試料体積に対して同じであってもよい。この共通性は、チューブ又はライン上に存在する蠕動ポンプを用いて達成される広範囲の流量を使用して可能になり、また、流量が達成可能な範囲内にあることを担保しながらフィルターによって可能になる。しかし、濾過装置及び管材料を含む処理ループは、試料体積と共に拡大又は縮小されてもよい。チューブ直径の増加によって、流体がより高い流量で通過することが可能になるが、最小出力体積に影響を与える滞留体積がより多くなる。細胞の剪断をもたらすフロー制限を最小限に抑えるため、バルブ及び他の任意の接続の内径は、試料体積にも伴って拡大縮小してもよい。手順の間、処理チャンバー内に存在する流体の体積は、プロセス全体を調整する制御法則を実施することにより、初期試料体積には依存しないことがある。制御法則は、フィルターの透過流束を、原材料チャンバー又は緩衝液チャンバーのどちらかから入って来る流体の流入束と均衡させることによって、処理チャンバーの質量を一定に保つ必要性に対処する。
使い捨て品をハードウェアシステムに組み込む際、蠕動ポンプは、図4及び図5に示すように、4つの位置で、廃棄物ループ50、供給ポンプループ52又は処理チャンバーからのループ、原材料ポンプループ54及び緩衝液ポンプループ56などの使い捨て管材料内で係合される。図4及び5はそれぞれ、〜1Lの試料などの低試料体積用に、また〜10Lの試料などの高試料体積用に設計された、使い捨て品のプロトタイプを表す。使い捨て品は、最大範囲内の試料体積に依存しない。例えば、入口60及び出口62を有する図4の処理チャンバーは、1L以下の試料体積に依存せず、別の例では、図5の使い捨て品は、10L以下の試料体積に依存しない。図4及び5に示す使い捨て品は、フィルター及び管材料を備える処理ループの部分(6、52、8、48)が、試料体積に伴って拡大又は縮小されることを示している。ポンプチューブ及びフィルターのユニットは、アセンブリのフレーム58を使用して同一線上の向きで配列される(図4又は5)。このフレームは、使い捨てユニットの設置の間、チューブを蠕動ポンプと、また回動バルブ48をバルブアクチュエータと整列させる。図5の高度なプロトタイプは、採取に求められる高い流量を達成するため、処理チャンバーとフィルターとの間で処理ループに使用されている2つの長さのチューブを示しており、高体積のためのアセンブリのフレーム64が使用されている。
デバイスは、蠕動ポンプ、回動バルブアクチュエータ、処理チャンバーの質量を測定するためのロードセル、光センサー、システムコントローラ及び動力供給源を含む、いくつかのサブシステムから成る。
デバイスの1以上の実施形態は、蠕動ポンプを備える。4つのポンプがフローを送るために独立して制御される。原材料ポンプ40は、原材料チャンバー12との間で、また処理ループとの間で流れを導き、緩衝液ポンプ38は、緩衝液チャンバー10との間で、また処理ループとの間で流れを導き、プロセスループポンプ又はフィルター供給ポンプ42は、処理チャンバー6からフィルター42への流れを導き、廃棄ポンプ44は、図1及び3に示すような、フィルター透過水から廃棄チャンバー14への流体を導く。ポンプモータ、ロータ及びローラは、主アセンブリ上に位置する。ドアの閉止及び係止の際、精密な給送と、ポンプが停止されたときのチューブの信頼性の高い封止を担保するため、ポンプシューとポンプローラとの間で正確なチューブ圧縮が達成される。3.0L/分の高い流量を達成するのに必要な、2つの並列ポンプラインの使用に適応するために、プロセスループポンプローラの幅は他のチャネルの幅よりも広い。ポンプの求められる係合円弧(engagement arc)を制限するため、有効直径64mmの6ローラ式のポンプロータが高度なプロトタイプに使用されてもよい。より小さなローラ径によって、使い捨て品により大きなチューブ区画を組み込むことが必要になり、その結果、滞留体積が増加すると共に、チューブのミスアライメントの可能性が増加する。
デバイスの一実施形態は、1以上の回動バルブアクチュエータを備える。処理ループから回収バッグへと流路方向を変更するため、単一の回動バルブが使用される。バネ式の係合特徴を備えた回転式アクチュエータは、使い捨てユニットをハードウェアシステムに組み込む間に、複数の使い捨て品サイズと関連付けられたバルブと噛合するように設計される。
デバイスのいくつかの実施形態は、プロセスにおけるその要件に応じて、1以上のロードセルを備える。少なくとも一例では、ロードセルセンサーはプロセス制御の主要手段である。このセンサーは、処理チャンバーの質量を連続的に監視し、フィルター透過流束の計算を可能にする。一例では、ロードセルセンサーは、質量2kgまでの処理チャンバーの質量を測定する。
デバイスのいくつかの実施形態は、例えば流体センサーとして使用されてもよい、1以上の光センサーを備える。様々な測定用の他のタイプのセンサーも使用されてもよい。一実施形態では、2つの光センサーが、光学的に透明な原材料及び緩衝液入口チューブ上に位置付けられる。これらのセンサーは、これらのチューブ内に液体が存在することを測定し、原材料バッグ及び緩衝液バッグの状態を判断する。気泡又は連続的な空気流の存在は、光センサーの出力信号の変化をもたらす。これらのラインの状態を判断するのに、閾値に基づく測定が使用される。例えば、センサーは、チューブ内に液体が存在する状態でのみ可能である閾値よりも大きい値を提供してもよく、それによって、センサーはチューブ内に液体が存在することを示す。別の例では、センサーは、チューブ内に液体が存在しない状態における閾値よりも小さい値を提供してもよく、それによって、センサーはチューブ内に液体が存在しないことを示す。光センサーはまた、原材料又は処理材料が存在すること若しくは存在しないことを検出し、管材料が存在しない場合にシステムが始動するのを防ぐのに使用されてもよい。
デバイスはさらに、交流(AC)分布システムであってもよい電源を備える。デバイスは、ポンプモータ、バルブアクチュエータ及び制御電子部品を動作させるのに求められることがある、複数の直流(DC)電源を備えてもよい。電気的サブシステムの配線スキームは、AC分布パネルと、カスタムインターフェースボードに対する多重レベルのDC電力接続と、インターフェースボードとシステムとの間のフレックスケーブル信号接続と、センサーと、スイッチと、前面パネルインターフェース及びプロセス一時停止及び非常停止ボタンに対するインジケータ配線とを備える。それに加えて、各モジュール式駆動装置は、回転エンコーダ(ポンプ若しくは回動バルブのどちらか)を備えた電気モータに配線される。背面パネルは、電源スイッチを備えた標準的な電気的レセプタクルと、システム及びコントローラを遠隔監視するためのイーサネット(登録商標)ポートと、構成要素冷却のためのファンとを収容する。
使い捨てユニット(若しくは使い捨てキット)と、1以上の必要なチャンバー(処理チャンバー、原材料チャンバー、若しくは緩衝液チャンバーなど)は、ハードウェアシステムに収容される。図6は、使い捨てキットと処理システムとの間のインターフェースの特定の特徴を示す。デバイスのセットアップの場合、ユーザは、フレーム58を挿入し、それをガイドピンと整列させることによって、使い捨て品を処理システムに取り込む。フレームは、4つのポンプそれぞれに関して、ポンプ管材料区画がポンプローラと適切に整列されることを担保する。それに加えて、ガイドピンは、使い捨ての回動バルブ構成要素を配置し、回動バルブモータと位置合わせする。2つのスイッチは、使い捨てキットのフレームにあるタブと係合し、それによって使い捨てキット68のタイプ(即ち、小型又は大型)を検出することが可能になる。ソフトウェアによって復号された使い捨てキット64のタイプは、様々な入力パラメータ(例えば、最大処理流量)の規定された適切な範囲であってもよい。ハードウェアシステムのドアは、スイッチ及び飛沫よけ(splash guard)70によって係合される。
使い捨てキットを挿入する間、ユーザは、緩衝液及び原材料管材料を緩衝液材料及び原材料供給チャンバーに、透過及び回収管材料を空のバッグに接続する。一実施形態では、異なるバッグに対する管材料の接続は、キットの一部として供給され、管材料に接続されるトランスファースパイクを使用することによって容易にされてもよい。光センサーは、緩衝液及び原材料管材料と係合される。光センサーは、緩衝液及び原材料チューブが存在し、次にそれらのチューブ内に液体又は空気が存在することを検出するのにプロセス中で使用されるかを検出する。一旦使い捨てキットのフレームが取り込まれると、ユーザは、処理システムのドアを閉止し係止する。ドアラッチノブを4分の1回転させる働きによって、各ラッチがカム面66と係合するが、この場合、カム面は、4分の1回転するラッチ上の回転タブに対して傾いた表面をいう。カム面は支持フレームに食い込む。カムの働きは、ドア(及びポンプシュー)が閉止位置へと係止されるにつれて、チューブの圧縮力を克服するのを支援する。閉止され係止された位置は、ドアラッチが完全係止位置にあるときに作動する、2つのスイッチ(ドアカムラッチそれぞれに1つずつ)を使用して検出される。
ポンプ管材料の係合に加えて、使い捨てキットフレームはまた、回動バルブを、回動バルブモータによって駆動されるバネ式の係合アセンブリと整列させる。バネ式の係合アセンブリは、低体積の使い捨てキットの止め栓及び高体積のボールバルブの両方を適切に係合するように設計される。係合インターフェースは、高体積及び低体積のバルブレバーにおける類似しない設計に適応する。
オペレータは処理チャンバーをロードセルから吊るしてもよい。ソフトウェアは、処理チャンバーの存在を検出し、バッグが適切に配置されるまで動作を防ぐ。ユーザは、使い捨てキットの管材料を外部のバッグ(原材料、緩衝液、廃棄物及び回収)に接続するのが必要なことがある。処理の間、ソフトウェアは、一般的に、緩衝液及び原材料ラインを必要に応じて洗い流し、バッグが空であるかを(ライン内の空気を検出することによって)検出する。処理状態情報は前面のインジケータパネルに表示される。「処理状態情報」は、システムの動作の状態を指し、例えば、システムが細胞を採取する動作の準備ができているときと関連付けられた状態が、前面パネルに示されてもよい。オペレータは、インジケータパネル上の押しボタンスイッチを使用して、プロセスを一時停止し、再開してもよい。現在のプロセスを示すLEDがシステム内に存在し、例えば、LEDは、稼働中、一時停止又は完了という現在の処理状態を示してもよい。いくつかの実施形態では、使い捨てキットのサイズ、ドアの係合状態又はバッグの空状態を示す、追加のLEDも存在してもよい。いくつかの実施形態では、プロセスの準備状態及びソフトウェアの欠陥をチェックするLEDも、前面パネル上に配置されてもよい。前面パネルはまた、別の方法ではソフトウェアによって検出されない深刻な電気的欠陥の場合に、駆動装置に対する電力を分断する低レベル非常停止ボタンを含んでもよい。
1以上の実施形態では、ハードウェアシステムは、高さ0.45m、奥行き0.47m及び幅0.67m以下の寸法、0.14m3の体積で、卓上型又はカート式の操作用に構成される。システム1つ当たりの処理される流体の体積は、溶液タワー又は廃棄物容器の高さに応じて増加してもよい。システムは、研究用途向けの柔軟な動作条件及び臨床用途向けのより限定的なプロトコルを可能にするように設計されてもよい。
細胞の生存度及び活性は、処理中に細胞に掛けられる剪断応力によって影響を受けることがある。5000s-1以下の剪断速度は、細胞の生存度及び活性に対する影響が最小限である。剪断速度は、中空繊維内腔の内径及び式5に基づく体積流量に基づいて計算される。
γwall=(32・Q)/(π・D3) 式5
式中、γwallは最大剪断速度、Qは繊維当たりの流量、Dは繊維の内径である。この式に基づいて、5000s-1の剪断速度は、一般的に、繊維当たり12.4mL/分の流量で、750μmの直径を有する内腔によって達成される。
ユーザの目標残留物低減全体(希釈係数)に応じて、システムは、段階6(図2に示すような)の洗浄段階に必要な緩衝液の所要量を算出する。しかし、先行する段階及び後続の段階の間、プライミング及びリンス体積がシステムに追加されることにより、原材料は緩衝液によって希釈される。したがって、段階6の希釈係数は、この例では、プロセスの他の段階に依存し、ユーザ入力のパラメータに基づいてリアルタイムで算出されてもよい。それに加えて、他の段階で生じる希釈も、この例では、全体体積に依存し、式の求められる変化を支配している。細胞処理方法の様々な段階は図2に示す。
細胞採取装置システムは、移植及び翻訳の研究並びに治療用途の両方で使用されてもよい。試料のサイズ及び組成はこれら全ての制限事項に対して劇的に異なるが、手順は共通である。次のセクションは、1)保存臍帯血試料の濃縮及び洗浄と、2)多量のT細胞培養物の濃縮及び洗浄とを含む、細胞採取方法の2つの非限定的な例について詳述する。
実施例1:保存臍帯血試料の濃縮及び洗浄
有核臍帯血細胞の25mL試料を、細胞採取装置を使用して洗浄した。試料を、保存剤(DMSO)の濃度を100倍に低減し、濃縮係数を1倍にして、25mLの注射可能な媒体に細胞を再懸濁させた。このプロセスは、使い捨てキットの滞留体積と関連付けられた潜在的な細胞損失を最小限に抑えるため、低体積の使い捨て品を用いて行われる。低体積の使い捨て品は、それぞれ50mL/分及び5mL/分という、比較的低い最大処理流量及び最大透過流量に対応する。使い捨て品を最初に洗い流した。次に、第1の設定点(100mL)が原材料体積(25mL)を上回っていたので、原材料バッグの内容物を濃縮することなく処理チャンバーに移送した。プライミング体積に細胞を追加することによって、DMSOを2倍に希釈した。次に、処理チャンバーに直接移送された25mLの体積を2つ用いて原材料バッグを濯いで、更なる2倍の希釈係数を得た。第1の設定点が移送された体積に対して高いので、段階2〜4(図2に示すような)を迅速に行った。段階5は、処理ループ内の材料を、25mLの第2の設定点まで濃縮する。この体積の低減は、細胞の迅速な洗浄を可能にするために重要であった。段階6で、濃縮された細胞中の可溶性の添加剤をさらに10倍に希釈した。段階7で、洗浄された細胞を、10mLの最終設定点まで濃縮し、次に段階8で、回収バッグに移送した。段階9で、処理ループを2回洗浄したが、最終体積を最小限に抑えるために、回収バッグへの移送に先立って、洗い流した材料の体積をリンス毎に7.5mLまで低減した。このリンス体積によって、可溶性の残留物中でさらに2.5倍の希釈がもたらされ、結果として合計で100倍の低減が得られた。この手順に対する合計処理時間は約60分間であった。
実施例2:多量のT細胞培養物の濃縮及び洗浄
培養物からの多量の同種T細胞を、翻訳研究市場のために細胞培養装置を使用して、100倍の濃縮及び100倍の残留物低減のために処理した。処理率を最大限にするため、高体積の使い捨て品をこの用途に使用した。この使い捨て品のより大きなフィルター、管材料及びバルブは、それぞれ3000mL/分及び300mL/分の処理流量及び透過流量に対応した。段階2は使い捨て品を緩衝液で洗い流した。段階3で、連続的な濃縮方法である段階3を使用して、20Lの細胞を原材料バッグから処理ループ内へと濃縮した。原材料体積に対して比較的低い1000mLの第1の設定点は、フィルター透過水を廃棄物に導きながらこの濃縮段階を行うことを要した。この要件によって、実施例1で行われる類似の手順に比べてローディング段階が拡張された。段階4は、原材料容器を限定的に洗い流した。緩衝液の2つの低体積を原材料バッグへと連続的に送り、処理ループ内の総体積の更なる濃縮を要して、1000mLの設定点を維持した。リンス及びリンス体積は3倍の希釈係数をもたらした。段階5で、細胞を500mLの第2の設定点まで濃縮した。この低体積では、処理ループの体積に比べてフィルターの透過率が高いため、洗浄段階は非常に迅速に行われた。段階6は、可溶性の添加剤をさらに16.7倍に希釈した。段階7で、処理ループの体積を、段階8で細胞を回収する前に100mLの第3の設定点まで低減した。段階9で、処理ループを洗い流し、それによってリンス毎に50mLの回収がもたらされ、100倍の合計残留物低減係数に対して組み合わされた2倍の希釈係数が提供された。最終体積は200mLであり、初期試料体積の100分の1未満であった。この手順は約100分間を要した。セットアップ段階1及び除去段階10を含めることは、割り当てられた120分間以内で簡単に達成される。
実施例(実施例1及び2)は同じ段階のシーケンスを行ったが、個々の段階における持続時間は試料に大きく依存した。制御法則によって、修正を伴わずにハードウェアシステムが低体積及び高体積の試料を処理することが可能になるが、高体積の試料に対する比較的低い設定点の要件によって、段階3の持続時間が拡張された。しかし、第2の設定点に関連して高体積の試料で使用される高い処理率によって、段階6の洗浄手順が加速した。残留物低減係数は、一連のプライミング、リンス及び洗浄段階によって提供された。ユーザインターフェースは、技術者がリンス及びリンス体積と合計残留物低減係数を規定することを要し、その結果、残留希釈の所望レベルを達成するのに段階6で求められる洗浄体積の計算が可能になった。
実行された処理段階は、一般的に、所与の入力原材料体積、目標出力体積及び/又は所与の中間設定点に基づく。ソフトウェアの一例は、マルチスレッドの状態機械を実装する。第1のスレッドは主要プロセスワークフロー段階を実装する。第2のスレッドはセンサー及び誤りモニタリングに使用される。ソフトウェアの一例は、オペレータによって次のパラメータが提供されるものと仮定する。原材料体積、処理チャンバーに対するプライミング体積、最大許容可能な流体移送率、フィルター供給率、透過の百分率(フィルター供給率の関数として)、設定点1(段階3に対する)、設定点2(段階4bに対する)、設定点3(段階6に対する)、設定点4(段階7に対する)、原材料バッグのリンス回数、原材料バッグのリンス毎に使用される緩衝液の量、処理チャンバーのリンス回数、処理チャンバーのリンス毎に使用される緩衝液の量、希釈係数、目標最終体積。システムは、使い捨てキットのタイプを検出し、次の使い捨ての値に対するユーザ入力パラメータをチェックする。最小及び最大の許容可能なフィルター供給率、最小及び最大の許容可能な透過百分率、回動バルブと処理チャンバーとの間の区画における滞留体積、処理チャンバーと回動バルブとの間の区画(フィルターループ)における滞留体積、処理チャンバーに対する最小及び最大の許容可能な設定点。使い捨てキット及びユーザ入力パラメータに基づいて、システムは次のパラメータを計算する。推定処理時間、求められる緩衝液の推定量、個々の段階に求められる設定点及び体積。
本発明の特定の特徴についてのみ本明細書に例証し記載してきたが、多くの修正及び変更が当業者には想起されるであろう。したがって、添付の請求項は、かかる修正及び変更の全てを本発明の範囲内にあるものとして包含しようとするものであることを理解されたい。

Claims (17)

  1. 処理チャンバーと濾過装置とを備える処理ループの流体材料から細胞を採取する方法であって、流体材料が体積を有していて、処理チャンバーが全容量を有しており、当該方法が、
    流体材料を処理ループに循環させ、次式の制御法則:
    (式中、qSd(t)は原材料ポンプを通る目標瞬間流量であり、qWe(t)は廃棄ポンプ流量の推定量項であって、(i)原材料ポンプ速度に原材料ポンプ校正定数を乗算したものから処理チャンバー流束を減算したもの、(ii)廃棄ポンプの校正定数に廃棄ポンプ速度を乗算したもの、又は(iii)指令された廃棄ポンプ流束のいずれかを含む推定量項であり、kはフィードバック利得であってk>0であり、mp(t)は処理チャンバー質量の測定値であり、mpdは処理チャンバーの質量が保たれる質量設定点である。)
    を用いて、処理チャンバーに入る流体材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の体積を一定値に維持する段階と、
    処理チャンバーに入る流体材料の流入束に比して濾過装置の透過流束を増加させることによって細胞を濃縮する段階と、
    濃縮された細胞を回収チャンバーに回収する段階と
    を含んでおり、前記流体材料が原材料、処理材料又はそれらの組合せを含んでいて、原材料が総体積を有しており、処理材料が総体積を有する、方法。
  2. 前記原材料が液体媒体又は緩衝液中の細胞を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記原材料の総体積を処理ループにロードする段階をさらに含んでいて、原材料の総体積が処理チャンバーの全容量以下である、請求項1又は請求項記載の方法。
  4. 前記処理チャンバーが、処理チャンバーの全容量以下である目標体積を有していて、原材料を濃縮する段階をさらに含んでおり、原材料の総体積が処理チャンバーの目標体積よりも大きい、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記処理材料を導入し、処理材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の体積を一定値に維持することによって、細胞を洗浄する段階をさらに含む、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記原材料の導入前又は導入後に、前記処理材料を処理ループに導入して処理ループを洗い流す段階をさらに含む、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記濾過装置が、0.1〜1μmの範囲内の細孔径、200〜2000μmの繊維内径及び4〜400本の繊維数を有する中空繊維フィルターである、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記処理ループがさらに原材料チャンバー及び緩衝液チャンバーに連結されていて、原材料チャンバー及び緩衝液チャンバーとの接続部が、管内の液体の有無を決定するための光センサーを備えている、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  9. 原材料チャンバー、緩衝液チャンバー又はその両方に無菌空気を直接又は間接的に導入する段階をさらに含む、請求項記載の方法。
  10. 処理チャンバーと濾過装置とを備える処理ループの流体材料から細胞を採取する方法であって、流体材料が質量を有していて、処理チャンバーが全容量を有しており、当該方法が、
    流体材料を処理ループに循環させ、次式の制御法則:
    (式中、qSd(t)は原材料ポンプを通る目標瞬間流量であり、qWe(t)は廃棄ポンプ流量の推定量項であって、(i)原材料ポンプ速度に原材料ポンプ校正定数を乗算したものから処理チャンバー流束を減算したもの、(ii)廃棄ポンプの校正定数に廃棄ポンプ速度を乗算したもの、又は(iii)指令された廃棄ポンプ流束のいずれかを含む推定量項であり、kはフィードバック利得であってk>0であり、mp(t)は処理チャンバー質量の測定値であり、mpdは処理チャンバーの質量が保たれる質量設定点である。)
    を用いて、処理チャンバーに入る流体材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の質量を一定値に維持する段階と、
    処理チャンバーに入る流体材料の流入束に比して濾過装置の透過流束を増加させることによって細胞を濃縮する段階と、
    濃縮された細胞を回収チャンバーに回収する段階と
    を含んでおり、前記流体材料が原材料、処理材料又はそれらの組合せを含んでいて、原材料が総質量を有しており、処理材料が総質量を有する、方法。
  11. 前記原材料が液体媒体又は緩衝液中の細胞を含んでいて、総質量を有する、請求項10記載の方法。
  12. 前記流体材料を循環させる前に、原材料の総質量を処理ループにロードする段階をさらに含んでいて、原材料の総質量が処理チャンバーの全容量以下である、請求項10又は請求項11記載の方法。
  13. 前記処理チャンバーが、処理チャンバーの全容量以下である目標質量を有していて、原材料を濃縮する段階をさらに含んでおり、原材料の質量が処理チャンバーの目標質量よりも大きい、請求項10乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。
  14. 前記処理材料を導入し、処理材料の流入束を濾過装置の透過流束と均衡させて処理チャンバー内の流体材料の質量を一定値に維持することによって、細胞を洗浄する段階をさらに含む、請求項10乃至請求項13のいずれか1項記載の方法。
  15. 前記原材料の導入前又は導入後に、処理材料を処理ループに導入して処理ループを洗い流す段階をさらに含む、請求項10乃至請求項14のいずれか1項記載の方法。
  16. 濾過装置と、処理チャンバーと、原材料ポンプ、緩衝液ポンプ及び廃棄ポンプに動作可能に連結された入出力ラインのネットワークとを備える細胞採取デバイスの処理チャンバーの質量を制御する方法であって、当該方法が、
    原材料ポンプ又は緩衝液ポンプの速度、原材料ポンプ又は緩衝液ポンプの校正定数及び処理チャンバー流束を用いて、(i)原材料ポンプ又は緩衝液ポンプの速度に原材料ポンプ又は緩衝液ポンプの校正定数を乗算したものから処理チャンバー流束を減算したもの、(ii)廃棄ポンプの校正定数に廃棄ポンプ速度を乗算したもの、又は(iii)指令された廃棄ポンプ流束のいずれかを計算することによって、廃棄ポンプ流量の推定量項を作成する段階と、
    次式の制御法則:
    (式中、qSd(t)は原材料ポンプを通る目標瞬間流量であり、qWe(t)は前記推定量項であり、kはフィードバック利得であってk>0であり、mp(t)は処理チャンバー質量の測定値であり、mpdは処理チャンバーの質量が保たれる質量設定点である。)
    を用いて、原材料ポンプ又は緩衝液ポンプを通る流量を設定する段階と
    を含む、方法。
  17. 前記フィードバック項が、透過流束、原材料ポンプ又は緩衝液ポンプ流束、電気的ノイズ、機械的ノイズ及びそれらの組合せの推定における1以上の誤差を最小限に抑える、請求項16記載の方法。
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